電気掃除機用吸込み口体及び電気掃除機
【課題】吸込みヘッドの左右方向の一端から他端にわたる全幅で床面を掃除することができる電気掃除機用吸込み口体を提供する。
【解決手段】底壁13aに吸込み開口15を有した吸込みヘッド12内に、清掃体駆動手段の駆動により回転される回転清掃体21が、その周部をなした床面清掃部材23の下部を吸込み開口15に通した状態で、軸受24により回転自在に支持された吸込み口体11であって、左右一対の端部床面拭き部材62と、拭き部材駆動手段を具備する。左右一対の端部床面拭き部材62を、吸込みヘッド12を前又は後方向から見た状態で回転清掃体21の床面清掃部材23に連続するように底壁13aの両端部下側で、かつ、底壁13aに沿って往復移動可能に夫々配設する。これら端部床面拭き部材62を拭き部材駆動手段により往復移動させながら、フローリング床面を掃除するようにしたことを特徴としている。
【解決手段】底壁13aに吸込み開口15を有した吸込みヘッド12内に、清掃体駆動手段の駆動により回転される回転清掃体21が、その周部をなした床面清掃部材23の下部を吸込み開口15に通した状態で、軸受24により回転自在に支持された吸込み口体11であって、左右一対の端部床面拭き部材62と、拭き部材駆動手段を具備する。左右一対の端部床面拭き部材62を、吸込みヘッド12を前又は後方向から見た状態で回転清掃体21の床面清掃部材23に連続するように底壁13aの両端部下側で、かつ、底壁13aに沿って往復移動可能に夫々配設する。これら端部床面拭き部材62を拭き部材駆動手段により往復移動させながら、フローリング床面を掃除するようにしたことを特徴としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転清掃体を有した電気掃除機用吸込み口体、及びこの吸込み口体を備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
吸込具の下部吸込具に、モーターにより回転されてじゅうたんの塵埃を掻き出すアジテーターを取付けるとともに、起毛布が支持された起毛布支持部を、駆動源により吸込具の前後或いは左右方向に水平往復移動可能に取付けた電気掃除機用の吸込具が、従来技術として知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
詳しくは、下部吸込具の前部に下方開口を吸込口とした吸込室が形成され、この吸込室の両側室壁に配設した軸受で回転自在に保持されたアジテーターは、アジテーター駆動用のモーターが通電されることにより回転されるようになっている。下部吸込具の後部に、起毛布支持部が前後方向に摺動可能に取付けられているとともに、この起毛布支持部を前後方向に往復移動させる駆動源として電磁石が取付けられている。起毛布支持部には吸込具の底面より突出する起毛布が支持されている。アジテーターと起毛布は略同じ長さで前後に並んで配設されている。
【0004】
この従来の吸込具は、アジテーターの駆動中は電磁石駆動回路が作動せず、起毛布は静止状態を維持する。そして、電磁石が駆動されることにより、この電磁石に連動して起毛布支持部と共に起毛布が床面に対して水平往復動される。このため、起毛布による床面に対する掃き出し回数を、吸込具の一往復に対して多くとれる。したがって、起毛布による掃き出し効果を発揮させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−184492号公報(段落0008−0018、図1−図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の吸込具が有した下部吸込具の底壁の前側左右両端部は、アジテーターが有した可撓性の攪拌体の左右両端から側方に外れており、この両端部でアジテーターを回転自在に支持した軸受が覆われている。吸込具を前方から見て、アジテーターの後方への投影領域に、起毛布の略全体が配置されている。下部吸込具の底壁の後側左右両端部は、起毛布の左右両端に連続するように設けられている。
【0007】
したがって、下部吸込具の左右両端部は、アジテーター及び起毛布の両端からそれらの左右方向に外れている。そのため、下部吸込具の左右両端部の下方に対向した床面は、アジテーターが回転された場合にも、起毛布が床面に対して水平往復動された場合にも、回転するアジテーター及び水平往復動される起毛布による床面の掃除対象範囲から外れてしまう。
【0008】
これにより、従来の電気掃除機用吸込具は、その左右方向の一端から他端にわたる全幅で床面を掃除することができない、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、底壁に吸込み開口を有した吸込みヘッド内に、清掃体駆動手段の駆動により回転される回転清掃体が、その周部をなした床面清掃部材の下部を吸込み開口に通した状態で、軸受により回転自在に支持された電気掃除機用吸込み口体を前提とする。そして、前記の課題を解決するために、本発明は、左右一対の端部床面拭き部材と、拭き部材駆動手段を具備するとともに、左右一対の端部床面拭き部材を、吸込みヘッドを前又は後方向から見た状態で回転清掃体の床面清掃部材に連続するように吸込みヘッドの底壁の両端部下側で、かつ、底壁に沿って往復移動可能に夫々配設し、これら端部床面拭き部材を拭き部材駆動手段により往復移動させながら、被掃除対象の床面を拭き掃除するようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、拭き部材駆動手段により往復移動される左右の端部床面拭き部材と回転清掃体とが、吸込みヘッドを前又は後方向から見てこのヘッドの左右方向の一端から他端にわって連続するように設けられているので、これら回転清掃体及び左右の端部床面拭き部材により、吸込みヘッドの左右方向の一端から他端にわたる全幅で被掃除床面を掃除できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電気掃除機を示す斜視図である。
【図2】図1の電気掃除機が備えた吸込み口体を示す斜視図である。
【図3】図2の吸込み口体を示す下面図である。
【図4】図2の吸込み口体を示す側面図である。
【図5】図2中F5−F5線に沿って示す吸込み口体の断面図である。
【図6】図2の吸込み口体が備えた吸込みヘッドをその上部ヘッドケースを外した状態で示す平面図である。
【図7】図2の吸込み口体が備えた吸込みヘッドをその上部ヘッドケースとファンブロックを外した状態で示す平面図である。
【図8】図2の吸込み口体が備えたファンブロックの一部を示す下面図である。
【図9】図2の吸込み口体の一端部を示す斜視図である。
【図10】(A)は図2の吸込み口体が備えた拭きユニットを裏返した状態で示す斜視図である。(B)は同拭きユニットを表側から見て示す斜視図である。
【図11】図2の吸込み口体が備えた拭きユニットの駆動を説明する図であって、(A)及び(B)は駆動の第1段階を示す略平面図及び略断面図、(C)及び(D)は駆動の第2段階を示す略平面図及び略断面図、(E)及び(F)は駆動の第3段階を示す略平面図及び略断面図、(G)及び(H)は駆動の第4段階を示す略平面図及び略断面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る電気掃除機が備えた吸込み口体を示す下面図である。
【図13】図12の吸込み口体の一端部を示す斜視図である。
【図14】図12の吸込み口体が備えた拭きユニットを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の第1の実施の形態について、図1から図11を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1中符号1は第1実施形態に係る吸込み口体11を備えた例えばキャニスタ型の電気掃除機を示している。この電気掃除機1は、掃除機本体2と、吸塵風路体5とを具備している。
【0014】
車輪3が取付けられた掃除機本体2の後部に図示しない電動送風機が内蔵されている。掃除機本体2の前部は電動送風機の上流側となっており、この前部には図示しない塵分離手段及びこの手段で分離された塵を溜める集塵部等が設けられている。塵分離手段には、そこに吸引された塵の慣性エネルギーを利用して塵と空気を分離するサイクロン式等の慣性分離式の塵分離装置を好適に用いることができるが、紙パックを用いてもよく、或いは粗塵を慣性分離により空気から分離する塵分離装置と、粗塵以外の塵をろ過して空気から分離するフィルターとを併用した塵分離手段を用いることも可能である。
【0015】
吸塵風路体5は、可撓性の吸塵ホース6と、延長管7と、吸込み口体11とを備えている。吸塵ホース6の一端部(根元部)6aは、例えば掃除機本体2の前部上面を開閉する蓋2aに設けた吸塵口2bに取外し可能に差込み接続されていて、この接続により吸塵ホース6内と前記塵分離手段とが連通される。延長管7が着脱可能に嵌合して連結される吸塵ホース6の他端部(先端部)6bに、延長管7を介して吸込み口体11を移動操作するためのハンドル8が設けられている。このハンドル8に前記電動送風機の運転等を指令する手元スイッチ9が取付けられている。
【0016】
延長管7は外管7aと内管7bとを例えば伸縮可能に組み合わせて形成されている。外管7aは吸塵ホース6の他端部6bに着脱可能に嵌合されている。この外管7aの他端(先端)から突出された内管7bの先端部7cに、吸込み口体11の接続管が着脱可能に嵌合されている。
【0017】
次に、吸込み口体11について説明する。吸込み口体11は、掃除対象である部屋のフローリング床面(被掃除床面)を掃除するのに好適なものであり、通常床ブラシとも称されている。図2及び図3に示すように吸込み口体11は、後述する吸込みヘッド12の後側中央部に接続管31を取付けて形成され、この吸込み口体11を表側及び裏側から見た形状は略T字状である。
【0018】
図5に示すように吸込みヘッド12は、いずれも合成樹脂製の下部ヘッドケース13と上部ヘッドケース14とをねじ止めして組み立てられている。図3に示すように吸込みヘッド12は、その下部ヘッドケース13の底壁13aに開口された吸込み開口15を有している。吸込み開口15は吸込みヘッド12の幅方向に延びる長四角形をなしている。ここで、幅方向とは吸込みヘッド12の左右方向(長手方向)を指している。本実施形態では吸込み開口15の前側は、吸込みヘッド12の前側からの吸塵を可能とするために下部ヘッドケース13の前面に設けた前面開放部15aに連続されているが、下部ヘッドケース13にその全幅(この幅寸法を図3中に符号Wで示す。)にわたる前壁を設けて吸込み開口15の前端を閉じてもよい。
