説明

電子メールサービス提供装置および方法

【課題】 受信者の意向を確認し、受信者が必要とするメールのみを送信する電子メールサービス提供装置および方法を提供する。
【解決手段】 受信したメールが発信メールかまたは返信メールかをメール受信・解析部1で解析し、受信メールが発信メールであるとき、該発信メールからヘッダをヘッダ抽出部2で抽出して、該ヘッダを受信者にメール送信部5から送信し、受信メールが返信メールであるとき、該返信メールが発信メール全体の送信要求かまたは発信メール全体の送信拒否かをメール受信・解析部1で解析し、発信メール全体の送信要求である場合、発信メール全体を受信者に送信し、また発信メール全体の受信を拒否するものである場合または所定の保存期間が経過しても発信メール全体に対する送信要求がない場合には、発信メール全体を消去する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、送信者と受信者との間の電子メールのやりとりを制御する電子メールサービス提供装置および方法に関し、更に詳しくは、発信メールの概要を示すヘッダを抽出し、該ヘッダのみを受信者に送信し、受信者からの送信要求を受けてから発信メール全体を送信する電子メールサービス提供装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子メールサービスにおいては、電子メールの容量や内容に拘らず、また受信者のメールを読むか否かに関する意向に拘らず、送信者がメール全体を一挙に受信者に対して送信していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、従来の電子メールサービスでは、(1)受信者の意向に拘らず、大容量の電子メールや不要な電子メールが送信されてくる恐れがあったり、(2)受信者が読む必要がないと判断する電子メールによって受信者のメモリやディスク容量等の資源が無駄に利用されてしまうという問題がある。なお、これは特にマルチメディアメールで顕著である。
【0004】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、受信者の意向を確認し、受信者が必要とするメールのみを送信する電子メールサービス提供装置および方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、電子メールをやりとりする送信者と受信者との間に設けられ、送信者と受信者との間の電子メールのやりとりを制御する電子メールサービス提供装置であって、電子メールを受信し、該受信メールが発信メールであるのかまたは返信メールであるのかを解析する受信メール解析手段と、該受信メール解析手段で解析した電子メールが発信メールであるとき、該発信メールから送信者に関する情報、メール容量、タイトル、キーワード、要約を含むヘッダと称する情報を抽出する抽出手段と、該抽出手段で抽出したヘッダを受信者に送信するヘッダ送信手段と、前記発信メール全体を該発信メールのヘッダとともに蓄積する蓄積手段と、前記受信メール解析手段で解析した電子メールが返信メールであるとき、該返信メールの内容が発信メール全体の送信要求であるかまたは発信メール全体の送信を拒否するものであるかを解析する返信メール解析手段と、該返信メール解析手段によって前記返信メールの内容が発信メール全体の送信要求であると解析された場合、前記蓄積手段に蓄積した発信メール全体を受信者に送信した後、該発信メール全体を消去し、また前記返信メール解析手段によって発信メール全体の受信を拒否するものであると解析された場合、または所定の保存期間が経過しても、発信メール全体に対する送信要求がない場合には、前記蓄積手段に蓄積されている発信メール全体を消去する送信消去手段とを有することを要旨とする。
【0006】請求項1記載の本発明にあっては、受信したメールが発信メールかまたは返信メールかを解析し、受信メールが発信メールであるとき、該発信メールからヘッダを抽出して、該ヘッダを受信者に送信し、受信メールが返信メールであるとき、該返信メールが発信メール全体の送信要求かまたは発信メール全体の送信拒否かを解析し、発信メール全体の送信要求である場合、発信メール全体を受信者に送信し、また発信メール全体の受信を拒否するものである場合または所定の保存期間が経過しても発信メール全体に対する送信要求がない場合には、発信メール全体を消去する。
【0007】また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記受信メール解析手段で解析した受信メールの容量が所定の容量より小さい場合には、該受信メール全体を受信者に送信し、大きい場合には、前記抽出手段、ヘッダ送信手段、蓄積手段、返信メール解析手段、および送信消去手段によって行われた処理を実施するように制御する制御手段を有することを要旨とする。
