電気掃除機
【課題】先行技術では、回動連結部の回動はノッチにより角度保持されていたため、使用時の保持力を確保するためにノッチ力を大きくする必要があり、使用者が回動させる場合には大きな力を必要とし、使い勝手が低下していた。
【解決手段】回動接続部200に、解除ボタン220のロック突起225と、蓋体221のロック溝226を、それぞれ回動軸方向に対して所定の角度傾斜させて当接させる構造のロック機構を備えた。
【解決手段】回動接続部200に、解除ボタン220のロック突起225と、蓋体221のロック溝226を、それぞれ回動軸方向に対して所定の角度傾斜させて当接させる構造のロック機構を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気掃除機に係り、特に、床用の略T字形状の吸口以外に、もう一つの吸口を備える電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電気掃除機は、例えば特許文献1(特開2000−300484号公報)に開示されているように、グリップ部と延長パイプの間に延長パイプ折曲用アタッチメントを設けている。この折曲用アタッチメントは、L字状の2本のエルボパイプから構成され、この2本のエルボパイプを回動可能に接続している。そして、このエルボパイプを回動させることにより、ベッドやテーブルの下、あるいはエアコンなどの上部の掃除を行うようにしている。
【0003】
また、特許文献2(特開2002−253456号公報)に開示されているように、上延長管と下延長管との間に回動可能な関節部を設け、ソファやベッドの下などの掃除を行うようにした電気掃除機が提案されている。
【0004】
また、特許文献3(特開2007−44267号公報)に開示されているように、吸込口部に連結部を介して接続管を接続し、連結部の回動軸を中心にし接続管を吸込口部の吸込口側まで回動させ、エアコンや家具の上などの掃除を行うようにした電気掃除機が提案されている。
【0005】
また、特許文献4(特開2009−66332号公報)に開示されているように、延長管にフック体を用いて伸縮可能な付属吸込具を取り付けるようにした電気掃除機が提案されている。
【0006】
また特許文献5(特開2009−297370号公報)に開示されているように、回動可能な複数の回動連結部と、接続管を有し、回動連結部を上下両方向に接続可能な付属吸口を有する掃除機が提案されている。この付属吸口は、使用時には、床用吸口の代わりに、延長管の先端に接続され、高い棚や冷蔵庫の上、また回動連結部の接続方向を変えることで、奥行きのある天井面や、床面との空間が狭い机の下など、狭い隙間を掃除でき、収納時には、延長管の側面に係合できる。
【0007】
また、非特許文献1(日立アプライアンス株式会社、2010年2月発行「HITACHI、クリーナー、総合カタログ、2010−2」、7−8ページ)に開示されているように、二つの関節を備え、その1つの関節の間の管が伸縮自在で、先端に、吸口(開口)面と水平な方向に回動可能なブラシを有する付属吸口を備えた掃除機が提案されている。この付属吸口は、使用時には、先端を略T字形状として、清掃効率や安定感を向上でき、収納時には先端を略I字形状として、延長管の側面に係合できる。
【0008】
また、特許文献6(特開2009−261432号公報)に開示されているように、回動可能な複数の回動連結部と、伸縮可能な接続管を有し、回動連結部にノッチ機構を二重に設け、片方のノッチ機構は、解除ボタンを押すことにより、その機能を解除でき、付勢手段によって、所定の位置へ押し戻される付属吸口を備えた掃除機が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−300484号公報
【特許文献2】特開2002−253456号公報
【特許文献3】特開2007−44267号公報
【特許文献4】特開2009−66332号公報
【特許文献5】特開2009−297370号公報
【特許文献6】特開2009−261432号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】日立アプライアンス株式会社、2010年2月発行「HITACHI、クリーナー、総合カタログ、2010−2」、7−8ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記特許文献1に記載の電気掃除機においては、回動部としての延長パイプ折曲用アタッチメントは、グリップ部と延長パイプの間にのみあるので、高所を掃除するにあたっては重い延長パイプと床用吸込具を高所の上面と同じ高さまで持ち上げる必要があり、また操作ハンドル位置も高いため、腕を上げながらの掃除を強いられ、身体的負担が大きい。また、床用吸込具に代えて簡単なブラシ付き吸込具にした場合、ブラシ面を高所の上面に押し付けるようにするため、延長管及び操作ハンドルはさらに高い位置に持ち上げながら掃除しなければならないという問題がある。
【0012】
また、上記特許文献2に記載の電気掃除機においても、上延長管と下延長管との間に回動可能な関節部を設けているので、高所を掃除するにあたっては重い延長管と床用吸込具を高所の上面と同じ高さまで持ち上げる必要があり、腕を上げながらの掃除を強いられ、身体的負担が大きいものである。
【0013】
また、上記特許文献3に記載の電気掃除機においては、高所掃除の場合、掃除箇所に接続管が接触するので、吸込口部の長さ分しか奥行きに対して掃除ができず、家具や冷蔵庫の天面などの奥が掃除できないものであった。
【0014】
また、上記特許文献4に記載の電気掃除機においては、付属吸込具に関節機構がなく、高所を掃除するのが困難であった。
【0015】
また、上記特許文献5に記載の電気掃除機においては、付属吸口の先端のブラシが軸方向に長いため、使用者が手前と奥とを往復させて操作する場合には清掃効率が低下し、または使用者が左右に往復させて操作する場合には管部分がたわんで不安定になりまた操作性も低下するものであった。
【0016】
また、上記非特許文献1に記載の電気掃除機においては、付属吸口に関節機構が二箇所あり、この角度を調整することで、高い棚や冷蔵庫の上、天井面などの高所で奥行きのある場所の掃除が可能になっている。使用者が関節機構の角度を調整するには、両手を使い、管部分を屈折させることになる。このとき、角度調整後のロック機構がないので、掃除中に勝手に角度がずれてしまうという問題があり、角度が容易にずれないようにノッチ力を強くすると、関節機構を屈折させるには大きな力を加える必要があった。
【0017】
また、上記特許文献6に記載の電気掃除機においては、付属吸口のノッチ機構は、回動角度を保持できるだけの力で当接されているため、解除後のノッチ機構(ノッチリング)を、所定の位置へ押し戻すには、大きな付勢力が必要であり、解除ボタンを押すには、さらに大きな力を加える必要があった。
【0018】
本発明の目的は、複数の関節機構により屈曲可能な吸込具での清掃効率または操作性を向上した電気掃除機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、複数の関節機構により屈曲可能な吸込具の関節機構の少なくとも1つに、屈曲をロックし、また使用者の操作によって屈曲のロックを解除可能なロック機構を設けたことを特徴とする。
【0020】
本発明は、手元操作部または延長管の他端側に接続可能な吸込具が、手元操作部または延長管の他端側に接続可能な接続管と接続管に接続可能な略T字形状の第2の吸口体とを備え、第2の吸口体は、接続管側に形成される吸口部と、吸口部の接続管側とは反対側の開口部に形成される刷毛部とを備え、刷毛部は、吸口部に対して揺動可能に形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、吸込具の関節機構にロック機構を備えるため、使用時には、関節機構のぐらつきを低減し、操作性を向上することができ、また回動角の調整を容易に行うことができる。
【0022】
また、本発明によれば、刷毛部が吸口部に対して揺動可能であることにより、刷毛部が平坦でない清掃面に追従するため、清掃効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施例に係る吸込具の斜視図。
【図2】本発明の一実施例に係る手元側の回動接続部の分解図。
【図3】本発明の一実施例に係る椀形状カバーのP視図。
【図4】本発明の一実施例に係る手元側の回動接続部の断面図。
【図5】本発明の一実施例に係る手元側の回動接続部の部分断面斜視図。
【図6】本発明の一実施例に係る吸込具の断面図。
【図7】本発明の一実施例に係る手元側の回動接続部の解除ボタンの斜視図。
【図8】本発明の一実施例に係る手元側の回動接続部のロック機構側の蓋体の斜視図。
【図9】本発明の一実施例に係る接続管の斜視図。
【図10】本発明の一実施例に係る接続管の延長時斜視図。
【図11】本発明の一実施例に係る接続管のストッパー断面図。
【図12】本発明の一実施例に係る接続管のストッパー押し時断面図。
【図13】本発明の一実施例に係る先端側の回動接続部の分解図。
【図14】本発明の一実施例に係る吸込具の回動及び延長時の斜視図。
【図15】本発明の一実施例に係る高所掃除の一例図。
【図16】本発明の一実施例に係る吸込具の分離時斜視図。
【図17】本発明の一実施例に係る吸込具の分離時斜視図。(逆組)
【図18】本発明の一実施例に係る天井掃除の一例図。
【図19】本発明の一実施例に係る床面掃除の一例図。
【図20】本発明の一実施例に係る電気掃除機の外観斜視図。
【図21】本発明の一実施例に係る先端側の回動接続部の外観斜視図および横断面図。
【図22】本発明の一実施例に係る先端側の回動接続部の横断面図。
【図23】本発明の一実施例に係る先端側の回動接続部の外観斜視図および上断面図。
【図24】本発明の一実施例に係る吸込具の上面図および上断面図。
【図25】本発明の一実施例に係る吸口形成部の分離時斜視図。
【図26】本発明の一実施例に係る吸口形成部の外観斜視図および縦断面図および横断面図。
【図27】本発明の一実施例に係る吸口形成部の分解時斜視図。
【図28】本発明の一実施例に係る先端側の回動接続部を手元操作部に接続した時の外観斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、手元操作部または延長管の他端側に接続可能な吸込具を備え、吸込具は、手元操作部または延長管の他端側に接続可能な接続管(例えば、根元側の回動接続部および接続管)と接続管に接続可能な略T字形状の第2の吸口体(例えば、回動接続部)とを備え、吸込具は、複数の関節機構により屈曲可能にしたことを特徴とする。本発明によれば、第2の吸口体が略T字形状であるため、操作性の低下を招くことなく、清掃効率を向上できる。特に、第2の吸口体に接続される接続管を含めた吸込具が複数の関節機構を有するため、高所を清掃することができ、清掃範囲を広げることができる。また、第2の吸口体が複数の関節機構を備えるため、使用者の使い勝手を向上することができる。
【0025】
また、本発明は、手元操作部または延長管の他端側に接続可能、または手元操作部または延長管の他端側に延長管とは異なる接続管を介して接続可能な略T字形状の第2の吸口体(例えば、回動接続部)を備え、第2の吸口体は、複数の間接機構により屈曲可能であることを特徴とする。本発明によれば、第2の吸口体が略T字形状であるため、操作性の低下を招くことなく、清掃効率を向上できる。特に、第2の吸口体に接続される接続管を含めた吸込具が複数の関節機構を有するため、高所を清掃することができ、清掃範囲を広げることができる。また、第2の吸口体が複数の関節機構を備えるため、使用者の使い勝手を向上することができる。
【0026】
また、本発明は、手元操作部または延長管の他端側に接続可能、または手元操作部または延長管の他端側に延長管とは異なる接続管を介して接続可能な第2の吸口体(例えば、回動接続部)を備え、すきま用吸口を形成する接続管の開口端が第2の吸口体の接続側開口端内に挿入されることによって、接続管と第2の吸口体とが接続され、第2の吸口体の接続側開口端が手元操作部または延長管の他端側の開口内に挿入されることによって、手元操作部または延長管と第2の吸口体とが接続されることを特徴とする。本発明によれば、第2の吸口体が手元操作部または延長管にもすきま用吸口を形成する接続管にも接続可能であるため、使用者の使い勝手を向上することができる。
【0027】
また、本発明は、手元操作部または延長管の他端側に接続可能、または手元操作部または延長管の他端側に延長管とは異なる接続管を介して接続可能な略T字形状の第2の吸口体(例えば、回動接続部)を備え、第2の吸口体の吸口形成部の長手方向の幅は、第1の吸口体の長手方向の幅よりも短く、第2の吸口体の吸口形成部の短手方向の幅は、手元操作部または延長管の他端側に接続可能、または手元操作部または延長管の他端側に延長管とは異なる接続管を介して接続可能な継手管の幅と略同等または短いことを特徴とする。本発明によれば、第2の吸口体の吸口形成部の短手方向の幅は、継手管の幅と略同等または短いため、第2の吸口体の略I字形状として収納する際に、収納性を向上することができる。また、収納時の安定性も向上できる。
【0028】
また、本発明は、複数の関節機構により屈曲可能な吸込具の関節機構の少なくとも1つに、屈曲をロックし、また使用者の操作によって屈曲のロックを解除可能なロック機構を設けたことを特徴とする。本発明によれば、吸込具の関節機構にロック機構を備えるため、使用時には、関節機構のぐらつきを低減し、操作性を向上することができ、また回動角の調整を容易に行うことができる。
【0029】
また、本発明は、手元操作部または延長管の他端側に接続可能な吸込具が、手元操作部または延長管の他端側に接続可能な接続管と接続管に接続可能な略T字形状の第2の吸口体とを備え、第2の吸口体は、接続管側に形成される吸口部と、吸口部の接続管側とは反対側の開口部に形成される刷毛部とを備え、刷毛部は、吸口部に対して揺動可能に形成されることを特徴とする。本発明によれば、刷毛部が平坦でない清掃面に追従するため、清掃効率を向上できる。
【0030】
以下、本発明の実施例を添付の図面に基づいて説明する。
【0031】
図20は本発明の一実施例に係る電気掃除機の外観斜視図である。図20において、10は吸引力を発生させる電動送風機及び集塵部を備えた掃除機本体、11は一端がホース継手11aを介して掃除機本体10に接続されたホースであり、集塵部と連通する。12は一端がホース11の他端に接続され、電動送風機の入切を行うスイッチ操作部12aを備えた手元操作部である。13は一端が手元操作部12の他端に接続され伸縮可能な延長管であり、14は延長管13の他端に接続された吸口体であり、15は延長管13と吸口体14との間または手元操作部12と延長管13との間に接続された吸口体である。ホース11,手元操作部12,延長管13,吸口体14,吸口体15のそれぞれの内部には吸込通路が形成され、吸口体14と掃除機本体10の集塵部とが連通する。使用者がスイッチ操作部12aを操作し電動送風機が運転を開始すると、吸引力が発生する。この吸引力は吸口体14に至り、吸口体14から吸込んだ塵埃は延長管13,手元操作部12,ホース11を通り、掃除機本体10の集塵部に集塵される。吸口体14は、吸込流によって回転するまたは電動で回転する回転ブラシを吸口(開口)内に有し、主に床面清掃用に利用される。吸口体15は、ブラシを吸口(開口)周囲に有し、主に家具の隙間、あるいは家具の上部やエアコンの清掃用に利用される。ただし、吸口体15は、必須の構成ではない。
【0032】
手元操作部12と延長管13,延長管13と吸口体14と、さらには手元操作部12および延長管13と吸口体15,延長管13および吸口体14と吸口体15はそれぞれ着脱自在に接続されている。木床や畳,絨毯といった掃除の場合は、手元操作部12,延長管13,吸口体14を接続した状態で掃除を行う。家具の隙間、あるいは家具の上部やエアコンを掃除する場合には、手元操作部12から延長管13を、あるいは延長管13から吸口体14を取り外し、手元操作部12あるいは延長管13に吸口体15または付属の吸込具100(図1)を接続して目的に応じた掃除を行う。以下、本実施例においては、特に家具の上部やエアコンといった高所掃除に有効な掃除機用の吸込具100について説明するが、被清掃場所は、高所に限定されない。
【0033】
