電気掃除機
【課題】吸音材への塵埃の付着を抑制して吸音材の性能低下を抑制し、また、塵埃を消音部内から除去できるようにして電気掃除機の消音性能の経年劣化を防ぐ。
【解決手段】集塵部に負圧を作用させる電動送風機2を備えた掃除機本体1と、塵埃を吸い込む吸込口体3と、前記掃除機本体1と前記吸込口体3とを接続する吸込み管6と、前記吸込み管6に設けられた吸音材24を用いた吸音型の消音部20とを備えた電気掃除機であって、前記消音部20は、前記吸込み管6の内部音響モードの腹となる部位に複数の孔21が設けられた消音部内壁22と、前記複数の孔21を覆うように設けられた消音部外壁23とを備え、前記吸音材24を前記消音部内壁22との間に空間層25を設けて設置する。
【解決手段】集塵部に負圧を作用させる電動送風機2を備えた掃除機本体1と、塵埃を吸い込む吸込口体3と、前記掃除機本体1と前記吸込口体3とを接続する吸込み管6と、前記吸込み管6に設けられた吸音材24を用いた吸音型の消音部20とを備えた電気掃除機であって、前記消音部20は、前記吸込み管6の内部音響モードの腹となる部位に複数の孔21が設けられた消音部内壁22と、前記複数の孔21を覆うように設けられた消音部外壁23とを備え、前記吸音材24を前記消音部内壁22との間に空間層25を設けて設置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除の際の吸込み音を低減させる吸音型の消音部を備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
電気掃除機を用いて清掃する際、電動送風機によって生じた負圧により床用吸込具から延長管、蛇腹状ホース体を通じて掃除機本体へと気流が誘起される。その際に、床用吸込具での気流の吸込み乱れに伴い流体騒音が生じ、吸込具の吸込口や掃除機本体から不快な騒音が放射する。このような電気掃除機における吸込み音を低減させる方法として、共鳴型の消音器や吸音材を用いた吸音型の消音器を吸込み管(延長管、蛇腹状ホース体を総称して吸込み管と称する)に設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平5−220072号公報(第2−3頁、図1、図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、吸込み管に消音部を設けた電気掃除機は長期間の使用に際して、床用吸込具から延長管、蛇腹状ホース体を通じて掃除機本体へと気流が誘起される際に、消音部の内壁に設けられた孔から消音部内へ気流が流入するため、消音部内に塵埃が堆積し、あるいは消音部の内壁に沿って設置された吸音材に塵埃が付着することで消音性能が経年によって劣化してしまうという課題があった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、吸音材への塵埃の付着を抑制して吸音材の性能低下を抑制することにあり、第2の目的は、塵埃を消音部内から除去できるようにして電気掃除機の消音性能の経年劣化を防ぐことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電気掃除機は、集塵部に負圧を作用させる電動送風機を備えた掃除機本体と、塵埃を吸い込む吸込口体と、前記掃除機本体と前記吸込口体とを接続する吸込み管と、前記吸込み管に設けられた吸音材を用いた吸音型の消音部とを備えた電気掃除機であって、前記消音部は、前記吸込み管の内部音響モードの腹となる部位に複数の孔が設けられた消音部内壁と、前記複数の孔を覆うように設けられた消音部外壁とを備え、前記吸音材を前記消音部内壁との間に空間層を設けて設置したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電気掃除機の消音部は、吸込み管の内部音響モードの腹となる部位に複数の孔が設けられた消音部内壁と、前記複数の孔を覆うように設けられた消音部外壁とを備え、吸音材を前記消音部内壁との間に空間層を設けて設置したので、塵埃の吸音材への付着を抑制することができ、電気掃除機の消音性能を長期間にわたって維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の好適な実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0009】
実施の形態1.
図1〜図4は本発明の実施の形態1に係る消音部を備えた電気掃除機を示すものであり、図1は実施の形態1に係る電気掃除機の斜視図、図2は図1の消音部の正面図、図3は図2の消音部の断面図、図4は図3のA−A断面図である。
この電気掃除機は、主として、電動送風機2を内蔵した掃除機本体1と、塵埃を吸い込む床用吸込具3a等からなる吸込口体3と、掃除機本体1と吸込口体3とを接続する蛇腹状ホース体4及び延長管5からなる吸込み管6とを備えている。掃除機本体1の内部には、上記の電動送風機2のほかに、図示しない集塵部が設置されており、電動送風機2により負圧を集塵部に作用させて吸込口体3から塵埃を吸込み、吸込み管6内を経由して掃除機本体1内の集塵部に集塵するようになっている。
【0010】
ホース体4は湾曲自由な蛇腹状のホース部材からなり、ホース体4の基端側接続部は掃除機本体1の前側中央部に設けられた本体吸込口7に着脱可能に接続され、先端側接続部は伸縮可能な延長管5の一方の端部に着脱可能に接続される。延長管5の他方の端部(先端部)は床用吸込具3aに着脱可能に接続される。また、ホース体3の先端側接続部上には掃除機本体1内の電動送風機2の動作モードなどが選択可能な操作部8が設けられている。操作部8には、電動送風機2などの駆動を所定の状態に設定する複数の設定スイッチ9が設けられていると共に、掃除する際に作業者が把持する把持部10が形成されている。
【0011】
本実施の形態における消音部20は、吸音材24を用いた吸音型の消音部であり、掃除機本体1の本体吸込口7と吸込口体3とを接続する吸込み管6(ホース体4及び延長管5からなる中空管部材)の内部音響モードの腹となる部位に設けられている。
ここで、吸込み管6を両端が開口した長さLの音響管としたときの音響モードの腹となる部位を示す理論式は、次式であらわされる。
u(t,x)=(P0/ρc sin kL)・cosk(L−x)・cos(ωt+ψ) ・・・(1)
ただし、uは音の粒子速度、tは時刻、xは管内の位置、ρcは空気のインピーダンス、kは波長定数、Lは管の長さ、P0、ψは定数である。
従って、音響モードの腹はsinkL=0となる、kL=mπ(モードm=1,2,3,…)の部位である。
電気掃除機における吸込み音は、一般に1000Hzから1500Hz程度の高周波を含むものであり、かかる高周波の音圧エネルギーは管の両端部に集中する傾向がある。
そこで、かかる高周波の吸込み音を低減させるために、本実施の形態では、図1に示すように吸込み管6(延長管5)の端部に消音部20を設置した。なお、図示は省略するが、消音部20を吸込み管6の他方の端部、すなわち、ホース体4の本体吸込口7との接続部近傍に設置してもよい。
【0012】
