説明

電子メール配信システム

【課題】宛先情報の一元管理による運用工数低減と配信条件の管理による安定したメール配信とする。
【解決手段】業務システムのメールデータ作成部111が作成したメール構成要素を含む要求を受信し、受信した要求に不備がないかを確認する要求解析部311、受信した要求を登録する要求登録部312を有する要求受付サーバ310と、登録された要求の実行可否を判定する処理待ち判定部511、処理待判定部が取り出したデータの複合グループIDに該当するグループIDが登録されているか否かを判定する複合条件判定部512、登録された要求をもとにメール構成要素を作成するメールデータ作成部513、メール構成要素をもとにメール送信要求を行うメール送信要求部514、メール送信要求失敗時の代替処理を行う代替サーバ要求判定部514、要求の処理完了判定を行う要求完了判定部516を有する要求回収サーバ500とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メール配信システムに係り、特に、宛先の一元管理及び配信条件に基づいてメールの配信を実現可能とした電子メール配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子メールの宛先管理及び配信条件に基づいて電子メールの配信を実施するために、次のような方法が用いられている。
【0003】
一般的なメールソフトウェアによる電子メールの配信は、メール配信要求元となる装置が宛先情報を保持し、電子メール配信システムに直接電子メールの送信を要求するという方法により行われる。また、電子メールの配信に関する他の技術として、例えば、特許文献1、2等に記載された技術が知られている。この特許文献1に記載の従来技術は、メール情報に含まれる識別情報を一元管理し、その識別情報を元に宛先を判別してメールの配信を行うというものであり、また、特許文献2に記載の従来技術は、メール情報を一旦記憶手段に蓄積し、配信条件に合致する場合に、そのメールを配信するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−262107号公報
【特許文献2】特開2004−23171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、企業等の運営のために企業内に各種の業務システムが構築され、各種の連絡や情報の通知の多くが電子メールを利用して行われている。このような状況の中で、業務システムが自動的に配信する電子メールの宛先情報は、各業務システムのそれぞれが保持、管理している場合が多く、人事異動やシステム改修時には同一宛先に対する変更であるにもかかわらず、各業務システムで宛先変更作業が行われている。そのため、宛先情報のメンテナンス工数が増大すると共に、変更誤りによって業務に支障をきたす可能性も高くなっている。
【0006】
また、各業務システムにおけるメールの配信要求は、システム独自の処理により行われているのが一般的であり、配信スケジュールによってはトラフィックの増大や特定のメールサーバの負荷集中が懸念される。
【0007】
前述した特許文献1に記載の従来技術は、メール宛先(装置アドレス)とそれに対応する固有のID(宛先装置ID)とを一元管理するものであるが、1つのメールを同報送信する場合におけるグループを一元管理する方法について配慮されておらず、メール配信要求元での個別管理が必要となるという問題点を有している。また、前述した特許文献2に記載の従来技術は、蓄積されたメールの配信日時を監視し、負荷集中を予測することを可能としているが、負荷を分散させる手段を備ええてないため、負荷集中に伴う障害により指定配信日時に電子メールの配信を行うことができない可能性があるという問題点を有している。
【0008】
本発明の目的は、前述した従来技術の問題点を解決し、宛先情報の一元管理による運用工数低減と配信条件の管理による安定したメール配信とを可能とした電子メール配信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば前記目的は、メール送信要求元となる業務システムからの要求によりメール送信サーバに電子メールを送信させる電子メール配信システムにおいて、前記業務システムのメールデータ作成部が作成したメール構成要素を含む要求を受信し、受信した要求に不備がないかを確認する要求解析部、及び、受信した要求を登録する要求登録部を有する要求受付サーバと、登録された要求の実行可否を判定する処理待ち判定部、該処理待判定部が取り出したデータの複合グループIDに該当するグループIDが登録されているか否かを判定する複合条件判定部、登録