説明

電子商取引における電子メール配信システム及び同電子メール配信方法

【課題】ユーザに対する効率的な商品情報の提供。
【解決手段】複数の仮想店舗を登録した電子商取引に登録済みのユーザに対してECデータ部230に登録した商品の宣伝を電子メールマガジンにより行い、この電子メールマガジンを参照したユーザのECサイトへのアクセス状況をアクセスログ解析部261を参照して解析し、解析した解析情報を基に、応答がないユーザに対して複数の電子メールマガジンを文面を変化させて再送信し、所定回数のメールマガジンにユーザが応答しなかった場合、ユーザ嗜好に合わせて商店間商品関連情報テーブル267から他商品を検索し、該検索した他商品をユーザにメールマガジンにより案内することによって、ECサイトシステム200に登録した複数の仮想店舗の商品をユーザに案内するもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット等の通信回線網を介して商品取引を行う電子商取引における電子メール配信システム及び同電子メール配信方法に係り、特にユーザに対する商品販売案内用の電子メールを効率的に配信することができる電子商取引における電子メール配信システム及び同電子メール配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等の通信回線網の発達及びパーソナルコンピュータの発達に伴い、商品販売元がインターネット上のWebサイトの仮想店舗(ホームページ)を用いて多数の商品広告を行い、これを閲覧したユーザが好みの商品の購入を行う電子商取引が盛んに行われている。また当該Webサイトは、ユーザが商品購入をした際に仮想店舗側が、ユーザのメールアドレスや住所等の顧客情報を顧客情報データベース等に格納しておき、過去にユーザが購入した商品に類似する商品の広告情報を電子メールマガジンとしてユーザに配信する商品販売促進も行われている。尚、本明細書で述べる電子メールマガジンと電子メールは同意である。
【0003】
尚、前記Webサイトからユーザに電子メールによって商品販売促進活動を行うためのコンピュータ技術が記載された文献としては、例えば下記特許文献1が挙げられ、この特許文献1には、ユーザの嗜好に合わせたコンテンツ情報を含む電子メールをユーザに送信する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−181400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術による顧客宛にメールマガジンを送信する技術は、ユーザにとっては多数の電子メールマガジンを受信し、全ての電子メールマガジンの詳細まで読むメリットが少なく且つ多量のために困難であるために無視されることが多く、電子商取引を行うWebサイト側にとっては効率的に商品広告情報をユーザに提供することが困難であると言う不具合があった。他方、Webサイト側にとっても、人手により電子メールマガジンを編集し、多数のユーザに送信しても、当該電子メールマガジンが商品販売に繋げる可能性が低いという不具合もあった。
【0006】
また、1つの電子商取引Webサイトに多数の仮想店舗が登録されている場合であっても、該仮想店舗各々が電子メールマガジンを自己仮想店舗内において販売実績又はWebサイト閲覧実績のある商品を元に類似する商品を抽出し、これを元に該当の商品案内の電子メールマガジンの発行を行っているため、個々の仮想店舗における作業が繁雑であると共に、例えば同一Webサイト内の他の仮想店舗にユーザの嗜好に合致する商品が存在する場合であっても、この他仮想店舗商品をユーザに案内(宣伝広告)することができないという不具合もあった。
【0007】
本発明の目的は、前述の不具合を除去することであって、電子商取引サイト内の複数の店舗ユーザ情報を共有して、商品広告(商品情報提供)の電子メールマガジンをユーザに効率的に配信することができる電子商取引における電子メール配信システム及び同電子メール配信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために本発明は、複数の仮想店舗が取り扱う複数商品に一意に商品番号を付与し、該複数商品をインターネット網を介して複数のユーザ端末に電子メールマガジンにより送信するコンピュータを備える電子商取引における電子メール配信システムであって、
