説明

電子文書の評価を取得する方法及び電子装置

【課題】取得した電子文書に参照される電子文書の評価を取得するための効率のよい方法を提供する。
【解決手段】電子装置110は、1以上の別の電子文書の1以上の参照を含む電子文書を取得するように構成された取得部111を備える。電子装置110は処理部112も備える。処理部112は取得した電子文書から(単複の)参照を検索するように構成される。さらに、処理部は、上記検索した(単複の)参照に関連付けられた(単複の)電子文書の評価を求める要求を第2のサーバ130に送信し、評価の結果を含む応答を第2のサーバ130から受信するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取得した電子文書の中で参照される電子文書の評価を取得する方法、電子装置、コンピュータプログラム製品及びコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、インターネットを介してアクセス可能なワールドワイドウェブのようなグローバルな情報ネットワークは多量の情報を含む。この情報の所望の部分を見つけることは挑戦すべき課題になり得る。
【0003】
検索エンジンの使用により情報検索は容易になるであろう。検索エンジンの目的は、ユーザが最初に入力したサーチクエリに一致する複数のリンクを提供することであろう。サーチクエリに応答して返信されるリンクの関連性と品質との少なくともいずれかを表示する試みにおいて、検索エンジンは、あるリンクに関連付けられ又は対応するウェブ文書にランクを割り当てるかもしれない。このランクは、所定の基準に基づいて、あるリンクに関連付けられたウェブ文書の関連性を反映するように設計されるかもしれない。検索エンジンに関する欠点は、あるリンクに関連付けられたウェブ文書のランクを取得するために、サーチクエリが入力されなければならないということである。
【0004】
別の解決策によれば、棒グラフの形式でランクが表示されるかもしれない。例えば、あるウェブアドレスがウェブブラウザに入力されたとする。この場合に、入力されたウェブアドレスに関連付けられたウェブ文書のランクは、ウェブ文書と共にウェブブラウザに表示される。しかし、この解決策に関する欠点は、入力されたウェブアドレスに関連付けられたウェブ文書のランクを取得するために、あるウェブアドレスをウェブブラウザに入力しなければならないということ、すなわち、ウェブ文書をダウンロードしなければならないということである。
【0005】
情報の所望の部分を見つけるための通信セッション中に、上述の欠点は帯域の過度の使用という問題を引き起こすかもしれない。これは、通信セッション全体が、無関係であることが判明する一つ又は複数のウェブ文書の取得又はダウンロードを伴うであろうという事実に少なくとも部分的に起因して生じる。さらに、帯域の過度の使用は高い電力消費を伴うであろう。検索エンジンがバッテリ駆動装置で用いられる場合には、バッテリを急速に消耗するであろうため、高い電力消費は問題となるであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、電子文書の評価を取得するための一層効率のよい方法及び電子装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、少なくとも一つ電子文書の評価を取得する方法が提供される。この方法は、第1の電子文書を取得するステップであって、該第1の電子文書は少なくとも第2の電子文書への少なくとも一つの参照を含むステップを備える。さらに、上記方法は、第1の電子文書から参照を検索するステップと、該検索された参照に関連付けられた電子文書の評価を求める要求をサーバへ送信するステップと、この評価結果を含む応答をサーバから受信するステップとを備える。
【0008】
上記検索するステップは第1の電子文書から参照を抽出するステップを備えてもよい。
【0009】
さらに、上記方法は、上記検索された参照に関連付けられた電子文書の評価に影響を与えるためにコンテキストデータを要求の中へ組み込むステップを備えてもよい。
【0010】
さらに、上記方法は、第1の電子文書と評価結果とを統合するステップを備えてもよい。
【0011】
ある実施形態では、上記方法は、第1の電子文書を取得するステップの前に、第1の電子文書を電子機器へ返信することを求める要求を該電子機器から受信するステップをさらに備えてもよい。その場合には、上記方法はまた、上記統合するステップの後に、第1の電子文書と評価結果とを電子機器へ送信するステップを備えてもよい。
