説明

電気掃除機

【課題】清掃床面上に存在する障害物の下や奥を容易に清掃することができる電気掃除機を提供することを目的とする。
【解決手段】掃除機本体1に対して着脱可能な棒状のハンドルアーム体3と、ハンドルアーム体3に代えて掃除機本体1に対して着脱可能な紐状の可撓体23とを備えたものである。これによって、障害物の下を清掃する場合にはハンドルアーム体3に代えて掃除機本体1に対して可撓体23を接続することで、掃除機本体1が机等の障害物の下に入り込み、可撓体23が障害物の縁に接触しても可撓体23が曲がり、可撓体23が障害物の下や奥へ円滑に入り込む。つまり、使用者は腰を曲げて屈んだり、膝を曲げてしゃがんだりすることなく、使い勝手よく、清掃作業が行えるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒状のハンドルアーム体により掃除機本体を操作して清掃作業を行うようにした電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電気掃除機は、下方に開口部を有する床用吸込部の略後方に、集塵室、電動送風機を内蔵した掃除機本体を配してあり、さらに使用者は掃除機本体の略上方に棒状のハンドルアーム体を突出させ、このハンドルアーム体の上端に設けた操作ハンドルを掴み清掃作業を行うものである(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−153402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の構成では、机やベッドなどの高さ方向に制限がある障害物が存在すると、その障害物の下や奥を清掃するときにハンドルアーム体が障害物に接触するため、使用者はハンドルアーム体を倒して床面に近付ける必要がある。この動作を行うために使用者は腰を曲げて屈んだり、膝を曲げてしゃがんだりすることになり、清掃作業が困難であるという課題を有していた。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、清掃床面上に存在する障害物の下や奥を容易に清掃することができる電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電気掃除機は、掃除機本体に対して着脱可能な棒状のハンドルアーム体と、ハンドルアーム体に代えて掃除機本体に対して着脱可能な紐状の可撓体とを備えたものである。
【0006】
これによって、障害物の下を清掃する場合には棒状のハンドルアーム体に代えて掃除機本体に対して紐状の可撓体を接続することで、掃除機本体が障害物の下に入り込み、可撓体が障害物の縁に接触しても可撓体が曲がり、可撓体が障害物の下や奥へ円滑に入り込む。つまり、使用者は腰を曲げて屈んだり、膝を曲げてしゃがんだりすることなく、使い勝手よく、清掃作業が行えるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電気掃除機は、使い勝手よく、清掃床面上に存在する障害物の下や奥を容易に清掃することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、掃除機本体と、掃除機本体に内蔵され吸引力を発生させる電動送風機と、集塵するための床用吸込部と、床用吸込部の下方に設けた吸引を行う開口部から電動送風機への吸気流路の途中に設けた集塵室と、掃除機本体を前進移動させる走行部と、掃除機本体に対して着脱可能な棒状のハンドルアーム体と、ハンドルアーム体に代えて掃除機本体に対して着脱可能な紐状の可撓体とを備えた電気掃除機としたものである。これによって、障害物の下を清掃する場合には棒状のハンドルアーム体に代えて掃除機本体に対して紐状の可撓体を接続することで、掃除機本体が障害物の下に入り込み、可撓体が障害物の縁に接触しても可撓体が曲がり、可撓体が障害物の下や奥へ円滑に入り込む。つまり、使用者は腰を曲げて屈んだり、膝を曲げてしゃがんだりすることなく、使い勝手よく、清掃作業が行えるものである。
【0009】
