説明

電子機器

【課題】 人物間の親密度を示す詳細な人物関係深度情報を作成し、有効に利用することができる電子機器を提供する。
【解決手段】 画像に含まれる人物を検出する人物検出部4と、前記画像に含まれる前記人物間の親密度を示す人物関係深度情報を作成する人物関係深度作成部4と、前記人物関係深度情報を外部装置に対して送信する送信部18とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
2人の人物が同一画像に含まれる頻度に基づいて2人の人物間の親密度を示す人物関係深度情報を算出する撮像装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この撮像装置においては、人物関係深度情報に基づく優先順位を画像の表示順序の決定、オートフォーカスの領域検出に用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−140069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この撮像装置においては、人物関係深度情報から算出した優先順位を用いるのみであり、人物関係深度情報の利用方法が限られていた。
【0005】
本発明の目的は、人物間の親密度を示す詳細な人物関係深度情報を作成し、有効に利用することができる電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子機器は、画像に含まれる人物を検出する人物検出部と、前記画像に含まれる前記人物間の親密度を示す人物関係深度情報を作成する人物関係深度作成部と、前記人物関係深度情報を外部装置に対して送信する送信部とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る電子機器は、画像に含まれる人物を検出する人物検出部と、前記画像の撮影者を検出する撮影者検出部と、前記画像に含まれる前記人物間の親密度を示す人物関係深度情報を作成する人物関係深度作成部とを備え、前記人物関係深度作成部は、前記撮影者を前記人物に加えて前記人物関係深度情報を作成することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る電子機器は、画像を取得する画像取得部と、前記画像の撮影者を検出する撮影者検出部と、前記画像に含まれる前記人物間の親密度を示す人物関係深度情報を作成する人物関係深度作成部とを備え、前記人物関係深度作成部は、前記撮影者を前記人物に加えて前記人物関係深度情報を作成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る電子機器によれば、人物間の親密度を示す詳細な人物関係深度情報を作成し、有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るカメラのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るカメラにより特定した人物が含まれる画像の集計結果を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るカメラにより作成した人物関係深度情報を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るカメラにより特定した人物が含まれる画像及び画像の撮影者の集計結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の第1の実施の形態に係る電子機器についてカメラを例に説明する。図1は第1の実施の形態に係るカメラのシステム構成を示すブロック図である。カメラ2はCPU4を備え、CPU4には、CCD或いはCMOS等により構成され、図示しない撮影レンズを介した被写体光を撮像して撮像信号(蓄積電荷としてのアナログ信号)を生成する撮像素子6、撮像素子6から出力された撮像信号を図示しないA/D変換部においてA/D変換することにより生成された画像データに、ホワイトバランス調整、輪郭補償、ガンマ補正等の画像処理を行う撮影画像処理部8、親密度を示す人物関係深度情報のデータ、人物検出により特定される人物の識別記号等の種々のデータを記憶する内部メモリ10、撮影画像データや人物関係深度情報のデータ等の種々のデータを記憶する外部の記憶媒体であるメモリカード12を装着するカードスロット14、撮像素子6からの出力に基づくスルー画像やメニュー画面等を表示するモニタ16、人物関係深度情報のデータをPCやサーバ等の外部装置に対して無線または有線により送信する送信部18、GPS衛星から受信した信号に基づいて自己位置を測位するGPS22、図示しない水晶振動子を有し計時動作を行うRTC(リアルタイムクロック)24、電源ボタン26、シャッタボタン28が接続されている。
