説明

電子装置、操作者推定方法およびプログラム

【課題】簡単でかつ便利に自装置を操作している操作者を推定する。
【解決手段】自装置の筐体の側面に配置され、操作者により自装置が触れられたときの接触の状態を検出する接触検出部SD1〜SD4と、検出された接触の状態に基づき、接触の時間的な変化または空間的な変化を抽出する接触変化抽出部61と、抽出された接触の時間的な変化または空間的な変化に基づき、操作者を推定する推定部64と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置、操作者推定方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ICチップを搭載し、電子マネーがそのICチップに入金された携帯電話などの電子装置を利用して買い物をすることが一般的に行われている。そのような電子装置の不正使用を防止するためには、操作者を認証することが行われている。
【0003】
携帯端末を操作する操作者を認証する方法として、例えば特許文献1が知られている。特許文献1では、操作者による手書き動作により推定される入力情報を受け付ける移動体端末装置であって、接触対象物との接触の有無を示す接触情報を取得する接触情報取得手段と、接触対象物との接触位置から装置本体の移動情報を取得する移動情報取得手段と、接触情報及び移動情報に基づいて入力情報を認識する認識手段と、操作者の筆跡を識別可能な筆跡情報を登録する登録手段とを備え、登録された筆跡情報と認識手段により認識される入力情報とを照合して操作者の認証を行うことが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−70920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
操作者は電子マネーが入金されている非接触ICチップを備える電子装置を利用する際には、紛失または盗難により第三者が当該操作者に成り済ましてその電子装置を使用するのを防止するために、ICチップを使えなくした状態(以後、ICチップロックと称する)に予め設定しておくことで電子マネーを使うことができなくしておき、電子マネーを使用するときにだけそのICカードロックを解除することが行われている。そのICチップロックの解除は、通常、暗証番号の入力により行われている。
【0006】
しかしながら、操作者が電子装置に備えられたボタンなどを指で押すことにより暗証番号を入力することは時間がかかり、操作者が電子マネーを利用する毎に、ボタンなどを指で押すことにより暗証番号を入力することは操作者にとってわずらわしいという問題があった。
【0007】
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、簡単でかつ便利に自装置を操作している操作者を推定することを可能とする電子装置、操作者推定方法およびプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様である電子装置は、自装置の筐体の側面に配置され、操作者により自装置が触れられたときの接触の状態を検出する接触検出部と、前記検出された接触の状態に基づき、前記接触の時間的な変化または空間的な変化を抽出する接触変化抽出部と、前記抽出された接触の時間的な変化または空間的な変化に基づき、前記操作者を推定する推定部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様である電子装置は、自装置の筐体の側面に配置され、操作者により自装置が触れられたときの圧力を検出する圧力検出部と、前記圧力検出部により検出された圧力の時間的な変化または空間的な変化を抽出する圧力変化抽出部と、前記抽出された圧力の時間的な変化または空間的な変化に基づき、前記操作者を推定する推定部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様である電子装置は、自装置の筐体の側面に配置され、操作者により自装置が触れられたときの接触の状態を検出する接触検出部と、操作者を識別する情報と前記操作者が自装置に触れるときの癖である触り癖を示す情報とが関連付けられて記憶されている記憶部と、前記記憶部から触り癖を示す情報を読み出し、前記読み出された触り癖を示す情報と前記検出された接触の状態とを照合する触り癖照合部と、前記触り癖照合部による照合により抽出された触り癖を示す情報と関連付けられた操作者を識別する情報を前記記憶部から読み出すことにより、前記操作者を推定する推定部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様である電子装置は、自装置の筐体の側面に配置され、操作者により自装置が触れられたときの接触の状態を検出する接触検出部と、自装置の筐体の動きを検出する動き検出部と、前記検出された接触の状態と前記検出された動きとに基づいて、前記操作者を推定する推定部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様である操作者推定方法は、自装置の筐体の側面に配置され、操作者により自装置が触れられたときの接触の状態を検出する接触検出部を備える電子装置が実行する操作者推定方法であって、操作者により自装置が触れられたときの、前記接触の時間的な変化または空間的な変化を抽出する接触変化抽出手順と、前記抽出された接触の時間的な変化または空間的な変化に基づき、前記操作者を推定する推定手順と、を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一態様であるプログラムは、自装置の筐体の側面に配置され、操作者により自装置が触れられたときの接触の状態を検出する接触検出部を備える電子装置のコンピュータに、操作者により自装置が触れられたときの、前記接触の時間的な変化または空間的な変化を抽出する接触変化抽出ステップと、前記抽出された接触の時間的な変化または空間的な変化に基づき、前記操作者を推定する推定ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡単でかつ便利に自装置を操作している操作者を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態に係る電子装置の構成を示す斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係る電子装置の一部の構成を示す断面図である。