図1は本発明の一実施例に係る掃除機用の吸込具100の全体外観図である。掃除機用の吸込具100は、手元操作部12または延長管13側(根元側)にある回動接続部200と、中間の接続管300と、先端側の回動接続部400とから構成されている。中間の接続管300は回動接続部200と回動接続部400との間に位置し、軸方向に伸縮可能となっている。ただし、接続管300の伸縮は必須の構成ではなく、接続管300は伸縮しなくてもよい。回動接続部200および回動接続部400は、軸方向に回動可能(屈曲可能)な関節機構を有する。回動接続部200は1つの関節機構を有し、回動接続部400は2つの関節機構を有するが、この数に限定されるものではない。吸口体14を第1の吸口体とすると、回動接続部400は第2の吸口体を形成する。吸口体15は、吸口(開口)端にさらに延長管13の接続部や吸口体14の接続部を接続可能であるが、吸口体14は、吸口(開口)端に延長管13の接続部を接続不可能であり、回動接続部400は、吸口(開口)端に延長管13の接続部や吸口体14の接続部を接続不可能である。ここで、軸方向の軸とは、略円筒状に形成された接続管300の中心軸をいう。
【0034】
図2は回動接続部200の分解斜視図である。図2(A)に示すように手元操作部12または延長管13側の回動接続部200は、手元操作部12または延長管13に手元操作部12または延長管13と連通する略円筒状の筒形状部205とこの筒形状部205の軸方向と直角方向に開いている椀形状部206とから成る後継手(管)201と、椀形状部206と対向してある椀形状カバー204と、接続管300に連通する略円筒状の筒形状部207と筒形状部207の軸方向と直角方向に軸を持つ樽形状部208とから成る前継手(管)202とで構成されている。樽形状部208の軸は、前継手202に対して後継手201が回動するための回動軸となる。樽形状部208の内部には、流路が形成される。樽形状部208の回動軸は、樽形状部208内を貫通するのではなく、樽形状部208の側面外側のそれぞれに1個ずつ形成される(合計2個)。よって、樽形状部208の回動軸によって樽形状部208内の流路を流れる空気が阻害されることを防止できる。筒形状部207は中間の接続管300と接続される。つまり、後継手201の一端が手元操作部12または延長管13に接続可能であり、前継手202の一端が接続管300に接続可能である。そして、後継手201の他端と前継手202の他端とが回動可能に連結される。尚、筒形状部205の椀形状部206とは反対側の開口端が、手元操作部12または延長管13の開口端の内側に挿入され、当接することによって、椀形状部206が手元操作部12または延長管13に接続される。よって、筒形状部205の椀形状部206とは反対側の開口端の外側表面径が先端に向かうに従って徐々に狭くなっており、その狭くなっている途中の外側表面径が、手元操作部12または延長管13の開口端の内側表面径に相当(一致)するのが好ましい。
【0035】
前継手202の樽形状部208は、後継手201の椀形状部206及び、椀形状カバー204の内側表面を略オフセットした形状であり、椀形状部206と椀形状カバー204に摺動可能(回動可能)に当接して組み立てられる。椀形状部206と椀形状カバー204には、それぞれ切り欠き部209,210があり、前継手202は切り欠き部の上端211と下端212の間を回動できる。図2(B)に示すように、椀形状部206の前継手202が当接する側と反対側には、回動角度を保持するロック機構を構成する略円形状の解除ボタン220,解除ボタン220が挿入される穴を備えた略円環形状の蓋体221及び、解除ボタン220の付勢手段222が配置される。付勢手段222は、解除ボタン220を外側へ付勢する。付勢手段222は、例えばコイルバネであるが、解除ボタン220を外側へ付勢するものであれば、他の弾性体であってもよい。但し、蓋体221は必須の構成ではなく、椀形状部206の底面に解除ボタン220が挿入される穴を備え、椀形状部206と前継手202の間に、解除ボタン220,付勢手段222を配置してもよい。前継手202の樽形状部208の椀形状部206が当接する側は、外周から中心側へ向けて突出した回り止めレール223を有し、回り止めレール223は、椀形状部206の底面に開けられた穴を通して、椀形状部206の解除ボタン220が配置される側へ突出し、解除ボタン220の外周側に形成された回り止め溝224に挿入してある。蓋体221は中央の穴に解除ボタン220を挿入し、解除ボタン220を外に露出させて、付勢手段222の力に抗して椀形状部206に固定され、回動時には、解除ボタン220は前継手202と一緒に、蓋体221は後継手201と一緒に回動するようになっている。前継手202と椀形状カバーの間には、回動角度位置を知らしめるノッチ感(クリック感)を発生させるノッチリング203を配置している。ノッチリング203は、円環形状で内周に回り止め突起213を有し、外周にはノッチ感(クリック感)を発生させるノッチ突起214(突起)を有し、ノッチ突起214は前継手202の樽形状部208の椀形状カバー204が当接する側の底面に設けた回り止め溝215に挿入してあり、前継手202と一緒に回動するようになっている。ただし、このような構造であるため、後継手201と前継手202との回動範囲は、360度ではなく、所定の範囲に限定される。
【0036】
このように、本実施例では、複数の関節機構のうち手元操作部12または延長管13側(根元側)にある関節機構(回動接続部200)にロック機構を設けている。使用者は、清掃時に、手元操作部12または延長管13側(根元側)を持つ(支持)することになるため、先端側にある関節機構に比較して根元側にある関節機構のほうが先端側にかかる荷重,負荷が大きくなるため、先端側にある関節機構に比較して根元側にある関節機構のほうがぐらつきが大きくなる。そこで、本実施例では、複数の関節機構のうち手元操作部12または延長管13側(根元側)にある関節機構(回動接続部200)にロック機構を設けることによって、効果的にぐらつきを抑制できる。
【0037】
図3に示すように椀形状カバー204の内側底面には、ノッチリング203の外周のノッチ突起214を押し込み、ノッチリング203をたわませる略円形リブ216があり、この円形リブ216にはノッチリング203の外周のノッチ突起214を押し込まない凹み部217が所定の角度に形成されている。これにより後継手201と前継手202は、椀形状部206と樽形状部208の中心軸を軸として回動可能で、ノッチリング203はノッチ突起214が略円形リブ216の凹み部217内に収まっていて、前継手202の回動に際しノッチリング203は前継手202と一緒に回動し、ノッチ突起214は凹み部217を乗り上げてリングの半径方向にたわみ、略円形リブ216に当接しながら回動先の凹み部217へ到達し、たわみが解放されて凹み部217に収まり、この収まりによって回動角度位置はある程度固定されるのである。
【0038】
本実施例においては、ノッチ突起214の個数は2個で、凹み部217の箇所は2箇所であるが、本構成に限定されるものではない。ノッチリング203の設置については、本事例とは逆にノッチリング203を挿入する溝215を椀形状カバー204に、ノッチリング203をたわませる円形リブ216を前継手202に形成してもよい。また、ノッチリング203は、後継手201と前継手202が当接する側にあってもよく、その場合ロック機構は、椀形状カバー204側に形成される。また、ノッチ感を発生させる方法は、本事例の方法に限定されるものではなく、例えばリングの代わりにコイルバネを、ノッチ突起の代わりに鋼球を使用すれば、同様の効果を得られるのである。
【0039】
図4(A)にロック状態のロック機構の断面図を示し、(B)にロック解除状態のロック機構の断面図を示す。図4(A)に示すように、解除ボタン220はバネ等の付勢手段222により、ロック突起225が、蓋体221に形成されたロック溝226に嵌まる方向に付勢されており、ロック突起225とロック溝226の嵌合によって、回動角(屈曲角)が固定されている。図4(B)に示すように、付勢手段222の付勢に抗して使用者が解除ボタン220を押している間は、ロック突起225が蓋体221のロック溝226から離れて非嵌合になるので、関節機構を回動させることができる。この時、ノッチ機構により、ある程度、回動角度が固定されるため、不用意に回動して手や指を挟んだり、ぶつけたりするおそれが少ない。また使用者は、回動時のノッチ感(クリック感)により、段階的に回動させることができるため、迷わず好みの角度に調整ができる。ロック機構は、樽形状部208の側面の外側、すなわち流路を形成する壁面の外側に形成されるため、樽形状部208内の流路を流れる空気が阻害されるのを防止できる。
【0040】
図5(A)にロック状態で関節部を直線状とした時のロック機構の部分断面斜視図を示し、(B)にロック解除状態で関節部を回動させた時のロック機構の部分断面斜視図を示す。本実施例においては、関節部の回動角度が0度,22.5度,45度と3段階になるように、蓋体221のロック溝226は22.5度間隔で配置されているが、本構成に限定されるものではない。また、解除ボタン220のロック突起225と蓋体221のロック溝226の当接側面は、両側とも回動軸方向と平行ではなく回動軸方向に対して所定角度傾斜しており、すなわち台形をしている。そのため、ロック突起225が付勢手段222によって、ロック溝226と嵌合しているロック状態で、一定の大きな回動力が加わると、ロック突起225とロック溝226の当接側面(傾斜面)が摺動し始め、解除ボタン220が付勢手段222の付勢に抗して移動し、ロック突起225がロック溝226から離れるので、過大な力が加わった場合の破損のおそれはない。ただし、ロック突起225とロック溝226の形状を台形とすることは必須ではなく、当接箇所におけるロック突起225,ロック溝226の何れか一方が傾斜面をなせば、もう一方を直立面としてもよい。また、台形の代わりに、三角形でもよい。
【0041】
図6(A)に回動接続部200を直線状とした時の吸込具100の図1のA−A断面図と、(B)に回動接続部200を45度回動させた時の吸込具100の図1のA−A断面図を示す。図6中の矢印は、使用時に、吸込具100の内部に形成した吸い込み通路を流れる空気の流れを示し、一点鎖線の交点は、回動接続部220の回動軸中心を示している。この時、解除ボタン220,蓋体221,付勢手段222によるロック機構を関節機構の回動軸と略同軸上に設けたため、図6(B)に示すように、回動時にも空気の流れを阻害することがなく、吸込力を維持することが可能である。本構成によると、解除ボタン220のロック突起225及び蓋体221のロック溝226の高さは、関節機構の内部の吸い込み通路と、関節機構の幅寸法及び解除ボタン220の移動範囲によって規制される。吸い込み通路は、吸込力に関わるため、一定の面積を確保する必要があり、関節機構の幅寸法は、家具の隙間等の狭所の掃除の妨げとならないよう、所定の寸法以下とする必要がある。解除ボタン220の移動範囲は、使用者が誤ってロックを解除するおそれの無いよう、一定以上とする必要があり、本実施例では4mmとしている。また、ロック突起225とロック溝226の幅(径方向)は、回動接続部220の椀形状部206の直径により規制されるが、椀形状部206が家具の隙間等の狭所の掃除の妨げとならないよう、所定の寸法以下にする必要がある。ロック突起225及び、ロック溝226は、関節機構の回動軸近傍に位置し、吸込具100の使用時には過大な力が加わる場合があるが、上記した条件により、ロック突起225とロック溝226の当接面に応力に耐えうる面積を確保することは困難であるため、ロック突起225とロック溝226の当接箇所を複数設けて、応力を分散することが好ましく、本実施例においては、当接箇所を4箇所としている。
【0042】
図7に示すように、解除ボタン220は、ロック解除時に使用者が押すボタン部227と、解除ボタン220の中心軸と中心を同一とする円形のフランジ部228を有する。フランジ部228は、外周に回り止め溝224を有し、ボタン部227側上面には、ロック突起225が形成される。本実施例においては、解除ボタン220の中心軸を中心として対向する位置に2箇所の回り止め溝224を設けており、ロック突起225は、解除ボタン220の中心軸を中心に、等間隔に4箇所設けている。また、回り止め溝224は、解除ボタン220動作時の片寄りによる動作不良を防ぐ目的で、前継手202の回り止めレール223に沿うように、回り止め溝224形状を延長する補助壁229を有し、同様の目的で、ボタン部227の形状を円筒形状とし、フランジ部228の形状を円形としている。また、ロック突起225と回り止め溝224とは、円周方向で異なる位置とした。また、フランジ部228からのロック突起225の高さは、フランジ部228からの解除ボタン220の高さよりも低くした。
【0043】
図8に示すように、蓋体221は、解除ボタン220のボタン部227が挿入される中央の穴と、その周囲に配置された複数のロック溝226を有し、外周側面には前継手201の椀形状部226に係合する爪230を有する。本実施例においては、爪230を等間隔に4箇所配置している。ロック溝226は、複数の略台形の山部のそれぞれ間に形成される。ロック溝226は、円周方向において爪230を除いた部分に形成される。
【0044】
図2に示す後継手201の筒形状部205には手元操作部12の接続部または延長管13が接続可能となっており、手元操作部12または延長管13に設けられた着脱用クランプの抜け止め用の爪(図示せず)を受ける凹み部218が筒形状部205の椀形状部206側の外側表面にある。また前継手202の筒形状部207には接続管300が接続部305によって接続可能となっており、接続管の抜け止め用突起305を受ける円周方向に延びる2つの穴部219がある。
【0045】
図9,図10に示すように接続管300は、中空の鞘体301(外管)に中空のブレード体302(内管)が伸縮自在に収められている。鞘体301の接続部305の断面形状は略円形状であり、鞘体301の接続部305以外の断面形状は略角形状である。ブレード体302の外側下面には等間隔で凹み部309が形成されている。鞘体301のブレード体302が伸縮出入りする側の端部には、ストッパー303が軸304で半径方向に回動自在に備えられている。鞘体301の他端側(接続部305)の外周には、抜け止め突起305が形成され、ブレード体302の先端部の両側面にも、軸方向に垂直な方向に延びる抜け止め突起306が形成されている。抜け止め突起306は、両側面のそれぞれに、軸方向にすらして2個ずつ形成される。抜け止め突起306は、両側面のそれぞれに、1個でもよいし、3個以上でもよい。ブレード体302の先端部は、短手方向の幅が吸込具100で最も狭くなっており、先端部から他端側下方に向かって傾斜するように(テーパ状に)形成されているため、手元操作部12あるいは延長管13に接続管300を接続した状態で、隙間等の掃除を行うことができる。つまり、ブレード体302の先端部は、すきま用吸口(ノズル)を形成する。また、このブレード体302の先端部は回動接続部400との接続部となっており、この接続部に回動接続部400と接続した時の抜け止め突起306が形成されている。本実施例のように、使用者が、接続管300と回動接続部200とを容易に分離可能であることが好ましいが、使用者が、接続管300と回動接続部200とを容易に分離不可能な接続構造であってもよい。
【0046】
図11,図12にストッパー303の構成を示す。図11,図12に示すようにストッパー303は、バネ等の弾性体307により爪部308がブレード体302の外表面に形成された複数の凹み部309に嵌まる方向に付勢されており、ブレード体302の伸縮位置を固定する。弾性体307の付勢に抗して使用者が指でストッパー303を押している間は、爪部308がブレード体302の凹み部309から離れるので、ブレード体302の伸縮を自由に行うことができる。
【0047】
図13に回動接続部400の構成を示す。図21(A)に、略T字形状時の回動接続部400の外観斜視図を示し、図21(B)に図21(A)のB−B断面の断面図を示す。図22に、略I字形状時の回動接続部400の図21(A)のB−B断面の断面図を示す。図23(A)に、略T字形状時の回動接続部400の外観斜視図を示し、図23(B)に図23(A)のC−C断面の断面図を示す。図13に示すように先端側の回動接続部400は、接続管300のブレード体302の先端部(接続部)を受け入れる筒形状部406と、横断面が略円形の回動ベース部407とから成る後継手(管)401と、横断面が略円形の回動部408と筒形状部409とから成る前継手(管)402と、前継手402の回動部408と対向してある回動カバー405と、蓋体404と、前継手402の軸突起427を軸支する連結穴423にて連結される回動軸体(継手部材)424と、回動軸体424と連結する回動突起425を設けた吸口形成部426とから構成されている。前継手402の回動部408と回動カバー405は、後継手401の回動ベース部407を覆うように、且つ回動ベース部407に対し摺動可能に組み立てられる。前継手402の回動部408と反対側の端部の両側面に、円柱状の軸突起427を備え、さらに、軸突起427の上側に円柱状の摺動突起428を備える。
【0048】
