説明

電子機器

【課題】 表示器を大きく形成しても、支持部材の長さの影響を受けずに、装置全体をコンパクトに構成することができる電子機器を提供する。
【解決手段】 機器本体1に対して回転表示器4を上下方向に移動可能に支持する支持機構16が、回転表示器4を支持した状態で上下方向に沿って複数段に伸縮する支持部材18と、この支持部材18を機器本体1の表示収納部17内に出没可能に保持する支持取付部19とを備えている。従って、支持部材18を複数段に収縮させて支持部材18全体の長さを短くすることができるので、支持部材18を機器本体1にコンパクトに収納することができると共に、支持部材18の収納時における長さを短くしても、支持部材18を複数段に引き伸ばして長くすることができるので、回転表示器4を機器本体1の上方に確実に配置させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子レジスタなどの電子機器に関し、更に詳しくは機器本体に対して表示器が出没する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電子レジスタなどの電子機器においては、特許文献1に記載されているように、機器本体の背面に回転表示器を出没可能に収納する表示収納部を設け、この表示収納部内に表示取付板を配置し、この表示取付板に1本の支持軸を上下方向に出没可能に取り付け、この支持軸の上端部に回転表示器を回転可能に取り付けた構成のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平01−177694号公報
【0004】
このような電子機器は、機器本体の表示収納部内に配置される表示取付板に、1本の支持軸が出没可能に挿入する保持筒を設け、この保持筒に支持軸を所定の引き出し位置に規制するための位置規制部を設けると共に、保持筒に保持される支持軸を機器本体の表示収納部の深さよりも少し長く形成して、回転表示器を機器本体の上方に支持することにより、回転表示器の側面に設けられた表示パネルを見やすくするように構成されている。
【0005】
このような電子機器では、支持軸を保持筒内に押し込むことにより、回転表示器を機器本体の表示収納部内に収納することができ、また支持軸を保持筒内から上方に引き出すことにより、回転表示器を機器本体の表示収納部の上方に支持することができると共に、この状態で回転表示器を回転させて、回転表示器の表示パネルの向きを自由に変えることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような電子機器は、1本の支持軸が機器本体の表示収納部の深さよりも少し長く形成されているので、支持軸を保持筒内に押し込んで回転表示器を機器本体の表示収納部内に収納する際に、支持軸が保持筒内に押し込まれて機器本体の表示収納部の下側に挿入するため、表示収納部の下側に位置する機器本体の厚みを支持軸の長さよりも長く形成しなければ、支持軸を収納することができないという問題がある。
【0007】
また、このような電子機器では、回転表示器の表示パネルに表示された情報を見やすくするために、表示パネルを大きく形成して、表示パネルを大画面化すると、これに伴って回転表示器が大きくなる。この場合には、回転表示器の大きさに応じて、支持軸を長く形成する必要があり、これに伴って機器本体の高さを高くしなければならないため、機器全体が大型化してしまうという問題が生じる。
【0008】
この発明が解決しようとする課題は、表示器を大きく形成しても、支持部材の長さの影響を受けずに、装置全体をコンパクトに構成することができる電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、機器本体に対して表示器を上下方向に移動可能に支持する支持機構を備えた電子機器において、前記支持機構は、前記表示器を支持した状態で上下方向に沿って複数段に伸縮する支持部材と、この支持部材を前記機器本体に対して出没可能に保持する支持取付部とを備えていることを特徴とする電子機器である。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、支持部材を複数段に収縮させて支持部材全体の長さを短くすることができるので、支持部材を機器本体にコンパクトに収納することができると共に、支持部材の収納時における長さを短くしても、支持部材を複数段に引き伸ばして長くすることができるので、表示器を機器本体の上方に確実に配置させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明を電子レジスタに適用した実施形態1を示した斜視図である。
【図2】図1に示された電子レジスタを背面側から見た斜視図である。
【図3】図2に示された電子レジスタにおいて、回転表示器を機器本体の上方に引き上げた状態を示した斜視図である。
【図4】図1に示された電子レジスタの平面図である。
【図5】図1に示された電子レジスタの正面図である。
【図6】図1に示された電子レジスタを右側から見た側面を示し、(a)は機器本体上に入力表示ユニットを緩やかに傾斜させて配置した状態を示した側面図、(b)は機器本体上に入力表示ユニットを後部上がりに起立させた状態を示した側面図である。
【図7】図1に示された電子レジスタを左側から見た側面を示し、(a)は機器本体の表示収納部内に回転表示器を収納した状態を示した側面図、(b)は機器本体の上方に回転表示器を引き上げた状態を示した側面図である。
【図8】図3に示された回転表示器を機器本体の表示収納部内に出没可能に支持する支持機構を一部破断して示した要部の分解斜視図である。
【図9】図8に示された支持機構の支持部材を一部破断して示した要部の分解斜視図である。
【図10】図9に示された支持部材の伸縮状態を示し、(a)は支持部材を収縮させた状態を示した要部の拡大断面図、(b)は支持部材を引き伸ばして位置規制した状態を示した要部の拡大断面図である。
【図11】この発明を電子レジスタに適用した実施形態2を示した斜視図である。
【図12】図11に示された電子レジスタにおいて、回転表示器を支持する支持機構を分解して示した斜視図である。
【図13】図12に示された支持機構の支持部材を分解して示した要部の拡大断面図である。
【図14】図13に示された支持部材の伸縮状態を示し、(a)は支持部材を収縮させた状態を示した要部の拡大断面図、(b)は支持部材を引き伸ばして位置規制した状態を示した要部の拡大断面図である。
【図15】この発明を電子レジスタに適用した実施形態3を示した背面図である。
【図16】図15に示された電子レジスタにおける回転表示器の支持機構を分解して示した要部の拡大断面図である。
【図17】図16に示された支持機構を収縮させた状態を示した要部の拡大断面図である。
【図18】図16に示された支持機構を引き伸ばして位置規制した状態を示した要部の拡大断面図である。
【図19】この発明を電子レジスタに適用した実施形態4において、回転表示器を支持する支持機構を分解して示した斜視図である。
【図20】図19に示された支持機構を破断して示した要部の拡大断面図である。
【図21】図20に示された支持機構を異なる箇所で破断して示した要部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態1)
以下、図1〜図10を参照して、この発明を電子レジスタに適用した実施形態1について説明する。
この電子レジスタは、図1〜図3に示すように、機器本体1を備えている。この機器本体1には、入力表示ユニット2、プリンタユニット3、および回転表示器4が搭載されている。
【0013】
入力表示ユニット2は、図1〜図3に示すように、ユニットケース5の上面にタッチ入力部6を設けたものであり、顧客が購入する商品の情報をオペレータがタッチ入力部6のタッチ操作によって入力するように構成されている。この場合、タッチ入力部6は、図示しないが、表示パネルの上面に透明なタッチパネルを配置した構成になっている。
【0014】
このタッチ入力部6は、図1〜図3に示すように、表示パネルに表示された情報を見ながらタッチパネルをタッチ操作して、売買する商品の情報を入力すると共に、その入力された情報が表示パネルに表示されるように構成されている。この場合、ユニットケース5は、図1〜図3に示すように、機器本体1の一部分(図3では左側の部分)を除いた箇所の機器本体1上に、前下がりに傾斜した状態で配置されている。
【0015】
すなわち、機器本体1上には、図6(a)および図6(b)に示すように、半円弧状の支持凹部7が設けられており、ユニットケース5の下面には、半円筒状の回転凸部8が設けられている。これにより、ユニットケース5は、その下面の半円筒状の回転凸部8が機器本体1上の半円弧状の支持凹部7上に配置された状態で、この支持凹部7上を前後方向に向けて回転移動することにより、後部(図6(b)では右側)が競り上がって傾斜するように構成されている。
【0016】
プリンタユニット3は、図1〜図5、および図7に示すように、機器本体1上に開閉可能に配置されたプリンタカバー10と、このプリンタカバー10の下側に位置する機器本体1の内部に設けられたプリンタ部11と、このプリンタ部11の近傍に位置する機器本体1内に設けられた記録紙収納部12とを備え、機器本体1における入力表示ユニット2の左隣に配置されている。
【0017】
プリンタカバー10は、図1〜図5に示すように、入力表示ユニット2の上面とほぼ同じ高さで、且つ前下がりに傾斜した状態で、機器本体1上に配置されている。プリンタ部11は、印字部とプラテン部とを備え、これらの間に記録紙収納部12に収納された記録紙13が送り込まれ、この送り込まれた記録紙13に印刷情報を印刷して送り出するように構成されている。
【0018】
すなわち、このプリンタ部11は、図7(a)および図7(b)に示すように、記録紙収納部12内に収納されたロール状の記録紙13を順次引き出し、この引き出した記録紙13に印刷情報を印刷し、この印刷した記録紙13をプリンタカバー10に設けられた記録紙排出口10aから機器本体1の外部に排出するように構成されている。
【0019】
一方、回転表示器4は、図1〜図3に示すように、オペレータが入力した情報を表示し、この表示した情報を顧客が見えるようにするためのものであり、表示ケース14に情報を表示する表示パネル15を設け、この表示ケース14を支持機構16によって機器本体1に対して上下方向に伸縮移動可能に支持するように構成されている。
【0020】
この場合、表示ケース14は、図1〜図3に示すように、横長の長方形の箱状に形成されている。また、表示パネル15は、液晶表示素子やEL(エレクトロ・ルミネッセンス)表示素子などの平面型の表示素子からなり、表示ケース14の背面側に位置する側面に横長状態で配置され、オペレータが入力した情報などの電子レジスタに必要な各種の情報を電気光学的に表示するように構成されている。
【0021】
また、この回転表示器4は、図1〜図3に示すように、機器本体1の背面に設けられた表示収納部17内に出没可能に収納されるように構成されている。支持機構16は、図8〜図10に示すように、回転表示器4を支持した状態で上下方向に沿って複数段に伸縮する支持部材18と、この支持部材18を機器本体1の表示収納部17内に出没可能に保持する支持取付部19とを備えている。
【0022】
支持部材18は、図8〜図10に示すように、上下方向に伸縮する複数の筒軸20、21と、この複数の筒軸20、21の相対的な引き出し位置を規制する筒規制部22とを備えている。複数の筒軸20、21は、それぞれ径が異なり、一方の筒軸20の内部に他方の筒軸21が出没可能に挿入するように構成されている。
【0023】
