説明

電子委任状生成装置及び電子委任状生成方法

【課題】 高い信頼性を有し、比較的短時間に電子委任状を生成できる電子委任状生成装置及び電子委任状生成方法を提供する。
【解決手段】 ディーラー端末20からインターネット40を通じて送信された車両IDは、その他の記載事項とともに、電子委任状作成部106がテンプレート記憶部102から読出した電子委任状のテンプレートに記入される。未署名電子委任状送信部110は、IP−VPN網50を通じて金融機関30の署名用端末32に未署名電子委任状を送信する。金融機関30において電子署名された署名済電子委任状は署名用端末32から送信されて署名済電子委任状受信部114により受信される。署名済電子委任状は、署名済電子委任状送信部118により国土交通省ワンストップサービスシステム(OSS)60または代理人端末70に送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のリース契約または所有権留保条件オートローン契約に伴って、金融機関が代理人に委任して保有関係手続の代理をさせるための電子委任状を生成する装置及び方法に関し、特に国土交通省ワンストップサービスシステムを利用してリース契約または所有権留保条件オートローン契約に伴う保有関係手続を自動車販売者が行うための電子委任状生成装置及び電子委任状生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の新規登録や移転に際しては非常に複雑で煩雑な手続が必要となる。主要な必要書類としては、検査・登録申請書、自動車保管場所証明書、自動車税・自動車取得税納付書、自賠責証明書、印鑑登録証明書、住民票等が挙げられる。これらの書類を入手するためには警察署、損害保険会社、市役所など異なる機関に対し手続を行い、その上で運輸支局に書類を提出することになっていた。このような手続の煩雑さを解消するために国土交通省はワンストップサービスシステムの導入を計画している。これによると、ほとんどの手続はオンラインで一括して電子化された書類を提出して行うことが可能となる。通常、自動車を新規購入する場合、ディーラーや自動車整備工場が購入者に代って手続を行うが、リース契約や所有権留保条件オートローン契約により自動車が販売された場合には、金融機関が所有者または所有権留保社になるため、手続に際しては金融機関の委任が必要となる。しかしながらリース契約または所有権留保条件オートローン契約を前提とする委任状の発行には、他の書類に比較して格段に多額の金員が関わるため、信頼性が高く、比較的短時間に発行が可能となる委任状生成装置及び委任状生成方法が必要となることが予想されている。
【0003】
特開2005−4242特許公報には、国土交通省のワンストップサービスに対応した顧客管理システムが開示されている。
【特許文献1】特開2005−4242公開公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
よって本発明の目的は、高い信頼性を有し、比較的短時間に電子委任状を生成できる電子委任状生成装置及び電子委任状生成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明は、自動車のリース契約または所有権留保条件オートローン契約に伴って、所有者または所有権留保者である金融機関が、代理人に保有関係手続の代理をさせるための電子委任状を生成する装置であって、少なくとも一つの電子委任状のテンプレートを記憶するテンプレート記憶手段と、自動車販売者の端末からいずれかの車両IDがネットワークを通じて入力されることにより、テンプレート記憶手段から電子委任状のテンプレートを読出して車両IDを記入する電子委任状作成手段と、車両IDが記入された未署名の電子委任状を、該車両IDにより特定される車両について融資を行う金融機関の端末にネットワークを通じて送信する未署名電子委任状送信手段と、電子署名された署名済電子委任状を金融機関の端末から受信する署名済電子委任状受信手段と、直接または間接に国土交通省ワンストップサービスシステムに到達させるために、署名済み電子委任状を国土交通省ワンストップサービスまたはいずれかの端末にネットワークを通じて送信する署名済電子委任状送信手段とを含んで電子委任状生成装置を構成した。
【0006】