前継手402の回動部408と回動カバー405には、それぞれ切り欠き部410,411があり、前継手402は切り欠き部の上端部412と下端部413が後継手401に突き当たるまでの間を回動できる。回動ベース部407と回動部408の接続間には、回動角度位置を知らしめるノッチ感を発生させるノッチリング403を配置している。ノッチリング403は、ノッチリング203と同様な形状であり、回り止め突起414とノッチ突起415(突起)を有し、後継手401の回動ベース部407の側面に設けた回り止め溝416に挿入してある。
【0049】
前継手402の回動部408には、ノッチリング403の外周のノッチ突起415を押し込みノッチリング403をたわませる略円形穴417があり、この円形穴417にはノッチリング403の外周のノッチ突起415を押し込まない凹み部418が所定の角度に形成されている。また、回動部408には爪穴419が形成されており、蓋体404は爪420を嵌め合わせ固定されている。
【0050】
これにより後継手401と前継手402は、回動ベース部407と回動部408の中心軸を軸として回動可能で、ノッチリング403はノッチ突起415が略円形穴417の凹み部418内に収まっていて、前継手402の回動に際し、ノッチ突起415は凹み部418を乗り上げてリングの半径方向にたわみ、略円形穴417に当接しながら回動先の凹み部418へ到達し、たわみが解放されて凹み部418に収まり、この収まりによって回動角度位置はある程度固定されるのである。
【0051】
本実施例においては、ノッチ突起415の個数は2個で、ノッチする箇所は2箇所であるが、本構成に限定されるものではない。ノッチリング403の設置については、本実施例とは逆にノッチリング403を挿入する溝416を前継手402に、ノッチリング403をたわませる略円形穴417を後継手401に形成してもよい。また、ノッチリング403は、後継手401と回動カバー405が当接する側にあってもよく、さらに、両側に設けて2個使いとすれば、それぞれのノッチリングに掛かるたわみ力を分散できて、信頼性を向上することができる。ノッチ感(クリック感)を発生させる方法は、本事例の方法に限定されるものではなく、例えばリングの代わりにコイルバネを、ノッチ突起の代わりに鋼球を使用すれば、同様の効果を得られるのである。ただし、このような構造であるため、後継手401と前継手402との回動範囲は、360度ではなく、所定の範囲に限定される。回動軸体424の左右側面には、軸突起427と軸支し前継手402と連結する連結穴423と、摺動突起428を固定し前継手402の位置決めをする摺動穴429を形成している。摺動穴429は、連結穴423よりも上側に形成され、側面のそれぞれに2個ずつ形成される。軸突起427と連結穴423にて形成される連結部432を軸に、先端部に向かって前継手402の上面方向に回動することができ、一方の摺動穴429に収まっていた摺動突起428は、一方の摺動穴429を乗り上げて回動軸体424の側面を外側にたわませながら当接し、回動先の他方の摺動穴429へ収まることで、前継手402に対する回動軸体424の回動角度位置は固定されるのである。吸口形成部426は、回動軸体424に対して360度回動可能である。そして、図24(A)(B)に示すように、後継手401または前継手402の軸方向に対して、吸口形成部426の長手方向が略90度になった状態で回動接続部400を上側から見ると、回動接続部400は略T字形状となる。図24(E)(F)に示すように、後継手401または前継手402の軸方向に対して、吸口形成部426の長手方向が略一致した状態で回動接続部400を上側から見ると、回動接続部400は略I字形状となる。特許文献4や非特許文献1と同様に、吸込具100を延長管13の側面に取り付けて収納する際には、回動接続部400は略I字形状とするのが好ましい。
【0052】
図22に示すように、吸口形成部426の吸口(開口)の内面は、吸口形成部426の長手方向の端部から中央部に向かって傾斜しており、それに伴って、吸口形成部426の吸口(開口)の反対側の外面(上面)も、吸口形成部426の長手方向の端部から中央部に向かって傾斜しており、横断面では台形をしている。つまり、吸口形成部426の長手方向を横から見ると、左右対称である。尚、吸口形成部426の短手方向を横から見ても、左右対称である。このように、吸口形成部426の吸口(開口)の内面が傾斜しているため、吸口形成部426の吸口(開口)から通気穴430へ向かう空気の流れの乱れが少なくなる。そして、吸口形成部426の上面の吸口形成部426の長手方向の中央部かつ吸口形成部426の短手方向の中央部に、回動突起425が形成される。回動突起425の内側に通気穴430が形成され、通気可能である。通気穴430は略円形状であり、回動突起425はその通気穴430の周囲に複数形成される。複数の回動突起425が形成された円の中心が、回動軸体424に対する吸口形成部426の回動軸心となる。尚、複数の回動突起425が形成された円の中心は、通気穴430の中心、回動穴433の中心とも一致する。図23(B)中の一点鎖線は、吸口形成部426の長手方向の中心線と、吸口形成部426の短手方向の中心線を示す。回動軸体424に対する吸口形成部426の回動軸心は、吸口形成部426の長手方向の中央でかつ吸口形成部426の短手方向の中央、つまり図23(B)に示すように吸口形成部426の長手方向の中心線と吸口形成部426の短手方向の中心線の交点に位置するのが好ましい。つまり、回動軸体424に対する吸口形成部426の回動軸心から吸口形成部426の長手方向の両端面(端部)への距離は等しくなり、回動軸体424に対する吸口形成部426の回動軸心から吸口形成部426の短手方向の両端面(端部)への距離は等しくなる。またこの場合は、後継手401の軸心上または前継手402の軸心上または接続管300の軸心上に、回動軸体424に対する吸口形成部426の回動軸心が存在することとなる。これによって、使用者が、吸込具100を手前と奥の往復操作および左右の往復操作の際に、回動接続部400の動きが安定し、それ故、操作性が向上する。
【0053】
図22中の太い一点鎖線は、後継手401の筒形状部406の軸心、細い一点鎖線は前継手402の筒形状部409の軸心を示す。前継手402は、後継手401に対して、上側に角度αまで回動可能である。角度αは、5度から10度程度である。筒形状部409の上面と下面とは、略平行であるため、図22に示すように、前継手402が後継手401に対して上側に角度αである状態では、筒形状部409の上面の形成方向および下面の形成方向も、後継手401の軸方向に対して上側に角度αをなす方向となる。回動接続部400を略I字形状である状態において、吸口形成部426の上面と筒形状部409の下面とが対向し、吸口形成部426の上面と筒形状部409の下面の間隔は、0以上5mm以下であるのが好ましい。吸口形成部426の上面と筒形状部409の下面とが略平行であるのが好ましい。この場合は、吸口形成部426の上面は、後継手401の軸方向に対して上側に角度αをなす方向となる。よって、回動軸体424は、筒形状部409に対して、軸突起427を軸として、吸口形成部426の上面が後継手401の軸方向に対して上側に角度αをなす方向となるまで、回動するのが好ましい。上記したように、筒形状部409に対する回動軸体424の回動角度は、連結穴423と摺動穴429との相互位置関係によって定めることができる。そして、吸口形成部426の吸口面と筒形状部409の軸方向とが略平行となる場合には、吸口形成部426の上面と吸口形成部426の吸口面とのなす角度が、角度αとなる。さらに、図21に示すように、吸口形成部426の回動軸体424との連結部(通気穴430の中心)つまり吸口形成部426の長手方向の中心から、吸口形成部426の長手方向の端部(端面)までの長さ、つまり吸口形成部426の長手方向の長さの1/2は、筒形状部409の軸方向の長さ、または筒形状部409の吸口形成部426との連結部の回動軸(回動穴433の中心)から筒形状部409の回動部408側端部(端面)までの長さ、または前継手402の吸口形成部426との連結部の回動軸(回動穴433の中心)から前継手402の後継手401との連結部の回動軸(回動部408の軸心)との長さと略同等または短いのが好ましい。これによって、連通軸方向から吸口形成部426の吸口を近づけることができ、吸口形成部426を後方へ配置することで回動接続部400さらには吸込具100全長を短くできるため、かさばらずに収納することができ、収納性を向上できる。後継手401と前継手402間で軸方向に回動するだけでなく、前継手402と回動軸体424間で軸方向に回動し、さらに、回動軸体424と吸口形成部426間で、軸方向とは異なる方向に回動するため、収納性が向上する。また、前継手401よりも先端側の重心が、前継手402の軸心上に近くなるため、収納時の安定性も増す。
【0054】
図23(B)に示すように、吸口形成部426には、回動軸体424の底面にある回動穴433に挿入し吸口形成部426を連結する回動突起425が設けられ、回動軸方向に回動することができる。回動突起425には、ノッチリング203とノッチリング403と同様に回動角度位置を知らしめるノッチ感を発生させるノッチ突起435が形成され、回動軸体424の底面の凹み部434に収まっている。吸口形成部426の回動に際し、ノッチ突起435は凹み部434を乗り上げて回動穴433の半径方向にたわみ、略円形壁436に当接しながら略円形壁436の終端に到達したわみが解放される。凹み部434には次のノッチ突起435が収まり、この収まりによって回動角度位置はある程度固定されるのである。また、ノッチ突起435は抜け止め用の爪にもなっており、吸口形成部426が回動軸体424から抜けないようになっている。
【0055】
図24(A)に、回動接続部400を略T字形状とした時の吸込具100の上面図を示し、図24(B)に、回動接続部400を略T字形状とした時の回動接続部400の上面図を示し、図24(C)に、回動接続部400を略T字形状とした時の吸込具100の上断面図を示し、図24(D)に、回動接続部400を略T字形状とした時の回動接続部400の上断面図を示し、図24(E)に、回動接続部400を略I字形状とした時の吸込具100の上面図を示し、図24(F)に、回動接続部400を略I字形状とした時の回動接続部400の上面図を示し、図24(G)に、回動接続部400を略I字形状とした時の吸込具100の上断面図を示し、図24(H)に、回動接続部400を略I字形状とした時の回動接続部400の上断面図を示す。図24(E)(F)(G)(H)に示すように、吸口形成部426の短手方向の幅を、回動ベース部407や回動部408などで形成される連結部431の幅(軸方向に垂直な方向の幅)と略同等または短くする。また、吸口形成部426の短手方向の幅を、後継手401の幅または前継手402の幅と略同等または短くしてもよい。また、吸口形成部426の短手方向の幅を、接続管300の最大幅と略同等または短くしてもよい。尚、接続管300の最大幅は、接続部305に形成される。これによって、吸込具100を延長管13の側面に係合して収納する際に、吸口形成部426が出っ張って邪魔にならないため、収納性が向上する。さらに、使用者が、吸口形成部426の長手方向を、後継手401および前継手402の軸方向に沿った方向になるように、前継手402に対して吸口形成部426を回動して、吸口形成部426を略I字形状とすれば、奥まった狭いすき間を掃除することもできる。また、使用者が、吸口形成部426の長手方向が、後継手401および前継手402の軸方向と垂直な方向になるように、前継手402に対して吸口形成部426を回動して、吸口形成部426を略T字形状に回動させれば、掃除面を幅広にとることができ、使用者の前後方向(手前と奥の往復方向)の掃除面を多く取れるため前後させる回数を減らすことができ、清掃効率を向上することができる。さらに、吸口形成部426の長手方向の幅は吸口体14の長手方向よりも短いため、吸口体14の入らないすき間を掃除することができる。また、略I字形状よりも左右方向への摩擦面が少なくなることで抵抗が減り、使用者の手元への負担を減らすことができる。
【0056】
後継手401の筒形状部406には、接続管300のブレード体302の先端部にある抜け止め突起306を受ける穴部421がある。筒形状部406にブレード体302の先端部(接続部)が挿入され、抜け止め突起306が穴部421にはめ込まれることによって(ブレード体302の先端部の外側表面が筒形状部406の内側表面に当接することによって)、接続管300と回動接続部400とが接続される。これによって、使用者は、接続管300と回動接続部400とを容易に接続,分離することができる。
【0057】
図25に、吸口形成部426の分離時斜視図を示す。吸口形成部426の吸口(開口)面には、本実施例のように、切り口部の端面に刷毛422を植毛することもでき、この刷毛422により、掃き,拭きといった掃除効果も得られる。刷毛422の形成方向は、吸口形成部426の吸口面の法線方向であってもよいし、吸口形成部426の吸口面の法線方向よりも外側に拡がっていてもよい。また、吸口形成部426を刷毛台438と吸口部437とに分割可能な構造とすることもできる。つまり、刷毛台438に複数の係合爪439を設け、係合爪439を吸口部437にはめ込むことによって、係合爪439を吸口部437に取り付けることができる。これによって、刷毛422の劣化,抜けなどあった際は刷毛台438だけを取り替えることでよく、刷毛部のメンテナンス性をあげることができる。
【0058】
図26は刷毛台451を吸口部454に揺動可能に取り付けた場合の実施例を示しており、図26(A)は吸口形成部450の斜視図、図26(B)は図26(A)のD−D断面図、図26(C)および(D)は図26(A)のE−E断面図、図27は吸口形成部450の分解時斜視図を示している。図25の吸口形成部426は、吸口部437に対して刷毛台438が揺動しない実施例であるが、図26および図27の吸口形成部は、吸口部454に対して刷毛台451が揺動する実施例である。図26(B)に示すように、刷毛台451と吸口部454の取り付け方法を、刷毛台451の長手方向中間の両側面に備えた回動軸452と、吸口部454の長手方向中間の両側面に備えた軸受455との嵌合による構造としている。刷毛台451の上端部が、吸口部454の下端部の開口内に収まるように形成される。これにより、刷毛台451は吸口部454に刷毛台451の長手方向が揺動可能に軸支され、吸込具100または、回動接続部400の使用時には、刷毛453の吸口(開口)面が、例えば、エアコンの上部や前面等の平面でない掃除面のカーブに沿うように揺動し、あるいは書棚に収納された高さの異なる本の上面等の平坦でない凹凸面に沿うように揺動し、掃除面に追従するため、より効率よく掃除することができる。ただし、回動軸452を備える面は、刷毛台451の長手方向両側面に限らず、刷毛台451の短手方向両側面、または吸口部454の長手方向両側面、または吸口部454の短手方向両側面の何れでもよい。同様に、軸受455を備える面は、吸口部454の長手方向両側面に限らず、回動軸452を備える位置に対応して、吸口部454の短手方向両側面、または刷毛台451の長手方向両側面、または刷毛台451の短手方向両側面の何れでもよい。また、回動軸452と軸受455を設けえる面上の位置は、各面(辺)の中央に限らず、両端の何れかへ片寄りを持たせても構わない。
【0059】
本実施例においては、図26(C)に示すように、刷毛台451は、吸口部454上面方向へ伸びる漏れ防止壁456と、刷毛台451の外側面から外側へ広がるフランジ457を有する。図26(D)は刷毛台451が揺動し、吸口部454に対して片側に傾いた状態を示す。この時、刷毛台451の回動方向後端側(図中右端)では、刷毛台451の上面が吸口部454の下端から最も離れるが、漏れ防止壁456の上端が吸口部454の下端内側面に最も近付くように形成することで、刷毛台451と吸口部454の間からの吸気漏れを低減し、吸口形成部450の下部開口からの吸込力低下を抑えることができる。またこの時、刷毛台451の回動方向先端側(図中左端)では、刷毛台451の上面が、吸口部454の上面に最も近付くと同時に、刷毛台451の側面が吸口部454の内側面から最も離れるが、フランジ457を吸口部454の下端に沿うように形成することで、刷毛台451側面と吸口部454の隙間からの吸気漏れを低減し、吸口形成部450下部開口からの吸込力低下を抑えることができる。
【0060】
図28に、先端側の回動接続部400を手元操作部12に接続した時の外観斜視図を示す。回動接続部400の筒形状部406は、外側表面の上側と下側が手元操作部12の接続部または延長管13の内側表面に対応した形状、つまりR形状を有する係合部441を備える。係合部441の外側表面の上側と下側は、軸方向で回動ベース部407へ向かうに従って徐々に拡がっているのが好ましい。筒形状部406の係合部441よりも開口側の外形(外側表面の直径)は、係合部441の外形(外側表面の直径)よりも小さい。そして、回動接続部400の筒形状部406が、後継手201の筒形状部205と同様に手元操作部12の接続部または延長管13の内側に挿入され、係合部441が手元操作部12の接続部または延長管13の内側表面に当接し、そして、手元操作部12または延長管13に設けられた着脱用クランプの抜け止め用の爪(図示せず)、筒形状部406に設けられた凹み部440にはめ込まれる。これによって、回動接続部400と手元操作部12または延長管13とが接続される。接続管300に接続することなく回動接続部400を吸込具として使用することができるため、軽量で負担なく、机や高さの低い棚など身近な場所を容易に掃除することができる。
