電子データ管理方法、プログラム、および電子データ管理装置
【課題】ユーザが閲覧しただけの電子データであっても容易に検索することを可能とする。
【解決手段】記憶装置に記憶された電子データへの、外部装置からのアクセスを検出すると、前記電子データにアクセスした前記外部装置から、該外部装置が任意の電子データを出力する出力機器についての出力機器情報を取得し、前記出力機器情報に応じた、前記外部装置を使用する第1のユーザと該第1のユーザ以外のユーザとの関係、から、前記出力機器に出力された前記電子データを閲覧した第2のユーザを推定し、前記電子データと、該電子データを閲覧したと推定された第2のユーザを識別する識別情報と、を関連付けた関連情報を生成して記憶装置に記憶する。
【解決手段】記憶装置に記憶された電子データへの、外部装置からのアクセスを検出すると、前記電子データにアクセスした前記外部装置から、該外部装置が任意の電子データを出力する出力機器についての出力機器情報を取得し、前記出力機器情報に応じた、前記外部装置を使用する第1のユーザと該第1のユーザ以外のユーザとの関係、から、前記出力機器に出力された前記電子データを閲覧した第2のユーザを推定し、前記電子データと、該電子データを閲覧したと推定された第2のユーザを識別する識別情報と、を関連付けた関連情報を生成して記憶装置に記憶する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子データを管理する電子データ管理方法、プログラム、および電子データ管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、日々の業務では、作成されたファイルなどの電子データが共有され、再利用されている。例えば、ファイルサーバなどを利用して、会議資料として作成したファイルなどが共有されている。そして、必要に応じて、共有されたファイルの閲覧や閲覧したファイルを利用した新たな資料の作成などが行なわれている。このとき、他人が作成したファイルを再利用するには、ファイルサーバに記憶された多くのファイルから目的のファイルを見つける必要がある。
【0003】
そこで、目的のファイルを見つけやすくするために、ファイル毎にファイルの内容が分かりやすいファイル名を付ける、プロジェクト毎、グループ毎または会議毎にフォルダを作成する、などしてファイルの管理が行なわれている。
【0004】
また、ファイルの作成者または更新者、ファイルの作成日時または更新日時などの情報の他に、キーワードをメタデータとしてファイルに付加し、このメタデータを利用して検索を行なうことで、目的のファイルを見つけやすくすることが行なわれている。
【0005】
上記技術に関連して、端末からのファイルアクセス要求に含まれるユーザ識別子を識別するファイルサーバについて知られている。
また、コンテンツと、コンテンツの属性と、コンテンツを記録したときに周囲にいた人間に関する情報と、を関連付けて記録する記録装置について知られている。
【0006】
また、撮像データにメタデータを付加する場合に、メタデータの絞り込みを行なうことにより、メタデータの撮像データへの付加を簡単に行なうことができる情報付加装置について知られている。
【0007】
また、アクセス履歴から抽出した過去の検索操作情報を利用して、関連情報の検索を容易にする情報検索装置について知られている。この情報検索装置は、アクセス履歴を区切って複数のクラスタを作成する。そして、情報検索装置は、各クラスタに含まれるドキュメントをアクセス頻度によって順位付けして、アクセス頻度の高いものほど有用なものとして画面上に表示する。
【0008】
また、コンテンツ間の関係を表現するコンテキストデータを生成して、生成したコンテキストデータを複数のユーザで共有するコンテキストデータ生成・利用方法について知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平02−004037号公報
【特許文献2】特開2005−110869号公報
【特許文献3】特開2008−270975号公報
【特許文献4】特開平10−011458号公報
【特許文献5】特開2002−251311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本方法は、1つの側面では、所望の電子データの検索を容易にする電子データ管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本方法の1つの観点によれば、本方法は、情報処理装置が行なう方法であって、以下の処理を行なう。
本方法は、記憶装置に記憶された電子データへの、外部装置からのアクセスを検出すると、前記電子データにアクセスした前記外部装置から、該外部装置が任意の電子データを出力する出力機器についての出力機器情報を取得する。
【0012】
また、本方法は、前記出力機器情報に応じた、前記外部装置を使用する第1のユーザと該第1のユーザ以外のユーザとの関係、から、前記出力機器に出力された前記電子データを閲覧した第2のユーザを推定する。
【0013】
また、本方法は、前記電子データと、該電子データを閲覧したと推定された第2のユーザを識別する識別情報と、を関連付けた関連情報を生成して記憶装置に記憶する。
【発明の効果】
【0014】
本方法は、1つの態様では、所望の電子データの検索を容易にする電子データ管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】電子データ管理装置100を説明する図である。
【図2】ファイル管理サーバ210を使用する情報共有システム200の構成例を示す図である。
【図3】出力機器情報300の一例を示す図である。
【図4】他見判定方法テーブル400の一例を示す図である。
【図5】スケジュール情報500の一例を示す図である。
【図6】ファイル管理情報600の一例を示す図である。
【図7】ユーザ位置情報700の一例を示す図である。
【図8】メタデータテーブル800の一例を示す図である。
【図9】ファイル管理サーバ210によるファイル管理処理を示すフローチャートである。
【図10】機器情報1000の例を説明する図である。
【図11】出力機器情報300の生成処理を示すフローチャートである。
【図12】ファイル管理サーバ210の処理の具体例を示す図である。
【図13】ファイル管理サーバ210の処理の具体例を示す図である。
【図14】ファイル管理サーバ210による検索処理を示すフローチャートである。
【図15】ファイル管理サーバ210の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ファイル名、フォルダ名およびメタデータなどを利用してファイルを管理する場合、他人が作成したファイルのファイル名、他人が作成したフォルダのフォルダ名、他人が作成したメタデータには、表現の揺れが生じる。そのため、検索に使用するキーワードとして適切でない場合がある。
【0017】
そこで、ファイル名、フォルダ名およびメタデータの作成は、ある一定の規則にしたがって自動的に行なうことが考えられる。この場合、例えば、メタデータは、ファイル作成時に得られる情報やファイルに直接アクセスしたことで得られる情報などを利用して作成される。しかし、他人が作成したファイル、すなわち、自分が直接アクセスしたことがないファイルに、自分が必要と考えるメタデータを付加することは難しい。
【0018】
例えば、会議中に見た、プロジェクタに映し出された資料を、後で検索できるようにするために、会議中のプロジェクタに映し出された資料のデータそれぞれに、自分が見たことがある資料である旨のメタデータを付加することは難しい。そのため、先月行なわれた何かの会議で「見た」ことがある資料、などといった曖昧な情報に基づいて、所望の資料を見つけ出すことは難しかった。
【0019】
以下、本発明の実施形態の一例について、図1〜図15に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態はあくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図ではない。すなわち、本実施形態は、その趣旨を逸脱しない範囲で、各実施例を組み合わせるなど種々変形して実施することができる。また、図9および図11−図13にフローチャートの形式で示した処理手順は、処理の順番を限定する趣旨ではない。したがって、可能な場合には、処理の順番を入れ替えても良いのは当然である。
【0020】
≪実施例≫
図1は、一実施例に係る電子データ管理装置100を説明する図である。
電子データ管理装置100は、機器情報取得部110と、推定部120と、記憶処理部130と、を備える。そして、機器情報取得部110、推定部120および記憶処理部130は、電子データ管理装置100に備わる図示しないCPU(Central Processing Unit)に所定のプログラム命令を実行させることによって実現することができる。したがって、電子データ管理装置100は、一般的な構成要素を含む情報処理装置を利用して実現してもよい。
【0021】
機器情報取得部110は、記憶装置140に記憶された電子データへの、外部装置150からのアクセスを検出すると、電子データにアクセスした外部装置150から、外部装置150が任意の電子データを出力する出力機器160についての情報を含む出力機器情報を取得する。
【0022】
推定部120は、出力機器情報に応じた、外部装置150を使用する第1のユーザと第1のユーザ以外のユーザとの関係、から、出力機器160に出力された電子データを閲覧した第2のユーザを推定する。例えば、推定部120は、第1のユーザが出力機器160であるプロジェクタに出力した電子データを閲覧した第2のユーザを推定する。
【0023】
なお、推定に使用する、第1のユーザと第1のユーザ以外のユーザとの関係には、第1のユーザと第1のユーザ以外のユーザとの間の距離、第1のユーザの居場所と第1のユーザ以外のユーザの居場所との関係、などを使用することができる。 記憶処理部130は、電子データと、電子データを閲覧したと推定された第2のユーザを識別する第2の識別情報と、を関連付けた関連情報を生成して記憶装置140に記憶する。
【0024】
記憶装置140は、電子データを記憶する記憶装置である。記憶装置140には、例えば、磁気ディスク記憶装置などを使用することができる。
外部装置150は、電子データ管理装置100と、有線または無線を利用して互いに通信可能に接続する装置、例えば、PC(Personal Computer)などである。
【0025】
出力機器160は、例えば、外部装置150に接続されたプロジェクタやスピーカ等のオーディオ機器などである。また、外部装置150にディスプレイが接続されている場合、出力機器160には外部装置150自身を含むことができる。
【0026】
以上に説明したように、電子データ管理装置100は、出力機器情報に応じた、第1のユーザと第1のユーザ以外のユーザとの関係、から、出力機器160に出力された電子データを閲覧した第2のユーザを推定する。そして、電子データ管理装置100は、電子データと、電子データを閲覧したと推定した第2のユーザを識別する識別情報と、を関連付けた関連情報を生成して記憶装置140に記憶する。
【0027】
その結果、関連情報を使用すれば、第2のユーザが閲覧しただけの電子データであっても容易に検索することが可能となる。したがって、電子データ管理装置100によると、所望の電子データの検索を容易にする電子データ管理方法を提供することができる。
【0028】
≪その他の実施例≫
図2は、その他の実施例に係るファイル管理サーバ210を使用する情報共有システム200の構成例を示す図である。
【0029】
情報共有システム200は、ファイル管理サーバ210と、位置管理サーバ220と、スケジューラ230と、を備える。
ファイル管理サーバ210は、電子データ、例えば電子ファイルなどを記憶装置211に記憶し、記憶装置211に記憶した電子データを管理する情報処理装置である。記憶装置211に記憶した電子データは、図6で後述するファイル管理情報600を用いて管理することができる。なお、本実施例では、電子ファイルのことを、単に「ファイル」という。
【0030】
ファイル管理サーバ210は、記憶装置211に記憶した電子データを管理するために、ファイル管理情報600に加えて、ファイル毎にメタデータを含むメタデータテーブル800を使用する。
【0031】
メタデータには、ファイルを閲覧したと推定されるユーザなどに関する情報を含むことができる。メタデータテーブル800については、図8で後述する。
また、ファイル管理サーバ210は、ファイルを閲覧したユーザを推定するために使用する他見判定方法テーブル400を使用する。他見判定方法テーブル400については、図4で後述する。
【0032】
また、ファイル管理サーバ210は、ファイルを記憶する記憶装置211を備える。記憶装置211は、ファイル管理サーバ210内部に備えてもよい。また、ファイル管理サーバ210は、ネットワークを介して、位置管理サーバ220やスケジューラ230と通信可能に接続する。さらに、ファイル管理サーバ210は、ネットワークを介して、PC240と通信可能に接続する。
【0033】
なお、図1では、PC240がファイル管理サーバ210と接続する場合を例示しているが、ファイル管理サーバ210に接続する機器をPC240に限定する趣旨ではない。例えば、ファイル管理サーバ210には、いわゆるスマートフォンや、ネットワーク接続機能を備える携帯端末など様々な機器と通信可能に接続するインタフェースを備えることができる。本実施例では、ファイル管理サーバ210と通信可能に接続する機器を、総じて「ユーザ端末」という。
【0034】
ユーザ端末と、ユーザ端末に接続する出力機器、例えば、プロジェクタ241と、はUPnP(Universal Plug and Play)の規格に準じたプロトコルを利用して互いに通信することができる。また、ユーザ端末は、ユーザ端末に備わる記憶装置に、ユーザ端末を識別するための識別子を含む機器情報1000を記憶する。同様に、ユーザ端末に接続する出力機器は、出力機器に備わる記憶装置に、出力機器を識別するための識別子を含む機器情報1000を記憶する。機器情報1000については、図10で後述する。
【0035】
ユーザ端末は、出力機器から取得した機器情報1000を取得する。そして、ユーザ端末は、自身の機器情報1000と、出力機器から取得した機器情報1000と、から出力機器情報300を生成する。ユーザ端末は、ファイル管理サーバ210からの要求に応じて、出力機器情報300をファイル管理サーバ210に通知する。
