説明

電気掃除機用集塵容器

【課題】塵埃を捕獲するためにティッシュペーパーを用いる構成において、ごみ捨ての際にティッシュペーパーから塵埃が舞い上がることを防止できる電気掃除機用集塵容器を提供すること。
【解決手段】集塵容器10は、他方面側が開放されているケース20と、この他方面側を開いた開位置と他方面側を閉じた閉位置との間で回動可能なフィルタ装置21とを有している。フィルタ装置21においてケース20の他方面側に対向する対向面42には、対向面42に先立って塵埃を捕獲するティッシュペーパーPが載せられる。対向面42は、固定フィルタ35と、固定フィルタ35に連結された回動フィルタ37とを有している。回動フィルタ37は、フィルタ装置21が開位置まで回動するのに応じて、固定フィルタ35へ接近するように回動して対向面42上のティッシュペーパーPを袋状に折り畳む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気掃除機用集塵容器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気掃除機の掃除機本体は、一般に、塵埃を集める電気掃除機用集塵容器(以下では、単に「集塵容器」という。)および電動送風機等を備えている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の集塵容器は、吸込口が形成されて空気の流れ方向下流側に開放面を有するケースと、通気性メッシュで形成された捕獲領域を有し、ヒンジ構造を介してケースに連結されるフィルタ装置とで構成されている。フィルタ装置は、ヒンジ構造を中心に回動することで、ケースの開放面を開閉することができる。フィルタ装置がケースの開放面を閉じたとき、フィルタ装置の捕獲領域がケースの開放面に対向する。
【0003】
そして、特許文献1に記載の集塵容器では、ケースの開放面とフィルタ装置の捕獲領域とによって、1枚のティッシュペーパーが挟持される。電動送風機を駆動させると、吸込口を介して空気がケース内に流入し、この空気に含まれる塵埃は、ティッシュペーパーおよびフィルタ装置の捕獲領域の通気性メッシュを、この順番で通過しようとする。ここで、ティッシュペーパーは、空気の流れ方向に見て、通気性メッシュの上流側に位置するので、塵埃は、通気性メッシュに到達する前にティッシュペーパーによって捕獲されることとなり、通気性メッシュの早期目詰まりを抑制することができる。これにより、通気性メッシュのメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0004】
そして、捕獲領域が上を向くようにフィルタ装置を回動させてケースの開放面を開くと、捕獲領域には、塵埃を捕獲したティッシュペーパーが載った状態となり、この状態でフィルタ装置を傾けると、捕獲領域からごみ箱にティッシュペーパーを滑り落として捨てることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−18107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の集塵容器では、捕獲領域が上を向くようにフィルタ装置を回動させてケースの開放面を開くと、捕獲領域に載ったティッシュペーパーが水平方向にほぼ平坦となっている。この状態では、ティッシュペーパーに捕獲されてティッシュペーパー上に溜まった塵埃の位置が安定せず、ちょっとした弾みで、塵埃がティッシュペーパーから舞い上がって周囲に飛散してしまう虞がある。
【0007】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、塵埃を捕獲するためにティッシュペーパーを用いる構成において、ごみ捨ての際にティッシュペーパーから塵埃が舞い上がることを防止できる電気掃除機用集塵容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、電気掃除機本体に着脱される集塵容器であって、一方面に空気および塵埃を取り込む吸込口が形成され、他方面側は開放されているケースと、一端部がヒンジを介して前記ケースに連結されていて、前記ケースの他方面側を開いた開位置と前記ケースの他方面側を閉じた閉位置との間で前記ヒンジを中心に回動可能であり、前記閉位置において、前記ケースの他方面側から流れ出る空気は通過させるが、塵埃は捕獲するフィルタ装置と、を有し、前記フィルタ装置には、通気性メッシュで形成され、前記閉位置において前記ケースの他方面側に対向し、ティッシュペーパーが載せられる対向面が設けられ、前記対向面は、固定部分と、前記固定部分に回動可能に連結され、前記フィルタ装置が前記閉位置から前記開位置まで回動するのに応じて、前記固定部分へ接近するように回動して前記対向面上のティッシュペーパーを袋状に折り畳むための回動部分と、を有することを特徴とする、電気掃除機用集塵容器である。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記回動部分において前記連結から最も離れた端部に設けられた係合部と、前記固定部分において前記連結から最も離れた端部に設けられ、前記回動部分が前記固定部分へ接近するように回動したときに前記係合部に係合される被係合部と、を含み、前記回動部分が前記固定部分へ接近するように回動したときに、前記回動部分によって袋状に折り畳まれたティッシュペーパーの周縁部を前記係合部および前記被係合部で挟んで綴じる綴じ部を有することを特徴とする、請求項1記載の電気掃除機用集塵容器である。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記ケースに設けられたガイドレールと、前記回動部分において前記連結から最も離れた端部に設けられ、前記フィルタ装置が前記閉位置にあるときには前記ガイドレールの一端部に嵌っていて、前記フィルタ装置が前記閉位置から前記開位置へ向かう途中にあるときには前記ガイドレールに嵌った状態で前記ガイドレールに沿って前記ガイドレールの他端部側へ移動することによって前記回動部分を前記固定部分へ接近するように回動させ、前記フィルタ装置が前記開位置に到達すると前記ガイドレールの他端部から外れるガイド軸と、を有することを特徴とする、請求項1または2記載の電気掃除機用集塵容器である。
【0011】
請求項4記載の発明は、前記ガイド軸が前記ガイドレールの他端部から外れたときに、前記回動部分を前記固定部分から離れる方向へ回動するように付勢する第1付勢部材を有することを特徴とする、請求項3記載の電気掃除機用集塵容器である。
請求項5記載の発明は、前記対向面は、空気の流れ方向下流側へ向けて窪んでいることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の電気掃除機用集塵容器である。
【0012】
請求項6記載の発明は、電気掃除機本体に着脱される集塵容器であって、一方面に空気および塵埃を取り込む吸込口が形成され、他方面側は開放されているケースと、一端部がヒンジを介して前記ケースに連結されていて、前記ケースの他方面側を開いた開位置と前記ケースの他方面側を閉じた閉位置との間で前記ヒンジを中心に回動可能であり、前記閉位置において、前記ケースの他方面側から流れ出る空気は通過させるが、塵埃は捕獲するフィルタ装置と、前記フィルタ装置に設けられ、通気性メッシュで形成されており、前記フィルタ装置が前記閉位置にあるときにおいて前記ケースの他方面側に対向し、空気の流れ方向下流側へ向けて窪んでいて、窪み部分に沿うようにティッシュペーパーが装着される対向面と、前記フィルタ装置が前記閉位置にあるときに前記吸込口に連通する入口と前記対向面に臨む出口とを有する管状であり、前記窪み部分において前記入口側を中心に回動可能となるように前記フィルタ装置に支持されており、前記対向面に装着されたティッシュペーパーを前記対向面に押し付ける第1押付部が前記出口側に設けられているとともに、別のティッシュペーパーを受け止めて前記ケースの内面に押し付けることができる第2押付部が前記入口側に設けられた流路部材と、を有することを特徴とする、電気掃除機用集塵容器である。
【0013】
請求項7記載の発明は、前記対向面の周縁部に設けられた係合部と、前記ケースの前記他方面側の周縁部に設けられ、前記フィルタ装置が前記閉位置まで回動したときに前記係合部に係合される被係合部と、を含み、前記フィルタ装置が前記閉位置まで回動したときに、前記窪み部分に沿うように装着されたティッシュペーパーの周縁部と前記第2押付部に受け止められた別のティッシュペーパーの周縁部とを前記係合部および前記被係合部で挟んで綴じる綴じ部を有することを特徴とする、請求項6記載の電気掃除機用集塵容器である。
【0014】
請求項8記載の発明は、前記吸込口に挿通された状態で、前記ケース外に突出した第1位置と前記ケース内に突出した第2位置とに移動可能となるように前記ケースに支持された第1カット部材であって、前記集塵容器が前記電気掃除機本体に装着されたときに前記第2位置へ移動して、前記第2押付部に受け止められているティッシュペーパーにおいて前記入口にかかっている部分をそれ以外の部分から切断する第1カット部材を有することを特徴とする、請求項6または7記載の電気掃除機用集塵容器である。
【0015】
請求項9記載の発明は、前記第2押付部は、軟質材で形成されていることを特徴とする、請求項8記載の電気掃除機用集塵容器である。
請求項10記載の発明は、前記フィルタ装置が前記閉位置から前記開位置へ向けて回動したときに、前記第1押付部が前記対向面から離れる方向へ前記流路部材を付勢する第2付勢部材を有することを特徴とする、請求項6〜9のいずれかに記載の電気掃除機用集塵容器である。
【0016】
請求項11記載の発明は、前記ケースの内面に設けられ、前記第2押付部に受け止められたティッシュペーパーと前記ケースの内面との間に、前記対向面につながる空間ができるように当該ティッシュペーパーを押さえるリブを有することを特徴とする、請求項6〜10のいずれかに記載の電気掃除機用集塵容器である。
請求項12記載の発明は、電気掃除機本体に着脱される集塵容器であって、一方面に空気および塵埃を取り込む吸込口が形成され、他方面側は開放されているケースと、一端部がヒンジを介して前記ケースに連結されていて、前記ケースの他方面側を開いた開位置と前記ケースの他方面側を閉じた閉位置との間で前記ヒンジを中心に回動可能であり、前記閉位置において、前記ケースの他方面側から流れ出る空気は通過させるが、塵埃は捕獲するフィルタ装置と、前記フィルタ装置に設けられ、前記フィルタ装置が前記閉位置にあるときにおいて前記ケースの他方面側に対向し、空気の流れ方向下流側へ向けて窪んだ対向面と、前記ケースの他方面側と前記対向面との間に位置するように前記対向面の窪み部分に収容され、前記ケースの他方面側に対向する位置に開口を有するバスタブ状であり、前記開口から端部がはみ出るように内部形状に沿ってティッシュペーパーが立体的に装着されるとともに、前記開口に蓋をするように別のティッシュペーパーが装着されるバスケット部と、を有することを特徴とする、電気掃除機用集塵容器である。
【0017】
請求項13記載の発明は、前記バスケット部において前記開口を縁取る部分および/または前記対向面の周縁部に設けられた係合部と、前記ケースの前記他方面側の周縁部に設けられ、前記フィルタ装置が前記閉位置まで回動したときに前記係合部に係合される被係合部と、を含み、前記フィルタ装置が前記閉位置まで回動したときに、前記バスケット部の内部形状に沿って装着されたティッシュペーパーの周縁部と前記開口に蓋をしているティッシュペーパーの周縁部とを前記係合部および前記被係合部で挟んで綴じる綴じ部を有することを特徴とする、請求項12記載の電気掃除機用集塵容器である。
【0018】
請求項14記載の発明は、前記ケースの内面において前記吸込口を縁取りつつ他方面側へ突出するように設けられ、前記フィルタ装置が前記開位置から前記閉位置まで回動するときに、前記開口に蓋をしているティッシュペーパーにおいて前記開口を覆っている部分に穴をあける第2カット部材を有することを特徴とする、請求項12または13記載の電気掃除機用集塵容器である。
【発明の効果】
【0019】
請求項1記載の発明によれば、電気掃除機本体に着脱される集塵容器は、一方面に吸込口が形成されて他方面側が開放されているケースと、フィルタ装置とを有している。
フィルタ装置は、一端部がヒンジを介してケースに連結されており、ケースの他方面側を開いた開位置とケースの他方面側を閉じた閉位置との間でヒンジを中心に回動可能である。集塵容器において、空気および塵埃は、吸込口からケース内に取り込まれてケースの他方面側から流れ出るのだが、この際、閉位置にあるフィルタ装置が、空気は通過させるが、塵埃は捕獲する。
【0020】
フィルタ装置には、閉位置においてケースの他方面側に対向する対向面が設けられていて、この対向面は、通気性メッシュで形成されている。閉位置にあるフィルタ装置では、対向面の通気性メッシュが塵埃を捕獲する。