消音部20は、図3、図4に示すように、吸込み管6の内部音響モードの腹となる部位に複数の孔21が設けられた消音部内壁22と、複数の孔21を覆うように外側に設けられた消音部外壁23とを備え、吸音材24を消音部内壁22との間に空間層25を設けて設置したものである。なお、消音部20は、図4では円形断面で示されているが、円形断面に限られるものではなく、消音部内壁22及び消音部外壁23を部分的に円弧状の断面形状で形成してもよい。また、消音部外壁23はネジや接着、その他の固定手段により消音部内壁22上に固定される。空間層25は消音空間でもあり、吸音材24への塵埃の付着を抑制するためには最小限1mm以上の厚みがあればよい。消音部外壁23には、前後に吸音材24の両端を保持する端板26、27が設けられている。また、孔21は共鳴孔であり、吸込み管6内の流路と空間層25に音響的に連通しているものである。孔21の径は2〜3mm程度である。孔21の形状は円形、正方形など特に限定されない。また、吸音材24は例えばウレタン発泡材料であっても、フェルト状の繊維材料であっても吸音効果を有するものであれば特に制限はない。また、消音部外壁23と吸音材24との間にも外側空間層28を設けることが望ましい。
【0013】
上記のように構成された電気掃除機を用いて清掃する際、電動送風機2によって生じた負圧により床用吸込具3aから延長管5、蛇腹状ホース体4を通じて掃除機本体1へと気流が誘起される。その際に、床用吸込具3aでの気流の吸込み乱れに伴い流体騒音が生じ、床用吸込具3aの吸込口(図示せず)や掃除機本体1から不快な騒音が放射するが、消音部20を設けたことで内部の吸音材24が騒音を吸収するため、不快な騒音が低減される。
【0014】
本実施の形態では、この吸音材24を複数の孔21を設けた消音部内壁22と消音部外壁23との間の略中間位置に設置することで、消音部内壁22との間に空間層25を設けた構成となっているため、吸音材24への塵埃の付着が抑制され、吸音性能を長期にわたって維持することができる。
従って、長期にわたって電気掃除機を使用しても、吸音材の塵埃による汚染が少なく、吸音効果が一定に保たれるため、電気掃除機の低騒音性能を長期にわたって維持することができる。
【0015】
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2に係る電気掃除機の消音部の正面図、図6は図5の消音部の断面図である。本実施の形態の電気掃除機は図1に示したものと同じである。また、実施の形態1と同一または相当の構成要素については同一符号を付してその説明は省略する。
実施の形態1では、吸込み管6(延長管5)の管壁に直接、複数の孔21を設けて、該管壁を消音部内壁22とし、これに吸音材24を内部に設置した消音部外壁23をカバー部材として被着することにより、吸音型の消音部20を構成したが、本実施の形態では、例えば延長管5同士を着脱可能に接続する接続部(または接続管)29に消音部20を設けたものである。
【0016】
すなわち、接続部(または接続管)29は、片側を一方の延長管5と一体に形成してもよく、両端とも両方の延長管5と着脱可能に構成してもよい。このような接続部(または接続管)29の管壁を消音部内壁22とし、該管壁に複数の孔21を設ける。孔21が設けられる位置は、前述したとおり、音響モードの腹となる位置である。
消音部外壁23は、例えば膨張形状の外形面を延長管5の内径寸法とほぼ同一になるように縮小して、その先端部が延長管5内に密接嵌合するように細径に形成される。これによって、消音部20を有する接続部(または接続管)29は、延長管5と着脱可能あるいは延長管5からの取り外しが自由になる。
【0017】
このように、消音部20を有する接続部(または接続管)29を着脱可能もしくは取り外し可能に構成することにより、実施形態1と同様の効果を有するほか、消音部20の外径よりも狭小な場所を清掃する場合は、消音部20を有する接続部(または接続管)29を取り外すことで清掃が可能となり、清掃時の利便性が向上する。
【0018】
実施の形態3.
図7は本発明の実施の形態3に係る電気掃除機の消音部における孔21の断面図である。本実施の形態の電気掃除機は図1に示したものと同じであり、また消音部は実施の形態1または実施の形態2と同じである。また、実施の形態1と同一または相当の構成要素については同一符号を付してその説明は省略する。
本実施の形態では、消音部内壁22に設けられる孔21の中心軸50が消音部内壁22の面に対する法線方向から気流の進行方向へ向けて0度より大きく90度未満の角度をなすように孔21を形成した点が実施の形態1、2と相違する。つまり、孔21の中心軸50を気流の進行方向へ傾けて穿設したものであり、中心軸50の傾斜角度を0度より大きく90度未満とするものである。なお、図7には一方側(例えば、下側の消音部内壁22)の孔21しか示していないが、他方側の孔21も吸込み管6の中心軸に対して対称に形成されている。
【0019】
このように構成された孔21を有する消音部を用いることで、気流の進行方向へと運動量を有する塵埃が消音部外壁23側へと流入することを空気力学的に妨げることができる一方、音波は空間的に連通していれば消音部外壁23側へと進行可能である。これによって、吸音材24への塵埃の付着を防ぐことができるとともに、吸音材24と消音部内壁22との間に設けられた空間層25(消音空間)内への塵埃の流入が抑制され、消音機能を長期間持続することができる。
【0020】
実施の形態4.
本実施の形態では、吸音材24の部材に消臭材料を混紡あるいは混練した点が実施の形態1〜3と異なる。その他の構成は基本的に実施の形態1と同様であるので、同一符号を付してその説明は省略する。
【0021】
このように構成された消音部20を用いることで、長期間の使用に際し吸音材24への塵埃の付着や吸音材24と消音部内壁22との間に設けられた空気層25(消音空間)内への塵埃の堆積によって生じる消音部20の不快な臭気の発生を防止することができる。
【0022】
本実施の形態によれば、長期にわたって電気掃除機を使用しても、吸音材24や吸音材24と消音部内壁22との間に設けられた空気層25内への塵埃堆積による臭気の発生が抑制され、長期間の使用に際しても臭気による不快感を生じず電気掃除機の低騒音性能を長期にわたって維持することができる。
【0023】
実施の形態5.
図8は本発明の実施の形態5に係る電気掃除機の蓋付き消音部の蓋閉め時の正面図、図9は図8の消音部の蓋開き時の正面図、図10は図8の消音部の蓋開き時の断面図である。本実施の形態の電気掃除機は図1に示したものと同じである。また、実施の形態1と同一または相当の構成要素については同一符号を付して説明は省略する。
本実施の形態では、蓋30付きの消音部20としたものであり、消音部外壁23に開閉可能な蓋30を設けた点が実施の形態1〜3と相違する。蓋30は消音部外壁23の開口面の一辺を軸として片開き式に開閉するように構成されている。
【0024】
このように構成された蓋30付きの消音部20を用いることで、消音部外壁23と吸音材24との間に設けられた外側空気層28を大気と連通可能にすることができ、かつ連通の可否を操作可能となる。電気掃除機の運転中に蓋30を開放すると、消音部外壁23側の大気から、負圧となっている吸音材24や消音部内壁22側に向かって気流が流入するため、空間層25(消音空間)内に流入した塵埃を掃除機本体1へと吸引することができる。これによって、吸音材24へ付着した塵埃の除去や空間層25(消音空間)内に堆積した塵埃の除去が可能となり、長期間消音機能を維持することができる。
【0025】
本実施の形態によれば、長期にわたって電気掃除機を使用しても、吸音材24や吸音材24と消音部外壁23との間に設けられた空間層25(消音空間)の塵埃による汚染を除去可能で、吸音効果が一定に保たれるため、電気掃除機の低騒音性能を長期持続することができる。
【0026】
実施の形態6.
