説明

電子内視鏡の操作部

【課題】リモコンスイッチ部外装カバーを簡便に脱着することができて、リモートコントロールスイッチの点検、修理或いは交換等を容易に短時間で行うことができる電子内視鏡の操作部を提供すること。
【解決手段】外部電子機器30〜32の動作を遠隔制御するためのリモートコントロールスイッチ13(131〜139)が上端部付近に配置されて、リモートコントロールスイッチ13(131〜139)が配置されている付近だけを外装するリモコンスイッチ部外装カバー14が着脱可能に設けられた電子内視鏡の操作部において、操作部本体フレーム15に対してリモコンスイッチ部外装カバー14をその外側から固定及び固定解除することができるカバー固定手段23を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は電子内視鏡の操作部に関する。
【背景技術】
【0002】
電子内視鏡の操作部には一般に、外部に接続されたビデオプロセッサ等のような外部電子機器の動作を遠隔制御するためのリモートコントロールスイッチが上端部付近に配置されていて、そのリモートコントロールスイッチが配置されている付近だけを外装するリモコンスイッチ部外装カバーが着脱可能に設けられている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特許3540408
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されているような従来の電子内視鏡の操作部においては、例えば特許文献1の図27等に示されるように、リモコンスイッチ部外装カバーを固定するための固定ねじが、操作部本体フレーム側からリモコンスイッチ部外装カバーに対して着脱自在に螺合する構成になっている。
【0004】
したがって、リモートコントロールスイッチの点検、修理或いは交換等の必要が生じた時は、操作部本体フレームの内側から固定ねじを緩めなければならず、そのためには、まず操作部本体フレームを大きく囲んでいる操作部外装カバーを外して、固定ねじにアクセスするのに妨げになる部材を脇へ寄せる等の作業が必要となり、極めて煩雑であった。
【0005】
そこで本発明は、リモコンスイッチ部外装カバーを簡便に脱着することができて、リモートコントロールスイッチの点検、修理或いは交換等を容易に短時間で行うことができる電子内視鏡の操作部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の電子内視鏡の操作部は、外部電子機器の動作を遠隔制御するためのリモートコントロールスイッチが上端部付近に配置されて、リモートコントロールスイッチが配置されている付近だけを外装するリモコンスイッチ部外装カバーが着脱可能に設けられた電子内視鏡の操作部において、操作部本体フレームに対してリモコンスイッチ部外装カバーをその外側から固定及び固定解除することができるカバー固定手段を設けたものである。
【0007】
なお、カバー固定手段が、雄ねじとそれより太い頭部とが一体に形成されたカバー固定ねじであり、カバー固定ねじがリモコンスイッチ部外装カバーを操作部本体フレームに対してその外側から固定及び固定解除できるように配置されていてもよく、その場合、カバー固定ねじが着脱自在に螺合するねじ孔が形成された台座が、操作部本体フレームに連結固定されていてもよい。
【0008】
また、リモートコントロールスイッチが、電気接点部を有するタクトスイッチとタクトスイッチをプッシュ操作するための押しボタン部とに分かれて構成されていて、タクトスイッチは操作部本体フレームに対して固定的に設けられ、押しボタン部はリモコンスイッチ部外装カバーに取り付けられていてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、操作部本体フレームに対してリモコンスイッチ部外装カバーをその外側から固定及び固定解除することができるカバー固定手段を設けたことにより、リモコンスイッチ部外装カバーを簡便に脱着することができて、リモートコントロールスイッチの点検、修理或いは交換等を容易に短時間で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
外部電子機器の動作を遠隔制御するためのリモートコントロールスイッチが上端部付近に配置されて、リモートコントロールスイッチが配置されている付近だけを外装するリモコンスイッチ部外装カバーが着脱可能に設けられた電子内視鏡の操作部において、操作部本体フレームに対してリモコンスイッチ部外装カバーをその外側から固定及び固定解除することができるカバー固定手段を設ける。
【実施例】
【0011】
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図2は電子内視鏡装置の全体構成を示しており、挿入部1の先端部分には遠隔操作によって屈曲する湾曲部2が形成され、図示されていない観察窓等が配置された先端部本体3が湾曲部2の先端に連結されている。先端部本体3内には、観察窓を通って得られる内視鏡観察像を撮像するための固体撮像素子4が内蔵されている。
【0012】
固体撮像素子4から出力される撮像信号等を伝送するための信号ケーブル5は、挿入部1の基端に連結された操作部10内を通って、外部の電子機器であるビデオプロセッサ30に接続されている。ビデオプロセッサ30には、内視鏡観察画像を表示するためのモニタテレビ31や、内視鏡観察画像を記録するためのビデオ記録装置32等の電子機器が接続されている。
【0013】
操作部10は下半部が握り部になっていて、上半部の側面には、湾曲部2の屈曲状態を遠隔操作するための湾曲操作ノブ11が配置され、上半部の前面には先端部本体3から外方に送気送水や吸引を行う操作を行うための操作弁12が配置されている。
【0014】
そして、操作部10の上端部付近の前面と後面には、外部電子機器(ビデオプロセッサ30、モニタテレビ31、ビデオ記録装置32等)の動作を遠隔制御するための複数のリモートコントロールスイッチ13が配置されている。
【0015】
図3は、そのようなリモートコントロールスイッチ13が配置されている操作部10の上端部付近を示しており、リモートコントロールスイッチ13が配置されている付近だけを外装するリモコンスイッチ部外装カバー14が操作部本体フレーム15に着脱自在に設けられている。16はシール用のOリングである。
