説明

電子機器装置

【課題】 不特定多数の人との相性を簡単、且つ容易に判定することのできる電子機器装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 自己の個人情報を入力する操作部5と、入力された個人情報を送信し、他の個人情報を受信する送受信回路部11、内蔵アンテナ13と、自己の個人情報と、受信した他の個人情報とを比較して双方の相性を判定する制御装置3と、双方の相性が良いと判定された場合はその相性の良い個人情報を送信した他の電子機器装置が交信可能な領域内に存在することを報知する1又は2以上の報知手段を有する。また、相性が良いと判定された個人情報の受信強度を計測し、この計測結果に基づいて自装置と前記他の電子機器装置との距離を算出する制御装置3を有し、算出された距離を表示する表示器19を有して構成される。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本願考案は、自己の個人情報と、受信した他人の個人情報との相性を判定し、相性が良いと判定された場合にこれを報知する機能を有する電子機器装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、その日のバイオリズムや適宜のアルゴリズムを用いて友達同士の相性等を占うことのできる機能を備えた各種電子機器装置が提案されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のこのような電子機器装置は、予め設定された手順に従って双方のプライベートなデータを所定の順番で同時に入力しなければならず、相性を占うことのできる相手は親しい友人の範囲内に限定されてしまうという問題点を有していた。
【0004】
本願考案は、上記の問題点に鑑みて案出されたもので、不特定多数の人との相性を簡単、且つ容易に判定することのできる電子機器装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案が提供する請求項1に係る電子機器装置は、下記の要件を備えて成ることを特徴とする。すなわち、(イ)自己の個人情報を入力する入力手段を有すること。
(ロ)前記入力された個人情報を送信する送信手段を有すること。
(ハ)他の電子機器装置から他の個人情報を受信する受信手段を有すること。
(ニ)自己の個人情報と、受信した他の個人情報とを比較して双方の相性を判定する判定手段を有すること。
(ホ)前記判定手段によって双方の相性が良いと判定された場合は、その相性の良い個人情報を送信した他の電子機器装置が交信可能な領域内に存在することを報知する1又は2以上の報知手段を有すること。
(ヘ)前記相性が良いと判定された個人情報の受信強度を計測する計測手段を有すること。
(ト)前記計測手段の計測結果に基づいて、自装置と前記他の電子機器装置との距離を算出する算出手段を有すること。
(チ)前記算出手段によって算出された距離を表示する表示手段を有すること。
【0006】
また、本考案が提供する請求項2に係る電子機器装置は、下記の要件を備えたことを特徴とする。すなわち、(イ)自己の個人情報を入力する入力手段を有すること。
(ロ)前記入力された個人情報を基地局を介して送信する送信手段を有すること。
(ハ)他の電子機器装置から他の個人情報を基地局を介して受信する受信手段を有すること。
(ニ)自己の個人情報と、受信した他の個人情報とを比較して双方の相性を判定する判定手段を有すること。
(ホ)前記判定手段によって双方の相性が良いと判定された場合は、その判定結果を報知する1又は2以上の報知手段を有すること。
(ヘ)前記相性が良いと判定された相手の位置情報の検索を要求する要求手段を有すること。
(ト)前記受信手段は、前記要求手段によって要求された相手の位置情報を受信すること。
(チ)前記受信手段によって受信された相手の位置情報を表示する表示手段を有すること。
【0007】
また、本考案が提供する請求項3に係る電子機器装置は、請求項1又は請求項2に下記の要件を付加したことを特徴とする。すなわち、(イ)前記報知手段は、音声又は音を発生する音発生手段を有すること。
ること。
【0008】
また、本考案が提供する請求項4に係る電子機器装置は、請求項1乃至請求項3に下記の要件を付加したことを特徴とする。すなわち、(イ)前記報知手段は、振動を発生する振動発生手段を有すること。
ること。
【0009】
