電子交換システム及びそれを用いた通信システム
【目的】 障害による通信停止時間を短縮し、かつ障害の影響が及ぶ範囲を小さくする。
【構成】 複数の第1の単位電子交換ブロック41−1〜41−Dと複数の第2の単位電子交換ブロック40−1〜40−Cとの2段構成とし、段間では、ある単位電子交換ブロックが他の段の全ての単位電子交換ブロックに接続させている。また、第1の単位電子交換ブロックの予備として機能する1又は2以上の第1の予備単位電子交換ブロック41−STB及び又は第2の単位電子交換ブロックの予備として機能する1又は2以上の第2の予備単位電子交換ブロックを設けている。そして、監視装置90が障害発生時に第1の切替部91及び又は第2の切替部を駆動して適宜予備のものと切り替える。
【構成】 複数の第1の単位電子交換ブロック41−1〜41−Dと複数の第2の単位電子交換ブロック40−1〜40−Cとの2段構成とし、段間では、ある単位電子交換ブロックが他の段の全ての単位電子交換ブロックに接続させている。また、第1の単位電子交換ブロックの予備として機能する1又は2以上の第1の予備単位電子交換ブロック41−STB及び又は第2の単位電子交換ブロックの予備として機能する1又は2以上の第2の予備単位電子交換ブロックを設けている。そして、監視装置90が障害発生時に第1の切替部91及び又は第2の切替部を駆動して適宜予備のものと切り替える。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子交換システム及びそれを用いた通信システムに関するものであり、例えば、空港管制用や航空路管制用の通信システムやその内部の電子交換システムに適用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】空港及びその管制空域における航空機の安全かつ円滑な運行のために、管制塔及び空港レーダ管制所においては、空港用管制卓を用いて通話路を設定して、管制官とパイロットと、管制官と関係管制施設の人間との間の管制通信、連絡調整通信等を行なう。このような通信システムに設けられている従来の音声交換システムとしては、交換数が少ないこと等から、アンプ回路やリレー回路によるアナログ交換システムが適用されていた。
【0003】しかしながら、運用要求に対する柔軟性や保守性の向上が計られることから、最近では、デジタル交換システム(電子交換システム)を、空港管制用交換システムに適用することが、検討、研究されている。
【0004】電子交換システムは、一般には、図示は省略するが、時分割通話路スイッチと、その入出力端子に接続するように設けられた複数の回線トランクと、その回線トランクと制御情報を授受しながら時分割通話路スイッチに通話経路を設定させる中央処理モジュールとから構成されている。
【0005】ところで、空港管制用通信システムでは、航空交通の安全性を高めるために、システム障害によって通信ができない時間が短く、障害の影響が及ぶ範囲が小さくなるように構成することが望まれる。上述した従来の電子交換システムの構成に対して、このような要求に応えようとすると、公衆網通信システムで採用されているような中央処理モジュールだけを2重化したり、電子交換システム全体を2重化したりするような冗長構成を採用することが考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、中央処理モジュールだけを2重化する方法では、時分割通話路スイッチの障害には対応できない。従って、この点からは、電子交換システム全体を2重化する方法が好ましい。しかし、この方法の場合、障害が発生した電子交換システムから新たに運用状態になる電子交換システムに制御情報を引き渡したり、又は、また、新たに運用状態になる電子交換システムに対して改めて空港用管制卓等から制御情報を与えてシステムを立ち上げる必要がある。このような立ち上げ時間のために、通信ができない時間をある程度以上に小さくすることはできない。しかも、このときは全ての通信相手と通信することはできない。
【0007】電子交換システム全体を2重化する方法では通信ができない時間は数分程度であり、航空交通の安全上問題はないが、航空交通の安全性をより一段高めるためには、当然により一段の時間の短縮化が求められる。
【0008】以上では、空港管制用通信システム(における電子交換システム)について、課題を説明したが、通信停止時間を短縮すること、障害の影響が及ぶ範囲を小さくすることを求めている通信システムは、種々存在する。
【0009】本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、障害による通信停止時間を短縮でき、障害の影響が及ぶ範囲を小さくできる電子交換システム及びそれを用いた通信システムを提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するため、第1の本発明においては、複数の第1の交換対象回線と、複数の第2の交換対象回線との交換接続を行なう電子交換システムを、以下のように構成した。
【0011】すなわち、2個の入出力部間において、内蔵する交換経路情報に従って交換処理を行なう複数の第1の単位電子交換ブロックと、2個の入出力部間において、内蔵する交換経路情報に従って交換処理を行なう複数の第2の単位電子交換ブロックとを備え、各第1の単位電子交換ブロックは、一方の入出力部において、異なる第1の交換対象回線を複数収容すると共に、他方の入出力部において、全ての第2の単位電子交換ブロックと接続し、各第2の単位電子交換ブロックは、一方の入出力部において、全ての第1の単位電子交換ブロックと接続すると共に、他方の入出力部において、異なる第2の交換対象回線を複数収容しているような構成を基本構成とする。そして、複数の第1の単位電子交換ブロックの予備として機能する1又は2以上の第1の予備単位電子交換ブロックを設け、いずれかの第1の単位電子交換ブロックに障害が発生したときに、第1の予備単位電子交換ブロックに切り替えられるように、第1の切替部と監視装置を設けている。
【0012】ここで、複数の第2の単位電子交換ブロックの予備として機能する1又は2以上の第2の予備単位電子交換ブロックをも設け、いずれかの第2の単位電子交換ブロックに障害が発生したときに、第2の予備単位電子交換ブロックに切り替えられるように第2の切替部を設け、監視装置が適宜切替えを起動するようにすることは好ましい。
【0013】また、第1の本発明は、各第1の単位電子交換ブロック又は各第1の予備単位電子交換ブロックが、他方の入出力部において、他の全ての第1の単位電子交換ブロック及び他の全ての第1の予備単位電子交換ブロックと接続しているものや、各第2の単位電子交換ブロック又は各第2の予備単位電子交換ブロックが、一方の入出力部において、他の全ての第2の単位電子交換ブロック及び又は他の全ての第2の予備単位電子交換ブロックと接続しているものにも適用できる。
【0014】第2の本発明は、以上のような電子交換システムを用いた通信システムであり、各第1の交換対象回線がそれぞれ別個の端末装置に接続され、各第2の交換対象回線がそれぞれ別個の無線チャンネル用のチャンネルインタフェース部に接続されているものである。
【0015】第3の本発明は、以上のような電子交換システムを用いた通信システムであり、各第1の交換対象回線がそれぞれ別個の端末装置に接続され、各第2の交換対象回線がそれぞれ別個の有線回線用の回線インタフェース部に接続されているものである。
【0016】第4の本発明は、以上のような電子交換システムを用いた、複数の端末装置がそれぞれ無線チャンネルとも有線回線とも接続可能な通信システムである。そして、各端末装置と無線チャンネル用の各チャンネルインタフェース部との間を交換する電子交換システムとして、また、各端末装置と有線回線用の各回線インタフェース部との間、及び、2個の端末装置間を交換する電子交換システムとして、第1の本発明の電子交換システムを適用したものである。
【0017】このような通信システムの実施態様として、端末装置が管制卓であり、無線チャンネルを介した通信先が管制対象の移動体であり、有線回線を介した通信先が関係管制設備である通信システムは好ましい。
【0018】この場合において、無線チャンネル用の電子交換システムにおける第2の予備単位電子交換ブロックに対応した予備のチャンネルインタフェース部を設け、障害発生時に、第2の予備単位電子交換ブロック及び予備のチャンネルインタフェース部を組として切替え、及び又は、有線回線用の電子交換システムにおける第2の予備単位電子交換ブロックに対応した予備の回線インタフェース部を設け、障害発生時に、第2の予備単位電子交換ブロック及び予備の回線インタフェース部を組として切替えるようにしても良い。
【0019】
【作用】本発明の電子交換システムは、内部を、複数の第1の単位電子交換ブロックと複数の第2の単位電子交換ブロックとの2段構成とし、段間では、ある単位電子交換ブロックが他の段の全ての単位電子交換ブロックに接続させ、かつ、第1の単位電子交換ブロックの予備として機能する1又は2以上の第1の予備単位電子交換ブロック及び又は第2の単位電子交換ブロックの予備として機能する1又は2以上の第2の予備単位電子交換ブロックを設けて、監視装置が第1の切替部及び又は第2の切替部を駆動して適宜予備のものと切り替えるようにしたので、複数の第1の交換対象回線と、複数の第2の交換対象回線との交換接続を行なうことができ、しかも、いずれかの単位電子交換ブロックに障害が発生したとしても、その障害が影響する範囲をほぼなくし、また、障害発生に伴う通信停止時間をごく短時間にしたものである。
【0020】従って、このような構成の電子交換システムを適用した本発明の通信システムにおいても、障害時の影響範囲を非常に狭くでき、かつ、通信停止時間を短くできるようになる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を空港管制用通信システムに適用した一実施例を図面を参照しながら詳述する。まず、実施例の空港管制用通信システムの基本構成を、システム全体及びその各部について説明し、その後、実施例の特徴構成である障害対策用の冗長構成について説明する。
【0022】(A)空港管制用通信システムの全体図2は、この実施例の空港管制用通信システムの全体構成を示す概略ブロック図である。
【0023】図2において、この空港管制用通信システムは、複数(A個)の管制卓1−1〜1−Aと、対空音声交換システム部2と、チャンネルインタフェース部3と、対DA(direct access) 音声交換システム部4と、回線インタフェース部5と、信号発生部6と、クロック発生部7と、保守コンソール9と、保守インタフェース部10とから構成されている。
【0024】管制官が通信する相手は、管制対象の飛行機(パイロット)や関係管制施設(他空港の管制所を含む)である。前者とは無線チャンネルを介して通信を行ない、対空音声交換システム部2及びチャンネルインタフェース部3は、かかる無線チャンネルを介した通信に機能するものである。後者とは有線回線を介して通信を行なう。ここで、通信頻度が高かったり、通信に緊急性が求められることが多い一部の関係管制施設に対する回線(以下、DA回線と呼ぶ)は、ワンタッチボタンの押下で通信を起動できるようになされており、対DA音声交換システム部4及び回線インタフェース部5は、この場合の通信に機能するものである。また、対DA音声交換システム部4は、当該管制所内の管制卓1間の通信に機能する。なお、無線チャンネル(従って飛行機)との通信起動等もワンタッチボタンの押下による。
【0025】信号発生部6は、回線インタフェース部5が必要とする呼制御信号を発生するものである。
【0026】クロック発生部7は、対空音声交換システム部2及び対DA音声交換システム部4が交換動作する際に必要となるクロック信号等のタイミング信号を発生するものである。
【0027】保守コンソール9及び保守インタフェース部10は、当該空港管制用通信システムの保守機能を担うものである。
【0028】(B)空港管制用通信システムの各部の詳細以下、実施例の空港管制用通信システムを構成する各部の詳細構成及び機能について詳述する。なお、実施例の特徴である障害対策用の冗長構成については、後述する(C)項で別途説明する。
【0029】(B-1) 管制卓1−1〜1−A管制卓1−1〜1−Aとして、有視界飛行方式(VFR:Visual Flight Rules)用のものと、計器飛行方式(IFR:Instrument Flight Rules)用のものとがそれぞれ複数設けられている。飛行方式は異なっても管制卓1−1〜1−Aの構成はほぼ同一である。
【0030】管制卓の機能を大きく分けると、管制卓1−1について図2に示すように、対空通信部1aと、DA通信部1bと、操作部1cと、パターン表示部1dとからなる。
【0031】対空通信部1aは、伝送ラインを介して対空音声交換システム部2に接続されており、対飛行機(このことを対空と表現している)との通信を行なうものである。DA通信部1bは、伝送ラインを介して対DA音声交換システム部4に接続されており、対DA回線系との通信を行なうものである。操作部1cは、通信を起動する操作子や、操作状況等を表示する表示素子等を備えているものである。パターン表示部1dの機能については、後述する保守用の構成説明で明らかにする。
【0032】図3は、管制卓1−a(aは1〜A)の構成をより具体的に示したものである。音声捕捉手段としては、ハンドマイク20a及びヘッドセットのマイク20bが設けられており、音声発音手段としては、ヘッドセットのスピーカ21a、対空ワークスピーカ21b、対空モニタスピーカ21c、ボイスページスピーカ21d及びホットマイクスピーカ21eが設けられている。
【0033】ハンドマイク20a及びヘッドセットのマイク20bが捕捉した音声信号は混合切替部22に与えられる。混合切替部22は、必要ならば複数の音声信号を混合し、対空系への音声信号は対空系コーデック部23に与え、DA系への音声信号はDA系コーデック部24に与える。混合切替部22には、信号ラインの図示は省略しているが、対空系操作ユニット26及びDA系操作ユニット27からの操作信号が与えられ、これら操作信号に応じて、送信時の混合切替動作を行なう。
【0034】対空系コーデック23及びDA系コーデック24はそれぞれ、混合切替部22から与えられた音声信号をデジタル信号に変換した後符号化して対空系ピンポンインタフェース部29及びDA系ピンポンインタフェース部30に与える。対空系ピンポンインタフェース部29は、対空系操作ユニット26からの操作信号に応じた制御情報と、符号化音声信号とを多重して、ピンポン伝送における送信タイミングにおいて、対空音声交換システム部2に送信する。同様に、DA系ピンポンインタフェース部30は、対DA系操作ユニット27からの操作信号に応じた制御情報と、符号化音声信号とを多重して、ピンポン伝送における送信タイミングにおいて、対DA音声交換システム部4に送信する。
【0035】対空系ピンポンインタフェース部29は、ピンポン伝送における受信タイミングにおいて、対空音声交換システム部2から信号を受信すると、その受信信号における符号化音声信号を対空系コーデック23に与えると共に、その受信信号における制御情報に応じた表示駆動信号等を対空系操作ユニット26に与えて所定の表示素子を点灯させたり、また、その受信信号における制御情報に応じた切替信号を混合切替部22に与えて受信経路を選択させたりする。なお、混合切替部22における受信経路は、対空系操作ユニット26からの操作信号によって送信経路が設定される際に同時に設定されることがある。対空系コーデック23は、受信した符号化音声信号を復号すると共にアナログ信号に変換して混合切替部22に与える。DA系ピンポンインタフェース部30及びDA系コーデック24は、対空系の対応機能部とほぼ同様な受信時動作を行なう。
【0036】これにより、現在通信中の飛行機からの音声信号はヘッドセットのスピーカ21aや対空ワークスピーカ21bから発音出力され、他の飛行機からのモニタした音声信号はヘッドセットのスピーカ21aや対空モニタスピーカ21cから発音出力され、他施設や他の管制卓から当該管制卓1を呼び出す割り込みの音声信号はボイスページスピーカ21dやホットマイクスピーカ21eから発音出力される。
【0037】また、管制卓1−aは調光制御部31を備え、各操作ユニット26、27の表示素子の明るさを調節することができる。
【0038】さらに、管制卓1−aはパターン表示部28を備えており、後述するテーブルパターンの表示データを受信して、対空系操作ユニット26及び体DA系操作ユニット27上のモニタ装置に適宜表示させる。
【0039】なお、上述した対空系操作ユニット26及び対DA系操作ユニット27は共に、図4に示すように、複数(B個)のワンタッチボタン32−1〜32−Bと、これらボタンに対応した表示素子33−1〜33−Bを備えており、ワンタッチ操作で発信起動や無線チャンネル切替等を意味する操作信号を出力し、システムがその操作信号に応じた動作を実行したときには表示素子を点灯できるようになされている。空港管制用通信システムの場合、通信の緊急性を要することが頻繁にあり、また、通信先を切り替えることも頻繁にあり、このようなことを考慮してワンタッチ操作機能が設けられている。
【0040】(B-2) 対空音声交換システム部2次に、対空音声交換システム部(電子交換システムである)2について説明する。ここで、図5は、対空音声交換システム部2の詳細構成を示したものであり、図6は、その対空卓制御ブロック及び対空チャンネル制御ブロック間で授受されるフレーム構成を示す説明図であり、図7は、対空卓制御ブロック及び対空チャンネル制御ブロックの詳細構成を示すブロック図である。
【0041】図5において、対空音声交換システム部2は、対空卓制御部40と、対空チャンネル制御部41とからなる。対空卓制御部40は、複数(C個)の対空卓制御ブロック(特許請求の範囲における第1又は第2の単位電子交換ブロックに相当する)40−1〜40−Cからなり、対空チャンネル制御部41は、複数(D個)の対空チャンネル制御ブロック(特許請求の範囲における第2又は第1の単位電子交換ブロックに相当する)41−1〜41−Dとからなる。
【0042】各対空卓制御ブロック40−1、40−2、…、40−Cはそれぞれが、図7に示すように、1個の電子交換システムとして機能するものである。各対空卓制御ブロック40−1、40−2、…、40−Cはそれぞれ、一方の入出力部において、複数の異なる管制卓1−aを収容しており(例えば収容可能な最大所定個数は4個)、また、他方の入出力部において、全ての対空チャンネル制御ブロック41−1〜41−Dと接続されている。なお、管制卓1−aとの接続回線は、特許請求の範囲における第1又は第2の交換対象回線に相当する。
【0043】各対空チャンネル制御ブロック41−1、41−2、…、41−Dもそれぞれが、図7に示すように、1個の電子交換システムとして機能するものである。各対空チャンネル制御ブロック41−1、41−2、…、41−Dはそれぞれ、一方の入出力部において、全ての対空卓制御ブロック40−1〜40−Cと接続されており、他方の入出力部において、複数の異なる後述するチャンネルインタフェースシート3−e(図1参照:eは1〜E)を収容している(例えば収容可能な最大所定個数は4個)。なお、チャンネルインタフェースシート3−eとの接続回線は、特許請求の範囲における第2又は第1の交換対象回線に相当する。
【0044】従って、この実施例の対空音声交換システム部2においては、対空卓制御部40の交換機能及び対空チャンネル制御部41の交換機能によって、任意の管制卓1−aと任意のチャンネルインタフェースシート3−eとを接続するようになされている。
【0045】図7は、ある1個の対空卓制御ブロック40−c(cは1〜C)及びある1個の対空チャンネル制御ブロック41−t(tは1〜D)の詳細構成と接続の様子を示すものである。
【0046】対空卓制御ブロック40−cは、収容している各管制卓1−aとの回線に接続している複数(ここでは4個とする)の卓回線トランク42−1〜42−4と、全ての対空チャンネル制御ブロック41−1〜41−Dとの各回線に接続しているD個のブロック間回線トランク43−1〜43−Dと、任意の管制卓1−aと任意の対空チャンネル制御ブロック41−dとの通話路を設定する時分割通話路スイッチ44と、卓回線トランク42−f(fは1〜4)からの制御情報やブロック間回線トランク43−dからの監視制御情報に従って時分割通話路スイッチ44に通話路を設定させたり出回線側の回線トランク43−d又は42−fに所定状態の監視制御情報又は制御情報を与えて符号化音声信号に多重させたりする中央処理モジュール45から形成されている。
【0047】この実施例の卓回線トランク42−fは、管制卓1−aとの通信はピンポン伝送であるので、ピンポン伝送インタフェース機能を有しており、ピンポン伝送の受信タイミングにおいて受信した受信信号における制御情報を中央処理モジュール45に与え、中央処理モジュール45から指示されたタイミングで符号化音声信号を時分割通話路スイッチ44に与え、また、時分割通話路スイッチ44から与えられた符号化音声信号と、中央処理モジュール45から与えられた監視制御情報とを多重してピンポン伝送の送信タイミングにおいて収容している管制卓1−aに送信するものである。
