説明

電子ペーパーへの画像記録装置及び画像記録方法

【課題】電子ペーパーに記録される画像の画質を向上させる。
【解決手段】所定電位に帯電された帯電体と、帯電体と対向する対向部材と、着色帯電粒子を有し、着色帯電粒子が厚み方向に移動することにより画像を表示する電子ペーパーを、搬送する搬送部材と、電子ペーパーが帯電体と対向部材との間に位置する際に、該間に厚み方向に沿う電界を発生させて着色帯電粒子を厚み方向に移動させることにより、電子ペーパーに画像を表示させる電圧印加部と、電子ペーパーを搬送部材に搬送させて、電子ペーパーの互いに異なる部位を該間に順次送り込み、該間に送り込まれた部位に画像を順次表示させる第一処理を電圧印加部に実行させ、電子ペーパーを搬送部材にさらに搬送させて、該間を一旦抜けた部位を該間に再度順次送り込み、該間に送り込まれた部位に画像を再度順次表示させる第二処理を電圧印加部に実行させるコントローラーと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペーパーへの画像記録装置及び画像記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
着色帯電粒子を有し該着色帯電粒子が厚み方向に移動することにより画像を表示する電子ペーパーは既によく知られている。電子ペーパー画像記録装置は、電子ペーパーに電界をかけることによって電子ペーパーの着色帯電粒子の位置を制御する。これにより、電子ペーパーには画像が記録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−251048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、電子ペーパーに記録される画像の画質が低い場合がある。
本発明はかかる従来の課題に鑑みて成されたもので、電子ペーパーに記録される画像の画質を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための主たる発明は、
潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体と対向する対向部材と、
着色帯電粒子を有し、前記着色帯電粒子が厚み方向に移動することにより画像を表示する電子ペーパーを、搬送する搬送部材と、
前記電子ペーパーが前記像担持体と前記対向部材との間に位置する際に、前記間に前記厚み方向に沿う電界を発生させて前記着色帯電粒子を前記厚み方向に移動させることにより、前記潜像に対応する画像を前記電子ペーパーに表示させる電界発生部と、
前記電子ペーパーを前記搬送部材に搬送させて、前記電子ペーパーの互いに異なる部位を前記間に順次送り込み、前記間に送り込まれた前記部位に前記潜像に対応する画像を順次表示させる第一処理を前記電界発生部に実行させ、
前記電子ペーパーを前記搬送部材にさらに搬送させて、前記間を一旦抜けた前記部位を前記間に再度順次送り込み、前記間に送り込まれた前記部位に前記潜像に対応する画像を再度順次表示させる第二処理を前記電界発生部に実行させるコントローラーと、
を有することを特徴とする電子ペーパーへの画像記録装置
である。
【0006】
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】電子ペーパー100の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】画像部位及び非画像部位における着色荷電粒子の様子を示した模式図である。
【図3】電子ペーパーへの画像記録装置1の概略断面図である。
【図4】図4Aは、感光体20と対向ローラー52の拡大図であり、図4Bはさらに感光体20と対向ローラー52の挟み込み部分の拡大図である。
【図5】電子ペーパーへの画像記録装置1のブロック図である。
【図6】感光体20aと対向ローラー52aとの軸間距離又は感光体20bと対向ローラー52bとの軸間距離と、圧接力及びニップ幅との関係を示す表である。
【図7】画像記録装置1が実行する画像を記録する処理フローを示すフロー図である。
【図8】図8Aは、電子ペーパー100が画像記録装置1内に搬送される前であって、電界がほとんどかかっていない場合の、着色帯電粒子の状態を示す図である。図8Bは、S705において白い画像が記録される電子ペーパー100の部位における着色帯電粒子の動きを示す図である。図8Cは、S705において画像が記録された後の電子ペーパー100の着色帯電粒子の状態を示す図である。図7Dは、無電界状態となった電子ペーパー100の着色帯電粒子の状態を示す図である。図7Eは、S711において白い画像が再び記録される電子ペーパー100の部位における着色帯電粒子の動きを示す図である。図7Fは、S711において画像が記録された後の電子ペーパー100の着色帯電粒子の状態を示す図である。
【図9】図9Aは、電子ペーパー100の非画像部において画像が記録されるメカニズムを示す概念図であり、図9Bは、電子ペーパー100の画像部において画像が記録されるメカニズムを示す概念図である。
【図10】図10Aは、第一処理が実行された後の電子ペーパー100の非画像部の状態を示すものであり、図10Bは、第一処理が実行された後の電子ペーパー100の画像部の状態を示すものである。
【図11】図11Aは、第一処理後であって第二処理直前の電子ペーパー100の非画像部の状態を示すものであり、図11Bは、第一処理後であって第二処理直前の電子ペーパー100の画像部の状態を示すものである。
【図12】図12Aは、第二処理が実行された後の電子ペーパー100の非画像部の状態を示すものであり、図12Bは第二処理が実行された後の電子ペーパー100の画像部の状態を示すものである。
【図13】画像記録装置2の構成を示す概略図である。
【図14】画像記録装置2が実行する画像を記録する処理フローを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかとなる。
【0009】
即ち、潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体と対向する対向部材と、
着色帯電粒子を有し、前記着色帯電粒子が厚み方向に移動することにより画像を表示する電子ペーパーを、搬送する搬送部材と、
前記電子ペーパーが前記像担持体と前記対向部材との間に位置する際に、前記間に前記厚み方向に沿う電界を発生させて前記着色帯電粒子を前記厚み方向に移動させることにより、前記潜像に対応する画像を前記電子ペーパーに表示させる電界発生部と、
前記電子ペーパーを前記搬送部材に搬送させて、前記電子ペーパーの互いに異なる部位を前記間に順次送り込み、前記間に送り込まれた前記部位に前記潜像に対応する画像を順次表示させる第一処理を前記電界発生部に実行させ、
前記電子ペーパーを前記搬送部材にさらに搬送させて、前記間を一旦抜けた前記部位を前記間に再度順次送り込み、前記間に送り込まれた前記部位に前記潜像に対応する画像を再度順次表示させる第二処理を前記電界発生部に実行させるコントローラーと、
を有することを特徴とする電子ペーパーへの画像記録装置である。
このような電子ペーパーへの画像記録装置によれば、電子ペーパーに記録される画像の画質を向上させることができる。
【0010】
かかる電子ペーパーへの画像記録装置であって、
前記第一処理及び前記第二処理が実行される際に、前記像担持体と前記対向部材とは前記電子ペーパーを挟んで圧接しており、
前記第二処理が実行される際の前記像担持体と前記対向部材とが圧接する圧接力は、前記第一処理が実行される際の前記圧接力よりも大きい
ことを特徴とする電子ペーパーへの画像記録装置である。