【0019】
吸込み開口15はその前側を除いて底壁13aで囲まれている。したがって、図3に示すように底壁13aは、吸込み開口15の長手方向両端に連続した左右一対の端側底壁部13a1と、吸込み開口15の後側に連続した後側底壁部13a2とで囲まれている。吸込みヘッド12の幅方向に真っ直ぐ延びる後側底壁部13a2は、図5に示すように下部ヘッドケース13の下面に開放する溝部を有しており、この溝部の両端部は一対の端側底壁部13a1の後端部を横切っていて、下部ヘッドケース13の幅方向両側面に夫々開放されている。
【0020】
図7に示すように下部ヘッドケース13の例えば後側底壁部13a2には、後述する拭きユニット61の往復動を案内するための長孔16が複数設けられている。これら長孔16は、例えば左右方向に延びているとともに、一直線上に並んで配設されている。又、下部ヘッドケース13には、後側底壁部13a2を左右に二分するようにL字形の逃げ孔13jが設けられている。
【0021】
図5に示すように下部ヘッドケース13は、左右一対の端側底壁部13a1の前端から上向きに折れ曲がった一対の前壁13bを有している。これら前壁13bは図6及び図7に示すように下部ヘッドケース13の左右両端部に設けられていて、これらの間に下部ヘッドケース13の前面開放部が設けられている。これら前壁13bの前記前面開放部と反対側の端は下部ヘッドケース13の側壁13cの前端に連続されている。
【0022】
下部ヘッドケース13の後部でかつ幅方向中央部に、接続凸部13eが下部ヘッドケース13の後壁13dから後向きに一体に突設されている。被掃除床面に沿う吸込み口体11の移動を容易にするためのローラ17が、接続凸部13eの後端部に回転自在に取付けられている。図3及び図4に示すように接続凸部13eの下面にモヘアやフェルト等からなる受圧部材18がローラ17の前側に位置して装着されている。
【0023】
受圧部材18は掃除の際に被掃除床面に接触できるように接続凸部13eの下面に常に突出する厚みを有している。具体的には、受圧部材18が掃除の際に被掃除床面で押されて変形した場合でも、受圧部材18の下面が後述する端部床面拭き部材62及び後部床面拭き部材63の下面より低くなるように受圧部材18の厚みが設定されている。なお、ローラ17の下端の位置も受圧部材18の下面の高さ位置と同様である。これとともに、受圧部材18が配設された位置に、受圧部材18に代えてローラ17を配設して、このローラ17を受圧部材18として用いることも可能である。
【0024】
図3に示すように下部ヘッドケース13に回転清掃体21が取付けられている。回転清掃体21は、両端が小径をなす回転軸22(図5参照)と、この回転軸22に取付けられた床面清掃部材23と、回転軸22の両端部に夫々装着された軸受24と、図6及び図7に示した受動歯車25を有している。床面清掃部材23は回転清掃体21の周部をなしている。この床面清掃部材23は、例えばブラシ毛により形成されていて、回転軸22の外周に螺旋状に巻付けられている。ブラシ毛の長さと腰の強さはフローリング床面にこの面を磨くように接触するのに好適となるように設定されている。
【0025】
回転清掃体21は、その左右の軸受24を、下部ヘッドケース13に形成されている一対の軸受支持部19(一方のみ図5〜図7に示す。)に夫々取付けることによって、床面清掃部材23の下部を吸込み開口15から下方に突出させて吸込みヘッド12に回転自在に支持されている。受動歯車25は、回転軸22の一端部に固定されていて、吸込み開口15から外れて下部ヘッドケース13の一端部内側に配設されている(図6及び図7参照)。
【0026】
接続管31は、図示しない水平な固定管部と、図2及び図4に示す前側接続管部32と、後側接続管部33とを有している。固定管部はその前端に四角い取付けフランジを有している。前側接続管部32は固定管部の水平に延びる中心軸線(図示しない)周りに回転自在に接続されていて、これら固定管部と前側接続管部32の中心軸線(図示しない)は同じである。後側接続管部33は、前側接続管部32の略真後ろに連続する位置と前側接続管部32に対して折れ曲がるように連続する位置とにわたって回動自在に接続されている。固定管部と前側接続管部32と後側接続管部33は互いに連通されている。
【0027】
接続管31は、下部ヘッドケース13と上部ヘッドケース14の内面に対応して形成したフランジ係合部を、前記取付けフランジに係合させることによって吸込みヘッド12に取付けられている。この取付け状態で、前側接続管部32の後部及び後側接続管部33は吸込みヘッド12から後方に突出されていて、前側接続管部32はその前後方向に水平に延びる中心軸線の周りに回転自在である。なお、図2〜図4中符号33aは後側接続管部33の後部をなす挿入管を示し、この挿入管33aが延長管7の先端部7cに挿脱可能に差込み接続される。
【0028】
通常の掃除の際において、図4に示すように接続凸部13eに対して後側接続管部33が斜め上側に起こされた状態で、吸込み口体11が前後に押し引き操作される。この場合、後側接続管部33に加えられる斜め下向きの操作力は主に接続凸部13eに作用されようになっている。したがって、前記操作力が受圧部材18及びローラ17で主に支持される一方で、下部ヘッドケース13の接続凸部13eより前側部位に前記操作力が軽微に作用するようになっている。
【0029】
接続管31の入口をなした固定管部は下部ヘッドケース13に開口された吸い口35(図3及び図7参照)に連通されている。この連通は、下部ヘッドケース13に設けたリブ13f,13g(図7参照)及び後述するファンブロック42で仕切られた風路を介してなされている。つまり、風路の入口は吸い口35である。風路の出口38(図7参照)は下部ヘッドケース13の後部の長手方向中央部に開口されていて、接続管31の入口をなす前記固定管部に対向されている。
【0030】
図3に示すように吸い口35は回転清掃体21の後側に設けられている。吸い口35は、回転清掃体21が収められた下部ヘッドケース13内の前側に区画された前側室部に、この室部と吸い口35とを仕切った仕切り壁等に設けた切欠き状の溝13h,13iを介して連通されている。図3中符号36は下方に開放された溝状をなす導風壁を示し、この導風壁36により溝13iを通った含塵空気が吸い口35に導かれる。吸込み口体11が裏返された状態で、回転清掃体21、吸い口35、及び導風壁36等は、吸込み開口15の内側に位置されている。
【0031】
なお、図3及び図7中符号37は接続凸部13eの根元部に開口された通気孔を示している。通気孔37は接続管31の前記固定管部に対してその前側近傍でかつ前記風路の出口38の近傍に位置されている。フローリング床面を掃除する場合、通気孔37は床面により閉じられるようになるので、この通気孔37を通しての吸込みは無視できる程である。しかし、吸込み口体11がフローリング床面から上方に離された場合、及び吸込み口体11が裏返された場合、通気孔37を通しての吸込みがなされる。これとともに、通気孔37より風路抵抗が大きい前記風路側からの吸込み風量が減らされて、後述のファン45の駆動を低下させ若しくは停止させるようになっている。
【0032】
図6に示すように吸込みヘッド12に清掃体駆動手段41が内蔵されている。本実施形態では、清掃体駆動手段41に例えば吸込みヘッド12を流通する気流を利用して動作するエア駆動式のものを採用したが、これに代えて電動機により駆動される清掃体駆動手段を用いることができる。
【0033】
エア駆動式の清掃体駆動手段41は、図6に示すようにファンブロック42と伝動部51とからなる。
【0034】
ファンブロック42は、下部ヘッドケース13と上部ヘッドケース14とで上下から挟持されている。このファンブロック42は、図6に示した仕切り部43と、ファンケーシング部44と、ファン45と、図8に示した吐出し風路壁46と、駆動歯車47を有している。
【0035】
仕切り部43は吸い口35から接続管31の入口に至る前記風路を上側から仕切っている。これとともに、仕切り部43と上部ヘッドケース14との間に外気通路(図示しない)が形成されていて、この外気通路の通路入口48(図2参照)が上部ヘッドケース14の一端部に設けられている。通路入口48は図5に示すように上部ヘッドケース14を貫通する多数の小孔により形成されている。
【0036】
図6に示すようにファンケーシング部44は、下部ヘッドケース13の長手方向(幅方向)中央部に位置された仕切り部43の一端部に形成されている。このファンケーシング部44と、これにその上側から嵌合された上部ヘッドケース14の図示しないファンケーシング部とにより、ファン格納室が形成されていて、この格納室と前記外気通路とは通路出口49により連通されている。
【0037】
ファン45は下部ヘッドケース13に回転自在に軸支されてファン格納室に格納されている。図8に示すように吐出し風路壁46は仕切り部43の一端部裏面に、この一端部との間に図示しない吐出し風路を形成して一体に形成されている。この吐出し風路は前記ファン格納室の底面に開口された図示しない通孔により前記ファン格納室と連通されており、それによりファン45から吐き出される空気が吐出し風路を流通するようになっている。図3及び図8中符号50は吐出し風路の風路出口を示している。この風路出口50は接続管31の入口にその前側から対向されている。吐出し風路はリブ13f,13g間の前記風路とは仕切られており、この風路の出口38と風路出口50は、並んで接続管31の入口に対向している。
【0038】
駆動歯車47は、吐出し風路壁46の裏側、つまり、下側に配置されている。図8に示すように駆動歯車47の下端面には偏心軸52が突設されている。駆動歯車47の中心軸線に対する偏心軸52の偏心寸法を図8に符号lで示す。したがって、ファン45とともに駆動歯車47が回転されると、この駆動歯車47の中心軸線を中心として偏心寸法lを半径とする円を描いて偏心軸52が回転されるようになっている。
【0039】
図6に示すように伝動部51は、歯車減速機53と、入力側伝動機構54と、出力側伝動機構55を備えている。入力側伝動機構54は、例えば駆動歯車47と、歯車減速機53が有した入力歯車53aと、これらに巻き掛けて張り渡された入力側タイミングベルト54aとで形成されているが、歯車伝動機構を用いてもよい。出力側伝動機構55は、例えば歯車減速機53が有した出力歯車53bと、回転清掃体21が有した受動歯車25と、これらに巻き掛けて張り渡された出力側タイミングベルト55aとで形成されているが、歯車伝動機構を用いてもよい。
【0040】
吸込みヘッド12に拭きユニット61が往復移動可能に取付けられている。図10(A)(B)等に示すように拭きユニット61は、左右一対の端部床面拭き部材62と、後部床面拭き部材63と、左右一対の側面部材64と、例えば左右一対の前面拭き部材65を備えている。
