電気掃除機
【課題】本発明の課題は、吸口体内にゴミが引っ掛かるのを防止し、吸口体内において流通する空気のエネルギー損失を抑制し、吸口体における騒音の発生を防止し、吸口体に延長管等の他のパイプを挿入しやすい電気掃除機を提供することにある。
【解決手段】本発明の電気掃除機は、一端が掃除機本体側に連通し、かつ他端に他のパイプが挿入可能な吸口体7を備え、吸口体7は、他のパイプを挿入可能なパイプ部材8と、パイプ部材8に対して突出可能なブラシ部材9と、パイプ部材8の内側に突出してパイプ部材8に挿入された他のパイプに係合可能な係合部33とを備え、パイプ部材8に他のパイプが挿入されていない状態において、係合部33をパイプ部材8の内側への突出方向とは反対側へ変化した状態に保持することを特徴とする。
【解決手段】本発明の電気掃除機は、一端が掃除機本体側に連通し、かつ他端に他のパイプが挿入可能な吸口体7を備え、吸口体7は、他のパイプを挿入可能なパイプ部材8と、パイプ部材8に対して突出可能なブラシ部材9と、パイプ部材8の内側に突出してパイプ部材8に挿入された他のパイプに係合可能な係合部33とを備え、パイプ部材8に他のパイプが挿入されていない状態において、係合部33をパイプ部材8の内側への突出方向とは反対側へ変化した状態に保持することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気掃除機に関し、更に詳しくは吸口体の一端が電気掃除機の本体側に連通し、かつその他端が他のパイプを挿入できるようになっている電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二つの吸口体を備えた電気掃除機が知られている(例えば、特許文献1参照)。二つの吸口体のうち、第1の吸口体は、略T字状を呈するように形成されている。この第1の吸口体は、ゴミを吸引して集める掃除機本体から延びるホース体の先端に、少なくとも操作管及び延長管をこの順番に介して取り付けられている。第2の吸口体は、略円筒状を呈するように形成されており、例えば操作管と延長管との間に配置されている。つまり、第2の吸口体の一端は操作管を介して電気掃除機の本体側に連通しており、他端は延長管等の他のパイプが挿入可能となっている。
【0003】
この電気掃除機は、第2の吸口体の他端から延長管を抜き去ると、他端からブラシ部材が突出するようになっており、第2の吸口体を使用して掃除ができるようになっている。また、この電気掃除機は、第2の吸口体の他端に延長管を元のように挿入することで、延長管の先端に取り付けられた第1の吸口体を使用して掃除ができるようになっている。
【0004】
このような電気掃除機においては、延長管の先端に取り付けた第1の吸口体を介してゴミを吸引する際に、第2の吸口体から延長管が抜け出ることを防止するために、第2の吸口体は延長管と係合する鉤状の係合部を有している。この鉤状の係合部は、延長管を受け入れる円筒内に突出するようにバネで付勢されており、延長管の周面に設けられた凹部に鉤状の係合部が嵌り込むことで、延長管と係合するようになっている。
【0005】
そして、鉤状の係合部は、第2の吸口体に設けられたボタンと連係動作するようになっており、このボタンを押すことで、延長管に対する係合が解除されて、第2の吸口体から延長管を抜き去ることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−14760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の電気掃除機(例えば、特許文献1参照)においては、第2の吸口体から延長管を抜き去った後であっても、前記ボタンを離すと、前記したように付勢されている鉤状の係合部は延長管を受け入れていた円筒内に再び突出する。
このように鉤状の係合部が円筒内に突出していると、延長管を再び第2の吸口体に挿入する際に、係合部が延長管に干渉するために、延長管を容易に挿入できない場合がある。
また、第2の吸口体を介してゴミを吸引する際に、その吸い込み流路となる円筒内に鉤状の係合部が突出したままとなっているので、ゴミが係合部に引っ掛かり易くなる。特に、糸くず、毛髪、毛玉等の繊維状のゴミが係合部に引っ掛かると取れ難く、引っ掛かったゴミは吸い込んだ空気の流れを乱してエネルギー損失を増加し、騒音を引き起こす場合がある。
【0008】
そこで、本発明の第1の課題は、ゴミが引っ掛かるのを防止した吸口体を備える電気掃除機を提供することにある。
また、本発明の第2の課題は、流通する空気のエネルギー損失を抑制した吸口体を備える電気掃除機を提供することにある。
また、本発明の第3の課題は、騒音の発生を防止した吸口体を備える電気掃除機を提供することにある。
また、本発明の第4の課題は、吸口体の先端に更に延長管等の他のパイプを取り付ける際に、吸口体に他のパイプを挿入しやすい電気掃除機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決した本発明は、掃除機本体と、一端が前記掃除機本体側に連通しかつ他端に他のパイプが挿入可能な吸口体とを備えた電気掃除機において、前記吸口体は、前記他のパイプを挿入可能なパイプ部材と、前記パイプ部材に対して突出可能なブラシ部材と、押下操作可能な操作部と前記パイプ部材側に収納された状態に前記ブラシ部材を係止する係止部と前記パイプ部材の内側に突出して前記パイプ部材に挿入された前記他のパイプに係合可能な係合部とが一体に形成された一体部材とを備え、前記一体部材は、前記パイプ部材に前記他のパイプが挿入されていない状態において、前記係合部を前記パイプ部材の内側への突出方向とは反対側へ変化した状態に保持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、吸口体内にゴミが引っ掛かるのを防止した電気掃除機を提供することができる。または本発明によれば、吸口体内において流通する空気のエネルギー損失を抑制した電気掃除機を提供することができる。または本発明によれば、吸口体における騒音の発生を防止した電気掃除機を提供することができる。または本発明によれば、吸口体に延長管等の他のパイプを挿入しやすい電気掃除機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係る電気掃除機の斜視図である。
【図2】本実施形態に係る電気掃除機を構成する第2の吸口体の斜視図である。
【図3】本実施形態に係る電気掃除機を構成する第2の吸口体の分解斜視図である。
【図4】図3の第2の吸口体を構成するパイプ部材の斜視図である。
【図5】図3の第2の吸口体を構成するブラシ部材の分解斜視図である。
【図6】図5のブラシ部材を構成する前側半体を左斜め後から見上げた様子を示す部分斜視図である。
【図7】(a)は図3の第2の吸口体を構成する一体部材の斜視図、(b)は一体部材が第1の状態のときに、その係止部とレール部材との位置関係を示す模式図、(c)は一体部材が第2の状態のときに、その係止部とレール部材との位置関係を示す模式図である。
【図8】ブラシ部材及び一体部材を組み付けたパイプ部材の様子を示す斜視図である。
【図9】図3の第2の吸口体を構成するケースの内側の様子を示す斜視図であり、ケースの前側から見た図である。
【図10】パイプ部材に対してブラシ部材が突出していない第2の吸口体の内部の様子を示す図であり、(a)は第2の吸口体の前部を部分的に切り欠いた斜視図、(b)は第2の吸口体の前部を部分的に切り欠いた側面図である。
【図11】パイプ部材に対してブラシ部材が突出した第2の吸口体の内部の様子を示す図であり、(a)は第2の吸口体の前部を部分的に切り欠いた斜視図、(b)は第2の吸口体の前部を部分的に切り欠いた側面図である。
【図12】第2の吸口体における他の使用態様を示す概念図である。
【図13】第2の吸口体における他の取付態様を示す概念図である。
【図14】第2の吸口体の変形例を示す概念図である。
【図15】第2の吸口体の変形例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明における前後の方向は、掃除機本体を基準として掃除機本体が吸引する空気の上流側を前側とし、下流側を後側とする。また、本発明の電気掃除機を構成する第2の吸口体における上下左右方向は、図2に示す上下左右方向を基準とする。
【0013】
図1に示すように、本実施形態の電気掃除機1は、掃除機本体2と、ホース体3と、操作管4と、延長管5と、第1の吸口体6と、第2の吸口体7とを備えて構成されている。
なお、第2の吸口体7は、特許請求の範囲にいう「吸口体」に相当すると共に、「通風管」に相当する。つまり、第2の吸口体7は、第2の吸口体7の前側から延長管5や第1の吸口体6が取り外された状態では、第2の吸口体7の前側から空気を吸い込むことが可能なため、「吸口体」として機能し、第2の吸口体7の前側から延長管5や第1の吸口体6が取り付けられた状態では、延長管5や第1の吸口体6からの空気を通すため、「通風管」として機能する。ただし、第2の吸口体7だけでなく、ホース体3、操作管4、延長管5も、空気を通すため、「通風管」として機能する。
【0014】
掃除機本体2の内部には、図示しない吸引力を発生させる電動送風機や、この電動送風機の吸引力で集塵した塵埃(ゴミ)を収容する集塵部等が内蔵されている。
【0015】
ホース体3の後端は、掃除機本体2の集塵部と連通するように掃除機本体2に接続され、ホース体3の前端には操作管4が取り付けられている。
【0016】
操作管4は、操作者が把持するハンドルグリップ4aと、手元スイッチSWとを備えた管体である。手元スイッチSWは、前記した電動送風機のオンオフ、電動送風機の出力の切り替え、第1の吸口体6に内蔵される掃除ロータ(図示省略)のオンオフ等の操作が可能なように構成されている。
【0017】
延長管5は、後側に配置される管体5aと、前側に配置される管体5bとで構成されている。そして、管体5aの内径は、管体5bの外径よりも大きくなるように設定されており、管体5bが管体5aに対して内嵌する長さを調節することで、延長管5は所望の長さに伸縮自在となっている。なお、図1の符号5cは、管体5aに対する管体5bの嵌入長さ(延長管5の伸縮量)を規定するストッパである。
【0018】
