説明

電子写真記録装置

【目的】本発明は、コンパクトで、高品質なカラー画像が得られる電子写真記録装置を提供することにある。
【構成】感光体ベルト1に形成した各色のトナー像を中間転写ドラム11上に重ねて転写してカラートナー像を形成し、このカラートナー像を転写器20により2次記録媒体15に転写して定着する。中間転写ドラム11は導電性のドラム基体11aと抵抗値を所定の範囲内になるように調整された誘電体層11bから成り、ドラム基体11aを接地電位に接続し、感光体ベルト1からのトナー像転写電界の設定と転写器20によるトナー像転写電界の設定が干渉しないようにした。
【効果】両転写部での転写効率が向上して高品質なカラー画像が得られ、装置もコンパクト化できる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複写機やレーザプリンタ等の電子写真記録装置に係り、特にカラー画像印刷に好適な電子写真記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機やレーザプリンタ等の電子写真記録装置は、感光ドラム等の1次記録媒体上に静電潜像を形成し、これをトナーまたはトナーとキャリアを混合した現像剤を用いて現像してトナー像に変換し、このトナー像を紙またはOHPシート等の2次記録媒体上に転写して定着するという電子写真プロセスによって印刷物を得ている。
【0003】原稿を色分解して得た信号または色画像を形成するために既にその画像の色の構成成分情報に分解してある信号等に基づいて形成した各色のトナー像を合成(重合)して2色や多色画像またはフルカラー画像を得るカラー電子写真記録装置には、1次記録媒体として感光ドラムや感光ベルト等の感光体を用いた装置では、この感光体上に各色のトナー像を重ねて形成するもの,1つの感光体に次々に形成される各色のトナー像を転写ドラムに巻き付けた2次記録媒体に次々に重ねて転写して合成するもの,1つの感光体に次々に形成される各色のトナー像を中間転写体に重ねて転写して合成した後に2次記録媒体上に転写するもの,色分解の数だけ感光体や現像器等のトナー像形成プロセス手段を設けて各感光体に形成した各色のトナー像を順次2次記録媒体上に重ねて転写して合成するもの等がある。
【0004】この中で、感光体上に形成された各色のトナー像を中間転写体に重ねて転写してカラーのトナー像を得た後に、更に、紙またはOHPシート等の2次記録媒体上に転写するものは、各色のトナー像を高精度に重ねて転写するための手段を比較的簡単に構成することができ、装置をコンパクトにできる利点を有する。
【0005】そしてこのような電子写真技術は、公表特許公報平1−502062 号公報,公開特許公報昭59−50474号公報,昭59−125765号公報,平1−288870号公報,平2−212870号公報等に開示されている。
【0006】例えば、前記公表特許公報平1−502062 号公報に開示されたカラー複写機は、感光ベルト上に次々に形成する複数色のトナー像を中間転写ドラム上に重ねて転写してカラートナー像を得た後に記録紙に転写して定着する装置であり、前記公開特許公報昭59−50474 号公報に開示された装置は、感光ドラムに形成したトナー像を粘着性の中間転写体に静電転写した後に更に記録紙に圧着して加熱転写・定着する記録装置である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このようなカラー電子写真記録装置は、トナー像の転写を複数回行なうために、各転写工程での転写効率を高める工夫が必要である。感光体から中間転写体への転写効率を高めるために中間転写体へのトナー像付着力を大きくすると、該トナー像が該中間転写体から離れにくくなるので該中間転写体から2次記録媒体への転写効率を高めることが困難になる。
【0008】両方の転写効率を高めるためには両転写部における電位傾斜の調整が必要であるが、同一の中間転写体内で部分的な電位調整を同時に行なうと相互に干渉するので両転写部を最適な状態に調整することが困難であり、構造的にも複雑になることから、装置をコンパクトに設計するときの障害になる。
【0009】また、トナー像を中間転写体から2次記録媒体に転写するときに該2次記録媒体に転写用電荷が残留していると該2次記録媒体が中間転写体に静電吸着されて巻き付く問題があり、これを防止するために除電手段を設けるのが一般的であるが、中間転写体の電位の影響を受けるので、静電吸着力を僅少にすることが困難である。
【0010】そして、中間転写体から2次記録媒体への転写効率を高めるために加熱転写方式を採用したものは、中間転写体も加熱されてこの熱が感光体にも伝わることから、中間転写体と感光体に耐熱性が必要となる。特に耐熱性の感光体を得るのが困難であり、実用的でない。
【0011】本発明はこのような問題点に対処すべくなされたもので、第1の転写工程及び第2の転写工程で高転写効率が得られ、高品質のカラー画像印刷に適した実用的な電子写真記録装置を実現することを目的とする。
