説明

電子機器配線構造

【考案の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本考案は差圧、圧力発信器等の筐体内に収納される電子機器の基板から延在される配線の処理構造に関する。
〔従来の技術〕
従来、差圧、圧力発信等の筐体内には第1図に示すように基板が収納されている。
そして該基板の片側周面には基板を保護し、かつ基板を保持する為のブラケットが設けられている。
そして、該基板上の回路素子から延在する配線が蓋組付の際、はさまれて断線しないよう、途中で保持する構造としていた。
具体的には、該ブラケットの一部に第2図に示すように前記回路素子から延在する配線を保持するための樹脂製のファスナーを嵌設し、該ファスナーに配線を通している。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところが、従来の配線処理構造だとファスナーをブラケットに嵌設する工程が必要であり、コスト面、組立時間面で不利であった。
また、ブラケットを樹脂製としファスナーをブラケットに一体成形する方法も考えられるが、ファスナー自体の形状が複雑なので成形技術上困難であった。
さらに第3図に示すようにブラケットに切欠を設ける構造も考えられるが、配線の保持能力が十分でなかった。
〔課題を解決するための手段〕
本考案は上記目的を達成するためブラケットの側面に,水平面の一方にL型突起をその開口面を水平面と一致させて形成し,かつ他方に矩形突起をその一面を水平面に一致させ,少なくともブラケット側面からの突出量をL型突起の突出量と同一として形成すると共に,前記L型突起と矩形突起を上記水平面方向に配線太さよりわずかに離間させて位置させた構造とする。
〔作用〕
本考案における構成をとることにより、一体成形による構造をとることができ、かつ、配線が抜けにくい構造となる。
〔実施例〕
以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて説明する。
第4図は本考案に係る電子機器配線構造の一実施例を示す斜視図である。
この図において、1は基板本体で該基板本体の片面周囲にブラケット2が固設されている。
該ブラケット2の外周面の一部には矩形突起3が前記ブラケット2に一体成形し、該矩形突起3と該L型突起4の間隙に、前記基板本体1上に固設した回路素子5から延在する配線6を引っ掛け保持する。
〔考案の効果〕
以上の構成をとることにより,配線をたやすくL型突起と矩形突起の間に挿入し引っかけることが可能であるばかりか,無理な曲げを生じさせないで配線の保持を可能とし,また配線は各種の太さの配線を取り付けることができ,かつ突起部が破損することもない。
また,ブラケットを成形する際,モールド型の寿命を短くすることがなく、かつ、配線保持部を一体成形することができ、コストダウンをはかることができる。
また、組立時間の短縮が可能となり、さらに、モールド型は2分割の単純で安価な構造で制作可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案の差圧、圧力発信器における従来例を示す図、第2図は第1図の詳細説明図、第3図は他の従来例を示す図、第4図は本考案を示す斜視図である。
1……基板本体、2……ブラケット
3……矩形突起、4……L型突起
5……回路素子、6……配線

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】プリント基板の片面周囲を覆うブラケットの側面に,一端を固定したL型突起と,このL型突起の他端の自由端面と同一水平面上に一面を有し,少なくも前記L型突起のブラケット側面からの突出量と同一突出量を備え,前記L型突起の反固定端側に形成した矩形突起とを一体成形すると共に,前記L型突起と矩形突起とを前記水平面方向に配線太さよりわずかに離して配設し,前記ブラケットとL型突起に囲まれる空間と矩形突起の一面とで配線保持部を構成したことを特徴とする電子機器配線構造。

【第1図】
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【第2図】
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【第3図】
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【第4図】
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【公告番号】実公平7−55029
【公告日】平成7年(1995)12月18日
【考案の名称】電子機器配線構造
【国際特許分類】
【出願番号】実願昭63−98786
【出願日】昭和63年(1988)7月26日
【公開番号】実開平2−20381
【公開日】平成2年(1990)2月9日
【出願人】(999999999)山武ハネウエル株式会社
【参考文献】
【文献】実開昭60−183473(JP,U)
【文献】実公昭56−33191(JP,Y2)