第1の吸口体6は、略T字状を呈しており、延長管5の前端に接続されている。この第1の吸口体6は、操作管4に延長管5を介して取り付けられることにより、操作者が立った状態で床面を楽に掃除することができ、略T字状を呈していることから床面を幅広に掃除することができる。
【0019】
第2の吸口体7は、前記したように、その一端(後端)が掃除機本体2側に連通するように操作管4に接続されている。この第2の吸口体7は、第1の吸口体6及び延長管5を介して吸引される空気が掃除機本体2側に向かって通流可能なように、管状構造を有している。この第2の吸口体7についての詳細は後記する。
【0020】
この電気掃除機1においては、第1の吸口体6と延長管5との間、延長管5と第2の吸口体7との間、及び第2の吸口体7と操作管4との間が後記する鉤状の係合部33(図10(b)参照)を有する係合機構(一体部材10(図3参照))によって係脱自在になっており、ボタン31を押圧することで係合が解かれるようになっている。また、第1の吸口体6、延長管5、第2の吸口体7、及び操作管4は、元のように相互に嵌合させると、前記した係合機構によって互いに係合するようになっている。
【0021】
次に、第2の吸口体7について説明する。
第2の吸口体7は、図2に示すように、延長管5を取り外した際に、ブラシ部材9が前方に突出する(飛び出す)ようになっている。また、第2の吸口体7の後部には、一対のコネクタピンP1,P1が設けられている。このコネクタピンP1,P1は、操作管4の手元スイッチSW(図1参照)によって、第1の吸口体6に内蔵した掃除ロータ(図示省略)の操作が可能となるように、手元スイッチSW側と導通するソケットS1,S1と電気的に接続するものである。なお、第2の吸口体7と延長管5とのこの電気的接続は、延長管5のコネクタピンP2,P2と、第2の吸口体7のソケットS2,S2(図4参照)とによって行われる。ちなみに、図2中、符号8は、後記するパイプ部材であり、符号12は、後記するケースであり、符号31は、後記する一体部材を構成するボタン(操作部)であり、符号37は、ボタン31をケース12の外側に臨ませる開口である。また、符号5dは、後記する鉤状の係合部33(図7(a)参照)が嵌り込む凹部である。なお、塵埃検出器などの他の機器が第1の吸口体6や延長管5に存在する場合は、コネクタピンは3本以上であってもよい。
【0022】
第2の吸口体7は、図3に示すように、パイプ部材8と、前記したブラシ部材9と、前記した係合機構を構成する一体部材10(クランプ部材ともいう)と、パイプ部材8の上部周面と一体部材10との間に配置されるバネ部材32と、ブラシ部材9を前方に突出させるバネ部材11と、ケース12とを備えて構成されている。なお、ブラシ部材9は、特許請求の範囲にいう「飛び出し可能な部材」に相当し、バネ部材11は、特許請求の範囲にいう「付勢手段」に相当し、バネ部材32は、特許請求の範囲にいう「付勢部」に相当する。
【0023】
そして、詳しくは後記するが、パイプ部材8は、その前部でブラシ部材9の後側に内嵌してブラシ部材9を摺動可能に組み付け、その前部上側で一体部材10を支持して組み付けている。このようなブラシ部材9及び一体部材10を組み付けたパイプ部材8がケース12内に収納される際に、バネ部材11は、ケース12の内側後端とブラシ部材9の後側との間に配置されることで、ブラシ部材9をパイプ部材8から突出する(飛び出す)方向に付勢することとなる。
【0024】
パイプ部材8は、図4に示すように、前後に長い管体であって、前部の内側に特許請求の範囲にいう「他のパイプ」、つまり本実施形態での延長管5(図3参照)が挿入されるようになっている。そして、パイプ部材8の前部には、その左右両側で前後方向に延びるようにスリット15,15が設けられている。このスリット15,15には、後記するブラシ部材9(図5参照)に取り付けられた、後記するストッパ片20の頭部20a(図5参照)が外側から嵌入して内側に突出するように配置されることとなる。
このスリット15の長さは、後記するように、ブラシ部材9が突出する際の移動距離に合わせ込むように設定されている。
【0025】
また、パイプ部材8は、前部上側に、後記する一体部材10の軸支部30(図7参照)を支持するように半円形の切り欠きを有する支持リブ16と、前記コネクタピンP1,P1及びソケットS2,S2、並びにコネクタピンP1とソケットS2との接続配線(図示省略)を支持する支持リブ17とを備えている。ちなみに、前記したように、ソケットS2,S2は、延長管5(図2参照)に設けられたコネクタピンP2,P2が差し込まれる構造となっているが、その差込口14,14は、後方から前方に向かって拡径するようにテーパが形成されている。このようにテーパが形成された差込口14,14は、ソケットS2,S2に対するコネクタピンP2,P2の差し込みを容易にしている。
【0026】
また、図4に示すように、パイプ部材8の前部上側には、一体部材10の後記する係止部29(図7参照)をパイプ部材8の内側に突出させるための貫通孔13が形成されている。
【0027】
そして、パイプ部材8の後部上側には、凹部8aが形成されている。この凹部8aは、パイプ部材8の後部を操作管4(図1参照)の前部に内嵌した際に、操作管4の前記した鉤状の係合部が嵌り込むようになっている。つまり、凹部8aに鉤状の係合部が嵌り込むことで、パイプ部材8が操作管4から抜け出ることが防止される。
【0028】
ブラシ部材9は、図5に示すように、前部を構成する前側半体18と、後部を構成する後側半体19とを備えている。なお、図5中、前側半体18の植毛は作図の便宜上、部分的に省略している。
【0029】
前側半体18は、植毛部21を有する枠部材23と、後側半体19に対する接合部22とを備えている。
枠部材23は、パイプ部材8(図3参照)の前部を囲堯可能なように、パイプ部材8の前部の外周形状と略同形状の内側空間23bを有している。この枠部材23に設けられた植毛部21には、前方に突出するように植毛21aが施されている。また、枠部材23は、植毛21aが内側空間23b側に倒れ込まないように、植毛21aの内側で立設したリブ21bを有している。
【0030】
接合部22は、枠部材23から後方に延出した壁体の後端縁で形成されており、接合部22は、前後方向、言い換えれば第2の吸口体7(図2参照)の軸方向に対して所定の角度で傾斜する、上方が開いた馬蹄形状に形成されている。本実施形態での傾斜角度は、前後方向に対して60度に設定されている。
【0031】
この後端縁には、図6に示すように、その馬蹄形状の外側に張り出すように円弧状の凸条22aが形成されている。そして、馬蹄形状の開いた側の上方、つまり、枠部材23の後側には、突起23aが形成されている。なお、図6中、植毛は作図の便宜上省略している。
【0032】
再び図5を参照して、後側半体19は、前側半体18との接合部27を有する枠部材24と、パイプ部材8に対してスライドするスライド部25と、ストッパ片20とを備えている。
【0033】
接合部27は、次に説明する枠部材24の前側に立設された、上方に開く馬蹄形状のリブで形成されており、このリブの内側には、前側半体18の接合部22を構成する凸条22aに外嵌するように、円弧状の溝28が形成されている。この接合部27は、前側半体18の接合部22と略同じ角度となるように傾斜している。つまり、接合部27の溝28に接合部22の凸条22aを嵌入した際に、前側半体18の中心軸と後側半体19の中心軸とが同じ線上に並ぶこととなる。そして、接合部22と接合部27とが凸条22aと溝28とを介して接合されることで、植毛部21を有する前側半体18は、後側半体19に対して回転自在となる。
【0034】
また、枠部材24の前側上端部には、枠部材24の内側に凹となる窪み26が形成されている。この窪み26には、図6に示す枠部材23の突起23aが嵌脱自在に配置されることとなる。つまり、前側半体18が後側半体19に対して回転する際に、窪み26に突起23aが嵌り込むことで、前側半体18の中心軸と後側半体19の中心軸とが同じ線上に並ぶように位置決めすることができる。
【0035】
スライド部25は、円筒の周壁を軸方向に沿って部分的に切り欠いた形状を有しており、枠部材24から後方に延びるように配置されて、軸方向に直交する断面形状が上方に開いた略C字形状となっている。
このスライド部25は、前記したように、パイプ部材8の前部を内嵌するようになっている。
【0036】
また、スライド部25の両側には、ストッパ片20の取付孔35が形成されている。
この取付孔35は、次に説明するストッパ片20の支持部20bの平面形状に対応した矩形を呈しており、支持部20bを受け入れてストッパ片20をスライド部25に固定する。
【0037】
ストッパ片20は、L字状を呈しており、前記した矩形の支持部20bと、頭部20aとを備えている。
ストッパ片20の頭部20aは、前記したように、スライド部25に内嵌されたパイプ部材8の内側にスリット15を介して突出するように配置される。
つまり、スライド部25は、ストッパ片20の頭部20aがパイプ部材8のスリット15内で前後方向に移動可能な距離で、パイプ部材8に対してスライドすることとなる。
ちなみに、スリット15を介してパイプ部材8の内側に突出するストッパ片20の頭部20aには、スライド部25に内嵌されたパイプ部材8(図3参照)内に延長管5を挿入する際に、延長管5が当接することとなる。
【0038】
また、スライド部25には、前記したバネ部材11の一端を固定するバネ座36を備えている。このバネ座36に一端を固定されたバネ部材11の他端側は、後記するケース12(図3参照)の内側後端に向かって延在することとなる。
【0039】
そして、スライド部25は、次に説明する一体部材10を構成する係止部29(図7(a)参照)を案内するレール部材34を備えている。このレール部材34は、特許請求の範囲にいう「保持部材」に相当する。
【0040】
このレール部材34は、枠部材24から後方に延びるスライド部25の一対の上端縁のそれぞれに沿って設けられている。このレール部材34は、一体部材10の配置と密接な関係を有するので、次に説明する一体部材10の構成と共に説明する。
【0041】
図7(a)に示すように、前記した係合機構を構成する一体部材10は、ボタン31と、一対の脚部31bと、前記した鉤状の係合部33と、脚部31bの先端に設けられ、前記したレール部材34と協働してブラシ部材9を係止する係止部29とを備え、ボタン31と係合部33と係止部29とが一体に形成されている。ただし、ボタン31と係合部33と係止部29とは、別部材で形成されていてもよい。ここでボタン31は、特許請求の範囲にいう「操作部」に相当する。