すなわち、最も外側に位置する大径の筒軸20は、図8および図9に示すように、その外径が他方の筒軸21よりも大きく形成されており、この大径の筒軸20の内部には、これよりも外径の小さい他方の筒軸21がその軸方向に沿って移動可能に挿入されている。この外径の小さい小径の筒軸21の上部には、図3および図8に示すように、回転表示器4の表示ケース14の底部が水平方向に回転可能な状態で取り付けられている。
【0024】
また、この複数の筒軸20、21は、図3および図8に示すように、それぞれ軸方向の長さが回転表示器4の高さのほぼ半分程度の長さ、つまり回転表示器4の表示ケース14を収納する機器本体1の表示収納部17における深さのほぼ半分程度の長さに形成され、複数の筒軸20、21を軸方向に沿って相対的に引き出した際に、その両方の筒軸20、21の全長が表示収納部17の深さよりも長くなるように構成されている。
【0025】
筒規制部22は、図9および図10に示すように、複数の筒軸20、21のうち、小径の筒軸21を大径の筒軸20内から上方に引き出す際に、その相対的な引き出し位置を規制するためのものであり、複数の筒軸20、21のうち、大径の筒軸20の内周面に設けられた伸縮ガイド溝20aと、この伸縮ガイド溝20a内に所定間隔で設けられた複数の位置規制凹部20bと、これらが対向する小径の筒軸21の外周面に弾力的に設けられたガイド突起21aとを備えている。
【0026】
この場合、伸縮ガイド溝20aは、図9および図10に示すように、大径の筒軸20の内周面にその軸方向に沿って設けられている。複数の位置規制凹部20bは、伸縮ガイド溝20a内にその軸方向に沿って所定間隔で、大径の筒軸20の内周面と外周面とに貫通して設けられている。すなわち、この複数の位置規制凹部20bは、伸縮ガイド溝20a内の下端部と、伸縮ガイド溝20a内の上端部と、伸縮ガイド溝20a内の中間部との3箇所にそれぞれ設けられている。
【0027】
ガイド突起21aは、図9および図10に示すように、小径の筒軸21における外周面の下部に設けられて、伸縮ガイド溝20a内を移動すると共に複数の位置規制凹部20b内に弾力的に係脱可能に係合するように構成されている。すなわち、このガイド突起21aは、小径の筒軸21に切り込みを設けることにより、弾力を有する舌片状に形成され、且つ小径の筒軸21の外周面から出没可能に突出し、この突出した部分が伸縮ガイド溝20a内を移動すると共に複数の位置規制凹部20b内に係脱可能に弾力的に係合するように構成されている。
【0028】
これにより、筒規制部22は、図9および図10に示すように、小径の筒軸21の外周面に設けられたガイド突起21aが、これに対向する大径の筒軸20の内周面に設けられた伸縮ガイド溝20a内を移動することにより、複数の筒軸20、21をその軸方向(図9では上下方向)に沿って相対的に伸縮させるように構成されている。
【0029】
また、この筒規制部22は、図9および図10に示すように、小径の筒軸21の外周面に設けられたガイド突起21aが、大径の筒軸20の伸縮ガイド溝20a内に設けられた複数の位置規制凹部20bのいずれかに係脱可能に係合することにより、複数の筒軸20、21の軸方向への伸縮移動を弾力的に阻止するように構成されている。
【0030】
この場合、ガイド突起21aは、伸縮ガイド溝20a内の下端部に位置する位置規制凹部20bに係合すると、小径の筒軸21を大径の筒軸20内に最も挿入させた状態で位置規制する。また、このガイド突起21aは、伸縮ガイド溝20a内の中間部に位置する位置規制凹部20bに係合すると、小径の筒軸21を大径の筒軸20内にほぼ半分程度を挿入させた状態で位置規制する。さらに、このガイド突起21aは、伸縮ガイド溝20a内の上端部に位置する位置規制凹部20bに係合すると、小径の筒軸21を大径の筒軸20内から最も突出させた状態で位置規制する。
【0031】
一方、支持取付部19は、図3および図8に示すように、支持部材18の複数の筒軸20、21のうち、大径の筒軸20が出没可能に挿入する収納筒部23と、この収納筒部23に対する大径の筒軸20の引き出し位置を規制する取付規制部24とを備えている。収納筒部23は、その長さが複数の筒軸20、21のうち、大径の筒軸20の長さとほぼ同じ長さに形成されている。この収納筒部23は、その下部が機器本体1内に挿入された状態で、上部が機器本体1の背面に設けられた表示収納部17の底部に取り付けられた構成になっている。
【0032】
また、取付規制部24は、図8に示すように、支持部材18の大径の筒軸20を収納筒部23内から上方に引き出した際に、その相対的な引き出し位置を規制するためのものであり、収納筒部23の内周面に設けられた伸縮ガイド溝23aと、この伸縮ガイド溝23a内に所定間隔で設けられた複数の位置規制凹部23bと、これらが対向する支持部材18の大径の筒軸20の外周面に設けられたガイド突起20cとを備えている。
【0033】
この場合、伸縮ガイド溝23aは、図8に示すように、収納筒部23の内周面にその軸方向に沿って設けられている。複数の位置規制凹部23bは、支持部材18の位置規制凹部20bと同様、伸縮ガイド溝23a内にその軸方向に沿って所定間隔で、収納筒部23の内周面と外周面とに貫通して設けられている。すなわち、この複数の位置規制凹部23bは、伸縮ガイド溝23a内の下端部と、伸縮ガイド溝23a内の上端部と、伸縮ガイド溝23a内の中間部との3箇所にそれぞれ設けられている。
【0034】
ガイド突起20cは、図8に示すように、大径の筒軸20における外周面の下部に設けられて、収納筒部23の伸縮ガイド溝23a内を移動すると共に複数の位置規制凹部23b内に弾力的に係脱可能に係合するように構成されている。すなわち、このガイド突起20cは、大径の筒軸20に切り込みを設けることにより、弾力を有する舌片状に形成され、且つ大径の筒軸20の外周面から出没可能に突出し、この突出した部分が収納筒部23の伸縮ガイド溝23a内を移動すると共に複数の位置規制凹部23b内に係脱可能に弾力的に係合するように構成されている。
【0035】
これにより、取付規制部24は、図8に示すように、大径の筒軸20の外周面に設けられたガイド突起20cが、これに対向する収納筒部23の内周面に設けられた伸縮ガイド溝23a内を移動することにより、大径の筒軸20を収納筒部23に対してその軸方向(図8では上下方向)に沿って移動させるように構成されている。
【0036】
また、この取付規制部24は、図8に示すように、大径の筒軸20の外周面に設けられたガイド突起20cが、これに対向する収納筒部23の伸縮ガイド溝23a内に設けられた複数の位置規制凹部23bのいずれかに係脱可能に係合することにより、大径の筒軸20の軸方向への伸縮移動を弾力的に阻止するように構成されている。
【0037】
この場合、ガイド突起20cは、伸縮ガイド溝23a内の下端部に位置する位置規制凹部23bに係合すると、大径の筒軸20を収納筒部23内に最も挿入させた状態で位置規制する。また、このガイド突起20cは、伸縮ガイド溝23a内の中間部に位置する位置規制凹部23bに係合すると、大径の筒軸20を収納筒部23内にほぼ半分程度を挿入させた状態で位置規制する。さらに、このガイド突起20cは、伸縮ガイド溝23a内の上端部に位置する位置規制凹部23bに係合すると、大径の筒軸20を収納筒部23内から最も突出させた状態で位置規制する。
【0038】
次に、この電子レジスタの作用について説明する。
この電子レジスタでは、オペレータが入力表示ユニット2のタッチ入力部6を操作して、顧客が購入する商品の値段や商品名などの情報を入力すると、その入力された情報がタッチ入力部6および回転表示器4の表示パネル15に表示される。これにより、オペレータは入力表示ユニット2のタッチ入力部6に表示された情報を見て、入力した情報を確認することができると共に、顧客は回転表示器4の表示パネル15に表示された情報を見て、入力された情報を確認することができる。
【0039】
このように表示された情報をプリンタ部11で記録紙13に印刷して、レシートとして発行する。このときには、オペレータがタッチ入力部6をタッチ操作してプリンタ部11を動作させる。すると、プリンタ部11がロール状の記録紙13を順次引き出し、この引き出した記録紙13に印刷情報を順次印刷する。この印刷された記録紙13は、プリンタカバー10の記録紙排出口10aから機器本体1の外部に送り出され、レシートとして発行される。
【0040】
ところで、回転表示器4の表示パネル15に表示された情報を顧客が見やすくする場合には、回転表示器4を機器本体1の表示収納部17の上方に引き出して、顧客が表示パネル15に表示された情報を見やすい方向に表示ケース14を回転させれば良い。この場合、回転表示器4を引き上げる際には、支持機構16の支持部材18が軸方向に沿って伸びると共に、この支持部材18が支持取付部19から上方に引き出される。
【0041】
このときには、図9および図10(a)に示すように、小径の筒軸21の外周面に設けられたガイド突起21aが、大径の筒軸20の内周面に設けられた伸縮ガイド溝20a内における下端部の位置規制凹部20bに係合しているため、この係合力に抗して小径の筒軸21を大径の筒軸20内から引き出す。すると、大径の筒軸20の内周面に設けられた伸縮ガイド溝20a内を小径の筒軸21の外周面に設けられたガイド突起21aが軸方向(上下方向)に沿って移動し、支持部材18がその軸方向に沿って上方に伸びる。
【0042】
また、このときには、図3および図8に示すように、支持部材18における大径の筒軸20の外周面に設けられたガイド突起20cが、収納筒部23の内周面に設けられた伸縮ガイド溝23a内における下端部の位置規制凹部23bに係合しているため、この係合力に抗して大径の筒軸20を収納筒部23内から引き出す。すると、大径の筒軸20の外周面に設けられたガイド突起20cが、収納筒部23の内周面に設けられた伸縮ガイド溝23a内を軸方向に沿って移動し、大径の筒軸20が収納筒部23内から軸方向に沿って上方に引き出される。
【0043】
そして、小径の筒軸21のガイド突起21aが大径の筒軸20の伸縮ガイド溝20aの上部側に移動した際には、ガイド突起21aが伸縮ガイド溝20a内の中間部に位置する位置規制凹部20bに一旦、弾力的に係合する。このため、小径の筒軸21が大径の筒軸20内から急激に引き出されることがない。
【0044】
この後、図9および図10(b)に示すように、大径の筒軸20の伸縮ガイド溝20a内に設けられた複数の位置規制凹部20bのうち、上端部に位置する位置規制凹部20b内にガイド突起21aが弾力的に係合する。これにより、大径の筒軸20に対する小径の筒軸21の軸方向(上下方向)への移動が弾力的に阻止される。
【0045】
同様に、大径の筒軸20が収納筒部23の伸縮ガイド溝23aの上部側に移動した際には、図8に示すように、大径の筒軸20に設けられたガイド突起20cが伸縮ガイド溝23a内の中間部に位置する位置規制凹部23bに一旦、弾力的に係合する。このため、大径の筒軸20が収納筒部23内から急激に引き出されることがない。
【0046】
この後、図8に示すように、収納筒部23の伸縮ガイド溝23a内に設けられた複数の位置規制凹部23bのうち、上端部に位置する位置規制凹部23b内にガイド突起20cが弾力的に係合する。これにより、収納筒部23に対する大径の筒軸20の軸方向(図8では上下方向)への移動が弾力的に阻止される。
【0047】
このように支持機構16の支持部材18が上方に複数段に引き伸ばされると共に、支持部材18の大径の筒軸20が支持取付部19の収納筒部23内から引き出された際には、図3に示すように、回転表示器4が機器本体1の上方に配置される。この状態では、回転表示器4の表示ケース14を回転させて、表示ケース14に設けられた表示パネル15を顧客が見やすい向きに向けることができる。
【0048】
すなわち、回転表示器4は、図8に示すように、表示ケース14の底部が支持部材18の最上部に位置する小径の筒軸21の上部に水平方向に回転可能な状態で取り付けられていることにより、この小径の筒軸21を中心に表示ケース14を回転させて、表示パネル15を顧客が見やすい向きに向けることができる。
