説明

電子式構内交換システム

【発明の詳細な説明】
[発明の目的]
(産業上の利用分野)
この発明は電子式構内交換システムに関り、特に任意の内線からの音声を蓄積し、他の内線へ分配するボイスメールサービス機能を備えた電子式構内交換システムに関するものである。
(従来の技術)
従来より電子式構内交換機のサービス機能の一つにボイスメールサービスがある。このボイスメールサービスとは、音声蓄積装置(以下、ボイスメール装置と呼ぶ)に任意の内線からの音声を蓄積し、該蓄積された音声を他の別内線へ分配すること等を可能にさせる機能である。ボイスメール装置は一般に標準電話機のインターフェースを持ち、構内交換機においては標準電話機用の接続回線に接続される。従って、前もってボイスメール装置の電話番号を標準電話機の電話番号の設定と同様な方法で割り当てておくことにより、内線電話機からボイスメール装置への発信は、ボイスメール装置の電話番号を一般内線へ発信する場合と同様な方法でダイヤルすることにより行なえる。
以下に内線aの扱者がボイスメール装置へ音声(メッセージ)を蓄積し、そのメッセージを内線bの扱者がとり出すまでの手順を述べる。
まず内線aの扱者がボイスメール装置の電話番号をダイヤルする。ボイスメール装置は内線aからの呼びに応答する。この時、ボイスメール装置は発信内線aの呼びに応答したことを知らせる為に特定のトーンあるいは音声を発信内線aへ送出する。特定トーンあるいは音声を聞いた発信内線aの扱者は、メッセージを蓄積すべく“メッセージ蓄積開始コード”として前もって定められた特定番号をダイヤルする。この特定コードは、ボイスメール装置への発信の為の内線番号以外の番号でDTMFトーンで送出しなければならない。ここでは内線aあるいはbともに同DTMFトーン発信源を有し、同トーンは例えばそれら内線のキーパッドに対応しているものとする。“メッセージ蓄積開始コード”を受信したボイスメール装置は同コードを受信したことを発信内線aへ知らせるべく、特定トーンあるいは音声を内線aに送出する。同トーンあるいは音声を聞いた内線aの扱者は、メッセージの宛先を指定する為相手先の内線の電話番号をダイヤルする。つまり、ここでは内線bの電話番号を受信する。ボイスメール装置は同宛先の内線番号を受信すると、先と同様に同宛先を受信したことを内線aの扱者に知らせるべく特定トーンあるいは音声を送出する。同トーンあるいは音声を聞いた内線aの扱者は、ここで蓄積したいメッセージを送出する。発信内線aの扱者は所望のメッセージの送出を終了すると、ボイスメール装置に同メッセージの送出が終了したことを知らせるべく、前もって定められた“メッセージ送出終了コード”の番号をダイヤルする。“メッセージ送出終了コード”を受信したボイスメール装置は同メッセージの蓄積処理を行ない、直ちに発信内線aに対し次の動作が可能であることを知らせるべく、特定トーンあるいは音声を送出する。内線aの扱者はこれをもってボイスメール装置への発信を終了したい時、あらかじめ定められた“切断コード”をボイスメール装置に対して送出し、同コードをボイスメール装置が受信したことを確認してオフフックする。ボイスメール装置は内線aの扱者により“切断コード”を受信すると同コードを受信したことを内線aの扱者に知らせるべく特定トーンあるいは音声を送出し、標準電話機のオフフック操作を行なう。
メッセージを蓄積したボイスメール装置は、メッセージ蓄積後特定時間(あるいは指定があれば指定時間)経過した後、メッセージの宛先である内線bを呼び出す。この時、内線bが話中あるいは同呼び出しに対して応答しなかった時、ボイスメール装置は内線bへメッセージがあることを知らせるべく、内線bのメッセージウェイティングキーのLEDの点灯処理を行なう。