このような電子ペーパーへの画像記録装置によれば、第二処理が実行される際の像担持体と対向部材とが圧接する圧接力は、第一処理が実行される際の圧接力よりも大きいことから、第二処理が実行される際に電子ペーパーが受ける電界は、第一処理が実行される際の電界よりも大きい。したがって、第一処理が実行された際には着色帯電粒子を厚み方向にゆっくりと移動させ、第二処理が実行された際には着色帯電粒子を一気に移動させることができ、もって電子ペーパーに記録される画像の画質を向上させることができる。
【0011】
かかる電子ペーパーへの画像記録装置であって、
前記像担持体は、第一電位で帯電される領域と前記第一電位より大きい第二電位で帯電される領域とを有することによって、前記潜像を担持し、
前記第一処理が実行される際の前記第一電位と前記第二電位との電位の差は、前記第二処理が実行される際の前記第一電位と前記第二電位との電位の差よりも小さく、
前記電界発生部は、前記電子ペーパーが前記像担持体と前記対向部材との間に位置する際に、前記第一電位よりも大きくて前記第二電位よりも小さい印加電圧を前記対向部材に印加し、前記間に前記厚み方向に沿う電界を発生させて前記着色帯電粒子を前記厚み方向に移動させることにより、前記潜像に対応する画像を前記電子ペーパーに表示させる
ことを特徴とする電子ペーパーへの画像記録装置である。
このような電子ペーパーへの画像記録装置によれば、第二処理が実行される際に電子ペーパーが受ける電界は、第一処理が実行される際の電界よりも大きいことから、第一処理が実行された際には着色帯電粒子を厚み方向にゆっくりと移動させ、第二処理が実行された際には着色帯電粒子を一気に移動させることができ、もって電子ペーパーに記録される画像の画質を向上させることができる。
【0012】
かかる電子ペーパーへの画像記録装置であって、
前記第一処理が実行される際の前記第一電位と前記印加電圧との差は、前記第二処理が実行される際の前記第一電位と前記印加電圧との差よりも小さく、
前記第一処理が実行される際の前記第二電位と前記印加電圧との差は、前記第二処理が実行される際の前記第二電位と前記印加電圧との差よりも小さいことを特徴とする電子ペーパーへの画像記録装置である。
このような電子ペーパーへの画像記録装置によれば、第二処理が実行される際に電子ペーパーが受ける電界は、第一処理が実行される際の電界よりも更に大きいことから、第一処理が実行された際には着色帯電粒子を厚み方向にゆっくりと移動させ、第二処理が実行された際には着色帯電粒子を一気に移動させることができ、もって電子ペーパーに記録される画像の画質を更に向上させることができる。
【0013】
また、着色帯電粒子を有し、前記着色帯電粒子が厚み方向に移動することにより画像を表示する電子ペーパーを搬送部材に搬送させて、前記電子ペーパーの互いに異なる部位を、潜像を担持する像担持体と前記像担持体と対向する対向部材との間に順次送り込み、
前記間に前記厚み方向に沿う電界を発生させて前記着色帯電粒子を前記厚み方向に移動させることにより、前記間に送り込まれた前記部位に前記潜像に対応する画像を順次表示させる第一処理を電界発生部に実行させることと、
前記電子ペーパーを前記搬送部材にさらに搬送させて、前記間を一旦抜けた前記部位を前記間に再度順次送り込み、
前記間に送り込まれた前記部位に前記潜像に対応する画像を再度順次表示させる第二処理を前記電界発生部に実行させることと、
を有することを特徴とする電子ペーパーへの画像記録方法である。
このような電子ペーパーへの画像記録方法によれば、電子ペーパーに記録される画像の画質を向上させることができる。
【0014】
===第1実施形態===
次に、電子ペーパー100に画像を記録する電子ペーパーへの画像記録装置1の構成例について、説明する。
以下では、電子ペーパーへの画像記録装置1の説明に先立って、先ず、電子ペーパー100の構成について説明する。そして、これに引き続いて、電子ペーパーへの画像記録装置1の構成について説明する。
【0015】
<<電子ペーパー100の構成>>
ここでは、電子ペーパー100の構成例について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、電子ペーパー100の構成を模式的に示す断面図である。図2は、画像部位及び非画像部位における着色荷電粒子の様子を示した模式図である。
【0016】
電子ペーパー100は、着色帯電粒子を有し、該着色帯電粒子が厚み方向に移動することにより画像を表示するものである。すなわち、電子ペーパー100は、着色された電気泳動粒子の電気泳動を利用して画像の表示を行う。
【0017】
図1に示すように、本実施の形態に係る電子ペーパー100は、表示層103と、表示層103の上面に設けられた上側絶縁層141と、表示層103の下面に設けられた下側絶縁層142と、封止部107と、を備えている。
【0018】
電子ペーパー100では、上側絶縁層141が表示面121を構成しており、上側絶縁層141を介して表示層103が視認されることにより、画像を認識することができるようになっている。また、電子ペーパー100は、可撓性を有するもの、有さないもののいずれであってもよいが、本実施の形態に係る電子ペーパー100は、可撓性を有している。
【0019】
表示層103は、着色帯電粒子の一例としての正帯電白色粒子及び負帯電黒色粒子の収容部であるマイクロカプセル131とバインダ132とを有しており、複数のマイクロカプセル131がバインダ132で固定(保持)されることにより構成されている。また、複数のマイクロカプセル131は、上側絶縁層141と下側絶縁層142との間に、縦横に並列するように単層で(厚さ方向に重なることなく1個ずつ)配設されている。
【0020】
各マイクロカプセル131は、殻体であるカプセル本体133を有しており、その内部(内部空間)には、電気泳動分散液が充填(封入)されている。カプセル本体133内に充填された電気泳動分散液は、正帯電白色粒子と負帯電黒色粒子とを液相分散媒に分散(懸濁)してなるものである。正帯電白色粒子及び負帯電黒色粒子の液相分散媒への分散については、ペイントシェーカー法、ボールミル法、メディアミル法、超音波分散法、攪拌分散法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて行なうことができる。
【0021】
正帯電白色粒子は、正に帯電する白色の電気泳動粒子であり、負帯電黒色粒子は、負に帯電する黒色の電気泳動粒子である。このように、正帯電白色粒子と負帯電黒色粒子とを用いることにより、電子ペーパー100における白黒表示が可能となる。なお、本実施の形態においては、負帯電黒色粒子の帯電量と比べて、正帯電白色粒子の帯電量が小さくなっている(正帯電白色粒子は微帯電している)。
【0022】
正帯電白色粒子及び負帯電黒色粒子には、それぞれ、電荷を有するものであれば、いかなるものをも用いることができ、特に限定はされないが、顔料粒子、樹脂粒子またはこれらの複合粒子のうちの少なくとも1種が好適に使用される。
【0023】
顔料粒子を構成する顔料としては、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック、チタンブラック等の黒色顔料、酸化チタン、酸化アンチモン等の白色顔料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。このうち、チタンブラックが負帯電黒色粒子として、酸化チタンが正帯電白色粒子として、好適に用いられる(本実施の形態においても、これらが用いられている)。
【0024】
また、樹脂粒子を構成する樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン、ポリエステル等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0025】
また、複合粒子としては、例えば、顔料粒子の表面を樹脂材料や他の顔料で被覆したもの、樹脂粒子の表面を顔料で被覆したもの、顔料と樹脂材料とを適当な組成比で混合した混合物で構成される粒子等が挙げられる。顔料粒子の表面を他の顔料で被覆した粒子としては、例えば、酸化チタン粒子の表面を、酸化珪素や酸化アルミニウムで被覆したものを例示することができる。
