電気コネクタおよび携帯型メディアプレーヤとホストコンピュータとの間のデータ転送を可能にする方法
【課題】小さいサイズ、および、より長いバッテリ駆動時間を有するメディアプレーヤを提供する。
【解決手段】携帯型メディアプレーヤ100は、ハウジング102の前面に配置されたメディア制御入力部を備える。メディア制御入力部は、携帯型メディアプレーヤのユーザが、デジタルメディアアセットから、提供すべき少なくとも1つのデジタルメディアアセットを選択することを可能にする。携帯型メディアプレーヤは、さらに、ハウジングの背面に配置された一体型の取り付け機構を備える。携帯型メディアプレーヤは、取り付け機構を用いて着用することができる。
【解決手段】携帯型メディアプレーヤ100は、ハウジング102の前面に配置されたメディア制御入力部を備える。メディア制御入力部は、携帯型メディアプレーヤのユーザが、デジタルメディアアセットから、提供すべき少なくとも1つのデジタルメディアアセットを選択することを可能にする。携帯型メディアプレーヤは、さらに、ハウジングの背面に配置された一体型の取り付け機構を備える。携帯型メディアプレーヤは、取り付け機構を用いて着用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メディアデバイスに関し、特に、デジタルメディアアセットを格納および利用する携帯型メディアプレーヤに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、USBドライブ(フラッシュドライブまたはキーチェーンドライブとも呼ばれる)が、携帯型データストレージデバイスとして一般的になっている。USBドライブは、フレキシブルディスク、CD、DVD、ジップドライブディスクなど、他の記憶媒体の代わりに利用可能である。ほとんどの場合、USBドライブは、データを格納するためのフラッシュメモリと、ホストデバイスに接続するためのUSBコネクタとを備えたプラグアンドプレイ・デバイスである。これらのデバイスは、有効に機能するものの、それらが実行できる動作には制限がある。これらのデバイスは、(他の携帯型記憶媒体と同様に)、データを格納して、格納されたデータを運ぶように構成されているに過ぎず、したがって、処理構成要素、処理構成要素に電力供給するためのバッテリ、または、ユーザが処理構成要素とやり取りすることを可能にするユーザインターフェースを備えていない。
【0003】
携帯型メディアプレーヤ(MP3プレーヤとも呼ばれる)も、今日、一般的に利用されている。携帯型メディアプレーヤは、3つの異なるカテゴリにグループ分けできる。すなわち、CDまたはDVDプレーヤなど、着脱可能なメディア記憶媒体を備えたもの;内部ハードドライブを備えたもの;不揮発性メモリにメディアを格納するもの、である。各カテゴリの携帯型メディアプレーヤは、サイズ、機能、バッテリ駆動時間、および、メディア記憶能力の点で、長所および短所を有する。
【0004】
不揮発性メモリにメディアを格納する携帯型メディアプレーヤは、一般に、フラッシュMP3プレーヤまたはフラッシュメディアプレーヤと呼ばれる。フラッシュメディアプレーヤは、他のタイプの携帯型メディアプレーヤよりも小さいことが多い。多くの従来のフラッシュメディアプレーヤに共通する問題の一つは、サイズが小さいために、しばしば、メディアプレーヤの操作部が使いにくいことである。従来のフラッシュメディアプレーヤは、通例、ユーザがデバイスに格納されたメディアファイルをナビゲートすることができるように、ディスプレイを組み込んでいるが、ディスプレイは、サイズ、重量、および、電力消費量を増大させる。ディスプレイがあっても、メディアプレーヤの操作部は、使いやすくないことが多い。
【0005】
従来のフラッシュメディアプレーヤに共通する別の問題は、大きいバッテリであり、これは、通例、プレーヤを充電またはプレーヤのバッテリを交換する必要が生じるまで妥当な長さのバッテリ駆動時間を提供するために必要とされる。従来、メディアプレーヤの設計は、改良されたユーザ操作部、バッテリ、および/または、ディスプレイを収容するために、大型化してきた。
【0006】
携帯型メディアプレーヤの人気が高まるにつれ、メディアプレーヤの設計の改良に対する要求が高まってきた。したがって、改良されたユーザ操作部、小さいサイズ、および、より長いバッテリ駆動時間を有するメディアプレーヤが求められている。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、一実施形態では、携帯型メディアプレーヤに関する。携帯型メディアプレーヤは、前面および背面を有するハウジングを備える。携帯型メディアプレーヤは、さらに、ハウジング内に配置されたメモリを備える。メモリは、複数のデジタルメディアアセットおよびデータファイルを格納するよう構成されている。携帯型メディアプレーヤは、さらに、ハウジングの前面に配置されたメディア制御入力部を備える。メディア制御入力部は、携帯型メディアプレーヤのユーザが、デジタルメディアアセットから、提供すべき少なくとも1つのデジタルメディアアセットを選択することを可能にする。携帯型メディアプレーヤは、さらに、ハウジングの背面に配置された一体型の取り付け機構を備える。携帯型メディアプレーヤは、取り付け機構を用いて着用することができる。
【0008】
本発明は、別の実施形態では、ディスプレイを備えない携帯型メディアプレーヤに関する。携帯型メディアプレーヤは、前面および背面を有するハウジングを備える。背面は、I/O構成要素を備えていない。携帯型メディアプレーヤは、さらに、ハウジング内に配置された不揮発性メモリを備える。不揮発性メモリは、複数のデジタルメディアアセットおよびデータファイルを格納するよう構成されている。携帯型メディアプレーヤは、さらに、ハウジングの前面に配置された単一のメディア制御入力部を備える。メディア制御入力部は、携帯型メディアプレーヤのユーザが、携帯型メディアプレーヤの様々な態様を制御することを可能にする。携帯型メディアプレーヤは、さらに、メモリおよびメディアプレーヤ入力構成に動作可能に接続されたコントローラを備える。コントローラは、選択された少なくとも1つのメディアアセットを再生するよう動作する。
【0009】
本発明は、別の実施形態では、携帯型メディアプレーヤに関する。携帯型メディアプレーヤは、ハウジングを備える。携帯型メディアプレーヤは、さらに、ハウジング内に伸びる単一の統合型コネクタポートを備える。単一の統合型コネクタポートは、携帯型メディアプレーヤと、データ、電力、および、メディアをやり取りするための唯一のポートである。携帯型メディアプレーヤは、さらに、ハウジング内に配置され、データファイルおよび複数のデジタルメディアアセットを格納するよう構成されたメモリモジュールを備える。データファイルおよび複数のデジタルメディアアセットは、単一の統合型コネクタポートを通して転送される。携帯型メディアプレーヤは、さらに、ハウジング内に配置され、携帯型メディアプレーヤ上でのメディア動作を提供するよう構成されたメディアモジュールを備える。メディアモジュールは、不揮発性電子メモリデバイスと協働して、そこからメディアアセットを取り出す。メディアモジュールは、単一の統合型コネクタポートを通して携帯型電子デバイスのユーザにメディアアセットを提供する。さらに、携帯型メディアプレーヤは、ハウジング内に配置され、携帯型メディアプレーヤへの電力供給または充電のために携帯型メディアプレーヤの電力動作を制御するよう構成された電力モジュールを備える。電力モジュールは、単一の統合型コネクタポートを通して電力を受ける。
【0010】
本発明は、別の実施形態では、ドッキングシステムに関する。ドッキングシステムは、携帯型メディアプレーヤを備える。携帯型メディアプレーヤは、前面、側面、および、背面を有するハウジングと、ハウジングの前面に配置された単一のメディア制御入力部と、ハウジングの側面に配置された単一の統合型コネクタポートと、ハウジングの背面に取り付けられた一体型クリップと、を備え、クリップは、背面から離間されていることにより背面との間に空間を設けるプラットフォームを備える。ドッキングシステムは、さらに、ドッキングステーションを備える。ドッキングステーションは、上面に部分的な凹部として形成されたスロットを有する基部を備える。凹部は、単一の統合型コネクタポートを備えた携帯型メディアプレーヤの端部を受け入れるよう構成されている。凹部の内周面は、ハウジングの前面とプラットフォームの外面とを含む携帯メディアプレーヤの外周面を受け入れるようなサイズおよび寸法を有する。ドッキングステーションは、さらに、携帯型メディアプレーヤがドッキングステーションの凹部内に配置された時に単一の統合型コネクタポートにはまり込む単一の統合型コネクタプラグを備える。コネクタポートおよびコネクタプラグの間のインターフェースは、データ、電力、および、メディアをやり取りするよう構成されている。
【0011】
本発明は、別の実施形態では、ホストコンピュータに接続された時にリムーバブル記憶媒体として動作可能であると共に、ホストコンピュータから切り離された時にメディアプレーヤとして動作可能である携帯型電子デバイスに関する。携帯型電子デバイスは、前面、第1の側面、第2の側面、および、背面を有するハウジングを備える。携帯型電子デバイスは、さらに、ハウジング内に配置された不揮発性メモリを備える。メモリは、複数のデジタルオーディオアセットおよびデータファイルを格納するよう構成されている。携帯型電子デバイスは、さらに、ハウジング内に配置され、少なくとも電源から切り離された時に必要に応じて携帯型メディアプレーヤに電力を供給するよう構成された充電式バッテリを備える。携帯型電子デバイスは、さらに、ハウジングの前面に配置された単一の統合型メディア制御入力部を備える。メディア制御構成は、中央ボタンの周りに円形配列で設けられた複数の一体型外側ボタンを含むクリック可能ボタン式アクチュエータとして実現される。中央ボタンは、再生/一時停止を開始する。外側ボタンは、前のメディアアセットへのスキップ、次のメディアアセットへのスキップ、音量上げ、および、音量下げを開始するためのボタンを含む。
【0012】
さらに、携帯型電子デバイスは、第1の側面に配置されたスイッチ構成を備えるスイッチ構成は、メディア再生モードを少なくとも選択するよう構成されている。再生モードは、連続再生モードおよびシャッフル再生モードの一方である。携帯型電子デバイスは、さらに、第2の側面に配置された単一の統合型コネクタを備える。単一の統合型コネクタは、携帯型メディアプレーヤおよびホストの間でデジタルメディアアセットおよびデータファイルを転送する機能と、携帯型メディアプレーヤに電源から電力を伝送する機能と、聴くためにデジタルオーディオアセットを出力する機能とを有する。携帯型電子デバイスは、さらに、ハウジングの側面に配置された1または複数のインジケータを備える。インジケータは、ユーザへのフィードバックまたは携帯型メディアプレーヤの状態情報を提供する。携帯型メディアプレーヤは、ディスプレイを備えない。携帯型電子デバイスは、さらに、メモリ、メディアプレーヤ入力構成、スイッチ構成、コネクタ、および、インジケータに動作可能に接続され、選択された少なくとも1つのメディアアセットを再生するよう動作するコントローラを備える。携帯型電子デバイスは、さらに、ハウジングと一体化されてハウジングの背面に配置され、携帯型メディアプレーヤを着用できるようにするクリップを備える。クリップは、ハウジングの背面と実質的に同じ輪郭を有するプラットフォームを備える。クリップは、背面に取り付けられ、挟み込むために衣類を挿入できる開位置と、プラットフォームおよびハウジングの背面の間に衣類を挟むことで携帯型メディアプレーヤを衣類に固定する閉位置との間で移動するプラットフォームを備える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に従って、携帯型メディアデバイスを示す図。
【図2】本発明の一実施形態に従って、携帯型メディアデバイスを示す斜視図。
【図3】本発明の一実施形態に従って、携帯型メディアデバイスを示す斜視図。
【図4】本発明の一実施形態に従って、携帯型メディアデバイスを示す斜視図。
【図5】本発明の一実施形態に従って、携帯型メディアデバイスを示す斜視図。
【図6】図4および図5に示した携帯型メディアデバイスを示す正面図。
【図7】図4および図5に示した携帯型メディアデバイスを示す背面図。
【図8】図4および図5に示した携帯型メディアデバイスを示す第1の側面図。
【図9】図4および図5に示した携帯型メディアデバイスを示す第2の側面図。
【図10】図4および図5に示した携帯型メディアデバイスを示す第3の側面図。
【図11】図4および図5に示した携帯型メディアデバイスを示す第4の側面図。
【図12A】ユーザの手の中に収まったメディアデバイスを示す図。
【図12B】ユーザの手の中に収まったメディアデバイスを示す図。
【図13】一実施形態に従って、制御入力デバイスを示す図。
【図14】一実施形態に従って、単一の統合型コネクタを示す図。
【図15】一実施形態に従って、ヒンジ機構を示す図。
【図16A】一実施形態に従って、ドッキングステーションを示す斜視図。
【図16B】一実施形態に従って、ラップトップコンピュータに接続されたドッキングステーションに差し込まれたメディアデバイスを示す図。
【図17A】一実施形態に従って、メディアデバイスに差し込むことができるメディア出力デバイスの一例を示す図。
【図17B】一実施形態に従って、メディアデバイスに差し込むことができるメディア出力デバイスの一例を示す図。
【図18】本発明の別の実施形態に従って、携帯型メディアデバイスを示す斜視図。
【図19】本発明の別の実施形態に従って、携帯型メディアデバイスを示す斜視図。
【図20】本発明の一実施形態に従って、メディアデバイスを示すブロック図。
【図21】本発明の一実施形態に従って、メディア管理システムを示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
一般に、本発明は、メディアデバイス、および、メディアデバイスを動作させるための方法に関する。本発明は、特に、携帯型メディアプレーヤでの利用に適している。
【0015】
本発明の一態様は、フラッシュなどの不揮発性メモリを備えた小型の携帯型メディアデバイスに関連する。メディアデバイスは、例えば、15,000mm3未満の基本体積と、50mm×30mm×10mm未満の基本寸法と、20グラム未満の基本重量とを有してよい。特に、メディアデバイスは、例えば、約8,230mm3未満の基本体積と、41.2mm×27.3mm×6mm未満の基本寸法と、16グラム未満の基本重量とを有してよい。全体のサイズは、アドオンすなわち追加機能(取り付け機構など)によって変化しうる。サイズおよび重量が小さいため、携帯型メディアデバイスは、携帯性が高く、持ち運びが容易である。したがって、それらは、散歩、ランニング、サイクリング、階段を昇ることなどの運動を行う際に、人間が携行してもよい。一部の例では、それらのデバイスは、ユーザの手に持たれ、別の例では、ユーザに運ばれまたは身につけられることでユーザの手が自由になる。それらは、極端に強い保持機構を必要とすることなく、衣類または同様の物(バックパックなど)に取り付け可能にすることができる。
【0016】
本発明の別の態様は、限られたI/Oデバイスを備えつつも、すべての必要な入力といくつかのフィードバックとを実現した携帯型メディアデバイスに関連する。一実施形態では、メディアデバイスは、ディスプレイを備えない。ディスプレイは、通例、その動作のためにメディアデバイスの広い領域を占めるため、ディスプレイを排除することにより、メディアデバイスのサイズを最小化できることを理解されたい。
【0017】
別の実施形態では、携帯型メディアプレーヤは、単一の統合型ナビゲーション操作部を備える。統合型ナビゲーション操作部は、例えば、音量+/−、次(早送り)、前(巻き戻し)、再生/一時停止など、典型的なメディア制御を含んでよい。一実施例では、単一のナビゲーション操作部は、円形の入力デバイスとして実現される。別の実施例では、統合型ナビゲーション操作部は、携帯型メディアデバイスの前面に配置される。実際、統合型ナビゲーション操作部は、実質的に、前面全体を占めてよい。これにより、メディアデバイスのサイズに対する操作部のサイズの比が最大化され、これは、デバイスを小さく保ちつつも利用しやすくするために有効である。例えば、ハウジング前面の面積対操作コントロールの面積の比は、約3:1未満であってよく、特に、約2:1未満であってよく、さらに、約1:1であってもよい。さらに、一部の実施形態では、その比は、約3:1ないし約1:1の間でよく、特に、約2.85:1ないし約2.3:1の間でよい。
【0018】
さらに、メディアデバイスは、2つ以下のスイッチを備えてよい。それらのスイッチは、例えば、オン/オフ、ホールド、および、モードスイッチを含んでよい。この特定の実施例では、それらのスイッチは、片手で持った際に親指一本でナビゲーション操作部およびスイッチの両方にアクセスできるように、携帯型メディアデバイスの側面に配置されてよい(背面には、ユーザインターフェースが配置されない)。
【0019】
さらに、携帯型メディアデバイスは、単一の統合型コネクタを備えてよく、そうすれば、他のデバイスへの接続に必要なスペースが低減される。単一の統合型コネクタは、例えば、データのアップロード/ダウンロード、電力の伝送、および、オーディオなどのメディアの出力のための機能を含んでよい。一実施形態では、単一の統合型コネクタは、さらに、内部軸ジャックとして実現されることで、メディアデバイスの表面への影響が最小限になる。
【0020】
メディアデバイスとのインターフェース接続のためのコネクタのほとんどは、横方向に並んで離間されるため、細長くのびるコネクタ領域を必要とし、それにより、小型の携帯型メディアデバイスを最小化しつつコネクタを配置することが困難になっていることを理解されたい。逆に、本発明のジャックは、メディアデバイスの表面の周囲に広がるのではなく、メディアデバイス内に伸びる点状の開口部を備える。開口部は、その軸に沿って軸方向に離間した複数の接点を備えており、それらの接点は、プラグが軸に沿って開口部に挿入された時に、対応する接点と接触する。さらに、その接続は、特定の向きを必要としない。360°対称であることにより、プラグを任意の向きで挿入することが可能である。したがって、ユーザは、プラグをジャックに結合する際に考える必要がない。一実施例では、したがって、メディアデバイスは、横方向に並んだ接点(例えば、従来のUSBポートおよびFIREWIREポートなど)を有する細長いポートを備えない。
【0021】
本発明の別の態様は、携帯型メディアデバイスを衣類または同様の物(バックパックなど)に固定するための取り付け機構を備えた携帯型メディアデバイスに関連する。一実施形態では、取り付け機構は、携帯型メディアデバイスのハウジングと一体化されたクリップであって、クリップおよびメディアデバイスのハウジングの間に衣類を挟む閉位置と、衣類を解放する開位置との間で動くようになっている。クリップが閉位置にある時には、携帯型メディアデバイスは、ユーザによって身につけられることができる。例えば、クリップは、メディアデバイスを、ズボン、ベルト、ポケット、帽子、リストバンド、靴などに固定するために用いられてよい。ほとんどの例では、クリップを閉位置に付勢することでメディアデバイスを物に固定する助けとなるように、クリップにバネが設けられる。さらに、クリップは、通例、メディアデバイスの背面に取り付けられ、それにより、メディアデバイスのアクセス可能な面を入力操作部のために利用できるようになる。
【0022】
以下では、図1ないし図21を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明の範囲は、これらの実施形態に限定されないため、これらの図面に関連して本明細書に記載した詳細な説明が、例示を目的としたものであることは、当業者であれば容易に理解できる。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に従って、携帯型メディアデバイス100を示す図である。メディアデバイス100は、メディアおよびデータに関する機能を提供するためのハードウェアを備える携帯型デバイスである。携帯型メディアデバイス100は、メディアデバイス100とホストデバイスとの間でデータをやり取りするために、コンピュータなどのホストデバイスに接続することが可能である。この接続は、直接的に(コネクタ対コネクタ)実現されてもよいし、間接的に(ケーブルまたはドッキングステーションを介して)実現されてもよい。一実施形態では、メディアバイス100は、プラグアンドプレイ・デバイスである。プラグアンドプレイ(PnP)という用語は、一般的に、ユーザが、デバイスをホストデバイスに接続して、ほとんどまたは全くユーザ入力を行わずに、そのデバイスをホストデバイスに認識させることを可能にする機能を指す。
【0024】
図1に示すように、メディアデバイス100は、メディアデバイス100の構成要素を内部に収容するハウジング102を備える。ハウジング102の形状およびサイズは、幅広く変更されてよい。一実施形態では、ハウジング102は、概略的に見ると、実質的に長方形の前面および背面と、実質的に長方形の側面とを備える。一部の例では、側面は、部分的または全体的に丸みを帯びてもよい。例えば、前面および背面と交わって伸びる1つの軸に沿った断面が、薬のような形状、すなわち、両側が丸くなった長方形を有してよい。さらに、ハウジングは、様々な隆起部分を備えてよい。別の実施形態では、ハウジング102は、前面および背面が円形になるような円筒形である。
【0025】
メディアデバイス100は、さらに、メディアデバイス10に接続可能な1または複数のデバイスまたはシステムとの相互作用を制御するよう構成された接続モジュール104を備える。接続モジュール104は、例えば、メディアデバイス100の適切な構成要素と、メディアデバイスの適切な構成要素と通信させたい様々な外部デバイスまたはシステムとの間での、電力、データ、および、メディアのやり取りを制御してよい。外部デバイスは、有線または無線接続を通して接続モジュール104に接続されてよい。
【0026】
一実施形態では、接続モジュール104は、(ハウジング102を通しての)物理的な有線接続を介しての相互作用を可能にするコネクタ配列105に接続される。コネクタ配列105は、電力、データ、および、メディアを分配する目的の1または複数のコネクタを備えてよい。例えば、コネクタは、メディアジャック、データポート、電力端子などを備えてよい。メディアは、例えば、オーディオ、画像、ビデオなどが該当しうる。データは、シリアル、パラレル、USB、FIREWIREなどに対応してよい。
【0027】
特定の一実施形態では、メディアデバイス100は、スペースを節約することでメディアデバイス100の小型化を可能にするために、単一の統合型コネクタだけを備える。単一の統合型コネクタは、複数のコネクタの機能を1つのコネクタに統合したものである。例えば、単一の統合型コネクタは、電力、データ、および、メディアの機能を備えてよく、それにより、電力供給、データ通信、および、メディア転送(例えば、オーディオ、ビデオ)が、単一の場所で実行されることを可能にする。
【0028】
単一のコネクタは、幅広く変更されてよい。一実施例では、コネクタは、ハウジング内に伸びて結合軸に沿って軸プラグを受け入れる内部ジャックである。ジャックは、その機能(例えば、電力、データ、メディア)の各々を可能にするために、軸方向に離間した複数の端子または接点を備える。端子は、軸プラグがジャックに挿入された時に、対応する接点と接触する。そのように、ジャックは、オーディオメディアをヘッドホン/スピーカに供給できるようにヘッドホン/スピーカに関連付けられたヘッドホンまたはスピーカのプラグ、および/または、ビデオメディアをディスプレイに供給できるようにディスプレイに関連付けられたビデオプラグを受け入れることができる。ジャックは、さらに、ホストデバイスに対してデータを送受信するために構成されたデータプラグを受け入れることができる。例えば、ジャックは、メディアデバイス100へ、または、メディアデバイス100から、オーディオ、ビデオ、および、その他のメディアをアップロードまたはダウンロードするために利用されてよい。ジャックは、さらに、メディアプレーヤ100に電力を供給するために構成された電力プラグを受け入れることができる。ジャックは、さらに、例えば、データ/電力、電力/メディア、データ/メディア、または、メディア/データ/電力など、統合型ジャックと同様の複数の機能を備える統合型プラグを受け入れるよう構成されてよい。
【0029】
メディアデバイス100は、さらに、データを格納するためのメモリモジュール106を備える。データは、メディアデバイス100がホストデバイスに取り付けられている時に、メディアデバイス100とホストデバイスとの間でやり取りされる。データは、メディアファイル(例えば、オーディオトラック)、データファイル、および/または、その他同様のものを含んでよい。メモリモジュール106は、幅広く変更されてよい。特定の一実施形態では、メモリモジュール106は、ソリッドステートメモリ(例えば、フラッシュメモリ)などの不揮発性メモリである。ソリッドステートメモリは、他のタイプのメモリデバイスに勝る多くの利点を有する。ソリッドステートメモリの利点の1つは、破損またはスキップの起きる動く部品を持たないため、非常にロバストである傾向を持つことである(例えば、集積回路チップとしての実施形態)。ソリッドステートメモリの別の利点は、メモリデバイスが、小型かつ軽量である傾向を持つため、メディアデバイス100の携帯性に役立つことである。所望の記憶容量を実現するために、任意の数の不揮発性メモリチップを用いてよい。一例では、記憶容量は、約1GBになるよう構成される。別の例では、記憶容量は、約2GBになるよう構成される。別の例では、記憶容量は、約512MBになるよう構成される。
【0030】
メディアデバイス100は、さらに、メディアデバイス100上でのメディア動作を制御するためのメディアモジュール108を備える。メディアは、例えば、オーディオ、ビデオ、画像、および/または、他の同様のものであってよい。メディアモジュール108は、例えば、メディアデバイス100上のメディアを提供(例えば、再生)するために用いられてよい。したがって、メディアデバイス100は、メディアプレーヤと見なすことができる。メディアモジュール108は、メモリモジュール106と協働して、メディアデータの格納および取り出しを行う。例えば、メディアモジュール108は、オーディオトラック(例えば、曲)などのメディアデータを取得または供給するために、メモリモジュール106にアクセスしてよい。メディアモジュールは、さらに、メディアがコネクタ配列105から提供される時には、接続モジュールと協働する。
【0031】
メディアデバイス100は、さらに、メディアデバイス100の電力動作を制御するための電力モジュール110を備える。電力モジュール110は、例えば、メディアデバイス100に電力を供給する搭載バッテリ111と通信してよい。搭載バッテリ111は、例えば、メディアデバイス100が、あらゆるホストデバイスから切り離された時に完全に携帯可能になるように、メディアデバイス100に電力を供給することができる。搭載バッテリ111は、時々交換が必要な固定電荷バッテリであってもよいし、充電式バッテリであってもよい。例えば、搭載バッテリ111は、アルカリ電池、ニッカド電池、リチウムイオン電池、または、他のタイプのバッテリであってよい。充電式バッテリは、交換が必要になることが滅多にないため、固定電荷バッテリよりも好ましい(使いやすい)。一部の例では、充電式バッテリは、コネクタ105がホストデバイスに動作可能に接続された時に、コネクタ105の電力機能によって充電されることが可能である。他の例では、充電式バッテリは、コネクタ105が外部電源(変圧器/整流器に連結した標準的な電源プラグなど)に接続された時に、コネクタ105の電力機能によって充電されることが可能である。
【0032】
メディアデバイス100は、さらに、メディアデバイス100に対して、選択を行うため、または、命令を発行するための1または複数の入力デバイス112を備える。例えば、入力デバイス112は、ボタン、スイッチ、キーパッド、ホイール、ジョイスティック、ジョイパッド、タッチスクリーン、タッチパッド、トラックボール、および/または、その他の同様のもの、から選択されてよい。
【0033】
一実施形態では、メディアデバイス100は、メディアデバイス100の状態またはモードを変更するために様々な位置の間でスライドする1または複数のスライドスイッチを備える。例えば、メディアデバイス100がオーディオトラック(例えば、音楽または曲)の再生を実現する場合には、スライドスイッチは、オフ位置、シャッフル再生モード位置、および/または、連続再生モード位置を備えてよい。スライドスイッチがオフ位置にある時には、メディアデバイス100のオーディオ機能はオフになる。連続再生モード位置にある場合、メディアデバイス100は、ある所定の順序(例えば、作曲者または曲名のアルファベット順)でオーディオトラックを再生する。シャッフル再生モード位置にある場合、メディアデバイス100は、一群のオーディオトラックをランダムに選択して、選択された順序でそれらのオーディオトラックを再生する。
【0034】
別の実施形態では、メディアデバイスは、メディアデバイス100のいくつかの態様を制御するためにクリックされてよい1または複数のクリック可能ボタンを備える。例えば、オーディオ機能を備えるメディアデバイス100の場合、クリック可能ボタンは、前、次、音量上げ、音量下げ、および、再生/一時停止などの命令に対応してよい。特定の一実施例では、クリック可能ボタンは、円形の入力構成として実現されてよい。例えば、内側のボタンおよび外側のナビゲーションパッドである。別の実施例では、クリック可能ボタンは、1つのユニットに統合されてもよい。あるいは、クリック可能ボタンは、タッチセンサ式デバイス(例えば、タッチパッド)に置き換えられてもよい。
【0035】
メディアデバイス100は、さらに、1または複数の出力デバイス114を備える。出力デバイス114は、メディアデバイス100から外部にデータを転送するよう構成される。出力デバイス114は、例えば、聴覚、視覚、または、触覚情報をユーザに対して出力するために利用されてよい。出力デバイス114は、スピーカ、オーディオジャック、ビデオジャック、インジケータ、触覚機構、および/または、その他の同様のものから選択されてよい。
【0036】
従来のメディアデバイスは、ユーザとの相互作用のために、液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイ(ディスプレイスクリーン)の利用を必要とするが、メディアデバイス100は、かかるディスプレイを必要としない点で有利である。特定の一実施形態では、メディアデバイス100は、ディスプレイを備えないが、(i)オーディオ出力をヘッドセットまたは外部スピーカに供給するためのジャックと、(ii)ユーザへのフィードバックおよび/またはメディアデバイスの状態を知らせる1または複数のインジケータとを備える。例えば、インジケータは、特定の入力デバイス112が作動された場合にユーザに知らせてもよいし、バッテリ駆動時間の状態をユーザに知らせてもよい。ディスプレイを排除することにより、メディアデバイス100は、小さいフォームファクタを有して携帯性が高くなるだけでなく、メディアデバイスの消費電力を低減することでバッテリ111の駆動時間を延ばすことが可能になる。結果として、メディアデバイス100は、搭載バッテリ111を充電または交換せずに、より長期間利用することができる。さらに、複雑さ、コスト、および、損傷の受けやすさが低減される。
【0037】
ハウジング102に対するI/Oデバイス112および114の位置は、幅広く変更されてよい。例えば、I/Oデバイス112および114は、メディアデバイス100の操作の際にユーザがアクセスできる限りは、ハウジング102の任意の外面(例えば、上面、側面、前面、または、背面)に配置されてよい。
【0038】
一実施形態では、入力デバイス112は、一般に、入力デバイス112の片手での操作を可能にする位置に配置され、特に、メディアデバイス100を片手で持ちつつ一本の指で操作することを可能にする位置に配置される。特定の一実施例では、入力デバイス112は、ハウジング102の前面および/または側面に配置される。したがって、入力デバイス112は、メディアデバイス100がユーザの手の指で持たれた時に、ユーザの手の親指によって作動されることが可能である。出力デバイス114は、通例、メディアデバイス100がユーザの手で持たれた時に、アクセス可能となる位置に配置される。出力デバイス114は、例えば、ユーザが入力デバイス112を操作している時にアクセスできるように、入力デバイス112に隣接して配置されてよい。このようにI/Oデバイス112および114を配置することにより、メディアデバイス100は、I/Oデバイス112および114を効率的に利用するために絶えず位置を変える必要がなくなる。例えば、ボタンがデバイスの最上部から最下部まで一列に配置されていれば、望ましくない位置の変更が必要になりうる。