された要求をもとにメール構成要素を作成するメールデータ作成部、メール構成要素をもとにメール送信要求を行うメール送信要求部、メール送信要求失敗時の代替処理を行う代替サーバ要求判定部、及び、要求の処理完了判定を行う要求完了判定部を有する要求回収サーバと、要求回収サーバのメール送信要求部または代替サーバ要求判定部からの要求により、メールの送信を行うメール送信サーバとを備えることにより達成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の業務システムにおける宛先情報を一元管理すること可能となり、メンテナンス工数を低減することができ、また、予め登録された宛先にのみメールの配信を行うことになるため、不正な宛先へのメール配信を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態による電子メール配信システムを含み電子メール配信システムを利用するシステムの全体の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す本発明の実施形態による電子メール配信システムを利用するシステムの動作概要を説明する図である。
【図3】メールデータ作成部での処理動作を説明する図である。
【図4】メール送信要求部での処理動作を説明するフローチャートである。
【図5】要求解析部での処理動作を説明するフローチャートである。
【図6】要求登録部での処理動作を説明する図である。
【図7】処理待ち判定部での処理動作を説明するフローチャートである。
【図8】複合条件判定部での処理動作を説明するフローチャートである。
【図9】メールデータ作成部での処理動作を説明するフローチャートである。
【図10】メール送信要求部での処理動作を説明するフローチャートである。
【図11】代替サーバ要求判定部での処理動作を説明するフローチャートである。
【図12】要求完了判定部での処理動作を説明するフローチャートである。
【図13】個人情報マスタテーブルの構成を示す図である。
【図14】グループマスタテーブルの構成を示す図である。
【図15】グループ宛先マスタテーブルの構成を示す図である。
【図16】要求受付テーブルの構成を示す図である。
【図17】要求処理テーブルの構成を示す図である。
【図18】要求完了テーブルの構成を示す図である。
【図19】要求失敗テーブルの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明による電子メール配信システムの実施形態を図面により詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の一実施形態による電子メール配信システムを含み電子メール配信システムを利用するシステムの全体の構成例を示すブロック図である。
【0014】
図1に示す本発明の実施形態による電子メール配信システムを利用するシステムは、メール送信要求を行う機能を有する業務システムA110が稼動する要求元装置A100と、要求元装置A100と同等の機能を備える要求元装置(A+1)〜n200と、要求元装置A100〜n200からのメール送信要求を受け付け、デーベース700に登録する機能を有する要求受付システムA310が稼動する要求受付サーバA300と、要求受付サーバA300と同等の機能を備える要求受付サーバ(A+1)〜n400と、データベース700に登録されたメール送信要求を回収してメール送信の可否を判断して、メール送信サーバA800〜サーバn900にメール送信要求を依頼する機能を有する要求回収システムA510が稼動する要求回収サーバA500と、要求回収サーバA500と同等の機能を備える要求回収サーバ(A+1)〜n600と、電子メール配信システムに必要となるデータを管理するデータベース700と、要求回収サーバA500〜n600からのメール送信要求を受け付けて、メールを送信する機能を有するメール送信サーバA800と、メール送信サーバA800と同等の機能を備えるメール送信サーバ(A+1)〜n900とを備えて構成されている。
【0015】
前述において、本発明の情報によるメール配信システムは、n台の要求受付サーバA300〜n400と、n台の要求回収サーバA500〜n600とにより構成されている。そして、要求元装置A100〜n200からのメール送信要求は、ネットワーク001を介して要求受付サーバA300〜n400のいずれか1つにより受け付けられる。その際、要求元装置A100からのメール送信要求を要求受付サーバA300で受け付ける必要はない。また、要求回収サーバA500〜n600からのメール送信要求は、ネットワーク001を介してメール送信サーバA800〜n900のいずれか1つにより受け付けられる。その際、メール回収サーバA500からのメール送信要求をメール送信サーバA800で受け付ける必要はない。