【0012】
次に、第1の実施の形態に係るカメラの人物関係深度情報の作成処理及び人物関係深度情報のデータの送信処理について説明する。この形態に係るカメラ2においては、撮影時にシャッタボタン28を用いてレリーズ指示が行われると、CPU4は、撮像素子6からの出力に基づく撮影画像データを記録すると共に、GPS22からの出力に基づく撮影位置データ及びRTC24からの出力に基づく撮影日時データを撮影画像データのExif形式等のファイルのタグデータ内にメタデータとして含めてメモリカード12に記録させる。従って、CPU4は撮影画像データのメタデータを参照して後述の作成対象画像データを読み出すことができる。
【0013】
CPU4は、メモリカード12に記録された撮影画像データから人物関係深度情報を作成するために用いる作成対象画像データを読み出す。作成対象画像データとして、例えば、3年間など一定の期間内に撮影された撮影画像データやある地点から所定範囲内で撮影された撮影画像データ等を用いる。
【0014】
次に、CPU4は、作成対象画像データの画像毎に人物検出を行う。例えば、CPU4は、眉や目、鼻等の端点、顔の輪郭点等の特徴点を抽出することにより画像に含まれる人物の顔を検出することにより、人物検出を行う。また、CPU4は検出した人物がどの人物であるかを特定する。なお、予め登録された人物については登録された識別記号で特定し、過去に検出したことのある人物については過去に付した識別記号で特定する。また、新たに検出した人物については新たに識別記号を付して特定する。
【0015】
次に、CPU4は図2に示すように、人物の特定結果を用いて画像毎に含まれている人物の集計を行う。ここで、図2は、作成対象画像データが「P301」、「P302」、「P303」、「P304」及び「P305」の5枚であり、「○」が付された人物が画像に含まれていることを示している。即ち、図2は、「P301」には人物A、人物B及び人物Dが含まれ、「P302」には人物B、人物C及び人物Eが含まれ、「P303」には人物A及び人物Bが含まれ、「P304」には人物A、人物B、人物C及び人物Eが含まれ、「P305」には人物A及び人物Dが含まれていることを示している。
【0016】
なお、図2の表は説明のために示したものであり、集計結果を作成するフォーマットは表に限定されない。例えば、CSV(Comma Separated Values)形式やXML形式等のフォーマットで集計結果を作成してもよい。
【0017】
次に、CPU4は上述の集計結果(図2参照)を用いて、人物Aと人物B、人物Aと人物C等、2人の人物が同一の画像に含まれる枚数に基づく親密度を示す人物関係深度情報を作成する。即ち、図3に示すように、上述の集計結果から人物Aと人物Bとが同一の画像に含まれる枚数は3枚であるため、CPU4は人物Aと人物Bの親密度を3と算出する。また、人物Aと人物Cとが同一の画像に含まれる枚数は1枚であるため、CPU4は人物Aと人物Bの親密度を1と算出する。同様にしてCPU4は、人物Aと人物Dの親密度を2、人物Aと人物Eの親密度を1、人物Bと人物Cの親密度を2、人物Bと人物Dの親密度を1、人物Bと人物Eの親密度を2、人物Cと人物Dの親密度を0、人物Cと人物Eの親密度を2、人物Dと人物Eの親密度を0とそれぞれ算出する。
【0018】
次に、CPU4は作成した人物関係深度情報のデータを内部メモリ10またはメモリカード12に記録させ、送信部18を介してPCやサーバ等の外部装置に対して人物関係深度情報のデータを送信する。
【0019】
なお、外部装置に対して送信する人物関係深度情報のデータは、CSV形式やXML形式等のフォーマットでもよいし、表計算アプリケーションのデータ形式のフォーマットでもよい。また、送信する際の通信プロトコルや物理的な通信媒体は特に限定されない。
【0020】
