電子会議システム及びドキュメント共有方法
【課題】 トラヒック量を低減して短時間でドキュメントの追加・削除を行うこと。
【解決手段】
複数のクライアント端末とドキュメント共有サーバとを接続する電子会議システムであって、クライアント端末が、ドキュメントを保存するドキュメント記憶部と、該ドキュメントの表示状態情報を記憶する状態記憶部と、ドキュメントのタイムスタンプを記憶するタイムスタンプ記憶部とを含み、あるクライアント端末のドキュメントの表示状態を変更したとき、該あるクライアント端末が状態記憶部に記憶したドキュメントの表示状態情報を前記ドキュメント共有サーバに送信し、該ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信した表示状態情報を状態記憶部に記憶し、所定の時間が経過したことを同期タイマーが計数したとき、他のクライアント端末に状態記憶部に記憶した表示状態情報を他のクランアント端末に転送するもの。
【解決手段】
複数のクライアント端末とドキュメント共有サーバとを接続する電子会議システムであって、クライアント端末が、ドキュメントを保存するドキュメント記憶部と、該ドキュメントの表示状態情報を記憶する状態記憶部と、ドキュメントのタイムスタンプを記憶するタイムスタンプ記憶部とを含み、あるクライアント端末のドキュメントの表示状態を変更したとき、該あるクライアント端末が状態記憶部に記憶したドキュメントの表示状態情報を前記ドキュメント共有サーバに送信し、該ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信した表示状態情報を状態記憶部に記憶し、所定の時間が経過したことを同期タイマーが計数したとき、他のクライアント端末に状態記憶部に記憶した表示状態情報を他のクランアント端末に転送するもの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IP(Internet Protocol)ネットワークを介した利用者間において電子会議を開催する電子会議システム及びドキュメント共有方法に係り、特に電子会議において使用するキュメントの転送及び共有を効率的に行うことができる電子会議システム及びドキュメント共有方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IPネットワークあるいはインターネットを介して遠隔地間において電子会議を開催することができる電子会議システムが運用されている。この電子会議システムにおいては、会議参加者がドキュメントを参照しながら会議を進行することが多々ある。従来技術による前記ドキュメントデータを共有する方法は、各ドキュメントをHTML形式等のコンテナ文書に埋め込み、ブラウザを用いて閲覧する方法が多く用いられている。また、表示装置に表示している画面そのものを画像データとして転送することにより、ドキュメントのファイル形式に依存せず共有が可能な方法が使用されている。
【0003】
尚、前述したデータ共有方法に関する技術が記載された文献としては、例えば以下の特許文献が挙げられる。
【特許文献1】特開2003−30121号公報
【特許文献2】特開平09−101767号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の従来技術によるドキュメントをHTML形式等のコンテナ文書に埋め込み、ブラウザを用いて閲覧する方法は、HTML変換を伴うために、データを共有するまでの時間が冗長になり、このため会議中にドキュメントを追加しようとすると、会話の流れが途切れてしまうと言う不具合があった。
【0005】
また、前記画面そのものを画像データとして転送する方法は、画像データをそのまま転送しているため、トラフィック量が大きく、クライアント端末が多数存在する大規模会議の際にはトラフィック量が端末数に比例して増大するため、音声・映像などの他の通信に悪影響を及ぼすと言う不具合があった。
【0006】
本発明の第1目的は、前記従来技術による不具合を辞去することであり、短時間でドキュメントの追加・削除を行うことができる電子会議システム及びドキュメント共有方法を提供することであり、第2の目的は、トラヒック量を低減してドキュメントの同期を取ることができる電子会議システム及びドキュメント共有方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため本発明は、複数のクライアント端末とドキュメント共有サーバとをIPネットワークを介して接続する電子会議システムにおいて、
前記クライアント端末が、ドキュメントを保存するドキュメント記憶部と、該ドキュメント記憶部に記憶したドキュメントの表示状態情報を記憶する状態記憶部と、前記ドキュメントのタイムスタンプを記憶するタイムスタンプ記憶部とを含み、
前記ドキュメント共有サーバが、前記クライアント端末から送信されたドキュメントを記憶するドキュメント記憶部と、該ドキュメントの表示状態情報を記憶する状態記憶部と、前記ドキュメント記憶部又は状態記憶部にドキュメント又は表示状態を記憶したときから時間の計数を開始する同期タイマー部とを含み、
一方のクライアント端末のドキュメントの表示状態を変更したとき、該一方のクライアント端末が状態記憶部に記憶したドキュメントの表示状態情報を前記ドキュメント共有サーバに送信し、
該ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信した表示状態情報を状態記憶部に記憶し、該記憶したときから所定の時間が経過したことを同期タイマーが計数したとき、他のクライアント端末に前記状態記憶部に記憶した表示状態情報を他のクランアント端末に転送し、
該ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信した表示状態情報を状態記憶部に記憶し、他のクライアント端末に前記状態記憶部に記憶した表示状態情報を他のクランアント端末に転送し、
一方のクライアント端末のドキュメントを変更したとき、該一方のクライアント端末がドキュメント記憶部に記憶したドキュメントを前記ドキュメント共有サーバに送信し、
該ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信したドキュメントをドキュメント記憶部に記憶し、他のクライアント端末に前記ドキュメント記憶部に記憶したドキュメントを他のクランアント端末に転送することを第1の特徴とする。
【0008】
更に本発明は、前記電子会議システムにおいて、前記他のクライアント端末が、ドキュメント共有サーバから転送されたドキュメント表示状態情報又はドキュメントのタイムスタンプとタイムスタンプ記憶部に記憶したタイムスタンプとを比較し、最新のタイムスタンプの表示状態情報又はドキュメントをドキュメント記憶部又は状態記憶部に記憶した表示状態情報又はドキュメントを更新することにより、複数のクライアント端末のドキュメント表示を連携すること第2の特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記何れかの電子会議システムにおいて、前記表示状態情報が、前記一方のクライアント端末のドキュメントの表示状態を変更したアプリケーション上のスクロール位置とカーソル位置と閲覧及び編集の際の表示に関する情報を含む事を第3の特徴とし、前記何れかの電子会議システムにおいて、電子会議システムのIPネットワーク上にSIPサーバを設け、電子会議に参加するクライアント端末が、該SIPサーバを介して前記ドキュメント共有サーバのIPアドレスとポート番号を取得することを第4の特徴とし、該電子会議システムにおいて、前記クライアント端末が、前記SIPサーバを介して前記ドキュメント共有サーバのIPアドレスとポート番号を取得した後、ドキュメント共有サーバのドキュメント記憶部及び状態記憶部からドキュメント及び該ドキュメントの表示状態情報を取得し、該クライアント端末のドキュメント記憶部及び状態記憶部に記憶することを第5の特徴とし、前記何れかの電子会議システムにおいて、前記クライアント端末が、ドキュメント追加ボタンとドキュメント共有一時停止ボタンとドキュメント更新ボタンを含む操作画面アイコンを画面を表示し、ドキュメントを追加する追加機能とドキュメントの共有を一時停止する一時停止機能とドキュメントを更新する更新機能を備えることを第6の特徴とする。
【0010】
更に本発明は、ドキュメントを保存するドキュメント記憶部と該ドキュメント記憶部に記憶したドキュメントの表示状態情報を記憶する状態記憶部と前記ドキュメントのタイムスタンプを記憶するタイムスタンプ記憶部とを含む前記クライアント端末と、該クライアント端末から送信されたドキュメントを記憶するドキュメント記憶部と該ドキュメントの表示状態情報を記憶する状態記憶部と前記ドキュメント記憶部又は状態記憶部にドキュメント又は表示状態を記憶したときから時間の計数を開始する同期タイマー部とを含むドキュメント共有サーバとから成り、複数のクライアント端末とドキュメント共有サーバとをIPネットワークを介して接続する電子会議システムのドキュメント共有方法において、
一方のクライアント端末のドキュメントの表示状態を変更したとき、該一方のクライアント端末が状態記憶部に記憶したドキュメントの表示状態情報を前記ドキュメント共有サーバに送信するステップと、
該ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信した表示状態情報を状態記憶部に記憶し、他のクライアント端末に前記状態記憶部に記憶した表示状態情報を他のクランアント端末に転送するステップとを実行し、
一方のクライアント端末のドキュメントを変更したとき、該一方のクライアント端末がドキュメント記憶部に記憶したドキュメントを前記ドキュメント共有サーバに送信するステップと、
該ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信したドキュメントをドキュメント記憶部に記憶し、他のクライアント端末に前記ドキュメント記憶部に記憶したドキュメントを他のクランアント端末に転送するステップとを実行することを第7の特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記ドキュメント共有方法において、前記ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信した表示状態情報を状態記憶部に記憶し、該記憶したときから所定の時間が経過したことを同期タイマーが計数したとき、他のクライアント端末に前記状態記憶部に記憶した表示状態情報を他のクランアント端末に転送するステップとを実行することにより、複数のクライアント端末のドキュメントの表示を連携することを第8の特徴とする。
【0012】