複数ユーザに対して一意に付与したユーザID及びメールアドレスを格納したユーザ情報データベースと、
嗜好に対して一意の嗜好IDを付与し、該嗜好IDに含まれる複数の仮想店舗が取り扱う商品の商品番号を格納した商店間商品関連情報テーブル部と、
ユーザIDに対応して送信した電子メールマガジンに含まれる商品番号と、該メールマガジンに対する応答の有無と、嗜好情報とを格納したユーザ解析情報データベースと、
前記商品番号を付与した複数商品の情報を格納する電子商取引商品データ部と、
前記電子メールマガジンの複数の文面情報を格納するメールパターンテーブルと、
前記電子商取引商品データ部に格納した商品情報をユーザが閲覧したことを示す応答情報を格納するアクセスログ格納部と、
前記メールマガジンを複数のユーザ端末に送受信するメール送受信部とを設け、
前記コンピュータが、
前記電子商取引データ部から宣伝対象となる商品の商品番号を抽出する第1工程と、
該第1工程により抽出した商品番号を基に前記電子商取引商品データ部から商品情報を抽出すると共に前記メールパターンテーブルから指定されたメール文面情報を抽出し、該抽出したメール文面に前記抽出した商品情報を組み合わせた第1次アクション用の電子メールマガジンを作成する第2工程と、
前記ユーザ情報データベースから抽出したメールアドレス宛に前記第2工程により作成した電子メールマガジンを前記メール送受信部により送信する第3工程と、
該第3工程による電子メールマガジンを送信してから所定期間経過後、前記アクセスログ格納部を参照して前記第3工程により電子メールマガジンを送信したユーザの内、応答情報が格納されていないユーザIDを抽出する第4工程と、
前記第1工程により抽出した商品情報と前記メールパターンテーブルから指定されたメール文面情報を抽出し、該抽出したメール文面に前記抽出した商品情報を組み合わせた第2次アクション用の電子メールマガジンを作成する第5工程と、
前記第4工程により抽出したユーザIDのメールアドレス宛に前記第5工程により作成した電子メールマガジンを前記メール送受信部により送信する第6工程と、
該第6工程による電子メールマガジンを送信してから所定期間経過後、前記アクセスログ格納部を参照して前記第6工程により電子メールマガジンを送信したユーザの内、応答情報が格納されていないユーザIDを抽出する第7工程と、
前記第7工程により送信した電子メールマガジンの含まれる商品情報の商品番号を基に、該商品番号と同一の嗜好IDが付与された他の商品番号を商店間商品関連情報テーブル部から抽出する第8工程と、
前記第8工程により抽出した他商品番号を基に前記電子商取引商品データ部から他商品情報を抽出すると共に前記メールパターンテーブルから指定されたメール文面情報を抽出し、該抽出したメール文面に前記第7工程により抽出した商品情報を組み合わせた電子メールマガジンを作成し、該電子メールマガジンを前記第7工程により抽出したメールアドレス宛に前記メール送受信部により送信する第9工程とを実行することを第1の特徴とする。
【0009】
更に本発明は、
嗜好に対して一意の嗜好IDを付与し、該嗜好IDに含まれる複数の仮想店舗が取り扱う商品の商品番号を格納した商店間商品関連情報テーブル部と、
ユーザIDに対応して送信した電子メールマガジンに含まれる商品番号と、該メールマガジンに対する応答の有無と、嗜好情報とを格納したユーザ解析情報データベースと、
前記商品番号を付与した複数商品の情報を格納する電子商取引商品データ部と、
前記電子メールマガジンの複数の文面情報を格納するメールパターンテーブルと、
前記電子商取引商品データ部に格納した商品情報をユーザが閲覧したことを示す応答情報を格納するアクセスログ格納部と、