【0041】
端部床面拭き部材62は、図5で示すように下ベース部62aと下部拭き要素62bとからなる。下ベース部62aは合成樹脂製で前記端側底壁部13a1に見合った大きさの平板状をなしている。下部拭き要素62bは、モヘアやパイル等からなり、下ベース部62aの下面に貼り付けて装着されている。
【0042】
後部床面拭き部材63は、一対の端部床面拭き部材62にわたって設けられていて、これら端部床面拭き部材62と同様に下ベース部63aと後部拭き要素63bとからなる。下ベース部63aは合成樹脂製で前記後側底壁部13a2に見合った大きさの平板状をなしている。この下ベース部63aは端部床面拭き部材62の下ベース部62aと一体に成形されている。後部拭き要素63bは、モヘアやパイル等からなり、下ベース部63aの下面に貼り付けて装着されている。この後部拭き要素63bも端部床面拭き部材62の下部拭き要素62bと一体に設けられ、かつ、これら下部拭き要素62bと後部拭き要素63bは面一に連続されている。したがって、一対の端部床面拭き部材62と後部床面拭き部材63とは、コの字状をなして互いに連続されている。
【0043】
側面部材64は、端部床面拭き部材62から上向きに折れ曲がって設けられていて、図10(B)に示すように側面ベース部64aと側面拭き要素64bとからなる。側面ベース部64aは合成樹脂製で端部床面拭き部材62の下ベース部62aと一体に成形されている。側面拭き要素64bは、モヘアやパイル等からなり、側面ベース部64aの側面に貼り付けて装着されている。この側面拭き要素64bは端部床面拭き部材62の下部拭き要素62bと一体に連続されている。
【0044】
前面拭き部材65は、側面部材64の前端から折れ曲がって設けられていて、端部床面拭き部材62を前側から覆っている。この前面拭き部材65は、図10(A)(B)に示すように前ベース部65aと前部拭き要素65bとからなる。前ベース部65aは、合成樹脂製で端部床面拭き部材62の下ベース部62a及び側面部材64の側面ベース部64aと一体に成形されている。更に、前ベース部65aは、側面ベース部64の前端から折れ曲がっているとともに、下ベース部62aの前端に対しても折れ曲がっている。この前ベース部65aの長さは端部床面拭き部材62の左右方向の幅よりも長い。前部拭き要素65bは、モヘアやパイル等からなり、前ベース部65Aの前面に貼り付けて装着されている。この前部拭き要素65bは側面部材64の側面拭き要素64bと一体に連続されている。
【0045】
前部拭き要素65bの下縁と下部拭き要素62bの前端とは非連続であるとともに、前部拭き要素65bの下縁は下部拭き要素62bの下面よりも下方に位置されているので、これらの縁部間に図5に示す通気溝66が形成されている。通気溝66は前部拭き要素65bの前縁に沿って左右方向に延びており、この通気溝66に前ベース部65aの下縁が露出されている。なお、図5中符号Aはフローリング床面を示し、符号Bはフローリング床面に対して略直角に起立された室内側壁端を示している。
【0046】
後部床面拭き部材63の下ベース部63aの裏面(上面)には、図10(B)に示すように前記長孔16と同数の摺動凸部67が一体に突設されている。更に、下ベース部63aの長手方向中央部にはスリット状の係合溝68を有した受動部材69が一体に形成されている。
【0047】
前記構成の拭きユニット61は下部ヘッドケース13に対して左右方向に移動可能に取付けられている。下部ヘッドケース13に取付けられた拭きユニット61が有した一対の端部床面拭き部材62は、下部ヘッドケース13の端側底壁部13a1をその下方から覆っている。これら端部床面拭き部材62は、吸込みヘッド12を前又は後方向から見た状態で、回転清掃体21の床面清掃部材23に対してその左右両側に連続するように配設されている。下部ヘッドケース13に取付けられた拭きユニット61が有した後部床面拭き部材63は、下部ヘッドケース13の後側底壁部13a2内に嵌合されて、この後側底壁部13a2をその下方から覆っている。
【0048】
以上のように配設された左右一対の端部床面拭き部材62と後部床面拭き部材63とは、図3に示すように吸込み開口15をその前側を除いて囲んでいる。これら端部床面拭き部材62と後部床面拭き部材63の下面は面一であるとともに、この下面の高さ位置は、前記受圧部材18の下面よりも多少高い位置にある。
【0049】
図7に示すように受動部材69は、下部ヘッドケース13の逃げ孔13jより小さく、この逃げ孔13j内に収容されている。受動部材69は逃げ孔13j内を左右方向に移動可能である。更に、図5に示すように各摺動凸部67は対応する位置の下部ヘッドケース13の長孔16に摺動可能に嵌合されている。これらの摺動凸部67との間に摺動リング70を介在させて各摺動凸部67にねじ71を夫々ねじ込むことにより、下部ヘッドケース13が拭きユニット61が左右方向に移動可能に支持されている。摺動リング70は、滑性が高い材料で作られていて、その直径は、長孔16の長手方向と直交する方向の孔の幅より大きく、下部ヘッドケース13に対する拭きユニット61の外れ止めをなしている。
【0050】
下部ヘッドケース13に取付けられた拭きユニット61が有した一対の側面部材64は、下部ヘッドケース13の左右の側壁13cの下部側面を覆っている。下部ヘッドケース13に取付けられた拭きユニット61が有した一対の前面拭き部材65は、下部ヘッドケース13の前壁13bの下部前面を覆っている。これらの前面拭き部材65は、吸込みヘッド12の最も前に配置されている。更に、図3に示すように一対の前面拭き部材65は、回転清掃体21が有した床面清掃部材23の長手方向両端部の前面を覆っている。これとともに、下部拭き要素62bと前部拭き要素65b間の通気溝66は、下部ヘッドケース13の吸込み開口15に連通されている。
【0051】
拭きユニット61は拭き部材駆動手段により往復移動されるようになっている。拭き部材駆動手段は、例えば清掃体駆動手段41を駆動部として共用して形成されている。詳しく、拭き部材駆動手段は、清掃体駆動手段41のファン(駆動部)45と、前記偏心軸52と、拭きユニット61の受動部材69とで形成されており、偏心軸52は受動部材69の係合溝68に挿入されている。
【0052】
前記構成の電気掃除機1の電動送風機が運転されると、それに伴い吸込み口体11の吸込み開口15を通って吸込まれた含塵空気が、吸込み口体11、延長管7、吸塵ホース6を、この記載順に通過して掃除機本体2内に導かれる。それにより、掃除機本体2内で空気と塵が分離されて、塵が集塵部内に溜められる一方で、電動送風機に吸込まれるとともにこの電動送風機から排出された空気が掃除機本体2の外部に放出される。
【0053】
こうした掃除下での吸込み口体11を通る含塵空気の流通経路は以下の通りである。
【0054】
即ち、含塵空気は、吸込み開口15から回転清掃体21の周囲を通って、吸い口35に吸込まれた後、ファンブロック42の下側に形成されている風路を経由して、接続管31の入り口である図示しない固定筒部に吸込まれ、更に前側接続管部32から後側接続管部33を流通する。
こうした含塵空気の流れとは別に吸込み口体11には外気が通されてファン45が回転される。つまり、上部ヘッドケース14の通路入口48から図示しない前記外気通路に吸込まれた外気が、通路出口49からファン格納室を経由して図示しない吐出し風路を流通し、この風路の風路出口50から接続管31に吸込まれる。このため、ファン格納室に格納されたファン45が回転される。
【0055】
ファン45は清掃体駆動手段41の駆動部であるので、この清掃体駆動手段41の入力側伝動機構54、歯車減速機53、及び出力側伝動機構55を経由して、ファン45の回転力が回転清掃体21に与えられて、この回転清掃体21が回転される。そのため、フローリング床面A上の塵が回転清掃体21の床面清掃部材23で掻き上げられて、既述の含塵空気の流れに乗って運ばれる。
【0056】
この掃除において、回転清掃体21の回転により、その床面清掃部材23がフローリング床面Aを擦るようにして塵を掻き上げるので、それに伴い、フローリング床面Aが床面清掃部材23によって磨かれて艶出しされる。
【0057】
しかも、ファン45は拭き部材駆動手段の駆動部を兼ねているので、拭きユニット61が繰り返し左右方向に往復移動される。こうした拭きユニット61の振動動作を図11により説明する。
【0058】
図11(A)(B)に示すように拭き部材駆動手段の偏心軸52が、受動部材69が有した係合溝68の長手方向一端部に位置された状態から、ファン45とともに回転される駆動歯車47の回転に伴い、偏心軸52が時計回りに回転するものとする。この回転により、図11(C)に示すように偏心軸52と係合溝68との相対位置が変わるに伴い、偏心軸52が、受動部材69を介して後部床面拭き部材63を図11(C)(D)中矢印L1に示す方向に押して移動させる。これにより、後部床面拭き部材63を有した拭きユニット61が矢印L1で示した左方向に移動される。
【0059】
この後、偏心軸52と係合溝68との相対位置が図11(E)に示すように変わるに伴い、偏心軸52が、受動部材69を介して後部床面拭き部材63を図11(E)(F)中矢印R1に示す方向に押して移動させる。これにより、後部床面拭き部材63を有した拭きユニット61が矢印R1で示した右方向に移動される。
【0060】
回転の継続により偏心軸52と係合溝68との相対位置が図11(G)に示すように変わるに伴い、偏心軸52が、受動部材69を介して後部床面拭き部材63を図11(G)(H)中矢印R2に示す方向に押して移動させる。これにより、後部床面拭き部材63を有した拭きユニット61が矢印R2で示したように更に右方向に移動される。
【0061】
更に、回転の継続により駆動歯車47及び偏心軸52が一回転して、偏心軸52と係合溝68との相対位置が図11(A)に示すように戻されるに伴い、偏心軸52が、受動部材69を介して後部床面拭き部材63を図11(A)(B)中矢印L2に示す方向に押して移動させる。これにより、後部床面拭き部材63を有した拭きユニット61が矢印R2で示した右方向に移動される。
【0062】
こうして駆動歯車47及び偏心軸52の一回転について拭きユニット61が一往復左右方向に移動され、この一サイクルの動作が偏心軸52の回転の継続により繰り返される。それに伴い、左右一対の端部床面拭き部材62がフローリング床面Aを擦るので、フローリング床面A上の塵を容易にフローリング床面Aから分離させることができる。
【0063】
