電子放出素子
【目的】 電界強度の増大に伴なう加熱破壊の生じない電子放出素子を得る。
【構成】 ゲート電極15を2層構造とする。下層は熱膨張係数が8.4×10-6のWSi層13とし、上層は熱膨張係数が2.2×10-6のSiN層14とする。このように下層の熱膨張係数が大きいため、フィールドエミッションチップ17とゲート電極15との電界強度が増すと加熱が生じるが、ゲート電極15が上方に弯曲するため、素子破壊が防止できる。
【構成】 ゲート電極15を2層構造とする。下層は熱膨張係数が8.4×10-6のWSi層13とし、上層は熱膨張係数が2.2×10-6のSiN層14とする。このように下層の熱膨張係数が大きいため、フィールドエミッションチップ17とゲート電極15との電界強度が増すと加熱が生じるが、ゲート電極15が上方に弯曲するため、素子破壊が防止できる。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、フラットパネルディスプレイに用いられる電子放出素子に関し、更に詳しくは、複数のフィールドエミッションチップから電子を放出させる電子放出素子に係わる。
【0002】
【従来の技術】現在主流のテレビジョン受像機のCRTに代わる画像表示装置として、平面型の画像表示装置が検討されており、このような平面型の画像表示装置としては、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネセンス素子(ELD)、プラズマ表示装置(PDP)等が挙げられ、また、画面の明るさの点で、電界放出型の画像表示装置も注目されている。
【0003】ここで、その電界放出型の画像表示装置について説明すると、半導体製造プロセスを利用して基板上に形成された直径1.0ミクロン以下のモリブデン等よりなる円錐状のカソードをエミッション源とし、そのカソードの先端側に、板状とされ各カソードに対応して孔(開口部)が配されたゲート電極が形成される。ゲート電極は、カソードの先端と離間され、両者の間には高電圧が印加されて電界放出が発生し、上記カソードから電子ビームが引き出される。そして、この電子ビームをアノードの裏面に配された発光体(蛍光体)に照射することで、所要の画面が表示される。このような電界放出型の画像表示装置については、例えば、米国特許第3665241号公報にその記載があり、特開平1−294336号公報等にカソードを基板上に形成した電子放出素子の製造方法の記載がある。
【0004】図15は、従来の電子放出素子の要部断面図であり、カソード材1上にSiO2などの絶縁材2を形成し、この絶縁材2上にゲート電極3が形成されている。そして、ゲート電極3には、孔5が開口され、この孔5の下地絶縁材2はウェットエッチングによりエッチングされてカソード材1が露出されている。そして、露出したカソード材1上には、斜め蒸着法により、例えばモリブデンで成るフィールドエミッションチップ7が形成されている。このような電子放出素子のアレイを構成する場合は、図16に示すように、複数の電子放出素子を2次元マトリクス状に形成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような電子放出素子を複数配列させた場合、その製造方法は半導体製造プロセスを利用するわけであるが、製造誤差により、図に示すようにフィールドエミッションチップ7の先端とゲート電極3との距離が各電子放出素子間でバラツキを生じてしまう問題点がある。このようなアレイを用いてエミッション電流を大きくした場合、例えば図16に示す距離d1,d2,d3がd1,d3>d2であるとすると、d2の距離が小さいため、この部分のフィールドエミッションチップ先端の電界が強くなり、他のフィールドエミッションチップのエミッション電流に比べて距離d2のフィールドエミッションチップのエミッション電流は著しく大きくなるため、このままではチップは破壊してしまう問題がある。
【0006】本発明は、このような従来の問題点に着目して創案されたものであって、フィールドエミッションチップの破壊を防止すると共に、製造精度の許容値の大きい電子放出素子を得んとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1の発明は、基体上にカソード及びフィールドエミッションチップが形成され、該フィールドエミッションチップの上方に開口部を有するゲート電極を備えた電子放出素子において、前記ゲート電極を熱膨張係数の異なる複数の膜で形成し、加熱に伴ない該ゲート電極の開口縁が上方に弯曲するようにしたことを、その解決手段としている。
【0008】請求項2の発明は、ゲート電極を2層膜構造とし、上層膜より下層膜の方が熱膨張係数が大であることを特徴としている。
【0009】請求項3の発明は、ゲート電極を3層膜構造とし、上層膜から下層膜に向けて熱膨張係数を漸次大きくしたことを特徴とする。