【0039】
メディアデバイス100は、上述の構成要素すべてを単一の一体型ユニットに統合してよく、すなわち、要素すべてが、メディアデバイス100のハウジング102内に収容されるか、もしくは、ハウジング102上に配置される。その結果、ホストデバイスからメディアデバイス100を切り離して動作させる際に、補助デバイス(着脱可能なバッテリパック、取り付け機構、または、I/Oデバイスなど)が必要ない。すなわち、メディアデバイス100は、持ち運ぶ際にも、データの格納と、メディアの制御、再生、および、出力との両方を実行することができる。
【0040】
メディアデバイス100は、さらに、メディアデバイスをユーザが簡単に持ち運んだり身につけたりすることを可能にするために、ハウジング102に一体化された取り付け機構116を備えてよい。その結果、メディアデバイスは、持ち運ぶ際にも、運搬および操作が容易になる。取り付け機構は、幅広く変更されてよい。例えば、取り付け機構は、ストラップ、首ひも、クリップなどを含んでよい。
【0041】
一実施形態では、取り付け機構116は、クリップを備える。クリップ118は、通例、メディアデバイス100のハウジング102にヒンジで連結されたプラットフォームを備える。ヒンジは、バネで付勢されることにより、メディアデバイス100を衣類またはその他同様の物にクリップ固定するための挟む動作を生み出してよい。例えば、プラットフォームは、物を配置するためにハウジングおよびプラットフォームの間に空間を提供する開位置と、クリップが付勢されてハウジングとかみ合うことによってメディアデバイスを物に取り付ける閉位置との間で移動されてよい。一部の例では、プラットフォームおよびハウジングは、間に配置された物を固定する助けとなるように、互いにかみ合う歯を備えてよい。一実施例では、プラットフォームは、実質的にハウジングの外形に従っており、すなわち、全体的に、取り付けられる面と同じ輪郭を有する。
【0042】
ハウジング102に対する取り付け機構116(より具体的には、クリップ)の位置は、幅広く変更されてよい。例えば、クリップは、ハウジング102の任意の外面に配置されてよい。ほとんどの例では、クリップは、I/Oデバイスへのアクセスを可能にするために、I/Oデバイス112および114から離れた位置に配置される。一実施例では、クリップは、前面および側面に配置されたI/Oデバイスから離れたハウジングの背面に配置される。
【0043】
図示されていないが、代替的もしくは追加的に、メディアデバイス100は、画像の取り込みおよび表示のための画像用の構成要素を備えてもよい。これらの例では、メディアデバイス100は、カメラのように機能してもよい。例えば、メディアデバイスは、メモリおよびメディアモジュールと通信するCCDまたはCMOSセンサを備えてよい。さらに、メディアデバイスは、一体型マイク、FMトランスミッタなどを備えてもよい。
【0044】
図2は、本発明の一実施形態に従って、携帯型メディアデバイス200を示す斜視図である。メディアデバイス200は、図1に示したメディアデバイス100の一実施例になりうる。メディアデバイス200は、片手で簡単に持つことができる一体型の小型ユニットの形態を有する。携帯型メディアデバイス200は、持ち運ぶ際に、メディア(例えば、音楽)の提供(例えば、再生)と、様々なデータファイルの格納との両方を実行できるように、メディアプレーヤおよびメモリデバイスの機能を併せ持つ。メモリデバイスは、データファイルおよびメディアデータ(曲およびプレイリストなど)を格納するために利用可能であり、メディアプレーヤは、メモリに格納されたメディアデータをプレイリストに従って再生するために利用可能である。
【0045】
通例、メディアデバイス200は、ホストデバイスに接続された時には、記憶デバイスのように機能し(メディアデバイス200とのデータのやり取りが可能になる)、ホストデバイスから取り外された時には、メディアプレーヤ(音楽プレーヤ)として機能する(曲の再生が可能になる)。代替的または追加的に、メディアデバイス200は、ホストデバイスに接続された時に、メディアプレーヤ(音楽プレーヤ)のように機能してもよい(すなわち、ホストデバイス上の音楽の再生を駆動するために利用できる)。ホストデバイスから取り外された時にこれらのデバイスをサポートするのに必要な構成要素はすべて、メディアデバイス200内に収容されるか、もしくは、その上に配置されていることに注目されたい。メディアデバイス200の構成要素を作動させるために、他の補助デバイスは必要ない(例えば、バッテリおよびI/Oデバイスなど)。
【0046】
図2および3に示すように、携帯型メディアデバイス200は、デバイス200の形状または形態を規定するハウジング202を備える。すなわち、ハウジング202の外形は、メディアデバイス200の外観を具現化しうる。また、ハウジング202は、メディアデバイス200の様々な電気構成要素(集積回路チップおよびその他の回路など)を内部に収容および支持している。例えば、電気構成要素は、プロセッサ、メモリ、バッテリ、I/O制御回路などを含んでよい。一部の例では、電気構成要素は、プリント基板(PCB)などの基板またはキャリヤの上に配置される。基板またはキャリヤは、組み立ての際に電気構成要素を運び、ハウジング202内に組み込まれた時にそれらを支持するための構造を提供する。
【0047】
一実施形態では、ハウジング202は、管状の本体203Aと、管状の本体203Aの両端を閉じる端部キャップ203Bとを備える。本体203Aおよび端部キャップ203Bは、デバイスでの必要性に応じて、同じ材料または異なる材料で形成されてよい。例えば、本体203Aおよび端部キャップ203Bは、金属、プラスチック、セラミックなどから形成されてよい。さらに、それらは、同じプロセスまたは異なるプロセスで形成されてよい。例えば、それらは、射出成形、加圧成形、押し出し成形などによって形成されてよい。特定の一実施例では、管状の本体203Aは、押し出し成形プロセスによってアルミニウムから形成され、端部キャップ203Bは、射出成形プロセスによってプラスチックから形成される。
【0048】
メディアデバイス200は、さらに、ハウジング202の第1の端部キャップ203B内に伸びるコネクタ204を備える。コネクタ204は、メディアデバイス200とそれに接続されたデバイスとの間で入力電力、I/Oデータ、および/または、出力メディアをやり取りできるように、対応するコネクタを受け入れるよう構成される。コネクタ204は、メディアデバイス200に対してメディアまたはその他のデータをアップロードまたはダウンロードするために用いられてよい。例えば、コネクタ204は、曲、プレイリスト、オーディオブック、電子ブックなどを、メディアデバイス200内のメモリデバイスにダウンロードするために用いられてよい。コネクタ204は、さらに、メディアデバイス200に電力供給および充電を行うためのインターフェースとして機能してもよい。例えば、携帯型メディアデバイス900が、コネクタ204を介して電源またはホストデバイスに接続された時に、充電式バッテリを充電することができる。コネクタ204は、さらに、オーディオなどのメディアをメディア出力装置(例えば、スピーカまたはヘッドホンなど)に出力するためのインターフェースとして機能してもよい。コネクタ204は、例えば、第1の端部キャップ203Bを通してハウジング内に伸びる軸ジャックに対応してよい。軸ジャックは、軸方向に配列され空間的に隔離された複数の接点または端子(例えば、電力、オーディオ、ビデオ、データの端子を備える。それらの端子は、各機能専用のものであってよく、一部の例では、それらの端子が共用されてもよい。
【0049】
メディアデバイス200は、さらに、ハウジング202の前面に配置されたクリック可能ボタン式アクチュエータ208と、ハウジング202の第2の端部キャップに配置された一対のスライド式モードスイッチ214Aおよび214Bとを備える。かかる実施形態では、メディアデバイス200の背面上には入力デバイスが存在しない。親指を除く手でメディアデバイスを持ちつつ、親指を用いて簡単に入力を行うことができる点で有利である。これら入力デバイス208および214の各々は、ユーザがメディアデバイス200とやり取りすることを可能にする、すなわち、ユーザ入力を提供する。クリック可能ボタン式アクチュエータ208は、メディアデバイス200のメディアプレーヤとしての態様のために再生制御を提供し、スライド式モードスイッチ214Aおよび214Bは、メディアプレーヤの様々なモードを切り替えるための手段を提供する。より一般的には、クリック可能ボタン式アクチュエータ208は、制御入力デバイスである。
【0050】
詳細には、クリック可能ボタン式アクチュエータ208は、中央ボタン212を取り囲む複数の周囲ボタン210を備える。特定の一実施形態では、クリック可能ボタン式アクチュエータ208は、円形の構成を有する。周囲ボタン210は、独自のクリック動作をそれぞれ提供する別個のデバイスであってもよいし、複数のクリック動作を提供する単一のデバイスに統合されてもよい。後者の場合、単一のデバイスは、独立して空間的に区別された複数のボタン区画に分けることができる。ボタン区画は、個別のクリック動作を実行するために、ハウジング202に対して傾斜または押下されてよい単一デバイスの領域である。
【0051】
図示されていないが、一実施形態では、クリック動作は、ハウジング202内に含まれた1または複数の動きインジケータを作動させるよう構成されている。すなわち、特定のボタンまたはボタン区域210または212が第1の位置(例えば、直立位置)から第2の位置(例えば、押下位置)に動かされると、動きインジケータが作動される。動きインジケータは、動き(例えば、クリック動作)を検出して、動きに対応する信号をメディアデバイス200のコントローラに送信するよう構成されている。例えば、動きインジケータは、スイッチ、センサ、および/または、その他同様のものであってよい。ほとんどの例では、各ボタンまたはボタン区域210または212に対して1つの動きインジケータが設けられる。
【0052】
メディアプレーヤの例では、周囲ボタン210は、前(巻き戻し)、次(早送り)、音量上げおよび音量下げに対応してよく、中央ボタン212は、再生/一時停止に対応してよい。一部の実施形態では、メディアデバイスの操作部の内の1または複数が、2以上の機能を持つように構成される。例えば、一時停止/再生操作部は、メディアデバイスの操作部を無効にして(例えば、メディアデバイスがポケットに入っている時に)不測の制御入力を防ぐためのホールドボタンとして機能してもよい。この実施形態では、一時停止/再生操作部は、押下されて、所定の期間(例えば、3秒)押下を保持されることで、メディアデバイスのホールドを開始する。ホールドを解除するためには、メディアデバイスの操作部のホールドを開始する時と同様に、一時停止/再生操作部を押下してその状態を保持する。
【0053】
図3に示すように、各スライド式モードスイッチ214は、メディアデバイス200の状態またはモードを変更するために2以上の位置の間で平行移動できるスライド部材216を備える。これらの例のすべてで、スライド部材216は、1または複数の動きインジケータの一部であるよう構成されるか、または、動きインジケータを作動させるよう構成される。動きインジケータは、スライド動作の際にスライド部材216の動きを検出して、動きに対応する信号をメディアデバイス200のコントローラに送信するよう構成されている。一部の例では、スライド部材216が上述の位置の各々に配置されたことをユーザに知らせるために、戻り止めを各位置に設けてよい。戻り止めまたはその他の手段は、力覚フィードバックおよび/または聴覚信号(クリック音など)をユーザに提供してよい。戻り止めは、スライド部材を所望の位置に保持する助けとして用いられてもよい。
【0054】
図の実施形態では、スライド部材216Aは、メディアプレーヤをオフにする第1の位置と、メディアプレーヤをオンにする第2の位置との間を移動する。さらに、スライド部材216Bは、メディアプレーヤをシャッフルモードに設定する第1の位置と、メディアプレーヤを連続再生モードに設定する第2の位置との間を移動する。一般に、シャッフル再生モードでは、メディアデバイスは、一群のメディアアセットをランダムな順序で再生する。一方、連続再生モードでは、メディアデバイスは、メディアアセットのリスト内のメディアアセットをデフォルトの順序で再生する。さらに、オフ位置は、ユーザが携帯型メディアデバイスの電源をオフにすることを可能にし、オン位置は、ユーザが携帯型メディアデバイスの電源をオンにすることを可能にする。
【0055】
メディアデバイス200は、ディスプレイを備えないが、メディアデバイス200に関連するイベントを知らせる1または複数のインジケータ220を備える。例えば、イベントは、メディアデバイス200の信号、条件、または、状態に関連してよい。一実施形態では、インジケータ220は、発光ダイオード(LED)などの光源を備えてよく、通例、通常状態では発光せずに、イベントが起きた時に、限られた期間だけ発光する。さらに、インジケータ220は、オン・オフを繰り返す(例えば、点滅する)か、または、周期的に光度を上下させるよう構成されてよく、一部の例では、監視されているイベントについてのより詳細な情報を提供するために、色を変えてもよい。一般に、インジケータ220は、状態インジケータまたはメディアデバイス状態インジケータと呼ぶこともできる。
【0056】
インジケータ220は、小さい透明のプラスチックインサートを通例は備える従来のインジケータであってよく、インサートは、LEDの前に配置されて、ハウジングの開口部内に挿入されることでハウジングの表面に配置される。インサートを利用せずに、LED自体をハウジングの開口部内に配置してもよい。あるいは、インジケータ220は、ハウジングの表面を開口しないように構成されてもよい。この構成では、光源は、完全にハウジング202内部に配置される。インジケータ202は、ハウジング202の一部を照明することでハウジング202の外観を変化させる、すなわち、その色を変化させるように構成されてよい。例えば、色の変化が、メディアデバイス200の状態の変化を示してよい。動作の際には、インジケータ220がオンになった時に、インジケータの光が、ハウジング202の表面に現れ、インジケータ220がオフになった時に、ハウジング202の表面から消える。このタイプのインジケータの利点の1つは、インジケータがオフになった時に、インジケータの痕跡がなくなることである。換言すれば、インジケータは、表示(例えば、インジケータの光)がオンにされた時だけ認識できるようになる。さらに、かかるインジケータは、ハウジング202の表面における実質的な割れ目、線、くぼみ、または、突起、すなわち、メディアデバイス200の外観を損ねる見た目に不愉快な構造を備えない。
【0057】
上述の例のいずれにおいても、インジケータ220は、1または複数のLEDによって実現されることが可能である。2以上のLEDを用いる場合には、1または複数のLEDが、異なる色を有することで、異なるメディアデバイス状態を示してよい。1または複数のLEDは、互いに近接して配置されてよく、そうすれば、ユーザには、メディアデバイスの状態が変化した時に1つのインジケータが色を変化させているように見える。
【0058】
図の実施形態では、メディアデバイス200は、条件または制御インジケータ220Aと、状態インジケータ220Bとを備える。制御インジケータ220Aは、ハウジング202の片側(第1の端部キャップ)に配置される。制御インジケータ220Aは、入力デバイス208を介して選択がなされた時に、ユーザに警告または通知を行うよう構成されている。すなわち、制御インジケータ220Aは、選択がうまく実行されたことがユーザにわかるように、ユーザへのフィードバックを提供する。
【0059】
一方、状態インジケータ220Bは、制御インジケータ220Aとは反対側のハウジング202の片側(第2の端部キャップ)に配置される。状態インジケータ220Bは、特定の状態、特にメディアデバイス200のバッテリ駆動時間、をユーザに警告するよう構成されている。状態インジケータ220Bは、例えば、バッテリが満充電の時には緑色、バッテリが低下した時には黄色、バッテリ切れの危険がある場合には赤色に照明されてよい。状態インジケータ220Bは、さらに、バッテリが決定的に低下した時に、オン・オフを繰り返す(点滅する)ことが可能である。状態インジケータ220Bは、状態情報を常に提示する常時オンのインジケータであってもよいし、ユーザによって指示された時だけ状態情報を提示する呼出し型のインジケータであってもよい。後者の場合、状態インジケータを作動させるためのボタンが設けられてよい。ユーザがボタンを押すと、状態インジケータは、所定の期間(例えば、数秒)、状態情報を提示する。
【0060】
一実施形態では、異なる色を有する2つのLEDが、インジケータ220Aとして利用される。この実施形態では、第1の色のLEDは、ユーザが1または複数のユーザ操作部を操作したことに対応して、ユーザへの視覚的フィードバックを与えるために用いられる。第2の色は、メディアデバイスが充電中である旨を示すユーザへの視覚的フィードバックを与えるために用いられる。第1の色のLEDは、ユーザがユーザ制御パネル905上の第1のユーザ操作部(例えば、音量操作部)を操作するごとに一回点滅してよい。ユーザ制御パネル905上の第2のユーザ操作部(例えば、再生/一時停止操作部)が操作された時には、選択された動作が続いている間、第1の色のLEDが連続的に点滅する。この実施形態によると、第2の色のLEDは、第1の色のLEDと異なる色を発し、例えば、メディアデバイスが、メディアデバイスに電力を供給できるコネクタに接続された時に、メディアデバイスが充電中の間、連続的に点滅する。
【0061】
一実施形態では、異なる色を有する3つのLEDが、インジケータ220Bの実装に利用される。この実施形態では、3色のLEDの各々が、異なるバッテリ状態に対応して、ユーザへの視覚的フィードバックを与えるために用いられる。バッテリ駆動時間を節約するために、一部の実施形態において、メディアインジケータ220Bは、ユーザ操作部(図示せず)によって作動され、その結果、ユーザがユーザ操作部を操作した後の短期間(例えば、5秒間)作動する。
【0062】
例えば、一実施例では、第1の色のLEDは、メディアデバイスに電力供給するバッテリがほぼ充電されたことを示すために点灯する。メディアデバイスが作動され、時間が経つにつれて、バッテリは、バッテリの充電が不十分であることを示す第1の所定の電圧まで放電する。それに従って、第1の色のLEDはオフに切り替えられ、第2の色のLEDが点灯して、バッテリが部分的に放電されたことをユーザに知らせる。バッテリが第2の所定の電圧まで放電し続けると、第2の色のLEDはオフに切り替えられ、第3の色のLEDが点灯し、バッテリがほとんど放電したことをユーザに知らせる。最終的に、バッテリがほぼ完全に放電すると、(任意の色の)1つのLEDが、連続的に点滅することで、バッテリレベルがメディアデバイスの動作を続けるのに不十分であるためにメディアデバイスがシャットダウンの準備をしていることをユーザに知らせる。その後、メディアデバイスの状態インジケータは、すべての表示を停止し(すなわち、どのLEDも点灯しない)、バッテリがほぼ完全に放電し、メディアデバイスを再び利用できるようにするために再充電が必要であることを示す。
【0063】
メディアデバイスのサイズおよび重量は、幅広く変更されてよい。一般に、メディアデバイスは、手で持って片手で簡単に操作できるサイズおよび重量を有する。実際、ほとんどの例で、メディアデバイスは、手に持って2本の指(人差し指および親指など)だけで操作できるようなサイズを有する。一実施形態では、メディアデバイスの長さは50mm未満であり、メディアデバイスの幅は30mm未満であり、メディアデバイスの厚さは10mm未満である。したがって、メディアデバイスの体積は、15,000mm3未満である。一実施例では、メディアデバイスの長さは約41.20mm以下であり、メディアデバイスの幅は約27.3mm以下であり、メディアデバイスの厚さは約6mm以下である。したがって、メディアデバイスの体積は、約7,735mm3以下である。別の実施例では、メディアデバイスの長さは約27.3mm以下であり、メディアデバイスの幅は約27.3mm以下であり、メディアデバイスの厚さは約6mm以下である。したがって、メディアデバイスの体積は、約4,500mm3以下である。
【0064】
さらに、円形の入力構成の外径は、30mm未満であり、より詳細には約20mmないし約27.3mmの間であり、さらに詳細には約23mmである。また、メディアデバイスの重量は20グラム未満であり、より詳細には16グラム以下である。
【0065】
いくつかの例を記載したが、これは限定ではなく、メディアデバイスを他のサイズおよび重量に変更してよいことを理解されたい。一例では、メディアデバイスは、与えられた寸法に従って拡大または縮小されてよい。さらに、一体型の取り付け機構などの機能を追加することで、メディアデバイス全体のサイズおよび重量が増大してもよい。
【0066】
本発明の一実施形態によると、メディアデバイス200は、さらに、メディアデバイスを衣類などの物に取り付けるための一体型クリップを備えてもよい。クリップは、通例、移動部材を備え、移動部材は、物が移動部材およびハウジングの間に挟まれることでメディアデバイスを物に固定する閉位置と、物が移動部材およびハウジングの間に挟まれた状態から解放されることでメディアデバイスを物から自由にする開位置(例えば、開位置は、ハウジングと移動部材との間に物を配置することを可能にする)との間で移動する。プラットフォームは、例えば、閉位置と開位置との間で、ハウジングに対して平行移動、旋回、回転してよい。ほとんどの例では、移動部材は、メディアデバイスを物に固定する助けとなるように、閉位置においてさらに付勢される。したがって、ユーザは、移動部材を開位置にするために付勢力に打ち勝つ必要がある。例えば、付勢力を提供するために、任意の適切なバネ要素を用いてよい。代替的または追加的に、移動部材を所望の位置に固定する助けとなるように、戻り止めまたは留め金を用いてもよい。戻り止めは、例えば、移動部材およびハウジングが強い力で物をつかむことを可能にする締め付け動作を生み出してよい。
【0067】
詳細に説明するために、図4ないし11は、本発明の一実施形態に従って、一体型クリップ222を備えた図2および3のメディアデバイスを示す図である。一体型クリップ222は、メディアデバイスのユーザ入力の領域から離して、ハウジング202の背面に取り付けられる。図に示すように、一体型クリップ222は、プラットフォーム224を備えており、プラットフォーム224は、プラットフォーム224をハウジング202に近接して配置する閉位置と、プラットフォーム224をハウジング202から離して配置する開位置との間で、ハウジング202に対して旋回する。これは、例えば、ヒンジ機構によって実現されてよい。
【0068】
任意の適切なヒンジ機構が利用可能である。図の実施形態では、内部ヒンジ機構が用いられている。この構成では、プラットフォーム224は、プラットフォーム224の下側から伸びる肩部225を備え、メディアデバイス200は、ハウジング202の内部に配置された対応する固定肩部(図示せず)を備える。プラットフォーム224の肩部225は、ハウジング202内の小さい開口部226を介して、メディアデバイス200の対応する肩部と係合する。それらの肩部は、係合されると、互いに対して旋回運動することが可能になる。例えば、各肩部は、旋回動作を生み出すために、内部に旋回ピンが配置される開口部を備えてよい。あるいは、肩部の一方が旋回ピンを備え、他方の肩部が旋回ピンを受けるための開口部を備えるようにしてもよい。ほとんどの例では、メディアデバイスを汚れから保護すると共に、デバイスの見た目がユーザにとってよくなるように、肩部が係合する小さい開口部は、(プラットフォームの下の)メディアデバイスの縁部から離れて配置される。
【0069】
プラットフォーム224は、対象となる物にメディアデバイスを固定する助けとなるように、閉位置において付勢されることが好ましい。任意の適切なバネ手段が利用されてよい。一実施例では、肩部の間に配置されたねじりバネが用いられる。ねじりバネは、第1の肩部に対して作用する端部と、第2の肩部に対して作用する第2の端部とを有することで、プラットフォームを閉位置に配置する。プラットフォームを開位置に移動させるには、ねじりバネの力に逆らって、旋回軸を中心にプラットフォームを旋回させる必要がある。
【0070】
物のための空間を確保するために、プラットフォーム224は、ハウジング202の背面から離されて配置されてよい。例えば、ハウジング202は、プラットフォーム224が取り付けられる隆起部分227を備えてよい。旋回動作を円滑にするために、隆起部分227は、図に示すように丸みを帯びていてよい。さらに、メディアデバイス200を物に固定する助けになるように、プラットフォーム224およびハウジング202は、閉位置において互いに実質的にかみ合う歯を備えてよい。歯228は、物を咬んで掴む助けとなることで、メディアデバイス200を(間に挟まれた)物に固定する。図に示すように、歯228は、旋回軸の反対側の端部付近に配置される。
【0071】
クリップの形状および形状のサイズは、幅広く変更されてよい。一実施形態では、ハウジングの隆起部分の半径は約3mm以下であり、プラットフォームの厚さは1mm以下である。これらを考慮した場合、メディアデバイスの体積は、例えば、41.2×27.3×6の寸法を基本の寸法(全体のサイズは、約41.2×27.3×10)とすると、約8,230mm3である。
【0072】
図12Aおよび12Bを参照すると、メディアデバイス200は、ユーザの手270の中に無理なく収まっている(そして、任意のホストデバイスから取り外されている)。図12Aに示すように、制御入力デバイス208は、手270の親指272によって容易に操作可能であり、その時、手270の指274および手のひら276がメディアデバイス200を保持している。例えば、ユーザは、手270、特に、指274を動かすことなく、制御入力デバイス208の様々なボタンのいずれかの上に親指272を動かすことができる。図12Bに示すように、モードスイッチ214は、手270の親指272によって容易に操作可能であり、その時、手の残り部分がメディアデバイス200を保持している。例えば、ユーザは、親指272を用いて、スライド式モードスイッチ214をそれらの様々な位置のいずれかに移動させてよい。
【0073】
以下では、図13を参照しつつ、一実施形態に従った制御入力デバイス208について、詳細に説明する。図に示すように、制御入力デバイス208は、ハウジング202に対して傾斜する可動プラットフォーム230を備える。一部の例では、プラットフォーム230が、ハウジング202に移動可能に結合され、他の例では、ハウジング202が、(図に示すように)、浮き上がるプラットフォーム230を移動可能な状態で押し込めている。プラットフォーム230は、一般に、剛性板234の上面に取り付けられた化粧層すなわち接触層232を備える。化粧層232は、ハウジング202の開口部236から突出しており、制御入力デバイス208の様々な周囲ボタンを作動させるための接触面を提供する。図の実施形態では、化粧層232は、丸みを帯びた上面を備える。
【0074】
制御入力デバイス208は、さらに、プラットフォーム230の動きに基づいて入力信号を生成するために、プラットフォーム230とハウジング202との間に配置された1または複数の機械スイッチ238を備える。機械スイッチ238は、通例、様々なボタン区域に対応する位置に配置される。各ボタン区域は、ボタン区域の下に配置された個別の機械スイッチ238を備える。機械スイッチ238は、押下された時に入力信号の生成を引き起こすアクチュエータ240を備える。機械スイッチ238の領域においてプラットフォーム230を傾斜させることで、アクチュエータ240が押し込まれ、それにより、入力信号が生成される。ほとんどの例で、アクチュエータ240は、機械スイッチ238から離れる方向に伸びてプラットフォーム230を直立位置に付勢するように、バネによって付勢される。機械スイッチ238は、ハウジング202に取り付けられてもよいし、プラットフォーム230に取り付けられてもよい。図の実施形態では、機械スイッチ238は、プラットフォーム230の背面に取り付けられている。このように、機械スイッチ238、特にアクチュエータ240は、ハウジング202内でプラットフォーム230を直立位置に支持するための脚として機能する(すなわち、アクチュエータは、ハウジングまたはハウジングに取り付けられた何らかの構成要素に支えられる)。例えば、機械スイッチ238は、SMTにパッケージングされたドームスイッチなど、タクトスイッチに対応してよい。
【0075】
上述のように、プラットフォーム230は、ハウジング202に設けられた空洞242内に移動可能な状態で押し込められている。要するに、プラットフォーム230は、ハウジング202に対して宙に浮きつつも、ハウジング202によって拘束されている(プラットフォームは、ハウジングに取り付けられていない)。図に示すように、プラットフォーム230は、ハウジング202の側壁、上壁、および、下壁によって囲まれている。側壁は、x方向およびy方向への移動と、z軸を中心とした回転とを実質的に防止するよう構成されている(例えば、プラットフォーム230が傾斜動作の際にハウジングと干渉しないように小さい遊びを持たせる小ギャップを除く)。しかしながら、上壁および下壁は、傾斜動作を実現するために、z方向の移動(ただし、z方向に限定されている)と、x軸およびy軸を中心とした回転とを許容するよう構成されている。すなわち、上壁および下壁は、プラットフォーム230を空洞242に拘束しつつも、機械スイッチ238のアクチュエータ240を押下するためにプラットフォーム230が傾斜するのに十分な空間を提供する。さらに、機械スイッチ238によって提供されるバネ力は、プラットフォーム230の上面を、ハウジング202の上壁の下面とかみ合うように配置する(例えば、直立位置)。
【0076】
動作中に、ユーザは、ボタン区域の位置のプラットフォーム230の下に配置された機械スイッチ238を作動させるために、所望のボタン区域の位置のプラットフォーム230の上面を単に押下する。作動されると、機械スイッチ238は、メディアデバイス200が利用可能な入力信号を生成する。機械スイッチ238を作動させるために、指によって提供される力が、機械スイッチ238が作動されるまでアクチュエータ240のバネ力に逆らって作用する。プラットフォーム230は、基本的に、ハウジング202の空洞内に浮いているが、ユーザがプラットフォーム230の片側の上の所望のボタン区域を押すと、反対側が、(押した箇所の反対側で)上壁に接触して、それにより、プラットフォーム230は、接触点を中心として旋回する。要するに、プラットフォームは、4つの異なる軸を中心として旋回する。
【0077】
さらに、化粧層232と、剛性板234の上面との間には、ボタンキャップ244が配置されている。ボタンキャップ244の最上部分は、化粧層232の開口部から突出するよう構成されており、フランジ部分は、化粧層232と剛性板234との間に形成された空間内に保持されている。ボタンキャップ244の最上部分は、ボタンキャップ244の下に配置された第5のスイッチ246を作動させるために押されてよい。第5のスイッチ246は、ハウジング202に取り付けられて、剛性板234および化粧層232の開口部を貫通してよい。組み立てられると、第5のスイッチ246のアクチュエータ248は、他のスイッチ238と同様のバネ要素によって、ボタンキャップ244を直立位置に付勢する。
【0078】
図13で説明した特定の実施形態は、限定を意図するものではなく、制御入力デバイス208には、様々な他の構成が存在しうることに注意されたい。
【0079】