【0048】対空卓制御ブロック40−c及び対空チャンネル制御ブロック41−d間は、送信用及び受信用の別個の信号ラインで接続されており、全2重通信が行なわれる。
【0049】ブロック間回線トランク43−dは、時分割通話路スイッチ44から与えられた符号化音声信号と中央処理モジュール45から与えられた制御情報とを多重して対空チャンネル制御ブロック41−dに送信し、対空チャンネル制御ブロック41−dから受信した受信信号における監視制御情報を中央処理モジュール45に与え、中央処理モジュール45から指示されたタイミングで符号化音声信号を時分割通話路スイッチ44に与えるものである。
【0050】中央処理モジュール45は、その通信状態において実行するプログラムや各種データを記憶しているメモリを内蔵しており、卓回線トランク42−fからの制御情報やブロック間回線トランク43−dからの監視制御情報に従って時分割通話路スイッチ44に通話路を設定させたり出回線側の回線トランク43−d又は42−fに所定状態の監視制御情報又は制御情報を与えるものである。
【0051】なお、中央処理モジュール45が内蔵するメモリに格納されているデータとしては、図8に示すようなワンタッチボタン/タイムスロット対応テーブル(経路交換情報)の情報がある。すなわち、操作されたワンタッチボタンを規定する制御情報と、その制御情報を与えた卓回線トランク42−fとの識別情報とから、どのブロック間トランク43−dを用い、どの位置のタイムスロット(図6参照)を使用し、どのような制御情報をタイムスロットに挿入するかを規定したテーブルの情報がメモリに格納されている。
【0052】一方、各対チャンネル制御ブロック41−dもほぼ同様な構成を有する。すなわち、収容している後述する各チャンネルインタフェースシート3−eとの回線に接続している複数(ここでは4個とする)のチャンネル回線トランク46−1〜46−4と、全ての対空卓制御ブロック40−1〜40−Cとの各回線に接続しているC個のブロック間回線トランク47−1〜47−Cと、任意のチャンネルインタフェースシート3−eと任意の対空卓制御ブロック40−cとの通話路を設定する時分割通話路スイッチ48と、チャンネル回線トランク46−g(gは1〜4)からの監視制御情報やブロック間回線トランク47−cからの制御情報に従って時分割通話路スイッチ48に通話路を設定させたり出回線側の回線トランク46−g又は47−cに所定状態の制御情報又は監視制御情報を与えて符号化音声信号に多重させたりする中央処理モジュール49から形成されている。
【0053】この実施例のチャンネル回線トランク46−aは、チャンネルインタフェースシート3−eとの通信にはピンポン伝送方式が採用されていので、ピンポン伝送インタフェース機能を有しており、ピンポン伝送の受信タイミングにおいて受信した受信信号における監視制御情報を中央処理モジュール49に与え、中央処理モジュール49から指示されたタイミングで符号化音声信号を時分割通話路スイッチ48に与え、また、時分割通話路スイッチ48から与えられた符号化音声信号と中央処理モジュール49から与えられた制御情報とを多重してピンポン伝送の送信タイミングにおいて収容しているチャンネルインタフェースシート3−eに送信するものである。
【0054】ブロック間回線トランク47−cは、時分割通話路スイッチ48から与えられた符号化音声信号と中央処理モジュール49から与えられた監視制御情報とを多重して対空卓制御ブロック40−cに送信し、対空卓制御ブロック40−cから受信した受信信号における制御情報を中央処理モジュール49に与え、中央処理モジュール49から指示されたタイミングで符号化音声信号を時分割通話路スイッチ48に与えるものである。
【0055】中央処理モジュール49は、その通信状態において実行するプログラムや各種データを記憶しているメモリを内蔵しており、チャンネル回線トランク46−gからの監視制御情報やブロック間回線トランク47−cからの制御情報に従って時分割通話路スイッチ48に通話路を設定させたり出回線側の回線トランク47−c又は46−gに所定状態の制御情報又は監視制御情報を与える。
【0056】図6は、対空卓制御ブロック40−c及び対空チャンネル制御ブロック41−d間で授受されるフレーム構成を示すものであり、対空卓制御ブロック40−cが収容(収容可能な最大数)している管制卓1−aが4個の場合である。
【0057】対空卓制御ブロック40−cから対空チャンネル制御ブロック41−dへの送信フレームは、図6(a)に示すように、所定周期(例えば125μc)を有するものであり、この所定周期を収容管制卓数(4個)で等分した時間(タイムスロット)毎に、収容している各管制卓1−aについての信号を挿入している。各管制卓1−aについての信号は、管制卓1−aから与えられた符号化音声信号と、管制卓1−aから与えられたり又はそれに応じて中央処理モジュール45が形成した制御情報(CONT)とでなる。制御情報(CONT)は、例えば、送信要求であるプレストーク信号であったり、各チャンネル用の現用及び予備の2個の無線機の切替信号であったり、使用する送信チャンネル(周波数)の選択信号であったり、使用する受信チャンネル(周波数)の選択信号であったりする。
【0058】なお、図6(a)は、各フレームのタイムスロット構成を示したものであり、各管制卓1−aからの宛先や使用状況によっては、空タイムスロットが存在する。例えば、第1の対空卓制御ブロック40−1は、第1の対空チャンネル制御ブロック41−1に対し、第1及び第2のタイムスロットに有効な信号を挿入して送信し、第3及び第4のタイムスロットを空きタイムスロットとして送信することもある。
【0059】対空チャンネル制御ブロック41−dから対空卓制御ブロック40−cへの送信フレームも、図6(b)に示すように、所定周期(例えば125μc)を有するものであり、この所定周期を収容管制卓数(4個)で等分した時間(タイムスロット)毎に、各管制卓1−aへ向かうチャンネルについての信号を挿入している。各管制卓1−aへ向かうチャンネルについての信号は、チャンネルインタフェースシート3−eから与えられた符号化音声信号と、チャンネルインタフェースシート3−eから与えられたり又はそれに応じて中央処理モジュール49が形成した監視制御情報(SV)とでなる。監視制御情報(SV)は、例えば、プレストーク信号に対する肯定応答信号であったり、プレストーク信号に対するビジー信号であったり、無線機が有効に信号を受信できることを示すスケルチ信号であったり、使用無線機に生じた障害信号であったりする。
【0060】なお、タイムスロットの音声領域には、通信装置(管制卓や無線機)が出力した音声信号だけでなく、呼制御に伴う可聴音信号が挿入されることがある。図7において図示は省略しているが、回線トランク以外にも時分割通話路スイッチに接続する特殊トランクが設けられており、中央処理モジュールの制御下で、外部から与えられた可聴音信号を時分割通話路スイッチに入力して、所定のタイムスロットの音声領域に挿入する。このような挿入は、対空卓制御ブロック40−cや対空チャンネル制御ブロック41−dにおいて適宜なされる。
【0061】次に、対空音声交換システム部2の動作の一例を、上述した図7を参照しながら詳述する。
【0062】ある管制卓1−aの対空系操作ユニット26におけるある相手先Xを規定するワンタッチボタン(発信指示ボタン)が押下されたとする(I)。このとき、その管制卓1−aを収容している対空卓制御ブロック40−cにおいては、卓回線トランク42−fがその制御情報を取り出して中央処理モジュール45に与え、中央処理モジュール45は、管制卓1−aが相手先Xに対するワンタッチボタンを押下したことを認識し(II)、内蔵するメモリにおけるワンタッチボタン/タイムスロット対応テーブルを参照して、どのタイムスロットに割り当てるか決定する(III)。そして、決定したタイムスロットに係るブロック間回線トランク43−dに指示を与えてそのタイムスロットの制御情報に送信要求を挿入して出力させると共に、時分割通話路スイッチ44に通話路を設定させる(IV,V)。
【0063】対空チャンネル制御ブロック41−dにおいては、ブロック間回線トランク47−cが送信要求が挿入されているタイムスロットからその送信要求を取り出して中央処理モジュール49に与え、中央処理モジュール49はその送信要求を認識する(VI)。中央処理モジュール49は、そのブロック間回線トランク47−cからのどのタイムスロットに挿入されていた送信要求かに基づいて、内蔵するメモリのタイムスロット/チャンネル対応テーブル(図示は省略している:図8参照)を参照して無線チャンネルを認識すると共に、内蔵するメモリに記述されているチャンネルの使用状況に基づいて、そのチャンネルを接続可能かを判断し、接続可能な場合には、そのチャンネル対応のチャンネル回線トランク46−gを制御して回線を接続させると共に、時分割通話路スイッチ48に通話路を設定させる(VII,VIII) 。その後、中央処理モジュール49は、送信要求を与えたブロック間回線トランク47−cに、要求に対して接続したことを表す肯定応答信号(監視制御情報)を出力させることを指示し、ブロック間回線トランク47−cはその監視制御信号を出力する(IX)。
【0064】対空卓制御ブロック40−cにおいては、ブロック間回線トランク43−dから肯定応答信号が中央処理モジュール45に与えられ、中央処理モジュール45はそのことを認識して卓回線トランク42−fに操作されたワンタッチボタン対応の表示素子を駆動させる制御情報を与えて、卓回線トランク42−fから管制卓1−aに出力させる(X)。
【0065】これにより、管制卓1−aの対空系操作ユニット26の対応する表示素子が点灯する。これ以降、各制御ブロック40−c、41−dに設定された通話路を介して音声信号が授受される。
【0066】以上は、ある無線チャンネルに対するワンタッチ発信時の動作であるが、他の機能のワンタッチボタンが押下されたときもほぼ同様に動作するので、その説明は省略する。
【0067】以上のように、この実施例の対空音声交換システム部2においては、対空卓制御ブロック40−c及び対空チャンネル制御ブロック41−dの関連した交換動作によって、全体の交換動作が実行される。
【0068】(B-3) チャンネルインタフェース部3次に、チャンネルインタフェース部3について、図面を参照しながら詳述する。チャンネルインタフェース部3は、図2に示すように、総無線チャンネル数に等しい数だけの、すなわちチャンネル毎のチャンネルインタフェースシート3−1〜3−Eから構成されている。各チャンネルインタフェースシート3−eは同一構成を有し、その構成は図9に示す通りである。なお、1個の対空チャンネル制御ブロック41−dには、上述したように、最大所定個数(例えば4個)以内のチャンネルインタフェースシート3−eが接続されている。
【0069】図9において、チャンネルインタフェースシート3−eは、ピンポンインタフェース部50、コーデック部51、制御回路部52及び切替部53から構成されている。
【0070】ピンポンインタフェース部50は、伝送ラインを介して対空チャンネル制御ブロック41−dに接続されているものである。ピンポンインタフェース部50は、対空チャンネル制御ブロック41−dからの信号を、ピンポン伝送の受信タイミングで取込み、その受信信号を多重分離し、分離した符号化音声信号をコーデック部51に与え、分離した制御情報を制御回路部52に与える。また、ピンポンインタフェース部50は、コーデック部51から与えられた符号化音声信号と、制御回路部52からの監視制御情報とを多重し、ピンポン伝送の送信タイミングにおいて、対空チャンネル制御ブロック41−dに出力するものである。
【0071】コーデック部51は、ピンポンインタフェース部50からの符号化音声信号を復号すると共にアナログ信号に変換、増幅して、切替部53を介してそのとき選択されている当該無線チャンネルに係る図示しない無線機に出力するものであり、また、切替部53を介して無線機から与えられた音声信号をデジタル信号に変換し、符号化してピンポンインタフェース部50に与えるものである。
【0072】なお、この実施例においては、無線機の障害時対策として1個の無線チャンネルに現用及び予備の2個の無線機が設けられており、切替部53を介していずれかに接続される。
【0073】制御回路部52は、ピンポンインタフェース部50からの送信要求や無線機切替信号等の制御情報を、切替部53や、切替部53を介して無線機に与えるものであり、また、切替部53を介して無線機側から与えられたスケルチ信号や無線機障害信号等の監視制御情報をピンポンインタフェース部50に与えるものである。
【0074】(B-4) 対DA音声交換システム部4次に、対DA音声交換システム部(電子交換システムである)4について説明する。ここで、図10は、対DA音声交換システム部4の詳細構成を示したものであり、図11は、その対DA卓制御ブロック及び対DAライン制御ブロック間、又は、対DA卓制御ブロック及び対卓制御ブロック間で授受されるフレーム構成を示す説明図であり、図12は、対DA卓制御ブロック及び対DAライン制御ブロックの詳細構成を示すブロック図である。
【0075】図10において、対DA音声交換システム部4は、対DA卓制御部60と、対DAライン制御部61とからなる。対DA卓制御部60は、複数(H個)の対DA卓制御ブロック(特許請求の範囲における第1又は第2の単位電子交換ブロックに相当する)60−1〜60−Hからなり、対DAライン制御部61は、複数(I個)の対DAライン制御ブロック(特許請求の範囲における第2又は第1の単位電子交換ブロックに相当する)61−1〜61−Iからなる。
【0076】各対DA卓制御ブロック60−1、60−2、…、60−Hはそれぞれが、図12に示すように、1個の電子交換システムとして機能するものである。各対DA卓制御ブロック60−1、60−2、…、60−Hはそれぞれ、一方の入出力部において、複数の異なる管制卓1−aを収容しており(例えば収容可能な最大所定個数は4個)、また、他方の入出力部において、全ての対DAライン制御ブロック61−1〜61−I及び他の全ての対DA卓制御ブロック60−1、60−2、…、60−Hと接続されている。例えば、第1の対DA卓制御ブロック60−1は、他方の入出力部においては、全ての対DAライン制御ブロック61−1〜61−I及び他の全ての対DA卓制御ブロック60−2、…、60−Hと接続されている。なお、管制卓1−aとの接続回線は、特許請求の範囲における第1又は第2の交換対象回線に相当する。
【0077】各対DAライン制御ブロック61−1、61−2、…、61−Iもそれぞれが、図12に示すように、1個の電子交換システムとして機能するものである。各対DAライン制御ブロック61−1、61−2、…、61−Iはそれぞれ、一方の入出力部において、全ての対DA卓制御ブロック60−1〜60−Hと接続されており、他方の入出力部において、複数の異なる後述する回線インタフェースシート5−j(図2参照:jは1〜J)を収容している(例えば収容可能な最大個数は4個)。なお、回線インタフェースシート5−jとの接続回線は、特許請求の範囲における第2又は第1の交換対象回線に相当する。
【0078】従って、この実施例の対DA音声交換システム部4においては、対DA卓制御部60の交換機能及び対DAライン制御部61の交換機能によって、任意の管制卓1−aと任意の回線インタフェースシート5−jとの間、又は、任意の2個の管制卓1−a同士を接続するようになされている。
【0079】図12は、対DA卓制御ブロック60−h(hは1〜H)及び対DAライン制御ブロック61−i(iは1〜I)の詳細構成と、両制御ブロック間の接続の様子を示すものである。
【0080】対DA卓制御ブロック60−hは、収容している各管制卓1−aとの回線に接続している複数(ここでは4個とする)の卓回線トランク62−1〜62−4と、全ての対DAライン制御ブロック61−1〜61−I及び他の全ての対DA卓制御ブロック60−1〜60−H(60−hは除く)の各回線に接続しているH+I−1個のブロック間回線トランク63−1〜63−(H+I−1)と、収容管制卓1−aと任意の対DAライン制御ブロック61−iとの通話路、及び収容管制卓1−aと他の任意の管制卓1−a1との通話路を設定する時分割通話路スイッチ64と、卓回線トランク62−k(kは1〜4)からの制御情報やブロック間回線トランク63−m(mは1〜H+I−1)からの監視制御情報や制御情報に従って時分割通話路スイッチ64に通話路を設定させたり出回線側の回線トランク63−m又は62−kに所定状態の監視制御情報又は制御情報を与えて符号化音声信号に多重させたりする中央処理モジュール65から形成されている。
【0081】この実施例の卓回線トランク62−kは、管制卓1−aとの通信はピンポン伝送であるので、ピンポン伝送インタフェース機能を有している。卓回線トランク62−kは、ピンポン伝送の受信タイミングにおいて受信信号における制御情報を中央処理モジュール65に与え、中央処理モジュール65から指示されたタイミングで符号化音声信号を時分割通話路スイッチ64に与え、また、時分割通話路スイッチ64から与えられた符号化音声信号と中央処理モジュール65から与えられた監視制御情報又は制御情報とを多重してピンポン伝送の送信タイミングにおいて収容している管制卓1−aに送信するものである。
【0082】対DA卓制御ブロック60−h及び対DAライン制御ブロック61−i間、及び、2個の対DA卓制御ブロック60−h及び60−h1間は、送信用及び受信用の別個の信号ラインで接続されており、全2重通信が行なわれる。
【0083】ブロック間回線トランク63−mは、時分割通話路スイッチ64から与えられた符号化音声信号と中央処理モジュール65から与えられた制御情報とを多重して対DAライン制御ブロック61−i又は他の対DA卓制御ブロック60−h1(h1は1〜H:但しhは除く)に送信し、対DAライン制御ブロック61−i又は他の対DA卓制御ブロック60−h1から受信した受信信号における監視制御情報又は制御情報を中央処理モジュール65に与え、中央処理モジュール65から指示されたタイミングで符号化音声信号を時分割通話路スイッチ64に与えるものである。
【0084】中央処理モジュール65は、その通信状態において実行するプログラムや各種データを記憶しているメモリを内蔵しており、卓回線トランク62−kからの制御情報やブロック間回線トランク63−mからの監視制御情報に従って時分割通話路スイッチ64に通話路を設定させたり出回線側の回線トランク63−m又は62−kに所定状態の監視制御情報又は制御情報を与える。この制御ブロック60−hにおける中央処理モジュール65も、図8に示すと同様なワンタッチボタン/タイムスロット対応テーブルを有する。
【0085】一方、各DAライン制御ブロック61−iもほぼ同様な構成を有する。すなわち、収容している後述する各回線インタフェースシート5−jとの回線に接続している複数(ここでは4個とする)のDA回線トランク66−1〜66−4と、全ての対DA卓制御ブロック60−1〜60−Hとの各回線に接続しているH個のブロック間回線トランク67−1〜67−Hと、任意の回線インタフェースシート5−jと任意の対DA卓制御ブロック60−hとの通話路を設定する時分割通話路スイッチ68と、DA回線トランク66−n(nは1〜4)からの監視制御情報やブロック間回線トランク67−hからの制御情報に従って時分割通話路スイッチ68に通話路を設定させたり出回線側の回線トランク66−n又は67−hに所定状態の制御情報又は監視制御情報を与えて符号化音声信号に多重させたりする中央処理モジュール69から形成されている。
【0086】この実施例のDA回線トランク66−nは、回線インタフェースシート5−jとの通信はピンポン伝送であるので、ピンポン伝送インタフェース機能を有しており、ピンポン伝送の受信タイミングにおいて受信した受信信号における監視制御情報を中央処理モジュール69に与え、中央処理モジュール69から指示されたタイミングで符号化音声信号を時分割通話路スイッチ68に与え、また、時分割通話路スイッチ68から与えられた符号化音声信号と中央処理モジュール65から与えられた制御情報とを多重してピンポン伝送の送信タイミングにおいて収容している回線インタフェースシート5−jに送信するものである。
【0087】ブロック間回線トランク67−hは、時分割通話路スイッチ68から与えられた符号化音声信号と中央処理モジュール69から与えられた監視制御情報とを多重して対DA卓制御ブロック60−hに送信し、対DA卓制御ブロック60−hからの受信信号における制御情報を中央処理モジュール69に与え、中央処理モジュール69から指示されたタイミングで符号化音声信号を時分割通話路スイッチ68に与えるものである。
【0088】中央処理モジュール69は、その通信状態において実行するプログラムや各種データを記憶しているメモリを内蔵しており、DA回線トランク66−nからの監視制御情報やブロック間回線トランク67−hからの制御情報に従って時分割通話路スイッチ68に通話路を設定させたり出回線側の回線トランク67−h又は66−nに所定状態の制御情報又は監視制御情報を与える。