これら左右一対の端部床面拭き部材62は、吸込みヘッド12を前又は後方向から見た状態で、回転清掃体21の床面清掃部材23に対してその左右両側に連続するように配設されているので、これら端部床面拭き部材62と回転清掃体21とによって、吸込みヘッド12のほぼ全幅でフローリング床面Aを掃除することができる。
【0064】
そのため、室内側壁Bに側面部材64が接するようにして掃除をする場合には、この室内側壁Bにより近い床面位置を一方の端部床面拭き部材62で掃除することが可能である。その際、側面部材64が室内側壁Bに当たることがあっても、側面部材64の側面拭き要素64bで緩衝できるので、側面部材64をバンパーとして機能させることができる。
【0065】
既述の掃除において、フローリング床面Aを擦る左右一対の端部床面拭き部材62によって、フローリング床面Aは磨かれて艶出しされる。更に、端部床面拭き部材62とともに繰り返し往復移動される後部床面拭き部材63においても、フローリング床面Aからの塵の分離及びフローリング床面Aの艶出しが行われる。
【0066】
しかも、吸込み開口15はその前側を除く三方を左右一対の端部床面拭き部材62と後部床面拭き部材63とで囲まれているので、吸込み開口15の真空度が上がり、それに伴い吸塵性能を向上できる。これとともに、一対の端部床面拭き部材62と後部床面拭き部材63が一体であるので、これらがフローリング床面Aを擦ることに伴って、端部床面拭き部材62及び後部床面拭き部材63は、それらが別々であって下部ヘッドケース13に貼り付けられている場合に比較して、剥がれ難い。
【0067】
更に、吸込みヘッド12の前端が室内側壁Bに押付けられると、拭きユニット61の前面拭き部材65が室内側壁Bの下端部に押し当てられる。そのため、前面拭き部材65の左右方向への振動によって室内側壁Bの下端部に付着している塵を容易に分離して落すことができる。
【0068】
しかも、前面拭き部材65が室内側壁Bに押付けられた状態では、通気溝66の真空度が高められる。そのため、前面拭き部材65が落とされた塵を、通気溝66を通って空気が吸込み開口15に吸込まれる空気流に載せて容易に吸込み開口15に吸引できる。
【0069】
なお、拭きユニット61が往復移動される方向を、吸込みヘッド12の前後方向として実施する場合には、前記長孔16を前後方向に延ばして設けるとともに、受動部材68を左右方向に延びるように設ければ良い。このようにした場合には、室内側壁Bの下端部に付着している塵を、前後方向に振動される側面部材64の側面拭き要素64bで擦って容易に落とすことができる。
【0070】
又、側面拭き要素64bとこれと一体の前部拭き要素65bを、下部拭き要素62bと後部拭き要素63bとから分離して下部ヘッドケース13に貼付けることにより、下部拭き要素62b及び後部拭き要素63bの側面部材64側の縁と、側面拭き要素64bとの間に前後方向に伸びる通気溝を形成し、更に、この通気溝を吸込み開口15に連通させて実施した場合には、側面拭き要素64bが室内側壁Bから擦り落とした塵を容易に吸込み開口15に吸引できる。
【0071】
又、既述の掃除において、フローリング床面Aに沿って吸込み口体11を前進させる際、この吸込み口体11には延長管7を介して斜め下向きの操作力F(図4参照)が加えられる。この操作力は、拭きユニット61より後方に位置されている下部ヘッドケース13の接続凸部13eに主として作用し、受圧部材18及びローラ17で主に支持される。それに伴い、前記操作力によって、拭きユニット61がフローリング床面Aに強く押付けられないようにできるので、拭きユニット61の左右方向の往復移動(振動)を容易かつ確実に実行させて、既述のようにフローリング床面A等を掃除することができる。
【0072】
図12から図14は本発明の第2の実施の形態を示している。この第2実施形態は、以下説明する事項を除いて第1実施形態と同じ構成であるので、第1実施形態と同じ構成については第1実施形態と同一符号を付してその説明を省略する。
【0073】
第2実施形態では、吸込みヘッド12がその下部ヘッドケース13から下方に突出する固定ブラシ75を備えている。具体的には、固定ブラシ75は、左右一対の前面拭き部材65の前ベース部65aの下面に夫々植毛されて、回転清掃体21の軸方向と平行な列をなして設けられている。この固定ブラシ75の下方への突出長さは、これに隣接された端部床面拭き部材62が有した下部拭き要素62bの厚みよりも長い。
【0074】
更に、第2実施形態では、固定ブラシ75の後側、つまり、この固定ブラシ75と下部拭き要素62bの前縁との間に、通気用の根元溝76を設けている。この根元溝76は、固定ブラシ75の根元に沿って延びていて、吸込み開口15に連通されている。
【0075】
吸込み口体11が以上のような固定ブラシ75を備えたことより、この吸込み口体11をフローリング床面に沿って移動させるに伴って、フローリング床面をなす床材間に設けられているV字状の溝内の塵を、固定ブラシ75で掻き出すことができる。それだけではなく、掻き出された塵を、掻き出される傍から根元溝76を流通する空気によって吸込み開口15に吸引することができる。以上のように第2実施形態の吸込み口体11を用いて掃除をすることで、フローリング床面の最表面だけではなくフローリング床面が有した溝内を含めて掃除することができる。
【0076】
以上説明した事項以外は、図12から図14に示されない構成を含めて第2実施形態は第1実施形態と同じであるので、第1実施形態で既に説明した理由によって、第2実施形態は本発明の課題を解決できる。
【0077】
なお、下部拭き要素62bと後部拭き要素63bとが前後に分離されている場合、これらの部材間に下部拭き要素62bの後縁に沿う列状の固定ブラシ75を設けるとともに、この固定ブラシ75の根元に沿って延びる根元溝を固定ブラシ75の根元に沿って設けて、第2実施形態を実施することもできる。更に、固定ブラシ75を、下部拭き要素62bに対して直角または斜めに横切って設けるとともに、この固定ブラシ75の根元に沿って延びて下部拭き要素62bを横切る根元溝を固定ブラシ75の根元に沿って設けて、第2実施形態を実施することもできる。
【0078】
前記各実施形態では、清掃体駆動手段41の駆動部と拭き部材駆動手段の駆動部を、一個のファン45で共用したので、構成が簡単である点で好ましいが、これらの駆動部を別々に設けて本発明を実施することができるとともに、駆動部を共用するか否かを問わず、駆動部にはファン45に代えて電動機を採用できる。
【0079】
更に、本発明は、側面部材64及び前面拭き部材65を省略して実施できるとともに、これらに加えて後部床面拭き部材63を省略して実施することも可能である。
【符号の説明】
【0080】
1…電気掃除機、2…掃除機本体、2b…吸塵口、5…吸込み風路体、6…吸塵ホース、6a…吸塵ホースの一端部、6b…吸塵ホースの他端部、7…延長管、7c…延長管の先端部、11…吸込み口体、12…吸込みヘッド、13a…下部ヘッドケースの底壁(吸込みヘッドの底壁)、13e…接続凸部、15…吸込み開口、18…受圧部材、21…回転清掃体、23…床面清掃部材(回転清掃体の周部)、24…軸受、31…接続管、32…前側接続管部、33…後側接続管部、41…清掃体駆動手段、52…偏心軸(拭き部材駆動手段の一部)、61…拭きユニット、62…端部床面拭き部材、62a…端部床面拭き部材の下ベース部、62b…下部拭き要素、63…後部床面拭き部材、63a…後部床面拭き部材の下ベース部、63b…後部拭き要素、65…前面拭き部材、65a…前ベース部、65b…前部拭き要素、66…通気溝、68…係合溝、69…受動部材(拭き部材駆動手段の一部)、75…固定ブラシ、76…根元溝
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転清掃体を有した電気掃除機用吸込み口体、及びこの吸込み口体を備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
吸込具の下部吸込具に、モーターにより回転されてじゅうたんの塵埃を掻き出すアジテーターを取付けるとともに、起毛布が支持された起毛布支持部を、駆動源により吸込具の前後或いは左右方向に水平往復移動可能に取付けた電気掃除機用の吸込具が、従来技術として知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
詳しくは、下部吸込具の前部に下方開口を吸込口とした吸込室が形成され、この吸込室の両側室壁に配設した軸受で回転自在に保持されたアジテーターは、アジテーター駆動用のモーターが通電されることにより回転されるようになっている。下部吸込具の後部に、起毛布支持部が前後方向に摺動可能に取付けられているとともに、この起毛布支持部を前後方向に往復移動させる駆動源として電磁石が取付けられている。起毛布支持部には吸込具の底面より突出する起毛布が支持されている。アジテーターと起毛布は略同じ長さで前後に並んで配設されている。
【0004】
この従来の吸込具は、アジテーターの駆動中は電磁石駆動回路が作動せず、起毛布は静止状態を維持する。そして、電磁石が駆動されることにより、この電磁石に連動して起毛布支持部と共に起毛布が床面に対して水平往復動される。このため、起毛布による床面に対する掃き出し回数を、吸込具の一往復に対して多くとれる。したがって、起毛布による掃き出し効果を発揮させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−184492号公報(段落0008−0018、図1−図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の吸込具が有した下部吸込具の底壁の前側左右両端部は、アジテーターが有した可撓性の攪拌体の左右両端から側方に外れており、この両端部でアジテーターを回転自在に支持した軸受が覆われている。吸込具を前方から見て、アジテーターの後方への投影領域に、起毛布の略全体が配置されている。下部吸込具の底壁の後側左右両端部は、起毛布の左右両端に連続するように設けられている。
【0007】
したがって、下部吸込具の左右両端部は、アジテーター及び起毛布の両端からそれらの左右方向に外れている。そのため、下部吸込具の左右両端部の下方に対向した床面は、アジテーターが回転された場合にも、起毛布が床面に対して水平往復動された場合にも、回転するアジテーター及び水平往復動される起毛布による床面の掃除対象範囲から外れてしまう。
【0008】