【0061】
図15は吸込具100を使用した家具や冷蔵庫の上面など高所を掃除する例を示す。図14は、図15で使用している状態の吸込具100の斜視図を示す。図14では手元側の回動接続部200と中間の接続管300と先端側の回動接続部400はそれぞれの接続部で接続され、抜け止め突起により容易に外れなくなっている。手元側の回動接続部200は回動角45度回動され、ロック機構により回動位置が固定されている。先端側の回動接続部400では、回動部408や回動ベース部407などで形成される連結部431が、回動角45度回動され、ノッチにより回動位置がある程度固定され、また、軸突起427と連結穴423にて形成される連結部432が、接続管300の軸心上に対して吸口形成部426が下側にくる位置まで回動している。また、中間の接続管300を最長に延長している。図15に示すように、手元操作部12に延長管13の一端を接続し、延長管13の他端に回動接続部200を接続することで、例えば家具の上面や一般的な冷蔵庫の上面を掃除することができる。手元操作部12は家具900より低い位置にあり、これに接続される延長管13の一端も家具900より低い位置にあるが、延長管13は他端(先端)は家具900の上方に位置している。延長管13は他端側が上を向くように傾斜した状態となっている。延長管13の他端に接続される回動接続部200は、これに接続される接続管300が家具900の上面に沿うように、下方に向けて回動している。この回動により、接続管300は家具900の上面を沿うような状態となる。さらに接続管300に接続される回動接続部400は、前継手402の先端部が家具900の上面に向くように下方に向けて回動し、前継手402の先端部に設けられた刷毛422が家具900の上面に接触する。これにより、家具の上面や一般的な冷蔵庫の上面を掃除することが可能となる。本実施例の場合、高さ寸法が1800mm、奥行き寸法が600mmあるような家具900においても、手元操作部12を1200mm程度の高さまで持ち上げると、家具900の上面の奥まで容易に掃除を行うことができる。この時、掃除面を視界に捉えることは困難であるが、図26のように、回動接続部400の先端を揺動可能な構成とした場合、刷毛台451が揺動し、吸口(開口)面が掃除面に追従して、ごみの取り残しを少なくし、より効率よく掃除することができる。
【0062】
本実施例においては、手元側の回動接続部200と先端側の回動接続部400といったように回動接続部を複数設けたことにより、手元操作部12の高さ位置は高所の被掃除面よりも低い位置にあり、使用者の腕に掛かる負担は小さいのである。また、回動接続部間を伸縮可能としているので、奥行き寸法が短い高所にも対応するのである。
【0063】
また、使用時に手元側の回動接続部200を回動させようとすると、従来は吸込具100を力の加えやすい手元付近まで引き寄せ、一方の手で接続管300を持ち、もう一方の手で延長管13を持って力を加える必要があったが、本実施例においては、手元側の回動接続部200にロック機構を設け、回動させるのに大きな力を加える必要がないため、手元操作部12を持つ手はそのままで、もう一方の手でロックを解除状態として、吸口先端(例えば吸口形成部426)を掃除面に軽く押し当てることで回動させることも可能である。ここで、掃除機用の吸込具100は、手元操作部12の接続部にも接続可能であるから、延長管13を接続せずに使用することもできる。また、接続方法は抜け止め突起による方法に限らず、ねじ接続やクランプ接続で構成して、強固な接続としてもよい。
【0064】
また、図16に示すように、手元側の回動接続部200と中間の接続管300と先端側の回動接続部400は、分離可能としてもよい。これらは、抜け止め突起で容易に外れないようになってはいるものの接続しないで使用することは可能であり、例えば先端側の回動接続部400を接続しないようにすれば、先端側の回動接続部400の幅では入らなかった狭い隙間にも到達することが可能となるし、また、手元側の回動接続部200に短い吸込口(図示せず)を接続すれば身近な所の掃除に適するのである。
【0065】
回動接続部400は、接続管300に接続された状態で刷毛422が下方側を向くような状態(図1,図14,図15,図16)の他に、図17に示すように、接続管300に接続された状態で刷毛422が上方側を向くような状態となるように、先端側の回動接続部400を上下(左右)逆にして取り付けることができる。すなわち、回動接続部400の回動方向が接続管300に対して異なる方向に回動するように、回動接続部400が接続管300に着脱自在となっている。回動接続部400を接続管300に対して上下方向(左右方向)を逆に接続することにより、接続管300に対する回動接続部400の回動方向を異ならせることができ、掃除できる範囲が広がる。
【0066】
本実施例では、接続管300に接続された状態で刷毛422が上方側を向くようにすると、図18に示すように、例えば天井800など、掃除面が真下を向いた箇所も掃除することができ、しかも回動接続部間を伸縮可能としているので、家具900などが邪魔をして延長管13などが届かない、奥行きのある狭い空間の天井面でも掃除することができる。この時、家具900などが視界を遮り、掃除面を視界に捉えることは困難であるが、図26のように、回動接続部400の先端を揺動可能な構成とした場合、刷毛台451が揺動し、吸口(開口)面が掃除面に追従して、ごみの取り残しを少なくし、より効率よく掃除することができる。
【0067】
手元操作部12は天井800より低い位置にあり、これに接続される延長管13の一端も天井800より低い位置にあるが、延長管13は他端(先端)は天井800の近くに位置している。延長管13は他端側が上を向くように傾斜した状態となっている。延長管13の他端に接続される回動接続部200は、これに接続される接続管300が天井800に沿うように、下方に向けて回動している。この回動により、接続管300は天井800の下面を沿うような状態となる。さらに接続管300に接続される回動接続部400は、前継手402の先端部が天井800を向くように上方に向けて回動し、前継手402の先端部に設けられた刷毛422が天井800に接触する。これにより、天井800を掃除することが可能となる。しかも家具900の上方に位置する天井800であっても、家具900と干渉することなく、家具900との接触を回避しつつ天井800の掃除を行うことができる。本実施例の場合、高さ寸法が2200mmの天井800においても、手元操作部12を1400mm程度の高さまで持ち上げると、天井800の清掃を容易に掃除を行うことができる。
【0068】
また、本実施例では、図19に示すように机1000の下など、床面との空間が狭く、延長管13の入らない奥行きのある隙間でも掃除することができる。この場合、接続管300に接続される回動接続部200を、図14,図15,図18に示す状態とは上下逆に回動するように取り付ける。図14,図15,図18においては、延長管13に接続された回動接続部200が、延長管13に対して接続管300を下方に回動するように接続している。図19では、これとは逆に延長管13に接続された回動接続部200が、延長管13に対して接続管300を上方に回動するよう接続にしている。この時、机1000などが視界を遮り、掃除面を視界に捉えることは困難であるが、図26のように、回動接続部400の先端を揺動可能な構成とした場合、刷毛台451が揺動し、吸口(開口)面が掃除面に追従して、ごみの取り残しを少なくし、より効率よく掃除することができる。
【0069】
手元操作部12は机1000より高い位置にあり、これに接続される延長管13の一端も机1000より高い位置にあるが、延長管13は他端(先端)は下方の床面1300近くに位置している。延長管13は他端側が下を向くように傾斜した状態となっている。延長管13の他端に接続される回動接続部200は、これに接続される接続管300が床面1300に沿うように、延長管13の軸方向に対して上方に向けて回動している。この回動により、接続管300は床面1300を沿うような状態となる。さらに接続管300に接続される回動接続部400は、前継手402の先端部が床面1300を向くように下方に向けて回動し、前継手402の先端部に設けられた刷毛422が床面1300に接触する。これにより、床面1300を掃除することが可能となる。
【0070】
また、回動接続部200および回動接続部400は、手元操作部12または延長管13に接続する際、手元操作部12または延長管13に設けられた着脱用クランプの抜け止め用の爪(図示せず)を図16および図17に示す回動接続部200の筒形状部205に形成された凹み部218,回動接続部400の筒形状部406に形成された凹み部440で受ける形状ではなく、テーパ嵌合とすれば、抜け止め用の爪がない延長管や操作ハンドルにも接続することができ、専用の接続部品を必要としないことが可能である。
【0071】
テーパ嵌合とした場合には、吸込具100、または回動接続部400を手元操作部12、または延長管13の他端側に上下逆に取り付けすることができる。この場合でも、上述した本実施例の効果を得ることができる。
【0072】
以上のように本実施例によれば、吸込具100に回動接続部を複数設け、回動接続部にはノッチ機構とロック機構の両方を備えたので、使用時には回動角度が確実に固定され、角度調整時には容易に回動させることができ、ロック状態のまま過大な力が加わった場合にはロックが解除される構造とした。また、回動連結部の間に設けた接続管に対して回動連結部の少なくとも一方を接続管に対して上下逆に取り付け可能にしたので、家具などが邪魔をして延長管などが届かない、奥行きのある狭い空間の天井面でも掃除することができる。また、回動連結部(関節)間を伸縮自在としたので、さまざまな高所の奥行きに対応可能である。さらに、吸込具100は手元操作部12、または延長管13の他端側に上下逆に取り付け可能にしたので、机の下など、床面との空間が狭く、延長管の入らない奥行きのある隙間でも掃除することができる。また、吸口形成部の刷毛台を揺動可能にしたので、高所や天井面,机の下などの奥行きのある狭い空間でも、吸口(開口)面が掃除面に追従して、ごみの取り残しを少なくし、効率よく掃除することができる。さらに、吸込具100の先端の吸口形成部426を直接、手元操作部、または延長管の他端側に取り付け可能であり、略T字形状とすることで前後方向への掃除面を多くとることができ、左右方向へは摩擦面を減らすことができるため手元側への負担を減らすことができる。
【符号の説明】
【0073】
10 掃除機本体
11 ホース
12 手元操作部
13 延長管
14,15 吸口体
100 吸込具
200,400 回動接続部
300 接続管
【技術分野】
【0001】
本発明は電気掃除機に係り、特に、床用の略T字形状の吸口以外に、もう一つの吸口を備える電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電気掃除機は、例えば特許文献1(特開2000−300484号公報)に開示されているように、グリップ部と延長パイプの間に延長パイプ折曲用アタッチメントを設けている。この折曲用アタッチメントは、L字状の2本のエルボパイプから構成され、この2本のエルボパイプを回動可能に接続している。そして、このエルボパイプを回動させることにより、ベッドやテーブルの下、あるいはエアコンなどの上部の掃除を行うようにしている。
【0003】
また、特許文献2(特開2002−253456号公報)に開示されているように、上延長管と下延長管との間に回動可能な関節部を設け、ソファやベッドの下などの掃除を行うようにした電気掃除機が提案されている。
【0004】
また、特許文献3(特開2007−44267号公報)に開示されているように、吸込口部に連結部を介して接続管を接続し、連結部の回動軸を中心にし接続管を吸込口部の吸込口側まで回動させ、エアコンや家具の上などの掃除を行うようにした電気掃除機が提案されている。
【0005】
また、特許文献4(特開2009−66332号公報)に開示されているように、延長管にフック体を用いて伸縮可能な付属吸込具を取り付けるようにした電気掃除機が提案されている。
【0006】
また特許文献5(特開2009−297370号公報)に開示されているように、回動可能な複数の回動連結部と、接続管を有し、回動連結部を上下両方向に接続可能な付属吸口を有する掃除機が提案されている。この付属吸口は、使用時には、床用吸口の代わりに、延長管の先端に接続され、高い棚や冷蔵庫の上、また回動連結部の接続方向を変えることで、奥行きのある天井面や、床面との空間が狭い机の下など、狭い隙間を掃除でき、収納時には、延長管の側面に係合できる。
【0007】
また、非特許文献1(日立アプライアンス株式会社、2010年2月発行「HITACHI、クリーナー、総合カタログ、2010−2」、7−8ページ)に開示されているように、二つの関節を備え、その1つの関節の間の管が伸縮自在で、先端に、吸口(開口)面と水平な方向に回動可能なブラシを有する付属吸口を備えた掃除機が提案されている。この付属吸口は、使用時には、先端を略T字形状として、清掃効率や安定感を向上でき、収納時には先端を略I字形状として、延長管の側面に係合できる。
【0008】
また、特許文献6(特開2009−261432号公報)に開示されているように、回動可能な複数の回動連結部と、伸縮可能な接続管を有し、回動連結部にノッチ機構を二重に設け、片方のノッチ機構は、解除ボタンを押すことにより、その機能を解除でき、付勢手段によって、所定の位置へ押し戻される付属吸口を備えた掃除機が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−300484号公報
【特許文献2】特開2002−253456号公報
【特許文献3】特開2007−44267号公報
【特許文献4】特開2009−66332号公報
【特許文献5】特開2009−297370号公報
【特許文献6】特開2009−261432号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】日立アプライアンス株式会社、2010年2月発行「HITACHI、クリーナー、総合カタログ、2010−2」、7−8ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記特許文献1に記載の電気掃除機においては、回動部としての延長パイプ折曲用アタッチメントは、グリップ部と延長パイプの間にのみあるので、高所を掃除するにあたっては重い延長パイプと床用吸込具を高所の上面と同じ高さまで持ち上げる必要があり、また操作ハンドル位置も高いため、腕を上げながらの掃除を強いられ、身体的負担が大きい。また、床用吸込具に代えて簡単なブラシ付き吸込具にした場合、ブラシ面を高所の上面に押し付けるようにするため、延長管及び操作ハンドルはさらに高い位置に持ち上げながら掃除しなければならないという問題がある。
【0012】
また、上記特許文献2に記載の電気掃除機においても、上延長管と下延長管との間に回動可能な関節部を設けているので、高所を掃除するにあたっては重い延長管と床用吸込具を高所の上面と同じ高さまで持ち上げる必要があり、腕を上げながらの掃除を強いられ、身体的負担が大きいものである。
【0013】
また、上記特許文献3に記載の電気掃除機においては、高所掃除の場合、掃除箇所に接続管が接触するので、吸込口部の長さ分しか奥行きに対して掃除ができず、家具や冷蔵庫の天面などの奥が掃除できないものであった。
【0014】
また、上記特許文献4に記載の電気掃除機においては、付属吸込具に関節機構がなく、高所を掃除するのが困難であった。
【0015】
また、上記特許文献5に記載の電気掃除機においては、付属吸口の先端のブラシが軸方向に長いため、使用者が手前と奥とを往復させて操作する場合には清掃効率が低下し、または使用者が左右に往復させて操作する場合には管部分がたわんで不安定になりまた操作性も低下するものであった。
【0016】
また、上記非特許文献1に記載の電気掃除機においては、付属吸口に関節機構が二箇所あり、この角度を調整することで、高い棚や冷蔵庫の上、天井面などの高所で奥行きのある場所の掃除が可能になっている。使用者が関節機構の角度を調整するには、両手を使い、管部分を屈折させることになる。このとき、角度調整後のロック機構がないので、掃除中に勝手に角度がずれてしまうという問題があり、角度が容易にずれないようにノッチ力を強くすると、関節機構を屈折させるには大きな力を加える必要があった。
【0017】