【0010】請求項4の発明は、凹部が形成された基体上に、下層より上層の方が相対的に熱膨張係数の小さい複数の膜で成るカソードが形成され、前記凹部上のカソード表面にフィールドエミッションチップが形成されると共に、該フィールドエミッションチップの上方に開口部を有するゲート電極が形成されたことを、その解決手段としている。
【0011】請求項5の発明は、基体上にカソード及びフィールドエミッションチップが形成され、該フィールドエミッションチップの上方に開口部を有するゲート電極を備えた電子放出素子において、前記フィールドエミッションチップ上に積層膜を形成し、該積層膜は上層膜より下層膜の方が相対的に熱膨張係数が大であることを、解決手段としている。
【0012】
【作用】請求項1の発明においては、熱膨張係数の異なる複数の膜でゲート電極が形成されるため、エミッション電流を大きくした場合、フィールドエミッションチップと対峙するゲート電極の開口縁が加熱に伴ない上方に弯曲し、ゲート電極とフィールドエミッションチップとの距離が大きくなる。このため、エミッション電流は小さくなり、電子放出素子の破壊が防止される。
【0013】請求項2の発明においては、ゲート電極を構成する2層膜が上層膜より下層膜の方が熱膨張係数が大であるため、ゲート電極が加熱されると、上方に弯曲してエミッション電流が小さくなり、電子放出素子の破壊が防止される。
【0014】請求項3の発明は、ゲート電極を3層膜構造とし、上層膜から下層膜に向けて熱膨張係数を漸次大きくしたことにより、加熱に伴い上方に弯曲し、エミッション電流を小さくするため、電子放出素子の破壊を防止する。また、中間層が上下層膜のストレス緩和層として作用する。
【0015】請求項4の発明においては、凹部上に架設したカソードが複数の膜で形成され、下層より上層の方が相対的に熱膨張係数が小さいため、フィールドエミッションチップが加熱した場合、チップの下地のカソードが凹部の底に向けて撓む。このため、フィールドエミッションチップはゲート電極の開口部の縁から離れ、エミッション電流が小さくなることにより、破壊が防止される。
【0016】請求項5の発明においては、フィールドエミッションチップ上の積層膜が上層膜より下層膜の方が相対的に熱膨張係数が大であるため、加熱に伴ない、下方に弯曲してゲート電極から遠ざかり、エミッション電流が小さくなり加熱を抑制して電子放出素子の破壊を未然に防止する。
【0017】
【実施例】以下、本発明に係る電子放出素子の詳細を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0018】(実施例1)本実施例の電子放出素子の構造は、図1(A)に示す通りである。その製造方法は、図示しない基体上に例えばタングステンで成るカソード層11を形成した後、SiO2で成る絶縁層12をCVD法にて堆積させ、この絶縁層12上に、夫々厚さ300nmのタングステンシリサイド(WSi)層13,シリコンナイトライド(SiN)層14を順次積層させる。このタングステンシリサイド層13とシリコンナイトライド層14は、ゲート電極15を構成する。次に、ゲート電極15をエッチングして平面が円形の開口部15を開設した後、絶縁層12を等方性エッチングして、ゲート電極15の開口部15aより奥の方までサイドエッチングする。斯るエッチングによってカソード層11を露出させた後、例えば斜め蒸着法を用いて例えばモリブデンで成る円錐形状のフィールドエミッションチップ17を形成する。
【0019】ゲート電極15を構成する上層のシリコンナイトライド層14と下層のタングステンシリサイド層13の熱膨張係数は、2.2×10-6と8.4×10-6であり、上層より下層の方が熱膨張係数が大きく、エミッション電流によってゲート電極が加熱された場合に、ゲート電極15の開口部15aの縁は上方に弯曲してフィールドエミッションチップ17から離れエミッション電流を小さくする作用がある。このため、フィールドエミッションチップ17やゲート電極15が加熱によって破壊されることが防止できる。
【0020】そして、上方に弯曲したゲート電極15がエミッション電流の低下によって冷えてくると、また元の位置に復帰して、図示しないアノード側へ通常の電子放出が行なわれる。
【0021】斯る電子放出素子を2次元マトリクス状に配すると、図1(B)に示すような電子放出素子アレイが製造できる。従来例の説明で述べたように、フィールドエミッションチップ17の先端とゲート電極15の開口部15aの縁までの距離d1,d2,d3が製造誤差によりd1,d3>d2であるとすると、距離がd2であるフィールドエミッションチップ17のエミッション電流は大きくなり、他のフィールドエミッションチップに比べて温度が上昇する。
【0022】このとき、ゲート電極15は、上記したように下層が熱膨張係数が大きいため、上方に向けて弯曲し、チップ先端の電界強度が弱くなるため、距離がd2である部分のフィールドエミッションチップのエミッション電流は抑制され、チップ破壊が防止できる。
【0023】なお、フィールドエミッションチップ先端の電界強度(F)は、図3に示すように、チップ17先端とゲート電極15との距離(d),チップ17先端の曲率半径(r),ゲート電極15−カソード層11間の印加電圧(V)から、次の近似式で求まる。