また、本考案が提供する請求項5に係る電子機器装置は、請求項1乃至請求項4に下記の要件を付加したことを特徴とする。すなわち、(イ)前記報知手段は、点灯又は点滅する発光手段を有すること。
ること。
【0010】
【考案の実施の形態】
本願考案に係る実施の形態を図面を参照して説明する。
本考案に係る電子機器装置1は、簡易型携帯電話機(PHS)、携帯電話装置、ポケットベル(ページャ)、各種移動通信装置、携帯用通信機、通信機能を有する電子手帳、カード型の適宜の電子機器装置に適用される。
請求項1に係る電子機器装置1は、図1に示すように制御装置3と、複数のキースイッチから成る操作部5を有する。操作部5は自己の個人情報を入力する入力手段である。この個人情報としては、例えば、性別、誕生日、血液型、年齢、趣味、嗜好、居住している地域又は住所、服装、持ち物、身長、体重、眼鏡の有無等の各種情報から構成される。もちろん、これらの情報の中から1又は2以上の情報を選択して用いても良い。そして、これらの個人情報は予め設定された手順に従って順次入力され、記憶される。
【0011】
また、制御装置3にはROM7及びRAM9が接続されている。ROM7は、各種制御用プログラム、相性を判定するための判定用プログラム及びバイオリズム算出用プログラム等の各種プログラムを記憶している。また、ROM7は前記入力された個人情報をコード情報に変換するための変換テーブルを記憶し、コード化された個人情報を記憶している。更に、ROM7は、受信した電波の受信強度を計測する計測プログラムと、この計測された受信強度に基づいて、自装置と他の電子機器装置との距離を算出する算出プログラムを記憶している。RAM9はワーク用のメモリである。
制御装置3は、CPU等の演算処理部を有し、前記ROM7から読み取ったプログラムに基づいて制御処理を実行する。そして、制御装置3は、前記変換テーブルを参照して入力された個人情報をコード情報に変換する。従って、ROM7にはコード化された個人情報が記憶されており、このコード化された個人情報は制御装置3によって必要に応じて読み出される。また、制御装置3は、コード化された個人情報を元の個人情報に復元するものである。
【0012】
制御装置3には、送受信回路部11及び内蔵アンテナ13が接続されている。
送受信回路部11と内蔵アンテナ13とで前記コード化された個人情報を送信する送信手段を構成する。この時の送信電波の強さは、例えば、半径50メートルの領域内にのみ到達し得る程度の電界強度に設定される。もちろん、これ以上の強力な電波で送信するようにしても良い。また、基地局を経由して更に広い地域へ個人情報を送信するように構成しても良い。
また同様に、他の電子機器装置からは、その所有者の個人情報が送信されており、当該他の個人情報を受信する受信手段を有する。上記送受信回路部11と内蔵アンテナ13とで他の個人情報を受信する受信手段を構成する。
【0013】
制御装置3は、前記ROM7に記憶された相性判定プログラムに従って自己の個人情報と、受信した他の個人情報とを比較して双方の相性を判定する判定手段を有する。この相性判定は、例えば、一方が男性であり、他方が女性であるか否か、年齢が近いか否か、住所又は居所が近いか否か等を考慮して判定される。また、複数の個人情報の中で重要な項目について重み付けをして判定するように構成すると、相性判定の結果に正確さを高めることができる。また、相性を判定する際に、各個人情報に基づいて算出されたバイオリズムや各種アルゴリズムを参照して行うことができる。
電子機器装置1は、前記判定手段によって双方の相性が良いと判定された場合には、その相性の良い個人情報を送信している他の電子機器装置が交信可能な領域内に存在することを報知する1又は2以上の報知手段を有する。
すなわち、制御装置3には駆動回路15を介して圧電ブザー16が接続されると共に、駆動回路17を介して振動体18が接続されている。この振動体18は電圧を印加したときに振動を発生する適宜の圧電素子から構成される。
圧電ブザー16は、音又は音声を発生させて報知する報知手段であり、振動体18は振動を発生させることにより報知する報知手段である。従って、相性の良い相手が交信可能な領域内に存在する場合は、圧電ブザー16が音又は音声を発生すると共に、振動体18が振動を発生させて報知するものである。
上記圧電ブザー16の代わりに偏平な薄型のスピーカを用いて構成しても良い。また、振動体18は、マイクロモータを使用し、そのマイクロモータの回転軸に偏芯した重りを取り付けて構成しても良い。このように、マイクロモータの重りが偏芯した状態で回転することにより振動を発生させることができる。