【図3】第1の実施形態に係る電子装置の制御装置のブロック構成図である。
【図4】第1の実施形態に係る電子装置の制御部のブロック構成図である。
【図5】第1の実施形態における操作者の推定の処理の流れを示したフローチャートである。
【図6】第2の実施形態に係る電子装置の制御部のブロック構成図である。
【図7】第2の実施形態における操作者の推定の処理の流れを示したフローチャートである。
【図8】第3の実施形態に係る電子装置の制御部のブロック構成図である。
【図9】第3の実施形態における操作者の推定の処理の流れを示したフローチャートである。
【図10】第4の実施形態に係る電子装置の制御部のブロック構成図である。
【図11】第4の実施形態における操作者の推定の処理の流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る電子装置EQPの構成を示す斜視図である。図1に示すように、電子装置EQPは、筐体FLと、表示部DPと、操作部SDと、制御装置CONTと、撮像部IMGとを有している。
【0017】
筐体FLは、例えば矩形の板状に形成されており、表示部DP及び操作部SDを保持する。
表示部DPは、筐体FLのうち板面に設けられている。筐体FLのうち当該表示部DPが設けられる面を、以下表示面Feと表記する。表示部DPは、例えば液晶装置や有機EL装置などを有する表示パネルPNを有している。表示パネルPNが設けられる表示領域には、例えばタッチパネルTPが設けられている。
【0018】
操作部SDは、筐体FLのうち表示面Feを囲む4辺に相当する4つの側面Fa〜Fdに設けられている。操作部SDは、側面Faに設けられた接触検出部(圧力検出部)SD1、側面Fbに設けられた接触検出部(圧力検出部)SD2、側面Fcに設けられた接触検出部(圧力検出部)SD3及び側面Fdに設けられた接触検出部(圧力検出部)SD4を有している。操作部SDは、接触検出部SD1〜SD4において外部からの(例えば操作者の)接触の有無及び接触位置を検出する。これにより、接触検出部SD1〜SD4は、操作者により自装置が触れられたときの接触の状態を検出する。なお、接触検出部(圧力検出部)SD1〜SD4は、それぞれ1点以上の任意の点数に分割可能である。例えば、接触検出部SD1が5点に分割されているとすると、接触検出部SD1は5点で、接触の有無を検出することができる。
【0019】
また、接触検出部SD1〜SD4は、圧力センサとしても機能し、接触されたときの圧力を所定の段階(例えば、256段階)で検出する。これにより、接触検出部SD1〜SD4は、操作者により自装置が触れられたときの圧力を検出する。例えば、接触検出部SD1が5点に分割されているとすると、接触検出部SD1は5点で、圧力を検出することができる。
【0020】
撮像部IMGは、筐体FLの内部に設けられている。また、撮像部IMGのレンズは表示面Feとは反対の面に設けられている。撮像部IMGは、電子装置EQPの外部の被写体を撮像し、撮像に得られた画像データを生成する。
【0021】
図2は、電子装置の一部の構成を示す断面図である。同図において、電子装置EQPを表示面Fe側から見たときの図であり、接触検出部SD1〜SD4が断面で示されている。
図2に示すように、各接触検出部SD1〜SD4は、矩形に形成された表示部DPの各辺の位置に配置されると共に、表示部DPの寸法に対応する寸法に形成されている。
【0022】
具体的には、接触検出部SD1及びSD2の検出領域20は、表示部DPの短辺に対応する位置に配置されている。また、接触検出部SD1及びSD2の検出領域20の長手方向の寸法は、表示部DPの短辺の寸法に等しくなっている。一方、接触検出部SD3及びSD4の検出領域20は、表示部DPの長辺に対応する位置に配置されている。また、接触検出部SD3及びSD4の検出領域20の長手方向の寸法は、表示部DPの長辺の寸法に等しくなっている。
【0023】
図3は、制御装置CONTのブロック構成図である。図3に示すように、制御装置CONTは、制御部60と、入力部52と、出力部53と、記憶部54と、通信部55と、電源部56とを備える。
【0024】
制御部60は、電子装置EQPの統括的な演算処理を行う。入力部52は、電子装置EQPに対して入力を行う部分である。入力部52は、上記の接触検出部SD1〜SD4と、表示部検出部52b、姿勢検出部52cと、動き検出部52dと、撮像部IMGとを備える。なお、この他、入力部52として、例えばマイクなどの不図示の音声入力部が設けられていても構わない。
【0025】
表示部検出部52bは、タッチパネルTPにおける接触の有無及び接触位置を検出する。姿勢検出部52cは、電子装置EQPの姿勢を検出するセンサである。姿勢検出部52cとしては、例えば3軸加速度センサやジャイロセンサ、地磁気センサなどが設けられている。動き検出部52dは、自装置の筐体の動きを検出することにより、操作者により自装置が動かされたときの自装置の筐体の動きを検出する。動き検出部52dとしては、例えば加速度センサなどが設けられている。
接触検出部SD1〜SD4は、操作者により自装置が触れられたときの接触の状態を検出する。接触検出部SD1〜SD4は、例えば、静電容量型の接触感知センサが設けられている。
【0026】
出力部53は、画像や音声などを出力する。出力部53は、画像を表示する表示部DPと、音声の出力を制御する音声出力部53bとを備える。
【0027】