前記メールマガジンを複数のユーザ端末に送受信するメール送受信部とを備え、複数の仮想店舗が取り扱う複数商品に一意に商品番号を付与し、該複数商品をインターネット網を介して複数のユーザ端末に電子メールマガジンにより送信するコンピュータを備える電子商取引コンピュータにおける電子メール配信方法であって、
前記コンピュータに、
前記電子商取引データ部から宣伝対象となる商品の商品番号を抽出する第1工程と、
該第1工程により抽出した商品番号を基に前記電子商取引商品データ部から商品情報を抽出すると共に前記メールパターンテーブルから指定されたメール文面情報を抽出し、該抽出したメール文面に前記抽出した商品情報を組み合わせた第1次アクション用の電子メールマガジンを作成する第2工程と、
前記ユーザ情報データベースから抽出したメールアドレス宛に前記第2工程により作成した電子メールマガジンを前記メール送受信部により送信する第3工程と、
該第3工程による電子メールマガジンを送信してから所定期間経過後、前記アクセスログ格納部を参照して前記第3工程により電子メールマガジンを送信したユーザの内、応答情報が格納されていないユーザIDを抽出する第4工程と、
前記第1工程により抽出した商品情報と前記メールパターンテーブルから指定されたメール文面情報を抽出し、該抽出したメール文面に前記抽出した商品情報を組み合わせた第2次アクション用の電子メールマガジンを作成する第5工程と、
前記第4工程により抽出したユーザIDのメールアドレス宛に前記第5工程により作成した電子メールマガジンを前記メール送受信部により送信する第6工程と、
該第6工程による電子メールマガジンを送信してから所定期間経過後、前記アクセスログ格納部を参照して前記第6工程により電子メールマガジンを送信したユーザの内、応答情報が格納されていないユーザIDを抽出する第7工程と、
前記第7工程により送信した電子メールマガジンの含まれる商品情報の商品番号を基に、該商品番号と同一の嗜好IDが付与された他の商品番号を商店間商品関連情報テーブル部から抽出する第8工程と、
前記第8工程により抽出した他商品番号を基に前記電子商取引商品データ部から他商品情報を抽出すると共に前記メールパターンテーブルから指定されたメール文面情報を抽出し、該抽出したメール文面に前記第7工程により抽出した商品情報を組み合わせた電子メールマガジンを作成し、該電子メールマガジンを前記第7工程により抽出したメールアドレス宛に前記メール送受信部により送信する第9工程とを実行させることを第2の特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明による電子メールマガジン配信システム及び方法は、複数の仮想店舗を登録した電子商取引に登録済みのユーザに対して電子商取引商品データ部(ECデータ部)に登録した商品の宣伝を電子メールマガジンにより行い、この電子メールマガジンを参照したユーザのアクセス状況を解析し、解析した解析情報を基に、応答がないユーザに対して複数の電子メールマガジンを文面を変化させて再送信し、所定回数のメールマガジンにユーザが応答しなかった場合、ユーザ嗜好に合わせて商店間商品関連情報テーブルから他商品を検索し、該検索した他商品をユーザにメールマガジンにより案内するものであって、この様な動作によって、電子商取引商品データ部に登録した複数の仮想店舗の商品をユーザに案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態による電子メール配信システムの全体構成図。
【図2】本実施形態によるユーザアクセスログのデータベース構成を示す図。
【図3】本実施形態による商品販売管理データベースの構成を示す図。
【図4】本実施形態による解析したユーザ解析情報データベースの構成を示す図。
【図5】本実施形態によるユーザ毎のアクセスログデータベースの構成図。
【図6】本実施形態によるメール文案を格納するメール文案テーブルの構成図。
【図7】本実施形態による嗜好別店舗間商品関連テーブルの構成図。
【図8】本実施形態による電子メール配信動作の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[全体構成]
