説明

電気メッキ設備廃水のCOD測定方法および廃水管理システム

【課題】鋼板のストリップにスズメッキを行う電気メッキ設備から排出されるCOD含有廃水中のCOD濃度を、連続的、簡易に測定する方法および同方法を利用する電気メッキ設備廃水の管理システムを提供する。
【解決手段】鋼板のストリップにスズメッキを行う電気メッキ設備から排出されるCOD含有廃水中のCOD濃度を、当該廃水中のCOD濃度と相関関係を有するTOC濃度を測定することにより測定する電気メッキ設備廃水のCOD測定方法、および、鋼板のストリップに連続的にスズメッキを行う電気メッキ設備と、当該電気メッキ設備から排出されるCOD含有廃水中のCOD濃度を、当該廃水中のCOD濃度と相関関係を有するTOC濃度を測定することにより連続的に測定するためのTOC自動測定器と、測定したTOC濃度に基づき廃水処理量の制御を行う手段とを設けた電気メッキ設備の廃水管理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気メッキ設備から排出される廃水中のCOD濃度の測定方法に関する。更に詳しくは、鋼板のストリップに連続的にスズメッキを行う電気メッキ設備から排出されるCOD成分含有廃水中のCOD濃度を、TOC濃度を測定することにより測定する電気メッキ設備廃水のCOD濃度測定方法および当該方法を利用した電気メッキ設備の廃水管理システム関するものである。
【背景技術】
【0002】
表面処理鋼板は、鋼板の強度、靱性、耐食性や外観に優れた鉄鋼製品であり、用途に応じて種種の表面処理が行われている。これらの表面処理鋼板は、電気メッキ鋼板、溶融メッキ鋼鉄、有機皮膜鋼板に大別され、その中でも、鋼板にスズ金属をメッキした表面処理鋼板であるブリキは、製缶用材料として大量に生産されており、その大半が電気メッキ法により生産されている(非特許文献1)。
【0003】
電気メッキブリキの製造方法については、既に基本的な製法が完成しており、電気メッキ設備は大別すると、冷延鋼板を電気メッキする為の前処理工程である酸洗ライン、冷間圧延ラインおよび焼鈍/調圧ラインと、電気メッキラインとから構成される。この中で、設備の中心を成す電気メッキラインは、調質圧延された鋼板ストリップを連続的に送り出す入り口部、ストリップに各種の処理を施す処理部、およびスズメッキされたストリップをコイルに巻き取るリールあるいは切板にせん断する出口部よりなる(同非特許文献1)。
【0004】
ところで、前記処理部での鋼板ストリップへの電気メッキにおいては、ストリップ表面の油を除去するアルカリ電解洗浄工程で使用する界面活性剤や電気メッキ工程で使用する有機化合物に由来するCOD成分が不可避的に発生し、電気メッキラインからの廃水中に含有される。この廃水は電気メッキ設備の他のラインから排出される廃水と統合され、その後、中和処理や沈殿処理等の廃水処理を行った後に一般排水として放流される。
【0005】
一般に、電気メッキ設備から排出される統合廃水は、廃水量として約500m3/hrにも及び、廃水中のCOD濃度を監視し、異常操業の早期発見と多量のCOD成分含有廃水の排出を回避することが求められている。
【0006】
そのため、電気メッキ設備からの廃水中のCOD濃度を連続的に測定することが必要であるが、一般的な過マンガン酸カリウムを使用するJIS K 0102の方法では、たとえ自動測定器を使用したとしても検査に長時間を要しCOD濃度を連続的に測定することができなかった。
【0007】
一方、特許文献1には、硫黄系廃水のCODを連続的に測定する方法として、モニタリング手段にUV計を使用する方法が開示されている。しかしながら、同文献段落0042に記載されているように、UV計における測定において、廃水に含まれる化合物類、例えば、チオ硫酸イオンや硫化物イオンのそれぞれの濃度と、吸光度測定値との間に一次比例の関係がある場合においても、廃水中のチオ硫酸イオンと硫化物イオンの組成が変化すると、吸光度測定値が一次比例関係からずれることや、塩素が共存すると誤差を生じるという問題がある。この為、同文献ではUV計だけでなく、誤差補正用のORP計を組み合わせたシステムを開示しているが、測定装置が増えてシステムが複雑化するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−06316号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】鉄鋼便覧(第3版) 日本鉄鋼協会編 401〜408頁(丸善株式会社)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
