説明

電気掃除機

【課題】電気掃除機を収納する際に、掃除機本体を安定して起立保持させる。
【解決手段】電動送風機2を内蔵する掃除機本体1と、一端に掃除機本体1に接続される本体側接続管6を有し、他端に手元側接続管8を有するホース5と、手元側接続管8に一端が接続される延長管7と、延長管7の他端に接続される床用吸込具9とを備え、掃除機本体1は、背面下部に形成される脚部16と、後方上部に前後方向に沿って立設される略コ字状の取っ手部13とを有し、取っ手部13には、後端部から掃除機本体1の背面側に向かって起立保持部14が延設され、脚部16及び起立保持部14が床面に接地されることで、掃除機本体1が起立保持されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電気掃除機は、収納する際には、掃除機本体背面に形成した脚部及び後車輪を床面に接地させて掃除機本体を起立状態に保持し、掃除機本体にホース及び延長管を接続した状態で、延長管に形成した係止部を掃除機本体底面に形成した溝部に挿入嵌合するよう構成されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−75471
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気掃除機は、掃除機本体の小型化も要望されており、小型化により掃除機本体背面の面積も狭くなるが、特許文献1の電気掃除機は、掃除機本体背面に形成される脚部及び後車輪によって、掃除機本体を起立保持する構成となっているため、脚部間及び脚部と後車輪との間の距離が狭くなり、掃除機本体の収納時の安定性が悪いという問題があった。
【0005】
本発明は、電気掃除機を収納する際に、掃除機本体を安定して起立保持させることができる電気掃除機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
電動送風機を内蔵する掃除機本体と、一端に前記掃除機本体に接続される本体側接続管を有し、他端に手元側接続管を有するホースと、該手元側接続管に一端が接続される延長管と、該延長管の他端に接続される床用吸込具とを備え、前記掃除機本体は、背面下部に形成される脚部と、後方上部に前後方向に沿って立設される略コ字状の取っ手部とを有し、該取っ手部には、後端部から掃除機本体の背面側に向かって起立保持部を延設し、前記脚部及び前記起立保持部を床面に接地することで、掃除機本体を起立保持することを特徴とする。
【0007】
または、電動送風機を内蔵する掃除機本体と、一端に前記掃除機本体に接続される本体側接続管を有し、他端に手元側接続管を有するホースと、該手元側接続管に一端が接続される延長管と、該延長管の他端に接続される床用吸込具とを備え、前記掃除機本体は、底面の前方に配設される前車輪と、左右両側面の後方に配設され、少なくとも一部が前記掃除機本体の背面より後方へ突出する後車輪と、後方上部に前後方向に沿って立設される略コ字状の取っ手部とを有し、該取っ手部には、後端部から掃除機本体の背面側に向かって起立保持部を延設し、前記後車輪及び前記起立保持部を床面に接地することで、掃除機本体を起立保持することを特徴とする。
【0008】
前記取っ手部は、前記掃除機本体の上部から上方に突出するように配設されることが好ましい。
【0009】
また、前記掃除機本体を床面に起立保持した際に、前記延長管を掃除機本体に保持可能に構成するとともに、前記延長管に装着した状態の床用吸込具を床面に接地するように構成することが好ましい。
【0010】
さらに、前記取っ手部は、前端部を前記掃除機本体に対して回動自在に枢支し、後端部を前記掃除機本体に対して上下動可能とするように構成することが好ましい。
【0011】
また、前記起立保持部と前記掃除機本体上面との間に、前記ホースを遊嵌可能に構成されるホース収納空間を形成し、前記延長管に、前記手元側接続管を保持する保持部を形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
請求項1及び請求項2によると、掃除機本体の背面に形成される脚部または後車輪と、掃除機本体後方上部の取っ手部後方に延設される起立保持部によって、掃除機本体を起立保持するので、起立保持部と脚部または後車輪との間隔を広く形成することができ、掃除機本体を安定して床面に起立保持させることができる等の効果を奏する。
【0013】