記憶部54には、制御部60による演算結果や入力部52に入力させる入力情報、出力部53によって出力させる出力情報(例、画像データ、音声データ)、通信部55を介して通信する情報などが記憶されている。また、記憶部54は、制御部60が実行するアプリケーションのプログラムが記憶されている。
また、記憶部54は、電子マネーが入金されている非接触ICチップを備える。記憶部54は、ICチップを使えなくした状態(ICチップロック)を解除できる登録者を示す情報が記憶されている。
【0028】
また、記憶部54には、操作者の示す情報o_(1、1)、…、o_(m、n)と(m、nは正の整数)、接触状態を示す情報Rs_1、…、Rs_mと、動き状態を示す情報Rm_1、…、Rm_nとが関連付けられて記憶されている。すなわち、記憶部54には、接触状態を示す情報Rs_iと動き状態を示す情報Rm_jとの組み合わせ毎に(i,jは正の整数)、一の操作者の示す情報o_(i、j)が対応付けられて記憶されている。ここで、一の操作者の示す情報o_(i、j)は、他の操作者の示す情報o_(i´、j´)と同じであってもよい(i´、j´は正の整数)。
【0029】
通信部55は、外部との間で有線方式及び無線方式のうち少なくとも一方の方式によって情報の通信が可能となるように構成されている。電源部56は、電子装置EQPに電力を供給するための電源が配置されている。電源部56としては、例えば電池やバッテリー等が挙げられる。
【0030】
次に、上記のように構成された電子装置EQPの動作を説明する。
表示部検出部52bは、タッチパネルTP上の接触位置を検出し、接触位置を示す情報を制御部60に出力する。制御部60は、当該接触位置に表示された識別表示に対応する処理を実行する。例えば、操作者がタッチパネルTPのうち不図示の表示領域31に重なる部分に接触した場合、制御部60は当該表示領域31に対応する処理を行う。
【0031】
姿勢検出部52cは、自装置の筐体FLの姿勢を検出し、検出した姿勢を示す情報aを制御部60に出力する。制御部60は、姿勢検出部52cから入力された姿勢を示す情報に基づいて、表示部DPにおける表示の向きを重力方向となるように切り替えるように制御する。
【0032】
動き検出部52dは、自装置の筐体の動きを検出し、検出した動きを示す情報mtを制御部60に出力する。
接触検出部SD1〜SD4は、操作者により自装置が触れられたときの接触の状態を検出し、検出した接触の状態を示す情報sを制御部60に出力する。
【0033】
撮像部IMGは、制御部60からの撮像を制御する制御信号に基づき、電子装置EQPの外部の被写体を撮像し、撮像により得られた画像データを生成し、その画像データを制御部60に出力する。
【0034】
制御部60は、撮像部IMGから取得した画像データを記憶部54に記憶させる。
制御部60は、記憶部54に記憶された画像データを読み出し、読み出した画像データを表示部DPに出力し、表示部DPに画像として表示させる。また、制御部60は、記憶部54に記憶されたアプリケーションのプログラムを読み出し、そのプログラムを実行することにより、プログラムにより定められた所定の画像を表示部DPに表示させる。
制御部60は、通信部55を介して入力された画像データを表示部DPに出力し、表示部DPに画像として表示させる。
【0035】
また、制御部60は、記憶部54に記憶された音声データを読み出し、読み出した音声データを音声出力部53bに出力し、音声出力部53bから音声を出力させる。
また、制御部60は、通信部55を介して、外部の機器との間でこれら画像データ及び音声データを含むデータの通信を行うように制御する。
制御装置CONTでは、操作者の操作に基づいて、これらの出力、通信を行わせる。なお、上記制御部60の処理は、第1の実施形態から第4の実施形態までに共通の制御部(60、60b、60c、60d)の処理であり、第2の実施形態以降では、その説明を省略する。
【0036】
図4は、制御部60のブロック構成図である。制御部60は、接触変化抽出部61と、動き状態算出部63と、推定部64とを備える。推定部64は、接触状態算出部62と、操作者推定部69とを備える。
接触変化抽出部61は、接触検出部SD1〜SD4により検出された接触の状態を示す情報sに基づき、接触の時間的な変化または空間的な変化を抽出し、抽出した接触の時間的な変化を示す情報ds/dtと、接触の空間的な変化を示す情報ds/dxとを接触状態算出部62に出力する。
【0037】
具体的には、例えば、接触変化抽出部61は、接触検出部SD1〜SD4のある位置における接触の有無の時間的な変化を算出し、その接触の有無の時間的な変化を示す情報ds/dtを接触状態算出部62に出力する。
同様に、例えば、接触変化抽出部61は、各接触検出部SD1〜SD4における接触の有無について各接触検出部の長手方向の変化を算出し、その接触の有無の長手方向の変化を示す情報を接触の空間的な変化を示す情報ds/dxとして接触状態算出部62に出力する。
【0038】
なお、接触変化抽出部61は、接触の状態を示す情報sに基づき、接触の空間分布を抽出し、接触の空間分布を示す情報を接触状態算出部62に出力してもよい。その場合、接触状態算出部62は、抽出された接触の空間分布を示す情報に基づき、接触状態を抽出する。
【0039】
動き状態算出部63は、動き検出部52dにより検出された動きを示す情報mtに基づいて、動きの特性を示す動き状態情報Rm_j(jは正の整数)を算出し、算出した動き状態情報Rm_jを操作者推定部69に出力する。
具体的には、例えば、動き状態算出部63は、所定の基準点と自装置の間の距離の時間的な変化を1つの波と捉え、その波の周波数と、振幅と、位相とを動き状態情報Rm_jとして算出する。
【0040】
推定部64は、接触変化抽出部61により抽出された接触の時間的な変化または空間的な変化に基づき、操作者を推定する。続いて、推定部64が備える接触状態算出部62について説明する。
接触状態算出部62は、接触変化抽出部61により抽出された接触の時間的な変化または空間的な変化に基づき、接触の特性を示す接触状態情報Rs_i(iは正の整数)を算出し、算出した接触状態情報Rs_iを操作者推定部69に出力する。
