説明

電気掃除機

【課題】刷毛ブラシの手入れを容易としつつ刷毛ブラシの紛失を抑制できる電気掃除機を提供する。
【解決手段】刷毛ブラシ32をユニット本体31に取り付けた状態でのみユニット本体31と接続管とを接続可能とする。刷毛ブラシ32をユニット本体31から取り外すことで刷毛ブラシ32の手入れが容易になる。刷毛ブラシ32をユニット本体31に取り付けないとユニット本体31と接続管とを接続できないため、刷毛ブラシ32を別個に収納した状態などのまま管部を使用することを防止し、刷毛ブラシ32の紛失を抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管体に取り付けられた毛ブラシ体を備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電気掃除機は、電動送風機を収容した掃除機本体を備えている。この掃除機本体には、電動送風機の吸込側に連通して管部が着脱可能に接続される。この管部は、ホース体と、延長管と、刷毛ブラシユニットと、被接続管体である接続管を有する吸込口体としての床ブラシとを着脱可能に順次接続して構成されている。また、刷毛ブラシユニットは、管体であるユニット本体と、このユニット本体に対して回動可能な毛ブラシ体としての刷毛ブラシとを有している。この刷毛ブラシは、枠状に形成されており、刷毛ブラシユニットを床ブラシの接続管に接続した状態では、この接続管が挿通され、この接続管の周囲に位置した状態で収納されており、刷毛ブラシユニットを延長管とともに床ブラシの接続管に対して取り外した状態で、例えば床ブラシを挿入することが容易でない狭い隙間などに挿入して床面を掃除することが可能となっている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−334041号公報(第1−5頁、図1−4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
刷毛ブラシは、掃除に使用すると塵埃が付着するため、水洗いなどの手入れが必要になることがある。この場合、刷毛ブラシはユニット本体に対して着脱できることが望ましい。
【0005】
しかしながら、刷毛ブラシをユニット本体に対して取り外し可能とした場合、使用者が毛ブラシ体をユニット本体から取り外したまま誤って紛失するおそれがあるという問題点を有している。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、毛ブラシ体の手入れを容易としつつ毛ブラシ体の紛失を抑制できる電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電動送風機の吸込側に連通して掃除機本体に接続される管部が、管体と、この管体に着脱可能な毛ブラシ体と、この毛ブラシ体を管体に取り付けた状態でのみこの管体と接続可能な被接続管体とを備えているものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、毛ブラシ体を管体から取り外すことで毛ブラシ体の手入れが容易になるとともに、毛ブラシ体を管体に取り付けないと管体と被接続管体とを接続できないため、例えば毛ブラシ体を別個に収納した状態などのまま管部を使用することを防止し、毛ブラシ体の紛失を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(a)は本発明の第1の実施の形態の電気掃除機の管部の管体に毛ブラシ体を取り付けた状態を示す断面図、(b)は同上管体から毛ブラシ体を取り外して阻止手段が被接続管体側の挿入を阻止している状態を示す断面図である。
【図2】同上管体および毛ブラシ体を示す斜視図であり、(a)は管体に毛ブラシ体を取り付けた状態を示し、(b)は管体から毛ブラシ体を取り外した状態を示し、(c)は管体から毛ブラシ体を取り外して阻止手段が被接続管体側の挿入を阻止している状態を示す。
【図3】同上管体を正面側から示す斜視図である。
【図4】同上電気掃除機を示す斜視図である。