【0042】
ボタン31は、図2に示すケース12の上部に形成された開口37に臨むように配置される。また、ボタン31は、図7(a)に示すように、その下端から周囲に張り出すフランジ部31aを備えている。
【0043】
脚部31bは、図7(a)に示すフランジ部31aから左右両側に延出すると共に、図8に示すように、ブラシ部材9のスライド部25に内嵌されたパイプ部材8の上部周面上で跨るように配置される。
【0044】
再び図7(a)を参照すると、係合部33は、フランジ部31aから前方に延出した先端が下方に屈曲することで鉤状を呈している。係合部33の鉤状部の前端面は、前後方向に対して傾斜し、係合部33の鉤状部の後端面は、前後方向に対して略垂直である(後記する図10(a)参照)。このように、鉤状部の前端面が傾斜しているため、この前端面に延長管5の後部が当接することによって、係合部33がスムーズに押し上げられ、一体部材10が回動することができる。さらに、鉤状部の前端面が傾斜しているため、係合部33の先端が、後記するように貫通孔13を介してパイプ部材8内にわずかに突出した状態であっても、係合部33の先端に塵埃が引っかかるのをある程度抑制することができる。また、鉤状部の後端面が略垂直であるため、パイプ部材8に挿入された延長管5の抜けを阻止することができる。この係合部33は、鉤状の先端と、フランジ部31a側の基端との間に一対の軸支部30,30を備えており、軸支部30,30のそれぞれは、係合部33からその両側に突出するように形成されている。この軸支部30,30は、パイプ部材8(図4参照)の前部上側に設けられた支持リブ16に支持されることで、係合部33を軸支部30,30周りに回動させるようになっている。
【0045】
係止部29は、図7(a)に示すように、略直方体の形状を呈しており、脚部31bの先端に設けられている。この係止部29は、前記したレール部材34との位置関係において、図7(a)及び(b)に示すように、係止部29の後側がレール部材34の前端面に当接する第1の状態と、図7(c)に示すように、係止部29の上側がレール部材34の下面に当接する第2の状態を取るようになっている。
【0046】
ここで再び図3を参照して、バネ部材32は、パイプ部材8の上部周面に設けられた図示しないバネ座と、一体部材10のボタン31(図7(a)参照)の裏側に設けられた図示しないバネ座との間に配置された圧縮コイルバネである。ボタン31は、バネ部材32のバネ定数に応じた反力をパイプ部材8から受ける。ちなみに、本実施形態でのバネ部材32は、前記したように、一体部材10がパイプ部材8に組み付けられて、図2に示すように、ケース12内に収容され、ボタン31がケース12の開口37に臨んだ際に、ケース12の裏側ではフランジ部31a(図7(a)参照)が開口37の周囲と当接することで、バネ部材32は前記した反力を常に生じさせる状態となっている。
【0047】
ここで図7(a)及び(b)に示す第1の状態とは、バネ部材32に基づく反力によって、係合部33の先端が軸支部30を中心に下方に向かって回動すると共に、係止部29が軸支部30を中心に上方に向かって回動してレール部材34の前端面に当接した状態をいう。ちなみに、この第1の状態での係合部33の先端は、前記した貫通孔13(図4参照)を介してパイプ部材8(図4参照)内に突出し、パイプ部材8に挿入された延長管5(図2参照)の後部に設けられた凹部5d(図2参照)に嵌り込むこととなる。
【0048】
そして、図7(c)に示す第2の状態とは、ボタン31の押下操作によって、係合部33の先端が軸支部30を中心に上方に向かって回動すると共に、係止部29が軸支部30を中心に下方に向かって回動してレール部材34の下面に当接した状態をいう。第2の状態では、係合部33の先端が貫通孔13を介してパイプ部材8内に突出していないのが好ましいが、係合部33の先端が貫通孔13を介してパイプ部材8内にわずかに(第1の状態よりも少ない量だけ)突出していてもよい。つまり、第2の状態での係合部33の先端の位置は、係合部33の先端がパイプ部材8に挿入された延長管5の凹部5dに嵌り込めない程度に、第1の状態の係合部33の先端の位置に比較して、パイプ部材8内への突出方向とは反対方向に戻っていればよい。
【0049】
したがって、詳しくは後記するが、ブラシ部材9がパイプ部材8に対して最も後方に位置する場合、言い換えれば、図1に示すように第2の吸口体7に延長管5が挿入されて接続された状態となっている場合に、一体部材10は第1の状態を維持している。また、ブラシ部材9がパイプ部材8に対して最も前方に位置する場合、言い換えれば、図2に示すように第2の吸口体7から延長管5が抜き去られた状態となっている場合に、一体部材10は第2の状態を維持している。つまり、係止部29がレール部材34の前端に当接している第1の状態から、ブラシ部材9が前方に最も突出するまで係止部29がレール部材34の下面を摺動する距離は、ブラシ部材9が突出する長さに等しい。したがって、レール部材34の長さは、少なくともブラシ部材9がパイプ部材8に対して突出する(飛び出す)長さを確保する必要がある。よって、レール部材34の長さは、ブラシ部材9がパイプ部材8に対して突出する(飛び出す)長さよりも長ければよい(例えば、レール部材34の長さは、レール部材34の後端がスライド部25の後端に至るまでの長さであってもよい)。
【0050】
ケース12は、図2に示すように、ブラシ部材9及び一体部材10を組み付けたパイプ部材8を収納するものである。
ケース12は、図9に示すように、その後側に円形の開口部38を有している。また、ケース12内の開口部38周りには、バネ座39が設けられている。このバネ座39には、図5及び図8に示すブラシ部材9(スライド部25)のバネ座36にその一端が取り付けられたバネ部材11の他端が取り付けられることとなる。そして、図9に示すケース12の開口部38からパイプ部材8(図4参照)の後部が突出するように配置された際に(図2参照)、バネ部材11(図8参照)がブラシ部材9のバネ座36(図8参照)とケース12のバネ座39(図9参照)との間で圧縮されることによって、ケース12内に固定されたパイプ部材(図2参照)に対して、ブラシ部材9は前方に向かって付勢されることとなる。
【0051】
次に、本実施形態に係る電気掃除機1の動作について説明する。
図1に示す電気掃除機1は、操作管4の先端に、第2の吸口体7、延長管5、及び第1の吸口体6をこの順番で接続しているので、第1の吸口体6を介してゴミを吸引することで掃除を行うことができる。
【0052】
このときの第2の吸口体7は、前記したように、そのパイプ部材8の前部に延長管5の後部が挿入されている。
そして、この第2の吸口体7は、図10(a)及び(b)に示すように、ケース12内に収納されたパイプ部材8に対してブラシ部材9が突出していない。ちなみに、図10(a)においては、作図の便宜上、延長管5及び操作管4の記載を省略している。そして、図10(b)においては、延長管5の後部を仮想線で記載し、操作管4の記載を省略している。
【0053】
このように突出していないブラシ部材9とパイプ部材8との位置関係においては、図10(a)に示すように、ブラシ部材9に取り付けられたストッパ片20(図5参照)の頭部20aが、パイプ部材8に設けられたスリット15の後端に当接している。そして、この頭部20aには、図10(b)に示すように、延長管5の後端が当接することとなる。
したがって、ブラシ部材9は、パイプ部材8に対してこれ以上に後退することが防止されている。
【0054】
また、このときの一体部材10とブラシ部材9との位置関係においては、図10(a)及び(b)に示すように、一体部材10の係止部29が、ブラシ部材9のレール部材34の前端に当接している。つまり、係止部29は、前記した図7(a)及び(b)に示す第1の状態となっている。
したがって、ブラシ部材9は、たとえバネ部材11(図8参照)によって前方に付勢されていても、係止部29がレール部材34の前端に当接しているので、パイプ部材8に対して前方に突出することが防止されている。
【0055】
また、第1の状態の一体部材10とパイプ部材8との位置関係においては、図10(a)及び(b)に示すように、一体部材10の鉤状の係合部33の先端が、軸支部30を中心にして下方に回動しているので、パイプ部材8の貫通孔13を介してパイプ部材8内に向かって突出する。
したがって、鉤状の係合部33の先端は、図10(b)に示すように、パイプ部材8内に挿入された延長管5の凹部5dに嵌り込む。その結果、延長管5は、パイプ部材8から抜け出ることが防止される。
【0056】
次に、図10(b)に示す第1の状態の一体部材10において、バネ部材32を介して受ける反力に抗してボタン31の押下操作を行うと、鉤状の係合部33の先端は、軸支部30を中心にして、上方に回動する。その結果、延長管5の凹部5dに対する鉤状の係合部33の係合は解除される。
【0057】
その一方で、係止部29は、軸支部30を中心にして、下方に回動する。つまり、係止部29は、図7(b)に示すように、レール部材34の先端に当接した第1の状態から、図7(c)に示すように、レール部材34の下面に当接した第2の状態に変位する。
その結果、図10(b)に示すレール部材34の前端に当接していた係止部29が下方に外れることで、ブラシ部材9は、前方に付勢するバネ部材11(図8参照)によって前方に移動する。そして、ブラシ部材9と共にスリット15内を前方に移動するストッパ片20の頭部20aによって、パイプ部材8に挿入されていた延長管5は、前方に押出される。
【0058】
そして、第2の吸口体7は、図2に示すように延長管5が抜け出ると、図11(a)及び(b)に示すように、ブラシ部材9が前方に突出する。ちなみに、図11(a)及び(b)においては、操作管4の記載を省略している。
【0059】
このように突出したブラシ部材9とパイプ部材8との位置関係においては、図11(a)に示すように、ブラシ部材9に取り付けられたストッパ片20(図5参照)の頭部20aが、パイプ部材8に設けられたスリット15の前端に当接している。
したがって、ブラシ部材9は、パイプ部材8に対してこれ以上に突出することが防止されている。
【0060】