第2の発明は、特に、第1の発明において、掃除機本体は、その表面または内部に少なくともハンドルアーム体と可撓体の一方を収容可能な装着部を有することにより、ハンドルアーム体と可撓体とのいずれか一方の使用中には非使用中の他方を掃除機本体に収容することで、使用者の近くに配しているので、ハンドルアーム体や可撓体を別の場所まで取りに行く必要がなく、連続してハンドルアーム体と可撓体の交換作業が行え、効率よく清掃作業を続けることができる。
【0010】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、ハンドルアーム体は、伸縮可能な構成としたことにより、清掃終了時や掃除機本体を持ち上げて別の場所へ持ち上げて移送させるときにハンドルアーム体を縮めることができ、ハンドルアーム体が使用者や壁、床、家具等に接触することなくスムースに移送させることができる。また、可撓体を用いた清掃作業においてもハンドルアーム体が収縮しているので清掃作業を阻害することがない。
【0011】
第4の発明は、特に、第1または第2の発明において、可撓体はその操作ハンドル部と掃除機本体への接続部の少なくとも一方の表面または内部に全体をまとめる収容部を有することにより、清掃終了時や掃除機本体を持ち上げて別の場所へ持ち上げて移送させるときに可撓体を収容してまとめることができ、可撓体が使用者や壁、床、家具等に接触することなくスムースに移送させることができる。また、さらに可撓体を本体接続部から取り外し、ハンドルアーム体を用いた清掃作業においても、可撓体が小さくまとめられているので清掃作業を阻害することがない。
【0012】
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、ハンドルアーム体は、まとめた可撓体を装着可能なアーム側装着部を有することにより、ハンドルアーム体を使用中に可撓体を使用者の近くに配しているので、可撓体を別の場所まで取りに行く必要がなく、連続してハンドルアーム体と可撓体の交換作業が行え、効率よく清掃作業を続けることができる。
【0013】
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれか1つの発明において、走行部は、ハンドルアーム体を掃除機本体に接続した場合に運転を停止または前進力を減少させ、可撓体を接続した場合には運転を開始または前進力を増大させる構成としたことにより、ハンドルアーム体を使用して清掃作業を行う場合には掃除機本体が使用者の意に反して勝手に移動するのを避け、また、可撓体を使用して清掃作業を行う場合には障害物の下に入り込み清掃作業ができる。
【0014】
第7の発明は、特に、第1〜第6のいずれか1つの発明において、走行部は、可撓体の着脱と連動して掃除機本体へ装着または掃除機本体から分離可能な構成としたことにより、可撓体に代えてハンドルアーム体を使用して清掃作業を行う場合には、走行部が分離されて質量が除かれているため、軽量で取り回しを阻害しない掃除機本体を実現できる。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態1)
図1〜図4は、本発明の実施の形態1における電気掃除機を示している。
【0017】
図1、図2に示すように、本実施の形態における電気掃除機は、掃除機本体1と、掃除機本体1に内蔵され吸引力を発生させる電動送風機5と、掃除機本体1の前方下部に接続または一体化された集塵するための床用吸込部2と、床用吸込部2の下方に設けた吸引を行う開口部6から電動送風機5への吸気流路の途中に設けた集塵室7と、掃除機本体1を前進移動させる回転ブラシから構成した走行部8と、掃除機本体1に対して着脱可能な棒状のハンドルアーム体3と、ハンドルアーム体3に代えて掃除機本体1に対して着脱可能な紐状の可撓体23とを備えたものである。
【0018】
集塵室7の集塵方法は、慣性集塵方式、遠心分離方式、フィルタや紙袋を使用した濾過方式、電気集塵方式等のいずれかもしくはこれらの組み合わせを用いている。
【0019】
走行部8を構成する回転ブラシは、開口部6内に内蔵されており、前転方向に回転し床面の塵埃を掻き揚げたり、床面を磨いたりすることができるものである。また、この回転ブラシは軸体9と軸体9外周近傍に設けた複数のブラシ毛部10から構成されている。さらに走行部8である回転ブラシは伝達ベルト11を介して駆動用モータ12に接続されている。