【0036】
また、図1では、ファイル管理サーバ210と、位置管理サーバ220、スケジューラ230およびPC240と、が有線により接続している場合を示しているが、無線を利用して接続してもよいのは当然である。
【0037】
位置管理サーバ220は、ユーザ250−270の位置を管理する情報処理装置である。位置管理サーバ220は、ユーザ250−270がそれぞれ携帯する通信端末251−271と、定期的に通信を行なう。そして、位置管理サーバ220は、通信端末251−271から、ユーザ250−270の現在位置を取得する。
【0038】
通信端末251−271は、通信端末251−271をそれぞれ携帯するユーザ250−270に割り当てられたユーザIDを記憶する。そして、通信端末251−271には、それぞれGPS(Global Position System)が含まれる。例えば、通信端末251−271は、定期的にGPSを利用して現在位置を特定する。そして、通信端末251−271は、位置管理サーバ220からの要求に応じて、ユーザIDとともに現在位置を位置管理サーバ220に通知する。
【0039】
なお、通信端末251−271は、WiFi(Wireless Fidelity)やBluetooth(登録商標)などの無線電波の電波強度を測定する測定器を含んでもよい。この場合、通信端末251−271は、1または2以上の中継器から受信する特定の無線電波の電波強度を定期的に測定する。そして、通信端末251−271は、各中継器から受信する特定の無線電波の電波強度とその電波強度が得られる位置との関係をあらかじめ計測した情報を利用して、測定した電波強度に対応する現在位置を特定する。
【0040】
位置管理サーバ220は、取得したユーザ250−270の位置から、図7で後述するユーザ位置情報700を作成する。
なお、図1では、図面を簡単にするために、3人のユーザ250−270が会議室Aにいる場合を例示したが、ユーザの数やユーザの居場所を限定する趣旨ではないのは当然である。
【0041】
スケジューラ230は、ユーザ250−270による入力にしたがって、ユーザ250−270のスケジュール情報500を作成して記憶する情報処理装置である。スケジュール情報500については、図5で後述する。また、スケジューラ230は、ユーザ250−270からの入力にしたがって、スケジュール情報500の内容を更新する。また、スケジューラ230は、ファイル管理サーバ210からの要求に応じて、スケジュール情報500をファイル管理サーバ210に通知する。
【0042】
以上の構成において、ユーザ250が、ファイル管理サーバ210に記憶されているファイルAを、PC240に接続されたプロジェクタ241を使ってスクリーン242に表示する場合の動作を一例として説明する。
【0043】
(1)ユーザ250の所定の操作により、PC240は、ファイル管理サーバ210にアクセスする。PC240からのアクセスを検出すると、ファイル管理サーバ210は、アクセスしてきたユーザが、ファイル管理サーバ210が記憶するファイルにアクセスできる正当なユーザか否かを確認する認証処理を行なう。認証処理により正当なユーザであることが確認されると、PC240は、ファイル管理サーバ210からファイルAを取得する。
【0044】
以下、ファイル管理サーバ210にアクセスしたユーザであって、ファイル管理サーバ210が記憶するファイルにアクセスできる正当なユーザであると確認されたユーザを「アクセスユーザ」という。このアクセスユーザのユーザID(Identification Data)には、認証処理のときにPC240から入力されたユーザIDを使用することができる。
【0045】
(2)ユーザ250が所定の操作を行なうと、PC240は、ファイル管理サーバ210から取得したファイルAをプロジェクタ241に出力する。すると、プロジェクタ241は、スクリーン242にファイルAを表示する。
【0046】
(3)一方、ファイル管理サーバ210は、ファイル管理サーバ210にアクセスしたPC240から出力機器情報300を取得する。出力機器情報300は、ファイル管理サーバ210にアクセスしたユーザ端末、図1の例ではPC240、がファイル管理サーバ210から取得したファイルを出力できる出力先の機器についての情報である。出力機器情報300の具体例については、図3で説明する。
【0047】
(4)出力機器情報300を取得すると、ファイル管理サーバ210は、出力機器情報300で特定される出力機器に表示されるファイルAを閲覧しているユーザを推定するための他見判定方法を、他見判定方法テーブル400から取得する。
【0048】
(5)ファイル管理サーバ210は、スケジューラ230からスケジュール情報500を取得する。そして、ファイル管理サーバ210は、取得したスケジュール情報500を基に、アクセスユーザの現在の居場所を特定する。
【0049】
(6)ファイル管理サーバ210は、位置管理サーバ220からユーザ位置情報700を取得する。そして、ファイル管理サーバ210は、アクセスユーザと他のユーザとの距離を算出する。そして、ファイル管理サーバ210は、算出した距離が他見判定方法で定義された一定範囲内のユーザを抽出する。この抽出したユーザを「近接ユーザ」という。
【0050】
(7)ファイル管理サーバ210は、スケジュール情報500を参照して、アクセスユーザと同じ居場所の近接ユーザを抽出する。この抽出した近接ユーザを「閲覧ユーザ」という。ファイル管理サーバ210は、閲覧ユーザが、アクセスユーザがプロジェクタ241に表示したファイルAを閲覧した推定する。そして、ファイル管理サーバ210は、閲覧ユーザ毎に、「ファイルAを見た」旨の情報を含むメタデータを生成する。そして、ファイル管理サーバ210は、閲覧ユーザと「ファイルAを見た」旨の情報を含むメタデータと、ファイルAと関連付けてメタデータテーブル800に記憶する。
【0051】
なお、図1では、ファイル管理サーバ210と位置管理サーバ220とスケジューラ230とが別々の装置である場合について例示した。しかし、ファイル管理サーバ210は、位置管理サーバ220およびスケジューラ230の一方または両方の機能を含むこともできる。
【0052】
図3は、出力機器情報300の一例を示す図である。ファイル管理サーバ210にアクセスしたユーザ端末、例えば、図2に示したPC240は、ファイル管理サーバ210から出力機器情報300の要求を受けると、出力機器情報300を作成してファイル管理サーバ210に出力する。
【0053】
図3に示す出力機器情報300は、XML(Extensible Markup Language)を利用して作成された出力機器情報300の例である。
出力機器情報300は、<deviceinfo>タグを含む。そして、<deviceinfo>タグには、1または2以上の<device>タグが含まれる。<device>タグの属性typeは、ユーザ端末に含まれる出力機器を表わしている。この出力機器には、ユーザ端末に接続された機器のうちファイルを表示可能な機器、例えば、プロジェクタやスピーカ等のオーディオ機器などを含むことができる。また、ユーザ端末にディスプレイが接続されている場合、出力機器には、ユーザ端末自身を含むことができる。
【0054】
図3に示す出力機器情報300は、出力機器として「プロジェクト」と「PC」が含まれている出力機器情報300の例である。
【0055】
図4は、他見判定方法テーブル400の一例を示す図である。
図4に示す他見判定方法テーブル400は、出力機器毎に、他見判定方法、すなわち、出力機器に表示されるファイルを閲覧していると思われる閲覧ユーザを判定する判定方法を定義する。
【0056】
他見判定方法には、アクセスユーザのスケジュール、ユーザ間距離および近接ユーザのスケジュールを含むことができる。また、アクセスユーザのスケジュールおよび近接ユーザのスケジュールは、予定された居場所で表わすことができる。
【0057】
例えば、図4の例では、出力機器がプロジェクタの場合、アクセスユーザの居場所が会議室Aのとき、アクセスユーザとの距離が20(m)以内の範囲である近接ユーザのうち、居場所が会議室Aのユーザが閲覧ユーザであると定義されている。
【0058】
同様に、出力機器がプロジェクタの場合、アクセスユーザの居場所が会議室Bのとき、アクセスユーザとの距離が5(m)以内の範囲である近接ユーザのうち、居場所が会議室Bのユーザが閲覧ユーザであると定義されている。
【0059】
なお、図4に記載されている「−」は、他見判定の条件に使用しないことを意味している。
例えば、出力機器がプロジェクタの場合、アクセスユーザのスケジュールに関する情報がないとき、アクセスユーザとの距離が5(m)以内の範囲であるユーザが閲覧ユーザであると定義されている。
【0060】
なお、図4に示した他見判定方法テーブル400には、その他、出力機器であるオーディオの出力が一定以上であることを判定条件に追加することができる。ユーザ端末に接続されるオーディオに一定以上の出力がある場合、プレゼンテーションが行なわれていること等が想定できるので、ユーザ端末から一定の範囲内にいるユーザは、そのプレゼンテーションを見ていると推定できるからである。
【0061】
また、図4に示した他見判定方法テーブル400には、その他、スマートフォンなどのユーザ端末や通信端末251−271から得られるユーザ250−270の向きの成す角度が一定値以内であることを判定条件に含むことができる。ユーザ同士が互いに異なる方向を向いている場合、近くにいても同じものを見ていないと推定できるからである。
【0062】
なお、通信端末251−271からユーザ250−270の向きの情報を得る場合、通信端末251−271はジャイロセンサなどの加速度センサを利用して通信端末の向きを検出するようにすればよい。
【0063】
図5は、スケジュール情報500の一例を示す図である。
図5に示すスケジュール情報500は、90分毎に、各ユーザのスケジュールが記憶されている。スケジュールは、例えば、予定された居場所で表わすことができる。
【0064】
例えば、ユーザIDが「0001」のユーザ、ユーザIDが「0002」のユーザおよびユーザIDが「0003」のユーザは、9:30〜11:00に会議室Aにいる予定となっている。また、ユーザIDが「0004」のユーザは、9:30〜11:00に会議室Bにいる予定となっている。
【0065】
図6は、ファイル管理情報600の一例を示す図である。
図6に示すファイル管理情報600は、記憶装置211に記憶されたファイルを識別する識別情報であるファイルIDと、ファイルIDによって識別されるファイルのファイル名と、ファイルを作成したユーザのユーザIDである作成者IDと、を含む情報である。
【0066】
図6のファイル管理情報600には、例えば、ファイルID「00001」のファイルが例示されている。このファイルID「00001」のファイルは、ユーザID「0001」のユーザが作成した、「会議A用.pptx」というファイル名である。
【0067】
図7は、ユーザ位置情報700の一例を示す図である。
図7に示すユーザ位置情報700は、ユーザIDと、そのユーザIDのユーザの現在位置を示す位置情報と、を含む情報である。ユーザの現在位置には、ユーザが携帯する通信端末の現在位置を使用することができる。
【0068】
図7のユーザ位置情報700には、例えば、ユーザID「0001」のユーザの現在位置が例示されている。このユーザ位置情報700によれば、ユーザID「0001」のユーザの現在位置は、(x,y,z)=(15,170,1)であることが分かる。
【0069】
図8は、メタデータテーブル800の一例を示す図である。
図8に示すメタデータテーブル800は、ファイルIDと、そのファイルIDのファイルを閲覧したと推定される閲覧ユーザのユーザIDと、その閲覧ユーザがファイルを閲覧したことを示すメタデータと、を含む情報である。
【0070】
メタデータは、ファイルを閲覧したことを示す「見た」タグを含む。この「見た」タグには、ファイルを閲覧した「日時」、閲覧したファイルが表示されていた「出力機器」、「音声」の有無、ファイルを表示したユーザのユーザIDを示す「表示ユーザ」、ファイルを表示した「場所」など、必要に応じて様々な属性を追加することができる。
【0071】
なお、図8には、「見た」タグに、「日時」、「出力機器」、「音声」、「表示ユーザ」および「場所」が属性として含まれる場合を例示したが、これは例示であって、「見た」タグに含まれる属性を限定する趣旨ではない。
【0072】
図9は、ファイル管理サーバ210によるファイル管理処理を示すフローチャートである。
ファイル管理サーバ210は、有線または無線によるネットワークを介してファイル管理サーバ210と通信可能に接続するユーザ端末からのファイルアクセスを待つ(ステップS901、ステップS902 NO)。
【0073】
ユーザ端末からファイルアクセスを検出すると(ステップS902 YES)、ファイル管理サーバ210は、ユーザ認証を行なう(ステップS903)。このユーザ認証では、例えば、ファイル管理サーバ210がユーザ端末に対して、ユーザIDとパスワードの入力を要求する。そして、ユーザ端末から入力されたユーザIDおよびパスワードが、あらかじめ記憶してあるユーザIDおよびパスワードの一覧の中にあれば、ファイル管理サーバ210は、ユーザ端末から入力されたユーザIDが正当なユーザのユーザIDであると判別する。ファイル管理サーバ210は、ユーザ端末から入力されたユーザIDを、アクセスユーザのユーザIDとして使用する。
【0074】
なお、図示していないが、ステップS903において、ユーザ端末から入力されたユーザIDが正当なユーザのユーザIDでないと判別した場合、ファイル管理サーバ210は、処理をステップS901に移行する。
【0075】
ユーザ端末から入力されたユーザIDが正当なユーザのユーザIDであると判別すると、ファイル管理サーバ210は、処理をステップS904に移行する。
ステップS904において、ファイル管理サーバ210は、ユーザ端末に対して、ファイル管理サーバ210に記憶されるファイルへのアクセスを許可する。すると、ユーザ端末は、ユーザによる所定の操作に応じて、ファイル管理サーバ210に記憶されるファイルを読み出し、読み出したファイルを、ユーザ端末のディスプレイや、ユーザ端末に接続する出力機器、例えば、プロジェクタなどに表示する。
【0076】
ステップS905において、ファイル管理サーバ210は、ユーザ端末から出力機器情報300を取得する。