具体的には、例えば、接触状態算出部62は、接触の有無の時間的な変化を1つの波と捉え、その波の周波数と、振幅と、位相とを接触状態情報Rs_iの1つとして算出する。同様に、接触状態算出部62は、接触の有無の空間的な変化を1つの波と捉え、その波の周波数と、振幅と、位相とを接触状態情報Rs_iの1つとして算出する。
【0041】
続いて、推定部64が備える操作者推定部69について説明する。操作者推定部69は、接触状態情報と動き状態情報とに基づき、操作者を推定する。具体的には、例えば、接触状態算出部62により算出された接触状態情報Rs_iと、動き状態算出部63により算出された動き状態情報Rm_jとの組み合わせに対応する操作者を識別する情報o_(i,j)を記憶部54から読み出す。
操作者推定部69は、読み出した操作者を識別する情報o_(i,j)を出力部53に出力する。これにより、出力部53は、例えば、操作者を識別する情報o_(i,j)を表示部DPに表示させる。
【0042】
また、制御部60は、操作者推定部69により得られた操作者を識別する情報o_(i,j)を操作者の認証の処理に用いる。例えば、制御部60は、操作者を識別する情報o_(i,j)が、予め記憶部54に記憶された登録者の情報と同一であるならば、その操作者を認証し、例えば、ICカードロックの解除をするようにしてもよい。
これにより、操作者が電子装置に備えられたタッチパネルTPを押すことにより暗証番号を入力する時間を無くすことができる。また、操作者が認証を受ける毎に、暗証番号を手で入力するといった煩わしさを解消することができる。
【0043】
なお、本実施形態では操作者推定部69は、接触状態情報と動き状態情報とに基づき、操作者を推定したが、これに限らず、操作者推定部69は、算出された接触状態情報に基づき、操作者を推定してもよい。
具体的には、例えば、記憶部54には、接触状態情報と操作者を識別する情報とが予め関連付けられて記憶されており、操作者推定部69は、算出された接触状態情報に対応する操作者を識別する情報を記憶部54から読み出すことにより、操作者を推定してもよい。
【0044】
図5は、第1の実施形態における操作者の推定の処理の流れを示したフローチャートである。まず、接触検出部SD1〜SD4は、接触状態を検出する(ステップS101)。次に、接触変化抽出部61は、接触変化を抽出する(ステップS102)。次に、接触状態算出部62は、接触状態情報を算出する(ステップS103)。次に、動き検出部52dは、自装置の動きを検出する(ステップS104)。次に、動き状態算出部63は、動き状態情報を算出する(ステップS105)。次に、操作者推定部69は、自装置の操作者を識別する情報を記憶部54から読み出す(ステップS106)。以上で、本フローチャートの処理を終了する。
【0045】
以上、本実施形態における電子装置EQPの制御部60は、接触状態情報と動き状態情報とに基づいて自装置の操作者を識別する情報を読み出すことにより、自装置の操作者を識別する情報と予め記憶部54に記憶されている登録者を示す情報とが同一であるか否か判定することができる。そして、制御部60は、当該2つの情報が同一であれば、その操作者を認証する。
これにより、操作者が電子装置に備えられたタッチパネルTPを押すことにより暗証番号を入力する時間を無くすことができる。また、操作者が認証を受ける毎に、暗証番号を手で入力するといった煩わしさを解消することができる。
【0046】
<第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態における電子装置EQP_bについて説明する。第2の実施形態における電子装置EQP_bは、ブロック構成図は省略するが、図3に示された第1の実施形態に係る電子装置の制御装置EQPにおける記憶部54が記憶部54bに、制御部60が制御部60bに変更された構成となっている。
【0047】
記憶部54bには、操作者の示す情報o_(1、1)、…、o_(m、n)と(m、nは正の整数)、圧力状態を示す情報Rp_1、…、Rp_mと、動き状態を示す情報Rm_1、…、Rm_nとが関連付けられて記憶されている。すなわち、記憶部54bには、圧力状態を示す情報Rs_iと動き状態を示す情報Rm_jとの組み合わせ毎に(i,jは正の整数)、一の操作者の示す情報o_(i、j)が対応付けられて記憶されている。ここで、一の操作者の示す情報o_(i、j)は、他の操作者の示す情報o_(i´、j´)と同じであってもよい(i´、j´は正の整数)。
記憶部54bには、登録者を示す情報が記憶されている。
【0048】
図6は、第2の実施形態に係る電子装置EQP_bの制御部60bのブロック構成図である。制御部60bは、圧力変化抽出部65と、動き状態算出部63bと、推定部64bとを備える。また、推定部64bは、圧力状態算出部66と、操作者推定部69bとを備える。
圧力変化抽出部65は、接触検出部SD1〜SD4により検出された圧力の時間的な変化または空間的な変化を抽出し、抽出した圧力の時間的な変化を示す情報dp/dtと、圧力の空間的な変化を示す情報dp/dxとを圧力状態算出部66に出力する。
【0049】
具体的には、例えば、圧力変化抽出部65は、接触検出部SD1〜SD4のある位置における圧力の時間的な変化を算出し、その圧力の時間的な変化を示す情報dp/dtを圧力状態算出部66に出力する。
同様に、例えば、接触変化抽出部61は、各接触検出部SD1〜SD4における圧力について各接触検出部の長手方向の変化を算出し、その圧力の長手方向の変化を示す情報を圧力の空間的な変化を示す情報dp/dxとして圧力状態算出部66に出力する。
【0050】
推定部64bは、圧力変化抽出部65により抽出された圧力の時間的な変化または空間的な変化に基づき、操作者を推定する。続いて、推定部64bが備える圧力状態算出部66について説明する。圧力状態算出部66は、圧力変化抽出部65により抽出された圧力の時間的な変化または空間的な変化に基づき、圧力の特性を示す圧力状態情報Rp_i(iは正の整数)を算出し、算出した圧力状態情報Rp_iを操作者推定部69bに出力する。
