説明

電子写真用回収トナーの再利用方法

【課題】回収トナーを再利用した電子写真プロセスにおいて、充分鮮明な画像を得ることができる静電荷像現像用トナーを提供し、フレッシュトナーと同等の性能を維持することのできる、回収トナーの再利用方法を提供する。
【解決手段】トナーは結着樹脂、着色剤および電荷制御剤として有機ジルコニウム化合物を含有し、画像転写後の感光体上の残存トナーを回収して、混合後の全トナー100重量%に対し20重量%以下の比率で、前記回収トナーをフレッシュトナーに混合することによって、フレッシュトナーと同等の性能を維持する回収トナーの再利用方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子写真、静電記録材等の分野で静電潜像を現像するために用いられる電子写真用トナーにおいて、転写後の未転写トナーをクリーニング工程により回収し、リサイクル使用する画像形成装置で用いられる静電荷現像用トナーに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式による画像形成プロセスでは、無機又は有機材料からなる感光体に静電潜像を形成し、これをトナーにより現像、紙やプラスチックフィルム等に転写、定着して可視画像を得る。感光体にはその構成により正帯電性と負帯電性があり、露光により印字部を静電潜像として残す場合は逆符号帯電性トナーにより現像する。一方、印字部を除電して反転現像を行う場合は同符号帯電性トナーにより現像する。
【0003】
上記工程において、感光体上のトナーは、そのすべてが転写されないために、5〜20重量%程度の未転写トナーが存在する。このような未転写トナーはクリーニングブレードによる掻き取り工程などにより回収され、廃トナーとして回収されるのが一般的である。しかしながら該廃トナーは帯電性や樹脂特性などの諸特性がフレッシュなトナーと比較すると著しく変化しており、通常再利用する事は不可能であった。
【0004】
近年、プリンターや複写機の需要が増した事によりトナー消費量が著しく増加しており、また同時に、電子写真プロセスから排出される廃棄材料もその量を増大させている。このような廃棄材料が与える環境への配慮から、該廃トナーを再利用する事が提案されている。例えば、特開平1−214874号では、脂肪族ジオールを含む特定のポリエステル樹脂を結着樹脂とするトナーや、特開平2−110572号広報では、金属架橋されたスチレン−アクリル共重合体を結着樹脂とし、これに多量のポリオレフィンを加えたトナーが提案されているが、いずれの場合もトナー構成要素が限定されてしまう上、保存安定性が低下するといった問題が生じる。また特開平7−301954号公報では電荷制御剤としてアゾ鉄錯塩化合物を含有するトナーにおいて、廃トナーを再利用する事が提案されているが、該電荷制御剤を使用したトナーの場合においても、回収廃トナーの電荷制御剤添加量の低下や帯電分布の広分布化が発生するため、フレッシュなトナーと同等性能を有する回収トナーを得ることは不可能であり、完全には課題を解決するには至っていなかった。また該電荷制御剤は有色であるため、近年やはり需要が増加しているカラートナーには使用する事ができないという問題もあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上述の如き問題点を解決した静電荷像現像用トナー、すなわちトナーを再利用するリサイクルに好適な静電荷像現像用トナーを提供し、フレッシュトナーと同等の性能を維持することのできる、回収トナーの再利用方法を提供するものである。
【0006】
すなわち、本発明の目的は、回収トナーを再利用した電子写真プロセスにおいて、どのような環境下においても、充分な画像濃度を有し、かつ、地カブリやトナー機内飛散の発生が無い、鮮明な画像を得ることができる静電荷像現像用トナーを提供し、フレッシュトナーと同等の性能を維持することのできる、回収トナーの再利用方法を提供することにある。また、近年需要が急激に増加しているカラートナーのリサイクルシステムにおいても同様に鮮明な画像が得られることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための本発明の要旨は、無機または有機材料からなる感光体に静電潜像を形成し、これを電子写真用のトナーにより現像、紙やプラスチックフィルム等に転写、定着し可視化する電子写真プロセスにおいて、前記トナーは少なくとも結着樹脂、着色剤および電荷制御剤を含有しており、該電荷制御剤として下記一般式(1)で表されるジルコニウム化合物を使用し、前記転写後の感光体上の残存トナーを回収して、混合後の全トナー100重量%に対し20重量%以下の比率で、前記回収トナーをフレッシュトナーに混合することによって、地カブリ、トナー機内飛散の発生が無く、充分な画像濃度を得て、フレッシュトナーと同等の性能を維持することを特徴とする、回収トナーの再利用方法である。
【0008】
【化1】

【0009】
(式中、R1は4級炭素、メチン、メチレンであり、N、S、O、Pのヘテロ原子を含んでいてもよく、Yは飽和結合または不飽和結合で結ばれた環状構造を表し、R2、R3は相互に独立してアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基、置換基を有しても良いアリールオキシ基、置換基を有しても良いアラルキル基、置換基を有しても良いアラルキルオキシ基、ハロゲン基、水素、水酸基、置換基を有しても良いアミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホニル基、シアノ基を表し、R4は水素またはアルキル基を表し、lは0または1ないし12の整数、mは1ないし20の整数、nは0または1ないし20の整数、oは0または1ないし4の整数、pは0またはないし4の整数、qは0またはないし3の整数、rは1ないし20の整数、sは0または1ないし20の整数である。)
【発明の効果】
【0010】
本発明の回収トナーの再利用方法によれば、地カブリ、トナー機内飛散の発生が無く、充分な画像濃度を得て、フレッシュトナーと同等の性能を維持することができる。本発明で使用する電荷制御剤のジルコニウム化合物は無色または淡色で熱的にも安定性が高く、結着樹脂への分散性が均一であることから、カラートナーにも適用可能である