そして、この対向面には、ティッシュペーパーが載せられるので、対向面の通気性メッシュに先立って、ティッシュペーパーが塵埃を捕獲することができる。これにより、通気性メッシュの早期目詰りを抑制できる。そして、フィルタ装置を開位置まで回動させてティッシュペーパーを捨てれば、ティッシュペーパーが捕獲した塵埃も一緒に捨てることができる。
【0021】
ここで、この対向面は、固定部分と、固定部分に回動可能に連結された回動部分とを有している。固定部分は、フィルタ装置が閉位置から開位置まで回動するのに応じて、固定部分へ接近するように回動して対向面上のティッシュペーパーを袋状に折り畳む。これにより、ティッシュペーパーに捕獲された塵埃は、ティッシュペーパーの袋の内部に溜まる。
【0022】
そのため、ティッシュペーパーに捕獲された塵埃は、ごみ捨ての際に、ティッシュペーパーの袋の内部に溜まった状態で捨てられるので、ティッシュペーパーから塵埃が舞い上がることを防止できる。
請求項2記載の発明によれば、集塵容器が有する綴じ部は、回動部分において固定部分との連結から最も離れた端部に設けられた係合部と、固定部分において前記連結から最も離れた端部に設けられた被係合部とを含んでいる。被係合部は、回動部分が固定部分へ接近するように回動したときに係合部に係合される。
【0023】
ここで、フィルタ装置の開位置までの回動に応じて回動部分が固定部分へ接近するように回動したときに、綴じ部は、回動部分によって袋状に折り畳まれたティッシュペーパーの周縁部を係合部および被係合部で挟んで綴じる。これにより、ティッシュペーパーの袋の内部に溜まった塵埃がティッシュペーパーの袋の内部に閉じ込められるので、ティッシュペーパーから塵埃が舞い上がることを確実に防止できる。
【0024】
請求項3記載の発明によれば、ケースには、ガイドレールが設けられ、回動部分において前記連結から最も離れた端部には、ガイド軸が設けられている。
ガイド軸は、フィルタ装置が閉位置にあるときにはガイドレールの一端部に嵌っていて、フィルタ装置が閉位置から開位置へ向かう途中にあるときにはガイドレールに嵌った状態でガイドレールに沿ってガイドレールの他端部側へ移動することによって回動部分を固定部分へ接近するように回動させる。これにより、フィルタ装置を閉位置から開位置へ回動させれば、これに連動して回動部分が固定部分へ接近するように回動することによって、フィルタ装置の対向面上のティッシュペーパーを自動的に袋状に折り畳むことができ、使い勝手がよい。
【0025】
そして、ガイド軸は、フィルタ装置が開位置に到達するとガイドレールの他端部から外れるので、ガイド軸を有する回動部分は、フィルタ装置が閉位置にあったときの元の位置(固定部分から離れた位置)へ戻ることができる。
請求項4記載の発明によれば、フィルタ装置が開位置に到達してガイド軸がガイドレールの他端部から外れたときに、第1付勢部材が、回動部分を固定部分から離れる方向へ回動するように付勢するので、回動部分は、フィルタ装置が閉位置にあったときの元の位置へ確実に戻ることができる。
【0026】
請求項5記載の発明によれば、フィルタ装置の対向面は、空気の流れ方向下流側へ向けて窪んでいるので、捕獲した塵埃を確実に溜めることができる。さらに、対向面に載せられたティッシュペーパーが対向面に沿って窪んだ形状になることから、ティッシュペーパーが、捕獲した塵埃を確実に溜めることができるとともに、回動部分が固定部分へ接近するように回動したときに、ティッシュペーパーが袋状になりやすい。
【0027】
請求項6記載の発明によれば、電気掃除機本体に着脱される集塵容器は、一方面に吸込口が形成されて他方面側が開放されているケースと、フィルタ装置とを有している。
フィルタ装置は、一端部がヒンジを介してケースに連結されており、ケースの他方面側を開いた開位置とケースの他方面側を閉じた閉位置との間でヒンジを中心に回動可能である。集塵容器において、空気および塵埃は、吸込口からケース内に取り込まれてケースの他方面側から流れ出るのだが、この際、閉位置にあるフィルタ装置が、空気は通過させるが、塵埃は捕獲する。
【0028】
フィルタ装置には、閉位置においてケースの他方面側に対向する対向面が設けられていて、この対向面は、通気性メッシュで形成されている。閉位置にあるフィルタ装置では、対向面の通気性メッシュが塵埃を捕獲する。対向面は、空気の流れ方向下流側へ向けて窪んでいるので、捕獲した塵埃を確実に溜めることができる。
そして、この対向面には、窪み部分に沿うようにティッシュペーパーが装着されるので、対向面の通気性メッシュに先立って、ティッシュペーパーが塵埃を捕獲することができる。これにより、通気性メッシュの早期目詰りを抑制できる。ここで、対向面に装着されたティッシュペーパーが対向面の窪み部分に沿って窪んだ形状になることから、ティッシュペーパーは、捕獲した塵埃を確実に溜めることができる。そして、フィルタ装置を開位置まで回動させてティッシュペーパーを捨てれば、ティッシュペーパーが捕獲した塵埃も一緒に捨てることができる。
【0029】
ここで、集塵容器は、流路部材を有している。流路部材は、フィルタ装置が閉位置にあるときに吸込口に連通する入口と対向面に臨む出口とを有する管状であり、対向面の窪み部分において入口側を中心に回動可能となるようにフィルタ装置に支持されている。
そして、流路部材では、出口側に設けられた第1押付部が、対向面に装着されたティッシュペーパーを対向面に押し付け、入口側に設けられた第2押付部が、別のティッシュペーパーを受け止めてケースの内面に押し付ける。これにより、フィルタ装置が閉位置にある状態では、流路部材が、対向面に装着されたティッシュペーパーと別のティッシュペーパーとの間に配置されることとなり、これら2枚のティッシュペーパーが、流路部材が配置される内部空間を有する袋状になる。この際、流路部材がティッシュペーパーの袋を対向面およびケースの内面に押し付けるので、ティッシュペーパーの袋は、袋状の形状を保ったまま位置決めされる。
【0030】
この場合、吸込口からケース内に取り込まれた塵埃は、入口から流路部材内に入った後に出口からティッシュペーパーの袋の内部に流入し、このとき、ティッシュペーパーに捕獲されてティッシュペーパーの袋の内部に溜まる。
そのため、ティッシュペーパーに捕獲された塵埃は、ごみ捨ての際に、ティッシュペーパーの袋の内部に溜まった状態で捨てられるので、ティッシュペーパーから塵埃が舞い上がることを防止できる。
【0031】
請求項7記載の発明によれば、集塵容器が有する綴じ部は、フィルタ装置の対向面の周縁部に設けられた係合部と、ケースの他方面側の周縁部に設けられた被係合部とを含んでいる。被係合部は、フィルタ装置が閉位置まで回動したときに係合部に係合される。
ここで、フィルタ装置が閉位置まで回動したときに、綴じ部は、対向面の窪み部分に沿うように装着されたティッシュペーパーの周縁部と流路部材の第2押付部に受け止められた別のティッシュペーパーの周縁部とを係合部および被係合部で挟んで綴じる。これにより、これらの2枚のティッシュペーパーによる袋の内部に溜まった塵埃が袋の内部に閉じ込められるので、ティッシュペーパーから塵埃が舞い上がることを確実に防止できる。
【0032】
請求項8記載の発明によれば、集塵容器が有する第1カット部材は、ケースの吸込口に挿通された状態でケースに支持され、ケース外に突出した第1位置とケース内に突出した第2位置とに移動可能である。
第1カット部材は、集塵容器が電気掃除機本体に装着されたときに第2位置へ移動し、流路部材の第2押付部に受け止められているティッシュペーパーにおいて流路部材の入口にかかっている部分をそれ以外の部分から切断する。これにより、入口がティッシュペーパーによって塞がれなくなるので、吸込口からケース内に取り込まれた塵埃および空気を、入口から流路部材内を円滑に通過させてティッシュペーパーの袋の内部に流入させることができる。
【0033】
ここで、入口側の第2押付部が、受け止めているティッシュペーパーをケースの内面に押し付けていることから、ティッシュペーパーにおいて入口にかかっている部分の位置が安定しているので、第1カット部材は、この部分を円滑に切断することができる。
請求項9記載の発明によれば、第2押付部は、軟質材で形成されているので、受け止めたティッシュペーパーをケースの内面に対して隙間なく押し付ける(密着させる)ことができる。これにより、吸込口からケース内に取り込まれた塵埃および空気がケースの内面とティッシュペーパーとの隙間に逃げ込むことを防止し、これらの塵埃および空気を、確実に入口から流路部材内を通過させてティッシュペーパーの袋の内部に流入させることができる。
【0034】
また、軟質材で形成された第2押付部が、受け止めたティッシュペーパーをケースの内面に密着させるので、ティッシュペーパーにおいて入口にかかっている部分がずれにくくなり(第2押付部がこの部分の滑り止めになり)、前述した第1カット部材は、この部分を円滑に切断することができる。
請求項10記載の発明によれば、集塵容器が有する第2付勢部材は、フィルタ装置が閉位置から開位置へ向けて回動したときに、第1押付部が対向面から離れる方向へ流路部材を付勢する。これにより、フィルタ装置が開位置にあるときには、第1押付部が、対向面に装着されたティッシュペーパーを対向面に押し付けなくなる。また、フィルタ装置が開位置にあるときには、フィルタ装置側の流路部材がケースの内面から離れるので、第2押付部が、別のティッシュペーパーをケースの内面に押し付けなくなる。
【0035】
これにより、2枚のティッシュペーパーによる袋が集塵容器に位置決めされなくなるので、内部に塵埃が溜まったティッシュペーパーの袋を円滑に集塵容器から外して捨てることができる。
請求項11記載の発明によれば、ケースの内面に設けられたリブが、第2押付部に受け止められたティッシュペーパーとケースの内面との間に、対向面につながる空間ができるように当該ティッシュペーパーを押さえる。
【0036】
これにより、ティッシュペーパーの袋の内部に流入した空気は、第1押付部によって対向面に押し付けられたティッシュペーパーを通過して対向面に向かう第1の流路だけでなく、第2押付部に受け止められた別のティッシュペーパーを通過した後に前記空間を経由して対向面に向かう第2の流路も流れることができる。そのため、第1押付部によって対向面に押し付けられたティッシュペーパーだけでなく、第2押付部に受け止められた別のティッシュペーパーも、流れる空気に乗った塵埃を捕獲することができるので、ティッシュペーパーによる塵埃の捕獲効率の向上を図ることができる。
【0037】
請求項12記載の発明によれば、電気掃除機本体に着脱される集塵容器は、一方面に吸込口が形成されて他方面側が開放されているケースと、フィルタ装置とを有している。
フィルタ装置は、一端部がヒンジを介してケースに連結されており、ケースの他方面側を開いた開位置とケースの他方面側を閉じた閉位置との間でヒンジを中心に回動可能である。集塵容器において、空気および塵埃は、吸込口からケース内に取り込まれてケースの他方面側から流れ出るのだが、この際、閉位置にあるフィルタ装置が、空気は通過させるが、塵埃は捕獲する。
【0038】
フィルタ装置には、閉位置においてケースの他方面側に対向する対向面が設けられている。閉位置にあるフィルタ装置では、対向面が塵埃を捕獲する。対向面は、空気の流れ方向下流側へ向けて窪んでいるので、捕獲した塵埃を確実に溜めることができる。
ここで、集塵容器は、ケースの他方面側と対向面との間に位置するように対向面の窪み部分に収容されるバスケット部を有している。バスケット部は、ケースの他方面側に対向する位置に開口を有するバスタブ状であり、開口から端部がはみ出るように内部形状に沿ってティッシュペーパーが立体的に装着されるとともに、開口に蓋をするように別のティッシュペーパーが装着される。
【0039】
これにより、ケースの他方面側と対向面との間には、バスケット部に装着された2枚のティッシュペーパーによる袋が存在する。そのため、吸込口からケース内に取り込まれてケースの他方面側から流れ出た塵埃は、対向面に先立って、ティッシュペーパーの袋によって捕獲されて袋の内部に溜まる。これにより、対向面におけるフィルタ装置の早期目詰りを抑制できる。
【0040】
そして、フィルタ装置を開位置まで回動させてティッシュペーパーの袋を捨てれば、ティッシュペーパーが捕獲した塵埃も一緒に捨てることができる。特に、ティッシュペーパーに捕獲された塵埃は、ごみ捨ての際に、ティッシュペーパーの袋の内部に溜まった状態で捨てられるので、ティッシュペーパーから塵埃が舞い上がることを防止できる。
請求項13記載の発明によれば、集塵容器が有する綴じ部は、バスケット部において開口を縁取る部分および/または対向面の周縁部に設けられた係合部と、ケースの他方面側の周縁部に設けられた被係合部とを含んでいる。被係合部は、フィルタ装置が閉位置まで回動したときに係合部に係合される。
【0041】