【0024】
F=2V/(r・ln(2d/r))・・・(1)
このように、本実施例においては、電子放出素子アレイを製造した場合、各々電子放出素子のゲート電極15がフィールドエミッションチップ17のエミッション電流を利用してセルフコントロールでき、別途保護回路が不要であるためアレイ構造が非常に簡単であり、量産に適している。
【0025】また、本実施例において、ゲート電極15の開口部15aは、円形の孔であるが、図2に示すように、開口部15aにスリット15bを複数形成してゲート電極15の弯曲動作に無理のないようにすれば、さらに特性が良好となる。
【0026】(実施例2)本実施例は、上記実施例1におけるゲート電極15を、図4に示すように、下層よりタングステンシリサイド(WSi)層13,窒化タンタル(TaN)層18,SiO2層19の3層膜としたものである。夫々の熱膨張係数は、タングステンシリサイドが8.4×10-6,窒化タンタルが3.6×10-6,SiO2が0.5×10-6であり、下層から上層に向けて熱膨張係数が小さくなっている。また、中間層である窒化タンタル層は、上下両層のストレス緩和層として作用し、ゲート電極15の弯曲動作を円滑にする。なお、本実施例では、タングステンシリサイド層13とSiO2層19の厚さが300mmで、窒化タンタル層18の厚さが50nmであるが、これに限定されるものではない。
【0027】(実施例3)本実施例の電子放出素子の製造方法は、先ず、図5(A)に示すように、ガラス又はシリコンで成る基板21上に窒化シリコン(SiN)膜22を20nm〜1μmの厚さに成膜し、リソグラフィー技術及びドライエッチング技術を用いて平面が略正方形状の凹部22aを所定位置に形成する。図5(B)は、凹部22aを形成した状態の平面図である。
【0028】次に、図6(A)の断面図及び図6(B)の平面図に示すように、SOG(Spin On Glass)23を塗布した後、エッチバックを行い、平坦化する。
【0029】次に、カソード層26の成膜を行う。このカソード層26は、図7(A)に示すように、下層のタングステンシリサイド(WSi)層24をCVD法にて形成した後、上層のポリシリコン層25をCVD法にて積層して形成される。なお、このカソード層26は、図7R>7(B)に示すように、凹部内のSOG23が、その両脇に露出するように、エッチングする。
【0030】次いで、絶縁材としてSiO2膜27を400〜1500nmの厚さにCVD成膜し、SiO2膜27上にゲート電極としてタングステンシリサイド(WSi)層28をCVD法にて100〜400nmの厚さに成膜する。続いて、図8(A)及び図(B)に示すように、リソグラフィー技術及びエッチング技術を用いて凹部に埋め込まれたSOG23の位置に合わせて、径寸法0.3〜1.5μmのマイクロホール29をタングステンシリサイド層28及びSiO2膜27に形成する。なお、図8(B)は、タングステンシリサイド層28及びSiO2膜27を省略し、マイクロホール29のみを示している。
【0031】次に、図9(A)及び図9(B)に示すように、バッファーフッ酸(HF)を用いて、マイクロホール29をサイドエッチする。このとき、SOG23もバッファーフッ酸でエッチングされる。このようにして、カソード層26は、凹部22aの上を架設した状態となる。なお、図9(B)は、タングステンシリサイド層28及びSiO2膜27を省略して示している。
【0032】そして、Alを斜め蒸着し(図示省略する)、次に、フィールドエミッションチップ30となるモリブデンを垂直蒸着する。タングステンシリサイド層28(ゲート電極)上のモリブデンをアルカリ溶液でリフトオフすることで、図10(A)及び図10(B)に示すようなフィールドエミッションチップ30が形成できる。
【0033】このようにして製造された電子放出素子は、カソード層26が、タングステンシリコン層24とポリシリコン層25の2層構造でなり、その熱膨張係数は、上層のポリシリコンが3.3×10-6で下層のタングステンシリサイドが8.4×10-6と、下層の方が大きい。図11に示すように、エミッション電流(Ie)及びゲート電流(Ig)でフィールドエミッションチップ30が破壊を招く程発熱しても、カソード層26が、図12に示すように弯曲して、チップ先端とゲート電極(WSi)の距離が大きくなり(d4<d5)、上記(1)式より電界強度が下がってIeとIgが低下し、フィールドエミッションチップ30の破壊が未然に防止できる。
【0034】また、複数の電子放出素子が配列する電子放出素子アレイを作成する場合、各々の電子放出素子のゲート電極とフィールドエミッションチップ先端との間の距離を均一に形成するのは、製造バラツキがあるため困難である。しかし、本実施例のように構成すれば、電子放出素子間にバラツキがあっても、破壊の発生しない電子放出素子アレイの作成が実現できる。
【0035】(実施例4)上記各実施例は、円錐形状のフィールドエミッションチップの先端より電子を放出させる構造の、所謂スピント型であるか、本実施例は、基板に対して、エミッタ電極板をゲート電極より突出させた、所謂平面型の電子放出素子に本発明を適用したものである。