【0089】図11は、対DA卓制御ブロック60−h及び対DAライン制御ブロック61−i間、並びに、2個の対DA卓制御ブロック60−h及び60−h1間で授受されるフレーム構成を示すものであり、各対DA卓制御ブロック60−hが収容(収容可能な最大数)している管制卓1−aが4個の場合である。
【0090】対DA卓制御ブロック60−hから対DAライン制御ブロック61−iへの送信フレームは、図11R>1(a)に示すように、所定周期(例えば125μc)を有するものであり、この所定周期を収容管制卓数(4個)で等分した時間(タイムスロット)毎に、各管制卓1−aについての信号を挿入している。各管制卓1−aについての信号は、管制卓1−aから与えられた符号化音声信号と、管制卓1−aから与えられたり又はそれに応じて中央処理モジュール65が形成した制御情報(CONT)とでなる。制御情報(CONT)は、例えば、送信要求である発信信号であったり、DA回線からの発信に対する着信応答信号であったりする。
【0091】2個の対DA卓制御ブロック60−h及び60−h1間で授受されるフレームの構成は、伝送方向に関係なく、図11(a)に示す通りである。この場合には、制御情報(CONT)として、発信信号、着信応答信号、ビジー信号等が挿入される。
【0092】対DAライン制御ブロック61−iから対DA卓制御ブロック60−hへの送信フレームも、図11R>1(b)に示すように、所定周期(例えば125μc)を有するものであり、この所定周期を収容管制卓数(4個)で等分した時間(タイムスロット)毎に、各管制卓1−aへ向かうDA回線についての信号を挿入している。各管制卓1−aへ向かうDA回線についての信号は、回線インタフェースシート5−jから与えられた符号化音声信号と、回線インタフェースシート5−jから与えられたり又はそれに応じて中央処理モジュール69が形成した監視制御情報(SV)とでなる。監視制御情報(SV)は、例えば、発信信号に対するビジー信号であったり、着信要求の着信信号であったりする。
【0093】対DA音声交換システム部4の動作は、対空音声交換システム部2の構成を示す図7と、当該対DA音声交換システム部4の構成を示す図12との比較から明らかなように、2段の制御ブロックによって交換処理を実行するという点で同一であり、その詳細は図7を用いて対空音声交換システム部2について記述したのと同様であるので、その動作の詳細説明は省略する。
【0094】(B-5) 回線インタフェース部5及び信号発生部6次に、回線インタフェース部5及び信号発生部6について、図面を参照しながら詳述する。
【0095】回線インタフェース部5は、図2に示すように、総DA回線数に等しい数だけの回線インタフェースシート5−1〜5−Jで構成されている。各回線インタフェースシート5−jの構成は図13に示す通りである。なお、1個の対DAライン制御ブロック61−iには、上述したように、最大所定個数(例えば4個)の回線インタフェースシート5−jが接続されている。
【0096】図13において、回線インタフェースシート5−jは、ピンポンインタフェース部80、コーデック部81、制御回路部82及びネットワーク回路部83から構成されている。
【0097】ピンポンインタフェース部80は、伝送ラインを介して対DAライン制御ブロック61−iに接続されているものである。ピンポンインタフェース部80は、対DA回線制御ブロック61−iからの信号を、ピンポン伝送の受信タイミングで取込み、その受信信号を多重分離し、分離した符号化音声信号をコーデック部81に与え、分離した制御情報を制御回路部82に与える。また、ピンポンインタフェース部80は、コーデック部81から与えられた符号化音声信号と、制御回路部82からの監視制御情報とを多重し、ピンポン伝送の送信タイミングにおいて、対DA回線制御ブロック61−iに出力するものである。
【0098】コーデック部81は、ピンポンインタフェース部80からの符号化音声信号を復号すると共にアナログ信号に変換、増幅して、ネットワーク回路部83を介してそのとき選択されているDA回線に出力するものであり、また、ネットワーク回路部83を介してDA回線側から与えられた音声信号をデジタル信号に変換し、符号化してピンポンインタフェース部80に与えるものである。
【0099】制御回路部82は、ピンポンインタフェース部80からの発信要求や着信応答等の制御情報をネットワーク回路部83に与え、また、ネットワーク回路部83からの着信要求や発信応答等の監視制御情報をピンポンインタフェース部80に与えるものである。
【0100】ネットワーク回路83は、DA回線との呼制御信号及び音声信号の授受を行なうものである。なお、ネットワーク回路83は、呼制御の所定段階で必要となるリンガ信号やSF(単周波)信号は、信号発生部6内のリンガ発生部84、又は、SF信号発生部85が発生した信号を用いる。なお、信号発生部6は、図2に示すように、危険分散のために2重化されている。
【0101】(B-6)クロック発生部7クロック発生部7は、詳細構成の図示は省略するが、時刻発生部及び可聴音発生部等を備えた2重化構成でなる。
【0102】クロック発生部7は、対空音声交換システム部2において、対空卓制御ブロック40−cが管制卓1−aとピンポン伝送するために必要となるタイミング信号や、対空卓制御ブロック40−c及び対空チャンネル制御ブロック41−d間の信号授受の同期をとるためのクロック信号や、対空チャンネル制御ブロック41−dがチャンネルインタフェースシート3−eとピンポン伝送するために必要となるタイミング信号や、対DA音声交換システム部4において、対DA卓制御ブロック60−hが管制卓1−aとピンポン伝送するために必要となるタイミング信号や、対DA卓制御ブロック60−h及び対DA回線制御ブロック61−i間、並びに、2個の対DA卓制御ブロック60−h及び60−h1間の信号授受の同期をとるためのクロック信号や、対DA回線制御ブロック61−iが回線インタフェースシート5−jとピンポン伝送するために必要となるタイミング信号を発生する。また、呼制御段階や状況によって、対空卓制御ブロック40−cや対DA卓制御ブロック60−h等が適宜必要とする可聴音を発生するものである。
【0103】(B-7)保守コンソール9及び保守インタフェース部10保守インタフェース部10は2重化構成をとっている。各保守インタフェース部10は、保守コンソール9から与えられた運用データや試験データ等を、対空卓制御ブロック40−cや対空チャンネル制御ブロック41−dや対DA卓制御ブロック60−hや対DAライン制御ブロック61−i等に与えるものである。また、保守インタフェース部10は、対空卓制御ブロック40−cや対空チャンネル制御ブロック41−dや対DA卓制御ブロック60−hや対DAライン制御ブロック61−i等から、保守用情報を取出して保守コンソール9に与えて表示等させるものである。
【0104】この実施例の場合、各対空卓制御ブロック40−cにおける中央処理モジュール45が内蔵するワンタッチボタン/タイムスロット対応テーブルの内容(テーブルパターン)や、各対DA卓制御ブロック60−hにおける中央処理モジュール65が内蔵するワンタッチボタン/タイムスロット対応テーブルの内容(テーブルパターン)を、保守機能を用いて更新できる。
【0105】この場合、具体的なテーブルパターンは、保守コンソール9から入力されて、保守インタフェース部10を介して所定の制御ブロックに与えられ、そのテーブルパターンに基づいて管制卓1−aが動作する。
【0106】各制御ブロックにおいては、保守用情報の入出力ポート(図7及び図12では図示を省略している)から、かかるテーブルパターンが入力されて中央処理モジュールに与えられ、中央処理モジュールは、ワンタッチボタン/タイムスロット対応テーブルの内容をその入力テーブルパターンに変更する。また、管制卓1−aにおいては、パターン表示部28(1d)が係るテーブルパターンの表示データを受信して、対空系操作ユニット26及び対DA系操作ユニット27上のモニタ装置に適宜表示させる。
【0107】なお、ハードウェアを構築するに当っては、クロック発生部7と各制御ブロックとの間のクロック供給線に保守用情報を多重する構成も可能である。
【0108】(C)障害対策用の冗長構成以下、この実施例の特徴である障害対策用の冗長構成について説明する。なお、以上のシステムの基本的構成の説明で用いた図面では、説明の簡単化のために、障害対策用の冗長構成の図示を省略しているが、以下に説明するような冗長構成が設けられているものである。
【0109】(C-1) 対空チャンネル制御ブロック、チャンネルインタフェースシートの障害対策用冗長構成まず、対空チャンネル制御ブロックの障害対策用冗長構成の一例について、図面を参照しながら詳述する。ここで、図1がこの対空チャンネル制御ブロックの障害対策用冗長構成を示すものである。
【0110】図1において、現用の上述したD個の対空チャンネル制御ブロック41−1〜41−Dに加えて、この例では、1個の予備の対空チャンネル制御ブロック(特許請求の範囲における第1又は第2の予備単位電子交換ブロックに相当する)41−STBが設けられている。この予備の対空チャンネル制御ブロック41−STBを含め、D+1個の対空チャンネル制御ブロック41−1〜41−D及び41−STBはそれぞれ、図5に示したように、全ての対空卓制御ブロック40−1〜40−Cに接続されており、逆に、各対空卓制御ブロック40−1〜40−Cはそれぞれ、予備のものを含めた全ての対空チャンネル制御ブロック41−1〜41−D及び41−STBに接続されている。
【0111】なお、図1においては、図示の簡略化のために、このような正しくは図5に示すような接続を点線で囲んでいるように簡単に記載している。
【0112】予備の対空チャンネル制御ブロック41−STBは、各対空チャンネル制御ブロック41−1、…、41−Dが有するタイムスロット/チャンネル対応テーブルを全て内蔵しており、いずれの対空チャンネル制御ブロック41−1、…、41−Dの代りにも動作できるようになされている。
【0113】現用の各対空チャンネル制御ブロック41−1、…、41−Dは、収容する所定個数(例えば4個)でなる各チャンネルインタフェースシート群3−411、…、3−41Dに対して、例えばリレー回路構成の切替部91を介して接続されている。切替部91は、D個の切替スイッチ部91−1〜91−Dからなる。各切替スイッチ部91−1、…、91−Dにおいて、第1の切替端子は対応する現用の対空チャンネル制御ブロック41−1、…、41−Dに接続され、第2の切替端子は予備の対空チャンネル制御ブロック41−STBに接続され、共通端子は対応するチャンネルインタフェースシート群3−411、…、3−41Dに接続されている。なお、各切替スイッチ部91−1、…、91−Dは、接続しているチャンネルインタフェースシート群3−411、…、3−41Dにおけるシート数(最大シート数)だけのスイッチ要素からなる。
【0114】なお、図1では、対空チャンネル制御ブロック41−d又は41−STBと切替スイッチ部91−dとの間、及び、切替スイッチ部91−dとチャンネルインタフェースシート群3−41dとの間の接続を1本の線で示しているが、実際上は、対空チャンネル制御ブロック41−dがチャンネルインタフェースシート3−eを収容可能な最大数に応じた数の信号線で接続されている。
【0115】障害時の切替は、監視装置90による制御で行なわれる。監視装置90は、図2における保守コンソール9や保守インタフェース部10や、図示しない統括卓等でなるものである。
【0116】次に、監視装置90の制御下で実行される、ある対空チャンネル制御ブロック41−dに障害が発生した場合の予備系への切替動作を説明する。
【0117】監視装置90は、監視動作によって、対空チャンネル制御ブロック41−dに障害が発生したことを認識すると、そのことを、全ての対空卓制御ブロック40−1〜40−Cに通知すると共に、予備の対空チャンネル制御ブロック41−STBにも通知する。また、監視装置90は、障害が発生した対空チャンネル制御ブロック41−dに対応する切替スイッチ部91−dを予備の対空チャンネル制御ブロック41−STBに接続させるように切替えさせる。
【0118】このとき、各対空卓制御ブロック40−1〜40−Cにおいては、障害が発生した対空チャンネル制御ブロック41−dとの信号授受経路の代りに、予備の対空チャンネル制御ブロック41−STBとの信号授受経路を確立する。また、予備の対空チャンネル制御ブロック41−STBにおいては、対空チャンネル制御ブロック41−dについてのタイムスロット/チャンネル対応テーブルを用いて交換動作を行なう。
【0119】このようにして、ある対空卓制御ブロック40−cと、障害が発生した対空チャンネル制御ブロック41−dに収容されているチャンネルインタフェースシート群3−41dとの間は、予備の対空チャンネル制御ブロック41−STB及び切替スイッチ部91−dを介して接続される。
【0120】図14は、対空チャンネル制御ブロック(及びチャンネルインタフェースシート)の障害対策用冗長構成の他の一例を示すものである。
【0121】図14において、この例は、対空チャンネル制御ブロック及びチャンネルインタフェースシート群の組として、予備のもの(41−STB及び3−41STB)を持たせ、チャンネルインタフェースシート群3−411〜3−41Dと図示しない無線機(無線チャンネル)との間に、予備の対空チャンネル制御ブロック41−STB及びチャンネルインタフェースシート群3−41STBの組に障害時に切り替えるための切替部92を設けたものである。なお、各チャンネルインタフェースシート3−eには、現用無線機及び予備無線機が接続されているため、切替部92内において、現用無線機に対応した切替スイッチ部92−11〜92−D1と、予備無線機に対応した切替スイッチ部92−12〜92−D2とが設けられている。動作は、図1に示した冗長構成とほぼ同様であるのでその説明は省略する。
【0122】図1に示した例は、冗長構成を簡単なものとできる。一方、図14に示した例は、チャンネルインタフェースシート3−eの障害にも対応できる。
【0123】(C-2) 対DAライン制御ブロック、回線インタフェースシートの障害対策用冗長構成次に、対DAライン制御ブロックの障害対策用冗長構成の一例について、図面を参照しながら詳述する。ここで、図15がこの対DAライン制御ブロックの障害対策用冗長構成を示すものである。
【0124】図15において、現用の上述したI個の対DAライン制御ブロック61−1〜61−Iに加えて、この例では、2個の予備の対DAライン制御ブロック(特許請求の範囲における第1又は第2の予備単位電子交換ブロックに相当する)61−STB1及び61−STB2が設けられている。これら2個の予備の対DAライン制御ブロック61−STB1及び61−STB2を含め、I+2個の対DAライン制御ブロック61−1〜61−I及び61−STB1、61−STB2はそれぞれ、図10に示したように、全ての対DA卓制御ブロック60−1〜60−Hに接続されており、逆に、各対DA卓制御ブロック60−1、…、60−Hはそれぞれ、予備のものを含めた全ての対DAライン制御ブロック61−1〜61−I及び61−STB1、61−STB2に接続されている。
【0125】なお、図15においては、図示の簡略化のために、このような正しくは図10に示すような接続を点線で囲んでいるように簡単に記載している。
【0126】第1の予備の対DAライン制御ブロック61−STB1は、一部の対DAライン制御ブロック61−1〜61−P(P<I)の障害時の予備のものであり、これら対DAライン制御ブロック61−1〜61−Pが有するタイムスロット/DA回線対応テーブルを全て内蔵しており、いずれの対DAライン制御ブロック61−1、…、61−Pの代りに動作できるようになされている。
【0127】一方、第2の予備の対DAライン制御ブロック61−STB2は、残りの対DAライン制御ブロック61−(P+1)〜61−Iの障害時の予備のものであり、これら対DAライン制御ブロック61−(P+1)〜61−Iが有するタイムスロット/DA回線対応テーブルを全て内蔵しており、いずれの対DAライン制御ブロック61−(P+1)、…、61−Iの代りに動作できるようになされている。
【0128】なお、2個の予備の対DAライン制御ブロック61−STB1及び61−STB2がどの制御ブロックの予備にするかの割振りを、例えば、DA回線(広義)の種類によって行なうようにしても良い。すなわち、例えば、狭義のDA回線に係る対DAライン制御ブロック61−1〜61−Pの予備として第1の予備の対DAライン制御ブロック61−STB1を機能させ、磁石式電話機やDA/IA共用回線に係る対DAライン制御ブロック61−(P+1)〜61−Iの予備として第2の予備の対DAライン制御ブロック61−STB2を機能させるように割り振っても良い。
【0129】現用のP個の各対DAライン制御ブロック61−1、…、61−Pは、収容する所定個数(例えば4個)でなる各回線インタフェースシート群5−611、…、5−61Pに対して、例えばリレー回路構成の切替部93を介して接続されており、現用の他の各対DAライン制御ブロック61−(P+1)、…、61−Iは、収容する所定個数(例えば4個)でなる各回線インタフェースシート群5−61(P+1)、…、5−61Iに対して、例えばリレー回路構成の切替部94を介して接続されている。
【0130】切替部93は、P個の切替スイッチ部93−1〜93−Pからなる。各切替スイッチ部93−1、…、93−Pにおいて、第1の切替端子は対応する対DAライン制御ブロック61−1、…、61−Pに接続され、第2の切替端子は第1の予備の対DAライン制御ブロック61−STB1に接続され、共通端子は対応する回線インタフェースシート群5−611、…、5−61Pに接続されている。なお、各切替スイッチ部93−1、…、93−Pは、接続している回線インタフェースシート群5−611、…、5−61Pにおけるシート数(最大シート数)だけのスイッチ要素からなる。切替部94は、切替部93と同様な構成を有するのでその説明は省略する。
【0131】なお、図15では、対DAライン制御ブロック61−i又は61−STB1、61−STB2と、切替スイッチ部93−p(pは1〜P)又は切替スイッチ部94−q(qはP+1〜I)との間の接続等を1本の線で示しているが、実際上は、対DAライン制御ブロック61−iが回線インタフェースシート5−jを収容可能な最大数に応じた数の信号線で接続されている。
【0132】この場合も、障害時の切替は、監視装置90による制御で行なわれる。ここで、監視装置90は、第1及び第2の予備の対DAライン制御ブロック61−STB1及び61−STB2が、どの対DAライン制御ブロックに対する予備であるかの情報を格納している。
【0133】以下、監視装置90の制御下で実行される、ある対DAライン制御ブロック61−pに障害が発生した場合の予備系への切替動作を説明する。
【0134】監視装置90は、監視動作によって、対DAライン制御ブロック61−pに障害が発生したことを認識すると、そのことを、全ての対DA卓制御ブロック60−1〜60−Hに通知すると共に、対DAライン制御ブロック61−pに対する予備である第1の予備の対DAライン制御ブロック61−STB1にも通知する。また、監視装置90は、障害が発生した対DAライン制御ブロック61−pに対応する切替部93の切替スイッチ部93−pを第1の予備の対DAライン制御ブロック61−STB1に接続させるように切替えさせる。
【0135】このとき、各対DA卓制御ブロック60−1〜60−Iにおいては、障害が発生した対DAライン制御ブロック61−pとの信号授受経路の代りに、第1の予備の対DAライン制御ブロック61−STB1との信号授受経路を確立する。また、第1の予備の対DAライン制御ブロック61−STB1においては、障害が発生した対DAライン制御ブロック61−pについてのタイムスロット/DA回線対応テーブルを用いて交換動作を行なう。
【0136】このようにして、ある対DA卓制御ブロック60−hと、障害が発生した対DAライン制御ブロック61−pに本来収容されている回線インタフェースシート群5−61pとの間は、第1の予備の対DAライン制御ブロック61−STB1及び切替スイッチ部93−pを介して接続される。
【0137】図16は、対DAライン制御ブロック(及び回線インタフェースシート)の障害対策用冗長構成の他の一例を示すものである。
【0138】図16において、この例は、対DAライン制御ブロック及び回線インタフェースシート群の組として、予備のもの(61−STB1及び5−61STB1の組と、61−STB2及び5−61STB2の組)を持たせ、回線インタフェースシート群5−611〜5−61P、5−61(P+1)〜5−61Iと図示しないDA回線との間に、障害時に予備系に切り替えるための切替部93及び94を設けたものである。動作は、図15R>5に示した冗長構成とほぼ同様であるのでその説明は省略する。
【0139】図15に示した例は、冗長構成を簡単なものとできる。一方、図16に示した例は、回線インタフェースシート5−jの障害にも対応できる。
【0140】(C-3) 対空卓制御ブロック、対DA卓制御ブロックの障害対策用冗長構成次に、対空卓制御ブロックの障害対策用冗長構成例について、図面を参照しながら詳述する。ここで、図17がこの対空卓制御ブロックの障害対策用冗長構成を示すものである。