更に本発明は、前記何れかのドキュメント共有方法において、前記表示状態情報が、前記一方のクライアント端末のドキュメントの表示状態を変更したアプリケーション上のスクロール位置とカーソル位置と閲覧及び編集の際の表示に関する情報を含む事を第9の特徴とし、前記何れかのドキュメント共有方法において、前記電子会議システムのIPネットワーク上にSIPサーバを設け、電子会議に参加するクライアント端末が、該SIPサーバを介して前記ドキュメント共有サーバのIPアドレスとポート番号を取得するステップを含むことを第10の特徴とし、このドキュメント共有方法において、前記クライアント端末が、前記SIPサーバを介して前記ドキュメント共有サーバのIPアドレスとポート番号を取得するステップと、ドキュメント共有サーバのドキュメント記憶部及び状態記憶部からドキュメント及び該ドキュメントの表示状態情報を取得するステップと、該クライアント端末のドキュメント記憶部及び状態記憶部に記憶するステップとを含むことを第11の特徴とし、前記何れかのドキュメント共有方法において、前記クライアント端末が、ドキュメント追加ボタンとドキュメント共有一時停止ボタンとドキュメント更新ボタンを含む操作画面アイコンを画面を表示するステップとと、前記ドキュメント追加ボタンが操作されたときドキュメントを追加するステップと、前記ドキュメント共有一時停止ボタンが操作されたときドキュメントの共有を一時停止するステップと、前記ドキュメント更新ボタンが操作されたときドキュメントを更新するステップを含むことを第12の特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上述べた如く本発明によれば、ドキュメントをコンテナ文書等の形式に変換することなく転送するため、会議参加者の端末上で開くまでの時間を比較的短くすることができる。更に本発明は、ドキュメントの表示状態のみをパラメータとして送信するため、必要となるトラフィックを低減することができ、更にドキュメントそのものを転送して共有するため、更新されたドキュメントは共有前のドキュメント形式が保たれ、再利用を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明によるドキュメント共有方法を適用した電子会議システムの一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による電子会議システムの全体構成を説明するための図、図2は、本実施形態によるドキュメント共有クライアント構成を示す図、図3は、本実施形態によるドキュメント共有サーバ構成を示す図、図4は、本実施形態によるドキュメント共有開始から共有終了までの手順を示すシーケンス図、図5は、本実施形態によるSIPによるアドレス解決手順を示すシーケンス図、図6は、本実施形態によるSIPによるアドレス解決終了手順を示すシーケンス図、図7は、本実施形態によるドキュメント共有サーバへのログイン手順を示すシーケンス図、図8は、本実施形態によるドキュメント共有サーバからのログアウト手順を示すシーケンス図、図9は、本実施形態によるドキュメント表示状態の更新と同期手順を示すシーケンス図、図10は、本実施形態による複数のドキュメント表示状態の更新と競合解決・同期手順を示すシーケンス図、図11は、本実施形態によるドキュメント表示状態送信手順を示す図、図12は、本実施形態によるドキュメント追加手順を示すシーケンス図、図13は、本実施形態によるドキュメント追加手順を示す図、図14は、本実施形態によるドキュメント更新手順を示すシーケンス図、図15は、本実施形態によるドキュメント更新手順を示す図、図16は、本実施形態によるドキュメント共有クライアント操作画面を示す図である。
<構成の説明>
【0015】
本実施形態による電子会議システムは、図1に示す如く、電子会議に参加する各クライアントが操作する複数のクライアント端末120〜124と、電子会議で各クライアント端末120〜124が使用するドキュメント等を一時的に格納するドキュメント共有サーバ110と、前記クライアント端末120〜124とドキュメント共有サーバ110とのセッション開始プロトコルを制御するSIP(SessionInitiationProtocol)サーバ100と、前記各サーバを接続するIPネットワーク130とから構成されている。
【0016】
前記クライアント端末120〜124は、他のクライアント端末に表示するためのドキュメントデータである共有ドキュメント140と、この共有ドキュメント140を表示装置に表示した状態を示す共有ドキュメントの表示状態150を格納する機能を備える。尚、本実施形態で述べる「表示状態」とは、例えばドキュメント名とドキュメントタイプと該ドキュメントのスクロール表示パーセンテージと頁数等のドキュメントの画面上の表示状態を特定するための情報である。
【0017】
また前記ドキュメント共有サーバ110は、任意のクライアント端末から送信されたドキュメントデータである共有ドキュメント141と、この共有ドキュメント141のドキュメント表示状態151を格納する機能を備える。尚、ここでは共有ドキュメント141及びドキュメント表示状態151として説明するが、ハード構成としては、共有ドキュメント141を記憶する共有ドキュメント記憶部と、ドキュメント表示状態151を記憶するドキュメント表示状態記憶部が存在する。
【0018】
この電子会議システムは、前記クライアント端末120〜123が同一会議に参加し、前記クライアント端末124が別の会議に参加している状態を想定し、前記クライアント端末120〜123間のみで会議室1で使用するドキュメント141及びドキュメント表示状態151を共有し、前記クライアント端末124へ転送されないものとする。
<クライアント端末の説明>
【0019】
前記クライアント端末120は、図2に示す如く、少なくとも1つのドキュメント共有クライアント210を備え、該ドキュメント共有クライアント210は、ユーザのドキュメント操作を取得するためのマウスフック部215及びキーボードフック部216と、ドキュメント200の表示状態151を取得する状態取得部211と、前記取得した表示状態151をドキュメント共有サーバ110に送信するイベント送信部213と、ドキュメント共有サーバ110から他のクライアント端末のドキュメント表示状態を受信するイベント受信部214と、この受信したドキュメント表示状態をドキュメント200に反映させる状態設定部212と、ドキュメント表示状態を一時的に記憶する状態記憶部224と、ドキュメント追加または更新時にドキュメント200をドキュメント共有サーバ110に送信するドキュメント送信部218と、ドキュメントサーバから他のクライアント端末が追加または更新したドキュメントを受信するドキュメント受信部219と、ドキュメント200を表示(オープン)した時のタイムスタンプ(日時刻)222をコピーし保存するタイムスタンプ記憶部221と、ドキュメント受信部219で受信したときに受信したドキュメントのタイムスタンプとタイムスタンプ222を比較し、ドキュメント更新時は更新時のタイムスタンプ222とタイムスタンプ記憶部221に記憶されているタイムスタンプを比較するタイムスタンプ比較部220と、SIPサーバ100と通信してドキュメント共有サーバ110のIPアドレスとポート番号を取得するSIP部217とから構成され、本例では、1または複数のドキュメント200及びドキュメント200のタイムスタンプ222が共有フォルダ223に保存された状態で共有されている。また符号151は、前記ドキュメント表示状態の書式イメージであり、前記ドキュメント200は図示しないドキュメント記憶部に格納される。
【0020】
この様に構成されたクライアント端末120は、表示した時刻をタイムスタンプ222として付与したドキュメント200を表示し、オペレータ操作によりマウス又はキーボート操作によって画面スクロール等の状態変化が成されたとき、この操作をマウスフック部215又はキーボードフック部216が検出し、この検出した表示状態情報を状態取得部211が取得し、状態記憶部224に記憶すると共にイベント送信部213に転送すると、イベント送信部213が当該表示状態情報をソケット部230及びIPネットワーク130を介してドキュメント共有サーバ110に転送する機能を備える。
【0021】
またクライアント端末120は、表示したドキュメント200がオペレータによってマウス又はキーボート操作によって変更(文字の削除・挿入等)が成されたとき、この変更したドキュメント200をドキュメント送信部218がソケット部230及びIPネットワーク130を介してドキュメント共有サーバ110に転送する機能を備える。
【0022】
更にクライアント端末120は、ドキュメント共有サーバ110からIPネットワーク130及びソケット部230を介して他のクライアント端末からの表示状態情報及び変更されたドキュメントを、イベント受信部214及びドキュメント受信部219が受信し、タイムスタンプ記憶部221に記憶したタイムスタンプ(日付時刻)と受信した表示状態情報及びドキュメントのタイムスタンプをタイムスタンプ比較部220により比較し、タイムスタンプが新しい表示状態及びドキュメントを表示する機能を備えている。尚、他のクライアント端末も同様の構成・動作である。
<ドキュメント共有サーバの説明>
【0023】
前記ドキュメント共有サーバ110は、1または複数の会議が存在し、ドキュメント141及びドキュメント表示状態151が会議毎に異なるディレクトリに保存され、それぞれの会議には、会議IDと呼ばれる識別子300が付与され、参加者端末の識別子301と一意に対応づけられ、上記ドキュメント共有サーバ110上には、ドキュメント共有サーバ310が必ず1個存在している。
【0024】
前記状態を前提としてドキュメント共有サーバ310は、各会議で共有されるドキュメント141と、該ドキュメント141のドキュメント表示状態151と、参加者端末の識別子301を管理する会議管理部320と、前記クライアント端末120からのドキュメント表示状態を取得するイベント受信部322と、会議管理部320から前記クライアント端末120が参加している会議の他の参加者(本実施例では121〜123)のIPアドレスを取得し、ドキュメント表示状態を送信するイベント送信部321と、前記クライアント端末120が追加または更新したドキュメントを受信するドキュメント受信部324と、会議管理部320から前記クライアント端末120が参加している会議の他の参加者(本実施例では121〜123)のIPアドレスを取得し、前記ドキュメントを送信するドキュメント送信部323と、ドキュメント表示状態151受信後から一定時間後、同一会議の参加者端末全員にドキュメント表示状態151他を送信するための同期タイマー部325とを備える。尚、前記同期タイマー部325は、一定時間が経過すると、最後に受信したドキュメント表示状態を全会議参加者に送信する指令をイベント送信部321又はドキュメント送信部323に指示する機能を有する。
【0025】
このように構成されたドキュメント共有サーバ310は、クライアント端末から送信された表示状態情報及び変更されたドキュメントをIPネットワーク130及びソケット部230を介して受信し、イベント受信部322及びドキュメント受信部324を介して受信し、各会議室のドキュメント表示状態を同期タイマー部325に報告すると共に各会議室のドキュメント及びドキュメント表示状態を変更し、該各会議室のドキュメント表示状態をソケット部230及びIPネットワーク130を介して他のクライアント端末に送信し、同期タイマー部325からの同期タイミング(計数時間)に応じてイベント送信部321がソケット部230及びIPネットワーク130を介して他のクライアント端末に送信する機能を備える。
【0026】
ドキュメント共有サーバ310は、図5に示す如く、クライアント端末120上のドキュメント共有クライアント210が、起動時にドキュメント共有クライアント210上のSIP部217とSIPサーバ100間においてネゴシエーションを行い、ドキュメント共有サーバ110のIPアドレスとポート番号、会議IDを取得する手順を実行する第1の機能と、テレビ会議クライアントによって会議に参加している際、前記テレビ会議クライアントに搭載されているSIP機能により、ドキュメント共有サーバのIPアドレスとポート番号、会議IDを取得する手順を実行する第2の機能とを備えている。
<動作の説明>
【0027】
次いで本実施形態による電子会議システムの動作を説明する。図4は本電子会議システムによるドキュメント共有開始から終了までの手順概要を示す図、図5は図4中のSIPサーバ100によるクライアント端末120〜124とドキュメント共有サーバ110とのセッション開始プロトコルの手順400を示す図、図7はドキュメント共有クラスアント210がドキュメント共有サーバ310に対するログオン動作手順410の詳細を示す図である。
<ドキュメント共有開始から終了までの手順概要>
【0028】
まず、ドキュメント共有開始から終了までの手順は、図4に示す如く、クライアント端末上のドキュメント共有クライアント210が、ドキュメント共有サーバ110のIPアドレスとポート番号を取得する手順400を実行する。この手順400は、図5に示す如く、ドキュメント共有クライアント210がSIPサーバ100を介してリクエストINVITEをドキュメント共有サーバ310に発し、これを受けたドキュメント共有サーバ310がSIPサーバ100を介してRINGING(呼び出し)を行い、このドキュメント共有サーバ310のIPアドレスとポート番号を取得したドキュメント共有クライアント210がセッションを開始するように動作する。
【0029】
次いで本システムは、会議IDを元にドキュメント共有サーバ310へログインを行う手順410を実行する。この手順410は、図7に示す如く、ドキュメント共有クライアント210がドキュメント共有サーバ310にLogin700を発し、これを受けたドキュメント共有サーバ310がLogin応答701を受けることによって行われる。
【0030】
次いで本システムは、ドキュメント共有サーバ310が、ログインに成功したドキュメント共有クライアント210に対し、上記会議IDに対応した会議において現在共有されている全てのドキュメントを送信する手順460と、このドキュメント共有サーバ310による全てのドキュメントの送信が完了した後、ドキュメント共有クライアント210に最新のドキュメント表示状態を送信する手順461と、ドキュメント共有クライアント210が受信した全ての前記ドキュメントを表示した後、受信した前記ドキュメント表示状態を前記ドキュメントの表示状態に反映させる手順462とを実行ことによって共有を行うことができる。