また、このときの一体部材10とブラシ部材9との位置関係においては、図11(a)及び(b)に示すように、一体部材10の係止部29が、ブラシ部材9のレール部材34の下面に当接している。つまり、係止部29は、前記した図7(c)に示す第2の状態となっている。
したがって、一体部材10の係止部29は、バネ部材32を介して受ける反力によって上方に変位しようとしてもレール部材34の下面に当接することで、上方への変位を防止される。つまり、一体部材10は、第2の状態から第1の状態に変位することがレール部材34によって禁止されている。言い換えれば、レール部材34(保持部材)は、第2の状態を保持している。
【0061】
また、第2の状態の一体部材10においては、図11(a)及び(b)に示すように、一体部材10の鉤状の係合部33の先端が、第1の状態の一体部材10よりも、上方に変位した状態が維持されている。つまり、一体部材10は、パイプ部材8に延長管5(他のパイプ)が挿入されていない状態において、鉤状の係合部33の先端を、パイプ部材8の内側への突出方向とは反対側へ変化した状態に保持している。言い換えれば、前記したように、ブラシ部材9がパイプ部材8に対して前方に突出した状態においても、一体部材10は、鉤状の係合部33の先端を、パイプ部材8の内側への突出方向とは反対側へ変化した状態に保持している。
【0062】
そして、図1に示すように、第2の吸口体7に再び延長管5を接続する場合には、図11(a)に示すパイプ部材8内に延長管5を挿入する。この際、延長管5は、図11(a)に示すスリット15を介してパイプ部材8内に突出するストッパ片20(図5参照)の頭部20aを後方に向かって移動させる。この頭部20aの後方への移動に伴って、ブラシ部材9も後方に移動していく。
【0063】
図10(a)に示す位置まで頭部20aが移動すると、一体部材10はバネ部材32を介して受ける反力によって第1の状態に戻る。つまり、係止部29は、レール部材34の前端に当接することで、ブラシ部材9が突出するのを防止し、鉤状の係合部33の先端は、延長管5の凹部5dに嵌り込んで、パイプ部材8から延長管5が抜け出るのを防止する。
【0064】
以上のような電気掃除機1によれば、次のような作用効果を奏することができる。
本実施形態に係る電気掃除機1では、第2の吸口体7から延長管5を抜き去ることで、ブラシ部材9が前方に突出する。その結果、第2の吸口体7を介してゴミを吸引する際に、突出したブラシ部材9を使用することができる。
【0065】
そして、本実施形態に係る電気掃除機1は、第2の吸口体7から延長管5を抜き去った後であっても、従来の電気掃除機(例えば、特許文献1参照)と異なって、延長管5の凹部5dと係合していた鉤状の係止部29の先端が、パイプ部材8内に突出することがない。
したがって、本実施形態に係る電気掃除機1によれば、第2の吸口体7のパイプ部材8内で、鉤状の係止部29にゴミが引っ掛かるのを防止することができる。
【0066】
また、本実施形態に係る電気掃除機1によれば、前記したように、鉤状の係止部29にゴミが引っ掛かるのを防止することができるので、引っ掛かったゴミによって吸い込んだ空気の流れを乱してエネルギー損失が増加するのを抑制することができる。
【0067】
また、本実施形態に係る電気掃除機1によれば、前記したように、鉤状の係止部29にゴミが引っ掛かるのを防止することができるので、ゴミによって吸い込んだ空気の流れを乱して騒音を引き起こすのを防止することができる。
【0068】
また、本実施形態に係る電気掃除機1によれば、延長管5を抜き去った後であっても、鉤状の係止部29の先端がパイプ部材8内に突出することがないので、延長管5を再び第2の吸口体7に挿入する際に、鉤状の係止部29が延長管5に干渉することがないので、延長管5を容易に挿入することができる。
【0069】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。
前記実施形態では、第2の吸口体7は植毛部21を有しているが、本発明は植毛部21を有しない単なる「通風管」であってもよい。なお、植毛部21を有しない通風管であってもゴミを吸引する吸口体として機能する。
【0070】
また、前記実施形態では、第2の吸口体7を構成する前側半体18の中心軸と後側半体19の中心軸とが同じ線上に並ぶものについて説明したが、本発明は後側半体19に対して前側半体18を回転させることによって、前側半体18の中心軸と後側半体の中心軸とが交差するように配置することができる。つまり、第2の吸口体7の前後方向に対して、植毛部21が傾斜するように変えることができる。
【0071】
また、植毛部21を傾斜させた第2の吸口体7は、図12に示すように、操作管4の先端に延長管5を介して取り付けることによって、カーテンレールや棚上等の比較的に高い位置の掃除に適した構成となる。
【0072】
また、図12に示す第2の吸口体7には、図13に示すように、第1の吸口体6を取り付けることができる。この際、第2の吸口体7の前側半体18及び後側半体19(図5参照)は相互の中心軸が直線上に並ぶように後側半体19に対して前側半体18を回転させておく必要がある。
【0073】
また、前記実施形態では、第2の吸口体7の後側半体19に対して前側半体18を回転させることによって、植毛部21を傾斜させることができるようになっているが、本発明は植毛部21を、ヒンジを介して傾斜可能としたものであってもよい。
図14に示すように、この第2の吸口体7は、植毛部21が後側半体19の前部であってその上下方向の略中央に設けたヒンジHを介して取り付けられている。この第2の吸口体7はヒンジHを中心に植毛部21が回動することで傾斜可能となっている。なお、図14中、符号12はケースであり、符号8はパイプ部材であり、符号10は一体部材であり、符号11はバネ部材である。
また、ヒンジHは、図15に示すように、後側半体19の前部であってその下側に偏移した位置に設けられても良い。このような第2の吸口体7は、ブラシ部材9の前側半体18がパイプ部材8に対して回動して突出するように構成されていてもよい。
本発明の技術思想は、パイプ部材8に対してブラシ部材9が前後方向に摺動する吸口体だけではなく、パイプ部材8の上側または下側の何れかを支点としてブラシ部材9が前後に回動する吸口体に適用してもよい。摺動する場合も回動する場合もパイプ部材8に対してブラシ部材9が前方へ飛び出すこととなる。
【符号の説明】
【0074】
1 電気掃除機
2 掃除機本体
3 ホース体
4 操作管
5 延長管
6 第1の吸口体
7 第2の吸口体(吸口体)
9 ブラシ部材
10 一体部材
11 バネ部材(付勢手段)
14 差込口
18 前側半体
19 後側半体
21 植毛部
25 スライド部
29 係止部
31 ボタン(操作部)
32 バネ部材(付勢部)
33 係合部
34 レール部材(保持部材)
H ヒンジ
【技術分野】
【0001】
本発明は電気掃除機に関し、更に詳しくは吸口体の一端が電気掃除機の本体側に連通し、かつその他端が他のパイプを挿入できるようになっている電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二つの吸口体を備えた電気掃除機が知られている(例えば、特許文献1参照)。二つの吸口体のうち、第1の吸口体は、略T字状を呈するように形成されている。この第1の吸口体は、ゴミを吸引して集める掃除機本体から延びるホース体の先端に、少なくとも操作管及び延長管をこの順番に介して取り付けられている。第2の吸口体は、略円筒状を呈するように形成されており、例えば操作管と延長管との間に配置されている。つまり、第2の吸口体の一端は操作管を介して電気掃除機の本体側に連通しており、他端は延長管等の他のパイプが挿入可能となっている。
【0003】
この電気掃除機は、第2の吸口体の他端から延長管を抜き去ると、他端からブラシ部材が突出するようになっており、第2の吸口体を使用して掃除ができるようになっている。また、この電気掃除機は、第2の吸口体の他端に延長管を元のように挿入することで、延長管の先端に取り付けられた第1の吸口体を使用して掃除ができるようになっている。
【0004】
このような電気掃除機においては、延長管の先端に取り付けた第1の吸口体を介してゴミを吸引する際に、第2の吸口体から延長管が抜け出ることを防止するために、第2の吸口体は延長管と係合する鉤状の係合部を有している。この鉤状の係合部は、延長管を受け入れる円筒内に突出するようにバネで付勢されており、延長管の周面に設けられた凹部に鉤状の係合部が嵌り込むことで、延長管と係合するようになっている。
【0005】
そして、鉤状の係合部は、第2の吸口体に設けられたボタンと連係動作するようになっており、このボタンを押すことで、延長管に対する係合が解除されて、第2の吸口体から延長管を抜き去ることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−14760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の電気掃除機(例えば、特許文献1参照)においては、第2の吸口体から延長管を抜き去った後であっても、前記ボタンを離すと、前記したように付勢されている鉤状の係合部は延長管を受け入れていた円筒内に再び突出する。
このように鉤状の係合部が円筒内に突出していると、延長管を再び第2の吸口体に挿入する際に、係合部が延長管に干渉するために、延長管を容易に挿入できない場合がある。
また、第2の吸口体を介してゴミを吸引する際に、その吸い込み流路となる円筒内に鉤状の係合部が突出したままとなっているので、ゴミが係合部に引っ掛かり易くなる。特に、糸くず、毛髪、毛玉等の繊維状のゴミが係合部に引っ掛かると取れ難く、引っ掛かったゴミは吸い込んだ空気の流れを乱してエネルギー損失を増加し、騒音を引き起こす場合がある。
【0008】
そこで、本発明の第1の課題は、ゴミが引っ掛かるのを防止した吸口体を備える電気掃除機を提供することにある。
また、本発明の第2の課題は、流通する空気のエネルギー損失を抑制した吸口体を備える電気掃除機を提供することにある。
また、本発明の第3の課題は、騒音の発生を防止した吸口体を備える電気掃除機を提供することにある。