本発明の一実施形態による電子メール配信システムは、図1に示す如く、インターネット網20を介して複数のユーザの端末10が接続されるメールサーバ100と、該メールサーバ100とインターネット網20を介して接続され、複数の仮想店舗の商品販売を行うECサイトシステム200とから構成される。
【0013】
該メールサーバ100は、一般の電子メールサーバであり、ユーザ端末10等からの受信電子メールを格納するための受信メールデータベース(DB)103と、送信電子メールを格納するための送信メールベース(DB)102と、これらデータベース102及び103の電子メールをインターネット網20を介して送受信する送受信部101とを備える。
【0014】
本実施形態の特徴であるECサイトシステム200は、複数の仮想店舗における商品データ(情報)を格納するECデータ部230と、該ECデータ部230に格納した商品データを参照してインターネットのウェブ上に多数の商品を紹介するホームページを公開するためのWebサイト部210と、当該サイトに登録したユーザの個人情報他を格納するユーザ情報DB290と、前記Webサイト部210のホームページにアクセスし、会員登録によるログオンを行って商品を閲覧したユーザや当該閲覧商品情報等のアクセスログを抽出するアクセスログ抽出部220と、ユーザに送信する電子メールマガジンの複数の文案データを格納するメールパターンテーブル(TB)245と、該メールパターンテーブル(TB)245に格納した文案データを元に電子メールマガジンを作成するメール作成部240と、電子メールの送受信を制御するメール送受信部280と、前記アクセスログ抽出部220が抽出したユーザのアクセスログ情報を藻にユーザ毎のアクセスパターン等のユーザ情報を解析するユーザ情報解析部260と、ECデータ部230に格納した商品の販売管理情報を格納する商品販売管理情報データベース(DB)250と、前記各回路を制御する主制御部270とから構成される。尚、本明細書で述べる機能は、コンピュータのハードウェア又はソフトウェアによって構成される。
【0015】
前記ユーザ情報解析部260は、前記アクセスログ抽出部220が抽出したアクセスログ情報を格納するアクセスログ格納部261と、該アクセスログ格納部261に格納したアクセクログ情報を基にユーザ毎の嗜好やアクセス時間等のアクセスパターンを解析するパターン解析部262と、該パターン解析部262が解析したユーザ毎の商品に対する嗜好情報を格納したユーザ解析情報データベース(DB)263と、ユーザ嗜好毎に前記ECデータ部230に格納した複数店舗の複数商品を嗜好毎に分類することにより、異なる仮想商店間の同一又は類似嗜好の関係を格納した商店間商品関連情報テーブル267とから構成される。
【0016】
[商品販売管理DB250]
前記商品販売管理DB250は、電子メールマガジンを発行に対するユーザの応答(Webサイトの商品閲覧や購入)を格納して商品販売を管理するためのものであって、電子メールマガジンの送信対象とする複数のユーザIDと、各ユーザに対する複数の電子メールマガジンの送信及び応答状況(送信時刻/応答有無のフラグ)の各欄とから成り、該応答状況は、第1回目の第1次アクションと、該第1次アクションに対して応答(ユーザからの商品各アクセス)がなかったとき、文面を変更したメールを作成し、第2回目の電子メールマガジンを送信する第2次アクションと、該第2次アクションに対して応答がなかったとき、文面を変更したメールを作成し、第3回目の電子メールマガジンを送信する第3次アクションと、該第3次アクションに対して応答がなかったとき、紹介商品を変更したメールを作成し、第4回目の電子メールマガジンを送信する第4次アクションの各欄とから成る。
【0017】
