電子食券システム
【課題】 企業支給の食費用の電子バリューを管理可能な電子食券システム、プログラムを提供する。
【解決手段】 電子バリュー端末と、電子バリュー食券を支給する企業と、の間で用いるシステムであり、電子バリュー支払機、処理装置、情報収集装置、電子バリューチャージ器、を含み、前記情報収集装置は、電子バリュー端末毎の利用明細データを処理装置へと出力し、前記処理装置はコンピュータ読み取り可能なプログラムにより、電子バリュー端末毎に、第1チャージ額の範囲内での、食費総額の企業負担額と残りの従業員負担額と、従業員の食費以外の利用額を従業員に請求する従業員利用額と、を算出する請求額算出手段と、前記算出結果を企業へと出力する出力手段と、処理対象の電子マネー端末に対し、電子バリューチャージ器において、前記企業負担額と従業員負担額と従業員への請求額との合計額を、チャージ可能に設定する設定手段と、を実現する。
【解決手段】 電子バリュー端末と、電子バリュー食券を支給する企業と、の間で用いるシステムであり、電子バリュー支払機、処理装置、情報収集装置、電子バリューチャージ器、を含み、前記情報収集装置は、電子バリュー端末毎の利用明細データを処理装置へと出力し、前記処理装置はコンピュータ読み取り可能なプログラムにより、電子バリュー端末毎に、第1チャージ額の範囲内での、食費総額の企業負担額と残りの従業員負担額と、従業員の食費以外の利用額を従業員に請求する従業員利用額と、を算出する請求額算出手段と、前記算出結果を企業へと出力する出力手段と、処理対象の電子マネー端末に対し、電子バリューチャージ器において、前記企業負担額と従業員負担額と従業員への請求額との合計額を、チャージ可能に設定する設定手段と、を実現する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、企業が従業員に支給する食券の改良に関するものであり、特に電子バリューを用いた電子食券システムに関する。前記電子バリューとは、いわゆる電子マネーに代表される、金銭的価値を有する電子データ上のポイント(バリュー)をいう。
【背景技術】
【0002】
図11は、従来の食券システムを説明するための図である。企業1001から、従業員に、有効期限付きのカード型の食券1002が渡される。従業員は、社内、又は、特定のレストランで食券1002を渡し、食事を摂取する。
【0003】
前記食券は、(i)食事内容によらず使いきりで、(ii)利用できるレストランが限られておりメニュー選択の自由度が少なく、従業員にとって不便であった。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、前記食券の代わりに、電子バリューを用いる電子食券事業システムが提案されている。前記電子食券事業システムは、電子バリューを用いることによって、前記「食事内容によらず使いきり」という前記(i)の不便を解消する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−288572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記システムで用いる電子バリューは、従来の食券システムと同様、社内、又は、特定のレストランのみで使用できるものであり、汎用性に欠け、前記(ii)の課題を解決できない。
【0007】
例えば、特定のレストランだけでなく、ショッピングセンター、コンビニエンスストア、交通機関等で共通して用いることができる、電子バリューを用いれば、従業員は、食券専用の電子バリュー保持媒体を持ち歩くことなく、任意のレストラン等で食事を摂取でき、前記(i)、(ii)の課題を解決できる。
【0008】
しかし、前記汎用性のある電子バリューを用いる場合、(iii)食費用に支給された電子バリューと、従業員が自らチャージした電子バリューと、を区別することができなくなる、という新たな課題が生じる。
【0009】
本発明は、前記汎用性のある電子バリューを用いつつも、企業から支給された食費用の電子バリューを管理可能な、前記(i)、(ii)、(iii)の課題を解決する電子食券システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の電子食券システムは、特定のレストラン以外でも使用できる汎用性を有する電子バリュー用端末を有している従業員と、従業員に前記電子バリューの食券を支給して食費の一部又は全部の予め定めた割合を負担する企業と、の間で用いるシステムであり、電子バリュー支払機と、処理装置と、情報収集装置と、電子バリューチャージ器と、を含んでいる電子食券システムであって、前記情報収集装置は、前記電子バリュー支払機から、電子バリュー端末毎の利用明細のデータを収集し、処理装置へと出力するものであり、前記処理装置は、演算部と、記憶部と、を備えており、前記演算部は、コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、電子バリュー端末毎に、食費としてチャージされている第1チャージ額と、前記利用明細のデータと、を関連付けて記憶部に記憶させる手段と、予め定めた時期に、支払い総額を算出する手段と、食費総額を算出する手段と、前記第1チャージ額と支払い総額と食費総額とから定められる、第1チャージ額の範囲内での、食費総額の前記予め定めた割合の企業負担額と、食費総額から前記企業負担額を差し引いた従業員負担額と、食費以外の利用額を従業員に請求する従業員利用額と、を算出する請求額算出手段と、前記請求額算出結果を企業へと出力する出力手段と、処理対象の電子マネー端末に対し、電子バリューチャージ器において、前記企業負担額と、従業員負担額と、従業員への請求額の合計額を、チャージ可能に設定する設定手段と、を実現するものであり、前記請求額演算手段は、(i)食費総額が第1チャージ額以上の場合、前記第1チャージ額の内、前記予め定めた割合を企業負担額とし、残りを従業員負担額とし、従業員利用額を0円に設定し、(ii)食費総額が第1チャージ額未満で、かつ、支払い総額が第1チャージ額未満の場合、前記食費総額の内、前記予め定めた割合を企業負担額とし、残りを従業員負担額とし、従業員利用額を支払い総額から食費総額を差し引いた額に設定し、(iii)食費総額が第1チャージ額未満で、かつ、支払い総額が第1チャージ額以上の場合、前記食費総額の内、前記予め定めた割合を企業負担額とし、残りを従業員負担額とし、従業員利用額を第1チャージ額から食費総額を差し引いた額に設定する、ことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の電子食券システムは、請求項1記載の電子食券システムであって、前記予め定めた割合が半分(50%)である、ことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の電子食券システム用プログラムは、特定のレストラン以外でも使用できる汎用性を有する電子バリュー用端末を有している従業員と、従業員に前記電子バリューの食券を支給して食費の一部又は全部の予め定めた割合を負担する企業と、の間で用いるシステムで用いるコンピュータ読み取り可能なプログラムであり、前記システムは、電子バリュー支払機と、処理装置と、情報収集装置と、電子バリューチャージ器と、を含んでおり、前記情報収集装置は、前記電子バリュー支払機から、電子バリュー端末毎の利用明細のデータを収集し、処理装置へと出力するものであり、前記処理装置は、演算部と、記憶部と、を備えており、前記演算部は、前記コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、電子バリュー端末毎に、食費としてチャージされている第1チャージ額と、前記利用明細のデータと、を関連付けて記憶部に記憶させる手段と、予め定めた時期に、支払い総額を算出する手段と、食費総額を算出する手段と、前記第1チャージ額と支払い総額と食費総額とから定められる、第1チャージ額の範囲内での、食費総額の前記予め定めた割合の企業負担額と、食費総額から前記企業負担額を差し引いた従業員負担額と、食費以外の利用額を従業員に請求する従業員利用額と、を算出する請求額算出手段と、前記請求額算出結果を企業へと出力する出力手段と、処理対象の電子マネー端末に対し、電子バリューチャージ器において、前記企業負担額と、従業員負担額と、従業員への請求額の合計額を、チャージ可能に設定する設定手段と、を実現するものであり、前記請求額演算手段は、(i)食費総額が第1チャージ額以上の場合、前記第1チャージ額の内、前記予め定めた割合を企業負担額とし、残りを従業員負担額とし、従業員利用額を0円に設定し、(ii)食費総額が第1チャージ額未満で、かつ、支払い総額が第1チャージ額未満の場合、前記食費総額の内、前記予め定めた割合を企業負担額とし、残りを従業員負担額とし、従業員利用額を支払い総額から食費総額を差し引いた額に設定し、(iii)食費総額が第1チャージ額未満で、かつ、支払い総額が第1チャージ額以上の場合、前記食費総額の内、前記予め定めた割合を企業負担額とし、残りを従業員負担額とし、従業員利用額を第1チャージ額から食費総額を差し引いた額に設定する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、2記載の電子食券システムでは、電子バリュー端末が、特定のレストラン以外でも使用できる汎用性を有し、その端末に、食費として企業から支給された電子バリュー以外に、個人の電子バリューがチャージされることもあるにもかかわらず、その利用明細のデータから、企業負担額と、従業員負担額と、食費以外の利用額を従業員に請求する従業員利用額と、を特定し、企業へと出力することできる。