また、本発明の第4の課題は、吸口体の先端に更に延長管等の他のパイプを取り付ける際に、吸口体に他のパイプを挿入しやすい電気掃除機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決した本発明は、掃除機本体と、一端が前記掃除機本体側に連通しかつ他端に他のパイプが挿入可能な吸口体とを備えた電気掃除機において、前記吸口体は、前記他のパイプを挿入可能なパイプ部材と、前記パイプ部材に対して突出可能なブラシ部材と、押下操作可能な操作部と前記パイプ部材側に収納された状態に前記ブラシ部材を係止する係止部と前記パイプ部材の内側に突出して前記パイプ部材に挿入された前記他のパイプに係合可能な係合部とが一体に形成された一体部材とを備え、前記一体部材は、前記パイプ部材に前記他のパイプが挿入されていない状態において、前記係合部を前記パイプ部材の内側への突出方向とは反対側へ変化した状態に保持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、吸口体内にゴミが引っ掛かるのを防止した電気掃除機を提供することができる。または本発明によれば、吸口体内において流通する空気のエネルギー損失を抑制した電気掃除機を提供することができる。または本発明によれば、吸口体における騒音の発生を防止した電気掃除機を提供することができる。または本発明によれば、吸口体に延長管等の他のパイプを挿入しやすい電気掃除機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係る電気掃除機の斜視図である。
【図2】本実施形態に係る電気掃除機を構成する第2の吸口体の斜視図である。
【図3】本実施形態に係る電気掃除機を構成する第2の吸口体の分解斜視図である。
【図4】図3の第2の吸口体を構成するパイプ部材の斜視図である。
【図5】図3の第2の吸口体を構成するブラシ部材の分解斜視図である。
【図6】図5のブラシ部材を構成する前側半体を左斜め後から見上げた様子を示す部分斜視図である。
【図7】(a)は図3の第2の吸口体を構成する一体部材の斜視図、(b)は一体部材が第1の状態のときに、その係止部とレール部材との位置関係を示す模式図、(c)は一体部材が第2の状態のときに、その係止部とレール部材との位置関係を示す模式図である。
【図8】ブラシ部材及び一体部材を組み付けたパイプ部材の様子を示す斜視図である。
【図9】図3の第2の吸口体を構成するケースの内側の様子を示す斜視図であり、ケースの前側から見た図である。
【図10】パイプ部材に対してブラシ部材が突出していない第2の吸口体の内部の様子を示す図であり、(a)は第2の吸口体の前部を部分的に切り欠いた斜視図、(b)は第2の吸口体の前部を部分的に切り欠いた側面図である。
【図11】パイプ部材に対してブラシ部材が突出した第2の吸口体の内部の様子を示す図であり、(a)は第2の吸口体の前部を部分的に切り欠いた斜視図、(b)は第2の吸口体の前部を部分的に切り欠いた側面図である。
【図12】第2の吸口体における他の使用態様を示す概念図である。
【図13】第2の吸口体における他の取付態様を示す概念図である。
【図14】第2の吸口体の変形例を示す概念図である。
【図15】第2の吸口体の変形例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明における前後の方向は、掃除機本体を基準として掃除機本体が吸引する空気の上流側を前側とし、下流側を後側とする。また、本発明の電気掃除機を構成する第2の吸口体における上下左右方向は、図2に示す上下左右方向を基準とする。
【0013】
図1に示すように、本実施形態の電気掃除機1は、掃除機本体2と、ホース体3と、操作管4と、延長管5と、第1の吸口体6と、第2の吸口体7とを備えて構成されている。
なお、第2の吸口体7は、特許請求の範囲にいう「吸口体」に相当すると共に、「通風管」に相当する。つまり、第2の吸口体7は、第2の吸口体7の前側から延長管5や第1の吸口体6が取り外された状態では、第2の吸口体7の前側から空気を吸い込むことが可能なため、「吸口体」として機能し、第2の吸口体7の前側から延長管5や第1の吸口体6が取り付けられた状態では、延長管5や第1の吸口体6からの空気を通すため、「通風管」として機能する。ただし、第2の吸口体7だけでなく、ホース体3、操作管4、延長管5も、空気を通すため、「通風管」として機能する。
【0014】
掃除機本体2の内部には、図示しない吸引力を発生させる電動送風機や、この電動送風機の吸引力で集塵した塵埃(ゴミ)を収容する集塵部等が内蔵されている。
【0015】
ホース体3の後端は、掃除機本体2の集塵部と連通するように掃除機本体2に接続され、ホース体3の前端には操作管4が取り付けられている。
【0016】
操作管4は、操作者が把持するハンドルグリップ4aと、手元スイッチSWとを備えた管体である。手元スイッチSWは、前記した電動送風機のオンオフ、電動送風機の出力の切り替え、第1の吸口体6に内蔵される掃除ロータ(図示省略)のオンオフ等の操作が可能なように構成されている。
【0017】
延長管5は、後側に配置される管体5aと、前側に配置される管体5bとで構成されている。そして、管体5aの内径は、管体5bの外径よりも大きくなるように設定されており、管体5bが管体5aに対して内嵌する長さを調節することで、延長管5は所望の長さに伸縮自在となっている。なお、図1の符号5cは、管体5aに対する管体5bの嵌入長さ(延長管5の伸縮量)を規定するストッパである。
【0018】
第1の吸口体6は、略T字状を呈しており、延長管5の前端に接続されている。この第1の吸口体6は、操作管4に延長管5を介して取り付けられることにより、操作者が立った状態で床面を楽に掃除することができ、略T字状を呈していることから床面を幅広に掃除することができる。
【0019】
第2の吸口体7は、前記したように、その一端(後端)が掃除機本体2側に連通するように操作管4に接続されている。この第2の吸口体7は、第1の吸口体6及び延長管5を介して吸引される空気が掃除機本体2側に向かって通流可能なように、管状構造を有している。この第2の吸口体7についての詳細は後記する。
【0020】
この電気掃除機1においては、第1の吸口体6と延長管5との間、延長管5と第2の吸口体7との間、及び第2の吸口体7と操作管4との間が後記する鉤状の係合部33(図10(b)参照)を有する係合機構(一体部材10(図3参照))によって係脱自在になっており、ボタン31を押圧することで係合が解かれるようになっている。また、第1の吸口体6、延長管5、第2の吸口体7、及び操作管4は、元のように相互に嵌合させると、前記した係合機構によって互いに係合するようになっている。
【0021】
次に、第2の吸口体7について説明する。
第2の吸口体7は、図2に示すように、延長管5を取り外した際に、ブラシ部材9が前方に突出する(飛び出す)ようになっている。また、第2の吸口体7の後部には、一対のコネクタピンP1,P1が設けられている。このコネクタピンP1,P1は、操作管4の手元スイッチSW(図1参照)によって、第1の吸口体6に内蔵した掃除ロータ(図示省略)の操作が可能となるように、手元スイッチSW側と導通するソケットS1,S1と電気的に接続するものである。なお、第2の吸口体7と延長管5とのこの電気的接続は、延長管5のコネクタピンP2,P2と、第2の吸口体7のソケットS2,S2(図4参照)とによって行われる。ちなみに、図2中、符号8は、後記するパイプ部材であり、符号12は、後記するケースであり、符号31は、後記する一体部材を構成するボタン(操作部)であり、符号37は、ボタン31をケース12の外側に臨ませる開口である。また、符号5dは、後記する鉤状の係合部33(図7(a)参照)が嵌り込む凹部である。なお、塵埃検出器などの他の機器が第1の吸口体6や延長管5に存在する場合は、コネクタピンは3本以上であってもよい。
【0022】
第2の吸口体7は、図3に示すように、パイプ部材8と、前記したブラシ部材9と、前記した係合機構を構成する一体部材10(クランプ部材ともいう)と、パイプ部材8の上部周面と一体部材10との間に配置されるバネ部材32と、ブラシ部材9を前方に突出させるバネ部材11と、ケース12とを備えて構成されている。なお、ブラシ部材9は、特許請求の範囲にいう「飛び出し可能な部材」に相当し、バネ部材11は、特許請求の範囲にいう「付勢手段」に相当し、バネ部材32は、特許請求の範囲にいう「付勢部」に相当する。
【0023】
そして、詳しくは後記するが、パイプ部材8は、その前部でブラシ部材9の後側に内嵌してブラシ部材9を摺動可能に組み付け、その前部上側で一体部材10を支持して組み付けている。このようなブラシ部材9及び一体部材10を組み付けたパイプ部材8がケース12内に収納される際に、バネ部材11は、ケース12の内側後端とブラシ部材9の後側との間に配置されることで、ブラシ部材9をパイプ部材8から突出する(飛び出す)方向に付勢することとなる。
【0024】
パイプ部材8は、図4に示すように、前後に長い管体であって、前部の内側に特許請求の範囲にいう「他のパイプ」、つまり本実施形態での延長管5(図3参照)が挿入されるようになっている。そして、パイプ部材8の前部には、その左右両側で前後方向に延びるようにスリット15,15が設けられている。このスリット15,15には、後記するブラシ部材9(図5参照)に取り付けられた、後記するストッパ片20の頭部20a(図5参照)が外側から嵌入して内側に突出するように配置されることとなる。
このスリット15の長さは、後記するように、ブラシ部材9が突出する際の移動距離に合わせ込むように設定されている。
【0025】
また、パイプ部材8は、前部上側に、後記する一体部材10の軸支部30(図7参照)を支持するように半円形の切り欠きを有する支持リブ16と、前記コネクタピンP1,P1及びソケットS2,S2、並びにコネクタピンP1とソケットS2との接続配線(図示省略)を支持する支持リブ17とを備えている。ちなみに、前記したように、ソケットS2,S2は、延長管5(図2参照)に設けられたコネクタピンP2,P2が差し込まれる構造となっているが、その差込口14,14は、後方から前方に向かって拡径するようにテーパが形成されている。このようにテーパが形成された差込口14,14は、ソケットS2,S2に対するコネクタピンP2,P2の差し込みを容易にしている。
【0026】
また、図4に示すように、パイプ部材8の前部上側には、一体部材10の後記する係止部29(図7参照)をパイプ部材8の内側に突出させるための貫通孔13が形成されている。