【0012】
第2の態様によれば、コンピュータプログラム製品が提供される。このコンピュータプログラム製品は、前記コンピュータプログラムコード手段がコンピュータ能力を有する電子装置により実行される場合に、第1の態様による方法を実行するコンピュータプログラムコード手段を備える。
【0013】
第3の態様によれば、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体が提供される。このコンピュータで読み取り可能な記憶媒体は、上記コンピュータプログラムコード手段がコンピュータ能力を有する電子装置により実行される場合に、第1の態様による方法を実行するコンピュータプログラムコード手段を備えることを特徴とするコンピュータプログラム製品が内部に格納されている。
【0014】
第4の態様によれば、少なくとも一つの電子文書の評価を取得する電子装置が提供される。電子装置は、少なくとも第2の電子文書への少なくとも一つの参照を含む第1の電子文書を取得するように構成された取得部を備える。さらに、電子装置は、第1の電子文書から参照を検索し、検索された参照に関連付けられた電子文書の評価を求める要求をサーバに送信し、評価の結果を含む応答をサーバから受信するように構成された処理部を備える。
【0015】
上記処理部は第1の電子文書から参照を抽出するように構成されてもよい。
【0016】
さらに、上記要求は上記検索した参照に関連付けられた電子文書の評価に影響を与えるためのコンテキストデータを備えてもよい。
【0017】
さらに、上記処理部は第1の電子文書と上記評価結果とを統合するように構成されてもよい。
【0018】
ある実施形態では、処理部は第1の電子文書を電子機器に返信することを求める要求を電子機器から受信するように構成されてもよい。その場合、電子機器は、第1の電子文書と評価結果とを電子装置へ送信するように構成されてもよい。
【0019】
第5の態様によれば、第4の態様に基づく電子装置を備えた移動体端末装置が提供される。この移動体端末は、移動電話機、通信装置、携帯用若しくはハンドヘルド型移動無線通信装置、移動無線端末、携帯電話、ページャ、コミュニケータ、電子手帳、スマートフォン、又はコンピュータなどであってよい。
【0020】
第6の態様によれば、第4の態様に従う電子装置を備えたサーバが提供される。このサーバはサービスプロバイダ・サーバなどであってよい。
【0021】
本発明のさらに別の実施形態が従属項に規定される。
【0022】
「備える/備えている」という用語が本明細書で使用される場合には、上述の特徴、数値、ステップ、又はコンポーネントの存在を指定する用語と理解されるべきであるが、1以上のその他の特徴、数値、ステップ、又はコンポーネント、及びこれらからなるグループの存在又は追加を除外するものではないという点を強調しておく。単数の参照は複数の参照を除外するものではないことも強調しておく。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】電子装置、第1のサーバ及び第2のサーバを備える通信ネットワークのブロック図の一例である。
【図2】移動体端末、第1のサーバ及び第2のサーバを備える通信ネットワークの概略図の一例である。
【図3】図2の移動体端末のコンポーネントを説明するブロック図の一例である。
【図4】移動体端末、第1のサーバ、第2のサーバ及び第3のサーバを備える通信ネットワークの概略図の一例である。
【図5】1以上の電子文書の評価を取得する方法の実施形態を説明するフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明のさらなる目的、特徴及び利点は、添付の図面を参照しながら行う以下の本発明の実施形態についての詳細な説明で示されるだろう。
【0025】
図1は通信ネットワーク100を説明する。通信ネットワーク100は電子装置110、第1のサーバ120及び第2のサーバ130を備えるであろう。電子装置110は、第1のサーバ120及び第2のサーバ130のような、別の電子装置と通信ネットワーク100に結合された別の装置又はシステムとのうち少なくともいずれかと、通信ネットワーク100を介して通信するように構成されるであろう。通信ネットワーク100はIPベースの(インターネットプロトコル)通信ネットワークであってもよい。このことによって、例えば、2G、2.5G及び3Gの移動体通信ネットワークでのメッセージ通信がインターネットサービスと互換性をもつことが可能になるであろう。