図11は本発明の実施の形態6に係る電気掃除機の消音部の正面図、図12は図11の消音部の外壁分割時の正面図、図13は図11の消音部の断面図である。電気掃除機は図1に示したものと同じである。
本実施の形態の消音部20は、消音部外壁23を2つの外壁部分23a、23bに分割可能に構成した点がこれまでの実施の形態1〜5と相違する。
分割面には、一方の外壁部分23bに断面L字型の円環状のカップリング31が設けられており、このカップリング31内に他方の外壁部分23aの分割端面(円形断面)を密接嵌合する構成となっている。これにより2つの外壁部分23a、23bは互いの開放端にて着脱可能となっている。その他の構成は実施の形態1〜5と同様であるので、同一符号を付し、その説明は省略する。
【0027】
このように構成された消音部20を用いることで、消音部外壁23を2つの外壁部分23a、23bに分割が可能であるため、内部に配置した吸音材24を消音部20から取り外すことが可能となる。
また、外壁部分23a、23bや消音部内壁22に付着した塵埃を拭い去ることも可能となる。これによって、吸音材24へ付着した塵埃の除去や空間層25(消音空間)内に堆積した塵埃の除去が可能となり、長期間消音機能を維持することができる。
【0028】
本実施の形態によれば、長期にわたって電気掃除機を使用しても、塵埃による汚染を除去可能であり、吸音材の交換によって吸音効果を一定に保つことが可能となり、電気掃除機の低騒音性能を長期持続することができる。
【0029】
実施の形態7.
図14は本発明の実施の形態7に係る電気掃除機の消音部の断面図である。電気掃除機は図1に示したものと同じである。
本実施の形態の消音部20は、吸音材24と消音部外壁23との間にフィルタ32を設置した点がこれまでの実施の形態1〜6と相違する。その他の構成は実施の形態1〜6と同様であるので、同一符号を付し、その説明は省略する。
【0030】
消音部20は消音部外壁23と消音部内壁22と吸音材24とフィルタ32で構成される。吸音材24は消音部内壁22との間に空間層25(消音空間)を設けて設置し、消音部外壁23側にフィルタ32を配置する。
【0031】
このように構成された消音部20の蓋30を開放した状態において電気掃除機を運転すると、外気が消音部20内に流入し、清掃作業に伴って巻き上がった塵埃を吸引する。吸引された塵埃はフィルタ32に吸着する。また、このときには実施の形態5と同様に吸音材24に付着した塵埃が外部からの気流によって消音部内壁22側へと引き剥がされ掃除機本体1へ吸引される。また、蓋30を閉塞した状態において電気掃除機を運転した場合には、消音部20に消音部内壁22の孔21から騒音が透過し吸音材24において消音される。
【0032】
本実施の形態によれば、電気掃除機の使用条件に応じ選択的に室内の騒音を抑制して使用するか、電気掃除機を使用する際に巻き上がる塵埃を外気から吸引することで清掃時の室内空気の汚染を抑制するかを利用者が操作可能となる。また、消音部の塵埃による汚染を除去可能となり、電気掃除機の低騒音性能を長期維持することができる。
【0033】
実施の形態8.
図15〜図17は本発明の実施の形態8に係る電気掃除機の消音部を示す正面図であり、電気掃除機は図1に示したものと同じである。図15は消音部の正面図、図16は図15の消音部の断面図、図17は図16のB−B断面図である。
この電気掃除機は、主として、電動送風機2を内蔵した掃除機本体1と、塵埃を吸い込む床用吸込具3a等からなる吸込口体3と、掃除機本体1と吸込口体3とを接続する蛇腹状ホース体4及び延長管5からなる吸込み管6とを備えている。掃除機本体1の内部には、上記の電動送風機2のほかに、図示しない集塵部が設置されており、電動送風機2により負圧を集塵部に作用させて吸込口体3から塵埃を吸込み、吸込み管6内を経由して掃除機本体1内の集塵部に集塵するようになっている。
【0034】
ホース体4は湾曲自由な蛇腹状のホース部材からなり、ホース体4の基端側接続部は掃除機本体1の前側中央部に設けられた本体吸込口7に着脱可能に接続され、先端側接続部は伸縮可能な延長管5の一方の端部に着脱可能に接続される。延長管5の他方の端部(先端部)は床用吸込具3aに着脱可能に接続される。また、ホース体3の先端側接続部上には掃除機本体1内の電動送風機2の動作モードなどが選択可能な操作部8が設けられている。操作部8には、電動送風機2などの駆動を所定の状態に設定する複数の設定スイッチ9が設けられていると共に、掃除する際に作業者が把持する把持部10が形成されている。
【0035】
本実施の形態における消音部33は、吸音材35を用いた吸音型の消音部であり、消音部33は、図15、図16に示すように、消音部外壁34の内側に吸音材35を吸込み気流路38に面して設置したものである。なお、消音部33は、図17では円形断面で示されているが、円形断面に限られるものではなく、消音部外壁34を部分的に円弧状の断面形状で形成してもよい。消音部外壁34には、前後に吸音材35の両端を保持する端板36、37が設けられている。
図17に示すように吸音材35は、皮膜35aと吸音層35bとで構成され、皮膜35aは平滑な表面性状の材料である例えばステンレス、アルミニウムといった金属材料やポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートといった高分子材料によって構成し、吸音層35bはウレタン発泡材料であっても、フェルト状の繊維材料であっても吸音効果を有するものであれば例示したものに限られない。そして、このような皮膜35aと吸音層35bとから構成される吸音材35を、皮膜35aが吸込み気流路38に面するように設置する。
【0036】
上記のように構成された電気掃除機を用いて清掃する際、電動送風機2によって生じた負圧により床用吸込具3aから延長管5、蛇腹状ホース体4を通じて掃除機本体1へと気流が誘起される。その際に、床用吸込具3aでの気流の吸込み乱れに伴い流体騒音が生じ、床用吸込具3aの吸込口(図示せず)や掃除機本体1から不快な騒音が放射するが、消音部33を設けたことで内部の吸音材35が騒音を吸収するため、不快な騒音が低減される。
また、図示は省略するが、上記の消音材35を消音部外壁34の内側に充填してもよい。すなわち、消音材35の外側に形成される消音部外壁34内の空間層28(図16参照)は無くてもかまわない。消音材35を消音部外壁34の内側に充填することで、消音材35の気流による加振が抑制され消音性能が向上する。
【0037】
本実施の形態では、この吸音材35は、吸音層35bに皮膜35aを設けるとともに、皮膜35aが吸込み気流路38に面して設置した構成となっているため、吸音層35bへの塵埃の付着が抑制され、吸音性能を長期にわたって維持することができる。また、吸音層35bのみでは、表面のうねりや粗さ、空隙を有するため、塵埃の付着や液状の汚れの浸透を免れない。しかし、平滑な表面性状の皮膜35aを用いることで、皮膜表面のうねりや表面粗さによって生じる気流のよどみに伴った塵埃の堆積を防止できる。従って、長期にわたって電気掃除機を使用しても、吸音材の塵埃による汚染が少なく、吸音効果が一定に保たれるため、電気掃除機の低騒音性能を長期にわたって維持することができる。
【0038】
実施の形態9.