【図5】(a)は本発明の第2の実施の形態の電気掃除機の管部の管体に毛ブラシ体を取り付けた状態を示す断面図、(b)は同上管体から毛ブラシ体を取り外して阻止手段が被接続管体側の挿入を阻止している状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の第1の実施の形態の構成を図1ないし図4を参照して説明する。
【0011】
図4において、11はいわゆるキャニスタ型の電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、掃除機本体12と、この掃除機本体12に着脱可能に接続される管部13とを有している。
【0012】
掃除機本体12は、被掃除面としての床面上を旋回および走行可能な中空状の本体ケース15を備えており、この本体ケース15の内部に、図示しない本体集塵室と電動送風機室とが前後に区画されている。さらに、電動送風機室には電動送風機18、および、この電動送風機18の動作を制御する図示しない本体制御部などが収容されており、電動送風機18の吸込側が本体集塵室に連通している。また、本体集塵室内には、フィルタ、集塵袋、あるいは集塵装置(集塵カップ)などの集塵部が配置されている。そして、本体ケース15の前部には、本体集塵室に連通するとともに管部13の基端側が接続される本体吸込口19が開口形成されている。
【0013】
また、管部13は、本体吸込口19に接続される接続管部21と、この接続管部21の先端側に連通する可撓性を有するホース体22と、このホース体22の先端側に設けられた手元操作部23と、この手元操作部23の先端側に着脱可能に接続される長尺状の延長管24と、この延長管24の先端側に着脱可能に接続されるアタッチメントとしての刷毛ブラシユニット25と、この刷毛ブラシユニット25の先端側に着脱可能に接続される吸込口体としての床ブラシ26とを備えている。
【0014】
手元操作部23には、作業者が把持する把持部28が基端側に突出して形成されており、この把持部28には電動送風機18の動作モードを本体制御部に設定するための設定ボタン29が配置されている。この設定ボタン29は、ホース体22内に螺旋状に配置された図示しない配線を介して掃除機本体12内の本体制御部などと電気的に接続されているとともに、延長管24および刷毛ブラシユニット25内に配置された配線を介して床ブラシ26側と電気的に接続されている。
【0015】
また、刷毛ブラシユニット25は、例えば家具と家具との間などの比較的狭い隙間の床面、あるいは高い位置などを掃除するためのものであり、床ブラシ26と選択的に用いられる。この刷毛ブラシユニット25は、図1ないし図3に示すように、管体としてのユニット本体31と、毛ブラシ体としての刷毛ブラシ32とを備え、この刷毛ブラシ32がユニット本体31に対して着脱機構33を介して着脱可能に取り付けられている。なお、この刷毛ブラシユニット25は、延長管24を取り外した手元操作部23に接続することも可能である。
【0016】
ユニット本体31は、略円筒状の管体本体としての本体筒部35と、この本体筒部35の先端側に前後(図3中の上下)から取り付けられた一方および他方のカバー部36,37とを一体的に有している。
【0017】
本体筒部35は、基端側が延長管24の先端部、あるいは手元操作部23の先端部に着脱可能に挿入され、先端側に床ブラシ26が着脱可能に挿入される。また、この本体筒部35の先端側の前部(図3中の上部)には、径方向へと突出した突出部41が一体に形成され、先端側の後部(図3中の下部)の周囲には、フランジ部42が一体に形成されている。さらに、突出部41には、一方のカバー部36との間に、床ブラシ26を接続するための接続穴部43、孔部44,44および位置決め凹部45がそれぞれ軸方向に沿って凹設されている。また、本体筒部35の先端側の両側には、着脱機構33の一部が挿入される嵌合孔部46,46が開口形成されている。また、この本体筒部35の先端側の両側の嵌合孔部46,46よりも先端側の位置には、刷毛ブラシ32を取り付ける際に用いられる呼込凹部47,47が軸方向に直交する方向に沿って凹設されている。したがって、これら嵌合孔部46,46と呼込凹部47,47との間には、薄肉状の壁部48,48が形成されている。さらに、本体筒部35の先端部には、嵌合孔部46,46の前側(図3中の上側)の位置に、刷毛ブラシ32の一部が嵌合する嵌合凹部49,49が切り欠き形成されている。そして、嵌合孔部46,46と嵌合凹部49,49との間を連続して、スリット50,50が形成されている。