【0049】
一方、この回転表示器4を機器本体1の表示収納部17内に収納する際には、図9および図10に示すように、大径の筒軸20の伸縮ガイド溝20a内における上端部の位置規制凹部20bに対して、小径の筒軸21のガイド突起21aが弾力的に係合しているため、この係合力に抗して、小径の筒軸21を押し下げる。すると、ガイド突起21aが上端部の位置規制凹部20bから離脱して大径の筒軸20の伸縮ガイド溝20a内に配置される。
【0050】
この状態で、表示ケース14を押し下げると、ガイド突起21aが伸縮ガイド溝20a内の中間部に位置する位置規制凹部20bに一旦、弾力的に係合する。このため、小径の筒軸21が大径の筒軸20内に急激に押し込まれることがないので、安全に小径の筒軸21を大径の筒軸20内に押し込むことができる。
【0051】
この後、図10(a)に示すように、小径の筒軸21のガイド突起21aが大径の筒軸20の伸縮ガイド溝20aに沿って軸方向に沿って更に下側に移動し、小径の筒軸21が大径の筒軸20内に収納されると、ガイド突起21aが伸縮ガイド溝20aの下端部に位置する位置規制凹部20bに弾力的に係合する。これにより、表示ケース14が機器本体1の表示収納部17内に挿入する。
【0052】
また、このときには、大径の筒軸20が収納筒部23内に収納される。すなわち、図8に示すように、収納筒部23の伸縮ガイド溝23a内における上端部の位置規制凹部23bに対して大径の筒軸20のガイド突起20cが弾力的に係合しているため、この係合力に抗して、大径の筒軸20を押し下げる。すると、ガイド突起20cが上端部の位置規制凹部23bから離脱して収納筒部23の伸縮ガイド溝23a内に配置される。
【0053】
この状態で、表示ケース14を押し下げると、図8に示すように、大径の筒軸20のガイド突起20cが収納筒部23の伸縮ガイド溝23a内の中間部に位置する位置規制凹部23bに一旦、弾力的に係合する。このため、大径の筒軸20が収納筒部23内に急激に押し込まれることがないので、安全に大径の筒軸20を収納筒部23内に押し込むことができる。
【0054】
この後、図8に示すように、大径の筒軸20のガイド突起20cが収納筒部23の伸縮ガイド溝23aに沿って更に下側に移動し、大径の筒軸20が収納筒部23内に収納されると、ガイド突起21aが伸縮ガイド溝23aの下端部に位置する位置規制凹部23bに弾力的に係合する。これにより、図2に示すように、回転表示器4の表示ケース14が機器本体1の表示収納部17内に収納される。
【0055】
このように、この電子レジスタによれば、機器本体1に対して回転表示器4を上下方向に移動可能に支持する支持機構16が、回転表示器4を支持した状態で上下方向に沿って複数段に伸縮する支持部材18と、この支持部材18を機器本体1の表示収納部17内に出没可能に保持する支持取付部19とを備えているので、回転表示器4を大きく形成しても、支持部材18の長さの影響を受けずに、装置全体をコンパクトに構成することができる。
【0056】
すなわち、この電子レジスタでは、支持部材18を複数段に収縮させて支持部材18全体の長さを短くすることができるので、支持部材18を機器本体1に対してコンパクトに収納することができると共に、支持部材18の収納時における長さを短くしても、支持部材18を複数段に引き伸ばして長くすることができるので、回転表示器4を機器本体1の上方に確実に配置させることができる。
【0057】
これにより、回転表示器4を大きく形成しても、支持部材18の長さの影響を受けずに、装置全体をコンパクトに構成することができる。この場合、回転表示器4の表示ケース14に設けられた表示パネル15に表示される情報を見やすくするために、表示パネル15を大きく形成して、表示パネル15を大画面化することができると共に、このように表示パネル15の大画面化を図るために、表示ケース14を大きく形成しても、支持部材18の収縮時における全長を短くすることができるので、機器本体1を大きく形成する必要がなく、機器全体をコンパクトに構成することができる。
【0058】
この場合、支持部材18は、それぞれ径が異なり、一方の内部に他方が出没可能に挿入する複数の筒軸20、21と、この複数の筒軸20、21を相対的に引き出す際にその引き出し位置を相互に規制する筒規制部22とを備えているので、複数の筒軸20、21のうち、小径の筒軸21を大径の筒軸20内に挿入させることにより、支持部材18を短くすることができると共に、複数の筒軸20、21を相対的に引き出して支持部材18を長くすることができ、支持部材18を長くしても、筒規制部22によってその長さを確実に維持することができる。
【0059】
また、この筒規制部22は、複数の筒軸20、21のうち、大径の筒軸20の内周面にその軸方向に沿って設けられた伸縮ガイド溝20aと、この伸縮ガイド溝20a内に所定間隔で設けられた複数の位置規制凹部20bと、小径の筒軸21の外周面に設けられ、且つ伸縮ガイド溝20a内を移動すると共に、複数の位置規制凹部20bに弾力的に係脱可能に係合するガイド突起21aとを備えているので、支持部材18を確実に且つ良好に伸縮させることができると共に、支持部材18を引き伸ばした際に、その状態をガイド突起部21aの弾性力によって維持させることができる。
【0060】
すなわち、この支持部材18では、小径の筒軸21のガイド突起21aが大径の筒軸20の伸縮ガイド溝20a内を移動することにより、各筒軸20、21を軸方向に沿って相対的に移動させることができ、これにより支持部材18の長さを伸縮させて変更することができる。また、支持部材18を伸縮させた際に、小径の筒軸21のガイド突起21aが大径の筒軸20における伸縮ガイド溝20a内に設けられた複数の位置規制凹部20bのいずれかに弾力的に係合することにより、各筒軸20、21の軸方向への移動を弾力的に阻止することができ、これにより支持部材18の伸縮状態を確実に且つ良好に維持することができる。
【0061】
また、支持取付部19は、支持部材18の複数の筒軸20、21のうち、最外周に位置する大径の筒軸20が出没可能に挿入する収納筒部23と、この収納筒部23に対する大径の筒軸20の引き出し位置を規制する取付規制部24とを備えているので、支持部材18の大径の筒軸20を収納筒部23内から引き出すことにより、支持部材18を更に長くすることができると共に、支持部材18を長くしても取付規制部24によってその長さを確実に且つ良好に維持することができる。
【0062】
すなわち、この支持取付部19では、支持部材18を引き伸ばして回転表示器4を機器本体1の上方に配置する際に、支持部材18の大径の筒軸20を収納筒部23内から引き出すことにより、外部に露出する部分の支持部材18を更に長くすることができる。また、回転表示器4を機器本体1の上方に配置するために、支持部材18の大径の筒軸20を収納筒部23内から引き出した際には、取付規制部24によって大径の筒軸20が収納筒部23内に押し込まれないように、確実に大径の筒軸20を保持することができる。
【0063】
また、この支持取付部19では、回転表示器4を機器本体1の表示収納部17内に収納する際に、収納筒部23に対して支持部材18の大径の筒軸20を位置規制している取付規制部24による位置規制を解除することにより、簡単に大径の筒軸20を収納筒部23内に押し込んで、支持部材18を収納筒部23内に収納することができ、これにより外部に露出する部分の支持部材18を短くすることができるので、回転表示器4を機器本体1の表示収納部17内にコンパクトに且つ良好に収納することができる。
【0064】
この場合、回転表示器4は、表示ケース14の側面に表示パネル15が設けられ、表示ケース14の底部が支持部材18を引き伸ばした際に最も上方に位置する小径の筒軸21の上部に回転可能に取り付けられていることにより、支持部材18を引き伸ばした際に小径の筒軸21が最も高い位置に伸び、この伸びた小径の筒軸21で表示ケース14を機器本体1の上方に支持することができると共に、表示ケース14の底部を機器本体1の上方に配置させた状態で、表示ケース14を良好に回転させることができ、これにより表示ケース14に設けられた表示パネル15を顧客が見やすい向きに向けることができる。
【0065】
また、機器本体1には回転表示器4を出没可能に収納する表示収納部17が設けられており、この表示収納部17内の底部には支持部材18を収縮させた状態で収納する支持取付部19が設けられていることにより、支持部材18を収縮させて支持取付部19内に収納することができると共に、回転表示器4を機器本体1の表示収納部17内にコンパクトに且つ良好に収納することができ、これにより回転表示器4を良好に保護することができると共に、機器全体のコンパクト化を図ることができる。
【0066】
なお、上述した実施形態1では、支持機構16の支持部財18における筒規制部22が、大径の筒軸20の内周面に伸縮ガイド溝20aと位置規制凹部20bとを設け、小径の筒軸21の外周面にガイド突起21aを設けた構成である場合について述べたが、これに限らず、例えば小径の筒軸21の外周面に伸縮ガイド溝と位置規制凹部とを設け、大径の筒軸20の内周面にガイド突起を設けた構成であっても良い。このように構成しても、上述した実施形態1と同様の作用効果がある。
【0067】
(実施形態2)
次に、図11〜図14を参照して、この発明を電子レジスタに適用した実施形態2について説明する。なお、図1〜図10に示された実施形態1と同一部分には同一符号を付して説明する。
この電子レジスタは、図11および図12に示すように、回転表示器4を支持する支持機構30が実施形態1と異なる構成であり、これ以外は実施形態1とほぼ同じ構成になっている。
【0068】
この支持機構30は、図11および図12に示すように、回転表示器4を支持した状態で斜め上下方向に沿って複数段に伸縮する支持部材31と、この支持部材31を機器本体1の表示収納部17内に出没可能に保持する支持取付部32とを備えている。支持部材31は、斜め上下方向に伸縮する複数の筒状部33、34と、この複数の筒状部33、34の相対的な引き出し位置を規制する筒規制部35とを備えている。
【0069】
複数の筒状部33、34のうち、第1の筒状部33は、図11〜図13に示すように、その外形が四角形の箱状に形成され、その中心部に挿入筒36が機器本体1の前側(図13では右側)から後側(図13では左側)に向けて斜めに傾斜した状態で、上下に貫通して設けられた構成になっている。第2の筒状部34は、円筒状に形成され、第1の筒状部33の挿入筒36内に出没可能に挿入するように構成されている。
【0070】
すなわち、この第2の筒状部34は、図13および図14に示すように、第1の筒状部33の挿入筒36内を上下方向に移動する際に、斜め後方(図13では左側)に向けて傾斜した状態で、上下方向に斜めに移動するように構成されている。また、この第2の筒状部34の上部には、図11および図12に示すように、回転表示器4の表示ケース14の底部が水平方向に回転可能な状態で取り付けられている。
【0071】
この第1、第2の各筒状部33、34は、図11および図12に示すように、それぞれ軸方向(上下方向)の長さが回転表示器4の高さのほぼ半分程度の長さ、つまり回転表示器4の表示ケース14を収納する機器本体1の表示収納部17における深さのほぼ半分程度の長さに形成され、第1、第2の各筒状部33、34を軸方向に沿って相対的に引き出した際に、その両方の筒状部33、34における上下方向の長さが表示収納部17の深さよりも長くなるように構成されている。
【0072】
筒規制部35は、図13および図14に示すように、第1、第2の各筒状部33、34のうち、第2の筒状部34を第1の筒状部33の挿入筒36から斜め上方に引き出す際に、その相対的な引き出し位置を規制するためのものであり、第2の筒状部34の外周面に設けられた伸縮ガイド溝34aと、この伸縮ガイド溝34a内に所定間隔で設けられた複数の位置規制凹部34bと、これらが対向する第1の筒状部33における挿入筒36の内周面に弾力的に設けられたガイド突起36aとを備えている。