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明について以下に詳細に説明する。
【0012】
プリンターや複写機において、静電荷現像用トナーは、近年需要が著しく増加しており、これに伴い廃トナーの回収量も大きく増加している。この廃トナーは、通常クリーニング工程により回収され、廃トナー箱に貯められた後、系外に排出されるため、再利用ができない。この理由としては、廃トナーを再度現像部へ供給し、現像に用いた場合、反射画像濃度の低下やかぶりの増加、トナー飛散による機内汚染発生などの問題が発生するためである。
【0013】
そこで本発明者らは、これらの問題が発生する原因を調べる為、フレッシュトナーと回収トナーの各種物性を測定した。その結果、このような問題が生じたトナーでは、本来同じでなければならないトナー中に含まれる電荷制御剤の量が、回収トナーにおいて大きく低下している事が確認された。また両トナーで帯電分布測定を実施したところ、フレッシュなトナーに比較して回収トナーは、逆帯電トナーの割合が増加し、帯電分布も広分布化している事が判った。
【0014】
すなわち前記の画像劣化や機内汚染の原因は、転写工程時に感光体上の現像トナーのうち、十分に帯電しているトナーのみが選択的に転写され、弱帯電や逆帯電トナーが未転写トナーとして感光体上に残存し、クリーニング工程により回収されるため、回収トナーの帯電分布が広分布化し、逆帯電トナーの割合が増加している為と考えられる。
【0015】
またこのような選択的な転写が行われる理由としては、フレッシュトナーの中にすでに電荷制御剤の割合が少ないトナーが存在しており、それら電荷制御剤の割合が少ないトナーでは十分な摩擦帯電が得られない為に、転写時に未転写トナーとして選択的に残存、回収されるものと考えられる。このことは回収トナーの電荷制御剤の量が低下していることからも明らかである。
【0016】
そこで、これらの問題を解決する為に、本発明者らが鋭意検討を加えた結果、廃トナーリサイクルシステムに用いるトナーにおいて、上記一般式(1)の化合物を電荷制御剤として用いることが、極めて有効な手段であることを見いだした。
【0017】
該化合物は熱的にも安定であり電子写真プロセス時に熱的変化を受ける事がなく、安定した帯電特性を保持する事が可能である。また、どのような結着樹脂にも均一に分散する事から、フレッシュトナーの帯電分布が非常に均一である特徴を持つ。また未転写、回収トナーにおける該化合物の添加量を分析したところ、フレッシュトナーと全く同値であり、飽和摩擦帯電量、帯電分布も同性能であった。
【0018】
本発明の電子写真用トナーは、基本的にはバインダーレジン、着色剤(顔料、染料又は磁性体)、上記一般式(1)で表されるジルコニウム化合物からなる電荷制御剤とから構成される。電子写真用トナーを製造する方法としては、これらの混合物を加熱混合装置によりバインダーレジンの溶融下、混練し、冷却後、粗粉砕、微粉砕、分級して得る方法、これらの混合物を溶媒に溶解させ噴霧により微粒化、乾燥、分級して得る方法、更には、懸濁させたモノマー粒子中に着色剤や一般式(1)で表される化合物を分散させ重合法により得る方法等がある。
【0019】
バインダーレジンはスチレン系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体、及びこれらからなる群から選択される単量体からなる重合体或いは共重合体等であり、具体的にはスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン、アクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、及びアクリルアミド等の群から選択されるモノマー成分によって構成される。
【0020】
ポリエステル系の場合は、アルコール成分としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA等のビスフェノールA誘導体等のジオール類、グリセリン、ソルビット、ソルビタン、ペンタエリスリトール等の公知の多価アルコール類が挙げられる。酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸等の公知のベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6から18のアルキル基又はアルケニル基を置換基として有するこはく酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の公知の不飽和ジカルボン酸又はその無水物が挙げられ、3価以上のカルボン酸としてはトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やそれらの無水物等が挙げられる。また、芳香族化合物のみ、脂肪族化合物のみによるポリエステルであっても構わない。
【0021】
又、着色剤としては黒色トナーには二成分現像用で一般的にカーボンブラックが、一成分現像用で磁性体の種類が使用されており、カラートナー用には次のような着色剤が使用できる。イエロー着色剤としては、CIピグメントイエロー1、CIピグメントイエロー5、CIピグメントイエロー12、CIピグメントイエロー17等のアゾ系有機顔料や黄土のような無機顔料又はCIソルベントイエロー2、CIソルベントイエロー6、CIソルベントイエロー14、CIソルベントイエロー19等の油溶性染料等、マゼンタ着色剤としては、CIピグメントレッド57、CIピグメントレッド57:1等のアゾ顔料、CIピグメントバイオレット1、CIピグメントレッド81等のキサンテン顔料、CIピグメントレッド87、CIバットレッド1、CIピグメントバイオレット38等のチオインジゴ顔料又はCIソルベントレッド19、CIソルベントレッド49、CIソルベントレッド52等の油溶性染料等、シアン着色剤としては、CIピグメントブルー1等のトリフェニルメタン顔料、CIピグメントブルー15、CIピグメントブルー17等のフタロシアニン顔料又はCIソルベントブルー25、CIソルベントブルー40、CIソルベントブルー70等の油溶性染料等、それぞれ公知の着色剤を使用することができる。また、一般式(1)で表される錯体からなる電荷制御剤は必要に応じて任意の割合で添加して使用することができ、また他のサリチル酸金属錯体系電荷制御剤、アゾ金属錯体系電荷制御剤との併用も可能である。