【0016】
また、要求元装置A100〜n200内で稼働している業務システムA110は、メールデータ作成部111と、メール送信要求部112との各機能部を備えて構成され、要求受付サーバA300〜n400内で稼働している要求受付システムA310は、要求解析部311と、要求登録部312との各機能部を備えて構成される。また、要求回収サーバA500〜n600内で稼働している要求回収システムA510は、処理待ち判定部511と、複合条件判定部512と、メールデータ作成部513と、メール送信要求部514と、代替サーバ要求判定部515と、要求完了判定部516との各機能部を備えて構成される。
【0017】
また、データベース700には、個人情報マスタテーブル701と、グループマスタテーブル702と、グループ宛先マスタテーブル703と、要求受け付けテーブル704と、要求処理テーブル705と、要求完了テーブル706と、要求失敗テーブル706との各データテーブルが格納されている。
【0018】
前述した要求元装置A100〜n200、要求受け付けサーバA300〜n400、要求回収サーバA500〜n600、メール送信サーバA800〜n900のそれぞれは、CPU、HDD等による記憶装置、主メモリ、キーボード、マウス等の入力装置及び表示装置を備えた情報処理装置の中に構成されており、前述で説明した各機能部は、プログラムとして構成され、記憶装置から主メモリにロードされて、CPUにより実行されることにより、必要な機能が構築される。
【0019】
図2は図1に示す本発明の実施形態による電子メール配信システムを利用するシステムの動作概要を説明する図であり、次に、これについて説明する。
【0020】
業務システムA110のメールデータ作成部111は、メール構成要素である主題、本文、添付ファイルを作成し、メール送信要求部112は、メールデータ作成部111が作成したメール構成要素をネットワーク001を介して要求受付サーバA300に送信する。
【0021】
要求受付サーバA300における要求受付システムA310の要求解析部311は、メール送信要求部112から送信されてきた要求を受信し、受信した要求に不備がないか否かを確認し、要求に不備がなければ要求登録部312に処理を促し、要求に不備があればメール送信要求部112にエラーを返信する。
【0022】
要求登録部312は、要求をデータベース700内の要求受付テーブル704に登録する。
【0023】
要求回収サーバA500における要求回収システムA510の処理待ち判定部511は、データベース700内の要求処理テーブル705の中に処理待ちのデータが登録されている場合、メールデータ作成部513に当該データに対する処理を促し、また、要求受付テーブル704に処理待ちのデータが登録されている場合、当該データを要求処理テーブル705に登録する。
【0024】
但し、要求受付テーブル704に登録されている要求が複合条件を必要とする場合、処理待ち判定部511は、複合条件判定部512に処理を促す。複合条件判定部512は、処理対象の要求が必要とする条件が揃っている場合、当該データを要求処理テーブル705に登録する。
【0025】
メールデータ作成部513は、要求に基づいてメール構成要素を作成し、メール送信要求部514に処理を促す。メール送信要求部514は、メール送信サーバA800に対してメール送信要求を行い、メール送信要求が成功した場合、要求完了判定部516に処理を促す。
【0026】
また、メール送信要求部514は、メール送信要求がエラーとなった場合、代替サーバ要求判定部515に処理を促し、代替サーバ要求判定部515は、メール送信サーバn900に対してメール送信要求を行い、メール送信要求がエラーとなった場合、要求失敗テーブル707にメール送信要求の失敗を登録する。
【0027】
要求完了判定部516は、メール送信要求が成功した場合に、要求成功を要求完了テーブル705に登録する。
【0028】
次に、図1、図2に示して説明したシステムにおける各機能部での処理動作について説明するが、各機能部の処理を説明する前に、データベース内に格納されているテーブルの構成について説明する。
【0029】
図13は個人情報マスタテーブル701の構成を示す図である。個人情報マスタテーブル701は、図13(1)に示すように、個人毎にユニークに採番されたIDである「個人ID」と、その個人の具体的な氏名である「氏名」と、その個人のメールアドレスである「メールアドレス」との各項目を1つのレコードとして複数のレコードを格納したテーブルである。そして、このレコードにより個人情報を特定している。具体的なデータ例としては、図13(2)に示すようなものとなる。
