電気掃除機
【課題】 補助ノズルの着脱による作業負荷を軽減するとともに、清掃面や家具の傷付きを防止することができ、さらに清掃後の手入れに手間がかからない電気掃除機を提供する。
【解決手段】 塵埃を吸い込むための送風機を備えた電気掃除機本体100と、一端が電気掃除機本体100に取付けられて送風機に連通する吸引ホース200と、一端が吸引ホースの他端に取付けられて送風機に連通する手元ハンドル部300と、一端が手元ハンドル部300に取付けられて吸引ホース200に連通する延長管400と、一端が延長管400に取付けられて延長管400に連通する吸口体500とを備えた電気掃除機1において、 延長管400は、先端部を被覆する被覆部450とを備え、被覆部450を軟質部材で構成する。
【解決手段】 塵埃を吸い込むための送風機を備えた電気掃除機本体100と、一端が電気掃除機本体100に取付けられて送風機に連通する吸引ホース200と、一端が吸引ホースの他端に取付けられて送風機に連通する手元ハンドル部300と、一端が手元ハンドル部300に取付けられて吸引ホース200に連通する延長管400と、一端が延長管400に取付けられて延長管400に連通する吸口体500とを備えた電気掃除機1において、 延長管400は、先端部を被覆する被覆部450とを備え、被覆部450を軟質部材で構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機に係り、特に、延長管の先端を使用して掃除を行うことができる電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、一般的に普及している電気掃除機は、塵埃を集塵室に吸い込むための送風機を備えた電気掃除機本体と、この電気掃除機本体に一端が取り付けられる吸引ホースと、この吸引ホースの他端が取り付けられる手元ハンドル部と、この手元ハンドル部に一端が取り付けられる延長管と、この延長管の他端に取り付けられる吸口体とを備えている。
【0003】
この従来の電気掃除機においては、手元ハンドル部が、吸引ホースと延長管とを連通させる連結管と、連結管の外周面上に設けられた把手部とから構成されており、使用者が把手部を握り、延長管を介して吸口体を操作することで、清掃作業を行うようになっている。
また、狭い場所や高い場所を掃除する場合には、吸口体を取り外し、延長管の先端部に着脱可能な別体のすき間ノズルやブラシ付ノズル等の補助ノズルを取り付けて掃除するようになっている。
【0004】
しかしながら、延長管の先端部にすき間ノズルやブラシ付ノズル等の補助ノズルを着脱する場合には、清掃作業を一時的に止めなければならず、着脱に手間がかかる。このため、延長管の先端に補助ノズルを取り付けず、延長管の先端をそのまま清掃面に当てて掃除を行うことが実態として見受けられる。
【0005】
延長管の先端を用いて掃除をする場合、吸口体を取り外すだけでよいので、補助ノズルの着脱にかかる手間は軽減できるものの、掃除の際に延長管の先端角部が床面や家具にあたり、床面や家具を傷つける可能性がある。特に、延長管と吸口体が電気的に接続された電気掃除機においては、延長管の先端を直接使用することにより、床面や家具の傷つきに加え、接続部分がショートして思わぬトラブルが生じる可能性がある。
【0006】
このため、従来の電気掃除機では、補助ノズルの着脱に伴う作業負荷の軽減や、床面や家具の傷つきを防止したり、あるいは、延長管の先端を直接使用しないようにするための工夫を凝らしている。例えば、従来の電気掃除機では、延長管の先端にあらかじめすき間ノズルやブラシ付ノズル等の補助ノズルを取り付けたり、あるいは延長管の先端にブラシを設けたりした上で、延長管と吸口体を着脱するように構成している。このような構成とすることで、補助ノズルの着脱にかかる手間を軽減し、延長管の先端を直接使用しないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−139785号公報
【特許文献2】特開2005−334422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記従来例1の電気掃除機は、延長管の先端に、先端が斜めにカットされた四角形状のすき間用ノズルを取り付け、このすき間用ノズルに吸口体を取り付けるように構成されている。そして、家具のすき間や部屋の隅を掃除する際には、吸口体を取り外し、斜めにカットされたすき間ノズルの先端を清掃面に当てて掃除を行うようになっている。しかしながら、従来例1の電気掃除機においては、すき間ノズルの先端が四角形状であることから、清掃中に角部が家具や壁面に当たり、家具や壁面を傷つける可能性がある。