また、上記特許文献6に記載の電気掃除機においては、付属吸口のノッチ機構は、回動角度を保持できるだけの力で当接されているため、解除後のノッチ機構(ノッチリング)を、所定の位置へ押し戻すには、大きな付勢力が必要であり、解除ボタンを押すには、さらに大きな力を加える必要があった。
【0018】
本発明の目的は、複数の関節機構により屈曲可能な吸込具での清掃効率または操作性を向上した電気掃除機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、複数の関節機構により屈曲可能な吸込具の関節機構の少なくとも1つに、屈曲をロックし、また使用者の操作によって屈曲のロックを解除可能なロック機構を設けたことを特徴とする。
【0020】
本発明は、手元操作部または延長管の他端側に接続可能な吸込具が、手元操作部または延長管の他端側に接続可能な接続管と接続管に接続可能な略T字形状の第2の吸口体とを備え、第2の吸口体は、接続管側に形成される吸口部と、吸口部の接続管側とは反対側の開口部に形成される刷毛部とを備え、刷毛部は、吸口部に対して揺動可能に形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、吸込具の関節機構にロック機構を備えるため、使用時には、関節機構のぐらつきを低減し、操作性を向上することができ、また回動角の調整を容易に行うことができる。
【0022】
また、本発明によれば、刷毛部が吸口部に対して揺動可能であることにより、刷毛部が平坦でない清掃面に追従するため、清掃効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施例に係る吸込具の斜視図。
【図2】本発明の一実施例に係る手元側の回動接続部の分解図。
【図3】本発明の一実施例に係る椀形状カバーのP視図。
【図4】本発明の一実施例に係る手元側の回動接続部の断面図。
【図5】本発明の一実施例に係る手元側の回動接続部の部分断面斜視図。
【図6】本発明の一実施例に係る吸込具の断面図。
【図7】本発明の一実施例に係る手元側の回動接続部の解除ボタンの斜視図。
【図8】本発明の一実施例に係る手元側の回動接続部のロック機構側の蓋体の斜視図。
【図9】本発明の一実施例に係る接続管の斜視図。
【図10】本発明の一実施例に係る接続管の延長時斜視図。
【図11】本発明の一実施例に係る接続管のストッパー断面図。
【図12】本発明の一実施例に係る接続管のストッパー押し時断面図。
【図13】本発明の一実施例に係る先端側の回動接続部の分解図。
【図14】本発明の一実施例に係る吸込具の回動及び延長時の斜視図。
【図15】本発明の一実施例に係る高所掃除の一例図。
【図16】本発明の一実施例に係る吸込具の分離時斜視図。
【図17】本発明の一実施例に係る吸込具の分離時斜視図。(逆組)
【図18】本発明の一実施例に係る天井掃除の一例図。
【図19】本発明の一実施例に係る床面掃除の一例図。
【図20】本発明の一実施例に係る電気掃除機の外観斜視図。
【図21】本発明の一実施例に係る先端側の回動接続部の外観斜視図および横断面図。
【図22】本発明の一実施例に係る先端側の回動接続部の横断面図。
【図23】本発明の一実施例に係る先端側の回動接続部の外観斜視図および上断面図。
【図24】本発明の一実施例に係る吸込具の上面図および上断面図。
【図25】本発明の一実施例に係る吸口形成部の分離時斜視図。
【図26】本発明の一実施例に係る吸口形成部の外観斜視図および縦断面図および横断面図。
【図27】本発明の一実施例に係る吸口形成部の分解時斜視図。
【図28】本発明の一実施例に係る先端側の回動接続部を手元操作部に接続した時の外観斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、手元操作部または延長管の他端側に接続可能な吸込具を備え、吸込具は、手元操作部または延長管の他端側に接続可能な接続管(例えば、根元側の回動接続部および接続管)と接続管に接続可能な略T字形状の第2の吸口体(例えば、回動接続部)とを備え、吸込具は、複数の関節機構により屈曲可能にしたことを特徴とする。本発明によれば、第2の吸口体が略T字形状であるため、操作性の低下を招くことなく、清掃効率を向上できる。特に、第2の吸口体に接続される接続管を含めた吸込具が複数の関節機構を有するため、高所を清掃することができ、清掃範囲を広げることができる。また、第2の吸口体が複数の関節機構を備えるため、使用者の使い勝手を向上することができる。
【0025】
また、本発明は、手元操作部または延長管の他端側に接続可能、または手元操作部または延長管の他端側に延長管とは異なる接続管を介して接続可能な略T字形状の第2の吸口体(例えば、回動接続部)を備え、第2の吸口体は、複数の間接機構により屈曲可能であることを特徴とする。本発明によれば、第2の吸口体が略T字形状であるため、操作性の低下を招くことなく、清掃効率を向上できる。特に、第2の吸口体に接続される接続管を含めた吸込具が複数の関節機構を有するため、高所を清掃することができ、清掃範囲を広げることができる。また、第2の吸口体が複数の関節機構を備えるため、使用者の使い勝手を向上することができる。
【0026】
また、本発明は、手元操作部または延長管の他端側に接続可能、または手元操作部または延長管の他端側に延長管とは異なる接続管を介して接続可能な第2の吸口体(例えば、回動接続部)を備え、すきま用吸口を形成する接続管の開口端が第2の吸口体の接続側開口端内に挿入されることによって、接続管と第2の吸口体とが接続され、第2の吸口体の接続側開口端が手元操作部または延長管の他端側の開口内に挿入されることによって、手元操作部または延長管と第2の吸口体とが接続されることを特徴とする。本発明によれば、第2の吸口体が手元操作部または延長管にもすきま用吸口を形成する接続管にも接続可能であるため、使用者の使い勝手を向上することができる。
【0027】
また、本発明は、手元操作部または延長管の他端側に接続可能、または手元操作部または延長管の他端側に延長管とは異なる接続管を介して接続可能な略T字形状の第2の吸口体(例えば、回動接続部)を備え、第2の吸口体の吸口形成部の長手方向の幅は、第1の吸口体の長手方向の幅よりも短く、第2の吸口体の吸口形成部の短手方向の幅は、手元操作部または延長管の他端側に接続可能、または手元操作部または延長管の他端側に延長管とは異なる接続管を介して接続可能な継手管の幅と略同等または短いことを特徴とする。本発明によれば、第2の吸口体の吸口形成部の短手方向の幅は、継手管の幅と略同等または短いため、第2の吸口体の略I字形状として収納する際に、収納性を向上することができる。また、収納時の安定性も向上できる。
【0028】
また、本発明は、複数の関節機構により屈曲可能な吸込具の関節機構の少なくとも1つに、屈曲をロックし、また使用者の操作によって屈曲のロックを解除可能なロック機構を設けたことを特徴とする。本発明によれば、吸込具の関節機構にロック機構を備えるため、使用時には、関節機構のぐらつきを低減し、操作性を向上することができ、また回動角の調整を容易に行うことができる。
【0029】
また、本発明は、手元操作部または延長管の他端側に接続可能な吸込具が、手元操作部または延長管の他端側に接続可能な接続管と接続管に接続可能な略T字形状の第2の吸口体とを備え、第2の吸口体は、接続管側に形成される吸口部と、吸口部の接続管側とは反対側の開口部に形成される刷毛部とを備え、刷毛部は、吸口部に対して揺動可能に形成されることを特徴とする。本発明によれば、刷毛部が平坦でない清掃面に追従するため、清掃効率を向上できる。
【0030】
以下、本発明の実施例を添付の図面に基づいて説明する。
【0031】
図20は本発明の一実施例に係る電気掃除機の外観斜視図である。図20において、10は吸引力を発生させる電動送風機及び集塵部を備えた掃除機本体、11は一端がホース継手11aを介して掃除機本体10に接続されたホースであり、集塵部と連通する。12は一端がホース11の他端に接続され、電動送風機の入切を行うスイッチ操作部12aを備えた手元操作部である。13は一端が手元操作部12の他端に接続され伸縮可能な延長管であり、14は延長管13の他端に接続された吸口体であり、15は延長管13と吸口体14との間または手元操作部12と延長管13との間に接続された吸口体である。ホース11,手元操作部12,延長管13,吸口体14,吸口体15のそれぞれの内部には吸込通路が形成され、吸口体14と掃除機本体10の集塵部とが連通する。使用者がスイッチ操作部12aを操作し電動送風機が運転を開始すると、吸引力が発生する。この吸引力は吸口体14に至り、吸口体14から吸込んだ塵埃は延長管13,手元操作部12,ホース11を通り、掃除機本体10の集塵部に集塵される。吸口体14は、吸込流によって回転するまたは電動で回転する回転ブラシを吸口(開口)内に有し、主に床面清掃用に利用される。吸口体15は、ブラシを吸口(開口)周囲に有し、主に家具の隙間、あるいは家具の上部やエアコンの清掃用に利用される。ただし、吸口体15は、必須の構成ではない。
【0032】
手元操作部12と延長管13,延長管13と吸口体14と、さらには手元操作部12および延長管13と吸口体15,延長管13および吸口体14と吸口体15はそれぞれ着脱自在に接続されている。木床や畳,絨毯といった掃除の場合は、手元操作部12,延長管13,吸口体14を接続した状態で掃除を行う。家具の隙間、あるいは家具の上部やエアコンを掃除する場合には、手元操作部12から延長管13を、あるいは延長管13から吸口体14を取り外し、手元操作部12あるいは延長管13に吸口体15または付属の吸込具100(図1)を接続して目的に応じた掃除を行う。以下、本実施例においては、特に家具の上部やエアコンといった高所掃除に有効な掃除機用の吸込具100について説明するが、被清掃場所は、高所に限定されない。
【0033】
図1は本発明の一実施例に係る掃除機用の吸込具100の全体外観図である。掃除機用の吸込具100は、手元操作部12または延長管13側(根元側)にある回動接続部200と、中間の接続管300と、先端側の回動接続部400とから構成されている。中間の接続管300は回動接続部200と回動接続部400との間に位置し、軸方向に伸縮可能となっている。ただし、接続管300の伸縮は必須の構成ではなく、接続管300は伸縮しなくてもよい。回動接続部200および回動接続部400は、軸方向に回動可能(屈曲可能)な関節機構を有する。回動接続部200は1つの関節機構を有し、回動接続部400は2つの関節機構を有するが、この数に限定されるものではない。吸口体14を第1の吸口体とすると、回動接続部400は第2の吸口体を形成する。吸口体15は、吸口(開口)端にさらに延長管13の接続部や吸口体14の接続部を接続可能であるが、吸口体14は、吸口(開口)端に延長管13の接続部を接続不可能であり、回動接続部400は、吸口(開口)端に延長管13の接続部や吸口体14の接続部を接続不可能である。ここで、軸方向の軸とは、略円筒状に形成された接続管300の中心軸をいう。
【0034】
図2は回動接続部200の分解斜視図である。図2(A)に示すように手元操作部12または延長管13側の回動接続部200は、手元操作部12または延長管13に手元操作部12または延長管13と連通する略円筒状の筒形状部205とこの筒形状部205の軸方向と直角方向に開いている椀形状部206とから成る後継手(管)201と、椀形状部206と対向してある椀形状カバー204と、接続管300に連通する略円筒状の筒形状部207と筒形状部207の軸方向と直角方向に軸を持つ樽形状部208とから成る前継手(管)202とで構成されている。樽形状部208の軸は、前継手202に対して後継手201が回動するための回動軸となる。樽形状部208の内部には、流路が形成される。樽形状部208の回動軸は、樽形状部208内を貫通するのではなく、樽形状部208の側面外側のそれぞれに1個ずつ形成される(合計2個)。よって、樽形状部208の回動軸によって樽形状部208内の流路を流れる空気が阻害されることを防止できる。筒形状部207は中間の接続管300と接続される。つまり、後継手201の一端が手元操作部12または延長管13に接続可能であり、前継手202の一端が接続管300に接続可能である。そして、後継手201の他端と前継手202の他端とが回動可能に連結される。尚、筒形状部205の椀形状部206とは反対側の開口端が、手元操作部12または延長管13の開口端の内側に挿入され、当接することによって、椀形状部206が手元操作部12または延長管13に接続される。よって、筒形状部205の椀形状部206とは反対側の開口端の外側表面径が先端に向かうに従って徐々に狭くなっており、その狭くなっている途中の外側表面径が、手元操作部12または延長管13の開口端の内側表面径に相当(一致)するのが好ましい。
【0035】
前継手202の樽形状部208は、後継手201の椀形状部206及び、椀形状カバー204の内側表面を略オフセットした形状であり、椀形状部206と椀形状カバー204に摺動可能(回動可能)に当接して組み立てられる。椀形状部206と椀形状カバー204には、それぞれ切り欠き部209,210があり、前継手202は切り欠き部の上端211と下端212の間を回動できる。図2(B)に示すように、椀形状部206の前継手202が当接する側と反対側には、回動角度を保持するロック機構を構成する略円形状の解除ボタン220,解除ボタン220が挿入される穴を備えた略円環形状の蓋体221及び、解除ボタン220の付勢手段222が配置される。付勢手段222は、解除ボタン220を外側へ付勢する。付勢手段222は、例えばコイルバネであるが、解除ボタン220を外側へ付勢するものであれば、他の弾性体であってもよい。但し、蓋体221は必須の構成ではなく、椀形状部206の底面に解除ボタン220が挿入される穴を備え、椀形状部206と前継手202の間に、解除ボタン220,付勢手段222を配置してもよい。前継手202の樽形状部208の椀形状部206が当接する側は、外周から中心側へ向けて突出した回り止めレール223を有し、回り止めレール223は、椀形状部206の底面に開けられた穴を通して、椀形状部206の解除ボタン220が配置される側へ突出し、解除ボタン220の外周側に形成された回り止め溝224に挿入してある。蓋体221は中央の穴に解除ボタン220を挿入し、解除ボタン220を外に露出させて、付勢手段222の力に抗して椀形状部206に固定され、回動時には、解除ボタン220は前継手202と一緒に、蓋体221は後継手201と一緒に回動するようになっている。前継手202と椀形状カバーの間には、回動角度位置を知らしめるノッチ感(クリック感)を発生させるノッチリング203を配置している。ノッチリング203は、円環形状で内周に回り止め突起213を有し、外周にはノッチ感(クリック感)を発生させるノッチ突起214(突起)を有し、ノッチ突起214は前継手202の樽形状部208の椀形状カバー204が当接する側の底面に設けた回り止め溝215に挿入してあり、前継手202と一緒に回動するようになっている。ただし、このような構造であるため、後継手201と前継手202との回動範囲は、360度ではなく、所定の範囲に限定される。
【0036】
このように、本実施例では、複数の関節機構のうち手元操作部12または延長管13側(根元側)にある関節機構(回動接続部200)にロック機構を設けている。使用者は、清掃時に、手元操作部12または延長管13側(根元側)を持つ(支持)することになるため、先端側にある関節機構に比較して根元側にある関節機構のほうが先端側にかかる荷重,負荷が大きくなるため、先端側にある関節機構に比較して根元側にある関節機構のほうがぐらつきが大きくなる。そこで、本実施例では、複数の関節機構のうち手元操作部12または延長管13側(根元側)にある関節機構(回動接続部200)にロック機構を設けることによって、効果的にぐらつきを抑制できる。
【0037】
図3に示すように椀形状カバー204の内側底面には、ノッチリング203の外周のノッチ突起214を押し込み、ノッチリング203をたわませる略円形リブ216があり、この円形リブ216にはノッチリング203の外周のノッチ突起214を押し込まない凹み部217が所定の角度に形成されている。これにより後継手201と前継手202は、椀形状部206と樽形状部208の中心軸を軸として回動可能で、ノッチリング203はノッチ突起214が略円形リブ216の凹み部217内に収まっていて、前継手202の回動に際しノッチリング203は前継手202と一緒に回動し、ノッチ突起214は凹み部217を乗り上げてリングの半径方向にたわみ、略円形リブ216に当接しながら回動先の凹み部217へ到達し、たわみが解放されて凹み部217に収まり、この収まりによって回動角度位置はある程度固定されるのである。
【0038】