図18は本発明の実施の形態9における吸音材の断面図である。
本実施の形態の吸音材39の皮膜39aにフッ素原子を含む高分子材料を用いた点が実施の形態8と相違する。吸音層39bはウレタン発泡材料やフェルト状の繊維材料などの吸音効果を有する材料で形成される。その他の構成は基本的に実施の形態8と同様であるので、同一符号を付してその説明は省略する。
【0039】
皮膜39aには、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)といったフッ素原子を含む高分子材料を用いる。フッ素原子は結合性が強く、フッ素原子を含む高分子材料は表面の平滑性、対薬品性が高い。
このように構成された消音部33を用いることで、塵埃の吸引に伴って皮膜39aに付着する塵埃が容易に剥離するため、皮膜39aに塵埃が堆積するのを抑止することができる。
【0040】
本実施の形態によれば、長期にわたって電気掃除機を使用しても、塵埃による汚染を除去可能であり、吸音材の交換によって吸音効果を一定に保つことが可能となり、電気掃除機の低騒音性能を長期持続することができる。
【0041】
実施の形態10.
図19に、吸音材39の皮膜39aの材料と厚みによる音響透過損失と音響周波数との関係を示す。本実施の形態の皮膜39aの面密度を1kHz〜3kHzにおいて音響透過損失が10dB以下となるようにした点が実施の形態8および9と相違する。その他の構成は基本的に実施の形態8と同様であるので、同一符号を付してその説明は省略する。
【0042】
材料の音響透過損失の理論式は式2のように示される。
TL=10Log10(1+(2*π*f*m)^2/(2*ρ*c)^2) ・・・(2)
ただし、TLは音響透過損失、mは面密度、fは周波数、ρは空気の密度、cは音速、πは円周率である。
図19に示すように、皮膜39aを例えばPTFEであれば0.05mm程度、PVDFであれば0.075mmとすると、3kHz以下の周波数帯域において10dB以下の音響透過損失となる。音響透過損失を10dB以下とすることで、吸音層39bへの騒音透過量が増加し、吸音効果が増加するため消音部33の消音効果を得られる。
【0043】
本実施の形態によれば、長期にわたって電気掃除機を使用しても、塵埃による汚染が容易に剥離するため塵埃の堆積を抑止でき、吸音効果を一定に保つことができ、電気掃除機の低騒音性能を長期持続することができる。
【0044】
実施の形態11.
図20に、本発明の実施の形態11における吸音材の断面図を示す。本実施の形態の吸音材40において、材料に金属多孔体を用いた点が実施の形態8と相違する。その他の構成は基本的に実施の形態8と同様であるので、同一符号を付してその説明は省略する。
【0045】
吸音材40は全体が金属多孔体によって構成される。金属多孔体は、例えばウレタンといった熱可塑性の高分子材料と、内部減衰性の大きい例えばアルミニウム−鉄の粉末状の5マイクロメートル程度の粒径とした粉体の合金材料を混練し、焼成して熱可塑性の高分子材料を除去して形成するものである。このような金属多孔体は空隙を多数有し、1kHz以上の周波数帯域において、垂直入射吸音率が0.8以上と大きい。
図20に示すように、吸音材40を消音部33に用いることで、長期の使用に伴う塵埃の付着があっても金属であるため、水などによる清掃を行っても十分乾燥させることで消音性能は損なわれない。
また、この場合でも実施の形態8で説明したように、消音材40を消音部外壁34の内側に充填してもよい。
【0046】
本実施の形態によれば、長期にわたって電気掃除機を使用しても、塵埃による汚染を除去可能であり、吸音効果を一定に保つことができ、電気掃除機の低騒音性能を長期持続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電気掃除機の斜視図である。
【図2】図1の消音部の正面図である。
【図3】図2の消音部の断面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る電気掃除機の消音部の正面図である。
【図6】図5の消音部の断面図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係る電気掃除機の消音部における孔の断面図である。
【図8】本発明の実施の形態5に係る電気掃除機の蓋付き消音部の蓋閉め時の正面図である。
【図9】図8の消音部の蓋開き時の正面図である。
【図10】図8の消音部の蓋開き時の断面図である。
【図11】本発明の実施の形態6に係る電気掃除機の消音部の正面図である。
【図12】図11の消音部の外壁分割時の正面図である。
【図13】図11の消音部の断面図である。
【図14】本発明の実施の形態7に係る電気掃除機の消音部の断面図である。
【図15】本発明の実施の形態8に係る電気掃除機の消音部の正面図である。
【図16】図15の消音部の断面図である。
【図17】図16のB−B断面図である。
【図18】本発明の実施の形態9における吸音材の断面図である。
【図19】本発明の実施の形態10における吸音材の音響透過損失と音響周波数との関係を示す図である。
【図20】本発明の実施の形態11における吸音材の断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 掃除機本体、2 電動送風機、3 吸込口体、3a 床用吸込具、4 ホース体、5 延長管、6 吸込み管、7 本体吸込口、8 操作部、9 設定スイッチ、10 把持部、20 消音部、21 孔、22 消音部内壁、23 消音部外壁、23a、23b 外壁部分、24 吸音材、25 空間層、26、27 端板、28 外側空間層、29 接続部(または接続管)、30 蓋、31 カップリング、32 フィルタ、33 消音部、34 消音部外壁、35 吸音材、35a 皮膜、35b 吸音層、36、37 端板、38 吸込み気流路、39 吸音材、39a 皮膜、39b 消音層、40 吸音材。
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除の際の吸込み音を低減させる吸音型の消音部を備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
電気掃除機を用いて清掃する際、電動送風機によって生じた負圧により床用吸込具から延長管、蛇腹状ホース体を通じて掃除機本体へと気流が誘起される。その際に、床用吸込具での気流の吸込み乱れに伴い流体騒音が生じ、吸込具の吸込口や掃除機本体から不快な騒音が放射する。このような電気掃除機における吸込み音を低減させる方法として、共鳴型の消音器や吸音材を用いた吸音型の消音器を吸込み管(延長管、蛇腹状ホース体を総称して吸込み管と称する)に設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平5−220072号公報(第2−3頁、図1、図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、吸込み管に消音部を設けた電気掃除機は長期間の使用に際して、床用吸込具から延長管、蛇腹状ホース体を通じて掃除機本体へと気流が誘起される際に、消音部の内壁に設けられた孔から消音部内へ気流が流入するため、消音部内に塵埃が堆積し、あるいは消音部の内壁に沿って設置された吸音材に塵埃が付着することで消音性能が経年によって劣化してしまうという課題があった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、吸音材への塵埃の付着を抑制して吸音材の性能低下を抑制することにあり、第2の目的は、塵埃を消音部内から除去できるようにして電気掃除機の消音性能の経年劣化を防ぐことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電気掃除機は、集塵部に負圧を作用させる電動送風機を備えた掃除機本体と、塵埃を吸い込む吸込口体と、前記掃除機本体と前記吸込口体とを接続する吸込み管と、前記吸込み管に設けられた吸音材を用いた吸音型の消音部とを備えた電気掃除機であって、前記消音部は、前記吸込み管の内部音響モードの腹となる部位に複数の孔が設けられた消音部内壁と、前記複数の孔を覆うように設けられた消音部外壁とを備え、前記吸音材を前記消音部内壁との間に空間層を設けて設置したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電気掃除機の消音部は、吸込み管の内部音響モードの腹となる部位に複数の孔が設けられた消音部内壁と、前記複数の孔を覆うように設けられた消音部外壁とを備え、吸音材を前記消音部内壁との間に空間層を設けて設置したので、塵埃の吸音材への付着を抑制することができ、電気掃除機の消音性能を長期間にわたって維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の好適な実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0009】
実施の形態1.