以下では、図14を参照しつつ、一実施形態に従った単一の統合型コネクタアセンブリ300について、詳細に説明する。アセンブリ300は、例えば、本明細書に記載したメディアデバイスのいずれかのハウジング内に取り付けられてよい。アセンブリ300は、内部に軸開口部304を有するコネクタ本体302を備える。軸開口部304内には、電力、データ、および、メディアを伝送するための様々な端子306が配置されている。図に示すように、端子306は、電気的に隔離されるように、軸開口部304の軸に沿って段階的に離間されている。プラグが軸開口部304内に挿入されると、プラグは、端子306を押し上げる。一部の例では、端子306は、軸に向かって内向きに付勢された湾曲部として機能する。それにより、それらの端子は、プラグを保持する力を提供する。さらに、それらの端子は、プラグ上の対応する端子(例えば、溝)とかみ合った時に戻り止めとして機能してよい。また、端子306は、軸開口部304からコネクタ本体302の縁部までコネクタ本体302を貫通する接続ピン、ポスト、または、ワイヤ308を備える。接続ピン308は、アセンブリ300をメディアデバイスの内部回路と接続できる位置として機能する。
【0080】
端子306は、幅広く変更されてよい。端子は、例えば、メディアデバイスとホストデバイスとの間でデータを転送するためのデータ端子;メディアデバイスへの電力供給および/または内部バッテリの充電のための電力端子;例えば、スピーカまたヘッドホンにオーディオを伝送するためのオーディオチャネル端子;プラグが軸開口部内に挿入された時に検出を行うプラグ検出端子、などを含んでよい。
【0081】
一実施形態によると、コネクタアセンブリは、同じ端子または端子群によって2以上の機能を実行するよう構成される。例えば、同じ端子または端子群が、データの転送と、出力のためのメディア(例えば、オーディオ)の伝送の両方に利用されてよい。端子を共用することにより、所望の機能に必要な端子の数が減るため、結果として、コネクタの軸方向の長さを短くすることができる(複数の端子は、軸方向に離間されている)。軸方向の長さを短くすることで、コネクタアセンブリが小型化できるため、(本明細書に記載した設計のように)空間の限られる小型のメディアデバイスにとって有利である。また、端子の数を減らすことで、接続線の数も減るため、結果として、コントローラのサイズを小さくすることができる(例えば、必要な接点が少なくなるため、より小さいチップを利用できる)。
【0082】
ほとんどの例で、共用される端子は、同じ共通の線すなわちチャネルを介してコントローラと通信する。それらの線は、配線またはその他の周知のルーティング技術(プリント基板、フレックス回路、および、集積チップなどに関する技術)として実現されてよい。さらに、コントローラは、特定用途向け集積回路チップとして実現されてもよいし、ホストのコントローラの一部であってもよい。
【0083】
コントローラは、各機能のための制御モジュールを備えてよい。例えば、制御モジュールは、データ転送動作を制御するためのデータ転送モジュールと、メディアの出力を制御するためのメディア出力モジュールと、電力動作を制御するための電力モジュールとを含んでよい。コントローラは、さらに、様々な構成要素すべてに動作可能に接続された制御モジュールを備えてよい。動作中に、制御モジュールは、異なるモジュール間で選択的に動作を切り替える。動作の方法は、例えば、第1の動作が1または複数の共用端子において実行される第1のブロックを備えてよい。動作の方法は、さらに、第2の動作が1または複数の共用端子において実行される第2のブロックを備えてよい。動作の方法は、さらに、両方の動作を同一の通信チャネルを介して同一のノードで(ただし、別の時間に)実行できるように第1および第2の動作が選択的に切り替えられる第3のブロックを備えてよい。
【0084】
図の実施形態では、アセンブリ300は、2つのデータ端子(D+およびD−)と、アース(GND)と、電圧(VBUS)(例えば、+5V)と、プラグ検出とを備える。この実施形態では、データ端子(D+、D−)は、ホストデバイスおよびメディアデバイスの間のデータの転送と、オーディオを出力するための左および右のチャネルとしての動作とを含め、複数の機能に利用される。メディアデバイスは、どの動作が望まれているかを決定して、所望の動作モードに基づいて動作を切り替える(1つの動作を開いて他の動作を閉じる)ためのコントローラを備える。
【0085】
位置は、各デバイスの必要性に応じて変化してよいが、図の実施形態では、開口部の左側は、VBUS端子およびD−端子を含み、開口部の右側は、GND、D+、および、プラグ検出端子を含む。
【0086】
一例では、メディアデバイスが、アップロード/ダウンロード・メディアモードの時に、電力(+5V)は、装置の充電のためのVbusとして機能し、アースは、装置を充電するためのGNDとして機能し、D+およびD−データ線は、メディアの転送(例えば、曲)として利用され、プラグ検出は利用されない。さらに、メディアデバイスが充電モードの時には、電力(+5V)は、装置を充電するためのVbusとして機能し、アースは、装置を充電するためのGNDとして機能する。またさらに、メディアデバイスがオーディオ出力すなわち再生モードである場合には、電力(+5V)はGNDとして機能し、アースはGNDとして機能し、D+データ線はオーディオの右チャネルとして機能し、D−線はオーディオの左チャネルとして機能する。
【0087】
プラグ検出端子は、通例、オーディオ出力モードで用いられる。プラグが外された時には音楽が一時停止され、その後、メディアデバイスは、1分間の休止後にスリープする。
【0088】
コントローラは、各多機能端子のための1組の設定可能なI/Oピンを備えてよい。設定可能なピンの数は、通例、共用される通信線の数に対応する(例えば、各線に対して1つのピン)。設定可能であるため、I/Oピンは、異なる機能に関連する動作のために再構成されることが可能である。例えば、I/Oピンの機能は、アース、電圧源、様々なデジタル入力などの間で切り替えられてよい。データ転送モードでは、I/O接点は、データを転送するよう構成される。メディア出力モードでは、I/O接点は、メディアを出力するよう構成される。
【0089】
以下では、図15を参照しつつ、一実施形態に従ったヒンジ機構320について、詳細に説明する。ヒンジ機構320は、例えば、本明細書に記載されたメディアデバイスのいずれにおいて利用されてもよい。この実施形態では、ヒンジ機構320は、メディアデバイスのハウジング324の隆起部分322内において、メディアデバイスのハウジング324に取り付けられた1つの統合型ジャック326に隣接して配置される。図に示すように、ハウジング324は、旋回するプラットフォーム332の底面から突出する肩部330を受け入れるための開口部328を備える。開口部328は、プラットフォーム332が旋回軸に沿って水平方向に摺動しないようにする肩部330に隣接した側壁334を備える(例えば、当接ストッパ(abutment stops))。壁334および肩部330は、旋回ピン336を受け入れるための貫通孔を備える。旋回ピン336は、例えば、壁334の貫通孔内に圧入されてもよいし、肩部330の貫通孔によって緩く保持されることで旋回動作を可能にしてもよい。すなわち、プラットフォーム332は、旋回ピン336を中心に回転する。
【0090】
ヒンジ機構300は、さらに、ハウジング324とプラットフォーム332の肩部330とに隣接するねじりバネ340を備える。ねじりバネ340は、プラットフォーム332をハウジング324の背面に向かって押す付勢力を生み出す。滑らかであるが強力な旋回動作を生み出すために、ヒンジ機構330は、さらに、プラットフォーム332の底面とハウジング324の隆起部分322の上面との間に配置された1または複数のテフロン片342を備えてよい。一部の例では、テフロン片342は、その間で自由に動くようになっており、他の例では、隆起部分322またはプラットフォーム332のいずれかに取り付けられている。テフロン片342を見えないように隠しつつ所望の位置に保持するために、プラットフォーム332は、テフロン片342の配置のための凹部346を備えてよい。そのため、側方では、プラットフォーム332が、テフロン片342ではなく、隆起部分322の表面を中心として旋回するように見える。
【0091】
本発明の一実施形態によると、例えば、コンピュータ、電源、または、周辺機器(モニタ、キーボード、スピーカなど)のような他のシステムに携帯型メディアデバイスを素早く簡単に接続するためのプラットフォームを提供するために、図4ないし11に示したメディアプレーヤと共に、ドッキングステーション400を利用してよい。
【0092】
ドッキングステーションは、有線(例えば、ケーブル)または無線(例えば、ブルートゥース)接続を介して他のデバイスまたはシステムと通信するスタンドアローンの装置であってもよいし、あるいは、他のデバイスまたはシステム内に直接一体化されていてもよい。いずれの場合でも、ドッキングステーションは、携帯型メディアデバイスを受け入れる開口部すなわちスロットを備える。開口部は、通例、携帯型メディアデバイスを直立位置(例えば、一般には垂直)に支持しつつ、携帯型メディアデバイスのユーザインターフェース部分へのアクセスを確保するよう構成される。
【0093】
ドックは、さらに、携帯型メディアデバイスを他のデバイスまたはシステムとインターフェース接続する手段を備える。例えば、開口部は、携帯型メディアデバイスが開口部に配置された時に携帯型メディアデバイスの1または複数のポートと結合する1または複数のコネクタを備えてよい。スタンドアローン型の装置である場合には、コネクタは、他のデバイスまたはシステムへの外部接続を提供する他のコネクタ、ポート、または、トランシーバに接続されてよい。一体型のドッキングステーションの場合には、コネクタは、ホストデバイスの構成要素に直接的に有線接続されてよい。
【0094】
詳細に説明するために、図16Aは、本発明の一実施形態に従って、図4ないし11の携帯型メディアデバイスで利用可能なドッキングステーション400の一例を示す図である。図に示しように、ドッキングステーション400は、基部414と、基部414の上面に形成された部分的な凹部である開口部すなわちスロット416とを備える。基部414は、様々な電気および構造的な構成要素を内部に収容するよう構成される。基部414は、さらに、ドッキングステーション400の形状または形態を規定するよう構成される。その形状は、例えば、(図に示すように)実質的に長方形でよく、あるいは、円形、立方体などであってもよい。さらに、基部414は、1または複数のハウジング構成要素によって形成されてよい。例えば、基部414は、ネジ、ボルト、スナップ、接着剤、留め金などの任意の適切な技術を用いて結合される上側ハウジングおよび下側ハウジングを含んでよい。
【0095】
開口部416は、携帯型メディアデバイス200のいずれの側を受け入れるように構成されてもよいが、この特定の実施形態では、開口部416は、携帯型メディアデバイス200が奥まった開口部416内に挿入された時に携帯型メディアデバイス200を直立位置で支持するように、携帯型メディアデバイス200の一端部を受け入れるよう構成される。明らかに、開口部の壁は、メディアデバイスを正確な結合位置に配置するための案内として機能する。開口部416の形状およびサイズは、一般に、携帯型メディアデバイス200の端部の全体的な形状およびサイズと一致するよう構成される。すなわち、開口部416の内周面は、携帯型メディアデバイス200の外周面を受け入れるようなサイズおよび寸法を有する。明らかに、開口部の壁は、メディアデバイスを正確な結合位置に配置するための案内として機能する。図4ないし11に示したメディアデバイスに照らすと、開口部は、ハウジングの前面、上面、底面と、クリップのプラットフォームの外面とを包み込むように設計される。
【0096】
開口部416内には、携帯型メディアデバイス200をドッキングステーション400に動作可能に接続するインターフェース422が配置されている。インターフェースは、幅広く変更されてよい。図の実施形態では、インターフェース422は、携帯型メディアデバイス200の底面にある単一の電気ポートに結合する単一の電気コネクタ424を備える。例えば、ドッキングステーション400は、メディアデバイス200のメスジャック402内に挿入されるオスプラグを備えてよい。オスプラグは、一般に、携帯型メディアデバイス200とドッキングステーション400との間の結合(例えば、摩擦による結合)を確実にするために、ポート内にぴったりはまるような寸法を有する。さらに、プラグおよびポートは、通例、接触することで電気の伝達を可能にするピンまたは接点を備える。電気的な接続は、携帯型メディアデバイス200とドッキングステーション400との間で、メディア、データ、および/または、電力を伝送するよう構成されてよい。一実施例では、メディア、データ、および/または、電力を伝送できる単一のコネクタが用いられる。
【0097】
また、携帯型メディアデバイスを適切な位置に案内して固定するために、ドッキングステーション400は、さらに、携帯型メディアデバイス200がドッキングステーション400の開口部416内に挿入された時に、開口部416の底面から、プラットフォーム224とハウジング202の底面との間の空間内に伸びる1または複数の案内ポスト430を備えてよい。案内ポスト430は、空間の4面に対応する基準面すなわち位置決め面を備える。図の実施形態では、単一の案内ポストが用いられている。単一の案内ポスト430は、空間と実質的に同じ形状を有する。一部の例では、案内ポスト430は、それに対する配置を容易にするために、丸みを帯びた側面を備えてよい。携帯型メディアデバイス200が開口部416内に挿入されると、開口部416の壁と案内ポスト430が、携帯型メディアデバイス200の表面を取り囲んで適切な位置に固定する。
【0098】
図16Bは、ラップトップコンピュータ250に接続されたドッキングステーション400に差し込まれたメディアデバイス200を示す図である。接続されると、ラップトップコンピュータ250は、メディアデバイス200への電力供給および場合によってはそのバッテリの充電を行うために、ドッキングステーション400を介してメディアデバイス200に電力を供給できる。メディアデバイス200は、通例、プラグアンドプレイ・デバイスであるため、ラップトップコンピュータ250は、メディアデバイス200をメディアデバイスとして認識し、一部の例では、ラップトップコンピュータ250のディスプレイ254上にメディアデバイスアイコン252を生成する。メディアデバイスアイコン252を選択することにより、通例、メディアデバイス200のメモリ内に格納されたデータおよびメディアファイルを表示するウィンドウが開かれる。メディアデバイス200上に格納されたデータおよびメディアファイルは、ドラッグアンドドロップ機能を用いてラップトップコンピュータ250に転送することができる。
【0099】
さらに、ラップトップコンピュータ250上に格納された新しいデータおよびメディアファイルが、ドラッグアンドドロップ機能を用いて、メディアデバイス200のメモリに追加されてよい。一部の例では、ラップトップコンピュータ250に格納されたメディアファイルのいくつかすなわち一部が、自動的に、メディアデバイス200と同期される。すなわち、ラップトップコンピュータ250が、メディアデバイス200を認識して、メディアデバイス200がメディア機能を備えると判断すると、ラップトップコンピュータ250に格納されたメディアファイル(例えば、オーディオトラック)の全部または選択された一部をメディアデバイス200のメモリに転送するよう構成されてよい。また、ラップトップコンピュータ250は、メディアデバイス200が認識された時に、メディア管理アプリケーションを起動することも可能である。音楽管理プログラムの一例としては、カリフォルニア州クパチーノのApple社が製造するiTunes(登録商標)が挙げられる。
【0100】
図17Aおよび17Bは、携帯型メディアデバイス200の単一の統合型コネクタを通して出力されるオーディオを聴くために利用可能なオーディオ出力デバイス450および460の例を示す図である。図17Aは、イヤホンを備え、いくつかのワイヤとオスジャックとを介してメディアデバイスに接続する従来の出力デバイスを示す。一方、図17Bは、イヤホンと、イヤホンへのワイヤを中に通した首ひもと、オスオーディオジャックを含むコネクタ構成とを備える首掛け式の出力デバイスを示す図である。首掛け式のデバイスは、さらに、首ひものサイズを調節するための調節可能な留め具を備えてもよい。明らかに、首掛け式のデバイスは、メディアデバイスがユーザの首の周りに身につけられることを可能にする。
【0101】
図18および19は、上述の実施形態で示した携帯型メディアデバイスの別の実施形態を示す図である。これらの実施形態では、メディアデバイス500Aおよび500Bの前面ハウジングは、円形の入力構成と同じ形状を有しており、それにより、円形のメディアデバイスを形成している。円形のハウジングは、はるかに持ちやすく、旧式のものと同様に扱うことができると思われる。さらに、この形状は、ディスプレイを排除することによって可能になる(ディスプレイは、通例、長方形である)。
【0102】
一実施形態では、円形の入力構成208は、実質的に、メディアデバイス500Aおよび500Bの前面全体を占める。すなわち、円形の入力構成208は、実質的に、メディアデバイス500Aおよび500Bの円筒形ハウジング502の端から端に至っている。図18では、円形の入力構成208は、少なくとも部分的に、円筒形ハウジング502内に収容されており(例えば、奥まっている)、そのため、円形の入力構成208の縁部は、ハウジング502の側壁の間に収まっている。図19では、円形の入力構成208は、少なくとも部分的に、ハウジング502の前面の上に位置しており、円筒形ハウジング502の外周形状に適合した外周形状を有する。あるいは、一部の例では、円筒形ハウジング502の前面よりも小さい円形入力構成208を備えることが望ましい場合もある。かかる例では、円形入力構成208は、前面の内側に奥まって配置されても、前面の一部の上に配置されてもよく、それにより、前面の一部が(前面の周縁部において)露出される。
【0103】
上述の実施形態のいずれにおいても、任意の円形入力構成を利用できるが、図18において、メディアデバイス500Aは、図13で説明したものと同様の円形入力構成208を備えている。すなわち、その円形入力構成は、傾斜可能な外側のリングと、押下可能な中央ボタンとを備える。しかしながら、図19では、少し異なる円形入力構成208を用いている。図19では、円形入力構成208は、タッチパッドとして実装されている。タッチパッドは、固定されていてもよいし、図13の円形入力構成と同様に構成された押下可能なタッチパッドであってもよい。いずれの場合でも、タッチパッドは、複数のボタン区域に分割されてよい。さらに、タッチパッドは、さらなる入力を提供するために利用されてもよい。例えば、タッチパッドを円形になぞることにより、音量を調節してもよいし、曲のグループ内で曲間を移行するために用いられてもよい。代替的または追加的に、円形入力構成は、回転可能であってもよい。
【0104】
さらに、上述の実施形態と同じく、図に示すように、メディアデバイスは、スイッチ214と、単一の統合型コネクタ204と、様々なインジケータ220とを備えてよい。ほとんどの場合、これらの機能は、図に示すように、円筒形ハウジング502の側面上に取り付けられる。あるいは、スイッチの代わりに、ボタンを用いてもよい。
【0105】
図20は、本発明の一実施形態に従って、メディアデバイス700を示すブロック図である。メディアデバイス700は、メディアデバイス700の動作全体を制御するためのマイクロプロセッサまたはコントローラに関連するプロセッサ702を備える。メディアデバイス700は、メディアアイテムに関連するメディアデータをファイルシステム704およびキャッシュ706に格納する。ファイルシステム704は、通例、ソリッドステート型の記憶媒体である。一例として、ソリッドステート型の記憶媒体は、フラッシュメモリであってよい。ファイルシステム704は、通例、大容量の記憶能力をメディアデバイス700に提供する。ファイルシステム704は、メディアデータだけでなく、非メディアデータも格納することが可能である。
【0106】
メディアデバイス700がメディア再生モードで動作する時、ファイルシステム704は、メディアファイルの格納および取り出しを行うことができる。メディア再生モードでは、メディアデバイス700は、メディアプレーヤと見なすことができる。あるいは、メディアデバイス700がデータモードで動作する時、ファイルシステム704は、データファイルの格納および取り出しを行うことができる。データモードでは、メディアデバイス700は、フラッシュドライブと見なすことができる。しかしながら、ファイルシステム704へのアクセス時間は比較的遅いため、メディアデバイス700は、さらに、キャッシュ706を備えてもよい。キャッシュ706は、例えば、半導体メモリによって実現されるランダムアクセスメモリ(RAM)である。キャッシュ706への相対アクセス時間は、ファイルシステム704よりも大幅に短い。しかしながら、キャッシュ706は、ファイルシステム704のような大容量の記憶能力を持たない。さらに、ファイルシステム704は、動作時に、キャッシュ706よりも多くの電力を消費する。消費電力は、メディアデバイス700がバッテリ(図示せず)によって電力を供給される携帯型メディアプレーヤである場合には、特に重要であることが多い。メディアデバイス700は、さらに、RAM720と、読み出し専用メモリ(ROM)722とを備える。ROM722は、実行すべきプログラム、ユーティリティ、または、処理を、不揮発的に格納できる。RAM720は、揮発性のデータストレージ(例えば、キャッシュ706用)を提供する。
【0107】
メディアデバイス700は、さらに、メディアデバイス700のユーザが、メディアデバイス700と相互作用することを可能にする1または複数のユーザ入力デバイス708を備える。例えば、ユーザ入力デバイス708は、ボタン、キーパッド、ダイヤル、スイッチなど、様々な形態を取りうる。データバス711は、少なくとも、ファイルシステム704、キャッシュ706、プロセッサ702、および、コーデック712の間のデータ転送を容易にすることができる。
【0108】
一実施形態では、メディアデバイス700は、複数のメディアアセット(例えば、曲、写真など)をファイルシステム704に格納するよう機能する。ユーザが、特定のメディアアセットをメディアデバイス700に再生させたい場合、ユーザは、ユーザ入力デバイス708を操作して、メディア再生モードを選択する。次いで、ユーザ入力デバイス708を用いて、ユーザは、次の利用可能なメディアアセットを再生できる。プロセッサ702は、特定のメディアアイテムの選択を受信すると、特定のメディアアイテムのためのメディアデータ(例えば、オーディオファイル)をコーダ/デコーダ(コーデック)712に供給する。次いで、コーデック712は、スピーカ714のためのアナログ出力信号を生成する。スピーカ714は、メディアデバイス700の内部のスピーカであってもよいし、メディアデバイス700の外部のスピーカであってもよい。例えば、メディアデバイス700に接続したヘッドホンまたはイヤホンは、外部スピーカと見なされる。
【0109】
さらに、本発明の一部の実施形態によると、メディアプレーヤは、特定のメディア再生モードに設定されてよい。モード選択は、通例、ユーザ入力デバイス708(スイッチまたはボタンなど)を用いて実行されてよい。2つの典型的なメディア再生モードとして、連続再生モードおよびシャッフル再生モードが挙げられる。一般的に、シャッフル再生モードでは、メディアプレーヤは、メディアアセットのリスト内のメディアアセットをランダムに再生し、連続再生モードでは、メディアプレーヤは、メディアアセットのリスト内のメディアアセットをデフォルトの順序で再生する。リストに含まれるメディアアセットのデフォルトの順序は、例えば、(i)曲名のアルファベット順、(ii)アルバムにおけるトラック位置による順序、または、(iii)メディアプレーヤにロードされたに日付順、であってよい。本発明の一実施形態では、メディア再生モードは、二位置スイッチを用いて選択される。二位置スイッチは、メディアプレーヤのユーザが、連続再生モードおよびシャッフル再生モードの間で選択を行うことを可能にする。
【0110】
メディアデバイス700は、さらに、データリンク718に接続するネットワーク/バス・インターフェース716を備える。データリンク718は、メディアデバイス700がホストコンピュータに接続することを可能にする。データリンク718は、有線接続または無線接続で提供されてよい。無線接続の場合には、ネットワーク/バス・インターフェース716は、無線トランシーバを含みうる。一実施形態では、メディアデバイス700は、ネットワーク/バス・インターフェースに接続された軸ジャックコネクタを含みうる。
【0111】
図20は、メディアデバイス700がディスプレイ(ディスプレイスクリーン)を備えることを示唆しないものではないことに注意されたい。従来のメディアプレーヤは、ユーザがメディアプレーヤと相互作用することを可能にするためにディスプレイを必要とするが、図20に示すメディアデバイス700は、ディスプレイを備えない。ディスプレイを備えないことにより、そのメディアプレーヤは、従来のメディアプレーヤよりも小型かつ軽量に構成することが可能になる。(少なくとも、電源またはホストコンピュータに接続されていない時に)メディアデバイス700の様々な構成要素に電力を供給するバッテリ720も、消費電力が低減されるために小型化が可能である。バッテリ720は、充電式であり、周辺機器用バスから得られる電力を用いて充電回路722によって充電されることが可能である。
【0112】
一実施形態では、ユーザと、(ディスプレイを持たない)メディアデバイス700との相互作用を円滑にするために、ユーザ入力デバイス708は、少なくともシャッフルスイッチを備えてよい。シャッフルスイッチは、ユーザが、メディアデバイス700で再生されるメディアアセット(例えば、曲)をシャッフルすることを可能にする。ユーザ入力デバイス708は、さらに、ユーザが、再生、一時停止、進む、戻る、一時的に制御入力を無効にする、および、メディアアセットをシャッフルし直すための要求を信号で送ることを可能にする制御入力デバイスを備えてよい。
【0113】
図21は、本発明の一実施形態に従って、メディア管理システム800を示すブロック図である。メディア管理システム800は、ホストコンピュータ802とメディアプレーヤ804とを備える。メディアプレーヤは、例えば、図20のメディアプレーヤ700であってよい。ホストコンピュータ802は、通例は、パーソナルコンピュータである。ホストコンピュータは、従来の構成要素の中で特に、管理モジュール806を備える。管理モジュール806は、ソフトウェアモジュールである。管理モジュール806は、ホストコンピュータ802上だけでなくメディアプレーヤ804上でも、メディアアセット(および/またはプレイリスト)の集中管理を実現する。より詳細には、管理モジュール806は、ホストコンピュータ802に関連するメディアストレージ808に格納されたメディアアセットを管理する。管理モジュール806は、さらに、メディアストレージ808に格納されたメディアアセットに関連するメディア情報を格納するために、メディアデータベース810と相互作用する。一部の実施形態は、さらに、ファイルマネージャ815を備えており、ファイルマネージャ815は、ホストコンピュータ802およびメディアプレーヤ804の両方において、他のデータファイル(すなわち、非メディアアセットファイル)の管理を行う。
【0114】
メディア情報は、メディアアセットの特性または属性に関する。例えば、オーディオメディアまたはオーディオビジュアルメディアの場合、メディア情報は、タイトル、アルバム、トラック、アーティスト、作曲者、および、ジャンルの内の1または複数を含みうる。これらの種類のメディア情報は、個々のメディアアセットに特有のものである。さらに、メディア情報は、メディアアセットの品質特性に関連してもよい。メディアアセットの品質特性の例は、ビットレート、サンプルレート、イコライザの設定、音量調節、開始/停止、および、総時間の内の1または複数を含みうる。
【0115】
さらに、一部の実施形態では、管理モジュール806は、さらに、データファイル(すなわち、ホストコンピュータ802上、通例は、ホストコンピュータのハードドライブ上に格納された非メディアアセットファイル)をメディアストレージ808とやり取りするために、ホストコンピュータ802と相互作用する。また、一部の実施形態において、随意的に設けられるデータストレージ809と間でデータファイルがやり取りされてもよく、データストレージ809は、メディアストレージ808と物理的および/または論理的に結合されていてもよいし、分離していてもよい。データファイルは、ファイルシステムに格納可能な任意のデータ、つまり、すべてのファイル形式を含むことを理解されたい。典型的なデータファイルとしては、テキスト文書、実行ファイル、および、画像ファイルが挙げられる。また、一部の実施形態において、管理モジュール806は、データファイルに直接アクセスしない。具体的には、ユーザが、ホストコンピュータ上のファイルマネージャ815を用いて、メディアプレーヤ804と間のファイルの転送、または、メディアプレーヤ804からのファイルの削除を行う。その時、メディアプレーヤは、例えば、ディスクドライブまたはリムーバブルな記憶媒体のように機能する。
【0116】
データストレージ809および/またはメディアストレージ808は、ホストコンピュータのファイルシステム内(例えば、図示しないハードドライブ上)の1または複数のディレクトリ(例えば、フォルダ)を利用できる。従来と同様に、データストレージ809に格納されたデータは、ファイルマネージャ815によってアクセスされることが可能である。さらに、一実施形態では、メディアストレージ808に格納されたメディアアセットも、ファイルマネージャ815によってアクセスされることが可能である。
【0117】
さらに、ホストコンピュータ802は、再生モジュール812を備える。再生モジュール812は、メディアストレージ808に格納されたメディアアセットを再生するために利用可能なソフトウェアモジュールである。一部の実施形態では、再生モジュール812は、さらに、メディアストレージ808外に格納されたメディアアセット(例えば、メディアプレーヤ804のデータストレージ820内に格納されたメディアアセットなど)を再生するために利用されることも可能である。
【0118】
ホストコンピュータ802は、さらに、メディアプレーヤ804内の対応する通信モジュール816と接続する通信モジュール814を備える。接続またはリンク818は、通信モジュール814および816を切断可能に接続する。一実施形態では、接続またはリンク818は、当業者に周知のFIREWIRE(登録商標)バスまたはUSBバスなどのデータバスを提供するケーブルおよび/またはドッキングステーションである。別の実施形態では、接続またはリンク818は、無線チャネル、または、無線ネットワークを介した接続である。さらに別の実施形態では、接続またはリンク818は、メディアプレーヤ804のコネクタをホストコンピュータ802のコネクタに直接結合することによって確立される接続である。この実施形態では、メディアプレーヤ804は、ケーブルもドッキングステーションも用いることなしにホストコンピュータ802に対して直接結合される。このように、実装に応じて、通信モジュール814および816は、有線通信を行ってもよいし、無線通信を行ってもよい。
【0119】
メディアプレーヤ804は、さらに、メディアプレーヤ804内にメディアアセットを格納するメディアストレージ820を備える。随意的に、メディアストレージ820は、データストレージ821内にデータファイルを格納することもできる。メディアアセットストレージ820またはデータストレージ821に格納されるメディアアセットまたはデータファイルは、通例、接続またはリンク818を介してホストコンピュータ802から受信される。より詳細には、管理モジュール806は、メディアストレージ808またはファイルストレージ809内に存在するメディアアセットまたはデータファイルの全部または一部を、接続またはリンク818を介して、メディアプレーヤ804内のメディアストレージ820またはファイルストレージ821に送信する。さらに、ホストコンピュータ802からメディアプレーヤ804に供給されるメディアアセットに対応したメディア情報を、メディアデータベース822内に格納することが可能である。これに関連して、ホストコンピュータ802内のメディアデータベース810からのメディア情報を、接続またはリンク818を介して、メディアプレーヤ804内のメディアデータベース822に送信することができる。さらに、メディアアセットの一部を特定するプレイリストが、管理モジュール806によって、接続またはリンク818を介して、メディアプレーヤ804内のメディアストレージ820またはメディアデータベース822に送信されてもよい。
