説明

電子ペーパ表示素子及びその製造方法

【課題】電子ペーパ表示素子において、コントラスト比や画質を向上させる。
【解決手段】電子ペーパ表示素子は、第1電極110と、第1電極110上に配置されて、丸い形状の隔壁121によって形成されたセル123を複数個有する誘電層120と、誘電層120と向い合う第2電極140と、各セル123の内部に配置されて、第1及び第2電極110,140に印加された電界に応じて映像を表示する電子ボールと、を含むことができる。誘電層120と第2電極140の間に追加誘電層130を設けてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペーパ表示素子及びその製造方法に関するものであり、具体的には、丸い形状の隔壁によって形成されたセルと、各セルに配置された電子ボールを有する電子ペーパ表示素子及びこれの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
次世代表示装置として、液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display)、プラズマ表示パネル(PDP;Plasma Display Panel)、有機電界発光装置(Elector Luminescence)及び電子ペーパ表示素子などが広く普及している。
【0003】
これらのうちで電子ペーパ表示素子は、柔軟に曲げることができ、他の表示装置に比べて生産単価がずっと低廉である。
【0004】
また、電子ペーパ表示装置は、背景照明や持続的な再充電が必要ないので、非常に少ないエネルギーで駆動することができ、エネルギー効率の点で非常に優秀であるという特徴を有している。
【0005】
また、電子ペーパ表示素子は、鮮明で視野角が広く、電源が瞬間的に遮られても表示された文字や映像が完全に消えないメモリー機能も有することができるために、本や新聞または雑誌などの印刷媒体を含めた折ることができるスクリーン及び電子壁紙などの広範囲な分野で幅広く使用することができるものとして期待されている。
【0006】
一方、電子ペーパ表示素子を実現することができる技術的方式には、大きく分けて、液晶を利用した方式、有機EL方式、反射フィルム反射型表示方式、電気泳動方式、ツイストボール方式、エレクトロクロミック方式、メカニカル反射型表示方式などが開発されている。
【0007】
このうちでもツイストボールを利用した電子ペーパ表示素子は、二つの電極、及び二つの電極の間に配置され、光学的及び電気的異方性を有するツイストボールが付着されたエラストマーシートを含んでいる。この時、ツイストボールの外周面には誘電液がコーティングされている。ここで、ツイストボールはお互いに異なる電荷に帯電した黒色の半球体と白色の半球体から構成することができる。このようなツイストボールを利用した電子ペーパ表示素子は、二つの電極に電圧を印加すると、印加された電圧の方向に応じて粒子の各半球体が、誘電液の内部で、お互いに反対になる極性の電極の側に向くように回転して、黒白の表示が行われる。
【0008】
この時、ツイストボールは、エラストマーシート上に塗布方式で付着させることによって、ツイストボールをエラストマーシート上に均一に配列することができず、ツイストボールがお互いに重畳されたり、または配置されない一部領域が発生したりして、電子ペーパ表示素子のコントラスト比が低下するという問題点があった。
【0009】
したがって、従来のツイストボールを利用した電子ペーパ表示素子は、ツイストボールの配列の均一性の低下によってコンントラスト比が低下したり、または画質不良が引き起こされたりする恐れがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明は、従来の、電子ペーパ表示素子及びこれの製造方法で発生する恐れがある問題を解決するために創案されたものであり、丸い形状の隔壁によって形成されたセルと、各セルに配置された電子ボールを有する電子ペーパ表示素子及びこれの製造方法を提供することに発明の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の前記の目的は、第1電極と、第1電極上に配置され、丸い形状の隔壁によって形成されたセルを複数個有する誘電層と、誘電層と向い合う第2電極と、各セルの内部に配置され、第1及び第2電極に印加された電界に応じて画像を表示する電子ボールと、を含む電子ペーパ表示素子を提供することによって、達成される。
【0012】
ここで、誘電層と向い合って第2電極上に配置された追加誘電層をさらに含むことができる。
【0013】
また、誘電層と追加誘電層との間に介された接着部材をさらに含むことができる。
【0014】
また、電子ボールはツイストボールまたはマイクロカプセルとすることができる。
【0015】
また、セルと対応する領域で第1電極は露出されるようにすることができる。
【0016】
また、セルと対応する領域で第1電極は、誘電層で覆われるようにすることができる。
【0017】
また、本発明の目的は、第1電極と、該第1電極上に配置され、丸い形状の第1凹部を複数個有する第1誘電層と、第1凹部と上下対称な形状を有し、第1凹部と共にセルを形成する第2凹部を有する第2誘電層と、第2誘電層上に配置された第2電極と、各セル内部に配置され、第1及び第2電極に印加された電界に応じて画像を表示する電子ボールと、を含む電子ペーパ表示素子を提供することによっても達成される。
【0018】
ここで、第1凹部の周辺部と第2凹部の周辺部は、お互いに接触するようにすることができる。
【0019】
また、第1凹部の周辺部と第2凹部の周辺部は、お互いに離隔されるようにすることもできる。
【0020】
また、第1誘電層と第2誘電層との間に介された接着部材をさらに含むことができる。
【0021】
また、複数の第1及び第2凹部を連続的に配置して、第1及び第2誘電層の上面がそれぞれエンボシング形態を有するようにすることができる。
【0022】
また、第1及び第2誘電層は、同一の材質で形成することができる。
【0023】
また、第1及び第2誘電層は、お互いに異なる材質で形成されることができる。
【0024】
また、第1誘電層は、光を反射することができる光反射層とし、第2誘電層は、光を透過することができる光透過層とすることができる。
【0025】