【0141】図17において、現用の上述したC個の対空卓制御ブロック40−1〜40−Cに加えて、この例では、1個の予備の対空卓制御ブロック(特許請求の範囲における第2又は第1の予備単位電子交換ブロックに相当する)40−STBが設けられている。この予備の対空卓制御ブロック40−STBを含め、C+1個の対空卓制御ブロック40−1〜40−C及び40−STBはそれぞれ、図5に示したように、全ての対空チャンネル制御ブロック41−1〜41−Dに接続されており、逆に、各対空チャンネル制御ブロック41−1〜41−Dはそれぞれ、予備のものを含めた全ての対空卓制御ブロック40−1〜40−C及び40−STBに接続されている。
【0142】なお、図17においても、図示の簡略化のために、このような正しくは図5に示すような接続を点線で囲んでいるように簡単に記載している。
【0143】予備の対空卓制御ブロック40−STBは、現用の各対空卓制御ブロック40−1、…、40−Cが有するワンタッチボタン/タイムスロット対応テーブルを全て内蔵しており、いずれの対空卓制御ブロック40−1、…、40−Cの代りとして動作できるようになされている。
【0144】現用の各対空卓制御ブロック40−1、…、40−Cは、収容する所定個数(例えば4個)でなる各管制卓群1−401、…、1−40Cに対して、例えばリレー回路構成の切替部95を介して接続されている。切替部95は、C個の切替スイッチ部95−1〜95−Cからなる。各切替スイッチ部95−1、…、95−Cにおいて、第1の切替端子は対応する現用の対空卓制御ブロック40−1、…、40−Cに接続され、第2の切替端子は予備の対空卓制御ブロック40−STBに接続され、共通端子は対応する管制卓群1−401、…、1−40Cに接続されている。なお、各切替スイッチ部95−1、…、95−Cは、接続している管制卓群1−401、…、1−40Cにおける卓数(最大接続卓数)だけのスイッチ要素からなる。
【0145】なお、図17でも、対空卓制御ブロック40−c又は40−STBと切替スイッチ部95−cとの間、及び、切替スイッチ部95−cと管制卓群1−40cとの間の接続を1本の線で示しているが、実際上は、対空卓制御ブロック40−cが管制卓1−aを収容可能な最大数に応じた数の信号線で接続されている。
【0146】この場合も、障害時の切替は、監視装置90による制御で行なわれる。以下、監視装置90の制御下で実行される、ある対空卓制御ブロック40−cに障害が発生した場合の予備系への切替動作を説明する。
【0147】監視装置90は、監視動作によって、対空卓制御ブロック40−cに障害が発生したことを認識すると、障害が発生した対空卓制御ブロック40−cに対応する切替スイッチ部95−cを予備の対空卓制御ブロック40−STBに接続させるように切替えさせる。また、監視装置90は、そのことを、全ての対空チャンネル制御ブロック41−1〜41−Dに通知すると共に、予備の対空卓制御ブロック40−STBにも通知する。
【0148】これにより、障害が生じた対空卓制御ブロック40−cに収容されていた管制卓群1−40cは、切替スイッチ部95−cを介して、予備の対空卓制御ブロック40−STBに収容される。予備の対空卓制御ブロック40−STBにおいては、障害が生じた対空卓制御ブロック40−cについてのワンタッチボタン/タイムスロット対応テーブルが参照されて交換動作が実行される。また、各対空チャンネル制御ブロック41−1、…、41−Dにおいては、対空卓制御ブロック40−cとの信号授受経路の代りに、予備の対空卓制御ブロック40−STBとの信号授受経路を確立する。すなわち、各対空チャンネル制御ブロック41−1、…、41−Dは、予備の対空卓制御ブロック40−STBから与えられた信号を障害が生じた対空卓制御ブロック40−cから与えられたものとして処理し、逆に、対空卓制御ブロック40−cに与えようとする信号を予備の対空卓制御ブロック40−STBに与える。
【0149】このようにして、障害が発生した対空卓制御ブロック40−cに収容されている管制卓群1−40cと、ある対空チャンネル制御ブロック41−dとの間は、切替スイッチ部95−c及び予備の対空卓制御ブロック40−STBを介して接続される。
【0150】図18は、対DA卓制御ブロックの障害対策用冗長構成例を示すものである。図17及び図18の比較から明らかなように、対空系及び対DA系という違いはあるが、対DA卓制御ブロックの障害対策用冗長構成は、対空卓制御ブロックの障害対策用冗長構成と同様に動作するので、その説明は省略する。但し、予備の対DA卓制御ブロック60−STBが、管制卓間の通信にも介在できる点は異なっている。
【0151】以上、制御ブロックの種類毎に障害対策用冗長構成について図面を参照して説明したが、これらの制御ブロックの種類毎の冗長構成は、実施例の空港管制用通信システムが全て有するものである。図面の紙面の大きさの制約上から、制御ブロックの種類毎に説明したに過ぎない。なお、上記のような障害対策用の冗長構成を一部の制御ブロックの種類についてのみ採用することもできる。
【0152】(D)実施例の効果上記実施例によれば、電子交換システムの1種に該当する対空音声交換システム部2を、複数の対空卓制御ブロック40−1〜40−Cと複数の対空チャンネル制御ブロック41−1〜41−Dとを図5に示すように接続し、かつ、図16に示すように予備の対空卓制御ブロック40−STBを設け、及び又は、図1に示すように予備の対空チャンネル制御ブロック41−STBを設けて構成したので、対空音声交換システム部2に障害が発生しても、障害による通信停止時間を短縮でき、また、障害の影響が及ぶ範囲をごく狭くできる。
【0153】すなわち、複数の対空卓制御ブロックと複数の対空チャンネル制御ブロックとの2段構成とし、段間では、ある制御ブロックが他の段の全ての制御ブロックに接続させているので、例えば、第1の対空卓制御ブロック40−1に障害が発生した瞬間では、この第1の対空卓制御ブロック40−1が収容している管制卓群1−401が対空系の通信を実行できなくなるが、予備の対空卓制御ブロック40−STBに直ちに切り替わって、それら管制卓群1−401を用いた通信を直ちに再開できる。
【0154】従って、予備系の切替え以前においても障害が影響する範囲を狭くでき、予備系への切替え後には障害の影響が及んでいる範囲はなく、しかも、通信を同一の管制卓を用いて直ちに再開できる。
【0155】因みに、任意の管制卓1−aと任意のチャンネルインタフェースシート3−eとを接続するように交換するのには、従来構成を有する1個の電子交換システムを介在させることで行なうこともできる。すなわち、管制用通信システムの場合、管制卓1−aの数も無線チャンネルの数もさほど多くないので、従来構成を有する1個の電子交換システムで十分に交換することができる。しかし、従来構成を有する1個の電子交換システムの場合には、障害が発生すると全ての管制卓1−1〜1−Aが通信を実行できなくなり、この不都合を避けるように2重化すると、今まで予備系であった電子交換システムを立ち上げるのにかなりの時間を要して通信停止時間が長くならざるを得ない。従って、上記実施例の構成とすることが好ましい。
【0156】また、上記実施例においては、対空音声交換システム部2を、それぞれが1個の電子交換システムである、複数の対空卓制御ブロック40−1〜40−Cと複数の対空チャンネル制御ブロック41−1〜41−Dとで構成しているので、管制卓の数や無線チャンネルの数から見ると、多くの電子交換システムを用いていることになる。しかし、空港管制用通信システムにおいては、危険分散等の観点から通信停止時間や通信不可能チャンネル数の軽減が特に求められており、構成の大型化よりは、かかる要求を満足させている点で上記実施例の効果の意義は大きい。
【0157】以上のような障害による通信停止時間を短縮でき、また、障害の影響が及ぶ範囲をごく狭くできるという効果は、電子交換システムの1種に該当する対DA音声交換システム部4についても同様に言うことができる。
【0158】従って、対空音声交換システム部2及び対DA音声交換システム部4を用いている管制用通信システムについても、障害による通信停止時間を短縮でき、また、障害の影響が及ぶ範囲をごく狭くできるという効果が得られる。
【0159】(E)他の実施例上記実施例においては、各制御ブロックの予備の制御ブロックが1又は2個のものを示したが、3個以上あっても良い。2個以上ある場合において、図15のように、各予備の制御ブロックが異なる現用の制御ブロックを担当しても良く、また、各予備の制御ブロックがどの現用の制御ブロックの予備として動作するようにしても良い。後者の場合、各予備の制御ブロックに対して、その時点の障害個数によって駆動順番を定めても良い。
【0160】また、上記実施例においては、予備の制御ブロックが各現用の制御ブロックに関する交換経路情報を内蔵しているものを示したが、監視装置にその情報を格納しておき、障害発生時に監視装置が予備の制御ブロックにその情報を与えるものであっても良い。
【0161】上記実施例においては、管制卓及び対空卓制御部間、対空チャンネル制御部及びチャンネルインタフェース部間、管制卓及び対DA卓制御部間、対DA回線制御部及び回線インタフェース部間の伝送方式としてピンポン伝送方式に従うものを示したが、本発明はこれに限定されず、全2重や半2重の伝送方式に従うものであっても良い。
【0162】また、対空音声交換システム部及び対DA音声交換システム部内の制御ブロック間での伝送において、音声信号と、制御情報及び監視制御情報とを、別個の信号ラインで伝送するものであっても良い。
【0163】さらに、通信に供する信号は、音声信号だけでなく、画像信号やデータ信号であっても良い。
【0164】上記実施例における対空音声交換システム部や対DA音声交換システム部等の電子交換システムは、空港管制用通信システムに適用されるだけでなく、航空路管制用通信システムや船舶管制用通信システムにも適用でき、また、管制目的の通信システムだけでなく、障害による通信停止時間の短縮化や障害影響の縮小化が求められる他の通信システムにも適用することができる。
【0165】適用通信システムによっては、電子交換システムを以下のようにしても良い。無線チャンネル収容の電子交換システムを、対DA音声交換システム部のように構成しても良い。また、有線回線収容の電子交換システムを、対空音声交換システム部のようにしても良い。また、段が異なる全ての制御ブロック(単位電子交換ブロック)だけでなく、同一段の他の全ての制御ブロックに、いずれの段の制御ブロック共に接続するようにしても良い。
【0166】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、内部を、複数の第1の単位電子交換ブロックと複数の第2の単位電子交換ブロックとの2段構成とし、段間では、ある単位電子交換ブロックが他の段の全ての単位電子交換ブロックに接続させ、かつ、第1の単位電子交換ブロックの予備として機能する1又は2以上の第1の予備単位電子交換ブロック及び又は第2の単位電子交換ブロックの予備として機能する1又は2以上の第2の予備単位電子交換ブロックを設けて、監視装置が第1の切替部及び又は第2の切替部を駆動して適宜予備のものと切り替えるように電子交換システムを構成したので、また、そのような構成の電子交換システムを用いて通信システムを構成したので、複数の第1の交換対象回線と、複数の第2の交換対象回線との交換接続を行なうことができ、しかも、いずれかの単位電子交換ブロックに障害が発生したとしても、その障害が影響する範囲を非常に狭くでき、また、予備の単位交換ブロックに切り替えることで直ちに通信を再開できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の対空チャンネル制御ブロックの冗長構成例(その1)を示すブロック図である。
【図2】実施例の空港管制用通信システムを示すブロック図である。
【図3】実施例の管制卓の詳細構成を示すブロック図である。
【図4】実施例の操作ユニット上の操作子及び表示素子の配置を示す図である。
【図5】実施例の対空音声交換システム部(電子交換システム)を示すブロック図である。
【図6】実施例の対空卓制御ブロック及び対空チャンネル制御ブロック間の授受フレームの構成図である。
【図7】実施例の対空卓制御ブロック及び対空チャンネル制御ブロックの詳細構成を示すブロック図である。
【図8】実施例のワンタッチボタン/タイムスロット対応テーブルの説明図である。
【図9】実施例のチャンネルインタフェースシートの詳細構成を示すブロック図である。
【図10】実施例の対DA音声交換システム部(電子交換システム)を示すブロック図である。
【図11】実施例の対DA卓制御ブロック及び対DA回線制御ブロック間の授受フレームの構成図である。
【図12】実施例の対DA卓制御ブロック及び対DA回線制御ブロックの詳細構成を示すブロック図である。
【図13】実施例の回線インタフェース部の詳細構成を示すブロック図である。
【図14】実施例の対空チャンネル制御ブロックの冗長構成例(その2)を示すブロック図である。
【図15】実施例の対DAライン制御ブロックの冗長構成例(その1)を示すブロック図である。
【図16】実施例の対DAライン制御ブロックの冗長構成例(その2)を示すブロック図である。
【図17】実施例の対空卓制御ブロックの冗長構成例を示すブロック図である。
【図18】実施例の対DA卓制御ブロックの冗長構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1−1〜1−A…管制卓(端末装置)、
2…対空音声交換システム部(電子交換システム)、
3−1〜3−E…チャンネルインタフェースシート、
4…対DA音声交換システム部(電子交換システム)、
5−1〜5−J…回線インタフェースシート、
40−1〜40−C…対空卓制御ブロック(第1又は第2の単位電子交換ブロック)、
40−STB…予備の対空卓制御ブロック(第2又は第1の予備単位電子交換ブロック)、
41−1〜41−D…対空チャンネル制御ブロック(第2又は第1の単位電子交換ブロック)、
41−STB…予備の対空チャンネル制御ブロック(第1又は第2の予備単位電子交換ブロック)、
60−1〜60−H…対DA卓制御ブロック(第1又は第2の単位電子交換ブロック)、
60−STB…予備の対空卓制御ブロック(第1又は第2の予備単位電子交換ブロック)、
61−1〜61−I…対DA回線制御ブロック(第2又は第1の単位電子交換ブロック)、
61−STB1、61−STB2…予備の対DA回線制御ブロック(第1又は第2の予備単位電子交換ブロック)、
90…監視装置、
91〜95…切替部(第1又は第2の切替部)。
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子交換システム及びそれを用いた通信システムに関するものであり、例えば、空港管制用や航空路管制用の通信システムやその内部の電子交換システムに適用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】空港及びその管制空域における航空機の安全かつ円滑な運行のために、管制塔及び空港レーダ管制所においては、空港用管制卓を用いて通話路を設定して、管制官とパイロットと、管制官と関係管制施設の人間との間の管制通信、連絡調整通信等を行なう。このような通信システムに設けられている従来の音声交換システムとしては、交換数が少ないこと等から、アンプ回路やリレー回路によるアナログ交換システムが適用されていた。
【0003】しかしながら、運用要求に対する柔軟性や保守性の向上が計られることから、最近では、デジタル交換システム(電子交換システム)を、空港管制用交換システムに適用することが、検討、研究されている。
【0004】電子交換システムは、一般には、図示は省略するが、時分割通話路スイッチと、その入出力端子に接続するように設けられた複数の回線トランクと、その回線トランクと制御情報を授受しながら時分割通話路スイッチに通話経路を設定させる中央処理モジュールとから構成されている。
【0005】ところで、空港管制用通信システムでは、航空交通の安全性を高めるために、システム障害によって通信ができない時間が短く、障害の影響が及ぶ範囲が小さくなるように構成することが望まれる。上述した従来の電子交換システムの構成に対して、このような要求に応えようとすると、公衆網通信システムで採用されているような中央処理モジュールだけを2重化したり、電子交換システム全体を2重化したりするような冗長構成を採用することが考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、中央処理モジュールだけを2重化する方法では、時分割通話路スイッチの障害には対応できない。従って、この点からは、電子交換システム全体を2重化する方法が好ましい。しかし、この方法の場合、障害が発生した電子交換システムから新たに運用状態になる電子交換システムに制御情報を引き渡したり、又は、また、新たに運用状態になる電子交換システムに対して改めて空港用管制卓等から制御情報を与えてシステムを立ち上げる必要がある。このような立ち上げ時間のために、通信ができない時間をある程度以上に小さくすることはできない。しかも、このときは全ての通信相手と通信することはできない。
【0007】電子交換システム全体を2重化する方法では通信ができない時間は数分程度であり、航空交通の安全上問題はないが、航空交通の安全性をより一段高めるためには、当然により一段の時間の短縮化が求められる。
【0008】以上では、空港管制用通信システム(における電子交換システム)について、課題を説明したが、通信停止時間を短縮すること、障害の影響が及ぶ範囲を小さくすることを求めている通信システムは、種々存在する。
【0009】本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、障害による通信停止時間を短縮でき、障害の影響が及ぶ範囲を小さくできる電子交換システム及びそれを用いた通信システムを提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するため、第1の本発明においては、複数の第1の交換対象回線と、複数の第2の交換対象回線との交換接続を行なう電子交換システムを、以下のように構成した。
【0011】すなわち、2個の入出力部間において、内蔵する交換経路情報に従って交換処理を行なう複数の第1の単位電子交換ブロックと、2個の入出力部間において、内蔵する交換経路情報に従って交換処理を行なう複数の第2の単位電子交換ブロックとを備え、各第1の単位電子交換ブロックは、一方の入出力部において、異なる第1の交換対象回線を複数収容すると共に、他方の入出力部において、全ての第2の単位電子交換ブロックと接続し、各第2の単位電子交換ブロックは、一方の入出力部において、全ての第1の単位電子交換ブロックと接続すると共に、他方の入出力部において、異なる第2の交換対象回線を複数収容しているような構成を基本構成とする。そして、複数の第1の単位電子交換ブロックの予備として機能する1又は2以上の第1の予備単位電子交換ブロックを設け、いずれかの第1の単位電子交換ブロックに障害が発生したときに、第1の予備単位電子交換ブロックに切り替えられるように、第1の切替部と監視装置を設けている。
【0012】ここで、複数の第2の単位電子交換ブロックの予備として機能する1又は2以上の第2の予備単位電子交換ブロックをも設け、いずれかの第2の単位電子交換ブロックに障害が発生したときに、第2の予備単位電子交換ブロックに切り替えられるように第2の切替部を設け、監視装置が適宜切替えを起動するようにすることは好ましい。
【0013】また、第1の本発明は、各第1の単位電子交換ブロック又は各第1の予備単位電子交換ブロックが、他方の入出力部において、他の全ての第1の単位電子交換ブロック及び他の全ての第1の予備単位電子交換ブロックと接続しているものや、各第2の単位電子交換ブロック又は各第2の予備単位電子交換ブロックが、一方の入出力部において、他の全ての第2の単位電子交換ブロック及び又は他の全ての第2の予備単位電子交換ブロックと接続しているものにも適用できる。
【0014】第2の本発明は、以上のような電子交換システムを用いた通信システムであり、各第1の交換対象回線がそれぞれ別個の端末装置に接続され、各第2の交換対象回線がそれぞれ別個の無線チャンネル用のチャンネルインタフェース部に接続されているものである。
【0015】第3の本発明は、以上のような電子交換システムを用いた通信システムであり、各第1の交換対象回線がそれぞれ別個の端末装置に接続され、各第2の交換対象回線がそれぞれ別個の有線回線用の回線インタフェース部に接続されているものである。
【0016】第4の本発明は、以上のような電子交換システムを用いた、複数の端末装置がそれぞれ無線チャンネルとも有線回線とも接続可能な通信システムである。そして、各端末装置と無線チャンネル用の各チャンネルインタフェース部との間を交換する電子交換システムとして、また、各端末装置と有線回線用の各回線インタフェース部との間、及び、2個の端末装置間を交換する電子交換システムとして、第1の本発明の電子交換システムを適用したものである。