【0073】
この場合、伸縮ガイド溝34aは、図13および図14に示すように、第2の筒状部34の外周面にその軸方向に沿って設けられている。複数の位置規制凹部34bは、伸縮ガイド溝34a内にその軸方向に沿って所定間隔で、第2の筒状部34の内周面と外周面とに貫通して設けられている。すなわち、この複数の位置規制凹部34bは、伸縮ガイド溝34a内の下端部と、伸縮ガイド溝34a内の上端部と、伸縮ガイド溝34a内の中間部との3箇所にそれぞれ設けられている。
【0074】
ガイド突起36aは、図13および図14に示すように、挿入筒36における内周面の上部に設けられて、伸縮ガイド溝34a内を移動すると共に複数の位置規制凹部34b内に弾力的に係脱可能に係合するように構成されている。すなわち、このガイド突起36aは、挿入筒36に切り込みを設けることにより、弾力を有する舌片状に形成され、且つ挿入筒36の内周面から出没可能に突出し、この突出した部分が伸縮ガイド溝34a内を移動すると共に複数の位置規制凹部34b内に係脱可能に弾力的に係合するように構成されている。
【0075】
これにより、筒規制部35は、図13および図14に示すように、第1の筒状部33における挿入筒36の内周面に設けられたガイド突起36aが、これに対向する第2の筒状部34の外周面に設けられた伸縮ガイド溝34a内を移動することにより、第1、第2の各筒状部33、34をその軸方向である斜め上下方向に沿って相対的に移動させるように構成されている。
【0076】
また、この筒規制部35は、図13および図14に示すように、第1の筒状部33における挿入筒36の内周面に設けられたガイド突起36aが、第2の筒状部34の伸縮ガイド溝34a内に設けられた複数の位置規制凹部34bのいずれかに係脱可能に係合することにより、第1、第2の各筒状部33、34の軸方向である斜め上下方向への伸縮移動を弾力的に阻止するように構成されている。この場合、ガイド突起36aは、伸縮ガイド溝34a内の上端部に位置する位置規制凹部34bに係合すると、第2の筒状部34を第1の筒状部33の挿入孔36内に最も挿入させた状態で位置規制する。
【0077】
また、このガイド突起36aは、図13および図14に示すように、伸縮ガイド溝34a内の中間部に位置する位置規制凹部34bに係合すると、第2の筒状部34を第1の筒状部33の挿入孔36内にほぼ半分程度を挿入させた状態で位置規制する。さらに、このガイド突起36aは、伸縮ガイド溝34a内の下端部に位置する位置規制凹部34bに係合すると、第2の筒状部34を第1の筒状部33の挿入孔36内から最も突出させた状態で位置規制する。
【0078】
一方、支持取付部32は、図12に示すように、支持部材31の第1の筒状部33が出没可能に挿入する収納筒部37と、この収納筒部37に対する第1の筒状部33の引き出し位置を規制する取付規制部38とを備えている。収納筒部37は、四角形の枠状に形成されている。
【0079】
この収納筒部37は、図11および図12に示すように、その上下方向の長さが第1、第2の各筒状部33、34のうち、第1の筒状部33における上下方向の長さ(高さ)よりも短く形成されている。この収納筒部37は、その下部が機器本体1内に挿入された状態で、上部が機器本体1の背面に設けられた表示収納部17の底部に取り付けられた構成になっている。
【0080】
また、取付規制部38は、図12に示すように、支持部材31の第1の筒状部33を収納筒部37内から上方に引き上げる際に、その相対的な引き上げ位置を規制するためのものであり、第1の筒状部33の外面に設けられた一対の伸縮ガイド溝33aと、第1の筒状部33における外面の所定箇所に設けられた位置規制フック部33bと、これらが対向する収納筒部37の内面に設けられた一対のガイド突起37aとを備えている。
【0081】
この場合、一対の伸縮ガイド溝33aは、図12に示すように、第1の筒状部33の外面にその軸方向(上下方向)に沿って設けられている。位置規制フック部33bは、第1の筒状部33の外面において、一対の伸縮ガイド溝33aの上端部に対応する箇所に設けられ、収納筒部37の上端部を係脱可能に弾力的に係止するように構成されている。
【0082】
すなわち、この位置規制フック部33bは、図12に示すように、第1の筒状部33に切り込みを設けることにより、弾力を有する舌片状に形成され、且つ第1の筒状部33の外面から出没可能に突出し、この突出した部分が収納筒部37の上端部を係脱可能に弾力的に係止するように構成されている。
【0083】
一対のガイド突起37aは、図12に示すように、収納筒部37の内面に突出して設けられ、一対の伸縮ガイド溝33a内に移動可能に挿入するように構成されている。すなわち、この一対のガイド突起37aは、収納筒部37に切り込みを設けることにより、弾力を有する舌片状に形成され、且つ収納筒部37の内面から出没可能に突出し、この突出した部分が一対の伸縮ガイド溝33a内を弾力的に移動するように構成されている。
【0084】
これにより、取付規制部38は、図12に示すように、収納筒部37の内面に設けられた一対のガイド突起37aが、これに対向する第1の筒状部33の外面に設けられた一対の伸縮ガイド溝33a内を上下方向に移動することにより、第1の筒状部33を収納筒部37に対して軸方向(上下方向)に沿って移動させるように構成されている。
【0085】
また、この取付規制部38は、図12に示すように、収納筒部37の内面に設けられた一対のガイド突起37aが、これに対向する第1の筒状部33の外面に設けられた一対の伸縮ガイド溝33aの上部に到達した際に、第1の筒状部33の外面に設けられた位置規制フック部33bが収納筒部37の上端部を弾力的に係止することにより、第1の筒状部33の軸方向への伸縮移動を弾力的に阻止するように構成されている。
【0086】
次に、このような電子レジスタにおける回転表示器4の作用について説明する。
回転表示器4の表示パネル15に表示された情報を顧客が見やすくする場合には、回転表示器4を機器本体1の表示収納部17の上方に引き上げて、顧客が表示パネル15に表示された情報を見やすい方向に向けて表示ケース14を回転させれば良い。すなわち、回転表示器4を引き上げる際には、支持機構30の支持部材31が軸方向に沿って伸びると共に、この支持部材31が支持取付部32から引き上げられる。
【0087】
このときには、図14(a)に示すように、第1の筒状部33における挿入筒36の内周面に設けられたガイド突起36aが、第2の筒状部34の外周面に設けられた伸縮ガイド溝34a内における上端部の位置規制凹部34bに係合しているため、この係合力に抗して第2の筒状部34を挿入筒36内から引き出す。すると、第2の筒状部34の外周面に設けられた伸縮ガイド溝34a内を挿入筒36の内周面に設けられたガイド突起36aがその軸方向である斜め上下方向に沿って移動し、支持部材31がその斜め上方に伸びる。
【0088】
また、このときには、図12に示すように、収納筒部37の内周面に設けられた一対のガイド突起37aが、支持部材31における第1の筒状部33の外周面に設けられた一対の伸縮ガイド溝33a内を軸方向に沿って相対的に移動し、第1の筒状部33が収納筒部37内から軸方向(上下方向)に沿って上方に引き上げられる。
【0089】
そして、第1の筒状部33における挿入筒36の内周面に設けられたガイド突起36aが第2の筒状部34における伸縮ガイド溝34aの上部側に相対的に移動する際には、図13および図14(a)に示すように、ガイド突起36aが伸縮ガイド溝34a内の中間部に位置する位置規制凹部34bに一旦、弾力的に係合する。このため、第2の筒状部34が第1の筒状部33の挿入筒36内から急激に引き出されることがない。
【0090】
この後、図13および図14(b)に示すように、第1の筒状部33における挿入筒36内のガイド突起36aが、第2の筒状部34における伸縮ガイド溝34a内の下端部に位置する位置規制凹部34b内に係脱可能に弾力的に係合する。これにより、第1の筒状部33に対する第2の筒状部34の軸方向である上下方向への移動が弾力的に阻止され、第2の筒状部34が第1の筒状部33における挿入筒36内から最も引き出される。
【0091】
また、第1の筒状部33の一対の伸縮ガイド溝33a内を収納筒部37の一対のガイド突起37aが相対的に移動して、一対の伸縮ガイド溝33aにおける各上部に移動した際には、図12に示すように、第1の筒状部33の外面に設けられた位置規制フック部33bが収納筒部37の上端部を弾力的に係止する。これにより、収納筒部37に対する第1の筒状部33の軸方向(上下方向)への移動が弾力的に阻止される。
【0092】
このように支持機構30の支持部材31が上方に複数段に引き伸ばされると共に、支持部材31の第1の筒状部33が支持取付部32の収納筒部37内から引き出された際には、図11に示すように、回転表示器4が機器本体1の上方に配置される。このときには、回転表示器4が機器本体1から離れる。このため、回転表示器4に対して入力表示ユニット2やプリンタユニット3のプリンタカバー10が干渉するのを防ぐことができる。
【0093】
すなわち、図11に示すように、入力表示ユニット2のユニットケース5を回転移動させて後部上がりに起立させる際に、ユニットケース5が回転表示器4に接触することがない。また、プリンタユニット3のプリンタカバー10を開閉する際に、プリンタカバー10が回転表示器4に接触することがない。
【0094】
この状態では、回転表示器4の表示ケース14を回転させて、表示ケース14に設けられた表示パネル15を顧客が見やすい向きに向けることができる。すなわち、回転表示器4は、表示ケース14の底部が支持部材31の最も上方に位置する第2の筒状部34の上部に水平方向に回転可能な状態で取り付けられていることにより、この第2の筒状部34を中心に表示ケース14を回転させて、表示パネル15を顧客が見やすい向きに向けることができる。
【0095】
一方、この回転表示器4を機器本体1の表示収納部17内に収納する際には、第2の筒状部34における伸縮ガイド溝34aの下端部に位置する位置規制凹部34bに対して、第1の筒状部33における挿入筒36のガイド突起36aが弾力的に係合しているため、この係合力に抗して、表示ケース14を第2の筒状部34と共に押し下げる。すると、挿入筒36のガイド突起36aが伸縮ガイド溝34aの下端部に位置する位置規制凹部34bから離脱して伸縮ガイド溝34a内に挿入する。
【0096】
この状態で、表示ケース14を更に押し下げると、ガイド突起36aが伸縮ガイド溝34a内の中間部に位置する位置規制凹部34bに一旦、弾力的に係合する。このため、第2の筒状部34が第1の筒状部33の挿入筒36内に急激に押し込まれることがないので、安全に第2の筒状部34を第1の筒状部33の挿入筒36内に押し込むことができる。
【0097】
この後、図14(a)に示すように、第2の筒状部34が第1の筒状部33の挿入筒36内に更に押し込まれると、ガイド突起36aが伸縮ガイド溝34aの上端部に位置する位置規制凹部34bに弾力的に係合し、これにより第2の筒状部34が第1の筒状部33における挿入筒36内に収納される。
【0098】
また、支持取付部32における収納筒部37の上端部に対して、第1の筒状部33の位置規制フック部33bが弾力的に係止しているので、この係止力に抗して、表示ケース14を第1の筒状部33と共に押し下げる。すると、収納筒部37の上端部に対する第1の筒状部33の位置規制フック部33bによる係止が解除される。
【0099】
この状態で表示ケース14を更に押し下げると、収納筒部37の内面に設けられた一対のガイド突起37aが第1の筒状部33の外面に設けられた一対の伸縮ガイド溝33aに沿って相対的に下側に移動するので、第1の筒状部33が収納筒部37内に収納される。これにより、回転表示器4の表示ケース14が機器本体1の表示収納部17内に収納される。