内線bの扱者が同メッセージウェイティングキーのLEDの点灯を確認した時、同扱者は同メッセージを取り出すべく、オフフック操作に続いて、ボイスメール装置の電話番号をダイヤルする。ボイスメール装置は内線bからの呼びに応答する。この時、先の内線aの呼びに対する応答時と同様に特定トーンあるいは音声を内線bに対して送出する。同トーンあるいは音声を聞いた内線bはこの後、“メッセージ取り出しコード”としてあらかじめ定められた特定番号をダイヤルする。ボイスメール装置は同番号を受信するや否や直ちにメイルボックス番号の入力を内線bの扱者に促がすべく、特定トーンあるいは音声を送出する。このトーンあるいは音声を聞いた内線bの扱者は上記メイルボックス番号として自分の内線番号をダイヤルする。同内線番号を受信したボイスメール装置は内線bに対して蓄積された内線aからのメッセージを内線bへ送出する。
メッセージを聞き終った内線bの扱者はこの後“切断コード”をボイスメール装置へ送り、オンフックする。ボイスメール装置も同切断コードを受信後、オンフック操作を行なう。
以上の操作から明らかなように、メッセージが割り当てられ、同メッセージを取り出そうとする内線(内線b)は、まずボイスメール装置の電話番号をダイヤルし、続いて“メッセージ取り出しコード”さらにはメイルボックス番号として自分の電話番号のダイヤルを行なわなければならない。即ち、このメッセージ取り出しの操作は、3段階にわたるものであり、メッセージを取り出そうとする内線の扱者にとっては非常に煩わしく感じられる。又、その各段階における操作には1つとして誤操作は許されない。たとえば誤ってメイルボックス番号として自分の内線番号以外の番号をダイヤルしてしまうと、別内線の扱者の為に蓄積されたメッセージを取り出してしまう場合がある。
(発明が解決しようとする問題点)
このように従来の電子式構内交換システムにおけるボイスメール機能では、ボイスメール装置に蓄積されたメッセージを取出すのに3段階の操作を行わなければならず、操作が非常に繁雑であり、しかも誤操作によって誤ったメッセージ内容を受け取ってしまう可能性も多いという問題があった。
本発明ではこれらの問題点を除去し、メッセージを取出す際の操作が簡単で、かつ誤操作の可能性が殆どなく、しかもメッセージウェイティング情報を少ない記憶容量で確実に記憶することができる電子式構内交換システムを提供することを目的とする。
[発明の構成]
(問題点を解決するための手段とその作用)
本発明は、複数の電話端末と、これらの電話端末からのメッセージを蓄積・分配する機能を有する複数のボイスメール装置と、前記複数の電話端末および複数のボイスメール装置の間の音声交換接続機能を有する電子式構内交換機とを具備した電子式構内交換システムにおいて、 前記ボイスメール装置に、前記電話端末宛てのメッセージを蓄積した場合に、当該電話端末に対し発信して、その発信手順中に前記電子式構内交換機に対しメッセージウエイティングのセットを要求するためのメッセージウエイティングセットコードを送出する手段と、前記メッセージウエイティングセットコードの送出に対し、前記電子式構内交換機からメッセージウエイティングのセットが不可能である旨の通知を受けた場合に、発信を復旧したのち特定時間経過後に再び前記メッセージウエイティングのセットを要求するための発信を繰り返す手段とを設け、 かつ前記電子式構内交換機に、前記電話端末宛てのメッセージを前記ボイスメール装置が蓄積していない場合には、メッセージを前記ボイスメール装置が蓄積していないことを表す情報を、前記電話端末宛てのメッセージを前記ボイスメール装置が蓄積している場合には、メッセージを蓄積しているボイスメール装置の番号を、宛先の前記各電話端末に対応付けて記憶する第1の記憶手段と、前記電話端末が前記ボイスメール装置から前記蓄積メッセージを取り出すためのメッセージ取り出しコードを記憶する第2の記憶手段と、前記ボイスメール装置からメッセージウエイティングセットコードが送られた場合に、前記第1の記憶手段の該当するエリアに既に前記電話端末宛てのメッセージを前記ボイスメール装置が蓄積していないことを表わす情報が記憶されているか否かを判定する判定手段と、この判定手段により、記憶されていないと判定された場合には、メッセージを蓄積しているボイスメール装置の番号を、宛先の前記各電話端末に対応付けて前記第1の記憶手段に記憶させ、一方既に記憶されていると判定された場合には、要求元のボイスメール装置へメッセージウエイティングのセットが不可能である旨を通知する手段と、前記電話端末が前記ボイスメール装置に蓄積されている自己宛てのメッセージを取り出そうとした場合に、前記第1の記憶手段に記憶されたボイスメール装置の番号を調べ、該番号のボイスメール装置へ呼び出しを行なう手段と、該ボイスメール装置が呼び出しに応答した場合には前記第2の記憶手段に記憶された前記コードを送出しメールボックス番号として前記メッセージを取り出す電話端末の番号を送出する手段とを設けたものである。