【0026】
電子装置110は取得部111を備えるであろう。取得部111はウェブブラウザ装置などのようなブラウザ装置であってもよい。取得部111は、電子文書の所在検知、アクセス及び取得の少なくともいずれかに使用されるであろう。本明細書における使用においては、「電子文書」という用語は広く解釈されるべきであり、テキスト、画像、映像、音声及び別の電子文書への参照等を含む多くの情報の形式を含むであろう任意の電子文書を記載するために使用される。したがって、電子文書は例えば、ウェブページ、電子メール、PDF文書、WORD文書、画像、SVG画像(スケーラブル・ベクター・グラフィックス)等であってもよい。電子文書は、例えば、ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ(HTML)、拡張可能なマーク付け言語(XML)、エクステンシブル・ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ(XHTML)、標準一般化マークアップ・ランゲージ(SGML)、無線用マークアップ・ランゲージ(WML)等のようなマークアップ言語の形式であってもよい。
【0027】
電子装置110の取得部111は電子文書を取得するように構成されるであろう。これは多くの異なる方法で行うことができる。例えば、取得部111は、CD、DVD又はメモリカードのようなメモリ装置から電子文書を取得するように構成されてもよい。図1に関して、取得部111は、例えば第1のサーバ120を介して情報ネットワークなどからダウンロード可能な電子文書を取得するように構成されるであろう。情報ネットワークはインターネットのようなグローバルな情報ネットワークであってもよい。または、情報ネットワークはローカルな情報ネットワークであってもよい。さらに、取得した電子文書がHTMLの形式の場合には、取得部111は取得した電子文書のHTMLコードを解釈するように構成されるであろう。同様に、取得した電子文書がXHTMLの形式である場合には、取得部111は取得した電子文書のXHTMLコードを解釈するように構成されるであろうし、その他の形式も同様である。さらに、取得部111はHTTPプロトコル(ハイパーテキスト・トランスファー・プロトコル)を使用するように構成されてもよい。
【0028】
第1のサーバ120は例えばウェブサーバであってもよい。さらに、第1のサーバ120は電子文書を電子装置110に配信するように構成されてもよい。例えば、第1のサーバ120は、電子装置110から送信されるHTTPリクエストに応答するように構成されてもよい。電子装置110は、第1のサーバ120が電子文書を配信するように求める要求を第1のサーバ120へ送信するであろう。電子装置110は、例えば、HTTPリクエストの形式で要求を送信してもよい。この要求に応答して、要求の後に第1のサーバ120は電子文書を電子装置110へ配信するであろう。
【0029】
電子文書は1以上の別の電子文書に対する1以上の参照を備えるであろう。参照は埋め込まれた参照(embedded reference)であってもよい。参照は電子文書の中に埋め込まれたものであってもよい。参照は例えばリンク又はハイパーリンクなどであってもよい。さらに、参照は、例えば、URIアドレス(統一資源識別子)やURLアドレス(統一資源指定子)などのような電子アドレスを備えてもよい。参照は所定の電子文書の格納位置を規定するであろう。これにより、参照に関連付けられ又は対応する所定の電子文書の格納位置の所在検知が可能となる。
【0030】
図1に関して、電子装置110において電子文書が利用可能となった時点で、電子装置110の処理部112は電子文書を処理するように構成される。この目的のために、処理部112は、取得した電子文書の中の任意の参照を検索するように構成されるであろう。任意の参照の検索は、例えば、取得した電子文書の基底構造を分析するステップを備えてもよい。さらに、この検索は、取得した電子文書から任意の参照を抽出するステップを備えてもよい。例えば、任意の参照の検索は、取得した電子文書から任意の参照を抽出するステップ、又は、任意の参照を構文解析するステップを備えてもよい。そして、抽出した任意の参照は電子装置110内のメモリ装置113に一時的に格納されてもよい。
【0031】