【0031】
更に本システムは、例えばドキュメントの表示位置を変更する操作が行われたとき、ドキュメント表示状態の更新・表示状態の同期をとる手順420と、ドキュメントの内容が変更(挿入・削除・移動)されたとき、ドキュメント自体の更新・追加を行う手順430とを実行することによって、各クランアント端末間における表示しているドキュメントの同期をとることができる。
【0032】
更に本システムは、クライアント端末が会議P2P(PeerToPeer)通話または会議から切断・退出すると、クライアント端末上のドキュメント共有クライアント210がドキュメント共有サーバ310からログアウトする手順440と、セッションを終了する手順450と、前記ドキュメント共有サーバ310とのセッションを終了すると、ユーザに対し共有を行なっていたドキュメント200を保存するかどうか確認する手順453と、ユーザが保存を選択したときにユーザの指定場所へ前記ドキュメント200をコピーする手順454と、削除を行なう手順455とを順次実行することにより、共有したドキュメントそのものを再利用可能な形で保存することができる。
【0033】
即ち、本実施形態による電子会議システムは、内容の変更がないドキュメントの表示状態をカーソル等により移動して変化させたときには、その表示状態情報のみを転送することによって、トラヒック量を低減して短時間でドキュメントの表示状態の変更を行うことができる。尚、本電子会議システムにおいて、PeerToPeer(以降P2P)通話中に、共有するドキュメントを選択し、一時フォルダに前記ドキュメントをコピーし、前記ドキュメントを会議参加者ないし前記ドキュメント共有サーバに転送したのち、それぞれのクライアント端末上にてドキュメントを開き表示することもできる。
【0034】
本実施形態によるドキュメントの同期手順の概要は前述の通りであるが、以下、前記手順の詳細について説明する。
<クライアント端末のドキュメント表示状態の送信手順1>
前記クライアント端末のドキュメント表示状態の転送を行う手順461の詳細を図11を参照して説明するが、前提として、同一の会議にクライアント端末120〜123がすでに参加しており、それぞれ個別のディスプレイを見ながら同一のドキュメントを共有する複数の参加者のうち、いずれか一人の参加者(ここではクライアント端末120)がマウス又はキーボードを用いて上記ドキュメント200の操作を行うものとする。また、ドキュメント200は1つまたは複数であり、特別のアプリケーションを用いることなく、汎用のアプリケーションで表示することができるものとする。
【0035】
さて、本実施形態によるクライアント端末のドキュメント表示状態の送信手順(手順461)は、図11に示す如く、マウスフック部215及びキーボードフック部216が、ユーザのマウス又はキーボード操作をフックする手順1101と、現在マウス又はキーボード操作を受け付けるウィンドウの識別子とドキュメント200の各ウィンドウの識別子とを取得する手順1102と、どのドキュメントに対する操作であるかを判定する手順1103とを実行することによって、状態取得部211に通知を行う。
【0036】
次いで本手順は、状態取得部211が、前記ドキュメント200のうち、ファイルを閲覧・編集する際の画面表示に関わる部品の情報(例えばスクロールの位置、カーソルの位置、ウィンドウの位置・大きさなど)を、ドキュメント200のウィンドウの識別子を用いて取得する手順1104を実行する。本実施形態においては、このような技術として例えばMicrosoft(登録商標)社のObject Linking and Editing(以下OLE)技術を用いて、前記判定した操作の対象であるドキュメントが現在表示しているページやシート/スライド/スライドショー等の表示状態を取得している。
【0037】
次いで本手順は、状態取得部211がドキュメント表示状態を取得し、イベント送信部213に受け渡し、これを受けたイベント送信部213が、ドキュメント共有サーバ110にドキュメント表示状態を送信する手順1105と、この表示状態を受信したドキュメント共有サーバ110上のドキュメント共有サーバ310が、イベント受信部322がクライアント端末120からドキュメント表示状態を受信する手順1106と、会議管理部320に問い合わせ上記クライアント端末120と同じ会議の参加者(ここではクライアント端末121〜123)のIPアドレスの一覧を取得する手順1107と、イベント送信部321が、前記参加者に前記ドキュメント表示状態を送信する手順1108と、これを受けたクライアント端末121上のドキュメント共有クライアント210が、イベント受信部214にてドキュメント表示状態を受信する手順1109と、状態設定部212に受け渡し、これを受けた状態設定部212が、ドキュメント200の表示状態をOLEを用いて設定する手順1110を実行する。
【0038】
以上の手順を実行する手順461により本電子会議システムは、会議中のいずれか一人の参加者がドキュメントの操作をマウス又はキーボードを用いて行ったとき、ドキュメント共有サーバにログインしている会議参加者全員にその表示状態が送信されドキュメント表示状態を一致することができる。
【0039】
<ドキュメント表示状態の更新が複数同時に行われた場合>
<送信手順1>
次いで前記手順461によるドキュメント表示状態の更新が複数のクライアントにより略同時に行われた場合の同期手順を図9を参照して説明する。
本システムは、複数のクライアント端末がドキュメント表示状態をそれぞれ転送する手順901(表示状態Aの転送)に続いて手順906(表示状態Bの転送)が行われた場合、図9に示す如く、ドキュメント共有サーバ310がドキュメント表示状態Aを受信(手順902)し、該ドキュメント表示状態Aを転送したクライアント端末以外の全会議参加者に転送(手順905)した後、該受信によって同期タイマー部325のカウントを開始(手順903)するが、前記手順906により同期タイマー部325の設定時間経過前にドキュメント表示状態Bを受信(手順910)することにより同期タイマー部325のカウント(時間計数)をリセットし、該ドキュメント表示状態Bを転送したクライアント端末以外の全会議参加者に転送(手順911)した後、ドキュメント表示状態Bを受信したタイミングで同期タイマー部325のカウント(時間計数)を再開し、次いで同期タイマー部325が一定時間経過したときにドキュメント共有サーバ310に同期信号を発行(手順913)し、これを受けたドキュメント共有サーバ310が同期信号によって最後に受信したドキュメント表示状態(図9の場合はドキュメント表示状態B)を全会議参加者に転送するように動作する。
即ち本システムは、最後に受信したドキュメント表示状態を会議参加者のクライアント端末に転送するように動作する。
【0040】
<送信手順2>
また本システムは、図10に示す如く、前記ドキュメント共有サーバ310にほぼ同時にドキュメント表示状態が複数転送された場合であっても、前記ドキュメント共有サーバ310はドキュメント表示状態を同時に1つずつ受信し、前記同期手順1と同様に動作する。
【0041】
この手順1000は、図10の場合、表示状態Aと表示状態Bがほぼ同時に転送されているが、受信処理は状態B、状態Aの順で行なわれたため、共有ドキュメント200の状態は状態Aで一致する。このように上記ドキュメント表示状態の送信は、複数のクライアント端末が同時に行った場合、前記ドキュメント共有サーバ310にて最後に受信したドキュメント表示状態にて、会議参加中の全端末で一致する。すなわち、複数のユーザが同時にドキュメントの操作を行ってもよい。
【0042】
尚、ドキュメントは、通常、閲覧や編集を行う際にスクロールやカーソル・ページ移動を頻繁に行うため、上記のように複数のユーザが同時にドキュメントの操作を行なう場合は、転送を頻繁に双方向・多地点でやりとりする必要があるが、本実施形態によれば、前記やりとりを行なう情報量が表示状態情報量が小さいため、共有したいドキュメントの画像をやりとりする従来方法に比べ、ドキュメント表示状態の同期タイミング誤差・共有開始までの時間・同時に進行している会議への影響(映像や音声など)を小さくすることができる。
【0043】
<ドキュメントの追加手順の説明>
本実施形態による電子会議システムにおけるドキュメントの追加動作(図4における手順430)を図12及び図13を参照して説明する。図12はドキュメントの追加手順、図13はドキュメントの追加手順のシーケンス図である。本説明では、同一の会議にクライアント端末120〜123がすでに参加しているものとして説明する。
【0044】
このドキュメント追加の処理手順は、ユーザがクライアント端末120上のドキュメント共有クライアント210にドキュメントを追加する手順1200と、前記ドキュメント共有クライアント210が前記ドキュメントを共有フォルダにコピーする手順1201と、ドキュメント共有サーバ310に前記ドキュメントの送信権要求を行なう手順1202と、ドキュメント共有サーバ310からの要求応答を受信する手順1203と、該要求応答を判定する手順1204と、送信可能ならば前記ドキュメント共有サーバ310に共有ドキュメントを送信する手順1205と、ドキュメント共有サーバ310が共有ドキュメントを受信した応答を返す手順1206と、同一会議の参加者端末121〜123に前記共有ドキュメントを転送する手順1208と、前記同一会議の参加者端末は受信した前記共有ドキュメントを共有フォルダにコピーする手順1209と、コピーしたドキュメントを表示する手順1210と、ドキュメントを追加した前記ドキュメント共有クライアント210がドキュメント共有サーバ310からの共有ドキュメント受信応答を受信し、前記共有ドキュメントを表示する手順とを順次実行することによって行われる。
【0045】
この処理手順を図13を参照して説明すると、本処理手順は、まず、クライアント端末120上において、操作開始に続いて参加者Aがドキュメントを追加する手順1300〜1301と、参加者Aのクライアント端末上のドキュメント共有クライアントがドキュメントを共有フォルダにコピーする手順1302と、参加者Aのドキュメント共有クライアントがドキュメント送信の可否をドキュメント共有サーバに問い合わせる手順1303と、この問合せ結果を判定する手順1304と、該手順1304により送信可能と判定されたときに参加者Aがドキュメントをドキュメント共有サーバに送信する手順1306を順次実行する。
【0046】
次いで本処理手順は、ドキュメント共有サーバ110上において、前記手順1306によって受信したドキュメントをドキュメント共有サーバが受信する手順1309と、参加者Aに前記ドキュメント受信を通知する手順1310と、この受信したドキュメントを保存する手順1311と、参加者Aが参加している全会議参加者の情報を取得する手順1312と、参加者A以外の全参加者にドキュメントを送信する手順1313とを実行する。
【0047】
次いで本処理手順は、参加者A以外のドキュメント共有クライアント121等が前記送信されたドキュメントを受信する手順1314と、これらドキュメント共有クライアント121等がドキュメントを保存する手順1315と、該ドキュメントを表示する手順1316を表示する手順とを順次実行することによって、参加者Aが訂正した共有ドキュメントを各クランアント端末上に表示することができ、以上の方法により、ドキュメント共有中に共有ドキュメントを新たに追加することができる。
【0048】
<ドキュメントの更新手順の説明>
本実施形態による電子会議システムにおけるドキュメントの更新動作を図14及び図15を参照して説明する。図14はドキュメントの更新手順を示す図、図15はドキュメントの更新手順のシーケンス図である。
【0049】
このドキュメントの更新手順は、図14に示す如く、クライアント端末120上でドキュメント200に変更を加えた後、ドキュメント200を上書き保存した状態で、クライアント端末120上のドキュメント共有クライアント210の更新ボタンを押下する手順1400と、ドキュメント送信部218は共有開始時点と比較してドキュメント200のタイムスタンプが新しくなっているかを調べる手順1401と、新しくなっている場合は更新されたファイルと判定する手順1402と、送信権を確認する手順1403及び1404と、送信可能ならばドキュメント共有サーバ310に更新ファイルを転送する手順1405と、ドキュメント共有サーバ310から転送の応答を受信する手順1407と、更新ファイルを表示する手順1409と、更新前のドキュメント200を閉じる手順1412と、更新前のドキュメント200が閉じられたというドキュメント表示状態を前記ドキュメント共有サーバ310に転送する手順1413とを順次実行すことによって、ドキュメントの更新を行うことができる。