具体的には、例えば、圧力状態算出部66は、圧力の時間的な変化を1つの波と捉え、その波の周波数と、振幅と、位相とを圧力状態情報Rp_iの1つとして算出する。同様に、接触状態算出部62は、圧力の空間的な変化を1つの波と捉え、その波の周波数と、振幅と、位相とを圧力状態情報Rp_iの1つとして算出する。
【0051】
動き状態算出部63bは、動き状態算出部63と同様に、動き検出部52dにより検出された動きを示す情報mtに基づいて、動きの特性を示す動き状態情報Rm_j(jは正の整数)を算出し、算出した動き状態情報Rm_jを操作者推定部69bに出力する。
具体的には、例えば、動き状態算出部63bは、自装置の基準点からの距離の時間的な変化を1つの波と捉え、その波の周波数と、振幅と、位相とを動き状態情報Rm_jとして算出する。
【0052】
続いて、推定部64bが備える操作者推定部69bについて説明する。操作者推定部69bは、圧力状態算出部66により算出された圧力状態情報と動き状態算出部63bにより算出された動き状態情報とに基づき、自装置の操作者を推定する。
具体的には、例えば、操作者推定部69bは、圧力状態情報Rp_iと、動き状態情報Rm_jとの組み合わせに対応した操作者を識別する情報o_(i,j)を記憶部54bから読み出すことにより、自装置の操作者を推定する。
【0053】
操作者推定部69bは、読み出した操作者を識別する情報o_(i,j)を出力部53に出力する。これにより、出力部53は、例えば、操作者を識別する情報o_(i,j)を表示部DPに表示させる。
【0054】
また、制御部60bは、制御部60と同様に、操作者推定部69bにより得られた操作者を識別する情報o_(i,j)を操作者の認証処理に用いる。例えば、制御部60bは、操作者を識別する情報o_(i,j)が、予め記憶部54bに記憶された登録者の情報と同一であるならば、その操作者を認証する。
これにより、操作者が電子装置に備えられたタッチパネルTPを押すことにより暗証番号を入力する時間を無くすことができる。また、操作者が認証を受ける毎に、暗証番号を手で入力するといった煩わしさを解消することができる。
【0055】
なお、本実施形態では操作者推定部69bは、圧力状態情報と動き状態情報とに基づき、操作者を推定したが、これに限らず、操作者推定部69bは、算出された圧力状態情報に基づき、操作者を推定してもよい。
具体的には、例えば、記憶部54bには、圧力状態情報と操作者を識別する情報とが予め関連付けられて記憶されており、操作者推定部69bは、算出された圧力状態情報に対応する操作者を識別する情報を記憶部54bから読み出すことにより、操作者を推定してもよい。
【0056】
図7は、第2の実施形態における操作者の推定の処理の流れを示したフローチャートである。まず、接触検出部SD1〜SD4は、操作者により自装置が触れられたときの圧力を検出する(ステップS201)。次に、圧力変化抽出部65は、圧力の時間変化または空間変化を抽出する(ステップS202)。次に、圧力状態算出部66は、圧力状態情報を算出する(ステップS203)。次に、動き検出部52dは、自装置の動きを検出する(ステップS204)。次に、動き状態算出部63は、動き状態情報を算出する(ステップS205)。次に、操作者推定部69bは、自装置の操作者を識別する情報を記憶部54bから読み出す(ステップS206)。以上で、本フローチャートの処理を終了する。
【0057】
以上、本実施形態における電子装置EQP_bの制御部60bは、圧力状態情報と動き状態情報とに基づいて自装置の操作者を識別する情報を読み出すことにより、自装置の操作者を識別する情報と予め記憶部54bに記憶されている登録者を示す情報とが同一であるか否か判定することができる。そして、制御部60bは、当該2つの情報が同一であれば、その操作者を認証する。
これにより、操作者が電子装置に備えられたタッチパネルTPを押すことにより暗証番号を入力する時間を無くすことができる。また、操作者が認証を受ける毎に、暗証番号を手で入力するといった煩わしさを解消することができる。
【0058】
<第3の実施形態>
続いて、本発明の第3の実施形態における電子装置EQP_cについて説明する。第3の実施形態における電子装置EQP_cは、ブロック構成図は省略するが、図3に示された第1の実施形態に係る電子装置の制御装置EQPにおける記憶部54が記憶部54cに、制御部60が制御部60cに変更された構成となっている。
【0059】
記憶部54cには、操作者の示す情報o_(1、1)、…、o_(m、n)と(m、nは正の整数)、触り癖を示す情報Hs_1、…、Hs_mと、動かし癖を示す情報Hm_1、…、Hm_nとが関連付けられて記憶されている。すなわち、記憶部54cには、触り癖を示す情報Hs_iと動かし癖を示す情報Hm_jとの組み合わせ毎に(i,jは正の整数)、一の操作者の示す情報o_(i、j)が対応付けられて記憶されている。ここで、一の操作者の示す情報o_(i、j)は、他の操作者の示す情報o_(i´、j´)と同じであってもよい(i´、j´は正の整数)。
記憶部54cには、登録者を示す情報が記憶されている。
【0060】
図8は、第3の実施形態に係る電子装置EQP_cの制御部60cのブロック構成図である。制御部60cは、触り癖照合部67と、動かし癖照合部68と、推定部64cとを備える。
触り癖照合部67は、記憶部54cから触り癖を示す情報を読み出し、読み出された触り癖を示す情報と検出された接触の状態とを照合し、照合により抽出された触り癖を示す情報を推定部64cに出力する。
【0061】
動かし癖照合部68は、記憶部54cから動かし癖を示す情報を読み出し、読み出された動かし癖を示す情報と検出された動きとを照合し、照合により抽出された動かし癖を示す情報を推定部64cに出力する。
【0062】
推定部64cは、触り癖照合部67による照合により抽出された触り癖を示す情報および動かし癖照合部68による照合により抽出された動かし癖を示す情報に関連付けられた操作者を識別する情報を記憶部54cから読み出すことにより、操作者を推定する