以下は、取得した電子文書に関して行われる抽出するステップ又は構文解析するステップを例示するものである。取得した電子文書は以下の内容を備えるものと想像されたい。
[データ:01234][参照:013589][データ:56789]
ここで、[データ:01234]は表示可能なテキストデータであり、[参照:013589]は別の電子文書への参照であり、そして、[データ:56789]はその他のデータである。
【0032】
「参照」から始まるすべてのデータを抽出して、メモリ装置113内に一時的に格納し、他のすべてのデータを除去せよという規則に従って、データ「[データ:01234][参照:013589][データ:56789]」がフィルタされた場合には、抽出されたデータは以下の内容を有することになるだろう。:
「[参照:013589]」
【0033】
したがって、上記抽出規則は、取得した電子文書の中に含まれて又は埋め込まれている任意の参照の検索を実行するために利用されるであろう。同等の規則もまた、参照の検索を実行するために利用されるであろう。例えば、URIアドレスやURLアドレスなどの参照の電子アドレスを抽出することによって参照の検索が実行されるかもしれない。さらに別のオプションとして、「www」から始まるか、「.se」、「.com」等で終わるデータの抽出がある。
【0034】
さらに、処理部112は、メモリ装置113から検索された任意の参照を読み出すように構成されてもよい。さらに、処理部は、検索された参照に関連付けられた電子文書の評価を求める要求を第2のサーバ130に送信するように構成されてもよい。この要求は、例えばHTTPリクエストの形式で送信されてもよい。ある実施形態では、要求は任意の検索された参照を含む。さらに、要求は、この要求に付随する検索された参照に関連付けられた電子文書を返信するための要求であってもよい。
【0035】
ある実施形態では、要求はコンテキストデータを含んでもよい。コンテキストデータは、要求に含まれる参照に関連付けられた電子文書の評価に影響を与えるデータを含んでもよい。したがって、このコンテキストデータは、要求に付随する参照の評価に対して制限を設けるデータを含んでもよい。コンテキストデータは、例えば、取得した電子文書の性質や事前に取得した電子文書の性質のような多くの情報の形式を含んでもよい。上記に加えて、又は、上記に替えて、コンテキストデータは、電子装置110のユーザと、例えば電子装置110がある種の電子文書と互換性を有するか又は電子装置110が例えば成人向けの内容、広告用の内容などのある種の内容が含む電子文書の受信を許可するものであるかというような電子装置110の性質と、の少なくともいずれかに関連する事前に設定された関心対象カテゴリを含む。
【0036】
第2のサーバ130は、電子装置110からの要求の受信の際に、検索された参照に関連付けられた電子文書を評価するように構成されてもよい。第2のサーバ130は、要求に付随する任意の参照に関連付けられた電子文書を評価するように構成されてもよい。こうして、ランク要求に付随する参照の個々の評価結果を含む応答を電子装置110に返信することが可能となる。
【0037】
第2のサーバ130により行われる評価は、評価を要求された参照に関連付けられた電子文書の内容などに基づいてもよい。上記に替えて、又は上記に加えて、評価は例えば、電子文書を参照する電子文書の数、広告用内容の量等のような、評価要求の対象である電子文書の内容以外のデータに基づいてもよい。さらに、この評価は、検索された参照のうちの評価を要求された各々に対して、例えば数値形式でランクを割り当てるステップを含んでもよい。この評価自体は既知の原理に従って行うことができるため、本明細書ではこれ以上説明はしない。さらに、コンテキストデータが要求に付随している場合には、評価はこのコンテキストデータに基づいてもよい。
【0038】
電子装置110の処理部112はまた、第2のサーバ130から応答を受信するように構成されてもよい。この応答はランク等のような評価の結果を含んでもよい。さらに、処理部112は受信した評価の結果と、取得した電子文書とを統合するように構成されてもよい。したがって、処理部112は取得した電子文書と、上記応答と共に受信した評価の結果とを一体化するように構成されてもよい。特に、処理部112は、取得した電子文書の(単複の)それぞれの参照の任意の(単複の)参照に関連付けられた(単複の)電子文書の評価の結果を一体化するように構成されてもよい。その結果、電子装置110は、取得した電子文書が参照する任意の参照に関連付けられた電子文書の評価の結果を取得するように構成されてもよい。