【0100】
このように、この電子レジスタにおいても、実施形態1と同様、機器本体1に対して回転表示器4を上下方向に移動可能に支持する支持機構30が、回転表示器4を支持した状態で上下方向に沿って複数段に伸縮する支持部材31と、この支持部材31を機器本体1の表示収納部17内に出没可能に保持する支持取付部32とを備えているので、回転表示器4を大きく形成しても、支持部材31の長さの影響を受けずに、装置全体をコンパクトに構成することができる。
【0101】
すなわち、この電子レジスタでは、支持部材31を複数段に収縮させて支持部材31の長さを短くすることができるので、支持部材31を機器本体1に対してコンパクトに収納することができると共に、支持部材31の収納時における長さを短くしても、支持部材31を複数段に引き伸ばして長くすることができるので、回転表示器4を機器本体1の上方に確実に配置させることができる。
【0102】
これにより、回転表示器4を大きく形成しても、支持部材31の長さの影響を受けずに、装置全体をコンパクトに構成することができる。この場合にも、回転表示器4の表示パネル15に表示される情報を見やすくするために、表示パネル15を大きく形成して、表示パネル15を大画面化することができ、このように表示パネル15の大画面化を図るため、表示ケース14を大きく形成しても、支持部材31の収縮時における長さを短くすることができるので、機器本体1を大きく形成する必要がなく、機器全体をコンパクトに構成することができる。
【0103】
この場合、支持機構30は、支持部材31が回転表示器4を支持した状態で、斜め上下方向に向けて複数段に伸縮するように構成されていることにより、支持部材31を引き伸ばす際に、斜め上方に向けて引き伸ばすことができるので、回転表示器4を機器本体1の上方に移動させた際に、回転表示器4を機器本体1から十分に離すことができ、これにより回転表示器4が入力表示ユニット2のユニットケース5やプリンタユニット3のプリンタカバー10に対して干渉しないように配置することができる。
【0104】
すなわち、この支持機構30は、支持部材31が第1、第2の筒状部33、34を備え、第1の筒状部33内に挿入筒36を機器本体1の前後方向に傾けた状態で、上下に貫通させて設け、この第1の筒状部33における挿入筒36内に第2の筒状部34を出没可能に挿入した構成であるから、第2の筒状部34を第1の筒状部33における挿入筒36内から引き出す際に、第2の筒状部34を斜め上方に傾けて引き出すことができる。このため、回転表示器4を機器本体1の上方に移動させた際に、回転表示器4を機器本体1から確実に離すことができる。
【0105】
(実施形態3)
次に、図15〜図18を参照して、この発明を電子レジスタに適用した実施形態3について説明する。この場合にも、図1〜図10に示された実施形態1と同一部分には同一符号を付して説明する。
この電子レジスタは、図15および図16に示すように、回転表示器4を支持する支持機構40が実施形態1と異なる構成であり、これ以外は実施形態1とほぼ同じ構成になっている。
【0106】
この支持機構40は、図16〜図18に示すように、回転表示器4を支持した状態で上下方向に沿って複数段に伸縮する支持部材41と、この支持部材41を機器本体1の表示収納部17内に斜め上下方向に出没可能に保持する支持取付部42とを備えている。支持部材41は、上下方向に伸縮する複数の筒状部43、44と、この複数の筒状部43、44の相対的な引き出し位置を規制する筒規制部45とを備えている。
【0107】
複数の筒状部43、44のうち、第1の筒状部43は、図16〜図18に示すように、その外形が左右方向に潰れた形状の箱状に形成されている。すなわち、この第1の筒状部43は、その左右の両側面が右側に傾き、前後の両側面が垂直に起立した箱形状に形成されている。この第1の筒状部43の内部には、挿入筒46が垂直方向に設けられている。すなわち、この挿入筒46は、その上部が第1の筒状部43の上面における左側に位置し、下部が第1の筒状部43の下面における右側に位置した状態で、上下に貫通して設けられている。
【0108】
第2の筒状部44は、図16〜図18に示すように、円筒状に形成され、第1の筒状部43の挿入筒46内に出没可能に挿入するように構成されている。すなわち、この第2の筒状部44は、第1の筒状部43の挿入筒46内を上下方向に沿って垂直に移動するように構成されている。また、この第2の筒状部44の上部には、回転表示器4の表示ケース14の底部が水平方向に回転可能な状態で取り付けられている。
【0109】
この第1、第2の各筒状部43、44は、図16〜図18に示すように、それぞれ軸方向(上下方向)の長さが回転表示器4の高さのほぼ半分程度の長さ、つまり回転表示器4の表示ケース14を収納する機器本体1の表示収納部17における深さのほぼ半分程度の長さに形成され、第1、第2の各筒状部43、44を軸方向に沿って相対的に引き出した際に、その両方の筒状部43、44における上下方向の長さが表示収納部17の深さよりも長くなるように構成されている。
【0110】
筒規制部45は、図16〜図18に示すように、第1、第2の各筒状部43、44のうち、第2の筒状部44を第1の筒状部43の挿入筒46から上方に引き出す際に、その相対的な引き出し位置を規制するためのものであり、第2の筒状部44の外周面に設けられた伸縮ガイド溝44aと、この伸縮ガイド溝44a内に設けられた複数の位置規制凹部44bと、これらが対向する第1の筒状部43における挿入筒46の内周面に弾力的に設けられたガイド突起46aとを備えている。
【0111】
この場合、伸縮ガイド溝44aは、図16〜図18に示すように、第2の筒状部44の外周面にその軸方向に沿って設けられている。複数の位置規制凹部44bは、伸縮ガイド溝44a内における上下の両端部に、第2の筒状部44の内周面と外周面とに貫通した状態で設けられている。すなわち、この複数の位置規制凹部44bは、伸縮ガイド溝44a内の下端部と伸縮ガイド溝44a内の上端部との2箇所にそれぞれ設けられている。
【0112】
ガイド突起46aは、図16〜図18に示すように、挿入筒46における内周面の上部に設けられて、伸縮ガイド溝44a内を移動すると共に複数の位置規制凹部44b内に弾力的に係脱可能に係合するように構成されている。すなわち、このガイド突起46aは、挿入筒46に切り込みを設けることにより、弾力を有する舌片状に形成され、且つ挿入筒46の内周面から出没可能に突出し、この突出した部分が伸縮ガイド溝44a内を移動すると共に、複数の位置規制凹部44bに係脱可能に弾力的に係合するように構成されている。
【0113】
これにより、筒規制部45は、図16〜図18に示すように、第1の筒状部43における挿入筒46の内周面に設けられたガイド突起46aが、これに対向する第2の筒状部44の外周面に設けられた伸縮ガイド溝44a内を移動することにより、第1、第2の各筒状部43、44をその軸方向である上下方向に沿って相対的に移動させるように構成されている。
【0114】
また、この筒規制部45は、図16〜図18に示すように、第1の筒状部43における挿入筒46の内周面に設けられたガイド突起46aが、第2の筒状部44の伸縮ガイド溝44a内に設けられた複数の位置規制凹部44bのいずれかに係脱可能に係合することにより、第1、第2の各筒状部43、44の軸方向である上下方向への伸縮移動を弾力的に阻止するように構成されている。
【0115】
この場合、ガイド突起46aは、図16〜図18に示すように、伸縮ガイド溝44a内の上端部に位置する位置規制凹部44bに係合すると、第2の筒状部44を第1の筒状部43の挿入孔46内に最も挿入させた状態で位置規制する。また、このガイド突起46aは、伸縮ガイド溝44a内の下端部に位置する位置規制凹部44bに係合すると、第2の筒状部44を第1の筒状部43の挿入孔46内から最も突出させた状態で位置規制する。
【0116】
一方、支持取付部42は、図16〜図18に示すように、支持部材41の第1の筒状部43が斜め上下方向に向けて出没可能に挿入する収納筒部47と、この収納筒部47に対する第1の筒状部43の引き出し位置を規制する取付規制部48とを備えている。収納筒部47は、左右方向に押し潰されたほぼ四角形の枠状に形成されている。すなわち、この収納筒部47は、第1の筒状部43と同様、その左右の両側面が右側に傾き、前後の両側面が垂直に起立した枠状に形成されている。
【0117】
この収納筒部47は、図16〜図18に示すように、その上下方向の長さが第1、第2の各筒状部43、44のうち、第1の筒状部43における上下方向の長さ(高さ)とほぼ同じか、それよりも短く形成されている。この収納筒部47は、その下部が機器本体1内に挿入された状態で、上部が機器本体1の背面に設けられた表示収納部17の底部に取り付けられた構成になっている。
【0118】
また、取付規制部48は、図16〜図18に示すように、支持部材41の第1の筒状部43を収納筒部47内から上方に引き上げる際に、その相対的な引き上げ位置を規制するためのものであり、第1の筒状部43の外面に設けられた一対の伸縮ガイド溝43aと、この一対の伸縮ガイド溝43aの上下端部に設けられた複数の位置規制凹部43bと、これらが対向する収納筒部47の内面に設けられた一対のガイド突起47aとを備えている。
【0119】
この場合、一対の伸縮ガイド溝43aは、図16〜図18に示すように、第1の筒状部43の外面にその上下方向に沿って斜めに傾斜して設けられている。すなわち、この一対の伸縮ガイド溝43aは、第1の筒状部43の左右に位置する両側面と平行な状態で斜めに傾斜して設けられている。複数の位置規制凹部43bは、一対の伸縮ガイド溝43a内における上下の両端部に、第1の筒状部43の内周面と外周面とに貫通した状態で設けられている。
【0120】
一対のガイド突起47aは、図16〜図18に示すように、収納筒部47の内面に突出して設けられ、一対の伸縮ガイド溝43a内にそれぞれ移動可能に挿入すると共に複数の位置規制凹部43b内にそれぞれ弾力的に係脱可能に係合するように構成されている。すなわち、この一対のガイド突起47aは、収納筒部47に切り込みを設けることにより、弾力を有する舌片状に形成され、且つ収納筒部47の内面から出没可能に突出し、この突出した部分が一対の伸縮ガイド溝43a内を弾力的に移動すると共に、複数の位置規制凹部43b内にそれぞれ弾力的に係脱可能に係合するように構成されている。
【0121】
これにより、取付規制部48は、図16〜図18に示すように、収納筒部47の内面に設けられた一対のガイド突起47aが、これに対向する第1の筒状部43の外面に設けられた一対の伸縮ガイド溝43a内を上下方向に移動することにより、第1の筒状部43を収納筒部47に対して斜め上下方向に沿って移動させるように構成されている。
【0122】
また、この取付規制部48は、図16〜図18に示すように、収納筒部47の内面に設けられた一対のガイド突起47aが、これに対向する第1の筒状部43の外面に設けられた一対の伸縮ガイド溝43aの上下の各端部に到達した際に、一対の伸縮ガイド溝43aの上下端部に設けられた位置規制凹部43bに弾力的に係合することにより、第1の筒状部43の斜め上下方向への伸縮移動を弾力的に阻止するように構成されている。
【0123】
次に、このような電子レジスタにおける回転表示器4の作用について説明する。
回転表示器4の表示パネル15に表示された情報を顧客が見やすくする場合には、回転表示器4を機器本体1の表示収納部17の上方に引き上げて、顧客が表示パネル15に表示された情報を見やすい方向に向けて表示ケース14を回転させれば良い。すなわち、回転表示器4を引き上げる際には、支持機構40の支持部材41が軸方向に沿って伸びると共に、この支持部材41が支持取付部42から引き上げられる。
【0124】