【0008】請求項2記載の本発明にあっては、受信メールの容量が所定の容量より小さい場合には、該受信メール全体を受信者に送信し、大きい場合には、前記処理を実施するように制御する。
【0009】更に、請求項3記載の本発明は、請求項1または2記載の発明において、前記返信メール解析手段および前記送信消去手段で実行された結果を送信者に通知する通知手段を有することを要旨とする。
【0010】請求項3記載の本発明にあっては、返信メールを解析した結果および発信メールを受信者へ送信した結果または発信メールを消去した結果を送信者に通知する。
【0011】請求項4記載の本発明は、請求項1,2または3記載の発明において、前記通知手段が、所定の保存期間が経過しても、発信メール全体に対する送信要求がない場合には、送信者に対して該発信メールを消去してもよいか否かを問い合わせ、消去してもよい場合のみ、該発信メール全体を消去し、消去してはならない場合には、保存期間を延長する問い合わせ手段を有することを要旨とする。
【0012】請求項4記載の本発明にあっては、所定の保存期間が経過しても発信メール全体に対する送信要求がない場合には、送信者に対して該発信メールを消去してもよいか否かを問い合わせ、消去してもよい場合のみ、該発信メール全体を消去し、消去してはならない場合には、保存期間を延長する。
【0013】また、請求項5記載の本発明は、送信者と受信者との間の電子メールのやりとりを制御する電子メールサービス提供方法であって、電子メールを受信し、該受信メールが発信メールであるのかまたは返信メールであるのかを解析する第1の過程と、第1の過程の結果が発信メールであるとき、該発信メールから送信者に関する情報、メール容量、タイトル、キーワード、要約を含むヘッダと称する情報を抽出する第2の過程と、第2の過程で抽出したヘッダを受信者に送信する第3の過程と、前記発信メール全体を蓄積しておく第4の過程と、第1の過程の結果が返信メールであるとき、該返信メールの内容が発信メール全体の送信要求であるかまたは発信メール全体の送信を拒否するものであるかを解析する第5の過程と、第5の過程で前記返信メールの内容が発信メール全体の送信要求であると解析された場合、前記蓄積された発信メール全体を受信者に送信した後、該発信メール全体を消去し、また第5の過程で発信メール全体の受信を拒否するものであると解析された場合、または所定の保存期間が経過しても、発信メール全体に対する送信要求がない場合には、前記蓄積手段に蓄積されている発信メール全体を消去する第6の過程とを有することを要旨とする。
【0014】請求項5記載の本発明にあっては、受信したメールが発信メールかまたは返信メールかを解析し、受信メールが発信メールであるとき、該発信メールからヘッダを抽出して、該ヘッダを受信者に送信し、受信メールが返信メールであるとき、該返信メールが発信メール全体の送信要求かまたは発信メール全体の送信拒否かを解析し、発信メール全体の送信要求である場合、発信メール全体を受信者に送信し、また発信メール全体の受信を拒否するものである場合または所定の保存期間が経過しても発信メール全体に対する送信要求がない場合には、発信メール全体を消去する。
【0015】更に、請求項6記載の本発明は、請求項5記載の発明において、前記第1の過程で解析した受信メールの容量が所定の容量より小さい場合には、該受信メール全体を受信者に送信し、大きい場合には、前記第2、第3、第4、第5、および第6の過程で行われた処理を実施するように制御する第7の過程を有することを要旨とする。
【0016】請求項6記載の本発明にあっては、受信メールの容量が所定の容量より小さい場合には、該受信メール全体を受信者に送信し、大きい場合には、前記処理を実施するように制御する。
【0017】請求項7記載の本発明は、請求項5または6記載の発明において、前記第5および第6の過程の実行結果を送信者に通知する第8の過程を有することを要旨とする。
【0018】請求項7記載の本発明にあっては、返信メールを解析した結果および発信メールを受信者へ送信した結果または発信メールを消去した結果を送信者に通知する。
【0019】また、請求項8記載の本発明は、請求項5,6または7記載の発明において、前記第8の過程において、所定の保存期間が経過しても、発信メール全体に対する送信要求がない場合には、送信者に対して該発信メールを消去してもよいか否かを問い合わせ、消去してもよい場合のみ、該発信メール全体を消去し、消去してはならない場合には、保存期間を延長する第9の過程を有することを要旨とする。
【0020】請求項8記載の本発明にあっては、所定の保存期間が経過しても発信メール全体に対する送信要求がない場合には、送信者に対して該発信メールを消去してもよいか否かを問い合わせ、消去してもよい場合のみ、該発信メール全体を消去し、消去してはならない場合には、保存期間を延長する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