これにより、従来の電気掃除機用吸込具は、その左右方向の一端から他端にわたる全幅で床面を掃除することができない、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、底壁に吸込み開口を有した吸込みヘッド内に、清掃体駆動手段の駆動により回転される回転清掃体が、その周部をなした床面清掃部材の下部を吸込み開口に通した状態で、軸受により回転自在に支持された電気掃除機用吸込み口体を前提とする。そして、前記の課題を解決するために、本発明は、左右一対の端部床面拭き部材と、拭き部材駆動手段を具備するとともに、左右一対の端部床面拭き部材を、吸込みヘッドを前又は後方向から見た状態で回転清掃体の床面清掃部材に連続するように吸込みヘッドの底壁の両端部下側で、かつ、底壁に沿って往復移動可能に夫々配設し、これら端部床面拭き部材を拭き部材駆動手段により往復移動させながら、被掃除対象の床面を拭き掃除するようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、拭き部材駆動手段により往復移動される左右の端部床面拭き部材と回転清掃体とが、吸込みヘッドを前又は後方向から見てこのヘッドの左右方向の一端から他端にわって連続するように設けられているので、これら回転清掃体及び左右の端部床面拭き部材により、吸込みヘッドの左右方向の一端から他端にわたる全幅で被掃除床面を掃除できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電気掃除機を示す斜視図である。
【図2】図1の電気掃除機が備えた吸込み口体を示す斜視図である。
【図3】図2の吸込み口体を示す下面図である。
【図4】図2の吸込み口体を示す側面図である。
【図5】図2中F5−F5線に沿って示す吸込み口体の断面図である。
【図6】図2の吸込み口体が備えた吸込みヘッドをその上部ヘッドケースを外した状態で示す平面図である。
【図7】図2の吸込み口体が備えた吸込みヘッドをその上部ヘッドケースとファンブロックを外した状態で示す平面図である。
【図8】図2の吸込み口体が備えたファンブロックの一部を示す下面図である。
【図9】図2の吸込み口体の一端部を示す斜視図である。
【図10】(A)は図2の吸込み口体が備えた拭きユニットを裏返した状態で示す斜視図である。(B)は同拭きユニットを表側から見て示す斜視図である。
【図11】図2の吸込み口体が備えた拭きユニットの駆動を説明する図であって、(A)及び(B)は駆動の第1段階を示す略平面図及び略断面図、(C)及び(D)は駆動の第2段階を示す略平面図及び略断面図、(E)及び(F)は駆動の第3段階を示す略平面図及び略断面図、(G)及び(H)は駆動の第4段階を示す略平面図及び略断面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る電気掃除機が備えた吸込み口体を示す下面図である。
【図13】図12の吸込み口体の一端部を示す斜視図である。
【図14】図12の吸込み口体が備えた拭きユニットを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の第1の実施の形態について、図1から図11を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1中符号1は第1実施形態に係る吸込み口体11を備えた例えばキャニスタ型の電気掃除機を示している。この電気掃除機1は、掃除機本体2と、吸塵風路体5とを具備している。
【0014】
車輪3が取付けられた掃除機本体2の後部に図示しない電動送風機が内蔵されている。掃除機本体2の前部は電動送風機の上流側となっており、この前部には図示しない塵分離手段及びこの手段で分離された塵を溜める集塵部等が設けられている。塵分離手段には、そこに吸引された塵の慣性エネルギーを利用して塵と空気を分離するサイクロン式等の慣性分離式の塵分離装置を好適に用いることができるが、紙パックを用いてもよく、或いは粗塵を慣性分離により空気から分離する塵分離装置と、粗塵以外の塵をろ過して空気から分離するフィルターとを併用した塵分離手段を用いることも可能である。
【0015】
吸塵風路体5は、可撓性の吸塵ホース6と、延長管7と、吸込み口体11とを備えている。吸塵ホース6の一端部(根元部)6aは、例えば掃除機本体2の前部上面を開閉する蓋2aに設けた吸塵口2bに取外し可能に差込み接続されていて、この接続により吸塵ホース6内と前記塵分離手段とが連通される。延長管7が着脱可能に嵌合して連結される吸塵ホース6の他端部(先端部)6bに、延長管7を介して吸込み口体11を移動操作するためのハンドル8が設けられている。このハンドル8に前記電動送風機の運転等を指令する手元スイッチ9が取付けられている。
【0016】
延長管7は外管7aと内管7bとを例えば伸縮可能に組み合わせて形成されている。外管7aは吸塵ホース6の他端部6bに着脱可能に嵌合されている。この外管7aの他端(先端)から突出された内管7bの先端部7cに、吸込み口体11の接続管が着脱可能に嵌合されている。
【0017】
次に、吸込み口体11について説明する。吸込み口体11は、掃除対象である部屋のフローリング床面(被掃除床面)を掃除するのに好適なものであり、通常床ブラシとも称されている。図2及び図3に示すように吸込み口体11は、後述する吸込みヘッド12の後側中央部に接続管31を取付けて形成され、この吸込み口体11を表側及び裏側から見た形状は略T字状である。
【0018】
図5に示すように吸込みヘッド12は、いずれも合成樹脂製の下部ヘッドケース13と上部ヘッドケース14とをねじ止めして組み立てられている。図3に示すように吸込みヘッド12は、その下部ヘッドケース13の底壁13aに開口された吸込み開口15を有している。吸込み開口15は吸込みヘッド12の幅方向に延びる長四角形をなしている。ここで、幅方向とは吸込みヘッド12の左右方向(長手方向)を指している。本実施形態では吸込み開口15の前側は、吸込みヘッド12の前側からの吸塵を可能とするために下部ヘッドケース13の前面に設けた前面開放部15aに連続されているが、下部ヘッドケース13にその全幅(この幅寸法を図3中に符号Wで示す。)にわたる前壁を設けて吸込み開口15の前端を閉じてもよい。
【0019】
吸込み開口15はその前側を除いて底壁13aで囲まれている。したがって、図3に示すように底壁13aは、吸込み開口15の長手方向両端に連続した左右一対の端側底壁部13a1と、吸込み開口15の後側に連続した後側底壁部13a2とで囲まれている。吸込みヘッド12の幅方向に真っ直ぐ延びる後側底壁部13a2は、図5に示すように下部ヘッドケース13の下面に開放する溝部を有しており、この溝部の両端部は一対の端側底壁部13a1の後端部を横切っていて、下部ヘッドケース13の幅方向両側面に夫々開放されている。
【0020】
図7に示すように下部ヘッドケース13の例えば後側底壁部13a2には、後述する拭きユニット61の往復動を案内するための長孔16が複数設けられている。これら長孔16は、例えば左右方向に延びているとともに、一直線上に並んで配設されている。又、下部ヘッドケース13には、後側底壁部13a2を左右に二分するようにL字形の逃げ孔13jが設けられている。
【0021】
図5に示すように下部ヘッドケース13は、左右一対の端側底壁部13a1の前端から上向きに折れ曲がった一対の前壁13bを有している。これら前壁13bは図6及び図7に示すように下部ヘッドケース13の左右両端部に設けられていて、これらの間に下部ヘッドケース13の前面開放部が設けられている。これら前壁13bの前記前面開放部と反対側の端は下部ヘッドケース13の側壁13cの前端に連続されている。
【0022】
下部ヘッドケース13の後部でかつ幅方向中央部に、接続凸部13eが下部ヘッドケース13の後壁13dから後向きに一体に突設されている。被掃除床面に沿う吸込み口体11の移動を容易にするためのローラ17が、接続凸部13eの後端部に回転自在に取付けられている。図3及び図4に示すように接続凸部13eの下面にモヘアやフェルト等からなる受圧部材18がローラ17の前側に位置して装着されている。
【0023】
受圧部材18は掃除の際に被掃除床面に接触できるように接続凸部13eの下面に常に突出する厚みを有している。具体的には、受圧部材18が掃除の際に被掃除床面で押されて変形した場合でも、受圧部材18の下面が後述する端部床面拭き部材62及び後部床面拭き部材63の下面より低くなるように受圧部材18の厚みが設定されている。なお、ローラ17の下端の位置も受圧部材18の下面の高さ位置と同様である。これとともに、受圧部材18が配設された位置に、受圧部材18に代えてローラ17を配設して、このローラ17を受圧部材18として用いることも可能である。
【0024】
図3に示すように下部ヘッドケース13に回転清掃体21が取付けられている。回転清掃体21は、両端が小径をなす回転軸22(図5参照)と、この回転軸22に取付けられた床面清掃部材23と、回転軸22の両端部に夫々装着された軸受24と、図6及び図7に示した受動歯車25を有している。床面清掃部材23は回転清掃体21の周部をなしている。この床面清掃部材23は、例えばブラシ毛により形成されていて、回転軸22の外周に螺旋状に巻付けられている。ブラシ毛の長さと腰の強さはフローリング床面にこの面を磨くように接触するのに好適となるように設定されている。
【0025】
回転清掃体21は、その左右の軸受24を、下部ヘッドケース13に形成されている一対の軸受支持部19(一方のみ図5〜図7に示す。)に夫々取付けることによって、床面清掃部材23の下部を吸込み開口15から下方に突出させて吸込みヘッド12に回転自在に支持されている。受動歯車25は、回転軸22の一端部に固定されていて、吸込み開口15から外れて下部ヘッドケース13の一端部内側に配設されている(図6及び図7参照)。
【0026】
接続管31は、図示しない水平な固定管部と、図2及び図4に示す前側接続管部32と、後側接続管部33とを有している。固定管部はその前端に四角い取付けフランジを有している。前側接続管部32は固定管部の水平に延びる中心軸線(図示しない)周りに回転自在に接続されていて、これら固定管部と前側接続管部32の中心軸線(図示しない)は同じである。後側接続管部33は、前側接続管部32の略真後ろに連続する位置と前側接続管部32に対して折れ曲がるように連続する位置とにわたって回動自在に接続されている。固定管部と前側接続管部32と後側接続管部33は互いに連通されている。
【0027】
接続管31は、下部ヘッドケース13と上部ヘッドケース14の内面に対応して形成したフランジ係合部を、前記取付けフランジに係合させることによって吸込みヘッド12に取付けられている。この取付け状態で、前側接続管部32の後部及び後側接続管部33は吸込みヘッド12から後方に突出されていて、前側接続管部32はその前後方向に水平に延びる中心軸線の周りに回転自在である。なお、図2〜図4中符号33aは後側接続管部33の後部をなす挿入管を示し、この挿入管33aが延長管7の先端部7cに挿脱可能に差込み接続される。