また、第1及び第2凹部とそれぞれ対応する部分で第1及び第2誘電層は、第1及び第2電極を露出するようにすることができる。
【0026】
また、第1及び第2凹部とそれぞれ対応する部分で第1及び第2誘電層は、第1及び第2電極を覆うようにすることもできる。
【0027】
また、電子ボールは、ツイストボールとし、電子ボールは各セル領域に充填された誘電液に浮遊するようにすることができる。
【0028】
また、電子ボールは、マイクロカプセルとすることができる。
【0029】
また、本発明の目的は、第1電極及び第2電極上にそれぞれ丸い形状の第1及び第2凹部をそれぞれ有する第1及び第2誘電層を形成する段階と、第1及び第2凹部のうちの少なくともいずれか一つの凹部に電子ボールを注入する段階と、及び電子ボールを密封するように第1及び第2誘電層を向い合わせて第1及び第2電極を結合させる段階と、を含む電子ペーパ表示素子の製造方法を提供することによっても達成される。
【0030】
ここで、第1及び第2凹部は、インプリント方法またはレーザー加工を用いて形成することができる。
【0031】
また、第1及び第2凹部をそれぞれ有する第1及び第2誘電層を形成する段階で、第1及び第2誘電層は、半硬化させることができる。
【0032】
また、第1及び第2電極を結合させる段階で、半硬化された第1及び第2誘電層を完全硬化させることができる。
【0033】
また、第1及び第2凹部をそれぞれ有する第1及び第2誘電層を形成する段階で、第1及び第2誘電層は完全硬化させることができる。
【0034】
また、第1及び第2電極を結合させる段階で、第1及び第2誘電層はその間に介された接着部材によってお互いに結合させることができる。
【0035】
また、第1及び第2電極を結合させる段階以後に、電子ボール周辺の、第1及び第2凹部によって形成された各セル内部に誘電液を注入する段階をさらに含むことができる。
【0036】
また、複数の第1及び第2凹部を連続的に形成して、第1及び第2誘電層の上面はエンボシング形態を有するようにすることができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明の電子ペーパ表示素子は、電子ボールの配置のためのセルを有することによって、電子ボールを均一に配列することができ、コントラスト比を向上させて画質不良の発生を防止することができる。
【0038】
また、本発明の電子ペーパ表示素子の各セルは、丸い形状を有する隔壁によって形成されることによって、特に、電子ボールがツイストボールである場合、ツイストボールの回転時の抵抗を小さくすることができ、電子ペーパ表示素子の駆動電圧を低くすることができる。
【0039】
また、本発明の電子ペーパ表示素子の各セルは、連続的に配置されたエンボシング形態で形成することで、電子ボールの充填率を高めて非表示領域の面積を減らすことができ、コントラスト比及び画質をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施例による電子ペーパ表示素子の断面図である。
【図2】本発明の第2実施例による電子ペーパ表示素子の断面図である。
【図3】本発明の第3実施例による電子ペーパ表示素子の断面図である。
【図4】本発明の第4実施例による電子ペーパ表示素子の平面図である。
【図5】本発明の第4実施例による電子ペーパ表示素子の断面図である。
【図6】本発明の第5実施例による電子ペーパ表示素子の断面図である。
【図7】本発明の第6実施例による電子ペーパ表示素子の断面図である。
【図8】本発明の第7実施例による電子ペーパ表示素子の製造方法を説明するために示した断面図である。
【図9】同じく、本発明の第7実施例による電子ペーパ表示素子の製造方法を説明するために示した断面図である。
【図10】同じく、本発明の第7実施例による電子ペーパ表示素子の製造方法を説明するために示した断面図である。
【図11】同じく、本発明の第7実施例による電子ペーパ表示素子の製造方法を説明するために示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施例について、電子ペーパ表示素子の図面を参考して詳細に説明する。次に紹介する実施例は、当業者に本発明の思想を充分に伝達できるようにするための例として記載するものである。よって、本発明は、以下に説明する実施例に限定されることはなく、他の形態で実現することもできる。そして、図面において、装置の大きさ及び厚さなどは、便宜上、誇張して表現していることがある。明細書全体にわたって、同一の参照番号は同一の構成要素を示している。
【0042】
図1は、本発明の第1実施例による電子ペーパ表示素子の断面図である。
【0043】
図1を参照すると、本発明の第1実施例による電子ペーパ表示素子は、第1電極110、誘電層120、第2電極140及び電子ボール150を含むことができる。
【0044】
第1電極110は、導電性基板で構成することができる。ここで、第1電極110の材質の例としては、Cu及びAgのような金属基板とすることができる。または、第1電極110は、導電膜で構成することができる。この時、第1電極110を支持するために第1電極110の下部に第1機材層をさらに設けることができる。ここで、第1機材層を形成する材質の例としては、プラスチック基板及び硝子基板などがあり、フィルムの形態とすることができる。
【0045】
誘電層120は、第1電極110上に配置されている。誘電層120は、隔壁121によって形成されたセル123を複数個有することができる。
【0046】
ここで、隔壁121は、内側に陥没するようになった丸い形状の部分を有することができる。これによって、各セル123は少なくとも一部が丸い形状の凹部の形態を有することができる。これで、後述する電子ボール150が回転して画像を表示するツイストボールである場合、電子ボール150の回転運動に対する抵抗を小さくすることができる。これによって、電子ボール150の回転のために印加する駆動電圧を低くすることができ、結果的に電子ペーパ表示素子の駆動電圧を低くすることができる。ここで、第1電極110は、各セル123と対応する領域Cで誘電層120から露出させることができる。
【0047】
誘電層120は、熱硬化性樹脂またはUV硬化性樹脂で構成することができる。例えば、誘電層120はポリウレタンアクリレート(PUA)またはポリジメチルシロキサン(PDMS)で構成することができるが、本発明の実施例ではこれに限定されるものではない。