本実施例においては、ノッチ突起214の個数は2個で、凹み部217の箇所は2箇所であるが、本構成に限定されるものではない。ノッチリング203の設置については、本事例とは逆にノッチリング203を挿入する溝215を椀形状カバー204に、ノッチリング203をたわませる円形リブ216を前継手202に形成してもよい。また、ノッチリング203は、後継手201と前継手202が当接する側にあってもよく、その場合ロック機構は、椀形状カバー204側に形成される。また、ノッチ感を発生させる方法は、本事例の方法に限定されるものではなく、例えばリングの代わりにコイルバネを、ノッチ突起の代わりに鋼球を使用すれば、同様の効果を得られるのである。
【0039】
図4(A)にロック状態のロック機構の断面図を示し、(B)にロック解除状態のロック機構の断面図を示す。図4(A)に示すように、解除ボタン220はバネ等の付勢手段222により、ロック突起225が、蓋体221に形成されたロック溝226に嵌まる方向に付勢されており、ロック突起225とロック溝226の嵌合によって、回動角(屈曲角)が固定されている。図4(B)に示すように、付勢手段222の付勢に抗して使用者が解除ボタン220を押している間は、ロック突起225が蓋体221のロック溝226から離れて非嵌合になるので、関節機構を回動させることができる。この時、ノッチ機構により、ある程度、回動角度が固定されるため、不用意に回動して手や指を挟んだり、ぶつけたりするおそれが少ない。また使用者は、回動時のノッチ感(クリック感)により、段階的に回動させることができるため、迷わず好みの角度に調整ができる。ロック機構は、樽形状部208の側面の外側、すなわち流路を形成する壁面の外側に形成されるため、樽形状部208内の流路を流れる空気が阻害されるのを防止できる。
【0040】
図5(A)にロック状態で関節部を直線状とした時のロック機構の部分断面斜視図を示し、(B)にロック解除状態で関節部を回動させた時のロック機構の部分断面斜視図を示す。本実施例においては、関節部の回動角度が0度,22.5度,45度と3段階になるように、蓋体221のロック溝226は22.5度間隔で配置されているが、本構成に限定されるものではない。また、解除ボタン220のロック突起225と蓋体221のロック溝226の当接側面は、両側とも回動軸方向と平行ではなく回動軸方向に対して所定角度傾斜しており、すなわち台形をしている。そのため、ロック突起225が付勢手段222によって、ロック溝226と嵌合しているロック状態で、一定の大きな回動力が加わると、ロック突起225とロック溝226の当接側面(傾斜面)が摺動し始め、解除ボタン220が付勢手段222の付勢に抗して移動し、ロック突起225がロック溝226から離れるので、過大な力が加わった場合の破損のおそれはない。ただし、ロック突起225とロック溝226の形状を台形とすることは必須ではなく、当接箇所におけるロック突起225,ロック溝226の何れか一方が傾斜面をなせば、もう一方を直立面としてもよい。また、台形の代わりに、三角形でもよい。
【0041】
図6(A)に回動接続部200を直線状とした時の吸込具100の図1のA−A断面図と、(B)に回動接続部200を45度回動させた時の吸込具100の図1のA−A断面図を示す。図6中の矢印は、使用時に、吸込具100の内部に形成した吸い込み通路を流れる空気の流れを示し、一点鎖線の交点は、回動接続部220の回動軸中心を示している。この時、解除ボタン220,蓋体221,付勢手段222によるロック機構を関節機構の回動軸と略同軸上に設けたため、図6(B)に示すように、回動時にも空気の流れを阻害することがなく、吸込力を維持することが可能である。本構成によると、解除ボタン220のロック突起225及び蓋体221のロック溝226の高さは、関節機構の内部の吸い込み通路と、関節機構の幅寸法及び解除ボタン220の移動範囲によって規制される。吸い込み通路は、吸込力に関わるため、一定の面積を確保する必要があり、関節機構の幅寸法は、家具の隙間等の狭所の掃除の妨げとならないよう、所定の寸法以下とする必要がある。解除ボタン220の移動範囲は、使用者が誤ってロックを解除するおそれの無いよう、一定以上とする必要があり、本実施例では4mmとしている。また、ロック突起225とロック溝226の幅(径方向)は、回動接続部220の椀形状部206の直径により規制されるが、椀形状部206が家具の隙間等の狭所の掃除の妨げとならないよう、所定の寸法以下にする必要がある。ロック突起225及び、ロック溝226は、関節機構の回動軸近傍に位置し、吸込具100の使用時には過大な力が加わる場合があるが、上記した条件により、ロック突起225とロック溝226の当接面に応力に耐えうる面積を確保することは困難であるため、ロック突起225とロック溝226の当接箇所を複数設けて、応力を分散することが好ましく、本実施例においては、当接箇所を4箇所としている。
【0042】
図7に示すように、解除ボタン220は、ロック解除時に使用者が押すボタン部227と、解除ボタン220の中心軸と中心を同一とする円形のフランジ部228を有する。フランジ部228は、外周に回り止め溝224を有し、ボタン部227側上面には、ロック突起225が形成される。本実施例においては、解除ボタン220の中心軸を中心として対向する位置に2箇所の回り止め溝224を設けており、ロック突起225は、解除ボタン220の中心軸を中心に、等間隔に4箇所設けている。また、回り止め溝224は、解除ボタン220動作時の片寄りによる動作不良を防ぐ目的で、前継手202の回り止めレール223に沿うように、回り止め溝224形状を延長する補助壁229を有し、同様の目的で、ボタン部227の形状を円筒形状とし、フランジ部228の形状を円形としている。また、ロック突起225と回り止め溝224とは、円周方向で異なる位置とした。また、フランジ部228からのロック突起225の高さは、フランジ部228からの解除ボタン220の高さよりも低くした。
【0043】
図8に示すように、蓋体221は、解除ボタン220のボタン部227が挿入される中央の穴と、その周囲に配置された複数のロック溝226を有し、外周側面には前継手201の椀形状部226に係合する爪230を有する。本実施例においては、爪230を等間隔に4箇所配置している。ロック溝226は、複数の略台形の山部のそれぞれ間に形成される。ロック溝226は、円周方向において爪230を除いた部分に形成される。
【0044】
図2に示す後継手201の筒形状部205には手元操作部12の接続部または延長管13が接続可能となっており、手元操作部12または延長管13に設けられた着脱用クランプの抜け止め用の爪(図示せず)を受ける凹み部218が筒形状部205の椀形状部206側の外側表面にある。また前継手202の筒形状部207には接続管300が接続部305によって接続可能となっており、接続管の抜け止め用突起305を受ける円周方向に延びる2つの穴部219がある。
【0045】
図9,図10に示すように接続管300は、中空の鞘体301(外管)に中空のブレード体302(内管)が伸縮自在に収められている。鞘体301の接続部305の断面形状は略円形状であり、鞘体301の接続部305以外の断面形状は略角形状である。ブレード体302の外側下面には等間隔で凹み部309が形成されている。鞘体301のブレード体302が伸縮出入りする側の端部には、ストッパー303が軸304で半径方向に回動自在に備えられている。鞘体301の他端側(接続部305)の外周には、抜け止め突起305が形成され、ブレード体302の先端部の両側面にも、軸方向に垂直な方向に延びる抜け止め突起306が形成されている。抜け止め突起306は、両側面のそれぞれに、軸方向にすらして2個ずつ形成される。抜け止め突起306は、両側面のそれぞれに、1個でもよいし、3個以上でもよい。ブレード体302の先端部は、短手方向の幅が吸込具100で最も狭くなっており、先端部から他端側下方に向かって傾斜するように(テーパ状に)形成されているため、手元操作部12あるいは延長管13に接続管300を接続した状態で、隙間等の掃除を行うことができる。つまり、ブレード体302の先端部は、すきま用吸口(ノズル)を形成する。また、このブレード体302の先端部は回動接続部400との接続部となっており、この接続部に回動接続部400と接続した時の抜け止め突起306が形成されている。本実施例のように、使用者が、接続管300と回動接続部200とを容易に分離可能であることが好ましいが、使用者が、接続管300と回動接続部200とを容易に分離不可能な接続構造であってもよい。
【0046】
図11,図12にストッパー303の構成を示す。図11,図12に示すようにストッパー303は、バネ等の弾性体307により爪部308がブレード体302の外表面に形成された複数の凹み部309に嵌まる方向に付勢されており、ブレード体302の伸縮位置を固定する。弾性体307の付勢に抗して使用者が指でストッパー303を押している間は、爪部308がブレード体302の凹み部309から離れるので、ブレード体302の伸縮を自由に行うことができる。
【0047】
図13に回動接続部400の構成を示す。図21(A)に、略T字形状時の回動接続部400の外観斜視図を示し、図21(B)に図21(A)のB−B断面の断面図を示す。図22に、略I字形状時の回動接続部400の図21(A)のB−B断面の断面図を示す。図23(A)に、略T字形状時の回動接続部400の外観斜視図を示し、図23(B)に図23(A)のC−C断面の断面図を示す。図13に示すように先端側の回動接続部400は、接続管300のブレード体302の先端部(接続部)を受け入れる筒形状部406と、横断面が略円形の回動ベース部407とから成る後継手(管)401と、横断面が略円形の回動部408と筒形状部409とから成る前継手(管)402と、前継手402の回動部408と対向してある回動カバー405と、蓋体404と、前継手402の軸突起427を軸支する連結穴423にて連結される回動軸体(継手部材)424と、回動軸体424と連結する回動突起425を設けた吸口形成部426とから構成されている。前継手402の回動部408と回動カバー405は、後継手401の回動ベース部407を覆うように、且つ回動ベース部407に対し摺動可能に組み立てられる。前継手402の回動部408と反対側の端部の両側面に、円柱状の軸突起427を備え、さらに、軸突起427の上側に円柱状の摺動突起428を備える。
【0048】
前継手402の回動部408と回動カバー405には、それぞれ切り欠き部410,411があり、前継手402は切り欠き部の上端部412と下端部413が後継手401に突き当たるまでの間を回動できる。回動ベース部407と回動部408の接続間には、回動角度位置を知らしめるノッチ感を発生させるノッチリング403を配置している。ノッチリング403は、ノッチリング203と同様な形状であり、回り止め突起414とノッチ突起415(突起)を有し、後継手401の回動ベース部407の側面に設けた回り止め溝416に挿入してある。
【0049】
前継手402の回動部408には、ノッチリング403の外周のノッチ突起415を押し込みノッチリング403をたわませる略円形穴417があり、この円形穴417にはノッチリング403の外周のノッチ突起415を押し込まない凹み部418が所定の角度に形成されている。また、回動部408には爪穴419が形成されており、蓋体404は爪420を嵌め合わせ固定されている。
【0050】
これにより後継手401と前継手402は、回動ベース部407と回動部408の中心軸を軸として回動可能で、ノッチリング403はノッチ突起415が略円形穴417の凹み部418内に収まっていて、前継手402の回動に際し、ノッチ突起415は凹み部418を乗り上げてリングの半径方向にたわみ、略円形穴417に当接しながら回動先の凹み部418へ到達し、たわみが解放されて凹み部418に収まり、この収まりによって回動角度位置はある程度固定されるのである。
【0051】
本実施例においては、ノッチ突起415の個数は2個で、ノッチする箇所は2箇所であるが、本構成に限定されるものではない。ノッチリング403の設置については、本実施例とは逆にノッチリング403を挿入する溝416を前継手402に、ノッチリング403をたわませる略円形穴417を後継手401に形成してもよい。また、ノッチリング403は、後継手401と回動カバー405が当接する側にあってもよく、さらに、両側に設けて2個使いとすれば、それぞれのノッチリングに掛かるたわみ力を分散できて、信頼性を向上することができる。ノッチ感(クリック感)を発生させる方法は、本事例の方法に限定されるものではなく、例えばリングの代わりにコイルバネを、ノッチ突起の代わりに鋼球を使用すれば、同様の効果を得られるのである。ただし、このような構造であるため、後継手401と前継手402との回動範囲は、360度ではなく、所定の範囲に限定される。回動軸体424の左右側面には、軸突起427と軸支し前継手402と連結する連結穴423と、摺動突起428を固定し前継手402の位置決めをする摺動穴429を形成している。摺動穴429は、連結穴423よりも上側に形成され、側面のそれぞれに2個ずつ形成される。軸突起427と連結穴423にて形成される連結部432を軸に、先端部に向かって前継手402の上面方向に回動することができ、一方の摺動穴429に収まっていた摺動突起428は、一方の摺動穴429を乗り上げて回動軸体424の側面を外側にたわませながら当接し、回動先の他方の摺動穴429へ収まることで、前継手402に対する回動軸体424の回動角度位置は固定されるのである。吸口形成部426は、回動軸体424に対して360度回動可能である。そして、図24(A)(B)に示すように、後継手401または前継手402の軸方向に対して、吸口形成部426の長手方向が略90度になった状態で回動接続部400を上側から見ると、回動接続部400は略T字形状となる。図24(E)(F)に示すように、後継手401または前継手402の軸方向に対して、吸口形成部426の長手方向が略一致した状態で回動接続部400を上側から見ると、回動接続部400は略I字形状となる。特許文献4や非特許文献1と同様に、吸込具100を延長管13の側面に取り付けて収納する際には、回動接続部400は略I字形状とするのが好ましい。
【0052】
図22に示すように、吸口形成部426の吸口(開口)の内面は、吸口形成部426の長手方向の端部から中央部に向かって傾斜しており、それに伴って、吸口形成部426の吸口(開口)の反対側の外面(上面)も、吸口形成部426の長手方向の端部から中央部に向かって傾斜しており、横断面では台形をしている。つまり、吸口形成部426の長手方向を横から見ると、左右対称である。尚、吸口形成部426の短手方向を横から見ても、左右対称である。このように、吸口形成部426の吸口(開口)の内面が傾斜しているため、吸口形成部426の吸口(開口)から通気穴430へ向かう空気の流れの乱れが少なくなる。そして、吸口形成部426の上面の吸口形成部426の長手方向の中央部かつ吸口形成部426の短手方向の中央部に、回動突起425が形成される。回動突起425の内側に通気穴430が形成され、通気可能である。通気穴430は略円形状であり、回動突起425はその通気穴430の周囲に複数形成される。複数の回動突起425が形成された円の中心が、回動軸体424に対する吸口形成部426の回動軸心となる。尚、複数の回動突起425が形成された円の中心は、通気穴430の中心、回動穴433の中心とも一致する。図23(B)中の一点鎖線は、吸口形成部426の長手方向の中心線と、吸口形成部426の短手方向の中心線を示す。回動軸体424に対する吸口形成部426の回動軸心は、吸口形成部426の長手方向の中央でかつ吸口形成部426の短手方向の中央、つまり図23(B)に示すように吸口形成部426の長手方向の中心線と吸口形成部426の短手方向の中心線の交点に位置するのが好ましい。つまり、回動軸体424に対する吸口形成部426の回動軸心から吸口形成部426の長手方向の両端面(端部)への距離は等しくなり、回動軸体424に対する吸口形成部426の回動軸心から吸口形成部426の短手方向の両端面(端部)への距離は等しくなる。またこの場合は、後継手401の軸心上または前継手402の軸心上または接続管300の軸心上に、回動軸体424に対する吸口形成部426の回動軸心が存在することとなる。これによって、使用者が、吸込具100を手前と奥の往復操作および左右の往復操作の際に、回動接続部400の動きが安定し、それ故、操作性が向上する。
【0053】