【0012】また、他の目的は、高品質なカラー画像印刷を実現できるコンパクトな電子写真記録装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電体層の表面に光導電体層が形成され、回動自在に張架された感光ベルトと、該感光ベルト上に異なる色の複数種類の静電潜像を順次形成する手段と、該静電潜像に対応する色の帯電トナーを付着させて複数のトナー像を形成する現像手段と、前記感光ベルトと接触しながら同期回転し、前記複数のトナー像が重ねて転写されてカラートナー像を完成する中間転写ドラムと、該中間転写ドラム上に形成されたカラートナー像を記録媒体上に転写する手段とを備えた電子写真記録装置において、前記中間転写ドラムは接地電位に接続し、前記感光ベルトから該中間転写ドラムに前記トナー像を転写する第1の転写手段には、前記感光ベルトの導電体層を接地電位に対して前記トナーの帯電極性と同極性の電位にバイアスするような第1の転写バイアス電圧を印加する第1のバイアス電源を設け、前記中間転写ドラム上の前記トナー像を記録媒体に転写する第2の転写手段には、前記記録媒体の背面を接地電位に対して前記トナーの帯電極性と逆極性の電位にバイアスするような第2の転写バイアスを印加する第2のバイアス電源を設けたことを特徴とする。
【0014】そして、感光ベルト上に静電潜像を形成する手段と該静電潜像を現像する現像手段の電位は、前記第1の転写バイアス電圧を基準にして静電潜像を形成し、該静電潜像を現像するようにしたことを特徴とする。
【0015】
【作用】カラートナー像を形成する中間転写ドラムを接地電位にしたので、感光ベルトから該中間転写ドラムに各色のトナー像を転写するための第1の転写部の転写電界の発生と、該中間転写ドラムから2次記録媒体にカラートナー像を転写するための第2の転写部の転写電界の発生を、相互干渉なしに簡単に行なうことができ、両転写部を高効率転写に適した状態にすることができる。
【0016】しかも、第2の転写部において中間転写ドラムが安定した接地電位にあるので、2次記録媒体が該中間転写ドラムに巻き付かないようにするための除電が容易になる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0018】実施例1図1は本発明になるカラー電子写真記録装置である。電子写真プロセスによってトナー像を形成する1次記録媒体として感光ベルト1が使用されている。該感光ベルト1は、ポリエステル等の樹脂の基体の表面にアルミニウム等の金属を塗布または蒸着して得た導電性基体の外周面に有機光導電体層を形成したものである。該感光ベルト1は、三角形の頂点位置に配置されたベルト駆動ローラ2と2個の従動ローラ3a,3bの周りに架張され、ベルト駆動ローラ2によって駆動されて矢印方向(図中記号イ方向)に回動する。該感光ベルト1の外周面に沿って、その上部には、第1現像器4,第2現像器5,第3現像器6,第4現像器7が設けられる。第1現像器4はイエロー色のトナーを用いた現像剤を使用して現像ロール4aに磁気ブラシを形成し、第2現像器5はマゼンタ色のトナーを用いた現像剤を使用して現像ロール5aに磁気ブラシを形成し、、第3現像器6はシアン色のトナーを用いた現像剤を使用して現像ロール6aに磁気ブラシを形成し、第4現像器7は黒色のトナーを用いた現像剤を使用して現像ロール7aに磁気ブラシを形成するものであり、各現像器4,5,6,7は、その1つを選択的に稼働状態に制御することができる。
【0019】回動状態にある感光ベルト1は、帯電器8により一様に帯電された後に偏向走査形のレーザビーム露光器9から発生するレーザビーム10によって露光されて静電潜像が形成される。レーザビーム露光器9から発生するレーザビーム10は、画像記録信号に従って点滅制御される。イエロー色のトナー像を形成するための画像記録信号に従って点滅制御されたレーザビーム10により露光して形成した静電潜像は、第1現像器4によって現像してイエロー色のトナー像に変換する。マゼンタ色のトナー像を形成するための画像記録信号に従って点滅制御されたレーザビーム10により露光して形成した静電潜像は、第2現像器5によって現像してマゼンタ色のトナー像に変換する。シアン色のトナー像を形成するための画像記録信号に従って点滅制御されたレーザビーム10により露光して形成した静電潜像は、第3現像器6によって現像してマゼンタ色のトナー像に変換する。黒色のトナー像を形成するための画像記録信号に従って点滅制御されたレーザビーム10により露光して形成した静電潜像は、第4現像器7によって現像して黒色のトナー像に変換する。
【0020】中間転写ドラム11は、駆動ローラ2と従動ローラ3bの間において前記感光ベルト1と接触しながら回転するように設置される。該中間転写ドラム11は導電性基体の外周面に誘電体層を形成したもので、該接触部において前記感光ベルト1からトナー像を静電転写する第1の転写部を構成する。該第1の転写部でのトナー像の効率を高めるためには、該接触部における回動方向の接触幅は、2mm以上を確保することが必要であり、3mm以上にすれば高転写効率を安定に維持することができる。