【0022】
本発明で用いるジルコニウム化合物の一般的製法は、水および/または有機溶媒を用い金属付与剤を用いてサリチル酸系誘導体とを反応させ生成物をろ取して洗浄することによって得ることができる。この化合物の製造に用いることができる金属付与剤は、4価の陽イオン体の場合はZrCl、ZrF、ZrBr、ZrI等のハロゲン化ジルコニウム化合物、Zr(OR)(Rは水素、アルキル基またはアルケニル基等を表す)等の有機酸ジルコニウム化合物又はZr(SO等の無機酸ジルコニウム化合物等が拳げられる。オキソ錯体の2価の陽イオン体の場合はZrOCl、ZrO(NO、ZrO(ClO、HZrO(SO、ZrO(SO)NaSO、ZrO(HPO等の無機酸ジルコニウム化合物、ZrO(CO)、(NHZrO(CO、ZrO(C、(NHZrO(C、ZrO(C1835等の有機酸ジルコニウム化合物等が挙げられる。
【0023】
このようにして得られる本発明で用いる一般式(1)で表されるジルコニウム化合物を以下に表記する。
【0024】
【表1】





【0025】
本発明の電子写真用トナーには、その他の添加剤として、感光体・キャリアーの保護、クリーニング性の向上、トナーの流動性向上、熱特性・電気特性・物理特性の調整、抵抗調整、軟化点調整、定着性向上等を目的として、疎水性シリカ、金属石けん、フッ素系界面活性剤、フタル酸ジオクチル、ワックス、導電性付与剤として酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化アンチモン等や、酸化チタン、酸化アルミニウム、アルミナ等の無機微粉体等を必要に応じて添加することができる。又、本発明に用いられる無機微粉体は必要に応じて疎水化、帯電量コントロールなどの目的でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物等の処理剤で、或いは種々の処理剤で併用に処理されていることも好ましい。又、テフロン、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリデン等の滑剤、酸化セシウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム等の研磨剤、ケーキング防止剤、さらに、トナー粒子と逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。二成分現像剤に本発明のトナーを用いた場合、キャリアーとしては微少なガラスビーズ、鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉、磁性粒子を分散した樹脂粒子のバインダ型キャリアーや、表面をポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂等で被覆した樹脂コートキャリアー等が用いられる。又、本発明で用いる一般式(1)の化合物を含有せしめたトナーは、一成分トナーとして用いられても優れた性能を示す。又、カプセルトナー及び重合トナーに用いることもできる。
【0026】
磁性体として使用される磁性材料としては、鉄、ニッケル、コバルト等の金属微粉末、鉄、鉛、マグネシウム、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム、コバルト、銅、アルミニウム、ニッケル、亜鉛等の金属の合金、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン等の金属酸化物、鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、亜鉛等のフェライト、チッ化バナジウム、チッ化クロム等のチッ化物、炭化タングステン、炭化ケイ素等の炭化物、及びこれらの混合物等が使用できる。磁性体としてはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄が好ましいが、本発明の電荷制御剤は特別な磁性材料に関係なく良好な帯電性能を与える。
【実施例1】
【0027】
以下に各種実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、文中の部は重量部を表す。
【0028】
スチレン−アクリル系共重合体樹脂 91部(商品名:CPR−100、三井化学社製)
ジルコニウム化合物(化合物No.1) 1部
カーボンブラック 5部(商品名:MA−100、三菱化学社製)
低分子量ポリプロピレン 3部(商品名:ビスコール550P、三洋化成社製)
上記混合物を140℃の加熱混合装置により溶融混練し、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した。更にジェットミルで微粉砕した後、分級して10から12μmの黒色トナーを得た。このトナーをシリコンコート系のフェライトキャリアー(商品名:F96−100、パウダーテック社製)と4対100部の重量比で混合して振とうし、トナーを負に帯電させた後ブローオフ粉体帯電量測定装置で帯電量を測定し、またE−スパートアナライザーにより帯電分布測定を実施した。更に二成分系改造市販複写機での画像試験も合わせておこなった。先ず、はじめはトナーリサイクルを行わない系で、5万枚までのランニングテストを実施した。更にこのテストで回収したトナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーを用い、前記方法と同条件でブローオフ帯電量測定および帯電分布測定を実施した。またこのトナーを用い、5万枚までの画像試験を実施した。結果を表2に示すが、フレッシュトナーでの試験においても、また回収トナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーのどちらにおいても、充分な画像濃度が得られ、かぶりや機内飛散も見られず、高品位画像が長期にわたって得られた。
【実施例2】
【0029】
スチレン−アクリル系共重合体樹脂 91部(商品名:CPR−100、三井化学社製)
ジルコニウム化合物(化合物No.2) 1部
カーボンブラック 5部(商品名:MA−100、三菱化学社製)
低分子量ポリプロピレン 3部(商品名:ビスコール550P、三洋化成社製)
