説明

電子通貨による料金徴収システム

【課題】電子通貨による料金徴収の利点を活かして、料金設定の自由度や柔軟性を高めることが可能な料金徴収システムを提供する。
【解決手段】課金対象装置としてのゲーム機2Bに、カード11から所定の識別情報を取得するリーダ端末24と、制御基板14に対してコインセレクタ12の出力信号と等価な信号を出力するリーダ制御ユニット23とを設け、リーダ制御ユニット23からカードIDが送信された場合、管理PC22が課金設定データ33参照して電子通貨の消費量を決定し、口座管理サーバに対してカードIDに対応した電子通貨の口座から消費量を引き落とす処理を要求し、口座管理サーバから返信される処理結果をリーダ制御ユニット23に通知し、リーダ制御ユニット23は引き落としに成功した場合に制御基板14に対してコインセレクタ12の出力信号と等価な信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務用のゲーム機のような課金対象装置に適用され、電子通貨を利用した料金の徴収を可能とするシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、現金又は代替硬貨といった物理的な媒体による料金の徴収に代えて、又は追加して、電子通貨による料金の徴収を可能とした料金徴収システムが各種の分野で実用化されている。例えば、プレイ料金の徴収と引き換えにゲームのプレイを可能とする業務用のゲーム機においては、従来から現金(典型的には硬貨)による料金支払いをコインセレクタ等の検出手段で検出し、ゲーム機の制御回路に対して支払い信号としてのパルス信号を出力し、その支払い信号を受けて制御回路がゲームのプレイに必要な処理を開始することが通例であった。これに対して、検出手段と制御回路との間に、電子通貨による料金の支払いを実現するための追加ユニットを介在させ、ユーザが電子通貨にて料金を支払った場合に、支払い信号と等価な信号を追加ユニットから制御回路に出力するシステムが提案され、あるいは実用化されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2005/025703号のパンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の料金徴収システムは、それを構成する全ての要素が課金対象装置に組み込まれ、現金による料金徴収の代替手段としてシステムを機能させるに過ぎないものであった。例えば、業務用のゲーム機に適用される場合には、一回のゲームに必要なプレイ料金に相当する電子通貨の支払いが検出されると、支払い信号と等価な信号を出力するに過ぎなかった。現金による支払いに対応した検出手段は、その機構的制限、あるいはコスト的制限から、受け付け可能な最小単位額が通貨の最小単位額よりも大きく設定されている場合が多く、その変更も容易ではない。一方、電子通貨を利用した料金徴収では、機構的あるいはコスト的制限に影響されることなく比較的自由に決済単位を設定することができ、その変更も比較的容易である。それにも関わらず、従来の電子通貨による料金徴収システムは、こうした料金設定の自由度はともかくとして、ゲーム施設の管理者(運営者、あるいはオペレータともいう。)からみて柔軟性を活用するという機能に不足感があり、電子通貨の利点を十分に享受できないものであった。
【0005】
そこで、本発明は電子通貨による料金徴収の利点を活かして、料金設定の自由度や柔軟性を高めることが可能な料金徴収システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ユーザによる利用料金の支払いを検出して所定の支払い信号を出力する検出手段(12)と、前記支払い信号の出力に応答して、利用のための所定の処理を実行する利用制御手段(14)とを備えた課金対象装置(2B)に適用される料金徴収システム(20)であって、電子通貨による利用料金の徴収のためにユーザから提供されるべき情報をユーザの操作に基づいて取得する情報取得手段(24)と、前記課金対象装置を利用させるために必要な電子通貨の消費量を記述した課金設定データ(33)を記憶する課金設定データ記憶手段(22)と、前記課金設定データを参照して前記電子通貨の消費量を決定する消費量決定手段(31)と、前記ユーザから提供されるべき情報に基づいて、前記消費量決定手段が決定した消費量の徴収に必要な処理を実行する徴収実行手段(31)と、前記消費量の徴収に成功した場合に、前記支払い信号と等価な支払い等価信号を前記利用制御手段に出力する等価信号出力手段(23)と、所定の管理者による設定操作に従って、前記課金設定データをその内容が変更されるように操作する課金設定データ操作手段(32)と、を具備し、前記情報取得手段及び前記等価信号出力手段は、前記課金対象装置に取り付けられた装置側ユニット(21)に設けられ、前記課金設定データ操作手段は、前記課金対象装置からは分離され、かつ前記装置側ユニットと通信可能に接続される管理ユニット(22)に設けられ、前記課金設定データ記憶手段、前記消費量決定手段、及び前記徴収実行手段のそれぞれは、前記装置側ユニット又は前記管理ユニットに設けられている、料金徴収システム(20)としたものである。なお、ここでいう「管理者」とは、課金データを操作するために管理ユニットを操作することができる者をいい、例えば、課金対象装置が設置された店舗の運営者(オペレータともいう。)などがこれに該当する。
【0007】