このときには、図17に示すように、第1の筒状部43における挿入筒46の内周面に設けられたガイド突起46aが、第2の筒状部44の外周面に設けられた伸縮ガイド溝44a内における上端部の位置規制凹部44bに係合しているため、この係合力に抗して第2の筒状部44を挿入筒46内から引き出す。すると、挿入筒46の内周面に設けられたガイド突起46aが、第2の筒状部44の外周面に設けられた伸縮ガイド溝44a内を上下方向に沿って移動し、支持部材41がその上方に伸びる。
【0125】
また、このときには、図17に示すように、収納筒部47の内周面に設けられた一対のガイド突起47aが、第1の筒状部43の外周面に設けられた一対の伸縮ガイド溝43a内における上端部の位置規制凹部43bに係合しているため、この係合力に抗して第1の筒状部43を収納筒部47内から引き出す。すると、収納筒部47の内周面に設けられた一対のガイド突起47aが、第1の筒状部43の外周面に設けられた一対の伸縮ガイド溝43a内を斜め上方に向けて相対的に移動し、第1の筒状部43が収納筒部47内から斜め上方に引き上げられる。
【0126】
そして、図18に示すように、第1の筒状部43における挿入筒46内のガイド突起46aが、第2の筒状部44における伸縮ガイド溝44a内を移動して、その伸縮ガイド溝44aの下端部に到達すると、挿入筒46内のガイド突起46aが、第2の筒状部44の伸縮ガイド溝44a内の下端部に位置する位置規制凹部44b内に係脱可能に弾力的に係合する。これにより、第1の筒状部43に対する第2の筒状部44の軸方向である上下方向への移動が弾力的に阻止され、第2の筒状部44が第1の筒状部43における挿入筒46内から最も引き出される。
【0127】
また、第1の筒状部43における一対の伸縮ガイド溝43a内を収納筒部47の一対のガイド突起47aが相対的に移動して、一対の伸縮ガイド溝43aにおける各下部に移動した際には、図18に示すように、一対のガイド突起47aが一対の伸縮ガイド溝43a内における下端部に位置する位置規制凹部43b内にそれぞれ係脱可能に弾力的に係合する。これにより、収納筒部47に対する第1の筒状部43の斜め上下方向への移動が弾力的に阻止される。
【0128】
このように支持機構40の支持部材41が上方に複数段に引き伸ばされると共に、支持部材41の第1の筒状部43が支持取付部42の収納筒部47内から斜め上方に引き出された際には、図18に示すように、回転表示器4が機器本体1の上方に配置される。このときには、回転表示器4が機器本体1から右側に離れる。このため、回転表示器4に対して入力表示ユニット2やプリンタユニット3のプリンタカバー10が相互に干渉するのを防ぐことができる。
【0129】
すなわち、図18に示すように、入力表示ユニット2のユニットケース5を回転移動させて後部上がりに起立させる際に、ユニットケース5が回転表示器4に接触することがない。また、プリンタユニット3のプリンタカバー10を開閉する際に、プリンタカバー10が回転表示器4に接触することがない。
【0130】
この状態では、回転表示器4の表示ケース14を回転させて、表示ケース14に設けられた表示パネル15を顧客が見やすい向きに向けることができる。すなわち、回転表示器4は、表示ケース14の底部が支持部材41の最も上方に位置する第2の筒状部44の上部に水平方向に回転可能な状態で取り付けられていることにより、この第2の筒状部44を中心に表示ケース14を回転させて、表示パネル15を顧客が見やすい向きに向けることができる。
【0131】
一方、この回転表示器4を機器本体1の表示収納部17内に収納する際には、第2の筒状部44における伸縮ガイド溝44aの下端部に位置する位置規制凹部44bに対して、第1の筒状部43における挿入筒46のガイド突起46aが弾力的に係合しているため、この係合力に抗して、表示ケース14を第2の筒状部44と共に押し下げる。すると、挿入筒46のガイド突起46aが伸縮ガイド溝44aの下端部に位置する位置規制凹部44bから離脱して伸縮ガイド溝44a内を移動する。
【0132】
この状態で、表示ケース14を更に押し下げると、図17に示すように、挿入筒46のガイド突起46aが第2の筒状部44の伸縮ガイド溝44a内を相対的に移動して、第2の筒状部44が第1の筒状部43の挿入筒46内に押し込まれる。すると、ガイド突起46aが伸縮ガイド溝44aの上端部に位置する位置規制凹部44bに弾力的に係合し、これにより第2の筒状部44が第1の筒状部43における挿入筒46内に収納される。
【0133】
また、このときには、支持取付部42における収納筒部47の一対のガイド突起47aが、第1の筒状部43における一対の伸縮ガイド溝43a内の下端部に位置する各位置規制凹部43bに弾力的に係合しているので、この係合力に抗して、表示ケース14を第1の筒状部43と共に押し下げる。すると、収納筒部47の上端部に位置する一対のガイド突起47aが第1の筒状部43の各位置規制凹部43bから離脱して一対の伸縮ガイド溝43a内に引き出される。
【0134】
この状態で、表示ケース14を更に押し下げると、図17に示すように、収納筒部47の内面に設けられた一対のガイド突起47aが第1の筒状部43の外面に設けられた一対の伸縮ガイド溝43aに沿って相対的に斜め下側に向けて移動するので、第1の筒状部43が収納筒部47内に収納される。これにより、回転表示器4の表示ケース14が機器本体1の表示収納部17内に収納される。
【0135】
このように、この電子レジスタにおいても、実施形態1と同様、機器本体1に対して回転表示器4を上下方向に移動可能に支持する支持機構40が、回転表示器4を支持した状態で上下方向に沿って複数段に伸縮する支持部材41と、この支持部材41を機器本体1の表示収納部17内に出没可能に保持する支持取付部42とを備えているので、回転表示器4を大きく形成しても、支持部材41の長さの影響を受けずに、装置全体をコンパクトに構成することができる。
【0136】
すなわち、この電子レジスタでは、支持部材41を複数段に収縮させて支持部材41の長さを短くすることができるので、支持部材41を機器本体1に対してコンパクトに収納することができると共に、支持部材41の収納時における長さを短くしても、支持部材41を複数段に引き伸ばして長くすることができるので、回転表示器4を機器本体1の上方に確実に配置させることができる。
【0137】
これにより、回転表示器4を大きく形成しても、支持部材41の長さの影響を受けずに、装置全体をコンパクトに構成することができる。この場合にも、回転表示器4の表示パネル15に表示される情報を見やすくするために、表示パネル15を大きく形成して、表示パネル15を大画面化することができ、このように表示パネル15の大画面化を図るため、表示ケース14を大きく形成しても、支持部材41の収縮時における長さを短くすることができるので、機器本体1を大きく形成する必要がなく、機器全体をコンパクトに構成することができる。
【0138】
この場合、支持機構40は、支持部材41が回転表示器4を支持した状態で、上下方向に向けて複数段に伸縮すると共に、支持取付部42が支持部材41を斜め上下方向に向けて出没可能に保持するように構成されていることにより、支持部材41を引き伸ばして支持取付部42から引き出す際に、斜め上方に向けて引き上げることができるので、回転表示器4を機器本体1の上方に移動させた際に、回転表示器4を機器本体1から十分に離すことができ、これにより回転表示器4が入力表示ユニット2のユニットケース5やプリンタユニット3のプリンタカバー10に対して干渉しないように配置することができる。
【0139】
すなわち、この支持機構40は、支持部材41が第1、第2の筒状部43、44を備え、第1の筒状部43内に設けられた挿入筒46内に第2の筒状部44を出没可能に挿入し、且つ第1の筒状部43を支持取付部42の収納筒部47内に、機器本体1の左右方向に傾けた状態で、斜め上下方向に向けて出没可能に挿入した構成であるから、第1の筒状部43を支持取付部42の収納筒部47内から引き出す際に、第1の筒状部43を斜め上方に傾けて引き出すことができる。このため、回転表示器4を機器本体1の上方に移動させた際に、回転表示器4を機器本体1から確実に離すことができる。
【0140】
(実施形態4)
次に、図19〜図21を参照して、この発明を電子レジスタに適用した実施形態4について説明する。この場合にも、図1〜図10に示された実施形態1と同一部分には同一符号を付して説明する。
この電子レジスタは、図19〜図21に示すように、回転表示器4を支持する支持機構50が実施形態1と異なる構成であり、これ以外は実施形態1とほぼ同じ構成になっている。
【0141】
この支持機構50は、図19〜図21に示すように、回転表示器4を支持した状態で上下方向に沿って複数段に伸縮する支持部材51と、この支持部材51を機器本体1の表示収納部17内に出没可能に保持する支持取付部52とを備えている。支持部材51は、上下方向に伸縮する複数の筒状部53、54と、この複数の筒状部53、54の相対的な引き出し位置を規制する筒規制部55とを備えている。
【0142】
複数の筒状部53、54は、図19〜図21に示すように、それぞれ径が異なる円筒状に形成され、第1の筒状部53の内部に第2の筒状部54が出没可能に挿入するように構成されている。すなわち、外側に位置する第1の筒状部53は、その外径が第2の筒状部54よりも大きく形成されており、この第1の筒状部53の内部には、これよりも外径の小さい第2の筒状部54がその軸方向に沿って移動可能に挿入されている。この小径である第2の筒状部54の上部には、回転表示器4の表示ケース14が一体に形成されている。
【0143】
この第1、第2の各筒状部53、54は、図19〜図21に示すように、それぞれ軸方向(上下方向)の長さが回転表示器4の高さのほぼ半分程度の長さ、つまり回転表示器4の表示ケース14を収納する機器本体1の表示収納部17における深さのほぼ半分程度の長さに形成され、第1、第2の各筒状部53、54を軸方向に沿って相対的に引き出した際に、その両方の筒状部53、54における上下方向の長さが表示収納部17の深さよりも長くなるように構成されている。
【0144】
筒規制部55は、図19〜図21に示すように、第1、第2の各筒状部53、54のうち、第2の筒状部54を第1の筒状部53内から上方に引き出す際に、その相対的な引き出し位置を規制するためのものであり、第1の筒状部53の内周面に設けられた伸縮ガイド溝53aおよび位置規制ガイド溝53bと、これらが対向する第2の筒状部54の外周面に弾力的に設けられたガイド突起54aとを備えている。
【0145】
この場合、伸縮ガイド溝53aは、図19〜図21に示すように、第1の筒状部53の内周面にその軸方向に沿って設けられている。位置規制ガイド溝53bは、第1の筒状部53の内周面にその円周方向に沿って設けられている。すなわち、この位置規制ガイド溝53bは、伸縮ガイド溝53aの上端部に位置し、この状態で伸縮ガイド溝53aと連続して形成されている。この場合、位置規制ガイド溝53b内には、回転位置を規制するための凹凸部が設けられている。
【0146】
ガイド突起54aは、図19〜図21に示すように、第2の筒状部54の外周面に設けられて、伸縮ガイド溝53a内を上下方向に移動すると共に、第2の筒状部54が第1の筒状部53から引き出されて伸縮ガイド溝53aの上端部に到達した際に、第2の筒状部54の回転操作に応じて位置規制ガイド溝53b内をその内部の凹凸部によってクリック感をもって移動するように構成されている。
【0147】
すなわち、このガイド突起54aは、図19〜図21に示すように、第2の筒状部54に切り込みを設けることにより、弾力を有する舌片状に形成され、且つ第2の筒状部54の外周面から出没可能に突出し、この突出した部分が伸縮ガイド溝53a内を移動すると共に、位置規制ガイド溝53b内をその内部の凹凸部によってクリック感をもって移動するように構成されている。
【0148】