【0009】
また、前記従来例2の電気掃除機は、延長管の先端を斜めにカットし、この斜めにカットした部分にブラシを設け、このブラシを収納するように吸口体を取り付ける構成としている。そして、家具のすき間や部屋の隅を掃除する際には、吸口体を取り外し、ブラシが設けられた延長管の先端を清掃面に当て、ブラシでこみを掻き出して掃除を行うようになっている。しかしながら、従来例2の電気掃除機においては、延長管の先端を直接使用せずに掃除を行うことができるものの、ブラシで掻き出した毛や綿ごみなどがブラシに絡まるので、清掃後のブラシの手入れに手間がかかるという課題がある。
【0010】
本発明の目的は、補助ノズルの着脱による作業負荷を軽減するとともに、清掃面や家具の傷付きを防止することができ、さらに清掃後の手入れに手間がかからない電気掃除機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明に係る電気掃除機は、塵埃を吸い込むための送風機を備えた電気掃除機本体と、一端が前記電気掃除機本体に取付けられて前記送風機に連通する吸引ホースと、前記吸引ホースの他端に取付けられて前記送風機に連通する手元ハンドル部と、一端が前記手元ハンドル部に取付けられて前記吸引ホースに連通する延長管と、一端が延長管に取付けられて該延長管に連通する吸口体とを備えた電気掃除機において、前記延長管は、先端部を被覆する被覆部とを備え、前記被覆部を軟質部材で構成する。
【0012】
また、前記目的を達成するために、本発明に係る電気掃除機は、塵埃を吸い込むための送風機を備えた電気掃除機本体と、一端が前記電気掃除機本体に取付けられて前記送風機に連通する吸引ホースと、前記吸引ホースの他端に取付けられて前記送風機に連通する手元ハンドル部と、一端が前記手元ハンドル部に取付けられて前記吸引ホースに連通する延長管と、一端が延長管に取付けられて該延長管に連通する吸口体とを備えた電気掃除機において、前記吸口体は、前記延長管と電気的に接続するための接続ピンを備え、前記延長管は、前部上面に形成された張出部と、前記張出部の前面を含む先端部を斜めにカットして形成されたカット面と、前記カット面を被覆する被覆部とを備え、前記被覆部は、軟質部材で構成され前記張出部は、前記接続ピンが出し入れされる貫通穴を前面に備えるとともに、前記接続ピンが接続されるピン接続部と、前記被覆部と一体に形成されたシャッターとを内部に備え、前記シャッターを前記貫通穴と前記ピン接続部との間に配置する。
【0013】
さらに、前記目的を達成するために、本発明に係る電気掃除機は、塵埃を吸い込むための送風機を備えた電気掃除機本体と、一端が前記電気掃除機本体に取付けられて前記送風機に連通する吸引ホースと、前記吸引ホースの他端に取付けられて前記送風機に連通する手元ハンドル部と、一端が前記手元ハンドル部に取付けられて前記吸引ホースに連通する延長管と、一端が延長管に取付けられて該延長管に連通する吸口体とを備えた電気掃除機において、前記吸口体は、前記延長管と電気的に接続するための接続ピンを備え、前記延長管は、前記吸口体から吸い込んだ塵埃を含む空気流の搬送路を内部に備えた管体と、前記管体の前部上面に形成された張出部とを備えるとともに、前記管体の先端部を斜めにカットして形成された第1カット面と、前記張出部の先端部をカットして形成された第2カット面とを先端部に備え、前記延長管の先端部は、前記第1カット面と前記第2カット面とを被覆する被覆部とを備え、前記被覆部は、軟質部材で構成され、前記張出部は、前記接続ピンが出し入れされる貫通穴を前面に備えるとともに、前記接続ピンが接続されるピン接続部と、前記被覆部と一体に形成されたシャッターとを内部に備え、前記シャッターを前記貫通穴と前記ピン接続部との間に配置する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、補助ノズルの着脱による作業負荷を軽減することができるとともに、床面や家具の傷付きを防止することができ、さらに清掃後の手入れに手間がかからない電気掃除機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る電気掃除機の外観斜視図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態に係る電気掃除機を構成する延長管と吸口体を取り外した状態を示す図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施形態に係る電気掃除機を構成する延長管の構造を示す図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