図2に示した例は、第1次アクション欄が、複数のユーザに対して商品「M001」の広告用の電子メールマガジンを2009/10/01午前3時に発信し、所定の期間(例えば3日間)内にユーザ「A001」及び「A123」のみがWebサイトの該当商品を閲覧(応答フラグ「1」)し、他のユーザは該当商品を閲覧しなかった(応答フラグ「0」)ことを表し、第2次アクション欄が、前記応答の無かった複数のユーザに対して文案を訂正した電子メールマガジンを2009/10/10午前3時に発信し、所定の期間(例えば3日間)内にユーザ「A124」のみがWebサイトの該当商品を閲覧(応答フラグ「1」)し、他のユーザは該当商品を閲覧しなかった(応答フラグ「0」)ことを表し、第4アクション欄が、前記応答の無かった複数のユーザに対して紹介商品を訂正した電子メールマガジンを2009/10/10午前3時に発信し、この他商品案内の電子メールマガジンを送信したことを表している。
【0018】
[アクセスログ格納部261]
前記アクセスログ格納部261は、予めメールアドレスを含む個人情報を登録した複数のユーザによるWebサイトへのアクセス履歴(ログ)を格納するものであって、一意のシリアル番号であるログ番号に対応して、アクセスしたユーザのユーザIDと、当該アクセス日時と、閲覧した商品の商品番号と、後述する解析により得たユーザの嗜好IDとの各情報を格納し、図示(図3)した例では、例えばユーザID「A001」のユーザが2009年9月2日の午前7時に商品番号「M005」の商品を閲覧し、このユーザの解析した嗜好IDが「SA001」及び「SB001」であることを表している。
【0019】
[ユーザ解析情報データベース263]
前記ユーザ解析情報データベース263は、ユーザが閲覧及び又は購入した商品を基にユーザの嗜好を解析するための解析情報を格納したものであって、ユーザID毎に、電子メールマガジンを送信した日時と、当該メールマガジンにより紹介した商品の商品番号(ID)と、当該商品のメールマガジンに対する応答の履歴(応答又は非応答)と、当該メールマガジンによる総アクセス数と、商品を購入したときにフラグを立てる購入フラグ(購入時「1」、非購入時「0」)と、嗜好第1IDと、嗜好第2IDとの各情報を格納している。
【0020】
図4に示した例では、ユーザID「A001」のユーザに対して2009年10月1日午前3時に商品番号「M005」商品案内の電子メールマガジンを発行し、このメールマガジンに対して当該ユーザが、第1次アクションに対して応答(商品閲覧)を行い、2回アクセスにより商品を購入し、この購入商品の嗜好情報が「SA001」及び「SB002」であることを表している。
【0021】
[メールパターンテーブル245]
前記メールパターンテーブル245は、前述の複数のアクションに対応したメールマガジンの文面を格納したものであって、パターン01〜パターン03が第1次から第3次アクションに順番に採用される同一商品の案内文面、パターン4がユーザが当該商品に対してアクションをとらなかった場合、ユーザ嗜好に基づく他の商品案内を行う際の文面を表している。
【0022】
[商店間商品関連情報テーブル267]
前記商店間商品関連情報テーブル267は、人間の嗜好に対して嗜好IDを付与し、該嗜好IDに含まれると思われる複数の仮想店舗が取り扱う商品の商品IDを格納したものであって、図示(図6)の例では、ジャンル「映画」のDVD(登録商標)において、映画が大分類として、「ドラマ(SA001)」「ファンタジー(SA002)」「ホラー(SA003)」「アクション(SA004)」他に別けられ、当該大分類の中にも「日本映画(SB001)」「欧米映画(SB002)」「亜細亜映画(SB003)」に細分され、図示の例においては、例えば、前記大分類が「ドラマ」(嗜好第1レベルID「SA001」)且つ日本映画(嗜好第2レベルID「SB001」)に区分される商品が、商店イでは商品「M001」他を取り扱い、商店ロでは商品「N420」他を取り扱い、商店ハでは商品「L123」他を取り扱い、商店ニでは商品「P155」他を取り扱っていることを表している。
【0023】
即ち、当該商店間商品関連情報テーブル267は、ユーザ嗜好に合わせた商品を嗜好IDを付与して分類し、嗜好IDを付与した複数の仮想店舗における商品IDを格納したものであって、本例では映画を例に挙げたが、これに限られるものではない。
【0024】
[ユーザ情報データベース290]