【0020】
掃除機本体1の前方下部及び後方下部には前後方向に回転自在な走行ローラー13、14を配している。
【0021】
棒状のハンドルアーム体3は、一端が第1の操作ハンドル部15であり、他端が第1の接続部16としており、両者間を棒状体17で構成している。第1の接続部16は、掃除機本体1後部に設けた本体接続部18に接続できる。このとき、第1の接続部16に設けた第1の先端突部19が本体接続部18の先端凹部に嵌合し、使用者が任意に着脱可能とすることができる構成としている。また、本体接続部18は掃除機本体1に対して前後方向に略回動摺動可能な摺動部20を有している。
【0022】
第1の操作ハンドル部15には電動送風機5や走行部8の運転を操作する第1の操作スイッチ21を配してあり、棒状体17内部には第1の操作スイッチ21と掃除機本体1内の制御回路22との信号をやり取りするための信号線(図示せず)を配している。
【0023】
また、紐状の可撓体23は、棒状体17がワイヤー体24に変更されている以外は、ほぼハンドルアーム体3と同様の構成としている。すなわち、可撓体23は、一端が第2の操作ハンドル部25であり、他端が第2の接続部26としており、両者間をワイヤー体24で構成している。第2の操作ハンドル部25には第2の操作スイッチ27を配してあり、ワイヤー体24内部には第2の操作スイッチ27と掃除機本体1内の制御回路22との信号をやり取りするための信号線(図示せず)を配している。
【0024】
さらに、第2の接続部26先端には第2の先端突部28を設けており、第1の先端突部19の代わりにこの第2の先端突部28を本体接続部18に嵌合させることができ、第1の先端突部19と同様に使用者が任意に着脱可能とすることができる構成としている。
【0025】
また、電動送風機5、駆動用モータ12、各操作スイッチ21、27の制御等に使用される電源として、掃除機本体1に充電池29を、また掃除機本体1の制御を行う制御回路22をそれぞれ内蔵している。
【0026】
以上のように構成された電気掃除機について、以下その動作、作用を説明する。
【0027】
清掃作業を行うために、使用者は通常、第1の操作ハンドル部15を手に持ち、掃除機本体1を清掃面である使用者前方の床面に置く。そして第1の操作スイッチ21を操作すると信号が棒状体17内部の信号線を通って掃除機本体1内の制御回路22へ送られ、制御回路22からの指令で電動送風機5が動作を開始して吸引力が発生し、床用吸込部2の開口部6から床面の塵埃を吸込むことになる。
【0028】
吸込まれた塵埃は集塵室7で塵埃と空気流に分離され、空気流は電動送風機5を通過して本体排気孔(図示せず)から外部へ排出される。
【0029】
電動送風機5が動作すると同時に伝達ベルト11を介して駆動用モータ12の回転力を走行部8である回転ブラシへ伝達し、回転ブラシを回転させて床面の塵埃を掻き揚げるとともに、床面自体を磨くことになる。
【0030】
この状態で使用者は第1の操作ハンドル部15を手に持ち、掃除機本体1を略前後移動させることで任意の床面の清掃を行うことができる(図1(a)の矢印A及びB)。
【0031】
さらに、このとき回転ブラシは勢い良く前転しているので、回転ブラシが走行部8である駆動輪の役目を担い掃除機本体1全体が自然と前進することになる。さらに、掃除機本体1には走行ローラー13、14を配しているため、円滑に掃除機本体1が前進できる。
【0032】
清掃作業中、机やベッドなどの高さ方向に制限がある障害物が存在した場合、ハンドルアーム体3を掃除機本体1に装着した状態では、障害物の下を清掃するためには使用者が屈むかしゃがんで第1の操作ハンドル部15を床面近くまで下げる必要があり、さらにこの状態のままでハンドルアーム体3を略前後移動させることになる。
【0033】
そこで、障害物の下を清掃するときにはハンドルアーム体3の第1の接続部16を本体接続部18から取り外し(図2(b)の矢印C)、可撓体23の第2の接続部26を本体接続部18へ接続する(同矢印D)。
【0034】