【0050】
<ドキュメント共有クライアントの操作画面の説明>
前記実施形態で説明したドキュメント共有クライアントの操作画面は、例えば図16の如くアイコン表示によって操作される。このドキュメント共有クライアント操作画面1600は、図16に示す如く、ドキュメント追加ボタン1601と、ドキュメント共有一時停止ボタン1602と、ドキュメント更新ボタン1603が配置されており、ユーザが前記ドキュメント共有クライアント操作画面上から操作を行なう事により、共有が開始されると自動的に前記操作画面を全面に表示させる事ができる。
【0051】
この動作の詳細を説明すると、本電子会議システムは、ドキュメント共有クライアント操作画面1600において、ドキュメント共有一時停止ボタン1602は、その押下によって、ドキュメント共有クライアント210がイベント受信部214によりドキュメント表示状態を受信し、前記ドキュメント表示状態を保持し、その後、状態設定部212にてドキュメント表示状態の設定を禁止すると共に、イベント送信部213からドキュメント表示状態を送信しない機能と、ドキュメント共有一時停止ボタン1602を押下によって、前記ドキュメント共有一時停止ボタンを押下したクライアント端末のドキュメント表示状態が、前記クライアント端末以外のドキュメント共有サーバにログインしている会議参加者間のドキュメント表示状態との同期を停止する機能と、ドキュメント共有クライアント操作画面1600上のドキュメント共有一時停止ボタン1602を押下し、且つ再度前記ドキュメント共有一時停止ボタン1602を押下によって、イベント受信部214で受信し保持しているドキュメント表示状態の中で前記ドキュメント共有一時停止ボタンを押下した時点に受信した時間が最も近いものを取得し、状態設定部212からドキュメント200に反映する機能とを備えることによって、ドキュメント共有クライアント210が状態設定部からドキュメントへのドキュメント表示状態の反映と、状態取得部211におけるドキュメント表示状態取得と、イベント送信部213からのドキュメント表示状態送信を開始することにより、前記クライアント端末以外のドキュメント共有サーバにログインしている会議参加者間のドキュメント表示状態との同期を再開することができる。
【0052】
この様に本実施形態による電子会議システム及びドキュメント共有方法は、内容の変更がないドキュメントの表示をカーソル等により移動したときには、その表示状態情報のみを転送することによって、トラヒック量を低減して短時間でドキュメントの追加・削除を行うことができる。即ち本発明は、同一のドキュメントを他の形式のファイルに変換すること無しに会議に参加中の複数の参加者に配布したのち、参加者全員が同一ドキュメントの同一の箇所を閲覧し、参加者のいずれかが上記ドキュメントを操作またはドキュメントの切り替えを行った場合、即座にその操作状況が参加者全員に反映することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態による電子会議システムの全体構成図。
【図2】本実施形態によるドキュメント共有クライアント構成を示す図。
【図3】本実施形態によるドキュメント共有サーバ構成を示す図。
【図4】本実施形態によるドキュメント共有開始から共有終了までの手順を示すシーケンス図。
【図5】本実施形態によるSIPによるアドレス解決手順を示すシーケンス図。
【図6】本実施形態によるSIPによるアドレス解決終了手順を示すシーケンス図。
【図7】本実施形態によるドキュメント共有サーバへのログイン手順を示すシーケンス図。
【図8】本実施形態によるドキュメント共有サーバからのログアウト手順を示すシーケンス図。
【図9】本実施形態によるドキュメント表示状態の更新と同期手順を示すシーケンス図。
【図10】本実施形態による複数のドキュメント表示状態の更新と競合解決・同期手順を示すシーケンス図。
【図11】本実施形態によるドキュメント表示状態送信手順を示す図。
【図12】本実施形態によるドキュメント追加手順を示すシーケンス図。
【図13】本実施形態によるドキュメント追加手順を示す図。
【図14】本実施形態によるドキュメント更新手順を示すシーケンス図。
【図15】本実施形態によるドキュメント更新手順を示す図。
【図16】本実施形態によるドキュメント共有クライアント操作画面を示す図。
【0054】
120〜124:クライアント端末、100:SIPサーバ、110:ドキュメント共有サーバ、130:IPネットワーク、140及び141:共有ドキュメント、150:表示状態情報、151:ドキュメント表示状態、200:共有ドキュメント、210:ドキュメント共有クライアント、211:状態取得部、212:状態設定部、213:イベント送信部、214:イベント受信部、215:マウスフック部、216:キーボードフック部、217:SIP部、218:ドキュメント送信部、219:ドキュメント受信部、220:タイムスタンプ比較部、221:タイムスタンプ記憶部、222:タイムスタンプ、223:共有フォルダ、224:状態記憶部、230:ソケット部、300:識別子、301:識別子、310:ドキュメント共有サーバ、320:会議管理部、321:イベント送信部、322:イベント受信部、323:ドキュメント送信部、324:ドキュメント受信部、325:同期タイマー部、1600:ドキュメント共有クライアント操作画面、1601:ドキュメント追加ボタン、1602:ドキュメント共有一時停止ボタン、1602:再度ドキュメント共有一時停止ボタン、1603:ドキュメント更新ボタン。
【技術分野】
【0001】
本発明は、IP(Internet Protocol)ネットワークを介した利用者間において電子会議を開催する電子会議システム及びドキュメント共有方法に係り、特に電子会議において使用するキュメントの転送及び共有を効率的に行うことができる電子会議システム及びドキュメント共有方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IPネットワークあるいはインターネットを介して遠隔地間において電子会議を開催することができる電子会議システムが運用されている。この電子会議システムにおいては、会議参加者がドキュメントを参照しながら会議を進行することが多々ある。従来技術による前記ドキュメントデータを共有する方法は、各ドキュメントをHTML形式等のコンテナ文書に埋め込み、ブラウザを用いて閲覧する方法が多く用いられている。また、表示装置に表示している画面そのものを画像データとして転送することにより、ドキュメントのファイル形式に依存せず共有が可能な方法が使用されている。
【0003】
尚、前述したデータ共有方法に関する技術が記載された文献としては、例えば以下の特許文献が挙げられる。
【特許文献1】特開2003−30121号公報
【特許文献2】特開平09−101767号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の従来技術によるドキュメントをHTML形式等のコンテナ文書に埋め込み、ブラウザを用いて閲覧する方法は、HTML変換を伴うために、データを共有するまでの時間が冗長になり、このため会議中にドキュメントを追加しようとすると、会話の流れが途切れてしまうと言う不具合があった。
【0005】
また、前記画面そのものを画像データとして転送する方法は、画像データをそのまま転送しているため、トラフィック量が大きく、クライアント端末が多数存在する大規模会議の際にはトラフィック量が端末数に比例して増大するため、音声・映像などの他の通信に悪影響を及ぼすと言う不具合があった。
【0006】
本発明の第1目的は、前記従来技術による不具合を辞去することであり、短時間でドキュメントの追加・削除を行うことができる電子会議システム及びドキュメント共有方法を提供することであり、第2の目的は、トラヒック量を低減してドキュメントの同期を取ることができる電子会議システム及びドキュメント共有方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため本発明は、複数のクライアント端末とドキュメント共有サーバとをIPネットワークを介して接続する電子会議システムにおいて、
前記クライアント端末が、ドキュメントを保存するドキュメント記憶部と、該ドキュメント記憶部に記憶したドキュメントの表示状態情報を記憶する状態記憶部と、前記ドキュメントのタイムスタンプを記憶するタイムスタンプ記憶部とを含み、
前記ドキュメント共有サーバが、前記クライアント端末から送信されたドキュメントを記憶するドキュメント記憶部と、該ドキュメントの表示状態情報を記憶する状態記憶部と、前記ドキュメント記憶部又は状態記憶部にドキュメント又は表示状態を記憶したときから時間の計数を開始する同期タイマー部とを含み、
一方のクライアント端末のドキュメントの表示状態を変更したとき、該一方のクライアント端末が状態記憶部に記憶したドキュメントの表示状態情報を前記ドキュメント共有サーバに送信し、
該ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信した表示状態情報を状態記憶部に記憶し、該記憶したときから所定の時間が経過したことを同期タイマーが計数したとき、他のクライアント端末に前記状態記憶部に記憶した表示状態情報を他のクランアント端末に転送し、
該ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信した表示状態情報を状態記憶部に記憶し、他のクライアント端末に前記状態記憶部に記憶した表示状態情報を他のクランアント端末に転送し、
一方のクライアント端末のドキュメントを変更したとき、該一方のクライアント端末がドキュメント記憶部に記憶したドキュメントを前記ドキュメント共有サーバに送信し、
該ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信したドキュメントをドキュメント記憶部に記憶し、他のクライアント端末に前記ドキュメント記憶部に記憶したドキュメントを他のクランアント端末に転送することを第1の特徴とする。
【0008】
更に本発明は、前記電子会議システムにおいて、前記他のクライアント端末が、ドキュメント共有サーバから転送されたドキュメント表示状態情報又はドキュメントのタイムスタンプとタイムスタンプ記憶部に記憶したタイムスタンプとを比較し、最新のタイムスタンプの表示状態情報又はドキュメントをドキュメント記憶部又は状態記憶部に記憶した表示状態情報又はドキュメントを更新することにより、複数のクライアント端末のドキュメント表示を連携すること第2の特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記何れかの電子会議システムにおいて、前記表示状態情報が、前記一方のクライアント端末のドキュメントの表示状態を変更したアプリケーション上のスクロール位置とカーソル位置と閲覧及び編集の際の表示に関する情報を含む事を第3の特徴とし、前記何れかの電子会議システムにおいて、電子会議システムのIPネットワーク上にSIPサーバを設け、電子会議に参加するクライアント端末が、該SIPサーバを介して前記ドキュメント共有サーバのIPアドレスとポート番号を取得することを第4の特徴とし、該電子会議システムにおいて、前記クライアント端末が、前記SIPサーバを介して前記ドキュメント共有サーバのIPアドレスとポート番号を取得した後、ドキュメント共有サーバのドキュメント記憶部及び状態記憶部からドキュメント及び該ドキュメントの表示状態情報を取得し、該クライアント端末のドキュメント記憶部及び状態記憶部に記憶することを第5の特徴とし、前記何れかの電子会議システムにおいて、前記クライアント端末が、ドキュメント追加ボタンとドキュメント共有一時停止ボタンとドキュメント更新ボタンを含む操作画面アイコンを画面を表示し、ドキュメントを追加する追加機能とドキュメントの共有を一時停止する一時停止機能とドキュメントを更新する更新機能を備えることを第6の特徴とする。
【0010】
更に本発明は、ドキュメントを保存するドキュメント記憶部と該ドキュメント記憶部に記憶したドキュメントの表示状態情報を記憶する状態記憶部と前記ドキュメントのタイムスタンプを記憶するタイムスタンプ記憶部とを含む前記クライアント端末と、該クライアント端末から送信されたドキュメントを記憶するドキュメント記憶部と該ドキュメントの表示状態情報を記憶する状態記憶部と前記ドキュメント記憶部又は状態記憶部にドキュメント又は表示状態を記憶したときから時間の計数を開始する同期タイマー部とを含むドキュメント共有サーバとから成り、複数のクライアント端末とドキュメント共有サーバとをIPネットワークを介して接続する電子会議システムのドキュメント共有方法において、