ここで、フィルタ装置が閉位置まで回動したときに、綴じ部は、バスケット部の内部形状に沿って装着されたティッシュペーパーの周縁部と開口に蓋をしているティッシュペーパーの周縁部とを係合部および被係合部で挟んで綴じる。これにより、これらの2枚のティッシュペーパーによる袋の内部に溜まった塵埃が袋の内部に閉じ込められるので、ティッシュペーパーから塵埃が舞い上がることを確実に防止できる。
【0042】
請求項14記載の発明によれば、ケースの内面において吸込口を縁取りつつ他方面側へ突出するように設けられた第2カット部材が、フィルタ装置が開位置から閉位置まで回動するときに、開口に蓋をしているティッシュペーパーにおいて開口を覆っている部分に穴をあける。これにより、吸込口からケース内に取り込まれた塵埃を、第2カット部材があけた穴を通過させることで、ティッシュペーパーの袋の内部に確実に溜めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明の一実施形態に係る電気掃除機1を右上前方から見た斜視図である。
【図2】電気掃除機1の右側断面図である。
【図3】この発明の第1の例に係る電気掃除機用集塵容器10を右上前方から見た斜視図である。
【図4】電気掃除機用集塵容器10の右側断面図である。
【図5】電気掃除機用集塵容器10においてフィルタ装置21をケース20から離れるように回動させた状態を示している。
【図6】図4とは別の位置における電気掃除機用集塵容器10の右側断面図であって、フィルタ装置21を完全に閉じる直前の状態を示している。
【図7】図6においてフィルタ装置21を完全に閉じた状態を示している。
【図8】図7においてフィルタ装置21を開け始めた状態を示している。
【図9】図8においてフィルタ装置21をさらに開いた状態を示している。
【図10】図9とは別の位置における電気掃除機用集塵容器10の右側断面図であって、図9と同じ状態を示している。
【図11】図10においてフィルタ装置21が完全に開いた状態を示している。
【図12】この発明の第2の例に係る電気掃除機用集塵容器10を左上前方から見た斜視図である。
【図13】電気掃除機用集塵容器10においてフィルタ装置21をケース20から離れるように回動させた状態を示す斜視図である。
【図14】図13において流路部材60をケース20側に回動させた状態を示している。
【図15】図13において流路部材60がティッシュペーパーPを押さえ付けている状態を示している。
【図16】(a)は、図15においてフィルタ装置21が閉じた状態における電気掃除機用集塵容器10の正面図であり、(b)は、(a)のA−A矢視断面図である。
【図17】図15において流路部材60に別のティッシュペーパーQを載せた状態を示している。
【図18】図17においてフィルタ装置21が閉じた状態を示している。
【図19】(a)は、図18の状態における電気掃除機用集塵容器10の正面図であり、(b)は、(a)のB−B矢視断面図である。
【図20】電気掃除機本体2の右側断面図であって、図19(b)の状態における電気掃除機用集塵容器10が電気掃除機本体2に装着される途中の状態を示している。
【図21】図20において電気掃除機用集塵容器10が電気掃除機本体2に装着された状態を示している。
【図22】電気掃除機本体2の運転中における電気掃除機用集塵容器10の右側断面図である。
【図23】塵埃が溜まった電気掃除機用集塵容器10においてフィルタ装置21をケース20から離れるように回動させた状態を示している。
【図24】図23における電気掃除機用集塵容器10の左側断面図である。
【図25】図24において電気掃除機用集塵容器10から塵埃Tが捨てられる状態を示している。
【図26】図25の状態における電気掃除機用集塵容器10の斜視図である。
【図27】この発明の第3の例に係る電気掃除機用集塵容器10を右上前方から見た斜視図である。
【図28】電気掃除機用集塵容器10においてフィルタ装置21をケース20から離れるように回動させた状態を示す斜視図である。
【図29】図28の状態にある電気掃除機用集塵容器10においてバスケット部75にティッシュペーパーPをセットした状態を示している。
【図30】図29の状態にある電気掃除機用集塵容器10においてバスケット部75に別のティッシュペーパーQを追加でセットした状態を示している。
【図31】(a)は、図30においてフィルタ装置21が閉じた状態における電気掃除機用集塵容器10の正面図であり、(b)は、(a)のC−C矢視断面図である。
【図32】図31の状態にある電気掃除機用集塵容器10においてフィルタ装置21をケース20から離れるように回動させた状態を示す斜視図である。
【図33】図32の状態にある電気掃除機用集塵容器10の左側断面図であって、電気掃除機用集塵容器10から塵埃Tが捨てられる状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
<電気掃除機の概要>
図1は、この発明の一実施形態に係る電気掃除機1を右上前方から見た斜視図である。ここで、図1において、左下側を電気掃除機1の前側、右上側を電気掃除機1の後側、左上側を電気掃除機1の左側、右下側を電気掃除機1の右側として説明し、以降の説明においても、方向を特定する場合は、この方向に従って電気掃除機1(後述する電気掃除機用集塵容器10も含む)の前後、左右および上下を特定する。なお、左右方向と幅方向とは同じである。
【0045】
図1を参照して、電気掃除機1は、電気掃除機本体2、ホース3、パイプ(図示せず)および吸込具(図示せず)を含んでいる。
図2は、電気掃除機1の右側断面図である。
図2を参照して、電気掃除機本体2は、上下に所定の厚みを有して前後にやや長手のボックス形状である。電気掃除機本体2の左右両側面の後側には、車輪4が取り付けられている。電気掃除機本体2の底面の前側には、ローラ5が取り付けられている。車輪4およびローラ5が床面X上で転がることによって、電気掃除機本体2が床面X上を移動できる。
【0046】
電気掃除機本体2の天面2Aの後端部には、折畳ハンドル6が取り付けられている。折畳ハンドル6は、天面2Aに沿う傾倒位置(実線で示す折畳ハンドル6を参照)と、天面2Aから上方へ起き上がった起立位置(破線で示す折畳ハンドル6を参照)との間で回動自在である。折畳ハンドル6を起立位置まで回動させると(破線矢印参照)、折畳ハンドル6を掴むことができる。これにより、電気掃除機本体2を床面Xから浮かせて移動させることができる。
【0047】
電気掃除機本体2において、前面には吸気口7が形成され、後面には、排気口8が形成されている。電気掃除機本体2内部には、吸気口7と排気口8とに連通する空気流路9が区画されている。空気流路9には、電気掃除機用集塵容器(以下では、「集塵容器」と省略していうことがある。)10と、電動送風機11とが、吸気口7→集塵容器10→電動送風機11→排気口8と並ぶように、配置されている。集塵容器10は、たとえば電気掃除機本体2の天面2Aの前側部分を開放することによって、電気掃除機本体2に対して上から着脱可能である。
【0048】
ホース3は、可撓性を有する蛇腹ホースであり、任意の形態に曲げることができる。ホース3において、その一端(図1では後端)には、接続筒12が連結されている。詳しくは、接続筒12の内側にホース3の一端が収容されている。この状態で、ホース3の一端と接続筒12とは、ほぼ同軸状をなしている。
接続筒12は、吸気口7に対して前側から挿通されるとともに、集塵容器10に連結されている。これにより、ホース3の内部が集塵容器10の内部に連通している。
【0049】
接続筒12の上側外周面には、補助ハンドル13が設けられている。前述した折畳ハンドル6とともに補助ハンドル13を掴むことで電気掃除機本体2を容易に移動させることができる。
電気掃除機本体2の運転が開始されると、電動送風機11が電力を受けて駆動されることによって、吸引力を発生する。この吸引力によって、床面X上の塵埃は、上述した吸込具(図示せず)内に吸い込まれ、吸込具、パイプ(図示せず)、ホース3をこの順で通過した後、吸気口7から電気掃除機本体2の空気流路9まで吸い込まれる。また、吸込具(図示せず)の周りの空気は、床面X上の塵埃とともに、空気流路9まで吸い込まれる。
【0050】
そして、空気流路9まで吸い込まれた空気と塵埃とは、まず、集塵容器10において分離される。これにより、塵埃が集塵容器10に溜められる一方で、空気は、電動送風機11によって、空気流路9において、空気の流れ方向における電動送風機11の下流側へ吐き出される。吐き出された空気は、排気口8から機外へ排出される。
<電気掃除機用集塵容器>
次に、(電気掃除機用)集塵容器10について説明する。ここで、この実施形態では、集塵容器10について第1から第3までの3つの例があり、以下では、第1の例、第2の例、第3の例の順で、それぞれの例における集塵容器10について説明する。
(1)第1の例
図3は、第1の例に係る集塵容器10を右上前方から見た斜視図である。図4は、集塵容器10の右側断面図である。図5は、集塵容器10においてフィルタ装置21をケース20から離れるように回動させた状態を示している。
【0051】
図3を参照して、集塵容器10は、ケース20とフィルタ装置21とを有している。
ケース20は、手前側の角が略直角をなすボックス形状である。ケース20は、たとえば、透明または半透明の樹脂で形成されていて、その内部を透かして見ることができる。ケース20の一方面である前面には、吸込口22が形成されている。ケース20の他方面側である背面側は開放されている。ケース20の内面の幅方向両端部には、上下に細長く延びる板状のガイドレール19が一体的に設けられている(図5参照)。左右のガイドレール19の間に吸込口22が位置している(図5参照)。
【0052】
ケース20の上面には、取っ手23が設けられている。取っ手23を掴むことで集塵容器10全体を移動させることができる。
フィルタ装置21は、ケース20の他方面側(背面側)に取り付けられる。フィルタ装置21は、樹脂製のフィルタフレームと、フィルタフレームにより保持される2種類のフィルタとを含んでいる。
【0053】
具体的には、フィルタフレームは、2層構造であり、ケース20の背面外周縁に接続される第1フィルタフレーム24と、第1フィルタフレーム24の背面に接続される第2フィルタフレーム25とを有している。
第1フィルタフレーム24および第2フィルタフレーム25は、ともに、正面視で略四角形をなす枠体形状である。
【0054】
フィルタ装置21は、その一端部(第1フィルタフレーム24の下端部)が、ケース20の一端部(下端部)に対してヒンジ26を介して連結されている。そのため、ヒンジ26を中心にケース20に対してフィルタ装置21を回動させて、フィルタ装置21を開閉することができる。換言すれば、フィルタ装置21は、ケース20の開放された背面側(前述した他方面側)を開いた開位置と、ケース20の背面側を閉じた閉位置との間でヒンジ26を中心に回動可能である。
【0055】
図3および図4では、フィルタ装置21が閉じて閉位置にある状態(集塵容器10が完成した状態)が示されている。この状態で、フィルタ装置21をケース20から離れるように回動させると、図5に示すようにフィルタ装置21が開いて開位置に至る。
図4を参照して、フィルタ装置21の開閉に関連して、ケース20における取っ手23の後端側(図4では右端側)には、ボタン27と、ボタン27に対して一体的に設けられたフック28とが備えられている。そして、第2フィルタフレーム25の上端部にはフック受け29が備えられている。フック受け29には、フック受け29を前後方向に貫通する係止孔30が形成されている。
【0056】
フック28を係止孔30に挿通させてからフック受け29に係合することで、フィルタ装置21を閉じた状態が維持される。一方、ボタン27を押すことで、フック28とフック受け29との係合状態を解除して、フィルタ装置21をケース20に対して開く(開位置に配置する)ことができる(図5参照)。
第1フィルタフレーム24には、フィルタユニット31が配置されている。図4においてハッチングが施された部分がフィルタユニット31の断面である。フィルタユニット31は、枠体形状の第1フィルタフレーム24の内側領域に配置されつつ、第1フィルタフレーム24から前側(図4では左側)へはみ出ている。フィルタユニット31は、閉じた状態(閉位置)にあるフィルタ装置21においてケース20の他方面側(背面側)に対向する。
【0057】
図5を参照して、フィルタユニット31は、支持枠32と、回動部材33とを含んでいる。
支持枠32は、たとえば樹脂製であり、集塵容器10での空気の流れ方向(図2の太い破線矢印参照)における下流側(図5では、紙面奥側)へ向って窪む凹状をなしている。図5の姿勢を基準として、支持枠32の輪郭(外側周縁部)は、略矩形状をなしている。支持枠32の一方側(図5では上側)周縁部32Aには、3つの貫通孔41(被係合部)が、幅方向に間隔を隔てて形成されている。支持枠32の凹状における最深部の幅方向両端には、幅方向に延びる連結軸34が一体的に設けられている。
【0058】