この状態で第2の操作ハンドル部25を手に持ち、第2の操作スイッチ27を操作すると信号がワイヤー体24内部の信号線を通って掃除機本体1内の制御回路22へ送られ、制御回路22からの指令で電動送風機5が動作を開始して吸引力が発生し、床用吸込部2の開口部6から床面の塵埃を吸込むことになる。
【0035】
さらに走行部8である回転ブラシが前転することで掃除機本体1全体が前進を開始し、掃除機本体1は机等の障害物の下に入り込み前進を続ける(図1(b)の矢印E)。このとき第2の操作ハンドル部25と掃除機本体1とを接続するワイヤー体24が可撓性であるので、障害物と接触せずに掃除機本体1が障害物の下に入り込め、また障害物と接触したとしてもこの接触している箇所で屈曲し、第2の操作ハンドル部25を少量床面に近付けるだけで掃除機本体1は障害物Gの奥へと前進して行くものである(図3の状態)。
【0036】
掃除機本体1が前進して当初たわんでいたワイヤー体24が伸びきると使用者は第2の操作ハンドル部25を引いて掃除機本体1を引き寄せることになる(図4の矢印F)。
【0037】
第2の操作ハンドル部25を持って掃除機本体1を引き寄せるときは、回転ブラシ前方の走行ローラー13を支点に掃除機本体1後部(本体接続部18側)が若干浮き上がる方向に力が働くため、回転ブラシが床面に及ぼす回転力が減少して掃除機本体1を前進させようとする力が弱まり、少ない操作力で掃除機本体1を引き戻すことができる。
【0038】
もちろん可撓体23のワイヤー体24が伸びきる前に第2の操作ハンドル部25を引いて掃除機本体1を引き寄せることもできるものである。これら一連の動作を繰り返しながら清掃作業を行うものである。
【0039】
以上のように、本実施の形態において、掃除機本体1を前進移動させる走行部8である回転ブラシと、一端に第1の操作ハンドル部15を有しかつ他端に掃除機本体1に設けた本体接続部18へ着脱可能な第1の接続部16を有する棒状のハンドルアーム体3と、一端に第2の操作ハンドル部25を有しかつ他端に掃除機本体1に設けた本体接続部18へ着脱可能な第2の接続部26を有する紐状の可撓体23とを有し、本体接続部18には使用者の任意で第1の接続部16もくしは第2の接続部26のいずれか一方を接続できる構成としたことにより、障害物Gの下を清掃する場合に第2の接続部26を接続することで、掃除機本体1が回転ブラシの動作で自動的に前進し障害物Gの下に入り込み、さらに掃除機本体1と第2の操作ハンドル部25を接続する可撓体23が障害物Gの縁に接触しても可撓体23が曲がり、可撓体23が障害物Gの下や奥へ円滑に入り込む。つまり、第2の操作ハンドル部25を床面近くまで下げることなく、掃除機本体1が障害物Gの下や奥へ入り込み、塵埃等を集塵するものである。この結果、使い勝手を向上でき、かつ障害物Gの下や奥まで確実に清掃を行うことができる。
【0040】
また、走行部8である回転ブラシは、掃除機本体1前進時に第2の操作ハンドル部25を用い可撓体23を介して掃除機本体1を引いたときに前進する力が低下もしくは停止する構成とすることにより、第2の操作ハンドル部25を引くときの掃除機本体1と床面との抵抗が減り、特に、絨毯等の滑りにくい床面上に掃除機本体1があるときに使用者は少ない力でスムースに掃除機本体1を引き戻すことができる。これにより掃除機本体1が絨毯等の床面に引っ掛かって転倒することを防ぐこともできる。
【0041】
なお、本実施の形態では、走行部8を回転ブラシとしたが、走行部8と回転ブラシをそれぞれ独立した別構成とすることもできるものである。
【0042】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における電気掃除機を示している。電気掃除機の構成は実施の形態1と同様であるので、同一要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0043】
図に示すように、本実施の形態における電気掃除機は、掃除機本体1の表面(または内部)に少なくともハンドルアーム体3と可撓体23の一方を収容可能な装着部30を有するものである。つまり、ハンドルアーム体3もしくは可撓体23のどちらか一方を掃除機本体1の前後方向から挟持できる構成としている。また、装着部30は本体接続部18を除く掃除機本体1の高さよりも上方へ突出しないよう構成と位置を配慮しており、上下幅の低い場所を清掃するときに衝突して清掃作業を阻害しないようにしているものである。