【0027】
そして、パイプ部材8の後部上側には、凹部8aが形成されている。この凹部8aは、パイプ部材8の後部を操作管4(図1参照)の前部に内嵌した際に、操作管4の前記した鉤状の係合部が嵌り込むようになっている。つまり、凹部8aに鉤状の係合部が嵌り込むことで、パイプ部材8が操作管4から抜け出ることが防止される。
【0028】
ブラシ部材9は、図5に示すように、前部を構成する前側半体18と、後部を構成する後側半体19とを備えている。なお、図5中、前側半体18の植毛は作図の便宜上、部分的に省略している。
【0029】
前側半体18は、植毛部21を有する枠部材23と、後側半体19に対する接合部22とを備えている。
枠部材23は、パイプ部材8(図3参照)の前部を囲堯可能なように、パイプ部材8の前部の外周形状と略同形状の内側空間23bを有している。この枠部材23に設けられた植毛部21には、前方に突出するように植毛21aが施されている。また、枠部材23は、植毛21aが内側空間23b側に倒れ込まないように、植毛21aの内側で立設したリブ21bを有している。
【0030】
接合部22は、枠部材23から後方に延出した壁体の後端縁で形成されており、接合部22は、前後方向、言い換えれば第2の吸口体7(図2参照)の軸方向に対して所定の角度で傾斜する、上方が開いた馬蹄形状に形成されている。本実施形態での傾斜角度は、前後方向に対して60度に設定されている。
【0031】
この後端縁には、図6に示すように、その馬蹄形状の外側に張り出すように円弧状の凸条22aが形成されている。そして、馬蹄形状の開いた側の上方、つまり、枠部材23の後側には、突起23aが形成されている。なお、図6中、植毛は作図の便宜上省略している。
【0032】
再び図5を参照して、後側半体19は、前側半体18との接合部27を有する枠部材24と、パイプ部材8に対してスライドするスライド部25と、ストッパ片20とを備えている。
【0033】
接合部27は、次に説明する枠部材24の前側に立設された、上方に開く馬蹄形状のリブで形成されており、このリブの内側には、前側半体18の接合部22を構成する凸条22aに外嵌するように、円弧状の溝28が形成されている。この接合部27は、前側半体18の接合部22と略同じ角度となるように傾斜している。つまり、接合部27の溝28に接合部22の凸条22aを嵌入した際に、前側半体18の中心軸と後側半体19の中心軸とが同じ線上に並ぶこととなる。そして、接合部22と接合部27とが凸条22aと溝28とを介して接合されることで、植毛部21を有する前側半体18は、後側半体19に対して回転自在となる。
【0034】
また、枠部材24の前側上端部には、枠部材24の内側に凹となる窪み26が形成されている。この窪み26には、図6に示す枠部材23の突起23aが嵌脱自在に配置されることとなる。つまり、前側半体18が後側半体19に対して回転する際に、窪み26に突起23aが嵌り込むことで、前側半体18の中心軸と後側半体19の中心軸とが同じ線上に並ぶように位置決めすることができる。
【0035】
スライド部25は、円筒の周壁を軸方向に沿って部分的に切り欠いた形状を有しており、枠部材24から後方に延びるように配置されて、軸方向に直交する断面形状が上方に開いた略C字形状となっている。
このスライド部25は、前記したように、パイプ部材8の前部を内嵌するようになっている。
【0036】
また、スライド部25の両側には、ストッパ片20の取付孔35が形成されている。
この取付孔35は、次に説明するストッパ片20の支持部20bの平面形状に対応した矩形を呈しており、支持部20bを受け入れてストッパ片20をスライド部25に固定する。
【0037】
ストッパ片20は、L字状を呈しており、前記した矩形の支持部20bと、頭部20aとを備えている。
ストッパ片20の頭部20aは、前記したように、スライド部25に内嵌されたパイプ部材8の内側にスリット15を介して突出するように配置される。
つまり、スライド部25は、ストッパ片20の頭部20aがパイプ部材8のスリット15内で前後方向に移動可能な距離で、パイプ部材8に対してスライドすることとなる。
ちなみに、スリット15を介してパイプ部材8の内側に突出するストッパ片20の頭部20aには、スライド部25に内嵌されたパイプ部材8(図3参照)内に延長管5を挿入する際に、延長管5が当接することとなる。
【0038】
また、スライド部25には、前記したバネ部材11の一端を固定するバネ座36を備えている。このバネ座36に一端を固定されたバネ部材11の他端側は、後記するケース12(図3参照)の内側後端に向かって延在することとなる。
【0039】
そして、スライド部25は、次に説明する一体部材10を構成する係止部29(図7(a)参照)を案内するレール部材34を備えている。このレール部材34は、特許請求の範囲にいう「保持部材」に相当する。
【0040】
このレール部材34は、枠部材24から後方に延びるスライド部25の一対の上端縁のそれぞれに沿って設けられている。このレール部材34は、一体部材10の配置と密接な関係を有するので、次に説明する一体部材10の構成と共に説明する。
【0041】
図7(a)に示すように、前記した係合機構を構成する一体部材10は、ボタン31と、一対の脚部31bと、前記した鉤状の係合部33と、脚部31bの先端に設けられ、前記したレール部材34と協働してブラシ部材9を係止する係止部29とを備え、ボタン31と係合部33と係止部29とが一体に形成されている。ただし、ボタン31と係合部33と係止部29とは、別部材で形成されていてもよい。ここでボタン31は、特許請求の範囲にいう「操作部」に相当する。
【0042】
ボタン31は、図2に示すケース12の上部に形成された開口37に臨むように配置される。また、ボタン31は、図7(a)に示すように、その下端から周囲に張り出すフランジ部31aを備えている。
【0043】
脚部31bは、図7(a)に示すフランジ部31aから左右両側に延出すると共に、図8に示すように、ブラシ部材9のスライド部25に内嵌されたパイプ部材8の上部周面上で跨るように配置される。
【0044】
再び図7(a)を参照すると、係合部33は、フランジ部31aから前方に延出した先端が下方に屈曲することで鉤状を呈している。係合部33の鉤状部の前端面は、前後方向に対して傾斜し、係合部33の鉤状部の後端面は、前後方向に対して略垂直である(後記する図10(a)参照)。このように、鉤状部の前端面が傾斜しているため、この前端面に延長管5の後部が当接することによって、係合部33がスムーズに押し上げられ、一体部材10が回動することができる。さらに、鉤状部の前端面が傾斜しているため、係合部33の先端が、後記するように貫通孔13を介してパイプ部材8内にわずかに突出した状態であっても、係合部33の先端に塵埃が引っかかるのをある程度抑制することができる。また、鉤状部の後端面が略垂直であるため、パイプ部材8に挿入された延長管5の抜けを阻止することができる。この係合部33は、鉤状の先端と、フランジ部31a側の基端との間に一対の軸支部30,30を備えており、軸支部30,30のそれぞれは、係合部33からその両側に突出するように形成されている。この軸支部30,30は、パイプ部材8(図4参照)の前部上側に設けられた支持リブ16に支持されることで、係合部33を軸支部30,30周りに回動させるようになっている。
【0045】
係止部29は、図7(a)に示すように、略直方体の形状を呈しており、脚部31bの先端に設けられている。この係止部29は、前記したレール部材34との位置関係において、図7(a)及び(b)に示すように、係止部29の後側がレール部材34の前端面に当接する第1の状態と、図7(c)に示すように、係止部29の上側がレール部材34の下面に当接する第2の状態を取るようになっている。
【0046】
ここで再び図3を参照して、バネ部材32は、パイプ部材8の上部周面に設けられた図示しないバネ座と、一体部材10のボタン31(図7(a)参照)の裏側に設けられた図示しないバネ座との間に配置された圧縮コイルバネである。ボタン31は、バネ部材32のバネ定数に応じた反力をパイプ部材8から受ける。ちなみに、本実施形態でのバネ部材32は、前記したように、一体部材10がパイプ部材8に組み付けられて、図2に示すように、ケース12内に収容され、ボタン31がケース12の開口37に臨んだ際に、ケース12の裏側ではフランジ部31a(図7(a)参照)が開口37の周囲と当接することで、バネ部材32は前記した反力を常に生じさせる状態となっている。
【0047】
ここで図7(a)及び(b)に示す第1の状態とは、バネ部材32に基づく反力によって、係合部33の先端が軸支部30を中心に下方に向かって回動すると共に、係止部29が軸支部30を中心に上方に向かって回動してレール部材34の前端面に当接した状態をいう。ちなみに、この第1の状態での係合部33の先端は、前記した貫通孔13(図4参照)を介してパイプ部材8(図4参照)内に突出し、パイプ部材8に挿入された延長管5(図2参照)の後部に設けられた凹部5d(図2参照)に嵌り込むこととなる。
【0048】
そして、図7(c)に示す第2の状態とは、ボタン31の押下操作によって、係合部33の先端が軸支部30を中心に上方に向かって回動すると共に、係止部29が軸支部30を中心に下方に向かって回動してレール部材34の下面に当接した状態をいう。第2の状態では、係合部33の先端が貫通孔13を介してパイプ部材8内に突出していないのが好ましいが、係合部33の先端が貫通孔13を介してパイプ部材8内にわずかに(第1の状態よりも少ない量だけ)突出していてもよい。つまり、第2の状態での係合部33の先端の位置は、係合部33の先端がパイプ部材8に挿入された延長管5の凹部5dに嵌り込めない程度に、第1の状態の係合部33の先端の位置に比較して、パイプ部材8内への突出方向とは反対方向に戻っていればよい。
【0049】