かかる状況下、本発明の目的は、鋼板のストリップに連続的にスズメッキを行う電気メッキ設備から排出される廃水中のCOD濃度を簡便な手段により連続的に測定する電気メッキ設備廃水のCOD濃度の測定方法および当該測定方法を使用する電気メッキ設備廃水管理システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、鋼板のストリップに連続的にスズメッキを行う電気メッキ設備から排出される廃水においては、廃水中のCOD濃度の管理を、当該廃水中のCOD濃度と相関関係を有するTOC濃度の測定により行うことができることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 鋼板のストリップにスズメッキを行う電気メッキ設備から排出されるCOD含有廃水中のCOD濃度を、当該廃水中のCOD濃度と相関関係を有するTOC濃度を測定することにより測定する電気メッキ設備廃水のCOD測定方法。
<2> 前記TOC濃度の測定をTOC自動測定器により連続的におこなう前記<1>に記載の電気メッキ設備廃水のCOD測定方法。
<3> 電気メッキ設備が、電解洗浄工程と電気メッキ工程とを含む電気メッキラインを有する前記<1>または<2>に記載の電気メッキ設備廃水のCOD測定方法。
<4> COD成分が、電解洗浄工程及び電気メッキ工程で使用される有機化合物に由来する前記<3>に記載の電気メッキ設備廃水のCOD測定方法。
<5> 廃水中のCOD濃度が2000mg/L以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の電気メッキ設備廃水のCOD測定方法。
<6> 鋼板のストリップに連続的にスズメッキを行う電気メッキ設備と、当該電気メッキ設備から排出されるCOD含有廃水中のCOD濃度を、当該廃水中のCOD濃度と相関関係を有するTOC濃度を測定することにより連続的に測定するためのTOC自動計測器と、測定したTOC濃度に基づき廃水処理量の制御を行う手段を設けた電気メッキ設備の廃水管理システム。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、鋼板のストリップに連続的にスズメッキを行う電気メッキ設備から排出される廃水中のCOD成分を簡便な手段により連続的に測定する電気メッキ設備廃水のCOD濃度の測定方法および当該測定方法を使用する電気メッキ設備の廃水管理システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】メッキ設備および同設備からの廃水フローの概要である。
【図2】電気メッキラインの概要である。
【図3】電気メッキラインからの廃水フローの概要である。
【図4】電気メッキライン廃水サンプル(1)のCODとTOCの測定値の検量線である。
【図5】電気メッキライン廃水サンプル(2)のCODとTOCの測定値の検量線である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明につき具体的に説明する。
先ず、本発明の第1の態様は、鋼板のストリップにスズメッキを行う電気メッキ設備から排出されるCOD含有廃水中のCOD濃度を、当該廃水中のCOD濃度と相関関係を有するTOC濃度を測定することにより測定する電気メッキ設備廃水のCOD測定方法に係るものである。前記TOC濃度の測定は、TOC自動測定器により連続的に行うことが効率的な面からより好ましい。
【0015】
ここで、電気メッキ設備とは、電気メッキを行うための電気メッキラインおよびその前処理工程(ライン)、後処理工程(ライン)をいう。また、廃水とは、電気メッキ設備の各ラインから排出される処理水をいい、排水とはこれらの廃水を含む上位概念であり、電気メッキ設備以外からの廃水や雨水等を含むものをいう。
また、CODとは、廃水中に存在する酸化可能物質が酸化されて無機酸化物になる際に、その酸化によって消費された酸化剤に対応する酸素量をもって表され、TOCとは、全有機炭素を意味し、有機物として溶液中に残留しているCの総量を表す。