【0039】
評価の結果は、取得した電子文書と統合されてもよい。この評価は、例えば、取得した電子文書を表示する場合に、評価要求の対象である参照と一緒に棒グラフとして示すように統合されてもよい。上記に替えて又は上記に加えて、評価の結果は、取得した電子文書を表示する場合に、ポップアップウィンドウに評価の結果を示すように統合されてもよい。ポップアップウィンドウは、例えば、評価を要求して取得した参照の上にカーソルが重ねられた場合に表示されても良い。
【0040】
図2では、通信ネットワークの概略図が示されている。図2を参照して以下で説明することに加えて、図1の対応する参照番号を有する図2の要素は、図1を参照して説明した場合と同様に動作し、相互に通信のやりとりを行う。
【0041】
通信ネットワーク200は、電子装置110が移動体端末210の内部に構成されるという点で、図1を参照して前述した通信ネットワークとは異なる。図2には、移動体電話機として移動体端末210が例示されている。しかし、便宜上かつ表示を簡略にするために、以下、移動体端末210を参照することにする。このことは限定的に解釈されるべきではなく、一例として解釈すべきである。上記に替えて、電子装置110は例えば、通信装置、携帯用又はハンドヘルド型移動体無線通信装置、移動体無線端末、携帯電話、ページャ、コミュニケータ、電子手帳、スマートフォン、コンピュータ等に実装することができる。
【0042】
図2に示すように、移動体端末210はディスプレイ214、キーパッド/キーボード215、スピーカ216、及びマイク217を備え、これらを通じてユーザは操作を行い、移動体端末210と相互に通信のやりとりを行うであろう。さらに、移動体端末210は、無線接続を通じて音声とデータとの少なくともいずれかを通信ネットワーク200と通信するための内蔵アンテナを備えるであろう。本実施形態では、移動体端末210は第1のサーバ120及び第2のサーバ130と接続可能であろう。
【0043】
図3は移動体端末210に統合されるであろうコンポーネントを説明する図である。通信部218は外部の通信装置との通信のために動作可能である。通信部218は例えば、GSM(登録商標)(移動体通信用グローバルシステム)、UMTS(汎用移動体通信システム)、CDMA2000(符号分割多元接続)、PDS(個人用デジタルシステム)、又はPDC(パーソナル・デジタル・セルラ電話機)のような任意の通信技術に従って、アンテナ219を介して通信ネットワーク200と通信するためのトランシーバを備えてもよい。通信部218はさらに、例えば、Bluetooth(登録商標)、WLAN又はZigBee(登録商標)技術に準拠するような短距離無線通信用に構成されてもよい。
【0044】
移動体端末210はまた、CPU221と通信するように構成されたメモリ装置220を備えてもよい。典型的には、CPU221は、移動体端末210の動作と機能とを制御するためにアドレス/データバスを介してメモリ装置220と通信するように構成されるであろう。メモリ装置220は、移動体端末210の機能を実行するのに用いるソフトウェアとデータとを備えるメモリ装置からなる階層全体を表してもよい。メモリ装置220は、例えば、以下のタイプのメモリ装置、すなわち、キャッシュ、RAM(ランダムアクセスメモリ、ROM(リードオンリメモリ)、フラッシュメモリ、不揮発性メモリ、SIM(加入者識別モジュール)等を備えてもよい。移動体端末210の種々の機能のためのデータ命令又はソフトウェアがメモリ装置220に格納されてもよい。
【0045】
図3に例示するように、移動体端末210は電子装置110も備えるであろう。図3には、電子装置110が、移動体端末210のCPU221とアドレス/データバスを介して通信するように構成されるであろう別立てのユニットとして例示されている。電子装置110は、例えばASIC(特定用途向集積回路)の形式で実現されてもよい。ある実施形態では、電子装置110はソフトウェアを実行するCPU221により提供される。電子装置110の動作と機能とについては図1を参照しながら上記で詳細に説明したので、ここではこれ以上説明しない。
【0046】
図4には、通信ネットワークの概略図が例示されている。図4を参照しながら以下で説明することに加えて、図2の対応する参照番号を有する図4の要素は、図2を参照しながら行った説明の場合と同様に動作し、相互に通信のやりとりを行う。