したがって、詳しくは後記するが、ブラシ部材9がパイプ部材8に対して最も後方に位置する場合、言い換えれば、図1に示すように第2の吸口体7に延長管5が挿入されて接続された状態となっている場合に、一体部材10は第1の状態を維持している。また、ブラシ部材9がパイプ部材8に対して最も前方に位置する場合、言い換えれば、図2に示すように第2の吸口体7から延長管5が抜き去られた状態となっている場合に、一体部材10は第2の状態を維持している。つまり、係止部29がレール部材34の前端に当接している第1の状態から、ブラシ部材9が前方に最も突出するまで係止部29がレール部材34の下面を摺動する距離は、ブラシ部材9が突出する長さに等しい。したがって、レール部材34の長さは、少なくともブラシ部材9がパイプ部材8に対して突出する(飛び出す)長さを確保する必要がある。よって、レール部材34の長さは、ブラシ部材9がパイプ部材8に対して突出する(飛び出す)長さよりも長ければよい(例えば、レール部材34の長さは、レール部材34の後端がスライド部25の後端に至るまでの長さであってもよい)。
【0050】
ケース12は、図2に示すように、ブラシ部材9及び一体部材10を組み付けたパイプ部材8を収納するものである。
ケース12は、図9に示すように、その後側に円形の開口部38を有している。また、ケース12内の開口部38周りには、バネ座39が設けられている。このバネ座39には、図5及び図8に示すブラシ部材9(スライド部25)のバネ座36にその一端が取り付けられたバネ部材11の他端が取り付けられることとなる。そして、図9に示すケース12の開口部38からパイプ部材8(図4参照)の後部が突出するように配置された際に(図2参照)、バネ部材11(図8参照)がブラシ部材9のバネ座36(図8参照)とケース12のバネ座39(図9参照)との間で圧縮されることによって、ケース12内に固定されたパイプ部材(図2参照)に対して、ブラシ部材9は前方に向かって付勢されることとなる。
【0051】
次に、本実施形態に係る電気掃除機1の動作について説明する。
図1に示す電気掃除機1は、操作管4の先端に、第2の吸口体7、延長管5、及び第1の吸口体6をこの順番で接続しているので、第1の吸口体6を介してゴミを吸引することで掃除を行うことができる。
【0052】
このときの第2の吸口体7は、前記したように、そのパイプ部材8の前部に延長管5の後部が挿入されている。
そして、この第2の吸口体7は、図10(a)及び(b)に示すように、ケース12内に収納されたパイプ部材8に対してブラシ部材9が突出していない。ちなみに、図10(a)においては、作図の便宜上、延長管5及び操作管4の記載を省略している。そして、図10(b)においては、延長管5の後部を仮想線で記載し、操作管4の記載を省略している。
【0053】
このように突出していないブラシ部材9とパイプ部材8との位置関係においては、図10(a)に示すように、ブラシ部材9に取り付けられたストッパ片20(図5参照)の頭部20aが、パイプ部材8に設けられたスリット15の後端に当接している。そして、この頭部20aには、図10(b)に示すように、延長管5の後端が当接することとなる。
したがって、ブラシ部材9は、パイプ部材8に対してこれ以上に後退することが防止されている。
【0054】
また、このときの一体部材10とブラシ部材9との位置関係においては、図10(a)及び(b)に示すように、一体部材10の係止部29が、ブラシ部材9のレール部材34の前端に当接している。つまり、係止部29は、前記した図7(a)及び(b)に示す第1の状態となっている。
したがって、ブラシ部材9は、たとえバネ部材11(図8参照)によって前方に付勢されていても、係止部29がレール部材34の前端に当接しているので、パイプ部材8に対して前方に突出することが防止されている。
【0055】
また、第1の状態の一体部材10とパイプ部材8との位置関係においては、図10(a)及び(b)に示すように、一体部材10の鉤状の係合部33の先端が、軸支部30を中心にして下方に回動しているので、パイプ部材8の貫通孔13を介してパイプ部材8内に向かって突出する。
したがって、鉤状の係合部33の先端は、図10(b)に示すように、パイプ部材8内に挿入された延長管5の凹部5dに嵌り込む。その結果、延長管5は、パイプ部材8から抜け出ることが防止される。
【0056】
次に、図10(b)に示す第1の状態の一体部材10において、バネ部材32を介して受ける反力に抗してボタン31の押下操作を行うと、鉤状の係合部33の先端は、軸支部30を中心にして、上方に回動する。その結果、延長管5の凹部5dに対する鉤状の係合部33の係合は解除される。
【0057】
その一方で、係止部29は、軸支部30を中心にして、下方に回動する。つまり、係止部29は、図7(b)に示すように、レール部材34の先端に当接した第1の状態から、図7(c)に示すように、レール部材34の下面に当接した第2の状態に変位する。
その結果、図10(b)に示すレール部材34の前端に当接していた係止部29が下方に外れることで、ブラシ部材9は、前方に付勢するバネ部材11(図8参照)によって前方に移動する。そして、ブラシ部材9と共にスリット15内を前方に移動するストッパ片20の頭部20aによって、パイプ部材8に挿入されていた延長管5は、前方に押出される。
【0058】
そして、第2の吸口体7は、図2に示すように延長管5が抜け出ると、図11(a)及び(b)に示すように、ブラシ部材9が前方に突出する。ちなみに、図11(a)及び(b)においては、操作管4の記載を省略している。
【0059】
このように突出したブラシ部材9とパイプ部材8との位置関係においては、図11(a)に示すように、ブラシ部材9に取り付けられたストッパ片20(図5参照)の頭部20aが、パイプ部材8に設けられたスリット15の前端に当接している。
したがって、ブラシ部材9は、パイプ部材8に対してこれ以上に突出することが防止されている。
【0060】
また、このときの一体部材10とブラシ部材9との位置関係においては、図11(a)及び(b)に示すように、一体部材10の係止部29が、ブラシ部材9のレール部材34の下面に当接している。つまり、係止部29は、前記した図7(c)に示す第2の状態となっている。
したがって、一体部材10の係止部29は、バネ部材32を介して受ける反力によって上方に変位しようとしてもレール部材34の下面に当接することで、上方への変位を防止される。つまり、一体部材10は、第2の状態から第1の状態に変位することがレール部材34によって禁止されている。言い換えれば、レール部材34(保持部材)は、第2の状態を保持している。
【0061】
また、第2の状態の一体部材10においては、図11(a)及び(b)に示すように、一体部材10の鉤状の係合部33の先端が、第1の状態の一体部材10よりも、上方に変位した状態が維持されている。つまり、一体部材10は、パイプ部材8に延長管5(他のパイプ)が挿入されていない状態において、鉤状の係合部33の先端を、パイプ部材8の内側への突出方向とは反対側へ変化した状態に保持している。言い換えれば、前記したように、ブラシ部材9がパイプ部材8に対して前方に突出した状態においても、一体部材10は、鉤状の係合部33の先端を、パイプ部材8の内側への突出方向とは反対側へ変化した状態に保持している。
【0062】
そして、図1に示すように、第2の吸口体7に再び延長管5を接続する場合には、図11(a)に示すパイプ部材8内に延長管5を挿入する。この際、延長管5は、図11(a)に示すスリット15を介してパイプ部材8内に突出するストッパ片20(図5参照)の頭部20aを後方に向かって移動させる。この頭部20aの後方への移動に伴って、ブラシ部材9も後方に移動していく。
【0063】
図10(a)に示す位置まで頭部20aが移動すると、一体部材10はバネ部材32を介して受ける反力によって第1の状態に戻る。つまり、係止部29は、レール部材34の前端に当接することで、ブラシ部材9が突出するのを防止し、鉤状の係合部33の先端は、延長管5の凹部5dに嵌り込んで、パイプ部材8から延長管5が抜け出るのを防止する。
【0064】
以上のような電気掃除機1によれば、次のような作用効果を奏することができる。
本実施形態に係る電気掃除機1では、第2の吸口体7から延長管5を抜き去ることで、ブラシ部材9が前方に突出する。その結果、第2の吸口体7を介してゴミを吸引する際に、突出したブラシ部材9を使用することができる。
【0065】
そして、本実施形態に係る電気掃除機1は、第2の吸口体7から延長管5を抜き去った後であっても、従来の電気掃除機(例えば、特許文献1参照)と異なって、延長管5の凹部5dと係合していた鉤状の係止部29の先端が、パイプ部材8内に突出することがない。
したがって、本実施形態に係る電気掃除機1によれば、第2の吸口体7のパイプ部材8内で、鉤状の係止部29にゴミが引っ掛かるのを防止することができる。
【0066】
また、本実施形態に係る電気掃除機1によれば、前記したように、鉤状の係止部29にゴミが引っ掛かるのを防止することができるので、引っ掛かったゴミによって吸い込んだ空気の流れを乱してエネルギー損失が増加するのを抑制することができる。
【0067】
また、本実施形態に係る電気掃除機1によれば、前記したように、鉤状の係止部29にゴミが引っ掛かるのを防止することができるので、ゴミによって吸い込んだ空気の流れを乱して騒音を引き起こすのを防止することができる。
【0068】
また、本実施形態に係る電気掃除機1によれば、延長管5を抜き去った後であっても、鉤状の係止部29の先端がパイプ部材8内に突出することがないので、延長管5を再び第2の吸口体7に挿入する際に、鉤状の係止部29が延長管5に干渉することがないので、延長管5を容易に挿入することができる。
【0069】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。
前記実施形態では、第2の吸口体7は植毛部21を有しているが、本発明は植毛部21を有しない単なる「通風管」であってもよい。なお、植毛部21を有しない通風管であってもゴミを吸引する吸口体として機能する。
【0070】
また、前記実施形態では、第2の吸口体7を構成する前側半体18の中心軸と後側半体19の中心軸とが同じ線上に並ぶものについて説明したが、本発明は後側半体19に対して前側半体18を回転させることによって、前側半体18の中心軸と後側半体の中心軸とが交差するように配置することができる。つまり、第2の吸口体7の前後方向に対して、植毛部21が傾斜するように変えることができる。
【0071】
また、植毛部21を傾斜させた第2の吸口体7は、図12に示すように、操作管4の先端に延長管5を介して取り付けることによって、カーテンレールや棚上等の比較的に高い位置の掃除に適した構成となる。
【0072】