図5の姿勢を基準として、支持枠32において、左右の連結軸34と一方側周縁部32Aとの間の領域Aは、ほぼ全域に亘って開放されていて、左右の連結軸34と他方側(図5では下側)周縁部32Bとの間の領域Bは、ほぼ全域に亘って開放されている。
支持枠32には、前述した開放領域Aを塞ぐように固定フィルタ35(固定部分)が設けられている。固定フィルタ35は、図5において右上へ延びる斜線のハッチングが施された部分であり、通気性メッシュで形成されている。ここで、前述した支持枠32において貫通孔41が設けられた部分は、固定フィルタ35において連結軸34から最も離れた端部である。
【0059】
回動部材33は、支持枠32の前述した開放領域Bに設けられている。回動部材33は、図5の姿勢を基準として下方へ窪む略U字形状の可動枠36と、可動枠36のU字の内側部分を塞ぐように可動枠36に保持された回動フィルタ37(回動部分)とを含んでいる。回動フィルタ37は、図5において右下へ延びる斜線のハッチングが施された部分であり、通気性メッシュで形成されている。
【0060】
可動枠36は、幅方向から見て、後側へ膨出するように湾曲しており、回動フィルタ37も、可動枠36と同様に湾曲している(図4参照)。可動枠36においてU字の底(図5では下端)をなす部分には、幅方向両端に、ガイド部材38が一体的に設けられ、左右のガイド部材38の間に、3つの突起39(係合部)が、幅方向に間隔を隔てて一体的に設けられている。
【0061】
これらのガイド部材38および突起39は、図5の姿勢において手前側へ突出するように設けられている。各ガイド部材38は、幅方向に薄い板状であり、左側のガイド部材38には、左側へ突出する円柱状のガイド軸40が一体的に設けられ、右側のガイド部材38には、右側へ突出する円柱状のガイド軸40が一体的に設けられている。
U字状の可動枠36において図5における左上側の端部36Aは、支持枠32の左側の連結軸34に連結されており、U字状の可動枠36において図5における右上側の端部36Bは、支持枠32の右側の連結軸34に連結されている。これにより、回動部材33全体は、左右の連結軸34を中心に回動することができる。ここから、回動部材33の回動フィルタ37は、支持枠32に設けられた固定フィルタ35に対して、連結軸34を介して回動可能に連結されていることがわかる。また、可動枠36においてガイド部材38(ガイド軸40も含む)および突起39が設けられた部分は、回動フィルタ37において、固定フィルタ35と回動フィルタ37との連結(前述した連結軸34)から最も離れた端部である。
【0062】
回動部材33は、詳しくは、通常位置(図4および図5参照)と、回動位置(後述する図10参照)との間で回動自在である。
回動部材33が通常位置にあるとき、固定フィルタ35と回動フィルタ37とが連続し、これらがまとまって対向面42となって、支持枠32に沿って窪む凹状をなしている(図4も参照)。また、通常位置にある回動部材33は、支持枠32の前述した開放領域Bを塞いでいる。そのため、回動部材33と支持枠32との間に隙間はほとんどない。ここで、フィルタ装置21が閉位置にあるときには、前述した対向面42は、ケース20の開放された背面側に対向しており、また、フィルタ装置21における空気の流れ方向(図2の太い破線矢印参照)における下流側へ窪んでいる。また、このとき、回動部材33の可動枠36においてガイド部材38および突起39は、支持枠32の他方側周縁部32Bの近傍にある。
【0063】
一方、図5の姿勢を基準として、通常位置にある回動部材33を、その下側部分が図5の手前側へ来つつ上昇するように回動させる。すると、回動部材33では、回動フィルタ37が、回動しながら、固定フィルタ35に接近する。
そして、回動部材33を目一杯回動させると、回動部材33は、回動位置に到達する(図10参照)。回動部材33が回動位置にあるとき、回動フィルタ37が、固定フィルタ35に対向しており、対向状態にある回動フィルタ37および固定フィルタ35によって、幅方向から見て水滴状をなす空間Cが区画されている(図10参照)。また、回動部材33が回動位置まで回動すると、回動部材33側の各突起39が、支持枠32の一方側周縁部32Aにおいて幅方向で同じ位置にある貫通孔41に嵌る(図10参照)。
【0064】
ここで、左右の連結軸34には、トーションばね等の第1付勢部材(図示せず)が取り付けられており、この付勢部材によって、回動部材33は、通常位置に位置するように常に付勢されている。
図4を参照して、第2フィルタフレーム25の内側領域には、プリーツフィルタ50が備えられている。プリーツフィルタ50の平断面は、交互に反対方向に折り畳まれて連続する山谷形状をなしている。
【0065】
電気掃除機本体2の運転中、この(完成した)集塵容器10では、前述した空気流路9に取り込まれた空気が、塵埃を伴ってケース20の吸込口22から集塵容器10の内部に取り込まれる(図2の太い破線矢印参照)。そして、これらの空気および塵埃は、ケース20の開放された背面側から流れ出て、フィルタ装置21において、対向面42における回動フィルタ37および固定フィルタ35のいずれかのフィルタ、ならびにプリーツフィルタ50を、この順番で流れようとする。
【0066】
この際、空気は、フィルタ装置21において、いずれのフィルタも通過するが、空気に含まれる比較的大きい塵埃は、回動フィルタ37および固定フィルタ35(対向面42)のいずれかの通気性メッシュによって捕獲され、空気に含まれる比較的小さい塵埃(対向面42で捕獲しきれなかった微細な塵埃)は、プリーツフィルタ50によって捕獲される。このように、フィルタ装置21は、閉位置において、ケース20の背面側から流れ出る空気は通過させるが、塵埃は捕獲する。前述したように、フィルタ装置21の対向面42は、空気の流れ方向下流側(図2の太い破線矢印参照)へ向けて窪んでいるので、捕獲した塵埃を確実に溜めることができる。
【0067】
ここで、前述したように、回動フィルタ37および固定フィルタ35(対向面42)は、いずれも通気性メッシュで形成されているので、ある程度塵埃を捕獲すると目詰まりする虞がある。そこで、この集塵容器10では、空気の流れ方向における回動フィルタ37および固定フィルタ35(対向面42)の上流側(図4では左側)に、ティッシュペーパーPを配置することができる。そうすれば、回動フィルタ37および固定フィルタ35(対向面42)の通気性メッシュに先立って、ティッシュペーパーPが塵埃を捕獲することができる。これにより、通気性メッシュに先立ってティッシュペーパーPによって塵埃が捕獲されるので、回動フィルタ37および固定フィルタ35の通気性メッシュの早期目詰りを抑制でき、これらのフィルタの塵埃の捕獲性能を長く維持することができる。
【0068】
そして、フィルタ装置21を開位置(図5参照)まで回動させてティッシュペーパーPを捨てれば、ティッシュペーパーPが捕獲した塵埃も一緒に捨てることができる。
なお、各図において、ティッシュペーパーPは太い実線または破線で示されている。なお、ティッシュペーパーPにおいて破線で示されている部分(図5等参照)は、ティッシュペーパーPの皺を示していることがある。
【0069】
次に、フィルタ装置21の開閉について、ティッシュペーパーPを関連付けて説明する。
まず、図5に示すようにフィルタ装置21が開く。この状態では、回動部材33は、通常位置にある。そして、この状態において、第1フィルタフレーム24の内側(フィルタユニット31も含む)を完全に覆うようにティッシュペーパーPをフィルタ装置21に取り付ける。この際、ティッシュペーパーPにおいて、連続して凹状をなす対向面42(固定フィルタ35および回動フィルタ37)に対向する部分を窪ませて、この凹状に沿わせるように対向面42に載せる。
【0070】
この状態では、ティッシュペーパーPの周縁部は、全域に亘って、第1フィルタフレーム24の外側にはみ出ている。また、この状態では、回動部材33の全ての突起39にティッシュペーパーP(図5では下側部分)がかかっている。
次いで、開位置にあるフィルタ装置21を回動させて閉じ始める。そのために、ケース20の位置を固定してフィルタ装置21を回動させてもよいし、フィルタ装置21の位置を固定してケース20を回動させてもよい。要は、フィルタ装置21がケース20に対して相対回動すればよい(以降で、フィルタ装置21を開位置から回動させる全ての場合においても同様)。
【0071】
図6は、図4とは別の位置における集塵容器10の右側断面図であって、フィルタ装置21を完全に閉じる直前の状態を示している。
フィルタ装置21が回動し、図6に示すように、フィルタ装置21が完全に閉まる直前(閉位置の直前)の状態になると、フィルタ装置21側の回動部材33の左右のガイド軸40が、ケース20の内面において幅方向で同じ側にあるガイドレール19の一端部(図6では上端部)に接触する。
【0072】
図7は、図6においてフィルタ装置21を完全に閉じた状態を示している。
フィルタ装置21がさらに回動し、図7に示すように、完全に閉じて閉位置に至ると、各ガイド軸40が、対応するガイドレール19の一端部を乗り越えて、この一端部に嵌り、ガイドレール19の一端部とケース20の内面との間に配置される。
このとき、前述したようにケース20側のフック28がフィルタ装置21側のフック受け29に係合するので、フィルタ装置21が閉じて閉位置にある状態が維持される(図4参照)。
【0073】
また、このとき、前述したように第1フィルタフレーム24の外側にはみ出ていたティッシュペーパーPの周縁部が、全域に亘って、第1フィルタフレーム24の周縁部とケース20の開放された背面側(図7では右側)の周縁部とによって挟まれる。これにより、ティッシュペーパーPは、固定フィルタ35および回動フィルタ37(対向面42)に対してケース20の吸込口22側から沿った状態で、ずれないように位置決めされる。
【0074】
この状態では、前述したように空気の流れ方向(図2の太い破線矢印参照)における回動フィルタ37および固定フィルタ35(対向面42)の上流側に、ティッシュペーパーPが配置される。そのため、この(完成した)状態の集塵容器10を電気掃除機本体2に装着して電気掃除機本体2を運転させると(図2参照)、ティッシュペーパーPが主として塵埃を捕獲し、ティッシュペーパーPにおいて吸込口22側の側面に塵埃が付着する。ここで、ティッシュペーパーPが対向面42に沿って窪んだ形状になることから、ティッシュペーパーPが、捕獲した塵埃を確実に溜めることができる。
【0075】
そして、ケース20の内部を透かして見ることで、ティッシュペーパーPに付着している塵埃の量を把握することができる。ティッシュペーパーPに塵埃がたくさん付着しているのでそろそろティッシュペーパーPを新しいものに交換したいのであれば、集塵容器10を電気掃除機本体2(図2参照)から離脱させ、フィルタ装置21を開く(閉位置から開位置へ向けて回動させる)。そのために、ケース20の位置を固定してフィルタ装置21を回動させてもよいし、フィルタ装置21の位置を固定してケース20を回動させてもよい(以降で、フィルタ装置21を開く全ての場合においても同様)。
【0076】
図8は、図7においてフィルタ装置21を開け始めた状態を示している。
図8に示すようにフィルタ装置21を開け始めると、図8では、ケース20とフィルタ装置21との隙間が、上側の領域から広がり始める。これにより、ティッシュペーパーPの周縁部は、第1フィルタフレーム24の周縁部とケース20の背面側周縁部とによって挟まれなくなる。
【0077】
そして、この際、今までガイドレール19の一端部(図8では上端部)とケース20の内面との間にあった(ガイドレール19の一端部に嵌っていた)各ガイド軸40が、ケース20に引っ張られ、ガイドレール19に嵌った(係合した)状態で、ガイドレール19に沿ってガイドレール19の他端部(図8では下端部)側へ移動する。これに伴い、いままで通常位置にあった回動部材33が連結軸34を中心に回動し、前述した回動位置へと向かう。
【0078】
このとき、回動部材33の回動フィルタ37が固定フィルタ35へ接近するように回動する。すると、ティッシュペーパーPにおいて回動部材33(回動フィルタ37)にかかっていた部分が、ティッシュペーパーPにおいて固定フィルタ35にかかっていた部分へ接近しようとする。これにより、ティッシュペーパーPが袋状に変形しようとする。
図9は、図8においてフィルタ装置21をさらに開いた状態を示している。図10は、図9とは別の位置における集塵容器10の右側断面図であって、図9と同じ状態を示している。
【0079】
図9に示すようにフィルタ装置21を開位置へ向けてさらに開き、各ガイド軸40がガイドレール19の他端部(図9では下端部)に到達すると、回動部材33は、回動位置に到達する。このとき、図10に示すように、回動フィルタ37および固定フィルタ35が対向状態になり、これらのフィルタによって、前述した水滴状の空間Cが区画され、ティッシュペーパーPは、この空間Cの輪郭に沿うような袋状になる。このとき、袋状になったティッシュペーパーPでは、塵埃Tが付着していた面が袋の内側にくるので、ティッシュペーパーPに捕獲された塵埃Tは、ティッシュペーパーPの袋の内部に溜まる。