【0036】本実施例は、図13(A)に示すように、石英又はシリコンでなる基板31上にエミッタ用金属としてタングステンシリサイド(WSi)層32,シリコンナイトライド(SiN)層33の2層を順次形成する。
【0037】次に、図13(B)に示すように、リソグラフィー技術を用いてレジストパターン34を形成した後、先ずはじめに反応性イオンエッチング(RIE)して異方性加工した後、バッファーフッ酸(HF)によってウェットエッチングすることにより図13(B)を示すような構造となる。
【0038】次に、図13(C)に示すように、ゲート電極用金属であるモリブデン層35を真空蒸着法により堆積し、エミッタ電極であるシリコンナイトライド層33とタングステンシリコン層32の積層上にあるモリブデン層35をリフトオフして図13(D)に示すような構造とする。最後に、エミッタ電極を、図14に示すように例えば櫛形に加工する。
【0039】このようにして形成された電子放出素子においては、エミッタ電極が2層で形成され、下層のタングステンシリサイド層32が上層のシリコンナイトライド層33より熱膨張係数が大きいため、エミッション電流及びゲート電流によってエミッタ電極が温度上昇した場合、エミッタ電極が上方に弯曲する。このため、電界強度が低下して加熱が抑制され、素子破壊が生じるのを防止することが可能となる。
【0040】以上、本発明の各実施例について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、各種の設計変更が可能である。
【0041】例えば、上記した実施例においては、ゲート電極又はエミッタ電極を、SiN,WSi,ポリシリコン,SiO2,TaNなどの組み合せで構成したが、少なくとも1層が導電膜であれば、他の材料を用いて構成することが可能である。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、電界強度が高くなって破壊が生ずるのを有効に回避でき、信頼性を高める効果がある。
【0043】また、複数の電子放出素子を配列させてアレイを作成した場合、各々の電子放出素子間でカソードとゲート間の寸法精度の許容値を大きくできる効果がある。このため、製造時の歩留りが向上する効果がある。さらに、各素子がセルフコントロールであるため、別途保護回路が不要となり、製造が容易となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は実施例1の要部断面図。
【図2】実施例1の要部斜視図。
【図3】実施例1の断面説明図。
【図4】実施例2の要部断面図。
【図5】(A)は実施例3の工程を示す断面図、(B)は平面図。
【図6】(A)は実施例3の工程を示す断面図、(B)は平面図。
【図7】(A)は実施例3の工程を示す断面図、(B)は平面図。
【図8】(A)は実施例3の工程を示す断面図、(B)は平面図。
【図9】(A)は実施例3の工程を示す断面図、(B)は平面図。
【図10】(A)は実施例3の工程を示す断面図、(B)は平面図。
【図11】実施例3の断面説明図。
【図12】実施例3の断面説明図。
【図13】(A)〜(D)は実施例4の工程を示す断面図。
【図14】実施例4の要部斜視図。
【図15】従来例の要部断面図。
【図16】従来例の要部断面図。
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、フラットパネルディスプレイに用いられる電子放出素子に関し、更に詳しくは、複数のフィールドエミッションチップから電子を放出させる電子放出素子に係わる。
【0002】
【従来の技術】現在主流のテレビジョン受像機のCRTに代わる画像表示装置として、平面型の画像表示装置が検討されており、このような平面型の画像表示装置としては、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネセンス素子(ELD)、プラズマ表示装置(PDP)等が挙げられ、また、画面の明るさの点で、電界放出型の画像表示装置も注目されている。
【0003】ここで、その電界放出型の画像表示装置について説明すると、半導体製造プロセスを利用して基板上に形成された直径1.0ミクロン以下のモリブデン等よりなる円錐状のカソードをエミッション源とし、そのカソードの先端側に、板状とされ各カソードに対応して孔(開口部)が配されたゲート電極が形成される。ゲート電極は、カソードの先端と離間され、両者の間には高電圧が印加されて電界放出が発生し、上記カソードから電子ビームが引き出される。そして、この電子ビームをアノードの裏面に配された発光体(蛍光体)に照射することで、所要の画面が表示される。このような電界放出型の画像表示装置については、例えば、米国特許第3665241号公報にその記載があり、特開平1−294336号公報等にカソードを基板上に形成した電子放出素子の製造方法の記載がある。