【0047】
図4に示す通信ネットワークにおいて、通信ネットワーク400は、サービスプロバイダ・サーバ440をさらに含むという点で、図2を参照して説明した通信ネットワーク200と異なる。本実施形態では、電子装置110はサービスプロバイダ・サーバ440に統合されるであろう。電子装置110の動作及び機能については図1を参照しながら上記に詳細に説明したので、ここではこれ以上説明しない。
【0048】
本実施形態では、移動体端末410は、サービスプロバイダ・サーバ440に、ある電子文書を返信するように求める要求を送信するように構成されるであろう。この要求は、例えばHTTPリクエストの形式で送信されてもよい。図2及び図3の移動体端末と、図4の移動体端末440との間の相異点は、電子装置110が移動体端末440に含まれていないという点である。しかしながら、ある実施形態では、移動体端末とサービス提供用サーバ440との双方に電子装置110が含まれる。図2と図3を参照しながら説明した他のいずれのコンポーネントも移動体端末410に含んでもよい。
【0049】
サービスプロバイダ・サーバ440は移動体端末410が要求する電子文書を取得するように構成されるであろう。サービスプロバイダが例えばHTTPリクエストなどの形式で移動体端末410から要求を受信した時点で、上記取得は実行されるであろう。電子文書は、例えば第1のサーバ120などを介して情報ネットワークから取得されるであろう。電子装置110はサービスプロバイダ・サーバ440に備えられているため、サービスプロバイダ・サーバ440は、取得した電子文書が参照する(単複の)参照に関連付けられた(単複の)電子文書の評価の結果を取得するように構成されるであろう。再言するが、取得した電子文書は、該取得した電子文書の任意の参照に関連付けられた電子文書の評価の結果と一体化されてもよい。参照に関連付けられた電子文書の評価の結果がサービスプロバイダ・サーバ440において利用可能になった時点で、上記の一体化は実行されるであろう。さらに、サービスプロバイダ・サーバ440は取得した電子文書を移動体端末410に中継してもよい。したがって、移動体端末410に中継された取得した電子文書は、該取得した電子文書の中に含まれる別の(単複の)電子文書の(単複の)参照に関連付けられた(単複の)電子文書の評価の結果を含むであろう。
【0050】
さらに、移動体端末410は、最初に要求された電子文書を取得するように構成されてもよい。例えば、電子装置110の取得部111が移動体端末410に含まれる場合には、取得部111により電子文書が取得されるであろう。上記に替えて、移動体端末410に含まれる別の取得部により電子文書を取得してもよい。例えば、別の取得部は移動体端末410の装置220のメモリに格納されているブラウザアプリケーションプログラムであってもよい。
【0051】
図5は、電子文書の中の1以上の参照の評価を取得する方法の実施形態を説明する図である。ステップ501で、電子装置から要求が受信される。電子装置は、例えば移動体端末210等であろう。上記要求は、第1の電子文書を電子装置へ返信することを求める要求である。ステップ502で、要求した電子文書を取得する。この電子文書は1以上の別の電子文書の1以上の参照を備えるであろう。ステップ503で、上記取得した電子文書の中に埋め込まれている又は含まれている任意の参照を電子文書から検索する。この検索については上記に詳細に説明したので、ここではこれ以上説明しない。次のステップであるステップ504において、検索した参照に関連付けられた電子文書の評価を求める要求をサーバ130に送信するであろう。この要求はステップ503で検索した参照を備えてもよい。さらに、この要求については上記に詳細に説明したので、ここではこれ以上説明しない。ステップ505で、サーバ130からの応答が受信される。この応答は、評価要求の対象である検索した参照に関連付けられた電子文書の評価の結果を含むであろう。続いて、ステップ506で、取得した電子文書と評価の結果とを統合してもよい。このことについては前に詳細に説明したので、ここではこれ以上さらに説明しない。そして、ステップ507で、評価の結果を含む第1の電子文書が、ステップ501で第1の電子文書を要求した電子装置に送信される。図1及び図2を参照しながら説明した実施形態では、ステップ501とステップ507とを省略することができることを理解できるであろう。
【0052】