【0017】このような通信システムの実施態様として、端末装置が管制卓であり、無線チャンネルを介した通信先が管制対象の移動体であり、有線回線を介した通信先が関係管制設備である通信システムは好ましい。
【0018】この場合において、無線チャンネル用の電子交換システムにおける第2の予備単位電子交換ブロックに対応した予備のチャンネルインタフェース部を設け、障害発生時に、第2の予備単位電子交換ブロック及び予備のチャンネルインタフェース部を組として切替え、及び又は、有線回線用の電子交換システムにおける第2の予備単位電子交換ブロックに対応した予備の回線インタフェース部を設け、障害発生時に、第2の予備単位電子交換ブロック及び予備の回線インタフェース部を組として切替えるようにしても良い。
【0019】
【作用】本発明の電子交換システムは、内部を、複数の第1の単位電子交換ブロックと複数の第2の単位電子交換ブロックとの2段構成とし、段間では、ある単位電子交換ブロックが他の段の全ての単位電子交換ブロックに接続させ、かつ、第1の単位電子交換ブロックの予備として機能する1又は2以上の第1の予備単位電子交換ブロック及び又は第2の単位電子交換ブロックの予備として機能する1又は2以上の第2の予備単位電子交換ブロックを設けて、監視装置が第1の切替部及び又は第2の切替部を駆動して適宜予備のものと切り替えるようにしたので、複数の第1の交換対象回線と、複数の第2の交換対象回線との交換接続を行なうことができ、しかも、いずれかの単位電子交換ブロックに障害が発生したとしても、その障害が影響する範囲をほぼなくし、また、障害発生に伴う通信停止時間をごく短時間にしたものである。
【0020】従って、このような構成の電子交換システムを適用した本発明の通信システムにおいても、障害時の影響範囲を非常に狭くでき、かつ、通信停止時間を短くできるようになる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を空港管制用通信システムに適用した一実施例を図面を参照しながら詳述する。まず、実施例の空港管制用通信システムの基本構成を、システム全体及びその各部について説明し、その後、実施例の特徴構成である障害対策用の冗長構成について説明する。
【0022】(A)空港管制用通信システムの全体図2は、この実施例の空港管制用通信システムの全体構成を示す概略ブロック図である。
【0023】図2において、この空港管制用通信システムは、複数(A個)の管制卓1−1〜1−Aと、対空音声交換システム部2と、チャンネルインタフェース部3と、対DA(direct access) 音声交換システム部4と、回線インタフェース部5と、信号発生部6と、クロック発生部7と、保守コンソール9と、保守インタフェース部10とから構成されている。
【0024】管制官が通信する相手は、管制対象の飛行機(パイロット)や関係管制施設(他空港の管制所を含む)である。前者とは無線チャンネルを介して通信を行ない、対空音声交換システム部2及びチャンネルインタフェース部3は、かかる無線チャンネルを介した通信に機能するものである。後者とは有線回線を介して通信を行なう。ここで、通信頻度が高かったり、通信に緊急性が求められることが多い一部の関係管制施設に対する回線(以下、DA回線と呼ぶ)は、ワンタッチボタンの押下で通信を起動できるようになされており、対DA音声交換システム部4及び回線インタフェース部5は、この場合の通信に機能するものである。また、対DA音声交換システム部4は、当該管制所内の管制卓1間の通信に機能する。なお、無線チャンネル(従って飛行機)との通信起動等もワンタッチボタンの押下による。
【0025】信号発生部6は、回線インタフェース部5が必要とする呼制御信号を発生するものである。
【0026】クロック発生部7は、対空音声交換システム部2及び対DA音声交換システム部4が交換動作する際に必要となるクロック信号等のタイミング信号を発生するものである。
【0027】保守コンソール9及び保守インタフェース部10は、当該空港管制用通信システムの保守機能を担うものである。
【0028】(B)空港管制用通信システムの各部の詳細以下、実施例の空港管制用通信システムを構成する各部の詳細構成及び機能について詳述する。なお、実施例の特徴である障害対策用の冗長構成については、後述する(C)項で別途説明する。
【0029】(B-1) 管制卓1−1〜1−A管制卓1−1〜1−Aとして、有視界飛行方式(VFR:Visual Flight Rules)用のものと、計器飛行方式(IFR:Instrument Flight Rules)用のものとがそれぞれ複数設けられている。飛行方式は異なっても管制卓1−1〜1−Aの構成はほぼ同一である。
【0030】管制卓の機能を大きく分けると、管制卓1−1について図2に示すように、対空通信部1aと、DA通信部1bと、操作部1cと、パターン表示部1dとからなる。
【0031】対空通信部1aは、伝送ラインを介して対空音声交換システム部2に接続されており、対飛行機(このことを対空と表現している)との通信を行なうものである。DA通信部1bは、伝送ラインを介して対DA音声交換システム部4に接続されており、対DA回線系との通信を行なうものである。操作部1cは、通信を起動する操作子や、操作状況等を表示する表示素子等を備えているものである。パターン表示部1dの機能については、後述する保守用の構成説明で明らかにする。
【0032】図3は、管制卓1−a(aは1〜A)の構成をより具体的に示したものである。音声捕捉手段としては、ハンドマイク20a及びヘッドセットのマイク20bが設けられており、音声発音手段としては、ヘッドセットのスピーカ21a、対空ワークスピーカ21b、対空モニタスピーカ21c、ボイスページスピーカ21d及びホットマイクスピーカ21eが設けられている。
【0033】ハンドマイク20a及びヘッドセットのマイク20bが捕捉した音声信号は混合切替部22に与えられる。混合切替部22は、必要ならば複数の音声信号を混合し、対空系への音声信号は対空系コーデック部23に与え、DA系への音声信号はDA系コーデック部24に与える。混合切替部22には、信号ラインの図示は省略しているが、対空系操作ユニット26及びDA系操作ユニット27からの操作信号が与えられ、これら操作信号に応じて、送信時の混合切替動作を行なう。
【0034】対空系コーデック23及びDA系コーデック24はそれぞれ、混合切替部22から与えられた音声信号をデジタル信号に変換した後符号化して対空系ピンポンインタフェース部29及びDA系ピンポンインタフェース部30に与える。対空系ピンポンインタフェース部29は、対空系操作ユニット26からの操作信号に応じた制御情報と、符号化音声信号とを多重して、ピンポン伝送における送信タイミングにおいて、対空音声交換システム部2に送信する。同様に、DA系ピンポンインタフェース部30は、対DA系操作ユニット27からの操作信号に応じた制御情報と、符号化音声信号とを多重して、ピンポン伝送における送信タイミングにおいて、対DA音声交換システム部4に送信する。
【0035】対空系ピンポンインタフェース部29は、ピンポン伝送における受信タイミングにおいて、対空音声交換システム部2から信号を受信すると、その受信信号における符号化音声信号を対空系コーデック23に与えると共に、その受信信号における制御情報に応じた表示駆動信号等を対空系操作ユニット26に与えて所定の表示素子を点灯させたり、また、その受信信号における制御情報に応じた切替信号を混合切替部22に与えて受信経路を選択させたりする。なお、混合切替部22における受信経路は、対空系操作ユニット26からの操作信号によって送信経路が設定される際に同時に設定されることがある。対空系コーデック23は、受信した符号化音声信号を復号すると共にアナログ信号に変換して混合切替部22に与える。DA系ピンポンインタフェース部30及びDA系コーデック24は、対空系の対応機能部とほぼ同様な受信時動作を行なう。
【0036】これにより、現在通信中の飛行機からの音声信号はヘッドセットのスピーカ21aや対空ワークスピーカ21bから発音出力され、他の飛行機からのモニタした音声信号はヘッドセットのスピーカ21aや対空モニタスピーカ21cから発音出力され、他施設や他の管制卓から当該管制卓1を呼び出す割り込みの音声信号はボイスページスピーカ21dやホットマイクスピーカ21eから発音出力される。
【0037】また、管制卓1−aは調光制御部31を備え、各操作ユニット26、27の表示素子の明るさを調節することができる。
【0038】さらに、管制卓1−aはパターン表示部28を備えており、後述するテーブルパターンの表示データを受信して、対空系操作ユニット26及び体DA系操作ユニット27上のモニタ装置に適宜表示させる。
【0039】なお、上述した対空系操作ユニット26及び対DA系操作ユニット27は共に、図4に示すように、複数(B個)のワンタッチボタン32−1〜32−Bと、これらボタンに対応した表示素子33−1〜33−Bを備えており、ワンタッチ操作で発信起動や無線チャンネル切替等を意味する操作信号を出力し、システムがその操作信号に応じた動作を実行したときには表示素子を点灯できるようになされている。空港管制用通信システムの場合、通信の緊急性を要することが頻繁にあり、また、通信先を切り替えることも頻繁にあり、このようなことを考慮してワンタッチ操作機能が設けられている。
【0040】(B-2) 対空音声交換システム部2次に、対空音声交換システム部(電子交換システムである)2について説明する。ここで、図5は、対空音声交換システム部2の詳細構成を示したものであり、図6は、その対空卓制御ブロック及び対空チャンネル制御ブロック間で授受されるフレーム構成を示す説明図であり、図7は、対空卓制御ブロック及び対空チャンネル制御ブロックの詳細構成を示すブロック図である。
【0041】図5において、対空音声交換システム部2は、対空卓制御部40と、対空チャンネル制御部41とからなる。対空卓制御部40は、複数(C個)の対空卓制御ブロック(特許請求の範囲における第1又は第2の単位電子交換ブロックに相当する)40−1〜40−Cからなり、対空チャンネル制御部41は、複数(D個)の対空チャンネル制御ブロック(特許請求の範囲における第2又は第1の単位電子交換ブロックに相当する)41−1〜41−Dとからなる。
【0042】各対空卓制御ブロック40−1、40−2、…、40−Cはそれぞれが、図7に示すように、1個の電子交換システムとして機能するものである。各対空卓制御ブロック40−1、40−2、…、40−Cはそれぞれ、一方の入出力部において、複数の異なる管制卓1−aを収容しており(例えば収容可能な最大所定個数は4個)、また、他方の入出力部において、全ての対空チャンネル制御ブロック41−1〜41−Dと接続されている。なお、管制卓1−aとの接続回線は、特許請求の範囲における第1又は第2の交換対象回線に相当する。
【0043】各対空チャンネル制御ブロック41−1、41−2、…、41−Dもそれぞれが、図7に示すように、1個の電子交換システムとして機能するものである。各対空チャンネル制御ブロック41−1、41−2、…、41−Dはそれぞれ、一方の入出力部において、全ての対空卓制御ブロック40−1〜40−Cと接続されており、他方の入出力部において、複数の異なる後述するチャンネルインタフェースシート3−e(図1参照:eは1〜E)を収容している(例えば収容可能な最大所定個数は4個)。なお、チャンネルインタフェースシート3−eとの接続回線は、特許請求の範囲における第2又は第1の交換対象回線に相当する。
【0044】従って、この実施例の対空音声交換システム部2においては、対空卓制御部40の交換機能及び対空チャンネル制御部41の交換機能によって、任意の管制卓1−aと任意のチャンネルインタフェースシート3−eとを接続するようになされている。
【0045】図7は、ある1個の対空卓制御ブロック40−c(cは1〜C)及びある1個の対空チャンネル制御ブロック41−t(tは1〜D)の詳細構成と接続の様子を示すものである。
【0046】対空卓制御ブロック40−cは、収容している各管制卓1−aとの回線に接続している複数(ここでは4個とする)の卓回線トランク42−1〜42−4と、全ての対空チャンネル制御ブロック41−1〜41−Dとの各回線に接続しているD個のブロック間回線トランク43−1〜43−Dと、任意の管制卓1−aと任意の対空チャンネル制御ブロック41−dとの通話路を設定する時分割通話路スイッチ44と、卓回線トランク42−f(fは1〜4)からの制御情報やブロック間回線トランク43−dからの監視制御情報に従って時分割通話路スイッチ44に通話路を設定させたり出回線側の回線トランク43−d又は42−fに所定状態の監視制御情報又は制御情報を与えて符号化音声信号に多重させたりする中央処理モジュール45から形成されている。
【0047】この実施例の卓回線トランク42−fは、管制卓1−aとの通信はピンポン伝送であるので、ピンポン伝送インタフェース機能を有しており、ピンポン伝送の受信タイミングにおいて受信した受信信号における制御情報を中央処理モジュール45に与え、中央処理モジュール45から指示されたタイミングで符号化音声信号を時分割通話路スイッチ44に与え、また、時分割通話路スイッチ44から与えられた符号化音声信号と、中央処理モジュール45から与えられた監視制御情報とを多重してピンポン伝送の送信タイミングにおいて収容している管制卓1−aに送信するものである。
【0048】対空卓制御ブロック40−c及び対空チャンネル制御ブロック41−d間は、送信用及び受信用の別個の信号ラインで接続されており、全2重通信が行なわれる。
【0049】ブロック間回線トランク43−dは、時分割通話路スイッチ44から与えられた符号化音声信号と中央処理モジュール45から与えられた制御情報とを多重して対空チャンネル制御ブロック41−dに送信し、対空チャンネル制御ブロック41−dから受信した受信信号における監視制御情報を中央処理モジュール45に与え、中央処理モジュール45から指示されたタイミングで符号化音声信号を時分割通話路スイッチ44に与えるものである。
【0050】中央処理モジュール45は、その通信状態において実行するプログラムや各種データを記憶しているメモリを内蔵しており、卓回線トランク42−fからの制御情報やブロック間回線トランク43−dからの監視制御情報に従って時分割通話路スイッチ44に通話路を設定させたり出回線側の回線トランク43−d又は42−fに所定状態の監視制御情報又は制御情報を与えるものである。
【0051】なお、中央処理モジュール45が内蔵するメモリに格納されているデータとしては、図8に示すようなワンタッチボタン/タイムスロット対応テーブル(経路交換情報)の情報がある。すなわち、操作されたワンタッチボタンを規定する制御情報と、その制御情報を与えた卓回線トランク42−fとの識別情報とから、どのブロック間トランク43−dを用い、どの位置のタイムスロット(図6参照)を使用し、どのような制御情報をタイムスロットに挿入するかを規定したテーブルの情報がメモリに格納されている。
【0052】一方、各対チャンネル制御ブロック41−dもほぼ同様な構成を有する。すなわち、収容している後述する各チャンネルインタフェースシート3−eとの回線に接続している複数(ここでは4個とする)のチャンネル回線トランク46−1〜46−4と、全ての対空卓制御ブロック40−1〜40−Cとの各回線に接続しているC個のブロック間回線トランク47−1〜47−Cと、任意のチャンネルインタフェースシート3−eと任意の対空卓制御ブロック40−cとの通話路を設定する時分割通話路スイッチ48と、チャンネル回線トランク46−g(gは1〜4)からの監視制御情報やブロック間回線トランク47−cからの制御情報に従って時分割通話路スイッチ48に通話路を設定させたり出回線側の回線トランク46−g又は47−cに所定状態の制御情報又は監視制御情報を与えて符号化音声信号に多重させたりする中央処理モジュール49から形成されている。
【0053】この実施例のチャンネル回線トランク46−aは、チャンネルインタフェースシート3−eとの通信にはピンポン伝送方式が採用されていので、ピンポン伝送インタフェース機能を有しており、ピンポン伝送の受信タイミングにおいて受信した受信信号における監視制御情報を中央処理モジュール49に与え、中央処理モジュール49から指示されたタイミングで符号化音声信号を時分割通話路スイッチ48に与え、また、時分割通話路スイッチ48から与えられた符号化音声信号と中央処理モジュール49から与えられた制御情報とを多重してピンポン伝送の送信タイミングにおいて収容しているチャンネルインタフェースシート3−eに送信するものである。
【0054】ブロック間回線トランク47−cは、時分割通話路スイッチ48から与えられた符号化音声信号と中央処理モジュール49から与えられた監視制御情報とを多重して対空卓制御ブロック40−cに送信し、対空卓制御ブロック40−cから受信した受信信号における制御情報を中央処理モジュール49に与え、中央処理モジュール49から指示されたタイミングで符号化音声信号を時分割通話路スイッチ48に与えるものである。
【0055】中央処理モジュール49は、その通信状態において実行するプログラムや各種データを記憶しているメモリを内蔵しており、チャンネル回線トランク46−gからの監視制御情報やブロック間回線トランク47−cからの制御情報に従って時分割通話路スイッチ48に通話路を設定させたり出回線側の回線トランク47−c又は46−gに所定状態の制御情報又は監視制御情報を与える。
【0056】図6は、対空卓制御ブロック40−c及び対空チャンネル制御ブロック41−d間で授受されるフレーム構成を示すものであり、対空卓制御ブロック40−cが収容(収容可能な最大数)している管制卓1−aが4個の場合である。
【0057】対空卓制御ブロック40−cから対空チャンネル制御ブロック41−dへの送信フレームは、図6(a)に示すように、所定周期(例えば125μc)を有するものであり、この所定周期を収容管制卓数(4個)で等分した時間(タイムスロット)毎に、収容している各管制卓1−aについての信号を挿入している。各管制卓1−aについての信号は、管制卓1−aから与えられた符号化音声信号と、管制卓1−aから与えられたり又はそれに応じて中央処理モジュール45が形成した制御情報(CONT)とでなる。制御情報(CONT)は、例えば、送信要求であるプレストーク信号であったり、各チャンネル用の現用及び予備の2個の無線機の切替信号であったり、使用する送信チャンネル(周波数)の選択信号であったり、使用する受信チャンネル(周波数)の選択信号であったりする。
【0058】なお、図6(a)は、各フレームのタイムスロット構成を示したものであり、各管制卓1−aからの宛先や使用状況によっては、空タイムスロットが存在する。例えば、第1の対空卓制御ブロック40−1は、第1の対空チャンネル制御ブロック41−1に対し、第1及び第2のタイムスロットに有効な信号を挿入して送信し、第3及び第4のタイムスロットを空きタイムスロットとして送信することもある。
【0059】対空チャンネル制御ブロック41−dから対空卓制御ブロック40−cへの送信フレームも、図6(b)に示すように、所定周期(例えば125μc)を有するものであり、この所定周期を収容管制卓数(4個)で等分した時間(タイムスロット)毎に、各管制卓1−aへ向かうチャンネルについての信号を挿入している。各管制卓1−aへ向かうチャンネルについての信号は、チャンネルインタフェースシート3−eから与えられた符号化音声信号と、チャンネルインタフェースシート3−eから与えられたり又はそれに応じて中央処理モジュール49が形成した監視制御情報(SV)とでなる。監視制御情報(SV)は、例えば、プレストーク信号に対する肯定応答信号であったり、プレストーク信号に対するビジー信号であったり、無線機が有効に信号を受信できることを示すスケルチ信号であったり、使用無線機に生じた障害信号であったりする。
【0060】なお、タイムスロットの音声領域には、通信装置(管制卓や無線機)が出力した音声信号だけでなく、呼制御に伴う可聴音信号が挿入されることがある。図7において図示は省略しているが、回線トランク以外にも時分割通話路スイッチに接続する特殊トランクが設けられており、中央処理モジュールの制御下で、外部から与えられた可聴音信号を時分割通話路スイッチに入力して、所定のタイムスロットの音声領域に挿入する。このような挿入は、対空卓制御ブロック40−cや対空チャンネル制御ブロック41−dにおいて適宜なされる。
【0061】次に、対空音声交換システム部2の動作の一例を、上述した図7を参照しながら詳述する。
【0062】ある管制卓1−aの対空系操作ユニット26におけるある相手先Xを規定するワンタッチボタン(発信指示ボタン)が押下されたとする(I)。このとき、その管制卓1−aを収容している対空卓制御ブロック40−cにおいては、卓回線トランク42−fがその制御情報を取り出して中央処理モジュール45に与え、中央処理モジュール45は、管制卓1−aが相手先Xに対するワンタッチボタンを押下したことを認識し(II)、内蔵するメモリにおけるワンタッチボタン/タイムスロット対応テーブルを参照して、どのタイムスロットに割り当てるか決定する(III)。そして、決定したタイムスロットに係るブロック間回線トランク43−dに指示を与えてそのタイムスロットの制御情報に送信要求を挿入して出力させると共に、時分割通話路スイッチ44に通話路を設定させる(IV,V)。