【0004】図15は、従来の電子放出素子の要部断面図であり、カソード材1上にSiO2などの絶縁材2を形成し、この絶縁材2上にゲート電極3が形成されている。そして、ゲート電極3には、孔5が開口され、この孔5の下地絶縁材2はウェットエッチングによりエッチングされてカソード材1が露出されている。そして、露出したカソード材1上には、斜め蒸着法により、例えばモリブデンで成るフィールドエミッションチップ7が形成されている。このような電子放出素子のアレイを構成する場合は、図16に示すように、複数の電子放出素子を2次元マトリクス状に形成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような電子放出素子を複数配列させた場合、その製造方法は半導体製造プロセスを利用するわけであるが、製造誤差により、図に示すようにフィールドエミッションチップ7の先端とゲート電極3との距離が各電子放出素子間でバラツキを生じてしまう問題点がある。このようなアレイを用いてエミッション電流を大きくした場合、例えば図16に示す距離d1,d2,d3がd1,d3>d2であるとすると、d2の距離が小さいため、この部分のフィールドエミッションチップ先端の電界が強くなり、他のフィールドエミッションチップのエミッション電流に比べて距離d2のフィールドエミッションチップのエミッション電流は著しく大きくなるため、このままではチップは破壊してしまう問題がある。
【0006】本発明は、このような従来の問題点に着目して創案されたものであって、フィールドエミッションチップの破壊を防止すると共に、製造精度の許容値の大きい電子放出素子を得んとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1の発明は、基体上にカソード及びフィールドエミッションチップが形成され、該フィールドエミッションチップの上方に開口部を有するゲート電極を備えた電子放出素子において、前記ゲート電極を熱膨張係数の異なる複数の膜で形成し、加熱に伴ない該ゲート電極の開口縁が上方に弯曲するようにしたことを、その解決手段としている。
【0008】請求項2の発明は、ゲート電極を2層膜構造とし、上層膜より下層膜の方が熱膨張係数が大であることを特徴としている。
【0009】請求項3の発明は、ゲート電極を3層膜構造とし、上層膜から下層膜に向けて熱膨張係数を漸次大きくしたことを特徴とする。
【0010】請求項4の発明は、凹部が形成された基体上に、下層より上層の方が相対的に熱膨張係数の小さい複数の膜で成るカソードが形成され、前記凹部上のカソード表面にフィールドエミッションチップが形成されると共に、該フィールドエミッションチップの上方に開口部を有するゲート電極が形成されたことを、その解決手段としている。
【0011】請求項5の発明は、基体上にカソード及びフィールドエミッションチップが形成され、該フィールドエミッションチップの上方に開口部を有するゲート電極を備えた電子放出素子において、前記フィールドエミッションチップ上に積層膜を形成し、該積層膜は上層膜より下層膜の方が相対的に熱膨張係数が大であることを、解決手段としている。
【0012】
【作用】請求項1の発明においては、熱膨張係数の異なる複数の膜でゲート電極が形成されるため、エミッション電流を大きくした場合、フィールドエミッションチップと対峙するゲート電極の開口縁が加熱に伴ない上方に弯曲し、ゲート電極とフィールドエミッションチップとの距離が大きくなる。このため、エミッション電流は小さくなり、電子放出素子の破壊が防止される。
【0013】請求項2の発明においては、ゲート電極を構成する2層膜が上層膜より下層膜の方が熱膨張係数が大であるため、ゲート電極が加熱されると、上方に弯曲してエミッション電流が小さくなり、電子放出素子の破壊が防止される。
【0014】請求項3の発明は、ゲート電極を3層膜構造とし、上層膜から下層膜に向けて熱膨張係数を漸次大きくしたことにより、加熱に伴い上方に弯曲し、エミッション電流を小さくするため、電子放出素子の破壊を防止する。また、中間層が上下層膜のストレス緩和層として作用する。
【0015】請求項4の発明においては、凹部上に架設したカソードが複数の膜で形成され、下層より上層の方が相対的に熱膨張係数が小さいため、フィールドエミッションチップが加熱した場合、チップの下地のカソードが凹部の底に向けて撓む。このため、フィールドエミッションチップはゲート電極の開口部の縁から離れ、エミッション電流が小さくなることにより、破壊が防止される。
【0016】請求項5の発明においては、フィールドエミッションチップ上の積層膜が上層膜より下層膜の方が相対的に熱膨張係数が大であるため、加熱に伴ない、下方に弯曲してゲート電極から遠ざかり、エミッション電流が小さくなり加熱を抑制して電子放出素子の破壊を未然に防止する。
【0017】