【0021】第1の転写部を通過した感光ベルト1は、イレーズ装置12により除電され、ベルトクリーニング装置13により残留トナーが除去されて初期化され、帯電器8により、再度、一様に帯電されて次の色のトナー像を形成する電子写真プロセスに使用される。
【0022】後続して形成される異色のトナー像は、中間転写ドラム11に既に転写されているトナー像に重ねて転写するために、形成位置が調整される。この位置調整は、静電潜像形成タイミングを制御することによって行なわれる。
【0023】フルカラー画像印刷では、イエロー色のトナー像形成,イエロートナー像の転写,マゼンタ色のトナー像形成,マゼンタトナー像の転写,シアン色のトナー像形成,シアントナー像の転写,黒色のトナー像形成,黒トナー像の転写が行なわれる。
【0024】中間転写ドラム11上に多色のトナー像が形成された後(最後に重畳する色のトナー像は、感光ベルト1上に形成中或いは該感光ベルト1から中間転写ドラム11に転写中)に、給紙カセット14に収容した記録紙またはOHPシート等の2次記録媒体15を給紙ローラ16と分離部17により1枚毎に分離して用紙搬送路18を通してレジストローラ19まで搬送する。レジストローラ19は、中間転写ドラム11上のトナー像と2次記録媒体15が第2の転写部で整合するように該2次記録媒体15の搬送タイミングを調整する。
【0025】第2転写部は、コロナ放電器を利用した転写器20と除電器21を備え、中間転写ドラム11上のトナー像を2次記録媒体15に静電力で転写する。転写器20は、2次記録媒体15が中間転写ドラム11と接触するときにトナー像転写用静電力を発生する直流コロナ電荷を該2次記録媒体15の背面に与える。除電器21は、トナー像が転写された2次記録媒体15を中間転写ドラム11から剥離するときに前記電荷による静電吸着力を減ずるために、該2次記録媒体15上の電荷を中和して除電するACコロナ放電を発生する。分離爪22は、2次記録媒体15を中間転写ドラム11から確実に剥離するために設置される。
【0026】定着器23はトナー像を2次記録媒体15に定着し、排紙ローラ24はトナー像が定着された2次記録媒体15を排紙トレー25に排出する。
【0027】中間転写ドラム11を清掃するドラムクリーニング装置26は、該中間転写ドラム11に対して離接可能に設置される。そして、該ドラムクリーニング装置26は、中間転写ドラム11に各色のトナー像を転写してカラーのトナー像を形成する過程では中間転写ドラム11から離れた状態に操作され、転写工程終了後は中間転写体ドラム11に接触して該中間転写ドラム1上に残留するトナーを除去するように操作される。
【0028】また、この実施例における電子写真記録装置は、2次記録媒体15を手差しトレー27から供給して用紙送りローラ28によりレジストローラ19まで送り込むことができ、該2次記録媒体15にも同様にしてカラー画像を印刷することができる。
【0029】更にまた、定着器23を通過した2次記録媒体15の排紙方向を排紙ローラ29の方向に変えることによって、2次記録媒体15を外部トレー(図示せず)に排出させることもできる。
【0030】次に、この電子写真記録装置の電子写真プロセスの実行に好適な各構成部品への電位設定を詳しく説明する。図2は、電子写真プロセスに係わる主要構成要部品を所定の電位にするための電気回路を示している。現像器はイエロートナーを使用する第1現像器4を例示する。
【0031】中間転写ドラム11は、アルミニウム製の導電性ドラム基体11aの表面に所定の抵抗値に調整された誘電体層11bを形成したものであり、ドラム基体11aは接地電位に接続される。誘電体層11bは、例えばカーボンブラックまたはアルミニウム等の導電性金属を分散させることにより抵抗値の調整を行ったポリカーボネートなどである。この誘電体層11bの抵抗値は、107 〜1011Ωcm程度が好ましい。抵抗値が高いと、中間転写ドラム11の表面がチャージアップしてしまい、トナー像を重ねて転写するときの転写効率が低下する。このチャージアップを防止するには、本発明者等の実験よれば、誘電体層11bの抵抗値は1011Ωcm以下にしなければならなかった。しかし、該誘電体層11bの抵抗値が低過ぎると、中間転写ドラム11に形成したカラートナー像を2次記録媒体15に転写するときに十分な転写電界が得られず、転写効率が低下する。その下限は約107Ωcmであった。従って、誘電体層11bの抵抗値としては107〜1011Ωcmが好ましい。
【0032】感光ベルト1は、前述したように、ポリエステル等の樹脂を基体としその表面にアルミニウム等の金属を塗布または蒸着して導電体層を形成したベルト基体1aと、そのうえに有機光導電体層1bを形成したものである。そして、該感光ベルト1は、周囲から絶縁した状態で張架され、ベルト基体1aの導電体層は第1のバイアス電源31に接続されて該感光ベルト1の電位が接地電位に対して負の電位になるようなバイアス電圧が印加される。図3は、負極性に帯電したトナーで形成したトナー像を感光ベルト1から中間転写ドラム11へ転写するときの転写効率の関係を示している。80%以上の高転写効率を確保するには、感光ベルト1に印加するバイアス電圧は−200〜−1000Vの範囲にすることが好ましく、−300〜−600Vが好適である。