【0048】
第2電極140は、誘電層120上に配置することができる。ここで、第1電極110が光を反射する導電物質で構成されている場合、第2電極140は光を透過することができる導電物質、例えば、ITO、IZO及びITZOなどで構成することができる。
【0049】
第2電極140は、導電基板で構成することができる。または、第2電極140は導電膜で構成することもできる。この時、第2電極140を支持するために、第2電極140上に第2機材層をさらに設けることができる。ここで、第2機材層は基板の形態またはフィルムの形態とすることができる。また、第2機材層は光を透過することができる透明な材質で構成することができる。例えば、第2機材層は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリレート、ポリメチールメタアクリレート、ポリウレタン及びセルロースアセテートブチレート(CAB)などで構成することができる。
【0050】
電子ボール150は、誘電層120と第2電極140との間の各セル123の内部に配置することができる。これによって、電子ボール150はセル123によって均一に配列することができ、コントラスト比を向上させて画質不良が発生することを防止することができる。また、電子ボール150は、平面上で見た時、セル123の配列形態によって多様な形態で配置されるようにすることができる。すなわち、電子ボール150は、平面上で見た時、均一に行と列を有するように配置することができ、また、容易に、三角形、四角形、多角形及び円形などの多様な空間上に均一に配置することができる。
【0051】
電子ボール150は、第1及び第2電極110、140に印加された電界によって画像を表示することができる。例えば、電子ボール150は光を反射する第1半球体と光を吸収する第2半球体で構成されたツイストボールとすることができる。ここで、第1半球体と第2半球体は、お互いに異なる電荷に帯電させることができる。この時、各セル123の内部に誘電液を充填し、電子ボール150を誘電液の内部に浮遊させることができる。ここで、電子ボール150は、誘電液を介して各セル123の内部に印加された電場によって回転することによって、画像を表示することができる。
【0052】
本発明の実施例では、電子ボールの形態を限定するものではなく、電子ボール150の他の例として、カプセル内部にお互いに異なる電荷に帯電された粒子を備えたマイクロカプセルとることもできる。
【0053】
これに加えて、電子ボール150と第2電極140との間の接触を防止するために、第2電極140下部に追加誘電層130をさらに設けることができる。これによって、電子ボール150に帯電させられた電荷が第2電極140を通じて逃げることを防止することができる。この時、追加誘電層130は平坦な面を有することができる。
【0054】
追加誘電層130は、誘電層120と同一の材質で構成することができる。追加誘電層130は、光を透過することができる樹脂として、例えば、ポリウレタンアクリレート(PUA)またはポリジメチルシロキサン(PDMS)で構成することができる。
【0055】
これに加えて、図面には示さなかったが、誘電層120と第2電極140、または誘電層120と追加誘電層130との間に介された接着部材によって第1電極110と第2電極140は、電子ボール150を密封するようにお互いに連結しることができる。ここで、接着部材は、接着性を有する樹脂として、例えば、UV硬化性樹脂で構成することができる。
【0056】
しかし、本発明の実施例では、接着部材が必ず設けられるものではない。すなわち、誘電層120と追加誘電層130との間の接着力を利用して、第1電極110と第2電極140をお互いに連結することもできる。
【0057】
したがって、本発明の実施例による電子ペーパ表示素子は、隔壁によって形成されたセルを有することによって、電子ボールを均一に配置することができ、電子ペーパ表示素子のコントラスト比が低下したり、画質不良が発生したりすることを防止することができる。
【0058】
また、隔壁を丸い形状に形成することによって、電子ボールは容易に回転することができるので、電子ペーパ表示素子の駆動電圧を低くすることができる。
【0059】
また、電子ボールは、セルの配列形態によって多様な形態に配列することができ、電子ペーパ表示素子のデザイン設計の自由度を向上させることができる。
【0060】
以下、図2を参照して、本発明の第2実施例による電子ペーパ表示素子を説明する。ここで、本発明の第2実施例は、誘電層の形態を除いて前に説明した第1実施例と同一の構成を有することができる。したがって、第2実施例では、第1実施例と反復する説明は省略し、同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付与する。
【0061】
図2は、本発明の第2実施例による電子ペーパ表示素子の断面図である。
【0062】
図2を参照すると、本発明の第2実施例による電子ペーパ表示素子は、第1電極110、第1電極110上に配置されてセル223を複数個有する誘電層220、誘電層220と向い合っている第2電極140、各セル223の内部に配置されて第1及び第2電極110、140に印加された電界に応じて画像を表示する電子ボール150を含むことができる。
【0063】
電子ボール150の例としては、ツイストボールまたはマイクロカプセルとすることができる。ここで、電子ボール150がツイストボールである場合には、各セル223の内部に誘電液を充填し、電子ボール150を誘電液の内部に浮遊させることができる。
【0064】
誘電層220に設けられたセル223は、内側に丸い形状の部分が陥没するように形成された隔壁221によって形成することができる。この時、セル221と対応する領域Cで第1電極110は、誘電層220によって覆うことができる。これによって、第1電極110と電子ボール150との間に誘電層220が介され、第1電極110と電子ボール150との間の接触を防止することができる。これによって、電子ボール150に帯電させられた電荷が第1電極110から逃げることを防止することができる。
【0065】
