説明

電子体温計およびその製造方法

【課題】電子体温計の組み立て時における温度センサのリード線の曲がりおよび方向ずれを抑制し、安価で熱応答が速い電子体温計を提供する。
【解決手段】電子体温計1は、被測定者の体温を計測する感温部73と感温部73に一端が固定されたリード線72とを含む温度センサ74と、感温部73が先端側に配置されリード線72を内部に収容する中空のハウジング10と、リード線72の他端が固定されたプリント基板70と、ハウジング10に収容され、プリント基板70を含むアセンブリと、を備える。アセンブリは、ハウジング10の先端側へ延びる延出部20を含む。延出部20は、リード線72の延在方向を方向付けるガイド部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子体温計およびその製造方法に関し、特に、ラジアルリード型の温度センサを備える電子体温計と、当該電子体温計の製造方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、腋下や舌下などの被測定部位に挟み込むことで体温を測定する電子体温計においては、本体ハウジングの内部に液晶ディスプレイおよびプリント基板などを固定したサブケースが配設されるとともに、当該本体ハウジングの前端部に温度センサが収容された測温部が設けられる。被測定部位の温度を感知する感温部と、プリント基板に各種電子部品が実装されて形成された処理回路とは、比較的剛性の小さいリード線によって接続される。リード線の終端部がプリント基板に固定され、プリント基板から長く延出するリード線を介して、感温部が処理回路に電気的に接続される。
【0003】
従来の一般的ないわゆるペンシル型の電子体温計では、筒形状の本体ハウジングの後端部からサブケースを挿入して、電子体温計を完成させる構造が採用されている。この場合、サブケースから延出する温度センサのリード線に曲がりや方向ずれが発生すると、温度センサの本体ハウジングへの挿入が上手くいかない、温度センサの先端の感温部の位置ずれによる測定精度の低下および電子体温計の個体毎の製品ばらつき(器差)が生じる、という不具合が生じる。したがって、電子体温計の組み立ての自動化の実現を目指す場合には、サブケースから延出する温度センサを本体ハウジングへ挿入する工程の改善が必要となる。
【0004】
たとえば特開平9−89680号公報(特許文献1)では、上述したプリント基板を測温部にまで延設するとともに、プリント基板の延設部に導電線を形成し、延設部の先端に感温部を実装することにより、導電線を介して温度センサと処理回路との電気的な接続を確保した電子体温計が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−89680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記文献に記載の技術では、プリント基板を測温部にまで延設することが必要であり、材料コストが増大する問題がある。また、プリント基板の形状が長方形ではないため、プリント基板の製造時に廃棄する部分が生じ、無駄が多くなるため、材料コストがより増大する。また、プリント基板の先端に実装される温度センサは、一般的なラジアルリード型サーミスタではなく、上記文献の図7,8に示すような特殊形状の温度センサが必要になるので、コストがさらに増大する。
【0007】
加えて、プリント基板上に形成されたパターンがリード線を構成し、リード線部、プリント基板および感温部が一体となっているため、電子体温計が低温環境下で保管されていた場合、リード線部、プリント基板および感温部の温度が低く被測定部位の体温との差が大きいことによる影響を受けて、測定時間が長くなってしまう。さらに、測定時に温度センサに印加された熱がプリント基板を通って逃げてしまうことになり、電子体温計の熱応答が遅くなって、短時間で精度よく計測することが困難になり高速測定に対して不利になる、という問題がある。
【0008】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、組み立て時における温度センサのリード線の曲がりおよび方向ずれを抑制し、安価で熱応答が速い電子体温計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電子体温計は、温度センサを備える。温度センサは、被測定者の体温を計測する感温部と、感温部に一端が固定されたリード線とを含む。電子体温計はまた、感温部が先端側に配置され、リード線を内部に収容する、中空のハウジングを備える。電子体温計はまた、リード線の他端が固定された基板と、ハウジングに収容され、基板を含むアセンブリと、を備える。アセンブリは、ハウジングの先端側へ延びる延出部を含む。延出部は、リード線の延在方向を方向付けるガイド部を有する。
【0010】
上記電子体温計において、アセンブリは、基板を収容するケースを含み、延出部は、ケースがハウジングの先端側へ延びて形成されていてもよい。
【0011】
上記電子体温計において、アセンブリは、合図音を発する発音体と、発音体を固定する発音体固定部とを含み、延出部は、発音体固定部がハウジングの先端側へ延びて形成されていてもよい。
【0012】
上記電子体温計において、延出部には、リード線の延出部への接触を低減する接触低減部が形成されていてもよい。
【0013】
上記電子体温計において、ガイド部は、延出部のリード線に対向する表面に設けられた、リード線を延出部に固定する固定材料を含んでもよい。
【0014】
上記電子体温計において、ガイド部は、延出部のリード線に対向する表面から突起する突起部を含んでもよい。
【0015】
上記電子体温計において、リード線は、延出部に対し非接触状態に配置されていてもよい。
【0016】
本発明に係る電子体温計の製造方法は、被測定者の体温を計測する感温部と感温部に一端が固定されたリード線とを含む温度センサと、感温部が先端側に配置されリード線を内部に収容する中空のハウジングと、を備える、電子体温計の製造方法である。当該方法は、リード線を保持可能なガイド部を有する延出部が端部に取り付けられた、基板を含むアセンブリを準備する工程と、リード線をガイド部に対向するように配置し、基板にリード線の他端を固定する工程と、リード線の湾曲を低減する工程と、リード線の湾曲を低減した状態でガイド部にリード線を保持させる工程と、ガイド部にリード線を保持させた状態で、アセンブリを、延出部が取り付けられた端部側からハウジング内に挿入する工程と、を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、電子体温計の組み立て時における温度センサのリード線の曲がりおよび方向ずれを抑制し、安価で熱応答が速い電子体温計を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1の電子体温計の外観構造を示す斜視図である。
【図2】電子体温計の機能ブロックの構成を示す図である。
【図3】電子体温計の組付け構造を示す分解斜視図である。
【図4】電子体温計のアセンブリの組付け構造を示す分解斜視図である。
【図5】サーミスタの分解斜視図である。
【図6】電子体温計の内部構造を示す斜視図である。
【図7】電子体温計の内部構造を示す断面図である。
【図8】延出部の断面図である。
【図9】実施の形態2の電子体温計の内部構造を示す斜視図である。
【図10】実施の形態2の電子体温計の内部構造を示す断面図である。
【図11】実施の形態3の延出部とリード線との配置を示す平面図である。