前記ユーザ情報データベース290は、ユーザIDに対応した氏名/住所/電話番号/購入商品(ID/番号)履歴/嗜好情報(嗜好IDレベル)を格納したものであって、前記氏名/住所/電話番号はユーザが自己登録するものであり、前記購入商品履歴及び嗜好情報は後述処理によって主制御部270が登録するものである。
[動作]
さて、本実施形態による電子メール配信システムの全体動作は、複数の仮想店舗を登録したECサイトシステム200が登録済みのユーザに対してECデータ部230に登録した商品の宣伝を電子メールマガジンにより行い、この電子メールマガジンを参照したユーザのアクセス状況を解析し、解析した解析情報(Web閲覧有無/商品購入有無)を基に、応答がないユーザに対して複数の電子メールマガジンを文面を変化させて再送信し、所定回数のメールマガジンにユーザが応答しなかった場合、ユーザ嗜好に合わせて商店間商品関連情報テーブル267から他商品を検索し、該検索した他商品をユーザにメールマガジンにより案内するものであって、この様な動作によって、ECデータ部230に登録した複数の仮想店舗の商品をユーザに案内することができる。
【0025】
この動作の詳細は、図8に示す如く、ECサイトシステム200が、主制御部270の制御下において、ECデータ部230に登録した複数の仮想店簿の商品を管理者が入力した条件を基に抽出し、該抽出した商品を宣伝対象として設定するステップS01と、ECデータ部230から抽出した宣伝商品情報並びにユーザ情報データベース290に登録したユーザ情報(メールアドレス、嗜好情報が有れば嗜好情報)を参照し、複数のユーザに対して当該商品の宣伝文をメールパターンテーブル245に登録したパターン01の文面の電子メールマガジンを作成するステップS02と、該作成した電子メールマガジンをメール送受信部280を用いて複数のユーザ端末10に送信する第1アクションを実行するステップS03を実行する。この第1アクションの情報は、商品販売管理データベース250に格納され、以下の動作も同様である。
【0026】
次いで本実施形態による電子メール配信システムは、該第1アクションに対するユーザからの応答(商品閲覧や購入)の有無を、所定期間(例えば3日間)経過後に判定するステップS04と、該ステップS04に対するユーザからの応答(商品閲覧や購入)が所定期間(例えば3日間)内に無いと判定したとき、当該商品の宣伝文をメールパターンテーブル245に登録したパターン02の文面の電子メールマガジンを作成し、応答がないユーザに対して発行する第2アクションを行うステップS11と、該第2アクションに対するユーザからの応答の有無を所定期間経過後に判定するステップS13と、該ステップS11に対するユーザからの応答が所定期間内に無いと判定したとき、当該商品の宣伝文をメールパターンテーブル245に登録したパターン03の文面の電子メールマガジンを作成し、応答がないユーザに対して発行する第3アクションを行うステップS15と、該第3アクションに対するユーザからの応答の有無を所定期間経過後に判定するステップS17とを実行することによって、発行して電子メールマガジンに対してユーザからの応答が所定期間内にないと判定したとき、メール文面を変更したメールマガジンの再発行を行うように動作する。尚、本電子メール配信システムは、前述のステップS05とステップS13とステップS17において、ユーザからの応答があったと判定したとき、当該応答が有った旨を応答有フラグとして商品販売管理データベース250に格納するステップS09と、同様にユーザ応答がなかったとき、当該応答が無かった旨を応答無フラグとして商品販売管理データベース250に格納するステップS07も含まれる。
【0027】
さて、本実施形態による電子メール配信システムは、前記ステップS17によりユーザ応答がないと判定したとき、ステップS19により、商店間商品関連情報テーブル267を参照し、前記ステップによりユーザに案内した商品の嗜好ID(第1レベル及び第2レベル)を抽出し、該抽出した嗜好IDと同一の他の仮想店舗における他商品番号を検索し、該検索した商品を宣伝対象とするステップS19と、該ステップS19により設定した宣伝商品をパターンテーブル245のパターン04の文面によるメールマガジンを発行し、前記ステップS01に戻るステップS21とを実行することによって、同一宣伝商品に対してユーザからの応答がない場合、嗜好が類似する他商店商品を宣伝することができる。