本発明によれば、電子料金の徴収のためにユーザから提供されるべき情報が情報取得手段にて取得されると、課金設定データに基づいて決定された消費量を徴収するために必要な処理が徴収実行手段にて実行され、徴収に成功すると、等価信号出力手段から等価信号が出力される。その出力により、課金対象装置の利用制御手段が利用のための所定の処理を実行する。等価信号を出力させるための条件としての消費量が課金設定データによって定められているので、検出手段が支払い信号を出力するために必要な利用料金の徴収額と、等価信号出力手段が等価信号を出力するための必要な電子通貨の消費量とを実質的に一致させる必要はない。しかも、課金設定データは、課金対象装置とは別の管理ユニットに設けられた課金設定データ操作手段を利用して、内容を変更することができる。したがって、電子通貨による料金徴収に関して、料金設定の自由度や柔軟性を高め、それにより電子通貨の利点を十分に活用することが可能である。
【0008】
なお、電子通貨を利用した料金徴収には、いわゆるプリペイド型とポストペイド型とが存在するが、本発明は、それらの形態に応じて情報取得手段や徴収実行手段を構成すればよい。例えば、プリペイド型の場合には、ユーザが利用可能な電子通貨の量を特定するために必要な情報、例えば、ユーザの識別情報、利用可能な電子通貨の量それ自体などをユーザから提供されるべき情報として設定し、徴収実行手段は、ユーザが現金と引き換えに所持した電子通貨の量が記録されたデータに直接又は間接的にアクセスしてその量を消費量だけ減少させるように構成すればよい。その場合電子通貨の量が記録されたデータは、管理ユニット、又は管理ユニットとネットワークを介して接続されたサーバ上に保持されてもよいし、ユーザが所持する媒体等に記録されていてもよい。また、ポストペイド型の場合には、情報取得手段からユーザの識別情報を取得し、徴収実行手段は、そのユーザ識別情報と消費量とを、ポストペイドのために設けられたシステムに通知するように構成すればよい。
【0009】
本発明の一形態において、前記課金設定データには、前記情報取得手段が取得する情報を利用して判別可能な範囲で設定された条件と対応付けて複数の消費量が記述され、前記消費量決定手段は、前記電子通貨による料金徴収を実行する際に前記条件の判別結果に応じて前記消費量を決定してもよい。これによれば、料金設定の自由度や柔軟性をさらに高めることができる。さらなる一形態として、前記課金設定データ操作手段は、前記条件又は前記消費量の少なくともいずれか一方を変更できるように設けられてもよい。これによれば、条件に応じて消費量をきめ細かく設定することが可能である。
【0010】
なお、情報取得手段が取得する情報を利用して判別可能な範囲としては、種々の範囲を想定することができる。例えば、ユーザから提供されるべき情報として、ユーザの識別情報を取得する場合には、その識別情報を利用してユーザの利用形態(利用回数、繰り返し回数、利用時間等)を判別し、その利用形態に応じて消費量を変化させるといった条件設定が可能である。あるいは、ユーザから提供されるべき情報として、電子通貨の利用可能な量を取得する場合には、その量に応じて消費量を変化させるといった条件設定をしてもよい。
【0011】
本発明の一形態においては、前記管理ユニットが、所定のネットワークを介して口座管理サーバ(4)と接続され、前記口座管理サーバは、ユーザが利用可能な電子通貨の残高を記述した口座データを保持するとともに、前記口座データを特定するための識別情報と前記電子通貨の消費量とを指定して前記管理ユニットから送信される引き落とし要求に応答して、前記識別情報に対応した口座データからの前記消費量の引き落としを試行し、その試行結果を前記管理ユニットに通知する引き落とし処理を実行可能であり、前記情報取得手段は、前記ユーザから提供されるべき情報として前記識別情報を取得し、前記徴収実行手段は、前記管理ユニットに設けられ、かつ、前記電子通貨の徴収に必要な処理として、前記情報取得手段が取得した前記口座データを指定する情報と前記消費量決定手段が決定した消費量とを指定して前記口座管理サーバに前記引き落とし要求を送信し、前記口座管理サーバから通知される前記試行結果を前記等価信号出力手段に提供するものとしてもよい。これによれば、課金対象装置に対応して、本発明の装置側ユニットと管理ユニットとを設けることにより、口座管理サーバに保持された口座データから課金対象装置の利用料金を電子通貨にて徴収することが可能である。口座管理サーバを利用した料金徴収の仕組みが既に存在する場合、既存の課金対象装置をその仕組みに比較的容易に組み込むことができる利点がある。
【0012】
口座管理サーバを利用する上記の形態においては、複数の課金対象装置のそれぞれに前記装置側ユニットが設けられ、前記管理ユニットは、前記複数の課金対象装置のそれぞれの装置側ユニットからいずれか一つの装置側ユニットを通信相手として特定できるようにして、前記装置側ユニットに対して共通に設けられてもよい。これによれば、複数の課金対象装置のそれぞれに対して管理ユニットが共用されることにより、本発明の料金徴収システムを適用するために必要な設備やコストの負担を軽減できる。また、各装置側ユニットの課金設定データを共通の管理ユニットにて操作することができるので、オペレータの手間も軽減できる。
【0013】
さらに、前記課金設定データが前記装置側ユニットに対応して個別に設けられ、前記課金設定データ操作手段は、各装置側ユニットに対応する課金設定データを個別に操作可能であってもよい。これによれば、課金対象装置毎に料金設定を自由かつ柔軟に設定することが可能である。
【0014】
本発明において、課金対象装置は各種の装置であってよい。一例として、課金対象装置が業務用のゲーム機であり、前記検出手段は、前記利用料金の現金による支払いを検出して前記支払い信号を出力するよう構成されてもよい。これによれば、現金による料金徴収の仕組みを備えた業務用のゲーム機に対して、電子通貨による料金徴収の仕組みを追加して本発明の作用効果を発揮させることが可能である。