【0120】
さらに、メディアプレーヤ804は、メディアストレージ820およびメディアデータベース822に接続した再生モジュール824を備える。再生モジュール824は、メディアストレージ820内に格納されたメディアアセットを再生するために利用可能なソフトウェアモジュールである。
【0121】
このように、一実施形態において、メディアプレーヤ804は、メディアプレーヤ804上でメディアアセットまたはデータファイルを管理する機能が限定されている、もしくは、かかる機能を全く備えない。しかしながら、ホストコンピュータ802内の管理モジュール806は、メディアプレーヤ804上に存在するメディアアセットを間接的に管理することができる。例えば、メディアアセットをメディアプレーヤ804に「追加」するために、管理モジュール806は、メディアストレージ808からメディアプレーヤ804に追加されるべきメディアアセットを特定するよう機能し、次いで、特定されたメディアアセットすなわちデータがメディアプレーヤ804に供給されるようにする。別の例としては、メディアプレーヤ804からメディアアセットを「削除」するために、管理モジュール806は、メディアストレージ808から削除されるべきメディアアセットを特定するよう機能し、次いで、特定されたメディアアセットがメディアプレーヤ804から削除されるようにする。さらに別の例として、ホストコンピュータ802において管理モジュール806を用いて、メディアアセットの特性に変更(すなわち、改変)がなされた場合に、かかる特性は、メディアプレーヤ804上の対応するメディアアセットにも反映されることが可能である。一実施例では、追加、削除、および/または、変更は、メディアプレーヤ804上のメディアアセットをホストコンピュータ802上のメディアアセットと同期させる際に、バッチ処理で実行される。
【0122】
また、一部の実施形態では、メディアプレーヤ804上のデータストレージは、ファイルストレージ821として指定されており、メディアストレージ820と物理的におよび/または論理的に結合されているか、もしくは、分離されている。上述のように、一部の実施形態では、管理モジュール806は、通常、ホストコンピュータ802上のファイルストレージ809とメディアプレーヤ804上のファイルストレージ821との間のデータの転送に関与しない。これらの実施形態では、ホストコンピュータ802上で動作するファイルマネージャ815が、ファイルストレージ809とファイルストレージ821との間のデータ転送を管理するために利用されてよい。例えば、ファイルマネージャ815を利用する時に、メディアプレーヤ804は、フラッシュドライブとして機能し、メディアプレーヤ804が従来のフラッシュドライブであるかのようにデータファイルへのアクセスが行われる。
【0123】
別の実施形態では、メディアプレーヤ804は、メディアプレーヤ804上のプレイリストを管理する機能が限定されている、もしくは、かかる機能を全く備えない。しかしながら、ホストコンピュータ802内の管理モジュール806は、ホストコンピュータ上に存在するプレイリストの管理を通じて、メディアプレーヤ804上に存在するプレイリストを間接的に管理できる。これに関連して、プレイリストの追加、削除、または、変更が、ホストコンピュータ802上で実行され、その後、メディアプレーヤ804に供給された時にメディアプレーヤ804に反映されることが可能である。
【0124】
上述のように、同期は、メディア管理の一形態である。自動的に同期を開始する機能についても、上述しており、上記の関連出願に記載されている。しかしながら、デバイス間の同期は、ホストコンピュータおよびメディアプレーヤが互いを認識しない場合には自動的な同期を行わないよう制限されてもよい。
【0125】
一実施例において、ホストコンピュータは、プレイリストについて利用を可能にすると共に管理を行うために、ホストコンピュータ上のアプリケーションを用いてよい。かかるアプリケーションの一例として、カリフォルニア州クパチーノのApple社が製造するiTunes(登録商標)が挙げられる。
【0126】
上述の実施形態のいくつかにおいて、メディアアイテム(すなわち、メディアアセット)として、オーディオアイテム(例えば、オーディオファイルまたは曲)について特に言及したが、メディアアイテムは、オーディオアイテムに限定されない。例えば、メディアアイテムは、ビデオ(例えば、映画)または画像(例えば、写真)に関するものであってもよい。
【0127】
上述した本発明の様々な態様、特徴、実施形態、または、実施例は、別個に、または、様々な組み合わせで利用してよい。
【0128】
本発明の方法は、ソフトウェア、ハードウェア、または、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせ、によって実施されることが可能である。また、本発明は、コンピュータ読み取り可能な媒体上のコンピュータ読み取り可能なコードとして実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体とは、コンピュータシステムによって読み取り可能なデータを格納できる任意のデータ記憶装置であり、上述したように転送デバイスおよび非転送デバイスの両方を含む。コンピュータ読み取り可能な媒体の例としては、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD−ROM、フラッシュメモリカード、DVD、磁気テープ、光学式データストレージデバイス、および、搬送波が挙げられる。また、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ読み取り可能なコードを分散的に格納および実行できるように、ネットワークに接続された複数のコンピュータシステムに分散されてもよい。
【0129】
本発明の多くの特徴および利点は、上述の説明から明らかであり、添付の特許請求の範囲によって、本発明のかかる特徴および利点を網羅するよう意図されている。さらに、多くの変形例および変更例が、当業者によって容易に想起されるため、本発明は、図示および説明された通りの構成および動作に限定されるものではない。したがって、本発明の範囲には、すべての適切な変形例および等価物が含まれる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、メディアデバイスに関し、特に、デジタルメディアアセットを格納および利用する携帯型メディアプレーヤに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、USBドライブ(フラッシュドライブまたはキーチェーンドライブとも呼ばれる)が、携帯型データストレージデバイスとして一般的になっている。USBドライブは、フレキシブルディスク、CD、DVD、ジップドライブディスクなど、他の記憶媒体の代わりに利用可能である。ほとんどの場合、USBドライブは、データを格納するためのフラッシュメモリと、ホストデバイスに接続するためのUSBコネクタとを備えたプラグアンドプレイ・デバイスである。これらのデバイスは、有効に機能するものの、それらが実行できる動作には制限がある。これらのデバイスは、(他の携帯型記憶媒体と同様に)、データを格納して、格納されたデータを運ぶように構成されているに過ぎず、したがって、処理構成要素、処理構成要素に電力供給するためのバッテリ、または、ユーザが処理構成要素とやり取りすることを可能にするユーザインターフェースを備えていない。
【0003】
携帯型メディアプレーヤ(MP3プレーヤとも呼ばれる)も、今日、一般的に利用されている。携帯型メディアプレーヤは、3つの異なるカテゴリにグループ分けできる。すなわち、CDまたはDVDプレーヤなど、着脱可能なメディア記憶媒体を備えたもの;内部ハードドライブを備えたもの;不揮発性メモリにメディアを格納するもの、である。各カテゴリの携帯型メディアプレーヤは、サイズ、機能、バッテリ駆動時間、および、メディア記憶能力の点で、長所および短所を有する。
【0004】
不揮発性メモリにメディアを格納する携帯型メディアプレーヤは、一般に、フラッシュMP3プレーヤまたはフラッシュメディアプレーヤと呼ばれる。フラッシュメディアプレーヤは、他のタイプの携帯型メディアプレーヤよりも小さいことが多い。多くの従来のフラッシュメディアプレーヤに共通する問題の一つは、サイズが小さいために、しばしば、メディアプレーヤの操作部が使いにくいことである。従来のフラッシュメディアプレーヤは、通例、ユーザがデバイスに格納されたメディアファイルをナビゲートすることができるように、ディスプレイを組み込んでいるが、ディスプレイは、サイズ、重量、および、電力消費量を増大させる。ディスプレイがあっても、メディアプレーヤの操作部は、使いやすくないことが多い。
【0005】
従来のフラッシュメディアプレーヤに共通する別の問題は、大きいバッテリであり、これは、通例、プレーヤを充電またはプレーヤのバッテリを交換する必要が生じるまで妥当な長さのバッテリ駆動時間を提供するために必要とされる。従来、メディアプレーヤの設計は、改良されたユーザ操作部、バッテリ、および/または、ディスプレイを収容するために、大型化してきた。
【0006】
携帯型メディアプレーヤの人気が高まるにつれ、メディアプレーヤの設計の改良に対する要求が高まってきた。したがって、改良されたユーザ操作部、小さいサイズ、および、より長いバッテリ駆動時間を有するメディアプレーヤが求められている。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、一実施形態では、携帯型メディアプレーヤに関する。携帯型メディアプレーヤは、前面および背面を有するハウジングを備える。携帯型メディアプレーヤは、さらに、ハウジング内に配置されたメモリを備える。メモリは、複数のデジタルメディアアセットおよびデータファイルを格納するよう構成されている。携帯型メディアプレーヤは、さらに、ハウジングの前面に配置されたメディア制御入力部を備える。メディア制御入力部は、携帯型メディアプレーヤのユーザが、デジタルメディアアセットから、提供すべき少なくとも1つのデジタルメディアアセットを選択することを可能にする。携帯型メディアプレーヤは、さらに、ハウジングの背面に配置された一体型の取り付け機構を備える。携帯型メディアプレーヤは、取り付け機構を用いて着用することができる。
【0008】
本発明は、別の実施形態では、ディスプレイを備えない携帯型メディアプレーヤに関する。携帯型メディアプレーヤは、前面および背面を有するハウジングを備える。背面は、I/O構成要素を備えていない。携帯型メディアプレーヤは、さらに、ハウジング内に配置された不揮発性メモリを備える。不揮発性メモリは、複数のデジタルメディアアセットおよびデータファイルを格納するよう構成されている。携帯型メディアプレーヤは、さらに、ハウジングの前面に配置された単一のメディア制御入力部を備える。メディア制御入力部は、携帯型メディアプレーヤのユーザが、携帯型メディアプレーヤの様々な態様を制御することを可能にする。携帯型メディアプレーヤは、さらに、メモリおよびメディアプレーヤ入力構成に動作可能に接続されたコントローラを備える。コントローラは、選択された少なくとも1つのメディアアセットを再生するよう動作する。
【0009】
本発明は、別の実施形態では、携帯型メディアプレーヤに関する。携帯型メディアプレーヤは、ハウジングを備える。携帯型メディアプレーヤは、さらに、ハウジング内に伸びる単一の統合型コネクタポートを備える。単一の統合型コネクタポートは、携帯型メディアプレーヤと、データ、電力、および、メディアをやり取りするための唯一のポートである。携帯型メディアプレーヤは、さらに、ハウジング内に配置され、データファイルおよび複数のデジタルメディアアセットを格納するよう構成されたメモリモジュールを備える。データファイルおよび複数のデジタルメディアアセットは、単一の統合型コネクタポートを通して転送される。携帯型メディアプレーヤは、さらに、ハウジング内に配置され、携帯型メディアプレーヤ上でのメディア動作を提供するよう構成されたメディアモジュールを備える。メディアモジュールは、不揮発性電子メモリデバイスと協働して、そこからメディアアセットを取り出す。メディアモジュールは、単一の統合型コネクタポートを通して携帯型電子デバイスのユーザにメディアアセットを提供する。さらに、携帯型メディアプレーヤは、ハウジング内に配置され、携帯型メディアプレーヤへの電力供給または充電のために携帯型メディアプレーヤの電力動作を制御するよう構成された電力モジュールを備える。電力モジュールは、単一の統合型コネクタポートを通して電力を受ける。
【0010】
本発明は、別の実施形態では、ドッキングシステムに関する。ドッキングシステムは、携帯型メディアプレーヤを備える。携帯型メディアプレーヤは、前面、側面、および、背面を有するハウジングと、ハウジングの前面に配置された単一のメディア制御入力部と、ハウジングの側面に配置された単一の統合型コネクタポートと、ハウジングの背面に取り付けられた一体型クリップと、を備え、クリップは、背面から離間されていることにより背面との間に空間を設けるプラットフォームを備える。ドッキングシステムは、さらに、ドッキングステーションを備える。ドッキングステーションは、上面に部分的な凹部として形成されたスロットを有する基部を備える。凹部は、単一の統合型コネクタポートを備えた携帯型メディアプレーヤの端部を受け入れるよう構成されている。凹部の内周面は、ハウジングの前面とプラットフォームの外面とを含む携帯メディアプレーヤの外周面を受け入れるようなサイズおよび寸法を有する。ドッキングステーションは、さらに、携帯型メディアプレーヤがドッキングステーションの凹部内に配置された時に単一の統合型コネクタポートにはまり込む単一の統合型コネクタプラグを備える。コネクタポートおよびコネクタプラグの間のインターフェースは、データ、電力、および、メディアをやり取りするよう構成されている。
【0011】
本発明は、別の実施形態では、ホストコンピュータに接続された時にリムーバブル記憶媒体として動作可能であると共に、ホストコンピュータから切り離された時にメディアプレーヤとして動作可能である携帯型電子デバイスに関する。携帯型電子デバイスは、前面、第1の側面、第2の側面、および、背面を有するハウジングを備える。携帯型電子デバイスは、さらに、ハウジング内に配置された不揮発性メモリを備える。メモリは、複数のデジタルオーディオアセットおよびデータファイルを格納するよう構成されている。携帯型電子デバイスは、さらに、ハウジング内に配置され、少なくとも電源から切り離された時に必要に応じて携帯型メディアプレーヤに電力を供給するよう構成された充電式バッテリを備える。携帯型電子デバイスは、さらに、ハウジングの前面に配置された単一の統合型メディア制御入力部を備える。メディア制御構成は、中央ボタンの周りに円形配列で設けられた複数の一体型外側ボタンを含むクリック可能ボタン式アクチュエータとして実現される。中央ボタンは、再生/一時停止を開始する。外側ボタンは、前のメディアアセットへのスキップ、次のメディアアセットへのスキップ、音量上げ、および、音量下げを開始するためのボタンを含む。
【0012】
さらに、携帯型電子デバイスは、第1の側面に配置されたスイッチ構成を備えるスイッチ構成は、メディア再生モードを少なくとも選択するよう構成されている。再生モードは、連続再生モードおよびシャッフル再生モードの一方である。携帯型電子デバイスは、さらに、第2の側面に配置された単一の統合型コネクタを備える。単一の統合型コネクタは、携帯型メディアプレーヤおよびホストの間でデジタルメディアアセットおよびデータファイルを転送する機能と、携帯型メディアプレーヤに電源から電力を伝送する機能と、聴くためにデジタルオーディオアセットを出力する機能とを有する。携帯型電子デバイスは、さらに、ハウジングの側面に配置された1または複数のインジケータを備える。インジケータは、ユーザへのフィードバックまたは携帯型メディアプレーヤの状態情報を提供する。携帯型メディアプレーヤは、ディスプレイを備えない。携帯型電子デバイスは、さらに、メモリ、メディアプレーヤ入力構成、スイッチ構成、コネクタ、および、インジケータに動作可能に接続され、選択された少なくとも1つのメディアアセットを再生するよう動作するコントローラを備える。携帯型電子デバイスは、さらに、ハウジングと一体化されてハウジングの背面に配置され、携帯型メディアプレーヤを着用できるようにするクリップを備える。クリップは、ハウジングの背面と実質的に同じ輪郭を有するプラットフォームを備える。クリップは、背面に取り付けられ、挟み込むために衣類を挿入できる開位置と、プラットフォームおよびハウジングの背面の間に衣類を挟むことで携帯型メディアプレーヤを衣類に固定する閉位置との間で移動するプラットフォームを備える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に従って、携帯型メディアデバイスを示す図。
【図2】本発明の一実施形態に従って、携帯型メディアデバイスを示す斜視図。
【図3】本発明の一実施形態に従って、携帯型メディアデバイスを示す斜視図。
【図4】本発明の一実施形態に従って、携帯型メディアデバイスを示す斜視図。
【図5】本発明の一実施形態に従って、携帯型メディアデバイスを示す斜視図。
【図6】図4および図5に示した携帯型メディアデバイスを示す正面図。
【図7】図4および図5に示した携帯型メディアデバイスを示す背面図。
【図8】図4および図5に示した携帯型メディアデバイスを示す第1の側面図。
【図9】図4および図5に示した携帯型メディアデバイスを示す第2の側面図。
【図10】図4および図5に示した携帯型メディアデバイスを示す第3の側面図。
【図11】図4および図5に示した携帯型メディアデバイスを示す第4の側面図。
【図12A】ユーザの手の中に収まったメディアデバイスを示す図。
【図12B】ユーザの手の中に収まったメディアデバイスを示す図。
【図13】一実施形態に従って、制御入力デバイスを示す図。
【図14】一実施形態に従って、単一の統合型コネクタを示す図。
【図15】一実施形態に従って、ヒンジ機構を示す図。
【図16A】一実施形態に従って、ドッキングステーションを示す斜視図。
【図16B】一実施形態に従って、ラップトップコンピュータに接続されたドッキングステーションに差し込まれたメディアデバイスを示す図。
【図17A】一実施形態に従って、メディアデバイスに差し込むことができるメディア出力デバイスの一例を示す図。
【図17B】一実施形態に従って、メディアデバイスに差し込むことができるメディア出力デバイスの一例を示す図。
【図18】本発明の別の実施形態に従って、携帯型メディアデバイスを示す斜視図。
【図19】本発明の別の実施形態に従って、携帯型メディアデバイスを示す斜視図。
【図20】本発明の一実施形態に従って、メディアデバイスを示すブロック図。
【図21】本発明の一実施形態に従って、メディア管理システムを示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
一般に、本発明は、メディアデバイス、および、メディアデバイスを動作させるための方法に関する。本発明は、特に、携帯型メディアプレーヤでの利用に適している。
【0015】
本発明の一態様は、フラッシュなどの不揮発性メモリを備えた小型の携帯型メディアデバイスに関連する。メディアデバイスは、例えば、15,000mm3未満の基本体積と、50mm×30mm×10mm未満の基本寸法と、20グラム未満の基本重量とを有してよい。特に、メディアデバイスは、例えば、約8,230mm3未満の基本体積と、41.2mm×27.3mm×6mm未満の基本寸法と、16グラム未満の基本重量とを有してよい。全体のサイズは、アドオンすなわち追加機能(取り付け機構など)によって変化しうる。サイズおよび重量が小さいため、携帯型メディアデバイスは、携帯性が高く、持ち運びが容易である。したがって、それらは、散歩、ランニング、サイクリング、階段を昇ることなどの運動を行う際に、人間が携行してもよい。一部の例では、それらのデバイスは、ユーザの手に持たれ、別の例では、ユーザに運ばれまたは身につけられることでユーザの手が自由になる。それらは、極端に強い保持機構を必要とすることなく、衣類または同様の物(バックパックなど)に取り付け可能にすることができる。
【0016】
本発明の別の態様は、限られたI/Oデバイスを備えつつも、すべての必要な入力といくつかのフィードバックとを実現した携帯型メディアデバイスに関連する。一実施形態では、メディアデバイスは、ディスプレイを備えない。ディスプレイは、通例、その動作のためにメディアデバイスの広い領域を占めるため、ディスプレイを排除することにより、メディアデバイスのサイズを最小化できることを理解されたい。
【0017】
別の実施形態では、携帯型メディアプレーヤは、単一の統合型ナビゲーション操作部を備える。統合型ナビゲーション操作部は、例えば、音量+/−、次(早送り)、前(巻き戻し)、再生/一時停止など、典型的なメディア制御を含んでよい。一実施例では、単一のナビゲーション操作部は、円形の入力デバイスとして実現される。別の実施例では、統合型ナビゲーション操作部は、携帯型メディアデバイスの前面に配置される。実際、統合型ナビゲーション操作部は、実質的に、前面全体を占めてよい。これにより、メディアデバイスのサイズに対する操作部のサイズの比が最大化され、これは、デバイスを小さく保ちつつも利用しやすくするために有効である。例えば、ハウジング前面の面積対操作コントロールの面積の比は、約3:1未満であってよく、特に、約2:1未満であってよく、さらに、約1:1であってもよい。さらに、一部の実施形態では、その比は、約3:1ないし約1:1の間でよく、特に、約2.85:1ないし約2.3:1の間でよい。
【0018】
さらに、メディアデバイスは、2つ以下のスイッチを備えてよい。それらのスイッチは、例えば、オン/オフ、ホールド、および、モードスイッチを含んでよい。この特定の実施例では、それらのスイッチは、片手で持った際に親指一本でナビゲーション操作部およびスイッチの両方にアクセスできるように、携帯型メディアデバイスの側面に配置されてよい(背面には、ユーザインターフェースが配置されない)。
【0019】
さらに、携帯型メディアデバイスは、単一の統合型コネクタを備えてよく、そうすれば、他のデバイスへの接続に必要なスペースが低減される。単一の統合型コネクタは、例えば、データのアップロード/ダウンロード、電力の伝送、および、オーディオなどのメディアの出力のための機能を含んでよい。一実施形態では、単一の統合型コネクタは、さらに、内部軸ジャックとして実現されることで、メディアデバイスの表面への影響が最小限になる。
【0020】
メディアデバイスとのインターフェース接続のためのコネクタのほとんどは、横方向に並んで離間されるため、細長くのびるコネクタ領域を必要とし、それにより、小型の携帯型メディアデバイスを最小化しつつコネクタを配置することが困難になっていることを理解されたい。逆に、本発明のジャックは、メディアデバイスの表面の周囲に広がるのではなく、メディアデバイス内に伸びる点状の開口部を備える。開口部は、その軸に沿って軸方向に離間した複数の接点を備えており、それらの接点は、プラグが軸に沿って開口部に挿入された時に、対応する接点と接触する。さらに、その接続は、特定の向きを必要としない。360°対称であることにより、プラグを任意の向きで挿入することが可能である。したがって、ユーザは、プラグをジャックに結合する際に考える必要がない。一実施例では、したがって、メディアデバイスは、横方向に並んだ接点(例えば、従来のUSBポートおよびFIREWIREポートなど)を有する細長いポートを備えない。
【0021】
本発明の別の態様は、携帯型メディアデバイスを衣類または同様の物(バックパックなど)に固定するための取り付け機構を備えた携帯型メディアデバイスに関連する。一実施形態では、取り付け機構は、携帯型メディアデバイスのハウジングと一体化されたクリップであって、クリップおよびメディアデバイスのハウジングの間に衣類を挟む閉位置と、衣類を解放する開位置との間で動くようになっている。クリップが閉位置にある時には、携帯型メディアデバイスは、ユーザによって身につけられることができる。例えば、クリップは、メディアデバイスを、ズボン、ベルト、ポケット、帽子、リストバンド、靴などに固定するために用いられてよい。ほとんどの例では、クリップを閉位置に付勢することでメディアデバイスを物に固定する助けとなるように、クリップにバネが設けられる。さらに、クリップは、通例、メディアデバイスの背面に取り付けられ、それにより、メディアデバイスのアクセス可能な面を入力操作部のために利用できるようになる。
【0022】
以下では、図1ないし図21を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明の範囲は、これらの実施形態に限定されないため、これらの図面に関連して本明細書に記載した詳細な説明が、例示を目的としたものであることは、当業者であれば容易に理解できる。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に従って、携帯型メディアデバイス100を示す図である。メディアデバイス100は、メディアおよびデータに関する機能を提供するためのハードウェアを備える携帯型デバイスである。携帯型メディアデバイス100は、メディアデバイス100とホストデバイスとの間でデータをやり取りするために、コンピュータなどのホストデバイスに接続することが可能である。この接続は、直接的に(コネクタ対コネクタ)実現されてもよいし、間接的に(ケーブルまたはドッキングステーションを介して)実現されてもよい。一実施形態では、メディアバイス100は、プラグアンドプレイ・デバイスである。プラグアンドプレイ(PnP)という用語は、一般的に、ユーザが、デバイスをホストデバイスに接続して、ほとんどまたは全くユーザ入力を行わずに、そのデバイスをホストデバイスに認識させることを可能にする機能を指す。
【0024】
図1に示すように、メディアデバイス100は、メディアデバイス100の構成要素を内部に収容するハウジング102を備える。ハウジング102の形状およびサイズは、幅広く変更されてよい。一実施形態では、ハウジング102は、概略的に見ると、実質的に長方形の前面および背面と、実質的に長方形の側面とを備える。一部の例では、側面は、部分的または全体的に丸みを帯びてもよい。例えば、前面および背面と交わって伸びる1つの軸に沿った断面が、薬のような形状、すなわち、両側が丸くなった長方形を有してよい。さらに、ハウジングは、様々な隆起部分を備えてよい。別の実施形態では、ハウジング102は、前面および背面が円形になるような円筒形である。
【0025】
メディアデバイス100は、さらに、メディアデバイス10に接続可能な1または複数のデバイスまたはシステムとの相互作用を制御するよう構成された接続モジュール104を備える。接続モジュール104は、例えば、メディアデバイス100の適切な構成要素と、メディアデバイスの適切な構成要素と通信させたい様々な外部デバイスまたはシステムとの間での、電力、データ、および、メディアのやり取りを制御してよい。外部デバイスは、有線または無線接続を通して接続モジュール104に接続されてよい。
【0026】
一実施形態では、接続モジュール104は、(ハウジング102を通しての)物理的な有線接続を介しての相互作用を可能にするコネクタ配列105に接続される。コネクタ配列105は、電力、データ、および、メディアを分配する目的の1または複数のコネクタを備えてよい。例えば、コネクタは、メディアジャック、データポート、電力端子などを備えてよい。メディアは、例えば、オーディオ、画像、ビデオなどが該当しうる。データは、シリアル、パラレル、USB、FIREWIREなどに対応してよい。
【0027】
特定の一実施形態では、メディアデバイス100は、スペースを節約することでメディアデバイス100の小型化を可能にするために、単一の統合型コネクタだけを備える。単一の統合型コネクタは、複数のコネクタの機能を1つのコネクタに統合したものである。例えば、単一の統合型コネクタは、電力、データ、および、メディアの機能を備えてよく、それにより、電力供給、データ通信、および、メディア転送(例えば、オーディオ、ビデオ)が、単一の場所で実行されることを可能にする。
【0028】
単一のコネクタは、幅広く変更されてよい。一実施例では、コネクタは、ハウジング内に伸びて結合軸に沿って軸プラグを受け入れる内部ジャックである。ジャックは、その機能(例えば、電力、データ、メディア)の各々を可能にするために、軸方向に離間した複数の端子または接点を備える。端子は、軸プラグがジャックに挿入された時に、対応する接点と接触する。そのように、ジャックは、オーディオメディアをヘッドホン/スピーカに供給できるようにヘッドホン/スピーカに関連付けられたヘッドホンまたはスピーカのプラグ、および/または、ビデオメディアをディスプレイに供給できるようにディスプレイに関連付けられたビデオプラグを受け入れることができる。ジャックは、さらに、ホストデバイスに対してデータを送受信するために構成されたデータプラグを受け入れることができる。例えば、ジャックは、メディアデバイス100へ、または、メディアデバイス100から、オーディオ、ビデオ、および、その他のメディアをアップロードまたはダウンロードするために利用されてよい。ジャックは、さらに、メディアプレーヤ100に電力を供給するために構成された電力プラグを受け入れることができる。ジャックは、さらに、例えば、データ/電力、電力/メディア、データ/メディア、または、メディア/データ/電力など、統合型ジャックと同様の複数の機能を備える統合型プラグを受け入れるよう構成されてよい。
【0029】
メディアデバイス100は、さらに、データを格納するためのメモリモジュール106を備える。データは、メディアデバイス100がホストデバイスに取り付けられている時に、メディアデバイス100とホストデバイスとの間でやり取りされる。データは、メディアファイル(例えば、オーディオトラック)、データファイル、および/または、その他同様のものを含んでよい。メモリモジュール106は、幅広く変更されてよい。特定の一実施形態では、メモリモジュール106は、ソリッドステートメモリ(例えば、フラッシュメモリ)などの不揮発性メモリである。ソリッドステートメモリは、他のタイプのメモリデバイスに勝る多くの利点を有する。ソリッドステートメモリの利点の1つは、破損またはスキップの起きる動く部品を持たないため、非常にロバストである傾向を持つことである(例えば、集積回路チップとしての実施形態)。ソリッドステートメモリの別の利点は、メモリデバイスが、小型かつ軽量である傾向を持つため、メディアデバイス100の携帯性に役立つことである。所望の記憶容量を実現するために、任意の数の不揮発性メモリチップを用いてよい。一例では、記憶容量は、約1GBになるよう構成される。別の例では、記憶容量は、約2GBになるよう構成される。別の例では、記憶容量は、約512MBになるよう構成される。
【0030】
メディアデバイス100は、さらに、メディアデバイス100上でのメディア動作を制御するためのメディアモジュール108を備える。メディアは、例えば、オーディオ、ビデオ、画像、および/または、他の同様のものであってよい。メディアモジュール108は、例えば、メディアデバイス100上のメディアを提供(例えば、再生)するために用いられてよい。したがって、メディアデバイス100は、メディアプレーヤと見なすことができる。メディアモジュール108は、メモリモジュール106と協働して、メディアデータの格納および取り出しを行う。例えば、メディアモジュール108は、オーディオトラック(例えば、曲)などのメディアデータを取得または供給するために、メモリモジュール106にアクセスしてよい。メディアモジュールは、さらに、メディアがコネクタ配列105から提供される時には、接続モジュールと協働する。
【0031】
メディアデバイス100は、さらに、メディアデバイス100の電力動作を制御するための電力モジュール110を備える。電力モジュール110は、例えば、メディアデバイス100に電力を供給する搭載バッテリ111と通信してよい。搭載バッテリ111は、例えば、メディアデバイス100が、あらゆるホストデバイスから切り離された時に完全に携帯可能になるように、メディアデバイス100に電力を供給することができる。搭載バッテリ111は、時々交換が必要な固定電荷バッテリであってもよいし、充電式バッテリであってもよい。例えば、搭載バッテリ111は、アルカリ電池、ニッカド電池、リチウムイオン電池、または、他のタイプのバッテリであってよい。充電式バッテリは、交換が必要になることが滅多にないため、固定電荷バッテリよりも好ましい(使いやすい)。一部の例では、充電式バッテリは、コネクタ105がホストデバイスに動作可能に接続された時に、コネクタ105の電力機能によって充電されることが可能である。他の例では、充電式バッテリは、コネクタ105が外部電源(変圧器/整流器に連結した標準的な電源プラグなど)に接続された時に、コネクタ105の電力機能によって充電されることが可能である。