また、圧電ブザー16、振動体18の内、いずれか1方の報知手段のみを設けて構成することができ、更に、他の種類の報知手段、例えば、点灯し若しくは点滅する発光素子等を設けて構成しても良い。
【0014】
制御装置3は、前述の計測プログラムに従って相性が良いと判定された個人情報の受信強度を計測する計測手段を有する。そして、制御装置3は、前述の算出プログラムに従って自装置と他の電子機器装置との距離を算出する算出手段を有する。この自装置と他の電子機器装置との距離の算出は、前記受信強度の計測結果を参照して行われる。
このように、本考案に係る電子機器装置1は、不特定多数の人との相性を簡単、且つ容易に判定することができる。
そして、制御装置3には、表示手段である表示器19が接続されている。この表示器19は、液晶表示器等の適宜の表示器が用いられ、前記算出手段によって算出された距離を表示する。この表示器19は算出された距離をアナログ的に、若しくはデジタル的に表示するものである。例えば、図4に示すように、表示器19には複数の枡が表示されると共に、この枡を順次点灯させることにより、自装置と他の電子機器装置との距離が短くなっていることを表示する。もちろん、表示器19は、自装置と他の電子機器装置との距離を直接的に数字表示するものでも良い。
従って、電子機器装置1の所有者は、移動しながら表示器19の表示内容を確認しつつ、相手の個人情報を参照することにより不特定多数の人の中から相性の良い相手を探し出すことができる。
尚、前記相性判定手段が相性は良くないと判定した場合は、受信した相手の個人情報をコード情報から元の情報に復元する作業を禁止するように構成すると、プライバシーを確実に保護することができる。
【0015】
請求項2に係る電子機器装置30は、簡易型携帯電話装置(PHS)、携帯電話装置に適用したものである。図6に示すように電話機や他の電子機器装置とのあいだで文字通信(いわゆるPメール)やデータ通信又は通話を行うための送受信回路31を有する。
また、送受信回路31にはマイクロホン35及びスピーカ37が接続されている。マイクロホン35は通話に関する音声情報を入力するものであり、スピーカ37は通話に関する音声情報を出力するものである。そして、送受信回路31は、送信回路、受信回路、高周波増幅回路、中間周波増幅回路、変調回路、復調回路、チャネルコーデック(TDMA)、ADPCM、A/D変換回路、D/A変換回路等の種々の回路部を有する。
電子機器装置30は制御装置22を有し、制御装置22はCPU41、インタフェース回路43、駆動回路45、通信制御回路47を有する。CPU41には、インタフェース回路43を介して複数のキースイッチから成る操作部27が接続されている。操作部27は自己の個人情報を入力する入力手段である。この個人情報としては、例えば、性別、誕生日、血液型、年齢、趣味、嗜好、居住している地域又は住所、服装、持ち物、身長、体重、眼鏡の有無等の各種情報から構成される。もちろん、これらの情報の中から1又は2以上の情報を選択して用いても良い。そして、これらの個人情報は予め設定された手順に従って順次入力され、記憶される。
【0016】
また、制御装置22にはROM23及びRAM25が接続されている。ROM23は、各種制御用プログラム、相性を判定するための判定用プログラム及びバイオリズム算出用プログラム等の各種プログラムを記憶している。また、ROM23は前記入力された個人情報をコード情報に変換するための変換テーブルを記憶し、コード化された個人情報を記憶している。RAM25はワーク用のメモリである。
制御装置22は、演算処理部であるCPU41を有し、前記ROM23から読み取ったプログラムに基づいて制御処理を実行する。そして、制御装置22は、前記変換テーブルを参照して入力された個人情報をコード情報に変換する。従って、ROM23にはコード化された個人情報が記憶されており、このコード化された個人情報は制御装置22によって必要に応じて読み出される。また、制御装置22は、コード化された個人情報を元の個人情報に復元するものである。
【0017】
送受信回路部31には内蔵アンテナ33が接続されている。送受信回路部31と内蔵アンテナ33とで前記コード化された個人情報を送信する送信手段を構成する。この個人情報は図示しない基地局を経由して送信される。
また同様に、他の電子機器装置からは、その所有者の個人情報が基地局を介して送信されるので、当該他の個人情報を受信するための受信手段を有する。上記送受信回路部31と内蔵アンテナ33とで他の個人情報を受信する受信手段を構成する。