【0028】
尚、前記メールマガジンの配信時刻は、アクセスログ時間を基に、例えば、早朝/帰宅後、昼休み、休日等のユーザのアクセスパターンを解析し、これに合わせてメール配信(PC操作中の確率が高い時刻/曜日にメール配信)することが望ましい。
【符号の説明】
【0029】
10:ユーザ端末、20:インターネット網、100:メールサーバ、101:送受信部、102:データベース、200:ECサイトシステム、210:Webサイト部、220:アクセスログ抽出部、230:ECデータ部、240:メール作成部、245:メールパターンテーブル、250:商品販売管理情報データベース、260:ユーザ情報解析部、261:アクセスログ格納部、262:パターン解析部、263:ユーザ解析情報データベース、267:商店間商品関連情報テーブル、270:主制御部、280:メール送受信部、290:ユーザ情報データベース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の仮想店舗が取り扱う複数商品に一意に商品番号を付与し、該複数商品をインターネット網を介して複数のユーザ端末に電子メールマガジンにより送信するコンピュータを備える電子商取引における電子メール配信システムであって、
複数ユーザに対して一意に付与したユーザID及びメールアドレスを格納したユーザ情報データベースと、
嗜好に対して一意の嗜好IDを付与し、該嗜好IDに含まれる複数の仮想店舗が取り扱う商品の商品番号を格納した商店間商品関連情報テーブル部と、
ユーザIDに対応して送信した電子メールマガジンに含まれる商品番号と、該メールマガジンに対する応答の有無と、嗜好情報とを格納したユーザ解析情報データベースと、
前記商品番号を付与した複数商品の情報を格納する電子商取引商品データ部と、
前記電子メールマガジンの複数の文面情報を格納するメールパターンテーブルと、
前記電子商取引商品データ部に格納した商品情報をユーザが閲覧したことを示す応答情報を格納するアクセスログ格納部と、
前記メールマガジンを複数のユーザ端末に送受信するメール送受信部とを設け、
前記コンピュータが、
前記電子商取引データ部から宣伝対象となる商品の商品番号を抽出する第1工程と、
該第1工程により抽出した商品番号を基に前記電子商取引商品データ部から商品情報を抽出すると共に前記メールパターンテーブルから指定されたメール文面情報を抽出し、該抽出したメール文面に前記抽出した商品情報を組み合わせた第1次アクション用の電子メールマガジンを作成する第2工程と、
前記ユーザ情報データベースから抽出したメールアドレス宛に前記第2工程により作成した電子メールマガジンを前記メール送受信部により送信する第3工程と、
該第3工程による電子メールマガジンを送信してから所定期間経過後、前記アクセスログ格納部を参照して前記第3工程により電子メールマガジンを送信したユーザの内、応答情報が格納されていないユーザIDを抽出する第4工程と、
前記第1工程により抽出した商品情報と前記メールパターンテーブルから指定されたメール文面情報を抽出し、該抽出したメール文面に前記抽出した商品情報を組み合わせた第2次アクション用の電子メールマガジンを作成する第5工程と、
前記第4工程により抽出したユーザIDのメールアドレス宛に前記第5工程により作成した電子メールマガジンを前記メール送受信部により送信する第6工程と、
該第6工程による電子メールマガジンを送信してから所定期間経過後、前記アクセスログ格納部を参照して前記第6工程により電子メールマガジンを送信したユーザの内、応答情報が格納されていないユーザIDを抽出する第7工程と、
前記第7工程により送信した電子メールマガジンの含まれる商品情報の商品番号を基に、該商品番号と同一の嗜好IDが付与された他の商品番号を商店間商品関連情報テーブル部から抽出する第8工程と、