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明につき説明する。
図1は、電気メッキ設備および当該設備から排出される廃水のフローの概要を示したものである。鋼板は、先ず酸洗ライン1で表面のスケールを除去される。次に、冷間圧延ライン2で板厚が規定の厚さのストリップに圧延され、引き続き焼鈍/調圧ライン3でストリップ表面の圧延油のアルカリ電解洗浄や調質圧延等が行われる。その後、電気メッキライン4で電気メッキが施され、ブリキ製品となる。
一方、上記各ラインからの廃水は、各々の統合廃水ピット6a,6b,6c,6dから廃水集合配管5を通り、廃水処理設備7で処理後一般排水として放流される。
【0017】
図2は、電気メッキ設備の中心を成す電気メッキラインの概要を表したものである。前工程(ライン)で調質圧延された鋼板のストリップが、ペイオフリール41から送りだされ、ウエルダー42、ルーパー43を経て電解洗浄工程11に送られる。電解洗浄工程11は、アルカリ洗浄槽、酸洗浄槽、水洗槽等からなる電解洗浄槽44からなり、良好な電気メッキを行うためにストリップ表面が洗浄される。アルカリ洗浄槽には、洗浄効果を高める為に通常界面活性剤等の有機化合物が添加される。
【0018】
次に、洗浄されたストリップは、電気メッキ工程12に送られメッキ槽45にてストリップ表面にスズがメッキされる。スズメッキの前に耐食性向上を目的としてニッケルメッキを行っても良い。最後のメッキ槽を出たストリップは、ドラッグアウト槽46で洗浄され、洗い落とされたメッキ液は真空蒸発器(図示せず)により濃縮回収される。メッキ槽45にはフェノールスルフォン酸(PAS)、硫酸、フェノール等を含有するメッキ液が供給され、また通常製品の光沢性を向上させる目的でポリオキシエチレンモノナフチルエーテル(EN)等の界面活性剤が添加されている。
【0019】
スズメッキされたストリップを、スズ層溶融(メルト)工程13によりスズの融点以上に加熱してスズを溶融(リフロー)し、直ちに水冷することによって光沢のあるブリキが製造される。更に、化学処理工程14により、化学処理槽47でクロム酸系の水溶液による化学処理がなされ、電気メッキ工程で発生したスズ酸化物を除去し、水和酸化クロム層を形成することが行われる。その後、疵検査装置48を経てテンションリール49に巻き取られる。なお、ストリップの供給・巻取り速度は、一般に100〜500m/min程度である。
【0020】
ところで、上記電気メッキラインから排出される廃水は、他のラインからの廃水と統合され、中和処理や沈殿処理を行った後に放流される。しかし、電気メッキラインでは、電解洗浄工程や電気メッキ工程で、PASやEN等を使用するため、廃水中にCOD成分が不可避的に混入する。
【0021】
図3は、電気メッキライン4周りの廃水のフローを示したものである。
メッキ工程では、ドラッグアウト槽46から回収されるドラッグアウトがドラッグアウト循環タンク51に導かれる。ドラッグアウトはメッキ槽(図示せず)へリサイクルされ再使用されるが、その一部が廃水としてドラッグアウト貯蔵タンク52へ移される。ドラッグアウト貯蔵タンク52に貯蔵された廃水は通常40,000mg/L(ppm)に及ぶ高濃度CODを含有する為、定量ポンプ53により、流量を制御しながら切り出される。このように統合された廃水は統合廃水ピット6dに貯蔵される。また、ドラッグアウト循環タンク51以外に集められる非定常的なCOD成分含有廃水は、廃水流路8を介してCODピット54に貯蔵され、適宜統合廃水ピット6dに導かれる。これらの廃水は、その後、廃水処理設備7へ導かれ、中和処理、沈殿処理等がなされるが、廃水処理設備7の処理能力に応じ、廃水の供給量と廃水中のCOD含有量が規制される。たとえば、処理すべき電気メッキ設備の廃水流量が500m3/hr以上の場合においては、電気メッキ工程の廃水中のCOD濃度を150ppm以下にコントロールすることが求められる。
【0022】