【0032】
メディアデバイス100は、さらに、メディアデバイス100に対して、選択を行うため、または、命令を発行するための1または複数の入力デバイス112を備える。例えば、入力デバイス112は、ボタン、スイッチ、キーパッド、ホイール、ジョイスティック、ジョイパッド、タッチスクリーン、タッチパッド、トラックボール、および/または、その他の同様のもの、から選択されてよい。
【0033】
一実施形態では、メディアデバイス100は、メディアデバイス100の状態またはモードを変更するために様々な位置の間でスライドする1または複数のスライドスイッチを備える。例えば、メディアデバイス100がオーディオトラック(例えば、音楽または曲)の再生を実現する場合には、スライドスイッチは、オフ位置、シャッフル再生モード位置、および/または、連続再生モード位置を備えてよい。スライドスイッチがオフ位置にある時には、メディアデバイス100のオーディオ機能はオフになる。連続再生モード位置にある場合、メディアデバイス100は、ある所定の順序(例えば、作曲者または曲名のアルファベット順)でオーディオトラックを再生する。シャッフル再生モード位置にある場合、メディアデバイス100は、一群のオーディオトラックをランダムに選択して、選択された順序でそれらのオーディオトラックを再生する。
【0034】
別の実施形態では、メディアデバイスは、メディアデバイス100のいくつかの態様を制御するためにクリックされてよい1または複数のクリック可能ボタンを備える。例えば、オーディオ機能を備えるメディアデバイス100の場合、クリック可能ボタンは、前、次、音量上げ、音量下げ、および、再生/一時停止などの命令に対応してよい。特定の一実施例では、クリック可能ボタンは、円形の入力構成として実現されてよい。例えば、内側のボタンおよび外側のナビゲーションパッドである。別の実施例では、クリック可能ボタンは、1つのユニットに統合されてもよい。あるいは、クリック可能ボタンは、タッチセンサ式デバイス(例えば、タッチパッド)に置き換えられてもよい。
【0035】
メディアデバイス100は、さらに、1または複数の出力デバイス114を備える。出力デバイス114は、メディアデバイス100から外部にデータを転送するよう構成される。出力デバイス114は、例えば、聴覚、視覚、または、触覚情報をユーザに対して出力するために利用されてよい。出力デバイス114は、スピーカ、オーディオジャック、ビデオジャック、インジケータ、触覚機構、および/または、その他の同様のものから選択されてよい。
【0036】
従来のメディアデバイスは、ユーザとの相互作用のために、液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイ(ディスプレイスクリーン)の利用を必要とするが、メディアデバイス100は、かかるディスプレイを必要としない点で有利である。特定の一実施形態では、メディアデバイス100は、ディスプレイを備えないが、(i)オーディオ出力をヘッドセットまたは外部スピーカに供給するためのジャックと、(ii)ユーザへのフィードバックおよび/またはメディアデバイスの状態を知らせる1または複数のインジケータとを備える。例えば、インジケータは、特定の入力デバイス112が作動された場合にユーザに知らせてもよいし、バッテリ駆動時間の状態をユーザに知らせてもよい。ディスプレイを排除することにより、メディアデバイス100は、小さいフォームファクタを有して携帯性が高くなるだけでなく、メディアデバイスの消費電力を低減することでバッテリ111の駆動時間を延ばすことが可能になる。結果として、メディアデバイス100は、搭載バッテリ111を充電または交換せずに、より長期間利用することができる。さらに、複雑さ、コスト、および、損傷の受けやすさが低減される。
【0037】
ハウジング102に対するI/Oデバイス112および114の位置は、幅広く変更されてよい。例えば、I/Oデバイス112および114は、メディアデバイス100の操作の際にユーザがアクセスできる限りは、ハウジング102の任意の外面(例えば、上面、側面、前面、または、背面)に配置されてよい。
【0038】
一実施形態では、入力デバイス112は、一般に、入力デバイス112の片手での操作を可能にする位置に配置され、特に、メディアデバイス100を片手で持ちつつ一本の指で操作することを可能にする位置に配置される。特定の一実施例では、入力デバイス112は、ハウジング102の前面および/または側面に配置される。したがって、入力デバイス112は、メディアデバイス100がユーザの手の指で持たれた時に、ユーザの手の親指によって作動されることが可能である。出力デバイス114は、通例、メディアデバイス100がユーザの手で持たれた時に、アクセス可能となる位置に配置される。出力デバイス114は、例えば、ユーザが入力デバイス112を操作している時にアクセスできるように、入力デバイス112に隣接して配置されてよい。このようにI/Oデバイス112および114を配置することにより、メディアデバイス100は、I/Oデバイス112および114を効率的に利用するために絶えず位置を変える必要がなくなる。例えば、ボタンがデバイスの最上部から最下部まで一列に配置されていれば、望ましくない位置の変更が必要になりうる。
【0039】
メディアデバイス100は、上述の構成要素すべてを単一の一体型ユニットに統合してよく、すなわち、要素すべてが、メディアデバイス100のハウジング102内に収容されるか、もしくは、ハウジング102上に配置される。その結果、ホストデバイスからメディアデバイス100を切り離して動作させる際に、補助デバイス(着脱可能なバッテリパック、取り付け機構、または、I/Oデバイスなど)が必要ない。すなわち、メディアデバイス100は、持ち運ぶ際にも、データの格納と、メディアの制御、再生、および、出力との両方を実行することができる。
【0040】
メディアデバイス100は、さらに、メディアデバイスをユーザが簡単に持ち運んだり身につけたりすることを可能にするために、ハウジング102に一体化された取り付け機構116を備えてよい。その結果、メディアデバイスは、持ち運ぶ際にも、運搬および操作が容易になる。取り付け機構は、幅広く変更されてよい。例えば、取り付け機構は、ストラップ、首ひも、クリップなどを含んでよい。
【0041】
一実施形態では、取り付け機構116は、クリップを備える。クリップ118は、通例、メディアデバイス100のハウジング102にヒンジで連結されたプラットフォームを備える。ヒンジは、バネで付勢されることにより、メディアデバイス100を衣類またはその他同様の物にクリップ固定するための挟む動作を生み出してよい。例えば、プラットフォームは、物を配置するためにハウジングおよびプラットフォームの間に空間を提供する開位置と、クリップが付勢されてハウジングとかみ合うことによってメディアデバイスを物に取り付ける閉位置との間で移動されてよい。一部の例では、プラットフォームおよびハウジングは、間に配置された物を固定する助けとなるように、互いにかみ合う歯を備えてよい。一実施例では、プラットフォームは、実質的にハウジングの外形に従っており、すなわち、全体的に、取り付けられる面と同じ輪郭を有する。
【0042】
ハウジング102に対する取り付け機構116(より具体的には、クリップ)の位置は、幅広く変更されてよい。例えば、クリップは、ハウジング102の任意の外面に配置されてよい。ほとんどの例では、クリップは、I/Oデバイスへのアクセスを可能にするために、I/Oデバイス112および114から離れた位置に配置される。一実施例では、クリップは、前面および側面に配置されたI/Oデバイスから離れたハウジングの背面に配置される。
【0043】
図示されていないが、代替的もしくは追加的に、メディアデバイス100は、画像の取り込みおよび表示のための画像用の構成要素を備えてもよい。これらの例では、メディアデバイス100は、カメラのように機能してもよい。例えば、メディアデバイスは、メモリおよびメディアモジュールと通信するCCDまたはCMOSセンサを備えてよい。さらに、メディアデバイスは、一体型マイク、FMトランスミッタなどを備えてもよい。
【0044】
図2は、本発明の一実施形態に従って、携帯型メディアデバイス200を示す斜視図である。メディアデバイス200は、図1に示したメディアデバイス100の一実施例になりうる。メディアデバイス200は、片手で簡単に持つことができる一体型の小型ユニットの形態を有する。携帯型メディアデバイス200は、持ち運ぶ際に、メディア(例えば、音楽)の提供(例えば、再生)と、様々なデータファイルの格納との両方を実行できるように、メディアプレーヤおよびメモリデバイスの機能を併せ持つ。メモリデバイスは、データファイルおよびメディアデータ(曲およびプレイリストなど)を格納するために利用可能であり、メディアプレーヤは、メモリに格納されたメディアデータをプレイリストに従って再生するために利用可能である。
【0045】
通例、メディアデバイス200は、ホストデバイスに接続された時には、記憶デバイスのように機能し(メディアデバイス200とのデータのやり取りが可能になる)、ホストデバイスから取り外された時には、メディアプレーヤ(音楽プレーヤ)として機能する(曲の再生が可能になる)。代替的または追加的に、メディアデバイス200は、ホストデバイスに接続された時に、メディアプレーヤ(音楽プレーヤ)のように機能してもよい(すなわち、ホストデバイス上の音楽の再生を駆動するために利用できる)。ホストデバイスから取り外された時にこれらのデバイスをサポートするのに必要な構成要素はすべて、メディアデバイス200内に収容されるか、もしくは、その上に配置されていることに注目されたい。メディアデバイス200の構成要素を作動させるために、他の補助デバイスは必要ない(例えば、バッテリおよびI/Oデバイスなど)。
【0046】
図2および3に示すように、携帯型メディアデバイス200は、デバイス200の形状または形態を規定するハウジング202を備える。すなわち、ハウジング202の外形は、メディアデバイス200の外観を具現化しうる。また、ハウジング202は、メディアデバイス200の様々な電気構成要素(集積回路チップおよびその他の回路など)を内部に収容および支持している。例えば、電気構成要素は、プロセッサ、メモリ、バッテリ、I/O制御回路などを含んでよい。一部の例では、電気構成要素は、プリント基板(PCB)などの基板またはキャリヤの上に配置される。基板またはキャリヤは、組み立ての際に電気構成要素を運び、ハウジング202内に組み込まれた時にそれらを支持するための構造を提供する。
【0047】
一実施形態では、ハウジング202は、管状の本体203Aと、管状の本体203Aの両端を閉じる端部キャップ203Bとを備える。本体203Aおよび端部キャップ203Bは、デバイスでの必要性に応じて、同じ材料または異なる材料で形成されてよい。例えば、本体203Aおよび端部キャップ203Bは、金属、プラスチック、セラミックなどから形成されてよい。さらに、それらは、同じプロセスまたは異なるプロセスで形成されてよい。例えば、それらは、射出成形、加圧成形、押し出し成形などによって形成されてよい。特定の一実施例では、管状の本体203Aは、押し出し成形プロセスによってアルミニウムから形成され、端部キャップ203Bは、射出成形プロセスによってプラスチックから形成される。
【0048】
メディアデバイス200は、さらに、ハウジング202の第1の端部キャップ203B内に伸びるコネクタ204を備える。コネクタ204は、メディアデバイス200とそれに接続されたデバイスとの間で入力電力、I/Oデータ、および/または、出力メディアをやり取りできるように、対応するコネクタを受け入れるよう構成される。コネクタ204は、メディアデバイス200に対してメディアまたはその他のデータをアップロードまたはダウンロードするために用いられてよい。例えば、コネクタ204は、曲、プレイリスト、オーディオブック、電子ブックなどを、メディアデバイス200内のメモリデバイスにダウンロードするために用いられてよい。コネクタ204は、さらに、メディアデバイス200に電力供給および充電を行うためのインターフェースとして機能してもよい。例えば、携帯型メディアデバイス900が、コネクタ204を介して電源またはホストデバイスに接続された時に、充電式バッテリを充電することができる。コネクタ204は、さらに、オーディオなどのメディアをメディア出力装置(例えば、スピーカまたはヘッドホンなど)に出力するためのインターフェースとして機能してもよい。コネクタ204は、例えば、第1の端部キャップ203Bを通してハウジング内に伸びる軸ジャックに対応してよい。軸ジャックは、軸方向に配列され空間的に隔離された複数の接点または端子(例えば、電力、オーディオ、ビデオ、データの端子を備える。それらの端子は、各機能専用のものであってよく、一部の例では、それらの端子が共用されてもよい。
【0049】
メディアデバイス200は、さらに、ハウジング202の前面に配置されたクリック可能ボタン式アクチュエータ208と、ハウジング202の第2の端部キャップに配置された一対のスライド式モードスイッチ214Aおよび214Bとを備える。かかる実施形態では、メディアデバイス200の背面上には入力デバイスが存在しない。親指を除く手でメディアデバイスを持ちつつ、親指を用いて簡単に入力を行うことができる点で有利である。これら入力デバイス208および214の各々は、ユーザがメディアデバイス200とやり取りすることを可能にする、すなわち、ユーザ入力を提供する。クリック可能ボタン式アクチュエータ208は、メディアデバイス200のメディアプレーヤとしての態様のために再生制御を提供し、スライド式モードスイッチ214Aおよび214Bは、メディアプレーヤの様々なモードを切り替えるための手段を提供する。より一般的には、クリック可能ボタン式アクチュエータ208は、制御入力デバイスである。
【0050】
詳細には、クリック可能ボタン式アクチュエータ208は、中央ボタン212を取り囲む複数の周囲ボタン210を備える。特定の一実施形態では、クリック可能ボタン式アクチュエータ208は、円形の構成を有する。周囲ボタン210は、独自のクリック動作をそれぞれ提供する別個のデバイスであってもよいし、複数のクリック動作を提供する単一のデバイスに統合されてもよい。後者の場合、単一のデバイスは、独立して空間的に区別された複数のボタン区画に分けることができる。ボタン区画は、個別のクリック動作を実行するために、ハウジング202に対して傾斜または押下されてよい単一デバイスの領域である。
【0051】
図示されていないが、一実施形態では、クリック動作は、ハウジング202内に含まれた1または複数の動きインジケータを作動させるよう構成されている。すなわち、特定のボタンまたはボタン区域210または212が第1の位置(例えば、直立位置)から第2の位置(例えば、押下位置)に動かされると、動きインジケータが作動される。動きインジケータは、動き(例えば、クリック動作)を検出して、動きに対応する信号をメディアデバイス200のコントローラに送信するよう構成されている。例えば、動きインジケータは、スイッチ、センサ、および/または、その他同様のものであってよい。ほとんどの例では、各ボタンまたはボタン区域210または212に対して1つの動きインジケータが設けられる。
【0052】
メディアプレーヤの例では、周囲ボタン210は、前(巻き戻し)、次(早送り)、音量上げおよび音量下げに対応してよく、中央ボタン212は、再生/一時停止に対応してよい。一部の実施形態では、メディアデバイスの操作部の内の1または複数が、2以上の機能を持つように構成される。例えば、一時停止/再生操作部は、メディアデバイスの操作部を無効にして(例えば、メディアデバイスがポケットに入っている時に)不測の制御入力を防ぐためのホールドボタンとして機能してもよい。この実施形態では、一時停止/再生操作部は、押下されて、所定の期間(例えば、3秒)押下を保持されることで、メディアデバイスのホールドを開始する。ホールドを解除するためには、メディアデバイスの操作部のホールドを開始する時と同様に、一時停止/再生操作部を押下してその状態を保持する。
【0053】
図3に示すように、各スライド式モードスイッチ214は、メディアデバイス200の状態またはモードを変更するために2以上の位置の間で平行移動できるスライド部材216を備える。これらの例のすべてで、スライド部材216は、1または複数の動きインジケータの一部であるよう構成されるか、または、動きインジケータを作動させるよう構成される。動きインジケータは、スライド動作の際にスライド部材216の動きを検出して、動きに対応する信号をメディアデバイス200のコントローラに送信するよう構成されている。一部の例では、スライド部材216が上述の位置の各々に配置されたことをユーザに知らせるために、戻り止めを各位置に設けてよい。戻り止めまたはその他の手段は、力覚フィードバックおよび/または聴覚信号(クリック音など)をユーザに提供してよい。戻り止めは、スライド部材を所望の位置に保持する助けとして用いられてもよい。
【0054】
図の実施形態では、スライド部材216Aは、メディアプレーヤをオフにする第1の位置と、メディアプレーヤをオンにする第2の位置との間を移動する。さらに、スライド部材216Bは、メディアプレーヤをシャッフルモードに設定する第1の位置と、メディアプレーヤを連続再生モードに設定する第2の位置との間を移動する。一般に、シャッフル再生モードでは、メディアデバイスは、一群のメディアアセットをランダムな順序で再生する。一方、連続再生モードでは、メディアデバイスは、メディアアセットのリスト内のメディアアセットをデフォルトの順序で再生する。さらに、オフ位置は、ユーザが携帯型メディアデバイスの電源をオフにすることを可能にし、オン位置は、ユーザが携帯型メディアデバイスの電源をオンにすることを可能にする。
【0055】
メディアデバイス200は、ディスプレイを備えないが、メディアデバイス200に関連するイベントを知らせる1または複数のインジケータ220を備える。例えば、イベントは、メディアデバイス200の信号、条件、または、状態に関連してよい。一実施形態では、インジケータ220は、発光ダイオード(LED)などの光源を備えてよく、通例、通常状態では発光せずに、イベントが起きた時に、限られた期間だけ発光する。さらに、インジケータ220は、オン・オフを繰り返す(例えば、点滅する)か、または、周期的に光度を上下させるよう構成されてよく、一部の例では、監視されているイベントについてのより詳細な情報を提供するために、色を変えてもよい。一般に、インジケータ220は、状態インジケータまたはメディアデバイス状態インジケータと呼ぶこともできる。
【0056】
インジケータ220は、小さい透明のプラスチックインサートを通例は備える従来のインジケータであってよく、インサートは、LEDの前に配置されて、ハウジングの開口部内に挿入されることでハウジングの表面に配置される。インサートを利用せずに、LED自体をハウジングの開口部内に配置してもよい。あるいは、インジケータ220は、ハウジングの表面を開口しないように構成されてもよい。この構成では、光源は、完全にハウジング202内部に配置される。インジケータ202は、ハウジング202の一部を照明することでハウジング202の外観を変化させる、すなわち、その色を変化させるように構成されてよい。例えば、色の変化が、メディアデバイス200の状態の変化を示してよい。動作の際には、インジケータ220がオンになった時に、インジケータの光が、ハウジング202の表面に現れ、インジケータ220がオフになった時に、ハウジング202の表面から消える。このタイプのインジケータの利点の1つは、インジケータがオフになった時に、インジケータの痕跡がなくなることである。換言すれば、インジケータは、表示(例えば、インジケータの光)がオンにされた時だけ認識できるようになる。さらに、かかるインジケータは、ハウジング202の表面における実質的な割れ目、線、くぼみ、または、突起、すなわち、メディアデバイス200の外観を損ねる見た目に不愉快な構造を備えない。
【0057】
上述の例のいずれにおいても、インジケータ220は、1または複数のLEDによって実現されることが可能である。2以上のLEDを用いる場合には、1または複数のLEDが、異なる色を有することで、異なるメディアデバイス状態を示してよい。1または複数のLEDは、互いに近接して配置されてよく、そうすれば、ユーザには、メディアデバイスの状態が変化した時に1つのインジケータが色を変化させているように見える。
【0058】
図の実施形態では、メディアデバイス200は、条件または制御インジケータ220Aと、状態インジケータ220Bとを備える。制御インジケータ220Aは、ハウジング202の片側(第1の端部キャップ)に配置される。制御インジケータ220Aは、入力デバイス208を介して選択がなされた時に、ユーザに警告または通知を行うよう構成されている。すなわち、制御インジケータ220Aは、選択がうまく実行されたことがユーザにわかるように、ユーザへのフィードバックを提供する。
【0059】
一方、状態インジケータ220Bは、制御インジケータ220Aとは反対側のハウジング202の片側(第2の端部キャップ)に配置される。状態インジケータ220Bは、特定の状態、特にメディアデバイス200のバッテリ駆動時間、をユーザに警告するよう構成されている。状態インジケータ220Bは、例えば、バッテリが満充電の時には緑色、バッテリが低下した時には黄色、バッテリ切れの危険がある場合には赤色に照明されてよい。状態インジケータ220Bは、さらに、バッテリが決定的に低下した時に、オン・オフを繰り返す(点滅する)ことが可能である。状態インジケータ220Bは、状態情報を常に提示する常時オンのインジケータであってもよいし、ユーザによって指示された時だけ状態情報を提示する呼出し型のインジケータであってもよい。後者の場合、状態インジケータを作動させるためのボタンが設けられてよい。ユーザがボタンを押すと、状態インジケータは、所定の期間(例えば、数秒)、状態情報を提示する。
【0060】
一実施形態では、異なる色を有する2つのLEDが、インジケータ220Aとして利用される。この実施形態では、第1の色のLEDは、ユーザが1または複数のユーザ操作部を操作したことに対応して、ユーザへの視覚的フィードバックを与えるために用いられる。第2の色は、メディアデバイスが充電中である旨を示すユーザへの視覚的フィードバックを与えるために用いられる。第1の色のLEDは、ユーザがユーザ制御パネル905上の第1のユーザ操作部(例えば、音量操作部)を操作するごとに一回点滅してよい。ユーザ制御パネル905上の第2のユーザ操作部(例えば、再生/一時停止操作部)が操作された時には、選択された動作が続いている間、第1の色のLEDが連続的に点滅する。この実施形態によると、第2の色のLEDは、第1の色のLEDと異なる色を発し、例えば、メディアデバイスが、メディアデバイスに電力を供給できるコネクタに接続された時に、メディアデバイスが充電中の間、連続的に点滅する。
【0061】
一実施形態では、異なる色を有する3つのLEDが、インジケータ220Bの実装に利用される。この実施形態では、3色のLEDの各々が、異なるバッテリ状態に対応して、ユーザへの視覚的フィードバックを与えるために用いられる。バッテリ駆動時間を節約するために、一部の実施形態において、メディアインジケータ220Bは、ユーザ操作部(図示せず)によって作動され、その結果、ユーザがユーザ操作部を操作した後の短期間(例えば、5秒間)作動する。
【0062】
例えば、一実施例では、第1の色のLEDは、メディアデバイスに電力供給するバッテリがほぼ充電されたことを示すために点灯する。メディアデバイスが作動され、時間が経つにつれて、バッテリは、バッテリの充電が不十分であることを示す第1の所定の電圧まで放電する。それに従って、第1の色のLEDはオフに切り替えられ、第2の色のLEDが点灯して、バッテリが部分的に放電されたことをユーザに知らせる。バッテリが第2の所定の電圧まで放電し続けると、第2の色のLEDはオフに切り替えられ、第3の色のLEDが点灯し、バッテリがほとんど放電したことをユーザに知らせる。最終的に、バッテリがほぼ完全に放電すると、(任意の色の)1つのLEDが、連続的に点滅することで、バッテリレベルがメディアデバイスの動作を続けるのに不十分であるためにメディアデバイスがシャットダウンの準備をしていることをユーザに知らせる。その後、メディアデバイスの状態インジケータは、すべての表示を停止し(すなわち、どのLEDも点灯しない)、バッテリがほぼ完全に放電し、メディアデバイスを再び利用できるようにするために再充電が必要であることを示す。
【0063】
メディアデバイスのサイズおよび重量は、幅広く変更されてよい。一般に、メディアデバイスは、手で持って片手で簡単に操作できるサイズおよび重量を有する。実際、ほとんどの例で、メディアデバイスは、手に持って2本の指(人差し指および親指など)だけで操作できるようなサイズを有する。一実施形態では、メディアデバイスの長さは50mm未満であり、メディアデバイスの幅は30mm未満であり、メディアデバイスの厚さは10mm未満である。したがって、メディアデバイスの体積は、15,000mm3未満である。一実施例では、メディアデバイスの長さは約41.20mm以下であり、メディアデバイスの幅は約27.3mm以下であり、メディアデバイスの厚さは約6mm以下である。したがって、メディアデバイスの体積は、約7,735mm3以下である。別の実施例では、メディアデバイスの長さは約27.3mm以下であり、メディアデバイスの幅は約27.3mm以下であり、メディアデバイスの厚さは約6mm以下である。したがって、メディアデバイスの体積は、約4,500mm3以下である。
【0064】
さらに、円形の入力構成の外径は、30mm未満であり、より詳細には約20mmないし約27.3mmの間であり、さらに詳細には約23mmである。また、メディアデバイスの重量は20グラム未満であり、より詳細には16グラム以下である。
【0065】
いくつかの例を記載したが、これは限定ではなく、メディアデバイスを他のサイズおよび重量に変更してよいことを理解されたい。一例では、メディアデバイスは、与えられた寸法に従って拡大または縮小されてよい。さらに、一体型の取り付け機構などの機能を追加することで、メディアデバイス全体のサイズおよび重量が増大してもよい。
【0066】
本発明の一実施形態によると、メディアデバイス200は、さらに、メディアデバイスを衣類などの物に取り付けるための一体型クリップを備えてもよい。クリップは、通例、移動部材を備え、移動部材は、物が移動部材およびハウジングの間に挟まれることでメディアデバイスを物に固定する閉位置と、物が移動部材およびハウジングの間に挟まれた状態から解放されることでメディアデバイスを物から自由にする開位置(例えば、開位置は、ハウジングと移動部材との間に物を配置することを可能にする)との間で移動する。プラットフォームは、例えば、閉位置と開位置との間で、ハウジングに対して平行移動、旋回、回転してよい。ほとんどの例では、移動部材は、メディアデバイスを物に固定する助けとなるように、閉位置においてさらに付勢される。したがって、ユーザは、移動部材を開位置にするために付勢力に打ち勝つ必要がある。例えば、付勢力を提供するために、任意の適切なバネ要素を用いてよい。代替的または追加的に、移動部材を所望の位置に固定する助けとなるように、戻り止めまたは留め金を用いてもよい。戻り止めは、例えば、移動部材およびハウジングが強い力で物をつかむことを可能にする締め付け動作を生み出してよい。
【0067】
詳細に説明するために、図4ないし11は、本発明の一実施形態に従って、一体型クリップ222を備えた図2および3のメディアデバイスを示す図である。一体型クリップ222は、メディアデバイスのユーザ入力の領域から離して、ハウジング202の背面に取り付けられる。図に示すように、一体型クリップ222は、プラットフォーム224を備えており、プラットフォーム224は、プラットフォーム224をハウジング202に近接して配置する閉位置と、プラットフォーム224をハウジング202から離して配置する開位置との間で、ハウジング202に対して旋回する。これは、例えば、ヒンジ機構によって実現されてよい。
【0068】
任意の適切なヒンジ機構が利用可能である。図の実施形態では、内部ヒンジ機構が用いられている。この構成では、プラットフォーム224は、プラットフォーム224の下側から伸びる肩部225を備え、メディアデバイス200は、ハウジング202の内部に配置された対応する固定肩部(図示せず)を備える。プラットフォーム224の肩部225は、ハウジング202内の小さい開口部226を介して、メディアデバイス200の対応する肩部と係合する。それらの肩部は、係合されると、互いに対して旋回運動することが可能になる。例えば、各肩部は、旋回動作を生み出すために、内部に旋回ピンが配置される開口部を備えてよい。あるいは、肩部の一方が旋回ピンを備え、他方の肩部が旋回ピンを受けるための開口部を備えるようにしてもよい。ほとんどの例では、メディアデバイスを汚れから保護すると共に、デバイスの見た目がユーザにとってよくなるように、肩部が係合する小さい開口部は、(プラットフォームの下の)メディアデバイスの縁部から離れて配置される。
【0069】
プラットフォーム224は、対象となる物にメディアデバイスを固定する助けとなるように、閉位置において付勢されることが好ましい。任意の適切なバネ手段が利用されてよい。一実施例では、肩部の間に配置されたねじりバネが用いられる。ねじりバネは、第1の肩部に対して作用する端部と、第2の肩部に対して作用する第2の端部とを有することで、プラットフォームを閉位置に配置する。プラットフォームを開位置に移動させるには、ねじりバネの力に逆らって、旋回軸を中心にプラットフォームを旋回させる必要がある。
【0070】
物のための空間を確保するために、プラットフォーム224は、ハウジング202の背面から離されて配置されてよい。例えば、ハウジング202は、プラットフォーム224が取り付けられる隆起部分227を備えてよい。旋回動作を円滑にするために、隆起部分227は、図に示すように丸みを帯びていてよい。さらに、メディアデバイス200を物に固定する助けになるように、プラットフォーム224およびハウジング202は、閉位置において互いに実質的にかみ合う歯を備えてよい。歯228は、物を咬んで掴む助けとなることで、メディアデバイス200を(間に挟まれた)物に固定する。図に示すように、歯228は、旋回軸の反対側の端部付近に配置される。
【0071】
クリップの形状および形状のサイズは、幅広く変更されてよい。一実施形態では、ハウジングの隆起部分の半径は約3mm以下であり、プラットフォームの厚さは1mm以下である。これらを考慮した場合、メディアデバイスの体積は、例えば、41.2×27.3×6の寸法を基本の寸法(全体のサイズは、約41.2×27.3×10)とすると、約8,230mm3である。
【0072】
図12Aおよび12Bを参照すると、メディアデバイス200は、ユーザの手270の中に無理なく収まっている(そして、任意のホストデバイスから取り外されている)。図12Aに示すように、制御入力デバイス208は、手270の親指272によって容易に操作可能であり、その時、手270の指274および手のひら276がメディアデバイス200を保持している。例えば、ユーザは、手270、特に、指274を動かすことなく、制御入力デバイス208の様々なボタンのいずれかの上に親指272を動かすことができる。図12Bに示すように、モードスイッチ214は、手270の親指272によって容易に操作可能であり、その時、手の残り部分がメディアデバイス200を保持している。例えば、ユーザは、親指272を用いて、スライド式モードスイッチ214をそれらの様々な位置のいずれかに移動させてよい。
【0073】
以下では、図13を参照しつつ、一実施形態に従った制御入力デバイス208について、詳細に説明する。図に示すように、制御入力デバイス208は、ハウジング202に対して傾斜する可動プラットフォーム230を備える。一部の例では、プラットフォーム230が、ハウジング202に移動可能に結合され、他の例では、ハウジング202が、(図に示すように)、浮き上がるプラットフォーム230を移動可能な状態で押し込めている。プラットフォーム230は、一般に、剛性板234の上面に取り付けられた化粧層すなわち接触層232を備える。化粧層232は、ハウジング202の開口部236から突出しており、制御入力デバイス208の様々な周囲ボタンを作動させるための接触面を提供する。図の実施形態では、化粧層232は、丸みを帯びた上面を備える。