【0044】
これにより、ハンドルアーム体3を使用中には可撓体23(可撓体23を使用中にはハンドルアーム体3)を使用者の近くに配しているので、ハンドルアーム体3や可撓体23を別の場所まで取りに行く必要がなく、連続してハンドルアーム体3と可撓体23の交換作業が行え、効率よく清掃作業を続けることができる。
【0045】
また、このときハンドルアーム体3は、伸縮可能な構成としているものであり、清掃終了時や掃除機本体1を持ち上げて別の場所へ持ち上げて移送させるときにハンドルアーム体3を縮めることができ、ハンドルアーム体3が使用者や壁、床、家具等に接触することなくスムースに移送させることができる。さらに、ハンドルアーム体3を本体接続部18から取り外し、可撓体23を本体接続部18に接続している場合においても、ハンドルアーム体3が収縮しているので、清掃作業を阻害することがない。
【0046】
なお、伸縮の構成としては、例えば、2個以上に分割された棒状体17上にスライド溝を設け、このスライド溝に沿ってスライド伸縮するものとし、伸張及び短縮し切った際には棒状体17に設けたロック構成により固定され、このロック構成を使用者の操作により解除することで伸縮を行うことができるものである。
【0047】
なお、このロック構成による固定の解除は、ハンドルアーム体3を本体接続部18に取り付けている際には、ハンドルアーム体3を掃除機本体1に対して垂直もしくは垂直より掃除機本体1側へ倒したときに本体接続部18の回動と連動して解除が行われる構成とすることで、別途使用者が固定の解除を行う必要がなく、棒状体17を短縮させるときも第1の操作ハンドル部15を持ったまま掃除機本体1方向へ力をかけるだけでよく、簡便に短縮作業を行うことができる。
【0048】
また、可撓体23は、少なくとも第2の操作ハンドル部25と第2の接続部26との一方の表面または内部に全体をまとめる収容部31を有している。図示した構成は、第2の操作ハンドル部25、第2の接続部26にワイヤー体24を巻きつける構成としており、さらに巻きつけたワイヤー体24がずれて外れないように第2の操作ハンドル部25、第2の接続部26の端部などにはリブ状の突部(図示せず)を設けている。また、第2の操作ハンドル部25、第2の接続部26の表面上にワイヤー体24の直径の曲率に近似した螺旋状の溝を設けることで、収容性を向上させることができる。
【0049】
これにより、清掃終了時や掃除機本体1を持ち上げて別の場所へ持ち上げて移送させるときに可撓体23を収容してまとめることができ、可撓体23が使用者や壁、床、家具等に接触することなくスムースに移送させることができる。
【0050】
さらに、可撓体23を本体接続部18から取り外し、ハンドルアーム体3を本体接続部18に接続している場合においても、可撓体23が小さくまとめられているので清掃作業を阻害することがない。
【0051】
なお、収容部31はバネを内装したコードリール式とすることで、ワイヤー体24の自動巻取りが可能となり収納作業が容易となり、かつワイヤー体24を任意の長さに調節可能であり、長さを短くすることで狭い場所や障害物が多い場所などでワイヤー体24が引っかかることで清掃作業を阻害することがない。
【0052】
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3における電気掃除機を示している。電気掃除機の構成は実施の形態1と同様であるので、同一要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0053】
図に示すように、本実施の形態における電気掃除機は、ハンドルアーム体3に、まとめた可撓体23を装着可能にしたアーム側装着部32を有している。なお、可撓体23のワイヤー体24は実施の形態2に示したように第2の操作ハンドル部25、第2の接続部26の表面上に巻きつけていて全体が小さくまとめられており、第1の操作ハンドル部15の下方かつ使用者側に配したアーム側装着部32に挟持されている。このとき、棒状体17からも巻きついたワイヤー体24を押さえつけることで、ワイヤー体24が解けないようにしている。