一方のクライアント端末のドキュメントの表示状態を変更したとき、該一方のクライアント端末が状態記憶部に記憶したドキュメントの表示状態情報を前記ドキュメント共有サーバに送信するステップと、
該ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信した表示状態情報を状態記憶部に記憶し、他のクライアント端末に前記状態記憶部に記憶した表示状態情報を他のクランアント端末に転送するステップとを実行し、
一方のクライアント端末のドキュメントを変更したとき、該一方のクライアント端末がドキュメント記憶部に記憶したドキュメントを前記ドキュメント共有サーバに送信するステップと、
該ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信したドキュメントをドキュメント記憶部に記憶し、他のクライアント端末に前記ドキュメント記憶部に記憶したドキュメントを他のクランアント端末に転送するステップとを実行することを第7の特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記ドキュメント共有方法において、前記ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信した表示状態情報を状態記憶部に記憶し、該記憶したときから所定の時間が経過したことを同期タイマーが計数したとき、他のクライアント端末に前記状態記憶部に記憶した表示状態情報を他のクランアント端末に転送するステップとを実行することにより、複数のクライアント端末のドキュメントの表示を連携することを第8の特徴とする。
【0012】
更に本発明は、前記何れかのドキュメント共有方法において、前記表示状態情報が、前記一方のクライアント端末のドキュメントの表示状態を変更したアプリケーション上のスクロール位置とカーソル位置と閲覧及び編集の際の表示に関する情報を含む事を第9の特徴とし、前記何れかのドキュメント共有方法において、前記電子会議システムのIPネットワーク上にSIPサーバを設け、電子会議に参加するクライアント端末が、該SIPサーバを介して前記ドキュメント共有サーバのIPアドレスとポート番号を取得するステップを含むことを第10の特徴とし、このドキュメント共有方法において、前記クライアント端末が、前記SIPサーバを介して前記ドキュメント共有サーバのIPアドレスとポート番号を取得するステップと、ドキュメント共有サーバのドキュメント記憶部及び状態記憶部からドキュメント及び該ドキュメントの表示状態情報を取得するステップと、該クライアント端末のドキュメント記憶部及び状態記憶部に記憶するステップとを含むことを第11の特徴とし、前記何れかのドキュメント共有方法において、前記クライアント端末が、ドキュメント追加ボタンとドキュメント共有一時停止ボタンとドキュメント更新ボタンを含む操作画面アイコンを画面を表示するステップとと、前記ドキュメント追加ボタンが操作されたときドキュメントを追加するステップと、前記ドキュメント共有一時停止ボタンが操作されたときドキュメントの共有を一時停止するステップと、前記ドキュメント更新ボタンが操作されたときドキュメントを更新するステップを含むことを第12の特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上述べた如く本発明によれば、ドキュメントをコンテナ文書等の形式に変換することなく転送するため、会議参加者の端末上で開くまでの時間を比較的短くすることができる。更に本発明は、ドキュメントの表示状態のみをパラメータとして送信するため、必要となるトラフィックを低減することができ、更にドキュメントそのものを転送して共有するため、更新されたドキュメントは共有前のドキュメント形式が保たれ、再利用を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明によるドキュメント共有方法を適用した電子会議システムの一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による電子会議システムの全体構成を説明するための図、図2は、本実施形態によるドキュメント共有クライアント構成を示す図、図3は、本実施形態によるドキュメント共有サーバ構成を示す図、図4は、本実施形態によるドキュメント共有開始から共有終了までの手順を示すシーケンス図、図5は、本実施形態によるSIPによるアドレス解決手順を示すシーケンス図、図6は、本実施形態によるSIPによるアドレス解決終了手順を示すシーケンス図、図7は、本実施形態によるドキュメント共有サーバへのログイン手順を示すシーケンス図、図8は、本実施形態によるドキュメント共有サーバからのログアウト手順を示すシーケンス図、図9は、本実施形態によるドキュメント表示状態の更新と同期手順を示すシーケンス図、図10は、本実施形態による複数のドキュメント表示状態の更新と競合解決・同期手順を示すシーケンス図、図11は、本実施形態によるドキュメント表示状態送信手順を示す図、図12は、本実施形態によるドキュメント追加手順を示すシーケンス図、図13は、本実施形態によるドキュメント追加手順を示す図、図14は、本実施形態によるドキュメント更新手順を示すシーケンス図、図15は、本実施形態によるドキュメント更新手順を示す図、図16は、本実施形態によるドキュメント共有クライアント操作画面を示す図である。
<構成の説明>
【0015】
本実施形態による電子会議システムは、図1に示す如く、電子会議に参加する各クライアントが操作する複数のクライアント端末120〜124と、電子会議で各クライアント端末120〜124が使用するドキュメント等を一時的に格納するドキュメント共有サーバ110と、前記クライアント端末120〜124とドキュメント共有サーバ110とのセッション開始プロトコルを制御するSIP(SessionInitiationProtocol)サーバ100と、前記各サーバを接続するIPネットワーク130とから構成されている。
【0016】
前記クライアント端末120〜124は、他のクライアント端末に表示するためのドキュメントデータである共有ドキュメント140と、この共有ドキュメント140を表示装置に表示した状態を示す共有ドキュメントの表示状態150を格納する機能を備える。尚、本実施形態で述べる「表示状態」とは、例えばドキュメント名とドキュメントタイプと該ドキュメントのスクロール表示パーセンテージと頁数等のドキュメントの画面上の表示状態を特定するための情報である。
【0017】
また前記ドキュメント共有サーバ110は、任意のクライアント端末から送信されたドキュメントデータである共有ドキュメント141と、この共有ドキュメント141のドキュメント表示状態151を格納する機能を備える。尚、ここでは共有ドキュメント141及びドキュメント表示状態151として説明するが、ハード構成としては、共有ドキュメント141を記憶する共有ドキュメント記憶部と、ドキュメント表示状態151を記憶するドキュメント表示状態記憶部が存在する。
【0018】
この電子会議システムは、前記クライアント端末120〜123が同一会議に参加し、前記クライアント端末124が別の会議に参加している状態を想定し、前記クライアント端末120〜123間のみで会議室1で使用するドキュメント141及びドキュメント表示状態151を共有し、前記クライアント端末124へ転送されないものとする。
<クライアント端末の説明>
【0019】
前記クライアント端末120は、図2に示す如く、少なくとも1つのドキュメント共有クライアント210を備え、該ドキュメント共有クライアント210は、ユーザのドキュメント操作を取得するためのマウスフック部215及びキーボードフック部216と、ドキュメント200の表示状態151を取得する状態取得部211と、前記取得した表示状態151をドキュメント共有サーバ110に送信するイベント送信部213と、ドキュメント共有サーバ110から他のクライアント端末のドキュメント表示状態を受信するイベント受信部214と、この受信したドキュメント表示状態をドキュメント200に反映させる状態設定部212と、ドキュメント表示状態を一時的に記憶する状態記憶部224と、ドキュメント追加または更新時にドキュメント200をドキュメント共有サーバ110に送信するドキュメント送信部218と、ドキュメントサーバから他のクライアント端末が追加または更新したドキュメントを受信するドキュメント受信部219と、ドキュメント200を表示(オープン)した時のタイムスタンプ(日時刻)222をコピーし保存するタイムスタンプ記憶部221と、ドキュメント受信部219で受信したときに受信したドキュメントのタイムスタンプとタイムスタンプ222を比較し、ドキュメント更新時は更新時のタイムスタンプ222とタイムスタンプ記憶部221に記憶されているタイムスタンプを比較するタイムスタンプ比較部220と、SIPサーバ100と通信してドキュメント共有サーバ110のIPアドレスとポート番号を取得するSIP部217とから構成され、本例では、1または複数のドキュメント200及びドキュメント200のタイムスタンプ222が共有フォルダ223に保存された状態で共有されている。また符号151は、前記ドキュメント表示状態の書式イメージであり、前記ドキュメント200は図示しないドキュメント記憶部に格納される。
【0020】
この様に構成されたクライアント端末120は、表示した時刻をタイムスタンプ222として付与したドキュメント200を表示し、オペレータ操作によりマウス又はキーボート操作によって画面スクロール等の状態変化が成されたとき、この操作をマウスフック部215又はキーボードフック部216が検出し、この検出した表示状態情報を状態取得部211が取得し、状態記憶部224に記憶すると共にイベント送信部213に転送すると、イベント送信部213が当該表示状態情報をソケット部230及びIPネットワーク130を介してドキュメント共有サーバ110に転送する機能を備える。
【0021】
またクライアント端末120は、表示したドキュメント200がオペレータによってマウス又はキーボート操作によって変更(文字の削除・挿入等)が成されたとき、この変更したドキュメント200をドキュメント送信部218がソケット部230及びIPネットワーク130を介してドキュメント共有サーバ110に転送する機能を備える。
【0022】
更にクライアント端末120は、ドキュメント共有サーバ110からIPネットワーク130及びソケット部230を介して他のクライアント端末からの表示状態情報及び変更されたドキュメントを、イベント受信部214及びドキュメント受信部219が受信し、タイムスタンプ記憶部221に記憶したタイムスタンプ(日付時刻)と受信した表示状態情報及びドキュメントのタイムスタンプをタイムスタンプ比較部220により比較し、タイムスタンプが新しい表示状態及びドキュメントを表示する機能を備えている。尚、他のクライアント端末も同様の構成・動作である。
<ドキュメント共有サーバの説明>
【0023】
前記ドキュメント共有サーバ110は、1または複数の会議が存在し、ドキュメント141及びドキュメント表示状態151が会議毎に異なるディレクトリに保存され、それぞれの会議には、会議IDと呼ばれる識別子300が付与され、参加者端末の識別子301と一意に対応づけられ、上記ドキュメント共有サーバ110上には、ドキュメント共有サーバ310が必ず1個存在している。
【0024】
前記状態を前提としてドキュメント共有サーバ310は、各会議で共有されるドキュメント141と、該ドキュメント141のドキュメント表示状態151と、参加者端末の識別子301を管理する会議管理部320と、前記クライアント端末120からのドキュメント表示状態を取得するイベント受信部322と、会議管理部320から前記クライアント端末120が参加している会議の他の参加者(本実施例では121〜123)のIPアドレスを取得し、ドキュメント表示状態を送信するイベント送信部321と、前記クライアント端末120が追加または更新したドキュメントを受信するドキュメント受信部324と、会議管理部320から前記クライアント端末120が参加している会議の他の参加者(本実施例では121〜123)のIPアドレスを取得し、前記ドキュメントを送信するドキュメント送信部323と、ドキュメント表示状態151受信後から一定時間後、同一会議の参加者端末全員にドキュメント表示状態151他を送信するための同期タイマー部325とを備える。尚、前記同期タイマー部325は、一定時間が経過すると、最後に受信したドキュメント表示状態を全会議参加者に送信する指令をイベント送信部321又はドキュメント送信部323に指示する機能を有する。