【0033】感光ベルト1の表面を一様に帯電する帯電器8の導電性放電ケース8aは、感光ベルト1のベルト基体1aと同電位になるように接続され、放電線8bは該ベルト基体1aに対して約−5kVの電圧が印加されるるように帯電器用高圧電源32に接続される。感光ベルト1は矢印イ方向に回動しながら帯電器8のコロナ放電により一様に帯電され、その表面の電位は、ベルト基体1aの電位に対して約−600〜−800Vとなる。例えば、感光ベルト1のバイアス電圧が−400Vの場合は、該感光ベルト1の表面の電位は接地電位に対して約−1000V〜−1200Vになる。
【0034】一様に帯電された感光ベルト1がレーザビーム10により露光されと、レーザビーム10が照射された部分の電位は、ベルト基体1aの電位に対して、約−100Vに減少し、レーザビーム10が照射されない部分の電位は約−600〜−800Vに維持されて、静電潜像が形成される。この静電潜像を現像するために、例えば第1現像器4を稼働させると、アルミニウム等の導電性金属の現像ロール4aに現像剤で形成した磁気ブラシが感光ベルト1に作用して該静電潜像が現像される。負極性に帯電したトナー4bは、レーザビーム10が照射されて電位が低下した領域に付着する。このために現像器4は周囲から絶縁した状態に接地され、現像ロール4aには、感光ベルト1に対して約−400〜−600Vの現像バイアス電位を与える現像バイアス電源33が接続される。第2〜第4現像器5〜7に対しても同様な現像バイアス電位が与えられる。
【0035】このようにして感光体ベルト1上に形成した単色のトナー像を合成してカラートナー像を完成するために、各色のトナー像を中間転写ドラム11に重ねて転写する。但し、単色印刷の場合は、中間転写ドラム11へのトナー像の転写において、重合は行なわない。
【0036】感光ベルト1と中間転写ドラム11が接触状態で回動する第1の転写部において、感光ベルト1のベルト基体1aの導電部は感光体バイアス電源31によって例えば−400Vにバイアスされている。従って、中間転写ドラム11の接地された導電性ドラム基体11aには、感光ベルト1と対向する領域において正極性の電荷が誘起され、負極性のトナー像はこの電荷に引かれて感光ベルト1から中間転写ドラム11に高効率で静電転写される。中間転写ドラム11が繰返し回動する間に、感光ベルト1に形成した各色のトナー像を重ねるように繰返し転写して合成することによってカラーのトナー像を完成する。
【0037】中間転写ドラム11上で合成されたカラートナー像を2次記録媒体15に転写するために、該2次記録媒体15が第2の転写部に送り込まれる。この第2の転写部において、転写器20はコロナ放電によって2次記録媒体15の背面に静電転写用の電荷を与える。転写器20の導電性放電ケース20aは中間転写ドラム11と同じ接地電位になるように接続され、放電線20bは2次記録媒体15の背面にトナー像と逆極性のコロナ放電を印加するために転写器用高圧電源34に接続されて中間転写ドラム11に対して約4〜6kVの電圧が印加される。
【0038】中間転写ドラム11の導電性ドラム基体11aは、感光ベルト1から受像する第1の転写部においては感光ベルト1の電位に対応した強い帯電を帯びるが、該第1の転写部を離れると該導電性ドラム基体11aの帯電量はトナー像の電荷による誘導量まで減少する。そして第2の転写部に到来して2次記録媒体15が重合され、該2次記録媒体15の背面に静電転写用の正極性の電荷が与えられると、該中間転写ドラム11の導電性ドラム基体11aには該静電転写用電荷に誘導される負極性の電荷が支配的に発生する。従って、負極性に帯電したトナー像は中間転写ドラム11から離れやすくなり、また、2次記録媒体15の背面に与えられた静電転写用電荷に引き付けられて高効率で該2次記録媒体15に静電転写される。
【0039】この第2の転写部における中間転写ドラム11から2次記録媒体15へのトナー像の転写は、その一部は、最後に重合すべきトナー像を感光ベルト1に形成する工程及び該トナー像を第1の転写部において該感光ベルト1から中間転写ドラム11へ転写する工程が並行して進行する。しかしながら、中間転写ドラム11の導電性ドラム基体11aは接地されているので、第1の転写部においては感光ベルト1の電位に応じた量の電荷が誘導され、第2の転写部においては2次記録媒体15の背面の電位に応じた量の電荷が誘起されて、相互干渉がないトナー像転写が行なわれる。
【0040】2次記録媒体15に与えられた転写用電荷は、該2次記録媒体15を中間転写ドラム11に吸着するようにも作用する。従って、トナー像が転写された2次記録媒体15を中間転写ドラム11から分離するときには、該2次記録媒体15の背面に残留する転写用電荷を除去しなければならない。除電器21はこの転写用電荷を中和して除去するためにACコロナ放電を発生する。該除電器21の導電性放電ケース21aは接地電位に接続され、放電線21bは交流高圧電源35に接続される。この除電において、中間転写ドラム11は接地電位に接続されているので、除電器21によるACコロナ放電により転写用電荷の中和(除電)を安定に行なうことができ、中間転写ドラム11に対する2次記録媒体15の巻き付きを確実に防止することができる。