【0028】
通常の掃除の際において、図4に示すように接続凸部13eに対して後側接続管部33が斜め上側に起こされた状態で、吸込み口体11が前後に押し引き操作される。この場合、後側接続管部33に加えられる斜め下向きの操作力は主に接続凸部13eに作用されようになっている。したがって、前記操作力が受圧部材18及びローラ17で主に支持される一方で、下部ヘッドケース13の接続凸部13eより前側部位に前記操作力が軽微に作用するようになっている。
【0029】
接続管31の入口をなした固定管部は下部ヘッドケース13に開口された吸い口35(図3及び図7参照)に連通されている。この連通は、下部ヘッドケース13に設けたリブ13f,13g(図7参照)及び後述するファンブロック42で仕切られた風路を介してなされている。つまり、風路の入口は吸い口35である。風路の出口38(図7参照)は下部ヘッドケース13の後部の長手方向中央部に開口されていて、接続管31の入口をなす前記固定管部に対向されている。
【0030】
図3に示すように吸い口35は回転清掃体21の後側に設けられている。吸い口35は、回転清掃体21が収められた下部ヘッドケース13内の前側に区画された前側室部に、この室部と吸い口35とを仕切った仕切り壁等に設けた切欠き状の溝13h,13iを介して連通されている。図3中符号36は下方に開放された溝状をなす導風壁を示し、この導風壁36により溝13iを通った含塵空気が吸い口35に導かれる。吸込み口体11が裏返された状態で、回転清掃体21、吸い口35、及び導風壁36等は、吸込み開口15の内側に位置されている。
【0031】
なお、図3及び図7中符号37は接続凸部13eの根元部に開口された通気孔を示している。通気孔37は接続管31の前記固定管部に対してその前側近傍でかつ前記風路の出口38の近傍に位置されている。フローリング床面を掃除する場合、通気孔37は床面により閉じられるようになるので、この通気孔37を通しての吸込みは無視できる程である。しかし、吸込み口体11がフローリング床面から上方に離された場合、及び吸込み口体11が裏返された場合、通気孔37を通しての吸込みがなされる。これとともに、通気孔37より風路抵抗が大きい前記風路側からの吸込み風量が減らされて、後述のファン45の駆動を低下させ若しくは停止させるようになっている。
【0032】
図6に示すように吸込みヘッド12に清掃体駆動手段41が内蔵されている。本実施形態では、清掃体駆動手段41に例えば吸込みヘッド12を流通する気流を利用して動作するエア駆動式のものを採用したが、これに代えて電動機により駆動される清掃体駆動手段を用いることができる。
【0033】
エア駆動式の清掃体駆動手段41は、図6に示すようにファンブロック42と伝動部51とからなる。
【0034】
ファンブロック42は、下部ヘッドケース13と上部ヘッドケース14とで上下から挟持されている。このファンブロック42は、図6に示した仕切り部43と、ファンケーシング部44と、ファン45と、図8に示した吐出し風路壁46と、駆動歯車47を有している。
【0035】
仕切り部43は吸い口35から接続管31の入口に至る前記風路を上側から仕切っている。これとともに、仕切り部43と上部ヘッドケース14との間に外気通路(図示しない)が形成されていて、この外気通路の通路入口48(図2参照)が上部ヘッドケース14の一端部に設けられている。通路入口48は図5に示すように上部ヘッドケース14を貫通する多数の小孔により形成されている。
【0036】
図6に示すようにファンケーシング部44は、下部ヘッドケース13の長手方向(幅方向)中央部に位置された仕切り部43の一端部に形成されている。このファンケーシング部44と、これにその上側から嵌合された上部ヘッドケース14の図示しないファンケーシング部とにより、ファン格納室が形成されていて、この格納室と前記外気通路とは通路出口49により連通されている。
【0037】
ファン45は下部ヘッドケース13に回転自在に軸支されてファン格納室に格納されている。図8に示すように吐出し風路壁46は仕切り部43の一端部裏面に、この一端部との間に図示しない吐出し風路を形成して一体に形成されている。この吐出し風路は前記ファン格納室の底面に開口された図示しない通孔により前記ファン格納室と連通されており、それによりファン45から吐き出される空気が吐出し風路を流通するようになっている。図3及び図8中符号50は吐出し風路の風路出口を示している。この風路出口50は接続管31の入口にその前側から対向されている。吐出し風路はリブ13f,13g間の前記風路とは仕切られており、この風路の出口38と風路出口50は、並んで接続管31の入口に対向している。
【0038】
駆動歯車47は、吐出し風路壁46の裏側、つまり、下側に配置されている。図8に示すように駆動歯車47の下端面には偏心軸52が突設されている。駆動歯車47の中心軸線に対する偏心軸52の偏心寸法を図8に符号lで示す。したがって、ファン45とともに駆動歯車47が回転されると、この駆動歯車47の中心軸線を中心として偏心寸法lを半径とする円を描いて偏心軸52が回転されるようになっている。
【0039】
図6に示すように伝動部51は、歯車減速機53と、入力側伝動機構54と、出力側伝動機構55を備えている。入力側伝動機構54は、例えば駆動歯車47と、歯車減速機53が有した入力歯車53aと、これらに巻き掛けて張り渡された入力側タイミングベルト54aとで形成されているが、歯車伝動機構を用いてもよい。出力側伝動機構55は、例えば歯車減速機53が有した出力歯車53bと、回転清掃体21が有した受動歯車25と、これらに巻き掛けて張り渡された出力側タイミングベルト55aとで形成されているが、歯車伝動機構を用いてもよい。
【0040】
吸込みヘッド12に拭きユニット61が往復移動可能に取付けられている。図10(A)(B)等に示すように拭きユニット61は、左右一対の端部床面拭き部材62と、後部床面拭き部材63と、左右一対の側面部材64と、例えば左右一対の前面拭き部材65を備えている。
【0041】
端部床面拭き部材62は、図5で示すように下ベース部62aと下部拭き要素62bとからなる。下ベース部62aは合成樹脂製で前記端側底壁部13a1に見合った大きさの平板状をなしている。下部拭き要素62bは、モヘアやパイル等からなり、下ベース部62aの下面に貼り付けて装着されている。
【0042】
後部床面拭き部材63は、一対の端部床面拭き部材62にわたって設けられていて、これら端部床面拭き部材62と同様に下ベース部63aと後部拭き要素63bとからなる。下ベース部63aは合成樹脂製で前記後側底壁部13a2に見合った大きさの平板状をなしている。この下ベース部63aは端部床面拭き部材62の下ベース部62aと一体に成形されている。後部拭き要素63bは、モヘアやパイル等からなり、下ベース部63aの下面に貼り付けて装着されている。この後部拭き要素63bも端部床面拭き部材62の下部拭き要素62bと一体に設けられ、かつ、これら下部拭き要素62bと後部拭き要素63bは面一に連続されている。したがって、一対の端部床面拭き部材62と後部床面拭き部材63とは、コの字状をなして互いに連続されている。
【0043】
側面部材64は、端部床面拭き部材62から上向きに折れ曲がって設けられていて、図10(B)に示すように側面ベース部64aと側面拭き要素64bとからなる。側面ベース部64aは合成樹脂製で端部床面拭き部材62の下ベース部62aと一体に成形されている。側面拭き要素64bは、モヘアやパイル等からなり、側面ベース部64aの側面に貼り付けて装着されている。この側面拭き要素64bは端部床面拭き部材62の下部拭き要素62bと一体に連続されている。
【0044】
前面拭き部材65は、側面部材64の前端から折れ曲がって設けられていて、端部床面拭き部材62を前側から覆っている。この前面拭き部材65は、図10(A)(B)に示すように前ベース部65aと前部拭き要素65bとからなる。前ベース部65aは、合成樹脂製で端部床面拭き部材62の下ベース部62a及び側面部材64の側面ベース部64aと一体に成形されている。更に、前ベース部65aは、側面ベース部64の前端から折れ曲がっているとともに、下ベース部62aの前端に対しても折れ曲がっている。この前ベース部65aの長さは端部床面拭き部材62の左右方向の幅よりも長い。前部拭き要素65bは、モヘアやパイル等からなり、前ベース部65Aの前面に貼り付けて装着されている。この前部拭き要素65bは側面部材64の側面拭き要素64bと一体に連続されている。
【0045】
前部拭き要素65bの下縁と下部拭き要素62bの前端とは非連続であるとともに、前部拭き要素65bの下縁は下部拭き要素62bの下面よりも下方に位置されているので、これらの縁部間に図5に示す通気溝66が形成されている。通気溝66は前部拭き要素65bの前縁に沿って左右方向に延びており、この通気溝66に前ベース部65aの下縁が露出されている。なお、図5中符号Aはフローリング床面を示し、符号Bはフローリング床面に対して略直角に起立された室内側壁端を示している。
【0046】
後部床面拭き部材63の下ベース部63aの裏面(上面)には、図10(B)に示すように前記長孔16と同数の摺動凸部67が一体に突設されている。更に、下ベース部63aの長手方向中央部にはスリット状の係合溝68を有した受動部材69が一体に形成されている。
【0047】
前記構成の拭きユニット61は下部ヘッドケース13に対して左右方向に移動可能に取付けられている。下部ヘッドケース13に取付けられた拭きユニット61が有した一対の端部床面拭き部材62は、下部ヘッドケース13の端側底壁部13a1をその下方から覆っている。これら端部床面拭き部材62は、吸込みヘッド12を前又は後方向から見た状態で、回転清掃体21の床面清掃部材23に対してその左右両側に連続するように配設されている。下部ヘッドケース13に取付けられた拭きユニット61が有した後部床面拭き部材63は、下部ヘッドケース13の後側底壁部13a2内に嵌合されて、この後側底壁部13a2をその下方から覆っている。
【0048】
以上のように配設された左右一対の端部床面拭き部材62と後部床面拭き部材63とは、図3に示すように吸込み開口15をその前側を除いて囲んでいる。これら端部床面拭き部材62と後部床面拭き部材63の下面は面一であるとともに、この下面の高さ位置は、前記受圧部材18の下面よりも多少高い位置にある。
【0049】