図1〜図4は本発明の実施の形態1に係る消音部を備えた電気掃除機を示すものであり、図1は実施の形態1に係る電気掃除機の斜視図、図2は図1の消音部の正面図、図3は図2の消音部の断面図、図4は図3のA−A断面図である。
この電気掃除機は、主として、電動送風機2を内蔵した掃除機本体1と、塵埃を吸い込む床用吸込具3a等からなる吸込口体3と、掃除機本体1と吸込口体3とを接続する蛇腹状ホース体4及び延長管5からなる吸込み管6とを備えている。掃除機本体1の内部には、上記の電動送風機2のほかに、図示しない集塵部が設置されており、電動送風機2により負圧を集塵部に作用させて吸込口体3から塵埃を吸込み、吸込み管6内を経由して掃除機本体1内の集塵部に集塵するようになっている。
【0010】
ホース体4は湾曲自由な蛇腹状のホース部材からなり、ホース体4の基端側接続部は掃除機本体1の前側中央部に設けられた本体吸込口7に着脱可能に接続され、先端側接続部は伸縮可能な延長管5の一方の端部に着脱可能に接続される。延長管5の他方の端部(先端部)は床用吸込具3aに着脱可能に接続される。また、ホース体3の先端側接続部上には掃除機本体1内の電動送風機2の動作モードなどが選択可能な操作部8が設けられている。操作部8には、電動送風機2などの駆動を所定の状態に設定する複数の設定スイッチ9が設けられていると共に、掃除する際に作業者が把持する把持部10が形成されている。
【0011】
本実施の形態における消音部20は、吸音材24を用いた吸音型の消音部であり、掃除機本体1の本体吸込口7と吸込口体3とを接続する吸込み管6(ホース体4及び延長管5からなる中空管部材)の内部音響モードの腹となる部位に設けられている。
ここで、吸込み管6を両端が開口した長さLの音響管としたときの音響モードの腹となる部位を示す理論式は、次式であらわされる。
u(t,x)=(P0/ρc sin kL)・cosk(L−x)・cos(ωt+ψ) ・・・(1)
ただし、uは音の粒子速度、tは時刻、xは管内の位置、ρcは空気のインピーダンス、kは波長定数、Lは管の長さ、P0、ψは定数である。
従って、音響モードの腹はsinkL=0となる、kL=mπ(モードm=1,2,3,…)の部位である。
電気掃除機における吸込み音は、一般に1000Hzから1500Hz程度の高周波を含むものであり、かかる高周波の音圧エネルギーは管の両端部に集中する傾向がある。
そこで、かかる高周波の吸込み音を低減させるために、本実施の形態では、図1に示すように吸込み管6(延長管5)の端部に消音部20を設置した。なお、図示は省略するが、消音部20を吸込み管6の他方の端部、すなわち、ホース体4の本体吸込口7との接続部近傍に設置してもよい。
【0012】
消音部20は、図3、図4に示すように、吸込み管6の内部音響モードの腹となる部位に複数の孔21が設けられた消音部内壁22と、複数の孔21を覆うように外側に設けられた消音部外壁23とを備え、吸音材24を消音部内壁22との間に空間層25を設けて設置したものである。なお、消音部20は、図4では円形断面で示されているが、円形断面に限られるものではなく、消音部内壁22及び消音部外壁23を部分的に円弧状の断面形状で形成してもよい。また、消音部外壁23はネジや接着、その他の固定手段により消音部内壁22上に固定される。空間層25は消音空間でもあり、吸音材24への塵埃の付着を抑制するためには最小限1mm以上の厚みがあればよい。消音部外壁23には、前後に吸音材24の両端を保持する端板26、27が設けられている。また、孔21は共鳴孔であり、吸込み管6内の流路と空間層25に音響的に連通しているものである。孔21の径は2〜3mm程度である。孔21の形状は円形、正方形など特に限定されない。また、吸音材24は例えばウレタン発泡材料であっても、フェルト状の繊維材料であっても吸音効果を有するものであれば特に制限はない。また、消音部外壁23と吸音材24との間にも外側空間層28を設けることが望ましい。
【0013】
上記のように構成された電気掃除機を用いて清掃する際、電動送風機2によって生じた負圧により床用吸込具3aから延長管5、蛇腹状ホース体4を通じて掃除機本体1へと気流が誘起される。その際に、床用吸込具3aでの気流の吸込み乱れに伴い流体騒音が生じ、床用吸込具3aの吸込口(図示せず)や掃除機本体1から不快な騒音が放射するが、消音部20を設けたことで内部の吸音材24が騒音を吸収するため、不快な騒音が低減される。
【0014】
本実施の形態では、この吸音材24を複数の孔21を設けた消音部内壁22と消音部外壁23との間の略中間位置に設置することで、消音部内壁22との間に空間層25を設けた構成となっているため、吸音材24への塵埃の付着が抑制され、吸音性能を長期にわたって維持することができる。
従って、長期にわたって電気掃除機を使用しても、吸音材の塵埃による汚染が少なく、吸音効果が一定に保たれるため、電気掃除機の低騒音性能を長期にわたって維持することができる。
【0015】
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2に係る電気掃除機の消音部の正面図、図6は図5の消音部の断面図である。本実施の形態の電気掃除機は図1に示したものと同じである。また、実施の形態1と同一または相当の構成要素については同一符号を付してその説明は省略する。
実施の形態1では、吸込み管6(延長管5)の管壁に直接、複数の孔21を設けて、該管壁を消音部内壁22とし、これに吸音材24を内部に設置した消音部外壁23をカバー部材として被着することにより、吸音型の消音部20を構成したが、本実施の形態では、例えば延長管5同士を着脱可能に接続する接続部(または接続管)29に消音部20を設けたものである。
【0016】
すなわち、接続部(または接続管)29は、片側を一方の延長管5と一体に形成してもよく、両端とも両方の延長管5と着脱可能に構成してもよい。このような接続部(または接続管)29の管壁を消音部内壁22とし、該管壁に複数の孔21を設ける。孔21が設けられる位置は、前述したとおり、音響モードの腹となる位置である。
消音部外壁23は、例えば膨張形状の外形面を延長管5の内径寸法とほぼ同一になるように縮小して、その先端部が延長管5内に密接嵌合するように細径に形成される。これによって、消音部20を有する接続部(または接続管)29は、延長管5と着脱可能あるいは延長管5からの取り外しが自由になる。
【0017】
このように、消音部20を有する接続部(または接続管)29を着脱可能もしくは取り外し可能に構成することにより、実施形態1と同様の効果を有するほか、消音部20の外径よりも狭小な場所を清掃する場合は、消音部20を有する接続部(または接続管)29を取り外すことで清掃が可能となり、清掃時の利便性が向上する。
【0018】
実施の形態3.