【0074】
制御入力デバイス208は、さらに、プラットフォーム230の動きに基づいて入力信号を生成するために、プラットフォーム230とハウジング202との間に配置された1または複数の機械スイッチ238を備える。機械スイッチ238は、通例、様々なボタン区域に対応する位置に配置される。各ボタン区域は、ボタン区域の下に配置された個別の機械スイッチ238を備える。機械スイッチ238は、押下された時に入力信号の生成を引き起こすアクチュエータ240を備える。機械スイッチ238の領域においてプラットフォーム230を傾斜させることで、アクチュエータ240が押し込まれ、それにより、入力信号が生成される。ほとんどの例で、アクチュエータ240は、機械スイッチ238から離れる方向に伸びてプラットフォーム230を直立位置に付勢するように、バネによって付勢される。機械スイッチ238は、ハウジング202に取り付けられてもよいし、プラットフォーム230に取り付けられてもよい。図の実施形態では、機械スイッチ238は、プラットフォーム230の背面に取り付けられている。このように、機械スイッチ238、特にアクチュエータ240は、ハウジング202内でプラットフォーム230を直立位置に支持するための脚として機能する(すなわち、アクチュエータは、ハウジングまたはハウジングに取り付けられた何らかの構成要素に支えられる)。例えば、機械スイッチ238は、SMTにパッケージングされたドームスイッチなど、タクトスイッチに対応してよい。
【0075】
上述のように、プラットフォーム230は、ハウジング202に設けられた空洞242内に移動可能な状態で押し込められている。要するに、プラットフォーム230は、ハウジング202に対して宙に浮きつつも、ハウジング202によって拘束されている(プラットフォームは、ハウジングに取り付けられていない)。図に示すように、プラットフォーム230は、ハウジング202の側壁、上壁、および、下壁によって囲まれている。側壁は、x方向およびy方向への移動と、z軸を中心とした回転とを実質的に防止するよう構成されている(例えば、プラットフォーム230が傾斜動作の際にハウジングと干渉しないように小さい遊びを持たせる小ギャップを除く)。しかしながら、上壁および下壁は、傾斜動作を実現するために、z方向の移動(ただし、z方向に限定されている)と、x軸およびy軸を中心とした回転とを許容するよう構成されている。すなわち、上壁および下壁は、プラットフォーム230を空洞242に拘束しつつも、機械スイッチ238のアクチュエータ240を押下するためにプラットフォーム230が傾斜するのに十分な空間を提供する。さらに、機械スイッチ238によって提供されるバネ力は、プラットフォーム230の上面を、ハウジング202の上壁の下面とかみ合うように配置する(例えば、直立位置)。
【0076】
動作中に、ユーザは、ボタン区域の位置のプラットフォーム230の下に配置された機械スイッチ238を作動させるために、所望のボタン区域の位置のプラットフォーム230の上面を単に押下する。作動されると、機械スイッチ238は、メディアデバイス200が利用可能な入力信号を生成する。機械スイッチ238を作動させるために、指によって提供される力が、機械スイッチ238が作動されるまでアクチュエータ240のバネ力に逆らって作用する。プラットフォーム230は、基本的に、ハウジング202の空洞内に浮いているが、ユーザがプラットフォーム230の片側の上の所望のボタン区域を押すと、反対側が、(押した箇所の反対側で)上壁に接触して、それにより、プラットフォーム230は、接触点を中心として旋回する。要するに、プラットフォームは、4つの異なる軸を中心として旋回する。
【0077】
さらに、化粧層232と、剛性板234の上面との間には、ボタンキャップ244が配置されている。ボタンキャップ244の最上部分は、化粧層232の開口部から突出するよう構成されており、フランジ部分は、化粧層232と剛性板234との間に形成された空間内に保持されている。ボタンキャップ244の最上部分は、ボタンキャップ244の下に配置された第5のスイッチ246を作動させるために押されてよい。第5のスイッチ246は、ハウジング202に取り付けられて、剛性板234および化粧層232の開口部を貫通してよい。組み立てられると、第5のスイッチ246のアクチュエータ248は、他のスイッチ238と同様のバネ要素によって、ボタンキャップ244を直立位置に付勢する。
【0078】
図13で説明した特定の実施形態は、限定を意図するものではなく、制御入力デバイス208には、様々な他の構成が存在しうることに注意されたい。
【0079】
以下では、図14を参照しつつ、一実施形態に従った単一の統合型コネクタアセンブリ300について、詳細に説明する。アセンブリ300は、例えば、本明細書に記載したメディアデバイスのいずれかのハウジング内に取り付けられてよい。アセンブリ300は、内部に軸開口部304を有するコネクタ本体302を備える。軸開口部304内には、電力、データ、および、メディアを伝送するための様々な端子306が配置されている。図に示すように、端子306は、電気的に隔離されるように、軸開口部304の軸に沿って段階的に離間されている。プラグが軸開口部304内に挿入されると、プラグは、端子306を押し上げる。一部の例では、端子306は、軸に向かって内向きに付勢された湾曲部として機能する。それにより、それらの端子は、プラグを保持する力を提供する。さらに、それらの端子は、プラグ上の対応する端子(例えば、溝)とかみ合った時に戻り止めとして機能してよい。また、端子306は、軸開口部304からコネクタ本体302の縁部までコネクタ本体302を貫通する接続ピン、ポスト、または、ワイヤ308を備える。接続ピン308は、アセンブリ300をメディアデバイスの内部回路と接続できる位置として機能する。
【0080】
端子306は、幅広く変更されてよい。端子は、例えば、メディアデバイスとホストデバイスとの間でデータを転送するためのデータ端子;メディアデバイスへの電力供給および/または内部バッテリの充電のための電力端子;例えば、スピーカまたヘッドホンにオーディオを伝送するためのオーディオチャネル端子;プラグが軸開口部内に挿入された時に検出を行うプラグ検出端子、などを含んでよい。
【0081】
一実施形態によると、コネクタアセンブリは、同じ端子または端子群によって2以上の機能を実行するよう構成される。例えば、同じ端子または端子群が、データの転送と、出力のためのメディア(例えば、オーディオ)の伝送の両方に利用されてよい。端子を共用することにより、所望の機能に必要な端子の数が減るため、結果として、コネクタの軸方向の長さを短くすることができる(複数の端子は、軸方向に離間されている)。軸方向の長さを短くすることで、コネクタアセンブリが小型化できるため、(本明細書に記載した設計のように)空間の限られる小型のメディアデバイスにとって有利である。また、端子の数を減らすことで、接続線の数も減るため、結果として、コントローラのサイズを小さくすることができる(例えば、必要な接点が少なくなるため、より小さいチップを利用できる)。
【0082】
ほとんどの例で、共用される端子は、同じ共通の線すなわちチャネルを介してコントローラと通信する。それらの線は、配線またはその他の周知のルーティング技術(プリント基板、フレックス回路、および、集積チップなどに関する技術)として実現されてよい。さらに、コントローラは、特定用途向け集積回路チップとして実現されてもよいし、ホストのコントローラの一部であってもよい。
【0083】
コントローラは、各機能のための制御モジュールを備えてよい。例えば、制御モジュールは、データ転送動作を制御するためのデータ転送モジュールと、メディアの出力を制御するためのメディア出力モジュールと、電力動作を制御するための電力モジュールとを含んでよい。コントローラは、さらに、様々な構成要素すべてに動作可能に接続された制御モジュールを備えてよい。動作中に、制御モジュールは、異なるモジュール間で選択的に動作を切り替える。動作の方法は、例えば、第1の動作が1または複数の共用端子において実行される第1のブロックを備えてよい。動作の方法は、さらに、第2の動作が1または複数の共用端子において実行される第2のブロックを備えてよい。動作の方法は、さらに、両方の動作を同一の通信チャネルを介して同一のノードで(ただし、別の時間に)実行できるように第1および第2の動作が選択的に切り替えられる第3のブロックを備えてよい。
【0084】
図の実施形態では、アセンブリ300は、2つのデータ端子(D+およびD−)と、アース(GND)と、電圧(VBUS)(例えば、+5V)と、プラグ検出とを備える。この実施形態では、データ端子(D+、D−)は、ホストデバイスおよびメディアデバイスの間のデータの転送と、オーディオを出力するための左および右のチャネルとしての動作とを含め、複数の機能に利用される。メディアデバイスは、どの動作が望まれているかを決定して、所望の動作モードに基づいて動作を切り替える(1つの動作を開いて他の動作を閉じる)ためのコントローラを備える。
【0085】
位置は、各デバイスの必要性に応じて変化してよいが、図の実施形態では、開口部の左側は、VBUS端子およびD−端子を含み、開口部の右側は、GND、D+、および、プラグ検出端子を含む。
【0086】
一例では、メディアデバイスが、アップロード/ダウンロード・メディアモードの時に、電力(+5V)は、装置の充電のためのVbusとして機能し、アースは、装置を充電するためのGNDとして機能し、D+およびD−データ線は、メディアの転送(例えば、曲)として利用され、プラグ検出は利用されない。さらに、メディアデバイスが充電モードの時には、電力(+5V)は、装置を充電するためのVbusとして機能し、アースは、装置を充電するためのGNDとして機能する。またさらに、メディアデバイスがオーディオ出力すなわち再生モードである場合には、電力(+5V)はGNDとして機能し、アースはGNDとして機能し、D+データ線はオーディオの右チャネルとして機能し、D−線はオーディオの左チャネルとして機能する。
【0087】
プラグ検出端子は、通例、オーディオ出力モードで用いられる。プラグが外された時には音楽が一時停止され、その後、メディアデバイスは、1分間の休止後にスリープする。
【0088】
コントローラは、各多機能端子のための1組の設定可能なI/Oピンを備えてよい。設定可能なピンの数は、通例、共用される通信線の数に対応する(例えば、各線に対して1つのピン)。設定可能であるため、I/Oピンは、異なる機能に関連する動作のために再構成されることが可能である。例えば、I/Oピンの機能は、アース、電圧源、様々なデジタル入力などの間で切り替えられてよい。データ転送モードでは、I/O接点は、データを転送するよう構成される。メディア出力モードでは、I/O接点は、メディアを出力するよう構成される。
【0089】
以下では、図15を参照しつつ、一実施形態に従ったヒンジ機構320について、詳細に説明する。ヒンジ機構320は、例えば、本明細書に記載されたメディアデバイスのいずれにおいて利用されてもよい。この実施形態では、ヒンジ機構320は、メディアデバイスのハウジング324の隆起部分322内において、メディアデバイスのハウジング324に取り付けられた1つの統合型ジャック326に隣接して配置される。図に示すように、ハウジング324は、旋回するプラットフォーム332の底面から突出する肩部330を受け入れるための開口部328を備える。開口部328は、プラットフォーム332が旋回軸に沿って水平方向に摺動しないようにする肩部330に隣接した側壁334を備える(例えば、当接ストッパ(abutment stops))。壁334および肩部330は、旋回ピン336を受け入れるための貫通孔を備える。旋回ピン336は、例えば、壁334の貫通孔内に圧入されてもよいし、肩部330の貫通孔によって緩く保持されることで旋回動作を可能にしてもよい。すなわち、プラットフォーム332は、旋回ピン336を中心に回転する。
【0090】
ヒンジ機構300は、さらに、ハウジング324とプラットフォーム332の肩部330とに隣接するねじりバネ340を備える。ねじりバネ340は、プラットフォーム332をハウジング324の背面に向かって押す付勢力を生み出す。滑らかであるが強力な旋回動作を生み出すために、ヒンジ機構330は、さらに、プラットフォーム332の底面とハウジング324の隆起部分322の上面との間に配置された1または複数のテフロン片342を備えてよい。一部の例では、テフロン片342は、その間で自由に動くようになっており、他の例では、隆起部分322またはプラットフォーム332のいずれかに取り付けられている。テフロン片342を見えないように隠しつつ所望の位置に保持するために、プラットフォーム332は、テフロン片342の配置のための凹部346を備えてよい。そのため、側方では、プラットフォーム332が、テフロン片342ではなく、隆起部分322の表面を中心として旋回するように見える。
【0091】
本発明の一実施形態によると、例えば、コンピュータ、電源、または、周辺機器(モニタ、キーボード、スピーカなど)のような他のシステムに携帯型メディアデバイスを素早く簡単に接続するためのプラットフォームを提供するために、図4ないし11に示したメディアプレーヤと共に、ドッキングステーション400を利用してよい。
【0092】
ドッキングステーションは、有線(例えば、ケーブル)または無線(例えば、ブルートゥース)接続を介して他のデバイスまたはシステムと通信するスタンドアローンの装置であってもよいし、あるいは、他のデバイスまたはシステム内に直接一体化されていてもよい。いずれの場合でも、ドッキングステーションは、携帯型メディアデバイスを受け入れる開口部すなわちスロットを備える。開口部は、通例、携帯型メディアデバイスを直立位置(例えば、一般には垂直)に支持しつつ、携帯型メディアデバイスのユーザインターフェース部分へのアクセスを確保するよう構成される。
【0093】
ドックは、さらに、携帯型メディアデバイスを他のデバイスまたはシステムとインターフェース接続する手段を備える。例えば、開口部は、携帯型メディアデバイスが開口部に配置された時に携帯型メディアデバイスの1または複数のポートと結合する1または複数のコネクタを備えてよい。スタンドアローン型の装置である場合には、コネクタは、他のデバイスまたはシステムへの外部接続を提供する他のコネクタ、ポート、または、トランシーバに接続されてよい。一体型のドッキングステーションの場合には、コネクタは、ホストデバイスの構成要素に直接的に有線接続されてよい。
【0094】
詳細に説明するために、図16Aは、本発明の一実施形態に従って、図4ないし11の携帯型メディアデバイスで利用可能なドッキングステーション400の一例を示す図である。図に示しように、ドッキングステーション400は、基部414と、基部414の上面に形成された部分的な凹部である開口部すなわちスロット416とを備える。基部414は、様々な電気および構造的な構成要素を内部に収容するよう構成される。基部414は、さらに、ドッキングステーション400の形状または形態を規定するよう構成される。その形状は、例えば、(図に示すように)実質的に長方形でよく、あるいは、円形、立方体などであってもよい。さらに、基部414は、1または複数のハウジング構成要素によって形成されてよい。例えば、基部414は、ネジ、ボルト、スナップ、接着剤、留め金などの任意の適切な技術を用いて結合される上側ハウジングおよび下側ハウジングを含んでよい。
【0095】
開口部416は、携帯型メディアデバイス200のいずれの側を受け入れるように構成されてもよいが、この特定の実施形態では、開口部416は、携帯型メディアデバイス200が奥まった開口部416内に挿入された時に携帯型メディアデバイス200を直立位置で支持するように、携帯型メディアデバイス200の一端部を受け入れるよう構成される。明らかに、開口部の壁は、メディアデバイスを正確な結合位置に配置するための案内として機能する。開口部416の形状およびサイズは、一般に、携帯型メディアデバイス200の端部の全体的な形状およびサイズと一致するよう構成される。すなわち、開口部416の内周面は、携帯型メディアデバイス200の外周面を受け入れるようなサイズおよび寸法を有する。明らかに、開口部の壁は、メディアデバイスを正確な結合位置に配置するための案内として機能する。図4ないし11に示したメディアデバイスに照らすと、開口部は、ハウジングの前面、上面、底面と、クリップのプラットフォームの外面とを包み込むように設計される。
【0096】
開口部416内には、携帯型メディアデバイス200をドッキングステーション400に動作可能に接続するインターフェース422が配置されている。インターフェースは、幅広く変更されてよい。図の実施形態では、インターフェース422は、携帯型メディアデバイス200の底面にある単一の電気ポートに結合する単一の電気コネクタ424を備える。例えば、ドッキングステーション400は、メディアデバイス200のメスジャック402内に挿入されるオスプラグを備えてよい。オスプラグは、一般に、携帯型メディアデバイス200とドッキングステーション400との間の結合(例えば、摩擦による結合)を確実にするために、ポート内にぴったりはまるような寸法を有する。さらに、プラグおよびポートは、通例、接触することで電気の伝達を可能にするピンまたは接点を備える。電気的な接続は、携帯型メディアデバイス200とドッキングステーション400との間で、メディア、データ、および/または、電力を伝送するよう構成されてよい。一実施例では、メディア、データ、および/または、電力を伝送できる単一のコネクタが用いられる。
【0097】
また、携帯型メディアデバイスを適切な位置に案内して固定するために、ドッキングステーション400は、さらに、携帯型メディアデバイス200がドッキングステーション400の開口部416内に挿入された時に、開口部416の底面から、プラットフォーム224とハウジング202の底面との間の空間内に伸びる1または複数の案内ポスト430を備えてよい。案内ポスト430は、空間の4面に対応する基準面すなわち位置決め面を備える。図の実施形態では、単一の案内ポストが用いられている。単一の案内ポスト430は、空間と実質的に同じ形状を有する。一部の例では、案内ポスト430は、それに対する配置を容易にするために、丸みを帯びた側面を備えてよい。携帯型メディアデバイス200が開口部416内に挿入されると、開口部416の壁と案内ポスト430が、携帯型メディアデバイス200の表面を取り囲んで適切な位置に固定する。
【0098】
図16Bは、ラップトップコンピュータ250に接続されたドッキングステーション400に差し込まれたメディアデバイス200を示す図である。接続されると、ラップトップコンピュータ250は、メディアデバイス200への電力供給および場合によってはそのバッテリの充電を行うために、ドッキングステーション400を介してメディアデバイス200に電力を供給できる。メディアデバイス200は、通例、プラグアンドプレイ・デバイスであるため、ラップトップコンピュータ250は、メディアデバイス200をメディアデバイスとして認識し、一部の例では、ラップトップコンピュータ250のディスプレイ254上にメディアデバイスアイコン252を生成する。メディアデバイスアイコン252を選択することにより、通例、メディアデバイス200のメモリ内に格納されたデータおよびメディアファイルを表示するウィンドウが開かれる。メディアデバイス200上に格納されたデータおよびメディアファイルは、ドラッグアンドドロップ機能を用いてラップトップコンピュータ250に転送することができる。
【0099】
さらに、ラップトップコンピュータ250上に格納された新しいデータおよびメディアファイルが、ドラッグアンドドロップ機能を用いて、メディアデバイス200のメモリに追加されてよい。一部の例では、ラップトップコンピュータ250に格納されたメディアファイルのいくつかすなわち一部が、自動的に、メディアデバイス200と同期される。すなわち、ラップトップコンピュータ250が、メディアデバイス200を認識して、メディアデバイス200がメディア機能を備えると判断すると、ラップトップコンピュータ250に格納されたメディアファイル(例えば、オーディオトラック)の全部または選択された一部をメディアデバイス200のメモリに転送するよう構成されてよい。また、ラップトップコンピュータ250は、メディアデバイス200が認識された時に、メディア管理アプリケーションを起動することも可能である。音楽管理プログラムの一例としては、カリフォルニア州クパチーノのApple社が製造するiTunes(登録商標)が挙げられる。
【0100】
図17Aおよび17Bは、携帯型メディアデバイス200の単一の統合型コネクタを通して出力されるオーディオを聴くために利用可能なオーディオ出力デバイス450および460の例を示す図である。図17Aは、イヤホンを備え、いくつかのワイヤとオスジャックとを介してメディアデバイスに接続する従来の出力デバイスを示す。一方、図17Bは、イヤホンと、イヤホンへのワイヤを中に通した首ひもと、オスオーディオジャックを含むコネクタ構成とを備える首掛け式の出力デバイスを示す図である。首掛け式のデバイスは、さらに、首ひものサイズを調節するための調節可能な留め具を備えてもよい。明らかに、首掛け式のデバイスは、メディアデバイスがユーザの首の周りに身につけられることを可能にする。
【0101】
図18および19は、上述の実施形態で示した携帯型メディアデバイスの別の実施形態を示す図である。これらの実施形態では、メディアデバイス500Aおよび500Bの前面ハウジングは、円形の入力構成と同じ形状を有しており、それにより、円形のメディアデバイスを形成している。円形のハウジングは、はるかに持ちやすく、旧式のものと同様に扱うことができると思われる。さらに、この形状は、ディスプレイを排除することによって可能になる(ディスプレイは、通例、長方形である)。
【0102】
一実施形態では、円形の入力構成208は、実質的に、メディアデバイス500Aおよび500Bの前面全体を占める。すなわち、円形の入力構成208は、実質的に、メディアデバイス500Aおよび500Bの円筒形ハウジング502の端から端に至っている。図18では、円形の入力構成208は、少なくとも部分的に、円筒形ハウジング502内に収容されており(例えば、奥まっている)、そのため、円形の入力構成208の縁部は、ハウジング502の側壁の間に収まっている。図19では、円形の入力構成208は、少なくとも部分的に、ハウジング502の前面の上に位置しており、円筒形ハウジング502の外周形状に適合した外周形状を有する。あるいは、一部の例では、円筒形ハウジング502の前面よりも小さい円形入力構成208を備えることが望ましい場合もある。かかる例では、円形入力構成208は、前面の内側に奥まって配置されても、前面の一部の上に配置されてもよく、それにより、前面の一部が(前面の周縁部において)露出される。
【0103】
上述の実施形態のいずれにおいても、任意の円形入力構成を利用できるが、図18において、メディアデバイス500Aは、図13で説明したものと同様の円形入力構成208を備えている。すなわち、その円形入力構成は、傾斜可能な外側のリングと、押下可能な中央ボタンとを備える。しかしながら、図19では、少し異なる円形入力構成208を用いている。図19では、円形入力構成208は、タッチパッドとして実装されている。タッチパッドは、固定されていてもよいし、図13の円形入力構成と同様に構成された押下可能なタッチパッドであってもよい。いずれの場合でも、タッチパッドは、複数のボタン区域に分割されてよい。さらに、タッチパッドは、さらなる入力を提供するために利用されてもよい。例えば、タッチパッドを円形になぞることにより、音量を調節してもよいし、曲のグループ内で曲間を移行するために用いられてもよい。代替的または追加的に、円形入力構成は、回転可能であってもよい。
【0104】
さらに、上述の実施形態と同じく、図に示すように、メディアデバイスは、スイッチ214と、単一の統合型コネクタ204と、様々なインジケータ220とを備えてよい。ほとんどの場合、これらの機能は、図に示すように、円筒形ハウジング502の側面上に取り付けられる。あるいは、スイッチの代わりに、ボタンを用いてもよい。
【0105】
図20は、本発明の一実施形態に従って、メディアデバイス700を示すブロック図である。メディアデバイス700は、メディアデバイス700の動作全体を制御するためのマイクロプロセッサまたはコントローラに関連するプロセッサ702を備える。メディアデバイス700は、メディアアイテムに関連するメディアデータをファイルシステム704およびキャッシュ706に格納する。ファイルシステム704は、通例、ソリッドステート型の記憶媒体である。一例として、ソリッドステート型の記憶媒体は、フラッシュメモリであってよい。ファイルシステム704は、通例、大容量の記憶能力をメディアデバイス700に提供する。ファイルシステム704は、メディアデータだけでなく、非メディアデータも格納することが可能である。
【0106】
メディアデバイス700がメディア再生モードで動作する時、ファイルシステム704は、メディアファイルの格納および取り出しを行うことができる。メディア再生モードでは、メディアデバイス700は、メディアプレーヤと見なすことができる。あるいは、メディアデバイス700がデータモードで動作する時、ファイルシステム704は、データファイルの格納および取り出しを行うことができる。データモードでは、メディアデバイス700は、フラッシュドライブと見なすことができる。しかしながら、ファイルシステム704へのアクセス時間は比較的遅いため、メディアデバイス700は、さらに、キャッシュ706を備えてもよい。キャッシュ706は、例えば、半導体メモリによって実現されるランダムアクセスメモリ(RAM)である。キャッシュ706への相対アクセス時間は、ファイルシステム704よりも大幅に短い。しかしながら、キャッシュ706は、ファイルシステム704のような大容量の記憶能力を持たない。さらに、ファイルシステム704は、動作時に、キャッシュ706よりも多くの電力を消費する。消費電力は、メディアデバイス700がバッテリ(図示せず)によって電力を供給される携帯型メディアプレーヤである場合には、特に重要であることが多い。メディアデバイス700は、さらに、RAM720と、読み出し専用メモリ(ROM)722とを備える。ROM722は、実行すべきプログラム、ユーティリティ、または、処理を、不揮発的に格納できる。RAM720は、揮発性のデータストレージ(例えば、キャッシュ706用)を提供する。
【0107】
メディアデバイス700は、さらに、メディアデバイス700のユーザが、メディアデバイス700と相互作用することを可能にする1または複数のユーザ入力デバイス708を備える。例えば、ユーザ入力デバイス708は、ボタン、キーパッド、ダイヤル、スイッチなど、様々な形態を取りうる。データバス711は、少なくとも、ファイルシステム704、キャッシュ706、プロセッサ702、および、コーデック712の間のデータ転送を容易にすることができる。
【0108】
一実施形態では、メディアデバイス700は、複数のメディアアセット(例えば、曲、写真など)をファイルシステム704に格納するよう機能する。ユーザが、特定のメディアアセットをメディアデバイス700に再生させたい場合、ユーザは、ユーザ入力デバイス708を操作して、メディア再生モードを選択する。次いで、ユーザ入力デバイス708を用いて、ユーザは、次の利用可能なメディアアセットを再生できる。プロセッサ702は、特定のメディアアイテムの選択を受信すると、特定のメディアアイテムのためのメディアデータ(例えば、オーディオファイル)をコーダ/デコーダ(コーデック)712に供給する。次いで、コーデック712は、スピーカ714のためのアナログ出力信号を生成する。スピーカ714は、メディアデバイス700の内部のスピーカであってもよいし、メディアデバイス700の外部のスピーカであってもよい。例えば、メディアデバイス700に接続したヘッドホンまたはイヤホンは、外部スピーカと見なされる。
【0109】
さらに、本発明の一部の実施形態によると、メディアプレーヤは、特定のメディア再生モードに設定されてよい。モード選択は、通例、ユーザ入力デバイス708(スイッチまたはボタンなど)を用いて実行されてよい。2つの典型的なメディア再生モードとして、連続再生モードおよびシャッフル再生モードが挙げられる。一般的に、シャッフル再生モードでは、メディアプレーヤは、メディアアセットのリスト内のメディアアセットをランダムに再生し、連続再生モードでは、メディアプレーヤは、メディアアセットのリスト内のメディアアセットをデフォルトの順序で再生する。リストに含まれるメディアアセットのデフォルトの順序は、例えば、(i)曲名のアルファベット順、(ii)アルバムにおけるトラック位置による順序、または、(iii)メディアプレーヤにロードされたに日付順、であってよい。本発明の一実施形態では、メディア再生モードは、二位置スイッチを用いて選択される。二位置スイッチは、メディアプレーヤのユーザが、連続再生モードおよびシャッフル再生モードの間で選択を行うことを可能にする。
【0110】
メディアデバイス700は、さらに、データリンク718に接続するネットワーク/バス・インターフェース716を備える。データリンク718は、メディアデバイス700がホストコンピュータに接続することを可能にする。データリンク718は、有線接続または無線接続で提供されてよい。無線接続の場合には、ネットワーク/バス・インターフェース716は、無線トランシーバを含みうる。一実施形態では、メディアデバイス700は、ネットワーク/バス・インターフェースに接続された軸ジャックコネクタを含みうる。
【0111】
図20は、メディアデバイス700がディスプレイ(ディスプレイスクリーン)を備えることを示唆しないものではないことに注意されたい。従来のメディアプレーヤは、ユーザがメディアプレーヤと相互作用することを可能にするためにディスプレイを必要とするが、図20に示すメディアデバイス700は、ディスプレイを備えない。ディスプレイを備えないことにより、そのメディアプレーヤは、従来のメディアプレーヤよりも小型かつ軽量に構成することが可能になる。(少なくとも、電源またはホストコンピュータに接続されていない時に)メディアデバイス700の様々な構成要素に電力を供給するバッテリ720も、消費電力が低減されるために小型化が可能である。バッテリ720は、充電式であり、周辺機器用バスから得られる電力を用いて充電回路722によって充電されることが可能である。
【0112】
一実施形態では、ユーザと、(ディスプレイを持たない)メディアデバイス700との相互作用を円滑にするために、ユーザ入力デバイス708は、少なくともシャッフルスイッチを備えてよい。シャッフルスイッチは、ユーザが、メディアデバイス700で再生されるメディアアセット(例えば、曲)をシャッフルすることを可能にする。ユーザ入力デバイス708は、さらに、ユーザが、再生、一時停止、進む、戻る、一時的に制御入力を無効にする、および、メディアアセットをシャッフルし直すための要求を信号で送ることを可能にする制御入力デバイスを備えてよい。
【0113】
図21は、本発明の一実施形態に従って、メディア管理システム800を示すブロック図である。メディア管理システム800は、ホストコンピュータ802とメディアプレーヤ804とを備える。メディアプレーヤは、例えば、図20のメディアプレーヤ700であってよい。ホストコンピュータ802は、通例は、パーソナルコンピュータである。ホストコンピュータは、従来の構成要素の中で特に、管理モジュール806を備える。管理モジュール806は、ソフトウェアモジュールである。管理モジュール806は、ホストコンピュータ802上だけでなくメディアプレーヤ804上でも、メディアアセット(および/またはプレイリスト)の集中管理を実現する。より詳細には、管理モジュール806は、ホストコンピュータ802に関連するメディアストレージ808に格納されたメディアアセットを管理する。管理モジュール806は、さらに、メディアストレージ808に格納されたメディアアセットに関連するメディア情報を格納するために、メディアデータベース810と相互作用する。一部の実施形態は、さらに、ファイルマネージャ815を備えており、ファイルマネージャ815は、ホストコンピュータ802およびメディアプレーヤ804の両方において、他のデータファイル(すなわち、非メディアアセットファイル)の管理を行う。
【0114】