【0022】図1は、本発明の一実施形態に係る電子メールサービス提供装置の構成を示すブロック図である。同図に示す電子メールサービス提供装置7は、ハード的にはCPUやメモリから構成されるが、機能的には、メール受信・解析部1、ヘッダ抽出部2、メール管理部3、メール取り扱い部4、メール送信部5、メール蓄積部6から構成される。電子メールサービス提供装置7は、メールを発信する端末やワークステーション上に存在してもよいし、ネットワーク上のあるノードに存在していてもよい。後者の場合には該ノードを介して電子メールのやりとりが行われることになる。
【0023】メール受信・解析部1は、メールを受信し、受信したメールが発信メールであるのか、返信メールであるのかを解析する。ヘッダ抽出部2は、発信メールからその概要を表現するヘッダと呼ぶ情報を取り出す。メール管理部3は、発信メール全体の蓄積/検索/消去を制御する。メール取り扱い部4は、ヘッダの受信者への送信指示、発信メールの検索指示/消去指示/送信指示を行う。メール送信部5は、ヘッダあるいはメール本体を送信する。メール蓄積部6は、メール全体とそれから抽出されるヘッダとを蓄積する。
【0024】次に、図2に従って電子メールサービス提供装置の動作の概略フローについて説明する。
【0025】メール受信・解析部1では、メールを受信したか否かをチェックする(ステップS10)。メールを受信している場合にはステップS20へ進む。受信していない場合にはステップS30に進む(このとき、制御はメール取り扱い部4に移る)。
【0026】ステップS20では、メール受信・解析部1〜メール蓄積部6の各機能により、メール取り扱い処理を実行する(図3に示す処理)。
【0027】ステップS30においては、メール取り扱い部4は、メール蓄積部6にメールが存在するか否かをメール管理部3に問い合わせ、その結果に従って処理を分ける。メールが存在する場合にはステップS40に進み、存在しない場合には処理を終了する。
【0028】ステップS40においては、メール取り扱い部4は、蓄積されているメールの到着時間と現時間との差を計算し、その値が予め設定されている保存期間を過ぎているか否かを判定する。保存期間を過ぎている場合にはステップS50へ進み、過ぎていない場合にはステップS10に戻る。
【0029】ステップS50においては、メール取り扱い部4は、メール管理部3に対してメールを消去するように命令する。メール管理部3では該メールをメール蓄積部6から消去する。
【0030】次に、図3に従ってメール取り扱い処理の動作の概略フローについて説明する。
【0031】メール受信・解析部1は、受信したメールが発信メールか返信メールかを解析する(ステップS110)。メール受信・解析部1で解析された結果が発信メールであるか、返信メールであるかによって処理を分ける(ステップS120)。発信メールの場合にはステップS130に進み(このとき、制御はヘッダ抽出部2に移る)、返信メールの場合にはステップS140に進む(このとき、制御はメール取り扱い部4に移る)。
【0032】ステップS130においては、ヘッダ抽出部2〜メール蓄積部6の各機能により、発信メール処理を実行する(図4の処理)。発信メール処理の後、動作のフローは図2に戻る。
【0033】ステップS140においては、メール管理部3〜メール蓄積部6の各機能により、返信メール処理を実行する(図5の処理)。返信メール処理の後、動作のフローは図2に戻る。
【0034】次に、図4に従って発信メール処理の動作の概略フローについて説明する。
【0035】ヘッダ抽出部2は、受信したメールからヘッダと呼ぶ情報を抽出する(ステップS210)。ヘッダとは、送信者に関する情報、データ容量、タイトル、キーワード、要約あるいはこれらの一部から構成される情報をいう。ヘッダを抽出した後、制御をメール管理部3に移す。
【0036】メール管理部3は、ヘッダ抽出部2で抽出されたヘッダとメール全体を対にしてメール蓄積部6に蓄積し、制御をメール取り扱い部4に移す(ステップS220)。メール取り扱い部4は、メール送信部5に対して、ヘッダを受信者に送信するよう命令する(ステップS230)。命令を受けたメール送信部5では、ヘッダを受信者に送信する。この後、動作のフローは図3に戻る。
【0037】次に、図5に従って返信メール処理の動作の概略フローについて説明する。
【0038】メール受信・解析部1は、受信した返信メールの内容を解析する(ステップS310)。解析結果が、送信要求であるか送信拒否であるかによって処理を分ける(ステップS320)。送信要求である場合にはステップS330に進み(このとき、制御はメール取り扱い部4に移る)、送信拒否である場合にはステップS350に進む(このときも制御はメール取り扱い部4に移る)。