上記混合物を140℃の加熱混合装置により溶融混練し、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した。更にジェットミルで微粉砕した後、分級して10から12μmの黒色トナーを得た。このトナーをシリコンコート系のフェライトキャリアー(商品名:F96−100、パウダーテック社製)と4対100部の重量比で混合して振とうし、トナーを負に帯電させた後ブローオフ粉体帯電量測定装置で帯電量を測定し、またE−スパートアナライザーにより帯電分布測定を実施した。更に二成分系改造市販複写機での画像試験も合わせておこなった。先ず、はじめはトナーリサイクルを行わない系で、5万枚までのランニングテストを実施した。更にこのテストで回収したトナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーを用い、前記方法と同条件でブローオフ帯電量測定および帯電分布測定を実施した。またこのトナーを用い、5万枚までの画像試験を実施した。結果を表2に示すが、フレッシュトナーでの試験においても、また回収トナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーのどちらにおいても、充分な画像濃度が得られ、かぶりや機内飛散も見られず、高品位画像が長期にわたって得られた。
【実施例3】
【0030】
スチレン−アクリル系共重合体樹脂 91部(商品名:CPR−100、三井化学社製)
ジルコニウム化合物(化合物No.10) 1部
カーボンブラック 5部(商品名:MA−100、三菱化学社製)
低分子量ポリプロピレン 3部(商品名:ビスコール550P、三洋化成社製)
上記混合物を140℃の加熱混合装置により溶融混練し、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した。更にジェットミルで微粉砕した後、分級して10から12μmの黒色トナーを得た。このトナーをシリコンコート系のフェライトキャリアー(商品名:F96−100、パウダーテック社製)と4対100部の重量比で混合して振とうし、トナーを負に帯電させた後ブローオフ粉体帯電量測定装置で帯電量を測定し、またE−スパートアナライザーにより帯電分布測定を実施した。更に二成分系改造市販複写機での画像試験も合わせておこなった。先ず、はじめはトナーリサイクルを行わない系で、5万枚までのランニングテストを実施した。更にこのテストで回収したトナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーを用い、前記方法と同条件でブローオフ帯電量測定および帯電分布測定を実施した。またこのトナーを用い、5万枚までの画像試験を実施した。結果を表2に示すが、フレッシュトナーでの試験においても、また回収トナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーのどちらにおいても、充分な画像濃度が得られ、かぶりや機内飛散も見られず、高品位画像が長期にわたって得られた。
【実施例4】
【0031】
ポリエステル樹脂 91部(商品名:HP−301、日本合成化学社製)
ジルコニウム化合物(化合物No.1) 1部
カーボンブラック 5部(商品名:MA−100、三菱化学社製)
低分子量ポリプロピレン 3部(商品名:ビスコール550P、三洋化成社製)
上記混合物を160℃の加熱混合装置により溶融混練し、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した。更にジェットミルで微粉砕した後、分級して10から12μmの黒色トナーを得た。このトナーをシリコンコート系のフェライトキャリアー(商品名:F96−100、パウダーテック社製)と4対100部の重量比で混合して振とうし、トナーを負に帯電させた後ブローオフ粉体帯電量測定装置で帯電量を測定し、またE−スパートアナライザーにより帯電分布測定を実施した。更に二成分系改造市販複写機での画像試験も合わせておこなった。先ず、はじめはトナーリサイクルを行わない系で、5万枚までのランニングテストを実施した。更にこのテストで回収したトナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーを用い、前記方法と同条件でブローオフ帯電量測定および帯電分布測定を実施した。またこのトナーを用い、5万枚までの画像試験を実施した。結果を表2に示すが、フレッシュトナーでの試験においても、また回収トナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーのどちらにおいても、充分な画像濃度が得られ、かぶりや機内飛散も見られず、高品位画像が長期にわたって得られた。
【実施例5】
【0032】
ポリエステル樹脂 91部(商品名:HP−301、日本合成化学社製)
ジルコニウム化合物(化合物No.2) 1部
カーボンブラック 5部(商品名:MA−100、三菱化学社製)
低分子量ポリプロピレン 3部(商品名:ビスコール550P、三洋化成社製)
上記混合物を160℃の加熱混合装置により溶融混練し、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した。更にジェットミルで微粉砕した後、分級して10から12μmの黒色トナーを得た。このトナーをシリコンコート系のフェライトキャリアー(商品名:F96−100、パウダーテック社製)と4対100部の重量比で混合して振とうし、トナーを負に帯電させた後ブローオフ粉体帯電量測定装置で帯電量を測定し、またE−スパートアナライザーにより帯電分布測定を実施した。更に二成分系改造市販複写機での画像試験も合わせておこなった。先ず、はじめはトナーリサイクルを行わない系で、5万枚までのランニングテストを実施した。更にこのテストで回収したトナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーを用い、前記方法と同条件でブローオフ帯電量測定および帯電分布測定を実施した。またこのトナーを用い、5万枚までの画像試験を実施した。結果を表2に示すが、フレッシュトナーでの試験においても、また回収トナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーのどちらにおいても、充分な画像濃度が得られ、かぶりや機内飛散も見られず、高品位画像が長期にわたって得られた。