第1の実施の形態に係るカメラによれば、画像に含まれる人物間の親密度を示す人物関係深度情報を有効に利用することができる。即ち、人物関係深度情報のデータを外部装置に送信するため、画像の撮影を行ったカメラ以外の外部装置においても人物関係深度情報を利用することができる。特に、SNS(ソーシャルネットワークサービス)サーバに人物関係深度情報のデータを送信した場合にSNSを通じて親密度を示す人物関係深度情報を参照することにより人間関係に基づいた検索を行うことができ、有効である。例えば、検索エンジンを用いた検索結果に親密度の高い人物のサイト等が含まれる場合には、SNSを通じて人物関係深度情報を参照することにより親密度の高い人物のサイトを検索結果の上位に表示する等、検索結果を見やすく表示することができる。また、SNSサーバにおいては受信した複数の人物関係深度情報を処理することにより、複数の人物関係深度情報に基づく2人の人物間の親密度を算出することができるため、詳細な人物間の親密度に関する情報を蓄積することができる。
【0021】
また、人物関係深度情報のデータのみを送信し、人物関係深度情報の作成に用いた作成対象画像データそのものを外部装置に送信しないため、データ通信量及び通信コストの低減を図ることができる。また、外部装置に画像データを送信しないため、SNSサーバ等の外部装置の負荷を低減させることができる。従って、特にSNSサーバに人物関係深度情報のデータを送信する場合に、多くの人物関係深度情報のデータを送信することができると共に、SNSサーバに多くの人物関係深度情報のデータを蓄積させることができるため、人間関係に基づいた検索を詳細に行うことができる。
【0022】
次に、図面を参照して本発明の第2の実施の形態に係るカメラの人物関係深度情報の作成処理及び人物関係深度情報のデータの送信処理について説明する。なお、この第2の実施の形態に係るカメラは、第1の実施の形態に係るカメラの撮影時に撮影者を検出し記録する構成を付加し、撮影者を加味して人物関係深度情報を作成する構成に変更したものである。従って、第1の実施の形態と同一の構成についての詳細な説明は省略し、異なる部分のみについて詳細に説明する。また、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付して説明する。
【0023】
この実施の形態に係るカメラ2においては、撮影時にシャッタボタン28を用いてレリーズ指示が行われると、CPU4は、撮像素子6からの出力に基づく撮影画像データをExif等のファイル形式でメモリカード12に記録させる。この場合にCPU4は、GPS22からの出力に基づく撮影位置データ、RTC24からの出力に基づく撮影日時データ及び撮影者を示すデータを撮影画像データのファイルのタグデータ内にメタデータとして含めて記録させる。ここで、カメラ2は、撮影者の情報を取得する撮影者情報取得部を備えている。撮影者情報取得部としては、撮影者の指紋を検出する指紋センサであってもよいし、ファインダ等を介して撮影者の網膜情報を取得する網膜情報取得部であってもよい。また、メニュー操作等により予め撮影者を設定してもよい。
【0024】
まず、CPU4は、第1の実施の形態と同様にして、メモリカード12に記録された撮影画像データから人物関係深度情報を作成するために用いる作成対象画像データを読み出す。次に、CPU4は、第1の実施の形態と同様に作成対象画像データの画像毎に人物検出を行い、検出した人物の特定を行う。また、CPU4は、作成対象画像データの画像毎にメタデータを参照して撮影者の特定を行う。
【0025】
次に、CPU4は図4に示すように、人物の特定結果及び撮影者特定の結果を用いて画像毎に撮影者及び含まれている人物の集計を行う。ここで、図4は、作成対象画像データが「P301」、「P302」、「P303」、「P304」及び「P305」の5枚であり、「○」が付された人物が画像に含まれ、「△」が付された人物が撮影者であることを示している。即ち、「P301」の撮影者は人物Cであり、画像には人物A、人物B及び人物Dが含まれ、「P302」の撮影者は人物Dであり、画像には人物B、人物C及び人物Eが含まれ、「P303」の撮影者は人物Dであり、画像には人物A及び人物Bが含まれ、「P304」の撮影者は人物Dであり、画像には人物A、人物B、人物C及び人物Eが含まれ、「P305」の撮影者は人物Cであり、画像には人物A及び人物Dが含まれていることを示している。
【0026】
なお、図4の表は説明のために示したものであり、集計結果を作成するフォーマットは表に限定されない。例えば、CSV(Comma Separated Values)形式やXML形式等のフォーマットで集計結果を作成してもよい。
【0027】