図7に示すように受動部材69は、下部ヘッドケース13の逃げ孔13jより小さく、この逃げ孔13j内に収容されている。受動部材69は逃げ孔13j内を左右方向に移動可能である。更に、図5に示すように各摺動凸部67は対応する位置の下部ヘッドケース13の長孔16に摺動可能に嵌合されている。これらの摺動凸部67との間に摺動リング70を介在させて各摺動凸部67にねじ71を夫々ねじ込むことにより、下部ヘッドケース13が拭きユニット61が左右方向に移動可能に支持されている。摺動リング70は、滑性が高い材料で作られていて、その直径は、長孔16の長手方向と直交する方向の孔の幅より大きく、下部ヘッドケース13に対する拭きユニット61の外れ止めをなしている。
【0050】
下部ヘッドケース13に取付けられた拭きユニット61が有した一対の側面部材64は、下部ヘッドケース13の左右の側壁13cの下部側面を覆っている。下部ヘッドケース13に取付けられた拭きユニット61が有した一対の前面拭き部材65は、下部ヘッドケース13の前壁13bの下部前面を覆っている。これらの前面拭き部材65は、吸込みヘッド12の最も前に配置されている。更に、図3に示すように一対の前面拭き部材65は、回転清掃体21が有した床面清掃部材23の長手方向両端部の前面を覆っている。これとともに、下部拭き要素62bと前部拭き要素65b間の通気溝66は、下部ヘッドケース13の吸込み開口15に連通されている。
【0051】
拭きユニット61は拭き部材駆動手段により往復移動されるようになっている。拭き部材駆動手段は、例えば清掃体駆動手段41を駆動部として共用して形成されている。詳しく、拭き部材駆動手段は、清掃体駆動手段41のファン(駆動部)45と、前記偏心軸52と、拭きユニット61の受動部材69とで形成されており、偏心軸52は受動部材69の係合溝68に挿入されている。
【0052】
前記構成の電気掃除機1の電動送風機が運転されると、それに伴い吸込み口体11の吸込み開口15を通って吸込まれた含塵空気が、吸込み口体11、延長管7、吸塵ホース6を、この記載順に通過して掃除機本体2内に導かれる。それにより、掃除機本体2内で空気と塵が分離されて、塵が集塵部内に溜められる一方で、電動送風機に吸込まれるとともにこの電動送風機から排出された空気が掃除機本体2の外部に放出される。
【0053】
こうした掃除下での吸込み口体11を通る含塵空気の流通経路は以下の通りである。
【0054】
即ち、含塵空気は、吸込み開口15から回転清掃体21の周囲を通って、吸い口35に吸込まれた後、ファンブロック42の下側に形成されている風路を経由して、接続管31の入り口である図示しない固定筒部に吸込まれ、更に前側接続管部32から後側接続管部33を流通する。
こうした含塵空気の流れとは別に吸込み口体11には外気が通されてファン45が回転される。つまり、上部ヘッドケース14の通路入口48から図示しない前記外気通路に吸込まれた外気が、通路出口49からファン格納室を経由して図示しない吐出し風路を流通し、この風路の風路出口50から接続管31に吸込まれる。このため、ファン格納室に格納されたファン45が回転される。
【0055】
ファン45は清掃体駆動手段41の駆動部であるので、この清掃体駆動手段41の入力側伝動機構54、歯車減速機53、及び出力側伝動機構55を経由して、ファン45の回転力が回転清掃体21に与えられて、この回転清掃体21が回転される。そのため、フローリング床面A上の塵が回転清掃体21の床面清掃部材23で掻き上げられて、既述の含塵空気の流れに乗って運ばれる。
【0056】
この掃除において、回転清掃体21の回転により、その床面清掃部材23がフローリング床面Aを擦るようにして塵を掻き上げるので、それに伴い、フローリング床面Aが床面清掃部材23によって磨かれて艶出しされる。
【0057】
しかも、ファン45は拭き部材駆動手段の駆動部を兼ねているので、拭きユニット61が繰り返し左右方向に往復移動される。こうした拭きユニット61の振動動作を図11により説明する。
【0058】
図11(A)(B)に示すように拭き部材駆動手段の偏心軸52が、受動部材69が有した係合溝68の長手方向一端部に位置された状態から、ファン45とともに回転される駆動歯車47の回転に伴い、偏心軸52が時計回りに回転するものとする。この回転により、図11(C)に示すように偏心軸52と係合溝68との相対位置が変わるに伴い、偏心軸52が、受動部材69を介して後部床面拭き部材63を図11(C)(D)中矢印L1に示す方向に押して移動させる。これにより、後部床面拭き部材63を有した拭きユニット61が矢印L1で示した左方向に移動される。
【0059】
この後、偏心軸52と係合溝68との相対位置が図11(E)に示すように変わるに伴い、偏心軸52が、受動部材69を介して後部床面拭き部材63を図11(E)(F)中矢印R1に示す方向に押して移動させる。これにより、後部床面拭き部材63を有した拭きユニット61が矢印R1で示した右方向に移動される。
【0060】
回転の継続により偏心軸52と係合溝68との相対位置が図11(G)に示すように変わるに伴い、偏心軸52が、受動部材69を介して後部床面拭き部材63を図11(G)(H)中矢印R2に示す方向に押して移動させる。これにより、後部床面拭き部材63を有した拭きユニット61が矢印R2で示したように更に右方向に移動される。
【0061】
更に、回転の継続により駆動歯車47及び偏心軸52が一回転して、偏心軸52と係合溝68との相対位置が図11(A)に示すように戻されるに伴い、偏心軸52が、受動部材69を介して後部床面拭き部材63を図11(A)(B)中矢印L2に示す方向に押して移動させる。これにより、後部床面拭き部材63を有した拭きユニット61が矢印R2で示した右方向に移動される。
【0062】
こうして駆動歯車47及び偏心軸52の一回転について拭きユニット61が一往復左右方向に移動され、この一サイクルの動作が偏心軸52の回転の継続により繰り返される。それに伴い、左右一対の端部床面拭き部材62がフローリング床面Aを擦るので、フローリング床面A上の塵を容易にフローリング床面Aから分離させることができる。
【0063】
これら左右一対の端部床面拭き部材62は、吸込みヘッド12を前又は後方向から見た状態で、回転清掃体21の床面清掃部材23に対してその左右両側に連続するように配設されているので、これら端部床面拭き部材62と回転清掃体21とによって、吸込みヘッド12のほぼ全幅でフローリング床面Aを掃除することができる。
【0064】
そのため、室内側壁Bに側面部材64が接するようにして掃除をする場合には、この室内側壁Bにより近い床面位置を一方の端部床面拭き部材62で掃除することが可能である。その際、側面部材64が室内側壁Bに当たることがあっても、側面部材64の側面拭き要素64bで緩衝できるので、側面部材64をバンパーとして機能させることができる。
【0065】
既述の掃除において、フローリング床面Aを擦る左右一対の端部床面拭き部材62によって、フローリング床面Aは磨かれて艶出しされる。更に、端部床面拭き部材62とともに繰り返し往復移動される後部床面拭き部材63においても、フローリング床面Aからの塵の分離及びフローリング床面Aの艶出しが行われる。
【0066】
しかも、吸込み開口15はその前側を除く三方を左右一対の端部床面拭き部材62と後部床面拭き部材63とで囲まれているので、吸込み開口15の真空度が上がり、それに伴い吸塵性能を向上できる。これとともに、一対の端部床面拭き部材62と後部床面拭き部材63が一体であるので、これらがフローリング床面Aを擦ることに伴って、端部床面拭き部材62及び後部床面拭き部材63は、それらが別々であって下部ヘッドケース13に貼り付けられている場合に比較して、剥がれ難い。
【0067】
更に、吸込みヘッド12の前端が室内側壁Bに押付けられると、拭きユニット61の前面拭き部材65が室内側壁Bの下端部に押し当てられる。そのため、前面拭き部材65の左右方向への振動によって室内側壁Bの下端部に付着している塵を容易に分離して落すことができる。
【0068】
しかも、前面拭き部材65が室内側壁Bに押付けられた状態では、通気溝66の真空度が高められる。そのため、前面拭き部材65が落とされた塵を、通気溝66を通って空気が吸込み開口15に吸込まれる空気流に載せて容易に吸込み開口15に吸引できる。
【0069】
なお、拭きユニット61が往復移動される方向を、吸込みヘッド12の前後方向として実施する場合には、前記長孔16を前後方向に延ばして設けるとともに、受動部材68を左右方向に延びるように設ければ良い。このようにした場合には、室内側壁Bの下端部に付着している塵を、前後方向に振動される側面部材64の側面拭き要素64bで擦って容易に落とすことができる。
【0070】
又、側面拭き要素64bとこれと一体の前部拭き要素65bを、下部拭き要素62bと後部拭き要素63bとから分離して下部ヘッドケース13に貼付けることにより、下部拭き要素62b及び後部拭き要素63bの側面部材64側の縁と、側面拭き要素64bとの間に前後方向に伸びる通気溝を形成し、更に、この通気溝を吸込み開口15に連通させて実施した場合には、側面拭き要素64bが室内側壁Bから擦り落とした塵を容易に吸込み開口15に吸引できる。
【0071】
又、既述の掃除において、フローリング床面Aに沿って吸込み口体11を前進させる際、この吸込み口体11には延長管7を介して斜め下向きの操作力F(図4参照)が加えられる。この操作力は、拭きユニット61より後方に位置されている下部ヘッドケース13の接続凸部13eに主として作用し、受圧部材18及びローラ17で主に支持される。それに伴い、前記操作力によって、拭きユニット61がフローリング床面Aに強く押付けられないようにできるので、拭きユニット61の左右方向の往復移動(振動)を容易かつ確実に実行させて、既述のようにフローリング床面A等を掃除することができる。
【0072】
図12から図14は本発明の第2の実施の形態を示している。この第2実施形態は、以下説明する事項を除いて第1実施形態と同じ構成であるので、第1実施形態と同じ構成については第1実施形態と同一符号を付してその説明を省略する。
【0073】
第2実施形態では、吸込みヘッド12がその下部ヘッドケース13から下方に突出する固定ブラシ75を備えている。具体的には、固定ブラシ75は、左右一対の前面拭き部材65の前ベース部65aの下面に夫々植毛されて、回転清掃体21の軸方向と平行な列をなして設けられている。この固定ブラシ75の下方への突出長さは、これに隣接された端部床面拭き部材62が有した下部拭き要素62bの厚みよりも長い。
【0074】
更に、第2実施形態では、固定ブラシ75の後側、つまり、この固定ブラシ75と下部拭き要素62bの前縁との間に、通気用の根元溝76を設けている。この根元溝76は、固定ブラシ75の根元に沿って延びていて、吸込み開口15に連通されている。
【0075】