【0030】
図14はグループマスタテーブル702の構成を示す図である。グループマスタテーブル702は、複数の個人がグループとして何らかの処理を行う場合に必要な各種の情報を格納したテーブルであり、図14(1)に示すように、グループ毎にユニークに採番されたIDである「グループID」と、そのグループの具体的な名称である「グループ名」と、メール送信処理の優先順位を示す「優先順位」と、要求が複合条件〔0で示す〕であるか送信要求〔1で示す〕あるかの要求の分類を示す「要求分類」と、複数の要求が揃わないと実行してはいけない要求の場合に、関係するグループの全てを指定する「複合グループID」と、送信元のメールアドレスを示す「送信元」と、「メールデータ」との各項目を1つのレコードとして複数のレコードを格納したテーブルである。
【0031】
前述において、「優先順位」には、日時指定処理〔0で示され、具体的な日時が指定される〕、即時処理〔1で示す〕、即時がなければ処理〔2で示す〕の何れかが格納され、また、「メールデータ」には、メールの主題、本文、添付ファイルを含む複数のメールデータが格納される。そして、グループマスタテーブル702の具体的なデータ例としては、図14(2)に示すようなものとなる。
【0032】
図15はグループ宛先マスタテーブル703の構成を示す図である。グループ宛先マスタテーブル703は、図14に示すグループマスタテーブル702で定義されたグループの宛先の情報を格納したテーブルであり、図15(1)に示すように、グループ毎にユニークに採番されたIDである「グループID」と、グループIDに該当する要求処理時にメール送信先となる個人のIDである「個人ID」と、宛先の送信属性がTO、CC、BCCの何れであるかを示す「属性」との各項目を1つのレコードとして複数のレコードを格納したテーブルである。そして、このレコードによりグループ宛先を持つ個人を特定している。具体的なデータ例としては、図15(2)に示すようなものとなる。
【0033】
前述までに説明した個人情報マスタテーブル701、グループマスタテーブル702、グループ宛先マスタテーブル703は、全ての要求元装置A〜nkそれぞれが持つ業務システム110で共通に利用可能な情報を有している。このため、これらのマスタテーブル701〜703の情報は、本発明の実施形態による電子メール配信システムが構築された時点で予め登録される。
【0034】
図16は要求受付テーブル704の構成を示す図である。要求受付テーブル704は、要求元装置からのメール送信要求にデータを格納したテーブルであり、図16(1)に示すように、要求毎にユニークに採番されたIDである「要求NO」と、当該要求のグループIDである「グループID」と、当該要求の優先順位である「優先順位」と、当該要求の複合グループIDである「複合グループID」と、当該要求の有効期限である「有効期限」と、当該要求の1〜n件のメールデータである「メールデータ」と、当該要求の受付日時である「受付日時」と、処理状態(処理待ちを0で示し、処理中を1で示す)を示す「処理フラグ」との各項目を1つのレコードとして複数のレコードを格納したテーブルである。そして、要求受付テーブル704の具体的なデータ例としては、図16(2)に示すようなものとなる。
【0035】
図17は要求処理テーブル705の構成を示す図である。要求処理テーブル705は、処理のために受け付けた要求のデータを格納したテーブルであり、図17(1)に示すように、要求毎にユニークに採番されたIDである「要求NO」と、当該要求のグループIDである「グループID」と、要求NO内でユニークに採番されたIDである「処理NO」と、当該要求の1件分のメールデータである「メールデータ」と、処理状態を示す「処理フラグ」との各項目を1つのレコードとして複数のレコードを格納したテーブルである。そして、要求処理テーブル705の具体的なデータ例としては、図17(2)に示すようなものとなる。
【0036】
図18は要求完了テーブル706の構成を示す図である。要求完了テーブル706は、メール送信要求が成功した要求を格納したテーブルであり、図18(1)に示すように、要求毎にユニークに採番されたIDである「要求NO」と、当該要求のグループIDである「グループID」と、要求NO内でユニークに採番されたIDである「処理NO」と、メール送信を実行したメールサーバを示す「メールサーバ」と、当該要求の処理完了日時を示す「完了日時」との各項目を1つのレコードとして複数のレコードを格納したテーブルである。そして、要求完了テーブル706の具体的なデータ例としては、図18(2)に示すようなものとなる。