【0018】
CPU41は、前記ROM23に記憶された相性判定プログラムに従って自己の個人情報と、受信した他の個人情報とを比較して双方の相性を判定する判定手段である。この相性判定は、例えば、一方が男性であり、他方が女性であるか否か、年齢が近いか否か、住所又は居所が近いか否か等を考慮して判定される。また、複数の個人情報の中で重要な項目について重み付けをして判定するように構成すると、相性判定の結果に正確さを高めることができる。また、相性を判定する際に、各個人情報に基づいて算出されたバイオリズムや各種アルゴリズムを参照して行うことができる。
電子機器装置30は、前記判定手段によって双方の相性が良いと判定された場合には、その判定結果を報知する1又は2以上の報知手段を有する。
すなわち、CPU41には駆動回路45を介して音出力部26が接続されると共に、駆動回路45を介して振動発生部28が接続されている。この振動発生部28は電圧を印加したときに振動を発生する適宜の圧電素子から構成される。
音出力部26は、音又は音声を発生させて報知する報知手段であり、振動発生部28は振動を発生させることにより報知する報知手段である。従って、相性の良い相手であることが判定された場合は、音出力部26が音又は音声を発生すると共に、振動発生部28が振動を発生させて報知するものである。
上記音出力部26の代わりに偏平な薄型のスピーカを用いて構成しても良い。
また、振動発生部28は、マイクロモータを使用し、そのマイクロモータの回転軸に偏芯した重りを取り付けて構成しても良い。このように、マイクロモータの重りが偏芯した状態で回転することにより振動を発生させることができる。
また、音出力部26、振動発生部28の内、いずれか1方の報知手段のみを設けて構成することができ、更に、他の種類の報知手段、例えば、点灯し若しくは点滅する発光素子等を設けて構成しても良い。
【0019】
制御装置22は、前述の判定プログラムに従って相性が良いと判定された相手の位置情報の検索を要求する要求手段を有する。この要求手段は、CPU41と通信制御回路47とで構成される。このように電子機器装置30が相手装置の位置情報の検索を要求すると、位置情報検索用のサーバに接続され、当該サーバで検索された相手装置の位置情報が電子機器装置30へ返送される。
送受信回路部31は、前記要求手段によって要求された相手の位置情報を受信するものである。
そして、制御装置22には、表示手段である表示部29が接続されている。この表示部29は、液晶表示器等の適宜の表示器が用いられ、前記受信手段によって受信された相手の位置情報を表示する。
【0020】
また、請求項3に係る電子機器装置1は、請求項1又は請求項2に下記の要件を付加したことを特徴とする。すなわち、報知手段は、音声又は音を発生する音発生手段を有し、例えば、ブザーやスピーカ等を用いて音声又は音によって良い相性であることを報知するようにしたものである。従って、相性判定の結果を聴覚的に知ることができる。
【0021】
また、請求項4に係る電子機器装置1は、請求項1乃至請求項3について下記の要件を付加したことを特徴とする。すなわち、報知手段は、振動を発生する振動発生手段を有し、振動によって良い相性であることを報知するようにしたものである。従って、相性判定の結果を皮膚感覚の刺激によって知ることができる。
【0022】
また、請求項5に係る電子機器装置1は、請求項1乃至請求項4について下記の要件を付加したことを特徴とする。すなわち、報知手段は、点灯又は点滅する発光手段を有し、点灯又は点滅することにより良い相性であることを報知するようにしたものである。従って、相性判定の結果を視覚的に知ることができる。
【0023】 次に、本考案に係る実施例を説明する。
図2に示すように、本考案に係る電子機器装置1は、薄型のカード状に形成され、ポケット等に収納することができ携帯に便利である。また、電子機器装置1は、複数のキースイッチ5a,5b,5c,5d,5eを有する。
キースイッチ5aは、動作モード等を切り換えるための選択用のスイッチである。キースイッチ5bは、決定用のスイッチである。キースイッチ5cは、キャンセル用のスイッチである。キースイッチ5dは、例えば表示内容をスクロールさせるためのスイッチである。キースイッチ5eは、例えば各種情報の送信を指示するためのスイッチである。また、情報入力モードにおいては、キースイッチ5a,5b,5c,5d,5eを操作することにより、文字情報や数字情報を入力することができ、これにより図3に示すような個人情報を入力することができる。