施形態に係る電気掃除機を構成する延長管と吸口体の着脱構造を示す図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施形態に係る電気掃除機を構成する延長管を用いた清掃状態を示す図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施形態に係る電気掃除機を構成する手元ハンドル部の外観図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施形態に係る電気掃除機を構成する手元ハンドル部を用いた清掃状態を示す図である。
【図8】図8は、本発明の第2の実施形態に係る電気掃除機を構成する延長管の構造を示す図である。
【図9】図9は、本発明の第2の実施形態に係る電気掃除機を構成する延長管を用いた清掃状態を示す図である。
【図10】図10は、本発明の第3の実施形態に係る電気掃除機を構成する手元ハンドル部の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図1から図10を参照して説明する。図1から図7が第1の実施形態を説明する図、図8と図9が第2の実施形態を説明する図、図10が第3の実施形態を説明する図である。なお、同一の部材または部位は同一符号を以って示し、重複した説明は省略する。
【0017】
(第1の実施形態)
図1から図7を参照して、本発明の第1の実施形態に係る電気掃除機について説明する。まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る電気掃除機の概略構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の概略構成を示す図である。
【0018】
図1において、符号1で総括的に示すのは電気掃除機であり、塵埃を吸い込むための図示しない送風機を備えた電気掃除機本体100と、一端が電気掃除機本体100に取付けられて前記送風機に連通する柔軟性のある吸引ホース200と、吸引ホース200の他端に取付けられて前記送風機に連通する手元ハンドル部300と、一端が手元ハンドル部300に取付けられて吸引ホース200に連通する延長管400と、一端が延長管400に取付けられて該延長管400に連通する吸口体500とから構成される。また、電気掃除機1は、延長管400の中心軸P1に沿って手元ハンドル部300をひねることで、吸口体500の向きを変えて掃除を行うようになっている。
【0019】
電気掃除機本体100は、内部に集塵室を備え、一対の大車輪101と1個の自在車輪(図示省略)により、吸引ホース200を介して移動させることができる。また、電気掃除機本体100は、吸引ホース200の一端が取り付けられるホース取付部110とを備えている。この電気掃除機本体100の運転制御は、吸引ホース200に信号線を配線して、この信号線を介して手元ハンドル部300から電気掃除機本体100に操作信号を伝達することができる。また、電気掃除機本体100の集塵室には、例えば、使い捨ての集塵袋や樹脂製の集塵ケースが配置されるようになっている。
【0020】
吸引ホース200は、塵埃を電気掃除機本体100に搬送するための搬送通路としての機能と、電気掃除機本体100を移動させるための引っ張り手段としての機能をもっている。吸引ホース200の一端には、ホース部210と手元ハンドル部300を接続するハンドル接続部211が設けられ、吸引ホース200の他端には、ホース部210を前記電気掃除機本体100に着脱する本体接続部212が設けられている。また、本体接続部212には、電気掃除機本体100を持ち上げるためのサブハンドル部213が取り付けられている。
【0021】
手元ハンドル部300は、吸引ホース200と延長管400を連通させる機能と、電気掃除機本体100の運転制御機能及び移動機能と、吸口体500の動きを制御する機能を備えている。この手元ハンドル部300は、延長管400と吸引ホース200を連結する連結管部301と、連結管部301の上方に設けられたグリップ部302と、電気掃除機本体100および吸口体500の運転制御を行う操作スイッチ部303と、延長管400の長さを調整するトリガースイッチ304とを備えている。以下、この実施形態では、手元ハンドル部300の延長管400が連結される側を「前方(矢印V1方向)」、吸引ホース200が接続される側を「後方(矢印V2方向)」と定義して説明する。
【0022】