設定手段が、前記企業負担額と、従業員負担額と、従業員への請求額と、の合計額を、チャージ可能に設定する。従業員が端末に電子マネーをチャージすれば、初期設定額である第1チャージ額がチャージされることになる。当該構成を採用したことによって、汎用性のある電子バリューを用いつつも、企業から支給された食費を管理することができる。
【0014】
請求項3記載のプログラムは、特定のレストラン以外でも使用できる汎用性を有する電子バリュー用端末を有している従業員と、従業員に前記電子バリューの食券を支給して食費の一部又は全部の予め定めた割合を負担する企業と、の間で用いるシステムであって、前述の、電子バリュー支払機と、本プログラムを実行可能な処理装置と、情報収集装置と、電子バリューチャージ器と、を含むシステムで用いることによって、前記請求項1、2記載の電子食券システムと同じ効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係る電子食券システムの構成図である。
【図2】電子バリューを用いた支払いの様子と、該支払い時に作成される利用明細の一例を示す図である。
【図3】情報収集装置の実行する処理のフローチャートである。
【図4】管理会社の備える処理装置の構成を示す図である。
【図5】処理装置の実行する処理のフローチャートである。
【図6】従業員の電子バリューの利用例を示す図である。
【図7】従業員の電子バリューの利用例を示す図である。
【図8】従業員の電子バリューの利用例を示す図である。
【図9】従業員の電子バリューの利用例を示す図である。
【図10】第2実施形態に係る電子食券システムの構成を示す図である。
【図11】従来の食券システムを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(1)電子食券システムの全体構成
本発明の電子食券システムは、特定のレストラン以外でも使用できる汎用性を有する電子バリュー用の端末(以下、電子バリュー端末という)を有している従業員と、従業員に前記電子バリューの食券を支給して、該支給した電子バリューに相当する食費の一部又は全部の予め定めた割合を負担する企業と、の間で用いるものであり、電子バリュー支払機と、処理装置と、情報収集装置と、電子バリューチャージ器と、を含んでいる。
【0017】
前記予め定めた割合とは、所得税基本通達36−38の2によって定められている割合で、現行法では、50%である。また、非課税扱いとなる1月あたりの食費支給額の上限は、3500円である。なお、これらの値は、法の改廃に応じて変わる。
【0018】
図1は、第1実施形態に係る電子食券システム1の構成図である。電子食券システム1は、企業10の経理端末11と、従業員の電子バリュー端末100と、電子バリュー支払機200、210と、処理装置400と、情報収集装置500と、電子バリューチャージ器300、600と、を含んでいる。なお、各構成要素の数は、実施形態に応じて種々変更することができる。
【0019】
前記電子バリュー端末100は、例えば、非接触型ICカードである。この他に、電子バリュー端末100は、携帯電話機に組み込まれた状態で用いられるもの等も含む。
【0020】
企業10は、本システムの利用開始時、管理会社3000に、従業員一人当たり7000円の食事費用を渡す。管理会社3000の処理装置400は、例えば月初めに、従業員が、チャージ器300、600を用いて、電子バリュー端末100に食費用の7000円分の電子バリューをチャージ可能にする(以下、この額を第1チャージ額CH1という)。処理装置400は、月末の決済時に、従業員の利用明細のデータを分析し、企業負担額CH1aと、従業員負担額CH1bと、従業員利用額CHxとを、企業10に請求する。
【0021】
ここで、前記企業負担額CH1aとは、第1チャージ額CH1内での食費の、予め定めた割合の企業負担額である。従業員負担額CH1bとは、前記食費から企業負担額CH1aを差し引いた従業員負担額である。従業員利用額CHxとは、第1チャージ額CH1内での従業員の食費以外の支出を従業員に請求する額である。
【0022】
前記請求は、本実施形態では、ネットワーク接続されている企業10の経理端末11に直接出力する。この出力形態については、これに限らず、書類による請求書の発行を行い、該書類を郵送等しても良い。
【0023】
処理装置400は、前記処理の後、例えば、次の月初めに、チャージ器300、600に、前記企業10への請求額分(CH1a+CH1b+CHx)の電子バリューをチャージできるように設定する。従業員が電子バリュー端末100に電子マネーをチャージすれば、7000円分の第1チャージ額CH1がチャージされる。
【0024】
前記電子バリュー支払機200、210は、加盟・契約店に設置されている。加盟・契約店には、食事をとる店以外の店、例えば、種々のショッピングセンター、交通機関、宿泊施設等を含む。場合によっては、企業10内、管理会社3000内、の店にも備えられ得る。
【0025】
前記情報収集装置500は、電子バリュー支払機200、210に接続されており、該支払機から、電子バリュー端末100毎の利用明細のデータを収集し、処理装置400へと出力するものである。該情報収集装置500は、例えば、電子バリューを発行する会社等に設置される。なお、情報収集装置500は、点線で囲んで示すように、後述する管理会社3000が備えても良い。
【0026】
管理会社3000は、前記処理装置400と、社内のチャージ器300と、を備えている。また、管理会社3000の処理装置400は、従業員の近くに設置されており、ネットワークによって接続されているチャージ器600に接続されている。チャージ器300、600は、従業員の電子バリュー端末100を認識し、端末毎に設定された電子バリューをチャージするための機器であり、専用端末、チャージ機能付きの情報端末(コンピュータ)等によって実現される。
【0027】
(2)電子バリューを用いた支払いについて
図2(a)は、電子バリューを用いた支払いの様子を示し、図2(b)は、該支払い時に作成される利用明細の一例を示す図である。支払い時、電子バリュー端末100からは、チャージされている電子バリューのデータの他に、その端末を識別するためのNo.(以下、端末No.という)のデータが、支払機200に出力される。利用明細のデータには、例えば、店名と、購入商品名と、利用前の電子バリュー残高と、利用額と、利用残高と、端末No.とが含まれている。
【0028】
(3)情報収集装置
図3は、情報収集装置500の実行する処理のフローチャートである。情報収集装置500は、いわゆるコンピュータ端末であり、中央演算処理装置(CPU)が、コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、以下の処理を実行する。まず、ステップS501では、電子バリューの利用がある毎に、接続されている各支払機200、210からリアルタイムで利用明細のデータを受け取り、分析する。分析は、端末No.に基づいて、利用者を確認するものである。なお、設定事項であるが、各支払機200、210と情報収集装置500の間に、バッファメモリを備え、1時間、半日等の予め定めたれた間隔で、データのやり取りを行なうようにすることもできる。さらには、後に図5のステップS5で実行する、支払いが、食事又は食品に関するものか否かの分析を、予め、ここで行なってもよい。
【0029】