【0018】
孔部44,44は、接続穴部43の両側に位置している。
【0019】
また、一方のカバー部36は、本体筒部35の突出部41の前部を覆って取り付けられている。また、この一方のカバー部36の先端部には、刷毛ブラシ32の回動位置を規制するための前部規制面部52が形成されている。
【0020】
他方のカバー部37は、本体筒部35の先端側の後部にてフランジ部42を覆って取り付けられ、一方のカバー部36とともに本体筒部35の先端側を枠状に覆っており、この本体筒部35の先端側の外周面に対して空間部54を介して離間されている。また、この他方のカバー部37の先端部には、着脱機構33が取り付けられる切欠凹部55,55が本体筒部35の嵌合孔部46,46に対向する位置に切り欠き形成されている。さらに、この他方のカバー部37の先端部の切欠凹部55,55よりも後部には、刷毛ブラシ32の回動位置を規制するための後部規制面部56が形成されている。この後部規制面部56は、後側に向けて徐々に基端側へと傾斜して形成されている。
【0021】
また、刷毛ブラシ32は、枠状に形成されたブラシ本体部61と、このブラシ本体部61の一端面61aに全周に複数本ずつを束にして植毛された可撓性および弾性を有する毛ブラシ62とを一体的に有している。
【0022】
ブラシ本体部61は、他端面61bが各規制面部52,56に当接する範囲でユニット本体31に対して回動可能となっている。すなわち、このブラシ本体部61は、他端面61bの前側の部分が前部規制面部52に当接する位置(収納位置)から、他端面61bの後側の部分が後部規制面部56に当接する位置(使用位置)まで回動可能となっている。また、このブラシ本体部61の他端面61b側の両側部には、板状の突出片部である腕部63,63が突出して一体に形成されている。これら腕部63,63は、ブラシ本体部61の軸方向に直交する方向に互いに対向している。さらに、腕部63,63には、着脱機構33の一部が嵌合する丸孔状の軸支孔部65,65が開口形成されている。さらに、ブラシ本体部61の内部には、嵌合凹部49,49に嵌合するガイド部67,67が内方へと棒状に突出して形成されている。
【0023】
各ガイド部67の先端部は、傾斜状に形成されており、他端面61bが前部規制面部52に当接した状態(収納状態)で本体筒部35の内周面と略面一となっている。したがって、これらガイド部67は、ブラシ本体部61(刷毛ブラシ32)が、他端面61bが前部規制面部52に当接する側から他端面61bが後部規制面部56に当接する側へと回動することにより先端部が本体筒部35の内方へと徐々に突出するように構成されている。また、各ガイド部67は、ブラシ本体部61(刷毛ブラシ32)の回動により、各嵌合凹部49に嵌合した状態で移動する。
【0024】
また、各着脱機構33は、可動的に設けられた阻止手段としての保持手段71と、この保持手段71を付勢する付勢手段としてのコイルばね72とを有している。
【0025】
保持手段71は、切欠凹部55,55に沿って長手板状の阻止手段本体としての保持手段本体74と、この保持手段本体74の一端部から内方すなわちユニット本体31の外周面側へと突出する円柱状の軸支凸部75と、保持手段本体74の他端部から内方へと突出しコイルばね72の一端部に挿入されてこのコイルばね72を保持する保持部であるばね保持部76とを一体に備えている。そして、この保持手段71は、保持手段本体74の長手方向の略中央部が、切欠凹部55,55の端部にてユニット本体31の外周面側に回動可能に軸支されている。
【0026】