ステップS906において、ファイル管理サーバ210は、記憶装置211に記憶されている他見判定方法テーブル400を参照する。そして、ファイル管理サーバ210は、ステップS905で取得した出力機器情報300で特定される出力機器に応じた他見判定方法を決定する。なお、図4に示した、プロジェクタに対応する他見判定方法のように、特定の出力機器に対応する複数の他見判定方法が他見判定方法テーブル400に定義されている場合、ファイル管理サーバ210は、アクセスユーザの居場所に応じた他見判定方法を使用する。
【0077】
ステップS907において、ファイル管理サーバ210は、スケジューラ230からスケジュール情報500を取得する。そして、ファイル管理サーバ210は、取得したスケジュール情報500に基づいて、現在時刻のアクセスユーザの居場所を特定する。なお、スケジュール情報500に現在時刻のアクセスユーザの居場所が設定されていない場合、ファイル管理サーバ210は、アクセスユーザのスケジュールが不明(情報なし)と判断する。
【0078】
ステップS908において、ファイル管理サーバ210は、位置管理サーバ220からユーザ位置情報700を取得する。そして、ファイル管理サーバ210は、取得したユーザ位置情報700を使用して、アクセスユーザの位置と他のユーザとの位置との距離を計算する。そして、ファイル管理サーバ210は、計算した距離が、ステップS906で決定された他見判定方法で指定されたユーザ間距離内であるユーザを、近接ユーザとしてユーザ位置情報700から抽出する。
【0079】
ステップS909において、ステップS906で決定した他見判定方法に近接ユーザのスケジュールの指定がある場合(ステップS909 YES)、ファイル管理サーバ210は、処理をステップS910に移行する。この場合、ファイル管理サーバ210は、ステップS907で取得したスケジュール情報500を使用して、ステップS906で決定した他見判定方法で指定される近接ユーザのスケジュールと一致する近接ユーザを抽出する(ステップS910)。そして、ファイル管理サーバ210は、処理をステップS911に移行する。
【0080】
また、ステップS906で決定した他見判定方法に近接ユーザのスケジュールの指定がない場合(ステップS909 NO)、ファイル管理サーバ210は、処理をステップS911に移行する。
【0081】
ステップS911において、ファイル管理サーバ210は、ステップS906で決定した他見判定方法にしたがって他見判定を行ない、ステップS908で特定した近接ユーザから閲覧ユーザを検出する。
【0082】
例えば、ステップS905で取得した出力機器情報300で特定される出力機器がプロジェクタで、ステップS907で特定したアクセスユーザの居場所が会議室Aの場合を考える。この場合、図4に示す他見判定方法テーブル400にしたがうと、ファイル管理サーバ210は、ステップS908において、ユーザ間距離が20m以内の近接ユーザを抽出する。そして、ファイル管理サーバ210は、ステップS908で抽出した近接ユーザのうち、ステップS910で特定した近接ユーザ、すなわち、居場所が会議室Aであるユーザを閲覧ユーザとして検出する。
【0083】
また、例えば、ステップS905で取得した出力機器情報300で特定される出力機器がプロジェクタで、ステップS907でアクセスユーザのスケジュールが不明(情報なし)と判断した場合を考える。この場合、図4に示す他見判定方法テーブル400にしたがうと、ファイル管理サーバ210は、ステップS908において、ユーザ間距離が5m以内の近接ユーザを抽出する。そして、ファイル管理サーバ210は、ステップS908で抽出した近接ユーザを閲覧ユーザとして検出する。
【0084】
また、例えば、ステップS905で取得した出力機器情報300で特定される出力機器がPCである場合を考える。この場合、図4に示す他見判定方法テーブル400にしたがうと、ファイル管理サーバ210は、ステップS908において、ユーザ間距離が2m以内の近接ユーザを抽出する。そして、ファイル管理サーバ210は、ステップS908で抽出した近接ユーザを閲覧ユーザとして検出する。
【0085】
ステップS912において、ファイル管理サーバ210は、ステップS911で検出した閲覧ユーザ毎に、メタデータを作成する。そして、ステップS913において、ファイル管理サーバ210は、閲覧ユーザのユーザIDとメタデータを、閲覧したと推定されるファイルのファイルIDと関連付けてメタデータテーブル800に記憶する。
【0086】
以上の処理が終了すると、ファイル管理サーバ210は、処理をステップS901に移行する。そして、ファイル管理サーバ210は、ステップS901から処理を開始する。
なお、図9で述べたように、本実施例では、位置管理サーバ220は、ファイル管理サーバ210の要求に応じて、ユーザ位置情報700をファイル管理サーバ210に通知する。しかし、位置管理サーバ220が、ファイル管理サーバ210が指定する条件、例えば、特定のユーザIDとのユーザ間距離が一致するユーザのユーザIDを、ユーザ位置情報700から取得してファイル管理サーバ210に通知するようにしてもよい。
【0087】
また、本実施例では、スケジューラ230は、ファイル管理サーバ210の要求に応じて、スケジュール情報500をファイル管理サーバ210に通知する。しかし、スケジューラ230が、ファイル管理サーバ210が指定するユーザIDおよび時刻に一致する居場所を、スケジュール情報500から取得してファイル管理サーバ210に通知するようにしてもよい。また、スケジューラ230が、ファイル管理サーバ210が指定する居場所および時刻に一致するユーザのユーザIDを、スケジュール情報500から取得してファイル管理サーバ210に通知するようにしてもよい。
【0088】
図10は、ユーザ端末およびユーザ端末に接続する出力機器が記憶する機器情報1000の例を説明する図である。機器情報1000には、UPnPの規格で規定されているDevice Descriptionを利用することができる。
【0089】
本実施例では、機器情報1000として、ユーザ端末やユーザ端末に接続する出力機器に応じた識別子を定義する<htip:X_DeviceCategory>タグを設定したDevice Descriptionを使用する。
【0090】
図10には、プロジェクタが記憶する機器情報1000であるDevice Descriptionの例を示している。
図10に示すDevice Descriptionでは、<htip:X_DeviceCategory>タグによって「projector」が定義されている。「projector」は、プロジェクタを表わす識別子の例である。ただし、「projector」はプロジェクタを表わす識別子の一例であって、プロジェクタを表わす識別子を、「projector」に限定する趣旨ではない。ユーザ端末やユーザ端末に接続する出力機器の識別子は、必要に応じて任意の文字列等で定義することができる。
【0091】
図11は、ユーザ端末による出力機器情報300の生成処理を示すフローチャートである。
本実施例では、ユーザ端末−出力機器間の通信には、UPnPの規格を利用する。したがって、図11には、UPnPの規格を利用した、ユーザ端末−出力機器間の通信のうち、本実施例で利用する部分の処理だけを示す。
【0092】
ステップS1101において、ユーザ端末は、ユーザ端末に備わる記憶装置にあらかじめ記憶された機器情報(Device Description)を読み出す。
ユーザ端末に出力機器が接続されている場合(ステップS1102 YES)、ユーザ端末は、処理をステップS1103に移行する。この場合、ユーザ端末は、出力機器から機器情報1000を取得する(ステップS1103)。
【0093】
ステップS1104において、ユーザ端末は、ステップS1101およびステップS1103で取得した機器情報1000から、出力機器情報300を生成する。この場合、ユーザ端末は、ステップS1101およびステップS1103で取得した機器情報1000から、<htip:X_DeviceCategory>タグで定義される識別子を取得する。そして、ユーザ端末は、<htip:X_DeviceCategory>タグで定義される識別子を属性typeとする<device>タグを含む出力機器情報300を生成する。
【0094】
出力機器情報300を生成すると、ユーザ端末は、生成した出力機器情報300を、ユーザ端末に備わる記憶装置に記憶する。そして、ユーザ端末は、出力機器情報300の生成処理を終了する(ステップS1105)。
【0095】
図12および図13は、ファイル管理サーバ210の処理の具体例を示す図である。
図12は、ユーザID「0001」のユーザが、ファイル管理サーバ210に記憶されているファイルAを、PC240に接続されたプロジェクタ241を使ってスクリーン242に表示する場合の処理を説明する図である。なお、図12に記載のステップS905−S908およびステップS910−S913は、図9に示したステップS905−S908およびステップS910−S913に対応する処理であることを示す。ただし、図12に記載のステップS905−S908およびステップS910−S913は、図9に示したステップS905−S908およびステップS910−S913を限定する趣旨ではない。
【0096】
ステップS905において、ファイル管理サーバ210は、PC240から出力機器情報300を取得する。PC240には、プロジェクタが接続されているので、ファイル管理サーバ210は、PC240から、例えば、図3に示した出力機器情報300を取得する。
【0097】
なお、図3のように、出力機器情報300にプロジェクタとPCの2つの属性typeが含まれる場合、ファイル管理サーバ210は、出力機器情報300によって特定される出力機器がプロジェクタであると判断する。出力機器情報300に複数の属性typeが含まれる場合、あらかじめ決められた優先順位にしたがって出力機器の判断をすればよい。
【0098】
ステップS906において、ファイル管理サーバ210は、記憶装置211に記憶された他見判定方法テーブル400を参照する。そして、ファイル管理サーバ210は、プロジェクタに対応する他見判定方法を決定する。
【0099】
なお、図4に示した他見判定方法テーブル400には、プロジェクタに対応する他見判定方法が複数含まれる。この場合、ファイル管理サーバ210は、アクセスユーザの居場所に応じた他見判定方法を使用する。
【0100】
ステップS907において、ファイル管理サーバ210は、スケジューラ230から、現在時刻のスケジュール情報500を取得する。そして、ファイル管理サーバ210は、スケジュール情報500からアクセスユーザのスケジュールを取得する。
【0101】
本実施例では現在時刻を10:00とする。この場合、ファイル管理サーバ210は、図5に示したスケジュール情報500から、ユーザIDが「0001」であるアクセスユーザのスケジュール、すなわち、「会議室A」を取得することができる。この場合、プロジェクタに対応する他見判定方法は、図4の他見判定方法テーブル400の一番上の判定条件、すなわち、ユーザ間距離が20m以内、かつ、スケジュールが「会議室A」の近接ユーザであるという判定条件を使用した判定方法となる。
【0102】
ステップS908において、ファイル管理サーバ210は、位置管理サーバ220から、ユーザ位置情報700を取得して、アクセスユーザとの距離が20m以内の近接ユーザを抽出する。
【0103】
例えば、図7に示したユーザ位置情報700の場合、アクセスユーザであるユーザID「0001」のユーザと20m以内の近接ユーザは、ユーザID「0002」、「0003」および「0004」のユーザとなる。
【0104】
ステップS910において、ファイル管理サーバ210は、ステップS907で取得したスケジュール情報500から、ステップS908で抽出した近接ユーザのうち、現在時刻のスケジュールが「会議室A」のユーザを特定する。
【0105】
例えば、図5に示したスケジュール情報500の場合、ファイル管理サーバ210は、現在時刻のスケジュールが「会議室A」となっている近接ユーザとして、ユーザID「0002」および「0003」のユーザを特定する。
【0106】
ステップS911において、ファイル管理サーバ210は、ステップS908およびS910の結果から、ユーザID「0002」および「0003」の近接ユーザが閲覧ユーザであると推定する。
【0107】
ステップS912において、ファイル管理サーバ210は、ユーザID「0002」および「0003」の閲覧ユーザのメタデータを作成する。そして、ステップS913において、ファイル管理サーバ210は、閲覧ユーザのユーザIDとメタデータを、閲覧したと推定されるファイルのファイルIDと関連付けてメタデータテーブル800に記憶する。
【0108】
図13は、ユーザID「0001」のユーザが、ファイル管理サーバ210に記憶されているファイルAを、出力機器が何も接続されていないPC240に表示する場合の処理を説明する図である。なお、図13に記載のステップS905−S906、ステップS908およびステップS911−S913は、図9に示したステップS905−S906、ステップS908およびステップS911−S913に対応する処理であることを示す。ただし、図13に記載のステップS905−S906、ステップS908およびステップS911−S913は、図9に示したステップS905−S906、ステップS908およびステップS911−S913を限定する趣旨ではない。
【0109】
ステップS905において、ファイル管理サーバ210は、PC240から出力機器情報300を取得する。PC240には出力機器が何も接続されていないので、ファイル管理サーバ210は、PC240から、属性typeに「PC」のみが含まれる出力機器情報300を取得する。
【0110】
ステップS906において、ファイル管理サーバ210は、記憶装置211に記憶された他見判定方法テーブル400を参照する。そして、ファイル管理サーバ210は、PCに対応する他見判定方法を決定する。例えば、PCに対応する他見判定方法は、図4に示した他見判定方法テーブル400を使用する場合、上から4番目の判定条件、すなわち、ユーザ間距離が2m以内の近接ユーザであるという判定条件を使用した判定方法となる。
【0111】
ステップS908において、ファイル管理サーバ210は、位置管理サーバ220から、ユーザ位置情報700を取得して、アクセスユーザとの距離が2m以内の近接ユーザを抽出する。
【0112】
例えば、図7に示したユーザ位置情報700の場合、アクセスユーザであるユーザID「0001」のユーザと2m以内の近接ユーザは、ユーザID「0002」のユーザとなる。
【0113】
ステップS911において、ファイル管理サーバ210は、ステップS908の結果から、ユーザID「0002」の近接ユーザが閲覧ユーザであると推定する。