【0080】
ここで、以上のように、フィルタ装置21を閉位置から開位置へ回動させれば、これに連動して回動フィルタ37が固定フィルタ35へ接近するように回動することによって、フィルタ装置21の対向面42上のティッシュペーパーPを自動的に袋状に折り畳むことができ、使い勝手がよい。
また、前述したように、対向面42に載せられたティッシュペーパーPが対向面42に沿って窪んだ形状になることから(図7参照)、回動部材33(回動フィルタ37)が固定フィルタ35へ接近するように回動位置へ回動したときに、ティッシュペーパーPが袋状になりやすい。
【0081】
さらに、回動部材33が回動位置に到達すると、回動部材33側の各突起39が、固定フィルタ35が設けられた支持枠32の一方側周縁部32Aの対応する貫通孔41に嵌る。換言すれば、貫通孔41は、回動部材33(回動フィルタ37)が固定フィルタ35に接近するように回動したときに、対応する突起39に係合される。
そのため、ティッシュペーパーPにおいて各突起39にかかっていた部分と貫通孔41にかかっていた部分とが、重なった状態で突起39によって貫通孔41へ押し込まれ、これによって綴じ合わされる。ここで、ティッシュペーパーPにおいて突起39および貫通孔41にかかっていたそれぞれの部分は、ティッシュペーパーPの袋の口の方に位置する周縁部なので、これらの部分が綴じ合わされることで、ティッシュペーパーPの袋の口が綴じられる。
【0082】
このようにティッシュペーパーPの周縁部が綴じ合わされるので、ティッシュペーパーPの袋の内側に溜まった塵埃TがティッシュペーパーPの袋の外にこぼれることはない。このようにティッシュペーパーPを綴じ合わせることを、紙ホッチキスということがある。なお、突起39が支持枠32の一方側周縁部32Aに設けられて、貫通孔41が回動部材33に設けられてもよい。
【0083】
図11は、図10においてフィルタ装置21が完全に開いた状態を示している。
この状態からフィルタ装置21をさらに少し開くと、図11に示すようにフィルタ装置21が完全に開いて開位置に至る。このとき、各ガイド軸40(図9参照)がガイドレール19の他端部(図11では右端部)から外れてケース20側に係合しなくなる。これにより、ガイド軸40を有する回動部材33(回動フィルタ37)は、フィルタ装置21が閉位置にあったときの元の位置(固定フィルタ35から離れた通常位置)へ戻ることができる。
【0084】
実際、ガイド軸40がガイドレール19の他端部から外れるのに応じて、ガイド軸40を有する回動部材33は、回動フィルタ37が固定フィルタ35から離れる方向へ回動するように、前述した第1付勢部材(図示せず)によって付勢され、通常位置に確実に戻る。これにより、固定フィルタ35および回動フィルタ37(対向面42)は、再び連続して凹状をなし、ティッシュペーパーPの袋は、この凹状の中に配置される。
【0085】
そのため、このティッシュペーパーPの袋を手で摘んでごみ箱に落したり、集塵容器10を傾けてティッシュペーパーPの袋をごみ箱に落したりすれば、ティッシュペーパーPが捕獲した塵埃Tをごみ箱に捨てることができる。
図10を参照して、このように、回動フィルタ37は、フィルタ装置21が閉位置から開位置まで(開位置に至るまでの途中位置であってもよい)回動するのに応じて、固定フィルタ35へ接近するように回動して、対向面42上のティッシュペーパーPを袋状に折り畳む。そのため、ティッシュペーパーPに捕獲された塵埃Tは、ごみ捨ての際に、ティッシュペーパーPの袋の内部に溜まった状態で捨てられるので、ティッシュペーパーPから塵埃Tが舞い上がることを防止できる。
【0086】
また、突起39および貫通孔41のまとまりを綴じ部43とすると、綴じ部43は、回動フィルタ37が固定フィルタ35へ接近するように回動したときに、回動フィルタ37によって袋状に折り畳まれたティッシュペーパーPの周縁部を、突起39および貫通孔41(厳密には、支持枠32の一方側周縁部32Aにおける貫通孔41の周縁部)で挟んで綴じる。
【0087】
これにより、ティッシュペーパーPの袋の内部に溜まった塵埃TがティッシュペーパーPの袋の内部に閉じ込められるので、ティッシュペーパーPから塵埃Tが舞い上がることを確実に防止できる。
(2)第2の例
次に、第2の例に係る集塵容器10について説明する。なお、第2の例において、第1の例で説明した部材と同様の部材には、同一の参照符号を付し、各部材において重複する部分についての説明を省略する。
【0088】
図12は、この発明の第2の例に係る集塵容器10を左上前方から見た斜視図である。図13は、集塵容器10においてフィルタ装置21をケース20から離れるように回動させた状態を示す斜視図である。図14は、図13において流路部材60をケース20側に回動させた状態を示している。
図12を参照して、第2の例に係る集塵容器10において、ケース20は、前側へ向かって細くなるボックス形状である。
【0089】
また、ケース20の内面には、前述したガイドレール19(図5参照)はなく、代わりに、図13に示すように、内面において吸込口22と取っ手23との間の領域に、3つの押さえリブ51が一体的に設けられている、各押さえリブ51は、図13における右側から見て略J字形状をなしていて、ケース20の内面からケース20の内側へ向けて突出している。3つの押さえリブ51は、幅方向に所定の間隔を隔てて並んでいる。
【0090】
ケース20において開放された背面側の周縁部には、略L字のブロック状をなすL字リブ52が一体的に設けられている。L字リブ52は、左右で1対となるように2つ設けられており、ケース20の背面側の外周縁から外側へはみ出ている。
図13の状態を基準として、左側のL字リブ52は、ケース20の背面側の左側周縁部に沿って直線状に延び、ケース20の背面側の左側外周縁と上側(取っ手23側)周縁部との角に沿って右側へ折れ曲り、この上側周縁部に沿って取っ手23の手前の位置まで直線状に延びている。また、図13の状態を基準として、右側のL字リブ52は、ケース20の背面側の右側周縁部に沿って直線状に延び、ケース20の背面側の右側周縁部と上側周縁部との角に沿って左側へ折れ曲り、この上側周縁部に沿って取っ手23の手前の位置まで直線状に延びている。各L字リブ52は、ケース20の背面側におけるヒンジ26側の周縁部には設けられていない。
【0091】
各L字リブ52においてケース20の背面側に露出される側面には、背面側に突出する円柱状の突起53(被係合部)が複数設けられている。これらの突起53は、所定の間隔を隔てて並んでおり、全体でまとまった状態で、L字リブ52に沿った略L字状をなしている。
そして、ケース20には、樹脂製のリングカッタ54(第1カット部材)が設けられている。リングカッタ54は、吸込口22より僅かに小さい円環状であり、その軸方向に所定の厚みを有している。リングカッタ54は、その外周面が吸込口22に沿うように、吸込口22に挿通されている。この状態で、リングカッタ54は、吸込口22からケース20の外側(正面側)に突出した第1位置と、吸込口22からケース20の内側(背面側)に突出した第2位置とに移動可能(前密にはヒンジ26側の軸68を中心に回動可能)となるようにケース20によって支持されている。図13では、第2位置にあるリングカッタ54が示されている。ここで、リングカッタ54は、ばね67(図16(b)参照)によって第1位置に位置するように常に付勢されている。
【0092】
フィルタ装置21では、第1フィルタフレーム24(後述するメッシュフィルタ57)におけるケース20側の周縁部に、略L字の薄板状をなすL字リブ55が一体的に設けられている。L字リブ55は、左右で1対となるように2つ設けられており、第1フィルタフレーム24の(ケース20側の)周縁部から外側へはみ出ている。
図13の状態を基準として、左側のL字リブ55は、第1フィルタフレーム24の左側周縁部に沿って直線状に延び、第1フィルタフレーム24の左側周縁部と手前側(フック受け29側)周縁部との角に沿って右側へ折れ曲り、この手前側周縁部に沿ってフック受け29の手前の位置まで直線状に延びている。また、図13の状態を基準として、右側のL字リブ55は、第1フィルタフレーム24の右側周縁部に沿って直線状に延び、第1フィルタフレーム24の右側周縁部と手前側周縁部との角に沿って左側へ折れ曲り、この手間側周縁部に沿ってフック受け29の手前の位置まで直線状に延びている。各L字リブ55は、第1フィルタフレーム24におけるヒンジ26側の外周縁には設けられていない。
【0093】
各L字リブ55には、L字リブ55を肉厚方向に貫通する丸い貫通孔56(係合部)が複数設けられている。これらの貫通孔56は、所定の間隔を隔てて並んでおり、全体でまとまった状態で、L字リブ55に沿った略L字状をなしている。
第2の例では、フィルタ装置21を閉じて閉位置に配置すると、左側のL字リブ55が、ケース20における左側のL字リブ52に対して全域に亘って接触し、右側のL字リブ55が、右側のL字リブ52に対して全域に亘って接触する。このとき、L字リブ55の貫通孔56にL字リブ52の対応する突起53が嵌り込む(図示せず)。つまり、フィルタ装置21が閉位置まで回動したときに突起53が貫通孔56に係合される。
【0094】
第2の例では、第1フィルタフレーム24には、目の細かなメッシュフィルタ57(ドットで塗り潰された部分参照)が設けられている。メッシュフィルタ57は、通気性メッシュで形成されており、枠体形状の第1フィルタフレーム24の内側領域を全域に亘って塞いでいる。メッシュフィルタ57は、前述した閉位置にあるフィルタ装置21においてケース20の他方面側(背面側)に対向する対向面をなす。
【0095】
詳しくは、メッシュフィルタ57は、主面58と側面59とによって立体的に形成されている。主面58は、図13では手前(右下側)へ向って幅広となりながら第1フィルタフレーム24の手前側(フック受け29側)周縁に接続される略台形状の傾斜面である。側面59は、主面58の左端、右端および下端(図13ではヒンジ26側の端)のそれぞれから主面58の交差方向に立ち上がって第1フィルタフレーム24の周縁(前述した手前側周縁は除く)に接続される傾斜面である。
【0096】
主面58および側面59によって、メッシュフィルタ57は、下側(前述した空気の流れ方向下流側であり、図2の太い破線矢印参照)へ向けて窪んでおり、また、図13では手前側ヘ向かって幅広くかつ浅くなる塵取形状をなしている。そのため、メッシュフィルタ57は、捕獲した塵埃を確実に溜めることができる。
ここで、第1フィルタフレーム24には、樹脂製の細長いビーム部材62が複数本設けられており、これらのビーム部材62は、枠体形状の第1フィルタフレーム24の内側領域に配置されている。第1フィルタフレーム24では、ビーム部材62がメッシュフィルタ57を保持しており、これによって、メッシュフィルタ57の前述した塵取形状が維持されている。
【0097】
そして、第1フィルタフレーム24には、流路部材60が設けられている。流路部材60は、右側面視で略J字をなすように折り曲げられた管状である。流路部材60の断面は、折り曲げられた流路部材60の曲率中心側に円弧部を有する略D字形状をなしている。
流路部材60は、ヒンジ26側の一端に入口60Aを有し、その反対側の他端に出口60Bを有しており、入口60Aおよび出口60Bは、流路部材60内に連通している。
【0098】
また、流路部材60の入口60A側には、入口60Aを縁取る略U字状の鍔部61(第2押付部)が一体的に設けられている。鍔部61は、平坦な板状であり、ゴム等の軟質材で形成されている。一方、流路部材60の出口60B側において出口60Bを縁取る部分を出口部分64(第1押付部)という。
第1フィルタフレーム24においてヒンジ26近傍の内周縁には、幅方向に延びる支持軸65が設けられており(図14参照)、この支持軸65は、流路部材60の入口60A側の部分に挿通されている。これにより、流路部材60は、第1フィルタフレーム24(フィルタ装置21)に支持され、支持軸65(入口60A側)を中心に回動自在である。詳しくは、流路部材60は、図13に示す収納位置と、浮上位置(図14参照)との間で回動自在である。
【0099】
収納位置にある流路部材60は、第1フィルタフレーム24の内側でメッシュフィルタ57の塵取形状内(窪み部分)に収納され、メッシュフィルタ57におけるヒンジ26側の側面59に沿っている。このとき、出口部分64がメッシュフィルタ57に接触し、出口60Bがメッシュフィルタ57の主面58に臨んでいる。図13では、出口60Bが主面58に対して上から臨んでいる。また、図13では、入口60Aが上を向いており、入口60Aは、ケース20を回動させた場合におけるリングカッタ54の回動軌跡上にある。
【0100】