本発明は、コンピュータプログラム製品の中に埋め込むことが可能であり、これによって上述の方法と機能との実現が可能となる。コンピュータプログラム製品がロードされ、プロセッサのようなコンピュータ能力を有する装置で実行された場合に本発明を実現することができる。本文脈でのコンピュータプログラム、ソフトウェアプログラム、プログラム製品又はソフトウェアとは、処理機能を有するシステムに特別の機能を直接実行させるか、又は、別の言語、コードあるいは表記への変換後に上記機能を実行させることを意図する命令セットの任意の表現であって、任意のプログラム言語、コードあるいは表記での表現を意味するものである。さらに、コンピュータプログラム製品はコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納してもよい。
【0053】
本発明の実施形態により、取得した電子文書の中で参照される参照に関連付けられ又は対応する電子文書の評価の取得が可能となることは利点である。したがって、本発明の実施形態により、例えば、情報ネットワークからダウンロード可能な電子文書をナビゲート又はサーフィンするとき、情報の所望の部分を見つけるのにかかる時間の短縮が可能となるであろう。したがって、本発明の実施形態はユーザが迅速に関連情報を見つけるのに役立つ。最初に取得した電子文書からさらに離れた所又は別の場所に位置する別の電子文書の参照を追跡する価値があるかどうかを決定することは一般に容易であるだろう。したがって、不必要な参照を追跡しないようにすることが可能となる。この情報の所望の部分を発見するには限られた量の帯域のみを必要とする。さらに、帯域の限られた使用は全体的に、電力の過度の使用を軽減することにつながるであろう。したがって、処理電力の消費量を最低限に維持することが可能となる。
【0054】
本発明の実施形態に関するさらなる利点は、移動体端末210などのような多くの異なるデバイスに電子装置110を統合できるであろうという点で、柔軟性を与えることが可能となるであろうという点である。例えば、電子装置110が移動体端末210に統合されると、通信セッションの間に情報の所望の部分を発見するために、限られた量の帯域のみが求められる。これによって、移動体端末210が動作するように意図される通信ネットワークの効率を高めることが可能となる。さらに、帯域の限られた使用は、移動体端末210よる電子文書の閲覧の際に、電力の過度の使用を軽減であろう。したがって、移動体端末210の利用可能なバッテリ使用時間の使用を最低限に保つことが可能となる。この結果、利用可能なバッテリ電力が不必要なほど急速に排出されることがなくなる。
【0055】
別の実施形態では、電子装置110は、例えば、遠隔地にあるサービスプロバイダ・サーバ440に統合されるであろう。取得した電子文書内の参照に関連付けられた電子文書の評価の結果を取得する処理が、移動体端末210により行われるのではなく、サービスプロバイダ・サーバ440により行われることが利点であろう。この方法では、移動体端末210が必要とする処理電力をさらに制限することが可能となる。例えば、移動電話機などのような移動体端末210が限られたバッテリ電力とデータ転送レートとの少なくともいずれかを持つ通信装置である場合には、このことは利点であるだろう。
【0056】
以上、特定の実施形態を参照しながら本発明について説明した。しかし、上記記載の実施形態とは別の実施形態も本発明の範囲で同様に可能である。本発明は、本明細書で説明した状況以外の状況でも適用可能である。ハードウェアやソフトウェアあるいはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによる方法を実行する、本明細書に記載したもの以外の異なる方法ステップを本発明の範囲で提供することも可能である。上記記載の特徴及びステップとは別の組み合わせで、本発明の上記様々な特徴及びステップを組み合わせることも可能である。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲のみによって限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの電子文書の評価を取得する方法であって、
第1の電子文書を取得する工程であって、該第1の電子文書は少なくとも第2の電子文書への少なくとも一つの参照を含む工程と、
前記第1の電子文書から前記参照を検索する工程と、
前記検索された参照に関連付けられた前記電子文書の評価の要求をサーバ(130)に送信する工程と、