セル223は、隔壁221の形状によって丸い形状の凹部の形態を有することができる。例えば、セル223は半球型の形態を有することができる。これによって、電子ボール150がツイストボールである場合、電子ボール150が、半球型のセル223内部で回転する際の抵抗が小さくなるため、電子ボール150の回転のための駆動電圧を低くすることができる。
【0066】
これに加えて、電子ペーパ表示素子は、誘電層220と向い合って第2電極140の下部に配置された追加誘電層130をさらに含むことができる。追加誘電層130は、第2電極140と電子ボール150の接触を防止する役割をすることができる。
【0067】
追加誘電層130は、誘電層220と同一の材質で構成することができる。誘電層220及び追加誘電層130は、光を透過することができる透明な樹脂、例えば、ポリウレタンアクリレート(PUA)またはポリジメチルシロキサン(PDMS)で構成することができる。
【0068】
これとは異なり、追加誘電層130は誘電層220とお互いに異なる材質で構成することもできる。この時、追加誘電層130は光透過層とすることができ、誘電層220は光反射層とすることができる。例えば、誘電層220は樹脂内部に分散された光反射物質を含むことができる。光反射物質の例としては、Agパウダーとすることができる。これで、下部に光が漏洩するのを抑制することができる。
【0069】
これに加えて、第1電極110と第2電極140は、誘電層220と第2電極140との間、または誘電層220と追加誘電層130との間に介された接着部材によってお互いに結合させることができる。
【0070】
したがって、本発明の実施例による電子ペーパ表示素子は、電子ボールと電極との間の直接的な接触を防止することができ、電子ボールに帯電させられた電荷が逃げることを防止することができる。
【0071】
また、誘電層220に光反射物質を含ませることによって、下部に光が漏洩するのをさらに効果的に抑制することができる。
【0072】
以下、図3を参照して、本発明の第3実施例による電子ペーパ表示素子を説明する。ここで、本発明の第3実施例は、誘電層の形態を除いて前に説明した第2実施例と同一の構成を有することができる。したがって、第3実施例では、第2実施例と反復する説明は省略し、同一の構成要素に対しては同一の照番号を付与する。
【0073】
図3は、本発明の第3実施例による電子ペーパ表示素子の断面図である。
【0074】
図3を参照すると、本発明の第3実施例による電子ペーパ表示素子は、第1電極110、第1電極110上に配置された第1誘電層320、第1誘電層320と向い合う第2誘電層330、第2誘電層330上に配置された第2電極140及び第1誘電層320と第2誘電層330との間に介されて、第1電極110と第2電極140に印加された電界によって画像を表示する電子ボール150を含むことができる。
【0075】
第1誘電層320は、内側に丸い形状の部分が陥没するように形成された第1隔壁321によって形成された第1凹部322を有することができる。第1凹部322は、一定の間隔で複数個配置することができる。これによって、第1隔壁321の上面は平坦な面を有することができる。この時、第1凹部322の形成領域と対応する部分で第1電極110は、第1誘電層320によって覆うことができる。例えば、第1凹部322は、半球型の形態を有することができる。これによって、第1誘電層320によって電子ボール150と第1電極110との間の直接的な接触を防止することができ、電子ボール150に帯電させられた電荷が第1電極110に逃げることを防止することができる。
【0076】
第2誘電層330は、第1凹部322と対応する第2凹部332を有することができる。すなわち、第2誘電層330は、第1隔壁321と対応する丸い形状の部分を有する第2隔壁331を有することができる。また、第2凹部332の形成領域と対応する部分で第2電極140は、第2誘電層330によって覆うことができる。例えば、第2凹部332は、半球型の形態を有することができる。これによって、電子ボール150と第2電極140との間の直接的な接触を防止することができ、電子ボール150に帯電させられた電荷が第2電極140に逃げることを防止することができる。
【0077】
ここで、第1及び第2誘電層320,330が向い合うように第1及び第2電極110,140を結合させる際、第1凹部322と第2凹部332を、お互いに向い合わせるようにして、第1及び第2凹部322,332が電子ボール150を配置するためのセル323を形成するようにすることができる。ここで、セル323は、お互いに上下に対称な半球型の形態を有する第1及び第2凹部322,332によって形成されるので、セル323は円形の断面形態を有することができる。これにより、電子ボール150が回転して画像を表示するツイストボールである場合、セル323が円形の形態を有することによって電子ボール150とセル323との間の摩擦力を減らすことができ、電子ボール150の回転のための駆動電圧を低くすることができる。
【0078】
第1誘電層320と第2誘電層330は、お互いに同一の材質で構成することができる。この時、第1誘電層320と第2誘電層330は、光を透過することができる光透過層とすることができる。
【0079】
これとは異なり、第1誘電層320と第2誘電層330は、お互いに異なる材質で構成することもできる。例えば、第1誘電層320は、光を反射する光反射層で構成することができ、第2誘電層330は、光を透過することができる光透過層で構成することができる。ここで、第1誘電層320は樹脂と混合されたAgパウダーのような光反射物質を含むことができ、本発明の実施例では、第1誘電層320の材質は限定されない。これによって、第1誘電層320によって、下部に漏洩しようとする光を上部に反射させることができ、光効率を向上させることができる。
【0080】
ここで、電子ボール150の例としては、ツイストボールまたはマイクロカプセルとすることができる。この時、電子ボール150がツイストボールである場合には、各セル323の内部に誘電液を充填し、電子ボール150を誘電液の内部に浮遊させることができる。
【0081】
したがって、本発明の実施例による電子ペーパ表示素子のセルは、円形の断面形態に形成することによって、電子ボールはさらに容易に回転することができるので、電子ペーパ表示素子の駆動電圧をさらに低くすることができる。
【0082】