【図12】図11に示すXII−XII線に沿う、実施の形態3の延出部の断面図である。
【図13】図12に示す延出部の断面の変形例を示す図である。
【図14】実施の形態4の延出部とリード線との配置を示す平面図である。
【図15】実施の形態5の延出部とリード線との配置を示す平面図である。
【図16】実施の形態6の電子体温計の内部構造を示す斜視図である。
【図17】実施の形態6の電子体温計の内部構造を示す断面図である。
【図18】実施の形態6の延出部とリード線との配置を示す平面図である。
【図19】延出部の平面形状の変形例を示す平面図である。
【図20】電子体温計の製造方法の一例を示す流れ図である。
【図21】図20に示す製造方法の工程(S30)の状態を示す模式図である。
【図22】図20に示す製造方法の工程(S40)の状態を示す模式図である。
【図23】図20に示す製造方法の工程(S50)の状態を示す模式図である。
【図24】電子体温計の製造方法の他の例を示す流れ図である。
【図25】図24に示す製造方法の工程(S30)の状態を示す模式図である。
【図26】図24に示す製造方法の工程(S140)の状態を示す模式図である。
【図27】図24に示す製造方法の工程(S50)の状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における電子体温計1の外観構造を示す斜視図であり、図2は、図1に示す電子体温計1の機能ブロックの構成を示す図である。まず、これら図1および図2を参照して、本実施の形態における電子体温計1の概略構成について説明する。
【0021】
図1に示すように、本実施の形態における電子体温計1は、本体ハウジング10、測温部を形成するキャップ15、および閉塞部材16を備えている。本体ハウジング10は、たとえばABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂などの樹脂材料製の、筒状の中空の部材である。本体ハウジング10は、その表面の所定位置に銘板が貼り付けられるとともに、その表面の所定位置に表示部4および操作部5を有している。キャップ15は、一端が閉塞された有底筒状の部材である。キャップ15は、たとえばステンレス合金などの金属材料、樹脂材料などの任意の材料により形成されている。閉塞部材16は、たとえばABS樹脂などの樹脂材料からなるブロック状の部材である。
【0022】
キャップ15は、本体ハウジング10の軸方向(長手方向)の一端部である先端部11(図3参照)に取付けられている。閉塞部材16は、本体ハウジング10の軸方向(長手方向)の他端部である後端部12(図3参照)に取付けられている。本実施の形態の電子体温計1の筐体は、本体ハウジング10と、本体ハウジング10の先端に配置されたキャップ15と、本体ハウジング10の後端に配置された閉塞部材16と、を含む。
【0023】
図2に示すように、本実施の形態における電子体温計1は、上述した表示部4および操作部5に加え、制御部2、メモリ部3、報知部6、電源部7および測温部8を備えている。制御部2は、たとえばCPU(Central Processing Unit)にて構成され、電子体温計1の全体を制御するための手段である。メモリ部3は、たとえばROM(Read-Only Memory)やRAM(Random-Access Memory)にて構成され、体温測定のための処理手順を制御部2などに実行させるためのプログラムを記憶したり、測定結果などを記憶したりするための手段である。
【0024】
表示部4は、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示パネルにて構成され、測定結果などを表示するための手段である。操作部5は、たとえば押し釦にて構成され、ユーザによる操作を受け付けてこの外部からの命令を制御部2や電源部7に入力するための手段である。報知部6は、たとえばブザーによって構成され、測定が終了したことやユーザの操作を受け付けたことなどをユーザに知らせるための手段である。
【0025】
電源部7は、たとえばボタン電池によって構成され、制御部2に電源としての電力を供給するための手段である。測温部8は、上述したキャップ15と、当該キャップ15の内部に収容された感温部73(図3など参照)とを含み、腋下や舌下などの被測定部位に挟み込まれることで体温を検出する部位である。
【0026】
制御部2は、体温測定を実行するための処理回路を含んでおり、メモリ部3から読み出されたプログラムに基づいて体温を測定する。その際、制御部2は、測温部8から入力された温度データを処理することで測定結果としての体温を算出する。制御部2はさらに、算出した体温を表示部4にて表示したり、算出した体温をメモリ部3に記憶させたり、測定が終了したことを報知部6を用いてユーザに知らせたりするように、電子体温計1を制御する。
【0027】
次に、本実施の形態における電子体温計1の組付け構造について説明する。図3は、図1に示す電子体温計1の組付け構造を示す分解斜視図である。
【0028】
図3に示すように、本実施の形態における電子体温計1は、上述した筐体としての本体ハウジング10、キャップ15および閉塞部材16と、各種内部構成部品が組付けられたサブアセンブリとしてのアセンブリ18とを備える。本体ハウジング10は、アセンブリ18を収容する中空の本体部10aと、測温部を形成するキャップ15および本体部10aの間に配置された中空のプローブ部10bと、を含む。
【0029】
キャップ15は、本体ハウジング10の前端を形成する先端部11に、たとえば接着によって固定される。アセンブリ18は、本体ハウジング10の後端部12に位置する開口から挿入されることにより、本体ハウジング10の内部の中空部13に収容される。閉塞部材16は、上述した本体ハウジング10の後端部12に位置する開口を閉塞するように、本体ハウジング10に、たとえば接着、超音波溶着などによって固定される。ここで、閉塞部材16の本体ハウジング10に対する固定に超音波溶着を採用すれば、接着を採用した場合に比べて、短時間での処理が可能となる。
【0030】
なおキャップ15は、図3に示すように本体ハウジング10とは別の部材として形成される例に限られない。たとえば、キャップ15を樹脂材料製とし、本体ハウジング10とキャップ15とを一つの樹脂成型品として、一体の構造に形成してもよい。
【0031】
アセンブリ18は、本体ハウジング10の先端部11側へ延びる延出部20を含む。延出部20は、アセンブリ18とともに本体ハウジング10内へ挿入される。本体ハウジング10の内部において、延出部20は、アセンブリ18に対し本体ハウジング10の先端部11側に配置される。
【0032】
図4は、図3に示すアセンブリ18の組付け構造を示す分解斜視図である。なお、図4に示す分解斜視図は、図3に示すアセンブリ18を上下反転させてこれを分解した状態を示すものである。
【0033】
図4に示すように、アセンブリ18は、保持部材としてのサブケース50と、リード線72が取り付けられるプリント基板70と、表示部4を構成する表示部組立体61と、操作部5を構成する操作部組立体62と、弾性コネクタ63と、報知部6としてのブザー65と、端子67が付設されたブザーカバー66と、端子69が付設された固定部材68とを主として備えている。
【0034】
サブケース50は、上述した各種内部構成部品が組付けられる基体となるものであり、ABS樹脂などの樹脂材料にて形成された、下端開口の偏平な略直方体状の部材である。サブケース50の上端面の所定位置には、開口が設けられることで表示部用窓部51が、また上端面の一部が切り欠かれることで操作部用舌部52が、それぞれ形成されている。ここで、操作部用舌部52の所定位置には、操作部組立体62を位置決めして固定するための突起部が形成されている。