【0015】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0016】
以上に説明したように、本発明によれば、課金対象装置とは別の管理ユニットに設けられた課金設定データ操作手段を利用して課金設定データの内容を変更することができるので、電子通貨による料金徴収に関して、料金設定の自由度や柔軟性を高め、それにより電子通貨の利点を十分に活用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一形態に係る料金徴収システムが適用されたゲームシステムの全体構成を示す図。
【図2】料金徴収システムの要部を示す図。
【図3】リーダー端末の正面図。
【図4】課金設定データの一例を示す図。
【図5】プレイ料金を徴収する際の処理を示すフローチャート。
【図6】図1の変形例を示す図。
【図7】図2の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の一形態に係る料金徴収システムが適用されたゲームシステムの全体構成を示している。まず、前提となるゲームシステム1について説明する。ゲームシステム1は、第1のゲーム機群GAと、ゲームサーバ3と、口座管理サーバ4とを備えている。第1のゲーム機群GAには複数の第1ゲーム機2Aが含まれている。
【0019】
第1ゲーム機2Aは、ゲームの対価としてプレイ料金を徴収する業務用(又は商用)のゲーム機として構成されている。第1ゲーム機2Aは、店舗5などの商業施設に適当な台数設置される。図1では、4台の第1ゲーム機2A(ゲーム機A〜Dがこれらに相当する。)が示されているが、その台数は適宜でよい。第1ゲーム機2Aは、店舗5内に設置されたルータ6とハブ7を介して接続され、ルータ6はネットワーク8に接続されている。これにより、ルータ6、ハブ7及び第1ゲーム機2Aは店舗内LANの一部を構成する。一方、ゲームサーバ3及び口座管理サーバ4は、ルータ9とハブ10を介して接続され、そのルータ9もネットワーク8と接続されている。ネットワーク8は、例えばインターネットであり、各第1ゲーム機2Aとサーバ3、4とはネットワーク8を介して相互に通信可能である。ネットワーク8がインターネットの場合、店舗内LANはイントラネットとして構築され、ルータ6及び第1ゲーム機2AのそれぞれはローカルIPアドレスにて相互に識別される。また、ルータ6、9にはグローバルIPアドレスが設定され、さらに、ゲームサーバ3、口座管理サーバ4及びルータ9は同一LAN内でローカルIPアドレスを利用して相互に識別される。これらのIPアドレスを利用して、サーバ3、4と第1ゲーム機2Aとの間で通信相手を一義的に特定することが可能とされる。
【0020】
ゲームサーバ3は、ネットワーク8を介して第1ゲーム機2Aに各種のサービスを提供可能である。第1ゲーム機2Aはそのゲームサーバ3が提供するサービスを享受する機能を備えている。例えば、ゲームサーバ3は、第1ゲーム機2Aで実行されるべきゲームのプログラムあるいはデータを更新するサービス、第1ゲーム機2Aのユーザ(プレイヤ)を認証し、そのユーザのプレイ履歴、セーブデータ等を含んだプレイデータを保存し、第1ゲーム機2Aからの要求に応じてプレイデータをその第1ゲーム機2Aに提供するサービス、ネットワーク8を介してユーザ同士が対戦し、あるいは協力しつつゲームを進める場合に、ユーザ同士をマッチングするサービス等を提供する。第1ゲーム機2Aには、ゲームサーバ3にアクセスしてこれらのサービスを利用するために必要なハードウエア及びソフトウエアが組み込まれている。
【0021】
一例として、第1ゲーム機2Aのユーザの認証は、ユーザに供与されているカード11を利用して行なわれる。カード11には、ICチップが組み込まれ、そのICチップには、カード毎にユニークなカードIDが記録されている。第1ゲーム機2Aには、カード11からカードIDを読み取るカードリーダ(不図示)と、そのカードリーダが読み取ったカードIDを指定して、ゲームサーバ3に所定の処理を要求し、その要求に対するゲームサーバ3の応答を処理するソフトウエアとが組み込まれている。ゲームサーバ3は、第1ゲーム機2Aからの要求を受け取った場合、そのカードIDに対応付けてプレイデータを保存し、あるいは、カードIDに対応付けて保存されているプレイデータを第1ゲーム機2Aに送信し、あるいは、カードIDに対応付けられているプレイデータを参照してユーザ同士をマッチングする、といった処理を実行する。なお、ゲームサーバ3におけるプレイデータは、カードIDと1対1で対応付けられていてもよいし、カードIDと1対1又は多対1で対応付けられた別のID(一例としてユーザID)と対応付けられていてもよい。
【0022】
口座管理サーバ4は、電子通貨の口座データを管理するサーバである。口座データは、カードID、又はそのカードIDと1対1又は多対1で対応付けられた別のID(一例としてユーザID)と、ユーザが預け入れた電子通貨の残高とを対応付けて記録したデータである。ユーザが、第1ゲーム機2Aのゲームに対するプレイ料金を電子通貨にて支払うことを希望する場合、第1ゲーム機2Aから口座管理サーバ4に対して、カードIDと電子通貨の消費量(引き落とし額)とを指定して引き落としが要求される。その要求に対応して、口座管理サーバ4はユーザの口座データを特定し、口座データ上の残高から消費量相当の電子通貨の引き落としを試みる。口座管理サーバ4は、残高が消費量以上であれば、その残高から消費量を減算し、引き落としに成功したことを第1ゲーム機2Aに通知し、一方、残高が消費量未満であれば、残高を減算することなく、引き落としに失敗したことを第1ゲーム機2Aに通知する。第1ゲーム機2Aでは、口座管理サーバ4からの通知に応じて、ゲームのプレイを許可するか否かを制御する。第1ゲーム機2Aには、口座管理サーバ4と協働してプレイ料金を電子通貨で徴収するために必要なプログラムやデータも予め実装されている。なお、電子通貨の単位は適宜に設定されてよい。一例として、通貨の1円が電子通貨の1ポイントに相当するように電子通貨の単位が設定される。