【実施例6】
【0033】
ポリエステル樹脂 91部(商品名:HP−301、日本合成化学社製)
ジルコニウム化合物(化合物No.10) 1部
カーボンブラック 5部(商品名:MA−100、三菱化学社製)
低分子量ポリプロピレン 3部(商品名:ビスコール550P、三洋化成社製)
上記混合物を160℃の加熱混合装置により溶融混練し、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した。更にジェットミルで微粉砕した後、分級して10から12μmの黒色トナーを得た。このトナーをシリコンコート系のフェライトキャリアー(商品名:F96−100、パウダーテック社製)と4対100部の重量比で混合して振とうし、トナーを負に帯電させた後ブローオフ粉体帯電量測定装置で帯電量を測定し、またE−スパートアナライザーにより帯電分布測定を実施した。更に二成分系改造市販複写機での画像試験も合わせておこなった。先ず、はじめはトナーリサイクルを行わない系で、5万枚までのランニングテストを実施した。更にこのテストで回収したトナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーを用い、前記方法と同条件でブローオフ帯電量測定および帯電分布測定を実施した。またこのトナーを用い、5万枚までの画像試験を実施した。結果を表2に示すが、フレッシュトナーでの試験においても、また回収トナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーのどちらにおいても、充分な画像濃度が得られ、かぶりや機内飛散も見られず、高品位画像が長期にわたって得られた。
【実施例7】
【0034】
スチレン−アクリル系共重合体樹脂 91部(商品名:FB−1258、三菱レイヨン社製)
ジルコニウム化合物(化合物No.1) 1部
カーボンブラック 5部(商品名:MA−100、三菱化学社製)
低分子量ポリプロピレン 3部(商品名:ビスコール550P、三洋化成社製)
上記混合物を140℃の加熱混合装置により溶融混練し、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した。更にジェットミルで微粉砕した後、分級して10から12μmの黒色トナーを得た。このトナーをシリコンコート系のフェライトキャリアー(商品名:F96−100、パウダーテック社製)と4対100部の重量比で混合して振とうし、トナーを負に帯電させた後ブローオフ粉体帯電量測定装置で帯電量を測定し、またE−スパートアナライザーにより帯電分布測定を実施した。更に二成分系改造市販複写機での画像試験も合わせておこなった。先ず、はじめはトナーリサイクルを行わない系で、5万枚までのランニングテストを実施した。更にこのテストで回収したトナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーを用い、前記方法と同条件でブローオフ帯電量測定および帯電分布測定を実施した。またこのトナーを用い、5万枚までの画像試験を実施した。結果を表2に示すが、フレッシュトナーでの試験においても、また回収トナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーのどちらにおいても、充分な画像濃度が得られ、かぶりや機内飛散も見られず、高品位画像が長期にわたって得られた。
【実施例8】
【0035】
スチレン−アクリル系共重合体樹脂 91部(商品名:FB−1258、三菱レイヨン社製)
ジルコニウム化合物(化合物No.2) 1部
カーボンブラック 5部(商品名:MA−100、三菱化学社製)
低分子量ポリプロピレン 3部(商品名:ビスコール550P、三洋化成社製)
上記混合物を140℃の加熱混合装置により溶融混練し、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した。更にジェットミルで微粉砕した後、分級して10から12μmの黒色トナーを得た。このトナーをシリコンコート系のフェライトキャリアー(商品名:F96−100、パウダーテック社製)と4対100部の重量比で混合して振とうし、トナーを負に帯電させた後ブローオフ粉体帯電量測定装置で帯電量を測定し、またE−スパートアナライザーにより帯電分布測定を実施した。更に二成分系改造市販複写機での画像試験も合わせておこなった。先ず、はじめはトナーリサイクルを行わない系で、5万枚までのランニングテストを実施した。更にこのテストで回収したトナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーを用い、前記方法と同条件でブローオフ帯電量測定および帯電分布測定を実施した。またこのトナーを用い、5万枚までの画像試験を実施した。結果を表2に示すが、フレッシュトナーでの試験においても、また回収トナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーのどちらにおいても、充分な画像濃度が得られ、かぶりや機内飛散も見られず、高品位画像が長期にわたって得られた。
【実施例9】
【0036】
スチレン−アクリル系共重合体樹脂 91部(商品名:FB−1258、三菱レイヨン社製)
ジルコニウム化合物(化合物No.10) 1部
カーボンブラック 5部(商品名:MA−100、三菱化学社製)
低分子量ポリプロピレン 3部(商品名:ビスコール550P、三洋化成社製)
上記混合物を140℃の加熱混合装置により溶融混練し、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した。更にジェットミルで微粉砕した後、分級して10から12μmの黒色トナーを得た。このトナーをシリコンコート系のフェライトキャリアー(商品名:F96−100、パウダーテック社製)と4対100部の重量比で混合して振とうし、トナーを負に帯電させた後ブローオフ粉体帯電量測定装置で帯電量を測定し、またE−スパートアナライザーにより帯電分布測定を実施した。更に二成分系改造市販複写機での画像試験も合わせておこなった。先ず、はじめはトナーリサイクルを行わない系で、5万枚までのランニングテストを実施した。更にこのテストで回収したトナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーを用い、前記方法と同条件でブローオフ帯電量測定および帯電分布測定を実施した。またこのトナーを用い、5万枚までの画像試験を実施した。結果を表2に示すが、フレッシュトナーでの試験においても、また回収トナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーのどちらにおいても、充分な画像濃度が得られ、かぶりや機内飛散も見られず、高品位画像が長期にわたって得られた。