【実施例】以下、本発明に係る電子放出素子の詳細を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0018】(実施例1)本実施例の電子放出素子の構造は、図1(A)に示す通りである。その製造方法は、図示しない基体上に例えばタングステンで成るカソード層11を形成した後、SiO2で成る絶縁層12をCVD法にて堆積させ、この絶縁層12上に、夫々厚さ300nmのタングステンシリサイド(WSi)層13,シリコンナイトライド(SiN)層14を順次積層させる。このタングステンシリサイド層13とシリコンナイトライド層14は、ゲート電極15を構成する。次に、ゲート電極15をエッチングして平面が円形の開口部15を開設した後、絶縁層12を等方性エッチングして、ゲート電極15の開口部15aより奥の方までサイドエッチングする。斯るエッチングによってカソード層11を露出させた後、例えば斜め蒸着法を用いて例えばモリブデンで成る円錐形状のフィールドエミッションチップ17を形成する。
【0019】ゲート電極15を構成する上層のシリコンナイトライド層14と下層のタングステンシリサイド層13の熱膨張係数は、2.2×10-6と8.4×10-6であり、上層より下層の方が熱膨張係数が大きく、エミッション電流によってゲート電極が加熱された場合に、ゲート電極15の開口部15aの縁は上方に弯曲してフィールドエミッションチップ17から離れエミッション電流を小さくする作用がある。このため、フィールドエミッションチップ17やゲート電極15が加熱によって破壊されることが防止できる。
【0020】そして、上方に弯曲したゲート電極15がエミッション電流の低下によって冷えてくると、また元の位置に復帰して、図示しないアノード側へ通常の電子放出が行なわれる。
【0021】斯る電子放出素子を2次元マトリクス状に配すると、図1(B)に示すような電子放出素子アレイが製造できる。従来例の説明で述べたように、フィールドエミッションチップ17の先端とゲート電極15の開口部15aの縁までの距離d1,d2,d3が製造誤差によりd1,d3>d2であるとすると、距離がd2であるフィールドエミッションチップ17のエミッション電流は大きくなり、他のフィールドエミッションチップに比べて温度が上昇する。
【0022】このとき、ゲート電極15は、上記したように下層が熱膨張係数が大きいため、上方に向けて弯曲し、チップ先端の電界強度が弱くなるため、距離がd2である部分のフィールドエミッションチップのエミッション電流は抑制され、チップ破壊が防止できる。
【0023】なお、フィールドエミッションチップ先端の電界強度(F)は、図3に示すように、チップ17先端とゲート電極15との距離(d),チップ17先端の曲率半径(r),ゲート電極15−カソード層11間の印加電圧(V)から、次の近似式で求まる。
【0024】
F=2V/(r・ln(2d/r))・・・(1)
このように、本実施例においては、電子放出素子アレイを製造した場合、各々電子放出素子のゲート電極15がフィールドエミッションチップ17のエミッション電流を利用してセルフコントロールでき、別途保護回路が不要であるためアレイ構造が非常に簡単であり、量産に適している。
【0025】また、本実施例において、ゲート電極15の開口部15aは、円形の孔であるが、図2に示すように、開口部15aにスリット15bを複数形成してゲート電極15の弯曲動作に無理のないようにすれば、さらに特性が良好となる。
【0026】(実施例2)本実施例は、上記実施例1におけるゲート電極15を、図4に示すように、下層よりタングステンシリサイド(WSi)層13,窒化タンタル(TaN)層18,SiO2層19の3層膜としたものである。夫々の熱膨張係数は、タングステンシリサイドが8.4×10-6,窒化タンタルが3.6×10-6,SiO2が0.5×10-6であり、下層から上層に向けて熱膨張係数が小さくなっている。また、中間層である窒化タンタル層は、上下両層のストレス緩和層として作用し、ゲート電極15の弯曲動作を円滑にする。なお、本実施例では、タングステンシリサイド層13とSiO2層19の厚さが300mmで、窒化タンタル層18の厚さが50nmであるが、これに限定されるものではない。
【0027】(実施例3)本実施例の電子放出素子の製造方法は、先ず、図5(A)に示すように、ガラス又はシリコンで成る基板21上に窒化シリコン(SiN)膜22を20nm〜1μmの厚さに成膜し、リソグラフィー技術及びドライエッチング技術を用いて平面が略正方形状の凹部22aを所定位置に形成する。図5(B)は、凹部22aを形成した状態の平面図である。
【0028】次に、図6(A)の断面図及び図6(B)の平面図に示すように、SOG(Spin On Glass)23を塗布した後、エッチバックを行い、平坦化する。
【0029】次に、カソード層26の成膜を行う。このカソード層26は、図7(A)に示すように、下層のタングステンシリサイド(WSi)層24をCVD法にて形成した後、上層のポリシリコン層25をCVD法にて積層して形成される。なお、このカソード層26は、図7R>7(B)に示すように、凹部内のSOG23が、その両脇に露出するように、エッチングする。