【0023】
以上のように、ゲームシステム1においては、カード11に記録されているカードIDを利用して、ゲームサーバ3が提供する各種のサービスを第1ゲーム機2Aにて享受し、また、第1ゲーム機2Aのプレイ料金を口座管理サーバ4にて管理されている電子通貨の口座から徴収することが可能である。しかしながら、このようなサービスを利用するためには、第1ゲーム機2Aがそれらのサービスの処理に応じたハードウエア及びソフトウエアを予め備えている必要がある。一方で、店舗5には、サーバ3、4のサービスの利用を前提とせずに開発されたゲーム機が存在することがある。典型的には、いわゆるスタンドアローンで稼働させることを前提として開発されたゲーム機がこれに該当する。あるいは、ゲームサーバ3によるサービスを利用することのみを前提として開発されたゲーム機では、口座管理サーバ4を利用した電子通貨による料金徴収サービスを享受することができない。そこで、ゲームシステム1には、上記のようなゲーム機に対して、口座管理サーバ4を利用した料金徴収機能を追加するための料金徴収システム20が設けられている。以下、これを説明する。
【0024】
図1において、店舗5には、上述した第1のゲーム機群GAに加えて、第2のゲーム機群GBが設けられている。第2のゲーム機群GBには複数の第2ゲーム機2Bが含まれている。図1では、3台の第2ゲーム機2B(ゲーム機X〜Zがこれらに相当する。)が示されているが、その台数は適宜でよい。第2ゲーム機2Bは、第1ゲーム機2Aと同様に、ゲームの対価としてプレイ料金を徴収する業務用(又は商用)のゲーム機として構成されている。しかし、第1ゲーム機2Aは、自らがゲームサーバ3及び口座管理サーバ4のサービスを利用するためのハードウエア及びソフトウエアを備えているのに対して、第2ゲーム機2Bは、いわゆるスタンドアローンのゲーム機として構成されており、サーバ3、4を利用するためのハードウエア及びソフトウエアを有しない。ただし、第2ゲーム機2Bは、ゲームサーバ3のサービスの少なくとも一部を利用可能とする構成を備えていてもよい。いずれにしても、第2ゲーム機2Bは、現金にてプレイ料金を徴収するための構成を有し、かつ、口座管理サーバ4を利用した電子通貨によるプレイ料金の徴収機能を有しないものであればよい。各第2ゲーム機2Bは、本発明における課金対象装置に相当する。
【0025】
このような第2のゲーム機群GBに対応して、料金徴収システム20では、各第2ゲーム機2Bに1対1で対応する装置側ユニットとしてのリーダ21と、管理ユニットとしての管理パーソナルコンピュータ(以下、管理PCと略称する。)22とが設けられている。リーダ21はハブ29を介して管理PC22と接続され、管理PC22はハブ7を介してルータ6と接続されている。これにより、リーダ21、管理PC22及びハブ29は、ゲーム機2A等と同じ店舗内LANに収容されている。管理PC22には、店舗内LANにてユニークなローカルIPアドレスが設定されている。それにより、管理PC22と口座管理サーバ4との間で、通信相手を一義的に特定することが可能である。管理PC22とリーダ21との間は、リーダ21に対して、店舗内LAN上でユニークなローカルIPアドレスを設定することにより、相互に通信相手を特定可能としてもよいし、リーダ21毎にユニークな識別番号を設定して、管理PC22からリーダ21を一義的に特定可能としてもよい。いずれにしても、管理PC22は、リーダ21を区別可能であればよい。以下では、管理PC22がリーダ21を区別するための情報をリーダIDと呼ぶ。リーダ21にローカルIDアドレスが設定される場合、そのローカルIPアドレスをリーダIDとして利用してもよいし、ローカルIPアドレスにに代えて、又は加えて、リーダ21毎にユニークなリーダ番号を各リーダ21に設定して、これをリーダIDの少なくとも一部として利用してもよい。
【0026】
図2は、料金徴収システム20の要部を示している。リーダ21は、リーダ制御ユニット23と、リーダ端末24とを備えている。リーダ制御ユニット23及びリーダ端末24は、いずれも第2ゲーム機2Bの筐体に対して着脱可能であり、第2ゲーム機2Bに対して、いわゆる後付けが可能な物理的装置として構成されている。リーダ制御ユニット23とリーダ端末24とは相互に接続され、またリーダ制御ユニット23はハブ29を介して管理PC22と接続されている。
【0027】
リーダ制御ユニット23は、マイクロプロセッサとソフトウエアとを組み合わせたコンピュータユニットと、そのコンピュータユニットからの指示に応じた処理を実行するハードウエア回路とを組み合わせた制御ユニットである。リーダ制御ユニット23は、第2ゲーム機2Bの筐体(以下、ゲーム機筐体と略称することがある。)の内部に取り付けられている。リーダ制御ユニット23からは一対の接続ケーブル23a、23bが引き出されている。一方の接続ケーブル23aは、第2ゲーム機2Bに設けられたコインセレクタ12の接続ケーブル12aとカプラ12b、23cを介して接続されている。他方の接続ケーブル23bは、ゲーム機2Bの制御基板14から引き出された接続ケーブル14aとカプラ14b、23dを介して接続されている。コインセレクタ12は、現金(硬貨)によるプレイ料金の徴収を実現するために設けられる周知のユニットである。すなわち、コインセレクタ12は、第2ゲーム機2Bのコイン投入経路上に位置し、ユーザが投入したコインの真偽を判定し、真正なコインであったときにその投入額に応じたパルス信号を支払い信号として出力し、不正なコインは返却する。例えば、第2ゲーム機2Bにて受け付け可能な最小単位のコイン(一例として100円硬貨)が一枚投入された場合に1パルスがコインセレクタ12から出力される。