【0054】
これにより、ハンドルアーム体3を使用中に可撓体23を使用者の近くに配しているので、可撓体23を別の場所まで取りに行く必要がなく、連続してハンドルアーム体3と可撓体23の交換作業が行え、効率よく清掃作業を続けることができる。
【0055】
なお、ハンドルアーム体3が実施の形態2に示したように伸縮可能な場合、可撓体23をハンドルアーム体3に装着した状態でハンドルアーム体3を短縮させ、その後、第1の接続部16を本体接続部18から取り外し、さらに、第2の接続部26を取り付けるのであるが、このときハンドルアーム体3と可撓体23が一体となっているので、使用者は簡易に交換作業を行うことができる。
【0056】
なお、可撓体23を第1の操作ハンドル部15に装着しても同様の効果を得られるものである。
【0057】
(実施の形態4)
図7は、本発明の実施の形態4における電気掃除機を示している。電気掃除機の構成は実施の形態1と同様であるので、同一要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0058】
図に示すように、本実施の形態における電気掃除機は、走行部8である回転ブラシが、本体接続部18に設けた走行運転切換え部33の状態変化により運転を開始及び停止するようにしている。すなわち、ハンドルアーム体3を本体接続部18に接続した場合には走行部8は運転を停止または運転を遅くして前進力を減少させ、可撓体23を本体接続部18に接続した場合には走行部8は運転を開始または前進力を増大させる構成としている。
【0059】
つまり、本体接続部18内には差込口方向に動作可能な検知スイッチ34を配しており、第1の先端突部19の長さと第2の先端突部28の長さを異なるものとし、第1の先端突部19が差し込まれた場合には、この長さが短いため検知スイッチ34がオフ状態であり、第2の先端突部28が差し込まれた場合には、この長さが長く検知スイッチ34がオン状態となる。このとき検知スイッチ34のオン・オフ信号を制御回路22が受け、オン時には走行部8は運転を開始または前進力を増大させ、オフ時には運転を停止または運転を遅くして前進力を減少させるものである。
【0060】
これにより、本体接続部18に第1の接続部16を接続してハンドルアーム体3を使用して清掃作業を行う場合には掃除機本体1が使用者の意に反して勝手に前進するのを避け、また走行部8へのエネルギー供給を減らすことができる。
【0061】
このとき、ハンドルアーム体3を使用している場合は、使用者が掃除機本体1を床面へ押し付ける方向へ力をかけているので、走行部8の回転が弱まったとしても清掃能力を大幅に低下させるものではない。また、可撓体23を使用して清掃作業を行う場合には障害物の下に入り込み清掃作業ができる。
【0062】
(実施の形態5)
図8は、本発明の実施の形態5における電気掃除機を示している。電気掃除機の構成は実施の形態1と同様であるので、同一要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0063】
図に示すように、本実施の形態における電気掃除機は、走行部8が可撓体23の着脱と連動して掃除機本体1へ装着または掃除機本体1から分離可能な構成としたものである。走行部8は駆動用モータ12、伝達ベルト11とともに走行ユニット35を構成しており、この走行ユニット35が可撓体23の第2の接続部26に取り付けられている。
【0064】
これにより、図8(a)に示すように、可撓体23に代えてハンドルアーム体3を使用して清掃作業を行う場合には、可撓体23とともに走行部8が分離されていることにより質量が除かれるため、軽量で取り回しを阻害しない掃除機本体を実現できる。また、図8(b)に示すように、可撓体23を使用して清掃作業を行う場合には、走行ユニット35が可撓体23に取り付けられているので同時にセットされ、図に示す状態で清掃作業が行える。
【0065】