【0037】
図19は要求失敗テーブル707の構成を示す図である。要求失敗テーブル707は、メール送信要求が失敗した要求を格納したテーブルであり、図19(1)に示すように、要求毎にユニークに採番されたIDである「要求NO」と、当該要求のグループIDである「グループID」と、要求NO内でユニークに採番されたIDである「処理NO」と、メール送信を実行したメールサーバを示す「メールサーバ」と、当該要求の処理失敗日時を示す「完了日時」との各項目を1つのレコードとして複数のレコードを格納したテーブルである。そして、要求失敗テーブル707の具体的なデータ例としては、図19(2)に示すようなものとなる。
【0038】
図3はメールデータ作成部111での処理動作を説明する図である。ここでの処理は、要求元装置を使用するユーザからの要求により開始される処理である。
【0039】
メールデータ作成部111は、ステップS0101でメールデータの作成の処理を行い、ここでのメールデータの作成の処理として、メール構成要素である主題、本文、添付ファイルを作成する。
【0040】
このとき、メールデータ作成部111は、複数のメール送信を行う場合、それぞれのメール構成要素を作成する。また、作成するメール構成要素のうちグループマスタ702に登録された既定値を使用するものは省略可能である。さらに、全てのメール構成要素についてグループマスタ702に登録された既定値を使用する場合、メールデータ作成部111自体が不要である。
【0041】
図4はメール送信要求部112での処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。
【0042】
(1)処理が開始されると、メール送信要求部112は、まず、要求解析部311に対して処理対象となるグループIDを送信する。このとき、メールデータ作成部111で作成したメール構成要素がある場合、合わせて、このメール構成要素のデータも送信する。また、優先順位「0」(日時指定処理)の要求の場合、指定日時を合わせて送信し、有効期限を必要とする要求の場合、有効期限を合わせて送信する。そして、前述の送信完了後に、要求解析部311からの処理結果を受信する(ステップS0201)。
【0043】
(2)要求解析部311は、ステップS0201の処理で送信されてきた要求の処理を実行し、その処理結果をメール送信要求部112に返す(ステップS0202)。
【0044】
(3)メール送信要求部112は、要求解析部311からの要求に対する処理結果が成功か失敗かを判定し、成功であった場合、業務システムA100に成功を通知し、失敗した場合、業務システムA(100)に失敗を通知する(ステップS0203〜S0205)。
【0045】
図5は要求解析部311での処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。この処理は、図4におけるステップS0202での要求解析部311の処理である。
【0046】
(1)処理が開始されると、要求解析部311は、メール送信要求部112から送信されてきた要求を受信すると、受信した要求に不備がないか否かを確認する要求解析の処理を実行する(ステップS0301)。
【0047】
(2)ステップS0301での要求解析の結果、受信した要求に不備がなかったか否かを判定し、不備がなかった場合、要求登録部312にその要求を登録させ、登録の終了後、メール送信要求部112に成功を通知して、ここでの処理を終了する(ステップS0302〜S0304)。
【0048】
(3)ステップS302の判定で、受信した要求に不備があった場合、メール送信要求部112に失敗を通知して、ここでの処理を終了する(ステップS305)。
【0049】
図6は要求登録部312での処理動作を説明する図である。ここでの処理は、図5に示すフローのステップS0303で行われる処理である。
【0050】
要求登録部312は、ステップS0401の処理で、要求NOを採番し、採番した番号と要求とを要求受付テーブル704に登録する。このとき、要求登録部312は、処理フラグを「0」(処理待ち)として要求受付テーブル704への登録を行う。
【0051】
図7は処理待ち判定部511での処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。
【0052】