【0035】
また、サブケース50の前端寄りの位置には、ブザー65が収容されるブザー収容部53が設けられており、サブケース50の後端寄りの位置には、固定部材68が収容される固定部材収容部54およびボタン電池が収容される電池収容部55が設けられている。さらにサブケース50の上端面の所定位置には、プリント基板70を支持するための複数の支持ピン56が設けられている。
【0036】
表示部組立体61は、上述した表示パネルを含む略板状の組立体からなり、サブケース50の表示部用窓部51が形成された位置に当該表示部用窓部51に表示パネルが面すように載置されることでサブケース50に組付けられる。操作部組立体62は、略円柱状の組立体からなり、サブケース50の操作部用舌部52が形成された位置に載置されることで組付けられる。
【0037】
ここで、操作部組立体62のサブケース50側の主面には、凹部が形成されており、当該凹部が上述した操作部用舌部52に設けられた突起部に嵌合することで、操作部組立体62が操作部用舌部52に位置決めして固定される。操作部組立体62の上記凹部が形成された側の主面とは反対側の裏面には、弾性を有するラバーシートが貼り付けられている。このラバーシートは、組付け後においてプリント基板70に所定の隙間をもって対面するように配置され、操作部5をユーザが押下した場合に当該プリント基板70に接触する。ラバーシートは、それ自体が導電ゴムにて形成されるかあるいはその表面にカーボン印刷が施されることにより導電性を有しており、上記ユーザの操作に伴い、プリント基板70に設けられた接点の導通/非導通状態を切り替える。
【0038】
また、サブケース50に組付けられた表示部組立体61上の所定位置には、弾性コネクタ63が載置される。当該弾性コネクタ63は、弾性を有するクッション材を含む圧接型のコネクタ部品であり、上述した表示部組立体61と後述するプリント基板70とによって挟み込まれて固定されることで、当該表示部組立体61に含まれる表示パネルとプリント基板70とを電気的に接続する。
【0039】
合図音などの音を発する発音体としてのブザー65は、振動板と圧電板とが一体化された薄型の円板状の電子部品である。ブザー65は、サブケース50に設けられたブザー収容部53に収容されることで、サブケース50上に載置されて組付けられる。また、サブケース50のブザー収容部53には、上述したブザー65に加え、ブザー65を固定する発音体固定部としてのブザーカバー66が組付けられる。
【0040】
このブザーカバー66は、端子67が一体化されて形成される樹脂製の部材である。ブザーカバー66は、サブケース50上に載置されたブザー65を覆うようにブザー収容部53に載置されることで、サブケース50に組付けられる。端子67は、板バネ構造を有する導電性の部材からなり、ブザー65とプリント基板70とを電気的に接続するための部材である。なお、ブザーカバー66と端子67の一体化には、インサート成形や接着、嵌め込みなどの手法が利用可能である。
【0041】
図3に示す延出部20は、ブザーカバー66が本体ハウジング10の先端部11側へ延びて形成されている。延出部20は、アセンブリ18に含まれる樹脂材料製のブザーカバー66と一体に成形された、樹脂成型品である。
【0042】
固定部材68は、端子69が一体化されてなる樹脂製の部材からなり、サブケース50の固定部材収容部54に収容されることでサブケース50上に載置されて組付けられる。固定部材68に一体化された端子69は、固定部材68が固定部材収容部54に収容されることで、その一部が電池収容部55に達する。また、サブケース50の電池収容部55には、上述したように図示しないボタン電池が収容される。端子69は、板バネ構造を有する導電性の部材からなり、電池収容部55に収容されたボタン電池と後述するプリント基板70とを電気的に接続するための部材である。なお、固定部材68と端子69の一体化には、インサート成形や接着、嵌め込みなどの手法が利用可能である。
【0043】
プリント基板70は、その表面に所定のパターンの導電線が形成された平面視略矩形状の板状のリジッド配線基板からなる。当該プリント基板70の表面には、各種電子部品が実装されており、これにより当該プリント基板70に上述した体温測定を実行するための処理回路などの各種回路が形成されている。プリント基板70に設けられた処理回路には、小型の感温素子である感温部73が、上述したリード線72を介して電気的に接続されるとともに、当該リード線72を介してプリント基板70に物理的に固定されている。感温部73とリード線72とは、本実施の形態の温度センサとしての、リード線72が同一方向に平行に伸びるラジアルリード型のサーミスタ74を形成する(図3参照)。
【0044】
プリント基板70は、上述した表示部組立体61、操作部組立体62、弾性コネクタ63、ブザー65、端子67付きブザーカバー66および端子69付き固定部材68が組付けられたサブケース50上に組付けられ、サブケース50に収容される。その際、プリント基板70の所定位置に設けられた貫通孔71にサブケース50に設けられた支持ピン56が挿通するようにプリント基板70がサブケース50上に載置され、当該貫通孔71から突き出た部分の支持ピン56が熱かしめされる。これにより、プリント基板70は、サブケース50に向けて押圧された状態で組付けられる。この状態で、サブケース50とプリント基板70との間に述した表示部組立体61などの各種部品が挟み込まれて固定されることになる。
【0045】
なお、本実施の形態における電子体温計1のサブケース50の上端面の所定位置には、電子体温計1用の組立装置にサブケース50を載置する際の位置決めに用いられる基準穴58が設けられている。また、本実施の形態における電子体温計1のサブケース50の側面の所定位置には、サブケース50を含むアセンブリ18を本体ハウジング10の中空部13に挿入して固定するための膨出部57が設けられている。
【0046】
図5は、サーミスタ74の分解斜視図である。図5に示すように、本実施の形態の温度センサとしてのサーミスタ74は、被測定者の体温を計測する感温部73と、リード線72とを含む。リード線72は、一対の導線72a,72bを有する。サーミスタ74は、一対の導線72a,72bが同一方向に平行に伸びる、ラジアルリード型のサーミスタである。リード線72(導線72a,72b)の一端75は、感温部73に固定される。リード線72(導線72a,72b)の他端76は、図4に示すプリント基板70に固定される。
【0047】
図6は、電子体温計1の内部構造を示す斜視図である。図7は、電子体温計1の内部構造を示す断面図である。図6および図7では、電子体温計1の筐体のうち本体ハウジング10のプローブ部10bおよびキャップ15の外形のみが点線で示され、電子体温計1の筐体内部に配置される各構成部品が図示されている。
【0048】
図6および図7に示すように、サーミスタ74の感温部73は、本体ハウジング10の先端部11側に配置されたキャップ15の内部に収容され、キャップ15の内部において固定される。サーミスタ74のリード線72は、本体ハウジング10のプローブ部10bの内部に収容される。リード線72は、プリント基板70から感温部73へ向かって、ブザーカバー66を越え、さらに延出部20を越えるように配置され、ほぼ直線状に延びている。
【0049】