また、図12に示す第2の吸口体7には、図13に示すように、第1の吸口体6を取り付けることができる。この際、第2の吸口体7の前側半体18及び後側半体19(図5参照)は相互の中心軸が直線上に並ぶように後側半体19に対して前側半体18を回転させておく必要がある。
【0073】
また、前記実施形態では、第2の吸口体7の後側半体19に対して前側半体18を回転させることによって、植毛部21を傾斜させることができるようになっているが、本発明は植毛部21を、ヒンジを介して傾斜可能としたものであってもよい。
図14に示すように、この第2の吸口体7は、植毛部21が後側半体19の前部であってその上下方向の略中央に設けたヒンジHを介して取り付けられている。この第2の吸口体7はヒンジHを中心に植毛部21が回動することで傾斜可能となっている。なお、図14中、符号12はケースであり、符号8はパイプ部材であり、符号10は一体部材であり、符号11はバネ部材である。
また、ヒンジHは、図15に示すように、後側半体19の前部であってその下側に偏移した位置に設けられても良い。このような第2の吸口体7は、ブラシ部材9の前側半体18がパイプ部材8に対して回動して突出するように構成されていてもよい。
本発明の技術思想は、パイプ部材8に対してブラシ部材9が前後方向に摺動する吸口体だけではなく、パイプ部材8の上側または下側の何れかを支点としてブラシ部材9が前後に回動する吸口体に適用してもよい。摺動する場合も回動する場合もパイプ部材8に対してブラシ部材9が前方へ飛び出すこととなる。
【符号の説明】
【0074】
1 電気掃除機
2 掃除機本体
3 ホース体
4 操作管
5 延長管
6 第1の吸口体
7 第2の吸口体(吸口体)
9 ブラシ部材
10 一体部材
11 バネ部材(付勢手段)
14 差込口
18 前側半体
19 後側半体
21 植毛部
25 スライド部
29 係止部
31 ボタン(操作部)
32 バネ部材(付勢部)
33 係合部
34 レール部材(保持部材)
H ヒンジ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除機本体と、一端が前記掃除機本体側に連通し、かつ他端に他のパイプが挿入可能な吸口体とを備えた電気掃除機において、
前記吸口体は、前記他のパイプを挿入可能なパイプ部材と、
前記パイプ部材に対して突出可能なブラシ部材と、
押下操作可能な操作部と前記パイプ部材側に収納された状態に前記ブラシ部材を係止する係止部と前記パイプ部材の内側に突出して前記パイプ部材に挿入された前記他のパイプに係合可能な係合部とが一体に形成された一体部材と、
を備え、
前記一体部材は、前記パイプ部材に前記他のパイプが挿入されていない状態において、前記係合部を前記パイプ部材の内側への突出方向とは反対側へ変化した状態に保持することを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
掃除機本体と、一端が前記掃除機本体側に連通しかつ他端に他のパイプが挿入可能な吸口体とを備えた電気掃除機において、
前記吸口体は、前記他のパイプを挿入可能なパイプ部材と、
前記パイプ部材に対して突出可能なブラシ部材と、
押下操作可能な操作部と前記パイプ部材側に収納された状態に前記ブラシ部材を係止する係止部と前記パイプ部材の内側に突出して前記パイプ部材に挿入された前記他のパイプに係合可能な係合部とが一体に形成された一体部材と、
を備え、
前記一体部材は、前記ブラシ部材が前記パイプ部材に対して突出した状態において、前記係合部を前記パイプ部材の内側への突出方向とは反対側へ変化した状態に保持することを特徴とする電気掃除機。
【請求項3】
掃除機本体と、一端が前記掃除機本体側に連通しかつ他端に他のパイプが挿入可能な通風管とを備えた電気掃除機において、
前記通風管は、
前記他のパイプを挿入可能なパイプ部材と、
押下操作可能な操作部と、
前記パイプ部材に挿入された前記他のパイプに係合可能でかつ前記操作部の変化に連動して変化する係合部と、
前記パイプ部材の内側に突出する方向へ前記係合部を付勢する付勢部と、
を備え、
前記係合部は、前記パイプ部材の内側に突出した状態において前記他のパイプに係合可能で、前記操作部への押下操作に連動して前記パイプ部材の内側への突出方向とは反対側へ変化し、前記パイプ部材の内側への突出方向とは反対側へ変化した状態において前記他のパイプとの係合を解除可能で、
前記係合部は、前記パイプ部材に前記他のパイプが挿入されていない状態において、前記パイプ部材の内側への突出方向とは反対側へ変化した状態にあることを特徴とする電気掃除機。
【請求項4】
請求項3に記載の電気掃除機において、
前記通風管は、前記パイプ部材に対して飛び出し可能な部材と、
前記飛び出し可能な部材を、飛び出し方向に付勢する付勢手段とを備え、
前記飛び出し可能な部材が前記係合部による前記パイプ部材の係合の解除に連動して飛び出しを開始した状態から少なくとも前記パイプ部材に対して飛び出した状態に至るまで、前記パイプ部材の内側への突出方向とは反対側へ変化した状態に前記係合部を保持することを特徴とする電気掃除機。
【請求項5】
請求項3に記載の電気掃除機において、
前記通風管は、前記パイプ部材に対して飛び出し可能な部材と、
前記飛び出し可能な部材を、飛び出し方向に付勢する付勢手段とを備え、
前記飛び出し可能な部材は、前記係合部に当接して、前記パイプ部材の内側への突出方向とは反対側へ変化した状態に前記係合部を保持する保持部材を有し、
前記保持部材は、前記係合部による前記パイプ部材の係合の解除に連動して前記飛び出し可能な部材が飛び出しを開始した状態から少なくとも前記パイプ部材に対して飛び出した状態に至るまで、前記飛び出し可能な部材の移動方向に延びて形成されることを特徴とする電気掃除機。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の電気掃除機において、
前記飛び出し可能な部材は、ブラシを有することを特徴とする電気掃除機。
【請求項1】
掃除機本体と、一端が前記掃除機本体側に連通し、かつ他端に他のパイプが挿入可能な吸口体とを備えた電気掃除機において、
前記吸口体は、前記他のパイプを挿入可能なパイプ部材と、
前記パイプ部材に対して突出可能なブラシ部材と、
押下操作可能な操作部と前記パイプ部材側に収納された状態に前記ブラシ部材を係止する係止部と前記パイプ部材の内側に突出して前記パイプ部材に挿入された前記他のパイプに係合可能な係合部とが一体に形成された一体部材と、
を備え、
前記一体部材は、前記パイプ部材に前記他のパイプが挿入されていない状態において、前記係合部を前記パイプ部材の内側への突出方向とは反対側へ変化した状態に保持することを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
掃除機本体と、一端が前記掃除機本体側に連通しかつ他端に他のパイプが挿入可能な吸口体とを備えた電気掃除機において、
前記吸口体は、前記他のパイプを挿入可能なパイプ部材と、
前記パイプ部材に対して突出可能なブラシ部材と、
押下操作可能な操作部と前記パイプ部材側に収納された状態に前記ブラシ部材を係止する係止部と前記パイプ部材の内側に突出して前記パイプ部材に挿入された前記他のパイプに係合可能な係合部とが一体に形成された一体部材と、
を備え、
前記一体部材は、前記ブラシ部材が前記パイプ部材に対して突出した状態において、前記係合部を前記パイプ部材の内側への突出方向とは反対側へ変化した状態に保持することを特徴とする電気掃除機。
【請求項3】
掃除機本体と、一端が前記掃除機本体側に連通しかつ他端に他のパイプが挿入可能な通風管とを備えた電気掃除機において、
前記通風管は、
前記他のパイプを挿入可能なパイプ部材と、
押下操作可能な操作部と、
前記パイプ部材に挿入された前記他のパイプに係合可能でかつ前記操作部の変化に連動して変化する係合部と、
前記パイプ部材の内側に突出する方向へ前記係合部を付勢する付勢部と、
を備え、
前記係合部は、前記パイプ部材の内側に突出した状態において前記他のパイプに係合可能で、前記操作部への押下操作に連動して前記パイプ部材の内側への突出方向とは反対側へ変化し、前記パイプ部材の内側への突出方向とは反対側へ変化した状態において前記他のパイプとの係合を解除可能で、
前記係合部は、前記パイプ部材に前記他のパイプが挿入されていない状態において、前記パイプ部材の内側への突出方向とは反対側へ変化した状態にあることを特徴とする電気掃除機。
【請求項4】
請求項3に記載の電気掃除機において、
前記通風管は、前記パイプ部材に対して飛び出し可能な部材と、
前記飛び出し可能な部材を、飛び出し方向に付勢する付勢手段とを備え、
前記飛び出し可能な部材が前記係合部による前記パイプ部材の係合の解除に連動して飛び出しを開始した状態から少なくとも前記パイプ部材に対して飛び出した状態に至るまで、前記パイプ部材の内側への突出方向とは反対側へ変化した状態に前記係合部を保持することを特徴とする電気掃除機。
【請求項5】
請求項3に記載の電気掃除機において、
前記通風管は、前記パイプ部材に対して飛び出し可能な部材と、
前記飛び出し可能な部材を、飛び出し方向に付勢する付勢手段とを備え、
前記飛び出し可能な部材は、前記係合部に当接して、前記パイプ部材の内側への突出方向とは反対側へ変化した状態に前記係合部を保持する保持部材を有し、
前記保持部材は、前記係合部による前記パイプ部材の係合の解除に連動して前記飛び出し可能な部材が飛び出しを開始した状態から少なくとも前記パイプ部材に対して飛び出した状態に至るまで、前記飛び出し可能な部材の移動方向に延びて形成されることを特徴とする電気掃除機。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の電気掃除機において、
前記飛び出し可能な部材は、ブラシを有することを特徴とする電気掃除機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−30679(P2011−30679A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−178483(P2009−178483)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】
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