尚、キースイッチの数及び機能は上記には限定されず、適宜の数のキースイッチを設けることができ、また、各キースイッチには他の機能を付加することができる。
【0024】 電子機器装置1のほぼ中央部には、表示器19が設けられている。表示器19は、自装置と他の電子機器装置との距離を表示する。すなわち、制御装置3は、相性が良いと判定された個人情報の受信強度を計測し、その計測結果に基づいて自装置と他の電子機器装置との距離を算出しており、この算出された結果を表示器19に表示させるものである。これにより、表示器19は図4に示すように、複数の枡を順次点灯させることにより、自装置と他の電子機器装置との距離が縮まっていることを表示する。
【0025】 次に、作用を説明する。
まず、自装置1aの所有者は、操作部5を操作して自己の個人情報、例えば、図3に示すような誕生日、血液型等の情報及び性別、年齢、趣味、居住している地域又は住所等の各種情報を入力する。これらの入力された個人情報はコード情報に変換された後にROM7に記憶される。
制御装置3は、前記ROM7に記憶された個人情報を読み取ると共に、送受信回路部11及び内蔵アンテナ13を介して送信する。自装置1aから送信される電波は、半径50メートルの領域21a内に到達する。
一方、他の電子機器装置1bも同様に、その所有者の情報である他の個人情報を送信しており、この電子機器装置1bから送信される電波は半径50メートルの領域21b内に到達する。
【0026】 図5に示すように、領域21aと領域21bとの一部が重なり合っており、その重なり合っている領域21cに双方の電子機器装置1a,1bが存在する場合は、互いに相手の個人情報を受信することができる。
自装置1aが電子機器装置1bから送信された他の個人情報を受信すると、制御装置3は、ROM7に記憶された相性判定プログラムに従って自己の個人情報と、受信した他の個人情報とを比較して双方の相性を判定する。
ここで、自装置1aの判定手段によって双方の相性が良いと判定された場合には、その相性の良い個人情報を送信している他の電子機器装置1bが交信可能な領域21c内に存在することを報知する。
すなわち、相性の良い相手が交信可能な領域21c内に存在する場合は、圧電ブザー16が音又は音声を発生すると共に、振動体18が振動を発生させて知らせる。
【0027】
自装置1aの制御装置3は、前述の計測プログラムに従って相性が良いと判定された個人情報の受信強度を計測すると共に、この計測結果に基づいて自装置1aと他の電子機器装置1bとの距離を算出する。
そして、自装置1aの表示器19は、前記算出された距離を表示する。すなわち、図4に示すように、表示器19には複数の枡が表示されると共に、この枡を順次点灯させることにより、自装置1aと他の電子機器装置1bとの距離が狭まっていることを表示する。従って、自装置1aの所有者は、移動しながら表示器19の表示内容を確認することにより、相手に近づくことができる。
【0028】
ここで、相手の個人情報の中に服装や持ち物、眼鏡の有無等の情報が含まれている場合は、これらの情報と前記距離情報とに基づいて相手を特定することができる。例えば、相手の個人情報として「赤いスカートを着用し、眼鏡を掛けている女性」というメッセージが表示器19に表示された場合は、不特定多数の中から目的の女性を探し出すことができる。
このようにして相手が特定されて、その相手が気に入れば、自装置1aの所有者は、操作部5を操作してその相手に、例えば、「交際して下さい。」等の伝言情報や他のメッセージ又は告白情報を送信することができる。
一方、相手である他の電子機器装置1bの所有者は、前記伝言情報や告白情報を受信すると、これが復元されて表示器に表示されるので、その伝言情報や告白情報に対して応答することができる。すなわち、図4に示すように、他の電子機器装置1bの所有者は、操作部5を操作して例えば、「Yes]の応答情報を電子機器装置1aに送信することができる。
【0029】
次に、図6に示す実施例の作用を説明する。
電子機器装置30は、送受信回路31を介して他の電子機器装置とのあいだで文字通信(いわゆるPメール)やデータ通信又は通話を行うことができる。