【0028】
制御基板14は、第2ゲーム機2Bの動作を制御し、所定のゲームを実行するための制御回路が実装された基板である。現金による料金徴収を前提としたゲーム機では、コインセレクタ12の接続ケーブル12aと制御基板14の接続ケーブル14aとがカプラ12b、14bを介して接続される。そして、コインセレクタ12から、一回のゲームのプレイ料金に対応するパルス信号が制御基板14に与えられると、制御基板14の制御回路は所定のプレイ料金が徴収されたと判断してゲームの実行に必要な処理を開始する。つまり、コインセレクタ12は課金対象装置の検出手段に相当し、制御基板14は課金対象装置の利用制御手段に相当する。本形態の料金徴収システム20では、コインセレクタ12と制御基板14との間にリーダ制御ユニット23が割り込むように設けられている。コインセレクタ12から接続ケーブル12aを介してリーダ制御ユニット23にパルス信号が供給された場合、リーダ制御ユニット23はそのパルス信号を接続ケーブル23bを介して制御基板14へと通過させる。また、リーダ制御ユニット23は、リーダ端末24に電源を供給してその動作を制御する。リーダ制御ユニット23は、リーダ端末24から所定の情報を受け取ると、管理PC22に対して所定の処理を要求し、その要求に対応した管理PC22の応答内容に応じた処理を実行する。一例として、リーダ制御ユニット23は、所定の条件が満たされると、コインセレクタ12からのパルス信号に代えて、制御基板14に料金徴収のパルス信号を出力する。制御基板14からみて、リーダ制御ユニット23からのパルス信号は、コインセレクタ12からのパルス信号と等価である。リーダ制御ユニット23の処理の詳細は後述する。
【0029】
リーダ端末24は、第2ゲーム機2Bの筐体の外部であって、かつユーザがアクセス可能な位置に取り付けられている。図3は、リーダ端末24の一例を示している。そのリーダ端末24は、前面からみて矩形状のケース25と、そのケース25の前面に配列されたタッチ式の操作キー26と、操作キー26の上部に配置された液晶ディスプレイ(LCD)27と、ケース25の内部に設けられた読み取りチップ28とを備えている。このようなリーダ端末24を使用する場合には、ユーザが第2ゲーム機2Bの筐体外部から、ケース25の操作キー26を操作できるように、リーダ端末24をゲーム機筐体に取り付ける必要がある。例えば、第2ゲーム機2Bの筐体のコントロールパネル(不図示)にリーダ端末24の前面が露出する状態でリーダ端末24をゲーム機筐体に取り付ければよい。
【0030】
操作キー26は数値を入力する手段として設けられている。LCD27は、ユーザに対して情報を提示する表示手段として設けられている。読み取りチップ28は、カード11のICチップにアクセスし、そこに記録された情報(カードIDを含む。)を読み取る手段として設けられている。リーダ端末24の正面の読み取り位置にカード11がタッチされると、読み取りチップ28はこれを検出し、カード11から読み取った情報をリーダ制御ユニット23に送信する。なお、ケース25内には、操作キー26、LCD27及び読み取りチップ28のそれぞれと、リーダ制御ユニット23との間の通信を媒介するインターフェース回路が設けられているが、その図示は省略した。以上のように第2ゲーム機2Bにリーダ21を取り付けることにより、電子通貨を利用した料金徴収に必要なハードウエア及びソフトウエアが第2ゲーム機2Bに追加される。
【0031】
図2に戻って説明を続ける。管理PC22には、口座管理サーバ4を利用した料金徴収機能を実現するために、課金管理部31及び設定変更部32が設けられている。課金管理部31及び設定変更部32は、いずれも管理PC22のハードウエアとソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置である。また、管理PC22の記憶装置には、課金設定データ33が記録されている。課金設定データ33は、一回のゲームのプレイ料金に相当する電子通貨の消費量を記述したデータである。課金設定データ33は、リーダ21毎に用意されており、リーダIDを利用して相互に識別が可能な状態で記録されている。言い換えれば、課金設定データ33は、リーダ21が装着される第2ゲーム機2Bと1対1で対応付けて用意される。
【0032】
図4は課金設定データ33の一例を示している。この例では、プレイ回数と電子通貨の消費量とが対応付けて記録されている。例えば、電子通貨の消費量が1回目のプレイでは150ポイント(150P)に、2回目のプレイでは120Pに、3回目のプレイでは90Pに、4回目以降のプレイでは70Pにそれぞれ設定されている。ここで、プレイ回数とは、ユーザがゲームを繰り返しプレイするときの継続回数として想定されている。例えば、1回目は初めてゲームをプレイする場合であり、2回目はそのゲームを1回継続する場合である。同一のユーザがゲームを繰り返しプレイしているか否かは、リーダ制御ユニット23から管理PC22に料金徴収の処理が要求された場合において、カードIDが前回の処理要求時と一致しているか否かに基づいて判別することができる。ちなみに、リーダ21は、コインセレクタ12に代えてパルス信号を制御基板14に出力するものであって、制御基板14はコインセレクタ12に向けてゲームの継続回数を判別する情報を送ることはない。したがって、リーダ制御ユニット23も、制御基板14からゲームの継続回数を判別する情報を取得することはできない。そのため、リーダ21にて得られるカードIDを利用して、プレイ回数を判別する必要がある。図4の課金設定データ33は、同一ユーザがゲームを繰り返しプレイすると、プレイ料金が徐々に減額されるような設定である。その他にも、課金設定データ33は、リーダ21から得られる情報に関連付けて適宜に設定してよい。