ステップS502では、1取引を1レコードとして、記憶媒体に記録してデータベース化する。このデータベース化を行なう際、必要に応じて、端末No.又は対応する従業員の識別番号(社員番号)で検索可能とするための付加情報をレコードに付す。
【0030】
ステップS503では、管理会社3000の処理装置400からのデータ要求の有無を判断する。処理装置400から特定の電子バリュー端末100についてのデータ要求があった場合には(ステップS503でYes)、特定の従業員の電子バリュー端末100の利用明細のデータを処理装置400に出力し(ステップS504)、その後、ステップS501に戻る。なお、設定事項であるが、一度に複数人の電子バリュー端末100についてのデータ要求がされた場合には、各データを、例えば、端末No.順に、出力することもできる。他方、データ要求がない場合には(ステップS503でNo)、ステップS501、S502の処理を繰り返し実行して、各従業員の利用明細のデータをデータベース化する。この図3でのステップS504の出力は、後に図5に示すステップS3の情報収集処理へと送られる。
【0031】
(4)処理装置
(4-1)処理装置の構成
図4は、管理会社3000の処理装置400の構成を示す図である。処理装置400は、いわゆるコンピュータ端末であり、演算部である中央演算処理装置(CPU)401と、RAM402と、ROM403と、入力部404と、表示部405と、記憶部であるハードディスク406と、出力部407と、を備えている。
【0032】
前記RAM402は、データ作業領域として用いられる。前記ROM403は、オペレーティングシステム(OS)、電子バリュー管理プログラム等のプログラムを格納している。前記入力部404は、キーボード、マウス、電子バリュー端末100の端末No.読取装置等を備えている。前記表示部405は、液晶ディスプレイ等である。前記ハードディスク406は、情報収集装置500から受け取った従業員の電子バリュー端末100毎の利用明細のデータを記憶するのに用いられる。前記出力部407は、請求書又は利用明細等の必要書類発行用のプリンタ等を備えている。
【0033】
処理装置400のCPU401は、例えば、ネットワークを介して、企業10の経理端末11と、チャージ器300、600と、情報収集装置500と、に接続されている。
【0034】
(4-2)処理装置の実行する処理内容
図5は、処理装置400のCPU401の実行する処理のフローチャートである。CPU401は、コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、以下の処理を実行する。
【0035】
ステップS1では、初期設定を行なうと共に、入力部404による仮決済処理の要求を受け付ける。前記仮決済処理とは、例えば、従業員又は企業10からの要求に応じて、管理会社3000が、任意の時期に、電子バリューの使用状況を確認するための処理であり、仮決済要求時の、企業負担額CH1a、従業員負担額CH1b、従業員利用額CHxを算出する処理をいう。
【0036】
ステップS2では、決済時期であるか否かを判断する。決済時期でない場合(ステップS2でNo)、ステップS1に戻る。決済時期の場合(ステップS2でYes)、以下のステップS3乃至S18の処理を実行する。前記決済時期とは、契約内容によって決まる決済の時期であり、日次処理、月次処理、等の場合がある。
【0037】
なお、前記ステップ1で仮決済処理の要求があった場合、ステップS2では、決済時期であると判断する。仮決済処理実行時、後述するステップS17では、実際の請求書等の発行は行わず、設定に応じて表示部405、及び/又は企業10の経理端末11に、仮決済処理の結果を表示する。仮決済処理では、ステップS18の処理は行なわずに処理を終了する。
【0038】
さらに、設定事項であるが、CPU401は、ネットワーク接続されている、従業員のコンピュータ端末(例えば前記チャージ器600の機能を備えたコンピュータ端末)又は企業10の経理端末11、からの入力を受け付け、前記仮決済処理を実行する。この場合、後述するステップS17では、仮決済処理の要求を受けた端末のディスプレイに、前記仮決済処理の結果を表示する。仮決済処理では、ステップS18の処理は行なわずに処理を終了する。
【0039】
ステップS3では、入力部404からの入力を受け付け、処理対象とする1つの電子バリュー端末100を特定し、特定した電子バリュー端末100についての情報収集処理を行なう。電子バリュー端末100の特定は、従業員の端末No.を直接入力することによって行なっても良いし、従業員の識別番号の入力に応じて前記端末No.を特定することによって行なっても良い。または、決済を行なう一部又は全ての従業員の端末No.又は識別番号を表示部405に表示し、マウス等の入力部404の操作によって選択することによって、電子バリュー端末100を特定しても良い。
【0040】
前記情報収集処理は、特定した電子バリュー端末の利用明細のデータを情報収集装置500に要求し、情報収集装置500から前記利用明細のデータを受け取ることによって行なう。
【0041】
受け取った利用明細のデータは、特定した電子バリュー端末100と、企業から食費としてチャージされる第1チャージ額CH1(例えば、7000円)と、利用明細のデータと、を関連付けてハードディスク406に記憶される。
【0042】
ステップS4では、支払い総額P1を算出する。この算出は、利用明細のデータから、前回の決済時からの支払い総額を求めることによって行なう。
【0043】
ステップS5では、食費総額P2を算出する。この算出は、例えば、レストラン等の食事を摂取する店での利用明細の支出額合計P2aと、食事を摂取する店以外の店での利用の内、食べ物に関する支出を抽出して求められる支出額合計P2bと、の合計を求めることによって行なう。なお、これらの処理は、食事を摂取する店か否かの付加情報を有する店名についてのデータベースと、食べ物であるか否かの付加情報を有する商品又は商品コードについてのデータベースと、に基づいて行なう。これらのデータベースは、既成のデータベースと、加盟・契約店で用いている商品又は商品コードに関する情報と、電子食券システム1のために用意した情報と、の内の少なくとも1つ以上のものを必要に応じて処理したもので構成される。
【0044】
ステップS6乃至S15において、前記第1チャージ額CH1と、支払い総額P1と、食費総額P2とから、企業負担額CH1aと、従業員負担額CH1bと、従業員利用額CHxとを算出する。
【0045】
(4-2-1)食費総額P2が第1チャージ額CH1以上の場合
ステップS6で、食費総額P2が第1チャージ額CH1以上の場合(ステップS6でYes)、ステップS7で、前記第1チャージ額CH1の50%を、企業負担額CH1aとし、ステップS8で、残り(P2−CH1a)を従業員負担額CH1bとし、ステップS9で、従業員利用額CHxを、0円に設定する。
【0046】
図6、図7は、前記ステップS6〜S9の処理を実行する場合の従業員の電子バリューの利用例を示している。図6は、第1チャージ額CH1と食費総額P2とが共に7000円の場合を示している。図7は、食費総額P2が10000円である場合を示している。何れの場合も、第1チャージ額CH1全てを食費に用いている。この場合、企業負担額CH1aは、3500円、従業員負担額CH1bは、3500円、従業員利用額CHxは、0円となる。
【0047】
(4-2-2)食費総額P2、支払い総額P1が第1チャージ額CH1内で、食費以外の利用がある場合
再び図5のフローに戻る。ステップS6で、食費総額P2が第1チャージ額CH1未満で(ステップS6でNo)、かつ、ステップS10で、支払い総額P1が第1チャージ額CH1未満の場合(ステップS10でYes)、ステップS11で、前記食費総額P2の50%を、企業負担額CH1aとし、ステップS12で、残りを従業員負担額CH1bとし、ステップS13で、従業員利用額CHxを、支払い総額P1から食費総額P2を差し引いた額に設定する。
【0048】
図8は、前記ステップS10〜S13の処理を実行する場合の従業員の電子バリューの利用例を示している。この場合、食費総額P2が、3000円であるので、企業負担額CH1aは、1500円、従業員負担額CH1bは、1500円である。図8(a)に示すように、支払い総額P1が、食費総額P2に等しい場合には、従業員利用額CHxは0円となる。図8(b)に示すように、支払い総額P1が、食費総額P2よりも多い場合には、従業員利用額CHxは、支払い総額P1(例えば5000円)から食費総額P2(3000円)を差し引いた2000円となる。
【0049】