【0026】
正帯電白色粒子及び負帯電黒色粒子については、液相分散媒中での分散性を考慮した場合、より小さいものが好適に用いられる。具体的には、その平均粒径が、10〜500nm程度であるのが好ましく、20〜300nm程度であるのがより好ましい。正帯電白色粒子及び負帯電黒色粒子の平均粒径を前記範囲とすることにより、正帯電白色粒子と負帯電黒色粒子の凝集や、正帯電白色粒子や負帯電黒色粒子の沈降を防止することができ、正帯電白色粒子及び負帯電黒色粒子を液相分散媒中に分散させた状態を維持することができる。
【0027】
そして、このような正帯電白色粒子及び負帯電黒色粒子がマイクロカプセル131内で電子ペーパー100の厚み方向に移動することにより、画像が表示されることとなる。
【0028】
すなわち、詳細については後述するが、当該電子ペーパー100における画像を表示させたい部位(つまり、黒画像部)においては、負帯電黒色粒子が前記厚み方向における上側絶縁層141(表示面121)側に、正帯電白色粒子が下側絶縁層142側に、それぞれ移動し(図2の左図参照)、画像を表示させたくない部位(つまり、白画像部(白背景部))においては、正帯電白色粒子が前記厚み方向における上側絶縁層141(表示面121)側に、負帯電黒色粒子が下側絶縁層142側に、それぞれ移動するように(図2の右図参照)、粒子の移動が制御されることにより、電子ペーパー100における白黒表示が成される。そして、この粒子の移動制御は、前記電子ペーパーへの画像記録装置1が、前記厚み方向に沿う電界を発生させ、前者の部位においては電界の向きが下向き(上側絶縁層141から下側絶縁層142へ向かう向き)となり(図2の左図参照)、後者の部位においては電界の向きが上向き(下側絶縁層142から上側絶縁層141へ向かう向き)となるように(図2の右図参照)、電界の向きを制御することによって実現されることとなる。
【0029】
なお、正帯電白色粒子及び負帯電黒色粒子の比重は、それぞれ、液相分散媒の比重とほぼ等しくなるように設定されているのが好ましい。これにより、正帯電白色粒子及び負帯電黒色粒子は、電界の作用を受けた後においても、液相分散媒中において一定の位置に長時間滞留することができる。
【0030】
バインダ132は、例えば、上側絶縁層141と下側絶縁層142とを接合する目的、上側絶縁層141と下側絶縁層142との間に各マイクロカプセル131を固定する目的等により供給される。このバインダ132には、上側絶縁層141、下側絶縁層142およびカプセル本体133との親和性(密着性)に優れ、かつ、絶縁性に優れる樹脂材料が好適に使用される。
【0031】
表示層103を間に挟むように対向配置された上側絶縁層141及び下側絶縁層142は、それぞれ、絶縁性を有するシート状(平板状)の部材で構成されている。このような上側絶縁層141及び下側絶縁層142は、表示層103(マイクロカプセル131)を保護する機能を有している。
【0032】
上側絶縁層141は、表示面121を構成するために光透過性を有するもの、すなわち、実質的に透明(無色透明、有色透明または半透明)とされる。これにより、表示面121側から、表示層103の状態(各マイクロカプセル131中の正帯電白色粒子及び負帯電黒色粒子の状態)、すなわち電子ペーパー100に表示された画像(情報)を目視により認識することができる。一方、下側絶縁層142については、上側絶縁層141のような光透過性の有無は問わない(本実施の形態においては、下側絶縁層142は実質的に不透明となっている)。
【0033】
封止部107は、電子ペーパー100内への水分の浸入を防止して、電子ペーパー100の表示性能の劣化を抑えるためのものである。封止部107は、上側絶縁層141と下側絶縁層142との間に、それらの縁部に沿うようにして設けられている。そして、この封止部107により、表示層103が気密的に封止されている。
【0034】
<<画像記録装置1の構成>>
次に、電子ペーパーへの画像記録装置1の構成例について、図3〜図5を用いて説明する。図3は、電子ペーパーへの画像記録装置1の概略断面図であり、図4Aは、感光体20と対向ローラー52の拡大図であり、図4Bはさらに感光体20と対向ローラー52の挟み込み部分の拡大図である。図5は、電子ペーパーへの画像記録装置1のブロック図である。
【0035】
本実施の形態に係る電子ペーパーへの画像記録装置1は、図3に示すように、像担持体の一例としての感光体20の回転方向に沿って、帯電ユニット30、露光ユニット40、電界生成ユニット50(対向部材の一例としての対向ローラー52を含む)、を有し、さらに、搬送部材の一例としての搬送ユニット60、及び、これらのユニット等を制御し電子ペーパーへの画像記録装置1としての動作を司るコントローラー80を有する。
【0036】
感光体20は、金属製の円筒状の導電性基材と、その外周面に形成され静電気を保持するための樹脂製の感光層と、を有している。この感光体20は、中心軸を中心に回転可能であり、本実施の形態において、感光体20は、それぞれ直径78mmの感光体20aと感光体20bの2つ設けられ、何れも図3中の矢印で示すように時計回りに回転する。
【0037】
帯電ユニット30は、感光体20を帯電させるためのものである。画像記録装置1には、感光体20a、20bにそれぞれ対応した帯電ローラー30a、30bが設けられる。本実施の形態においては、帯電ローラー30aが感光体20aを−500ボルトに帯電させ、帯電ローラー30bが感光体20bを−800ボルトに帯電させるようになっている。
【0038】
露光ユニット40は、レーザーを照射することによって帯電された感光体20a、20b上に潜像を形成するものである。画像記録装置1には、感光体20a、20bにそれぞれ対応した2つの露光ユニット40a、40bが設けられる。この露光ユニット40は、半導体レーザー、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、パーソナルコンピューター、ワードプロセッサ等の不図示のコンピューターから入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザーを帯電された感光体20a、20b上に照射する。本実施の形態においては、潜像の画像部及び非画像部(背景部)のうち、画像部に相当する部分にレーザーが照射される(本項においては、電子ペーパー100における前記黒画像部に対応する感光体20a、20b上の部分を画像部と、前記白画像部(白背景部)に対応する感光体20a、20b上の部分を非画像部(背景部)と、それぞれ呼んでいる)。そして、感光体20a上のレーザーが照射された部分の電位が−500ボルトから−50ボルトとなり(−50ボルトの画像部と−500ボルトの非画像部(背景部)とを有する潜像が得られる)、感光体20b上のレーザーが照射された部分の電位が−800ボルトから−50ボルトとなる(−50ボルトの画像部と−800ボルトの非画像部(背景部)とを有する潜像が得られる)。
【0039】
電界生成ユニット50は、電子ペーパー100の厚み方向に電界を発生させて、当該電子ペーパー100の正帯電白色粒子及び負帯電黒色粒子を厚み方向に移動させるためのものである。画像記録装置1には、感光体20a、20bにそれぞれ対応した2つの電界生成ユニット50a、50bが設けられる。この電界生成ユニット50a、50bは、それぞれ対向ローラー52a、52bと電圧印加部54(図5参照)とを備えている。
【0040】
対向ローラー52a、52bは、感光体20a、20bにそれぞれ対向する回転可能なローラーであり、何れも直径が30mmである。対向ローラー52aは、電子ペーパー100が感光体20aと対向ローラー52aとの間に位置する際に、感光体20aと協働して電子ペーパー100を挟んで圧接させつつ(すなわち、感光体20aと対向ローラー52aとはニップ部にて電子ペーパー100を挟んで圧接している)、感光体20aの回転に伴ってその回転方向とは反対方向に回転する。同様に、対向ローラー52bは、電子ペーパー100が感光体20bと当該対向ローラー52bとの間に位置する際に、感光体20bと協働して電子ペーパー100を挟んで圧接させつつ、感光体20bの回転に伴ってその回転方向とは反対方向に回転する。