グリップ部302は、連結管部301の前端部から上方に向けて立設して形成され、グリップ部302の前方部分を構成するグリップ前方部302aと、グリップ部302の後方部分を構成し、グリップ前方部302aの後端部から後方に向けて湾曲して形成された棒状のグリップ302bと、グリップ302bの後端部と連結管部301の後端部とを接続する接続部305とから構成され、全体として環状の外観形状を備えている。
【0023】
また、グリップ部302は、グリップ前方部302aの後端部とグリップ302bの前端部が接続された略アーチ状となっており、グリップ前方部302aの上面に操作スイッチ部303、グリップ前方部302aの裏面にトリガースイッチ304が設けられている。
【0024】
延長管400は、一端が吸口体500と接続される第1延長管401と、一端が連結管部301と接続される第2延長管402と、第1延長管401の他端と第2延長管402の他端とを連結するロック機構403とから構成されている。また、延長管400は、ロック機構403を解除することにより、第1延長管401と第2延長管402が相互に移動し、伸縮可能な構造となっている。なお、この実施形態では、第2延長管402に第1延長管401が収納される構成となっている。
【0025】
吸口体500は、塵埃を吸い込むための吸引口を底面に備えた吸口本体501と、吸口本体501と延長管400を連結し、延長管400を介して手元ハンドル部300の動作を吸口本体501に伝達する自在連結部502とで構成されている。そして、吸口体500は、図2で示すように、ロック機構550を介して延長管400の先端部に着脱可能に取り付けられている。また、吸口本体501は、回転ブラシ(図示省略)と、この回転ブラシを回転させる駆動機構(図示省略)とを内部に備えることができる。
【0026】
吸口本体501の内部に前記回転ブラシと前記駆動機構を設けた場合、前記駆動機構を動作させるための操作信号を伝達する信号線を延長管400に配線し、この信号線を介して手元ハンドル部300からの操作信号を吸口本体501に伝達することができる。
【0027】
自在連結部502は、延長管400を上下に移動させる第1の腕部502aと、延長管400を左右に移動させる第2の腕部502bとで構成され、手元ハンドル部300の動きに対して、常に吸口本体500の底面を清掃面(床面)に接するように動作させる。また、自在連結部502は、吸口本体501から吸い込んだ塵埃を含む空気流が延長管400に導かれるように、吸口本体501と延長管400とを連通させている。
【0028】
この実施形態に係る電気掃除機は、延長管400の先端部を斜めにカットしてカット面を形成し、このカット面にゴム等の軟質部材からなる被覆部450を設けた構成に特徴がある。
【0029】
このような構成とすることにより、延長管400の先端を用いて掃除を行う場合に、斜めにカットされた延長管400の先端部分(カット面)を、軟質部材からなる被覆部450により保護しているので、清掃に伴う床面や家具の傷付きを軽減することができる。しかも、斜めにカットされた延長管400の先端を軟質部材からなるブラシが無い被覆部450で被覆しているので、ごみや埃が付着しにくく、付着しても延長管400の先端を被覆する被覆部450を雑巾等で拭くだけで良いので、清掃後の手入れにかかる手間を軽減することができる。
【0030】
次に、図2および図3を参照して、延長管と吸口体の構造について説明する。図2は、延長管と吸口体を取り外した状態を示す図である。図3は、延長管の構成を示す図であり、図3(a)が平面図、図3(b)がA−A断面図、図3(c)がB−B断面図である。
【0031】
図2において、吸口体500は、第2の腕部502bの端部に設けられた延長管接続部506と、延長管接続部506よりも後方(矢印V1方向)の位置で、第2の腕部502bの上面に設けられた第1張出部507と、この第1張出部507に設けられ、延長管400と吸口体500を電気的に接続するための一対の接続ピン508とを備えている。また、延長管接続部506は、吸口体500と延長管400とを接続した際に、ロック機構550が嵌合する嵌合部518を備えている。
【0032】
図2および図3において、第1延長管401は、延長管接続部506が取り付けられる開口部410を備えたるとともに、第1延長管401の前方上面に設けられた第2張出部509と、この第2張出部509と連通し、第1延長管401の上面に沿って形成された配線収納部515を備えている。第2張出部509は、内部にピン接続部513とロック機構550とを備えるとともに、一対の接続ピン508が出し入れされる一対の貫通穴510が形成された壁部511を前面に備えている。また、第2張出部509は、貫通穴510が形成された壁部511と内部に配置されたピン接続部510との間に設けられたゴム等の軟質部材からなるシャッター512を備えている。この実施形態では、第1延長管401を、開口部410を有する第1管体460と、この第1管体460の前方上面に設けられた第2張出部509と、この第2張出部509と連通し、第1管体401の上面に沿って形成された配線収納部515とで構成している。