本発明に係る電子委任状生成装置においては、自動車販売者は端末を操作して、ネットワークを通じて車両IDを電子委任状作成手段に入力する。電子委任状作成手段はテンプレート記憶手段から電子委任状のテンプレートを読出して、車両IDを記入する。未署名電子委任状送信手段は、車両IDにより特定される車両について融資を行う金融機関の端末に、車両IDが記入された未署名の電子委任状を、ネットワークを通じて送信する。金融機関において電子署名された署名済電子委任状は金融機関の端末から送信されて署名済電子委任状受信手段により受信される。署名済電子委任状は、署名済電子委任状送信手段により国土交通省ワンストップサービスシステムまたはいずれかの端末に送信される。
【0007】
本明細書において「車両ID」とは各車両を識別するための数字・文字・記号またはそれらの組合わせであり、販売過程において自動車販売者や金融機関が任意に付与するもの及び車台番号のように車両の製造時から付されているものを含む。「自動車販売者」は、ディーラー、自動車整備工場の業者等である。「代理人」は、自動車販売者に代わって自動車保有関係手続を行う者であり、現在は事実上自動車販売者の団体である社団法人日本自動車販売協会連合会のみであるが、特にこの者に限定するものではなく、その他の者も含む。「電子署名」には、公開鍵暗号系を利用するもの、及び特定の電子文書ファイル作成ソフトウェアの署名機能を利用して行われるものが含まれる。また本発明に係る電子委任状生成装置はリースまたはオートローン販売の開始時・使用者の移転時・リースまたはオートローン期間満了時などの各自動車保有関係手続において利用可能である。本発明に係る電子委任状生成装置はネットワークを介して自動車販売者の端末、金融機関の端末及び国土交通省ワンストップサービスシステムなどと接続されており、ネットワークは例えばインターネット、イントラネットやLANである。金融機関の端末との間は情報の漏洩や改ざんを防止するために、専用線やIP−VPN網により接続されることが好ましい。その他、SSLやハッシュ演算等を利用してセキュリティを確保することができる。署名済電子委任状は、国土交通省ワンストップサービスシステムに直接、またはいずれかの端末を通じて間接的に送信されるが、「いずれかの端末」は通常、代理人の端末である。なお本発明に係る電子委任状生成装置は物理的に一台のコンピュータ(サーバ)によっても構成でき、複数台がLANやイントラネットにより接続されたコンピュータ群によっても構成可能であることは明らかである。
【0008】
本発明に係る電子委任状生成装置は、利用者である金融機関及び代理人がそれぞれ一人ずつであれば、電子委任状に記載される委任者(金融機関)及び代理人の電子委任状作成手段は、自動車販売者の端末の操作に従い、委任者となる金融機関及び/または代理人の住所・名称等の、委任者と代理人とを特定するために必要な記載事項を決定するように構成することができる。典型的には、自動車販売者が端末から電子委任状生成装置にアクセスする際に必要なユーザIDにより自動車販売者が利用する代理人を識別することができ、金融機関の名称を直接入力し、あるいはプルダウンメニューから選択することにより金融機関を特定することができる。委任者や代理人を特定するために必要な記載事項は、例えば住所(又は居所)、名称(又は氏名)、代表者名、それらのフリガナ、郵便番号、電話番号などである。
【0009】
テンプレート記憶手段には、委任者となる金融機関及び/または代理人についての記載事項が記入済のテンプレートが少なくとも一つ記憶されており、電子委任状作成手段は、自動車販売者の端末の操作に従い、金融機関及び/または代理人について記載事項が記入済の特定のテンプレートを読出すようにすることができる。また、テンプレート記憶手段には、代理人についての記載事項が記入済のテンプレートが少なくとも一つ記憶されており、電子委任状作成手段は、自動車販売者の端末の操作に従い、代理人についての記載事項が記入済の一つのテンプレートを読出すようにすることができる。
【0010】
また、少なくとも各金融機関の住所・名称等の記載事項が相互に関連付けられて記憶された委任者データベースをさらに含み、テンプレート記憶手段には、代理人についての記載事項が記入済のテンプレートが記憶されており、電子委任状作成手段は、自動車販売者の端末において指定された金融機関IDに関連付けられた金融機関の記載事項を委任者データベースから読出してテンプレートに記入するようにしてもよい。
【0011】
電子委任状作成手段の作成した未署名電子委任状を複数記憶することのできる未署名電子委任状記憶手段をさらに含み、未署名電子委任状送信手段は、委任者となる各金融機関ごとに一括して未署名電子委任状を送信することができる。送信は、例えば一日に一度など、定期的に行い、金融機関の担当者は送信されてくる時間に合わせて委任状に署名するスケジュールを組むことができる。これにより、効率的な作業が可能となる。