図7は本発明の実施の形態3に係る電気掃除機の消音部における孔21の断面図である。本実施の形態の電気掃除機は図1に示したものと同じであり、また消音部は実施の形態1または実施の形態2と同じである。また、実施の形態1と同一または相当の構成要素については同一符号を付してその説明は省略する。
本実施の形態では、消音部内壁22に設けられる孔21の中心軸50が消音部内壁22の面に対する法線方向から気流の進行方向へ向けて0度より大きく90度未満の角度をなすように孔21を形成した点が実施の形態1、2と相違する。つまり、孔21の中心軸50を気流の進行方向へ傾けて穿設したものであり、中心軸50の傾斜角度を0度より大きく90度未満とするものである。なお、図7には一方側(例えば、下側の消音部内壁22)の孔21しか示していないが、他方側の孔21も吸込み管6の中心軸に対して対称に形成されている。
【0019】
このように構成された孔21を有する消音部を用いることで、気流の進行方向へと運動量を有する塵埃が消音部外壁23側へと流入することを空気力学的に妨げることができる一方、音波は空間的に連通していれば消音部外壁23側へと進行可能である。これによって、吸音材24への塵埃の付着を防ぐことができるとともに、吸音材24と消音部内壁22との間に設けられた空間層25(消音空間)内への塵埃の流入が抑制され、消音機能を長期間持続することができる。
【0020】
実施の形態4.
本実施の形態では、吸音材24の部材に消臭材料を混紡あるいは混練した点が実施の形態1〜3と異なる。その他の構成は基本的に実施の形態1と同様であるので、同一符号を付してその説明は省略する。
【0021】
このように構成された消音部20を用いることで、長期間の使用に際し吸音材24への塵埃の付着や吸音材24と消音部内壁22との間に設けられた空気層25(消音空間)内への塵埃の堆積によって生じる消音部20の不快な臭気の発生を防止することができる。
【0022】
本実施の形態によれば、長期にわたって電気掃除機を使用しても、吸音材24や吸音材24と消音部内壁22との間に設けられた空気層25内への塵埃堆積による臭気の発生が抑制され、長期間の使用に際しても臭気による不快感を生じず電気掃除機の低騒音性能を長期にわたって維持することができる。
【0023】
実施の形態5.
図8は本発明の実施の形態5に係る電気掃除機の蓋付き消音部の蓋閉め時の正面図、図9は図8の消音部の蓋開き時の正面図、図10は図8の消音部の蓋開き時の断面図である。本実施の形態の電気掃除機は図1に示したものと同じである。また、実施の形態1と同一または相当の構成要素については同一符号を付して説明は省略する。
本実施の形態では、蓋30付きの消音部20としたものであり、消音部外壁23に開閉可能な蓋30を設けた点が実施の形態1〜3と相違する。蓋30は消音部外壁23の開口面の一辺を軸として片開き式に開閉するように構成されている。
【0024】
このように構成された蓋30付きの消音部20を用いることで、消音部外壁23と吸音材24との間に設けられた外側空気層28を大気と連通可能にすることができ、かつ連通の可否を操作可能となる。電気掃除機の運転中に蓋30を開放すると、消音部外壁23側の大気から、負圧となっている吸音材24や消音部内壁22側に向かって気流が流入するため、空間層25(消音空間)内に流入した塵埃を掃除機本体1へと吸引することができる。これによって、吸音材24へ付着した塵埃の除去や空間層25(消音空間)内に堆積した塵埃の除去が可能となり、長期間消音機能を維持することができる。
【0025】
本実施の形態によれば、長期にわたって電気掃除機を使用しても、吸音材24や吸音材24と消音部外壁23との間に設けられた空間層25(消音空間)の塵埃による汚染を除去可能で、吸音効果が一定に保たれるため、電気掃除機の低騒音性能を長期持続することができる。
【0026】
実施の形態6.
図11は本発明の実施の形態6に係る電気掃除機の消音部の正面図、図12は図11の消音部の外壁分割時の正面図、図13は図11の消音部の断面図である。電気掃除機は図1に示したものと同じである。
本実施の形態の消音部20は、消音部外壁23を2つの外壁部分23a、23bに分割可能に構成した点がこれまでの実施の形態1〜5と相違する。
分割面には、一方の外壁部分23bに断面L字型の円環状のカップリング31が設けられており、このカップリング31内に他方の外壁部分23aの分割端面(円形断面)を密接嵌合する構成となっている。これにより2つの外壁部分23a、23bは互いの開放端にて着脱可能となっている。その他の構成は実施の形態1〜5と同様であるので、同一符号を付し、その説明は省略する。
【0027】
このように構成された消音部20を用いることで、消音部外壁23を2つの外壁部分23a、23bに分割が可能であるため、内部に配置した吸音材24を消音部20から取り外すことが可能となる。
また、外壁部分23a、23bや消音部内壁22に付着した塵埃を拭い去ることも可能となる。これによって、吸音材24へ付着した塵埃の除去や空間層25(消音空間)内に堆積した塵埃の除去が可能となり、長期間消音機能を維持することができる。
【0028】
本実施の形態によれば、長期にわたって電気掃除機を使用しても、塵埃による汚染を除去可能であり、吸音材の交換によって吸音効果を一定に保つことが可能となり、電気掃除機の低騒音性能を長期持続することができる。
【0029】
実施の形態7.
図14は本発明の実施の形態7に係る電気掃除機の消音部の断面図である。電気掃除機は図1に示したものと同じである。
本実施の形態の消音部20は、吸音材24と消音部外壁23との間にフィルタ32を設置した点がこれまでの実施の形態1〜6と相違する。その他の構成は実施の形態1〜6と同様であるので、同一符号を付し、その説明は省略する。
【0030】
消音部20は消音部外壁23と消音部内壁22と吸音材24とフィルタ32で構成される。吸音材24は消音部内壁22との間に空間層25(消音空間)を設けて設置し、消音部外壁23側にフィルタ32を配置する。
【0031】
このように構成された消音部20の蓋30を開放した状態において電気掃除機を運転すると、外気が消音部20内に流入し、清掃作業に伴って巻き上がった塵埃を吸引する。吸引された塵埃はフィルタ32に吸着する。また、このときには実施の形態5と同様に吸音材24に付着した塵埃が外部からの気流によって消音部内壁22側へと引き剥がされ掃除機本体1へ吸引される。また、蓋30を閉塞した状態において電気掃除機を運転した場合には、消音部20に消音部内壁22の孔21から騒音が透過し吸音材24において消音される。
【0032】
本実施の形態によれば、電気掃除機の使用条件に応じ選択的に室内の騒音を抑制して使用するか、電気掃除機を使用する際に巻き上がる塵埃を外気から吸引することで清掃時の室内空気の汚染を抑制するかを利用者が操作可能となる。また、消音部の塵埃による汚染を除去可能となり、電気掃除機の低騒音性能を長期維持することができる。
【0033】
実施の形態8.