【0063】
なお、記憶部54cには、操作者を識別する情報と前記操作者が自装置に触れるときの癖である触り癖を示す情報とが関連付けられて記憶されている場合、推定部64cは、触り癖照合部67による照合により抽出された触り癖を示す情報と関連付けられた操作者を識別する情報を記憶部54cから読み出すことにより、操作者を推定してもよい。
【0064】
図9は、第3の実施形態における操作者の推定の処理の流れを示したフローチャートである。まず、接触検出部SD1〜SD4は、操作者により自装置が触れられたときの接触の状態を検出する(ステップS301)。次に、触り癖照合部67は、触り癖を照合する(ステップS302)。次に、動き検出部52dは、自装置の動きを検出する(ステップS303)。次に、動かし癖照合部68は、動かし癖を照合する(ステップS304)。次に、推定部64cは、触り癖を示す情報と動かし癖を示す情報とに対応する自装置の操作者を識別する情報を記憶部54cから読み出す(ステップS306)。以上で、本フローチャートの処理を終了する。
【0065】
以上、本実施形態における電子装置EQP_cの制御部60cは、触り癖を示す情報と動かし癖を示す情報とに基づいて自装置の操作者を識別する情報を読み出すことにより、自装置の操作者を識別する情報と予め記憶部54cに記憶されている登録者を示す情報とが同一であるか否か判定することができる。そして、制御部60cは、当該2つの情報が同一であれば、その操作者を認証する。
これにより、操作者が電子装置に備えられたタッチパネルTPを押すことにより暗証番号を入力する時間を無くすことができる。また、操作者が認証を受ける毎に、暗証番号を手で入力するといった煩わしさを解消することができる。
【0066】
<第4の実施形態>
続いて、本発明の第4の実施形態における電子装置EQP_dについて説明する。第4の実施形態における電子装置EQP_dは、ブロック構成図は省略するが、図3に示された第1の実施形態に係る電子装置の制御装置EQPにおける記憶部54が記憶部54dに、制御部60が制御部60dに変更された構成となっている。
【0067】
記憶部54dには、接触の状態を示す情報s_1、…、s_m(mは正の整数)のうちの1つの接触の状態を示す情報s_iと、動きを示す情報mt_1、…、mt_n(nは正の整数)のうちの1つの動きを示す情報mt_jとの組み合わせ毎に(i,jは正の整数)、一の操作者の示す情報o_(i、j)が対応付けられて記憶されている。ここで、一の操作者の示す情報o_(i、j)は、他の操作者の示す情報o_(i´、j´)と同じであってもよい(i´、j´は正の整数)。
記憶部54dには、登録者を示す情報が記憶されている。
【0068】
同様にして、記憶部54dには、接触の状態を示す情報s_1、…、s_m(mは正の整数)のうちの1つの接触の状態を示す情報s_iと、動き状態情報Rm_1、…、s_l(lは正の整数)のうちの1つの動き状態情報Rm_kとの組み合わせ毎に(i,kは正の整数)、一の操作者の示す情報o´_(i、k)が対応付けられて記憶されている。こで、一の操作者の示す情報o´_(i、k)は、他の操作者の示す情報o´_(i´、k´)と同じであってもよい(i´、k´は正の整数)。
【0069】
図10は、第4の実施形態に係る電子装置EQP_dの制御部60dのブロック構成図である。制御部60dは、動き状態算出部63dと推定部64dとを備える。
動き状態算出部63dは、動き状態算出部63と同様に、動き検出部52dにより検出された動きを示す情報mt_jに基づいて、動きの特性を示す動き状態情報Rm_k(kは正の整数)を算出し、算出した動き状態情報Rm_kを推定部64dに出力する。
具体的には、例えば、動き状態算出部63dは、自装置の基準点からの距離の時間的な変化を1つの波と捉え、その波の周波数と、振幅と、位相とを動き状態情報Rm_kとして算出する。
【0070】
推定部64dは、接触検出部SD1〜SD4により検出された接触の状態と動き検出部52dにより検出された動きとに基づいて、操作者を推定する。
具体的には、例えば、推定部64dは、接触検出部SD1〜SD4により検出された接触の状態を示す情報s_iと動き検出部52dにより検出された動きを示す情報mt_jとの組み合わせに対応する操作者を識別する情報o_(i,j)を記憶部54dから読み出すことにより、操作者を推定する。
【0071】
推定部64dは、上記処理により、操作者を推定できなかった場合には、接触検出部SD1〜SD4により検出された接触の状態と動き状態算出部63dにより検出された動き状態情報とに基づき、操作者を推定する。
具体的には、例えば、推定部64dは、接触検出部SD1〜SD4により検出された接触の状態を示す情報s_iと動き状態算出部63dにより検出された動き状態情報Rm_kとの組み合わせに対応する操作者を識別する情報o´_(i,k)を記憶部54dから読み出すことにより、操作者を推定する。
【0072】
推定部64dは、読み出した操作者を識別する情報o_(i,j)またはo´_(i,k)を出力部53に出力する。これにより、出力部53は、例えば、操作者を識別する情報o_(i,j)またはo´_(i,k)を表示部DPに表示させる。また、制御部60dは、推定部64dにより得られた操作者を識別する情報o_(i,j)またはo´_(i,k)を操作者の認証の処理に用いる。
【0073】
図11は、第4の実施形態における操作者の推定の処理の流れを示したフローチャートである。まず、接触検出部SD1〜SD4は、接触状態を検出する(ステップS401)。次に、動き検出部52dは、自装置の動きを検出する(ステップS402)。次に、推定部64dは、接触状態と動きとに基づいて、操作者を推定する(ステップS403)。
次に、推定部64dは、操作者を推定できたか否か判定する(ステップS404)。推定部64dが操作者を推定できた場合(ステップS404 YES)、制御部60dはその処理を終了する。