電子機器装置30の所有者は、操作部27の複数のキースイッチを操作して自己の個人情報を入力することができる。この個人情報は、例えば、性別、誕生日、血液型、年齢、趣味、嗜好、居住している地域又は住所、服装、持ち物、身長、体重、眼鏡の有無等の各種情報から構成される。もちろん、これらの情報の中から1又は2以上の情報を選択して用いても良い。そして、これらの個人情報は予め設定された手順に従って順次入力され、ROM23に記憶される。この個人情報はROM23から読み出され、送受信回路部31を通って内蔵アンテナ33から発射され、図示しない基地局を経由して広範囲な地域に送信される。
また同様に、他の電子機器装置からは、その所有者の個人情報が基地局を介して送信されるので、当該他の個人情報を基地局、内蔵アンテナ33、送受信回路部31を介して受信する。
【0030】
CPU41は、前記ROM23に記憶された相性判定プログラムに従って自己の個人情報と、受信した他の個人情報とを比較して双方の相性を判定する。この相性判定は、例えば、一方が男性であり、他方が女性であるか否か、年齢が近いか否か、住所又は居所が近いか否か等を考慮して判定される。また、複数の個人情報の中で重要な項目について重み付けをして判定するように構成すると、相性判定の結果に正確さを高めることができる。また、相性を判定する際に、各個人情報に基づいて算出されたバイオリズムや各種アルゴリズムを参照して行うことができる。
電子機器装置30は、前記判定手段によって双方の相性が良いと判定された場合には、音出力部26が音又は音声を発生すると共に、振動発生部28が振動を発生させて報知する。
上記音出力部26の代わりに偏平な薄型のスピーカを用いて構成しても良い。
また、振動発生部28は、マイクロモータを使用し、そのマイクロモータの回転軸に偏芯した重りを取り付けて構成しても良い。このように、マイクロモータの重りが偏芯した状態で回転することにより振動を発生させることができる。
また、音出力部26、振動発生部28の内、いずれか1方の報知手段のみを設けて構成することができ、更に、他の種類の報知手段、例えば、点灯し若しくは点滅する発光素子等を設けて構成しても良い。
【0031】
電子機器装置30は、前述の判定プログラムに従って相性が良いと判定された相手の位置情報の検索を要求することができる。このように電子機器装置30が相手装置の位置情報の検索を要求すると、位置情報検索用のサーバに接続され、当該サーバで検索された相手装置の位置情報が電子機器装置30へ返送される。
送受信回路部31が前記要求した相手の位置情報を受信すると、この受信した相手の位置情報は表示部29に表示される。これにより、相性が良いと判定された相手の現在位置を容易に知ることができる。
【0032】
【考案の効果】
以上説明してきたように請求項1に係る考案は、自己の個人情報を入力する入力手段と、この入力された個人情報を送信する送信手段を有する。また、他の電子機器装置から他の個人情報を受信する受信手段を有する。自己の個人情報と、受信した他の個人情報とを比較して双方の相性を判定する判定手段を有し、判定手段によって双方の相性が良いと判定された場合は、その相性の良い個人情報を送信している他の電子機器装置が交信可能な領域内に存在することを報知する1又は2以上の報知手段を有するので、不特定多数の人に個人情報を発信して自己アピールを行うことができるという効果を有する。
そして、相性が良いと判定された個人情報の受信強度を計測する計測手段を有し、この計測手段の計測結果に基づいて、自装置と前記他の電子機器装置との距離を算出する算出手段を有し、算出手段によって算出された距離を表示する表示手段を有して構成したので、不特定多数の人との相性を簡単、且つ容易に判定することができ、相性が良いと判定された相手を容易に探し出すことのできる興趣性の高い電子機器装置を提供することができるという効果を有する。
【0033】
また、請求項2に係る考案は、自己の個人情報を入力し、その個人情報を基地局を介して送信する送信手段を有する。また、他の電子機器装置から他の個人情報を基地局を介して受信する受信手段を有する。自己の個人情報と、受信した他の個人情報とを比較して双方の相性を判定し、双方の相性が良いと判定された場合は、その判定結果を報知する1又は2以上の報知手段を有する。相性が良いと判定された相手の位置情報の検索を要求すると、相手の位置情報が受信手段で受信され表示されるので、相性が良いと判定された相手の現在位置を容易に知ることができるという効果を有する。
また、積極的でない内気な人が広範囲の地域にわたって、自動的に異性に対する自己アピールを容易、且つ簡単に行うことができ、異性との相性を簡単、且つ容易に判定することができるという効果を有する。