図15〜図17は本発明の実施の形態8に係る電気掃除機の消音部を示す正面図であり、電気掃除機は図1に示したものと同じである。図15は消音部の正面図、図16は図15の消音部の断面図、図17は図16のB−B断面図である。
この電気掃除機は、主として、電動送風機2を内蔵した掃除機本体1と、塵埃を吸い込む床用吸込具3a等からなる吸込口体3と、掃除機本体1と吸込口体3とを接続する蛇腹状ホース体4及び延長管5からなる吸込み管6とを備えている。掃除機本体1の内部には、上記の電動送風機2のほかに、図示しない集塵部が設置されており、電動送風機2により負圧を集塵部に作用させて吸込口体3から塵埃を吸込み、吸込み管6内を経由して掃除機本体1内の集塵部に集塵するようになっている。
【0034】
ホース体4は湾曲自由な蛇腹状のホース部材からなり、ホース体4の基端側接続部は掃除機本体1の前側中央部に設けられた本体吸込口7に着脱可能に接続され、先端側接続部は伸縮可能な延長管5の一方の端部に着脱可能に接続される。延長管5の他方の端部(先端部)は床用吸込具3aに着脱可能に接続される。また、ホース体3の先端側接続部上には掃除機本体1内の電動送風機2の動作モードなどが選択可能な操作部8が設けられている。操作部8には、電動送風機2などの駆動を所定の状態に設定する複数の設定スイッチ9が設けられていると共に、掃除する際に作業者が把持する把持部10が形成されている。
【0035】
本実施の形態における消音部33は、吸音材35を用いた吸音型の消音部であり、消音部33は、図15、図16に示すように、消音部外壁34の内側に吸音材35を吸込み気流路38に面して設置したものである。なお、消音部33は、図17では円形断面で示されているが、円形断面に限られるものではなく、消音部外壁34を部分的に円弧状の断面形状で形成してもよい。消音部外壁34には、前後に吸音材35の両端を保持する端板36、37が設けられている。
図17に示すように吸音材35は、皮膜35aと吸音層35bとで構成され、皮膜35aは平滑な表面性状の材料である例えばステンレス、アルミニウムといった金属材料やポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートといった高分子材料によって構成し、吸音層35bはウレタン発泡材料であっても、フェルト状の繊維材料であっても吸音効果を有するものであれば例示したものに限られない。そして、このような皮膜35aと吸音層35bとから構成される吸音材35を、皮膜35aが吸込み気流路38に面するように設置する。
【0036】
上記のように構成された電気掃除機を用いて清掃する際、電動送風機2によって生じた負圧により床用吸込具3aから延長管5、蛇腹状ホース体4を通じて掃除機本体1へと気流が誘起される。その際に、床用吸込具3aでの気流の吸込み乱れに伴い流体騒音が生じ、床用吸込具3aの吸込口(図示せず)や掃除機本体1から不快な騒音が放射するが、消音部33を設けたことで内部の吸音材35が騒音を吸収するため、不快な騒音が低減される。
また、図示は省略するが、上記の消音材35を消音部外壁34の内側に充填してもよい。すなわち、消音材35の外側に形成される消音部外壁34内の空間層28(図16参照)は無くてもかまわない。消音材35を消音部外壁34の内側に充填することで、消音材35の気流による加振が抑制され消音性能が向上する。
【0037】
本実施の形態では、この吸音材35は、吸音層35bに皮膜35aを設けるとともに、皮膜35aが吸込み気流路38に面して設置した構成となっているため、吸音層35bへの塵埃の付着が抑制され、吸音性能を長期にわたって維持することができる。また、吸音層35bのみでは、表面のうねりや粗さ、空隙を有するため、塵埃の付着や液状の汚れの浸透を免れない。しかし、平滑な表面性状の皮膜35aを用いることで、皮膜表面のうねりや表面粗さによって生じる気流のよどみに伴った塵埃の堆積を防止できる。従って、長期にわたって電気掃除機を使用しても、吸音材の塵埃による汚染が少なく、吸音効果が一定に保たれるため、電気掃除機の低騒音性能を長期にわたって維持することができる。
【0038】
実施の形態9.
図18は本発明の実施の形態9における吸音材の断面図である。
本実施の形態の吸音材39の皮膜39aにフッ素原子を含む高分子材料を用いた点が実施の形態8と相違する。吸音層39bはウレタン発泡材料やフェルト状の繊維材料などの吸音効果を有する材料で形成される。その他の構成は基本的に実施の形態8と同様であるので、同一符号を付してその説明は省略する。
【0039】
皮膜39aには、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)といったフッ素原子を含む高分子材料を用いる。フッ素原子は結合性が強く、フッ素原子を含む高分子材料は表面の平滑性、対薬品性が高い。
このように構成された消音部33を用いることで、塵埃の吸引に伴って皮膜39aに付着する塵埃が容易に剥離するため、皮膜39aに塵埃が堆積するのを抑止することができる。
【0040】
本実施の形態によれば、長期にわたって電気掃除機を使用しても、塵埃による汚染を除去可能であり、吸音材の交換によって吸音効果を一定に保つことが可能となり、電気掃除機の低騒音性能を長期持続することができる。
【0041】
実施の形態10.
図19に、吸音材39の皮膜39aの材料と厚みによる音響透過損失と音響周波数との関係を示す。本実施の形態の皮膜39aの面密度を1kHz〜3kHzにおいて音響透過損失が10dB以下となるようにした点が実施の形態8および9と相違する。その他の構成は基本的に実施の形態8と同様であるので、同一符号を付してその説明は省略する。
【0042】
材料の音響透過損失の理論式は式2のように示される。
TL=10Log10(1+(2*π*f*m)^2/(2*ρ*c)^2) ・・・(2)
ただし、TLは音響透過損失、mは面密度、fは周波数、ρは空気の密度、cは音速、πは円周率である。
図19に示すように、皮膜39aを例えばPTFEであれば0.05mm程度、PVDFであれば0.075mmとすると、3kHz以下の周波数帯域において10dB以下の音響透過損失となる。音響透過損失を10dB以下とすることで、吸音層39bへの騒音透過量が増加し、吸音効果が増加するため消音部33の消音効果を得られる。
【0043】
本実施の形態によれば、長期にわたって電気掃除機を使用しても、塵埃による汚染が容易に剥離するため塵埃の堆積を抑止でき、吸音効果を一定に保つことができ、電気掃除機の低騒音性能を長期持続することができる。
【0044】
実施の形態11.