一方、推定部64dが操作者を推定できなかった場合(ステップS404 NO)、動き状態算出部63dは動き状態情報を算出する(ステップS405)。次に、推定部64dは、接触状態と動き状態情報とに基づいて、操作者を推定する(ステップS406)。以上で、本フローチャートの処理を終了する。
【0074】
以上、本実施形態における電子装置EQP_dの制御部60dは、接触の状態と動きとに基づいて自装置の操作者を識別する情報を読み出す。また、制御部60dは、接触の状態と動き状態とに基づいて自装置の操作者を識別する情報を読み出す。これにより、制御部60dは、自装置の操作者を識別する情報と予め記憶部54dに記憶されている登録者を示す情報とが同一であるか否か判定することができる。そして、制御部60dは、当該2つの情報が同一であれば、その操作者を認証する。
これにより、操作者が電子装置に備えられたタッチパネルTPを押すことにより暗証番号を入力する時間を無くすことができる。また、操作者が認証を受ける毎に、暗証番号を手で入力するといった煩わしさを解消することができる。
【0075】
なお、本実施形態では、推定部64dは、最初に接触状態と動きとに基づいて操作者を推定し、操作者を推定できなかった場合に、推定部64dは、接触状態と動き状態とに基づいて、操作者を推定したが、これに限ったものではない。推定部64dは、最初に接触状態と動き状態とに基づいて操作者を推定してもよい。また、推定部64dは、最初に接触状態と動き状態とに基づいて操作者を推定し、操作者を推定できなかった場合に、接触状態と動きとに基づいて操作者を推定してもよい。
【0076】
なお、制御部(60、60b、60c、60d)は、普通では握らない特殊な握り方をした場合に、自装置の操作者を推定してもよい。
具体的には、例えば、予め記憶部には、普通では握らない特殊な握り方をしたときの接触分布を示す情報が操作者を識別する情報と関連づけられて記憶されている。その場合に、制御部(60、60b、60c、60d)は、接触検出部SD1〜SD4により検出された接触分布と、記憶部に記憶されている特殊な握り方をしたときの接触分布とを照合する。制御部(60、60b、60c、60d)は、照合により同一だと判定した場合に、特殊な握り方をしたときの接触分布に対応する操作者を識別する情報を記憶部から読み出すことにより、自装置の操作者を推定する。
【0077】
また、制御部(60、60b、60c、60d)は、予め記憶部に記憶されている握り方の順番どおりに、操作者により自装置が握られた場合に、自装置の操作者を推定してもよい。
具体的には、例えば、予め記憶部に、握り方に対応した接触分布を示す情報が記憶されており、握り方に対応した接触分布を示す情報の整列順の組み合わせ毎に操作者を識別する情報が関連づけられて記憶されている。
その場合に、制御部(60、60b、60c、60d)は、接触検出部SD1〜SD4により検出された接触分布と、記憶部に記憶されている握り方に対応した接触分布とを、記憶部に記憶されている握り方に対応した接触分布を示す情報の整列順に照合する。制御部(60、60b、60c、60d)は、照合により握り方の順番どおりに握られたと判定した場合に、その握り方に対応した接触分布を示す情報の整列順に対応する操作者を識別する情報を記憶部から読み出すことにより、自装置の操作者を推定する。
【0078】
また、制御部(60、60b、60c、60d)は、予め記憶部に自装置の動かし方の癖と操作者を識別する情報とが関連づけられて記憶されていた場合に、予め記憶部に記憶されている自装置の動かし方の癖と、動き検出部により検出された動かし方とが同一の場合に、自装置の動かし方の癖に対応する操作者を識別する情報を記憶部から読み出すことにより、自装置の操作者を推定してもよい。
【0079】
また、制御部(60、60b、60c、60d)は、接触検出部SD1〜SD4により検出された接触分布から操作者の手の特徴を推定し、その手の特徴(例えば、掌の大きさや指の開き具合)に基づいて、操作者を推定してもよい。
【0080】
また、本実施形態の電子装置EQP、EQP_b、EQP_cおよびEQP_dの各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、電子装置EQPに係る上述した種々の処理を行ってもよい。
【0081】
各実施形態では、自装置の操作者を識別する情報が、予め記憶部に記録されている登録者を示す情報と同一である場合に、その操作者の認定を行うようにしたが、自装置の操作者を識別する情報が、予め記憶部に記録されている登録者を示す情報とが類似する場合にその操作者の認定を行うようにしてもよい。
類似か否かの判定は、例えば、自装置の操作者を識別する情報が、予め記憶部に記録されている登録者を示す情報に類似する所定の範囲内の情報と同じか否かによって判定する。この場合に、操作者の認定が済んだ自装置の操作者を識別する情報を、予め記憶部に記録されている登録者を示す情報として更新して記録することにより、時間と共に操作者の癖が変化するような場合に対応することができる。
【0082】
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0083】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0084】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0085】
EQP…電子装置 FL…筐体 DP…表示部 SD…操作部 CONT…制御装置 PN…表示パネル TP…タッチパネル Fe…表示面 Fa〜Fd…側面 SD1〜SD4…接触検出部(圧力検出部) IMG…撮像部 20…検出領域 52…入力部 52b…表示部検出部 52c…姿勢検出部 52d…動き検出部 53…出力部 53b…音声出力部 54…記憶部 60、60b、60c、60d…制御部 61…接触変化抽出部 62…接触状態算出部 63、63b、63d…動き状態算出部 64、64b、64c、64d…推定部 65…圧力変化抽出部 66…圧力状態算出部 67…触り癖照合部 68…動かし癖照合部 69、69b…操作者推定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置の筐体の側面に配置され、操作者により自装置が触れられたときの接触の状態を検出する接触検出部と、