以下、図4を参照して、本発明の第4実施例による電子ペーパ表示素子を説明する。ここで、本発明の第4実施例は、誘電層の形態を除いて前に説明した第3実施例と同一の構成を有することができる。したがって、第4実施例では、第3実施例と反復する説明は省略し、同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付与する。
【0083】
図4は、本発明の第4実施例による電子ペーパ表示素子の平面図である。
【0084】
図5は、本発明の第4実施例による電子ペーパ表示素子の断面図である。
【0085】
図4及び図5を参照すると、本発明の第4実施例による電子ペーパ表示素子は、第1電極110、第1電極110上に配置されて第1凹部422を有する第1誘電層420、第1誘電層420と向い合って第1凹部422と共にセル423を形成する第2凹部432を有する第2誘電層430、第2誘電層430上に配置された第2電極140及び第1誘電層420と第2誘電層430との間に介されて第1電極110と第2電極140に印加された電界に応じて画像を表示する電子ボール150を含むことができる。
【0086】
第1誘電層420は、丸い形状の部分が陥没するようになった第1隔壁421によって形成された第1凹部422を有することができる。ここで、第1凹部422は連続的に配置されており、第1誘電層420の上面はエンボシング形態を有することができる。この時、第1隔壁421は、第1凹部422の周囲、すなわちお互いに隣り合う2つの第1凹部422の間に位置する部分に頂点を有することができる。
【0087】
一方、第2誘電層430は、丸い形状の第2隔壁431によって形成された第2凹部432を有することができる。この時、第2凹部432は第1凹部422と対応する形状を有することができる。したがって、第2凹部432は、第1凹部422と同様に連続的に配置することができ、第2誘電層430の上面は、エンボシング形態を有することができる。
【0088】
ここで、第1誘電層420と第2誘電層430がお互いに向い合うように第1及び第2電極140を結合すると、第1及び第2凹部432は、上下に対称に配置されて円形の断面を有するセル423を形成することができる。この時、エンボシング形態に配置された第1及び第2凹部422,432によって、セル423の密集度を向上させることができる。
【0089】
これで、各セル423に電子ボール150が充填される場合、電子ボール150の充填率を高めることができ、さらに、均一に電子ボール150を配置することができる。すなわち、互いに隣り合うセル423の間の間隔を減らすことによって、画像を表示しない非表示領域を減らすことができ、コントラスト比を向上させることができ、また、画質特性をさらに向上させることができる。
【0090】
また、第1凹部422の周辺と第2凹部432の周辺は、お互いに接触するようにすることができる。すなわち、第1隔壁421と第2隔壁431が、お互いに接触するようにすることができる。これによって、セル内部に電子ボール150を安定して保持することができる。
【0091】
また、電子ボール150が回転して画像を表示するツイストボールである場合、セル423が円形の形態を有することによって電子ボール150と第1及び第2隔壁421,431の間の摩擦力を減らすことができ、電子ボール150を回転させるための駆動電圧を低くすることができる。
【0092】
これに加えて、第1誘電層420と第2誘電層430との間に介された接着部材450によって、第1及び第2電極110,140を、電子ボール150を密封するようにお互いに結合させることができる。この時、接着部材450は接着性を有する樹脂として、例えば、UV硬化性樹脂で構成することができる。
【0093】
このように、本発明の実施例による電子ペーパ表示素子では、セル間の離隔間隔を小さくすることによって、コントラスト比及び画質特性を向上させることができる。
【0094】
また、セルを円形の断面形態に形成することによって、電子ボールはさらに容易に回転することができるので、電子ペーパ表示素子の駆動電圧をさらに低くすることができる。
【0095】
以下、図6を参照して、本発明の第5実施例による電子ペーパ表示素子を説明する。ここで、本発明の第5実施例は、誘電層の形態を除いて前に説明した第4実施例と同一の構成を有することができる。したがって、第5実施例では、第4実施例と反復する説明は省略し、同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付与する。
【0096】
図6は、本発明の第5実施例による電子ペーパ表示素子の断面図である。
【0097】
図6を参照すると、本発明の第5実施例による電子ペーパ表示素子は、第1電極110、第1電極110上に配置されて、第1凹部522を有する第1誘電層520、第1誘電層520と向い合って、第1凹部522と共にセル523を形成する第2凹部532を有する第2誘電層530、第2誘電層530上に配置された第2電極140及び第1誘電層520と第2誘電層530との間に介されて第1電極110と第2電極140とに印加された電界に応じて画像を表示する電子ボール150と、を含むことができる。
【0098】
ここで、第1凹部522と第2凹部532は、それぞれ連続的に配置されて、第1及び第2誘電層520,530の上面はそれぞれエンボシング形態を有することができる。これによって、第1凹部522と第2凹部532によって形成された複数のセル523が連続的に配置されることによって、電子ボールの充填率を高めることができる。
【0099】
また、第1及び第2凹部522,532は、第1及び第2誘電層520,530にそれぞれ形成された第1及び2隔壁521,531によって形成することができる。
【0100】
この時、第1誘電層520のエッジは第1隔壁521より高い高さを有することができる。また、第2誘電層530のエッジは第2隔壁531より高い高さを有することができる。これによって、第1誘電層520と第2誘電層530が向い合った時に、第1及び第2誘電層520,530はお互いに接触するが、第1及び第2隔壁521,531はお互いに一定間隔を置いて離隔されるようにすることができる。すなわち、第1凹部522の周辺部と第2凹部532の周辺部はお互いに離隔されるようにすることができる。これによって、第1凹部522の周辺部と第2凹部532の周辺部、すなわち、セル523周辺の離隔空間を通じて複数のセル523に誘電液を容易に充填させることができる。