【0033】
図2に戻って、課金管理部31は、リーダ制御ユニット23から送られる処理要求、つまり、電子通貨による料金徴収の要求を受け付け、口座管理サーバ4と協働して電子通貨による料金徴収を試行し、その結果をリーダ制御ユニット23に通知する。課金管理部31と口座管理サーバ4との間の処理手順は、第1ゲーム機2Aと口座管理サーバ4との間でプレイ料金を徴収するために実行される処理の手順と同じである。つまり、口座管理サーバ4からみて、管理PC22は、第1ゲーム機2Aの料金徴収機能を実現する部分と同様に振る舞うよう構成されている。
【0034】
設定変更部32は、管理PC22のモニタに所定の設定画面(インターフェース)を表示させ、管理PC22の入力装置(キーボードやマウス)を介して与えられる指示に基づいて、課金設定データ33を操作、つまり課金設定データ33の作成、変更、削除といった処理を実行する論理的装置である。図4の例では、プレイ回数に応じた電子通貨の消費量を設定変更部32によって操作することが可能である。例えば、2回目以降の消費量を一律に一定量減少させる、あるいは1回目の消費量のみを一定量減少させる、といった変更や、プレイ回数そのものの条件設定等を新設し、変更し、追加するといった操作を設定変更部32の機能を利用して行なうことができる。なお、課金設定データ33は、電子通貨によってプレイ料金の徴収額を設定する基本となるデータであり、みだりにその操作を許可すべきではない。そのため、管理PC22にて課金設定データ33を操作する際には、所定のログイン処理を要求し、店舗5の運営者(オペレータ)といった権限を有する者のみが課金設定データ33を操作できるようにセキュリティ対策を施すことが望ましい。また、課金設定データ33は、リーダID毎に独立して操作可能である。
【0035】
次に、図5を参照して、第2ゲーム機2Bのプレイ料金を電子通貨にて徴収する場合のリーダ21(リーダ制御ユニット23)、管理PC22(課金管理部31)及び口座管理サーバ4の処理を説明する。まず、ユーザがカード11をリーダ端末24にタッチすると、リーダ端末24の読み取りチップ28がカード11のICチップにアクセスしてカードIDを読み取り、これをリーダ制御ユニット23に通知する。リーダ制御ユニット23は、そのカードIDの通知を受けて図5のリーダ処理を開始し、まずステップS101で、自機に設定されているリーダID及びリーダ端末24が読み取ったカードIDを含む情報を管理PC22に送信して、電子通貨によるプレイ料金の徴収を管理PC22に要求する。その後、リーダ制御ユニット23はステップS102に進み、管理PC22からの処理結果の通知を待つ。
【0036】
管理PC22の課金管理部31は、リーダ制御ユニット23からの処理要求を受け取ると、課金設定データ33を参照して、今回の徴収要求に対応した電子通貨の消費量を取得する。例えば、図4の課金設定データ33を参照する場合、課金管理部31は、同一のリーダIDに関する過去の要求に含まれているカードIDと今回の要求に含まれているカードIDとを比較してプレイ回数を判別し、そのプレイ回数に対応した消費額を課金設定データ33から取得する。課金設定データ33が、プレイ回数に代えて、又は追加して、消費額判別の条件を含んでいる場合には、それらの条件を満たすか否かがステップS201で判別されて消費量が判別される。
【0037】
続くステップS202において、課金管理部31は、口座管理サーバ4に対して電子通貨の引き落としを要求する。その要求には、リーダ制御ユニット23から送られたカードID及びステップS201で取得した消費量が含まれる。その後、課金管理部31はステップS203に進み、引き落とし要求に対する口座管理サーバ4からの処理結果の送信を待つ。
【0038】
口座管理サーバ4は、管理PC22からの引き落とし要求を受けると、ステップS301にてカードIDに対応する電子通貨の口座データを特定する。続くステップS302にて、口座管理サーバ4は、特定した口座データに消費量以上の残高があるか否かを判別する。消費量以上の残高がある場合、口座管理サーバ4はステップS303に進み、管理PC22に返すべき処理結果に、引き落とし成功を示す情報をセットする。一方、SPU302にて消費量以上の残高がない場合、口座管理サーバ4はステップS304に進み、管理PC22に返すべき処理結果に、引き落とし失敗を示す情報をセットする。ステップS303又はS304の処理後、口座管理サーバ4はステップS305に進み、引き落としを要求した管理PC22に対して、ステップS303又はS304で生成した処理結果を送信する。その後、口座管理サーバ4は、今回の引き落とし要求に対応した処理を終える。
【0039】
管理PC22の課金管理部31は、口座管理サーバ4から処理結果が送信されるとステップS203でこれを取得し、続くステップS204で、今回の処理を要求したリーダ制御ユニット23に対して処理結果を通知する。これにより、管理PC22の課金管理部31は今回の要求に対応した処理を終える。
【0040】