前記評価の結果を含む応答を前記サーバ(130)から受信する工程と
を備える電子文書の評価を取得する方法。
【請求項2】
前記検索する工程は、前記第1の電子文書から前記参照を抽出する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子文書の評価を取得する方法。
【請求項3】
前記検索された参照に関連付けられた前記電子文書の前記評価に影響を与えるためにコンテキストデータを前記要求に組み込む工程をさらに備える請求項1又は2に記載の電子文書の評価を取得する方法。
【請求項4】
前記第1の電子文書と前記評価の結果とを統合する工程をさらに備える請求項1乃至3の何れか1項に記載の電子文書の評価を取得する方法。
【請求項5】
前記取得する工程の前に、前記第1の電子文書を電子機器(410)へ返信することの要求を該電子機器(410)から受信する工程を備える請求項1乃至4の何れか1項に記載の電子文書の評価を取得する方法。
【請求項6】
前記統合する工程の後に、前記第1の電子文書と前記評価の結果とを前記電子機器(410)に送信する工程を備える請求項5に記載の電子文書の評価を取得する方法。
【請求項7】
コンピュータに、請求項1乃至6の何れか1項に記載の電子文書の評価を取得する方法を実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のコンピュータプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。
【請求項9】
少なくとも一つの電子文書の評価を取得する電子装置(110)であって、
第1の電子文書を取得するように構成された取得部(111)であって、該第1の電子文書は少なくとも第2の電子文書への少なくとも一つの参照を含む取得部(111)と、
前記第1の電子文書から前記参照を検索し、
前記検索された参照に関連付けられた前記電子文書の評価の要求をサーバ(130)に送信し、
前記評価の結果を含む応答を前記サーバ(130)から受信する
ように構成された処理部(112)と
を備える電子文書の評価を取得する電子装置(110)。
【請求項10】
前記処理部(112)は、前記第1の電子文書から前記参照を抽出するように構成されたことを特徴とする請求項9に記載の電子文書の評価を取得する電子装置(110)。
【請求項11】
前記要求は、前記検索された参照に関連付けられた前記電子文書の前記評価に影響を与えるためのコンテキストデータを備えることを特徴とする請求項9又は10に記載の電子文書の評価を取得する電子装置(110)。
【請求項12】
前記処理部(112)は、前記第1の電子文書と前記評価の結果とを統合するように構成されたことを特徴とする請求項9乃至11の何れか1項に記載の電子文書の評価を取得する電子装置(110)。
【請求項13】
前記電子装置(110)は、前記第1の電子文書を電子機器(410)に返信することの要求を該電子機器(410)から受信するように構成されたことを特徴とする請求項9乃至12の何れか1項に記載の電子文書の評価を取得する電子装置(110)。
【請求項14】
前記電子装置(110)は、前記第1の電子文書と前記評価の結果とを前記電子機器(410)に送信するように構成されたことを特徴とする請求項13に記載の電子文書の評価を取得する電子装置(110)。
【請求項15】
請求項9乃至12の何れか1項に記載の電子装置を備える移動体端末(210)。
【請求項16】
前記移動体端末は、通信装置、携帯用若しくはハンドヘルド型移動無線通信装置、移動体無線端末、携帯電話、ページャ、コミュニケータ、電子手帳、スマートフォン、又はコンピュータであることを特徴とする請求項15に記載の移動体端末。
【請求項17】
請求項9乃至14の何れか1項に記載の電子装置(110)を備えるサーバ(440)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−69132(P2012−69132A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−231040(P2011−231040)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【分割の表示】特願2008−532745(P2008−532745)の分割
【原出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】