また、この筒規制部45は、図19〜図21に示すように、第2の筒状部54の上限位置を規制する上限スタットパ部54bと、第2の筒状部54の下限位置を規制する下限スタットパ部54cとを備えている。上限ストッパ部54bは、第2の筒状部54の外周面における下端部に設けられて第1の筒状部53の内周面の下部側に設けられた段差部53c(図20参照)に下側から当接することにより、第2の筒状部54の上限位置を規制するように構成されている。
【0149】
下限ストッパ部54cは、図19〜図21に示すように、第2の筒状部54の外周面に設けられて第1の筒状部53の内周面のほぼ中間付近に設けられた段差部(図示せず)に上側から当接することにより、第2の筒状部54の下限位置を規制するように構成されている。この上限ストッパ部54bおよび下限ストッパ部54cは、ガイド突起部54aと同様、第2の筒状部54に切り込みを設けることにより、弾力を有する舌片状に形成されて、第2の筒状部54の外周面から突出し、この突出した部分が第1の筒状部53の内周面に接触した状態で移動するように構成されている。
【0150】
これにより、筒規制部55は、図19〜図21に示すように、第2の筒状部54の外周面に設けられたガイド突起54aが、これに対向する第1の筒状部53の内周面に設けられた伸縮ガイド溝53a内を移動することにより、第1、第2の各筒状部53、54をその軸方向である上下方向に沿って相対的に移動させるように構成されている。
【0151】
また、この筒規制部55は、図19〜図21に示すように、第2の筒状部54の外周面に設けられたガイド突起54aが、第1の筒状部53の伸縮ガイド溝53aの上端部に到達し、この状態で第2の筒状部54が回転表示器4と共に回転した際に、ガイド突起54aが伸縮ガイド溝53aに連続する位置規制ガイド溝53b内を移動することにより、第1、第2の各筒状部53、54の軸方向である上下方向への伸縮移動を阻止するように構成されている。
【0152】
この場合、上限ストッパ部54bは、図19〜図21に示すように、第1の筒状部53の内周面の下部側に設けられた段差部53cに下側から当接することにより、第2の筒状部54を第1の筒状部53内から最も突出させた状態で、抜け出すことなく位置規制するように構成されている。また、下限ストッパ部54cは、第1の筒状部53の内周面の段差部(図示せず)に上側から当接することにより、第2の筒状部54を第1の筒状部53内に最も挿入させた状態で位置規制するように構成されている。
【0153】
一方、支持取付部52は、図19〜図21に示すように、支持部材51の第1の筒状部53が上下方向に向けて出没可能に挿入する収納筒部57と、この収納筒部57に対する第1の筒状部53の引き出し位置を規制する取付規制部58とを備えている。収納筒部57は、その内径が第1の筒状部53の外径とほぼ同じ大きさの円筒状に形成されている。
【0154】
この収納筒部57は、図19〜図21に示すように、その上下方向の長さが第1、第2の各筒状部53、54における上下方向の長さ(高さ)よりも短く形成されている。この収納筒部57は、その下部が機器本体1内に挿入された状態で、上部が機器本体1の背面に設けられた表示収納部17の底部に取り付けられた構成になっている。
【0155】
また、取付規制部58は、図19〜図21に示すように、支持部材51の第1の筒状部53を収納筒部57内から上方に引き上げる際に、その相対的な引き上げ位置を規制するためのものであり、第1の筒状部53の外面に設けられた一対の伸縮ガイド溝53dと、この一対の伸縮ガイド溝53dの上下端部に設けられた複数の位置規制凹部53eと、これらが対向する収納筒部57の内面に設けられた一対のガイド突起57aと、第1の筒状部53の外面に設けられた位置規制フック部53fと、を備えている。
【0156】
この場合、一対の伸縮ガイド溝53dは、図19〜図21に示すように、第1の筒状部53の外面にその上下方向に沿って設けられている。複数の位置規制凹部53eは、一対の伸縮ガイド溝53d内における上下の両端部に、第1の筒状部53の内周面と外周面とに貫通した状態で設けられている。一対のガイド突起57aは、収納筒部57の内面に突出して設けられ、一対の伸縮ガイド溝53d内にそれぞれ移動可能に挿入すると共に複数の位置規制凹部53e内にそれぞれ弾力的に係脱可能に係合するように構成されている。
【0157】
すなわち、この一対のガイド突起57aは、図19〜図21に示すように、収納筒部57に切り込みを設けることにより、弾力を有する舌片状に形成され、且つ収納筒部57の内面から出没可能に突出し、この突出した部分が一対の伸縮ガイド溝53d内を弾力的に移動すると共に、複数の位置規制凹部53b内にそれぞれ弾力的に係脱可能に係合するように構成されている。また、位置規制フック部53fは、第1の筒状部53の外周面に弾力を有する舌片状に形成されて突出し、この突出した部分が収納筒部57の上端部を係脱可能に弾力的に係止するように構成されている。
【0158】
これにより、取付規制部58は、図19〜図21に示すように、収納筒部57の内面に設けられた一対のガイド突起57aが、これに対向する第1の筒状部53の外面に設けられた一対の伸縮ガイド溝53d内を上下方向に移動することにより、第1の筒状部53を収納筒部57に対して上下方向に沿って移動させるように構成されている。
【0159】
また、この取付規制部58は、図19〜図21に示すように、収納筒部57の内面に設けられた一対のガイド突起57aが、これに対向する第1の筒状部53の外面に設けられた一対の伸縮ガイド溝53dの上下の各端部に到達した際に、一対の伸縮ガイド溝53dの上下端部に設けられた位置規制凹部53eに弾力的に係合することにより、第1の筒状部53の上下方向への伸縮移動を弾力的に阻止するように構成されている。
【0160】
次に、このような電子レジスタにおける回転表示器4の作用について説明する。
回転表示器4の表示パネル15に表示された情報を顧客が見やすくする場合には、回転表示器4を機器本体1の表示収納部17の上方に引き上げて、顧客が表示パネル15に表示された情報を見やすい方向に向けて表示ケース14を回転させれば良い。すなわち、回転表示器4を引き上げる際には、支持機構50の支持部材51が軸方向に沿って伸びると共に、この支持部材51が支持取付部52から引き上げられる。
【0161】
このときには、図19〜図21に示すように、第2の筒状部54の外周面に設けられたガイド突起54aが、第1の筒状部53の内周面に設けられた伸縮ガイド溝53a内における上端部の位置規制凹部53bに係合しているため、この係合力に抗して第2の筒状部54を第1の筒状部53内から引き出す。すると、第2の筒状部54の外周面に設けられたガイド突起54aが、第1の筒状部53の内周面に設けられた伸縮ガイド溝53a内を上下方向に沿って移動し、支持部材51がその上方に伸びる。
【0162】
また、このときには、図19〜図21に示すように、収納筒部57の内周面に設けられた一対のガイド突起57aが、第1の筒状部53の外周面に設けられた一対の伸縮ガイド溝53d内における上端部の位置規制凹部53eに係合しているため、この係合力に抗して第1の筒状部53を収納筒部57内から引き出す。すると、収納筒部57の内周面に設けられた一対のガイド突起57aが、第1の筒状部53の外周面に設けられた一対の伸縮ガイド溝53d内を上方に向けて相対的に移動し、第1の筒状部53が収納筒部57内から上方に引き上げられる。
【0163】
そして、図19〜図21に示すように、第2の筒状部54のガイド突起54aが、第1の筒状部53における伸縮ガイド溝53a内を移動して、その伸縮ガイド溝53aの上端部に到達すると、第2の筒状部54のガイド突起54aが、第1の筒状部53の伸縮ガイド溝53a内の上端部に位置する位置規制ガイド溝53bに対応する。この状態で、回転表示器4を水平方向に回転させると、その回転に伴って第2の筒状部54が回転する。
【0164】
このときには、第2の筒状部54のガイド突起54aが、第1の筒状部53の伸縮ガイド溝53aに連続する位置規制ガイド溝53b内に挿入する。これにより、回転表示器4が第2の筒状部54と共に回転するが、第1の筒状部53に対する第2の筒状部54の軸方向である上下方向への移動が阻止され、第2の筒状部54が第1の筒状部53内から最も引き出された状態を維持する。
【0165】
また、収納筒部57の一対のガイド突起57aが第1の筒状部53の一対の伸縮ガイド溝53d内を相対的に移動して、一対の伸縮ガイド溝53dにおける各上部に移動した際には、一対のガイド突起57aが一対の伸縮ガイド溝53d内における上端部に位置する位置規制凹部53e内にそれぞれ係脱可能に弾力的に係合する。また、このときには、第1の筒状部53の位置規制フック部53fが収納筒部57の上端部を弾力的に係止する。これにより、収納筒部57に対する第1の筒状部53の上下方向への移動が弾力的に阻止される。
【0166】
このように支持機構50の支持部材51が上方に複数段に引き伸ばされると共に、支持部材51の第1の筒状部53が支持取付部52の収納筒部57内から引き出された際には、図20および図21に示すように、回転表示器4が機器本体1の上方に配置される。この状態では、回転表示器4の表示ケース14を回転させて、表示ケース14に設けられた表示パネル15を顧客が見やすい向きに向けることができる。
【0167】
すなわち、回転表示器4は、図19〜図21に示すように、表示ケース14の底部が支持部材51の最も上方に位置する第2の筒状部54の上部に一体に設けられていることにより、この第2の筒状部54と共にこれを中心に表示ケース14を回転させて、表示パネル15を顧客が見やすい向きに向けることができる。
【0168】
一方、この回転表示器4を機器本体1の表示収納部17内に収納する際には、回転表示器4を回転させて第2の筒状部54のガイド突起54aを第1の筒状部53の内周面に設けられた位置規制ガイド溝53bに沿って回転移動させることにより、このガイド突起54aを伸縮ガイド溝53aに対応させる。この状態で、表示ケース14を第2の筒状部54と共に押し下げる。すると、第2の筒状部54のガイド突起54aが第1の筒状部53の伸縮ガイド溝53a内に挿入する。
【0169】
そして、表示ケース14を更に押し下げると、第2の筒状部54のガイド突起54aが第1の筒状部53の伸縮ガイド溝53a内を相対的に移動して、第2の筒状部54が第1の筒状部53内に押し込まれる。すると、第2の筒状部54の下限ストッパ部54cが第1の筒状部53の内周面に設けられた段差部(図示せず)に当接して下限位置が規制された状態で、第2の筒状部54が第1の筒状部53内に収納される。
【0170】
また、このときには、収納筒部57の上端部に対する第1の筒状部53の位置規制フック部53fの係止を解除する。そして、支持取付部52における収納筒部57の一対のガイド突起57aが、第1の筒状部53における一対の伸縮ガイド溝53d内の上端部に位置する各位置規制凹部53eに弾力的に係合しているので、この係合力に抗して、表示ケース14を第1の筒状部53と共に押し下げる。すると、収納筒部57の一対のガイド突起57aが第1の筒状部53の各位置規制凹部53eから離脱して一対の伸縮ガイド溝53d内を移動する。
【0171】
この状態で、表示ケース14を更に押し下げると、収納筒部57の内面に設けられた一対のガイド突起57aが第1の筒状部53の外面に設けられた一対の伸縮ガイド溝53dに沿って相対的に下側に向けて移動するので、第1の筒状部53が収納筒部57内に収納される。これにより、回転表示器4の表示ケース14が機器本体1の表示収納部17内に収納される。
【0172】
このように、この電子レジスタにおいても、実施形態1と同様、機器本体1に対して回転表示器4を上下方向に移動可能に支持する支持機構50が、回転表示器4を支持した状態で上下方向に沿って複数段に伸縮する支持部材51と、この支持部材51を機器本体1の表示収納部17内に出没可能に保持する支持取付部52とを備えているので、回転表示器4を大きく形成しても、支持部材51の長さの影響を受けずに、装置全体をコンパクトに構成することができる。