【0012】
また本発明は、自動車のリース契約または所有権留保条件オートローン契約に伴って、所有者または所有権留保者である金融機関が、代理人に委任して保有関係手続の代理をさせるための電子委任状を生成する方法であって、ネットワークを通じて自動車販売者の端末から車両IDを入力する車両ID入力過程と、少なくとも一つの電子委任状のテンプレートを記憶するテンプレート記憶手段からテンプレートを読出して、自動車販売者の端末から入力された車両IDを記入する電子委任状作成過程と、車両IDが記入された未署名の電子委任状を、該車両IDにより特定される車両についての融資を行う金融機関の端末にネットワークを通じて送信する未署名電子委任状送信過程と、電子署名された署名済電子委任状を金融機関の端末から受信する署名済電子委任状受信過程と、直接または間接に国土交通省ワンストップサービスシステムに到達させるために、署名済み電子委任状を国土交通省ワンストップサービスまたはいずれかの端末に送信する署名済電子委任状送信過程とを含んで電子委任状生成方法を構成した。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明に係る電子委任状生成装置及び電子委任状生成方法によると、電子委任状は一定の装置で生成されるので高い信頼性が期待でき、また金融機関は送信されてきた電子委任状に署名して送信する作業を行えば済むので比較的短時間に電子委任状を生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る電子委任状生成装置の最良の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明は発明をより深く理解するためのものであって、特許請求の範囲を限定するためのものではない。
【0015】
図1は、本発明に係る電子委任状生成装置の一つの実施の形態の主要部を示すブロック図である。
【0016】
同図において電子委任状生成装置10は、ディーラー端末20、金融機関30の署名用端末32及び管理者端末34、国土交通省ワンストップサービスシステム(以下「OSS」という。)60及び代理人端末70と、それぞれインターネット40及びIP−VPN網50を通じて接続されている。
【0017】
電子委任状生成装置10は、テンプレート記憶部102、車両ID受信部104、電子委任状作成部106、委任者データベース108、未署名電子委任状記憶部110、未署名電子委任状送信部112、署名済電子委任状受信部114、署名済電子委任状記憶部116、署名済電子委任状送信部118、ログファイル120、電子委任状管理部122及び電子メール送信部124を含む。
【0018】
テンプレート記憶部102には、電子委任状のテンプレートが予め記憶されている。図2は電子委任状のテンプレートをプリントアウトしたものの一例である。図2の委任状には、代理人の住所・氏名、委任の日付、自動車の表示(車両特定番号)、委任者の住所・氏名、電子署名、委任項目、委任状の有効期限、信販に関する情報(会員番号)の各項目が予め記載されている。図1の電子委任状生成装置10は、ディーラー端末20を有する複数のディーラーが利用する一人の代理人と複数の金融機関が対応する場合に適応しており、テンプレート記憶部102に記憶されているテンプレートは一つであって、図2では空欄になっている代理人についての記載事項である住所・氏名は、社団法人日本自動車販売協会連合会のものが予め記入されている。
【0019】
他の実施の形態においては、テンプレート記憶部102には、各金融機関の住所・氏名・代表者名が予め記入された複数のテンプレートが記憶されており、ディーラー端末20の操作により一つのテンプレートを選択することができる。さらに他の実施の形態においては、各自動車販売者は複数の代理人を利用可能であり、各代理人の住所・名称等が代理人に関する記載事項として予め記入された複数のテンプレートがテンプレート記憶部102に記憶されており、いずれかのテンプレートは、電子委任状生成装置にアクセスする端末の利用者IDにより選択されるようになっている。さらに他の実施の形態においては、複数の代理人に複数の金融機関が対応しており、それぞれが組合わされた代理人・委任者の各記載事項が予め記載された複数のテンプレートがテンプレート記憶部102に記憶されている。
【0020】