図20に、本発明の実施の形態11における吸音材の断面図を示す。本実施の形態の吸音材40において、材料に金属多孔体を用いた点が実施の形態8と相違する。その他の構成は基本的に実施の形態8と同様であるので、同一符号を付してその説明は省略する。
【0045】
吸音材40は全体が金属多孔体によって構成される。金属多孔体は、例えばウレタンといった熱可塑性の高分子材料と、内部減衰性の大きい例えばアルミニウム−鉄の粉末状の5マイクロメートル程度の粒径とした粉体の合金材料を混練し、焼成して熱可塑性の高分子材料を除去して形成するものである。このような金属多孔体は空隙を多数有し、1kHz以上の周波数帯域において、垂直入射吸音率が0.8以上と大きい。
図20に示すように、吸音材40を消音部33に用いることで、長期の使用に伴う塵埃の付着があっても金属であるため、水などによる清掃を行っても十分乾燥させることで消音性能は損なわれない。
また、この場合でも実施の形態8で説明したように、消音材40を消音部外壁34の内側に充填してもよい。
【0046】
本実施の形態によれば、長期にわたって電気掃除機を使用しても、塵埃による汚染を除去可能であり、吸音効果を一定に保つことができ、電気掃除機の低騒音性能を長期持続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電気掃除機の斜視図である。
【図2】図1の消音部の正面図である。
【図3】図2の消音部の断面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る電気掃除機の消音部の正面図である。
【図6】図5の消音部の断面図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係る電気掃除機の消音部における孔の断面図である。
【図8】本発明の実施の形態5に係る電気掃除機の蓋付き消音部の蓋閉め時の正面図である。
【図9】図8の消音部の蓋開き時の正面図である。
【図10】図8の消音部の蓋開き時の断面図である。
【図11】本発明の実施の形態6に係る電気掃除機の消音部の正面図である。
【図12】図11の消音部の外壁分割時の正面図である。
【図13】図11の消音部の断面図である。
【図14】本発明の実施の形態7に係る電気掃除機の消音部の断面図である。
【図15】本発明の実施の形態8に係る電気掃除機の消音部の正面図である。
【図16】図15の消音部の断面図である。
【図17】図16のB−B断面図である。
【図18】本発明の実施の形態9における吸音材の断面図である。
【図19】本発明の実施の形態10における吸音材の音響透過損失と音響周波数との関係を示す図である。
【図20】本発明の実施の形態11における吸音材の断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 掃除機本体、2 電動送風機、3 吸込口体、3a 床用吸込具、4 ホース体、5 延長管、6 吸込み管、7 本体吸込口、8 操作部、9 設定スイッチ、10 把持部、20 消音部、21 孔、22 消音部内壁、23 消音部外壁、23a、23b 外壁部分、24 吸音材、25 空間層、26、27 端板、28 外側空間層、29 接続部(または接続管)、30 蓋、31 カップリング、32 フィルタ、33 消音部、34 消音部外壁、35 吸音材、35a 皮膜、35b 吸音層、36、37 端板、38 吸込み気流路、39 吸音材、39a 皮膜、39b 消音層、40 吸音材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集塵部に負圧を作用させる電動送風機を備えた掃除機本体と、塵埃を吸い込む吸込口体と、前記掃除機本体と前記吸込口体とを接続する吸込み管と、前記吸込み管に設けられた吸音材を用いた吸音型の消音部とを備えた電気掃除機であって、
前記消音部は、前記吸込み管の内部音響モードの腹となる部位に複数の孔が設けられた消音部内壁と、前記複数の孔を覆うように設けられた消音部外壁とを備え、前記吸音材を前記消音部内壁との間に空間層を設けて設置したことを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
前記消音部が、前記吸込み管同士を着脱可能に接続する接続部または接続管に設けられていることを特徴とする請求項1記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記複数の孔は、孔の中心軸が前記消音部内壁の面に対する放線方向から気流の進行方向へ向けて0度より大きく90度未満の角度をなすように形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記吸音材は、消臭材料を混紡または混練して構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記消音部外壁に開閉可能な蓋を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項6】
前記消音部外壁は、気流の進行方向の前後に2つの外壁部分に分割されて着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項7】
前記吸音材と前記消音部外壁との間にフィルタを設置したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項8】
集塵部に負圧を作用させる電動送風機を備えた掃除機本体と、塵埃を吸い込む吸込口体と、前記掃除機本体と前記吸込口体とを接続する吸込み管と、前記吸込み管に設けられた吸音材を用いた吸音型の消音部とを備えた電気掃除機であって、
前記消音部は、吸音層と平滑な表面性状を有する皮膜とから構成される吸音材を備え、前記吸音材の皮膜が前記吸込み管の吸込み気流路に面して設置されていることを特徴とする電気掃除機。
【請求項9】
前記吸音材の皮膜は、フッ素元素を含む高分子材料によって構成されていることを特徴とする請求項8記載の電気掃除機。
【請求項10】
前記吸音材の皮膜は、1kHz〜3kHzにおいて音響透過損失が10dB以下となる面密度を有することを特徴とする請求項8または9記載の電気掃除機。
【請求項11】
前記吸音材は、前記消音部を構成する外壁の内側に充填されていることを特徴とする請求項8ないし10のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項12】
集塵部に負圧を作用させる電動送風機を備えた掃除機本体と、塵埃を吸い込む吸込口体と、前記掃除機本体と前記吸込口体とを接続する吸込み管と、前記吸込み管に設けられた吸音材を用いた吸音型の消音部とを備えた電気掃除機であって、
前記消音部は、多数の空隙を有する金属多孔体によって構成される吸音材を備えたことを特徴とする電気掃除機。
【請求項13】
前記吸音材は、前記消音部を構成する外壁の内側に充填されていることを特徴とする請求項12記載の電気掃除機。
【請求項1】
集塵部に負圧を作用させる電動送風機を備えた掃除機本体と、塵埃を吸い込む吸込口体と、前記掃除機本体と前記吸込口体とを接続する吸込み管と、前記吸込み管に設けられた吸音材を用いた吸音型の消音部とを備えた電気掃除機であって、
前記消音部は、前記吸込み管の内部音響モードの腹となる部位に複数の孔が設けられた消音部内壁と、前記複数の孔を覆うように設けられた消音部外壁とを備え、前記吸音材を前記消音部内壁との間に空間層を設けて設置したことを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
前記消音部が、前記吸込み管同士を着脱可能に接続する接続部または接続管に設けられていることを特徴とする請求項1記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記複数の孔は、孔の中心軸が前記消音部内壁の面に対する放線方向から気流の進行方向へ向けて0度より大きく90度未満の角度をなすように形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記吸音材は、消臭材料を混紡または混練して構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記消音部外壁に開閉可能な蓋を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項6】
前記消音部外壁は、気流の進行方向の前後に2つの外壁部分に分割されて着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項7】
前記吸音材と前記消音部外壁との間にフィルタを設置したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項8】
集塵部に負圧を作用させる電動送風機を備えた掃除機本体と、塵埃を吸い込む吸込口体と、前記掃除機本体と前記吸込口体とを接続する吸込み管と、前記吸込み管に設けられた吸音材を用いた吸音型の消音部とを備えた電気掃除機であって、
前記消音部は、吸音層と平滑な表面性状を有する皮膜とから構成される吸音材を備え、前記吸音材の皮膜が前記吸込み管の吸込み気流路に面して設置されていることを特徴とする電気掃除機。
【請求項9】
前記吸音材の皮膜は、フッ素元素を含む高分子材料によって構成されていることを特徴とする請求項8記載の電気掃除機。
【請求項10】
前記吸音材の皮膜は、1kHz〜3kHzにおいて音響透過損失が10dB以下となる面密度を有することを特徴とする請求項8または9記載の電気掃除機。
【請求項11】
前記吸音材は、前記消音部を構成する外壁の内側に充填されていることを特徴とする請求項8ないし10のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項12】
集塵部に負圧を作用させる電動送風機を備えた掃除機本体と、塵埃を吸い込む吸込口体と、前記掃除機本体と前記吸込口体とを接続する吸込み管と、前記吸込み管に設けられた吸音材を用いた吸音型の消音部とを備えた電気掃除機であって、
前記消音部は、多数の空隙を有する金属多孔体によって構成される吸音材を備えたことを特徴とする電気掃除機。
【請求項13】
前記吸音材は、前記消音部を構成する外壁の内側に充填されていることを特徴とする請求項12記載の電気掃除機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2009−219853(P2009−219853A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−225749(P2008−225749)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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