【0041】このカラー電子写真記録装置でカラー画像印刷を行った結果、第1の転写部におけるトナー像転写工程と第2の転写部におけるトナー像転写工程を同時に行なっても両工程ともに良好なトナー像転写を行なうことができ、またトナー層が多重になっている部分やライン周辺でも転写ぬけがなく、高画質のカラー画像が得られた。また、カラートナー像の位置ずれが少なく、除電器21の影響による転写乱れもない高品質のカラー画像が得られた。更に、中間転写ドラム11からの2次記録媒体15の剥離も良好で、2次記録媒体15が中間転写ドラム11に巻き付いてジャムを発生することもなかった。
【0042】実施例2図4は本発明の他の実施例であるカラー電子写真記録装置である。このカラー電子写真記録装置は、前述した実施例1のカラー電子写真記録装置に対して第2転写部にローラ転写器を使用した点が異なっており、その他の構成は実施例1のカラー電子写真記録装置と同一である。同一構成部品については、同一参照符号を付して詳細な説明を省略する。
【0043】第2の転写部は、2次記録媒体15を中間転写ドラム11に押接しながら該2次記録媒体15の背面に転写用電位を与えるローラ転写器37を備える。該ローラ転写器37は、導電性の金属軸37aと所定の抵抗値を持つ弾性体ロール電極37bと該ロール電極37bを進退させるソレノイド37cを有する。
【0044】ロール電極37bの抵抗値は、その表面と軸間で測定して104〜109Ωの範囲内のものが好適であり、本実施例では107 Ωのものを用いた。材質としては、ウレタン等の高分子樹脂を用いたゴムやスポンジが適している。
【0045】ロール電極37bは、各色のトナー像を感光ベルト1から中間転写ドラム11に転写してカラートナー像を形成する工程では後退して休止の状態にされ、完成したカラートナー像を中間転写ドラム11から2次記録媒体15に転写する工程で該2次記録媒体15の到来に同期して前進して該2次記録媒体15を中間転写ドラム11に押接する。この動作と同期してロール電極37bに所定の転写用バイアス電圧を印加して中間転写ドラム11上のトナー像を2次記録媒体15に転写するための転写電界を発生させる。
【0046】除電器21は、このような転写電圧印加により2次記録媒体15の背面に帯電する電荷を除電するACコロナ放電を発生する。
【0047】次に、この電子写真記録装置の電子写真プロセスの実行に好適な各構成部品の電位設定を、図5を参照して詳しく説明する。図5は、電子写真プロセスに係わる主要構成部品を所定の電位にするための電気回路を示しており、現像器はイエロートナーを使用する第1現像器4を例示する。実施例1と同一構成については詳細説明を省略する。
【0048】トナー像転写工程でロール電極37bに転写用バイアス電圧を印加するために、転写バイアス電源38が金属軸37aと接地電位の間に接続される。該転写バイアス電源38は、ロール電極37bをトナー像の帯電極性と逆極性で接地電位との電位差が約600〜2000Vになるような転写電位にバイアスする。抵抗値が107Ωと109Ωのロール電極37bを用いたときの、ロール電極37bへの印加電圧(接地電位との電位差)と転写効率の関係を測定した結果を図6に示す。該実施例では、この結果をもとに金属軸37aに1400Vの転写電圧を印加することにより90%近い転写効率を確保することができた。
【0049】この電子写真記録装置でカラー画像印刷を行った結果、前述の実施例と同様に、第1の転写部におけるトナー像転写工程と第2の転写部におけるトナー像転写工程を同時に行なっても両工程ともに良好なトナー像転写を行なうことができ、またトナー層が多重になっている部分やライン周辺でも転写ぬけがなく、高画質のカラー画像が得られた。また、カラートナー像の位置ずれが少なく、除電器21の影響による転写乱れもない高品質のカラー画像が得られた。更に、中間転写ドラム11からの2次記録媒体15の剥離も良好で、2次記録媒体15が中間転写ドラム11に巻き付いてジャムを発生することもなかった。
【0050】実施例3図7は本発明の更に他の実施例であるカラー電子写真記録装置を示している。このカラー電子写真記録装置の構成は、前記した実施例1のカラー電子写真記録装置に対してベルトクリーニング装置13の設置場所,手差しトレー27と外部トレー排紙ローラ29の有無及び現像方式が相違している。