車両ID受信部104は、ディーラー端末20からインターネット40を通じて送信されてきた車両IDを受信する。同時に、ディーラー端末20において、該車両IDにより特定される自動車についての融資を行ういずれかの金融機関が指定される。金融機関の指定は、車両ID受信部104が送信し、ディーラー端末20のディスプレイ画面上に表示されるプルダウンメニューより選択することにより行われる。ディーラー端末20から車両IDの送信及び金融機関の指定を行うに先立って、該車両についてのリース契約が自動車の使用者と金融機関との間で成立しており、かつ金融機関には車両IDが特定の自動車を特定することが知らされていることは言うまでもない。
【0021】
電子委任状作成部106は、ディーラー端末20からいずれかの車両IDがインターネット40を通じて入力されると、テンプレート記憶部102から電子委任状のテンプレートを読出して車両IDを記入する。その他の記載事項のうち、代理人の住所・氏名及び委任項目はテンプレートに予め記入されている。なお他の実施の形態においては、新規登録のほか、移転や登録抹消など、自動車保有関係手続の種類に対応して委任項目の記載が異なった複数のテンプレートがテンプレート記憶部102に記憶されている。
【0022】
委任の日付は、電子委任状作成部106が図示しないタイムスタンプサーバから作成した日付を取得して記入し、委任状の有効期限は作成した日付に基づいて、例えば3ヶ月後の日付を記入する。
【0023】
委任者の住所・氏名・代表者名・信販に関する情報(会員番号)は、委任者データベース108から取得する。委任者データベース108には、委任者である金融機関の住所・名称・代表者名・会員番号を含む金融機関に関する情報が、金融機関ごとに相互に関連付けられて記憶されている。
【0024】
また電子委任状作成部106は作成した電子委任状ごとにそれぞれ異なる委任状管理IDを付して、管理や処理に使用する。委任状管理IDは代理人コード+自動車販売者コード+リース・ローン区分コード+金融機関ID+通し番号のように構成される。
【0025】
未署名電子委任状記憶部110は、電子委任状作成部106の作成した電子委任状を複数格納することができる。
【0026】
未署名電子委任状送信部112は、電子委任状作成部106において車両ID等の記載事項が記入され、未署名電子委任状記憶部110に格納されている未署名の電子委任状を、IP−VPN網50を通じて、金融機関30の署名用端末32に送信する。署名用端末32のアクセスを受けた未署名電子委任状送信部112は、未署名電子委任状記憶部110から、アクセス時に署名用端末32から入力された端末ID及びパスワードにより特定される金融機関IDを委任状管理IDに含む未署名電子委任状を全て読出し、一括して署名用端末32に送信する。
【0027】
署名用端末32は、ブラウザを開いて電子委任状生成装置10にアクセスし、ディスプレイ画面上に表示された電子委任状一括署名の処理開始を選択すると、未署名電子委任状送信部112に接続されてユーザID及びパスワードを入力するダイアログボックスが表示される。正しいユーザID及びパスワードを入力してログインボタンを押すと、未署名電子委任状送信部112が未署名電子委任状記憶部110を検索し、該金融機関がリースする車両の電子委任状のダウンロードが開始される。ダウンロードが完了すると署名用端末32において署名処理がなされ、署名済の電子委任状が署名済電子委任状送信部114に返信される。
【0028】
署名用端末32は、具体的には電子文書ファイル作成ソフトウェア「Acrobat」(アドビシステムズインコーポレーテッドの商標)の電子署名機能を利用して電子署名を行う。図1の実施の形態における電子委任状は、テンプレート記憶部102に記憶されている段階からAcrobatに適合する形式であり、記載事項が記入され、ダウンロードされた未署名電子委任状は、署名用端末32にインストールされているAcrobatにより電子署名される。署名用端末32には未署名電子委任状をダウンロードし、開くことなく一括して電子署名し、返信するマクロ機能を実現するプログラムもインストールされており、署名用端末32の操作者は、ダイアログボックスの指示に従って操作を行うだけで、ダウンロード−電子署名−返信の一連の処理を行うことができる。
【0029】