メディア情報は、メディアアセットの特性または属性に関する。例えば、オーディオメディアまたはオーディオビジュアルメディアの場合、メディア情報は、タイトル、アルバム、トラック、アーティスト、作曲者、および、ジャンルの内の1または複数を含みうる。これらの種類のメディア情報は、個々のメディアアセットに特有のものである。さらに、メディア情報は、メディアアセットの品質特性に関連してもよい。メディアアセットの品質特性の例は、ビットレート、サンプルレート、イコライザの設定、音量調節、開始/停止、および、総時間の内の1または複数を含みうる。
【0115】
さらに、一部の実施形態では、管理モジュール806は、さらに、データファイル(すなわち、ホストコンピュータ802上、通例は、ホストコンピュータのハードドライブ上に格納された非メディアアセットファイル)をメディアストレージ808とやり取りするために、ホストコンピュータ802と相互作用する。また、一部の実施形態において、随意的に設けられるデータストレージ809と間でデータファイルがやり取りされてもよく、データストレージ809は、メディアストレージ808と物理的および/または論理的に結合されていてもよいし、分離していてもよい。データファイルは、ファイルシステムに格納可能な任意のデータ、つまり、すべてのファイル形式を含むことを理解されたい。典型的なデータファイルとしては、テキスト文書、実行ファイル、および、画像ファイルが挙げられる。また、一部の実施形態において、管理モジュール806は、データファイルに直接アクセスしない。具体的には、ユーザが、ホストコンピュータ上のファイルマネージャ815を用いて、メディアプレーヤ804と間のファイルの転送、または、メディアプレーヤ804からのファイルの削除を行う。その時、メディアプレーヤは、例えば、ディスクドライブまたはリムーバブルな記憶媒体のように機能する。
【0116】
データストレージ809および/またはメディアストレージ808は、ホストコンピュータのファイルシステム内(例えば、図示しないハードドライブ上)の1または複数のディレクトリ(例えば、フォルダ)を利用できる。従来と同様に、データストレージ809に格納されたデータは、ファイルマネージャ815によってアクセスされることが可能である。さらに、一実施形態では、メディアストレージ808に格納されたメディアアセットも、ファイルマネージャ815によってアクセスされることが可能である。
【0117】
さらに、ホストコンピュータ802は、再生モジュール812を備える。再生モジュール812は、メディアストレージ808に格納されたメディアアセットを再生するために利用可能なソフトウェアモジュールである。一部の実施形態では、再生モジュール812は、さらに、メディアストレージ808外に格納されたメディアアセット(例えば、メディアプレーヤ804のデータストレージ820内に格納されたメディアアセットなど)を再生するために利用されることも可能である。
【0118】
ホストコンピュータ802は、さらに、メディアプレーヤ804内の対応する通信モジュール816と接続する通信モジュール814を備える。接続またはリンク818は、通信モジュール814および816を切断可能に接続する。一実施形態では、接続またはリンク818は、当業者に周知のFIREWIRE(登録商標)バスまたはUSBバスなどのデータバスを提供するケーブルおよび/またはドッキングステーションである。別の実施形態では、接続またはリンク818は、無線チャネル、または、無線ネットワークを介した接続である。さらに別の実施形態では、接続またはリンク818は、メディアプレーヤ804のコネクタをホストコンピュータ802のコネクタに直接結合することによって確立される接続である。この実施形態では、メディアプレーヤ804は、ケーブルもドッキングステーションも用いることなしにホストコンピュータ802に対して直接結合される。このように、実装に応じて、通信モジュール814および816は、有線通信を行ってもよいし、無線通信を行ってもよい。
【0119】
メディアプレーヤ804は、さらに、メディアプレーヤ804内にメディアアセットを格納するメディアストレージ820を備える。随意的に、メディアストレージ820は、データストレージ821内にデータファイルを格納することもできる。メディアアセットストレージ820またはデータストレージ821に格納されるメディアアセットまたはデータファイルは、通例、接続またはリンク818を介してホストコンピュータ802から受信される。より詳細には、管理モジュール806は、メディアストレージ808またはファイルストレージ809内に存在するメディアアセットまたはデータファイルの全部または一部を、接続またはリンク818を介して、メディアプレーヤ804内のメディアストレージ820またはファイルストレージ821に送信する。さらに、ホストコンピュータ802からメディアプレーヤ804に供給されるメディアアセットに対応したメディア情報を、メディアデータベース822内に格納することが可能である。これに関連して、ホストコンピュータ802内のメディアデータベース810からのメディア情報を、接続またはリンク818を介して、メディアプレーヤ804内のメディアデータベース822に送信することができる。さらに、メディアアセットの一部を特定するプレイリストが、管理モジュール806によって、接続またはリンク818を介して、メディアプレーヤ804内のメディアストレージ820またはメディアデータベース822に送信されてもよい。
【0120】
さらに、メディアプレーヤ804は、メディアストレージ820およびメディアデータベース822に接続した再生モジュール824を備える。再生モジュール824は、メディアストレージ820内に格納されたメディアアセットを再生するために利用可能なソフトウェアモジュールである。
【0121】
このように、一実施形態において、メディアプレーヤ804は、メディアプレーヤ804上でメディアアセットまたはデータファイルを管理する機能が限定されている、もしくは、かかる機能を全く備えない。しかしながら、ホストコンピュータ802内の管理モジュール806は、メディアプレーヤ804上に存在するメディアアセットを間接的に管理することができる。例えば、メディアアセットをメディアプレーヤ804に「追加」するために、管理モジュール806は、メディアストレージ808からメディアプレーヤ804に追加されるべきメディアアセットを特定するよう機能し、次いで、特定されたメディアアセットすなわちデータがメディアプレーヤ804に供給されるようにする。別の例としては、メディアプレーヤ804からメディアアセットを「削除」するために、管理モジュール806は、メディアストレージ808から削除されるべきメディアアセットを特定するよう機能し、次いで、特定されたメディアアセットがメディアプレーヤ804から削除されるようにする。さらに別の例として、ホストコンピュータ802において管理モジュール806を用いて、メディアアセットの特性に変更(すなわち、改変)がなされた場合に、かかる特性は、メディアプレーヤ804上の対応するメディアアセットにも反映されることが可能である。一実施例では、追加、削除、および/または、変更は、メディアプレーヤ804上のメディアアセットをホストコンピュータ802上のメディアアセットと同期させる際に、バッチ処理で実行される。
【0122】
また、一部の実施形態では、メディアプレーヤ804上のデータストレージは、ファイルストレージ821として指定されており、メディアストレージ820と物理的におよび/または論理的に結合されているか、もしくは、分離されている。上述のように、一部の実施形態では、管理モジュール806は、通常、ホストコンピュータ802上のファイルストレージ809とメディアプレーヤ804上のファイルストレージ821との間のデータの転送に関与しない。これらの実施形態では、ホストコンピュータ802上で動作するファイルマネージャ815が、ファイルストレージ809とファイルストレージ821との間のデータ転送を管理するために利用されてよい。例えば、ファイルマネージャ815を利用する時に、メディアプレーヤ804は、フラッシュドライブとして機能し、メディアプレーヤ804が従来のフラッシュドライブであるかのようにデータファイルへのアクセスが行われる。
【0123】
別の実施形態では、メディアプレーヤ804は、メディアプレーヤ804上のプレイリストを管理する機能が限定されている、もしくは、かかる機能を全く備えない。しかしながら、ホストコンピュータ802内の管理モジュール806は、ホストコンピュータ上に存在するプレイリストの管理を通じて、メディアプレーヤ804上に存在するプレイリストを間接的に管理できる。これに関連して、プレイリストの追加、削除、または、変更が、ホストコンピュータ802上で実行され、その後、メディアプレーヤ804に供給された時にメディアプレーヤ804に反映されることが可能である。
【0124】
上述のように、同期は、メディア管理の一形態である。自動的に同期を開始する機能についても、上述しており、上記の関連出願に記載されている。しかしながら、デバイス間の同期は、ホストコンピュータおよびメディアプレーヤが互いを認識しない場合には自動的な同期を行わないよう制限されてもよい。
【0125】
一実施例において、ホストコンピュータは、プレイリストについて利用を可能にすると共に管理を行うために、ホストコンピュータ上のアプリケーションを用いてよい。かかるアプリケーションの一例として、カリフォルニア州クパチーノのApple社が製造するiTunes(登録商標)が挙げられる。
【0126】
上述の実施形態のいくつかにおいて、メディアアイテム(すなわち、メディアアセット)として、オーディオアイテム(例えば、オーディオファイルまたは曲)について特に言及したが、メディアアイテムは、オーディオアイテムに限定されない。例えば、メディアアイテムは、ビデオ(例えば、映画)または画像(例えば、写真)に関するものであってもよい。
【0127】
上述した本発明の様々な態様、特徴、実施形態、または、実施例は、別個に、または、様々な組み合わせで利用してよい。
【0128】
本発明の方法は、ソフトウェア、ハードウェア、または、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせ、によって実施されることが可能である。また、本発明は、コンピュータ読み取り可能な媒体上のコンピュータ読み取り可能なコードとして実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体とは、コンピュータシステムによって読み取り可能なデータを格納できる任意のデータ記憶装置であり、上述したように転送デバイスおよび非転送デバイスの両方を含む。コンピュータ読み取り可能な媒体の例としては、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD−ROM、フラッシュメモリカード、DVD、磁気テープ、光学式データストレージデバイス、および、搬送波が挙げられる。また、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ読み取り可能なコードを分散的に格納および実行できるように、ネットワークに接続された複数のコンピュータシステムに分散されてもよい。
【0129】
本発明の多くの特徴および利点は、上述の説明から明らかであり、添付の特許請求の範囲によって、本発明のかかる特徴および利点を網羅するよう意図されている。さらに、多くの変形例および変更例が、当業者によって容易に想起されるため、本発明は、図示および説明された通りの構成および動作に限定されるものではない。したがって、本発明の範囲には、すべての適切な変形例および等価物が含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型メディアプレーヤであって、
前面および背面を有するハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、複数のデジタルメディアアセットおよびデータファイルを格納するよう構成されたメモリと、
前記ハウジングの前記前面に配置され、前記携帯型メディアプレーヤのユーザが、前記デジタルメディアアセットから、提供すべき少なくとも1つのデジタルメディアアセットを選択することを可能にするメディア制御入力部と、
前記ハウジングの前記背面に配置され、前記携帯型メディアプレーヤを着用可能にする一体型の取り付け機構と、
を備える、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記取り付け機構は、移動部材を備えたクリップであり、前記移動部材は、物が前記移動部材および前記ハウジングの間に挟まれることで前記メディアプレーヤを前記物に固定する閉位置と、前記物が前記移動部材および前記ハウジングの間に挟まれた状態から解放されることで前記メディアプレーヤを前記物から自由にする開位置との間で移動する、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記移動部材は、前記ハウジングの前記背面に対して旋回するプラットフォームである、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記プラットフォームは、前記閉位置へバネで付勢されている、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記プラットフォームは、前記ハウジングの内部にあるヒンジ機構を介して前記ハウジングに結合される、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項6】
請求項5に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記プラットフォームは、前記ハウジングの隆起部分を介して前記ハウジングの前記背面から離間しており、前記ヒンジ機構は、前記隆起部分内に配置されている、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項7】
請求項6に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記隆起部分は、前記ハウジングの端から端に至っている、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項8】
請求項6または7に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記隆起部分は丸みを帯びている、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項9】
請求項6ないし8のいずれかに記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記プラットフォームが、前記プラットフォームの底面から突出する肩部を備え、前記隆起部分が、前記ハウジングの内部に前記プラットフォームの前記肩部を受け入れるための開口部を備え、前記開口部の壁と前記肩部とが、旋回ピンを受け入れるための貫通孔を備えることで、前記プラットフォームは前記旋回ピンを中心に回転することが可能になっている、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項10】
請求項3に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記プラットフォームと、前記ハウジングの前記背面とは、各々、前記閉位置において互いにかみ合う歯を備え、前記歯は、前記ヒンジ機構と反対側に配置されている、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項11】
請求項1に記載の携帯型メディアプレーヤであって、ディスプレイを備えない、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項12】
請求項1に記載の携帯型メディアプレーヤであって、手のひらサイズ以下のサイズを有する、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項13】
請求項1に記載の携帯型メディアプレーヤであって、複数のデジタルメディアアセットが、メディアリストに関連付けられており、提供するために選択される少なくとも1つの前記メディアアセットは、前記メディアアセットリストから選択される、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項14】
請求項1に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メモリは不揮発性メモリである、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項15】
請求項14に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メモリはフラッシュメモリである、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項16】
請求項1に記載の携帯型メディアプレーヤであって、さらに、前記メモリおよび前記メディアプレーヤ入力部に動作可能に接続され、前記選択された少なくとも1つのメディアアセットを再生するよう動作するコントローラを備える、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項17】
ディスプレイを備えない携帯型メディアプレーヤであって、
前面と、I/O構成要素を備えない背面とを有するハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、複数のデジタルメディアアセットおよびデータファイルを格納するよう構成された不揮発性メモリと、
前記ハウジングの前記前面に配置され、前記携帯型メディアプレーヤのユーザが、前記携帯型メディアプレーヤの様々な態様を制御することを可能にする単一のメディア制御入力部と、
前記メモリおよび前記メディアプレーヤ入力部に動作可能に接続され、前記選択された少なくとも1つのメディアアセットを再生するよう動作するコントローラと、
を備える、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項18】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、15,000mm3未満の基本体積と、50mm×30mm×10mm未満の基本寸法と、20グラム未満の重量とを有する、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項19】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、8,230mm3未満の基本体積と、41.2mm×27.3mm×6mm未満の基本寸法と、16グラム未満の重量とを有する、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項20】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、7,735mm3未満の基本体積と、41.2mm×27.3mm×6mm未満の基本寸法と、16グラム未満の重量とを有する、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項21】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、4,500mm3未満の基本体積と、27.3mm×27.3mm×6mm未満の基本寸法と、16グラム未満の重量とを有する、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項22】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メディア制御入力部は、実質的に、前記メディアプレーヤの平坦な前面全体を占める、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項23】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記前面の面積と前記メディア制御入力部の面積との比は、3:1未満である、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項24】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記前面の面積と前記メディア制御入力部の面積との比は、2:1未満である、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項25】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記前面の面積と前記メディア制御入力部の面積との比は、約1:1である、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項26】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記前面の面積と前記メディア制御入力部の面積との比は、約2.85:1から約2.3:1の間である、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項27】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メディア制御入力部は、単一のデバイスに統合されている、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項28】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メディア制御入力部は、円形の入力部である、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項29】
請求項28に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記円形の入力部は、30mm未満の直径を有する、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項30】
請求項28に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記円形の入力部は、約20から27.3mmの間の直径を有する、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項31】
請求項28に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記円形の入力部は、約23mmである、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項32】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メディア制御構成は、中央ボタンの周りに円形配列で設けられた複数のボタンを含むクリック可能ボタン式アクチュエータとして実現される、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項33】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メディア制御入力部は、再生、一時停止、巻き戻し、早送り、前のメディアアセットにスキップ、次のメディアアセットにスキップ、音量上げ、および、音量下げ、から選択された制御を含む、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項34】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記ハウジングの形状は、前記メディア制御入力部の形状と適合している、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項35】
請求項34に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記ハウジングは円筒形であり、前記前面および前記背面は円形であり、前記メディア制御入力部は円形の入力部である、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項36】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メディア制御入力部は、実質的に、前記ハウジングの端から端に至っている、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項37】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、さらに、メディア再生モードを選択するよう構成され、前記ハウジングの側面上に配置されたスイッチ構成を備える、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項38】
請求項37に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記再生モードは、連続再生モードおよびシャッフル再生モードの内の一方である、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項39】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、さらに、ユーザへのフィードバックまたは前記携帯型メディアプレーヤの状態情報を供給するよう構成され、前記ハウジングの側面上に配置された1または複数のインジケータを備える、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項40】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、さらに、内部ヒンジ機構を介して前記ハウジングの丸みを帯びた隆起部分に旋回可能に結合されたプラットフォームを含む一体型のクリップを備え、前記プラットフォームは、物が前記プラットフォームおよび前記ハウジングの間に挟まれることで前記メディアプレーヤを前記物に固定する閉位置と、前記物が前記プラットフォームおよび前記ハウジングの間に挟まれた状態から解放されることで前記メディアプレーヤを前記物から自由にする開位置との間で回転する、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項41】
請求項40に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記ハウジングの体積は8,230mm3以下であり、前記ハウジングの基本寸法は41.2mm×27.3mm×6mm以下であり、前記ハウジングの前記丸みを帯びた隆起部分の直径は約3mmであり、前記プラットフォームの表面積は前記ハウジングの前記背面の表面積と同等であり、前記プラットフォームは約1mmの厚さを有し、前記メディアプレーヤは約41.2mm×27.3mm×10mmの全体サイズを有する、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項42】
携帯型メディアプレーヤであって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に伸びる単一の統合型コネクタポートであって、前記携帯型メディアプレーヤとデータ、電力、および、メディアをやり取りするための唯一のポートである、単一の統合型コネクタポートと、
前記ハウジング内に配置され、データファイルおよび複数のデジタルメディアアセットを格納するよう構成されたメモリモジュールであって、前記データファイルおよび前記複数のデジタルメディアアセットは、前記単一の統合型コネクタポートを通して転送される、メモリモジュールと、
前記ハウジング内に配置され、前記携帯型メディアプレーヤ上でのメディア動作を提供するよう構成されたメディアモジュールであって、前記不揮発性の電子メモリと協働してそこからメディアアセットを取り出し、前記単一の統合型コネクタポートを通して前記メディアアセットを前記携帯型電子デバイスのユーザに提供する、メディアモジュールと、
前記ハウジング内に配置され、前記携帯型メディアプレーヤへの電力供給または充電のために前記携帯型メディプレーヤの電力動作を制御するよう構成された電力モジュールであって、前記単一の統合型コネクタポートを通して電力を受ける、電力モジュールと、
を備える、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項43】
請求項42に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記単一の統合型コネクタポートは、横方向に並んで離間された接点を含む細長いコネクタポートではない、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項44】
請求項42に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記単一の統合型コネクタポートは、USBポートでもFIREWIREポートでもない、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項45】
請求項42に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記単一の統合型コネクタは、結合軸に沿ってオスプラグを受け入れるメスジャックである、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項46】
請求項45に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メスジャックは、軸開口部と、複数の機能を可能にするために前記軸開口部内に軸方向に離間して配置された複数の端子とを備える、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項47】
請求項45に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メスジャックは、オス型オーディオプラグ、オス型データプラグ、または、オス型電力プラグを受け入れることができる、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項48】
請求項45に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メスジャックは、前記軸開口部が内部に形成されたコネクタ本体を備え、そこに、前記複数の端子が設置される、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項49】
請求項48に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メスジャックは、さらに、前記軸開口部から前記コネクタ本体の縁部まで前記コネクタ本体を貫通する接続ピンを備え、前記メディアプレーヤの内部回路が、前記接続ピンにおいて前記メスジャックに接続する、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項50】
請求項45に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メスジャックは、2つのデータ端子(+、−)、アース、電圧(+5V)、および、プラグ検出端子を備える、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項51】
請求項50に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記2つのデータ端子は、異なる動作モードで共用され、前記携帯型メディアプレーヤがデータ転送モードである時にはデータを転送に利用され、前記携帯型メディアプレーヤがオーディオ出力モードである時にはオーディオの出力に利用される、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項52】