【0016】
各リモートコントロールスイッチ13は、電気接点部を有するタクトスイッチ131と、そのタクトスイッチ131をプッシュ操作するための押しボタン部132〜139とに分かれて構成されていて、タクトスイッチ131は操作部本体フレーム15に対して固定されている。
【0017】
具体的には、タクトスイッチ131が取り付けられたタクトスイッチ受け板17が、操作部本体フレーム15に台座固定ねじ18で強固に固定された台座19に、タクトスイッチ固定ねじ20で固定されている。
【0018】
一方、押しボタン部132〜139はリモコンスイッチ部外装カバー14に取り付けられている。具体的には、押しボタン132が頭部に取り付けられたピストン状部材133が、リモコンスイッチ部外装カバー14に固定ナット134で固定されたシリンダ状部材135内に軸線方向に進退自在に嵌挿配置されている。
【0019】
また、ピストン状部材133が外方に抜け出すのを防止するストッパカバー136がシリンダ状部材135に外側から着脱自在に螺合している。137は、ピストン状部材133を付勢するコイルスプリング、138と139はシール用のOリングである。
【0020】
このような構成により、ストッパカバー136を緩めてシリンダ状部材135から取り外せば、押しボタン132が取り付けられたピストン状部材133をシリンダ状部材135内から外方に抜き出すことができる。
【0021】
リモコンスイッチ部外装カバー14を操作部本体フレーム15に対して固定するためのカバー固定ねじ23は、雄ねじとそれより太い頭部とが一体に形成されたものであり、リモコンスイッチ部外装カバー14の外側からリモコンスイッチ部外装カバー14を押さえるようにねじ通し孔28に通されて、台座19に形成されたねじ孔24に着脱自在に螺合している。25は、カバー固定ねじ23の頭部に装着されたシール用のOリング、26は、カバー固定ねじ23を回転させる工具を係合させるためのカニメ孔である。
【0022】
27は、カバー固定ねじ23が外側から見えないようにカバーをする板状のねじ部カバーであり、いつでも簡単に取り外せる粘着剤等でカバー固定ねじ23の外側からリモコンスイッチ部外装カバー14に貼着されている。その結果、図4に示されるように、リモコンスイッチ部外装カバー14部分を上方から見た時でも、外部から見えるのはねじ部カバー27であって、カバー固定ねじ23が見えることはない。
【0023】
図1は、リモコンスイッチ部外装カバー14が操作部本体フレーム15から取り外された状態を示しており、先ずリモコンスイッチ部外装カバー14からねじ部カバー27を外し、それからカバー固定ねじ23を緩めると、それだけでリモコンスイッチ部外装カバー14を操作部本体フレーム15から取り外すことができる。ただし、カバー固定ねじ23を緩める前に、ストッパカバー136を緩めてピストン状部材133等をシリンダ状部材135から抜き出しておくとよい。
【0024】
このようにして、カバー固定ねじ23を外方から緩めるだけでリモコンスイッチ部外装カバー14を簡便に取り外すことができ、リモコンスイッチ部外装カバー14を再装着する際には、カバー固定ねじ23を外方からねじ孔24に締め付けるだけでリモコンスイッチ部外装カバー14を操作部本体フレーム15に固定することができ、リモートコントロールスイッチ13の点検、修理或いは交換等を容易に短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例の電子内視鏡の操作部の上端部付近の部分分解断面図である。
【図2】本発明の実施例の電子内視鏡装置の全体構成を示す略示図である。
【図3】本発明の実施例の電子内視鏡の操作部の上端部付近の断面図である。
【図4】本発明の実施例のリモコンスイッチ部外装カバー部分の平面図である。
【符号の説明】
【0026】
10 操作部
13 リモートコントロールスイッチ
14 リモコンスイッチ部外装カバー
15 操作部本体フレーム
19 台座
23 カバー固定ねじ(カバー固定手段)
24 ねじ孔
28 ねじ通し孔
30 ビデオプロセッサ(外部電子機器)
31 モニタテレビ(外部電子機器)
32 ビデオ記録装置(外部電子機器)
131 タクトスイッチ
132 押しボタン(押しボタン部)
133 ピストン状部材(押しボタン部)
135 シリンダ状部材(押しボタン部)
136 ストッパカバー(押しボタン部)
137 コイルスプリング(押しボタン部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電子機器の動作を遠隔制御するためのリモートコントロールスイッチが上端部付近に配置されて、上記リモートコントロールスイッチが配置されている付近だけを外装するリモコンスイッチ部外装カバーが着脱可能に設けられた電子内視鏡の操作部において、
操作部本体フレームに対して上記リモコンスイッチ部外装カバーをその外側から固定及び固定解除することができるカバー固定手段を設けたことを特徴とする電子内視鏡の操作部。
【請求項2】
上記カバー固定手段が、雄ねじとそれより太い頭部とが一体に形成されたカバー固定ねじであり、上記カバー固定ねじが上記リモコンスイッチ部外装カバーを操作部本体フレームに対してその外側から固定及び固定解除できるように配置されている請求項1記載の電子内視鏡の操作部。
【請求項3】
上記カバー固定ねじが着脱自在に螺合するねじ孔が形成された台座が、上記操作部本体フレームに連結固定されている請求項2記載の電子内視鏡の操作部。
【請求項4】
上記リモートコントロールスイッチが、電気接点部を有するタクトスイッチと上記タクトスイッチをプッシュ操作するための押しボタン部とに分かれて構成されていて、上記タクトスイッチは上記操作部本体フレームに対して固定的に設けられ、上記押しボタン部は上記リモコンスイッチ部外装カバーに取り付けられている請求項1、2又は3記載の電子内視鏡の操作部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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