すなわち、本願発明は、A.電話端末がボイスメール装置に接続されている自己宛のメッセージを取り出そうとした場合に、第1の記憶手段に記憶されたボイスメール装置の番号を調べ、該ボイスメール装置へ呼び出しを行い、該ボイスメール装置が呼び出しに応答した場合には、第2の記憶手段に記憶されたメッセージ取り出しコードを送出すると共に、メールボックス番号として前記メッセージを取り出す電話端末の番号を送出するようにした点。
B.第1の記憶手段のおけるメッセージウエイティング情報の記憶を、各ボイスメール装置からのセット要求に応じて行い、その際に第1の記憶手段の該当するエリアに既にメッセージウエイティング情報が記憶されているか否かを判定し、記憶されていない場合にはメッセージウエイティング情報を記憶するが、既に記憶されている場合にはボイスメール装置から特定時間間隔でメッセージウエイティングのセット要求を繰り返し行うようにした点。
これらの特徴によりそれぞれ次のような効果が奏される。
a.メッセージを取り出す際のユーザの操作を簡単化し、誤操作の可能性を低減することができる。
b.一つの電話端末宛てに複数のメッセージウエイティングの要求が発生した場合でも、第1の記憶手段の記憶容量を増加させることなく、各メッセージウエイティングの要求に応じてその情報をもれなくセットすることができる。
(実施例)
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
第1図は本発明による制御方式に適用された電子式構内交換システムを示すブロック図である。同図において電子式構内交換システムは、複数の内線電話機(EKT)1a〜1nと、複数のボイスメール装置(VM)2a〜2mと、これらを接続する電子交換機3とで構成されている。電子交換機3は、内線電話機1a〜1nにそれぞれ接続された内線電話機ライン回路(ELC)4a〜4nと、ボイスメール装置2a〜2mにそれぞれ接続された標準電話機ライン回路(SLC)5a〜5mと、交換接続処理を行なうための中央制御装置(CC)6と、この中央制御装置6が制御動作を行なうために必要な処理手順及び各種データを記憶した記憶装置(MEM)7と、中央制御装置6の制御の下に交換動作を行う通話路装置(SW)8と、中央制御装置6と両ライン回路4a〜4n及び5a〜5m間で制御信号を授受する為の制御信号線9とを備えている。又、中央制御装置6は、制御信号線9を介して通話路装置8へ制御信号を伝送できるように接続されている。
記憶装置7には、第2図に示すようなデーターメモリ群が設けられている。
第2図(a)のメモリブロックMB1(第1の記憶手段)は、電子交換機3に接続されている内線電話機1a〜1nが、ボイスメール装置2a〜2mによりメッセージウェイティングセットされたか否かの情報を、各内線電話機1a〜1nの電話番号に対応させて記憶したものである。ここでは、メッセージウェイティングがセットされている内線電話機については、同メモリブロックMB1における該内線の電話番号に対応するエリアDN1〜DNmに、メッセージウェイティングをセットしたボイスメール装置2a〜2mの電話番号を記憶している。メッセージウェイティングがセットされていない内線については、メモリブロックMB1における同内線が有する電話番号に対応するエリアに特定値(ここではFFH)が記憶されているものとする。
第2図(b)のメモリブロックMB2(第2の記憶手段)は、ボイスメール装置2a〜2mに蓄積されているメッセージを内線から取り出す時、ボイスメール装置2a〜2mに対しメッセージの取り出し要求を通知する為の番号を記憶したものである。ここではMB2の先頭番地から連続して“メッセージ取り出しコード”の番号が記憶されている。同番号の終りには特定値(ここではFFH)が記憶されている。この例では同番号として01,02,03が記憶されている。