【0101】
このように、本発明の実施例による電子ペーパ表示素子は、セル間の離隔間隔を減らすことによって、コントラスト比及び画質特性を向上させることができる。
【0102】
また、セルを円形の断面形態に形成することによって、電子ボールはさらに容易に回転することができるので、電子ペーパ表示素子の駆動電圧をさらに低くすることができる。
【0103】
また、セルの周辺部に形成された離隔空間を通じて複数のセルに誘電液を容易に充填させることができる。
【0104】
以下、図7を参照して、本発明の第6実施例による電子ペーパ表示素子を説明する。ここで、本発明の第6実施例は、接着部材を除いて前に説明した第5実施例と同一の構成を有することができる。したがって、第6実施例では、第5実施例と反復する説明は省略し、同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付与する。
【0105】
図7は、本発明の第6実施例による電子ペーパ表示素子の断面図である。
【0106】
図7を参照すると、本発明の第6実施例による電子ペーパ表示素子は、第1電極110、第1電極110上に配置されて第1凹部522を有する第1誘電層520、第1誘電層520と向い合って、第1凹部522と共にセル523を形成する第2凹部532を有する第2誘電層530、第2誘電層530上に配置された第2電極140及び第1誘電層520と第2誘電層530との間に介されて第1電極110と第2電極140に印加された電界によって画像を表示する電子ボール150と、を含むことができる。
【0107】
ここで、第1誘電層520と第2誘電層530との間の接着力によって、第1及び第2電極110,140をお互いに結合させることができる。
【0108】
したがって、本発明の実施例による電子ペーパ表示素子では、厚さを減らすことができ、さらに、工程を単純化でき、別途の接着部材を設けなくても良いので、生産単価を低くすることができる。
【0109】
以下、図8〜図11を参照して、本発明の第7実施例による電子ペーパ表示素子の製造方法を説明する。本発明の第7実施例は、前に説明した第6実施例による電子ペーパ表示素子の製造方法について説明するが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者なら、第7実施例によって、第1〜第5実施例による電子ペーパ表示素子を製造する方法も、十分に理解することができるはずである。したがって、第1〜第5実施例による電子ペーパ表示素子の製造方法についての説明は省略する。
【0110】
図8〜図11は、本発明の第7実施例による電子ペーパ表示素子の製造方法を説明するために示した断面図である。
【0111】
図8を参照すると、電子ペーパ表示素子を製造するために、まず、第1電極110上に第1予備誘電層520aを形成する。
【0112】
ここで、第1電極110は、導電性基板で構成することができる。ここで、第1電極110の材質の例としては、Cu及びAgのような金属基板とすることができる。本発明の実施例では、第1電極110は、電極の役割と同時に支持層の役割をすることもできるが、これに限定されることはなく、別途の支持層である機材層を第1電極110の下部にさらに配置することもできる。
【0113】
第1予備誘電層520aは、光を透過することができる光透過層で形成することができる。この時、第1予備誘電層520aを形成する材質の例としては、熱硬化性樹脂またはUV硬化性樹脂とすることができる。例えば、第1予備誘電層520aは、ポリウレタンアクリレート(PUA)またはポリジメチルシロキサン(PDMS)とすることができる。または、第1予備誘電層520aは、光を反射する光反射層で形成することができる。この場合、第1予備誘電層520aは、樹脂と混合されたAgパウダーのような光反射物質を含むことができる。
【0114】
第1予備誘電層520aを半硬化させた後、図9のように、第1予備誘電層520a上にレーザーを照射して、第1予備誘電層520aの表面を削ることで、内側に陥没するように形成された丸い形状の部分を有する第1隔壁521を有する第1誘電層520を形成する。この時、第1誘電層520は丸い形状の第1隔壁521によって第1凹部522を形成することができる。
【0115】
ここで、第1凹部522の形成領域と対応する部分で第1電極110は、第1誘電層520によって覆っておくことができる。しかし、本発明の実施例では、これに限定されるものではなく、第1凹部522の形成領域と対応する部分で第1電極110は第1誘電層520から露出されるようにすることもできる。
【0116】
また、第1凹部522を、後述する電子ボール150の充填率を高めるために連続的に配置し、第1誘電層520の上面はエンボシング形態に形成することができる。しかし、これに限定されるものではなく、お互いに隣り合う第1凹部522は、一定の間隔をおいて離隔されるように形成することもできる。
【0117】
また、第1隔壁521の高さは、第1誘電層520のエッジの厚さよりも小さく形成することができる。しかし、本発明の実施例では、これに限定されるものではなく、第1隔壁521の高さは第1誘電層520のエッジの厚さと同一に形成することもできる。
【0118】
図10を参照すると、複数の第1凹部522にそれぞれ電子ボール150を個々に注入する。ここで、電子ボール150はツイストボールまたはマイクロカプセルとすることができる。ここで、電子ボール150は、第1誘電層520上に第1凹部522と対応する開口部を有するフィルターを配置した後、このフィルター、または第1誘電層520が形成された第1電極110に振動を印加することで、第1凹部522に個々に注入することができる。
【0119】
図11を参照すると、第1凹部522と対応する第2凹部532を有する第2誘電層530が形成された第2電極140が準備される。
【0120】
第2電極140は、透明な導電基板で構成することができる。第2電極140を形成する材質の例としては、ITO、IZO及びITZOなどとすることができる。または、第2電極140は、透明な導電膜で構成することができる。この時、第2電極140を支持するために第2電極140上に機材層をさらに配置することもできる。
【0121】