【0051】実施例1の装置の現像方式が反転現像方式であったのに対してこの実施例のカラー電子写真記録装置は、レーザビーム10が照射されないで電荷が残留している領域にトナーを付着させる正規現像方式を採用している。そのため、各構成要素の電位傾向が実施例1と異なっており、各現像器4〜7に使用するトナーは正極性に帯電するものが用いられる。また、レーザビーム露光器9が小型化され、ベルトクリーニング装置13はベルト駆動ローラ2上で感光ベルト1に押接して該感光ベルト1を清掃するように設置される。更に、中間転写ドラム11の誘電体層11bとして、導電性のフィラーを分散させて抵抗値を107 〜1011Ωcm程度に調整したテフロン樹脂を用いた。テフロン樹脂層は表面の潤滑性が良いため、2次記録媒体15へトナー像を転写した後に該中間転写ドラム11に残留するトナーのクリーニング特性が向上するという特徴が生まれる。その他の構成は実施例1のカラー電子写真記録装置と同一であるので、重複する説明の一部を省略する。
【0052】図8は、図7に示したカラー電子写真記録装置における主要な構成要素を所定の電位に設定する電気回路を示している。中間転写ドラム11のドラム基体11aは接地電位に接続され、これが基準電位にされる。感光ベルト1のベルト基体1aは、正極性に帯電したトナー4cを該感光ベルト1から中間転写ドラム11に転写するために感光体バイアス電源39に接続され、接地電位に対して正極性のバイアス電圧が印加される。このバイアス電圧の大きさは、接地電位に対して200〜1000Vの範囲が好ましく、300〜600Vが好適である。
【0053】帯電器5の導電性放電ケース5aは感光ベルト1のベルト基体1aと同電位になるように接続され、帯電器5の放電線1bはベルト基体1aの電位に対して約−5kVの電圧が印加されるように帯電器用高圧電源32に接続される。
【0054】感光ベルト1を図8の矢印イ方向に回動しながら帯電器5のコロナ放電により帯電すると、その表面はベルト基体1aの電位に対して約−600〜−800Vの電位となるように一様に帯電される。例えば、感光ベルト1のバイアス電圧が400Vの場合、感光ベルト1の表面の電位は接地電位に対して約−200〜−400Vになる。
【0055】一様に帯電された感光ベルト1をレーザビーム10で露光すると、該レーザビーム10が照射された部分の電位は、ベルト基体1aの電位に対して、−100V程度に低下し、照射されない部分の電位は約−600〜−800Vを維持するので、該感光ベルト1の表面には静電潜像が形成される。アルミニウム等の導電性金属で構成した現像ロール4aに形成した磁気ブラシでこの感光ベルト1の表面を摺擦することによりトナー4cが高帯電領域に付着(正規現像)してトナー像が形成される。現像ロール4aは、感光ベルト1のベルト基体1aに対して約−100〜400Vの電位となるように現像バイアス電源33に接続される。
【0056】このようにして形成された感光ベルト1上のトナー像を中間転写ドラム11に重ねて転写する第1の転写部では、感光ベルト1のベルト基体1aの導電部が感光体バイアス電源39によって400Vにバイアスされているので、導電性ドラム基体11aには負極性の電荷が誘起され、正極性のトナー像はこの電荷に引かれて感光ベルト1から中間転写ドラム11に高効率で静電転写される。中間転写ドラム11が繰返し回動する間に、感光ベルト1に形成した各色のトナー像を重ねるように繰返し転写して合成することによってカラーのトナー像を完成する。中間転写ドラム11上で合成したトナー像を2次記録媒体15に転写する第2の転写部の転写器20は、導電性放電ケース20aが中間転写ドラム11と同じ接地電位になるように接続され、コロナ放電をさせるタングステンワイヤー20bは2次記録媒体15の背面にトナー像と逆極性のコロナ放電を印加するために転写器用高圧電源40に接続されて中間転写ドラム11に対して約−5〜−6kVの電圧が印加される。
【0057】このカラー電子写真記録装置においても、前述のカラー電子写真記録装置と同様にして、カラートナー像の位置ずれが少なく、かつ除電器21の影響による転写乱れもない高品質のカラー画像が得られた。また2次記録媒体15へのトナー像転写効率も良好で中間転写ドラム11上の残留トナーも少なく、かつ該中間転写ドラム表面からの2次記録媒体15の剥離も良好であった。
【0058】実施例4この実施例は、前述した実施例3における第2の転写部の転写器21をローラ転写器37に変えたカラー電子写真記録装置であって、該ローラ転写器37は、前述した実施例2のローラ転写器と同一構造のものが使用される。図9はその各構成部品の電位設定のための電気的接続を示している。
【0059】中間転写ドラム11上のトナー像は正極性に帯電しているので、トナー像を2次記録媒体15に転写するするためのローラ転写器37には、転写用バイアス電源41から−600V〜−2000Vのバイアス電圧が印加される。
【0060】そしてこの実施例においても、前述の実施例と同様な効果が得られた。
【0061】実施例5図10は本発明になる更に他のカラー電子写真記録装置である。このカラー電子写真記録装置の構成は、感光体ベルト1の張架方法,イレーズ装置9やベルトクリーニング装置10や手差しトレー24の設定場所の変更、搬送ローラ43,44の追加等で異なるが、基本的には前述した実施例1のカラー電子写真記録装置とほぼ同じである。感光体ベルト1は、主にベルト駆動ローラ2と2個の搬送ローラ3a,3bにより張架され回動されるが、中間転写ドラム11との接触幅の調整は、新たに設けた2個の当接ローラ45a,45bによってなされる。感光体ベルト1と中間転写ドラム11の接触幅は、4mmとした。