【0173】
すなわち、この電子レジスタでは、支持部材51を複数段に収縮させて支持部材51の長さを短くすることができるので、支持部材51を機器本体1に対してコンパクトに収納することができると共に、支持部材51の収納時における長さを短くしても、支持部材51を複数段に引き伸ばして長くすることができるので、回転表示器4を機器本体1の上方に確実に配置させることができる。
【0174】
これにより、回転表示器4を大きく形成しても、支持部材51の長さの影響を受けずに、装置全体をコンパクトに構成することができる。この場合にも、回転表示器4の表示パネル15に表示される情報を見やすくするために、表示パネル15を大きく形成して、表示パネル15を大画面化することができ、このように表示パネル15の大画面化を図るため、表示ケース14を大きく形成しても、支持部材51の収縮時における長さを短くすることができるので、機器本体1を大きく形成する必要がなく、機器全体をコンパクトに構成することができる。
【0175】
この場合、支持機構50の支持部材51は、それぞれ径が異なり、一方の内部に他方が出没可能に挿入する複数の筒状部53、54と、この複数の筒状部53、54を相対的に引き出す際にその引き出し位置を相互に規制する筒規制部55とを備えているので、複数の筒状部53、54のうち、小径である第2の筒状部54を大径である第1の筒状部53内に挿入させることにより、支持部材51を短くすることができると共に、第1、第2の各筒状部53、54を相対的に引き出して支持部材51を長くすることができ、支持部材51を長くしても、筒規制部55によってその長さを確実に維持することができる。
【0176】
すなわち、筒規制部55は、第1筒状部53の内周面にその軸方向に沿って設けられた伸縮ガイド溝53aと、第1の筒状部53の内周面にその円周方向に沿って設けられて伸縮ガイド溝53aに連続する位置規制ガイド溝53bと、第1の筒状部53の内周面に対向する第2の筒状部54の外周面に設けられ、且つ伸縮ガイド溝53a内を移動すると共に位置規制ガイド溝53b内を移動するガイド突起54aとを備えているので、支持部材51を確実に且つ良好に伸縮させることができると共に、支持部材51を引き伸ばした際に、ガイド突起部54aが位置規制ガイド溝53b内に挿入することにより、支持部材51の伸びた状態を維持することができる。
【0177】
すなわち、この支持部材51では、第2の筒状部54のガイド突起54aが第1の筒状部53の伸縮ガイド溝53a内を移動することにより、各筒状部53、54を軸方向に沿って相対的に移動させることができ、これにより支持部材51の長さを伸縮させて変更することができる。また、支持部材51を引き伸ばした際に、第2の筒状部54のガイド突起54aが第1の筒状部53における伸縮ガイド溝53aから位置規制ガイド溝53b内に挿入して回転方向に移動することにより、第1、第2の各筒状部53、54の軸方向への移動を阻止することができ、これにより支持部材51の伸びた状態を確実に且つ良好に維持することができる。
【0178】
なお、上述した実施形態1〜4では、支持部材18、31、41、51が2段階に伸縮するように構成した場合について述べたが、これに限らず、3段階以上に伸縮するように構成しても良い。この場合には、支持部材を3つ以上の筒状部で構成すれば良い。このように構成すれば、支持部材を収縮させた際に、上述した実施形態1〜4よりも短くすることができるので、より一層、機器本体1をコンパクトに構成することができる。
【0179】
また、上述した実施形態1〜4では、電子レジスタに適用した場合について述べたが、必ずしも電子レジスタである必要はなく、回転表示器を備えた各種の電子機器に広く適用することができる。
【0180】
以上、この発明のいくつかの実施形態について説明したが、この発明は、これらに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0181】
(付記)
請求項1に記載の発明は、機器本体に対して表示器を上下方向に移動可能に支持する支持機構を備えた電子機器において、前記支持機構は、前記表示器を支持した状態で上下方向に沿って複数段に伸縮する支持部材と、この支持部材を前記機器本体に対して出没可能に保持する支持取付部とを備えていることを特徴とする電子機器である。
【0182】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、前記支持部材は、それぞれ径が異なり、その一方の内部に他方が出没可能に挿入する複数の筒状部と、この複数の筒状部を相対的に引き出す際にその引き出し位置を相互に規制する筒規制部とを備えていることを特徴とする電子機器である。
【0183】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電子機器において、前記筒規制部は、前記複数の筒状部の各周面にその軸方向に沿って設けられた伸縮ガイド溝と、この伸縮ガイド溝内に所定間隔で設けられた複数の位置規制凹部と、前記複数の筒状部の前記各周面に対向する前記複数の筒状部の各周面に設けられ、且つ前記伸縮ガイド溝内を移動すると共に前記複数の位置規制凹部内に弾力的に係脱可能に係合するガイド突起とを備えていることを特徴とする電子機器である。
【0184】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の電子機器において、前記筒規制部は、前記複数の筒状部の各周面にその軸方向に沿って設けられた伸縮ガイド溝と、前記複数の筒状部の各周面にその円周方向に沿って設けられて前記伸縮ガイド溝に連続する位置規制ガイド溝と、前記複数の筒状部の前記各周面に対向する前記複数の筒状部の各周面に設けられ、且つ前記伸縮ガイド溝内を移動すると共に前記位置規制ガイド溝内を移動するガイド突起とを備えていることを特徴とする電子機器。
【0185】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電子機器において、前記支持取付部は、前記支持部材の前記複数の筒状部のうち、最外周に位置する筒状部が出没可能に挿入する収納筒部と、この収納筒部に対する前記最外周の筒状部の引き出し位置を規制する取付規制部とを備えていることを特徴とする電子機器である。
【0186】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電子機器において、前記表示器は、表示ケースの側面に表示パネルが設けられ、前記表示ケースの底部が前記支持部材を引き伸ばした際に最も上方に位置する前記筒状部の上部に回転可能に取り付けられていることを特徴とする電子機器である。
【0187】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の電子機器において、前記機器本体には前記表示器を出没可能に収納する表示収納部が設けられており、この表示収納部内の底部には前記支持部材を収縮させた状態で収納する前記支持取付部が設けられていることを特徴とする電子機器である。
【0188】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の電子機器において、前記支持部材は、前記表示器を支持した状態で、斜め上下方向に向けて複数段に伸縮することを特徴とする電子機器である。
【符号の説明】
【0189】
1 機器本体
4 回転表示器
14 表示ケース
15 表示パネル
16、30、40、50 支持機構
17 表示収納部
18、31、41、51 支持部材
19、32、42、52 支持取付部
20、21 筒軸
20a、34a、44a、53a 伸縮ガイド溝
20b、34b、44b 位置規制凹部
20c、21a、36a、37a、46a、47a、54a、57a ガイド突起
22、35、45、55 筒規制部
23、37、47、57 収納筒部
23a、33a、43a、53d 伸縮ガイド溝
23b、43b、53e 位置規制凹部
24、38、48、58 取付規制部
33、34、43、44 筒状部
33b、53f 位置規制フック部
36、46 挿入筒
53b 位置規制ガイド溝


【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器本体に対して表示器を上下方向に移動可能に支持する支持機構を備えた電子機器において、
前記支持機構は、前記表示器を支持した状態で上下方向に沿って複数段に伸縮する支持部材と、この支持部材を前記機器本体に対して出没可能に保持する支持取付部とを備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、前記支持部材は、それぞれ径が異なり、その一方の内部に他方が出没可能に挿入する複数の筒状部と、この複数の筒状部を相対的に引き出す際にその引き出し位置を相互に規制する筒規制部とを備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器において、前記筒規制部は、前記複数の筒状部の各周面にその軸方向に沿って設けられた伸縮ガイド溝と、この伸縮ガイド溝内に所定間隔で設けられた複数の位置規制凹部と、前記複数の筒状部の前記各周面に対向する前記複数の筒状部の各周面に設けられ、且つ前記伸縮ガイド溝内を移動すると共に前記複数の位置規制凹部内に弾力的に係脱可能に係合するガイド突起とを備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項2に記載の電子機器において、前記筒規制部は、前記複数の筒状部の各周面にその軸方向に沿って設けられた伸縮ガイド溝と、前記複数の筒状部の各周面にその円周方向に沿って設けられて前記伸縮ガイド溝に連続する位置規制ガイド溝と、前記複数の筒状部の前記各周面に対向する前記複数の筒状部の各周面に設けられ、且つ前記伸縮ガイド溝内を移動すると共に前記位置規制ガイド溝内を移動するガイド突起とを備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電子機器において、前記支持取付部は、前記支持部材の前記複数の筒状部のうち、最外周に位置する筒状部が出没可能に挿入する収納筒部と、この収納筒部に対する前記最外周の筒状部の引き出し位置を規制する取付規制部とを備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電子機器において、前記表示器は、表示ケースの側面に表示パネルが設けられ、前記表示ケースの底部が前記支持部材を引き伸ばした際に最も上方に位置する前記筒状部の上部に回転可能に取り付けられていることを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれかに記載の電子機器において、前記機器本体には前記表示器を出没可能に収納する表示収納部が設けられており、この表示収納部内の底部には前記支持部材を収縮させた状態で収納する前記支持取付部が設けられていることを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の電子機器において、前記支持部材は、前記表示器を支持した状態で、斜め上下方向に向けて複数段に伸縮することを特徴とする電子機器。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−12121(P2013−12121A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145484(P2011−145484)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】