署名済電子委任状受信部114は、署名用端末32から返信された署名済電子委任状を受信して、署名済電子委任状記憶部116に記憶する。署名済電子委任状記憶部116は署名済電子委任状を複数格納することができる。署名済電子委任状送信部118は、署名済電子委任状記憶部116に格納された署名済電子委任状をOSS60または代理人端末70にインターネット40を通じて送信する。送信先は、各端末からの指示により選択することができる。送信タイミングは、署名済電子委任状受信部114が署名済電子委任状を受信して即座に、または他の書類の送信タイミングと合わせて代理人端末70からの指示により決定される。OSS60は、代理人端末70を有する代理人が各金融機関30に代って手続をする場合には、電子委任状生成装置10によって生成された後には改ざんされておらず、適正な委任状管理IDが付されており、かつ電子委任状生成装置10または代理人端末70から送信されてきた電子委任状以外の委任状は受理しないように設定されている。
【0030】
ログファイル120は、電子委任状生成装置10における処理のログを記憶しており、電子委任状管理部122はログファイル120を参照して電子委任状生成処理の管理を行う。一つの例として、電子委任状作成部106において作成され未署名電子委任状記憶部110に記憶されてから金融機関30による電子署名がされないまま一定時間が経過した場合に、電子メール送信部124により金融機関の管理者端末34にインターネット40を通じて督促メールを発信し、電子署名の処理を行うように促す督促メール発信機能を実行する。督促メール発信後、カウントをリセットし、一定時間が経過したら督促メールを再度送信する。
【0031】
次に図1の実施の形態の作用について、図3を参照しつつ説明する。
【0032】
図3は、図1の実施の形態に係る電子委任状生成装置10における処理の流れを示すフローチャートである。
【0033】
同図において、電子委任状生成装置10の車両ID受信部104が、車両IDをディーラー端末20からインターネットを通じて受信する(ステップS1)。車両IDは車両ID受信部104から電子委任状作成部106へ出力され、電子委任状作成部106はテンプレート記憶部102から電子委任状のテンプレートを読出して、委任者データベース108等から記載事項を取得して未署名の電子委任状を作成し、未署名電子委任状記憶部110に格納する(ステップS2)。
【0034】
電子委任状管理部122はログファイル120を参照し、未署名電子委任状が作成・格納されてから一定時間を計時し(ステップS3)、一定時間が経過した場合には電子メール送信部124に督促メールを発信させ、カウンタをリセットする(ステップS4)。
【0035】
金融機関30の署名用端末32からのアクセスがあった場合には(ステップS5)、未署名電子委任状送信部112は未署名電子委任状記憶部110から未署名電子委任状を読出して署名用端末32に送信する(ステップS6)。
【0036】
署名用端末32において署名された署名済電子委任状は、署名済電子委任状受信部114において受信され、署名済電子委任状記憶部116に格納される(ステップS7)。署名済電子委任状記憶部116に格納されていた署名済電子委任状は署名済電子委任状送信部118により読出されて、インターネット40を通じてOSS60または代理人端末70に送信される(ステップS8)。
【0037】
以上説明したように本実施の形態に係る電子委任状生成装置10によると、電子委任状は一定の装置において生成されてOSS60に送信されるので高い信頼性が期待でき、また金融機関30においては送信されてきた未署名電子委任状に署名して送信する作業を行えば済むので比較的短時間に電子委任状を生成することができる。
【0038】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、適宜変形実施が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、本発明に係る電子委任状生成装置の一つの実施の形態の主要な構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1の電子委任状生成装置におけるテンプレートのプリントされた状態を示す図である。
【図3】図3は、図1の電子委任状生成装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0040】
10 電子委任状生成装置
102 テンプレート記憶部
104 車両ID受信部
106 電子委任状作成部
108 委任者データベース
110 未署名電子委任状記憶部
112 未署名電子委任状送信部
114 署名済電子委任状受信部
116 署名済電子委任状記憶部
118 署名済電子委任状送信部
120 ログファイル
122 電子委任状管理部
124 電子メール送信部
20 ディーラー端末
30 金融機関
32 署名用端末
34 管理者端末