延出部20は、プローブ部10bの内部の中空部を電子体温計1の軸方向(長手方向)に沿って先端部11へ向かって伸び、プローブ部10bからキャップ15の内部にまで亘って延在し、延出部20の突端26はキャップ15の内部に配置される。延出部20は、サーミスタ74の感温部73のすぐ近くまで延びている。突端26は、アセンブリ18に固定される根元部分から離れる側の、延出部20の端部を形成する。延出部20は、プローブ部10b内において、プリント基板70から感温部73へ向かって延びるリード線72と、ほぼ平行に延在している。
【0050】
延出部20の根元部分は、ブザーカバー66に固定されている。サブケース50の延在方向における端部には、切欠きが形成されており、この切欠きは、ブザー65を覆うブザーカバー66から延出部20が突出してサブケース50の外部へ延びるのを許容する。延出部20は、根元部分から突端26へ向かって徐々に幅が小さくなる、平面形状が細長い台形形状に形成されている。
【0051】
延出部20は、たとえば0.7mm〜1.0mm程度の厚みを有する、平板状に形成されてもよい。また、延出部20の厚みをさらに小さく形成することも可能であり、この場合、延出部20に補強のためのリブを形成してもよい。延出部20が樹脂成型品であるので、適切な形状の金型を予め準備しておくことにより、任意の形状の延出部20を容易に成形することができる。
【0052】
図7に示すように、アセンブリ18の厚み方向における延出部20の位置と、延出部20自体の厚みとを適宜調整することで、サーミスタ74の感温部73がキャップ15の内面に近接して配置されるように、延出部20はサーミスタ74を案内することができる。感温部73をキャップ15の内部空間の中央部ではなく壁寄りに配置すれば、体温を測定するときの被測定部位の温度が感温部73に伝達されやすくなる。したがって、電子体温計1の熱応答性を向上でき、より高速に体温を計測することが可能になる。
【0053】
アセンブリ18を組み立てるとき、サブケース50内に表示部組立体61および弾性コネクタ63、操作部組立体62、固定部材68ならびにブザー65を取り付けた後に、ブザーカバー66がサブケース50内に取り付けられる。後述するように、延出部20は、任意の種々の形状に形成され得る。そのため、ブザーカバー66と一体に延出部20を形成すれば、アセンブリ18の組み立てを途中まで済ませておき、その後生産しようとする電子体温計1の仕様に応じた任意の種類のブザーカバー66および延出部20の一体成型品を適用して、当該仕様の電子体温計1を生産することができる。融通の利く部材であるブザーカバー66に延出部20を設けることで、電子体温計1の生産性を向上させることができる。
【0054】
図8は、延出部20の断面図である。図8に示すように、延出部20は、リード線72に対向する表面21と、表面21と反対側の裏面22とを有する。延出部20は、その表面21に設けられた、リード線72を延出部20に固定するための固定材料41を有する。固定材料41は、リード線72に対向する延出部20の表面21に塗布または印刷されて取り付けられた、粘着性を有する粘着材であってもよい。また固定材料41は、表面21に接着剤が塗布されまたはスクリーン印刷およびパッド印刷などを使用し印刷されて形成されてもよく、この場合接着剤は紫外線硬化型接着剤であって、リード線72を固定した後に紫外線が照射されて硬化固定されてもよい。また固定材料41は、表面21に両面テープを貼着して形成してもよい。
【0055】
図6に示す延出部20がプローブ部10bの内部に配置された状態で、固定材料41は、延出部20の表面21の、少なくともリード線72と対向する一部に設けられている。この固定材料41にリード線72を貼り付けることにより、リード線72の曲がりや方向ずれの発生が防止される。リード線72が固定材料41によって保持されることにより、延出部20に対してリード線72が相対的に位置ずれせず、リード線72が延出部20に固定された構成となる。固定材料41は、固定材料41に粘着したリード線72の延出部20に対する位置決めをする。固定材料41は、リード線72の延在方向を方向付けるガイド部40としての機能を有する。
【0056】
固定材料41は、図8に示すように、延出部20の長手方向に延びてその表面21を覆うように設けられてもよい。または、延出部20の突端26付近の一部のみにおいて表面21を覆うように、固定材料41が設けられてもよい。
【0057】
延出部20の表面21のより広い範囲に固定材料41を設けると、リード線72を延出部20により確実に固定することができる。一方、突端26付近のみに固定材料41を設ける構成とすると、必要最小限の部分のみに存在する固定材料41によってリード線72を固定することができ、固定材料41を形成する材料の必要量を低減することができる。また、延出部20に固定されるリード線72の長さが小さくなるので、リード線72から延出部20へ熱伝導により直接伝達される熱量を低減することができる。リード線72から延出部20への熱伝導をより低減するために、固定材料41として使用される材料は熱伝導率の低い材料であることが望ましい。
【0058】
延出部20の表面21に粘着材を印刷して固定材料41を形成する場合は、延出部20の幅方向(延出部20の短手方向であって、後述する図11,14および15中の上下方向)のリード線72と対向する範囲にのみ、表面21に固定材料41を設けてもよい。リード線72の真下に相当する表面21のごく狭い範囲にのみ固定材料41を設けることで、必要最小限の粘着材で固定材料41を形成できる。また、延出部20の幅方向の端部付近に粘着材がない構成とすることで、延出部20が本体ハウジング10のプローブ部10b内に挿入されるとき、粘着材がプローブ部10bの内壁面に接触して延出部20の挿入を妨げることを抑制できるので望ましい。
【0059】
このように、リード線72が固定材料41を介して延出部20に固定されるので、電子体温計1の組み立て時に、サーミスタ74を位置決めすることができ、上述したようにリード線72の曲がりや方向ずれの発生が防止される。アセンブリ18と、アセンブリ18から本体ハウジング10の先端部11側へ延びる延出部20と、延出部20にリード線72が貼り付けられたサーミスタ74と、を一体の構造物として取り扱うことができ、当該構造物を容易に本体ハウジング10の内部の中空部13へ挿入することが可能になる。したがって、電子体温計の組み立て時において、サーミスタ74とアセンブリ18とを本体ハウジング10へ挿入する工程を自動化することができ、電子体温計1を安価に製造することができる。
【0060】
また、サーミスタ74が位置決めされることにより、感温部73およびリード線72を精度よく所定の位置に配置することができる。これにより、感温部73の位置ずれによる電子体温計1の測定精度の低下を抑制することができる。かつ、電子体温計1の個体毎の品質のばらつきを抑制することができる。
【0061】
加えて、樹脂成型品の延出部20を使用してリード線72が固定されており、前述の特許文献1のようにプリント基板の大型化または形状変更を必要としないので、電子体温計1の材料コストの増加を抑制できる。サーミスタ74は、感温部73とリード線72とを有する一般的なラジアルリード型サーミスタであり、特殊形状の温度センサは必要ないために、より安価に電子体温計を製造することができる。
【0062】
(実施の形態2)
図9は、実施の形態2の電子体温計1の内部構造を示す斜視図である。図10は、実施の形態2の電子体温計1の内部構造を示す断面図である。実施の形態2の電子体温計1は、アセンブリ18のサブケース50が本体ハウジング10の先端部11側へ延びて延出部20が形成されている点において、上述した実施の形態1とは異なっている。