ステップS912において、ファイル管理サーバ210は、ユーザID「0002」の近接ユーザのメタデータを作成する。そして、ステップS913において、ファイル管理サーバ210は、閲覧ユーザのユーザIDとメタデータを、閲覧したと推定されるファイルのファイルIDと関連付けてメタデータテーブル800に記憶する。
【0114】
図14は、ファイル管理サーバ210による検索処理を示すフローチャートである。
ファイル管理サーバ210は、有線または無線によるネットワークを介してファイル管理サーバ210と通信可能に接続するユーザ端末からのアクセスを待つ(ステップS1401 NO)。
【0115】
ユーザ端末からアクセスを検出すると(ステップS1401 YES)、ファイル管理サーバ210は、ユーザ認証を行なう(ステップS1402)。このステップS1402の処理では、図9に示したステップS903と同様の処理が行なわれる。ただし、一定期間内に既にステップS1402の処理が行なわれている場合、ステップS1402の処理は省略してもよい。
【0116】
ステップS1403において、ファイル管理サーバ210は、ユーザ端末から入力されるキーワードを取得する。このキーワードでは、例えば、ファイルを閲覧した日時、閲覧したファイルが表示されていた出力機器、閲覧したファイルを表示したユーザのユーザID、ファイルを閲覧した場所などを指定することができる。
【0117】
ステップS1404において、ファイル管理サーバ210は、メタデータテーブル800から、ステップS1402で取得したユーザIDと一致するユーザIDの閲覧ユーザのメタデータを1つ読み出す。
【0118】
ステップS1404で読み出したメタデータに、ステップS1403で取得したキーワードが含まれる場合(ステップS1405 YES)、ファイル管理サーバ210は、処理をステップS1406に移行する。この場合、ファイル管理サーバ210は、ステップS1404で読み出したメタデータに対応するファイルIDのファイル名を検索結果一覧に登録する。そして、ファイル管理サーバ210は、処理をステップS1407に移行する。
【0119】
ステップS1404で読み出したメタデータに、ステップS1403で取得したキーワードが含まれない場合(ステップS1405 NO)、ファイル管理サーバ210は、処理をステップS1407に移行する。
【0120】
メタデータテーブル800に、ステップS1402で取得したユーザIDと一致するユーザIDの閲覧ユーザのメタデータの中に、また読み出してないメタデータがある場合(ステップS1407 NO)、ファイル管理サーバ210は、処理をステップS1404に移行する。
【0121】
メタデータテーブル800に、ステップS1402で取得したユーザIDと一致するユーザIDの閲覧ユーザのメタデータの全てを読み出した場合(ステップS1407 YES)、ファイル管理サーバ210は、処理をステップS1408に移行する。この場合、ファイル管理サーバ210は、検索結果一覧を、ステップS1402でユーザ認証したユーザ端末に出力する。
【0122】
以上の処理が終了すると、ファイル管理サーバ210は、検索処理を終了する(ステップS1409)。
なお、ステップS1403において、キーワードとして、単に「見た」と指定することもできる。このキーワード「見た」は、過去に閲覧した全てのファイルを検索対象とすることを意味する。この場合、ファイル管理サーバ210が、ステップS1404の処理が完了したら、ステップS1405を省略してステップS1406に移行するようにすればよい。
【0123】
その結果、ステップS1406の処理によって、検索結果一覧には、ステップS1402で取得したユーザIDと一致するユーザIDのユーザが過去に閲覧した全てのファイルの一覧が登録される。そして、検索結果一覧は、ステップS1402でユーザ認証したユーザ端末に出力される(ステップS1408)。
【0124】
図15は、ファイル管理サーバ210の構成例を示す図である。
ファイル管理サーバ210は、CPU1501と、メモリ1502と、入力装置1503と、出力装置1504と、外部記憶装置1505と、媒体駆動装置1506と、ネットワーク接続装置1508と、を備える。そして、これらの装置がバスに接続されて相互にデータの受け渡しが行なえる構成となっている。
【0125】
CPU1501は、周辺機器や各種ソフトウェアを実行する他に、図9、図11および図14などに示した本実施例に係るファイル管理を実現するためのプログラムを実行する演算装置である。
【0126】
メモリ1502は、プログラムを実行するために使用される揮発性の記憶装置である。メモリ1502には、例えば、RAM(Random Access Memory)などを使用することができる。
【0127】
入力装置1503は、外部からのデータ入力手段である。入力装置1503には、例えば、キーボードやマウスなどを使用することができる。
出力装置1504は、データ等を表示装置等に出力する装置である。なお、出力装置1504には、表示装置を含むこともできる。
【0128】
外部記憶装置1505は、ファイル管理サーバ210が動作するために必要なプログラムやデータ、本実施例に係るファイル管理を実現するプログラム、他見判定方法テーブル400、スケジュール情報500およびメタデータテーブル800などを記憶する記憶装置である。外部記憶装置1505には、例えば、磁気ディスク記憶装置などを使用することができる。なお、外部記憶装置1505として、記憶装置211を利用してもよい。
【0129】
媒体駆動装置1506は、メモリ1502や外部記憶装置1505のデータを可搬記憶媒体1507、例えば、フロッピイディスクやMOディスク、CD−RやDVD−Rなどに出力し、または可搬記憶媒体1507からプログラムやデータ等を読み出す装置である。
【0130】
ネットワーク接続装置1508は、ネットワーク1509に接続する装置である。
なお、図15に示した構成は、ファイル管理サーバ210の一例である。したがって、図15に示した構成にファイル管理サーバ210を限定する趣旨ではない。ファイル管理サーバ210は、必要に応じて、図15に示した構成要素から不要な構成要素を省略し、または、図15に示されていない新たな構成要素を追加することができる。また、メモリ1502、外部記憶装置1505および可搬記憶媒体1507などの情報処理装置に読取り可能な記憶媒体には、非一時的(non−transitory)な媒体を使用することができる。
【0131】
以上に説明したように、ファイル管理サーバ210は、決定した他見判定方法にしたがって、アクセスユーザと近接ユーザとの位置関係、例えば、ユーザ間距離などから、出力機器情報300で特定される出力機器に出力されたファイルを閲覧した閲覧ユーザを推定する。そして、ファイル管理サーバ210は、閲覧ユーザのユーザIDとメタデータを、閲覧したと推定されるファイルのファイルIDと関連付けてメタデータテーブル800に記憶する。
【0132】
メタデータテーブル800を使用することで、例えば、閲覧の有無、閲覧した日時、閲覧したファイルが表示されていた出力機器、閲覧したファイルを表示したユーザのユーザID、閲覧した場所などの条件でファイルを容易に検索することが可能となる。
【0133】
すなわち、記憶装置211から読み出されてユーザ端末やユーザ端末に接続する出力機器によって表示されたファイルを単に閲覧しただけで、閲覧したユーザは、その後、閲覧したファイルを容易に検索することが可能となる。
【0134】
また、記憶装置211から読み出されてユーザ端末やユーザ端末に接続する出力機器によって表示されたファイルを単に閲覧しただけで、例えば、閲覧の有無、閲覧した日時など、曖昧な記憶を基に、所望のファイルを容易に検索することが可能となる。
【0135】
以上のように、ファイル管理サーバ210によると、所望のファイルの検索を容易にすることが可能となる。
【0136】
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
記憶装置に記憶された電子データへの、外部装置からのアクセスを検出すると、前記電子データにアクセスした前記外部装置から、該外部装置が任意の電子データを出力する出力機器についての出力機器情報を取得し、
前記出力機器情報に応じた、前記外部装置を使用する第1のユーザと該第1のユーザ
以外のユーザとの関係、から、前記出力機器に出力された前記電子データを閲覧した第2のユーザを推定し、
前記電子データと、該電子データを閲覧したと推定された第2のユーザを識別する識別情報と、を関連付けた関連情報を生成して記憶装置に記憶する、
処理を情報処理装置が行なう電子データ管理方法。
(付記2)
前記出力機器情報毎に、前記第1のユーザと、該第1のユーザから一定範囲内に位置する、前記第1のユーザ以外のユーザと、がともに前記電子データを閲覧すると推定される位置関係を定めた推定条件にしたがって、前記出力機器に出力された前記電子データを閲覧した第2のユーザを推定する、
ことを特徴とする付記1に記載の電子データ管理方法。
(付記3)
前記関連情報に含まれる前記識別情報のうち、任意のユーザである第3のユーザを識別する識別情報と一致する識別情報を検索し、該検索して得られる識別情報と関連付けられた電子データについての情報を出力する、
処理をさらに前記情報処理装置が行なう付記1に記載の電子データ管理方法。
(付記4)
前記位置関係には、前記第1のユーザの居場所と、前記第1のユーザの居場所に対応する前記第2のユーザの居場所と、との関係が含まれる、
ことを特徴とする付記2に記載の電子データ管理方法。
(付記5)
前記位置関係には、前記第1のユーザと前記第2のユーザとの距離が含まれる、
ことを特徴とする付記2に記載の電子データ管理方法。
(付記6)
前記位置関係には、前記第1のユーザの居場所と前記第1のユーザの居場所に対応する前記第2のユーザの居場所との関係と、前記第1のユーザと前記第2のユーザとの距離と、が含まれる、
ことを特徴とする付記2に記載の電子データ管理方法。
(付記7)
前記関連情報は、前記電子データと、前記第1のユーザを識別する識別情報と、前記第2のユーザを識別する識別情報と、を関連付けた情報である、
ことを特徴とする付記1に記載の電子データ管理方法。
(付記8)
前記関連情報には、第2のユーザが前記電子データを閲覧したと推定される日時、場所、前記電子データが出力された出力機器、および前記電子データが出力された出力機器への音声の出力の有無、のうち少なくとも1つが含まれる、
ことを特徴とする付記1に記載の電子データ管理方法。
(付記9)
記憶装置に記憶された電子データへの、外部装置からのアクセスを検出すると、前記電子データにアクセスした前記外部装置から、該外部装置が任意の電子データを出力する出力機器についての出力機器情報を取得し、
前記出力機器情報に応じた、前記外部装置を使用する第1のユーザと該第1のユーザ以外のユーザとの関係、から、前記出力機器に出力された前記電子データを閲覧した第2のユーザを推定し、
前記電子データと、該電子データを閲覧したと推定された第2のユーザを識別する識別情報と、を関連付けた関連情報を生成して前記記憶装置に記憶する、
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
(付記10)
記憶装置に記憶された電子データへの、外部装置からのアクセスを検出すると、前記電子データにアクセスした前記外部装置から、該外部装置が任意の電子データを出力する出力機器についての出力機器情報を取得する機器情報取得部と、
前記出力機器情報に応じた、前記外部装置を使用する第1のユーザと該第1のユーザ以外のユーザとの関係、から、前記出力機器に出力された前記電子データを閲覧した第2のユーザを推定する推定部と、
前記電子データと、該電子データを閲覧したと推定された第2のユーザを識別する識別情報と、を関連付けた関連情報を生成して前記記憶装置に記憶する記憶処理部と、
を備える電子データ管理装置。
【符号の説明】
【0137】
100 電子データ管理装置
110 機器情報取得部
120 推定部
130 記憶処理部
140 記憶部
150 外部装置
160 出力機器
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子データを管理する電子データ管理方法、プログラム、および電子データ管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、日々の業務では、作成されたファイルなどの電子データが共有され、再利用されている。例えば、ファイルサーバなどを利用して、会議資料として作成したファイルなどが共有されている。そして、必要に応じて、共有されたファイルの閲覧や閲覧したファイルを利用した新たな資料の作成などが行なわれている。このとき、他人が作成したファイルを再利用するには、ファイルサーバに記憶された多くのファイルから目的のファイルを見つける必要がある。
【0003】
そこで、目的のファイルを見つけやすくするために、ファイル毎にファイルの内容が分かりやすいファイル名を付ける、プロジェクト毎、グループ毎または会議毎にフォルダを作成する、などしてファイルの管理が行なわれている。
【0004】
また、ファイルの作成者または更新者、ファイルの作成日時または更新日時などの情報の他に、キーワードをメタデータとしてファイルに付加し、このメタデータを利用して検索を行なうことで、目的のファイルを見つけやすくすることが行なわれている。
【0005】
上記技術に関連して、端末からのファイルアクセス要求に含まれるユーザ識別子を識別するファイルサーバについて知られている。
また、コンテンツと、コンテンツの属性と、コンテンツを記録したときに周囲にいた人間に関する情報と、を関連付けて記録する記録装置について知られている。
【0006】
また、撮像データにメタデータを付加する場合に、メタデータの絞り込みを行なうことにより、メタデータの撮像データへの付加を簡単に行なうことができる情報付加装置について知られている。
【0007】
また、アクセス履歴から抽出した過去の検索操作情報を利用して、関連情報の検索を容易にする情報検索装置について知られている。この情報検索装置は、アクセス履歴を区切って複数のクラスタを作成する。そして、情報検索装置は、各クラスタに含まれるドキュメントをアクセス頻度によって順位付けして、アクセス頻度の高いものほど有用なものとして画面上に表示する。
【0008】
また、コンテンツ間の関係を表現するコンテキストデータを生成して、生成したコンテキストデータを複数のユーザで共有するコンテキストデータ生成・利用方法について知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平02−004037号公報