軸支凸部75は、ユニット本体31の外周面の空間部54内にブラシ本体部61の腕部63,63が挿入されて軸支孔部65,65が嵌合孔部46,46に位置合わせされた状態で、軸支孔部65,65に嵌合することによりブラシ本体部61(刷毛ブラシ32)をユニット本体31に回動可能に軸支しつつ保持するものである。また、この軸支凸部75は、刷毛ブラシ32をユニット本体31から取り外した状態では、コイルばね72の付勢によって嵌合孔部46,46内に挿入されてユニット本体31の内周面よりも内部へと先端側が突出することで、このユニット本体31内への床ブラシ26側の挿入を阻止するものである。
【0027】
コイルばね72は、ばね保持部76に保持されていない他端側がユニット本体31の外周面に保持されていることにより、軸支凸部75をユニット本体31の中心軸方向に向けて付勢するように構成されている。したがって、保持手段本体74のばね保持部76の背面側すなわち外側は、コイルばね72を収縮させる際に操作される被操作部78となっている。
【0028】
また、図4に示すように、床ブラシ26は、左右幅方向に長手状、すなわち横長のケース体81と、このケース体81の後部に回動可能に接続された被接続管体としての接続管82とを有しており、床面上を前後方向に走行可能となっている。
【0029】
ケース体81の床面に対向する下面には、図示しない吸込口が開口形成されている。この吸込口には、回転清掃体が回転可能に配置されており、この回転清掃体は、ケース体81の内部に配置されたモータにより回転駆動されるように構成されている。
【0030】
また、接続管82は、吸込口に連通してケース体81に接続されている。さらに、この接続管82の下流端側は、延長管24の上流端に取り付けられた刷毛ブラシユニット25のユニット本体31の本体筒部35内に挿入接続される。この接続管82の下流端側の前部には、本体筒部35の接続穴部43(図3)に挿入係止される図示しない係止爪部と、孔部44,44(図3)に挿入されて刷毛ブラシユニット25、延長管24およびホース体22を介して掃除機本体12側と床ブラシ26側とを電気的に接続する図示しない接続ピンと、位置決め凹部45,45(図3)に挿入されて刷毛ブラシユニット25と床ブラシ26とを位置決めする図示しない位置決め凸部とがそれぞれ突出して形成されている。
【0031】
係止爪部は、付勢部材などにより接続穴部43に係止される方向へと付勢されており、接続管82の前側に露出する操作ボタン87を操作することにより係止が解除されるように構成されている。
【0032】
次に、上記第1の実施の形態の動作を説明する。
【0033】
掃除の際には、掃除機本体12に集塵部を取り付けるとともに管部13の接続管部21を本体吸込口19に接続した状態で、作業者が把持部28を把持し、所望の設定ボタン29を操作することにより、本体制御部を介して電動送風機18を所望の動作モードで起動させる。
【0034】
この電動送風機18の駆動により、負圧が集塵部、本体吸込口19、ホース体22、延長管24、刷毛ブラシユニット25および床ブラシ26へと順次作用する。そして、作業者は、床ブラシ26を床面上に載置して前後に走行させることで、吸込口から塵埃を空気とともに吸い込む。
【0035】
また、例えば床ブラシ26を挿入できない狭い隙間、あるいは高い位置などを掃除する際には、作業者は操作ボタン87を操作して床ブラシ26を刷毛ブラシユニット25から取り外し、刷毛ブラシ32により掃除する。
【0036】
このとき、刷毛ブラシ32は、毛ブラシ62が被掃除面に接触することによりこの被掃除面の凹凸などに対応してユニット本体31に対して回動し、毛ブラシ62が被掃除面に接触した状態を維持する。
【0037】
床ブラシ26、あるいは刷毛ブラシユニット25などから塵埃とともに吸い込まれた空気は吸気風となり、延長管24、ホース体22および本体吸込口19を介して集塵部へと吸い込まれ、この集塵部を通過する際に、含まれる塵埃が捕集される。
【0038】
この後、吸気風は電動送風機18へと吸い込まれ、この電動送風機18を冷却しつつ排気風となって掃除機本体12の外部へと排気される。
【0039】
掃除が終了すると、作業者は設定ボタン29を操作して電動送風機18を停止させる。
【0040】
刷毛ブラシ32の手入れの際には、この刷毛ブラシ32をユニット本体31から取り外す。具体的には、被操作部78,78を外側から互いに接近させるように摘んでコイルばね72,72を収縮させ、保持手段71,71の軸支凸部75,75を軸支孔部65,65から引き抜く(図2(b))。