(4-2-3)食費総額P2が第1チャージ額CH1内で、食費以外の利用を含めた支払い総額P1が第1チャージ額CH1を超えている場合
再び図5のフローに戻る。ステップS6で、食費総額P2が第1チャージ額CH1未満で(ステップS6でNo)、かつ、ステップS10で、支払い総額P1が第1チャージ額CH1以上の場合(ステップS10でNo)、ステップS14で、前記食費総額P2の50%を、企業負担額CH1aとし、ステップS15で、残りを従業員負担額CH1bとし、ステップS16で、従業員利用額CHxを、第1チャージ額CH1から食費総額P2を差し引いた額に設定する。
【0050】
図9は、前記ステップS10、S14〜S16の処理を実行する場合の従業員の電子バリューの利用例を示している。この場合、食費総額P2が、3000円であるので、企業負担額CH1aは、1500円、従業員負担額CH1bは、1500円である。支払い総額P1は、10000円であるが、企業が関与するのは、第1チャージ額CH1内の用途だけであり、結果、従業員利用額CHxは、第1チャージ額CH1から食費総額P2を差し引いた4000円となる。
【0051】
再び図5のフローに戻る。ステップS17で、CPU401は、前記請求額算出結果を表示部405に表示し、出力部407に出力して請求書又は利用明細を印刷出力し、企業10の経理端末11へと出力することによって、請求額算出結果の出力手段として機能する。なお、設定事項であるが、請求書又は利用明細の送付のみを行なう、又は、企業10の経理端末11への出力のみを行なう、こともできる。
【0052】
処理対象の電子マネー端末に対し、総額が第1チャージ額CH1(=7000円)となるように、電子バリューチャージ器300、600において、前記企業負担額CH1aと、従業員負担額CH1bと、従業員利用額CHxと、の合計額を、チャージ可能に設定する(ステップS18)。
【0053】
なお、いわゆる前金処理をとる場合、前記ステップS18の処理は、例えば、企業側からの支払い確認後に行なうこととしても良い。この場合、ステップS17とS18との間に、入力部404からの入力を受け付けるステップを追加し、チャージ設定要求の入力があった場合に、前記ステップS18の処理を行なう。
【0054】
前記処理を実行することによって、CPU401は、電子バリュー端末100の用いる電子バリューが、特定のレストラン以外でも使用できる汎用性を有し、食費として企業から支給される電子バリュー以外に、個人の電子バリューがチャージされることもあるにもかかわらず、その利用明細から、企業負担額CH1aと、従業員負担額CH1bと、従業員利用額CHxと、を特定できる。これによって、汎用性のある電子バリューを用いつつも、企業から支給された食費を管理することができる。
【0055】
(5)電子食券システムの変形例
図10は、第2実施形態に係る電子食券システム1’の構成を示す図である。第1実施形態の電子食券システム1と同じ構成要素には、同じ参照番号を付して重複した説明は省く。
【0056】
電子食券システム1’は、情報収集装置が複数ある場合のものである。本実施形態は、例えば、電子バリューは共通であるが、その発行会社が複数で、各発行会社内に情報収集装置500、510が設置される場合を想定している。情報収集装置510の構成と処理内容とは、情報収集装置500と同じである。なお、この場合、処理装置400の実行する処理フローチャートの内容は、ステップS3の情報収集処理において、それぞれの情報収集装置500、510から情報を収集する点以外、変更はない。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の電子食券システムは、食費の補助を行なう一般の企業、会社、事務所等において、用いることができる。
【符号の説明】
【0058】
1、1’ 電子食券システム
10 企業
11 経理端末
100 電子バリュー端末
200、210 加盟・契約店に設置されている支払機
300、600 チャージ器
400 処理装置
500、510 情報収集装置
3000 管理会社
【技術分野】
【0001】
本発明は、企業が従業員に支給する食券の改良に関するものであり、特に電子バリューを用いた電子食券システムに関する。前記電子バリューとは、いわゆる電子マネーに代表される、金銭的価値を有する電子データ上のポイント(バリュー)をいう。
【背景技術】
【0002】
図11は、従来の食券システムを説明するための図である。企業1001から、従業員に、有効期限付きのカード型の食券1002が渡される。従業員は、社内、又は、特定のレストランで食券1002を渡し、食事を摂取する。
【0003】
前記食券は、(i)食事内容によらず使いきりで、(ii)利用できるレストランが限られておりメニュー選択の自由度が少なく、従業員にとって不便であった。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、前記食券の代わりに、電子バリューを用いる電子食券事業システムが提案されている。前記電子食券事業システムは、電子バリューを用いることによって、前記「食事内容によらず使いきり」という前記(i)の不便を解消する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−288572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記システムで用いる電子バリューは、従来の食券システムと同様、社内、又は、特定のレストランのみで使用できるものであり、汎用性に欠け、前記(ii)の課題を解決できない。
【0007】
例えば、特定のレストランだけでなく、ショッピングセンター、コンビニエンスストア、交通機関等で共通して用いることができる、電子バリューを用いれば、従業員は、食券専用の電子バリュー保持媒体を持ち歩くことなく、任意のレストラン等で食事を摂取でき、前記(i)、(ii)の課題を解決できる。
【0008】
しかし、前記汎用性のある電子バリューを用いる場合、(iii)食費用に支給された電子バリューと、従業員が自らチャージした電子バリューと、を区別することができなくなる、という新たな課題が生じる。
【0009】
本発明は、前記汎用性のある電子バリューを用いつつも、企業から支給された食費用の電子バリューを管理可能な、前記(i)、(ii)、(iii)の課題を解決する電子食券システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の電子食券システムは、特定のレストラン以外でも使用できる汎用性を有する電子バリュー用端末を有している従業員と、従業員に前記電子バリューの食券を支給して食費の一部又は全部の予め定めた割合を負担する企業と、の間で用いるシステムであり、電子バリュー支払機と、処理装置と、情報収集装置と、電子バリューチャージ器と、を含んでいる電子食券システムであって、前記情報収集装置は、前記電子バリュー支払機から、電子バリュー端末毎の利用明細のデータを収集し、処理装置へと出力するものであり、前記処理装置は、演算部と、記憶部と、を備えており、前記演算部は、コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、電子バリュー端末毎に、食費としてチャージされている第1チャージ額と、前記利用明細のデータと、を関連付けて記憶部に記憶させる手段と、予め定めた時期に、支払い総額を算出する手段と、食費総額を算出する手段と、前記第1チャージ額と支払い総額と食費総額とから定められる、第1チャージ額の範囲内での、食費総額の前記予め定めた割合の企業負担額と、食費総額から前記企業負担額を差し引いた従業員負担額と、食費以外の利用額を従業員に請求する従業員利用額と、を算出する請求額算出手段と、前記請求額算出結果を企業へと出力する出力手段と、処理対象の電子マネー端末に対し、電子バリューチャージ器において、前記企業負担額と、従業員負担額と、従業員への請求額の合計額を、チャージ可能に設定する設定手段と、を実現するものであり、前記請求額演算手段は、(i)食費総額が第1チャージ額以上の場合、前記第1チャージ額の内、前記予め定めた割合を企業負担額とし、残りを従業員負担額とし、従業員利用額を0円に設定し、(ii)食費総額が第1チャージ額未満で、かつ、支払い総額が第1チャージ額未満の場合、前記食費総額の内、前記予め定めた割合を企業負担額とし、残りを従業員負担額とし、従業員利用額を支払い総額から食費総額を差し引いた額に設定し、(iii)食費総額が第1チャージ額未満で、かつ、支払い総額が第1チャージ額以上の場合、前記食費総額の内、前記