【0025】
このように構成されたドキュメント共有サーバ310は、クライアント端末から送信された表示状態情報及び変更されたドキュメントをIPネットワーク130及びソケット部230を介して受信し、イベント受信部322及びドキュメント受信部324を介して受信し、各会議室のドキュメント表示状態を同期タイマー部325に報告すると共に各会議室のドキュメント及びドキュメント表示状態を変更し、該各会議室のドキュメント表示状態をソケット部230及びIPネットワーク130を介して他のクライアント端末に送信し、同期タイマー部325からの同期タイミング(計数時間)に応じてイベント送信部321がソケット部230及びIPネットワーク130を介して他のクライアント端末に送信する機能を備える。
【0026】
ドキュメント共有サーバ310は、図5に示す如く、クライアント端末120上のドキュメント共有クライアント210が、起動時にドキュメント共有クライアント210上のSIP部217とSIPサーバ100間においてネゴシエーションを行い、ドキュメント共有サーバ110のIPアドレスとポート番号、会議IDを取得する手順を実行する第1の機能と、テレビ会議クライアントによって会議に参加している際、前記テレビ会議クライアントに搭載されているSIP機能により、ドキュメント共有サーバのIPアドレスとポート番号、会議IDを取得する手順を実行する第2の機能とを備えている。
<動作の説明>
【0027】
次いで本実施形態による電子会議システムの動作を説明する。図4は本電子会議システムによるドキュメント共有開始から終了までの手順概要を示す図、図5は図4中のSIPサーバ100によるクライアント端末120〜124とドキュメント共有サーバ110とのセッション開始プロトコルの手順400を示す図、図7はドキュメント共有クラスアント210がドキュメント共有サーバ310に対するログオン動作手順410の詳細を示す図である。
<ドキュメント共有開始から終了までの手順概要>
【0028】
まず、ドキュメント共有開始から終了までの手順は、図4に示す如く、クライアント端末上のドキュメント共有クライアント210が、ドキュメント共有サーバ110のIPアドレスとポート番号を取得する手順400を実行する。この手順400は、図5に示す如く、ドキュメント共有クライアント210がSIPサーバ100を介してリクエストINVITEをドキュメント共有サーバ310に発し、これを受けたドキュメント共有サーバ310がSIPサーバ100を介してRINGING(呼び出し)を行い、このドキュメント共有サーバ310のIPアドレスとポート番号を取得したドキュメント共有クライアント210がセッションを開始するように動作する。
【0029】
次いで本システムは、会議IDを元にドキュメント共有サーバ310へログインを行う手順410を実行する。この手順410は、図7に示す如く、ドキュメント共有クライアント210がドキュメント共有サーバ310にLogin700を発し、これを受けたドキュメント共有サーバ310がLogin応答701を受けることによって行われる。
【0030】
次いで本システムは、ドキュメント共有サーバ310が、ログインに成功したドキュメント共有クライアント210に対し、上記会議IDに対応した会議において現在共有されている全てのドキュメントを送信する手順460と、このドキュメント共有サーバ310による全てのドキュメントの送信が完了した後、ドキュメント共有クライアント210に最新のドキュメント表示状態を送信する手順461と、ドキュメント共有クライアント210が受信した全ての前記ドキュメントを表示した後、受信した前記ドキュメント表示状態を前記ドキュメントの表示状態に反映させる手順462とを実行ことによって共有を行うことができる。
【0031】
更に本システムは、例えばドキュメントの表示位置を変更する操作が行われたとき、ドキュメント表示状態の更新・表示状態の同期をとる手順420と、ドキュメントの内容が変更(挿入・削除・移動)されたとき、ドキュメント自体の更新・追加を行う手順430とを実行することによって、各クランアント端末間における表示しているドキュメントの同期をとることができる。
【0032】
更に本システムは、クライアント端末が会議P2P(PeerToPeer)通話または会議から切断・退出すると、クライアント端末上のドキュメント共有クライアント210がドキュメント共有サーバ310からログアウトする手順440と、セッションを終了する手順450と、前記ドキュメント共有サーバ310とのセッションを終了すると、ユーザに対し共有を行なっていたドキュメント200を保存するかどうか確認する手順453と、ユーザが保存を選択したときにユーザの指定場所へ前記ドキュメント200をコピーする手順454と、削除を行なう手順455とを順次実行することにより、共有したドキュメントそのものを再利用可能な形で保存することができる。
【0033】
即ち、本実施形態による電子会議システムは、内容の変更がないドキュメントの表示状態をカーソル等により移動して変化させたときには、その表示状態情報のみを転送することによって、トラヒック量を低減して短時間でドキュメントの表示状態の変更を行うことができる。尚、本電子会議システムにおいて、PeerToPeer(以降P2P)通話中に、共有するドキュメントを選択し、一時フォルダに前記ドキュメントをコピーし、前記ドキュメントを会議参加者ないし前記ドキュメント共有サーバに転送したのち、それぞれのクライアント端末上にてドキュメントを開き表示することもできる。
【0034】
本実施形態によるドキュメントの同期手順の概要は前述の通りであるが、以下、前記手順の詳細について説明する。
<クライアント端末のドキュメント表示状態の送信手順1>
前記クライアント端末のドキュメント表示状態の転送を行う手順461の詳細を図11を参照して説明するが、前提として、同一の会議にクライアント端末120〜123がすでに参加しており、それぞれ個別のディスプレイを見ながら同一のドキュメントを共有する複数の参加者のうち、いずれか一人の参加者(ここではクライアント端末120)がマウス又はキーボードを用いて上記ドキュメント200の操作を行うものとする。また、ドキュメント200は1つまたは複数であり、特別のアプリケーションを用いることなく、汎用のアプリケーションで表示することができるものとする。
【0035】
さて、本実施形態によるクライアント端末のドキュメント表示状態の送信手順(手順461)は、図11に示す如く、マウスフック部215及びキーボードフック部216が、ユーザのマウス又はキーボード操作をフックする手順1101と、現在マウス又はキーボード操作を受け付けるウィンドウの識別子とドキュメント200の各ウィンドウの識別子とを取得する手順1102と、どのドキュメントに対する操作であるかを判定する手順1103とを実行することによって、状態取得部211に通知を行う。
【0036】
次いで本手順は、状態取得部211が、前記ドキュメント200のうち、ファイルを閲覧・編集する際の画面表示に関わる部品の情報(例えばスクロールの位置、カーソルの位置、ウィンドウの位置・大きさなど)を、ドキュメント200のウィンドウの識別子を用いて取得する手順1104を実行する。本実施形態においては、このような技術として例えばMicrosoft(登録商標)社のObject Linking and Editing(以下OLE)技術を用いて、前記判定した操作の対象であるドキュメントが現在表示しているページやシート/スライド/スライドショー等の表示状態を取得している。
【0037】
次いで本手順は、状態取得部211がドキュメント表示状態を取得し、イベント送信部213に受け渡し、これを受けたイベント送信部213が、ドキュメント共有サーバ110にドキュメント表示状態を送信する手順1105と、この表示状態を受信したドキュメント共有サーバ110上のドキュメント共有サーバ310が、イベント受信部322がクライアント端末120からドキュメント表示状態を受信する手順1106と、会議管理部320に問い合わせ上記クライアント端末120と同じ会議の参加者(ここではクライアント端末121〜123)のIPアドレスの一覧を取得する手順1107と、イベント送信部321が、前記参加者に前記ドキュメント表示状態を送信する手順1108と、これを受けたクライアント端末121上のドキュメント共有クライアント210が、イベント受信部214にてドキュメント表示状態を受信する手順1109と、状態設定部212に受け渡し、これを受けた状態設定部212が、ドキュメント200の表示状態をOLEを用いて設定する手順1110を実行する。
【0038】
以上の手順を実行する手順461により本電子会議システムは、会議中のいずれか一人の参加者がドキュメントの操作をマウス又はキーボードを用いて行ったとき、ドキュメント共有サーバにログインしている会議参加者全員にその表示状態が送信されドキュメント表示状態を一致することができる。
【0039】
<ドキュメント表示状態の更新が複数同時に行われた場合>
<送信手順1>
次いで前記手順461によるドキュメント表示状態の更新が複数のクライアントにより略同時に行われた場合の同期手順を図9を参照して説明する。
本システムは、複数のクライアント端末がドキュメント表示状態をそれぞれ転送する手順901(表示状態Aの転送)に続いて手順906(表示状態Bの転送)が行われた場合、図9に示す如く、ドキュメント共有サーバ310がドキュメント表示状態Aを受信(手順902)し、該ドキュメント表示状態Aを転送したクライアント端末以外の全会議参加者に転送(手順905)した後、該受信によって同期タイマー部325のカウントを開始(手順903)するが、前記手順906により同期タイマー部325の設定時間経過前にドキュメント表示状態Bを受信(手順910)することにより同期タイマー部325のカウント(時間計数)をリセットし、該ドキュメント表示状態Bを転送したクライアント端末以外の全会議参加者に転送(手順911)した後、ドキュメント表示状態Bを受信したタイミングで同期タイマー部325のカウント(時間計数)を再開し、次いで同期タイマー部325が一定時間経過したときにドキュメント共有サーバ310に同期信号を発行(手順913)し、これを受けたドキュメント共有サーバ310が同期信号によって最後に受信したドキュメント表示状態(図9の場合はドキュメント表示状態B)を全会議参加者に転送するように動作する。
即ち本システムは、最後に受信したドキュメント表示状態を会議参加者のクライアント端末に転送するように動作する。
【0040】
<送信手順2>
また本システムは、図10に示す如く、前記ドキュメント共有サーバ310にほぼ同時にドキュメント表示状態が複数転送された場合であっても、前記ドキュメント共有サーバ310はドキュメント表示状態を同時に1つずつ受信し、前記同期手順1と同様に動作する。
【0041】
この手順1000は、図10の場合、表示状態Aと表示状態Bがほぼ同時に転送されているが、受信処理は状態B、状態Aの順で行なわれたため、共有ドキュメント200の状態は状態Aで一致する。このように上記ドキュメント表示状態の送信は、複数のクライアント端末が同時に行った場合、前記ドキュメント共有サーバ310にて最後に受信したドキュメント表示状態にて、会議参加中の全端末で一致する。すなわち、複数のユーザが同時にドキュメントの操作を行ってもよい。
【0042】
尚、ドキュメントは、通常、閲覧や編集を行う際にスクロールやカーソル・ページ移動を頻繁に行うため、上記のように複数のユーザが同時にドキュメントの操作を行なう場合は、転送を頻繁に双方向・多地点でやりとりする必要があるが、本実施形態によれば、前記やりとりを行なう情報量が表示状態情報量が小さいため、共有したいドキュメントの画像をやりとりする従来方法に比べ、ドキュメント表示状態の同期タイミング誤差・共有開始までの時間・同時に進行している会議への影響(映像や音声など)を小さくすることができる。
【0043】
<ドキュメントの追加手順の説明>
本実施形態による電子会議システムにおけるドキュメントの追加動作(図4における手順430)を図12及び図13を参照して説明する。図12はドキュメントの追加手順、図13はドキュメントの追加手順のシーケンス図である。本説明では、同一の会議にクライアント端末120〜123がすでに参加しているものとして説明する。
【0044】