吸込み口体11が以上のような固定ブラシ75を備えたことより、この吸込み口体11をフローリング床面に沿って移動させるに伴って、フローリング床面をなす床材間に設けられているV字状の溝内の塵を、固定ブラシ75で掻き出すことができる。それだけではなく、掻き出された塵を、掻き出される傍から根元溝76を流通する空気によって吸込み開口15に吸引することができる。以上のように第2実施形態の吸込み口体11を用いて掃除をすることで、フローリング床面の最表面だけではなくフローリング床面が有した溝内を含めて掃除することができる。
【0076】
以上説明した事項以外は、図12から図14に示されない構成を含めて第2実施形態は第1実施形態と同じであるので、第1実施形態で既に説明した理由によって、第2実施形態は本発明の課題を解決できる。
【0077】
なお、下部拭き要素62bと後部拭き要素63bとが前後に分離されている場合、これらの部材間に下部拭き要素62bの後縁に沿う列状の固定ブラシ75を設けるとともに、この固定ブラシ75の根元に沿って延びる根元溝を固定ブラシ75の根元に沿って設けて、第2実施形態を実施することもできる。更に、固定ブラシ75を、下部拭き要素62bに対して直角または斜めに横切って設けるとともに、この固定ブラシ75の根元に沿って延びて下部拭き要素62bを横切る根元溝を固定ブラシ75の根元に沿って設けて、第2実施形態を実施することもできる。
【0078】
前記各実施形態では、清掃体駆動手段41の駆動部と拭き部材駆動手段の駆動部を、一個のファン45で共用したので、構成が簡単である点で好ましいが、これらの駆動部を別々に設けて本発明を実施することができるとともに、駆動部を共用するか否かを問わず、駆動部にはファン45に代えて電動機を採用できる。
【0079】
更に、本発明は、側面部材64及び前面拭き部材65を省略して実施できるとともに、これらに加えて後部床面拭き部材63を省略して実施することも可能である。
【符号の説明】
【0080】
1…電気掃除機、2…掃除機本体、2b…吸塵口、5…吸込み風路体、6…吸塵ホース、6a…吸塵ホースの一端部、6b…吸塵ホースの他端部、7…延長管、7c…延長管の先端部、11…吸込み口体、12…吸込みヘッド、13a…下部ヘッドケースの底壁(吸込みヘッドの底壁)、13e…接続凸部、15…吸込み開口、18…受圧部材、21…回転清掃体、23…床面清掃部材(回転清掃体の周部)、24…軸受、31…接続管、32…前側接続管部、33…後側接続管部、41…清掃体駆動手段、52…偏心軸(拭き部材駆動手段の一部)、61…拭きユニット、62…端部床面拭き部材、62a…端部床面拭き部材の下ベース部、62b…下部拭き要素、63…後部床面拭き部材、63a…後部床面拭き部材の下ベース部、63b…後部拭き要素、65…前面拭き部材、65a…前ベース部、65b…前部拭き要素、66…通気溝、68…係合溝、69…受動部材(拭き部材駆動手段の一部)、75…固定ブラシ、76…根元溝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁に吸込み開口を有した吸込みヘッドと、このヘッドの後部に取付けられた接続管と、周部が床面清掃部材で形成されているとともにこの床面清掃部材の下部が前記吸込み開口に通された状態で前記吸込みヘッド内に軸受により回転自在に支持された回転清掃体と、前記吸込みヘッドに内蔵され前記回転清掃体を回転させる清掃体駆動手段とを具備した電気掃除機用吸込み口体において、
下ベース部とこの下ベース部に装着された下部拭き要素とからなる左右一対の端部床面拭き部材を備え、これら端部拭き部材が、前記吸込みヘッドを前又は後方向から見た状態で前記回転清掃体の床面清掃部材に連続するように前記底壁の両端部下側で、かつ、前記底壁に沿って往復移動可能に夫々配設されているとともに、一対の前記端部床面拭き部材を往復移動させる拭き部材駆動手段を前記吸込みヘッドに設けたことを特徴とする電気掃除機用吸込み口体。
【請求項2】
前記接続管が、前側接続管部、及びこの前側接続管部の略真後ろに連続する位置と前記前側接続管部に対して折れ曲がるように連続する位置とにわたって回動自在に接続された後側接続管部を有し、
前記吸込みヘッドがその後部中央部から後向きに突出された接続凸部を有し、
この接続凸部に前記前側接続管部がその前後方向に延びる中心軸線の周りに回転可能に接続されていて、
前記接続凸部に対して前記後側接続管部が斜めに起こされた状態でこの後側接続管部に加えられる斜め下向きの操作力を被掃除床面に接して支持する受圧部材を前記接続凸部に取付け、この受圧部材の下端が前記端部床面拭き部材の下面よりも低く配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機用吸込み口体。
【請求項3】
前記吸込みヘッドの前端に配置されて前記端部床面拭き部材と一体に往復移動される前面拭き部材を備え、この前面拭き部材が、前記下ベース部の前端から上向きに折れ曲がって前記吸込みヘッドを前側から覆った前ベース部と、この前ベース部に装着された前部拭き要素とからなり、前記下部拭き要素の前縁と前記前部拭き要素の下縁との間に前記吸込み開口に連通する通気溝が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気掃除機用吸込み口体。
【請求項4】
一対の前記端部床面拭き部材と一体に往復移動される後部床面拭き部材が、一対の前記端部床面拭き部材にわたって前記底壁の下側に配設されていて、これら一対の端部床面拭き部材と後部床面拭き部材とで前記吸込み開口がその前側を除いて囲まれていることを特徴とする請求項1から3の内のいずれか一項に記載の電気掃除機用吸込み口体。
【請求項5】
一対の前記端部床面拭き部材の前後いずれかの縁に沿う固定ブラシ、若しくは前記端部床面拭き部材を横切る固定ブラシを備えるとともに、この固定ブラシの下方への突出長さが、前記端部床面拭き部材が有した下部拭き要素の厚みより長いことを特徴とする請求項1,2.4の内のいずれか一項に記載の電気掃除機用吸込み口体。
【請求項6】
前記固定ブラシの前側又は後側の少なくとも一方に、この固定ブラシの根元に沿って延びるとともに前記吸込み開口に連通する通気用の根元溝が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の電気掃除機用吸込み口体。
【請求項7】
吸塵口を有した掃除機本体と、
前記吸塵口に接続された吸塵ホース、この吸塵ホースの先端部に接続された延長管、及びこの延長管の先端部に接続された請求項1から6の内のいずれか一項に記載の吸込み口体を有した吸塵風路体と、
を具備したことを特徴とする電気掃除機。
【請求項1】
底壁に吸込み開口を有した吸込みヘッドと、このヘッドの後部に取付けられた接続管と、周部が床面清掃部材で形成されているとともにこの床面清掃部材の下部が前記吸込み開口に通された状態で前記吸込みヘッド内に軸受により回転自在に支持された回転清掃体と、前記吸込みヘッドに内蔵され前記回転清掃体を回転させる清掃体駆動手段とを具備した電気掃除機用吸込み口体において、
下ベース部とこの下ベース部に装着された下部拭き要素とからなる左右一対の端部床面拭き部材を備え、これら端部拭き部材が、前記吸込みヘッドを前又は後方向から見た状態で前記回転清掃体の床面清掃部材に連続するように前記底壁の両端部下側で、かつ、前記底壁に沿って往復移動可能に夫々配設されているとともに、一対の前記端部床面拭き部材を往復移動させる拭き部材駆動手段を前記吸込みヘッドに設けたことを特徴とする電気掃除機用吸込み口体。
【請求項2】
前記接続管が、前側接続管部、及びこの前側接続管部の略真後ろに連続する位置と前記前側接続管部に対して折れ曲がるように連続する位置とにわたって回動自在に接続された後側接続管部を有し、
前記吸込みヘッドがその後部中央部から後向きに突出された接続凸部を有し、
この接続凸部に前記前側接続管部がその前後方向に延びる中心軸線の周りに回転可能に接続されていて、
前記接続凸部に対して前記後側接続管部が斜めに起こされた状態でこの後側接続管部に加えられる斜め下向きの操作力を被掃除床面に接して支持する受圧部材を前記接続凸部に取付け、この受圧部材の下端が前記端部床面拭き部材の下面よりも低く配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機用吸込み口体。
【請求項3】
前記吸込みヘッドの前端に配置されて前記端部床面拭き部材と一体に往復移動される前面拭き部材を備え、この前面拭き部材が、前記下ベース部の前端から上向きに折れ曲がって前記吸込みヘッドを前側から覆った前ベース部と、この前ベース部に装着された前部拭き要素とからなり、前記下部拭き要素の前縁と前記前部拭き要素の下縁との間に前記吸込み開口に連通する通気溝が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気掃除機用吸込み口体。
【請求項4】
一対の前記端部床面拭き部材と一体に往復移動される後部床面拭き部材が、一対の前記端部床面拭き部材にわたって前記底壁の下側に配設されていて、これら一対の端部床面拭き部材と後部床面拭き部材とで前記吸込み開口がその前側を除いて囲まれていることを特徴とする請求項1から3の内のいずれか一項に記載の電気掃除機用吸込み口体。
【請求項5】
一対の前記端部床面拭き部材の前後いずれかの縁に沿う固定ブラシ、若しくは前記端部床面拭き部材を横切る固定ブラシを備えるとともに、この固定ブラシの下方への突出長さが、前記端部床面拭き部材が有した下部拭き要素の厚みより長いことを特徴とする請求項1,2.4の内のいずれか一項に記載の電気掃除機用吸込み口体。
【請求項6】
前記固定ブラシの前側又は後側の少なくとも一方に、この固定ブラシの根元に沿って延びるとともに前記吸込み開口に連通する通気用の根元溝が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の電気掃除機用吸込み口体。
【請求項7】
吸塵口を有した掃除機本体と、
前記吸塵口に接続された吸塵ホース、この吸塵ホースの先端部に接続された延長管、及びこの延長管の先端部に接続された請求項1から6の内のいずれか一項に記載の吸込み口体を有した吸塵風路体と、
を具備したことを特徴とする電気掃除機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−259534(P2010−259534A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−111250(P2009−111250)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】
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