請求項42に記載の携帯型メディアプレーヤであって、さらに、前記ハウジング内に配置され、少なくとも電源から切り離された時に必要に応じて前記携帯型メディアプレーヤに電力を供給するよう構成された充電式バッテリを備え、前記充電式バッテリは、前記単一の統合型コネクタポートを通して伝送される電力によって充電可能である、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項53】
ドッキングシステムであって、
携帯型メディアプレーヤであって、
前面、側面、および、背面を有するハウジングと、
前記ハウジングの前記前面に配置された単一のメディア制御入力部と、
前記ハウジングの前記側面に配置された単一の統合型コネクタポートと、
前記ハウジングの前記背面に取り付けられた一体型クリップと、を備え、
前記クリップは、前記背面から離間されていることにより前記背面との間に空間を作るプラットフォームを備える、携帯型メディアプレーヤと、
ドッキングステーションであって、
上面に部分的な凹部として形成されたスロットを有する基部を備え、
前記凹部は、前記単一の統合型コネクタポートを備えた前記携帯型メディアプレーヤの端部を受け入れるよう構成されており、
前記凹部の内周面は、前記ハウジングの前記前面と前記プラットフォームの外面とを含む前記携帯メディアプレーヤの外周面を受け入れるようなサイズおよび寸法を有し、
前記ドッキングステーションは、さらに、前記携帯型メディアプレーヤが前記ドッキングステーションの前記凹部内に配置された時に前記単一の統合型コネクタポートにはまり込む単一の統合型コネクタプラグを備え、
前記コネクタポートおよび前記コネクタプラグの間のインターフェースは、データ、電力、および、メディアをやり取りするよう構成されている、ドッキングステーションと、
を備える、ドッキングシステム。
【請求項54】
請求項53に記載のドッキングシステムであって、前記ドッキングステーションは、さらに、前記凹部内に配置された案内ポストを備え、前記案内ポストは、前記携帯型メディアプレーヤが前記凹部内に挿入された時に前記ハウジングの前記背面と前記プラットフォームの内面との間に形成される前記空間内に伸びる、ドッキングシステム。
【請求項55】
請求項53に記載のドッキングシステムであって、前記ドッキングステーションは、スタンドアローン型の装置である、ドッキングシステム。
【請求項56】
請求項53に記載のドッキングシステムであって、前記ドッキングステーションは、電子デバイス内に一体化されている、ドッキングシステム。
【請求項57】
ホストコンピュータに接続された時にリムーバブル記憶媒体として動作可能であると共に、前記ホストコンピュータから切り離された時にメディアプレーヤとして動作可能である携帯型電子デバイスであって、
前面、第1の側面、第2の側面、および、背面を有するハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、複数のデジタルオーディオアセットおよびデータファイルを格納するよう構成された不揮発性メモリと、
前記ハウジング内に配置され、少なくとも電源から切り離された時に必要に応じて前記携帯型メディアプレーヤに電力を供給するよう構成された充電式バッテリと、
前記ハウジングの前記前面に配置された単一の統合型メディア制御入力部であって、中央ボタンの周りに円形配列で設けられた複数の一体型外側ボタンを含むクリック可能ボタン式アクチュエータとして実現され、前記中央ボタンは、再生/一時停止を開始し、前記外側ボタンは、前のメディアアセットへのスキップ、次のメディアアセットへのスキップ、音量上げ、および、音量下げを開始するためのボタンを含む、単一の統合型メディア制御入力部と、
前記第1の側面に配置され、連続再生モードおよびシャッフル再生モードの一方であるメディア再生モードを少なくとも選択するよう構成されたスイッチ構成と、
前記第2の側面に配置され、前記携帯型メディアプレーヤおよびホストの間でデジタルメディアアセットおよびデータファイルを転送する機能と、前記携帯型メディアプレーヤに電源から電力を伝送する機能と、聴くためにデジタルオーディオアセットを出力する機能とを有する単一の統合型コネクタと、
前記ハウジングの前記側面に配置され、ユーザへのフィードバックまたは前記携帯型メディアプレーヤの状態情報を供給する1または複数のインジケータであって、前記携帯型メディアプレーヤはディスプレイを備えない、インジケータと、
前記メモリ、前記メディアプレーヤ入力部、前記スイッチ構成、前記コネクタ、および、前記インジケータに動作可能に接続され、前記選択された少なくとも1つのメディアアセットを再生するよう動作するコントローラと、
前記ハウジングと一体化されて前記ハウジングの前記背面に配置され、前記携帯型メディアプレーヤを着用可能にするクリップと、
を備え、
前記クリップは、前記ハウジングの前記背面と実質的に同じ輪郭を有するプラットフォームを備え、前記プラットフォームは、前記背面に取り付けられ、挟み込むために衣類を挿入できる開位置と、前記プラットフォームおよび前記ハウジングの前記背面の間に前記衣類を挟むことで前記携帯型メディアプレーヤを前記衣類に固定する閉位置との間で移動する、
携帯型電子デバイス。
【請求項1】
携帯型メディアプレーヤであって、
前面および背面を有するハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、複数のデジタルメディアアセットおよびデータファイルを格納するよう構成されたメモリと、
前記ハウジングの前記前面に配置され、前記携帯型メディアプレーヤのユーザが、前記デジタルメディアアセットから、提供すべき少なくとも1つのデジタルメディアアセットを選択することを可能にするメディア制御入力部と、
前記ハウジングの前記背面に配置され、前記携帯型メディアプレーヤを着用可能にする一体型の取り付け機構と、
を備える、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記取り付け機構は、移動部材を備えたクリップであり、前記移動部材は、物が前記移動部材および前記ハウジングの間に挟まれることで前記メディアプレーヤを前記物に固定する閉位置と、前記物が前記移動部材および前記ハウジングの間に挟まれた状態から解放されることで前記メディアプレーヤを前記物から自由にする開位置との間で移動する、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記移動部材は、前記ハウジングの前記背面に対して旋回するプラットフォームである、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記プラットフォームは、前記閉位置へバネで付勢されている、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記プラットフォームは、前記ハウジングの内部にあるヒンジ機構を介して前記ハウジングに結合される、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項6】
請求項5に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記プラットフォームは、前記ハウジングの隆起部分を介して前記ハウジングの前記背面から離間しており、前記ヒンジ機構は、前記隆起部分内に配置されている、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項7】
請求項6に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記隆起部分は、前記ハウジングの端から端に至っている、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項8】
請求項6または7に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記隆起部分は丸みを帯びている、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項9】
請求項6ないし8のいずれかに記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記プラットフォームが、前記プラットフォームの底面から突出する肩部を備え、前記隆起部分が、前記ハウジングの内部に前記プラットフォームの前記肩部を受け入れるための開口部を備え、前記開口部の壁と前記肩部とが、旋回ピンを受け入れるための貫通孔を備えることで、前記プラットフォームは前記旋回ピンを中心に回転することが可能になっている、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項10】
請求項3に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記プラットフォームと、前記ハウジングの前記背面とは、各々、前記閉位置において互いにかみ合う歯を備え、前記歯は、前記ヒンジ機構と反対側に配置されている、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項11】
請求項1に記載の携帯型メディアプレーヤであって、ディスプレイを備えない、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項12】
請求項1に記載の携帯型メディアプレーヤであって、手のひらサイズ以下のサイズを有する、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項13】
請求項1に記載の携帯型メディアプレーヤであって、複数のデジタルメディアアセットが、メディアリストに関連付けられており、提供するために選択される少なくとも1つの前記メディアアセットは、前記メディアアセットリストから選択される、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項14】
請求項1に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メモリは不揮発性メモリである、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項15】
請求項14に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メモリはフラッシュメモリである、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項16】
請求項1に記載の携帯型メディアプレーヤであって、さらに、前記メモリおよび前記メディアプレーヤ入力部に動作可能に接続され、前記選択された少なくとも1つのメディアアセットを再生するよう動作するコントローラを備える、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項17】
ディスプレイを備えない携帯型メディアプレーヤであって、
前面と、I/O構成要素を備えない背面とを有するハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、複数のデジタルメディアアセットおよびデータファイルを格納するよう構成された不揮発性メモリと、
前記ハウジングの前記前面に配置され、前記携帯型メディアプレーヤのユーザが、前記携帯型メディアプレーヤの様々な態様を制御することを可能にする単一のメディア制御入力部と、
前記メモリおよび前記メディアプレーヤ入力部に動作可能に接続され、前記選択された少なくとも1つのメディアアセットを再生するよう動作するコントローラと、
を備える、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項18】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、15,000mm3未満の基本体積と、50mm×30mm×10mm未満の基本寸法と、20グラム未満の重量とを有する、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項19】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、8,230mm3未満の基本体積と、41.2mm×27.3mm×6mm未満の基本寸法と、16グラム未満の重量とを有する、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項20】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、7,735mm3未満の基本体積と、41.2mm×27.3mm×6mm未満の基本寸法と、16グラム未満の重量とを有する、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項21】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、4,500mm3未満の基本体積と、27.3mm×27.3mm×6mm未満の基本寸法と、16グラム未満の重量とを有する、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項22】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メディア制御入力部は、実質的に、前記メディアプレーヤの平坦な前面全体を占める、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項23】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記前面の面積と前記メディア制御入力部の面積との比は、3:1未満である、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項24】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記前面の面積と前記メディア制御入力部の面積との比は、2:1未満である、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項25】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記前面の面積と前記メディア制御入力部の面積との比は、約1:1である、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項26】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記前面の面積と前記メディア制御入力部の面積との比は、約2.85:1から約2.3:1の間である、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項27】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メディア制御入力部は、単一のデバイスに統合されている、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項28】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メディア制御入力部は、円形の入力部である、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項29】
請求項28に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記円形の入力部は、30mm未満の直径を有する、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項30】
請求項28に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記円形の入力部は、約20から27.3mmの間の直径を有する、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項31】
請求項28に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記円形の入力部は、約23mmである、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項32】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メディア制御構成は、中央ボタンの周りに円形配列で設けられた複数のボタンを含むクリック可能ボタン式アクチュエータとして実現される、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項33】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メディア制御入力部は、再生、一時停止、巻き戻し、早送り、前のメディアアセットにスキップ、次のメディアアセットにスキップ、音量上げ、および、音量下げ、から選択された制御を含む、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項34】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記ハウジングの形状は、前記メディア制御入力部の形状と適合している、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項35】
請求項34に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記ハウジングは円筒形であり、前記前面および前記背面は円形であり、前記メディア制御入力部は円形の入力部である、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項36】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メディア制御入力部は、実質的に、前記ハウジングの端から端に至っている、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項37】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、さらに、メディア再生モードを選択するよう構成され、前記ハウジングの側面上に配置されたスイッチ構成を備える、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項38】
請求項37に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記再生モードは、連続再生モードおよびシャッフル再生モードの内の一方である、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項39】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、さらに、ユーザへのフィードバックまたは前記携帯型メディアプレーヤの状態情報を供給するよう構成され、前記ハウジングの側面上に配置された1または複数のインジケータを備える、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項40】
請求項17に記載の携帯型メディアプレーヤであって、さらに、内部ヒンジ機構を介して前記ハウジングの丸みを帯びた隆起部分に旋回可能に結合されたプラットフォームを含む一体型のクリップを備え、前記プラットフォームは、物が前記プラットフォームおよび前記ハウジングの間に挟まれることで前記メディアプレーヤを前記物に固定する閉位置と、前記物が前記プラットフォームおよび前記ハウジングの間に挟まれた状態から解放されることで前記メディアプレーヤを前記物から自由にする開位置との間で回転する、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項41】
請求項40に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記ハウジングの体積は8,230mm3以下であり、前記ハウジングの基本寸法は41.2mm×27.3mm×6mm以下であり、前記ハウジングの前記丸みを帯びた隆起部分の直径は約3mmであり、前記プラットフォームの表面積は前記ハウジングの前記背面の表面積と同等であり、前記プラットフォームは約1mmの厚さを有し、前記メディアプレーヤは約41.2mm×27.3mm×10mmの全体サイズを有する、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項42】
携帯型メディアプレーヤであって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に伸びる単一の統合型コネクタポートであって、前記携帯型メディアプレーヤとデータ、電力、および、メディアをやり取りするための唯一のポートである、単一の統合型コネクタポートと、
前記ハウジング内に配置され、データファイルおよび複数のデジタルメディアアセットを格納するよう構成されたメモリモジュールであって、前記データファイルおよび前記複数のデジタルメディアアセットは、前記単一の統合型コネクタポートを通して転送される、メモリモジュールと、
前記ハウジング内に配置され、前記携帯型メディアプレーヤ上でのメディア動作を提供するよう構成されたメディアモジュールであって、前記不揮発性の電子メモリと協働してそこからメディアアセットを取り出し、前記単一の統合型コネクタポートを通して前記メディアアセットを前記携帯型電子デバイスのユーザに提供する、メディアモジュールと、
前記ハウジング内に配置され、前記携帯型メディアプレーヤへの電力供給または充電のために前記携帯型メディプレーヤの電力動作を制御するよう構成された電力モジュールであって、前記単一の統合型コネクタポートを通して電力を受ける、電力モジュールと、
を備える、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項43】
請求項42に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記単一の統合型コネクタポートは、横方向に並んで離間された接点を含む細長いコネクタポートではない、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項44】
請求項42に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記単一の統合型コネクタポートは、USBポートでもFIREWIREポートでもない、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項45】
請求項42に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記単一の統合型コネクタは、結合軸に沿ってオスプラグを受け入れるメスジャックである、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項46】
請求項45に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メスジャックは、軸開口部と、複数の機能を可能にするために前記軸開口部内に軸方向に離間して配置された複数の端子とを備える、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項47】
請求項45に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メスジャックは、オス型オーディオプラグ、オス型データプラグ、または、オス型電力プラグを受け入れることができる、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項48】
請求項45に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メスジャックは、前記軸開口部が内部に形成されたコネクタ本体を備え、そこに、前記複数の端子が設置される、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項49】
請求項48に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メスジャックは、さらに、前記軸開口部から前記コネクタ本体の縁部まで前記コネクタ本体を貫通する接続ピンを備え、前記メディアプレーヤの内部回路が、前記接続ピンにおいて前記メスジャックに接続する、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項50】
請求項45に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記メスジャックは、2つのデータ端子(+、−)、アース、電圧(+5V)、および、プラグ検出端子を備える、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項51】
請求項50に記載の携帯型メディアプレーヤであって、前記2つのデータ端子は、異なる動作モードで共用され、前記携帯型メディアプレーヤがデータ転送モードである時にはデータを転送に利用され、前記携帯型メディアプレーヤがオーディオ出力モードである時にはオーディオの出力に利用される、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項52】
請求項42に記載の携帯型メディアプレーヤであって、さらに、前記ハウジング内に配置され、少なくとも電源から切り離された時に必要に応じて前記携帯型メディアプレーヤに電力を供給するよう構成された充電式バッテリを備え、前記充電式バッテリは、前記単一の統合型コネクタポートを通して伝送される電力によって充電可能である、携帯型メディアプレーヤ。
【請求項53】
ドッキングシステムであって、
携帯型メディアプレーヤであって、
前面、側面、および、背面を有するハウジングと、
前記ハウジングの前記前面に配置された単一のメディア制御入力部と、
前記ハウジングの前記側面に配置された単一の統合型コネクタポートと、
前記ハウジングの前記背面に取り付けられた一体型クリップと、を備え、
前記クリップは、前記背面から離間されていることにより前記背面との間に空間を作るプラットフォームを備える、携帯型メディアプレーヤと、
ドッキングステーションであって、
上面に部分的な凹部として形成されたスロットを有する基部を備え、
前記凹部は、前記単一の統合型コネクタポートを備えた前記携帯型メディアプレーヤの端部を受け入れるよう構成されており、
前記凹部の内周面は、前記ハウジングの前記前面と前記プラットフォームの外面とを含む前記携帯メディアプレーヤの外周面を受け入れるようなサイズおよび寸法を有し、
前記ドッキングステーションは、さらに、前記携帯型メディアプレーヤが前記ドッキングステーションの前記凹部内に配置された時に前記単一の統合型コネクタポートにはまり込む単一の統合型コネクタプラグを備え、
前記コネクタポートおよび前記コネクタプラグの間のインターフェースは、データ、電力、および、メディアをやり取りするよう構成されている、ドッキングステーションと、
を備える、ドッキングシステム。
【請求項54】
請求項53に記載のドッキングシステムであって、前記ドッキングステーションは、さらに、前記凹部内に配置された案内ポストを備え、前記案内ポストは、前記携帯型メディアプレーヤが前記凹部内に挿入された時に前記ハウジングの前記背面と前記プラットフォームの内面との間に形成される前記空間内に伸びる、ドッキングシステム。
【請求項55】
請求項53に記載のドッキングシステムであって、前記ドッキングステーションは、スタンドアローン型の装置である、ドッキングシステム。
【請求項56】
請求項53に記載のドッキングシステムであって、前記ドッキングステーションは、電子デバイス内に一体化されている、ドッキングシステム。
【請求項57】
ホストコンピュータに接続された時にリムーバブル記憶媒体として動作可能であると共に、前記ホストコンピュータから切り離された時にメディアプレーヤとして動作可能である携帯型電子デバイスであって、
前面、第1の側面、第2の側面、および、背面を有するハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、複数のデジタルオーディオアセットおよびデータファイルを格納するよう構成された不揮発性メモリと、
前記ハウジング内に配置され、少なくとも電源から切り離された時に必要に応じて前記携帯型メディアプレーヤに電力を供給するよう構成された充電式バッテリと、
前記ハウジングの前記前面に配置された単一の統合型メディア制御入力部であって、中央ボタンの周りに円形配列で設けられた複数の一体型外側ボタンを含むクリック可能ボタン式アクチュエータとして実現され、前記中央ボタンは、再生/一時停止を開始し、前記外側ボタンは、前のメディアアセットへのスキップ、次のメディアアセットへのスキップ、音量上げ、および、音量下げを開始するためのボタンを含む、単一の統合型メディア制御入力部と、
前記第1の側面に配置され、連続再生モードおよびシャッフル再生モードの一方であるメディア再生モードを少なくとも選択するよう構成されたスイッチ構成と、
前記第2の側面に配置され、前記携帯型メディアプレーヤおよびホストの間でデジタルメディアアセットおよびデータファイルを転送する機能と、前記携帯型メディアプレーヤに電源から電力を伝送する機能と、聴くためにデジタルオーディオアセットを出力する機能とを有する単一の統合型コネクタと、
前記ハウジングの前記側面に配置され、ユーザへのフィードバックまたは前記携帯型メディアプレーヤの状態情報を供給する1または複数のインジケータであって、前記携帯型メディアプレーヤはディスプレイを備えない、インジケータと、
前記メモリ、前記メディアプレーヤ入力部、前記スイッチ構成、前記コネクタ、および、前記インジケータに動作可能に接続され、前記選択された少なくとも1つのメディアアセットを再生するよう動作するコントローラと、
前記ハウジングと一体化されて前記ハウジングの前記背面に配置され、前記携帯型メディアプレーヤを着用可能にするクリップと、
を備え、
前記クリップは、前記ハウジングの前記背面と実質的に同じ輪郭を有するプラットフォームを備え、前記プラットフォームは、前記背面に取り付けられ、挟み込むために衣類を挿入できる開位置と、前記プラットフォームおよび前記ハウジングの前記背面の間に前記衣類を挟むことで前記携帯型メディアプレーヤを前記衣類に固定する閉位置との間で移動する、
携帯型電子デバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
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【図8】
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【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2012−198571(P2012−198571A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−139709(P2012−139709)
【出願日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【分割の表示】特願2009−527497(P2009−527497)の分割
【原出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(503260918)アップル インコーポレイテッド (568)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−139709(P2012−139709)
【出願日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【分割の表示】特願2009−527497(P2009−527497)の分割
【原出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(503260918)アップル インコーポレイテッド (568)
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