図22中の太い一点鎖線は、後継手401の筒形状部406の軸心、細い一点鎖線は前継手402の筒形状部409の軸心を示す。前継手402は、後継手401に対して、上側に角度αまで回動可能である。角度αは、5度から10度程度である。筒形状部409の上面と下面とは、略平行であるため、図22に示すように、前継手402が後継手401に対して上側に角度αである状態では、筒形状部409の上面の形成方向および下面の形成方向も、後継手401の軸方向に対して上側に角度αをなす方向となる。回動接続部400を略I字形状である状態において、吸口形成部426の上面と筒形状部409の下面とが対向し、吸口形成部426の上面と筒形状部409の下面の間隔は、0以上5mm以下であるのが好ましい。吸口形成部426の上面と筒形状部409の下面とが略平行であるのが好ましい。この場合は、吸口形成部426の上面は、後継手401の軸方向に対して上側に角度αをなす方向となる。よって、回動軸体424は、筒形状部409に対して、軸突起427を軸として、吸口形成部426の上面が後継手401の軸方向に対して上側に角度αをなす方向となるまで、回動するのが好ましい。上記したように、筒形状部409に対する回動軸体424の回動角度は、連結穴423と摺動穴429との相互位置関係によって定めることができる。そして、吸口形成部426の吸口面と筒形状部409の軸方向とが略平行となる場合には、吸口形成部426の上面と吸口形成部426の吸口面とのなす角度が、角度αとなる。さらに、図21に示すように、吸口形成部426の回動軸体424との連結部(通気穴430の中心)つまり吸口形成部426の長手方向の中心から、吸口形成部426の長手方向の端部(端面)までの長さ、つまり吸口形成部426の長手方向の長さの1/2は、筒形状部409の軸方向の長さ、または筒形状部409の吸口形成部426との連結部の回動軸(回動穴433の中心)から筒形状部409の回動部408側端部(端面)までの長さ、または前継手402の吸口形成部426との連結部の回動軸(回動穴433の中心)から前継手402の後継手401との連結部の回動軸(回動部408の軸心)との長さと略同等または短いのが好ましい。これによって、連通軸方向から吸口形成部426の吸口を近づけることができ、吸口形成部426を後方へ配置することで回動接続部400さらには吸込具100全長を短くできるため、かさばらずに収納することができ、収納性を向上できる。後継手401と前継手402間で軸方向に回動するだけでなく、前継手402と回動軸体424間で軸方向に回動し、さらに、回動軸体424と吸口形成部426間で、軸方向とは異なる方向に回動するため、収納性が向上する。また、前継手401よりも先端側の重心が、前継手402の軸心上に近くなるため、収納時の安定性も増す。
【0054】
図23(B)に示すように、吸口形成部426には、回動軸体424の底面にある回動穴433に挿入し吸口形成部426を連結する回動突起425が設けられ、回動軸方向に回動することができる。回動突起425には、ノッチリング203とノッチリング403と同様に回動角度位置を知らしめるノッチ感を発生させるノッチ突起435が形成され、回動軸体424の底面の凹み部434に収まっている。吸口形成部426の回動に際し、ノッチ突起435は凹み部434を乗り上げて回動穴433の半径方向にたわみ、略円形壁436に当接しながら略円形壁436の終端に到達したわみが解放される。凹み部434には次のノッチ突起435が収まり、この収まりによって回動角度位置はある程度固定されるのである。また、ノッチ突起435は抜け止め用の爪にもなっており、吸口形成部426が回動軸体424から抜けないようになっている。
【0055】
図24(A)に、回動接続部400を略T字形状とした時の吸込具100の上面図を示し、図24(B)に、回動接続部400を略T字形状とした時の回動接続部400の上面図を示し、図24(C)に、回動接続部400を略T字形状とした時の吸込具100の上断面図を示し、図24(D)に、回動接続部400を略T字形状とした時の回動接続部400の上断面図を示し、図24(E)に、回動接続部400を略I字形状とした時の吸込具100の上面図を示し、図24(F)に、回動接続部400を略I字形状とした時の回動接続部400の上面図を示し、図24(G)に、回動接続部400を略I字形状とした時の吸込具100の上断面図を示し、図24(H)に、回動接続部400を略I字形状とした時の回動接続部400の上断面図を示す。図24(E)(F)(G)(H)に示すように、吸口形成部426の短手方向の幅を、回動ベース部407や回動部408などで形成される連結部431の幅(軸方向に垂直な方向の幅)と略同等または短くする。また、吸口形成部426の短手方向の幅を、後継手401の幅または前継手402の幅と略同等または短くしてもよい。また、吸口形成部426の短手方向の幅を、接続管300の最大幅と略同等または短くしてもよい。尚、接続管300の最大幅は、接続部305に形成される。これによって、吸込具100を延長管13の側面に係合して収納する際に、吸口形成部426が出っ張って邪魔にならないため、収納性が向上する。さらに、使用者が、吸口形成部426の長手方向を、後継手401および前継手402の軸方向に沿った方向になるように、前継手402に対して吸口形成部426を回動して、吸口形成部426を略I字形状とすれば、奥まった狭いすき間を掃除することもできる。また、使用者が、吸口形成部426の長手方向が、後継手401および前継手402の軸方向と垂直な方向になるように、前継手402に対して吸口形成部426を回動して、吸口形成部426を略T字形状に回動させれば、掃除面を幅広にとることができ、使用者の前後方向(手前と奥の往復方向)の掃除面を多く取れるため前後させる回数を減らすことができ、清掃効率を向上することができる。さらに、吸口形成部426の長手方向の幅は吸口体14の長手方向よりも短いため、吸口体14の入らないすき間を掃除することができる。また、略I字形状よりも左右方向への摩擦面が少なくなることで抵抗が減り、使用者の手元への負担を減らすことができる。
【0056】
後継手401の筒形状部406には、接続管300のブレード体302の先端部にある抜け止め突起306を受ける穴部421がある。筒形状部406にブレード体302の先端部(接続部)が挿入され、抜け止め突起306が穴部421にはめ込まれることによって(ブレード体302の先端部の外側表面が筒形状部406の内側表面に当接することによって)、接続管300と回動接続部400とが接続される。これによって、使用者は、接続管300と回動接続部400とを容易に接続,分離することができる。
【0057】
図25に、吸口形成部426の分離時斜視図を示す。吸口形成部426の吸口(開口)面には、本実施例のように、切り口部の端面に刷毛422を植毛することもでき、この刷毛422により、掃き,拭きといった掃除効果も得られる。刷毛422の形成方向は、吸口形成部426の吸口面の法線方向であってもよいし、吸口形成部426の吸口面の法線方向よりも外側に拡がっていてもよい。また、吸口形成部426を刷毛台438と吸口部437とに分割可能な構造とすることもできる。つまり、刷毛台438に複数の係合爪439を設け、係合爪439を吸口部437にはめ込むことによって、係合爪439を吸口部437に取り付けることができる。これによって、刷毛422の劣化,抜けなどあった際は刷毛台438だけを取り替えることでよく、刷毛部のメンテナンス性をあげることができる。
【0058】
図26は刷毛台451を吸口部454に揺動可能に取り付けた場合の実施例を示しており、図26(A)は吸口形成部450の斜視図、図26(B)は図26(A)のD−D断面図、図26(C)および(D)は図26(A)のE−E断面図、図27は吸口形成部450の分解時斜視図を示している。図25の吸口形成部426は、吸口部437に対して刷毛台438が揺動しない実施例であるが、図26および図27の吸口形成部は、吸口部454に対して刷毛台451が揺動する実施例である。図26(B)に示すように、刷毛台451と吸口部454の取り付け方法を、刷毛台451の長手方向中間の両側面に備えた回動軸452と、吸口部454の長手方向中間の両側面に備えた軸受455との嵌合による構造としている。刷毛台451の上端部が、吸口部454の下端部の開口内に収まるように形成される。これにより、刷毛台451は吸口部454に刷毛台451の長手方向が揺動可能に軸支され、吸込具100または、回動接続部400の使用時には、刷毛453の吸口(開口)面が、例えば、エアコンの上部や前面等の平面でない掃除面のカーブに沿うように揺動し、あるいは書棚に収納された高さの異なる本の上面等の平坦でない凹凸面に沿うように揺動し、掃除面に追従するため、より効率よく掃除することができる。ただし、回動軸452を備える面は、刷毛台451の長手方向両側面に限らず、刷毛台451の短手方向両側面、または吸口部454の長手方向両側面、または吸口部454の短手方向両側面の何れでもよい。同様に、軸受455を備える面は、吸口部454の長手方向両側面に限らず、回動軸452を備える位置に対応して、吸口部454の短手方向両側面、または刷毛台451の長手方向両側面、または刷毛台451の短手方向両側面の何れでもよい。また、回動軸452と軸受455を設けえる面上の位置は、各面(辺)の中央に限らず、両端の何れかへ片寄りを持たせても構わない。
【0059】
本実施例においては、図26(C)に示すように、刷毛台451は、吸口部454上面方向へ伸びる漏れ防止壁456と、刷毛台451の外側面から外側へ広がるフランジ457を有する。図26(D)は刷毛台451が揺動し、吸口部454に対して片側に傾いた状態を示す。この時、刷毛台451の回動方向後端側(図中右端)では、刷毛台451の上面が吸口部454の下端から最も離れるが、漏れ防止壁456の上端が吸口部454の下端内側面に最も近付くように形成することで、刷毛台451と吸口部454の間からの吸気漏れを低減し、吸口形成部450の下部開口からの吸込力低下を抑えることができる。またこの時、刷毛台451の回動方向先端側(図中左端)では、刷毛台451の上面が、吸口部454の上面に最も近付くと同時に、刷毛台451の側面が吸口部454の内側面から最も離れるが、フランジ457を吸口部454の下端に沿うように形成することで、刷毛台451側面と吸口部454の隙間からの吸気漏れを低減し、吸口形成部450下部開口からの吸込力低下を抑えることができる。
【0060】
図28に、先端側の回動接続部400を手元操作部12に接続した時の外観斜視図を示す。回動接続部400の筒形状部406は、外側表面の上側と下側が手元操作部12の接続部または延長管13の内側表面に対応した形状、つまりR形状を有する係合部441を備える。係合部441の外側表面の上側と下側は、軸方向で回動ベース部407へ向かうに従って徐々に拡がっているのが好ましい。筒形状部406の係合部441よりも開口側の外形(外側表面の直径)は、係合部441の外形(外側表面の直径)よりも小さい。そして、回動接続部400の筒形状部406が、後継手201の筒形状部205と同様に手元操作部12の接続部または延長管13の内側に挿入され、係合部441が手元操作部12の接続部または延長管13の内側表面に当接し、そして、手元操作部12または延長管13に設けられた着脱用クランプの抜け止め用の爪(図示せず)、筒形状部406に設けられた凹み部440にはめ込まれる。これによって、回動接続部400と手元操作部12または延長管13とが接続される。接続管300に接続することなく回動接続部400を吸込具として使用することができるため、軽量で負担なく、机や高さの低い棚など身近な場所を容易に掃除することができる。
【0061】
図15は吸込具100を使用した家具や冷蔵庫の上面など高所を掃除する例を示す。図14は、図15で使用している状態の吸込具100の斜視図を示す。図14では手元側の回動接続部200と中間の接続管300と先端側の回動接続部400はそれぞれの接続部で接続され、抜け止め突起により容易に外れなくなっている。手元側の回動接続部200は回動角45度回動され、ロック機構により回動位置が固定されている。先端側の回動接続部400では、回動部408や回動ベース部407などで形成される連結部431が、回動角45度回動され、ノッチにより回動位置がある程度固定され、また、軸突起427と連結穴423にて形成される連結部432が、接続管300の軸心上に対して吸口形成部426が下側にくる位置まで回動している。また、中間の接続管300を最長に延長している。図15に示すように、手元操作部12に延長管13の一端を接続し、延長管13の他端に回動接続部200を接続することで、例えば家具の上面や一般的な冷蔵庫の上面を掃除することができる。手元操作部12は家具900より低い位置にあり、これに接続される延長管13の一端も家具900より低い位置にあるが、延長管13は他端(先端)は家具900の上方に位置している。延長管13は他端側が上を向くように傾斜した状態となっている。延長管13の他端に接続される回動接続部200は、これに接続される接続管300が家具900の上面に沿うように、下方に向けて回動している。この回動により、接続管300は家具900の上面を沿うような状態となる。さらに接続管300に接続される回動接続部400は、前継手402の先端部が家具900の上面に向くように下方に向けて回動し、前継手402の先端部に設けられた刷毛422が家具900の上面に接触する。これにより、家具の上面や一般的な冷蔵庫の上面を掃除することが可能となる。本実施例の場合、高さ寸法が1800mm、奥行き寸法が600mmあるような家具900においても、手元操作部12を1200mm程度の高さまで持ち上げると、家具900の上面の奥まで容易に掃除を行うことができる。この時、掃除面を視界に捉えることは困難であるが、図26のように、回動接続部400の先端を揺動可能な構成とした場合、刷毛台451が揺動し、吸口(開口)面が掃除面に追従して、ごみの取り残しを少なくし、より効率よく掃除することができる。
【0062】
本実施例においては、手元側の回動接続部200と先端側の回動接続部400といったように回動接続部を複数設けたことにより、手元操作部12の高さ位置は高所の被掃除面よりも低い位置にあり、使用者の腕に掛かる負担は小さいのである。また、回動接続部間を伸縮可能としているので、奥行き寸法が短い高所にも対応するのである。
【0063】
また、使用時に手元側の回動接続部200を回動させようとすると、従来は吸込具100を力の加えやすい手元付近まで引き寄せ、一方の手で接続管300を持ち、もう一方の手で延長管13を持って力を加える必要があったが、本実施例においては、手元側の回動接続部200にロック機構を設け、回動させるのに大きな力を加える必要がないため、手元操作部12を持つ手はそのままで、もう一方の手でロックを解除状態として、吸口先端(例えば吸口形成部426)を掃除面に軽く押し当てることで回動させることも可能である。ここで、掃除機用の吸込具100は、手元操作部12の接続部にも接続可能であるから、延長管13を接続せずに使用することもできる。また、接続方法は抜け止め突起による方法に限らず、ねじ接続やクランプ接続で構成して、強固な接続としてもよい。
【0064】
また、図16に示すように、手元側の回動接続部200と中間の接続管300と先端側の回動接続部400は、分離可能としてもよい。これらは、抜け止め突起で容易に外れないようになってはいるものの接続しないで使用することは可能であり、例えば先端側の回動接続部400を接続しないようにすれば、先端側の回動接続部400の幅では入らなかった狭い隙間にも到達することが可能となるし、また、手元側の回動接続部200に短い吸込口(図示せず)を接続すれば身近な所の掃除に適するのである。
【0065】
回動接続部400は、接続管300に接続された状態で刷毛422が下方側を向くような状態(図1,図14,図15,図16)の他に、図17に示すように、接続管300に接続された状態で刷毛422が上方側を向くような状態となるように、先端側の回動接続部400を上下(左右)逆にして取り付けることができる。すなわち、回動接続部400の回動方向が接続管300に対して異なる方向に回動するように、回動接続部400が接続管300に着脱自在となっている。回動接続部400を接続管300に対して上下方向(左右方向)を逆に接続することにより、接続管300に対する回動接続部400の回動方向を異ならせることができ、掃除できる範囲が広がる。
【0066】
本実施例では、接続管300に接続された状態で刷毛422が上方側を向くようにすると、図18に示すように、例えば天井800など、掃除面が真下を向いた箇所も掃除することができ、しかも回動接続部間を伸縮可能としているので、家具900などが邪魔をして延長管13などが届かない、奥行きのある狭い空間の天井面でも掃除することができる。この時、家具900などが視界を遮り、掃除面を視界に捉えることは困難であるが、図26のように、回動接続部400の先端を揺動可能な構成とした場合、刷毛台451が揺動し、吸口(開口)面が掃除面に追従して、ごみの取り残しを少なくし、より効率よく掃除することができる。
【0067】
手元操作部12は天井800より低い位置にあり、これに接続される延長管13の一端も天井800より低い位置にあるが、延長管13は他端(先端)は天井800の近くに位置している。延長管13は他端側が上を向くように傾斜した状態となっている。延長管13の他端に接続される回動接続部200は、これに接続される接続管300が天井800に沿うように、下方に向けて回動している。この回動により、接続管300は天井800の下面を沿うような状態となる。さらに接続管300に接続される回動接続部400は、前継手402の先端部が天井800を向くように上方に向けて回動し、前継手402の先端部に設けられた刷毛422が天井800に接触する。これにより、天井800を掃除することが可能となる。しかも家具900の上方に位置する天井800であっても、家具900と干渉することなく、家具900との接触を回避しつつ天井800の掃除を行うことができる。本実施例の場合、高さ寸法が2200mmの天井800においても、手元操作部12を1400mm程度の高さまで持ち上げると、天井800の清掃を容易に掃除を行うことができる。