【0063】対空チャンネル制御ブロック41−dにおいては、ブロック間回線トランク47−cが送信要求が挿入されているタイムスロットからその送信要求を取り出して中央処理モジュール49に与え、中央処理モジュール49はその送信要求を認識する(VI)。中央処理モジュール49は、そのブロック間回線トランク47−cからのどのタイムスロットに挿入されていた送信要求かに基づいて、内蔵するメモリのタイムスロット/チャンネル対応テーブル(図示は省略している:図8参照)を参照して無線チャンネルを認識すると共に、内蔵するメモリに記述されているチャンネルの使用状況に基づいて、そのチャンネルを接続可能かを判断し、接続可能な場合には、そのチャンネル対応のチャンネル回線トランク46−gを制御して回線を接続させると共に、時分割通話路スイッチ48に通話路を設定させる(VII,VIII) 。その後、中央処理モジュール49は、送信要求を与えたブロック間回線トランク47−cに、要求に対して接続したことを表す肯定応答信号(監視制御情報)を出力させることを指示し、ブロック間回線トランク47−cはその監視制御信号を出力する(IX)。
【0064】対空卓制御ブロック40−cにおいては、ブロック間回線トランク43−dから肯定応答信号が中央処理モジュール45に与えられ、中央処理モジュール45はそのことを認識して卓回線トランク42−fに操作されたワンタッチボタン対応の表示素子を駆動させる制御情報を与えて、卓回線トランク42−fから管制卓1−aに出力させる(X)。
【0065】これにより、管制卓1−aの対空系操作ユニット26の対応する表示素子が点灯する。これ以降、各制御ブロック40−c、41−dに設定された通話路を介して音声信号が授受される。
【0066】以上は、ある無線チャンネルに対するワンタッチ発信時の動作であるが、他の機能のワンタッチボタンが押下されたときもほぼ同様に動作するので、その説明は省略する。
【0067】以上のように、この実施例の対空音声交換システム部2においては、対空卓制御ブロック40−c及び対空チャンネル制御ブロック41−dの関連した交換動作によって、全体の交換動作が実行される。
【0068】(B-3) チャンネルインタフェース部3次に、チャンネルインタフェース部3について、図面を参照しながら詳述する。チャンネルインタフェース部3は、図2に示すように、総無線チャンネル数に等しい数だけの、すなわちチャンネル毎のチャンネルインタフェースシート3−1〜3−Eから構成されている。各チャンネルインタフェースシート3−eは同一構成を有し、その構成は図9に示す通りである。なお、1個の対空チャンネル制御ブロック41−dには、上述したように、最大所定個数(例えば4個)以内のチャンネルインタフェースシート3−eが接続されている。
【0069】図9において、チャンネルインタフェースシート3−eは、ピンポンインタフェース部50、コーデック部51、制御回路部52及び切替部53から構成されている。
【0070】ピンポンインタフェース部50は、伝送ラインを介して対空チャンネル制御ブロック41−dに接続されているものである。ピンポンインタフェース部50は、対空チャンネル制御ブロック41−dからの信号を、ピンポン伝送の受信タイミングで取込み、その受信信号を多重分離し、分離した符号化音声信号をコーデック部51に与え、分離した制御情報を制御回路部52に与える。また、ピンポンインタフェース部50は、コーデック部51から与えられた符号化音声信号と、制御回路部52からの監視制御情報とを多重し、ピンポン伝送の送信タイミングにおいて、対空チャンネル制御ブロック41−dに出力するものである。
【0071】コーデック部51は、ピンポンインタフェース部50からの符号化音声信号を復号すると共にアナログ信号に変換、増幅して、切替部53を介してそのとき選択されている当該無線チャンネルに係る図示しない無線機に出力するものであり、また、切替部53を介して無線機から与えられた音声信号をデジタル信号に変換し、符号化してピンポンインタフェース部50に与えるものである。
【0072】なお、この実施例においては、無線機の障害時対策として1個の無線チャンネルに現用及び予備の2個の無線機が設けられており、切替部53を介していずれかに接続される。
【0073】制御回路部52は、ピンポンインタフェース部50からの送信要求や無線機切替信号等の制御情報を、切替部53や、切替部53を介して無線機に与えるものであり、また、切替部53を介して無線機側から与えられたスケルチ信号や無線機障害信号等の監視制御情報をピンポンインタフェース部50に与えるものである。
【0074】(B-4) 対DA音声交換システム部4次に、対DA音声交換システム部(電子交換システムである)4について説明する。ここで、図10は、対DA音声交換システム部4の詳細構成を示したものであり、図11は、その対DA卓制御ブロック及び対DAライン制御ブロック間、又は、対DA卓制御ブロック及び対卓制御ブロック間で授受されるフレーム構成を示す説明図であり、図12は、対DA卓制御ブロック及び対DAライン制御ブロックの詳細構成を示すブロック図である。
【0075】図10において、対DA音声交換システム部4は、対DA卓制御部60と、対DAライン制御部61とからなる。対DA卓制御部60は、複数(H個)の対DA卓制御ブロック(特許請求の範囲における第1又は第2の単位電子交換ブロックに相当する)60−1〜60−Hからなり、対DAライン制御部61は、複数(I個)の対DAライン制御ブロック(特許請求の範囲における第2又は第1の単位電子交換ブロックに相当する)61−1〜61−Iからなる。
【0076】各対DA卓制御ブロック60−1、60−2、…、60−Hはそれぞれが、図12に示すように、1個の電子交換システムとして機能するものである。各対DA卓制御ブロック60−1、60−2、…、60−Hはそれぞれ、一方の入出力部において、複数の異なる管制卓1−aを収容しており(例えば収容可能な最大所定個数は4個)、また、他方の入出力部において、全ての対DAライン制御ブロック61−1〜61−I及び他の全ての対DA卓制御ブロック60−1、60−2、…、60−Hと接続されている。例えば、第1の対DA卓制御ブロック60−1は、他方の入出力部においては、全ての対DAライン制御ブロック61−1〜61−I及び他の全ての対DA卓制御ブロック60−2、…、60−Hと接続されている。なお、管制卓1−aとの接続回線は、特許請求の範囲における第1又は第2の交換対象回線に相当する。
【0077】各対DAライン制御ブロック61−1、61−2、…、61−Iもそれぞれが、図12に示すように、1個の電子交換システムとして機能するものである。各対DAライン制御ブロック61−1、61−2、…、61−Iはそれぞれ、一方の入出力部において、全ての対DA卓制御ブロック60−1〜60−Hと接続されており、他方の入出力部において、複数の異なる後述する回線インタフェースシート5−j(図2参照:jは1〜J)を収容している(例えば収容可能な最大個数は4個)。なお、回線インタフェースシート5−jとの接続回線は、特許請求の範囲における第2又は第1の交換対象回線に相当する。
【0078】従って、この実施例の対DA音声交換システム部4においては、対DA卓制御部60の交換機能及び対DAライン制御部61の交換機能によって、任意の管制卓1−aと任意の回線インタフェースシート5−jとの間、又は、任意の2個の管制卓1−a同士を接続するようになされている。
【0079】図12は、対DA卓制御ブロック60−h(hは1〜H)及び対DAライン制御ブロック61−i(iは1〜I)の詳細構成と、両制御ブロック間の接続の様子を示すものである。
【0080】対DA卓制御ブロック60−hは、収容している各管制卓1−aとの回線に接続している複数(ここでは4個とする)の卓回線トランク62−1〜62−4と、全ての対DAライン制御ブロック61−1〜61−I及び他の全ての対DA卓制御ブロック60−1〜60−H(60−hは除く)の各回線に接続しているH+I−1個のブロック間回線トランク63−1〜63−(H+I−1)と、収容管制卓1−aと任意の対DAライン制御ブロック61−iとの通話路、及び収容管制卓1−aと他の任意の管制卓1−a1との通話路を設定する時分割通話路スイッチ64と、卓回線トランク62−k(kは1〜4)からの制御情報やブロック間回線トランク63−m(mは1〜H+I−1)からの監視制御情報や制御情報に従って時分割通話路スイッチ64に通話路を設定させたり出回線側の回線トランク63−m又は62−kに所定状態の監視制御情報又は制御情報を与えて符号化音声信号に多重させたりする中央処理モジュール65から形成されている。
【0081】この実施例の卓回線トランク62−kは、管制卓1−aとの通信はピンポン伝送であるので、ピンポン伝送インタフェース機能を有している。卓回線トランク62−kは、ピンポン伝送の受信タイミングにおいて受信信号における制御情報を中央処理モジュール65に与え、中央処理モジュール65から指示されたタイミングで符号化音声信号を時分割通話路スイッチ64に与え、また、時分割通話路スイッチ64から与えられた符号化音声信号と中央処理モジュール65から与えられた監視制御情報又は制御情報とを多重してピンポン伝送の送信タイミングにおいて収容している管制卓1−aに送信するものである。
【0082】対DA卓制御ブロック60−h及び対DAライン制御ブロック61−i間、及び、2個の対DA卓制御ブロック60−h及び60−h1間は、送信用及び受信用の別個の信号ラインで接続されており、全2重通信が行なわれる。
【0083】ブロック間回線トランク63−mは、時分割通話路スイッチ64から与えられた符号化音声信号と中央処理モジュール65から与えられた制御情報とを多重して対DAライン制御ブロック61−i又は他の対DA卓制御ブロック60−h1(h1は1〜H:但しhは除く)に送信し、対DAライン制御ブロック61−i又は他の対DA卓制御ブロック60−h1から受信した受信信号における監視制御情報又は制御情報を中央処理モジュール65に与え、中央処理モジュール65から指示されたタイミングで符号化音声信号を時分割通話路スイッチ64に与えるものである。
【0084】中央処理モジュール65は、その通信状態において実行するプログラムや各種データを記憶しているメモリを内蔵しており、卓回線トランク62−kからの制御情報やブロック間回線トランク63−mからの監視制御情報に従って時分割通話路スイッチ64に通話路を設定させたり出回線側の回線トランク63−m又は62−kに所定状態の監視制御情報又は制御情報を与える。この制御ブロック60−hにおける中央処理モジュール65も、図8に示すと同様なワンタッチボタン/タイムスロット対応テーブルを有する。
【0085】一方、各DAライン制御ブロック61−iもほぼ同様な構成を有する。すなわち、収容している後述する各回線インタフェースシート5−jとの回線に接続している複数(ここでは4個とする)のDA回線トランク66−1〜66−4と、全ての対DA卓制御ブロック60−1〜60−Hとの各回線に接続しているH個のブロック間回線トランク67−1〜67−Hと、任意の回線インタフェースシート5−jと任意の対DA卓制御ブロック60−hとの通話路を設定する時分割通話路スイッチ68と、DA回線トランク66−n(nは1〜4)からの監視制御情報やブロック間回線トランク67−hからの制御情報に従って時分割通話路スイッチ68に通話路を設定させたり出回線側の回線トランク66−n又は67−hに所定状態の制御情報又は監視制御情報を与えて符号化音声信号に多重させたりする中央処理モジュール69から形成されている。
【0086】この実施例のDA回線トランク66−nは、回線インタフェースシート5−jとの通信はピンポン伝送であるので、ピンポン伝送インタフェース機能を有しており、ピンポン伝送の受信タイミングにおいて受信した受信信号における監視制御情報を中央処理モジュール69に与え、中央処理モジュール69から指示されたタイミングで符号化音声信号を時分割通話路スイッチ68に与え、また、時分割通話路スイッチ68から与えられた符号化音声信号と中央処理モジュール65から与えられた制御情報とを多重してピンポン伝送の送信タイミングにおいて収容している回線インタフェースシート5−jに送信するものである。
【0087】ブロック間回線トランク67−hは、時分割通話路スイッチ68から与えられた符号化音声信号と中央処理モジュール69から与えられた監視制御情報とを多重して対DA卓制御ブロック60−hに送信し、対DA卓制御ブロック60−hからの受信信号における制御情報を中央処理モジュール69に与え、中央処理モジュール69から指示されたタイミングで符号化音声信号を時分割通話路スイッチ68に与えるものである。
【0088】中央処理モジュール69は、その通信状態において実行するプログラムや各種データを記憶しているメモリを内蔵しており、DA回線トランク66−nからの監視制御情報やブロック間回線トランク67−hからの制御情報に従って時分割通話路スイッチ68に通話路を設定させたり出回線側の回線トランク67−h又は66−nに所定状態の制御情報又は監視制御情報を与える。
【0089】図11は、対DA卓制御ブロック60−h及び対DAライン制御ブロック61−i間、並びに、2個の対DA卓制御ブロック60−h及び60−h1間で授受されるフレーム構成を示すものであり、各対DA卓制御ブロック60−hが収容(収容可能な最大数)している管制卓1−aが4個の場合である。
【0090】対DA卓制御ブロック60−hから対DAライン制御ブロック61−iへの送信フレームは、図11R>1(a)に示すように、所定周期(例えば125μc)を有するものであり、この所定周期を収容管制卓数(4個)で等分した時間(タイムスロット)毎に、各管制卓1−aについての信号を挿入している。各管制卓1−aについての信号は、管制卓1−aから与えられた符号化音声信号と、管制卓1−aから与えられたり又はそれに応じて中央処理モジュール65が形成した制御情報(CONT)とでなる。制御情報(CONT)は、例えば、送信要求である発信信号であったり、DA回線からの発信に対する着信応答信号であったりする。
【0091】2個の対DA卓制御ブロック60−h及び60−h1間で授受されるフレームの構成は、伝送方向に関係なく、図11(a)に示す通りである。この場合には、制御情報(CONT)として、発信信号、着信応答信号、ビジー信号等が挿入される。
【0092】対DAライン制御ブロック61−iから対DA卓制御ブロック60−hへの送信フレームも、図11R>1(b)に示すように、所定周期(例えば125μc)を有するものであり、この所定周期を収容管制卓数(4個)で等分した時間(タイムスロット)毎に、各管制卓1−aへ向かうDA回線についての信号を挿入している。各管制卓1−aへ向かうDA回線についての信号は、回線インタフェースシート5−jから与えられた符号化音声信号と、回線インタフェースシート5−jから与えられたり又はそれに応じて中央処理モジュール69が形成した監視制御情報(SV)とでなる。監視制御情報(SV)は、例えば、発信信号に対するビジー信号であったり、着信要求の着信信号であったりする。
【0093】対DA音声交換システム部4の動作は、対空音声交換システム部2の構成を示す図7と、当該対DA音声交換システム部4の構成を示す図12との比較から明らかなように、2段の制御ブロックによって交換処理を実行するという点で同一であり、その詳細は図7を用いて対空音声交換システム部2について記述したのと同様であるので、その動作の詳細説明は省略する。
【0094】(B-5) 回線インタフェース部5及び信号発生部6次に、回線インタフェース部5及び信号発生部6について、図面を参照しながら詳述する。
【0095】回線インタフェース部5は、図2に示すように、総DA回線数に等しい数だけの回線インタフェースシート5−1〜5−Jで構成されている。各回線インタフェースシート5−jの構成は図13に示す通りである。なお、1個の対DAライン制御ブロック61−iには、上述したように、最大所定個数(例えば4個)の回線インタフェースシート5−jが接続されている。
【0096】図13において、回線インタフェースシート5−jは、ピンポンインタフェース部80、コーデック部81、制御回路部82及びネットワーク回路部83から構成されている。
【0097】ピンポンインタフェース部80は、伝送ラインを介して対DAライン制御ブロック61−iに接続されているものである。ピンポンインタフェース部80は、対DA回線制御ブロック61−iからの信号を、ピンポン伝送の受信タイミングで取込み、その受信信号を多重分離し、分離した符号化音声信号をコーデック部81に与え、分離した制御情報を制御回路部82に与える。また、ピンポンインタフェース部80は、コーデック部81から与えられた符号化音声信号と、制御回路部82からの監視制御情報とを多重し、ピンポン伝送の送信タイミングにおいて、対DA回線制御ブロック61−iに出力するものである。
【0098】コーデック部81は、ピンポンインタフェース部80からの符号化音声信号を復号すると共にアナログ信号に変換、増幅して、ネットワーク回路部83を介してそのとき選択されているDA回線に出力するものであり、また、ネットワーク回路部83を介してDA回線側から与えられた音声信号をデジタル信号に変換し、符号化してピンポンインタフェース部80に与えるものである。
【0099】制御回路部82は、ピンポンインタフェース部80からの発信要求や着信応答等の制御情報をネットワーク回路部83に与え、また、ネットワーク回路部83からの着信要求や発信応答等の監視制御情報をピンポンインタフェース部80に与えるものである。
【0100】ネットワーク回路83は、DA回線との呼制御信号及び音声信号の授受を行なうものである。なお、ネットワーク回路83は、呼制御の所定段階で必要となるリンガ信号やSF(単周波)信号は、信号発生部6内のリンガ発生部84、又は、SF信号発生部85が発生した信号を用いる。なお、信号発生部6は、図2に示すように、危険分散のために2重化されている。
【0101】(B-6)クロック発生部7クロック発生部7は、詳細構成の図示は省略するが、時刻発生部及び可聴音発生部等を備えた2重化構成でなる。
【0102】クロック発生部7は、対空音声交換システム部2において、対空卓制御ブロック40−cが管制卓1−aとピンポン伝送するために必要となるタイミング信号や、対空卓制御ブロック40−c及び対空チャンネル制御ブロック41−d間の信号授受の同期をとるためのクロック信号や、対空チャンネル制御ブロック41−dがチャンネルインタフェースシート3−eとピンポン伝送するために必要となるタイミング信号や、対DA音声交換システム部4において、対DA卓制御ブロック60−hが管制卓1−aとピンポン伝送するために必要となるタイミング信号や、対DA卓制御ブロック60−h及び対DA回線制御ブロック61−i間、並びに、2個の対DA卓制御ブロック60−h及び60−h1間の信号授受の同期をとるためのクロック信号や、対DA回線制御ブロック61−iが回線インタフェースシート5−jとピンポン伝送するために必要となるタイミング信号を発生する。また、呼制御段階や状況によって、対空卓制御ブロック40−cや対DA卓制御ブロック60−h等が適宜必要とする可聴音を発生するものである。
【0103】(B-7)保守コンソール9及び保守インタフェース部10保守インタフェース部10は2重化構成をとっている。各保守インタフェース部10は、保守コンソール9から与えられた運用データや試験データ等を、対空卓制御ブロック40−cや対空チャンネル制御ブロック41−dや対DA卓制御ブロック60−hや対DAライン制御ブロック61−i等に与えるものである。また、保守インタフェース部10は、対空卓制御ブロック40−cや対空チャンネル制御ブロック41−dや対DA卓制御ブロック60−hや対DAライン制御ブロック61−i等から、保守用情報を取出して保守コンソール9に与えて表示等させるものである。
【0104】この実施例の場合、各対空卓制御ブロック40−cにおける中央処理モジュール45が内蔵するワンタッチボタン/タイムスロット対応テーブルの内容(テーブルパターン)や、各対DA卓制御ブロック60−hにおける中央処理モジュール65が内蔵するワンタッチボタン/タイムスロット対応テーブルの内容(テーブルパターン)を、保守機能を用いて更新できる。
【0105】この場合、具体的なテーブルパターンは、保守コンソール9から入力されて、保守インタフェース部10を介して所定の制御ブロックに与えられ、そのテーブルパターンに基づいて管制卓1−aが動作する。
【0106】各制御ブロックにおいては、保守用情報の入出力ポート(図7及び図12では図示を省略している)から、かかるテーブルパターンが入力されて中央処理モジュールに与えられ、中央処理モジュールは、ワンタッチボタン/タイムスロット対応テーブルの内容をその入力テーブルパターンに変更する。また、管制卓1−aにおいては、パターン表示部28(1d)が係るテーブルパターンの表示データを受信して、対空系操作ユニット26及び対DA系操作ユニット27上のモニタ装置に適宜表示させる。