第2誘電層530は、第1誘電層520を形成する工程と同様に、第2電極140上に半硬化された第2予備誘電層を形成した後、第2予備誘電層上にレーザーを照射して、丸い形状の第2隔壁531を形成することで、第2凹部532を有する第2誘電層530を形成することができる。ここで、第2予備誘電層は第1誘電層と同様に、光を透過することができる光透過層で形成することができる。
【0122】
また、第2凹部532の形成領域と対応する部分で第2電極140は、第2誘電層530によって覆われるようにすることができる。しかし、本発明の実施例では、これに限定されるものではなく、第2凹部532の形成領域と対応する部分で第2電極140は第2誘電層530から露出されるようにしてもよい。
【0123】
また、第2凹部532を、後述する電子ボール150の充填率を高めるために連続的に配置し、第2誘電層530の上面はエンボシング形態に形成することができる。しかし、これに限定されるものではなく、お互いに隣り合う第2凹部532は、一定間隔を置いて離隔されるように形成することもできる。
【0124】
また、第2隔壁の高さは、第2誘電層530のエッジの厚さより小さく形成することができる。しかし、本発明の実施例では、これに限定されるものではなく、第2隔壁の高さは、第2誘電層530のエッジの厚さと同一に形成することもできる。
【0125】
以後、電子ボール150が密封されるように第1及び第2誘電層520,530が向い合うように第1及び第2電極110,140をアラインした後、半硬化状態の第1及び第2誘電層520,530を完全に硬化させることで、第1及び第2電極110,140をお互いに結合させることができる。
【0126】
この時、第1隔壁521の高さが第1誘電層520のエッジの厚さより小さく、第2隔壁531の高さが第2誘電層530エッジの厚さより小さい場合、第1隔壁521と第2隔壁531は、お互いに離隔される。すなわち、第1凹部522の周辺部と第2凹部532の周辺部は、お互いに離隔される。しかし、本発明の実施例では、これに限定されるものではなく、例えば、第1隔壁521の高さと第1誘電層520のエッジの厚さが同一で、第2隔壁531の高さと第2誘電層530のエッジの厚さが同一である場合、第1隔壁521と第2隔壁531は、お互いに接触する。すなわち、第1凹部522の周辺部と第2凹部532の周辺部はお互いに接触する。
【0127】
これによって、レーザーを利用して容易に第1及び第2凹部522,532を有する第1及び第2誘電層520,530を形成することができ、電子ペーパ表示素子の工程を単純化することができる。
【0128】
また、半硬化された第1及び第2誘電層520,530をアラインした後、第1及び第2誘電層520,530を完全硬化させることで、第1及び第2電極110,140を結合させることによって、工程をさらに容易に遂行することができ、また、別途の接着部材を利用しなくても良いので、生産単価を減らすことができ、また、電子ペーパ表示素子の厚さを減らすことができる。
【0129】
しかし、本発明の実施例では、第1及び第2誘電層の形成方法については、上記に限定されるものではなく、第1及び第2凹部は、スタンプを利用したインプリント工法によって形成することができる。また、第1及び第2電極の結合のために、先に第1及び第2誘電層をそれぞれ完全硬化させた後、第1誘電層や第2誘電層上に接着部材を塗布してもよい。以後、第1誘電層及び第2誘電層がお互いに向い合うように第1及び第2電極をアラインした後、接着部材を硬化させることで、第1及び第2電極をお互いに結合させることができる。
【0130】
これに加えて、電子ボール150がツイストボールである場合、電子ボール150の周辺の第1及び第2凹部522,532によって形成された各セル523の領域内部に誘電液を注入する工程をさらに加えることができる。誘電液を注入するために、結合された第1及び第2電極110,140を誘電液に浸漬する。この時、第1及び第2誘電層520,530に備えられた気孔(porous)を通じて各セル領域内部に誘電液が注入されるようにすることができる。ここで、誘電液としては、液状で光変換が可能で潤滑成分を有する液状物質、例えばDow corning 10、Centistoke 200などの液状物質を使用することができる。
【0131】
したがって、本発明の実施例によれば、レーザーまたはインプリント工法のような容易な工程を用いて電子ペーパ表示素子を製造することができる。
【0132】
また、特に、レーザーによって凹部を形成する場合、第1及び第2電極の結合工程は、半硬化された誘電層の硬化工程によって行うことにより、別途の接着部材を追加しなくても良いので、工程数を節減することができる。
【0133】
以上説明した本発明の望ましい実施例は、例示の目的のために開示するものであり、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者には、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置き換え、変形及び変更が可能であり、このような置き換え、変更などは以下の特許請求の範囲に規定する本発明に属するものとし見なされるべきである。
【符号の説明】
【0134】
110 第1電極
120、220 誘電層
121、221 隔壁
123、223、323、423、523 セル
130 追加誘電層
140 第2電極
320、420、520 第1誘電層
330、430、530 第2誘電層
321、421、521 第1隔壁
331、431、531 第2隔壁
322、422、522 第1凹部
332、432、532 第2凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、
前記第1電極上に配置され、丸い形状の隔壁によって形成されたセルを複数個有する誘電層と、
前記誘電層と向い合う第2電極と、
前記各セルの内部に配置され、前記第1及び第2電極に印加された電界に応じて画像を表示する電子ボールと、
を含む電子ペーパ表示素子。
【請求項2】
前記誘電層と向い合って前記第2電極上に配置された追加誘電層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項3】
前記誘電層と前記追加誘電層との間に介された接着部材をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項4】