【0039】メール取り扱い部4は、メール管理部3に対して、送信要求のあったメールを検索するように命令する。メール管理部3は、該メールをメール蓄積部6から検索する(ステップS330)。メール取り扱い部4は、メール管理部3によって検索されたメールの全体を受信者に送信するようにメール送信部5に命令し、メール送信部5は該メール全体を受信者に対して送信する(ステップS340)。
【0040】他方、メール取り扱い部4は、メール管理部3に対して、送信拒否のあったメールを検索するように命令し、メール管理部3は該メールをメール蓄積部6から検索する(ステップS350)。
【0041】メール取り扱い部4は、メール管理部3に対してメールを消去するように命令し、メール管理部3は該メールをメール蓄積部6から消去する(ステップS360)。この後、動作のフローは図3に戻る。
【0042】以上の処理フローによって、受信者の都合を考えずに発信メール全体を送信する代わりに、まず発信メールの概要を表すヘッダを送信し、該ヘッダに対する受信者の返信メールに応じて発信メールを送信したりしなかったりすることができる。
【0043】次に、具体例について説明する。図6は具体例で用いる発信メールの例、図7は具体例で用いる発信メールから抽出されたヘッダの例、図8は具体例で用いる返信メールの例(送信要求)、図9は具体例で用いる返信メールの例(送信拒否)である。なお、図6中、スピーカの絵は音声データを表し、四角で囲まれた文字列(具体的には「現地までの地図」)は図形データを表す。以下、図6〜図9の具体例を用いて動作を説明する。
【0044】まず、図6に示すメールが電子メールサービス提供装置7に入って来る場合について説明する。メール受信・解析部1においてメール受信を検知する(図2R>2のステップS10)と、メール取り扱い処理を実行する(図2のステップS20)。更にメール受信・解析部1において、受信したメールが発信メールか返信メールかを解析する(図3のステップS110)。受信したメールは図6に示されるようにSubject フィールドにRe:の文字列を持たないので、発信メールと解析される。発信メールと解析されたので、発信メール処理が実行される(図3のステップS120,S130)。
【0045】ヘッダ抽出部2では、図6に示すメールからヘッダを抽出する(図4のステップS210)。ヘッダは、送信者に関する情報(Fromフィールドの情報から取得)、メールの容量(メールの容量をカウントしてSizeフィールドを生成)、タイトル(Subject フィールドの情報から取得)、キーワード(本文から抽出)、要約(本文から生成)あるいはこれらの一部から構成される情報である。図6に示す発信メールから抽出されたヘッダの例を図7に示す。なお、ヘッダを構成する情報取得手法についてはここでは特に制限しない。
【0046】次に、メール管理部3では、図7に示すヘッダと図6に示す発信メール全体とを対にしてメール蓄積部6に蓄積する(図4のステップS220)。最後にメール取り扱い部4において、メール送信部5に対して図7に示すヘッダを受信者(この場合、tomo@chisho.jp )に送信するよう命令し、メール送信部5ではこの命令に従ってヘッダのみをtomo@chisho.jp に送信する。
【0047】次に、前記発信メールに対する返信メール(図8に示すメール)が電子メールサービス提供装置7に入って来る場合について説明する。メール受信・解析部1においてメール受信を検知する(図2のステップS10)と、メール取り扱い処理を実行する(図2のステップS20)。更にメール受信・解析部1において、受信したメールが発信メールか返信メールかを解析する(図3のステップS110)。受信したメールは図8に示されるようにSubject フィールドにRe:の文字列を持つので、返信メールと解析される。返信メールと解析されたので、返信メール処理が実行される(図3のステップS120,S140)。更にメール受信・解析部1では、返信メールの内容を解析し、内容によって処理を分ける(図5のステップS310,S320)。
【0048】図8に示すように、返信メールの内容は「送信要求」であるので、メール取り扱い部4では、メール管理部3に対して送信要求のあったメールを検索するように命令する。メール管理部3では該当する発信メール全体をメール蓄積部6から検索して取り出す(図5のステップS330)。更にメール取り扱い部4は、検索された発信メール全体を受信者tomo@chisho.jp に送信するようにメール送信部5に対して命令する。メール送信部5では図6に示す発信メール全体(音声、図形を含む)をtomo@chisho.jp に送信する(図5のステップS340)。最後にメール取り扱い部4において、送信し終わった発信メールをメール蓄積部6から消去するようにメール管理部3に対して命令する。メール管理部3ではメール蓄積部6から該メールを消去する(図5のステップS360)。