【0034】
また、請求項3に係る考案は、音声又は音を発生する音発生手段を用いて報知手段を構成したので、相性判定の結果、良い相性であることを聴覚的に確認することができるという効果を有する。
【0035】
また、請求項4に係る考案は、振動を発生する振動発生手段を用いて報知手段を構成したので、良い相性であることを皮膚感覚の刺激によって感知することができるという効果を有する。
【0036】 また、請求項5に係る考案は、点灯又は点滅する発光手段を用いて報知手段を構成したので、相性判定の結果、良い相性であることを視覚的に確認することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る電子機器装置の回路図である。
【図2】本考案に係る電子機器装置の正面図である。
【図3】個人情報の一例を示した説明図である。
【図4】表示内容の一例を示した説明図である。
【図5】本考案に係る電子機器装置から発射される電波の到達距離を示した説明図である。
【符号の説明】
1 電子機器装置
3 制御装置
5 操作部
7 ROM
9 RAM
11 送受信回路部
13 内蔵アンテナ
15 駆動回路
16 圧電ブザー
17 駆動回路
18 振動体
19 表示器
21a 領域
21b 領域
21c 領域

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 下記の要件を備えたことを特徴とする電子機器装置。
(イ)自己の個人情報を入力する入力手段を有すること。
(ロ)前記入力された個人情報を送信する送信手段を有すること。
(ハ)他の電子機器装置から他の個人情報を受信する受信手段を有すること。
(ニ)自己の個人情報と、受信した他の個人情報とを比較して双方の相性を判定する判定手段を有すること。
(ホ)前記判定手段によって双方の相性が良いと判定された場合は、その相性の良い個人情報を送信した他の電子機器装置が交信可能な領域内に存在することを報知する1又は2以上の報知手段を有すること。
(ヘ)前記相性が良いと判定された個人情報の受信強度を計測する計測手段を有すること。
(ト)前記計測手段の計測結果に基づいて、自装置と前記他の電子機器装置との距離を算出する算出手段を有すること。
(チ)前記算出手段によって算出された距離を表示する表示手段を有すること。
【請求項2】 下記の要件を備えたことを特徴とする電子機器装置。
(イ)自己の個人情報を入力する入力手段を有すること。
(ロ)前記入力された個人情報を基地局を介して送信する送信手段を有すること。
(ハ)他の電子機器装置から他の個人情報を基地局を介して受信する受信手段を有すること。
(ニ)自己の個人情報と、受信した他の個人情報とを比較して双方の相性を判定する判定手段を有すること。
(ホ)前記判定手段によって双方の相性が良いと判定された場合は、その判定結果を報知する1又は2以上の報知手段を有すること。
(ヘ)前記相性が良いと判定された相手の位置情報の検索を要求する要求手段を有すること。
(ト)前記受信手段は、前記要求手段によって要求された相手の位置情報を受信すること。
(チ)前記受信手段によって受信された相手の位置情報を表示する表示手段を有すること。
【請求項3】 下記の要件を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子機器装置。
(イ)前記報知手段は、音声又は音を発生する音発生手段を有すること。ること。
【請求項4】 下記の要件を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の電子機器装置。
(イ)前記報知手段は、振動を発生する振動発生手段を有すること。ること。
【請求項5】 下記の要件を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の電子機器装置。
(イ)前記報知手段は、点灯又は点滅する発光手段を有すること。ること。

【図3】
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【図4】
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【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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