【特許文献2】特開2005−110869号公報
【特許文献3】特開2008−270975号公報
【特許文献4】特開平10−011458号公報
【特許文献5】特開2002−251311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本方法は、1つの側面では、所望の電子データの検索を容易にする電子データ管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本方法の1つの観点によれば、本方法は、情報処理装置が行なう方法であって、以下の処理を行なう。
本方法は、記憶装置に記憶された電子データへの、外部装置からのアクセスを検出すると、前記電子データにアクセスした前記外部装置から、該外部装置が任意の電子データを出力する出力機器についての出力機器情報を取得する。
【0012】
また、本方法は、前記出力機器情報に応じた、前記外部装置を使用する第1のユーザと該第1のユーザ以外のユーザとの関係、から、前記出力機器に出力された前記電子データを閲覧した第2のユーザを推定する。
【0013】
また、本方法は、前記電子データと、該電子データを閲覧したと推定された第2のユーザを識別する識別情報と、を関連付けた関連情報を生成して記憶装置に記憶する。
【発明の効果】
【0014】
本方法は、1つの態様では、所望の電子データの検索を容易にする電子データ管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】電子データ管理装置100を説明する図である。
【図2】ファイル管理サーバ210を使用する情報共有システム200の構成例を示す図である。
【図3】出力機器情報300の一例を示す図である。
【図4】他見判定方法テーブル400の一例を示す図である。
【図5】スケジュール情報500の一例を示す図である。
【図6】ファイル管理情報600の一例を示す図である。
【図7】ユーザ位置情報700の一例を示す図である。
【図8】メタデータテーブル800の一例を示す図である。
【図9】ファイル管理サーバ210によるファイル管理処理を示すフローチャートである。
【図10】機器情報1000の例を説明する図である。
【図11】出力機器情報300の生成処理を示すフローチャートである。
【図12】ファイル管理サーバ210の処理の具体例を示す図である。
【図13】ファイル管理サーバ210の処理の具体例を示す図である。
【図14】ファイル管理サーバ210による検索処理を示すフローチャートである。
【図15】ファイル管理サーバ210の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ファイル名、フォルダ名およびメタデータなどを利用してファイルを管理する場合、他人が作成したファイルのファイル名、他人が作成したフォルダのフォルダ名、他人が作成したメタデータには、表現の揺れが生じる。そのため、検索に使用するキーワードとして適切でない場合がある。
【0017】
そこで、ファイル名、フォルダ名およびメタデータの作成は、ある一定の規則にしたがって自動的に行なうことが考えられる。この場合、例えば、メタデータは、ファイル作成時に得られる情報やファイルに直接アクセスしたことで得られる情報などを利用して作成される。しかし、他人が作成したファイル、すなわち、自分が直接アクセスしたことがないファイルに、自分が必要と考えるメタデータを付加することは難しい。
【0018】
例えば、会議中に見た、プロジェクタに映し出された資料を、後で検索できるようにするために、会議中のプロジェクタに映し出された資料のデータそれぞれに、自分が見たことがある資料である旨のメタデータを付加することは難しい。そのため、先月行なわれた何かの会議で「見た」ことがある資料、などといった曖昧な情報に基づいて、所望の資料を見つけ出すことは難しかった。
【0019】
以下、本発明の実施形態の一例について、図1〜図15に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態はあくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図ではない。すなわち、本実施形態は、その趣旨を逸脱しない範囲で、各実施例を組み合わせるなど種々変形して実施することができる。また、図9および図11−図13にフローチャートの形式で示した処理手順は、処理の順番を限定する趣旨ではない。したがって、可能な場合には、処理の順番を入れ替えても良いのは当然である。
【0020】
≪実施例≫
図1は、一実施例に係る電子データ管理装置100を説明する図である。
電子データ管理装置100は、機器情報取得部110と、推定部120と、記憶処理部130と、を備える。そして、機器情報取得部110、推定部120および記憶処理部130は、電子データ管理装置100に備わる図示しないCPU(Central Processing Unit)に所定のプログラム命令を実行させることによって実現することができる。したがって、電子データ管理装置100は、一般的な構成要素を含む情報処理装置を利用して実現してもよい。
【0021】
機器情報取得部110は、記憶装置140に記憶された電子データへの、外部装置150からのアクセスを検出すると、電子データにアクセスした外部装置150から、外部装置150が任意の電子データを出力する出力機器160についての情報を含む出力機器情報を取得する。
【0022】
推定部120は、出力機器情報に応じた、外部装置150を使用する第1のユーザと第1のユーザ以外のユーザとの関係、から、出力機器160に出力された電子データを閲覧した第2のユーザを推定する。例えば、推定部120は、第1のユーザが出力機器160であるプロジェクタに出力した電子データを閲覧した第2のユーザを推定する。
【0023】
なお、推定に使用する、第1のユーザと第1のユーザ以外のユーザとの関係には、第1のユーザと第1のユーザ以外のユーザとの間の距離、第1のユーザの居場所と第1のユーザ以外のユーザの居場所との関係、などを使用することができる。 記憶処理部130は、電子データと、電子データを閲覧したと推定された第2のユーザを識別する第2の識別情報と、を関連付けた関連情報を生成して記憶装置140に記憶する。
【0024】
記憶装置140は、電子データを記憶する記憶装置である。記憶装置140には、例えば、磁気ディスク記憶装置などを使用することができる。
外部装置150は、電子データ管理装置100と、有線または無線を利用して互いに通信可能に接続する装置、例えば、PC(Personal Computer)などである。
【0025】
出力機器160は、例えば、外部装置150に接続されたプロジェクタやスピーカ等のオーディオ機器などである。また、外部装置150にディスプレイが接続されている場合、出力機器160には外部装置150自身を含むことができる。
【0026】
以上に説明したように、電子データ管理装置100は、出力機器情報に応じた、第1のユーザと第1のユーザ以外のユーザとの関係、から、出力機器160に出力された電子データを閲覧した第2のユーザを推定する。そして、電子データ管理装置100は、電子データと、電子データを閲覧したと推定した第2のユーザを識別する識別情報と、を関連付けた関連情報を生成して記憶装置140に記憶する。
【0027】
その結果、関連情報を使用すれば、第2のユーザが閲覧しただけの電子データであっても容易に検索することが可能となる。したがって、電子データ管理装置100によると、所望の電子データの検索を容易にする電子データ管理方法を提供することができる。
【0028】
≪その他の実施例≫
図2は、その他の実施例に係るファイル管理サーバ210を使用する情報共有システム200の構成例を示す図である。
【0029】
情報共有システム200は、ファイル管理サーバ210と、位置管理サーバ220と、スケジューラ230と、を備える。
ファイル管理サーバ210は、電子データ、例えば電子ファイルなどを記憶装置211に記憶し、記憶装置211に記憶した電子データを管理する情報処理装置である。記憶装置211に記憶した電子データは、図6で後述するファイル管理情報600を用いて管理することができる。なお、本実施例では、電子ファイルのことを、単に「ファイル」という。
【0030】
ファイル管理サーバ210は、記憶装置211に記憶した電子データを管理するために、ファイル管理情報600に加えて、ファイル毎にメタデータを含むメタデータテーブル800を使用する。
【0031】
メタデータには、ファイルを閲覧したと推定されるユーザなどに関する情報を含むことができる。メタデータテーブル800については、図8で後述する。
また、ファイル管理サーバ210は、ファイルを閲覧したユーザを推定するために使用する他見判定方法テーブル400を使用する。他見判定方法テーブル400については、図4で後述する。
【0032】
また、ファイル管理サーバ210は、ファイルを記憶する記憶装置211を備える。記憶装置211は、ファイル管理サーバ210内部に備えてもよい。また、ファイル管理サーバ210は、ネットワークを介して、位置管理サーバ220やスケジューラ230と通信可能に接続する。さらに、ファイル管理サーバ210は、ネットワークを介して、PC240と通信可能に接続する。
【0033】
なお、図1では、PC240がファイル管理サーバ210と接続する場合を例示しているが、ファイル管理サーバ210に接続する機器をPC240に限定する趣旨ではない。例えば、ファイル管理サーバ210には、いわゆるスマートフォンや、ネットワーク接続機能を備える携帯端末など様々な機器と通信可能に接続するインタフェースを備えることができる。本実施例では、ファイル管理サーバ210と通信可能に接続する機器を、総じて「ユーザ端末」という。
【0034】
ユーザ端末と、ユーザ端末に接続する出力機器、例えば、プロジェクタ241と、はUPnP(Universal Plug and Play)の規格に準じたプロトコルを利用して互いに通信することができる。また、ユーザ端末は、ユーザ端末に備わる記憶装置に、ユーザ端末を識別するための識別子を含む機器情報1000を記憶する。同様に、ユーザ端末に接続する出力機器は、出力機器に備わる記憶装置に、出力機器を識別するための識別子を含む機器情報1000を記憶する。機器情報1000については、図10で後述する。
【0035】
ユーザ端末は、出力機器から取得した機器情報1000を取得する。そして、ユーザ端末は、自身の機器情報1000と、出力機器から取得した機器情報1000と、から出力機器情報300を生成する。ユーザ端末は、ファイル管理サーバ210からの要求に応じて、出力機器情報300をファイル管理サーバ210に通知する。
【0036】
また、図1では、ファイル管理サーバ210と、位置管理サーバ220、スケジューラ230およびPC240と、が有線により接続している場合を示しているが、無線を利用して接続してもよいのは当然である。
【0037】
位置管理サーバ220は、ユーザ250−270の位置を管理する情報処理装置である。位置管理サーバ220は、ユーザ250−270がそれぞれ携帯する通信端末251−271と、定期的に通信を行なう。そして、位置管理サーバ220は、通信端末251−271から、ユーザ250−270の現在位置を取得する。
【0038】
通信端末251−271は、通信端末251−271をそれぞれ携帯するユーザ250−270に割り当てられたユーザIDを記憶する。そして、通信端末251−271には、それぞれGPS(Global Position System)が含まれる。例えば、通信端末251−271は、定期的にGPSを利用して現在位置を特定する。そして、通信端末251−271は、位置管理サーバ220からの要求に応じて、ユーザIDとともに現在位置を位置管理サーバ220に通知する。
【0039】
なお、通信端末251−271は、WiFi(Wireless Fidelity)やBluetooth(登録商標)などの無線電波の電波強度を測定する測定器を含んでもよい。この場合、通信端末251−271は、1または2以上の中継器から受信する特定の無線電波の電波強度を定期的に測定する。そして、通信端末251−271は、各中継器から受信する特定の無線電波の電波強度とその電波強度が得られる位置との関係をあらかじめ計測した情報を利用して、測定した電波強度に対応する現在位置を特定する。
【0040】
位置管理サーバ220は、取得したユーザ250−270の位置から、図7で後述するユーザ位置情報700を作成する。
なお、図1では、図面を簡単にするために、3人のユーザ250−270が会議室Aにいる場合を例示したが、ユーザの数やユーザの居場所を限定する趣旨ではないのは当然である。
【0041】
スケジューラ230は、ユーザ250−270による入力にしたがって、ユーザ250−270のスケジュール情報500を作成して記憶する情報処理装置である。スケジュール情報500については、図5で後述する。また、スケジューラ230は、ユーザ250−270からの入力にしたがって、スケジュール情報500の内容を更新する。また、スケジューラ230は、ファイル管理サーバ210からの要求に応じて、スケジュール情報500をファイル管理サーバ210に通知する。
【0042】
以上の構成において、ユーザ250が、ファイル管理サーバ210に記憶されているファイルAを、PC240に接続されたプロジェクタ241を使ってスクリーン242に表示する場合の動作を一例として説明する。
【0043】
(1)ユーザ250の所定の操作により、PC240は、ファイル管理サーバ210にアクセスする。PC240からのアクセスを検出すると、ファイル管理サーバ210は、アクセスしてきたユーザが、ファイル管理サーバ210が記憶するファイルにアクセスできる正当なユーザか否かを確認する認証処理を行なう。認証処理により正当なユーザであることが確認されると、PC240は、ファイル管理サーバ210からファイルAを取得する。
【0044】
以下、ファイル管理サーバ210にアクセスしたユーザであって、ファイル管理サーバ210が記憶するファイルにアクセスできる正当なユーザであると確認されたユーザを「アクセスユーザ」という。このアクセスユーザのユーザID(Identification Data)には、認証処理のときにPC240から入力されたユーザIDを使用することができる。
【0045】
(2)ユーザ250が所定の操作を行なうと、PC240は、ファイル管理サーバ210から取得したファイルAをプロジェクタ241に出力する。すると、プロジェクタ241は、スクリーン242にファイルAを表示する。