【0030】次いで、絶縁材としてSiO2膜27を400〜1500nmの厚さにCVD成膜し、SiO2膜27上にゲート電極としてタングステンシリサイド(WSi)層28をCVD法にて100〜400nmの厚さに成膜する。続いて、図8(A)及び図(B)に示すように、リソグラフィー技術及びエッチング技術を用いて凹部に埋め込まれたSOG23の位置に合わせて、径寸法0.3〜1.5μmのマイクロホール29をタングステンシリサイド層28及びSiO2膜27に形成する。なお、図8(B)は、タングステンシリサイド層28及びSiO2膜27を省略し、マイクロホール29のみを示している。
【0031】次に、図9(A)及び図9(B)に示すように、バッファーフッ酸(HF)を用いて、マイクロホール29をサイドエッチする。このとき、SOG23もバッファーフッ酸でエッチングされる。このようにして、カソード層26は、凹部22aの上を架設した状態となる。なお、図9(B)は、タングステンシリサイド層28及びSiO2膜27を省略して示している。
【0032】そして、Alを斜め蒸着し(図示省略する)、次に、フィールドエミッションチップ30となるモリブデンを垂直蒸着する。タングステンシリサイド層28(ゲート電極)上のモリブデンをアルカリ溶液でリフトオフすることで、図10(A)及び図10(B)に示すようなフィールドエミッションチップ30が形成できる。
【0033】このようにして製造された電子放出素子は、カソード層26が、タングステンシリコン層24とポリシリコン層25の2層構造でなり、その熱膨張係数は、上層のポリシリコンが3.3×10-6で下層のタングステンシリサイドが8.4×10-6と、下層の方が大きい。図11に示すように、エミッション電流(Ie)及びゲート電流(Ig)でフィールドエミッションチップ30が破壊を招く程発熱しても、カソード層26が、図12に示すように弯曲して、チップ先端とゲート電極(WSi)の距離が大きくなり(d4<d5)、上記(1)式より電界強度が下がってIeとIgが低下し、フィールドエミッションチップ30の破壊が未然に防止できる。
【0034】また、複数の電子放出素子が配列する電子放出素子アレイを作成する場合、各々の電子放出素子のゲート電極とフィールドエミッションチップ先端との間の距離を均一に形成するのは、製造バラツキがあるため困難である。しかし、本実施例のように構成すれば、電子放出素子間にバラツキがあっても、破壊の発生しない電子放出素子アレイの作成が実現できる。
【0035】(実施例4)上記各実施例は、円錐形状のフィールドエミッションチップの先端より電子を放出させる構造の、所謂スピント型であるか、本実施例は、基板に対して、エミッタ電極板をゲート電極より突出させた、所謂平面型の電子放出素子に本発明を適用したものである。
【0036】本実施例は、図13(A)に示すように、石英又はシリコンでなる基板31上にエミッタ用金属としてタングステンシリサイド(WSi)層32,シリコンナイトライド(SiN)層33の2層を順次形成する。
【0037】次に、図13(B)に示すように、リソグラフィー技術を用いてレジストパターン34を形成した後、先ずはじめに反応性イオンエッチング(RIE)して異方性加工した後、バッファーフッ酸(HF)によってウェットエッチングすることにより図13(B)を示すような構造となる。
【0038】次に、図13(C)に示すように、ゲート電極用金属であるモリブデン層35を真空蒸着法により堆積し、エミッタ電極であるシリコンナイトライド層33とタングステンシリコン層32の積層上にあるモリブデン層35をリフトオフして図13(D)に示すような構造とする。最後に、エミッタ電極を、図14に示すように例えば櫛形に加工する。
【0039】このようにして形成された電子放出素子においては、エミッタ電極が2層で形成され、下層のタングステンシリサイド層32が上層のシリコンナイトライド層33より熱膨張係数が大きいため、エミッション電流及びゲート電流によってエミッタ電極が温度上昇した場合、エミッタ電極が上方に弯曲する。このため、電界強度が低下して加熱が抑制され、素子破壊が生じるのを防止することが可能となる。
【0040】以上、本発明の各実施例について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、各種の設計変更が可能である。
【0041】例えば、上記した実施例においては、ゲート電極又はエミッタ電極を、SiN,WSi,ポリシリコン,SiO2,TaNなどの組み合せで構成したが、少なくとも1層が導電膜であれば、他の材料を用いて構成することが可能である。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、電界強度が高くなって破壊が生ずるのを有効に回避でき、信頼性を高める効果がある。
【0043】また、複数の電子放出素子を配列させてアレイを作成した場合、各々の電子放出素子間でカソードとゲート間の寸法精度の許容値を大きくできる効果がある。このため、製造時の歩留りが向上する効果がある。さらに、各素子がセルフコントロールであるため、別途保護回路が不要となり、製造が容易となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は実施例1の要部断面図。