リーダ制御ユニット23は、管理PC22から処理結果が送信されると、ステップS102でこれを取得し、続くステップS103で、処理結果が成功を示しているか否かを判別する。処理結果が成功であれば、リーダ制御ユニット23はステップS104に進み、制御基板14に対して、第2ゲーム機2Bのゲームをプレイするために必要な料金(以下、単位プレイ料金と呼ぶ。)に相当するパルス信号を制御基板14に対して出力する。このときのパルス信号は、コインセレクタ12が単位プレイ料金に相当する額の真正コインの投入を検出したときに出力するパルス信号と等価である。例えば、単位プレイ料金が200円で、コインセレクタ12が200円のコインの投入に対して2つのパルスを出力する設定であった場合、リーダ制御ユニット23は、ステップS104にて2つのパルス信号を制御基板14に出力する。これにより、制御基板14ではコインセレクタ12から200円の投入を示すパルス信号が出力されたものと判断され、ゲームの実行に必要な処理が開始される。一方、ステップS103にて、処理結果が失敗であったと判断された場合、リーダ制御ユニット23はステップS105に進み、リーダ端末24のLCD27上にて、所定のエラー表示、すなわち電子通貨によるプレイ料金の徴収ができなかった旨をユーザに通知する表示が行なわれるように、リーダ端末24の動作を制御する。ステップS104又はS105の処理後、リーダ制御ユニット23は図5の処理を終える。
【0041】
以上の料金徴収システム20においては、リーダ端末24が情報取得手段に、リーダ制御ユニット23が等価信号出力手段にそれぞれ相当する。また、管理PC22、より具体的にはその管理PC22に設けられている記憶装置は課金設定データ記憶手段に相当し、管理PC22の課金管理部31は図5のステップS201を実行することにより消費量決定手段として機能し、ステップS202〜S204を実行することにより徴収実行手段として機能する。また、管理PC22の設定変更部32は課金設定データ操作手段として機能する。
【0042】
本発明は、上述した形態に限定されず、各種の変形が可能である。例えば、リーダ21の接続形態は図1及び図2の例に限定されない。図6及び図7に示したように、各リーダ21及び管理PC22をハブ7に接続してもよい。ハブ7にさらなるハブが追加接続され、そのハブに別のゲーム機が接続されてもよい。あるいはハブ29にさらなる別のゲーム機が接続され、あるいはハブ29にさらなるハブが追加接続され、そのハブに別のゲーム機が接続されてもよい。
【0043】
課金設定データ33は管理PC22に代えて、リーダ制御ユニット23に保持されてもよい。その場合、リーダ制御ユニット23が電子通貨の消費量を決定し、その決定した量を管理PC22の課金管理部31に通知すればよく、また設定変更部32は、リーダ制御ユニット23にアクセスして課金設定データを操作すればよい。電子通貨の口座は、インターネットのような広域ネットワーク(WAN)を介して接続された口座管理サーバに保持される例に限らない。例えば、店舗内LANに設けられたサーバ上にてその店舗でのみ通用する電子通貨の口座データが保持されてもよい。あるいは管理PCそれ自体により電子通貨の口座データが保持されてもよい。ユーザが利用可能な電子通貨の量がカード11に保持されている場合でも本発明は適用可能である。その場合、管理PC22の課金管理部31からリーダ制御ユニット23に電子通貨の消費、すなわちカード11に保持された電子通貨の残高からの消費量の引き落としを指示してもよい。あるいは、課金設定データ33がリーダ制御ユニット23に保持されている場合には、消費量をリーダ制御ユニット23にて決定し、カード11からの消費量の引き落としをリーダ制御ユニット23がリーダ端末24を介して実行することにより、リーダ制御ユニット23を徴収実行手段として機能させてもよい。つまり、本発明においては、電子通貨の徴収の仕組みに応じて、消費量決定手段、徴収実行手段を装置側ユニット又は管理ユニットに適宜に設けることができる。
【0044】
上記の形態は、ユーザが予め電子通貨を購入し、その購入量から利用料金相当の消費量を引き落とす、いわゆるプリペイド型のシステムへの適用例であるが、本発明はポストペイド型でも適用可能である。例えば、ポストペイド型の場合には、電子通貨の利用量を集計して後日課金するためのサーバに、管理PC22からユーザ識別情報と消費量とを送信することにより徴収実行手段を実現することができる。
【0045】
さらに、リーダ端末24はユーザによるカード11のタッチ操作に応じてカードIDを取得するものとしたが、そのタッチ操作に加えて、又は代えて、他の操作があった場合にカードIDを取得するようにしてもよい。情報取得手段が取得すべき情報はカードIDに限定されず、電子通貨の徴収の仕組みに応じて適宜に変更されてよい。ユーザが提供すべき情報はカード11に記録される例に限らず、ユーザがリーダ端末24の操作キー26等の入力操作手段を利用して入力するものとしてもよいし、バーコードその他の各種の手段を利用してユーザから必要な情報を取得するように情報取得手段が構成されてもよい。
【0046】
図4の課金設定データ33では、条件としてのプレイ回数に応じて電子通貨の消費量が設定されているが、本発明の課金設定データはそのような例に限らない。条件は装置側ユニット又は管理ユニットの少なくともいずれか一方が判別可能な範囲で設定されていればよい。例えば、カードIDを利用して同一ユーザのプレイ回数を計数し、その計数値に応じて、プレイ回数が多いユーザほど消費量を減額するように消費量を設定してもよい。一定の時期、あるいは時間帯に消費量を変化させるようにしてもよい。電子通貨の残高を装置側ユニット又は管理ユニットが判別可能な場合には、その残高に応じて消費量を変化させてもよい。
【0047】