【0049】また、返信メールが「送信拒否」である場合(図9に示すメール)には、メール取り扱い部4で、メール管理部3に対して送信拒否されたメールを検索するように命令する。メール管理部3では該当する発信メール全体をメール蓄積部6から検索して取り出す(図5のステップS350)。最後にメール取り扱い部4において、送信拒否された発信メールをメール蓄積部6から消去するようにメール管理部3に対して命令する。メール管理部3ではメール蓄積部6から該メールを消去する(図5のステップS360)。
【0050】また、返信メールがある保存期間を過ぎても返信メールが受信されない場合(図2のステップS40)には、そのメールを強制的にメール蓄積部6から消去する(図2のステップS50)。
【0051】以上の処理によって、5.3MBの大きさを持つメール(図6)を受信者に対していきなり送信するのではなく、まずその概要を表すヘッダ(かなり小さい容量しか持たない)(図7)のみを送信し、受信者の返信内容によってメール全体(5.3MBの大きさ)を送信するか否かを決定することができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、受信したメールが発信メールかまたは返信メールかを解析し、受信メールが発信メールであるとき、該発信メールからヘッダを抽出して、該ヘッダを受信者に送信し、受信メールが返信メールであるとき、該返信メールが発信メール全体の送信要求かまたは発信メール全体の送信拒否かを解析し、発信メール全体の送信要求である場合、発信メール全体を受信者に送信し、また発信メール全体の受信を拒否するものである場合または所定の保存期間が経過しても発信メール全体に対する送信要求がない場合には、発信メール全体を消去するので、受信者が必要とする電子メールのみを送信することができ、受信者の望まない大容量のメールが送信される恐れがなく、受信者側の資源が無駄に使用されることもない。
【0053】また、本発明によれば、受信メールの容量が所定の容量より小さい場合には、該受信メール全体を受信者に送信し、大きい場合には、前記処理を実施するように制御するので、容量の小さいメールの場合には、受信者に問い合わせるという処理を必要とすることなく、迅速にメールを受信者に送信することができる。
【0054】更に、本発明によれば、返信メールを解析した結果および発信メールを受信者へ送信した結果または発信メールを消去した結果を送信者に通知するので、送信者は送信したメールがどのように処理されたかを的確に把握することができる。
【0055】また、本発明によれば、所定の保存期間が経過しても発信メール全体に対する送信要求がない場合には、送信者に対して該発信メールを消去してもよいか否かを問い合わせ、消去してもよい場合のみ、該発信メール全体を消去し、消去してはならない場合には、保存期間を延長するので、発信メールの消去または保存を送信者の意向により的確に処理することができ、例えば受信者が不在の場合にも的確な処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子メールサービス提供装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す電子メールサービス提供装置の動作の概要を示すフローチャートである。
【図3】図1に示す電子メールサービス提供装置のメール取り扱い処理の概要動作を示すフローチャートである。
【図4】図1に示す電子メールサービス提供装置の発信メール処理の概要動作を示すフローチャートである。
【図5】図1に示す電子メールサービス提供装置の返信メール処理の概要動作を示すフローチャートである。
【図6】図1の電子メールサービス提供装置に使用される発信メールの具体例を示す図である。
【図7】図6の発信メールから抽出されたヘッダの具体例を示す図である。
【図8】図7のヘッダに対する送信要求の返信メールの具体例を示す図である。
【図9】図7のヘッダに対する送信拒否の返信メールの具体例を示す図である。
【符号の説明】
1 メール受信・解析部
2 ヘッダ抽出部
3 メール管理部
4 メール取り扱い部
5 メール送信部