【0041】
感光体20aと対向ローラー52aとの軸間距離は、感光体20aの半径と対向ローラー52aの半径の合計よりも短く設定される。具体的には、上述の通り感光体20aの半径39mmと対向ローラー52aの半径15mmとの合計は54mmであり、感光体20aと対向ローラー52aとの軸間距離を53.3mmである。また、対向ローラー52aの、電子ペーパー100を介して感光体20aと接触する接触部分は、弾性体であって例えばゴム製である。つまり、対向ローラー52aが感光体20aと対向する部分では、対向ローラー52aが感光体20aの外周面に対応する形状に変形することによって、そこで挟み込まれる電子ペーパー100に対して圧接力を与える(図4B参照)。
【0042】
感光体20bと対向ローラー52bの軸間距離は、感光体20aと対向ローラー52aとの軸間距離よりも更に短く、52.8mmである。対向ローラー52bも、対向ローラー52aと同様に弾性体であり、対向ローラー52bが感光体20bの外周面に対応する形状に変形することによって、そこで挟み込まれる電子ペーパー100に対して圧接力を与える(図4B参照)。
【0043】
図6は、感光体20aと対向ローラー52aとの軸間距離又は感光体20bと対向ローラー52bとの軸間距離と、圧接力及びニップ幅との関係を示す表である。同図に示すように、感光体20aと対向ローラー52aとの軸間距離は53.3mmであり、食い込みは0.7mm、ニップ幅5.0mm、圧接力48gf/cmである。また、感光体20bと対向ローラー52bとの軸間距離は52.8mmであり、食い込みは1.2mm、ニップ幅6.5mm、圧接力68gf/cmである。
【0044】
電圧印加部54は、電子ペーパー100が前記間に位置する際に、前記対向ローラー52a、52bに電圧を印加する(すなわち、対向ローラー52a、52bは、被電圧印加部としての機能を有する)。そして、このことにより、感光体20aと対向ローラー52aとの間、及び感光体20bと対向ローラー52bとの間、にそれぞれ電子ペーパー100の厚み方向に沿う電界を発生させて、電子ペーパー100の正帯電白色粒子及び負帯電黒色粒子を厚み方向に移動させる。
【0045】
電圧印加部54は、正帯電白色粒子及び負帯電黒色粒子が移動して、前記潜像に対応する画像が電子ペーパー100に表示されるように電圧を印加する。
【0046】
搬送ユニット60は、電子ペーパー100を搬送するためのものである。この搬送ユニット60は、ペーパーカセット62と、ペーパーカセット62の上部に位置する給紙ローラー64と、給紙ローラー64から見て、感光体20側に位置する搬送ローラー66と、不図示の排紙ローラーと、を有している。給紙ローラー64は、ペーパーカセット62に収容されている電子ペーパー100を給紙するローラーである。搬送ローラー66は、給紙ローラー64によって給紙された電子ペーパー100を感光体20aと対向ローラー52aとの間及び感光体20bと対向ローラー52bとの間に搬送するローラーである。排紙ローラーは、画像が表示された電子ペーパー100を電子ペーパーへの画像記録装置1から排出するローラーである。これらのローラーは、不図示のモーターにより駆動される。
【0047】
コントローラー80は、電子ペーパーへの画像記録装置1の制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラー80は、インターフェイス部81と、CPU82と、メモリー83と、ユニット制御回路84と、を有する。
【0048】
インターフェイス部81は、外部装置であるコンピューターと電子ペーパーへの画像記録装置1との間でデータの送受信を行う。CPU82は、電子ペーパーへの画像記録装置1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー83は、CPU82のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU82は、メモリー83に格納されるプログラムに従って、ユニット制御回路84を介して各ユニットを制御する。
【0049】
<<画像記録装置1の動作>>
次に、画像記録装置1が電子ペーパー100に画像を記録する処理について説明する。
図7は、画像記録装置1が実行する画像を記録する処理フローを示すフロー図である。
【0050】
まず、画像記録装置1のコントローラー80は、外部コンピューターから印刷データを受信すると(S701)、帯電ローラー30aによって感光体20aを−500ボルトに帯電させる(S702)。そして、コントローラー80は、印刷データに基づいて−500ボルトに帯電された感光体20aに対して露光ユニット40aからレーザー光を照射させて、感光体20aに潜像を形成する(S703)。すなわち、露光ユニット40aには、レーザー光が照射されず−500ボルト(「第一電位」に相当)に帯電された部分と、レーザー光が照射されることにより−50ボルト(「第二電位」に相当)となる部分とが形成されることによって、潜像が形成される。
【0051】
また、コントローラー80は、ペーパーカセット62に収納されている電子ペーパー100を、給紙ローラー64によって給紙する(S704)。図8Aは、電子ペーパー100が画像記録装置1内に搬送される前であって、電界がほとんどかかっていない状態(以下、「無電界状態」)での、着色帯電粒子の状態を示す図である。
【0052】
そして、コントローラー80は、搬送ユニット60によって電子ペーパー100をその先端部位から末端部位まで順次、感光体20aと対向ローラー52aとの間に搬送させる(S705)。コントローラー80は、電圧印加部54によって対向ローラー52aに−200ボルトの電圧を印加することで、感光体20aと対向ローラー52aとの間に電界を発生させるとともに、その間に電子ペーパー100の先端部位から末端部位まで順次、挟み込ませて電界をかけ、感光体20aの潜像に対応する画像を電子ペーパー100の先端部位から末端部位まで順次、記録する(S706)。以上、S701からS706までのステップは、第一処理に相当する。
【0053】
ここで、S706において、電子ペーパー100に画像が記録されるメカニズムを説明する。図9Aは、電子ペーパー100の非画像部(白背景部)が記録されるメカニズムを示す概念図であり、図9Bは、電子ペーパー100の画像部(黒画像部)が記録されるメカニズムを示す概念図である。図9Aに示すように、感光体20aの−500ボルトに帯電している部分と対向ローラー52aとの間には、対向ローラー52a(−200ボルトの印加電圧)から感光体20a(−500ボルトに帯電)に向けて電界が発生している。したがって、プラスに帯電された白色粒子は感光体20a側に移動し、マイナスに帯電された黒色粒子は対向ローラー52a側に移動する。すなわち、電子ペーパー100の表示面には白色粒子が集まっており白く見える。一方で、図9Bに示すように、感光体20aの−50ボルトに帯電している部分と対向ローラー52aとの間には、感光体20a(−50ボルトに帯電)から対向ローラー52a(−200ボルトに帯電)に向けて電界が発生している。したがって、プラスに帯電された白色粒子は対向ローラー52a側に移動し、マイナスに帯電された黒色粒子は感光体20a側に移動する。すなわち、電子ペーパー100の表示面には黒色粒子が集まっており黒く見える。このようにして、電子ペーパー100の表示面には黒く見える部分(画像部)と白く見える部分(非画像部)が形成され、すなわち感光体20aの潜像に対応する画像が記録される。
【0054】