【0063】
具体的には、実施の形態2では、ブザーカバー66はブザー65を覆う形状に形成されており、サブケース50の内部に収容されている。サブケース50の長手方向の前端部における外側面から延びるように、延出部20が形成されている。延出部20は、アセンブリ18に含まれる樹脂材料製のサブケース50と一体に成形された、樹脂成型品である。延出部20には、実施の形態1と同様に、延出部20のリード線72に対向する表面21に、リード線72を延出部20に固定する固定材料41が設けられている。固定材料41は、サーミスタ74のリード線72の延在方向を方向付ける、ガイド部40として機能する。
【0064】
延出部20は、プローブ部10bの内部の中空部を電子体温計1の軸方向(長手方向)に沿って先端部11へ向かって伸び、その突端26はプローブ部10b内の先端部11(図3参照)の近傍に配置されている。
【0065】
このように、サブケース50と一体成形して延出部20を形成し、延出部20の表面に設けられた固定材料41を介してリード線72を延出部20に固定することにより、実施の形態1と同様に、電子体温計1の組み立て時にサーミスタ74を位置決めすることができ、リード線72の曲がりや方向ずれが発生することを防止することができる。サブケース50に延出部20を設けるとサブケース50の全長が長くなり部材の外形が増大し嵩張るという問題はあるが、ブザーカバー66のサブケース50内への組み付けは従来通りに行なえばよく、実施の形態1と比較してより容易にブザーカバー66を組み付けられるので、この点で生産性を向上できる。
【0066】
図10に示すように、リード線72は、アセンブリ18の端部からなだらかに延出部20の表面へ向かって傾斜し、延出部20の長手方向の中間部において延出部20の表面に接触している。延出部20は、アセンブリ18の厚み方向の、プリント基板70が配置された側の面に近い側(図10の上側)に配置されれば、アセンブリ18からキャップ15の内部空間まで延びるリード線72の湾曲を小さくできるので望ましい。リード線72がアセンブリ18の端部から急に湾曲して、ブザーカバー66またはサブケース50の縁部にリード線72が当接してリード線72が擦れるような状態は好ましくなく、上記リード線72の擦れを回避できる程度にリード線72の湾曲の度合いを小さくできるように、延出部20の配置と延出部20の表面21に固定材料41を設ける位置とを適切に設計するのが望ましい。
【0067】
(実施の形態3)
図11は、実施の形態3の延出部20とリード線72との配置を示す平面図である。図12は、図11に示すXII−XII線に沿う、実施の形態3の延出部20の断面図である。図11および図12に示すように、実施の形態3の延出部20には、厚み方向に延出部20を貫通する貫通孔30が形成されている。貫通孔30は、延出部20の延在方向に沿って延びるように形成されている。リード線72は、貫通孔30を越えるように配置されている。
【0068】
図12に示すように、実施の形態3の固定材料41は、貫通孔30に対して突端26側に位置する延出部20の表面21に設けられている。固定材料41は、延出部20がアセンブリ18から突出する根元部分に対し、貫通孔30を介在させて対向する位置に配置されている。固定材料41は、貫通孔30よりも突端26側の延出部20全体に亘って、表面21を覆うように設けられる。または図13に示すように、延出部20がアセンブリ18から突出する根元部分から離れる側の、延出部20の突端26付近の一部のみにおいて、表面21を覆うように固定材料41が設けられてもよい。なお図13は、図12に示す延出部20の断面の変形例を示す図である。
【0069】
リード線72のうち延出部20に接触している接触部分が大きいほど、電子体温計1の組み立て時におけるサーミスタ74の位置決めのためには有利である。一方、接触部分が大きくなると、被測定部位の体温が伝達されて感温部73に印加された熱がリード線72から延出部20に伝導され、その結果、電子体温計1の熱応答が遅くなる。
【0070】
そこで、図11に示すように、延出部20の一部に貫通孔30を形成し、貫通孔30を跨ぐようにリード線72を配置すれば、延出部20とリード線72との接触は、延出部20の突端26付近の、リード線72を延出部20上に位置決めするために必要最小限な範囲にとどめられる。その結果、延出部20の表面21へのリード線72の接触面積を低減できる。延出部20に形成された貫通孔30は、延出部20の表面21へのリード線72の接触を低減する接触低減部として機能する。
【0071】
このようにすれば、体温測定時にサーミスタ74に印加された熱のうち延出部20を通って逃げる熱量を低減できるので、電子体温計1の熱応答を向上することができる。したがって、被測定部位の体温を短時間で精度よく計測することができ高速測定に有利な、電子体温計を提供することができる。
【0072】
図11に示すように、延出部20の長手方向に延びる長穴として形成される貫通孔30は、突端26に向かって穴の幅が小さくなるように形成されている。つまり、図11に示すように延出部20の平面形状は突端26へ向かって徐々に幅(図11中の上下方向における延出部20の上縁と下縁との間隔)が小さくなるが、貫通孔30もまた、延出部20の幅が小さくなるに従って、その幅を狭めるように形成されている。このようにすれば、延出部20の、貫通孔30が形成されることによって打ち抜かれる部分をより小さくすることができるので、延出部20の強度の低下を抑制し、延出部20の強度を確保できるので好ましい。
【0073】
(実施の形態4)
図14は、実施の形態4の延出部20とリード線72との配置を示す平面図である。図11に示す実施の形態3の延出部20には、延出部20の長手方向に延びる大きな長穴形状の貫通孔30が形成されていた。これに対し、図14に示す実施の形態4の延出部20には、複数の小孔31〜34が形成されて、これら小孔31〜34が貫通孔30を形成する。
【0074】
延出部20のコストを低減するなどの理由により、延出部20の厚みを小さくする場合、厚みが小さくなるほど延出部20の強度が低下する。貫通孔30を複数の小孔31〜34に分割して形成すると、図11に示す一つの長穴を形成するよりも、延出部20の強度をより大きくすることができる。また、複数の小孔31〜34を形成することにより、延出部20を伝導する熱の経路が複雑化するので、延出部20を経由して熱が逃げにくくなる効果も得ることができる。
【0075】
(実施の形態5)
図15は、実施の形態5の延出部20とリード線72との配置を示す平面図である。実施の形態5の延出部は、二つの細長孔35,36が形成されて、これらの細長孔35,36が貫通孔30を形成する点で、図11および図14に示す実施の形態と異なっている。
【0076】
細長孔35,36を形成することにより、図11に示す一つの長穴を形成する場合と比較して、延出部20の長手方向の強度を向上することができる。図14に示す複数の小孔31〜34を形成する場合、各々の小孔31〜34が形成された部分における延出部20の折れ曲がり強度が低下するが、一定の幅を有する細長孔35,36を形成すればこのような折れ曲がり強度の低下を回避でき、より強度の大きい延出部20を提供することができる。
【0077】
なお、これまでの実施の形態では、延出部20の表面21に設けられた固定材料41を介して、リード線72が延出部20の表面21に固定される例について説明した。電子体温計1としての組み立てが完全に完成した状態において、リード線72は、延出部20に対し非接触状態に配置されてもよい。
【0078】