本発明は、図1のゲームシステム1のように、第1ゲーム機2Aと第2ゲーム機2Bとが混在した環境に適用される例に限定されない。複数の課金対象装置が設けられている例に限らず、単独の課金対象装置のみに対応して本発明の料金徴収システムが適用されてもよい。例えば、上記の形態では、第1ゲーム機2A、あるいは第1ゲーム機群GAが存在せず、一台の第2ゲーム機2B、あるいは第2ゲーム機群GBのみが存在する場合でも本発明は適用可能である。本発明の課金対象装置は、業務用のゲーム機に限定されず、料金の支払いを検出して支払い信号を出力する検出手段と、その支払い信号の出力に対応して利用のための所定の処理を実行する利用制御手段とを備えている限り、各種の課金対象装置に適用されてよい。
【符号の説明】
【0048】
1 ゲームシステム
2A 第1ゲーム機
2B 第2ゲーム機(課金対象装置)
4 口座管理サーバ
8 ネットワーク
12 コインセレクタ(検出手段)
14 制御基板(利用制御手段)
20 料金徴収システム
21 リーダ(装置側ユニット)
22 管理パーソナルコンピュータ(管理ユニット)
23 リーダ制御ユニット(等価信号出力手段)
24 リーダ端末(情報取得手段)
31 課金管理部(消費量決定手段、徴収実行手段)
32 設定変更部(課金設定データ操作手段)
33 課金設定データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる利用料金の支払いを検出して所定の支払い信号を出力する検出手段と、前記支払い信号の出力に応答して、利用のための所定の処理を実行する利用制御手段とを備えた課金対象装置に適用される料金徴収システムであって、
電子通貨による利用料金の徴収のためにユーザから提供されるべき情報をユーザの操作に基づいて取得する情報取得手段と、
前記課金対象装置を利用させるために必要な電子通貨の消費量を記述した課金設定データを記憶する課金設定データ記憶手段と、
前記課金設定データを参照して前記電子通貨の消費量を決定する消費量決定手段と、
前記ユーザから提供されるべき情報に基づいて、前記消費量決定手段が決定した消費量の徴収に必要な処理を実行する徴収実行手段と、
前記消費量の徴収に成功した場合に、前記支払い信号と等価な支払い等価信号を前記利用制御手段に出力する等価信号出力手段と、
所定の管理者による設定操作に従って、前記課金設定データをその内容が変更されるように操作する課金設定データ操作手段と、を具備し、
前記情報取得手段及び前記等価信号出力手段は、前記課金対象装置に取り付けられた装置側ユニットに設けられ、
前記課金設定データ操作手段は、前記課金対象装置からは分離され、かつ前記装置側ユニットと通信可能に接続される管理ユニットに設けられ、
前記課金設定データ記憶手段、前記消費量決定手段、及び前記徴収実行手段のそれぞれは、前記装置側ユニット又は前記管理ユニットに設けられている、料金徴収システム。
【請求項2】
前記課金設定データには、前記情報取得手段が取得する情報を利用して判別可能な範囲で設定された条件と対応付けて複数の消費量が記述され、前記消費量決定手段は、前記電子通貨による料金徴収を実行する際に前記条件の判別結果に応じて前記消費量を決定する請求項1に記載の料金徴収システム。
【請求項3】
前記課金設定データ操作手段は、前記条件又は前記消費量の少なくともいずれか一方を変更できるように設けられている請求項2に記載の料金徴収システム。
【請求項4】
前記管理ユニットが、所定のネットワークを介して口座管理サーバと接続され、
前記口座管理サーバは、ユーザが利用可能な電子通貨の残高を記述した口座データを保持するとともに、前記口座データを特定するための識別情報と前記電子通貨の消費量とを指定して前記管理ユニットから送信される引き落とし要求に応答して、前記識別情報に対応した口座データからの前記消費量の引き落としを試行し、その試行結果を前記管理ユニットに通知する引き落とし処理を実行可能であり、
前記情報取得手段は、前記ユーザから提供されるべき情報として前記識別情報を取得し、
前記徴収実行手段は、前記管理ユニットに設けられ、かつ、前記電子通貨の徴収に必要な処理として、前記情報取得手段が取得した前記口座データを指定する情報と前記消費量決定手段が決定した消費量とを指定して前記口座管理サーバに前記引き落とし要求を送信し、前記口座管理サーバから通知される前記試行結果を前記等価信号出力手段に提供する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の料金徴収システム。
【請求項5】
複数の課金対象装置のそれぞれに前記装置側ユニットが設けられ、前記管理ユニットは、前記複数の課金対象装置のそれぞれの装置側ユニットからいずれか一つの装置側ユニットを通信相手として特定できるようにして、前記装置側ユニットに対して共通に設けられている請求項4に記載の料金徴収システム。
【請求項6】
前記課金設定データが前記装置側ユニットに対応して個別に設けられ、前記課金設定データ操作手段は、各装置側ユニットに対応する課金設定データを個別に操作可能である請求項5に記載の料金徴収システム。
【請求項7】
前記課金対象装置が業務用のゲーム機であり、前記検出手段は、前記利用料金の現金による支払いを検出して前記支払い信号を出力するよう構成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の料金徴収システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−108746(P2012−108746A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257457(P2010−257457)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)