(1)処理が開始されると、処理待ち判定部511は、要求処理テーブル705に処理フラグが「0」(処理待ち)となっているレコード(データ)があるか否かを確認する処理待ち確認の処理を行う。このとき、処理待ち判定部511は、対象データの要求NOに該当する要求受付テーブル704のデータを参照し、有効期限を過ぎている場合、処理対象外とする。また、処理待ち判定部511は、対象データの要求NO及び処理NOに該当するデータが要求失敗テーブル707に登録されている場合、要求失敗テーブル707の処理日時から規定時間を過ぎている場合、処理対象とし、過ぎていない場合は処理対象外とする。さらに、処理待ち判定部511は、要求処理テーブル705に処理対象データがある場合、処理フラグを「1」(処理中)にし、当該データを取り出す。なお、要求処理テーブル705は、要求NO、処理NOの昇順で処理するものとする(ステップS0501)。
【0053】
(2)ステップS0501での処理待ち確認の処理の結果、要求処理テーブル705に処理待ちとなっているデータがあったか否かを判定し、要求処理テーブル705に処理待ちとなっているデータがあった場合、メールデータ作成部513での処理を実行させる(ステップS0502、S0503)。
【0054】
(3)メールデータ作成部513での処理の後、メールデータ送信要求部514での処理を実行させて、ステップS0501からの処理に戻って、次の処理待ちとなっているデータに対する処理を続ける(ステップS0504)。
【0055】
(4)ステップS0502の判定で要求処理テーブル705に処理待ちとなっているデータがなかった場合、要求受付テーブル704に処理フラグが「0」(処理待ち)となっているレコード(データ)があるかを確認する処理待ち確認の処理を行う。このとき、対象データの要求分類が「0」(複合条件)のものは処理対象外とする。また、対象データの優先順位が「0」(日時指定処理)で指定日時を過ぎていない場合、処理対象外とする。さらに、処理待ち判定部511は、要求受付テーブル704に処理対象データがある場合、処理フラグを「1」(処理中)にし、当該データを取り出す。なお、要求受付テーブル704は、要求NO、優先順位の昇順で処理するものとする(ステップS0505)。
【0056】
(5)ステップS0505での処理待ち確認の処理の結果、要求受付テーブル704に処理待ちとなっているデータがあったか否かを判定し、要求受付テーブル704に処理待ちとなっているデータがなかった場合、ここでの処理を終了する(ステップS0506)。
【0057】
(6)ステップS0506の判定で、要求受付テーブル704に処理待ちとなっているデータがあった場合、ステップS0505での処理待ち確認の処理で取り出したデータに複合グループIDが指定されているか否かを判定する(ステップS0507)。
【0058】
(7)ステップS0507の判定で、処理待ち確認の処理で取り出したデータに複合グループIDが指定されていた場合、複合条件判定部512での処理を実行させ、複合条件判定部512での処理の結果が実行可であるか、実行不可であるかを判定し、実行不可であった場合、ステップS0501からの処理に戻って、次の処理待ちとなっているデータに対する処理を続ける(ステップS0508、S0509)。
【0059】
(8)ステップS0509の判定で、複合条件判定部512での処理の結果が実行可であった場合、あるいは、ステップS0507の判定で、S0505の処理待ち確認の処理で取り出したデータに複合グループIDが指定されていなかった場合、ステップS0505での処理待ち確認の処理で取り出したデータのメールデータをメール単位に分解し、分解したメール単位に処理NOを採番して、要求処理テーブル705に登録する。このとき、処理フラグ「0」(処理待ち)として登録し、ステップS0501からの処理に戻って、次の処理待ちとなっているデータに対する処理を続ける(ステップS0510、S0511)。
【0060】
図8は複合条件判定部512での処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。ここでの処理は、図7により説明したフローのステップS0508で行われる処理である。
【0061】
(1)処理が開始されると、複合条件判定部512は、図5により説明したフローのステップS0505の処理待ち確認の処理で取り出したデータの複合グループIDに該当するグループIDが要求受付テーブル704に登録されているか否かを確認する複合条件判定の処理を実行する。このとき、対象データの有効期限を過ぎているものは対象外とする。また、複合グループIDに指定されたすべてのグループIDが要求受付テーブル704に対象データとして登録されている場合、複合条件が揃ったと判断する(ステップS0601)。
【0062】
(2)ステップS0601での複合条件判定の処理の結果、複合条件が揃ったという結果が得られたか否かを判定し、揃っていた場合、処理待ち判定部511に実行可を通知して(適合処理)、ここでの処理を終了し、揃っていなかった場合、処理待ち判定部511に実行不可を通知して(不適合処理)、ここでの処理を終了する(ステップS0602〜S0604)。