【実施例10】
【0037】
スチレン−アクリル系共重合体樹脂 100部(商品名:CPR−100、三井化学社製)
ジルコニウム化合物(化合物No.1) 2部
磁性体(平均粒径0.2μm、保持力90エルステッド) 80部
低分子量ポリプロピレン 3部(商品名:ビスコール550P、三洋化成社製)
上記混合物を140℃の加熱混合装置により溶融混練し、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した。更にジェットミルで微粉砕した後、分級して10から12μmの黒色トナーを得た。このトナーをシリコンコート系のフェライトキャリアー(商品名:F96−100、パウダーテック社製)と4対100部の重量比で混合して振とうし、トナーを負に帯電させた後、ブローオフ粉体帯電量測定装置で帯電量を測定し、また1成分用に改造したE−スパートアナライザーにより帯電分布測定を実施した。更に一成分系改造市販複写機での画像試験も合わせておこなった。先ず、はじめはトナーリサイクルを行わない系で、5万枚までのランニングテストを実施した。更にこのテストで回収したトナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーを用い、前記方法と同条件でブローオフ帯電量測定および帯電分布測定を実施した。またこのトナーを用い、5万枚までの画像試験を実施した。結果を表2に示すが、フレッシュトナーでの試験においても、また回収トナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーのどちらにおいても、充分な画像濃度が得られ、かぶりや機内飛散も見られず、高品位画像が長期にわたって得られた。
【0038】
[比較例1]
スチレン−アクリル系共重合体樹脂 92部(商品名:CPR−100、三井化学社製)
電荷制御剤 1部(商品名:T−77、保土谷化学社製)
カーボンブラック 5部(商品名、MA−100、三菱化学社製)
低分子量ポリプロピレン 3部(商品名:ビスコール550P、三洋化成社製)
上記混合物を140℃の加熱混合装置により溶融混練し、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した。更にジェットミルで微粉砕した後、分級して10から12μmの黒色トナーを得た。このトナーをシリコンコート系のフェライトキャリアー(商品名:F96−100、パウダーテック社製)と4対100部の重量比で混合して振とうし、トナーを負に帯電させた後ブローオフ粉体帯電量測定装置で帯電量を測定し、またE−スパートアナライザーにより帯電分布測定を実施した。更に二成分系改造市販複写機での画像試験も合わせておこなった。先ず、はじめはトナーリサイクルを行わない系で、5万枚までのランニングテストを実施した。更にこのテストで回収したトナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーを用い、前記方法と同条件でブローオフ帯電量測定および帯電分布測定を実施した。またこのトナーを用い、5万枚までの画像試験を実施した。結果を表2に示すが、フレッシュトナーによる画像試験では、充分な画像濃度が得られ、かぶりや機内飛散も見られず、高品位画像が長期にわたって得られたが、回収トナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーにおいては画像濃度の低下が見られると共に、かぶりが増加し、満足のいく画像を得ることが出来なかった。
【0039】
[比較例2]
スチレン−アクリル系共重合体樹脂 92部(商品名:CPR−100、三井化学社製)
電荷制御剤 1部商品名、スピロンブラックTRH、保土谷化学社製)
カーボンブラック 5部(商品名:MA−100、三菱化学社製)
低分子量ポリプロピレン 3部(商品名:ビスコール550P、三洋化成社製)
上記混合物を140℃の加熱混合装置により溶融混練し、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した。更にジェットミルで微粉砕した後、分級して10から12μmの黒色トナーを得た。このトナーをシリコンコート系のフェライトキャリアー(商品名:F96−100、パウダーテック社製)と4対100部の重量比で混合して振とうし、トナーを負に帯電させた後ブローオフ粉体帯電量測定装置で帯電量を測定し、またE−スパートアナライザーにより帯電分布測定を実施した。更に二成分系改造市販複写機での画像試験も合わせておこなった。先ず、はじめはトナーリサイクルを行わない系で、5万枚までのランニングテストを実施した。更にこのテストで回収したトナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーを用い、前記方法と同条件でブローオフ帯電量測定および帯電分布測定を実施した。またこのトナーを用い、5万枚までの画像試験を実施した。結果を表2に示すが、フレッシュトナーによる画像試験では、充分な画像濃度が得られ、かぶりや機内飛散も見られず、高品位画像が長期にわたって得られたが、回収トナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーにおいては画像濃度の低下が見られると共に、かぶりが増加し、満足のいく画像を得ることが出来なかった。
【0040】
[比較例3]
スチレン−アクリル系共重合体樹脂 92部(商品名:CPR−100、三井化学社製)
電荷制御剤 1部(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸の亜鉛錯体)(以下、「DTBS亜鉛錯体」と記す)
カーボンブラック 5部(商品名:MA−100、三菱化学社製)