前記第8工程により抽出した他商品番号を基に前記電子商取引商品データ部から他商品情報を抽出すると共に前記メールパターンテーブルから指定されたメール文面情報を抽出し、該抽出したメール文面に前記第7工程により抽出した商品情報を組み合わせた電子メールマガジンを作成し、該電子メールマガジンを前記第7工程により抽出したメールアドレス宛に前記メール送受信部により送信する第9工程とを実行する電子商取引における電子メール配信システム。
【請求項2】
嗜好に対して一意の嗜好IDを付与し、該嗜好IDに含まれる複数の仮想店舗が取り扱う商品の商品番号を格納した商店間商品関連情報テーブル部と、
ユーザIDに対応して送信した電子メールマガジンに含まれる商品番号と、該メールマガジンに対する応答の有無と、嗜好情報とを格納したユーザ解析情報データベースと、
前記商品番号を付与した複数商品の情報を格納する電子商取引商品データ部と、
前記電子メールマガジンの複数の文面情報を格納するメールパターンテーブルと、
前記電子商取引商品データ部に格納した商品情報をユーザが閲覧したことを示す応答情報を格納するアクセスログ格納部と、
前記メールマガジンを複数のユーザ端末に送受信するメール送受信部とを備え、複数の仮想店舗が取り扱う複数商品に一意に商品番号を付与し、該複数商品をインターネット網を介して複数のユーザ端末に電子メールマガジンにより送信するコンピュータを備える電子商取引コンピュータにおける電子メール配信方法であって、
前記コンピュータに、
前記電子商取引データ部から宣伝対象となる商品の商品番号を抽出する第1工程と、
該第1工程により抽出した商品番号を基に前記電子商取引商品データ部から商品情報を抽出すると共に前記メールパターンテーブルから指定されたメール文面情報を抽出し、該抽出したメール文面に前記抽出した商品情報を組み合わせた第1次アクション用の電子メールマガジンを作成する第2工程と、
前記ユーザ情報データベースから抽出したメールアドレス宛に前記第2工程により作成した電子メールマガジンを前記メール送受信部により送信する第3工程と、
該第3工程による電子メールマガジンを送信してから所定期間経過後、前記アクセスログ格納部を参照して前記第3工程により電子メールマガジンを送信したユーザの内、応答情報が格納されていないユーザIDを抽出する第4工程と、
前記第1工程により抽出した商品情報と前記メールパターンテーブルから指定されたメール文面情報を抽出し、該抽出したメール文面に前記抽出した商品情報を組み合わせた第2次アクション用の電子メールマガジンを作成する第5工程と、
前記第4工程により抽出したユーザIDのメールアドレス宛に前記第5工程により作成した電子メールマガジンを前記メール送受信部により送信する第6工程と、
該第6工程による電子メールマガジンを送信してから所定期間経過後、前記アクセスログ格納部を参照して前記第6工程により電子メールマガジンを送信したユーザの内、応答情報が格納されていないユーザIDを抽出する第7工程と、
前記第7工程により送信した電子メールマガジンの含まれる商品情報の商品番号を基に、該商品番号と同一の嗜好IDが付与された他の商品番号を商店間商品関連情報テーブル部から抽出する第8工程と、
前記第8工程により抽出した他商品番号を基に前記電子商取引商品データ部から他商品情報を抽出すると共に前記メールパターンテーブルから指定されたメール文面情報を抽出し、該抽出したメール文面に前記第7工程により抽出した商品情報を組み合わせた電子メールマガジンを作成し、該電子メールマガジンを前記第7工程により抽出したメールアドレス宛に前記メール送受信部により送信する第9工程とを実行させる電子商取引における電子メール配信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−70288(P2011−70288A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218989(P2009−218989)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000152985)株式会社日立情報システムズ (409)
【Fターム(参考)】