このドキュメント追加の処理手順は、ユーザがクライアント端末120上のドキュメント共有クライアント210にドキュメントを追加する手順1200と、前記ドキュメント共有クライアント210が前記ドキュメントを共有フォルダにコピーする手順1201と、ドキュメント共有サーバ310に前記ドキュメントの送信権要求を行なう手順1202と、ドキュメント共有サーバ310からの要求応答を受信する手順1203と、該要求応答を判定する手順1204と、送信可能ならば前記ドキュメント共有サーバ310に共有ドキュメントを送信する手順1205と、ドキュメント共有サーバ310が共有ドキュメントを受信した応答を返す手順1206と、同一会議の参加者端末121〜123に前記共有ドキュメントを転送する手順1208と、前記同一会議の参加者端末は受信した前記共有ドキュメントを共有フォルダにコピーする手順1209と、コピーしたドキュメントを表示する手順1210と、ドキュメントを追加した前記ドキュメント共有クライアント210がドキュメント共有サーバ310からの共有ドキュメント受信応答を受信し、前記共有ドキュメントを表示する手順とを順次実行することによって行われる。
【0045】
この処理手順を図13を参照して説明すると、本処理手順は、まず、クライアント端末120上において、操作開始に続いて参加者Aがドキュメントを追加する手順1300〜1301と、参加者Aのクライアント端末上のドキュメント共有クライアントがドキュメントを共有フォルダにコピーする手順1302と、参加者Aのドキュメント共有クライアントがドキュメント送信の可否をドキュメント共有サーバに問い合わせる手順1303と、この問合せ結果を判定する手順1304と、該手順1304により送信可能と判定されたときに参加者Aがドキュメントをドキュメント共有サーバに送信する手順1306を順次実行する。
【0046】
次いで本処理手順は、ドキュメント共有サーバ110上において、前記手順1306によって受信したドキュメントをドキュメント共有サーバが受信する手順1309と、参加者Aに前記ドキュメント受信を通知する手順1310と、この受信したドキュメントを保存する手順1311と、参加者Aが参加している全会議参加者の情報を取得する手順1312と、参加者A以外の全参加者にドキュメントを送信する手順1313とを実行する。
【0047】
次いで本処理手順は、参加者A以外のドキュメント共有クライアント121等が前記送信されたドキュメントを受信する手順1314と、これらドキュメント共有クライアント121等がドキュメントを保存する手順1315と、該ドキュメントを表示する手順1316を表示する手順とを順次実行することによって、参加者Aが訂正した共有ドキュメントを各クランアント端末上に表示することができ、以上の方法により、ドキュメント共有中に共有ドキュメントを新たに追加することができる。
【0048】
<ドキュメントの更新手順の説明>
本実施形態による電子会議システムにおけるドキュメントの更新動作を図14及び図15を参照して説明する。図14はドキュメントの更新手順を示す図、図15はドキュメントの更新手順のシーケンス図である。
【0049】
このドキュメントの更新手順は、図14に示す如く、クライアント端末120上でドキュメント200に変更を加えた後、ドキュメント200を上書き保存した状態で、クライアント端末120上のドキュメント共有クライアント210の更新ボタンを押下する手順1400と、ドキュメント送信部218は共有開始時点と比較してドキュメント200のタイムスタンプが新しくなっているかを調べる手順1401と、新しくなっている場合は更新されたファイルと判定する手順1402と、送信権を確認する手順1403及び1404と、送信可能ならばドキュメント共有サーバ310に更新ファイルを転送する手順1405と、ドキュメント共有サーバ310から転送の応答を受信する手順1407と、更新ファイルを表示する手順1409と、更新前のドキュメント200を閉じる手順1412と、更新前のドキュメント200が閉じられたというドキュメント表示状態を前記ドキュメント共有サーバ310に転送する手順1413とを順次実行すことによって、ドキュメントの更新を行うことができる。
【0050】
<ドキュメント共有クライアントの操作画面の説明>
前記実施形態で説明したドキュメント共有クライアントの操作画面は、例えば図16の如くアイコン表示によって操作される。このドキュメント共有クライアント操作画面1600は、図16に示す如く、ドキュメント追加ボタン1601と、ドキュメント共有一時停止ボタン1602と、ドキュメント更新ボタン1603が配置されており、ユーザが前記ドキュメント共有クライアント操作画面上から操作を行なう事により、共有が開始されると自動的に前記操作画面を全面に表示させる事ができる。
【0051】
この動作の詳細を説明すると、本電子会議システムは、ドキュメント共有クライアント操作画面1600において、ドキュメント共有一時停止ボタン1602は、その押下によって、ドキュメント共有クライアント210がイベント受信部214によりドキュメント表示状態を受信し、前記ドキュメント表示状態を保持し、その後、状態設定部212にてドキュメント表示状態の設定を禁止すると共に、イベント送信部213からドキュメント表示状態を送信しない機能と、ドキュメント共有一時停止ボタン1602を押下によって、前記ドキュメント共有一時停止ボタンを押下したクライアント端末のドキュメント表示状態が、前記クライアント端末以外のドキュメント共有サーバにログインしている会議参加者間のドキュメント表示状態との同期を停止する機能と、ドキュメント共有クライアント操作画面1600上のドキュメント共有一時停止ボタン1602を押下し、且つ再度前記ドキュメント共有一時停止ボタン1602を押下によって、イベント受信部214で受信し保持しているドキュメント表示状態の中で前記ドキュメント共有一時停止ボタンを押下した時点に受信した時間が最も近いものを取得し、状態設定部212からドキュメント200に反映する機能とを備えることによって、ドキュメント共有クライアント210が状態設定部からドキュメントへのドキュメント表示状態の反映と、状態取得部211におけるドキュメント表示状態取得と、イベント送信部213からのドキュメント表示状態送信を開始することにより、前記クライアント端末以外のドキュメント共有サーバにログインしている会議参加者間のドキュメント表示状態との同期を再開することができる。
【0052】
この様に本実施形態による電子会議システム及びドキュメント共有方法は、内容の変更がないドキュメントの表示をカーソル等により移動したときには、その表示状態情報のみを転送することによって、トラヒック量を低減して短時間でドキュメントの追加・削除を行うことができる。即ち本発明は、同一のドキュメントを他の形式のファイルに変換すること無しに会議に参加中の複数の参加者に配布したのち、参加者全員が同一ドキュメントの同一の箇所を閲覧し、参加者のいずれかが上記ドキュメントを操作またはドキュメントの切り替えを行った場合、即座にその操作状況が参加者全員に反映することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態による電子会議システムの全体構成図。
【図2】本実施形態によるドキュメント共有クライアント構成を示す図。
【図3】本実施形態によるドキュメント共有サーバ構成を示す図。
【図4】本実施形態によるドキュメント共有開始から共有終了までの手順を示すシーケンス図。
【図5】本実施形態によるSIPによるアドレス解決手順を示すシーケンス図。
【図6】本実施形態によるSIPによるアドレス解決終了手順を示すシーケンス図。
【図7】本実施形態によるドキュメント共有サーバへのログイン手順を示すシーケンス図。
【図8】本実施形態によるドキュメント共有サーバからのログアウト手順を示すシーケンス図。
【図9】本実施形態によるドキュメント表示状態の更新と同期手順を示すシーケンス図。
【図10】本実施形態による複数のドキュメント表示状態の更新と競合解決・同期手順を示すシーケンス図。
【図11】本実施形態によるドキュメント表示状態送信手順を示す図。
【図12】本実施形態によるドキュメント追加手順を示すシーケンス図。
【図13】本実施形態によるドキュメント追加手順を示す図。
【図14】本実施形態によるドキュメント更新手順を示すシーケンス図。
【図15】本実施形態によるドキュメント更新手順を示す図。
【図16】本実施形態によるドキュメント共有クライアント操作画面を示す図。
【0054】
120〜124:クライアント端末、100:SIPサーバ、110:ドキュメント共有サーバ、130:IPネットワーク、140及び141:共有ドキュメント、150:表示状態情報、151:ドキュメント表示状態、200:共有ドキュメント、210:ドキュメント共有クライアント、211:状態取得部、212:状態設定部、213:イベント送信部、214:イベント受信部、215:マウスフック部、216:キーボードフック部、217:SIP部、218:ドキュメント送信部、219:ドキュメント受信部、220:タイムスタンプ比較部、221:タイムスタンプ記憶部、222:タイムスタンプ、223:共有フォルダ、224:状態記憶部、230:ソケット部、300:識別子、301:識別子、310:ドキュメント共有サーバ、320:会議管理部、321:イベント送信部、322:イベント受信部、323:ドキュメント送信部、324:ドキュメント受信部、325:同期タイマー部、1600:ドキュメント共有クライアント操作画面、1601:ドキュメント追加ボタン、1602:ドキュメント共有一時停止ボタン、1602:再度ドキュメント共有一時停止ボタン、1603:ドキュメント更新ボタン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のクライアント端末とドキュメント共有サーバとをIPネットワークを介して接続する電子会議システムであって、
前記クライアント端末が、ドキュメントを保存するドキュメント記憶部と、該ドキュメント記憶部に記憶したドキュメントの表示状態情報を記憶する状態記憶部と、前記ドキュメントのタイムスタンプを記憶するタイムスタンプ記憶部とを含み、
前記ドキュメント共有サーバが、前記クライアント端末から送信されたドキュメントを記憶するドキュメント記憶部と、該ドキュメントの表示状態情報を記憶する状態記憶部と、前記ドキュメント記憶部又は状態記憶部にドキュメント又は表示状態を記憶したときから時間の計数を開始する同期タイマー部とを含み、
一方のクライアント端末のドキュメントの表示状態を変更したとき、該一方のクライアント端末が状態記憶部に記憶したドキュメントの表示状態情報を前記ドキュメント共有サーバに送信し、
該ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信した表示状態情報を状態記憶部に記憶し、前記状態記憶部に記憶した表示状態情報を他のクランアント端末に転送し、
一方のクライアント端末のドキュメントを変更したとき、該一方のクライアント端末がドキュメント記憶部に記憶したドキュメントを前記ドキュメント共有サーバに送信し、
該ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信したドキュメントをドキュメント記憶部に記憶し、他のクライアント端末に前記ドキュメント記憶部に記憶したドキュメントを他のクランアント端末に転送することを特徴とする電子会議システム。
【請求項2】
前記ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信した表示状態情報を状態記憶部に記憶し、該記憶したときから所定の時間が経過したことを同期タイマーが計数したとき、前記状態記憶部に記憶した表示状態情報を他のクランアント端末に転送することを特徴とする請求項1記載の電子会議システム。
【請求項3】
前記表示状態情報が、前記一方のクライアント端末のドキュメントの表示状態を変更したアプリケーション上のスクロール位置とカーソル位置と閲覧及び編集の際の表示に関する情報を含む事を特徴とする請求項1又は2記載の電子会議システム。
【請求項4】
前記電子会議システムのIPネットワーク上にSIPサーバを設け、電子会議に参加するクライアント端末が、該SIPサーバを介して前記ドキュメント共有サーバのIPアドレスとポート番号を取得することを特徴とする請求項1又は2又は3記載の電子会議システム。
【請求項5】
前記クライアント端末が、前記SIPサーバを介して前記ドキュメント共有サーバのIPアドレスとポート番号を取得した後、ドキュメント共有サーバのドキュメント記憶部及び状態記憶部からドキュメント及び該ドキュメントの表示状態情報を取得し、該クライアント端末のドキュメント記憶部及び状態記憶部に記憶することを特徴とする請求項4記載の電子会議システム。