予め定めた割合を企業負担額とし、残りを従業員負担額とし、従業員利用額を第1チャージ額から食費総額を差し引いた額に設定する、ことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の電子食券システムは、請求項1記載の電子食券システムであって、前記予め定めた割合が半分(50%)である、ことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の電子食券システム用プログラムは、特定のレストラン以外でも使用できる汎用性を有する電子バリュー用端末を有している従業員と、従業員に前記電子バリューの食券を支給して食費の一部又は全部の予め定めた割合を負担する企業と、の間で用いるシステムで用いるコンピュータ読み取り可能なプログラムであり、前記システムは、電子バリュー支払機と、処理装置と、情報収集装置と、電子バリューチャージ器と、を含んでおり、前記情報収集装置は、前記電子バリュー支払機から、電子バリュー端末毎の利用明細のデータを収集し、処理装置へと出力するものであり、前記処理装置は、演算部と、記憶部と、を備えており、前記演算部は、前記コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、電子バリュー端末毎に、食費としてチャージされている第1チャージ額と、前記利用明細のデータと、を関連付けて記憶部に記憶させる手段と、予め定めた時期に、支払い総額を算出する手段と、食費総額を算出する手段と、前記第1チャージ額と支払い総額と食費総額とから定められる、第1チャージ額の範囲内での、食費総額の前記予め定めた割合の企業負担額と、食費総額から前記企業負担額を差し引いた従業員負担額と、食費以外の利用額を従業員に請求する従業員利用額と、を算出する請求額算出手段と、前記請求額算出結果を企業へと出力する出力手段と、処理対象の電子マネー端末に対し、電子バリューチャージ器において、前記企業負担額と、従業員負担額と、従業員への請求額の合計額を、チャージ可能に設定する設定手段と、を実現するものであり、前記請求額演算手段は、(i)食費総額が第1チャージ額以上の場合、前記第1チャージ額の内、前記予め定めた割合を企業負担額とし、残りを従業員負担額とし、従業員利用額を0円に設定し、(ii)食費総額が第1チャージ額未満で、かつ、支払い総額が第1チャージ額未満の場合、前記食費総額の内、前記予め定めた割合を企業負担額とし、残りを従業員負担額とし、従業員利用額を支払い総額から食費総額を差し引いた額に設定し、(iii)食費総額が第1チャージ額未満で、かつ、支払い総額が第1チャージ額以上の場合、前記食費総額の内、前記予め定めた割合を企業負担額とし、残りを従業員負担額とし、従業員利用額を第1チャージ額から食費総額を差し引いた額に設定する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、2記載の電子食券システムでは、電子バリュー端末が、特定のレストラン以外でも使用できる汎用性を有し、その端末に、食費として企業から支給された電子バリュー以外に、個人の電子バリューがチャージされることもあるにもかかわらず、その利用明細のデータから、企業負担額と、従業員負担額と、食費以外の利用額を従業員に請求する従業員利用額と、を特定し、企業へと出力することできる。設定手段が、前記企業負担額と、従業員負担額と、従業員への請求額と、の合計額を、チャージ可能に設定する。従業員が端末に電子マネーをチャージすれば、初期設定額である第1チャージ額がチャージされることになる。当該構成を採用したことによって、汎用性のある電子バリューを用いつつも、企業から支給された食費を管理することができる。
【0014】
請求項3記載のプログラムは、特定のレストラン以外でも使用できる汎用性を有する電子バリュー用端末を有している従業員と、従業員に前記電子バリューの食券を支給して食費の一部又は全部の予め定めた割合を負担する企業と、の間で用いるシステムであって、前述の、電子バリュー支払機と、本プログラムを実行可能な処理装置と、情報収集装置と、電子バリューチャージ器と、を含むシステムで用いることによって、前記請求項1、2記載の電子食券システムと同じ効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係る電子食券システムの構成図である。
【図2】電子バリューを用いた支払いの様子と、該支払い時に作成される利用明細の一例を示す図である。
【図3】情報収集装置の実行する処理のフローチャートである。
【図4】管理会社の備える処理装置の構成を示す図である。
【図5】処理装置の実行する処理のフローチャートである。
【図6】従業員の電子バリューの利用例を示す図である。
【図7】従業員の電子バリューの利用例を示す図である。
【図8】従業員の電子バリューの利用例を示す図である。
【図9】従業員の電子バリューの利用例を示す図である。
【図10】第2実施形態に係る電子食券システムの構成を示す図である。
【図11】従来の食券システムを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(1)電子食券システムの全体構成
本発明の電子食券システムは、特定のレストラン以外でも使用できる汎用性を有する電子バリュー用の端末(以下、電子バリュー端末という)を有している従業員と、従業員に前記電子バリューの食券を支給して、該支給した電子バリューに相当する食費の一部又は全部の予め定めた割合を負担する企業と、の間で用いるものであり、電子バリュー支払機と、処理装置と、情報収集装置と、電子バリューチャージ器と、を含んでいる。
【0017】
前記予め定めた割合とは、所得税基本通達36−38の2によって定められている割合で、現行法では、50%である。また、非課税扱いとなる1月あたりの食費支給額の上限は、3500円である。なお、これらの値は、法の改廃に応じて変わる。
【0018】
図1は、第1実施形態に係る電子食券システム1の構成図である。電子食券システム1は、企業10の経理端末11と、従業員の電子バリュー端末100と、電子バリュー支払機200、210と、処理装置400と、情報収集装置500と、電子バリューチャージ器300、600と、を含んでいる。なお、各構成要素の数は、実施形態に応じて種々変更することができる。
【0019】
前記電子バリュー端末100は、例えば、非接触型ICカードである。この他に、電子バリュー端末100は、携帯電話機に組み込まれた状態で用いられるもの等も含む。
【0020】
企業10は、本システムの利用開始時、管理会社3000に、従業員一人当たり7000円の食事費用を渡す。管理会社3000の処理装置400は、例えば月初めに、従業員が、チャージ器300、600を用いて、電子バリュー端末100に食費用の7000円分の電子バリューをチャージ可能にする(以下、この額を第1チャージ額CH1という)。処理装置400は、月末の決済時に、従業員の利用明細のデータを分析し、企業負担額CH1aと、従業員負担額CH1bと、従業員利用額CHxとを、企業10に請求する。
【0021】
ここで、前記企業負担額CH1aとは、第1チャージ額CH1内での食費の、予め定めた割合の企業負担額である。従業員負担額CH1bとは、前記食費から企業負担額CH1aを差し引いた従業員負担額である。従業員利用額CHxとは、第1チャージ額CH1内での従業員の食費以外の支出を従業員に請求する額である。
【0022】
前記請求は、本実施形態では、ネットワーク接続されている企業10の経理端末11に直接出力する。この出力形態については、これに限らず、書類による請求書の発行を行い、該書類を郵送等しても良い。
【0023】
処理装置400は、前記処理の後、例えば、次の月初めに、チャージ器300、600に、前記企業10への請求額分(CH1a+CH1b+CHx)の電子バリューをチャージできるように設定する。従業員が電子バリュー端末100に電子マネーをチャージすれば、7000円分の第1チャージ額CH1がチャージされる。
【0024】
前記電子バリュー支払機200、210は、加盟・契約店に設置されている。加盟・契約店には、食事をとる店以外の店、例えば、種々のショッピングセンター、交通機関、宿泊施設等を含む。場合によっては、企業10内、管理会社3000内、の店にも備えられ得る。
【0025】
前記情報収集装置500は、電子バリュー支払機200、210に接続されており、該支払機から、電子バリュー端末100毎の利用明細のデータを収集し、処理装置400へと出力するものである。該情報収集装置500は、例えば、電子バリューを発行する会社等に設置される。なお、情報収集装置500は、点線で囲んで示すように、後述する管理会社3000が備えても良い。