【0046】
(3)一方、ファイル管理サーバ210は、ファイル管理サーバ210にアクセスしたPC240から出力機器情報300を取得する。出力機器情報300は、ファイル管理サーバ210にアクセスしたユーザ端末、図1の例ではPC240、がファイル管理サーバ210から取得したファイルを出力できる出力先の機器についての情報である。出力機器情報300の具体例については、図3で説明する。
【0047】
(4)出力機器情報300を取得すると、ファイル管理サーバ210は、出力機器情報300で特定される出力機器に表示されるファイルAを閲覧しているユーザを推定するための他見判定方法を、他見判定方法テーブル400から取得する。
【0048】
(5)ファイル管理サーバ210は、スケジューラ230からスケジュール情報500を取得する。そして、ファイル管理サーバ210は、取得したスケジュール情報500を基に、アクセスユーザの現在の居場所を特定する。
【0049】
(6)ファイル管理サーバ210は、位置管理サーバ220からユーザ位置情報700を取得する。そして、ファイル管理サーバ210は、アクセスユーザと他のユーザとの距離を算出する。そして、ファイル管理サーバ210は、算出した距離が他見判定方法で定義された一定範囲内のユーザを抽出する。この抽出したユーザを「近接ユーザ」という。
【0050】
(7)ファイル管理サーバ210は、スケジュール情報500を参照して、アクセスユーザと同じ居場所の近接ユーザを抽出する。この抽出した近接ユーザを「閲覧ユーザ」という。ファイル管理サーバ210は、閲覧ユーザが、アクセスユーザがプロジェクタ241に表示したファイルAを閲覧した推定する。そして、ファイル管理サーバ210は、閲覧ユーザ毎に、「ファイルAを見た」旨の情報を含むメタデータを生成する。そして、ファイル管理サーバ210は、閲覧ユーザと「ファイルAを見た」旨の情報を含むメタデータと、ファイルAと関連付けてメタデータテーブル800に記憶する。
【0051】
なお、図1では、ファイル管理サーバ210と位置管理サーバ220とスケジューラ230とが別々の装置である場合について例示した。しかし、ファイル管理サーバ210は、位置管理サーバ220およびスケジューラ230の一方または両方の機能を含むこともできる。
【0052】
図3は、出力機器情報300の一例を示す図である。ファイル管理サーバ210にアクセスしたユーザ端末、例えば、図2に示したPC240は、ファイル管理サーバ210から出力機器情報300の要求を受けると、出力機器情報300を作成してファイル管理サーバ210に出力する。
【0053】
図3に示す出力機器情報300は、XML(Extensible Markup Language)を利用して作成された出力機器情報300の例である。
出力機器情報300は、<deviceinfo>タグを含む。そして、<deviceinfo>タグには、1または2以上の<device>タグが含まれる。<device>タグの属性typeは、ユーザ端末に含まれる出力機器を表わしている。この出力機器には、ユーザ端末に接続された機器のうちファイルを表示可能な機器、例えば、プロジェクタやスピーカ等のオーディオ機器などを含むことができる。また、ユーザ端末にディスプレイが接続されている場合、出力機器には、ユーザ端末自身を含むことができる。
【0054】
図3に示す出力機器情報300は、出力機器として「プロジェクト」と「PC」が含まれている出力機器情報300の例である。
【0055】
図4は、他見判定方法テーブル400の一例を示す図である。
図4に示す他見判定方法テーブル400は、出力機器毎に、他見判定方法、すなわち、出力機器に表示されるファイルを閲覧していると思われる閲覧ユーザを判定する判定方法を定義する。
【0056】
他見判定方法には、アクセスユーザのスケジュール、ユーザ間距離および近接ユーザのスケジュールを含むことができる。また、アクセスユーザのスケジュールおよび近接ユーザのスケジュールは、予定された居場所で表わすことができる。
【0057】
例えば、図4の例では、出力機器がプロジェクタの場合、アクセスユーザの居場所が会議室Aのとき、アクセスユーザとの距離が20(m)以内の範囲である近接ユーザのうち、居場所が会議室Aのユーザが閲覧ユーザであると定義されている。
【0058】
同様に、出力機器がプロジェクタの場合、アクセスユーザの居場所が会議室Bのとき、アクセスユーザとの距離が5(m)以内の範囲である近接ユーザのうち、居場所が会議室Bのユーザが閲覧ユーザであると定義されている。
【0059】
なお、図4に記載されている「−」は、他見判定の条件に使用しないことを意味している。
例えば、出力機器がプロジェクタの場合、アクセスユーザのスケジュールに関する情報がないとき、アクセスユーザとの距離が5(m)以内の範囲であるユーザが閲覧ユーザであると定義されている。
【0060】
なお、図4に示した他見判定方法テーブル400には、その他、出力機器であるオーディオの出力が一定以上であることを判定条件に追加することができる。ユーザ端末に接続されるオーディオに一定以上の出力がある場合、プレゼンテーションが行なわれていること等が想定できるので、ユーザ端末から一定の範囲内にいるユーザは、そのプレゼンテーションを見ていると推定できるからである。
【0061】
また、図4に示した他見判定方法テーブル400には、その他、スマートフォンなどのユーザ端末や通信端末251−271から得られるユーザ250−270の向きの成す角度が一定値以内であることを判定条件に含むことができる。ユーザ同士が互いに異なる方向を向いている場合、近くにいても同じものを見ていないと推定できるからである。
【0062】
なお、通信端末251−271からユーザ250−270の向きの情報を得る場合、通信端末251−271はジャイロセンサなどの加速度センサを利用して通信端末の向きを検出するようにすればよい。
【0063】
図5は、スケジュール情報500の一例を示す図である。
図5に示すスケジュール情報500は、90分毎に、各ユーザのスケジュールが記憶されている。スケジュールは、例えば、予定された居場所で表わすことができる。
【0064】
例えば、ユーザIDが「0001」のユーザ、ユーザIDが「0002」のユーザおよびユーザIDが「0003」のユーザは、9:30〜11:00に会議室Aにいる予定となっている。また、ユーザIDが「0004」のユーザは、9:30〜11:00に会議室Bにいる予定となっている。
【0065】
図6は、ファイル管理情報600の一例を示す図である。
図6に示すファイル管理情報600は、記憶装置211に記憶されたファイルを識別する識別情報であるファイルIDと、ファイルIDによって識別されるファイルのファイル名と、ファイルを作成したユーザのユーザIDである作成者IDと、を含む情報である。
【0066】
図6のファイル管理情報600には、例えば、ファイルID「00001」のファイルが例示されている。このファイルID「00001」のファイルは、ユーザID「0001」のユーザが作成した、「会議A用.pptx」というファイル名である。
【0067】
図7は、ユーザ位置情報700の一例を示す図である。
図7に示すユーザ位置情報700は、ユーザIDと、そのユーザIDのユーザの現在位置を示す位置情報と、を含む情報である。ユーザの現在位置には、ユーザが携帯する通信端末の現在位置を使用することができる。
【0068】
図7のユーザ位置情報700には、例えば、ユーザID「0001」のユーザの現在位置が例示されている。このユーザ位置情報700によれば、ユーザID「0001」のユーザの現在位置は、(x,y,z)=(15,170,1)であることが分かる。
【0069】
図8は、メタデータテーブル800の一例を示す図である。
図8に示すメタデータテーブル800は、ファイルIDと、そのファイルIDのファイルを閲覧したと推定される閲覧ユーザのユーザIDと、その閲覧ユーザがファイルを閲覧したことを示すメタデータと、を含む情報である。
【0070】
メタデータは、ファイルを閲覧したことを示す「見た」タグを含む。この「見た」タグには、ファイルを閲覧した「日時」、閲覧したファイルが表示されていた「出力機器」、「音声」の有無、ファイルを表示したユーザのユーザIDを示す「表示ユーザ」、ファイルを表示した「場所」など、必要に応じて様々な属性を追加することができる。
【0071】
なお、図8には、「見た」タグに、「日時」、「出力機器」、「音声」、「表示ユーザ」および「場所」が属性として含まれる場合を例示したが、これは例示であって、「見た」タグに含まれる属性を限定する趣旨ではない。
【0072】
図9は、ファイル管理サーバ210によるファイル管理処理を示すフローチャートである。
ファイル管理サーバ210は、有線または無線によるネットワークを介してファイル管理サーバ210と通信可能に接続するユーザ端末からのファイルアクセスを待つ(ステップS901、ステップS902 NO)。
【0073】
ユーザ端末からファイルアクセスを検出すると(ステップS902 YES)、ファイル管理サーバ210は、ユーザ認証を行なう(ステップS903)。このユーザ認証では、例えば、ファイル管理サーバ210がユーザ端末に対して、ユーザIDとパスワードの入力を要求する。そして、ユーザ端末から入力されたユーザIDおよびパスワードが、あらかじめ記憶してあるユーザIDおよびパスワードの一覧の中にあれば、ファイル管理サーバ210は、ユーザ端末から入力されたユーザIDが正当なユーザのユーザIDであると判別する。ファイル管理サーバ210は、ユーザ端末から入力されたユーザIDを、アクセスユーザのユーザIDとして使用する。
【0074】
なお、図示していないが、ステップS903において、ユーザ端末から入力されたユーザIDが正当なユーザのユーザIDでないと判別した場合、ファイル管理サーバ210は、処理をステップS901に移行する。
【0075】
ユーザ端末から入力されたユーザIDが正当なユーザのユーザIDであると判別すると、ファイル管理サーバ210は、処理をステップS904に移行する。
ステップS904において、ファイル管理サーバ210は、ユーザ端末に対して、ファイル管理サーバ210に記憶されるファイルへのアクセスを許可する。すると、ユーザ端末は、ユーザによる所定の操作に応じて、ファイル管理サーバ210に記憶されるファイルを読み出し、読み出したファイルを、ユーザ端末のディスプレイや、ユーザ端末に接続する出力機器、例えば、プロジェクタなどに表示する。
【0076】
ステップS905において、ファイル管理サーバ210は、ユーザ端末から出力機器情報300を取得する。
ステップS906において、ファイル管理サーバ210は、記憶装置211に記憶されている他見判定方法テーブル400を参照する。そして、ファイル管理サーバ210は、ステップS905で取得した出力機器情報300で特定される出力機器に応じた他見判定方法を決定する。なお、図4に示した、プロジェクタに対応する他見判定方法のように、特定の出力機器に対応する複数の他見判定方法が他見判定方法テーブル400に定義されている場合、ファイル管理サーバ210は、アクセスユーザの居場所に応じた他見判定方法を使用する。
【0077】
ステップS907において、ファイル管理サーバ210は、スケジューラ230からスケジュール情報500を取得する。そして、ファイル管理サーバ210は、取得したスケジュール情報500に基づいて、現在時刻のアクセスユーザの居場所を特定する。なお、スケジュール情報500に現在時刻のアクセスユーザの居場所が設定されていない場合、ファイル管理サーバ210は、アクセスユーザのスケジュールが不明(情報なし)と判断する。
【0078】
ステップS908において、ファイル管理サーバ210は、位置管理サーバ220からユーザ位置情報700を取得する。そして、ファイル管理サーバ210は、取得したユーザ位置情報700を使用して、アクセスユーザの位置と他のユーザとの位置との距離を計算する。そして、ファイル管理サーバ210は、計算した距離が、ステップS906で決定された他見判定方法で指定されたユーザ間距離内であるユーザを、近接ユーザとしてユーザ位置情報700から抽出する。
【0079】
ステップS909において、ステップS906で決定した他見判定方法に近接ユーザのスケジュールの指定がある場合(ステップS909 YES)、ファイル管理サーバ210は、処理をステップS910に移行する。この場合、ファイル管理サーバ210は、ステップS907で取得したスケジュール情報500を使用して、ステップS906で決定した他見判定方法で指定される近接ユーザのスケジュールと一致する近接ユーザを抽出する(ステップS910)。そして、ファイル管理サーバ210は、処理をステップS911に移行する。
【0080】
また、ステップS906で決定した他見判定方法に近接ユーザのスケジュールの指定がない場合(ステップS909 NO)、ファイル管理サーバ210は、処理をステップS911に移行する。
【0081】
ステップS911において、ファイル管理サーバ210は、ステップS906で決定した他見判定方法にしたがって他見判定を行ない、ステップS908で特定した近接ユーザから閲覧ユーザを検出する。
【0082】
例えば、ステップS905で取得した出力機器情報300で特定される出力機器がプロジェクタで、ステップS907で特定したアクセスユーザの居場所が会議室Aの場合を考える。この場合、図4に示す他見判定方法テーブル400にしたがうと、ファイル管理サーバ210は、ステップS908において、ユーザ間距離が20m以内の近接ユーザを抽出する。そして、ファイル管理サーバ210は、ステップS908で抽出した近接ユーザのうち、ステップS910で特定した近接ユーザ、すなわち、居場所が会議室Aであるユーザを閲覧ユーザとして検出する。
【0083】
また、例えば、ステップS905で取得した出力機器情報300で特定される出力機器がプロジェクタで、ステップS907でアクセスユーザのスケジュールが不明(情報なし)と判断した場合を考える。この場合、図4に示す他見判定方法テーブル400にしたがうと、ファイル管理サーバ210は、ステップS908において、ユーザ間距離が5m以内の近接ユーザを抽出する。そして、ファイル管理サーバ210は、ステップS908で抽出した近接ユーザを閲覧ユーザとして検出する。
【0084】
また、例えば、ステップS905で取得した出力機器情報300で特定される出力機器がPCである場合を考える。この場合、図4に示す他見判定方法テーブル400にしたがうと、ファイル管理サーバ210は、ステップS908において、ユーザ間距離が2m以内の近接ユーザを抽出する。そして、ファイル管理サーバ210は、ステップS908で抽出した近接ユーザを閲覧ユーザとして検出する。