収納位置にある流路部材60を、出口60B(出口部分64)が主面58から離れるように回動させると、流路部材60は、出口部分64側でメッシュフィルタ57から浮き上がり、さらに目一杯回動すると、図14に示す浮上位置に配置される。このとき、流路部材60は、第1フィルタフレーム24の内側から完全にはみ出てケース20側に位置している。流路部材60が収納位置にあるときに図13において主面58に上から臨んでいた出口60Bは、流路部材60が浮上位置にあるとき、図14では上側を向いており、主面58に臨んでいない。また、出口部分64は、メッシュフィルタ57から浮いていてメッシュフィルタ57に接触していない。
【0101】
ここで、流路部材60と、第1フィルタフレーム24において収納位置にある流路部材60に対向するヒンジ26側の部分とのそれぞれには、互いに反発する磁石63(第2付勢部材)が設けられている。そのため、これらの磁石63が反発することで、流路部材60は、浮上位置へ向かうように、出口部分64がメッシュフィルタ57から離れる方向へ常に付勢されている。
【0102】
そして、図14に示すようにフィルタ装置21が開いていて(開位置にあって)流路部材60が浮上位置にある状態で、今度はフィルタ装置21を閉じて閉位置に配置する(後述する図18参照)。すると、いままで浮上位置にあった流路部材60は、ケース20の内面において吸込口22を縁取る部分に当接され、これにより、前述した磁石63の反発力に抗して収納位置まで回動する(図19(b)参照)。このとき、流路部材60では、入口60Aが、リングカッタ54および吸込口22に対向して連通する(図19(b)参照)。
【0103】
この状態で、図14に示すように、今度はフィルタ装置21を閉位置から開位置へ向けて回動させて開くと、流路部材60は、ケース20の内面から離れてケース20に当接されなくなるので、前述した磁石63同士の反発力に付勢されることによって浮上位置側へ回動する。
そして、第2の例の集塵容器10では、吸込口22から流入した空気が、第1フィルタフレーム24のメッシュフィルタ57を通過してから第2フィルタフレーム25のプリーツフィルタ50(図2参照)を通過するようになっており、この空気に含まれる塵埃によってメッシュフィルタ57が目詰りしすい。
【0104】
そこで、第1の例と同様に、第2の例でも、集塵容器10での空気の流れ方向(図2の太い破線矢印参照)におけるメッシュフィルタ57の上流側にティッシュペーパーをセットできるようになっている。
次に、ティッシュペーパーをセットする手順および外す手順について説明する。
まず、フィルタ装置21を図14のように開く。すると、流路部材60が収納位置から浮上位置側に浮上する。なお、このとき、流路部材60は、収納位置(メッシュフィルタ57)から浮上していればよく、必ずしも浮上位置に配置されている必要はない。
【0105】
次に、図14の姿勢を基準として、メッシュフィルタ57に上から(ケース20側から)ティッシュペーパーPをセットする。
図15は、図13において流路部材60がティッシュペーパーPを押さえ付けている状態を示している。図16において、(a)は、図15においてフィルタ装置21が閉じた状態における集塵容器10の正面図であり、(b)は、(a)のA−A矢視断面図である。
【0106】
ティッシュペーパーPのセット(装着)に関し、図15を参照して、ティッシュペーパーPにおいてヒンジ26側の部分が、メッシュフィルタ57から浮上している流路部材60とメッシュフィルタ57との隙間に入るようにする。また、ティッシュペーパーPにおいてヒンジ26側を除く周縁部が、第1フィルタフレーム24の左右のL字リブ55(図13参照)からはみ出るようにする。
【0107】
このようにセットされたティッシュペーパーPは、メッシュフィルタ57を全域に亘って覆う。そして、ティッシュペーパーPにおいてメッシュフィルタ57を覆っている部分は、メッシュフィルタ57の塵取形状(窪み部分)に沿って窪んでいる。
この状態でフィルタ装置21を閉じると、図16(a)に示すように、第1フィルタフレーム24の外側にはみ出ていたティッシュペーパーPの周縁部が、全域(ヒンジ26側を除く)に亘って、第1フィルタフレーム24側の左右のL字リブ55(図13参照)とケース20側の左右のL字リブ52とによって挟まれる。
【0108】
これにより、ティッシュペーパーPは、メッシュフィルタ57の塵取形状に沿って窪んだ状態(図15参照)で、ずれないように位置決めされる。前述したように、このとき、L字リブ55の貫通孔56にL字リブ52の突起53が嵌り込んでいるので(図13参照)、ティッシュペーパーPの周縁部において貫通孔56に接触している部分は、突起53によって貫通孔56に押し込まれている(図示せず)。そのため、ティッシュペーパーPは、強固に位置決めされることになる。
【0109】
また、図16(b)に示すように、フィルタ装置21を閉じると流路部材60が収納位置に配置され、その際、流路部材60では、出口部分64が、メッシュフィルタ57に装着されたティッシュペーパーPをメッシュフィルタ57に押し付ける。これによっても、ティッシュペーパーPが位置決めされる。
この状態では、前述した空気の流れ方向(図2の太い破線矢印参照)におけるメッシュフィルタ57の上流側に、ティッシュペーパーPが配置される。そのため、この(完成した)状態の集塵容器10を電気掃除機本体2に装着して電気掃除機本体2を運転させると(図2参照)、ティッシュペーパーPが主として塵埃を捕獲し、ティッシュペーパーPにおいてメッシュフィルタ57に沿って窪んでいる部分に、塵埃が溜まる。
【0110】
これにより、メッシュフィルタ57の通気性メッシュに先立って、ティッシュペーパーPが塵埃を捕獲することができるので、通気性メッシュの早期目詰りを抑制できる。また、メッシュフィルタ57に装着されたティッシュペーパーPがメッシュフィルタ57の窪み部分に沿って窪んだ形状になることから、ティッシュペーパーPは、捕獲した塵埃を確実に溜めることができる。
【0111】
そして、集塵容器10を電気掃除機本体2(図2参照)から離脱させ、図15に示すようにフィルタ装置21を開くと、ティッシュペーパーPは、L字リブ55およびL字リブ52に挟まれなくなり、さらに、通常位置から浮上した流路部材60によってメッシュフィルタ57に押し付けられなくなる。これにより、ティッシュペーパーPの位置決めが解除される。そのため、この状態で集塵容器10を傾けると、塵埃を捕獲したティッシュペーパーPを、塵埃とともにごみ箱に落下させて捨てることができる。
【0112】
ただし、この場合、フィルタ装置21を開くと、その弾みで、ティッシュペーパーPの窪みに溜まった塵埃が飛散する虞がある。
そこで、第2の例では、2枚のティッシュペーパーを用いることで、ティッシュペーパーが捕獲した塵埃の飛散を防止している。ここで、メッシュフィルタ57に沿わせた1枚目のティッシュペーパーの符号をPとし、2枚目の別のティッシュペーパーには符号Qを付けることで、2枚のティッシュペーパーを区別する。
【0113】
この場合、まず、図15に示すように、前述した手順で1枚目のティッシュペーパーPを、メッシュフィルタ57の窪み部分に沿うようにセット(装着)する。
図17は、図15において流路部材60に別のティッシュペーパーQを載せた状態を示している。
次いで、図17に示すように、流路部材60を全て覆うように2枚目のティッシュペーパーQをセットする。この際、ティッシュペーパーQにおいてヒンジ26側の部分が流路部材60の入口60Aのほぼ全域を塞ぐようにする。また、ティッシュペーパーQにおいてヒンジ26側を除く周縁部が、ティッシュペーパーPにおいてヒンジ26側を除く周縁部に対して、ほぼ全域に亘って重なるようにする。
【0114】
このとき、ティッシュペーパーQでは、ヒンジ26側の部分が流路部材60の鍔部61に受け止められ、ティッシュペーパーPにおいてメッシュフィルタ57に沿って窪んでいる部分とティッシュペーパーQとの間に、流路部材60が配置される空間Dが形成される。
図18は、図17においてフィルタ装置21が閉じた状態を示している。図19において、(a)は、図18の状態における集塵容器10の正面図であり、(b)は、(a)のB−B矢視断面図である。
【0115】
そして、フィルタ装置21を閉じて閉位置に配置する。すると、図18に示すように、第1フィルタフレーム24(図13参照)の外側にはみ出ていたティッシュペーパーPおよびQのそれぞれの周縁部が、全域(ヒンジ26側を除く)に亘って、第1フィルタフレーム24側の左右のL字リブ55(図13参照)とケース20側の左右のL字リブ52とによって挟まれる。
【0116】
また、ティッシュペーパーQにおいて収納位置の流路部材60の鍔部61に受け止められている(かかっている)部分(図17参照)の全域は、図19(b)に示すように、鍔部61によって、ケース20の内面に押し付けられている。また、収納位置の流路部材60の出口部分64は、メッシュフィルタ57に装着されたティッシュペーパーPをメッシュフィルタ57に押し付けている。
【0117】
以上により、ティッシュペーパーPおよびQは、前述した空間Dが形成された状態で、ずれないように位置決めされる。そして、この状態では、流路部材60が、ティッシュペーパーPと別のティッシュペーパーQとの間に配置されることとなり、これら2枚のティッシュペーパーPおよびQが、流路部材60が配置される内部空間Dを有する袋状になる。この際、流路部材60がティッシュペーパーの袋Hをメッシュフィルタ57およびケース20の内面に押し付けるので、ティッシュペーパーの袋Hは、袋状の形状を保ったまま位置決めされる。
【0118】
このとき、前述したようにL字リブ55の貫通孔56にL字リブ52の突起53が嵌り込んでいるので(図13参照)、ティッシュペーパーPおよびQの互いに重なっている周縁部において貫通孔56に接触している部分は、突起53によって貫通孔56に押し込まれている(図示せず)。そのため、ティッシュペーパーPおよびQは、強固に位置決めされることになる。
【0119】
また、ティッシュペーパーPおよびQの互いに重なっている周縁部(ヒンジ26側を除く)は、各突起53によって貫通孔56に押し込まれることで綴じ合わされる(紙ホッチキスされる)。ここで、突起53および貫通孔56のまとまりを綴じ部66とすると(図13参照)、綴じ部66は、フィルタ装置21が閉位置まで回動したときに、ティッシュペーパーPおよびQの互いに重なっている周縁部を、突起53および貫通孔56(厳密には、L字リブ55における貫通孔56の周縁部であり、図13参照)で挟んで綴じる。
【0120】
このように綴じることによって、ティッシュペーパーPおよびQによって、前述した袋Hが完成し、ティッシュペーパーPとQとが分離しないような状態となる。なお、突起53がフィルタ装置21側のL字リブ55に設けられて、貫通孔56がケース20側のL字リブ52に設けられてもよい(図13参照)。
また、このとき、ケース20の内面に設けられた押さえリブ51が、流路部材60の鍔部61に受け止められた2枚目のティッシュペーパーQにおいて取っ手23側のケース20の内面に対向している部分を、ケース20の内面から離れるように押さえつけている。これにより、ケース20において押さえリブ51が設けられた内面とティッシュペーパーQとの間には、押さえリブ51分の厚みを有する空間Eが確保される。空間Eは、メッシュフィルタ57につながっている。
【0121】
以上で、2枚のティッシュペーパーPおよびQのセットが完了し、集塵容器10が完成する。この時点では、ケース20のリングカッタ54は、第1位置にあって、吸込口22からケース20の外側(正面側)に突出している。
次に、このように完成した集塵容器10を電気掃除機本体2(図2参照)に装着する。
図20は、電気掃除機本体2の右側断面図であって、図19(b)の状態における集塵容器10が電気掃除機本体2に装着される途中の状態を示している。図21は、図20において集塵容器10が電気掃除機本体2に装着された状態を示している。
【0122】
図20を参照して、前述したように、集塵容器10は、電気掃除機本体2の天面2Aの前側部分を開放することによって、電気掃除機本体2に対して上から装着できる。そのため、まず、集塵容器10を天面2Aの開放された前側部分の真上に配置し、その後下降させる(太線矢印参照)。
ここで、第1位置にあるリングカッタ54の真下には、電気掃除機本体2の前壁2Bの上端が位置している。そのため、このまま集塵容器10を下降させると、第1位置のリングカッタ54の前端縁が、前壁2Bの上端部に上から当接され、これに応じて、後側(第2位置側)へ移動し始める。ここで、第1位置のリングカッタ54の前端縁は、幅方向から見て前上側へ傾斜しているから、リングカッタ54の前端縁に前壁2Bの上端部が当接すると、その当接力がリングカッタ54に対して効果的に後側へ作用する。そのため、リングカッタ54は、円滑に後側へスライドする。
【0123】
そして、図21に示すように、集塵容器10の下降が完了し、集塵容器10が電気掃除機本体2に対して完全に装着されると、リングカッタ54は、第2位置に到達する。このとき、電気掃除機本体2の前壁2Bはリングカッタ54に前から当接しており、リングカッタ54は、第2位置に保持される。