そこで、廃水中のCOD濃度は、連続的に測定・解析され廃水処理設備7への流量値のコントロールや異常COD検値時の供給停止を行うことが求められる。しかし、COD濃度の測定法として確立されている過マンガン酸カリウムを使用するJIS K 0102の方法では、検査に時間を要し、連続的な測定・解析が困難である。そこで、簡易・迅速にCOD濃度を測定・解析する方法として、電解メッキラインからの廃水においては、後述のようにTOC濃度を測定することにより、間接的にCOD濃度を求めることができることを検証した。
即ち、本発明の電気メッキ設備の廃水における上記COD濃度測定に基づくCOD値とTOC濃度測定方法によるTOC値とは、良好な相関関係を有し、両者の検量線からTOC濃度を測定することによりCOD濃度を推算することができる。
【0023】
このCOD濃度とTOC濃度との相関関係は、本電気メッキ設備からの廃水においては、COD濃度が少なくとも2,000mg/L(ppm)までは良好な関係を有するものである。また、TOC濃度の測定は、統合廃水ピット6dに設けられたTOC自動測定器56を使用することにより、連続的に、かつ簡便に実施することができる。
【0024】
本発明の第2の態様は、鋼板のストリップに連続的にスズメッキを行う電気メッキ設備と、当該電気メッキ設備から排出されるCOD含有廃水中のCOD濃度を当該廃水中のCOD濃度と相関関係を有するTOC濃度を測定することにより連続的に測定するためのTOC自動計測器と、測定したTOC濃度に基づき廃水処理量の制御を行う手段を設けた電気メッキ設備の廃水管理システムに係るものである。
【0025】
即ち、TOC自動測定器56を統合廃水ピット6dに設置することにより、電気メッキ設備から排出される廃水中のCOD濃度をTOC自動測定器により連続的に解析することが可能となった。TOC濃度値をTOC自動測定器により連続的に測定し、その値を解析することで、統合廃水ピット6dのTOC値が予め定められた設定値を超えた場合は、廃水処理装置への統合廃水の供給を停止したり、統合廃水ピット6dから別途設置された非常用廃水槽へ廃水を落とし込む等の措置がとられる。
【0026】
更に、図3に示す統合廃水ピット6dに設置されたTOC自動測定器56でのTOC濃度の測定・解析値とドラッグアウトタンクから廃水を定量ポンプ53とをリンクさせドラッグアウタンクからの廃水切り出し量をコントロールすることができる。
【0027】
なお、このTOC自動測定器を、別途ドラッグアウト循環タンク51に設置することにより、電気メッキ工程のメッキ液性状の異常を監視することも可能である。
【実施例】
【0028】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0029】
(1)CODの分析(単位:mg/L)
JIS K 0102 24.2に従い、過マンガン酸カリウム溶液(5mmol)を使用して、廃水(サンプル)のCODを求めた。
(2)TOCの分析(単位:mgC/L)
島津オンライン全有機体炭素計(TOC−4110: 島津製作所製)を使用し、酸性化通気処理により廃水(サンプル)のTOCを測定した。
【0030】
(実施例1)
電気メッキラインから排出される各種廃水を混合することにより、廃水サンプルを作成した。即ち、CODを約20ppm含有する統合廃水ピットの廃水、CODを約2,700ppm含有するCODピット廃水およびCODを約23,000ppm含有するドラッグアウト貯蔵タンク液を混合し、試料番号1から7のサンプルを調製した。このサンプルのCOD濃度を上記JIS K 0102に基づき手分析にて測定した。また、同サンプルについてTOC濃度を上記TOC自動測定器(TOC−4110)にて測定した。
これらのサンプルおよび分析結果を表1に示す。
【0031】
【表1】

【0032】
上記結果を、図4に示した。この図からCOD濃度とTOC濃度が一次関係にあり、良好な相関を示すことが分かる。
【0033】
(実施例2)
メッキ設備から排出される各種廃水を混合することにより、表2に示す廃水サンプルを調製した。
このサンプルのCOD濃度をJIS K 0102の方法に基づき手分析にて測定した。 また、同サンプルについてTOC濃度をTOC自動測定器にて測定した。これらのサンプルおよび分析結果を表2に示す。
なお、サンプル2−1は、一般廃水相当、サンプル2−2、2−3は、一般廃水にCODピット廃水を混合したもの、サンプル2−4は、サンプル2−2に化学処理工程で使用するクロム酸溶液を100ppm混合したもの、サンプル2−5は、サンプル2−2に硫酸を10g/L混合したものである。