【0026】
管理会社3000は、前記処理装置400と、社内のチャージ器300と、を備えている。また、管理会社3000の処理装置400は、従業員の近くに設置されており、ネットワークによって接続されているチャージ器600に接続されている。チャージ器300、600は、従業員の電子バリュー端末100を認識し、端末毎に設定された電子バリューをチャージするための機器であり、専用端末、チャージ機能付きの情報端末(コンピュータ)等によって実現される。
【0027】
(2)電子バリューを用いた支払いについて
図2(a)は、電子バリューを用いた支払いの様子を示し、図2(b)は、該支払い時に作成される利用明細の一例を示す図である。支払い時、電子バリュー端末100からは、チャージされている電子バリューのデータの他に、その端末を識別するためのNo.(以下、端末No.という)のデータが、支払機200に出力される。利用明細のデータには、例えば、店名と、購入商品名と、利用前の電子バリュー残高と、利用額と、利用残高と、端末No.とが含まれている。
【0028】
(3)情報収集装置
図3は、情報収集装置500の実行する処理のフローチャートである。情報収集装置500は、いわゆるコンピュータ端末であり、中央演算処理装置(CPU)が、コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、以下の処理を実行する。まず、ステップS501では、電子バリューの利用がある毎に、接続されている各支払機200、210からリアルタイムで利用明細のデータを受け取り、分析する。分析は、端末No.に基づいて、利用者を確認するものである。なお、設定事項であるが、各支払機200、210と情報収集装置500の間に、バッファメモリを備え、1時間、半日等の予め定めたれた間隔で、データのやり取りを行なうようにすることもできる。さらには、後に図5のステップS5で実行する、支払いが、食事又は食品に関するものか否かの分析を、予め、ここで行なってもよい。
【0029】
ステップS502では、1取引を1レコードとして、記憶媒体に記録してデータベース化する。このデータベース化を行なう際、必要に応じて、端末No.又は対応する従業員の識別番号(社員番号)で検索可能とするための付加情報をレコードに付す。
【0030】
ステップS503では、管理会社3000の処理装置400からのデータ要求の有無を判断する。処理装置400から特定の電子バリュー端末100についてのデータ要求があった場合には(ステップS503でYes)、特定の従業員の電子バリュー端末100の利用明細のデータを処理装置400に出力し(ステップS504)、その後、ステップS501に戻る。なお、設定事項であるが、一度に複数人の電子バリュー端末100についてのデータ要求がされた場合には、各データを、例えば、端末No.順に、出力することもできる。他方、データ要求がない場合には(ステップS503でNo)、ステップS501、S502の処理を繰り返し実行して、各従業員の利用明細のデータをデータベース化する。この図3でのステップS504の出力は、後に図5に示すステップS3の情報収集処理へと送られる。
【0031】
(4)処理装置
(4-1)処理装置の構成
図4は、管理会社3000の処理装置400の構成を示す図である。処理装置400は、いわゆるコンピュータ端末であり、演算部である中央演算処理装置(CPU)401と、RAM402と、ROM403と、入力部404と、表示部405と、記憶部であるハードディスク406と、出力部407と、を備えている。
【0032】
前記RAM402は、データ作業領域として用いられる。前記ROM403は、オペレーティングシステム(OS)、電子バリュー管理プログラム等のプログラムを格納している。前記入力部404は、キーボード、マウス、電子バリュー端末100の端末No.読取装置等を備えている。前記表示部405は、液晶ディスプレイ等である。前記ハードディスク406は、情報収集装置500から受け取った従業員の電子バリュー端末100毎の利用明細のデータを記憶するのに用いられる。前記出力部407は、請求書又は利用明細等の必要書類発行用のプリンタ等を備えている。
【0033】
処理装置400のCPU401は、例えば、ネットワークを介して、企業10の経理端末11と、チャージ器300、600と、情報収集装置500と、に接続されている。
【0034】
(4-2)処理装置の実行する処理内容
図5は、処理装置400のCPU401の実行する処理のフローチャートである。CPU401は、コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、以下の処理を実行する。
【0035】
ステップS1では、初期設定を行なうと共に、入力部404による仮決済処理の要求を受け付ける。前記仮決済処理とは、例えば、従業員又は企業10からの要求に応じて、管理会社3000が、任意の時期に、電子バリューの使用状況を確認するための処理であり、仮決済要求時の、企業負担額CH1a、従業員負担額CH1b、従業員利用額CHxを算出する処理をいう。
【0036】
ステップS2では、決済時期であるか否かを判断する。決済時期でない場合(ステップS2でNo)、ステップS1に戻る。決済時期の場合(ステップS2でYes)、以下のステップS3乃至S18の処理を実行する。前記決済時期とは、契約内容によって決まる決済の時期であり、日次処理、月次処理、等の場合がある。
【0037】
なお、前記ステップ1で仮決済処理の要求があった場合、ステップS2では、決済時期であると判断する。仮決済処理実行時、後述するステップS17では、実際の請求書等の発行は行わず、設定に応じて表示部405、及び/又は企業10の経理端末11に、仮決済処理の結果を表示する。仮決済処理では、ステップS18の処理は行なわずに処理を終了する。
【0038】
さらに、設定事項であるが、CPU401は、ネットワーク接続されている、従業員のコンピュータ端末(例えば前記チャージ器600の機能を備えたコンピュータ端末)又は企業10の経理端末11、からの入力を受け付け、前記仮決済処理を実行する。この場合、後述するステップS17では、仮決済処理の要求を受けた端末のディスプレイに、前記仮決済処理の結果を表示する。仮決済処理では、ステップS18の処理は行なわずに処理を終了する。
【0039】
ステップS3では、入力部404からの入力を受け付け、処理対象とする1つの電子バリュー端末100を特定し、特定した電子バリュー端末100についての情報収集処理を行なう。電子バリュー端末100の特定は、従業員の端末No.を直接入力することによって行なっても良いし、従業員の識別番号の入力に応じて前記端末No.を特定することによって行なっても良い。または、決済を行なう一部又は全ての従業員の端末No.又は識別番号を表示部405に表示し、マウス等の入力部404の操作によって選択することによって、電子バリュー端末100を特定しても良い。
【0040】
前記情報収集処理は、特定した電子バリュー端末の利用明細のデータを情報収集装置500に要求し、情報収集装置500から前記利用明細のデータを受け取ることによって行なう。
【0041】
受け取った利用明細のデータは、特定した電子バリュー端末100と、企業から食費としてチャージされる第1チャージ額CH1(例えば、7000円)と、利用明細のデータと、を関連付けてハードディスク406に記憶される。
【0042】
ステップS4では、支払い総額P1を算出する。この算出は、利用明細のデータから、前回の決済時からの支払い総額を求めることによって行なう。
【0043】
ステップS5では、食費総額P2を算出する。この算出は、例えば、レストラン等の食事を摂取する店での利用明細の支出額合計P2aと、食事を摂取する店以外の店での利用の内、食べ物に関する支出を抽出して求められる支出額合計P2bと、の合計を求めることによって行なう。なお、これらの処理は、食事を摂取する店か否かの付加情報を有する店名についてのデータベースと、食べ物であるか否かの付加情報を有する商品又は商品コードについてのデータベースと、に基づいて行なう。これらのデータベースは、既成のデータベースと、加盟・契約店で用いている商品又は商品コードに関する情報と、電子食券システム1のために用意した情報と、の内の少なくとも1つ以上のものを必要に応じて処理したもので構成される。
【0044】
ステップS6乃至S15において、前記第1チャージ額CH1と、支払い総額P1と、食費総額P2とから、企業負担額CH1aと、従業員負担額CH1bと、従業員利用額CHxとを算出する。