【0062】トナー像形成プロセスの順序及び主要構成部品にバイアス電圧を印加するための電気的接続も実施例1と同じであるが、4個の現像器4,5,6,7の配置の順序が相違している。現像方式は反転現像方式で、各現像器4〜7に使用する現像剤は負帯電極性のトナーを用いている。
【0063】このカラー電子写真記録装置においても、前述したカラー電子写真記録装置と同様な効果が得られた。
【0064】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、感光ベルト上に形成した各色のトナー像を重ねて転写することによりカラーのトナー像を完成する中間転写ドラムを接地電位に接続し、第1の転写部では前記感光ベルトを該感光ベルト上に形成されたトナー像の帯電極性と同極性にバイアスした状態で前記中間転写ドラムに当接して前記トナー像を該中間転写ドラムに静電転写するようにし、また、第2の転写部では該中間転写ドラム上で完成したカラートナー像を2次記録媒体に転写するための転写用バイアス電圧は接地電位を基準にしてトナー像と逆極性に印加するようにしたので、両転写部では相互干渉なしに好適な転写電界を発生してトナー像の転写効率が向上し、高品質なカラー画像が得られる。そして、両転写部の相互干渉を避けるための除電手段等は不要となるので構成が簡単になり、また、2次記録媒体が中間転写ドラムに巻き付かないように該2次記録媒体を除電することも容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例であるカラー電子写真記録装置の縦断側面図である。
【図2】図1に示したカラー電子写真記録装置の構成部品の電位を設定する電圧を印加する電気回路図である。
【図3】図1に示したカラー電子写真記録装置における感光体バイアス電圧と感光ベルトから中間転写ドラムへのトナー転写効率の関係を示す特性図である。
【図4】本発明の第2の実施例であるカラー電子写真記録装置の縦断側面図である。
【図5】図4に示した電子写真記録装置の構成部品の電位を設定する電圧を印加する電気回路図である。
【図6】図4に示したカラー電子写真記録装置における転写ロールの印加電圧と中間転写ドラムから用紙へのトナー転写効率の関係を示す特性図である。
【図7】本発明の第3の実施例であるカラー電子写真記録装置の縦断側面図である。
【図8】図7に示したカラー電子写真記録装置の構成部品の電位を設定する電圧を印加する電気回路図である。
【図9】本発明の第4の実施例であるカラー電子写真記録装置の構成部品の電位を設定する電圧を印加する電気回路図である。
【図10】本発明の第5の実施例であるカラー電子写真記録装置の縦断側面図である。
【符号の説明】
1…感光体ベルト、1a…ベルト基体、1b…有機光導電体層、2…ベルト駆動ローラ、3a,3b…搬送ローラ、4…第1現像器、4a…現像ロール、4b…トナー、5…第2現像器、6…第3現像器、7…第4現像器、8…帯電器、10…レーザビーム、11…中間転写ドラム、11a…導電性ドラム基体、11b…誘電体層、15…2次記録媒体、20…転写器、21…除電器、31…バイアス電源、33…現像バイアス電源、34…転写器用高圧電源、37…ローラ転写器、37a…金属軸、37b…ロール電極、38…転写用電源。

【特許請求の範囲】
【請求項1】導電体層の表面に光導電体層が形成され、回動自在に張架された感光ベルトと、該感光ベルト上に異なる色のための複数種類の静電潜像を順次形成する手段と、該静電潜像に対応する色の帯電トナーを付着させて複数のトナー像を形成する現像手段と、前記感光ベルトと接触しながら同期回転し、前記複数のトナー像が重ねて転写されてカラートナー像を完成する中間転写ドラムと、該中間転写ドラム上に形成されたカラートナー像を2次記録媒体上に転写する手段とを備えた電子写真記録装置において、前記中間転写ドラムは接地電位に接続された誘電体層を備え、前記感光ベルトから該中間転写ドラムに前記トナー像を転写する第1の転写手段は、前記感光ベルトの導電体層を接地電位に対して前記トナーの帯電極性と同極性の電位にバイアスするような第1の転写バイアス電圧を印加する第1のバイアス電源を備え、前記中間転写ドラム上の前記トナー像を2次記録媒体に転写する第2の転写手段は、前記2次記録媒体の背面を接地電位に対して前記トナーの帯電極性と逆極性の電位にバイアスするような第2の転写バイアスを印加する第2のバイアス電源を備えたことを特徴とする電子写真記録装置。