次に、CPU4は上述の集計結果(図4参照)を用いて2人の人物が同一の画像に含まれる枚数及び特定の撮影者が撮影した画像に特定の人物が含まれる枚数に基づいて親密度を算出し人間関係深度情報を作成する。ここで、2人の人物が同一の画像に含まれる画像が1枚である場合には親密度を1として算出し、特定の撮影者が撮影した画像に特定の人物が含まれる画像が1枚である場合に親密度を1として算出してもよいし、2人の人物が同一の画像に含まれる画像が1枚である場合には親密度を1として算出し、特定の撮影者が撮影した画像に特定の人物が含まれる画像が1枚である場合に親密度を0.5として算出してもよい。即ち、2人の人物が同一の画像に含まれる場合の画像1枚当りの親密度と、特定の撮影者が特定の人物を撮影した場合の画像1枚当りの親密度とを同一としてもよいし、異ならせてもよい。異ならせる場合には、例えば、撮影を行う際に隣同士に写りたいと希望する場合よりも、撮影者と被写体の関係となる場合の方が、親密度が低いことを反映させることができる。
【0028】
2人の人物が同一の画像に含まれる画像が1枚である場合には親密度を1として算出し、特定の撮影者が撮影した画像に特定の人物が含まれる画像が1枚である場合に親密度を0.5とする場合には、図4に示すように人物Aと人物Bとが同一の画像に含まれる枚数は3枚であり人物Aまたは人物Bが撮影者である画像は0枚であるため、CPU4は人物Aと人物Bの親密度を3と算出する。また、人物Aと人物Cとが同一の画像に含まれる枚数は1枚であり人物Cが撮影者である画像に人物Aが含まれる画像の枚数は2枚であるため、CPU4は人物Aと人物Cの親密度を2と算出する。また、人物Aと人物Dとが同一の画像に含まれる枚数は2枚であり人物Dが撮影者である画像に人物Aが含まれる画像の枚数は2枚であるため、CPU4は人物Aと人物Dの親密度を3と算出する。同様にしてCPU4は、人物Aと人物Eの親密度を1、人物Bと人物Cの親密度を2.5、人物Bと人物Dの親密度を2.5、人物Bと人物Eの親密度を2、人物Cと人物Dの親密度を2、人物Cと人物Eの親密度を2、人物Dと人物Eの親密度を1とそれぞれ算出する。そして、CPU4は、第1の実施の形態と同様に表等の形式で、算出した親密度を内容とする人物関係深度情報を作成する。
【0029】
次に、CPU4は作成した人物関係深度情報のデータを内部メモリ10またはメモリカード12に記録させ、送信部18を介してPCやサーバ等の外部装置に対して人物関係深度情報のデータを送信する。
【0030】
なお、外部装置に対して送信する人物関係深度情報のデータは、CSV形式やXML形式等のフォーマットでもよいし、表計算アプリケーションのデータ形式のフォーマットでもよい。また、送信する際の通信プロトコルや物理的な通信媒体は特に限定されない。
【0031】
第2の実施の形態に係るカメラによれば、撮影者及び画像に含まれる人物間の親密度を示す人物関係深度情報を有効に利用することができる。また、撮影者を加味することにより、より詳細な人物関係深度情報を作成することができる。また、撮影者を加味するため、画像に含まれる人物が1人である場合であっても、この画像に基づいて親密度を示す人物関係情報を作成することができる。
【0032】
なお、上述の各実施の形態において、親密度を内容とする人物関係深度情報を作成する構成としたが、人物関係深度情報の作成に用いた作成対象画像を特定する元画像特定情報を人物関係深度情報の内容として含めてもよい。元画像特定情報として、カメラを識別するための情報(メーカー名、モデル名、シリアル番号の組)と撮影日時の組み合わせからなる情報を用いてもよいし、GUID(Global Unique Identifier)を用いてもよい。この場合には、カメラ2から人物関係深度情報のデータを外部装置に対して送信した場合に、外部装置において既に受信した人物関係深度情報であるか否かを判断することができる。従って、外部装置において同一のデータに基づく処理が重複して行われることを防ぐことができ、SNSサーバ等の外部装置において複数の人物関係深度情報に基づく2人の人物間の親密度を高い精度で算出することができる。即ち、重複して同一のデータを処理することにより実際よりも2人の人物間の親密度が非常に高くなる等の誤認を防ぐことができる。また、外部装置において同一のデータを重複して蓄積することを防ぐことができる。
【0033】
また、人物関係深度情報の作成に用いた作成対象画像の撮影日時及び撮影場所のうち少なくとも一方を人物関係深度情報の内容に含めてもよい。この場合には、カメラ2から人物関係深度情報のデータをSNSサーバ等の外部装置に送信した場合に、特にSNSサーバを用いて期間や場所を指定して人間関係に基づく検索を行うことができる。即ち、2人の人物間の親密度が高い期間を指定した検索や、親密度が高い交流があった場所を指定した検索が可能となる。