【0063】
図9はメールデータ作成部513での処理動作を説明するフローチャートである。ここでの処理は、図7に示すステップS0503で行われる処理であり、ステップS0701の処理で、図7に示すフローのステップS0501の処理で取り出したデータに対して、メールデータを作成する処理である。
【0064】
図10はメール送信要求部514での処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。ここでの処理は、図5に示すステップS0504で行われる処理である。
【0065】
(1)処理が開始されると、メール送信要求部514は、メール送信サーバA800に対してメール送信要求を行い、要求完了後、メール送信サーバA800からの処理結果の受信を待つ(ステップS0801)。
【0066】
(2)メール送信サーバA800は、ステップS0801の処理で送信されてきたメール送信要求の処理を実行し、その処理結果をメール送信要求部514に返す(ステップS0802)。
【0067】
(3)メール送信要求部514は、メール送信サーバA800から送信されてくるメール送信要求に対する処理結果を受信し、その結果が成功であったか失敗であったかを判定し、失敗であった場合、代替サーバ要求判定部515に代替サーバでのメールの送信が可能か否かを判定させ、可能な場合にメールの送信を行わせ、メールの送信に成功したか否かを報告させる(ステップS0803、S0804)。
【0068】
(4)メール送信要求部514は、ステップS0804の処理で代替サーバ要求判定部515から得られた報告の結果、代替サーバによるメールの送信が成功したか否かを判定し、失敗であった場合、何もせずにここでの処理を終了する(ステップS0805)。
【0069】
(5)ステップS0803のメール送信要求に対する処理結果の判定で、その結果が成功であった場合、あるいは、ステップS0805の判定で、代替サーバによるメールの送信が成功していた場合、要求完了判定部516に要求完了の登録を行わせて、ここでの処理を終了する(ステップS0806)。
【0070】
図11は代替サーバ要求判定部515での処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。ここでの処理は、図10に示すフローのステップS0804で行われる処理である。
【0071】
(1)処理が開始されると、代替サーバ要求判定部515は、代替サーバが登録されているか否かを確認し、この確認での処理結果を判定し、代替サーバが登録されていなかった場合、要求失敗テーブル707に失敗(代替サーバでのメール送信の失敗)を登録し、メール送信要求部514に失敗を通知する(ステップS0901、S0902、S0907)。
【0072】
(2)ステップ902の判定で、代替サーバが登録されていた場合、登録されていた代替サーバ、ここでは、メール送信サーバn900に対してメール送信要求を行い、要求の送信完了後、メール送信サーバn900から処理結果が送信されてくるのを待つ(ステップS0903)。
【0073】
(3)メール送信要求を受けたメール送信サーバn900は、要求に従ってメール送信の処理を実行し、その処理結果を代替サーバ要求判定部515に送信する(ステップS0904)。
【0074】
(4)代替サーバ要求判定部515は、メール送信サーバn900からのメール送信の処理結果を受信して、メール送信が成功したか失敗したかを判定し、失敗していた場合、ステップS0901からの処理に戻って処理を繰り返し、成功していた場合、メール送信要求部514に代替サーバでのメール送信成功を通知して、ここでの処理を終了する(ステップS0905、S0906)。
【0075】
図12は要求完了判定部516での処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。ここでの処理は、図10に示すフローのステップS0806で行われる処理である。
【0076】
(1)処理が開始されると、要求完了判定部516は、メール送信要求部514が処理したデータを要求処理テーブル705から削除し、要求完了テーブル706に登録する(ステップS1001)。
【0077】
(2)その後、要求NOに該当するデータが要求処理テーブル705に存在するか否かを確認する要求完了判定の処理を実行し、要求完了判定の処理の処理結果が、要求NOに該当するデータが要求処理テーブル705に存在したとしているか否かを判定する(ステップS1002、S1003)。