以上の構成において、今EKT1aがVM2aに対して宛先EKT1lのメッセージを蓄積している状態からの説明を行う。
まず、VM2aがEKT1aからEKT1lに対するメッセージを蓄積後、特定時間が経過した時、VM2aはオフフック操作を行なう。同オフフック情報はSLC5aと制御信号線9を介してCC6へ伝送される。同オフフック情報を受信したCC6はVM2aからのオフフック情報であることを認識し、SW8によりVM2aに対してダイヤルトーンを送出すべくSW8へ制御信号線9を介してその制御信号を送出する。ダイヤルトーンを受信したVM2aはダイヤル送出可能であると判断し、メッセージの宛先であるEKT1lの内線電話番号をSLC5aと制御信号線9を介してCC6へ送出する。ダイヤル番号の最初の1桁目を受信したCC6は先のダイヤルトーン停止の制御信号をSW8へ送出し、その後続いて受信したダイヤルから同ダイヤル番号がEKT1lの電話番号であると認識する。CC6は次にEKT1lが空きの状態にあるか否か調べる。まずEKT1lが空きでなかった時、CC6はVM2aに対してビジートーンを送出すべく、SW8へ制御信号線9を介して制御信号を送る。又、EKT1lが空きであった時、CC6はビジートーン送出の場合と同じ経路でVM2aに対して呼び出し音を送出すべく、呼び出し音の制御信号を送出する。これと同様にCC6はEKT1lに対して着信音を送出すべく、制御信号線9を介してSW8へ着信音送出制御信号を送出する。
以上の手順によってVM2aはEKT1lに対して発呼を行なう。ここでVM2aはEKT1lが話中の時、すなわち、VM2aがビジートーンを聞いている時、あるいはEKT1lが空きの状態であり、EKT1lには着信音が鳴動している時、すなわちVM2aが呼び出し音を聞いている時、それぞれEKT1lに対しメッセージウェイティングをセットする。
第3図にメッセージウェイティングのセットの手順を示す。まず、VM2aは、EKT1lの電話番号を送出した経路と同様な経路で、CC6へ“メッセージウェイティングセットコード”を送出する(20)。“メッセージウェイティングセットコード”を受信したCC6はMEM7のMB1のEKT1lの電話番号に対応するエリアから、その記憶内容をとり出す(21)。CC6は、その内容がFFHでなかったら(22)、すでにEKT1lにメッセージウェイティングがセットされていると判断し、先のダイヤルトーン送出と同じ経路によりVM2aにオーバーフロートーンを送出する(25)。オーバーフロートーンを聞いたVM2aは、EKT1lに対するメッセージウェイティングのセットが不可能であることを知るので、特定時間経過後、再びEKT1lに発信するための復旧処理を行なう。一方、MB1のEKT1lの電話番号に対応するエリアから取り出した値がFFHであったら、CC6はEKT1lにメッセージウェイティングがセットされていなかったと判断し、CC6は同エリアにメッセージウェイティングをセットする。このメッセージウェイティングは、VM2aからEKT1lに対して行われたことを明らかにするため、VM2aの内線電話番号VDNaを書き込むことにより行われる(23)。続いてCC6はEKT1lにメッセージウェイティングがセットされたことを知らせるべく、EKT1lのフレキシブルアサインキー14の1つに割り当てられているメッセージウェイティングキーのLEDを点灯させる 以上により、VM2aからEKT1lに対するメッセージウェイティングの登録処理がなされた。