【0041】
この状態で被操作部78,78を開放すると、コイルばね72,72が復帰変形することにより保持手段71,71が回動して、軸支凸部75,75が嵌合孔部46,46内に挿入されてユニット本体31の本体筒部35の内周側へと先端側が突出する(図1(b)および図2(c))。このため、このユニット本体31の本体筒部35内に床ブラシ26の接続管82を挿入しようとしても、この接続管82が軸支凸部75,75に当接する位置までしか挿入できず、したがって床ブラシ26とユニット本体31とを接続できない。
【0042】
作業者は、毛ブラシ62を水洗いなどすることで手入れした後、充分に乾燥させてユニット本体31に再度装着する。具体的には、被操作部78,78を外側から互いに接近させるように摘んでコイルばね72,72を収縮させ、刷毛ブラシ32のブラシ本体部61の腕部63,63を空間部54に挿入して軸支孔部65,65を嵌合孔部46,46に対向する位置とし、被操作部78,78を開放することにより、保持手段71,71の軸支凸部75,75が軸支孔部65,65に挿入されて刷毛ブラシ32がユニット本体31に保持される(図2(a))。このとき、軸支凸部75,75は、軸支孔部65,65の内周により位置が規制されることで、刷毛ブラシ32をユニット本体31に対して回動可能に軸支するとともに、先端側が軸支孔部65,65から嵌合孔部46,46側へと殆ど挿入されることがなく、ユニット本体31の本体筒部35の内周側へと先端側が突出することがない。したがって、保持手段71,71の軸支凸部75,75はユニット本体31の内周面側に突出することがなく、本体筒部35内に床ブラシ26の接続管82を挿入することが可能になる(図1(a))。
【0043】
そして、接続管82を本体筒部35内に挿入することにより、この接続管82が本体筒部35の内周側へと突出しているガイド部67,67の先端側に当接し、これらガイド部67,67を押し込んで刷毛ブラシ32をブラシ本体部61の他端面61bがユニット本体31の前部規制面部52に当接するまで回動させる。この状態では、ガイド部67,67が嵌合凹部49,49に嵌合し、それらの先端側が本体筒部35の内周側へと突出しない。そして、接続管82をさらに本体筒部35内へと挿入することで、床ブラシ26の係止爪部がユニット本体31の接続穴部43に挿入係止され、接続ピンがそれぞれ孔部44,44に挿入されて、床ブラシ26が刷毛ブラシユニット25に対して接続固定される。すなわち、この接続状態で、刷毛ブラシ32は、ブラシ本体部61の他端面61bの前側が前部規制面部52に当接した状態(収納状態)で回動しないように保持される。
【0044】
このように、管部13が、ユニット本体31と、このユニット本体31に着脱可能な刷毛ブラシ32と、この刷毛ブラシ32を取り付けた状態でのみユニット本体31と接続可能な接続管82とを備えることにより、刷毛ブラシ32をユニット本体31から取り外すことでユニット本体31の手入れが容易になるとともに、刷毛ブラシ32をユニット本体31に取り付けないとユニット本体31と接続管82とを接続できないため、例えば刷毛ブラシ32を別個に収納した状態などのまま管部13を使用することを防止し、刷毛ブラシ32の紛失を抑制できる。
【0045】
すなわち、刷毛ブラシ32をユニット本体31に対して着脱可能な構成とした場合、ユニット本体31から取り外した刷毛ブラシ32をそのまま紛失するおそれがあるのに対して、上記第1の実施の形態では、刷毛ブラシ32をユニット本体31に取り付けない限り、ユニット本体31に床ブラシ26の接続管82を接続できず、床ブラシ26を用いた掃除ができない。したがって、上記第1の実施の形態によれば、一旦取り外した刷毛ブラシ32はユニット本体31に必ず再度取り付けるよう作業者に動機付けを与えることができ、刷毛ブラシ32の紛失を抑制できる。
【0046】