【0034】
また、親密度を内容として含む人物関係深度情報を作成したが、上述の第2の実施の形態に係る人物関係深度情報の作成に用いた作成対象画像の撮影者の情報(撮影者の識別記号など)を人物関係深度情報の内容として含めてもよい。この場合には、SNSサーバ等の外部装置においてさらに充実した人物関係深度情報を蓄積することができる。
【0035】
また、上述の各実施の形態において、人物関係深度情報のデータを送信する際にデータを暗号化して送信してもよい。この場合には、プライバシーに関わる情報が通信路の途中で漏洩することを防ぐことができる。また、人物関係深度情報全体を暗号化して送信してもよいし、個人を特定する情報(被写体の識別記号や氏名、撮影者の識別記号や氏名)等のプライバシー情報のみを暗号化し、それ以外の情報については暗号化しないで送信してもよい。プライバシー情報のみを暗号化する場合には、人物関係深度情報のデータを送信するカメラ2においては暗号化の処理負荷を低減することができ、人物関係深度情報のデータを受信する外部装置においては復号化の処理負荷を低減することができる。
【0036】
暗号化を行う場合には、共通鍵方式を使用してもよいし、公開鍵方式を使用してもよい。また、暗号化アルゴリズムも限定されず、カメラ2のCPU4の能力や要求される暗号化処理時間、外部装置のプロセッサー能力や復号化処理時間及び人物関係深度情報のデータを送信する通信路において求められる暗号化強度を考慮して決定することができる。
【0037】
また、上述の各実施の形態においては、電子機器としてカメラを例に説明したが、PCやサーバであってもよい。この場合において、PCやサーバはハードディスク等に記録された画像データのうちから作成対象画像データを読み出し、人物関係深度情報の算出を行う。また、PCやサーバは作成した人物関係深度情報のデータを外部装置に対して送信してもよい。
【0038】
また、サーバやPCにおいては、カメラにより撮影された撮影画像データを受信し、受信した撮影画像データに基づいて人物関係深度情報の作成を行ってもよい。特に、SNSサーバに蓄積された撮影画像データから人物関係深度情報を作成する場合にSNSを通じて人物関係深度情報を参照することにより人間関係に基づいた検索を行うことができ、有効である。例えば、検索エンジンを用いた検索結果に親密度の高い人物のサイト等が含まれる場合には、SNSを通じて人物関係深度情報を参照することにより親密度の高い人物のサイトを検索結果の上位に表示する等、検索結果を見やすく表示することができる。
【0039】
また、PCにおいては、カメラにより撮影された撮影画像データが記録されたメモリカード等の記録媒体を介して画像を取得し、取得した撮影画像データに基づいて人物関係深度情報の作成を行ってもよい。
【0040】
また、上述の各実施の形態においては、2人の人物間の親密度を内容とする人物関係深度情報を作成する構成としたが、3人の人物間の親密度を内容とする人物関係深度情報や4人の人物間の親密度を内容とする人物関係情報など、3人以上の人物間の親密度を内容とする人物関係深度情報を作成してもよい。この場合には、2人の人物間の親密度を内容とする人物関係深度情報を作成するのに加えて、3人以上の人物間の親密度を内容とする人物関係深度情報を作成してもよいし、2人の人物間の親密度を内容とする人物関係深度情報を作成するのに代えて、3人以上の人物間の親密度を内容とする人物関係深度情報を作成してもよい。また、画像に含まれる人物のみから3人以上の人物間の親密度を内容とする人物関係深度情報を作成してもよいし、撮影者を加味して3人以上の人物間の親密度を内容する人物関係深度情報を作成してもよい。撮影者を加味して3人以上の人物間の親密度を内容とする人物関係深度情報を作成する場合には、上述の第2の実施の形態と同様に、3人以上の人物が同一の画像に含まれる場合の画像1枚当りの親密度と、特定の撮影者が特定の2人以上の人物を撮影した場合の画像1枚当りの親密度とを同一としてもよいし、異ならせてもよい。
【符号の説明】
【0041】
2…カメラ、4…CPU、12…メモリカード、18…送信部、22…GPS、24…RTC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像に含まれる人物を検出する人物検出部と、
前記画像に含まれる前記人物間の親密度を示す人物関係深度情報を作成する人物関係深度作成部と、