請求項3によると、起立保持部と脚部または後車輪との間隔を広くすることができるので、より安定して掃除機本体を床面に起立保持することができる等の効果を奏する。
【0014】
請求項4によると、電気掃除機を収納する際に、床用吸込具の先端が床面に接地するので、より安定して掃除機本体を床面に起立保持することができる等の効果を奏する。
【0015】
請求項5によると、取っ手部を回動して収納することができ、取っ手部を収納することで掃除機本体を小型化できる等の効果を奏する。
【0016】
請求項6によると、ホースを掃除機本体外周に巻き付けて、収納することができるので、コンパクトに収納することができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第一実施形態における電気掃除機の断面図である。
【図2】同電気掃除機の側面図である。
【図3】同電気掃除機を収納させた状態の側面図である。
【図4】同電気掃除機を収納させた状態の正面図である。
【図5】同掃除機本体背面上部に備えた脚部と引出口の周縁部とが床面に接地するように構成される場合を示す側面図である。
【図6】同掃除機本体背面上部に備えた脚部と引出口の周縁部とが床面に接地するように構成される場合を示す正面図である。
【図7】本発明の第二実施形態における電気掃除機の断面図である。
【図8】同電気掃除機を収納させた状態の側面図である
【図9】同電気掃除機を収納させた状態の正面図である。
【図10】同電気掃除機を収納させた状態の断面図である。
【図11】同電気掃除機において取っ手部を下方に回動させた状態の側面図である
【図12】同電気掃除機において取っ手部を下方に回動させた状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の第一実施形態を図1乃至図6に基づいて以下に詳述する。
図1に示すように、1は電動送風機2が内蔵される掃除機本体で、該掃除機本体1内に集塵室3が形成され、前記集塵室3内にダストカップ4が着脱自在に収納されており、該ダストカップ4内に塵埃を集塵できるように構成されている。5は可撓性を有するホースで、一端に前記掃除機本体1に着脱自在に接続される本体側接続管6が形成され、他端には延長管7が着脱自在に接続される手元側接続管8が形成されている。9は前記延長管7に接続される床用吸込具で、前記延長管7を介して、前記手元側接続管8に装着されるようになっている。以下、掃除機本体1において、集塵室3側を前方、電動送風機2側を後方とする。また、説明の便宜上、掃除機本体1の後方の面を背面Aとし、該背面Aには、電動送風機2からの排気流を排気するための排気口10が形成されている。
【0019】
図2乃至図4に示すように、前記掃除機本体1には、底面前方に前車輪11、後方の左右両側面に後車輪12が配設されている。13は前記掃除機本体1の後方上部に、掃除機本体1の前後方向に沿って立設される略コ字状の取っ手部で、前記掃除機本体1上面との間に手を挿入可能に構成される。前記取っ手部13の後端部から掃除機本体1の背面A側に向かって起立保持部14が延設されており、該起立保持部14と前記掃除機本体1上面との間に、前記ホース5の直径と同程度の隙間となるホース収納空間15が形成されている。16は掃除機本体1の背面A下部の左右両側に形成される脚部で、図3乃至図4に示すように、前記起立保持部14後端及び前記脚部16が床面に接地することで、前記掃除機本体1の背面Aを床面に対向するように、前記掃除機本体1を起立保持できるようになっている。
【0020】
図4に示すように、17は前記掃除機本体1底面に形成される溝部、18は前記延長管7の外周に形成される係止部で、起立保持された状態の前記掃除機本体1の溝部17に上方から前記延長管7係止部18を挿入嵌合するようになっており、この状態で、前記延長管7に装着された床用吸込具9の先端が床面に接地するようになっている。19は前記延長管7の外周に形成された保持部で、前記手元側接続管8を保持可能に構成されている。
而して、電気掃除機を収納する際に、掃除機本体1は、起立保持部14後端及び脚部16を床面に接地させることで、掃除機本体1の背面Aを床面に対向するように起立保持される。次に、延長管7を手元側接続管8から脱離し、掃除機本体1溝部に延長管7係止部18を挿入嵌合して、床用吸込具を装着した状態の延長管7を、掃除機本体1に保持する。そして、ホース5を、本体側接続管6を掃除機本体1に接続させた状態で、掃除機本体1外周に巻き付けるようにして、ホース収納空間15内に遊嵌させ、起立保持部14に係止させるとともに、ホース5先端の手元側接続管8を延長管7保持部19に保持させることで、ホースが撓まないように収納する。