【0045】
(4-2-1)食費総額P2が第1チャージ額CH1以上の場合
ステップS6で、食費総額P2が第1チャージ額CH1以上の場合(ステップS6でYes)、ステップS7で、前記第1チャージ額CH1の50%を、企業負担額CH1aとし、ステップS8で、残り(P2−CH1a)を従業員負担額CH1bとし、ステップS9で、従業員利用額CHxを、0円に設定する。
【0046】
図6、図7は、前記ステップS6〜S9の処理を実行する場合の従業員の電子バリューの利用例を示している。図6は、第1チャージ額CH1と食費総額P2とが共に7000円の場合を示している。図7は、食費総額P2が10000円である場合を示している。何れの場合も、第1チャージ額CH1全てを食費に用いている。この場合、企業負担額CH1aは、3500円、従業員負担額CH1bは、3500円、従業員利用額CHxは、0円となる。
【0047】
(4-2-2)食費総額P2、支払い総額P1が第1チャージ額CH1内で、食費以外の利用がある場合
再び図5のフローに戻る。ステップS6で、食費総額P2が第1チャージ額CH1未満で(ステップS6でNo)、かつ、ステップS10で、支払い総額P1が第1チャージ額CH1未満の場合(ステップS10でYes)、ステップS11で、前記食費総額P2の50%を、企業負担額CH1aとし、ステップS12で、残りを従業員負担額CH1bとし、ステップS13で、従業員利用額CHxを、支払い総額P1から食費総額P2を差し引いた額に設定する。
【0048】
図8は、前記ステップS10〜S13の処理を実行する場合の従業員の電子バリューの利用例を示している。この場合、食費総額P2が、3000円であるので、企業負担額CH1aは、1500円、従業員負担額CH1bは、1500円である。図8(a)に示すように、支払い総額P1が、食費総額P2に等しい場合には、従業員利用額CHxは0円となる。図8(b)に示すように、支払い総額P1が、食費総額P2よりも多い場合には、従業員利用額CHxは、支払い総額P1(例えば5000円)から食費総額P2(3000円)を差し引いた2000円となる。
【0049】
(4-2-3)食費総額P2が第1チャージ額CH1内で、食費以外の利用を含めた支払い総額P1が第1チャージ額CH1を超えている場合
再び図5のフローに戻る。ステップS6で、食費総額P2が第1チャージ額CH1未満で(ステップS6でNo)、かつ、ステップS10で、支払い総額P1が第1チャージ額CH1以上の場合(ステップS10でNo)、ステップS14で、前記食費総額P2の50%を、企業負担額CH1aとし、ステップS15で、残りを従業員負担額CH1bとし、ステップS16で、従業員利用額CHxを、第1チャージ額CH1から食費総額P2を差し引いた額に設定する。
【0050】
図9は、前記ステップS10、S14〜S16の処理を実行する場合の従業員の電子バリューの利用例を示している。この場合、食費総額P2が、3000円であるので、企業負担額CH1aは、1500円、従業員負担額CH1bは、1500円である。支払い総額P1は、10000円であるが、企業が関与するのは、第1チャージ額CH1内の用途だけであり、結果、従業員利用額CHxは、第1チャージ額CH1から食費総額P2を差し引いた4000円となる。
【0051】
再び図5のフローに戻る。ステップS17で、CPU401は、前記請求額算出結果を表示部405に表示し、出力部407に出力して請求書又は利用明細を印刷出力し、企業10の経理端末11へと出力することによって、請求額算出結果の出力手段として機能する。なお、設定事項であるが、請求書又は利用明細の送付のみを行なう、又は、企業10の経理端末11への出力のみを行なう、こともできる。
【0052】
処理対象の電子マネー端末に対し、総額が第1チャージ額CH1(=7000円)となるように、電子バリューチャージ器300、600において、前記企業負担額CH1aと、従業員負担額CH1bと、従業員利用額CHxと、の合計額を、チャージ可能に設定する(ステップS18)。
【0053】
なお、いわゆる前金処理をとる場合、前記ステップS18の処理は、例えば、企業側からの支払い確認後に行なうこととしても良い。この場合、ステップS17とS18との間に、入力部404からの入力を受け付けるステップを追加し、チャージ設定要求の入力があった場合に、前記ステップS18の処理を行なう。
【0054】
前記処理を実行することによって、CPU401は、電子バリュー端末100の用いる電子バリューが、特定のレストラン以外でも使用できる汎用性を有し、食費として企業から支給される電子バリュー以外に、個人の電子バリューがチャージされることもあるにもかかわらず、その利用明細から、企業負担額CH1aと、従業員負担額CH1bと、従業員利用額CHxと、を特定できる。これによって、汎用性のある電子バリューを用いつつも、企業から支給された食費を管理することができる。
【0055】
(5)電子食券システムの変形例
図10は、第2実施形態に係る電子食券システム1’の構成を示す図である。第1実施形態の電子食券システム1と同じ構成要素には、同じ参照番号を付して重複した説明は省く。
【0056】
電子食券システム1’は、情報収集装置が複数ある場合のものである。本実施形態は、例えば、電子バリューは共通であるが、その発行会社が複数で、各発行会社内に情報収集装置500、510が設置される場合を想定している。情報収集装置510の構成と処理内容とは、情報収集装置500と同じである。なお、この場合、処理装置400の実行する処理フローチャートの内容は、ステップS3の情報収集処理において、それぞれの情報収集装置500、510から情報を収集する点以外、変更はない。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の電子食券システムは、食費の補助を行なう一般の企業、会社、事務所等において、用いることができる。
【符号の説明】
【0058】
1、1’ 電子食券システム
10 企業
11 経理端末
100 電子バリュー端末
200、210 加盟・契約店に設置されている支払機
300、600 チャージ器
400 処理装置
500、510 情報収集装置
3000 管理会社
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定のレストラン以外でも使用できる汎用性を有する電子バリュー用端末を有している従業員と、従業員に前記電子バリューの食券を支給して食費の一部又は全部の予め定めた割合を負担する企業と、の間で用いるシステムであり、電子バリュー支払機と、処理装置と、情報収集装置と、電子バリューチャージ器と、を含んでいる電子食券システムであって、
前記情報収集装置は、前記電子バリュー支払機から、電子バリュー端末毎の利用明細データを収集し、処理装置へと出力するものであり、
前記処理装置は、演算部と、記憶部と、を備えており、
前記演算部は、コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、電子バリュー端末毎に、
食費としてチャージされている第1チャージ額と、前記利用明細データと、を関連付けて記憶部に記憶させる手段と、
予め定めた時期に、支払い総額を算出する手段と、
食費総額を算出する手段と、
前記第1チャージ額と支払い総額と食費総額とから定められる、第1チャージ額の範囲内での、食費総額の前記予め定めた割合の企業負担額と、食費総額から前記企業負担額を差し引いた従業員負担額と、食費以外の利用額を従業員に請求する従業員利用額と、を算出する請求額算出手段と、
前記請求額算出結果を企業へと出力する出力手段と、
処理対象の電子マネー端末に対し、電子バリューチャージ器において、前記企業負担額と、従業員負担額と、従業員への請求額の合計額を、チャージ可能に設定する設定手段と、
を実現するものであり、
前記請求額演算手段は、
(i)食費総額が第1チャージ額以上の場合、前記第1チャージ額の内、前記予め定めた割合を企業負担額とし、残りを従業員負担額とし、従業員利用額を0円に設定し、
(ii)食費総額が第1チャージ額未満で、かつ、支払い総額が第1チャージ額未満の場合、前記食費総額の内、前記予め定めた割合を企業負担額とし、残りを従業員負担額とし、従業員利用額を支払い総額から食費総額を差し引いた額に設定し、
(iii)食費総額が第1チャージ額未満で、かつ、支払い総額が第1チャージ額以上の場合、前記食費総額の内、前記予め定めた割合を企業負担額とし、残りを従業員負担額とし、従業員利用額を第1チャージ額から食費総額を差し引いた額に設定する、