【0085】
ステップS912において、ファイル管理サーバ210は、ステップS911で検出した閲覧ユーザ毎に、メタデータを作成する。そして、ステップS913において、ファイル管理サーバ210は、閲覧ユーザのユーザIDとメタデータを、閲覧したと推定されるファイルのファイルIDと関連付けてメタデータテーブル800に記憶する。
【0086】
以上の処理が終了すると、ファイル管理サーバ210は、処理をステップS901に移行する。そして、ファイル管理サーバ210は、ステップS901から処理を開始する。
なお、図9で述べたように、本実施例では、位置管理サーバ220は、ファイル管理サーバ210の要求に応じて、ユーザ位置情報700をファイル管理サーバ210に通知する。しかし、位置管理サーバ220が、ファイル管理サーバ210が指定する条件、例えば、特定のユーザIDとのユーザ間距離が一致するユーザのユーザIDを、ユーザ位置情報700から取得してファイル管理サーバ210に通知するようにしてもよい。
【0087】
また、本実施例では、スケジューラ230は、ファイル管理サーバ210の要求に応じて、スケジュール情報500をファイル管理サーバ210に通知する。しかし、スケジューラ230が、ファイル管理サーバ210が指定するユーザIDおよび時刻に一致する居場所を、スケジュール情報500から取得してファイル管理サーバ210に通知するようにしてもよい。また、スケジューラ230が、ファイル管理サーバ210が指定する居場所および時刻に一致するユーザのユーザIDを、スケジュール情報500から取得してファイル管理サーバ210に通知するようにしてもよい。
【0088】
図10は、ユーザ端末およびユーザ端末に接続する出力機器が記憶する機器情報1000の例を説明する図である。機器情報1000には、UPnPの規格で規定されているDevice Descriptionを利用することができる。
【0089】
本実施例では、機器情報1000として、ユーザ端末やユーザ端末に接続する出力機器に応じた識別子を定義する<htip:X_DeviceCategory>タグを設定したDevice Descriptionを使用する。
【0090】
図10には、プロジェクタが記憶する機器情報1000であるDevice Descriptionの例を示している。
図10に示すDevice Descriptionでは、<htip:X_DeviceCategory>タグによって「projector」が定義されている。「projector」は、プロジェクタを表わす識別子の例である。ただし、「projector」はプロジェクタを表わす識別子の一例であって、プロジェクタを表わす識別子を、「projector」に限定する趣旨ではない。ユーザ端末やユーザ端末に接続する出力機器の識別子は、必要に応じて任意の文字列等で定義することができる。
【0091】
図11は、ユーザ端末による出力機器情報300の生成処理を示すフローチャートである。
本実施例では、ユーザ端末−出力機器間の通信には、UPnPの規格を利用する。したがって、図11には、UPnPの規格を利用した、ユーザ端末−出力機器間の通信のうち、本実施例で利用する部分の処理だけを示す。
【0092】
ステップS1101において、ユーザ端末は、ユーザ端末に備わる記憶装置にあらかじめ記憶された機器情報(Device Description)を読み出す。
ユーザ端末に出力機器が接続されている場合(ステップS1102 YES)、ユーザ端末は、処理をステップS1103に移行する。この場合、ユーザ端末は、出力機器から機器情報1000を取得する(ステップS1103)。
【0093】
ステップS1104において、ユーザ端末は、ステップS1101およびステップS1103で取得した機器情報1000から、出力機器情報300を生成する。この場合、ユーザ端末は、ステップS1101およびステップS1103で取得した機器情報1000から、<htip:X_DeviceCategory>タグで定義される識別子を取得する。そして、ユーザ端末は、<htip:X_DeviceCategory>タグで定義される識別子を属性typeとする<device>タグを含む出力機器情報300を生成する。
【0094】
出力機器情報300を生成すると、ユーザ端末は、生成した出力機器情報300を、ユーザ端末に備わる記憶装置に記憶する。そして、ユーザ端末は、出力機器情報300の生成処理を終了する(ステップS1105)。
【0095】
図12および図13は、ファイル管理サーバ210の処理の具体例を示す図である。
図12は、ユーザID「0001」のユーザが、ファイル管理サーバ210に記憶されているファイルAを、PC240に接続されたプロジェクタ241を使ってスクリーン242に表示する場合の処理を説明する図である。なお、図12に記載のステップS905−S908およびステップS910−S913は、図9に示したステップS905−S908およびステップS910−S913に対応する処理であることを示す。ただし、図12に記載のステップS905−S908およびステップS910−S913は、図9に示したステップS905−S908およびステップS910−S913を限定する趣旨ではない。
【0096】
ステップS905において、ファイル管理サーバ210は、PC240から出力機器情報300を取得する。PC240には、プロジェクタが接続されているので、ファイル管理サーバ210は、PC240から、例えば、図3に示した出力機器情報300を取得する。
【0097】
なお、図3のように、出力機器情報300にプロジェクタとPCの2つの属性typeが含まれる場合、ファイル管理サーバ210は、出力機器情報300によって特定される出力機器がプロジェクタであると判断する。出力機器情報300に複数の属性typeが含まれる場合、あらかじめ決められた優先順位にしたがって出力機器の判断をすればよい。
【0098】
ステップS906において、ファイル管理サーバ210は、記憶装置211に記憶された他見判定方法テーブル400を参照する。そして、ファイル管理サーバ210は、プロジェクタに対応する他見判定方法を決定する。
【0099】
なお、図4に示した他見判定方法テーブル400には、プロジェクタに対応する他見判定方法が複数含まれる。この場合、ファイル管理サーバ210は、アクセスユーザの居場所に応じた他見判定方法を使用する。
【0100】
ステップS907において、ファイル管理サーバ210は、スケジューラ230から、現在時刻のスケジュール情報500を取得する。そして、ファイル管理サーバ210は、スケジュール情報500からアクセスユーザのスケジュールを取得する。
【0101】
本実施例では現在時刻を10:00とする。この場合、ファイル管理サーバ210は、図5に示したスケジュール情報500から、ユーザIDが「0001」であるアクセスユーザのスケジュール、すなわち、「会議室A」を取得することができる。この場合、プロジェクタに対応する他見判定方法は、図4の他見判定方法テーブル400の一番上の判定条件、すなわち、ユーザ間距離が20m以内、かつ、スケジュールが「会議室A」の近接ユーザであるという判定条件を使用した判定方法となる。
【0102】
ステップS908において、ファイル管理サーバ210は、位置管理サーバ220から、ユーザ位置情報700を取得して、アクセスユーザとの距離が20m以内の近接ユーザを抽出する。
【0103】
例えば、図7に示したユーザ位置情報700の場合、アクセスユーザであるユーザID「0001」のユーザと20m以内の近接ユーザは、ユーザID「0002」、「0003」および「0004」のユーザとなる。
【0104】
ステップS910において、ファイル管理サーバ210は、ステップS907で取得したスケジュール情報500から、ステップS908で抽出した近接ユーザのうち、現在時刻のスケジュールが「会議室A」のユーザを特定する。
【0105】
例えば、図5に示したスケジュール情報500の場合、ファイル管理サーバ210は、現在時刻のスケジュールが「会議室A」となっている近接ユーザとして、ユーザID「0002」および「0003」のユーザを特定する。
【0106】
ステップS911において、ファイル管理サーバ210は、ステップS908およびS910の結果から、ユーザID「0002」および「0003」の近接ユーザが閲覧ユーザであると推定する。
【0107】
ステップS912において、ファイル管理サーバ210は、ユーザID「0002」および「0003」の閲覧ユーザのメタデータを作成する。そして、ステップS913において、ファイル管理サーバ210は、閲覧ユーザのユーザIDとメタデータを、閲覧したと推定されるファイルのファイルIDと関連付けてメタデータテーブル800に記憶する。
【0108】
図13は、ユーザID「0001」のユーザが、ファイル管理サーバ210に記憶されているファイルAを、出力機器が何も接続されていないPC240に表示する場合の処理を説明する図である。なお、図13に記載のステップS905−S906、ステップS908およびステップS911−S913は、図9に示したステップS905−S906、ステップS908およびステップS911−S913に対応する処理であることを示す。ただし、図13に記載のステップS905−S906、ステップS908およびステップS911−S913は、図9に示したステップS905−S906、ステップS908およびステップS911−S913を限定する趣旨ではない。
【0109】
ステップS905において、ファイル管理サーバ210は、PC240から出力機器情報300を取得する。PC240には出力機器が何も接続されていないので、ファイル管理サーバ210は、PC240から、属性typeに「PC」のみが含まれる出力機器情報300を取得する。
【0110】
ステップS906において、ファイル管理サーバ210は、記憶装置211に記憶された他見判定方法テーブル400を参照する。そして、ファイル管理サーバ210は、PCに対応する他見判定方法を決定する。例えば、PCに対応する他見判定方法は、図4に示した他見判定方法テーブル400を使用する場合、上から4番目の判定条件、すなわち、ユーザ間距離が2m以内の近接ユーザであるという判定条件を使用した判定方法となる。
【0111】
ステップS908において、ファイル管理サーバ210は、位置管理サーバ220から、ユーザ位置情報700を取得して、アクセスユーザとの距離が2m以内の近接ユーザを抽出する。
【0112】
例えば、図7に示したユーザ位置情報700の場合、アクセスユーザであるユーザID「0001」のユーザと2m以内の近接ユーザは、ユーザID「0002」のユーザとなる。
【0113】
ステップS911において、ファイル管理サーバ210は、ステップS908の結果から、ユーザID「0002」の近接ユーザが閲覧ユーザであると推定する。
ステップS912において、ファイル管理サーバ210は、ユーザID「0002」の近接ユーザのメタデータを作成する。そして、ステップS913において、ファイル管理サーバ210は、閲覧ユーザのユーザIDとメタデータを、閲覧したと推定されるファイルのファイルIDと関連付けてメタデータテーブル800に記憶する。
【0114】
図14は、ファイル管理サーバ210による検索処理を示すフローチャートである。
ファイル管理サーバ210は、有線または無線によるネットワークを介してファイル管理サーバ210と通信可能に接続するユーザ端末からのアクセスを待つ(ステップS1401 NO)。
【0115】
ユーザ端末からアクセスを検出すると(ステップS1401 YES)、ファイル管理サーバ210は、ユーザ認証を行なう(ステップS1402)。このステップS1402の処理では、図9に示したステップS903と同様の処理が行なわれる。ただし、一定期間内に既にステップS1402の処理が行なわれている場合、ステップS1402の処理は省略してもよい。
【0116】
ステップS1403において、ファイル管理サーバ210は、ユーザ端末から入力されるキーワードを取得する。このキーワードでは、例えば、ファイルを閲覧した日時、閲覧したファイルが表示されていた出力機器、閲覧したファイルを表示したユーザのユーザID、ファイルを閲覧した場所などを指定することができる。
【0117】
ステップS1404において、ファイル管理サーバ210は、メタデータテーブル800から、ステップS1402で取得したユーザIDと一致するユーザIDの閲覧ユーザのメタデータを1つ読み出す。
【0118】
ステップS1404で読み出したメタデータに、ステップS1403で取得したキーワードが含まれる場合(ステップS1405 YES)、ファイル管理サーバ210は、処理をステップS1406に移行する。この場合、ファイル管理サーバ210は、ステップS1404で読み出したメタデータに対応するファイルIDのファイル名を検索結果一覧に登録する。そして、ファイル管理サーバ210は、処理をステップS1407に移行する。
【0119】
ステップS1404で読み出したメタデータに、ステップS1403で取得したキーワードが含まれない場合(ステップS1405 NO)、ファイル管理サーバ210は、処理をステップS1407に移行する。
【0120】
メタデータテーブル800に、ステップS1402で取得したユーザIDと一致するユーザIDの閲覧ユーザのメタデータの中に、また読み出してないメタデータがある場合(ステップS1407 NO)、ファイル管理サーバ210は、処理をステップS1404に移行する。
【0121】
メタデータテーブル800に、ステップS1402で取得したユーザIDと一致するユーザIDの閲覧ユーザのメタデータの全てを読み出した場合(ステップS1407 YES)、ファイル管理サーバ210は、処理をステップS1408に移行する。この場合、ファイル管理サーバ210は、検索結果一覧を、ステップS1402でユーザ認証したユーザ端末に出力する。
【0122】
以上の処理が終了すると、ファイル管理サーバ210は、検索処理を終了する(ステップS1409)。
なお、ステップS1403において、キーワードとして、単に「見た」と指定することもできる。このキーワード「見た」は、過去に閲覧した全てのファイルを検索対象とすることを意味する。この場合、ファイル管理サーバ210が、ステップS1404の処理が完了したら、ステップS1405を省略してステップS1406に移行するようにすればよい。
【0123】
その結果、ステップS1406の処理によって、検索結果一覧には、ステップS1402で取得したユーザIDと一致するユーザIDのユーザが過去に閲覧した全てのファイルの一覧が登録される。そして、検索結果一覧は、ステップS1402でユーザ認証したユーザ端末に出力される(ステップS1408)。