【請求項6】
前記クライアント端末が、ドキュメント追加ボタンとドキュメント共有一時停止ボタンとドキュメント更新ボタンを含む操作画面アイコンを画面を表示し、ドキュメントを追加する追加機能とドキュメントの共有を一時停止する一時停止機能とドキュメントを更新する更新機能を備えることを特徴とする請求項1乃至5何れかに記載の電子会議システム。
【請求項7】
ドキュメントを保存するドキュメント記憶部と、該ドキュメント記憶部に記憶したドキュメントの表示状態情報を記憶する状態記憶部と、前記ドキュメントのタイムスタンプを記憶するタイムスタンプ記憶部とを含む前記クライアント端末と、
前記クライアント端末から送信されたドキュメントを記憶するドキュメント記憶部と、該ドキュメントの表示状態情報を記憶する状態記憶部と、前記ドキュメント記憶部又は状態記憶部にドキュメント又は表示状態を記憶したときから時間の計数を開始する同期タイマー部とを含むドキュメント共有サーバとから成り、
複数のクライアント端末とドキュメント共有サーバとをIPネットワークを介して接続する電子会議システムのドキュメント共有方法であって、
一方のクライアント端末のドキュメントの表示状態を変更したとき、該一方のクライアント端末が状態記憶部に記憶したドキュメントの表示状態情報を前記ドキュメント共有サーバに送信するステップと、
該ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信した表示状態情報を状態記憶部に記憶し、他のクライアント端末に前記状態記憶部に記憶した表示状態情報を他のクランアント端末に転送するステップを実行し、
一方のクライアント端末のドキュメントを変更したとき、該一方のクライアント端末がドキュメント記憶部に記憶したドキュメントを前記ドキュメント共有サーバに送信するステップと、
該ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信したドキュメントをドキュメント記憶部に記憶し、他のクライアント端末に前記ドキュメント記憶部に記憶したドキュメントを他のクランアント端末に転送するステップとを実行することを特徴とするドキュメント共有方法。
【請求項8】
前記ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信した表示状態情報を状態記憶部に記憶し、該記憶したときから所定の時間が経過したことを同期タイマーが計数したとき、他のクライアント端末に前記状態記憶部に記憶した表示状態情報を他のクランアント端末に転送するステップとを実行することにより、複数のクライアント端末のドキュメントの表示を連携することを特徴とする請求項7記載のドキュメント共有方法。
【請求項9】
前記表示状態情報が、前記一方のクライアント端末のドキュメントの表示状態を変更したアプリケーション上のスクロール位置とカーソル位置と閲覧及び編集の際の表示に関する情報を含む事を特徴とする請求項7又は8記載のドキュメント共有方法。
【請求項10】
前記電子会議システムのIPネットワーク上にSIPサーバを設け、電子会議に参加するクライアント端末が、該SIPサーバを介して前記ドキュメント共有サーバのIPアドレスとポート番号を取得するステップを含むことを特徴とする請求項7又は8又は9記載のドキュメント共有方法。
【請求項11】
前記クライアント端末が、前記SIPサーバを介して前記ドキュメント共有サーバのIPアドレスとポート番号を取得するステップと、ドキュメント共有サーバのドキュメント記憶部及び状態記憶部からドキュメント及び該ドキュメントの表示状態情報を取得するステップと、該クライアント端末のドキュメント記憶部及び状態記憶部に記憶するステップとを含むことを特徴とする請求項10記載のドキュメント共有方法。
【請求項12】
前記クライアント端末が、ドキュメント追加ボタンとドキュメント共有一時停止ボタンとドキュメント更新ボタンを含む操作画面アイコンを画面を表示するステップとと、前記ドキュメント追加ボタンが操作されたときドキュメントを追加するステップと、前記ドキュメント共有一時停止ボタンが操作されたときドキュメントの共有を一時停止するステップと、前記ドキュメント更新ボタンが操作されたときドキュメントを更新するステップを含むことを特徴とする請求項7乃至11何れかに記載のドキュメント共有方法。
【請求項1】
複数のクライアント端末とドキュメント共有サーバとをIPネットワークを介して接続する電子会議システムであって、
前記クライアント端末が、ドキュメントを保存するドキュメント記憶部と、該ドキュメント記憶部に記憶したドキュメントの表示状態情報を記憶する状態記憶部と、前記ドキュメントのタイムスタンプを記憶するタイムスタンプ記憶部とを含み、
前記ドキュメント共有サーバが、前記クライアント端末から送信されたドキュメントを記憶するドキュメント記憶部と、該ドキュメントの表示状態情報を記憶する状態記憶部と、前記ドキュメント記憶部又は状態記憶部にドキュメント又は表示状態を記憶したときから時間の計数を開始する同期タイマー部とを含み、
一方のクライアント端末のドキュメントの表示状態を変更したとき、該一方のクライアント端末が状態記憶部に記憶したドキュメントの表示状態情報を前記ドキュメント共有サーバに送信し、
該ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信した表示状態情報を状態記憶部に記憶し、前記状態記憶部に記憶した表示状態情報を他のクランアント端末に転送し、
一方のクライアント端末のドキュメントを変更したとき、該一方のクライアント端末がドキュメント記憶部に記憶したドキュメントを前記ドキュメント共有サーバに送信し、
該ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信したドキュメントをドキュメント記憶部に記憶し、他のクライアント端末に前記ドキュメント記憶部に記憶したドキュメントを他のクランアント端末に転送することを特徴とする電子会議システム。
【請求項2】
前記ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信した表示状態情報を状態記憶部に記憶し、該記憶したときから所定の時間が経過したことを同期タイマーが計数したとき、前記状態記憶部に記憶した表示状態情報を他のクランアント端末に転送することを特徴とする請求項1記載の電子会議システム。
【請求項3】
前記表示状態情報が、前記一方のクライアント端末のドキュメントの表示状態を変更したアプリケーション上のスクロール位置とカーソル位置と閲覧及び編集の際の表示に関する情報を含む事を特徴とする請求項1又は2記載の電子会議システム。
【請求項4】
前記電子会議システムのIPネットワーク上にSIPサーバを設け、電子会議に参加するクライアント端末が、該SIPサーバを介して前記ドキュメント共有サーバのIPアドレスとポート番号を取得することを特徴とする請求項1又は2又は3記載の電子会議システム。
【請求項5】
前記クライアント端末が、前記SIPサーバを介して前記ドキュメント共有サーバのIPアドレスとポート番号を取得した後、ドキュメント共有サーバのドキュメント記憶部及び状態記憶部からドキュメント及び該ドキュメントの表示状態情報を取得し、該クライアント端末のドキュメント記憶部及び状態記憶部に記憶することを特徴とする請求項4記載の電子会議システム。
【請求項6】
前記クライアント端末が、ドキュメント追加ボタンとドキュメント共有一時停止ボタンとドキュメント更新ボタンを含む操作画面アイコンを画面を表示し、ドキュメントを追加する追加機能とドキュメントの共有を一時停止する一時停止機能とドキュメントを更新する更新機能を備えることを特徴とする請求項1乃至5何れかに記載の電子会議システム。
【請求項7】
ドキュメントを保存するドキュメント記憶部と、該ドキュメント記憶部に記憶したドキュメントの表示状態情報を記憶する状態記憶部と、前記ドキュメントのタイムスタンプを記憶するタイムスタンプ記憶部とを含む前記クライアント端末と、
前記クライアント端末から送信されたドキュメントを記憶するドキュメント記憶部と、該ドキュメントの表示状態情報を記憶する状態記憶部と、前記ドキュメント記憶部又は状態記憶部にドキュメント又は表示状態を記憶したときから時間の計数を開始する同期タイマー部とを含むドキュメント共有サーバとから成り、
複数のクライアント端末とドキュメント共有サーバとをIPネットワークを介して接続する電子会議システムのドキュメント共有方法であって、
一方のクライアント端末のドキュメントの表示状態を変更したとき、該一方のクライアント端末が状態記憶部に記憶したドキュメントの表示状態情報を前記ドキュメント共有サーバに送信するステップと、
該ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信した表示状態情報を状態記憶部に記憶し、他のクライアント端末に前記状態記憶部に記憶した表示状態情報を他のクランアント端末に転送するステップを実行し、
一方のクライアント端末のドキュメントを変更したとき、該一方のクライアント端末がドキュメント記憶部に記憶したドキュメントを前記ドキュメント共有サーバに送信するステップと、
該ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信したドキュメントをドキュメント記憶部に記憶し、他のクライアント端末に前記ドキュメント記憶部に記憶したドキュメントを他のクランアント端末に転送するステップとを実行することを特徴とするドキュメント共有方法。
【請求項8】
前記ドキュメント共有サーバが、一方のクライアント端末から受信した表示状態情報を状態記憶部に記憶し、該記憶したときから所定の時間が経過したことを同期タイマーが計数したとき、他のクライアント端末に前記状態記憶部に記憶した表示状態情報を他のクランアント端末に転送するステップとを実行することにより、複数のクライアント端末のドキュメントの表示を連携することを特徴とする請求項7記載のドキュメント共有方法。
【請求項9】
前記表示状態情報が、前記一方のクライアント端末のドキュメントの表示状態を変更したアプリケーション上のスクロール位置とカーソル位置と閲覧及び編集の際の表示に関する情報を含む事を特徴とする請求項7又は8記載のドキュメント共有方法。
【請求項10】
前記電子会議システムのIPネットワーク上にSIPサーバを設け、電子会議に参加するクライアント端末が、該SIPサーバを介して前記ドキュメント共有サーバのIPアドレスとポート番号を取得するステップを含むことを特徴とする請求項7又は8又は9記載のドキュメント共有方法。
【請求項11】
前記クライアント端末が、前記SIPサーバを介して前記ドキュメント共有サーバのIPアドレスとポート番号を取得するステップと、ドキュメント共有サーバのドキュメント記憶部及び状態記憶部からドキュメント及び該ドキュメントの表示状態情報を取得するステップと、該クライアント端末のドキュメント記憶部及び状態記憶部に記憶するステップとを含むことを特徴とする請求項10記載のドキュメント共有方法。
【請求項12】
前記クライアント端末が、ドキュメント追加ボタンとドキュメント共有一時停止ボタンとドキュメント更新ボタンを含む操作画面アイコンを画面を表示するステップとと、前記ドキュメント追加ボタンが操作されたときドキュメントを追加するステップと、前記ドキュメント共有一時停止ボタンが操作されたときドキュメントの共有を一時停止するステップと、前記ドキュメント更新ボタンが操作されたときドキュメントを更新するステップを含むことを特徴とする請求項7乃至11何れかに記載のドキュメント共有方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−179396(P2007−179396A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−378621(P2005−378621)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000233295)日立情報通信エンジニアリング株式会社 (195)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000233295)日立情報通信エンジニアリング株式会社 (195)
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