【0068】
また、本実施例では、図19に示すように机1000の下など、床面との空間が狭く、延長管13の入らない奥行きのある隙間でも掃除することができる。この場合、接続管300に接続される回動接続部200を、図14,図15,図18に示す状態とは上下逆に回動するように取り付ける。図14,図15,図18においては、延長管13に接続された回動接続部200が、延長管13に対して接続管300を下方に回動するように接続している。図19では、これとは逆に延長管13に接続された回動接続部200が、延長管13に対して接続管300を上方に回動するよう接続にしている。この時、机1000などが視界を遮り、掃除面を視界に捉えることは困難であるが、図26のように、回動接続部400の先端を揺動可能な構成とした場合、刷毛台451が揺動し、吸口(開口)面が掃除面に追従して、ごみの取り残しを少なくし、より効率よく掃除することができる。
【0069】
手元操作部12は机1000より高い位置にあり、これに接続される延長管13の一端も机1000より高い位置にあるが、延長管13は他端(先端)は下方の床面1300近くに位置している。延長管13は他端側が下を向くように傾斜した状態となっている。延長管13の他端に接続される回動接続部200は、これに接続される接続管300が床面1300に沿うように、延長管13の軸方向に対して上方に向けて回動している。この回動により、接続管300は床面1300を沿うような状態となる。さらに接続管300に接続される回動接続部400は、前継手402の先端部が床面1300を向くように下方に向けて回動し、前継手402の先端部に設けられた刷毛422が床面1300に接触する。これにより、床面1300を掃除することが可能となる。
【0070】
また、回動接続部200および回動接続部400は、手元操作部12または延長管13に接続する際、手元操作部12または延長管13に設けられた着脱用クランプの抜け止め用の爪(図示せず)を図16および図17に示す回動接続部200の筒形状部205に形成された凹み部218,回動接続部400の筒形状部406に形成された凹み部440で受ける形状ではなく、テーパ嵌合とすれば、抜け止め用の爪がない延長管や操作ハンドルにも接続することができ、専用の接続部品を必要としないことが可能である。
【0071】
テーパ嵌合とした場合には、吸込具100、または回動接続部400を手元操作部12、または延長管13の他端側に上下逆に取り付けすることができる。この場合でも、上述した本実施例の効果を得ることができる。
【0072】
以上のように本実施例によれば、吸込具100に回動接続部を複数設け、回動接続部にはノッチ機構とロック機構の両方を備えたので、使用時には回動角度が確実に固定され、角度調整時には容易に回動させることができ、ロック状態のまま過大な力が加わった場合にはロックが解除される構造とした。また、回動連結部の間に設けた接続管に対して回動連結部の少なくとも一方を接続管に対して上下逆に取り付け可能にしたので、家具などが邪魔をして延長管などが届かない、奥行きのある狭い空間の天井面でも掃除することができる。また、回動連結部(関節)間を伸縮自在としたので、さまざまな高所の奥行きに対応可能である。さらに、吸込具100は手元操作部12、または延長管13の他端側に上下逆に取り付け可能にしたので、机の下など、床面との空間が狭く、延長管の入らない奥行きのある隙間でも掃除することができる。また、吸口形成部の刷毛台を揺動可能にしたので、高所や天井面,机の下などの奥行きのある狭い空間でも、吸口(開口)面が掃除面に追従して、ごみの取り残しを少なくし、効率よく掃除することができる。さらに、吸込具100の先端の吸口形成部426を直接、手元操作部、または延長管の他端側に取り付け可能であり、略T字形状とすることで前後方向への掃除面を多くとることができ、左右方向へは摩擦面を減らすことができるため手元側への負担を減らすことができる。
【符号の説明】
【0073】
10 掃除機本体
11 ホース
12 手元操作部
13 延長管
14,15 吸口体
100 吸込具
200,400 回動接続部
300 接続管
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動送風機および集塵部を有する掃除機本体と、一端が前記掃除機本体に接続可能なホースと、一端が前記ホースの他端に接続可能な手元操作部と、一端が該手元操作部の他端に接続可能な延長管と、前記延長管の他端に接続可能な略T字形状の吸口体とを備えた電気掃除機において、
前記手元操作部または前記延長管の他端側に接続可能な吸込具を備え、
前記吸込具は、複数の関節機構により屈曲可能に形成され、
前記関節機構の少なくとも1つに、屈曲をロックし、また使用者の操作によって屈曲のロックを解除可能なロック機構を設けたことを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
請求項1の電気掃除機において、
前記ロック機構を設けた関節機構は、当該関節機構の内部に流路を有し、
前記関節機構の回動軸および前記ロック機構は、前記流路を形成する前記関節機構の壁面の外側に形成されることを特徴とする電気掃除機。
【請求項3】
請求項1または2の電気掃除機において、
前記複数の関節機構間が伸縮可能なことを特徴とする電気掃除機。
【請求項4】
請求項1から3の何れかの電気掃除機において、
前記ロック機構を設けた関節機構は、所定の屈曲角度で位置決めするノッチ機構を備えたことを特徴とする電気掃除機。
【請求項5】
請求項1から4の何れかの電気掃除機において、
前記ロック機構は、使用者の操作によって屈曲のロックを解除する解除ボタンと、前記解除ボタンをロックする方向へ付勢する付勢手段とを備えたことを特徴とする電気掃除機。
【請求項6】
請求項5の電気掃除機において、
前記解除ボタンは、前記関節機構の一方の継手に形成され、
前記ロック機構は、前記解除ボタンに形成された少なくとも1つのロック突起と、前記関節機構の他方の継手に形成され前記ロック突起に対応するロック溝とを備え、
前記ロック機構は、前記関節機構の回動軸方向に沿って前記解除ボタンが移動した場合に、前記ロック突起と前記ロック溝との嵌合が外れてロックが解除され、また前記付勢手段によって前記解除ボタンが戻ることにより、前記ロック突起と前記ロック溝とが嵌合してロックすることを特徴とする電気掃除機。
【請求項7】
請求項5の電気掃除機において、
前記解除ボタンは、前記関節機構の一方の継手に形成され、
前記ロック機構は、前記解除ボタンに形成されたロック溝と、前記関節機構の他方の継手に形成され前記ロック溝に対応する少なくとも1つのロック突起とを備え、
前記ロック機構は、前記関節機構の回動軸方向に沿って前記解除ボタンが移動した場合に、前記ロック突起と前記ロック溝との嵌合が外れてロックが解除され、また前記付勢手段によって前記解除ボタンが戻ることにより、前記ロック突起と前記ロック溝が嵌合してロックすることを特徴とする電気掃除機。
【請求項8】
請求項5から7の何れかの電気掃除機において、
前記ロック機構は、前記解除ボタンを覆う蓋体を備え、
前記蓋体は、前記関節機構の他方の継手に形成され、
前記ロック溝は、前記蓋体に形成されることを特徴とする電気掃除機。
【請求項9】
請求項6から8の何れかの電気掃除機において、
前記ロック突起と前記ロック溝間の当接面は、前記関節機構の回動軸方向に対して所定の角度傾斜して形成されることを特徴とする電気掃除機。
【請求項10】
請求項1から9の何れかの電気掃除機において、
前記ロック機構は、前記複数の関節機構のうち前記手元操作部または前記延長管に近い関節機構に形成されることを特徴とする電気掃除機。
【請求項11】
請求項1から10の何れかの電気掃除機において、
前記吸込具は、前記手元操作部または前記延長管の他端側に接続可能な接続管と前記接続管に接続可能な略T字形状の他の吸口体とを備えたことを特徴とする電気掃除機。
【請求項12】
請求項11の電気掃除機において、
前記他の吸口体の吸口形成部の長手方向の幅は、前記吸口体の吸口形成部の長手方向の幅よりも短いことを特徴とする電気掃除機。
【請求項13】
請求項11または12の電気掃除機において、
前記他の吸口体の吸口の周囲に毛を備えることを特徴とする電気掃除機。
【請求項14】
請求項11の電気掃除機において、
前記接続管は、少なくとも1つの関節機構を有し、
前記他の吸口体は、少なくとも2つの関節機構を有することを特徴とする電気掃除機。
【請求項15】
請求項11から14の何れかの電気掃除機において、
前記他の吸口体は、前記他の吸口体が略T字形状となる第1の位置と前記第2の吸口体が略I字形状となる第2の位置との間を軸方向とは異なる方向に回動可能な関節機構を有することを特徴とする電気掃除機。
【請求項16】
請求項11から15の何れかの電気掃除機において、
前記接続管は、前記他の吸口体に接続可能な開口端が細まって、すきま用吸口を形成し、
前記すきま用吸口を形成する前記接続管の開口端が前記他の吸口体の接続側開口端に挿入されることによって、前記接続管と前記他の吸口体とが接続されることを特徴とする電気掃除機。
【請求項17】
電動送風機および集塵部を有する掃除機本体と、一端が前記掃除機本体に接続可能なホースと、一端が前記ホースの他端に接続可能な手元操作部と、一端が該手元操作部の他端に接続可能な延長管と、前記延長管の他端に接続可能な略T字形状の第1の吸口体とを備えた電気掃除機において、
前記手元操作部または前記延長管の他端側に接続可能な吸込具を備え、
前記吸込具は、前記手元操作部または前記延長管の他端側に接続可能な接続管と前記接続管に接続可能な略T字形状の第2の吸口体とを備え、
前記第2の吸口体は、前記接続管側に形成される吸口部と、前記吸口部の前記接続管側とは反対側の開口部に形成される刷毛部とを備え、
前記刷毛部は、前記吸口部に対して揺動可能に形成されることを特徴とする電気掃除機。
【請求項18】
請求項17の電気掃除機において、
前記刷毛部は、前記刷毛部の長手方向中間部を支点として前記吸口部に対して揺動可能であることを特徴とする電気掃除機。
【請求項1】
電動送風機および集塵部を有する掃除機本体と、一端が前記掃除機本体に接続可能なホースと、一端が前記ホースの他端に接続可能な手元操作部と、一端が該手元操作部の他端に接続可能な延長管と、前記延長管の他端に接続可能な略T字形状の吸口体とを備えた電気掃除機において、
前記手元操作部または前記延長管の他端側に接続可能な吸込具を備え、
前記吸込具は、複数の関節機構により屈曲可能に形成され、
前記関節機構の少なくとも1つに、屈曲をロックし、また使用者の操作によって屈曲のロックを解除可能なロック機構を設けたことを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
請求項1の電気掃除機において、
前記ロック機構を設けた関節機構は、当該関節機構の内部に流路を有し、
前記関節機構の回動軸および前記ロック機構は、前記流路を形成する前記関節機構の壁面の外側に形成されることを特徴とする電気掃除機。
【請求項3】
請求項1または2の電気掃除機において、
前記複数の関節機構間が伸縮可能なことを特徴とする電気掃除機。
【請求項4】
請求項1から3の何れかの電気掃除機において、
前記ロック機構を設けた関節機構は、所定の屈曲角度で位置決めするノッチ機構を備えたことを特徴とする電気掃除機。
【請求項5】
請求項1から4の何れかの電気掃除機において、
前記ロック機構は、使用者の操作によって屈曲のロックを解除する解除ボタンと、前記解除ボタンをロックする方向へ付勢する付勢手段とを備えたことを特徴とする電気掃除機。
【請求項6】
請求項5の電気掃除機において、
前記解除ボタンは、前記関節機構の一方の継手に形成され、
前記ロック機構は、前記解除ボタンに形成された少なくとも1つのロック突起と、前記関節機構の他方の継手に形成され前記ロック突起に対応するロック溝とを備え、
前記ロック機構は、前記関節機構の回動軸方向に沿って前記解除ボタンが移動した場合に、前記ロック突起と前記ロック溝との嵌合が外れてロックが解除され、また前記付勢手段によって前記解除ボタンが戻ることにより、前記ロック突起と前記ロック溝とが嵌合してロックすることを特徴とする電気掃除機。
【請求項7】
請求項5の電気掃除機において、
前記解除ボタンは、前記関節機構の一方の継手に形成され、
前記ロック機構は、前記解除ボタンに形成されたロック溝と、前記関節機構の他方の継手に形成され前記ロック溝に対応する少なくとも1つのロック突起とを備え、
前記ロック機構は、前記関節機構の回動軸方向に沿って前記解除ボタンが移動した場合に、前記ロック突起と前記ロック溝との嵌合が外れてロックが解除され、また前記付勢手段によって前記解除ボタンが戻ることにより、前記ロック突起と前記ロック溝が嵌合してロックすることを特徴とする電気掃除機。
【請求項8】
請求項5から7の何れかの電気掃除機において、
前記ロック機構は、前記解除ボタンを覆う蓋体を備え、
前記蓋体は、前記関節機構の他方の継手に形成され、
前記ロック溝は、前記蓋体に形成されることを特徴とする電気掃除機。
【請求項9】
請求項6から8の何れかの電気掃除機において、
前記ロック突起と前記ロック溝間の当接面は、前記関節機構の回動軸方向に対して所定の角度傾斜して形成されることを特徴とする電気掃除機。
【請求項10】
請求項1から9の何れかの電気掃除機において、
前記ロック機構は、前記複数の関節機構のうち前記手元操作部または前記延長管に近い関節機構に形成されることを特徴とする電気掃除機。
【請求項11】
請求項1から10の何れかの電気掃除機において、
前記吸込具は、前記手元操作部または前記延長管の他端側に接続可能な接続管と前記接続管に接続可能な略T字形状の他の吸口体とを備えたことを特徴とする電気掃除機。
【請求項12】
請求項11の電気掃除機において、
前記他の吸口体の吸口形成部の長手方向の幅は、前記吸口体の吸口形成部の長手方向の幅よりも短いことを特徴とする電気掃除機。
【請求項13】
請求項11または12の電気掃除機において、
前記他の吸口体の吸口の周囲に毛を備えることを特徴とする電気掃除機。
【請求項14】
請求項11の電気掃除機において、
前記接続管は、少なくとも1つの関節機構を有し、
前記他の吸口体は、少なくとも2つの関節機構を有することを特徴とする電気掃除機。
【請求項15】
請求項11から14の何れかの電気掃除機において、
前記他の吸口体は、前記他の吸口体が略T字形状となる第1の位置と前記第2の吸口体が略I字形状となる第2の位置との間を軸方向とは異なる方向に回動可能な関節機構を有することを特徴とする電気掃除機。
【請求項16】
請求項11から15の何れかの電気掃除機において、
前記接続管は、前記他の吸口体に接続可能な開口端が細まって、すきま用吸口を形成し、
前記すきま用吸口を形成する前記接続管の開口端が前記他の吸口体の接続側開口端に挿入されることによって、前記接続管と前記他の吸口体とが接続されることを特徴とする電気掃除機。
【請求項17】
電動送風機および集塵部を有する掃除機本体と、一端が前記掃除機本体に接続可能なホースと、一端が前記ホースの他端に接続可能な手元操作部と、一端が該手元操作部の他端に接続可能な延長管と、前記延長管の他端に接続可能な略T字形状の第1の吸口体とを備えた電気掃除機において、
前記手元操作部または前記延長管の他端側に接続可能な吸込具を備え、
前記吸込具は、前記手元操作部または前記延長管の他端側に接続可能な接続管と前記接続管に接続可能な略T字形状の第2の吸口体とを備え、
前記第2の吸口体は、前記接続管側に形成される吸口部と、前記吸口部の前記接続管側とは反対側の開口部に形成される刷毛部とを備え、
前記刷毛部は、前記吸口部に対して揺動可能に形成されることを特徴とする電気掃除機。
【請求項18】
請求項17の電気掃除機において、
前記刷毛部は、前記刷毛部の長手方向中間部を支点として前記吸口部に対して揺動可能であることを特徴とする電気掃除機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2011−224224(P2011−224224A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98377(P2010−98377)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】
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