前記検出された接触の状態に基づき、前記接触の時間的な変化または空間的な変化を抽出する接触変化抽出部と、
前記抽出された接触の時間的な変化または空間的な変化に基づき、前記操作者を推定する推定部と、
を備えることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記推定部は、前記抽出された接触の時間的な変化または空間的な変化に基づき、前記接触の特性を示す接触状態情報を算出する接触状態算出部と、前記算出された接触状態情報に基づき、前記操作者を推定する推定部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
操作者により自装置が動かされたときの自装置の筐体の動きを検出する動き検出部と、
前記検出された動きに基づいて、前記動きの特性を示す動き状態情報を算出する動き状態算出部と、
を備え、
前記操作者推定部は、前記接触状態情報と前記動き状態情報とに基づき、前記操作者を推定することを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
自装置の筐体の側面に配置され、操作者により自装置が触れられたときの圧力を検出する圧力検出部と、
前記圧力検出部により検出された圧力の時間的な変化または空間的な変化を抽出する圧力変化抽出部と、
前記抽出された圧力の時間的な変化または空間的な変化に基づき、前記操作者を推定する推定部と、
を備えることを特徴とする電子装置。
【請求項5】
前記推定部は、前記抽出された圧力の時間的な変化または空間的な変化に基づき、前記圧力の特性を示す圧力状態情報を算出する圧力状態算出部と、前記算出された圧力状態情報に基づき、前記操作者を推定する操作者推定部と、を備えることを特徴とする請求項4に記載の電子装置。
【請求項6】
操作者により自装置が動かされたときの自装置の筐体の動きを検出する動き検出部と、
前記検出された動きに基づいて、前記動きの特性を示す動き状態情報を算出する動き状態算出部と、
を備え、
前記操作者推定部は、前記圧力状態情報と前記動き状態情報とに基づき、前記操作者を推定することを特徴とする請求項5に記載の電子装置。
【請求項7】
自装置の筐体の側面に配置され、操作者により自装置が触れられたときの接触の状態を検出する接触検出部と、
操作者を識別する情報と前記操作者が自装置に触れるときの癖である触り癖を示す情報とが関連付けられて記憶されている記憶部と、
前記記憶部から触り癖を示す情報を読み出し、前記読み出された触り癖を示す情報と前記検出された接触の状態とを照合する触り癖照合部と、
前記触り癖照合部による照合により抽出された触り癖を示す情報と関連付けられた操作者を識別する情報を前記記憶部から読み出すことにより、前記操作者を推定する推定部と、
を備えることを特徴とする電子装置。
【請求項8】
前記記憶部に、操作者を識別する情報と前記操作者が自装置に触れるときの癖である触り癖を示す情報と前記操作者が自装置を動かすときの癖である動かし癖を示す情報とが関連付けられて記憶されている電子装置であって、
操作者により自装置が動かされたときの自装置の筐体の動きを検出する動き検出部と、
前記記憶部から動かし癖を示す情報を読み出し、前記読み出された動かし癖を示す情報と前記検出された動きとを照合する動かし癖照合部と、
を備え、
前記推定部は、前記触り癖照合部による照合により抽出された触り癖を示す情報および前記動かし癖照合部による照合により抽出された動かし癖を示す情報に関連付けられた操作者を識別する情報を前記記憶部から読み出すことにより、前記操作者を推定することを特徴とする請求項7に記載の電子装置。
【請求項9】
自装置の筐体の側面に配置され、操作者により自装置が触れられたときの接触の状態を検出する接触検出部と、
自装置の筐体の動きを検出する動き検出部と、
前記検出された接触の状態と前記検出された動きとに基づいて、前記操作者を推定する推定部と、
を備えることを特徴とする電子装置。
【請求項10】
前記検出された動きに基づいて、前記動きの特性を示す動き状態情報を算出する動き状態算出部を備え、
前記推定部は、前記検出された接触の状態と前記動き状態情報とに基づき、前記操作者を推定することを特徴とする請求項9に記載の電子装置。
【請求項11】
前記接触検出部又は前記圧力検出部は、1点以上の任意の点数に分割可能であることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項12】
自装置の筐体の側面に配置され、操作者により自装置が触れられたときの接触の状態を検出する接触検出部を備える電子装置が実行する操作者推定方法であって、
操作者により自装置が触れられたときの、前記接触の時間的な変化または空間的な変化を抽出する接触変化抽出手順と、
前記抽出された接触の時間的な変化または空間的な変化に基づき、前記操作者を推定する推定手順と、
を有することを特徴とする操作者推定方法。
【請求項13】
自装置の筐体の側面に配置され、操作者により自装置が触れられたときの接触の状態を検出する接触検出部を備える電子装置のコンピュータに、
操作者により自装置が触れられたときの、前記接触の時間的な変化または空間的な変化を抽出する接触変化抽出ステップと、
前記抽出された接触の時間的な変化または空間的な変化に基づき、前記操作者を推定する推定ステップと、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−212430(P2012−212430A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−62141(P2012−62141)
【出願日】平成24年3月19日(2012.3.19)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)