前記電子ボールは、ツイストボールまたはマイクロカプセルであることを特徴とする請求項1に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項5】
前記セルと対応する領域で前記第1電極は露出されていることを特徴とする請求項1に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項6】
前記セルと対応する領域で前記第1電極は前記誘電層で覆われていることを特徴とする請求項1に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項7】
第1電極と、
前記第1電極上に配置され、丸い形状の第1凹部を複数個有する第1誘電層と、
前記第1凹部と上下対称な形状を有し、前記第1凹部と共にセルを形成する第2凹部を有する第2誘電層と、
前記第2誘電層上に配置された第2電極と、
前記各セル内部に配置され、前記第1及び第2電極に印加された電界に応じて画像を表示する電子ボールと、
を含む電子ペーパ表示素子。
【請求項8】
前記第1凹部の周辺部と前記第2凹部の周辺部は、お互いに接触していることを特徴とする請求項7に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項9】
前記第1凹部の周辺部と前記第2凹部の周辺部は、お互いに離隔されていることを特徴とする請求項7に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項10】
前記第1誘電層と前記第2誘電層との間に介された接着部材をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項11】
複数の前記第1及び第2凹部が連続的に配置され、前記第1及び第2誘電層の上面は、それぞれエンボシング形態を有することを特徴とする請求項7に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項12】
前記第1及び第2誘電層は、互いに同一の材質で形成されていることを特徴とする請求項7に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項13】
前記第1及び第2誘電層は、お互いに異なる材質で形成されていることを特徴とする請求項7に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項14】
前記第1誘電層は、光を反射することができる光反射層であり、前記第2誘電層は、光を透過することができる光透過層であることを特徴とする請求項7に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項15】
前記第1及び第2凹部とそれぞれ対応する部分で前記第1及び第2誘電層は、前記第1及び第2電極を露出させていることを特徴とする請求項7に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項16】
前記第1及び第2凹部とそれぞれ対応する部分で前記第1及び第2誘電層は、前記第1及び第2電極を覆っていることを特徴とする請求項7に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項17】
前記電子ボールは、ツイストボールであり、前記電子ボールは、前記各セル内に充填された誘電液内に浮遊していることを特徴とする請求項7に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項18】
前記電子ボールは、マイクロカプセルであることを特徴とする請求項7に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項19】
第1電極及び第2電極上にそれぞれ丸い形状の第1及び第2凹部をそれぞれ有する第1及び第2誘電層を形成する段階と、
前記第1及び第2凹部のうちの少なくともいずれか一方の凹部に電子ボールを注入する段階と、
前記電子ボールを密封するように前記第1及び第2誘電層を向い合わせて前記第1及び第2電極を結合させる段階と、
を含む電子ペーパ表示素子の製造方法。
【請求項20】
前記第1及び第2凹部を、インプリント方法またはレーザー加工を用いて形成することを特徴とする請求項19に記載の電子ペーパ表示素子の製造方法。
【請求項21】
前記第1及び第2凹部をそれぞれ有する前記第1及び第2誘電層を形成する段階で、
前記第1及び第2誘電層を半硬化させることを特徴とする請求項19に記載の電子ペーパ表示素子の製造方法。
【請求項22】
前記第1及び第2電極を結合させる段階で、
前記半硬化された前記第1及び第2誘電層を完全硬化させることを特徴とする請求項21に記載の電子ペーパ表示素子の製造方法。
【請求項23】
前記第1及び第2凹部をそれぞれ有する前記第1及び第2誘電層を形成する段階で、
前記第1及び第2誘電層を完全硬化させることを特徴とする請求項19に記載の電子ペーパ表示素子の製造方法。
【請求項24】
前記第1及び第2電極を結合させる段階で、
前記第1及び第2誘電層を、それらの間に介された接着部材によってお互いに結合させることを特徴とする請求項23に記載の電子ペーパ表示素子の製造方法。
【請求項25】
前記第1及び第2電極を結合させる段階以後に、
前記電子ボール周辺の、前記第1及び第2凹部によって形成された前記各セルの内部に誘電液を注入する段階をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の電子ペーパ表示素子の製造方法。
【請求項26】
複数の前記第1及び第2凹部を連続的に形成して、前記第1及び第2誘電層の上面を、エンボシング形態にすることを特徴とする請求項19に記載の電子ペーパ表示素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−28199(P2011−28199A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−232605(P2009−232605)
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】