【0107】なお、ハードウェアを構築するに当っては、クロック発生部7と各制御ブロックとの間のクロック供給線に保守用情報を多重する構成も可能である。
【0108】(C)障害対策用の冗長構成以下、この実施例の特徴である障害対策用の冗長構成について説明する。なお、以上のシステムの基本的構成の説明で用いた図面では、説明の簡単化のために、障害対策用の冗長構成の図示を省略しているが、以下に説明するような冗長構成が設けられているものである。
【0109】(C-1) 対空チャンネル制御ブロック、チャンネルインタフェースシートの障害対策用冗長構成まず、対空チャンネル制御ブロックの障害対策用冗長構成の一例について、図面を参照しながら詳述する。ここで、図1がこの対空チャンネル制御ブロックの障害対策用冗長構成を示すものである。
【0110】図1において、現用の上述したD個の対空チャンネル制御ブロック41−1〜41−Dに加えて、この例では、1個の予備の対空チャンネル制御ブロック(特許請求の範囲における第1又は第2の予備単位電子交換ブロックに相当する)41−STBが設けられている。この予備の対空チャンネル制御ブロック41−STBを含め、D+1個の対空チャンネル制御ブロック41−1〜41−D及び41−STBはそれぞれ、図5に示したように、全ての対空卓制御ブロック40−1〜40−Cに接続されており、逆に、各対空卓制御ブロック40−1〜40−Cはそれぞれ、予備のものを含めた全ての対空チャンネル制御ブロック41−1〜41−D及び41−STBに接続されている。
【0111】なお、図1においては、図示の簡略化のために、このような正しくは図5に示すような接続を点線で囲んでいるように簡単に記載している。
【0112】予備の対空チャンネル制御ブロック41−STBは、各対空チャンネル制御ブロック41−1、…、41−Dが有するタイムスロット/チャンネル対応テーブルを全て内蔵しており、いずれの対空チャンネル制御ブロック41−1、…、41−Dの代りにも動作できるようになされている。
【0113】現用の各対空チャンネル制御ブロック41−1、…、41−Dは、収容する所定個数(例えば4個)でなる各チャンネルインタフェースシート群3−411、…、3−41Dに対して、例えばリレー回路構成の切替部91を介して接続されている。切替部91は、D個の切替スイッチ部91−1〜91−Dからなる。各切替スイッチ部91−1、…、91−Dにおいて、第1の切替端子は対応する現用の対空チャンネル制御ブロック41−1、…、41−Dに接続され、第2の切替端子は予備の対空チャンネル制御ブロック41−STBに接続され、共通端子は対応するチャンネルインタフェースシート群3−411、…、3−41Dに接続されている。なお、各切替スイッチ部91−1、…、91−Dは、接続しているチャンネルインタフェースシート群3−411、…、3−41Dにおけるシート数(最大シート数)だけのスイッチ要素からなる。
【0114】なお、図1では、対空チャンネル制御ブロック41−d又は41−STBと切替スイッチ部91−dとの間、及び、切替スイッチ部91−dとチャンネルインタフェースシート群3−41dとの間の接続を1本の線で示しているが、実際上は、対空チャンネル制御ブロック41−dがチャンネルインタフェースシート3−eを収容可能な最大数に応じた数の信号線で接続されている。
【0115】障害時の切替は、監視装置90による制御で行なわれる。監視装置90は、図2における保守コンソール9や保守インタフェース部10や、図示しない統括卓等でなるものである。
【0116】次に、監視装置90の制御下で実行される、ある対空チャンネル制御ブロック41−dに障害が発生した場合の予備系への切替動作を説明する。
【0117】監視装置90は、監視動作によって、対空チャンネル制御ブロック41−dに障害が発生したことを認識すると、そのことを、全ての対空卓制御ブロック40−1〜40−Cに通知すると共に、予備の対空チャンネル制御ブロック41−STBにも通知する。また、監視装置90は、障害が発生した対空チャンネル制御ブロック41−dに対応する切替スイッチ部91−dを予備の対空チャンネル制御ブロック41−STBに接続させるように切替えさせる。
【0118】このとき、各対空卓制御ブロック40−1〜40−Cにおいては、障害が発生した対空チャンネル制御ブロック41−dとの信号授受経路の代りに、予備の対空チャンネル制御ブロック41−STBとの信号授受経路を確立する。また、予備の対空チャンネル制御ブロック41−STBにおいては、対空チャンネル制御ブロック41−dについてのタイムスロット/チャンネル対応テーブルを用いて交換動作を行なう。
【0119】このようにして、ある対空卓制御ブロック40−cと、障害が発生した対空チャンネル制御ブロック41−dに収容されているチャンネルインタフェースシート群3−41dとの間は、予備の対空チャンネル制御ブロック41−STB及び切替スイッチ部91−dを介して接続される。
【0120】図14は、対空チャンネル制御ブロック(及びチャンネルインタフェースシート)の障害対策用冗長構成の他の一例を示すものである。
【0121】図14において、この例は、対空チャンネル制御ブロック及びチャンネルインタフェースシート群の組として、予備のもの(41−STB及び3−41STB)を持たせ、チャンネルインタフェースシート群3−411〜3−41Dと図示しない無線機(無線チャンネル)との間に、予備の対空チャンネル制御ブロック41−STB及びチャンネルインタフェースシート群3−41STBの組に障害時に切り替えるための切替部92を設けたものである。なお、各チャンネルインタフェースシート3−eには、現用無線機及び予備無線機が接続されているため、切替部92内において、現用無線機に対応した切替スイッチ部92−11〜92−D1と、予備無線機に対応した切替スイッチ部92−12〜92−D2とが設けられている。動作は、図1に示した冗長構成とほぼ同様であるのでその説明は省略する。
【0122】図1に示した例は、冗長構成を簡単なものとできる。一方、図14に示した例は、チャンネルインタフェースシート3−eの障害にも対応できる。
【0123】(C-2) 対DAライン制御ブロック、回線インタフェースシートの障害対策用冗長構成次に、対DAライン制御ブロックの障害対策用冗長構成の一例について、図面を参照しながら詳述する。ここで、図15がこの対DAライン制御ブロックの障害対策用冗長構成を示すものである。
【0124】図15において、現用の上述したI個の対DAライン制御ブロック61−1〜61−Iに加えて、この例では、2個の予備の対DAライン制御ブロック(特許請求の範囲における第1又は第2の予備単位電子交換ブロックに相当する)61−STB1及び61−STB2が設けられている。これら2個の予備の対DAライン制御ブロック61−STB1及び61−STB2を含め、I+2個の対DAライン制御ブロック61−1〜61−I及び61−STB1、61−STB2はそれぞれ、図10に示したように、全ての対DA卓制御ブロック60−1〜60−Hに接続されており、逆に、各対DA卓制御ブロック60−1、…、60−Hはそれぞれ、予備のものを含めた全ての対DAライン制御ブロック61−1〜61−I及び61−STB1、61−STB2に接続されている。
【0125】なお、図15においては、図示の簡略化のために、このような正しくは図10に示すような接続を点線で囲んでいるように簡単に記載している。
【0126】第1の予備の対DAライン制御ブロック61−STB1は、一部の対DAライン制御ブロック61−1〜61−P(P<I)の障害時の予備のものであり、これら対DAライン制御ブロック61−1〜61−Pが有するタイムスロット/DA回線対応テーブルを全て内蔵しており、いずれの対DAライン制御ブロック61−1、…、61−Pの代りに動作できるようになされている。
【0127】一方、第2の予備の対DAライン制御ブロック61−STB2は、残りの対DAライン制御ブロック61−(P+1)〜61−Iの障害時の予備のものであり、これら対DAライン制御ブロック61−(P+1)〜61−Iが有するタイムスロット/DA回線対応テーブルを全て内蔵しており、いずれの対DAライン制御ブロック61−(P+1)、…、61−Iの代りに動作できるようになされている。
【0128】なお、2個の予備の対DAライン制御ブロック61−STB1及び61−STB2がどの制御ブロックの予備にするかの割振りを、例えば、DA回線(広義)の種類によって行なうようにしても良い。すなわち、例えば、狭義のDA回線に係る対DAライン制御ブロック61−1〜61−Pの予備として第1の予備の対DAライン制御ブロック61−STB1を機能させ、磁石式電話機やDA/IA共用回線に係る対DAライン制御ブロック61−(P+1)〜61−Iの予備として第2の予備の対DAライン制御ブロック61−STB2を機能させるように割り振っても良い。
【0129】現用のP個の各対DAライン制御ブロック61−1、…、61−Pは、収容する所定個数(例えば4個)でなる各回線インタフェースシート群5−611、…、5−61Pに対して、例えばリレー回路構成の切替部93を介して接続されており、現用の他の各対DAライン制御ブロック61−(P+1)、…、61−Iは、収容する所定個数(例えば4個)でなる各回線インタフェースシート群5−61(P+1)、…、5−61Iに対して、例えばリレー回路構成の切替部94を介して接続されている。
【0130】切替部93は、P個の切替スイッチ部93−1〜93−Pからなる。各切替スイッチ部93−1、…、93−Pにおいて、第1の切替端子は対応する対DAライン制御ブロック61−1、…、61−Pに接続され、第2の切替端子は第1の予備の対DAライン制御ブロック61−STB1に接続され、共通端子は対応する回線インタフェースシート群5−611、…、5−61Pに接続されている。なお、各切替スイッチ部93−1、…、93−Pは、接続している回線インタフェースシート群5−611、…、5−61Pにおけるシート数(最大シート数)だけのスイッチ要素からなる。切替部94は、切替部93と同様な構成を有するのでその説明は省略する。
【0131】なお、図15では、対DAライン制御ブロック61−i又は61−STB1、61−STB2と、切替スイッチ部93−p(pは1〜P)又は切替スイッチ部94−q(qはP+1〜I)との間の接続等を1本の線で示しているが、実際上は、対DAライン制御ブロック61−iが回線インタフェースシート5−jを収容可能な最大数に応じた数の信号線で接続されている。
【0132】この場合も、障害時の切替は、監視装置90による制御で行なわれる。ここで、監視装置90は、第1及び第2の予備の対DAライン制御ブロック61−STB1及び61−STB2が、どの対DAライン制御ブロックに対する予備であるかの情報を格納している。
【0133】以下、監視装置90の制御下で実行される、ある対DAライン制御ブロック61−pに障害が発生した場合の予備系への切替動作を説明する。
【0134】監視装置90は、監視動作によって、対DAライン制御ブロック61−pに障害が発生したことを認識すると、そのことを、全ての対DA卓制御ブロック60−1〜60−Hに通知すると共に、対DAライン制御ブロック61−pに対する予備である第1の予備の対DAライン制御ブロック61−STB1にも通知する。また、監視装置90は、障害が発生した対DAライン制御ブロック61−pに対応する切替部93の切替スイッチ部93−pを第1の予備の対DAライン制御ブロック61−STB1に接続させるように切替えさせる。
【0135】このとき、各対DA卓制御ブロック60−1〜60−Iにおいては、障害が発生した対DAライン制御ブロック61−pとの信号授受経路の代りに、第1の予備の対DAライン制御ブロック61−STB1との信号授受経路を確立する。また、第1の予備の対DAライン制御ブロック61−STB1においては、障害が発生した対DAライン制御ブロック61−pについてのタイムスロット/DA回線対応テーブルを用いて交換動作を行なう。
【0136】このようにして、ある対DA卓制御ブロック60−hと、障害が発生した対DAライン制御ブロック61−pに本来収容されている回線インタフェースシート群5−61pとの間は、第1の予備の対DAライン制御ブロック61−STB1及び切替スイッチ部93−pを介して接続される。
【0137】図16は、対DAライン制御ブロック(及び回線インタフェースシート)の障害対策用冗長構成の他の一例を示すものである。
【0138】図16において、この例は、対DAライン制御ブロック及び回線インタフェースシート群の組として、予備のもの(61−STB1及び5−61STB1の組と、61−STB2及び5−61STB2の組)を持たせ、回線インタフェースシート群5−611〜5−61P、5−61(P+1)〜5−61Iと図示しないDA回線との間に、障害時に予備系に切り替えるための切替部93及び94を設けたものである。動作は、図15R>5に示した冗長構成とほぼ同様であるのでその説明は省略する。
【0139】図15に示した例は、冗長構成を簡単なものとできる。一方、図16に示した例は、回線インタフェースシート5−jの障害にも対応できる。
【0140】(C-3) 対空卓制御ブロック、対DA卓制御ブロックの障害対策用冗長構成次に、対空卓制御ブロックの障害対策用冗長構成例について、図面を参照しながら詳述する。ここで、図17がこの対空卓制御ブロックの障害対策用冗長構成を示すものである。
【0141】図17において、現用の上述したC個の対空卓制御ブロック40−1〜40−Cに加えて、この例では、1個の予備の対空卓制御ブロック(特許請求の範囲における第2又は第1の予備単位電子交換ブロックに相当する)40−STBが設けられている。この予備の対空卓制御ブロック40−STBを含め、C+1個の対空卓制御ブロック40−1〜40−C及び40−STBはそれぞれ、図5に示したように、全ての対空チャンネル制御ブロック41−1〜41−Dに接続されており、逆に、各対空チャンネル制御ブロック41−1〜41−Dはそれぞれ、予備のものを含めた全ての対空卓制御ブロック40−1〜40−C及び40−STBに接続されている。
【0142】なお、図17においても、図示の簡略化のために、このような正しくは図5に示すような接続を点線で囲んでいるように簡単に記載している。
【0143】予備の対空卓制御ブロック40−STBは、現用の各対空卓制御ブロック40−1、…、40−Cが有するワンタッチボタン/タイムスロット対応テーブルを全て内蔵しており、いずれの対空卓制御ブロック40−1、…、40−Cの代りとして動作できるようになされている。
【0144】現用の各対空卓制御ブロック40−1、…、40−Cは、収容する所定個数(例えば4個)でなる各管制卓群1−401、…、1−40Cに対して、例えばリレー回路構成の切替部95を介して接続されている。切替部95は、C個の切替スイッチ部95−1〜95−Cからなる。各切替スイッチ部95−1、…、95−Cにおいて、第1の切替端子は対応する現用の対空卓制御ブロック40−1、…、40−Cに接続され、第2の切替端子は予備の対空卓制御ブロック40−STBに接続され、共通端子は対応する管制卓群1−401、…、1−40Cに接続されている。なお、各切替スイッチ部95−1、…、95−Cは、接続している管制卓群1−401、…、1−40Cにおける卓数(最大接続卓数)だけのスイッチ要素からなる。
【0145】なお、図17でも、対空卓制御ブロック40−c又は40−STBと切替スイッチ部95−cとの間、及び、切替スイッチ部95−cと管制卓群1−40cとの間の接続を1本の線で示しているが、実際上は、対空卓制御ブロック40−cが管制卓1−aを収容可能な最大数に応じた数の信号線で接続されている。
【0146】この場合も、障害時の切替は、監視装置90による制御で行なわれる。以下、監視装置90の制御下で実行される、ある対空卓制御ブロック40−cに障害が発生した場合の予備系への切替動作を説明する。
【0147】監視装置90は、監視動作によって、対空卓制御ブロック40−cに障害が発生したことを認識すると、障害が発生した対空卓制御ブロック40−cに対応する切替スイッチ部95−cを予備の対空卓制御ブロック40−STBに接続させるように切替えさせる。また、監視装置90は、そのことを、全ての対空チャンネル制御ブロック41−1〜41−Dに通知すると共に、予備の対空卓制御ブロック40−STBにも通知する。
【0148】これにより、障害が生じた対空卓制御ブロック40−cに収容されていた管制卓群1−40cは、切替スイッチ部95−cを介して、予備の対空卓制御ブロック40−STBに収容される。予備の対空卓制御ブロック40−STBにおいては、障害が生じた対空卓制御ブロック40−cについてのワンタッチボタン/タイムスロット対応テーブルが参照されて交換動作が実行される。また、各対空チャンネル制御ブロック41−1、…、41−Dにおいては、対空卓制御ブロック40−cとの信号授受経路の代りに、予備の対空卓制御ブロック40−STBとの信号授受経路を確立する。すなわち、各対空チャンネル制御ブロック41−1、…、41−Dは、予備の対空卓制御ブロック40−STBから与えられた信号を障害が生じた対空卓制御ブロック40−cから与えられたものとして処理し、逆に、対空卓制御ブロック40−cに与えようとする信号を予備の対空卓制御ブロック40−STBに与える。
【0149】このようにして、障害が発生した対空卓制御ブロック40−cに収容されている管制卓群1−40cと、ある対空チャンネル制御ブロック41−dとの間は、切替スイッチ部95−c及び予備の対空卓制御ブロック40−STBを介して接続される。
【0150】図18は、対DA卓制御ブロックの障害対策用冗長構成例を示すものである。図17及び図18の比較から明らかなように、対空系及び対DA系という違いはあるが、対DA卓制御ブロックの障害対策用冗長構成は、対空卓制御ブロックの障害対策用冗長構成と同様に動作するので、その説明は省略する。但し、予備の対DA卓制御ブロック60−STBが、管制卓間の通信にも介在できる点は異なっている。
【0151】以上、制御ブロックの種類毎に障害対策用冗長構成について図面を参照して説明したが、これらの制御ブロックの種類毎の冗長構成は、実施例の空港管制用通信システムが全て有するものである。図面の紙面の大きさの制約上から、制御ブロックの種類毎に説明したに過ぎない。なお、上記のような障害対策用の冗長構成を一部の制御ブロックの種類についてのみ採用することもできる。
【0152】(D)実施例の効果上記実施例によれば、電子交換システムの1種に該当する対空音声交換システム部2を、複数の対空卓制御ブロック40−1〜40−Cと複数の対空チャンネル制御ブロック41−1〜41−Dとを図5に示すように接続し、かつ、図16に示すように予備の対空卓制御ブロック40−STBを設け、及び又は、図1に示すように予備の対空チャンネル制御ブロック41−STBを設けて構成したので、対空音声交換システム部2に障害が発生しても、障害による通信停止時間を短縮でき、また、障害の影響が及ぶ範囲をごく狭くできる。
【0153】すなわち、複数の対空卓制御ブロックと複数の対空チャンネル制御ブロックとの2段構成とし、段間では、ある制御ブロックが他の段の全ての制御ブロックに接続させているので、例えば、第1の対空卓制御ブロック40−1に障害が発生した瞬間では、この第1の対空卓制御ブロック40−1が収容している管制卓群1−401が対空系の通信を実行できなくなるが、予備の対空卓制御ブロック40−STBに直ちに切り替わって、それら管制卓群1−401を用いた通信を直ちに再開できる。
【0154】従って、予備系の切替え以前においても障害が影響する範囲を狭くでき、予備系への切替え後には障害の影響が及んでいる範囲はなく、しかも、通信を同一の管制卓を用いて直ちに再開できる。
【0155】因みに、任意の管制卓1−aと任意のチャンネルインタフェースシート3−eとを接続するように交換するのには、従来構成を有する1個の電子交換システムを介在させることで行なうこともできる。すなわち、管制用通信システムの場合、管制卓1−aの数も無線チャンネルの数もさほど多くないので、従来構成を有する1個の電子交換システムで十分に交換することができる。しかし、従来構成を有する1個の電子交換システムの場合には、障害が発生すると全ての管制卓1−1〜1−Aが通信を実行できなくなり、この不都合を避けるように2重化すると、今まで予備系であった電子交換システムを立ち上げるのにかなりの時間を要して通信停止時間が長くならざるを得ない。従って、上記実施例の構成とすることが好ましい。
【0156】また、上記実施例においては、対空音声交換システム部2を、それぞれが1個の電子交換システムである、複数の対空卓制御ブロック40−1〜40−Cと複数の対空チャンネル制御ブロック41−1〜41−Dとで構成しているので、管制卓の数や無線チャンネルの数から見ると、多くの電子交換システムを用いていることになる。しかし、空港管制用通信システムにおいては、危険分散等の観点から通信停止時間や通信不可能チャンネル数の軽減が特に求められており、構成の大型化よりは、かかる要求を満足させている点で上記実施例の効果の意義は大きい。
【0157】以上のような障害による通信停止時間を短縮でき、また、障害の影響が及ぶ範囲をごく狭くできるという効果は、電子交換システムの1種に該当する対DA音声交換システム部4についても同様に言うことができる。