たとえば、固定材料41の粘着材を、熱を加えることによって粘着性が低下する性質を有する材料によって形成し、電子体温計1の組み立て完了後に固定材料41を加熱して粘着性を低下させることにより、リード線72を延出部20から剥離させることができる。このような粘着材として、たとえば、90〜100℃の加熱により剥離するアクリル系の紫外線硬化型接着剤を使用してもよい。
【0079】
加えて、固定材料41の粘着性が低下した状態で延出部20自身が変形することで、より確実にリード線72が延出部20に接触していない状態にすることができる。たとえば、延出部20を加熱して熱変形させてもよい。またたとえば、延出部20を弾性変形させた状態でリード線72が固定材料41に貼り付けられており、固定材料41の粘着性が低下すると弾性力が解放されて元の形状に戻るように延出部20が変形してもよい。またたとえば、固定材料41の粘着性が低下すると延出部20を弾性変形させるように弾性力を延出部20に作用する、板ばねなどの他の部材を設けてもよい。
【0080】
リード線72と延出部20とを非接触にすれば、体温測定時にサーミスタ74に印加された熱が延出部20を通って逃げることを防止できる。したがって、電子体温計1の熱応答性を一層向上することができる。また、リード線72が延出部20に接触した製品と接触していない製品とが混在すると、電子体温計1の製品ばらつきになるので、電子体温計1の個体毎の誤差を最小にするために、電子体温計1の組み立て完了後にはリード線72と延出部20とを非接触にするように品質管理するのがより望ましい。
【0081】
(実施の形態6)
図16は、実施の形態6の電子体温計1の内部構造を示す斜視図である。図17は、実施の形態6の電子体温計1の内部構造を示す断面図である。図18は、実施の形態6の延出部20とリード線72との配置を示す平面図である。
【0082】
実施の形態1〜5では、リード線72の延在方向を方向付けるガイド部40として、リード線72を延出部20に固定する固定材料41が、延出部20のリード線72に対向する表面21に設けられている例について説明した。これに対し、実施の形態6の延出部20は、延出部20のリード線72に対向する表面21から突起する突起部である第一突起42と第二突起43とを含む。
【0083】
第一突起42と第二突起43とは、薄い平板形状に形成され、延出部20の長手方向に沿うように、互いに平行に配置されている。リード線72は、一対の突起部を形成する第一突起42と第二突起43との間に挟まれるように配置される。第一突起42と第二突起43とは、リード線72の延在方向に沿って延在し、その間にリード線72を挟んでリード線72を延出部20の長手方向に案内することにより、リード線72の延在方向を方向付けるガイド部40として機能する。
【0084】
第一突起42と第二突起43とは、延出部20と一体に樹脂成型により形成されてもよい。この場合、第一突起42と第二突起43とが表面21に対して突起する突起高さをより大きくするために、第一突起42と第二突起43との近傍の延出部20を、より小さい厚みを有する薄肉に形成してもよい。または、延出部20と別に準備された薄板状の部材を接着、溶着または嵌合などに代表される任意の方法を用いて延出部20の表面21に固着させて、第一突起42および第二突起43を形成してもよい。第一突起42と第二突起43との延出部20の長手方向における寸法は、図示された例よりも長くてもよく、この場合、より確実にリード線72を挟んで保持することができる。
【0085】
実施の形態6の電子体温計1では、一対の突起部を形成する第一突起42と第二突起43との間にリード線72を挟んでリード線72の延在方向を方向付けるので、実施の形態1と同様に、電子体温計1の組み立て時に、サーミスタ74を位置決めすることができ、リード線72の曲がりや方向ずれの発生が防止される。アセンブリ18と、アセンブリ18から本体ハウジング10の先端部11側へ延びる延出部20と、第一突起42および第二突起43との間にリード線72が挟まれることで延出部20に保持されたサーミスタ74と、を一体の構造物として取り扱うことができ、当該構造物を容易に本体ハウジング10の内部の中空部13へ挿入することが可能になる。したがって、電子体温計の組み立て時において、サーミスタ74とアセンブリ18とを本体ハウジング10へ挿入する工程を自動化することができ、電子体温計1を安価に製造することができる。
【0086】
また、実施の形態6の電子体温計1では、リード線72は第一突起42および第二突起43との間に挟まれているが、第一突起42、第二突起43または延出部20の表面21に必ずしも接触していない。そのため、固定材料41にリード線72を貼り付ける構成と比較して、リード線72と延出部20との接触をより低減できると考えられるので、延出部20の表面21へのリード線72の接触面積を低減できる。かつ、仮にリード線72が第一突起42、第二突起43または延出部20に接触しても、接触面が完全に密着しないことにより接触熱抵抗が生じ、リード線72から延出部20へ熱は伝達されにくい。したがって、体温測定時にサーミスタ74に印加された熱のうち延出部20を通って逃げる熱量を低減できるので、電子体温計1の熱応答を向上することができる。
【0087】
また、本体ハウジング10のプローブ部10bの内面の、延出部20の表面21に対向する一部が突起して、図示しないハウジング突起部が形成されてもよい。この場合、電子体温計1としての組み立てが完全に完成した状態において、第一突起42と第二突起43との間に当該ハウジング突起部が配置されてもよい。ハウジング突起部は、延出部20を本体ハウジング10へ挿入するとき第一突起42と第二突起43との隙間に割って入るようにして設置され、このとき、第一突起42と第二突起43との間隔を押し広げるように、第一突起42と第二突起43とを押圧してもよい。このようにすれば、電子体温計1が完全に組みあがった状態において、リード線72の第一突起42または第二突起43への接触をさらに低減できるので、電子体温計1の熱応答をさらに向上することができる。
【0088】
なお、これまでの実施の形態では、リード線72の表面21への延出部20の接触を低減する接触低減部の一例として、延出部20に貫通孔30を形成し、リード線72が載置される延出部20の一部を切り抜き状態とする例について説明した。本発明の延出部20はこの構成に限られるものではない。図19は、延出部20の平面形状の変形例を示す平面図である。たとえば図19に示すように、延出部20の表面21の一部が突起した突起部や、表面21の一部が窪んだ凹部などの表面加工部37が、プレス加工などによって延出部20に形成されてもよい。リード線72に対向する表面21に表面加工部37を形成することで、リード線72の延出部20への接触を低減できる効果を、同様に得ることができる。
【0089】
上述したように、延出部20は、アセンブリ18を構成する構成部品であるブザーカバー66またはサブケース50と一体の樹脂成型品として形成される。したがって、適切な金型を準備することにより、コストを上昇させることなく、任意の形状の貫通孔30または表面加工部37が形成された延出部20を容易に形成できる。表面加工部37は図19に示す形状に限られないのは勿論であり、たとえば、延出部20の表面21のリード線72に対向する一部または全部に粗めのシボ加工を施して表面加工部37を形成してもよい。
【0090】