【図2】実施例1の要部斜視図。
【図3】実施例1の断面説明図。
【図4】実施例2の要部断面図。
【図5】(A)は実施例3の工程を示す断面図、(B)は平面図。
【図6】(A)は実施例3の工程を示す断面図、(B)は平面図。
【図7】(A)は実施例3の工程を示す断面図、(B)は平面図。
【図8】(A)は実施例3の工程を示す断面図、(B)は平面図。
【図9】(A)は実施例3の工程を示す断面図、(B)は平面図。
【図10】(A)は実施例3の工程を示す断面図、(B)は平面図。
【図11】実施例3の断面説明図。
【図12】実施例3の断面説明図。
【図13】(A)〜(D)は実施例4の工程を示す断面図。
【図14】実施例4の要部斜視図。
【図15】従来例の要部断面図。
【図16】従来例の要部断面図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基体上にカソード及びフィールドエミッションチップが形成され、該フィールドエミッションチップの上方に開口部を有するゲート電極を備えた電子放出素子において、前記ゲート電極を熱膨張係数の異なる複数の膜で形成し、加熱に伴ない該ゲート電極の開口縁が上方に弯曲するようにしたことを特徴とする電子放出素子。
【請求項2】 前記ゲート電極は、2層膜構造で成り、上層膜より下層膜の方が熱膨張係数が大である請求項1記載の電子放出素子。
【請求項3】 前記ゲート電極は、3層膜構造で成り、上層膜から下層膜に向けて熱膨張係数を漸次大きくした請求項1記載の電子放出素子。
【請求項4】 凹部が形成された基体上に、下層より上層の方が相対的に熱膨張係数の小さい複数の膜で成るカソードが形成され、前記凹部上のカソード表面にフィールドエミッションチップが形成されると共に、該フィールドエミッションチップの上方に開口部を有するゲート電極が形成されたことを特徴とする電子放出素子。
【請求項5】 基体上にカソード及びフィールドエミッションチップが形成され、該フィールドエミッションチップの上方に開口部を有するゲート電極を備えた電子放出素子において、前記フィールドエミッションチップ上に積層膜を形成し、該積層膜は上層膜より下層膜の方が相対的に熱膨張係数が大であることを特徴とする電子放出素子。
【請求項1】 基体上にカソード及びフィールドエミッションチップが形成され、該フィールドエミッションチップの上方に開口部を有するゲート電極を備えた電子放出素子において、前記ゲート電極を熱膨張係数の異なる複数の膜で形成し、加熱に伴ない該ゲート電極の開口縁が上方に弯曲するようにしたことを特徴とする電子放出素子。
【請求項2】 前記ゲート電極は、2層膜構造で成り、上層膜より下層膜の方が熱膨張係数が大である請求項1記載の電子放出素子。
【請求項3】 前記ゲート電極は、3層膜構造で成り、上層膜から下層膜に向けて熱膨張係数を漸次大きくした請求項1記載の電子放出素子。
【請求項4】 凹部が形成された基体上に、下層より上層の方が相対的に熱膨張係数の小さい複数の膜で成るカソードが形成され、前記凹部上のカソード表面にフィールドエミッションチップが形成されると共に、該フィールドエミッションチップの上方に開口部を有するゲート電極が形成されたことを特徴とする電子放出素子。
【請求項5】 基体上にカソード及びフィールドエミッションチップが形成され、該フィールドエミッションチップの上方に開口部を有するゲート電極を備えた電子放出素子において、前記フィールドエミッションチップ上に積層膜を形成し、該積層膜は上層膜より下層膜の方が相対的に熱膨張係数が大であることを特徴とする電子放出素子。
【図2】
【図3】
【図1】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図11】
【図14】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図15】
【図16】
【図13】
【図3】
【図1】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図11】
【図14】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図15】
【図16】
【図13】
【公開番号】特開平6−111713
【公開日】平成6年(1994)4月22日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−259215
【出願日】平成4年(1992)9月29日
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【公開日】平成6年(1994)4月22日
【国際特許分類】
【出願日】平成4年(1992)9月29日
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
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