【0021】
この構成によると、起立保持部14は、掃除機本体1後方上面に配設される取っ手部13の後方に延設されているので、従来と比較して、脚部16と起立保持部14との間隔を広くすることができ、安定して掃除機本体1を起立保持させることができる。また、掃除機本体1の背面A上部に脚部16を不要とすることができ、掃除機本体1のデザイン性を向上させる形状にすることが可能となる等の掃除機本体1後部の形状に対する制約を少なくすることができる。
【0022】
また、ホース5を掃除機本体1外周に巻き付けて、収納することができるので、コンパクトに収納することができる。そのため、例えば、収納された電気掃除機において、ホース5が不用意に移動することがなく、安定に収納することができるとともに、ホース5に手や腕が接触する等による掃除機本体1の転倒を防止することができる。
さらに、電気掃除機を収納する際、延長管7に装着された床用吸込具9の先端が床面に接地するように構成されているため、より安定して掃除機本体1を床面に起立保持することができる。
【0023】
尚、本実施形態では、掃除機本体1の背面下部に脚部16を形成しているが、掃除機本体1左右両側面の後方に配設される後車輪12を、少なくとも一部が掃除機本体1の背面Aより後方へ突出するように構成してもよい。この構成により、掃除機本体1を起立保持させる際に、後車輪12を床面に接地させることができるので、後車輪12を脚部16と兼用することができる。
【0024】
また、脚部16は、掃除機本体1背面Aの下部左右両側に形成しているが、脚部16を背面Aの下部に加えて、掃除機本体1背面Aの上部の左右両側に形成してもよい。この構成により、掃除機本体1の左右方向への転倒を防止することができる。また、電源コードの引出口の周縁部20とが床面と接地するように構成してもよい。この構成により、三つの脚部16と周縁部20とが床面に接地することで、掃除機本体1を安定して起立保持することができる。
【0025】
さらに、電気掃除機を収納する際、常に床用吸込具9の先端が床面に接地するように、床用吸込具9を装着した延長管7が掃除機本体1に保持される構成としているが、床用吸込具9の先端が床面とは接地しないように構成してもよい。床用吸込具9の先端には、壁際での操作性向上の目的で、壁面に対して摺動可能に構成するための起毛布が配設されることがあり、このような場合、床用吸込具9の先端が床面に接地しないようにすることで、起毛布が折れ曲がりを防止することができる。床用吸込具9を床面に接地させない場合、床用吸込具9が保持されている掃除機本体1の床用吸込具9側に傾いた際にのみ、床用吸込具9が床面に接地し、掃除機本体1の転倒を防ぐよう構成することが好ましい。
【0026】
次に本発明の第二実施形態を図7乃至図12に基づいて以下に詳述する。尚、上述の第一実施形態と同一部品は同一符号を附して説明を省略する。
【0027】
21は掃除機本体1後方上部に前後方向に沿って立設される略コ字状の取っ手部で、前端部に形成された枢支軸22を掃除機本体1上部に形成した枢支部(図示せず)に枢支させ、後方下端部に形成されたガイド軸23を掃除機本体1上部に形成したガイド溝24に挿入し、取っ手部21前方の枢支軸22を回動中心として取っ手部21後方側が上下動するよう構成されている。前記取っ手部21は、従来周知の保持機構により上方に回動した状態を保持するよう構成されている。
【0028】
前記取っ手部21の後端部から掃除機本体1の背面A側に向かって起立保持部25が延設されており、取っ手部21を上方に回動した状態で、該起立保持部25と掃除機本体1上面との間に、ホース5の直径と略同程度の隙間となるホース収納空間26を形成している。
【0029】
而して、電気掃除機を収納する際に、取っ手部21を保持機構により保持されるまで上方に回動した後、掃除機本体1の背面Aが床面に対向するように、起立保持部24及び脚部16を床面に接地させることで、掃除機本体1を床面に起立保持される。次に、延長管7を手元側接続管8から脱離し、掃除機本体1溝部に延長管7係止部18を挿入嵌合して、床用吸込具を装着した状態の延長管7を、床用吸込具9の先端が床面に接地するように、掃除機本体1に保持する。そして、ホース5を、本体側接続管6を掃除機本体1に接続させた状態で、掃除機本体1に巻き付けるようにして、ホース収納空間26内に遊嵌させ、起立保持部25に係止させるとともに、ホース5先端の手元側接続管8を延長管7保持部19に保持させることで、ホース5が撓まないように収納する。