次に、以上説明した構成を備える電子体温計1の製造方法について説明する。図20は、電子体温計1の製造方法の一例を示す流れ図である。図21は、図20に示す製造方法の工程(S30)の状態を示す模式図である。図22は、図20に示す製造方法の工程(S40)の状態を示す模式図である。図23は、図20に示す製造方法の工程(S50)の状態を示す模式図である。図20〜23を参照して、電子体温計1の製造方法の一例について説明する。
【0091】
まず工程(S10)において、表示部組立体61、操作部組立体62、電池収容部55に収容されたボタン電池およびプリント基板70などを含み、これらの構成要素が全て組み付けられた状態の、アセンブリ18を準備する。アセンブリ18には、たとえばブザーカバー66またはサブケース50などの、アセンブリ18の構成要素のいずれかがアセンブリ18の端部から延出する、延出部20が当該端部に取り付けられている。
【0092】
延出部20は、その表面21に、後の工程でサーミスタ74のリード線72を保持可能に設けられた、ガイド部40を有する。ガイド部40は、リード線72を延出部20の表面21に固定する固定材料41を含んでもよい。または、ガイド部40は、表面21から突起する第一突起42および第二突起43を含んでもよい。ガイド部40が固定材料41を含む場合、固定材料41はこの時点では延出部20の表面21に設けられず、後の工程において固定材料41が表面21に設けられてもよい。
【0093】
続いて工程(S20)において、被測定者の体温を計測する感温部73と、感温部73に一端75が固定されたリード線72とを含む、温度センサとしてのサーミスタ74を準備する。サーミスタ74は、リード線72が上記ガイド部40に対向するように配置される。リード線72の他端76は、プリント基板70に固定される。
【0094】
続いて工程(S30)において、組立台100の表面101上にアセンブリ18を設置する。サーミスタ74が延出しているアセンブリ18を設置する前に、組立台100の表面101の金属屑が刷掃される。図21に示す状態で、アセンブリ18は組立台100の表面101に固定されているが、サーミスタ74を構成する感温部73とリード線72とは組立台100に固定されていない。組立台100の表面101にはまた、電磁石110が設けられている。アセンブリ18は、その先端から突出するリード線72が電磁石110側へ向くように位置および設置方向を調整されて、組立台100の表面101に固定される。
【0095】
続いて工程(S40)において、リード線72を適切な方向へ方向付けることによりリード線72の湾曲を低減し、リード線72をより真っすぐに近づけるようにその形状を矯正する。サーミスタ74に含まれる感温部73およびリード線72は、いずれも強磁性体の材料により形成されており、磁石に磁着することが可能である。そこで、図21に示すアセンブリ18を組立台100の表面101上に設置した状態で、電磁石110をオンにして磁力を発生させることにより、図22に示すように、感温部73が電磁石110側に引っ張られる。その結果、図21では曲がった部分のあったリード線72は、感温部73とともに電磁石110側へ移動することにより、引張力を受けて伸ばされる。これにより、リード線72の湾曲が低減され、リード線72はより真っ直ぐに近い形状に変形される。
【0096】
ここで、組立台100の内部に、電磁石110とは異なる他の電磁石が埋設されていてもよい。この他の電磁石は、図22に示すリード線72が完全に伸ばされた状態において、リード線72の全長よりも長い範囲で、リード線72の下方に相当する組立台100の内部に配置されていてもよい。そして、図22に示すリード線72を真っすぐに引き伸ばした状態で当該他の電磁石をオンにして磁力を発生させることにより、確実にリード線72を真っ直ぐに伸びた状態に保つことができる。
【0097】
続いて工程(S50)において、図22に示すリード線72を真っすぐにした状態で、リード線72を延出部20の表面21に近接する方向へ移動させることにより、表面21上に設置されたガイド部40にリード線72を保持させる。ガイド部40が固定材料41を含む場合、リード線72は固定材料41を介して延出部20の表面21に固定される。
【0098】
上述した工程(S10)において固定材料41が延出部20の表面21に設けられていない場合には、この工程(S50)において、リード線72を表面21側へ移動させる前に、固定材料41を表面21に設けることができる。また、固定材料41として紫外線硬化型接着剤が使用される場合、リード線72を延出部20に接近させ表面21に接触させた状態で紫外線を照射することで、接着剤を硬化させて、リード線72を表面に固定することが可能となる。またガイド部40が第一突起42および第二突起43を含む場合、リード線72は第一突起42と第二突起43との間に挟まれるように配置される。これにより、ガイド部40にリード線72が保持され、リード線72は延出部20の表面21上に固定される。
【0099】
続いて工程(S60)において、電磁石110をオフにする。電磁石110をオフにしても、リード線72は前工程でガイド部40に保持されているので、真っ直ぐに延びるリード線72が延出部20に対し位置決めされた状態に保たれる。続いて工程(S70)において、中空の本体ハウジング10を準備し、ガイド部40にリード線72を保持させた状態で、アセンブリ18を、延出部20が取り付けられた端部側から本体ハウジング10内に挿入する。リード線72が延出部20の表面21においてガイド部40に保持されているので、リード線72の曲がりや方向ずれが発生することがなく、サーミスタ74が端部から長く延出しているアセンブリ18を容易に本体ハウジング10内へ移動させることができる。
【0100】
続いて工程(S80)において、本体ハウジング10の先端部11にキャップ15が接着される。これにより、サーミスタ74の感温部73は先端部11側のキャップ15内に固定され、リード線72は本体ハウジング10の内部のプローブ部10b内に収容された状態となる。
【0101】
続いて工程(S90)において、本体ハウジング10の先端部11側を所定時間加熱する。この加熱により、前工程においてキャップ15と本体ハウジング10の先端部11との間に供給された接着剤が固化するので、キャップ15が確実に本体ハウジング10に接着する。
【0102】
また、熱を加えると粘着性が低下する性質の粘着材を使用して固定材料41を形成した場合には、この加熱により粘着材の粘着性が低下し、その結果、リード線72が固定材料41から剥がれ、リード線72は延出部20から分離する。このとき、加熱または弾性力の作用などにより延出部20自身を変形させてもよく、この場合、リード線72が延出部20に接触していない非接触状態を確実に得ることができる。このようにすれば、リード線72から延出部20へ直接熱伝導されなくなるので、電子体温計1の熱応答性が向上し高速測定が可能になり、また個々の電子体温計1毎の測定精度誤差を小さくできるので望ましい。
【0103】
以上の図20に示す各工程を行なうことにより、延出部20のリード線72に対向する表面21にリード線72の延在方向を方向付けるガイド部40が設けられた電子体温計1を、容易に製造することができる。サーミスタ74およびアセンブリ18を本体ハウジング10へ挿入するとき、サーミスタ74のリード線72の曲がりや方向ずれの発生を防止できるので、電子体温計1を安価に製造でき、電子体温計1の測定精度の低下を抑制し、電子体温計1の個体毎の品質のばらつきを抑制することができる。なお、固定材料41(および延出部20)の加熱は、本体ハウジング10にキャップ15を接着する前に、本体ハウジング10の先端部11から温風を供給することによって、行なわれてもよい。
【0104】