具体的に、刷毛ブラシ32をユニット本体31から取り外した状態では保持手段71がユニット本体31の先端側の内部に突出して床ブラシ26の接続管82の挿入を阻止することで、刷毛ブラシ32をユニット本体31に取り付けた状態でのみユニット本体31と接続管82とを接続可能な構成を容易に形成できる。
【0047】
さらに、刷毛ブラシ32をユニット本体31に対して回動可能に保持する保持手段71が、刷毛ブラシ32をユニット本体31から取り外した状態で床ブラシ26の接続管82のユニット本体31の本体筒部35内への挿入を阻止する阻止手段を兼ねることで、これらを別個に形成する場合と比較して部品点数を抑制し構成を簡略化できる。
【0048】
次に、第2の実施の形態を図5を参照して説明する。なお、上記第1の実施の形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0049】
この第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態の着脱機構33に代えて、以下の着脱機構91を備えるものである。
【0050】
すなわち、着脱機構91は、図5に示すように、可動的に設けられた阻止手段93と、この阻止手段93を付勢する付勢手段としてのコイルばね94とを有している。
【0051】
阻止手段93は、切欠凹部55,55に沿って長手板状の阻止手段本体96と、この阻止手段本体96の一端部から内方すなわちユニット本体31の外周面側へと突出する円柱状の突出凸部97と、阻止手段本体96の他端部から内方へと突出しコイルばね94の一端部に挿入されてこのコイルばね94を保持する保持部であるばね保持部98とを一体に備えている。そして、この阻止手段93は、ユニット本体31の外周面側に回動可能に軸支されている。
【0052】
ここで、ユニット本体31には、嵌合孔部46,46の基端側、すなわち呼込凹部47,47と反対側の位置に、角孔状の挿入孔部101,101が開口形成されている。そして、突出凸部97は、刷毛ブラシ32をユニット本体31から取り外した状態では、コイルばね94の付勢によって挿入孔部101,101内に挿入されてユニット本体31の内周面よりも内部へと先端側が突出することで、このユニット本体31内への床ブラシ26側の挿入を阻止する。
【0053】
また、突出凸部97には、ユニット本体31の軸方向に沿って孔部103が形成されている。この孔部103は、外側の側面103aが傾斜状に形成されていることで、ユニット本体31の基端側(図5中の上側)から先端側(図5中の下側)へと徐々に拡開している。
【0054】
さらに、コイルばね94は、ばね保持部98に保持されていない他端側がユニット本体31の外周面に保持されていることにより、突出凸部97をユニット本体31の中心軸方向に向けて付勢するように構成されている。したがって、阻止手段本体96のばね保持部98の背面側すなわち外側は、コイルばね94を収縮させる際に操作される被操作部105となっている。
【0055】
一方、ユニット本体31の各嵌合孔部46には、壁部48,48側へと傾斜した傾斜面46aがそれぞれ形成されている。
【0056】
また、刷毛ブラシ32のブラシ本体部61の腕部63,63には、軸支孔部65,65に代えて、内方へと突出する円柱状の軸部107,107がそれぞれ突出形成されている。これら軸部107,107は、ユニット本体31の嵌合孔部46,46に回動可能に軸支されるとともに、これら嵌合孔部46,46に対して着脱可能となっている。
【0057】
そして、刷毛ブラシ32の手入れの際には、この刷毛ブラシ32をユニット本体31から取り外す。具体的には、被操作部105,105を外側から互いに接近させるように摘んでコイルばね94,94を収縮させ、刷毛ブラシ32を軸方向に引っ張ってユニット本体31の嵌合孔部46,46からブラシ本体部61の軸部107,107を引き抜く。
【0058】
この状態で被操作部105,105を開放すると、コイルばね94,94が復帰変形することにより阻止手段93,93が回動して、突出凸部97,97が挿入孔部101,101内に挿入されてユニット本体31の本体筒部35の内周側へと先端側が突出する(図5(b))。このため、このユニット本体31の本体筒部35内に床ブラシ26の接続管82を挿入しようとしても、この接続管82が突出凸部97,97に当接する位置までしか挿入できず、したがって床ブラシ26とユニット本体31とを接続できない。