【0078】
(3)ステップS1003の判定で、要求NOに該当するデータが要求処理テーブル705に存在していた場合、何もせずにここでの処理を終了し、要求NOに該当するデータが要求処理テーブル705に存在していなかった場合、要求受付テーブル704から要求NOに該当するデータを削除して、ここでの処理を終了する(ステップS1004)。
【0079】
前述した本発明の実施形態によれば、複数の業務システムにおける宛先情報を一元管理することが可能となり、メンテナンス工数を低減することができる。また、本発明の実施形態は、予め登録された宛先にのみメールの配信を行うことになるため、不正な宛先へのメール配信を未然に防止することができる。
【0080】
また、前述した本発明の実施形態によれば、配信条件にもとづくメール配信の実現により、配信日時指定でのメール配信が可能となることはもとより、複雑な配信条件を必要とするメール配信が可能となり、さらに、送信失敗時の代替送信及びリトライの実現により、メール送信要求元はメールサーバの死活を意識することなくメール送信要求を行うことが可能となる。
【0081】
前述の結果として、システムを利用するユーザに高品質なサービスを提供できるようになる。
【符号の説明】
【0082】
001 ネットワーク
100 要求元装置A
110 業務システムA
111 メールデータ作成部
112 メール送信要求部
200 要求元装置n
300 要求受付サーバA
310 要求受付システムA
311 要求解析部
312 要求登録部
400 要求受付サーバn
500 要求回収サーバA
510 要求回収システムA
511 処理待ち判定部
512 複合条件判定部
513 メールデータ作成部
514 メール送信要求部
515 代替サーバ要求判定部
516 要求完了判定部
600 要求回収サーバn
700 データベース
701 個人情報マスタテーブル
702 グループマスタテーブル
703 グループ宛先マスタテーブル
704 要求受付テーブル
705 要求処理テーブル
706 要求完了テーブル
707 要求失敗テーブル
800 メール送信サーバA
900 メール送信サーバn

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メール送信要求元となる業務システムからの要求によりメール送信サーバに電子メールを送信させる電子メール配信システムにおいて、
前記業務システムのメールデータ作成部が作成したメール構成要素を含む要求を受信し、受信した要求に不備がないかを確認する要求解析部、及び、受信した要求を登録する要求登録部を有する要求受付サーバと、
登録された要求の実行可否を判定する処理待ち判定部、該処理待判定部が取り出したデータの複合グループIDに該当するグループIDが登録されているか否かを判定する複合条件判定部、登録された要求をもとにメール構成要素を作成するメールデータ作成部、メール構成要素をもとにメール送信要求を行うメール送信要求部、メール送信要求失敗時の代替処理を行う代替サーバ要求判定部、及び、要求の処理完了判定を行う要求完了判定部を有する要求回収サーバと、
を備えることを特徴とする電子メール配信システム。
【請求項2】
個人毎のユニークなID、その個人の氏名、その個人のメールアドレスを管理する個人情報マスタテーブルと、グループ毎のユニークなID、そのグループのグループ名、メール送信処理の優先順位、要求の分類を示す要求分類、複数の要求が揃わないと実行してはいけない要求の場合に、関係するグループの全てを指定する複合グループID、送信元のメールアドレスを示す送信元と、メールデータを管理するグループマスタテーブルと、グループ毎のユニークなID、グループIDに該当する要求処理時にメール送信先となる個人ID、宛先の送信属性がTO、CC、BCCの何れであるかを示す属性を管理するグループ宛先マスタテーブルとをデータベース内に有し、
メール送信要求元からのメール送信要求時、予め登録されたグループIDを指定することにより、その要求をどの宛先に配信すればよいかを管理するしていることを特徴とする請求項1記載の電子メール配信システム。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−282370(P2010−282370A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−134330(P2009−134330)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【出願人】(000152985)株式会社日立情報システムズ (409)
【Fターム(参考)】