図24は、電子体温計1の製造方法の他の例を示す流れ図である。図25は、図24に示す製造方法の工程(S30)の状態を示す模式図である。図26は、図24に示す製造方法の工程(S140)の状態を示す模式図である。図27は、図24に示す製造方法の工程(S50)の状態を示す模式図である。図24〜27を参照して、電子体温計1の製造方法の他の例について説明する。
【0105】
図24に示す工程(S10)〜(S20)は、図20に示す工程(S10)〜(S20)と同じであるので、説明を省略する。続いて工程(S30)において、組立台100の表面101上にアセンブリ18を設置する。図25に示す状態で、アセンブリ18の端部に取り付けられたサーミスタ74の感温部73が、組立台100の表面101に設けられた保持部120に固定されている。一方、リード線72とアセンブリ18とは、組立台100に固定されていない。
【0106】
続いて工程(S140)において、リード線72を適切な方向へ方向付けることによりリード線72の湾曲を低減し、リード線72をより真っすぐに近づけるようにその形状を矯正する。感温部73が保持部120に固定された状態で、図26に示すように組立台100を傾斜させることにより、アセンブリ18が組立台100から吊下され、重力の作用によってアセンブリ18は垂直方向下側へ移動する。組立台100は、感温部73を保持する保持部120よりもリード線72およびアセンブリ18が下方に配置されるように、傾斜される。その結果、図25では曲がった部分のあったリード線72は、アセンブリ18の下方への移動に伴って引張力を受けて伸ばされる。これにより、リード線72の湾曲が低減され、リード線72はより真っ直ぐに近い形状に変形される。
【0107】
このとき組立台100を傾斜させる角度は任意であってもよい。組立台100の表面101が垂直方向に到達するまで組立台100を移動させ、感温部73の下方にアセンブリ18が位置するようにしてもよい。但し、アセンブリ18が比較的大型であり重量が大きいと、感温部73およびリード線72に加えられる負荷が大きくなるので、サーミスタ74の損傷を確実に回避するためには、組立台100を適切な角度に傾斜させるのが望ましい。
【0108】
続いて工程(S50)において、図23を参照して説明したのと同様に、延出部20の表面21上に設置されたガイド部40にリード線72を保持させる。これにより、ガイド部40にリード線72が保持され、リード線72は延出部20の表面21上に固定される。
【0109】
続いて工程(S160)において、アセンブリ18の吊下状態を解除する。具体的には、表面101がほぼ水平になるように、組立台100を元の位置に移動させる。アセンブリ18の吊下状態を解除しても、リード線72は前工程でガイド部40に保持されているので、真っ直ぐに延びるリード線72が延出部20に対し位置決めされた状態に保たれる。後の工程(S70)〜(S90)は、図22に示す工程(S70)〜(S90)と同じであるので、説明を省略する。
【0110】
以上の図24に示す各工程を行なうことによっても、延出部20のリード線72に対向する表面21にリード線72の延在方向を方向付けるガイド部40が設けられた電子体温計1を、容易に製造することができる。サーミスタ74およびアセンブリ18を本体ハウジング10へ挿入するとき、サーミスタ74のリード線72の曲がりや方向ずれの発生を防止できるので、電子体温計1を安価に製造でき、電子体温計1の測定精度の低下を抑制し、電子体温計1の個体毎の品質のばらつきを抑制することができる。
【0111】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、各実施の形態の構成を適宜組合せてもよい。また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0112】
1 電子体温計、10 本体ハウジング、10a 本体部、10b プローブ部、11 先端部、12 後端部、13 中空部、15 キャップ、16 閉塞部材、18 アセンブリ、20 延出部、21 表面、22 裏面、25 根元部、26 突端、30 貫通孔、31〜34 小孔、35,36 細長孔、37 表面加工部、40 ガイド部、41 固定材料、42 第一突起、43 第二突起、50 サブケース、65 ブザー、66 ブザーカバー、70 プリント基板、72 リード線、73 感温部、74 サーミスタ、75 一端、76 他端、100 組立台、101 表面、110 電磁石、120 保持部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定者の体温を計測する感温部と、前記感温部に一端が固定されたリード線とを含む、温度センサと、
前記感温部が先端側に配置され、前記リード線を内部に収容する、中空のハウジングと、
前記リード線の他端が固定された基板と、
前記ハウジングに収容され、前記基板を含むアセンブリと、を備え、
前記アセンブリは、前記ハウジングの先端側へ延びる延出部を含み、
前記延出部は、前記リード線の延在方向を方向付けるガイド部を有する、電子体温計。
【請求項2】
前記アセンブリは、前記基板を収容するケースを含み、
前記延出部は、前記ケースが前記ハウジングの先端側へ延びて形成されている、請求項1に記載の電子体温計。
【請求項3】
前記アセンブリは、合図音を発する発音体と、前記発音体を固定する発音体固定部とを含み、
前記延出部は、前記発音体固定部が前記ハウジングの先端側へ延びて形成されている、請求項1に記載の電子体温計。
【請求項4】
前記延出部には、前記リード線の前記延出部への接触を低減する接触低減部が形成されている、請求項1から請求項3のいずれかに記載の電子体温計。
【請求項5】
前記ガイド部は、前記延出部の前記リード線に対向する表面に設けられた、前記リード線を前記延出部に固定する固定材料を含む、請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子体温計。
【請求項6】
前記ガイド部は、前記延出部の前記リード線に対向する表面から突起する突起部を含む、請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子体温計。
【請求項7】
前記リード線は、前記延出部に対し非接触状態に配置されている、請求項1から請求項6のいずれかに記載の電子体温計。
【請求項8】
被測定者の体温を計測する感温部と、前記感温部に一端が固定されたリード線とを含む、温度センサと、
前記感温部が先端側に配置され、前記リード線を内部に収容する、中空のハウジングと、を備える、電子体温計の製造方法であって、
前記リード線を保持可能なガイド部を有する延出部が端部に取り付けられた、基板を含むアセンブリを準備する工程と、
前記リード線を前記ガイド部に対向するように配置し、前記基板に前記リード線の他端を固定する工程と、
前記リード線の湾曲を低減する工程と、
前記リード線の湾曲を低減した状態で前記ガイド部に前記リード線を保持させる工程と、
前記ガイド部に前記リード線を保持させた状態で、前記アセンブリを、前記延出部が取り付けられた端部側から前記ハウジング内に挿入する工程と、を備える、電子体温計の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−63301(P2012−63301A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209226(P2010−209226)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)