図8Bは、S706において非画像部が記録される電子ペーパー100の部位における着色帯電粒子の動きを示す図である。同図に示すように、電子ペーパー100が感光体20aと対向ローラー52aとの間に位置すると、感光体20aと対向ローラー52aとの間の電界により着色帯電粒子がクーロン力を受けて電気泳動を開始する。また、図8Cは、S706において非画像部が記録された後の電子ペーパー100の着色帯電粒子の状態を示す図である。同図に示すように、電気泳動開始時に上側絶縁層141側にある負帯電黒色粒子のうちの一部は、対向ローラー52a側に電気泳動する際に正帯電白色粒子に取り囲まれ、クーロン力では抜け出せなくなりうる。この場合、一部の負帯電黒色粒子が上端側に残っている。
【0055】
さて、画像記録処理フローの説明を続ける。コントローラー80は、感光体20aと対向ローラー52aとを回転させて、感光体20aと対向ローラー52aとの間から電子ペーパー100を先端部位から末端部位まで順次排出し、電子ペーパー100の各部位に電界がほとんどかからない状態とする(S707)。すなわち、電子ペーパー100は、先端部位から末端部位まで順次、感光体20aと対向ローラー52aとの間から排出されることによって、電子ペーパー100には感光体20aと対向ローラー52aとの電位差による電界がほとんどかからない状態(すなわち、無電界状態)となる。図8Dは、無電界状態となった電子ペーパー100の着色帯電粒子の状態を示す図である。同図に示すように、無電界状態では、電界がほとんどかかっていないので、少なくとも電子ペーパー100内の白色帯電粒子と黒色帯電粒子とがこの電界の影響によっては大きくは移動しないものの、粒子間斥力により粒子が拡散し取り囲まれていた粒子も自由に動けるようになる。
【0056】
コントローラー80は、対向ローラー52bによって感光体20bを−800ボルトに帯電させる(S708)。そして、コントローラー80は、印刷データに基づいて−800ボルトに帯電された感光体20bに対して露光ユニット40bからレーザー光を照射させて、感光体20bに潜像を形成する(S709)。すなわち、感光体20bには、レーザー光が照射されず−800ボルト(「第一電位」に相当)に帯電された部分と、レーザー光が照射されることにより−50ボルト(「第二電位」に相当)となる部分とが形成されることによって、潜像が形成される。
【0057】
また、コントローラー80は、搬送ユニット60によって電子ペーパー100をその先端部位から末端部位まで順次、感光体20bと対向ローラー52bとの間に搬送させる(S710)。コントローラー80は、電圧印加部54によって対向ローラー52bに−300ボルトの電圧を印加させることで、感光体20bと対向ローラー52bとの間に電界を発生させるとともに、その間に電子ペーパー100の先端部位から末端部位まで順次、挟み込ませて電界をかけ、感光体20bの潜像に対応する画像を電子ペーパー100の先端部位から末端部位まで順次、記録する(S711)。
【0058】
図8Eは、S711において非画像部が再び記録される電子ペーパー100の部位における着色帯電粒子の動きを示す図である。同図に示すように、電子ペーパー100が感光体20bと対向ローラー52bとの間に位置すると、S707で無電界状態に置かれて一度拡散していた着色帯電粒子は、感光体20bと対向ローラー52bとの間の電界により着色帯電粒子がクーロン力を受けて電気泳動を再び開始する。また、図8Fは、S711において画像が記録された後の電子ペーパー100の着色帯電粒子の状態を示す図である。同図に示すように、図8Dの状態において正帯電白色粒子に取り囲まれていた負帯電黒色粒子は、クーロン力によって脱出することで、正帯電白色粒子が上側絶縁層141側に集まり、負帯電黒色粒子が下側絶縁層142側に集まることで、適切に分離する。
【0059】
そして、コントローラー80は、感光体20bと対向ローラー52bとを回転させて、感光体20bと対向ローラー52bとの間から電子ペーパー100を先端部位から末端部位まで順次排出する(S712)。以上、S707からS712までのステップは、第二処理に相当する。
【0060】
<<画像記録装置の有用性>>
第1実施形態の電子ペーパーへの画像記録装置1によれば、電子ペーパー100を搬送ユニット60に搬送させて、電子ペーパー100の互いに異なる部位を感光体20aと対向ローラー52aとの間に順次送り込み、その間に送り込まれた電子ペーパー100の部位に感光体20aの潜像に対応する画像を順次表示させる第一処理を電圧印加部54に実行させ、電子ペーパー100を搬送ユニット60にさらに搬送させて、感光体20aと対向ローラー52aとの間を一旦抜けた電子ペーパー100の部位を感光体20bと対向ローラー52bとの間に再度順次送り込み、その間に送り込まれた部位に潜像に対応する画像を再度順次表示させる第二処理を電圧印加部54に実行させることにより、電子ペーパー100に記録される画像の画質を向上させることができる。
【0061】
図10〜図12は、電子ペーパー100の負帯電黒色粒子及び正帯電白色粒子の様子を示す概念図である。図10Aは、第一処理が実行された後の電子ペーパー100の非画像部の状態を示すものであり、図10Bは、第一処理が実行された後の電子ペーパー100の画像部の状態を示すものである。図11Aは、第一処理後であって第二処理直前の電子ペーパー100の非画像部の状態を示すものであり、図11Bは、第一処理後であって第二処理直前の電子ペーパー100の画像部の状態を示すものである。図12Aは、第二処理が実行された後の電子ペーパー100の非画像部の状態を示すものであり、図12Bは第二処理が実行された後の電子ペーパー100の画像部の状態を示すものである。
【0062】
図10Aに示すように、電子ペーパー100の非画像部では、感光体20aと対向ローラー52aとにより電子ペーパー100に画像を記録すること(第一処理)で、正帯電白色粒子W1を上側絶縁層141側に移動させることができ、負帯電黒色粒子B1を下側絶縁層142側に移動させることができる。また、図10Bに示すように、電子ペーパー100の画像部では、同様に、負帯電黒色粒子B2を上側絶縁層141側に移動させることができ、正帯電白色粒子W2を下側絶縁層142側に移動させることができる。このようにして、電子ペーパー100の正帯電白色粒子及び負帯電黒色粒子を移動させることによって、電子ペーパー100に画像を記録することができる。
【0063】
しかし、図10Aに示すように、第一処理の際に、電子ペーパー100の非画像部において、一部の負帯電黒色粒子B3が正帯電白色粒子W3に行く手を塞ぐように妨害されてしまい、その負帯電黒色粒子が下側絶縁層142側に移動できずに上側絶縁層141側に留まってしまうことがある。ここで、一旦電子ペーパー100を感光体20aと対向ローラー52aとの間から抜けさせ電界がほとんどかからない状態(無電界状態)とすると、負帯電黒色粒子B3及び正帯電白色粒子W3は粒子間斥力によって、図11Aに示すように、負帯電黒色粒子B3及び正帯電白色粒子W3が相互に離間し、いわばほぐされた状態となることとなり、負帯電黒色粒子B3と負帯電黒色粒子B3を妨害していた正帯電白色粒子W3との間に隙間ができ、この妨害が解除される。
【0064】
同様に、図10Bに示すように、第一処理の際に、電子ペーパー100の画像部において、一部の正帯電白色粒子W4が黒色粒子B4に行く手を塞ぐように妨害されてしまい、その正帯電白色粒子が下側絶縁層142側に移動できずに上側絶縁層141側に留まってしまうことがある。しかし、図11Bに示すように、一旦無電界状態とすると、負帯電黒色粒子B3及び正帯電白色粒子W3は粒子間斥力によって、負帯電黒色粒子B3及び正帯電白色粒子W3はほぐされることとなり、正帯電白色粒子W3と正帯電白色粒子W3を妨害していた負帯電黒色粒子B3との間に隙間ができ、この妨害が解除される。
【0065】