ここで、リングカッタ54が第1位置から第2位置へ向けて後側へ移動するとき、リングカッタ54は、前述したように吸込口22からケース20の内側へ突出して、流路部材60の入口60Aに挿通される。これにより、リングカッタ54の内部(換言すれば吸込口22)と、流路部材60の内部とが連通する。
【0124】
そして、リングカッタ54が入口60Aに挿通される際、リングカッタ54は、前述したように(流路部材60の鍔部61に受け止められている)ティッシュペーパーQにおいて入口60Aにかかっている部分Rをそれ以外の部分から切断する。これにより、入口60AがティッシュペーパーQによって塞がれなくなるので、後述するように吸込口22からケース20内に取り込まれた塵埃および空気を、入口60Aから流路部材60内を円滑に通過させてティッシュペーパーの袋Hの内部に流入させることができる。
【0125】
ここで、入口60A側の鍔部61が、受け止めているティッシュペーパーQをケース20の内面に押し付けていることから、ティッシュペーパーQにおいて入口60Aにかかっている部分Rの位置が安定しているので、リングカッタ54は、この部分Rを円滑に切断することができる。
特に、鍔部61が、軟質材で形成されていることから、受け止めたティッシュペーパーQをケース20の内面に密着させるので、ティッシュペーパーQにおいて入口60Aにかかっている部分Rがずれにくくなり(鍔部61がこの部分Rの滑り止めになり)、リングカッタ54は、この部分Rを円滑に切断することができる。なお、切断された部分Rは、前述したティッシュペーパーPとQとの空間Dに収容される。
【0126】
この状態で電気掃除機本体2(図2参照)を運転させることができる。
図22は、電気掃除機本体2の運転中における集塵容器10の右側断面図である。
電気掃除機本体2を運転させると、図22において破線矢印で示すように、電気掃除機本体2内に吸い込まれた空気および塵埃Tが、吸込口22(リングカッタ54)から集塵容器10のケース20内に取り込まれる。このようにケース20内に取り込まれた塵埃Tは、入口60Aから流路部材60内に入った後に出口60Bからティッシュペーパーの袋Hの内部(ティッシュペーパーPとQとの空間D)に流入し、このとき、ティッシュペーパーPまたはQに捕獲されてティッシュペーパーの袋Hの内部に溜まる。
【0127】
ここで、流路部材60において軟質材で形成された鍔部61が、ティッシュペーパーQをケース20の内面に対して隙間なく押し付けている(密着させている)。これにより、吸込口22からケース20内に取り込まれた塵埃Tおよび空気がケース20の内面とティッシュペーパーQとの隙間に逃げ込むことを防止し、これらの塵埃Tおよび空気を、確実に入口60Aから流路部材60内を通過させてティッシュペーパーの袋Hの内部に流入させることができる。
【0128】
そして、図22では、袋Hの内部空間Dに流入する空気の流れを3本の破線矢印で示しており、最下位の破線矢印で示す空気は、ヒンジ26側の側面59におけるメッシュフィルタ57に沿っている部分のティッシュペーパーPと、この側面59とを、この順番で通過し、その後、プリーツフィルタ50を通過して電動送風機11(図2参照)へと向かう。
【0129】
一方、最上位の破線矢印と最下位の破線矢印との間にある破線矢印で示す空気は、主面58におけるメッシュフィルタ57に沿っている部分のティッシュペーパーPと、主面58とを、この順番で通過し、その後、プリーツフィルタ50を通過して電動送風機11(図2参照)へと向かう。
そして、最上位の破線矢印で示す空気は、図22では上昇し、ティッシュペーパーQにおいて押さえリブ51に押されている部分を通過して、前述した空間Eに流入し、その後、主面58(メッシュフィルタ57)を通過してから、プリーツフィルタ50を通過して電動送風機11(図2参照)へと向かう。
【0130】
これにより、ティッシュペーパーの袋Hの内部に流入した空気は、ティッシュペーパーPを通過してメッシュフィルタ57に向かう第1の流路だけでなく、別のティッシュペーパーQを通過した後に前記空間Eを経由してメッシュフィルタ57に向かう第2の流路も流れることができる。
そのため、ティッシュペーパーPだけでなく、別のティッシュペーパーQも、流れる空気に乗った塵埃を捕獲することができるので、ティッシュペーパーPおよびQによる塵埃の捕獲効率の向上を図ることができる。特に、この場合、塵埃が通過するティッシュペーパーの面積が約2倍になるので、ティッシュペーパーPだけで塵埃を捕獲する場合に比べて、約2倍の量の塵埃を一度に捕獲することができる。そして、その分、集塵容器10内において空気を円滑に流すことができるので、前述した吸引力を持続させつつ、塵埃の吸込量を増やすことができる。
【0131】
そして、このようにティッシュペーパーPおよびQによって捕獲された塵埃Tは、ティッシュペーパーPおよびQによって構成された袋Hの内部(前述した空間D)に溜まる。
次に、袋Hに溜まった塵埃Tを捨てる手順について説明する。
図23は、塵埃が溜まった集塵容器10においてフィルタ装置21をケース20から離れるように回動させた状態を示している。図24は、図23における集塵容器10の左側断面図である。図25は、図24において集塵容器10から塵埃Tが捨てられる状態を示している。図26は、図25の状態における集塵容器10の斜視図である。
【0132】
まず、図23に示すようにフィルタ装置21を開く。この際、ケース20の下側にフィルタ装置21が位置するようにして、ケース20の取っ手23を掴んでボタン27を押すと、フィルタ装置21は、ケース20から下側へ離れるように回動して開く。
フィルタ装置21を開いた瞬間では、図24に示すように、袋Hを構成するティッシュペーパーPにおいてヒンジ26側の部分が、収納位置にある流路部材60の出口部分64によってメッシュフィルタ57へ押し付けられている。
【0133】
しかし、フィルタ装置21を開いた瞬間からすぐに、図25に示すように、前述した2つの磁石63同士の反発力によって流路部材60が速やかに浮上位置へ向けて回動するので、流路部材60の出口部分64が、メッシュフィルタ57に装着されたティッシュペーパーPをメッシュフィルタ57に押し付けなくなる。また、フィルタ装置21が開位置にあるときには、フィルタ装置21側の流路部材60がケース20の内面から離れるので、鍔部61が、ティッシュペーパーQをケース20の内面に押し付けなくなる。
【0134】
これにより、2枚のティッシュペーパーPおよびQによる袋Hが集塵容器10に位置決めされなくなるので、図26を参照して、内部に塵埃Tが溜まったティッシュペーパーの袋Hを自重によって円滑に集塵容器10から落下させ、その先のごみ箱に捨てることができる。
ここで、ティッシュペーパーPまたはQに捕獲された塵埃Tは、ごみ捨ての際に、ティッシュペーパーの袋Hの内部に溜まった状態で捨てられるので、ティッシュペーパーPまたはQから塵埃Tが舞い上がることを防止できる。
【0135】
そして、前述したように、フィルタ装置21が閉位置まで回動したときに(図18および図19参照)、綴じ部66(図13参照)は、ティッシュペーパーPの周縁部と別のティッシュペーパーQの周縁部とを綴じる。ここで、ティッシュペーパーPの周縁部とティッシュペーパーQの周縁部との接合部には、符号78が付されている。
このように綴じることにより、これらの2枚のティッシュペーパーPおよびQによる袋Hの内部に溜まった塵埃が袋Hの内部に閉じ込められるので、ティッシュペーパーPまたはQから塵埃Tが舞い上がることを確実に防止できる。
(3)第3の例
最後に、第3の例に係る集塵容器10について説明する。なお、第3の例において、第1および第2の例で説明した部材と同様の部材には、同一の参照符号を付し、各部材において重複する部分についての説明を省略する。
【0136】
図27は、この発明の第3の例に係る集塵容器10を右上前方から見た斜視図である。
図27を参照して、第3の例に係る集塵容器10において、ケース20は、前側へ向かって細くなるボックス形状であるが、前後方向に薄いので、ボックス形状というよりも、前側へ窪む皿状といえる(後述する図28も参照)。
図28は、集塵容器10においてフィルタ装置21をケース20から離れるように回動させた状態を示す斜視図である。
【0137】
図28を参照して、ケース20において開放された背面側の周縁部では、左側、右側、取っ手23側およびヒンジ26側のそれぞれの周縁部に、外側へ突出する板状の突出部70が一体的に設けられている。各突出部70の背面側には、背面側へ突出する突起71(被係合部)が一体的に設けられている。
また、ケース20の内面には、吸込口22を縁取りつつ背面側へ突出する円環状のカット部72(第2カット部材)が一体的に設けられている。カット部72の周壁は、背面側へ向かって細くなる円錐状である。
【0138】
第3の例では、第1フィルタフレーム24が、ケース20側と第2フィルタフレーム25側とで2分割されている。また、略四角形をなす枠体形状の第1フィルタフレーム24の内側には、空気の流れ方向における下流側へ窪む対向面80が設けられている。対向面80は、ここでは、プリーツフィルタ50によって区画された面であるが、第2の例と同様に、通気性メッシュで形成されていてもよい。対向面80は、フィルタ装置21が閉位置にあるときに、ケース20の開放された背面側に対向する。このように窪んだ対向面80は、捕獲した塵埃を確実に溜めることができる。
【0139】
そして、第1フィルタフレーム24においてケース20側の周縁部(換言すれば、対向面80の周縁部)では、左側、右側およびヒンジ26側のそれぞれの周縁部に、外側へ突出する板状の突出部73が一体的に設けられている。各突出部73には、突出部73を肉厚方向に貫通する貫通孔74(係合部)が形成されている。
そして、第1フィルタフレーム24においてケース20側の部分の内側(つまり、前述した対向面80の窪み部分)には、バスケット部75が配置されている。バスケット部75は、ケース20側(ケース20の背面側に対向する位置)に大きな開口76を有する樹脂製の籠であり、全体で幅広のバスタブ状(略直方体形状)をなしている。バスケット部75は、第1フィルタフレーム24の内側部分(詳しくは、対向面80の窪み部分)にほぼぴったりと収まっている。バスケット部75において開口76を縁取る周縁部においてヒンジ26とは反対側の周縁部には、前述した突出部73が一体的に設けられている。この突出部73にも貫通孔74が形成されている。なお、突出部73(貫通孔74)は、バスケット部75の周縁部だけに設けられてもよいし、第1フィルタフレーム24の対向面80の周縁部だけに設けられてもよい。また、突起71がフィルタ装置21側に設けられて、貫通孔74がケース20側に設けられてもよい。
【0140】
ここで、フィルタ装置21を閉位置まで回動させると、ケース20の背面側と対向面80との間にバスケット部75が位置し、第1フィルタフレーム24およびバスケット部75の各突出部73の貫通孔74に対して、ケース20側で対応する突起71が嵌り込む。換言すれば、各突起71は、対応する貫通孔74に係合される。
そして、第3の例でも、第2の例と同様に、2枚のティッシュペーパーP、Qをセットすることができる。
【0141】
そのために、まず、図28に示すようにフィルタ装置21を開いて、バスケット部75の開口76を上に向ける。
図29は、図28の状態にある集塵容器10においてバスケット部75にティッシュペーパーPをセットした状態を示している。
次いで、図29に示すように、1枚目のティッシュペーパーPを、バスケット部75の内面に沿うようにバスケット部75にセット(装着)する。このとき、ティッシュペーパーPは、バスケット部75の内部形状に沿い、図29では下側へ窪む凹状をなしている。つまり、ティッシュペーパーPは、バスケット部75に立体的に装着される。ここで、ティッシュペーパーPにおいて周縁部(端部)が全域に亘って開口76からはみ出るようにする。
【0142】
図30は、図29の状態にある集塵容器10においてバスケット部75に別のティッシュペーパーQを追加でセットした状態を示している。
この状態で、次に、図30に示すように、2枚目のティッシュペーパーQを、1枚目のティッシュペーパーPの上に重なるようにバスケット部75に装着する。このとき、ティッシュペーパーQの周縁部が全域に亘ってティッシュペーパーPの周縁部と重なるようにする。すると、ティッシュペーパーQは、全体で略水平に平坦となり、バスケット部75の開口76(換言すれば、ティッシュペーパーPにおいて下側へ窪む凹部の開口)に上から蓋をしたような状態となる。
【0143】
最後に、フィルタ装置21を閉位置まで回動させて閉じる。
図31において、(a)は、図30においてフィルタ装置21が閉じた状態における集塵容器10の正面図であり、(b)は、(a)のC−C矢視断面図である。