40 インターネット
50 IP−VPN網
60 OSS
70 代理人端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のリース契約または所有権留保条件オートローン契約に伴って、所有者または所有権留保者である金融機関が、代理人に保有関係手続の代理をさせるための電子委任状を生成する装置であって、
少なくとも一つの電子委任状のテンプレートを記憶するテンプレート記憶手段と、
自動車販売者の端末からいずれかの車両IDがネットワークを通じて入力されることにより、テンプレート記憶手段から電子委任状のテンプレートを読出して車両IDを記入する電子委任状作成手段と、
車両IDが記入された未署名の電子委任状を、該車両IDにより特定される車両について融資を行う金融機関の端末にネットワークを通じて送信する未署名電子委任状送信手段と、
電子署名された署名済電子委任状を金融機関の端末から受信する署名済電子委任状受信手段と、
直接または間接に国土交通省ワンストップサービスシステムに到達させるために、署名済み電子委任状を国土交通省ワンストップサービスまたはいずれかの端末にネットワークを通じて送信する署名済電子委任状送信手段とを含むことを特徴とする電子委任状生成装置。
【請求項2】
電子委任状作成手段は、自動車販売者の端末の操作に従い、委任者となる金融機関及び/または代理人の住所・名称等の、委任者と代理人とを特定するために必要な記載事項を決定する請求項1に記載の電子委任状生成装置。
【請求項3】
テンプレート記憶手段には、委任者となる金融機関及び/または代理人についての記載事項が記入済のテンプレートが少なくとも一つ記憶されており、
電子委任状作成手段は、自動車販売者の端末の操作に従い、金融機関及び/または代理人について記載事項が記入済の特定のテンプレートを読出す請求項2に記載の電子委任状生成装置。
【請求項4】
テンプレート記憶手段には、代理人についての記載事項が記入済のテンプレートが少なくとも一つ記憶されており、
電子委任状作成手段は、自動車販売者の端末の操作に従い、代理人についての記載事項が記入済の一つのテンプレートを読出す請求項3に記載の電子委任状生成装置。
【請求項5】
少なくとも各金融機関の住所・名称等の記載事項が相互に関連付けられて記憶された委任者データベースをさらに含み、
テンプレート記憶手段には、代理人についての記載事項が記入済のテンプレートが記憶されており、
電子委任状作成手段は、自動車販売者の端末において指定された金融機関IDに関連付けられた金融機関の記載事項を委任者データベースから読出してテンプレートに記入する請求項2に記載の電子委任状生成装置。
【請求項6】
電子委任状作成手段の作成した未署名電子委任状を複数記憶することのできる未署名電子委任状記憶手段をさらに含み、
未署名電子委任状送信手段は、委任者となる各金融機関ごとに一括して未署名電子委任状を送信する請求項1乃至5のいずれかに記載の電子委任状生成装置。
【請求項7】
自動車のリース契約または所有権留保条件オートローン契約に伴って、所有者または所有権留保者である金融機関が、代理人に委任して保有関係手続の代理をさせるための電子委任状を生成する方法であって、
ネットワークを通じて自動車販売者の端末から車両IDを入力する車両ID入力過程と、
少なくとも一つの電子委任状のテンプレートを記憶するテンプレート記憶手段からテンプレートを読出して、自動車販売者の端末から入力された車両IDを記入する電子委任状作成過程と、
車両IDが記入された未署名の電子委任状を、該車両IDにより特定される車両についての融資を行う金融機関の端末にネットワークを通じて送信する未署名電子委任状送信過程と、
電子署名された署名済電子委任状を金融機関の端末から受信する署名済電子委任状受信過程と、
直接または間接に国土交通省ワンストップサービスシステムに到達させるために、署名済み電子委任状を国土交通省ワンストップサービスまたはいずれかの端末に送信する署名済電子委任状送信過程とを含むことを特徴とする電子委任状生成方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−318054(P2006−318054A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−137763(P2005−137763)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【出願人】(599169391)登録管理ネットワーク株式会社 (2)