この妨害が解除された後に、感光体20bと対向ローラー52bとにより電子ペーパー100に画像を記録すること(第二処理)で、図12Aに示すように、非画像部において、妨害されていた負帯電黒色粒子B3を下側絶縁層142側に移動させることができる。画像部においても同様に、図12Bに示すように、妨害されていた正帯電白色粒子を下側絶縁層142側に移動させることができる。
【0066】
このようにして、一度画像を記録した電子ペーパー100を一旦電界がほとんどかからない状態として内部の負帯電黒色粒子及び正帯電白色粒子をほぐした上で、電子ペーパー100に重ねて画像を記録することで、画像部においてはより多くの負帯電黒色粒子とより少ない正帯電白色粒子とを上側絶縁層141側に置くことができ、かつ非画像部においてはより多くの正帯電白色粒子とより少ない正帯電白色粒子とを上側絶縁層141側に置くことができ、もってより高い画質の画像を記録することができる。
【0067】
また、電子ペーパーへの画像記録装置1によれば、第一処理及び第二処理が実行される際に、感光体20aと対向ローラー52a、感光体20bと対向ローラー52bは、それぞれ電子ペーパー100を挟んで圧接しており、第二処理が実行される際の感光体20bと対向ローラー52bとが圧接する圧接力は、第一処理が実行される際の感光体20aと対向ローラー52aとの圧接力よりも大きいことから、第一処理が実行された際には着色帯電粒子を厚み方向にゆっくりと移動させ、第二処理が実行された際には着色帯電粒子を一気に移動させることができ、もって電子ペーパーに記録される画像の画質を向上させることができる。
【0068】
すなわち、電子ペーパーへの画像記録装置1によれば、第二処理が実行される際の圧接力は、第一処理が実行される際の圧接力よりも大きいことから、第二処理が実行される際には第一処理が実行される際よりも感光体20a、20bと電子ペーパー100との隙間及び対向ローラー52a、52bと電子ペーパー100との隙間に空気が挟まれ難くなる。第二処理が実行される際には第一処理が実行される際よりも挟まれる空気が少なくなるので、感光体20bと対向ローラー52bとの間の電界は、感光体20aと対向ローラー52aとの間の電界よりも大きくなる。
【0069】
また、第二処理が実行される際の感光体20bと対向ローラー52bとによる圧接力は、第一処理が実行される際の感光体20aと対向ローラー52aとによる圧接力よりも大きいので、電子ペーパー100自体が、第二処理が実行される際には第一処理が実行される際よりもより大きく圧縮される。これにより、感光体20bと対向ローラー52bとの間の距離は、感光体20aと対向ローラー52aとの間の距離よりも短くなる。電界の強さは距離に反比例するので、感光体20bと対向ローラー52bとの間の電界は、感光体20aと対向ローラー52aとの間の電界よりも大きくなる。
【0070】
以上の通り、感光体20bと対向ローラー52bとの間の電界は、感光体20aと対向ローラー52aとの間の電界よりも大きくなることから、第一処理が実行された際には着色帯電粒子を厚み方向にゆっくりと移動させ、第二処理が実行された際には着色帯電粒子を一気に移動させることができる。第一処理が実行された際には着色帯電粒子を厚み方向にゆっくりと移動させることで、印刷データに基づいて記録しようとする画像を記録するように着色帯電粒子を上側絶縁層141側と下側絶縁層142側とにそれぞれ集結させることができる。ここで、着色帯電粒子はゆっくりと集結させているので、緩やかな集結状態となっており、無電界状態となったときには着色帯電粒子が粒子間斥力によりほぐれ易くなっている。そして、無電界状態において粒子間斥力によって集結した着色帯電粒子がほぐれ、移動が妨げられていた着色帯電粒子が移動可能となり、第二処理が実行された際にはその着色帯電粒子を大きな力で確実に然るべき位置へと移動させることができる。このようにして、電子ペーパー100に記録される画像の画質を向上させることができる。
【0071】
また、第二処理が実行される際の感光体20bと対向ローラー52bとによる圧接力は、第一処理が実行される際の感光体20aと対向ローラー52aとによる圧接力よりも大きい。図6に示すように、圧接力が大きければニップ幅も長くなることから、第二処理が実行される際のニップ幅は、第一処理が実行される際のニップ幅よりも長くなる。したがって、第二処理が実行される際には第一処理が実行される際よりも長い時間、電子ペーパー100の着色帯電粒子に対して電界がかけられる。すなわち、第一処理が実行された際には、着色帯電粒子は短時間で集結させているので、緩やかな集結状態となっており、無電界状態となったときには着色帯電粒子が粒子間斥力によりほぐれ易くなっている。そして、無電界状態において粒子間斥力によって、集結した着色帯電粒子がほぐれ、移動が妨げられていた着色帯電粒子が移動可能となり、第二処理が実行された際にはその着色帯電粒子を長時間に亘って確実に然るべき位置へと移動させることができる。このようにして、電子ペーパーに記録される画像の画質を向上させることができる。
【0072】
また、電子ペーパーへの画像記録装置1によれば、第一処理が実行される際の第一電位(−500ボルト)と第二電位(−50ボルト)との電位の差(450ボルト)は、第二処理が実行される際の第一電位(−800ボルト)と第二電位(−50ボルト)との電位の差(750ボルト)よりも小さく、電圧印加部54は、電子ペーパー100が感光体20aと対向ローラー52aとの間に位置する際に第一電位(−500ボルト)よりも大きくて第二電位(−50ボルト)よりも小さい印加電圧(−200ボルト)を対向ローラー52aに印加し、また、電圧印加部54は、電子ペーパー100が感光体20bと対向ローラー52bとの間に位置する際に第一電位(−800ボルト)よりも大きくて第二電位(−50ボルト)よりも小さい印加電圧(−300ボルト)を対向ローラー52bに印加し、感光体20aと対向ローラー52aとの間又は感光体20bと対向ローラー52bとの間に厚み方向に沿う電界を発生させて着色帯電粒子を厚み方向に移動させることにより、潜像に対応する画像を電子ペーパー100に表示させ、もって電子ペーパー100に記録される画像の画質を向上させることができる。すなわち、電子ペーパーへの画像記録装置1によれば、第二処理が実行される際に電子ペーパーが受ける電界は、第一処理が実行される際の電界よりも大きいことから、第一処理が実行された際には着色帯電粒子を厚み方向にほぐれ易い状態を維持しつつ移動させ、第二処理が実行された際には着色帯電粒子を大きな力で確実に然るべき位置へと移動させることができ、もって電子ペーパーに記録される画像の画質を向上させることができる。
【0073】
また、電子ペーパーへの画像記録装置1によれば、第一処理が実行される際の第一電位(−500ボルト)と印加電圧(−200ボルト)との差(300ボルト)は、第二処理が実行される際の第一電位(−800ボルト)と印加電圧(−300ボルト)との差(500ボルト)よりも小さく、第一処理が実行される際の第二電位(−50ボルト)と印加電圧(−200ボルト)との差(150ボルト)は、第二処理が実行される際の第二電位(−50ボルト)と印加電圧(−300ボルト)との差(250ボルト)よりも小さいことから、電子ペーパー100に記録される画像の画質を更に向上させることができる。すなわち、電子ペーパーへの画像記録装置1によれば、第二処理が実行される際に電子ペーパー100が受ける電界は、第一処理が実行される際の電界よりも更に大きいことから、第一処理が実行された際には着色帯電粒子を厚み方向にほぐれ易い状態を維持しつつ移動させ、第二処理が実行された際には着色帯電粒子を大きな力で確実に然るべき位置へと移動させることができ、もって電子ペーパー100に記録される画像の画質を更に向上させることができる。
【0074】
===第2実施形態===
以下の第2実施形態では、画像を表示する媒体である電子ペーパー100に画像を記録する画像記録装置2について説明する。図13は、画像記録装置2の構成を示す概略図である。
【0075】