図31に示すようにフィルタ装置21を閉じると、ティッシュペーパーQおよびティッシュペーパーPにおいて互いに重なっている周縁部が、全域に亘って、ケース20の突出部70と第1フィルタフレーム24およびバスケット部75の突出部73(図28参照)とによって挟まれる。このとき、ティッシュペーパーQおよびティッシュペーパーPにおいて互いに重なっている周縁部は、突出部70の突起71によって突出部73の貫通孔74(図28参照)へと押し込まれ、これによって綴じ合わされる(紙ホッチキスされる)。
【0144】
ここで、突起71および貫通孔74のまとまりを綴じ部79(図28参照)とすると、綴じ部79は、フィルタ装置21が閉位置まで回動したときに、ティッシュペーパーPおよびQの互いに重なっている周縁部を、突起71および貫通孔74(厳密には、突出部73における貫通孔74の周縁部)で挟んで綴じる。
その結果、図31(b)を参照して、ティッシュペーパーQおよびティッシュペーパーPによって、バスケット部75に相似する形状をなす袋Hが形成される。この袋Hは、ケース20の背面側(内面)と対向面80との間に存在する。
【0145】
ここで、フィルタ装置21を閉じて開位置から閉位置まで回動させたとき、ケース20のカット部72が、ティッシュペーパーQにおいて開口76を覆っている部分に突き刺さって、この部分に穴77をあける。これにより、この穴77を介して、吸込口22が袋Hの内部に連通する。そのため、後述するように、吸込口22からケース20内に取り込まれた塵埃を、カット部72があけた穴77を通過させることで、ティッシュペーパーの袋Hの内部に確実に溜めることができる。
【0146】
フィルタ装置21が閉位置ある状態の集塵容器10を電気掃除機本体2(図2参照)に装着して電気掃除機本体2を運転する。すると、電気掃除機本体2に吸い込まれた空気は、吸込口22から、前述した穴77を介して、ティッシュペーパーの袋Hの内部に流入し、その後、ティッシュペーパーPを通過した後に、プリーツフィルタ50を経て電動送風機11(図2参照)側へ向かう。
【0147】
そして、空気に含まれる塵埃は、対向面80に先立って、袋HのティッシュペーパーPによって捕獲され、袋Hの内部に溜まる。これにより、対向面80におけるフィルタ装置21(ここでは、プリーツフィルタ50)の早期目詰りを抑制できる。
次に、袋Hに溜まった塵埃を捨てる手順について説明する。
図32は、図31の状態にある集塵容器10においてフィルタ装置21をケース20から離れるように回動させた状態を示す斜視図である。図33は、図32の状態にある集塵容器10の左側断面図であって、集塵容器10から塵埃Tが捨てられる状態を示している。
【0148】
まず、図32に示すようにフィルタ装置21を開く。この際、ケース20の下側にフィルタ装置21が位置するようにして、ケース20の取っ手23を掴んでボタン27(図3参照)を押すと、フィルタ装置21は、ケース20から下側へ離れるように回動して開く。
この状態では、袋Hがバスケット部75に嵌った状態になっている。そして、フィルタ装置21を図33に示すように傾けると、袋Hは、その自重によってバスケット部75から外れて落下する。そのため、袋Hの落下する先にごみ箱があれば、塵埃Tが詰まったティッシュペーパーの袋Hをごみ箱に捨てることができる。特に、ティッシュペーパーPに捕獲された塵埃Tは、ごみ捨ての際に、ティッシュペーパーの袋Hの内部に溜まった状態で捨てられるので、ティッシュペーパーPまたはQから塵埃Tが舞い上がることを防止できる。
【0149】
ここで、前述したように、フィルタ装置21が閉位置まで回動したときに、綴じ部79(図28参照)は、ティッシュペーパーPの周縁部とティッシュペーパーQの周縁部とを綴じる(図31参照)。ここで、ティッシュペーパーPの周縁部とティッシュペーパーQの周縁部との接合部には、符号78が付されている(図32参照)。
このように綴じることにより、これらの2枚のティッシュペーパーによる袋Hの内部に溜まった塵埃Tが袋Hの内部に閉じ込められるので、ティッシュペーパーPまたはQから塵埃Tが舞い上がることを確実に防止できる。
【0150】
この発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0151】
2 電気掃除機本体
10 電気掃除機用集塵容器
19 ガイドレール
20 ケース
21 フィルタ装置
22 吸込口
26 ヒンジ
34 連結軸
35 固定フィルタ
37 可動フィルタ
39 突起
40 ガイド軸
41 貫通孔
42 対向面
43 綴じ部
51 押さえリブ
53 突起
54 リングカッタ
56 貫通孔
57 メッシュフィルタ
60 流路部材
60A 入口
60B 出口
61 鍔部
63 磁石
64 出口部分
66 綴じ部
71 突起
72 カット部
74 貫通孔
75 バスケット部
76 開口
77 穴
79 綴じ部
80 メッシュフィルタ
E 空間
P ティッシュペーパー
Q ティッシュペーパー
R 部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気掃除機本体に着脱される集塵容器であって、
一方面に空気および塵埃を取り込む吸込口が形成され、他方面側は開放されているケースと、
一端部がヒンジを介して前記ケースに連結されていて、前記ケースの他方面側を開いた開位置と前記ケースの他方面側を閉じた閉位置との間で前記ヒンジを中心に回動可能であり、前記閉位置において、前記ケースの他方面側から流れ出る空気は通過させるが、塵埃は捕獲するフィルタ装置と、
を有し、
前記フィルタ装置には、通気性メッシュで形成され、前記閉位置において前記ケースの他方面側に対向し、ティッシュペーパーが載せられる対向面が設けられ、
前記対向面は、
固定部分と、
前記固定部分に回動可能に連結され、前記フィルタ装置が前記閉位置から前記開位置まで回動するのに応じて、前記固定部分へ接近するように回動して前記対向面上のティッシュペーパーを袋状に折り畳むための回動部分と、
を有することを特徴とする、電気掃除機用集塵容器。
【請求項2】
前記回動部分において前記連結から最も離れた端部に設けられた係合部と、
前記固定部分において前記連結から最も離れた端部に設けられ、前記回動部分が前記固定部分へ接近するように回動したときに前記係合部に係合される被係合部と、
を含み、前記回動部分が前記固定部分へ接近するように回動したときに、前記回動部分によって袋状に折り畳まれたティッシュペーパーの周縁部を前記係合部および前記被係合部で挟んで綴じる綴じ部を有することを特徴とする、請求項1記載の電気掃除機用集塵容器。
【請求項3】
前記ケースに設けられたガイドレールと、
前記回動部分において前記連結から最も離れた端部に設けられ、前記フィルタ装置が前記閉位置にあるときには前記ガイドレールの一端部に嵌っていて、前記フィルタ装置が前記閉位置から前記開位置へ向かう途中にあるときには前記ガイドレールに嵌った状態で前記ガイドレールに沿って前記ガイドレールの他端部側へ移動することによって前記回動部分を前記固定部分へ接近するように回動させ、前記フィルタ装置が前記開位置に到達すると前記ガイドレールの他端部から外れるガイド軸と、
を有することを特徴とする、請求項1または2記載の電気掃除機用集塵容器。
【請求項4】
前記ガイド軸が前記ガイドレールの他端部から外れたときに、前記回動部分を前記固定部分から離れる方向へ回動するように付勢する第1付勢部材を有することを特徴とする、請求項3記載の電気掃除機用集塵容器。
【請求項5】
前記対向面は、空気の流れ方向下流側へ向けて窪んでいることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の電気掃除機用集塵容器。
【請求項6】
電気掃除機本体に着脱される集塵容器であって、
一方面に空気および塵埃を取り込む吸込口が形成され、他方面側は開放されているケースと、
一端部がヒンジを介して前記ケースに連結されていて、前記ケースの他方面側を開いた開位置と前記ケースの他方面側を閉じた閉位置との間で前記ヒンジを中心に回動可能であり、前記閉位置において、前記ケースの他方面側から流れ出る空気は通過させるが、塵埃は捕獲するフィルタ装置と、
前記フィルタ装置に設けられ、通気性メッシュで形成されており、前記フィルタ装置が前記閉位置にあるときにおいて前記ケースの他方面側に対向し、空気の流れ方向下流側へ向けて窪んでいて、窪み部分に沿うようにティッシュペーパーが装着される対向面と、
前記フィルタ装置が前記閉位置にあるときに前記吸込口に連通する入口と前記対向面に臨む出口とを有する管状であり、前記窪み部分において前記入口側を中心に回動可能となるように前記フィルタ装置に支持されており、前記対向面に装着されたティッシュペーパーを前記対向面に押し付ける第1押付部が前記出口側に設けられているとともに、別のティッシュペーパーを受け止めて前記ケースの内面に押し付けることができる第2押付部が前記入口側に設けられた流路部材と、
を有することを特徴とする、電気掃除機用集塵容器。
【請求項7】
前記対向面の周縁部に設けられた係合部と、
前記ケースの前記他方面側の周縁部に設けられ、前記フィルタ装置が前記閉位置まで回動したときに前記係合部に係合される被係合部と、
を含み、前記フィルタ装置が前記閉位置まで回動したときに、前記窪み部分に沿うように装着されたティッシュペーパーの周縁部と前記第2押付部に受け止められた別のティッシュペーパーの周縁部とを前記係合部および前記被係合部で挟んで綴じる綴じ部を有することを特徴とする、請求項6記載の電気掃除機用集塵容器。
【請求項8】
前記吸込口に挿通された状態で、前記ケース外に突出した第1位置と前記ケース内に突出した第2位置とに移動可能となるように前記ケースに支持された第1カット部材であって、
前記集塵容器が前記電気掃除機本体に装着されたときに前記第2位置へ移動して、前記第2押付部に受け止められているティッシュペーパーにおいて前記入口にかかっている部分をそれ以外の部分から切断する第1カット部材を有することを特徴とする、請求項6または7記載の電気掃除機用集塵容器。
【請求項9】
前記第2押付部は、軟質材で形成されていることを特徴とする、請求項8記載の電気掃除機用集塵容器。
【請求項10】
前記フィルタ装置が前記閉位置から前記開位置へ向けて回動したときに、前記第1押付部が前記対向面から離れる方向へ前記流路部材を付勢する第2付勢部材を有することを特徴とする、請求項6〜9のいずれかに記載の電気掃除機用集塵容器。
【請求項11】
前記ケースの内面に設けられ、前記第2押付部に受け止められたティッシュペーパーと前記ケースの内面との間に、前記対向面につながる空間ができるように当該ティッシュペーパーを押さえるリブを有することを特徴とする、請求項6〜10のいずれかに記載の電気掃除機用集塵容器。
【請求項12】
電気掃除機本体に着脱される集塵容器であって、
一方面に空気および塵埃を取り込む吸込口が形成され、他方面側は開放されているケースと、
一端部がヒンジを介して前記ケースに連結されていて、前記ケースの他方面側を開いた開位置と前記ケースの他方面側を閉じた閉位置との間で前記ヒンジを中心に回動可能であり、前記閉位置において、前記ケースの他方面側から流れ出る空気は通過させるが、塵埃は捕獲するフィルタ装置と、
前記フィルタ装置に設けられ、前記フィルタ装置が前記閉位置にあるときにおいて前記ケースの他方面側に対向し、空気の流れ方向下流側へ向けて窪んだ対向面と、
前記ケースの他方面側と前記対向面との間に位置するように前記対向面の窪み部分に収容され、前記ケースの他方面側に対向する位置に開口を有するバスタブ状であり、前記開口から端部がはみ出るように内部形状に沿ってティッシュペーパーが立体的に装着されるとともに、前記開口に蓋をするように別のティッシュペーパーが装着されるバスケット部と、
を有することを特徴とする、電気掃除機用集塵容器。
【請求項13】
前記バスケット部において前記開口を縁取る部分および/または前記対向面の周縁部に設けられた係合部と、
前記ケースの前記他方面側の周縁部に設けられ、前記フィルタ装置が前記閉位置まで回動したときに前記係合部に係合される被係合部と、
を含み、前記フィルタ装置が前記閉位置まで回動したときに、前記バスケット部の内部形状に沿って装着されたティッシュペーパーの周縁部と前記開口に蓋をしているティッシュペーパーの周縁部とを前記係合部および前記被係合部で挟んで綴じる綴じ部を有することを特徴とする、請求項12記載の電気掃除機用集塵容器。
【請求項14】
前記ケースの内面において前記吸込口を縁取りつつ他方面側へ突出するように設けられ、前記フィルタ装置が前記開位置から前記閉位置まで回動するときに、前記開口に蓋をしているティッシュペーパーにおいて前記開口を覆っている部分に穴をあける第2カット部材を有することを特徴とする、請求項12または13記載の電気掃除機用集塵容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2011−177237(P2011−177237A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−42525(P2010−42525)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】