【0030】
この構成により、起立保持部25は、掃除機本体1の上方へ回動可能に構成される取っ手部21の後方に延設されているので、上記第一実施形態と同様に、安定して掃除機本体を起立保持させることができるとともに、掃除機本体1の形状に対する制約を少なくすることができる。また、取っ手部21は回動可能に構成されるため、取っ手部21を掃除機本体1の下方へ回動させることで、取っ手部21を収納することができ、取っ手部21を収納することで掃除機本体を小型化できる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、ホースを収納する電気掃除機に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 掃除機本体
2 電動送風機
3 集塵室
4 ダストカップ
5 ホース
6 本体側接続管
7 延長管
8 手元側接続管
9 床用吸込具
10 排気口
11 前車輪
12 後車輪
13 取っ手部
14 起立保持部
15 ホース収納空間
16 脚部
17 溝部
18 係止部
19 保持部
20 周縁部
21 取っ手部
22 枢支軸
23 ガイド軸
24 ガイド溝
25 起立保持部
26 ホース収納空間
A 背面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動送風機を内蔵する掃除機本体と、一端に前記掃除機本体に接続される本体側接続管を有し、他端に手元側接続管を有するホースと、該手元側接続管に一端が接続される延長管と、該延長管の他端に接続される床用吸込具とを備え、
前記掃除機本体は、背面下部に形成される脚部と、後方上部に前後方向に沿って立設される略コ字状の取っ手部とを有し、
該取っ手部には、後端部から掃除機本体の背面側に向かって起立保持部を延設し、
前記脚部及び前記起立保持部を床面に接地することで、掃除機本体を起立保持することを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
電動送風機を内蔵する掃除機本体と、一端に前記掃除機本体に接続される本体側接続管を有し、他端に手元側接続管を有するホースと、該手元側接続管に一端が接続される延長管と、該延長管の他端に接続される床用吸込具とを備え、
前記掃除機本体は、底面の前方に配設される前車輪と、左右両側面の後方に配設され、少なくとも一部が前記掃除機本体の背面より後方へ突出する後車輪と、後方上部に前後方向に沿って立設される略コ字状の取っ手部とを有し、
該取っ手部には、後端部から掃除機本体の背面側に向かって起立保持部を延設し、
前記後車輪及び前記起立保持部を床面に接地することで、掃除機本体を起立保持することを特徴とする電気掃除機。
【請求項3】
前記取っ手部は、前記掃除機本体の上部から上方に突出するように配設されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記掃除機本体を床面に起立保持した際に、
前記延長管を掃除機本体に保持可能に構成するとともに、前記延長管に装着した状態の床用吸込具を床面に接地することを特徴とする請求項1または請求項3に記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記取っ手部は、前端部を前記掃除機本体に対して回動自在に枢支し、後端部を前記掃除機本体に対して上下動可能とすることを特徴とする請求項1または請求項4記載の電気掃除機。
【請求項6】
前記起立保持部と前記掃除機本体上面との間に、前記ホースを遊嵌可能に構成されるホース収納空間を形成し、
前記延長管に、前記手元側接続管を保持する保持部を形成することを特徴とする請求項請求項1から請求項5のいずれかに記載の電気掃除機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−245188(P2011−245188A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−123680(P2010−123680)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】