電子ペーパーへの画像記録装置2は、同図に示すように、画像記録装置1と同様に、感光体20の回転方向に沿って、帯電ユニット30、露光ユニット40、電界生成ユニット50を有し、さらに、搬送ユニット60、及び、これらのユニット等を制御し電子ペーパーへの画像記録装置2としての動作を司るコントローラー80を有する。
【0076】
第1実施形態の画像記録装置1は、感光体20a、20b、帯電ローラー30a、30b、露光ユニット40a、40b、電界生成ユニット50a、50bをそれぞれ2つずつ備えていたが、第2実施形態の画像記録装置2は、図13に示すように、上記各ユニットをそれぞれ1つずつ備える。すなわち、画像記録装置1では、感光体20と電界生成ユニット50とを2組備え、それぞれに1回ずつ送り込むことで重ねて画像を記録したが、画像記録装置2では、感光体20と対向ローラー52とを1組備え、同じ箇所に2回送り込むことで重ねて画像を記録する。
【0077】
画像記録装置2で用いる画像の記録媒体である電子ペーパー100は、画像記録装置1で用いる電子ペーパー100と同様の構成及び機能を有する。
【0078】
感光体20は、画像記録装置1の感光体20a又は感光体20bと同様の構成及び機能を有する。
帯電ユニット30は、画像記録装置1の帯電ローラー30a又は帯電ローラー30bと同様のものである。なお、帯電ユニット30は、第一処理の際には、感光体20をVa1=−500ボルト(「第一電位」に相当)に帯電させる。一方で、帯電ユニット30は、第二処理の際には、感光体20をVb1=−800ボルト(「第二電位」に相当)に帯電させる。
露光ユニット40は、画像記録装置1の露光ユニット40a又は露光ユニット40bと同様の構成及び機能を有する。
電界生成ユニット50は、対向ローラー52と電圧印加部54とを備え、画像記録装置1の電界生成ユニット50と同様の構成及び機能を有する。ただし、画像記録装置2は、画像記録装置2とは異なり、感光体20と対向ローラー52の軸間距離を変えることができる。すなわち、第一処理の際には、感光体20と対向ローラー52の軸間距離は53.3mmとし、第二処理の際には、感光体20と対向ローラー52の軸間距離は、52.8mmとする。感光体20と対向ローラー52との軸間距離と、圧接力及びニップ幅との関係は、図6に示す通りである。
【0079】
また、搬送ユニット60は、電子ペーパー100を搬送するためのものである。この搬送ユニット60は、ペーパーカセット62と、ペーパーカセット62の上部に位置する給紙ローラー64と、給紙ローラー64から見て、感光体20側に位置する搬送ローラー66と、不図示の誘導部と、不図示の排紙ローラーと、を有する。給紙ローラー64は、ペーパーカセット62に収容されている電子ペーパー100を給紙する。搬送ローラー66は、給紙ローラー64によって給紙された電子ペーパー100を感光体20と対向ローラー52との間に搬送する。そして、電界生成ユニット50によって第一処理を実行された電子ペーパー100を、誘導部は矢印Qに示す搬送方向に誘導し、搬送ローラー66は再び感光体20と対向ローラー52との間に搬送する。さらに、電界生成ユニット50によって第二処理を実行された電子ペーパー100を、誘導部は矢印Pに示す搬送方向に誘導し、排紙ローラーは画像記録装置2から排出する。
【0080】
コントローラー80は、画像記録装置1のコントローラー80と同様の構成及び機能を有する。
【0081】
<<画像記録装置2の動作>>
次に、画像記録装置2が電子ペーパー100に画像を記録する処理について説明する。
図14は、画像記録装置2が実行する画像を記録する処理フローを示すフロー図である。
【0082】
まず、画像記録装置2のコントローラー80は、外部装置であるコンピューターから印刷データを受信すると(S1401)、帯電ユニット30によって感光体20を−500ボルトに帯電させる(S1402)。そして、コントローラー80は、印刷データに基づいて−500ボルトに帯電された感光体20に対して露光ユニット40からレーザー光を照射させて、感光体20に潜像を形成する(S1403)。すなわち、露光ユニット40には、レーザー光が照射されず−500ボルト(「第一電位」に相当)に帯電された部分と、レーザー光が照射されることにより−50ボルト(「第二電位」に相当)となる部分とが形成されることによって、潜像が形成される。
【0083】
また、コントローラー80は、搬送ユニット60によって、ペーパーカセット62に収納されている電子ペーパー100を給紙し(S1404)、その先端部位から末端部位まで順次、感光体20と対向ローラー52との間に搬送させる(S1405)。コントローラー80は、電圧印加部54によって対向ローラー52に−200ボルトの電圧を印加することで、感光体20と対向ローラー52との間に電界を発生させるとともに、その間に電子ペーパー100の先端部位から末端部位まで順次、挟み込ませて電界をかけ、感光体20の潜像に対応する画像を電子ペーパー100の先端部位から末端部位まで順次、記録する(S1406)。以上、S1401からS1406までのステップは、第一処理に相当する。
【0084】
コントローラー80は、感光体20と対向ローラー52とを回転させて、感光体20と対向ローラー52との間から電子ペーパー100を先端部位から末端部位まで順次排出し、電子ペーパー100の各部位に電界がほとんどかからない状態とする(S1407)。すなわち、電子ペーパー100は、先端部位から末端部位まで順次、感光体20と対向ローラー52との間から排出されることによって、電子ペーパー100には感光体20と対向ローラー52との電位差による電界がほとんどかからない状態となる。なお、コントローラー80は、電子ペーパー100を搬送する際に、図13に示す矢印Q方向に電子ペーパー100を搬送するように誘導部を制御する。
【0085】
矢印Q方向に搬送された電子ペーパー100は、搬送ユニット60により再び感光体20と対向ローラー52との間を通過するように搬送される。
【0086】
コントローラー80は、帯電ユニット30によって感光体20を−800ボルトに帯電させる(S1408)。そして、コントローラー80は、印刷データに基づいて−800ボルトに帯電された感光体20に対して露光ユニット40からレーザー光を照射させて、感光体20に潜像を形成する(S1409)。すなわち、感光体20には、レーザー光が照射されず−800ボルトに帯電された部分と、レーザー光が照射されることにより−50ボルトとなる部分とが形成されることによって、潜像が形成される。
【0087】
また、コントローラー80は、搬送ユニット60によって電子ペーパー100をその先端部位から末端部位まで順次、感光体20と対向ローラー52との間に再び搬送させる(S1410)。コントローラー80は、電圧印加部54によって対向ローラー52に−300ボルトの電圧を印加することで、感光体20と対向ローラー52との間に電界を発生させるとともに、その間に電子ペーパー100の先端部位から末端部位まで順次、挟み込ませて電界をかけ、感光体20の潜像に対応する画像を電子ペーパー100の先端部位から末端部位まで順次、記録する(S1411)。
【0088】
そして、コントローラー80は、感光体20と対向ローラー52とを回転させて、感光体20と対向ローラー52との間から電子ペーパー100を先端部位から末端部位まで順次排出する(S1412)。なお、コントローラー80は、電子ペーパー100を排出する際に、図13に示す矢印P方向に電子ペーパー100を搬送するように誘導部を制御する。矢印P方向に搬送された電子ペーパー100は、電子ペーパーへの画像記録装置2の外部に排出される。以上、S1407からS1412までのステップは、第二処理に相当する。
【0089】
<<画像記録装置の有用性>>