【請求項2】導電体層の表面に光導電体層が形成され、回動自在に張架された感光ベルトと、該感光ベルト上に異なる色のための複数種類の静電潜像を順次形成する手段と、該静電潜像に対応する色の帯電トナーを付着させて複数のトナー像を形成する現像手段と、前記感光ベルトと接触しながら同期回転し、前記複数のトナー像が重ねて転写されてカラートナー像を完成する中間転写ドラムと、該中間転写ドラム上に形成されたカラートナー像を2次記録媒体上に転写する手段とを備えた電子写真記録装置において、前記中間転写ドラムは接地電位に接続された導電性基体の表面に形成された誘電体層を備え、前記感光ベルトから該中間転写ドラムに前記トナー像を転写する第1の転写手段は、前記感光ベルトの導電体層を接地電位に対して前記トナーの帯電極性と同極性の電位にバイアスするような第1の転写バイアス電圧を印加する第1のバイアス電源を備え、前記中間転写ドラム上の前記トナー像を2次記録媒体に転写する第2の転写手段は、前記2次記録媒体の背面を接地電位に対して前記トナーの帯電極性と逆極性の電位にバイアスするような第2の転写バイアスを印加する第2のバイアス電源を備えたことを特徴とする電子写真記録装置。
【請求項3】請求項2において、前記第1の転写バイアス電圧は接地電位に対して200ボルト以上の電圧差をもつようにしたことを特徴とする電子写真記録装置。
【請求項4】請求項2において、前記第2の転写手段は、前記第2のバイアス電源に付勢され、前記2次記録媒体の背面に前記トナーと逆極性の電荷を帯電するコロナ放電器を備えたことを特徴とする電子写真記録装置。
【請求項5】請求項2において、前記第2の転写手段は、前記第2のバイアス電源に付勢され、前記2次記録媒体の背面に押接されるロール電極を備えたことを特徴とする電子写真記録装置。
【請求項6】請求項5において、前記ロール電極は、導電性の金属軸とその抵抗値が104 〜109 Ωの弾性体層を備えたことを特徴とする電子写真記録装置。
【請求項7】請求項5において、前記ロール電極は導電性の金属軸とその抵抗値が104 〜109 Ωの弾性体層を備え、前記第2のバイアス電源は接地電位に対して600〜2000ボルトの電位差のバイアス電圧を前記金属軸に印加することを特徴とする電子写真記録装置。
【請求項8】請求項2において、前記中間転写ドラムの誘電体層の抵抗値を107 〜1011Ωcmとしたことを特徴とする電子写真記録装置。
【請求項9】導電体層の表面に光導電体層が形成され、回動自在に張架された感光ベルトと、該感光ベルト上に異なる色のための複数種類の静電潜像を順次形成する手段と、該静電潜像に対応する色の帯電トナーを付着させて複数のトナー像を形成する現像手段と、前記感光ベルトと接触しながら同期回転し、前記複数のトナー像が重ねて転写されてカラートナー像を完成する中間転写ドラムと、該中間転写ドラム上に形成されたカラートナー像を2次記録媒体上に転写する手段とを備えた電子写真記録装置において、前記中間転写ドラムは接地電位に接続された導電体層の表面に形成された誘電体層を備え、前記感光ベルトから該中間転写ドラムに前記トナー像を転写する第1の転写手段は、前記感光ベルトの導電体層を接地電位に対して前記トナーの帯電極性と同極性の電位にバイアスするような第1の転写バイアス電圧を印加する第1のバイアス電源を備え、前記中間転写ドラム上の前記トナー像を2次記録媒体に転写する第2の転写手段は、前記トナーの帯電極性と逆極性の第2の転写バイアス電圧を発生する第2のバイアス電源と、該バイアス電源に付勢されてコロナ放電し、前記2次記録媒体を接地電位に対してトナーの帯電極性と逆極性に帯電するコロナ放電器を備えたことを特徴とする電子写真記録装置。
【請求項10】導電体層の表面に光導電体層が形成され、回動自在に張架された感光ベルトと、該感光ベルト上に異なる色のための複数種類の静電潜像を順次形成する手段と、該静電潜像に対応する色の帯電トナーを付着させて複数のトナー像を形成する現像手段と、前記感光ベルトと接触しながら同期回転し、前記複数のトナー像が重ねて転写されてカラートナー像を完成する中間転写ドラムと、該中間転写ドラム上に形成されたカラートナー像を2次記録媒体上に転写する手段とを備えた電子写真記録装置において、前記中間転写ドラムは接地電位に接続された誘電体層を備え、前記感光ベルトから該中間転写ドラムに前記トナー像を転写する第1の転写手段は、前記感光ベルトの導電体層を接地電位に対して前記トナーの帯電極性と同極性の電位にバイアスするような第1の転写バイアス電圧を印加する第1のバイアス電源を備え、前記中間転写ドラム上の前記トナー像を2次記録媒体に転写する第2の転写手段は、前記2次記録媒体の背面を接地電位に対して前記トナーの帯電極性と逆極性の電位にバイアスするような第2の転写バイアスを印加する第2のバイアス電源を備え、前記静電潜像を形成する手段は、前記第2の転写バイアス電位を基準電位とした静電潜像を前記感光ベルト表面に形成する手段を備え、前記現像手段は、前記第2の転写バイアス電位を基準電位として前記静電潜像を現像する手段を備えたことを特徴とする電子写真記録装置。

【図1】
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【図7】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図4】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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