次にEKT1lが先のVM2aからセットされたメッセージウェイティングを知り、同メッセージウェイティングに応答する処理について第4図に基づき説明する。まずEKT1lはオフフックする(30)。同オフフック情報はELC4l及び制御信号線9を介してCC6へ伝送される。同情報を受信したCC6は、EKT1lからのオフフック情報であることを認識すると、EKT1lへダイヤルトーンを送出すべく、SW8へダイヤルトーン送出制御信号を制御信号線9を介して送出する(31)。ダイヤルトーンを受信したEKT1lは次の操作が可能であることを知り、メッセージウェイティングキーを押下する(32)。EKT1lのメッセージウェイティングキー押下の情報は先のオフフック情報と同様な経路によりCC6へ伝送される。同メッセージウェイティングキー押下の情報を受信したCC6はEKT1lに対しダイヤルトーン停止の制御信号をダイヤルトーン送出のそれと同様な経路にてSW8へ送出する(33)。次にCC6はメモリブロックMB1よりEKT1lの電話番号に対応するエリアの内容をとり出す(34)。同とり出した内容がFFHであるか否か調べる(35)。同内容がFFHであった場合には、CC6はEKT1lにメッセージウェイティングがセットされていないと判断し、EKT1lにオーバーフロートーンを送出する(36)。同トーン制御信号の送出経路及び送出先は前述のダイヤルトーンと全く同様である。一方、同取り出した内容がFFHでなかった場合にはCC6はEKT1lに対するメッセージウェイティングがセットされていると判断し、同内容の値が示す電話番号を持つボイスメール装置(VM2a)が空きの状態にあるか否かを調べる(37)。VM2aが空きの状態でなかったら、CC6はEKT1lに対しビジートーンを送出すべく、同トーンの制御信号を先のダイヤルトーンの制御信号と同様な経路でSW8へ送出する(38)。
一方、VM2aが空きの状態であったら、CC6はEKT1lに対しリングバックトーンを送出すべく、同制御信号を同様な経路で送出する(39)。さらに、VM2aに対してリンギングトーンを送出すべく、同制御信号を同様な経路で送出する(40)。次にCC6はVM2aが同リンギングトーン対して応答したか否かを調べる(41)。VM2aが応答(オフフック)したら、同オフフック情報は前述のVM2aのオフフック情報と同様な経路でCC6へ伝送される。同オフフック情報を受信したCC6は、まずEKT1lリングバックトーン停止の制御信号をリングバックトーン送出と同様な経路で送出する(42)。次にVM2aへのリンギングトーンを停止させるため、同停止の制御信号をリンギングトーン送出と同様な経路でVM2aに送出する(43)。次にCC6はMB2から“メッセージ取り出しコード”を順次FFHがみつかるまでとり出しボイスメール装置に送出する(44)。同コードの送出は、同コードをそれぞれDTMFトーン信号に変換し、SW8によりVM2aが接続されている通話路に送出することにより行われる。続いてCC6は、VM2aに対し、EKT1lのメイルボックス番号を送出すべく、EKT1lの電話番号DNlを前述の“メッセージ取り出しコード”と同様の送出方法及び経路で送出する(45)。以上の処理を終了した後、CC6はEKT1lとVM2aの通話路を接続すべく、信号線9を介してSW8へ通話路接続の制御信号を送出する(46)。
かくして、EKT1lはメッセージウェイティングキーの押下という極めて簡単な操作だけで、EKT1aによりVM2aへ蓄積されたメッセージを取り出す(聞く)ことできる。
[発明の効果]
以上説明したように、本発明によればボイスメール装置から内線にメッセージウェイティングがセットされた後、該内線が該内線宛に蓄積されたメッセージをボイスメール装置から取り出そうとする操作が従来の操作に比べていっそう簡便になり、しかも誤操作・発生も防止できるので、メッセージウェイティングのサービスの向上を図ることができ、かつ一つの電話端末宛てに複数のメッセージウエイティングの要求が発生した場合でも、第1の記憶手段の記憶容量を増加させることなく、各メッセージウエイティングの要求に応じてその情報をもれなくセットすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る電子式構内交換システムの構成を表わすブロック図、第2図(a)は各内線電話番号毎に同電話番号の内線電話機のメッセージウェイティングのセット状況及びメッセージを格納したボイスメール装置の番号を記憶したメモリブロックを示す図、第2図(b)はメッセージ取り出しコードを記憶したメモリブロックを示す図、第3図はボイスメール装置が内線電話機へメッセージウェイティングをセットする時の制御フロー、第4図はメッセージウェイティングがセットされている内線電話機が同メッセージウェイティングに応答してメッセージの取り出しを行なう時の制御フローである。