低分子量ポリプロピレン 3部(商品名:ビスコール550P、三洋化成社製)
上記混合物を140℃の加熱混合装置により溶融混練し、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した。更にジェットミルで微粉砕した後、分級して10から12μmの黒色トナーを得た。このトナーをシリコンコート系のフェライトキャリアー(商品名:F96−100、パウダーテック社製)と4対100部の重量比で混合して振とうし、トナーを負に帯電させた後ブローオフ粉体帯電量測定装置で帯電量を測定し、またE−スパートアナライザーにより帯電分布測定を実施した。更に二成分系改造市販複写機での画像試験も合わせておこなった。先ず、はじめはトナーリサイクルを行わない系で、5万枚までのランニングテストを実施した。更にこのテストで回収したトナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーを用い、前記方法と同条件でブローオフ帯電量測定および帯電分布測定を実施した。またこのトナーを用い、5万枚までの画像試験を実施した。結果を表2に示すが、フレッシュトナーによる画像試験では、充分な画像濃度が得られ、かぶりや機内飛散も見られず、高品位画像が長期にわたって得られたが、回収トナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーにおいては画像濃度の低下が見られると共に、かぶりが増加し、満足のいく画像を得ることが出来なかった。
【0041】
[比較例4]
ポリエステル樹脂 91部(商品名:HP−301、日本合成化学社製)
電荷制御剤 1部(商品名:T−77、保土谷化学社製)
カーボンブラック 5部(商品名:MA−100、三菱化学社製)
低分子量ポリプロピレン 3部(商品名:ビスコール550P、三洋化成社製)
上記混合物を160℃の加熱混合装置により溶融混練し、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した。更にジェットミルで微粉砕した後、分級して10から12μmの黒色トナーを得た。このトナーをシリコンコート系のフェライトキャリアー(商品名:F96−100、パウダーテック社製)と4対100部の重量比で混合して振とうし、トナーを負に帯電させた後ブローオフ粉体帯電量測定装置で帯電量を測定し、またE−スパートアナライザーにより帯電分布測定を実施した。更に二成分系改造市販複写機での画像試験も合わせておこなった。先ず、はじめはトナーリサイクルを行わない系で、5万枚までのランニングテストを実施した。更にこのテストで回収したトナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーを用い、前記方法と同条件でブローオフ帯電量測定および帯電分布測定を実施した。またこのトナーを用い、5万枚までの画像試験を実施した。結果を表2に示すが、フレッシュトナーによる画像試験では、充分な画像濃度が得られ、かぶりや機内飛散も見られず、高品位画像が長期にわたって得られたが、回収トナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーにおいては画像濃度の低下が見られると共に、かぶりが増加し、満足のいく画像を得ることが出来なかった。
【0042】
[比較例5]
ポリエステル樹脂 91部(商品名:HP−301、日本合成化学社製)
電荷制御剤 1部(商品名:スピロンブラックTRH、保土谷化学社製)
カーボンブラック 5部(商品名:MA−100、三菱化学社製)
低分子量ポリプロピレン 3部(商品名:ビスコール550P、三洋化成社製)
上記混合物を160℃の加熱混合装置により溶融混練し、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した。更にジェットミルで微粉砕した後、分級して10から12μmの黒色トナーを得た。このトナーをシリコンコート系のフェライトキャリアー(商品名:F96−100、パウダーテック社製)と4対100部の重量比で混合して振とうし、トナーを負に帯電させた後ブローオフ粉体帯電量測定装置で帯電量を測定し、またE−スパートアナライザーにより帯電分布測定を実施した。更に二成分系改造市販複写機での画像試験も合わせておこなった。先ず、はじめはトナーリサイクルを行わない系で、5万枚までのランニングテストを実施した。更にこのテストで回収したトナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーを用い、前記方法と同条件でブローオフ帯電量測定および帯電分布測定を実施した。またこのトナーを用い、5万枚までの画像試験を実施した。結果を表2に示すが、フレッシュトナーによる画像試験では、充分な画像濃度が得られ、かぶりや機内飛散も見られず、高品位画像が長期にわたって得られたが、回収トナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーにおいては画像濃度の低下が見られると共に、かぶりが増加し、満足のいく画像を得ることが出来なかった。
【0043】
[比較例6]
ポリエステル樹脂 91部(商品名:HP−301、日本合成化学社製)
電荷制御剤(DTBS亜鉛錯体) 1部
カーボンブラック 5部(商品名:MA−100、三菱化学社製)
低分子量ポリプロピレン 3部(商品名:ビスコール550P、三洋化成社製)
上記混合物を160℃の加熱混合装置により溶融混練し、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した。更にジェットミルで微粉砕した後、分級して10から12μmの黒色トナーを得た。このトナーをシリコンコート系のフェライトキャリアー(商品名:F96−100、パウダーテック社製)と4対100部の重量比で混合して振とうし、トナーを負に帯電させた後ブローオフ粉体帯電量測定装置で帯電量を測定し、またE−スパートアナライザーにより帯電分布測定を実施した。更に二成分系改造市販複写機での画像試験も合わせておこなった。先ず、はじめはトナーリサイクルを行わない系で、5万枚までのランニングテストを実施した。更にこのテストで回収したトナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーを用い、前記方法と同条件でブローオフ帯電量測定および帯電分布測定を実施した。またこのトナーを用い、5万枚までの画像試験を実施した。結果を表2に示すが、フレッシュトナーによる画像試験では、充分な画像濃度が得られ、かぶりや機内飛散も見られず、高品位画像が長期にわたって得られたが、回収トナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーにおいては画像濃度の低下が見られると共に、かぶりが増加し、満足のいく画像を得ることが出来なかった。