第2実施形態の電子ペーパーへの画像記録装置2によれば、電子ペーパー100を搬送ユニット60に搬送させて、電子ペーパー100の互いに異なる部位を感光体20と対向ローラー52との間に順次送り込み、その間に送り込まれた電子ペーパー100の部位に感光体20の潜像に対応する画像を順次表示させる第一処理を電圧印加部54に実行させ、電子ペーパー100を搬送ユニット60にさらに搬送させて、感光体20と対向ローラー52との間を一旦抜けた電子ペーパー100の部位を感光体20と対向ローラー52との間に再度順次送り込み、その間に送り込まれた部位に潜像に対応する画像を再度順次表示させる第二処理を電圧印加部54に実行させることにより、電子ペーパー100に記録される画像の画質を向上させることができる。すなわち、一組の感光体20と対向ローラー52とによって電子ペーパー100に重ねて画像を記録することによっても、第1実施形態と同様に、電子ペーパー100に記録される画像の画質を向上させることができる。
【0090】
===その他の実施の形態===
第1及び第2実施形態は、主として電子ペーパーへの画像記録装置について記載されるが、電子ペーパーへの画像記録方法等の開示も含まれる。また、第1及び第2実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
【0091】
例えば、感光体20aが帯電ローラー30aによってプラスに帯電された場合には、レーザーが照射された領域はプラスの電荷を失って、電位が下がる。同様に、感光体20bが帯電ローラー30bによってプラスに帯電された場合には、レーザーが照射された領域はプラスの電荷を失って、電位が下がる。このようにして、感光体20a、20bに潜像が形成される。
【0092】
また、上記実施の形態においては、着色帯電粒子として正帯電白色粒子と負帯電黒色粒子を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
【0093】
例えば、白色粒子が負帯電であり、黒色粒子が正帯電であってもよい。また、色については、白色、黒色に限定されるものではなく、双方の色が異なっていればどのような色であってもよい。例えば、赤色、青色、緑色などの有彩色や、金色、銀色等の金属光沢色から目的に合わせて適宜選択することができる。また、二色の粒子のうちの片方のみが帯電していて他方が帯電していない(無帯電である)場合(例えば、白色粒子が無帯電であるため、着色帯電粒子としては負帯電黒色粒子のみが存在する場合)であってもよく、このような場合にも本発明を適用できる。
【0094】
また、上記実施の形態においては、電子ペーパー100の上側絶縁層141が光透過性を有する(実質的に透明である)一方で、下側絶縁層142は光透過性を有さない(実質的に不透明である)こととしたが、これに限定されるものではない。例えば、上側絶縁層141と下側絶縁層142の双方が光透過性を有する(実質的に透明である)こととしてもよく、この場合には、上側絶縁層141と下側絶縁層142のいずれをも表示面121とすることが可能となる。
【符号の説明】
【0095】
1、2 画像記録装置、20 感光体、20a 感光体、20b 感光体、
30 帯電ユニット、30a 帯電ローラー、30b 帯電ローラー、
40 露光ユニット、40a 露光ユニット、40b 露光ユニット、
50 電界生成ユニット、50a 電界生成ユニット、50b 電界生成ユニット、
52 対向ローラー、52a 対向ローラー、52b 対向ローラー、
54 電圧印加部、60 搬送ユニット、62 ペーパーカセット、
64 給紙ローラー、66 搬送ローラー、80 コントローラー、
81 インターフェイス部、82 CPU、83 メモリー、
84 ユニット制御回路、100 電子ペーパー、103 表示層、
107 封止部、121 表示面、131 マイクロカプセル、
132 バインダ、133 カプセル本体、141 上側絶縁層、
142 下側絶縁層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体と対向する対向部材と、
着色帯電粒子を有し、前記着色帯電粒子が厚み方向に移動することにより画像を表示する電子ペーパーを、搬送する搬送部材と、
前記電子ペーパーが前記像担持体と前記対向部材との間に位置する際に、前記間に前記厚み方向に沿う電界を発生させて前記着色帯電粒子を前記厚み方向に移動させることにより、前記潜像に対応する画像を前記電子ペーパーに表示させる電界発生部と、
前記電子ペーパーを前記搬送部材に搬送させて、前記電子ペーパーの互いに異なる部位を前記間に順次送り込み、前記間に送り込まれた前記部位に前記潜像に対応する画像を順次表示させる第一処理を前記電界発生部に実行させ、
前記電子ペーパーを前記搬送部材にさらに搬送させて、前記間を一旦抜けた前記部位を前記間に再度順次送り込み、前記間に送り込まれた前記部位に前記潜像に対応する画像を再度順次表示させる第二処理を前記電界発生部に実行させるコントローラーと、
を有することを特徴とする電子ペーパーへの画像記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電子ペーパーへの画像記録装置であって、
前記第一処理及び前記第二処理が実行される際に、前記像担持体と前記対向部材とは前記電子ペーパーを挟んで圧接しており、
前記第二処理が実行される際の前記像担持体と前記対向部材とが圧接する圧接力は、前記第一処理が実行される際の前記圧接力よりも大きい
ことを特徴とする電子ペーパーへの画像記録装置。
【請求項3】
請求項1又は2の何れかに記載の電子ペーパーへの画像記録装置であって、
前記像担持体は、第一電位で帯電される領域と前記第一電位より大きい第二電位で帯電される領域とを有することによって、前記潜像を担持し、
前記第一処理が実行される際の前記第一電位と前記第二電位との電位の差は、前記第二処理が実行される際の前記第一電位と前記第二電位との電位の差よりも小さく、
前記電界発生部は、前記電子ペーパーが前記像担持体と前記対向部材との間に位置する際に、前記第一電位よりも大きくて前記第二電位よりも小さい印加電圧を前記対向部材に印加し、前記間に前記厚み方向に沿う電界を発生させて前記着色帯電粒子を前記厚み方向に移動させることにより、前記潜像に対応する画像を前記電子ペーパーに表示させる
ことを特徴とする電子ペーパーへの画像記録装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電子ペーパーへの画像記録装置であって、
前記第一処理が実行される際の前記第一電位と前記印加電圧との差は、前記第二処理が実行される際の前記第一電位と前記印加電圧との差よりも小さく、
前記第一処理が実行される際の前記第二電位と前記印加電圧との差は、前記第二処理が実行される際の前記第二電位と前記印加電圧との差よりも小さいことを特徴とする電子ペーパーへの画像記録装置。
【請求項5】
着色帯電粒子を有し、前記着色帯電粒子が厚み方向に移動することにより画像を表示する電子ペーパーを搬送部材に搬送させて、前記電子ペーパーの互いに異なる部位を、潜像を担持する像担持体と前記像担持体と対向する対向部材との間に順次送り込み、
前記間に前記厚み方向に沿う電界を発生させて前記着色帯電粒子を前記厚み方向に移動させることにより、前記間に送り込まれた前記部位に前記潜像に対応する画像を順次表示させる第一処理を電界発生部に実行させることと、
前記電子ペーパーを前記搬送部材にさらに搬送させて、前記間を一旦抜けた前記部位を前記間に再度順次送り込み、
前記間に送り込まれた前記部位に前記潜像に対応する画像を再度順次表示させる第二処理を前記電界発生部に実行させることと、
を有することを特徴とする電子ペーパーへの画像記録方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−158601(P2011−158601A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18815(P2010−18815)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】