なお、本実施の形態では、走行部8である回転ブラシに巻きついた髪の毛や繊維ゴミを使用者が取り除く場合、重い掃除機本体1を扱う必要がなく、本体接続部18から第2の接続部26を取り外すことで走行ユニット35を取り外すことができ、その中の回転ブラシを容易に手入れすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上のように、本発明にかかる電気掃除機は、使い勝手を向上でき、かつ障害物の下や奥まで確実に清掃を行うことができるので、一般家庭等で使用される電気掃除機として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】(a)本発明の実施の形態1における電気掃除機のハンドルアーム体使用状態を示す側面図(b)同電気掃除機の可撓体使用状態を示す側面図
【図2】(a)同電気掃除機におけるハンドルアーム体装着時の掃除機本体の側断面図(b)同電気掃除機における可撓体装着時の掃除機本体の側断面図
【図3】同電気掃除機による障害物の下方清掃時状態を示す側面図
【図4】同電気掃除機の可撓体装着時における後退状態を示す側面図
【図5】(a)本発明の実施の形態2における電気掃除機のハンドルアーム体使用状態を示す側面図(b)同電気掃除機の可撓体使用状態を示す側面図
【図6】本発明の実施の形態3における電気掃除機のハンドルアーム体使用状態を示す側面図
【図7】(a)本発明の実施の形態4における電気掃除機のハンドルアーム体装着時における掃除機本体の側断面図(b)同電気掃除機における可撓体装着時の掃除機本体の側断面図
【図8】(a)本発明の実施の形態5における電気掃除機のハンドルアーム体装着時における掃除機本体の側断面図(b)同電気掃除機における可撓体装着時の掃除機本体の側断面図
【符号の説明】
【0068】
1 掃除機本体
2 床用吸込部
3 ハンドルアーム体
5 電動送風機
6 開口部
7 集塵室
8 走行部(回転ブラシ)
18 本体接続部
23 可撓体
30 装着部
31 収容部
32 アーム側装着部
33 走行運転切換え部
35 走行ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除機本体と、掃除機本体に内蔵され吸引力を発生させる電動送風機と、集塵するための床用吸込部と、床用吸込部の下方に設けた吸引を行う開口部から電動送風機への吸気流路の途中に設けた集塵室と、掃除機本体を前進移動させる走行部と、掃除機本体に対して着脱可能な棒状のハンドルアーム体と、ハンドルアーム体に代えて掃除機本体に対して着脱可能な紐状の可撓体とを備えた電気掃除機。
【請求項2】
掃除機本体は、その表面または内部に少なくともハンドルアーム体と可撓体の一方を収容可能な装着部を有する請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
ハンドルアーム体は、伸縮可能な構成とした請求項1または2に記載の電気掃除機。
【請求項4】
可撓体はその操作ハンドル部と掃除機本体への接続部の少なくとも一方の表面または内部に全体をまとめる収容部を有する請求項1または2に記載の電気掃除機。
【請求項5】
ハンドルアーム体は、まとめた可撓体を装着可能なアーム側装着部を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気掃除機。
【請求項6】
走行部は、ハンドルアーム体を掃除機本体に接続した場合に運転を停止または前進力を減少させ、可撓体を接続した場合には運転を開始または前進力を増大させる構成とした請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気掃除機。
【請求項7】
走行部は、可撓体の着脱と連動して掃除機本体へ装着または掃除機本体から分離可能な構成とした請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−161257(P2008−161257A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−351238(P2006−351238)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】