【0044】
[比較例7]
スチレン−アクリル系共重合体樹脂 100部(商品名:CPR−100、三井化学社製)
電荷制御剤(DTBS亜鉛錯体) 2部
磁性体(平均粒径0.2μm、保持力90エルステッド) 80部
低分子量ポリプロピレン 3部(商品名:ビスコール550P、三洋化成社製)
上記混合物を160℃の加熱混合装置により溶融混練し、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した。更にジェットミルで微粉砕した後、分級して10から12μmの黒色トナーを得た。このトナーをシリコンコート系のフェライトキャリアー(商品名:F96−100、パウダーテック社製)と4対100部の重量比で混合して振とうし、トナーを負に帯電させた後ブローオフ粉体帯電量測定装置で帯電量を測定し、またE−スパートアナライザーにより帯電分布測定を実施した。更に一成分系改造市販複写機での画像試験も合わせておこなった。先ず、はじめはトナーリサイクルを行わない系で、5万枚までのランニングテストを実施した。更にこのテストで回収したトナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーを用い、前記方法と同条件でブローオフ帯電量測定および帯電分布測定を実施した。またこのトナーを用い、5万枚までの画像試験を実施した。結果を表2に示すが、フレッシュトナーによる画像試験では、充分な画像濃度が得られ、かぶりや機内飛散も見られず、高品位画像が長期にわたって得られたが、回収トナーをフレッシュトナーに20重量%混合し得たトナーにおいては画像濃度の低下が見られると共に、かぶりが増加し、満足のいく画像を得ることが出来なかった。
【0045】
【表2】



帯電量1はフレッシュトナー、帯電量2はフレッシュトナーに回収トナーを20重量%混合し得たトナーのブローオフ帯電量を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機または有機材料からなる感光体に静電潜像を形成し、これを電子写真用のトナーにより現像、紙やプラスチックフィルム等に転写、定着し可視化する電子写真プロセスにおいて、前記トナーは少なくとも結着樹脂、着色剤および電荷制御剤を含有しており、該電荷制御剤として下記一般式(1)で表されるジルコニウム化合物を使用し、前記転写後の感光体上の残存トナーを回収して、混合後の全トナー100重量%に対し20重量%以下の比率で、前記回収トナーをフレッシュトナーに混合することによって、地カブリ、トナー機内飛散の発生が無く、充分な画像濃度を得て、フレッシュトナーと同等の性能を維持することを特徴とする、回収トナーの再利用方法
【化1】


(式中、R1は4級炭素、メチン、メチレンであり、N、S、O、Pのヘテロ原子を含んでいてもよく、Yは飽和結合または不飽和結合で結ばれた環状構造を表し、R2、R3は相互に独立してアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基、置換基を有しても良いアリールオキシ基、置換基を有しても良いアラルキル基、置換基を有しても良いアラルキルオキシ基、ハロゲン基、水素、水酸基、置換基を有しても良いアミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホニル基、シアノ基を表し、R4は水素またはアルキル基を表し、lは0または1ないし12の整数、mは1ないし20の整数、nは0または1ないし20の整数、oは0または1ないし4の整数、pは0またはないし4の整数、qは0または1ないし3の整数、rは1ないし20の整数、sは0または1ないし20の整数である。)
【請求項2】
前記一般式(1)における、mが4ないし20の整数であり、rが5ないし20の整数である、請求項1記載の回収トナーの再利用方法
【請求項3】
前記結着樹脂がスチレン系単量体、アクリル系単量体およびメタクリル系単量体の群から選択される1種からなる重合体、または前記群から選択される2種以上からなる共重合体である請求項1記載の回収トナーの再利用方法
【請求項4】
前記結着樹脂が2価および多価アルコール系からなる群から選択されるアルコール成分と、ジカルボン酸系、多価カルボン酸系およびそれらの無水物からなる群から選択される酸成分を、各々1成分以上含むポリエステルである請求項1記載の回収トナーの再利用方法
【請求項5】
前記結着樹脂のガラス転移点が40ないし90℃であり、数平均分子量(Mn)が1,500ないし50,000であり、重量平均分子量(Mw)が10,000ないし3,000,000である請求項1または請求項3記載の回収トナーの再利用方法
【請求項6】
前記結着樹脂の水酸基価、酸価がいずれも50以下である請求項3または請求項4記載の回収トナーの再利用方法
【請求項7】
前記トナーが各種磁性体を更に含んでいることを特徴とする請求項1記載の回収トナーの再利用方法
【請求項8】
前記結着樹脂100重量部に対して、前記電荷制御剤を0.01ないし10重量部の範囲で含み、また該電荷制御剤の平均粒径が0.01ないし20μmであることを特徴とする請求項1記載の回収トナーの再利用方法

【公開番号】特開2008−203865(P2008−203865A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−65356(P2008−65356)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【分割の表示】特願平11−101574の分割
【原出願日】平成11年3月5日(1999.3.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(000005315)保土谷化学工業株式会社 (107)
【Fターム(参考)】