【0124】
図15は、ファイル管理サーバ210の構成例を示す図である。
ファイル管理サーバ210は、CPU1501と、メモリ1502と、入力装置1503と、出力装置1504と、外部記憶装置1505と、媒体駆動装置1506と、ネットワーク接続装置1508と、を備える。そして、これらの装置がバスに接続されて相互にデータの受け渡しが行なえる構成となっている。
【0125】
CPU1501は、周辺機器や各種ソフトウェアを実行する他に、図9、図11および図14などに示した本実施例に係るファイル管理を実現するためのプログラムを実行する演算装置である。
【0126】
メモリ1502は、プログラムを実行するために使用される揮発性の記憶装置である。メモリ1502には、例えば、RAM(Random Access Memory)などを使用することができる。
【0127】
入力装置1503は、外部からのデータ入力手段である。入力装置1503には、例えば、キーボードやマウスなどを使用することができる。
出力装置1504は、データ等を表示装置等に出力する装置である。なお、出力装置1504には、表示装置を含むこともできる。
【0128】
外部記憶装置1505は、ファイル管理サーバ210が動作するために必要なプログラムやデータ、本実施例に係るファイル管理を実現するプログラム、他見判定方法テーブル400、スケジュール情報500およびメタデータテーブル800などを記憶する記憶装置である。外部記憶装置1505には、例えば、磁気ディスク記憶装置などを使用することができる。なお、外部記憶装置1505として、記憶装置211を利用してもよい。
【0129】
媒体駆動装置1506は、メモリ1502や外部記憶装置1505のデータを可搬記憶媒体1507、例えば、フロッピイディスクやMOディスク、CD−RやDVD−Rなどに出力し、または可搬記憶媒体1507からプログラムやデータ等を読み出す装置である。
【0130】
ネットワーク接続装置1508は、ネットワーク1509に接続する装置である。
なお、図15に示した構成は、ファイル管理サーバ210の一例である。したがって、図15に示した構成にファイル管理サーバ210を限定する趣旨ではない。ファイル管理サーバ210は、必要に応じて、図15に示した構成要素から不要な構成要素を省略し、または、図15に示されていない新たな構成要素を追加することができる。また、メモリ1502、外部記憶装置1505および可搬記憶媒体1507などの情報処理装置に読取り可能な記憶媒体には、非一時的(non−transitory)な媒体を使用することができる。
【0131】
以上に説明したように、ファイル管理サーバ210は、決定した他見判定方法にしたがって、アクセスユーザと近接ユーザとの位置関係、例えば、ユーザ間距離などから、出力機器情報300で特定される出力機器に出力されたファイルを閲覧した閲覧ユーザを推定する。そして、ファイル管理サーバ210は、閲覧ユーザのユーザIDとメタデータを、閲覧したと推定されるファイルのファイルIDと関連付けてメタデータテーブル800に記憶する。
【0132】
メタデータテーブル800を使用することで、例えば、閲覧の有無、閲覧した日時、閲覧したファイルが表示されていた出力機器、閲覧したファイルを表示したユーザのユーザID、閲覧した場所などの条件でファイルを容易に検索することが可能となる。
【0133】
すなわち、記憶装置211から読み出されてユーザ端末やユーザ端末に接続する出力機器によって表示されたファイルを単に閲覧しただけで、閲覧したユーザは、その後、閲覧したファイルを容易に検索することが可能となる。
【0134】
また、記憶装置211から読み出されてユーザ端末やユーザ端末に接続する出力機器によって表示されたファイルを単に閲覧しただけで、例えば、閲覧の有無、閲覧した日時など、曖昧な記憶を基に、所望のファイルを容易に検索することが可能となる。
【0135】
以上のように、ファイル管理サーバ210によると、所望のファイルの検索を容易にすることが可能となる。
【0136】
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
記憶装置に記憶された電子データへの、外部装置からのアクセスを検出すると、前記電子データにアクセスした前記外部装置から、該外部装置が任意の電子データを出力する出力機器についての出力機器情報を取得し、
前記出力機器情報に応じた、前記外部装置を使用する第1のユーザと該第1のユーザ
以外のユーザとの関係、から、前記出力機器に出力された前記電子データを閲覧した第2のユーザを推定し、
前記電子データと、該電子データを閲覧したと推定された第2のユーザを識別する識別情報と、を関連付けた関連情報を生成して記憶装置に記憶する、
処理を情報処理装置が行なう電子データ管理方法。
(付記2)
前記出力機器情報毎に、前記第1のユーザと、該第1のユーザから一定範囲内に位置する、前記第1のユーザ以外のユーザと、がともに前記電子データを閲覧すると推定される位置関係を定めた推定条件にしたがって、前記出力機器に出力された前記電子データを閲覧した第2のユーザを推定する、
ことを特徴とする付記1に記載の電子データ管理方法。
(付記3)
前記関連情報に含まれる前記識別情報のうち、任意のユーザである第3のユーザを識別する識別情報と一致する識別情報を検索し、該検索して得られる識別情報と関連付けられた電子データについての情報を出力する、
処理をさらに前記情報処理装置が行なう付記1に記載の電子データ管理方法。
(付記4)
前記位置関係には、前記第1のユーザの居場所と、前記第1のユーザの居場所に対応する前記第2のユーザの居場所と、との関係が含まれる、
ことを特徴とする付記2に記載の電子データ管理方法。
(付記5)
前記位置関係には、前記第1のユーザと前記第2のユーザとの距離が含まれる、
ことを特徴とする付記2に記載の電子データ管理方法。
(付記6)
前記位置関係には、前記第1のユーザの居場所と前記第1のユーザの居場所に対応する前記第2のユーザの居場所との関係と、前記第1のユーザと前記第2のユーザとの距離と、が含まれる、
ことを特徴とする付記2に記載の電子データ管理方法。
(付記7)
前記関連情報は、前記電子データと、前記第1のユーザを識別する識別情報と、前記第2のユーザを識別する識別情報と、を関連付けた情報である、
ことを特徴とする付記1に記載の電子データ管理方法。
(付記8)
前記関連情報には、第2のユーザが前記電子データを閲覧したと推定される日時、場所、前記電子データが出力された出力機器、および前記電子データが出力された出力機器への音声の出力の有無、のうち少なくとも1つが含まれる、
ことを特徴とする付記1に記載の電子データ管理方法。
(付記9)
記憶装置に記憶された電子データへの、外部装置からのアクセスを検出すると、前記電子データにアクセスした前記外部装置から、該外部装置が任意の電子データを出力する出力機器についての出力機器情報を取得し、
前記出力機器情報に応じた、前記外部装置を使用する第1のユーザと該第1のユーザ以外のユーザとの関係、から、前記出力機器に出力された前記電子データを閲覧した第2のユーザを推定し、
前記電子データと、該電子データを閲覧したと推定された第2のユーザを識別する識別情報と、を関連付けた関連情報を生成して前記記憶装置に記憶する、
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
(付記10)
記憶装置に記憶された電子データへの、外部装置からのアクセスを検出すると、前記電子データにアクセスした前記外部装置から、該外部装置が任意の電子データを出力する出力機器についての出力機器情報を取得する機器情報取得部と、
前記出力機器情報に応じた、前記外部装置を使用する第1のユーザと該第1のユーザ以外のユーザとの関係、から、前記出力機器に出力された前記電子データを閲覧した第2のユーザを推定する推定部と、
前記電子データと、該電子データを閲覧したと推定された第2のユーザを識別する識別情報と、を関連付けた関連情報を生成して前記記憶装置に記憶する記憶処理部と、
を備える電子データ管理装置。
【符号の説明】
【0137】
100 電子データ管理装置
110 機器情報取得部
120 推定部
130 記憶処理部
140 記憶部
150 外部装置
160 出力機器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶装置に記憶された電子データへの、外部装置からのアクセスを検出すると、前記電子データにアクセスした前記外部装置から、該外部装置が任意の電子データを出力する出力機器についての出力機器情報を取得し、
前記出力機器情報に応じた、前記外部装置を使用する第1のユーザと該第1のユーザ以外のユーザとの関係、から、前記出力機器に出力された前記電子データを閲覧した第2のユーザを推定し、
前記電子データと、該電子データを閲覧したと推定された第2のユーザを識別する識別情報と、を関連付けた関連情報を生成して記憶装置に記憶する、
処理を情報処理装置が行なう電子データ管理方法。
【請求項2】
前記出力機器情報毎に、前記第1のユーザと、該第1のユーザから一定範囲内に位置する、前記第1のユーザ以外のユーザと、がともに前記電子データを閲覧すると推定される位置関係を定めた推定条件にしたがって、前記出力機器に出力された前記電子データを閲覧した第2のユーザを推定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子データ管理方法。
【請求項3】
前記関連情報に含まれる前記識別情報のうち、任意のユーザである第3のユーザを識別する識別情報と一致する識別情報を検索し、該検索して得られる識別情報と関連付けられた電子データについての情報を出力する、
処理をさらに前記情報処理装置が行なう請求項1に記載の電子データ管理方法。
【請求項4】
記憶装置に記憶された電子データへの、外部装置からのアクセスを検出すると、前記電子データにアクセスした前記外部装置から、該外部装置が任意の電子データを出力する出力機器についての出力機器情報を取得し、
前記出力機器情報に応じた、前記外部装置を使用する第1のユーザと該第1のユーザ以外のユーザとの関係、から、前記出力機器に出力された前記電子データを閲覧した第2のユーザを推定し、
前記電子データと、該電子データを閲覧したと推定された第2のユーザを識別する識別情報と、を関連付けた関連情報を生成して前記記憶装置に記憶する、
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項5】
記憶装置に記憶された電子データへの、外部装置からのアクセスを検出すると、前記電子データにアクセスした前記外部装置から、該外部装置が任意の電子データを出力する出力機器についての出力機器情報を取得する機器情報取得部と、
前記出力機器情報に応じた、前記外部装置を使用する第1のユーザと該第1のユーザ以外のユーザとの関係、から、前記出力機器に出力された前記電子データを閲覧した第2のユーザを推定する推定部と、
前記電子データと、該電子データを閲覧したと推定された第2のユーザを識別する識別情報と、を関連付けた関連情報を生成して前記記憶装置に記憶する記憶処理部と、
を備える電子データ管理装置。
【請求項1】
記憶装置に記憶された電子データへの、外部装置からのアクセスを検出すると、前記電子データにアクセスした前記外部装置から、該外部装置が任意の電子データを出力する出力機器についての出力機器情報を取得し、
前記出力機器情報に応じた、前記外部装置を使用する第1のユーザと該第1のユーザ以外のユーザとの関係、から、前記出力機器に出力された前記電子データを閲覧した第2のユーザを推定し、
前記電子データと、該電子データを閲覧したと推定された第2のユーザを識別する識別情報と、を関連付けた関連情報を生成して記憶装置に記憶する、
処理を情報処理装置が行なう電子データ管理方法。
【請求項2】
前記出力機器情報毎に、前記第1のユーザと、該第1のユーザから一定範囲内に位置する、前記第1のユーザ以外のユーザと、がともに前記電子データを閲覧すると推定される位置関係を定めた推定条件にしたがって、前記出力機器に出力された前記電子データを閲覧した第2のユーザを推定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子データ管理方法。
【請求項3】
前記関連情報に含まれる前記識別情報のうち、任意のユーザである第3のユーザを識別する識別情報と一致する識別情報を検索し、該検索して得られる識別情報と関連付けられた電子データについての情報を出力する、
処理をさらに前記情報処理装置が行なう請求項1に記載の電子データ管理方法。
【請求項4】
記憶装置に記憶された電子データへの、外部装置からのアクセスを検出すると、前記電子データにアクセスした前記外部装置から、該外部装置が任意の電子データを出力する出力機器についての出力機器情報を取得し、
前記出力機器情報に応じた、前記外部装置を使用する第1のユーザと該第1のユーザ以外のユーザとの関係、から、前記出力機器に出力された前記電子データを閲覧した第2のユーザを推定し、
前記電子データと、該電子データを閲覧したと推定された第2のユーザを識別する識別情報と、を関連付けた関連情報を生成して前記記憶装置に記憶する、
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項5】
記憶装置に記憶された電子データへの、外部装置からのアクセスを検出すると、前記電子データにアクセスした前記外部装置から、該外部装置が任意の電子データを出力する出力機器についての出力機器情報を取得する機器情報取得部と、
前記出力機器情報に応じた、前記外部装置を使用する第1のユーザと該第1のユーザ以外のユーザとの関係、から、前記出力機器に出力された前記電子データを閲覧した第2のユーザを推定する推定部と、
前記電子データと、該電子データを閲覧したと推定された第2のユーザを識別する識別情報と、を関連付けた関連情報を生成して前記記憶装置に記憶する記憶処理部と、
を備える電子データ管理装置。
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【公開番号】特開2013−97555(P2013−97555A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239448(P2011−239448)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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