6 メール蓄積部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子メールをやりとりする送信者と受信者との間に設けられ、送信者と受信者との間の電子メールのやりとりを制御する電子メールサービス提供装置であって、電子メールを受信し、該受信メールが発信メールであるのかまたは返信メールであるのかを解析する受信メール解析手段と、該受信メール解析手段で解析した電子メールが発信メールであるとき、該発信メールから送信者に関する情報、メール容量、タイトル、キーワード、要約を含むヘッダと称する情報を抽出する抽出手段と、該抽出手段で抽出したヘッダを受信者に送信するヘッダ送信手段と、前記発信メール全体を該発信メールのヘッダとともに蓄積する蓄積手段と、前記受信メール解析手段で解析した電子メールが返信メールであるとき、該返信メールの内容が発信メール全体の送信要求であるかまたは発信メール全体の送信を拒否するものであるかを解析する返信メール解析手段と、該返信メール解析手段によって前記返信メールの内容が発信メール全体の送信要求であると解析された場合、前記蓄積手段に蓄積した発信メール全体を受信者に送信した後、該発信メール全体を消去し、また前記返信メール解析手段によって発信メール全体の受信を拒否するものであると解析された場合、または所定の保存期間が経過しても、発信メール全体に対する送信要求がない場合には、前記蓄積手段に蓄積されている発信メール全体を消去する送信消去手段とを有することを特徴とする電子メールサービス提供装置。
【請求項2】 前記受信メール解析手段で解析した受信メールの容量が所定の容量より小さい場合には、該受信メール全体を受信者に送信し、大きい場合には、前記抽出手段、ヘッダ送信手段、蓄積手段、返信メール解析手段、および送信消去手段によって行われた処理を実施するように制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1記載の電子メールサービス提供装置。
【請求項3】 前記返信メール解析手段および前記送信消去手段で実行された結果を送信者に通知する通知手段を有することを特徴とする請求項1または2記載の電子メールサービス提供装置。
【請求項4】 前記通知手段は、所定の保存期間が経過しても、発信メール全体に対する送信要求がない場合には、送信者に対して該発信メールを消去してもよいか否かを問い合わせ、消去してもよい場合のみ、該発信メール全体を消去し、消去してはならない場合には、保存期間を延長する問い合わせ手段を有することを特徴とする請求項1,2または3記載の電子メールサービス提供装置。
【請求項5】 送信者と受信者との間の電子メールのやりとりを制御する電子メールサービス提供方法であって、電子メールを受信し、該受信メールが発信メールであるのかまたは返信メールであるのかを解析する第1の過程と、第1の過程の結果が発信メールであるとき、該発信メールから送信者に関する情報、メール容量、タイトル、キーワード、要約を含むヘッダと称する情報を抽出する第2の過程と、第2の過程で抽出したヘッダを受信者に送信する第3の過程と、前記発信メール全体を蓄積しておく第4の過程と、第1の過程の結果が返信メールであるとき、該返信メールの内容が発信メール全体の送信要求であるかまたは発信メール全体の送信を拒否するものであるかを解析する第5の過程と、第5の過程で前記返信メールの内容が発信メール全体の送信要求であると解析された場合、前記蓄積された発信メール全体を受信者に送信した後、該発信メール全体を消去し、また第5の過程で発信メール全体の受信を拒否するものであると解析された場合、または所定の保存期間が経過しても、発信メール全体に対する送信要求がない場合には、前記蓄積手段に蓄積されている発信メール全体を消去する第6の過程とを有することを特徴とする電子メールサービス提供方法。
【請求項6】 前記第1の過程で解析した受信メールの容量が所定の容量より小さい場合には、該受信メール全体を受信者に送信し、大きい場合には、前記第2、第3、第4、第5、および第6の過程で行われた処理を実施するように制御する第7の過程を有することを特徴とする請求項5記載の電子メールサービス提供方法。
【請求項7】 前記第5および第6の過程の実行結果を送信者に通知する第8の過程を有することを特徴とする請求項5または6記載の電子メールサービス提供方法。
【請求項8】 前記第8の過程において、所定の保存期間が経過しても、発信メール全体に対する送信要求がない場合には、送信者に対して該発信メールを消去してもよいか否かを問い合わせ、消去してもよい場合のみ、該発信メール全体を消去し、消去してはならない場合には、保存期間を延長する第9の過程を有することを特徴とする請求項5,6または7記載の電子メールサービス提供方法。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【図9】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開平9−130423
【公開日】平成9年(1997)5月16日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−281912
【出願日】平成7年(1995)10月30日
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)