ことを特徴とする電子食券システム。
【請求項2】
前記予め定めた割合が半分(50%)である、
ことを特徴とする請求項1記載の電子食券システム。
【請求項3】
特定のレストラン以外でも使用できる汎用性を有する電子バリュー用端末を有している従業員と、従業員に前記電子バリューの食券を支給して食費の一部又は全部の予め定めた割合を負担する企業と、の間で用いるシステムで用いるコンピュータ読み取り可能なプログラムであり、
前記システムは、電子バリュー支払機と、処理装置と、情報収集装置と、電子バリューチャージ器と、を含んでおり、
前記情報収集装置は、前記電子バリュー支払機から、電子バリュー端末毎の利用明細データを収集し、処理装置へと出力するものであり、
前記処理装置は、演算部と、記憶部と、を備えており、
前記演算部は、前記コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、電子バリュー端末毎に、
食費としてチャージされている第1チャージ額と、前記利用明細データと、を関連付けて記憶部に記憶させる手段と、
予め定めた時期に、支払い総額を算出する手段と、
食費総額を算出する手段と、
前記第1チャージ額と支払い総額と食費総額とから定められる、第1チャージ額の範囲内での、食費総額の前記予め定めた割合の企業負担額と、食費総額から前記企業負担額を差し引いた従業員負担額と、食費以外の利用額を従業員に請求する従業員利用額と、を算出する請求額算出手段と、
前記請求額算出結果を企業へと出力する出力手段と、
処理対象の電子マネー端末に対し、電子バリューチャージ器において、前記企業負担額と、従業員負担額と、従業員への請求額の合計額を、チャージ可能に設定する設定手段と、
を実現するものであり、
前記請求額演算手段は、
(i)食費総額が第1チャージ額以上の場合、前記第1チャージ額の内、前記予め定めた割合を企業負担額とし、残りを従業員負担額とし、従業員利用額を0円に設定し、
(ii)食費総額が第1チャージ額未満で、かつ、支払い総額が第1チャージ額未満の場合、前記食費総額の内、前記予め定めた割合を企業負担額とし、残りを従業員負担額とし、従業員利用額を支払い総額から食費総額を差し引いた額に設定し、
(iii)食費総額が第1チャージ額未満で、かつ、支払い総額が第1チャージ額以上の場合、前記食費総額の内、前記予め定めた割合を企業負担額とし、残りを従業員負担額とし、従業員利用額を第1チャージ額から食費総額を差し引いた額に設定する、
ことを特徴とする電子食券システム用プログラム。
【請求項1】
特定のレストラン以外でも使用できる汎用性を有する電子バリュー用端末を有している従業員と、従業員に前記電子バリューの食券を支給して食費の一部又は全部の予め定めた割合を負担する企業と、の間で用いるシステムであり、電子バリュー支払機と、処理装置と、情報収集装置と、電子バリューチャージ器と、を含んでいる電子食券システムであって、
前記情報収集装置は、前記電子バリュー支払機から、電子バリュー端末毎の利用明細データを収集し、処理装置へと出力するものであり、
前記処理装置は、演算部と、記憶部と、を備えており、
前記演算部は、コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、電子バリュー端末毎に、
食費としてチャージされている第1チャージ額と、前記利用明細データと、を関連付けて記憶部に記憶させる手段と、
予め定めた時期に、支払い総額を算出する手段と、
食費総額を算出する手段と、
前記第1チャージ額と支払い総額と食費総額とから定められる、第1チャージ額の範囲内での、食費総額の前記予め定めた割合の企業負担額と、食費総額から前記企業負担額を差し引いた従業員負担額と、食費以外の利用額を従業員に請求する従業員利用額と、を算出する請求額算出手段と、
前記請求額算出結果を企業へと出力する出力手段と、
処理対象の電子マネー端末に対し、電子バリューチャージ器において、前記企業負担額と、従業員負担額と、従業員への請求額の合計額を、チャージ可能に設定する設定手段と、
を実現するものであり、
前記請求額演算手段は、
(i)食費総額が第1チャージ額以上の場合、前記第1チャージ額の内、前記予め定めた割合を企業負担額とし、残りを従業員負担額とし、従業員利用額を0円に設定し、
(ii)食費総額が第1チャージ額未満で、かつ、支払い総額が第1チャージ額未満の場合、前記食費総額の内、前記予め定めた割合を企業負担額とし、残りを従業員負担額とし、従業員利用額を支払い総額から食費総額を差し引いた額に設定し、
(iii)食費総額が第1チャージ額未満で、かつ、支払い総額が第1チャージ額以上の場合、前記食費総額の内、前記予め定めた割合を企業負担額とし、残りを従業員負担額とし、従業員利用額を第1チャージ額から食費総額を差し引いた額に設定する、
ことを特徴とする電子食券システム。
【請求項2】
前記予め定めた割合が半分(50%)である、
ことを特徴とする請求項1記載の電子食券システム。
【請求項3】
特定のレストラン以外でも使用できる汎用性を有する電子バリュー用端末を有している従業員と、従業員に前記電子バリューの食券を支給して食費の一部又は全部の予め定めた割合を負担する企業と、の間で用いるシステムで用いるコンピュータ読み取り可能なプログラムであり、
前記システムは、電子バリュー支払機と、処理装置と、情報収集装置と、電子バリューチャージ器と、を含んでおり、
前記情報収集装置は、前記電子バリュー支払機から、電子バリュー端末毎の利用明細データを収集し、処理装置へと出力するものであり、
前記処理装置は、演算部と、記憶部と、を備えており、
前記演算部は、前記コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、電子バリュー端末毎に、
食費としてチャージされている第1チャージ額と、前記利用明細データと、を関連付けて記憶部に記憶させる手段と、
予め定めた時期に、支払い総額を算出する手段と、
食費総額を算出する手段と、
前記第1チャージ額と支払い総額と食費総額とから定められる、第1チャージ額の範囲内での、食費総額の前記予め定めた割合の企業負担額と、食費総額から前記企業負担額を差し引いた従業員負担額と、食費以外の利用額を従業員に請求する従業員利用額と、を算出する請求額算出手段と、
前記請求額算出結果を企業へと出力する出力手段と、
処理対象の電子マネー端末に対し、電子バリューチャージ器において、前記企業負担額と、従業員負担額と、従業員への請求額の合計額を、チャージ可能に設定する設定手段と、
を実現するものであり、
前記請求額演算手段は、
(i)食費総額が第1チャージ額以上の場合、前記第1チャージ額の内、前記予め定めた割合を企業負担額とし、残りを従業員負担額とし、従業員利用額を0円に設定し、
(ii)食費総額が第1チャージ額未満で、かつ、支払い総額が第1チャージ額未満の場合、前記食費総額の内、前記予め定めた割合を企業負担額とし、残りを従業員負担額とし、従業員利用額を支払い総額から食費総額を差し引いた額に設定し、
(iii)食費総額が第1チャージ額未満で、かつ、支払い総額が第1チャージ額以上の場合、前記食費総額の内、前記予め定めた割合を企業負担額とし、残りを従業員負担額とし、従業員利用額を第1チャージ額から食費総額を差し引いた額に設定する、
ことを特徴とする電子食券システム用プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−174144(P2012−174144A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37618(P2011−37618)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【特許番号】特許第4778119号(P4778119)
【特許公報発行日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(510304106)株式会社ファナティック (2)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【特許番号】特許第4778119号(P4778119)
【特許公報発行日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(510304106)株式会社ファナティック (2)
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