前記人物関係深度情報を外部装置に対して送信する送信部と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記画像の撮影者を検出する撮影者検出部を備え、
前記人物関係深度作成部は、前記撮影者を前記人物に加えて前記人物関係深度情報を作成することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記人物関係深度情報は、前記人物関係深度情報を作成するために用いられた前記画像の前記撮影者の情報を含むことを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記人物深度情報作成部は、前記画像が複数枚ある場合に、前記人物のうちの2人の人物が前記画像に含まれる枚数が多いほど前記2人の人物間の親密度を高くすることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記人物深度情報作成部は、前記画像に含まれる人物間の前記親密度と、前記撮影者と前記画像に含まれる人物との前記親密度とでは、前記撮影者と前記人物との前記親密度の方を低くすることを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記人物関係深度情報は、前記人物関係深度情報を作成するために用いられた前記画像を特定する元画像特定情報を含むことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記人物関係深度情報は、前記人物関係深度情報を作成するために用いられた前記画像の撮影日時または撮影場所のうち少なくとも一方を特定する情報を含むことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記人物関係深度情報を暗号化する暗号化部を備え、
前記送信部は、前記人物関係深度情報を暗号化して送信することを特徴とする請求項1
〜7の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記暗号化部は、前記人物関係深度情報のうちプライバシー情報を暗号化することを特徴とする請求項8記載の電子機器。
【請求項10】
画像に含まれる人物を検出する人物検出部と、
前記画像の撮影者を検出する撮影者検出部と、
前記画像に含まれる前記人物間の親密度を示す人物関係深度情報を作成する人物関係深度作成部とを備え、
前記人物関係深度作成部は、前記撮影者を前記人物に加えて前記人物関係深度情報を作成することを特徴とする電子機器。
【請求項11】
画像を取得する画像取得部と、
前記画像の撮影者を検出する撮影者検出部と、
前記画像に含まれる前記人物間の親密度を示す人物関係深度情報を作成する人物関係深度作成部とを備え、
前記人物関係深度作成部は、前記撮影者を前記人物に加えて前記人物関係深度情報を作成することを特徴とする電子機器。
【請求項12】
前記人物関係深度情報は、前記人物関係深度情報を作成するために用いられた前記画像を特定する元画像特定情報を含むことを特徴とする請求項10または11記載の電子機器。
【請求項13】
前記人物関係深度情報は、前記人物関係深度情報を作成するために用いられた前記画像の撮影日時または撮影場所のうち少なくとも一方を特定する情報を含むことを特徴とする請求項10〜12の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項14】
前記人物深度情報作成部は、前記画像が複数枚ある場合に、前記人物のうちの2人の人物が前記画像に含まれる枚数が多いほど前記2人の人物間の親密度を高くすることを特徴とする請求項10〜13の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項15】
前記人物深度情報作成部は、前記画像に含まれる人物間の前記親密度と、前記撮影者と前記画像に含まれる人物との前記親密度とでは、前記撮影者と前記人物との前記親密度の方を低くすることを特徴とする請求項10〜14の何れか一項に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−8182(P2013−8182A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140117(P2011−140117)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】