【0034】
【表2】

【0035】
上記結果を、図5に示した。この図からCOD濃度とTOC濃度が一次関係にあり、相関を示すことが分かる。また、サンプル2−4の結果からクロム酸の非定常的な混入、サンプル2−5の結果から非定常的なpH変動の影響を受けないことが分かる。
【0036】
(実施例3)
図3において、統合廃水ピット6dにTOC自動測定器56を設置し、連続的にCOD濃度を測定し、電気メッキ設備の廃水管理を実施した。
ドラッグアウト貯蔵タンク52に貯蔵された高濃度のCODを含有する廃水を定量ポンプ53により、混合廃水中のCOD濃度が450mg/L以下になるように予め計算された割合(0.25m3/hr)で廃水集合配管5中の一般排水へ切り出した。統合された廃水は統合廃水ピット6dに貯蔵され、設置されたTOC自動測定器56によりCOD値が450mg/L以下であることを連続的に監視した。なお、COD値が450mg/Lである場合のTOC計における対応する濃度は、図4による検量線で180mgC/Lと設定した。
COD値が450ppmを超えた場合は、ドラッグアウト貯蔵タンク52からの廃水切出し量を定量ポンプ53にて制限的にコントロールした。手作業COD分析による並行チェックを行いながら廃水管理を6ヶ月に亘り実施したが、何ら問題なく廃水管理を行うことができた。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、TOC自動測定器を使用することのより、スズメッキ鋼板の電気メッキ設備から排出される廃水中のCOD濃度を簡易に測定する方法を提供する。また、本測定方法を使用することのより電気メッキ設備廃水の連続的廃水管理システムを提供する。
【符号の説明】
【0038】
1 酸洗ライン
2 冷間圧延ライン
3 焼鈍/調圧ライン
4 電気メッキライン
5 廃水集合配管
6a,6b,6c,6d 統合廃水ピット
7 廃水処理設備
8 廃水流路
11 電解洗浄工程
12 電気メッキ工程
13 スズ層溶融工程
14 化学処理工程
41 ペイオフリール
42 ウエルダー
43 ルーパー
44 電解洗浄槽
45 メッキ槽
46 ドラッグアウト槽
47 化学処理槽
48 疵検査装置
49 テンションリール
51 ドラッグアウト循環タンク
52 ドラッグアウト貯蔵タンク
53 定量ポンプ
54 CODピット
55 定量ポンプ
56 TOC自動測定器
57 ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼板のストリップにスズメッキを行う電気メッキ設備から排出されるCOD含有廃水中のCOD濃度を、当該廃水中のCOD濃度と相関関係を有するTOC濃度を測定することにより測定することを特徴とする電気メッキ設備廃水のCOD測定方法。
【請求項2】
前記TOC濃度の測定をTOC自動測定器により連続的におこなう請求項1記載の電気メッキ設備廃水のCOD測定方法。
【請求項3】
電気メッキ設備が、電解洗浄工程と電気メッキ工程とを含む電気メッキラインを有する請求項1または2記載の電気メッキ設備廃水のCOD測定方法。
【請求項4】
COD成分が、電解洗浄工程及び電気メッキ工程で使用される有機化合物に由来する請求項3記載の電気メッキ設備廃水のCOD測定方法。
【請求項5】
廃水中のCOD濃度が2000mg/L以下である請求項1から4のいずれかに記載の電気メッキ設備廃水のCOD測定方法。
【請求項6】
鋼板のストリップに連続的にスズメッキを行う電気メッキ設備と、当該電気メッキ設備から排出されるCOD含有廃水中のCOD濃度を、当該廃水中のCOD濃度と相関関係を有するTOC濃度を測定することにより連続的に測定するためのTOC自動計測器と、測定したTOC濃度に基づき廃水処理量の制御を行う手段とを設けたことを特徴とする電気メッキ設備の廃水管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−209042(P2011−209042A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−75718(P2010−75718)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)