【0059】
作業者は、毛ブラシ62を水洗いなどすることで手入れした後、充分に乾燥させてユニット本体31に再度装着する。具体的には、刷毛ブラシ32のブラシ本体部61の腕部63,63を空間部54に挿入して軸部107,107を呼込凹部47,47に嵌合させた後、さらに刷毛ブラシ32のブラシ本体部61を押し込むと、壁部48,48がスリット50,50により撓み、軸部107,107が壁部48,48を乗り越えるとともに傾斜面46a,46aにより呼び込まれて嵌合孔部46,46に嵌合する。このとき、腕部63,63の先端側が阻止手段93,93の孔部103,103の側面103a,103aに当接することで阻止手段93,93をコイルばね94,94の付勢に抗して外側へと移動させることにより、阻止手段93,93の突出凸部97,97が挿入孔部101,101内で後退してユニット本体31の内周面側に突出することがなく、本体筒部35内に床ブラシ26の接続管82を挿入することが可能になる(図5(a))。
【0060】
このように、管部13が、ユニット本体31と、このユニット本体31に着脱可能な刷毛ブラシ32と、この刷毛ブラシ32を取り付けた状態でのみユニット本体31と接続可能な接続管82とを備えるなど、上記第1の実施の形態と同様の構成を有することにより、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0061】
また、刷毛ブラシ32をユニット本体31に取り付ける際には、腕部63,63を空間部54から挿入して軸部107,107を嵌合孔部46,46に嵌合させるようにブラシ本体部61を押し込むだけで刷毛ブラシ32をユニット本体31に保持できるので、ユニット刷毛ブラシ32をユニット本体31に取り付ける作業が容易になる。
【0062】
なお、上記各実施の形態において、刷毛ブラシユニット25を管部13中の先端部を除く任意の位置に有する構成でも対応して用いることができる。
【0063】
また、電気掃除機11としては、キャニスタ型のものに限らず、例えば床ブラシ26が縦長の掃除機本体の下部に接続されたアップライト型、あるいはハンディ型などであっても対応して用いることができる。すなわち、電気掃除機11の細部は、上記構成に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0064】
11 電気掃除機
12 掃除機本体
13 管部
18 電動送風機
31 管体としてのユニット本体
32 毛ブラシ体としての刷毛ブラシ
71 阻止手段としての保持手段
82 被接続管体としての接続管
93 阻止手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動送風機を収容した掃除機本体と、
前記電動送風機の吸込側に連通して前記掃除機本体に接続される管部とを具備し、
前記管部は、
管体と、
この管体に着脱可能な毛ブラシ体と、
この毛ブラシ体を前記管体に取り付けた状態でのみこの管体と接続可能な被接続管体とを備えている
ことを特徴とした電気掃除機。
【請求項2】
被接続管体は、管体と接続した状態で少なくとも一部がこの管体の先端側に挿入され、
管部は、毛ブラシ体を取り外した状態では前記管体の先端側の内部に突出して前記被接続管体側の挿入を阻止する阻止手段を備えている
ことを特徴とした請求項1記載の電気掃除機。
【請求項3】
阻止手段は、毛ブラシ体を管体に対して保持する保持手段である
ことを特徴とした請求項2記載の電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−136100(P2011−136100A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−299037(P2009−299037)
【出願日】平成21年12月29日(2009.12.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】