1a〜1n……内線電話機、2a〜2m……ボイスメール装置、3……電子交換機、4a〜4n……内線電話線ライン回路、5a〜5m……標準電話機ライン回路、6……中央制御装置、7……記憶装置、8……通話路装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】複数の電話端末と、これらの電話端末からのメッセージを蓄積・分配する機能を有する複数のボイスメール装置と、前記複数の電話端末および複数のボイスメール装置の間の音声交換接続機能を有する電子式構内交換機とを具備した電子式構内交換システムにおいて、前記ボイスメール装置は、前記電話端末宛てのメッセージを蓄積した場合に、当該電話端末に対し発信して、その発信手順中に前記電子式構内交換機に対しメッセージウエイティングのセットを要求するためのメッセージウエイティングセットコードを送出する手段と、前記メッセージウエイティングセットコードの送出に対し、前記電子式構内交換機からメッセージウエイティングのセットが不可能である旨の通知を受けた場合に、発信を復旧したのち特定時間経過後に再び前記メッセージウエイティングのセットを要求するための発信を繰り返す手段とを備え、かつ前記電子式構内交換機は、前記電話端末宛てのメッセージを前記ボイスメール装置が蓄積していない場合には、メッセージを前記ボイスメール装置が蓄積していないことを表す情報を、前記電話端末宛てのメッセージを前記ボイスメール装置が蓄積している場合には、メッセージを蓄積しているボイスメール装置の番号を、宛先の前記各電話端末に対応付けて記憶する第1の記憶手段と、前記電話端末が前記ボイスメール装置から前記蓄積メッセージを取り出すためのメッセージ取り出しコードを記憶する第2の記憶手段と、前記ボイスメール装置からメッセージウエイティングセットコードが送られた場合に、前記第1の記憶手段の該当するエリアに既に前記電話端末宛てのメッセージを前記ボイスメール装置が蓄積していないことを表わす情報が記憶されているか否かを判定する判定手段と、この判定手段により、記憶されていないと判定された場合には、メッセージを蓄積しているボイスメール装置の番号を、宛先の前記各電話端末に対応付けて前記第1の記憶手段に記憶させ、一方既に記憶されていると判定された場合には、要求元のボイスメール装置へメッセージウエイティングのセットが不可能である旨を通知する手段と、前記電話端末が前記ボイスメール装置に蓄積されている自己宛てのメッセージを取り出そうとした場合に、前記第1の記憶手段に記憶されたボイスメール装置の番号を調べ、該番号のボイスメール装置へ呼び出しを行なう手段と、該ボイスメール装置が呼び出しに応答した場合には前記第2の記憶手段に記憶された前記コードを送出しメールボックス番号として前記メッセージを取り出す電話端末の番号を送出する手段とを備えたことを特徴とする電子式構内交換システム。

【第1図】
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【第2図(a)】
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【第2図(b)】
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【第3図】
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【第4図】
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【特許番号】第2659959号
【登録日】平成9年(1997)6月6日
【発行日】平成9年(1997)9月30日
【国際特許分類】
【出願番号】特願昭62−177409
【出願日】昭和62年(1987)7月16日
【公開番号】特開平1−20766
【公開日】平成1年(1989)1月24日
【出願人】(999999999)株式会社東芝
【参考文献】
【文献】特開 昭59−154868(JP,A)