【0158】従って、対空音声交換システム部2及び対DA音声交換システム部4を用いている管制用通信システムについても、障害による通信停止時間を短縮でき、また、障害の影響が及ぶ範囲をごく狭くできるという効果が得られる。
【0159】(E)他の実施例上記実施例においては、各制御ブロックの予備の制御ブロックが1又は2個のものを示したが、3個以上あっても良い。2個以上ある場合において、図15のように、各予備の制御ブロックが異なる現用の制御ブロックを担当しても良く、また、各予備の制御ブロックがどの現用の制御ブロックの予備として動作するようにしても良い。後者の場合、各予備の制御ブロックに対して、その時点の障害個数によって駆動順番を定めても良い。
【0160】また、上記実施例においては、予備の制御ブロックが各現用の制御ブロックに関する交換経路情報を内蔵しているものを示したが、監視装置にその情報を格納しておき、障害発生時に監視装置が予備の制御ブロックにその情報を与えるものであっても良い。
【0161】上記実施例においては、管制卓及び対空卓制御部間、対空チャンネル制御部及びチャンネルインタフェース部間、管制卓及び対DA卓制御部間、対DA回線制御部及び回線インタフェース部間の伝送方式としてピンポン伝送方式に従うものを示したが、本発明はこれに限定されず、全2重や半2重の伝送方式に従うものであっても良い。
【0162】また、対空音声交換システム部及び対DA音声交換システム部内の制御ブロック間での伝送において、音声信号と、制御情報及び監視制御情報とを、別個の信号ラインで伝送するものであっても良い。
【0163】さらに、通信に供する信号は、音声信号だけでなく、画像信号やデータ信号であっても良い。
【0164】上記実施例における対空音声交換システム部や対DA音声交換システム部等の電子交換システムは、空港管制用通信システムに適用されるだけでなく、航空路管制用通信システムや船舶管制用通信システムにも適用でき、また、管制目的の通信システムだけでなく、障害による通信停止時間の短縮化や障害影響の縮小化が求められる他の通信システムにも適用することができる。
【0165】適用通信システムによっては、電子交換システムを以下のようにしても良い。無線チャンネル収容の電子交換システムを、対DA音声交換システム部のように構成しても良い。また、有線回線収容の電子交換システムを、対空音声交換システム部のようにしても良い。また、段が異なる全ての制御ブロック(単位電子交換ブロック)だけでなく、同一段の他の全ての制御ブロックに、いずれの段の制御ブロック共に接続するようにしても良い。
【0166】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、内部を、複数の第1の単位電子交換ブロックと複数の第2の単位電子交換ブロックとの2段構成とし、段間では、ある単位電子交換ブロックが他の段の全ての単位電子交換ブロックに接続させ、かつ、第1の単位電子交換ブロックの予備として機能する1又は2以上の第1の予備単位電子交換ブロック及び又は第2の単位電子交換ブロックの予備として機能する1又は2以上の第2の予備単位電子交換ブロックを設けて、監視装置が第1の切替部及び又は第2の切替部を駆動して適宜予備のものと切り替えるように電子交換システムを構成したので、また、そのような構成の電子交換システムを用いて通信システムを構成したので、複数の第1の交換対象回線と、複数の第2の交換対象回線との交換接続を行なうことができ、しかも、いずれかの単位電子交換ブロックに障害が発生したとしても、その障害が影響する範囲を非常に狭くでき、また、予備の単位交換ブロックに切り替えることで直ちに通信を再開できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の対空チャンネル制御ブロックの冗長構成例(その1)を示すブロック図である。
【図2】実施例の空港管制用通信システムを示すブロック図である。
【図3】実施例の管制卓の詳細構成を示すブロック図である。
【図4】実施例の操作ユニット上の操作子及び表示素子の配置を示す図である。
【図5】実施例の対空音声交換システム部(電子交換システム)を示すブロック図である。
【図6】実施例の対空卓制御ブロック及び対空チャンネル制御ブロック間の授受フレームの構成図である。
【図7】実施例の対空卓制御ブロック及び対空チャンネル制御ブロックの詳細構成を示すブロック図である。
【図8】実施例のワンタッチボタン/タイムスロット対応テーブルの説明図である。
【図9】実施例のチャンネルインタフェースシートの詳細構成を示すブロック図である。
【図10】実施例の対DA音声交換システム部(電子交換システム)を示すブロック図である。
【図11】実施例の対DA卓制御ブロック及び対DA回線制御ブロック間の授受フレームの構成図である。
【図12】実施例の対DA卓制御ブロック及び対DA回線制御ブロックの詳細構成を示すブロック図である。
【図13】実施例の回線インタフェース部の詳細構成を示すブロック図である。
【図14】実施例の対空チャンネル制御ブロックの冗長構成例(その2)を示すブロック図である。
【図15】実施例の対DAライン制御ブロックの冗長構成例(その1)を示すブロック図である。
【図16】実施例の対DAライン制御ブロックの冗長構成例(その2)を示すブロック図である。
【図17】実施例の対空卓制御ブロックの冗長構成例を示すブロック図である。
【図18】実施例の対DA卓制御ブロックの冗長構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1−1〜1−A…管制卓(端末装置)、
2…対空音声交換システム部(電子交換システム)、
3−1〜3−E…チャンネルインタフェースシート、
4…対DA音声交換システム部(電子交換システム)、
5−1〜5−J…回線インタフェースシート、
40−1〜40−C…対空卓制御ブロック(第1又は第2の単位電子交換ブロック)、
40−STB…予備の対空卓制御ブロック(第2又は第1の予備単位電子交換ブロック)、
41−1〜41−D…対空チャンネル制御ブロック(第2又は第1の単位電子交換ブロック)、
41−STB…予備の対空チャンネル制御ブロック(第1又は第2の予備単位電子交換ブロック)、
60−1〜60−H…対DA卓制御ブロック(第1又は第2の単位電子交換ブロック)、
60−STB…予備の対空卓制御ブロック(第1又は第2の予備単位電子交換ブロック)、
61−1〜61−I…対DA回線制御ブロック(第2又は第1の単位電子交換ブロック)、
61−STB1、61−STB2…予備の対DA回線制御ブロック(第1又は第2の予備単位電子交換ブロック)、
90…監視装置、
91〜95…切替部(第1又は第2の切替部)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の第1の交換対象回線と、複数の第2の交換対象回線との交換接続を行なう電子交換システムにおいて、2個の入出力部間において内蔵する交換経路情報に従って交換処理を行なう、一方の入出力部において異なる上記第1の交換対象回線を複数収容している複数の第1の単位電子交換ブロックと、上記各第1の単位電子交換ブロックに代って交換処理を実行できる1又は2以上の第1の予備単位電子交換ブロックと、ある上記第1の単位電子交換ブロックが収容している複数の上記第1の交換対象回線を上記第1の予備単位電子交換ブロックに接続させることができる第1の切替部と、いずれかの上記第1の単位電子交換ブロックに障害が発生したとき、上記第1の切替部を駆動して、障害が発生した上記第1の単位電子交換ブロックが収容している複数の上記第1の交換対象回線を上記第1の予備単位電子交換ブロックに接続させる監視装置と、2個の入出力部間において、内蔵する交換経路情報に従って交換処理を行なう、複数の第2の単位電子交換ブロックとを備え、上記各第1の単位電子交換ブロックは、上記第1の切替部を介して、一方の入出力部において異なる上記第1の交換対象回線を複数収容すると共に、他方の入出力部において、全ての上記第2の単位電子交換ブロックと接続し、上記各第1の予備単位電子交換ブロックは、上記第1の切替部を介して、一方の入出力部において異なる上記第1の交換対象回線を複数収容可能であると共に、他方の入出力部において、全ての上記第2の単位電子交換ブロックと接続し、上記各第2の単位電子交換ブロックは、一方の入出力部において、全ての上記第1の単位電子交換ブロックと全ての上記第1の予備単位電子交換ブロックと接続すると共に、他方の入出力部において、異なる上記第2の交換対象回線を複数収容していることを特徴とする電子交換システム。
【請求項2】 請求項1に記載の電子交換システムにおいて、上記各第2の単位電子交換ブロックに代って交換処理を実行できる1又は2以上の第2の予備単位電子交換ブロックと、ある上記第2の単位電子交換ブロックが収容している複数の上記第2の交換対象回線を上記第2の予備単位電子交換ブロックに接続させることができる第2の切替部とを設け、上記監視装置が、いずれかの上記第2の単位電子交換ブロックに障害が発生したとき、上記第2の切替部を駆動して、障害が発生した上記第2の単位電子交換ブロックが収容している複数の上記第2の交換対象回線を上記第2の予備単位電子交換ブロックに接続させ、上記各第1の単位電子交換ブロックは、上記第1の切替部を介して、一方の入出力部において異なる上記第1の交換対象回線を複数収容すると共に、他方の入出力部において、全ての上記第2の単位電子交換ブロック及び全ての上記第2の予備単位電子交換ブロックと接続し、上記各第1の予備単位電子交換ブロックは、上記第1の切替部を介して、一方の入出力部において異なる上記第1の交換対象回線を複数収容可能であると共に、他方の入出力部において、全ての上記第2の単位電子交換ブロック及び全ての上記第2の予備単位電子交換ブロックと接続し、上記各第2の単位電子交換ブロックは、一方の入出力部において、全ての上記第1の単位電子交換ブロックと全ての上記第1の予備単位電子交換ブロックと接続すると共に、他方の入出力部において、異なる上記第2の交換対象回線を複数収容し、上記各第2の予備単位電子交換ブロックは、上記第2の切替部を介して、一方の入出力部において異なる上記第2の交換対象回線を複数収容可能であると共に、他方の入出力部において、全ての上記第1の単位電子交換ブロック及び全ての上記第1の予備単位電子交換ブロックと接続していることを特徴とする電子交換システム。
【請求項3】 請求項1又は2に記載の電子交換システムにおいて、上記各第1の単位電子交換ブロック又は上記各第1の予備単位電子交換ブロックが、他方の入出力部において、他の全ての上記第1の単位電子交換ブロック及び他の全ての上記第1の予備単位電子交換ブロックとも接続していることを特徴とする電子交換システム。
【請求項4】 請求項3に記載の電子交換システムにおいて、上記各第2の単位電子交換ブロック又は上記各第2の予備単位電子交換ブロックが、一方の入出力部において、他の全ての上記第2の単位電子交換ブロックと及び又は他の全ての上記第2の予備単位電子交換ブロックとも接続していることを特徴とする電子交換システム。
【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の電子交換システムを用いた通信システムであって、上記各第1の交換対象回線がそれぞれ別個の端末装置に接続され、上記各第2の交換対象回線がそれぞれ別個の無線チャンネル用のチャンネルインタフェース部に接続されていることを特徴とする通信システム。
【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の電子交換システムを用いた通信システムであって、上記各第1の交換対象回線がそれぞれ別個の端末装置に接続され、上記各第2の交換対象回線がそれぞれ別個の有線回線用の回線インタフェース部に接続されていることを特徴とする通信システム。
【請求項7】 複数の端末装置がそれぞれ無線チャンネルとも有線回線とも接続可能な通信システムであって、上記各端末装置と無線チャンネル用の各チャンネルインタフェース部との間を請求項2に記載の電子交換システムが交換し、上記各端末装置と有線回線用の各回線インタフェース部との間、及び、2個の上記端末装置間を請求項3に記載の電子交換システムが交換することを特徴とする通信システム。
【請求項8】 複数の管制卓がそれぞれ、無線チャンネルを介して管制対象の移動体と通信可能であると共に、有線回線を介して関係管制設備と通信可能である管制用の通信システムであって、上記各管制卓と無線チャンネル用の各チャンネルインタフェース部との間を請求項2に記載の電子交換システムが交換し、上記各管制卓と有線回線用の各回線インタフェース部との間、及び、2個の上記管制卓間を請求項3に記載の電子交換システムが交換することを特徴とする通信システム。
【請求項9】 請求項8に記載の通信システムにおいて、無線チャンネル用の電子交換システムにおける上記第2の予備単位電子交換ブロックに対応した予備のチャンネルインタフェース部を設け、障害発生時に、第2の予備単位電子交換ブロック及び予備のチャンネルインタフェース部を組として切り替えることを特徴とした通信システム。
【請求項10】 請求項8又は9に記載の通信システムにおいて、有線回線用の電子交換システムにおける上記第2の予備単位電子交換ブロックに対応した予備の回線インタフェース部を設け、障害発生時に、第2の予備単位電子交換ブロック及び予備の回線インタフェース部を組として切り替えることを特徴とした通信システム。
【請求項1】 複数の第1の交換対象回線と、複数の第2の交換対象回線との交換接続を行なう電子交換システムにおいて、2個の入出力部間において内蔵する交換経路情報に従って交換処理を行なう、一方の入出力部において異なる上記第1の交換対象回線を複数収容している複数の第1の単位電子交換ブロックと、上記各第1の単位電子交換ブロックに代って交換処理を実行できる1又は2以上の第1の予備単位電子交換ブロックと、ある上記第1の単位電子交換ブロックが収容している複数の上記第1の交換対象回線を上記第1の予備単位電子交換ブロックに接続させることができる第1の切替部と、いずれかの上記第1の単位電子交換ブロックに障害が発生したとき、上記第1の切替部を駆動して、障害が発生した上記第1の単位電子交換ブロックが収容している複数の上記第1の交換対象回線を上記第1の予備単位電子交換ブロックに接続させる監視装置と、2個の入出力部間において、内蔵する交換経路情報に従って交換処理を行なう、複数の第2の単位電子交換ブロックとを備え、上記各第1の単位電子交換ブロックは、上記第1の切替部を介して、一方の入出力部において異なる上記第1の交換対象回線を複数収容すると共に、他方の入出力部において、全ての上記第2の単位電子交換ブロックと接続し、上記各第1の予備単位電子交換ブロックは、上記第1の切替部を介して、一方の入出力部において異なる上記第1の交換対象回線を複数収容可能であると共に、他方の入出力部において、全ての上記第2の単位電子交換ブロックと接続し、上記各第2の単位電子交換ブロックは、一方の入出力部において、全ての上記第1の単位電子交換ブロックと全ての上記第1の予備単位電子交換ブロックと接続すると共に、他方の入出力部において、異なる上記第2の交換対象回線を複数収容していることを特徴とする電子交換システム。
【請求項2】 請求項1に記載の電子交換システムにおいて、上記各第2の単位電子交換ブロックに代って交換処理を実行できる1又は2以上の第2の予備単位電子交換ブロックと、ある上記第2の単位電子交換ブロックが収容している複数の上記第2の交換対象回線を上記第2の予備単位電子交換ブロックに接続させることができる第2の切替部とを設け、上記監視装置が、いずれかの上記第2の単位電子交換ブロックに障害が発生したとき、上記第2の切替部を駆動して、障害が発生した上記第2の単位電子交換ブロックが収容している複数の上記第2の交換対象回線を上記第2の予備単位電子交換ブロックに接続させ、上記各第1の単位電子交換ブロックは、上記第1の切替部を介して、一方の入出力部において異なる上記第1の交換対象回線を複数収容すると共に、他方の入出力部において、全ての上記第2の単位電子交換ブロック及び全ての上記第2の予備単位電子交換ブロックと接続し、上記各第1の予備単位電子交換ブロックは、上記第1の切替部を介して、一方の入出力部において異なる上記第1の交換対象回線を複数収容可能であると共に、他方の入出力部において、全ての上記第2の単位電子交換ブロック及び全ての上記第2の予備単位電子交換ブロックと接続し、上記各第2の単位電子交換ブロックは、一方の入出力部において、全ての上記第1の単位電子交換ブロックと全ての上記第1の予備単位電子交換ブロックと接続すると共に、他方の入出力部において、異なる上記第2の交換対象回線を複数収容し、上記各第2の予備単位電子交換ブロックは、上記第2の切替部を介して、一方の入出力部において異なる上記第2の交換対象回線を複数収容可能であると共に、他方の入出力部において、全ての上記第1の単位電子交換ブロック及び全ての上記第1の予備単位電子交換ブロックと接続していることを特徴とする電子交換システム。
【請求項3】 請求項1又は2に記載の電子交換システムにおいて、上記各第1の単位電子交換ブロック又は上記各第1の予備単位電子交換ブロックが、他方の入出力部において、他の全ての上記第1の単位電子交換ブロック及び他の全ての上記第1の予備単位電子交換ブロックとも接続していることを特徴とする電子交換システム。
【請求項4】 請求項3に記載の電子交換システムにおいて、上記各第2の単位電子交換ブロック又は上記各第2の予備単位電子交換ブロックが、一方の入出力部において、他の全ての上記第2の単位電子交換ブロックと及び又は他の全ての上記第2の予備単位電子交換ブロックとも接続していることを特徴とする電子交換システム。
【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の電子交換システムを用いた通信システムであって、上記各第1の交換対象回線がそれぞれ別個の端末装置に接続され、上記各第2の交換対象回線がそれぞれ別個の無線チャンネル用のチャンネルインタフェース部に接続されていることを特徴とする通信システム。
【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の電子交換システムを用いた通信システムであって、上記各第1の交換対象回線がそれぞれ別個の端末装置に接続され、上記各第2の交換対象回線がそれぞれ別個の有線回線用の回線インタフェース部に接続されていることを特徴とする通信システム。
【請求項7】 複数の端末装置がそれぞれ無線チャンネルとも有線回線とも接続可能な通信システムであって、上記各端末装置と無線チャンネル用の各チャンネルインタフェース部との間を請求項2に記載の電子交換システムが交換し、上記各端末装置と有線回線用の各回線インタフェース部との間、及び、2個の上記端末装置間を請求項3に記載の電子交換システムが交換することを特徴とする通信システム。
【請求項8】 複数の管制卓がそれぞれ、無線チャンネルを介して管制対象の移動体と通信可能であると共に、有線回線を介して関係管制設備と通信可能である管制用の通信システムであって、上記各管制卓と無線チャンネル用の各チャンネルインタフェース部との間を請求項2に記載の電子交換システムが交換し、上記各管制卓と有線回線用の各回線インタフェース部との間、及び、2個の上記管制卓間を請求項3に記載の電子交換システムが交換することを特徴とする通信システム。
【請求項9】 請求項8に記載の通信システムにおいて、無線チャンネル用の電子交換システムにおける上記第2の予備単位電子交換ブロックに対応した予備のチャンネルインタフェース部を設け、障害発生時に、第2の予備単位電子交換ブロック及び予備のチャンネルインタフェース部を組として切り替えることを特徴とした通信システム。
【請求項10】 請求項8又は9に記載の通信システムにおいて、有線回線用の電子交換システムにおける上記第2の予備単位電子交換ブロックに対応した予備の回線インタフェース部を設け、障害発生時に、第2の予備単位電子交換ブロック及び予備の回線インタフェース部を組として切り替えることを特徴とした通信システム。
【図3】
【図1】
【図2】
【図4】
【図6】
【図5】
【図7】
【図8】
【図11】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
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【公開番号】特開平7−193625
【公開日】平成7年(1995)7月28日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平5−330697
【出願日】平成5年(1993)12月27日
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【公開日】平成7年(1995)7月28日
【国際特許分類】
【出願日】平成5年(1993)12月27日
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
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