【0033】
配線収納部515は、前方部分が第2張出部509と連通するように構成されるとともに、後方部分が手元ハンドル300と接続される第2延長管402の端部まで延在するように構成されている。そして、配線収納部515には、手元ハンドル部300からの操作信号を吸口体500に伝達する信号線が配線されている。
【0034】
第2延長管402は、手元ハンドル部300と接続される側の端部に設けられた図示しない接続ピンを備えている。そして、この接続ピンが手元ハンドル部300に設けられた図示しないピン接続部と接続されることにより、手元ハンドル部300と第2延長管402が電気的に接続され、手元ハンドル部300から発信された操作信号を、配線収納部515に配線された信号を介して吸口体500に伝達することができる。
【0035】
ロック機構550は、延長管400と吸口体500をロックしたり、延長管400と吸口体500のロック状態を解除したりする機能を備えている。このロック機構550は、延長管400と吸口体500をロックするクランプ551と、このクランプ551を支持する支持部材552とを備えている。また、支持部材552は、バネ等の弾性部材で構成されている。
【0036】
クランプ551は、延長管400と吸口体500を固定する固定爪553と、固定爪553を動作させる押ボタン554とを備えており、押ボタン554が延長管400の前方上面(第2張出部509の上面)へ露出するように、支持部材552を介して延長管400の先端の内部(第2張出部509の内部)に設けられている。
【0037】
固定爪553は、延長管400の先端から吸口体500が挿入されることにより、嵌合部518と嵌合され、延長管400と吸口体500とを固定するようになっている。具体的には、延長管400の先端部から吸口体500を挿入することにより、固定爪553が押し上げられ、固定爪553と嵌合部518が嵌合することにより、吸口体500と延長管400固定されるようになっている。
【0038】
一方、吸口体500を取り外す際は、押ボタン554を押下すると、支持部材552を介して固定爪553が上方に持ち上げられ、嵌合部518との嵌合が解除された状態となる。この状態で吸口体500を前方(矢印V1方向)へ引っ張ることにより、吸口体500が延長管500から取り外された状態となる。
【0039】
この実施形態に係る電気掃除機は、第2張出部509の前面を含む延長管400の先端部を斜めにカットしてカット面を形成し、このカット面をゴム等の軟質部材からなる被覆部450を設けるとともに、この被覆部450と一体に形成されたゴム等の軟質部材からなるシャッター512を、貫通穴510とピン接続部513の間に設けた構成にある。この構成について、図4および図5を参照して説明する。
【0040】
図4は、延長管と吸口体の着脱構造を説明する図であり、図4(a)が延長管と吸口体を分離した状態を示す断面図、図4(b)が延長管と吸口体を接触させた状態を示す断面図、図4(c)が延長管と吸口体を接続させた状態を示す断面図である。図5は、延長管を用いた清掃状態を示す図であり、図5(a)が延長管の先端角部を用いた清掃状態を示す図、図5(b)が延長管の先端全体用いた清掃状態を示す図である。
【0041】
図4において、延長管400に吸口体500を取り付ける際は、図4(a)で示した延長管400と吸口体500が分離された状態から、図4(b)で示すように、延長管接続部506の先端部分を開口部410に挿入すると同時に、一対の接続ピン508の先端を一対の貫通穴510へ挿入し、位置合わせを行う。この位置合わせの状態から、吸口体500を後方(矢印V2方向)へ押し込むことにより、図4(c)で示すように、一対の接続ピン508がシャッター512を押し上げながら第2張出部509の内部に挿入され、ピン接続部510と接続された状態となる。同時に、延長管接続部506が開口部410に挿入され、固定爪553と延長管接続部506に設けられた嵌合部518が嵌合することにより、延長管400と吸口体500が固定された状態となる。
【0042】
一対の接続ピン508とピン接続部510が接続されると、延長管400と吸口体500が電気的に接続された状態となり、延長管400に配線された信号線を介して手元ハンドル部300から発信された操作信号が吸口体500に伝達され、吸口体500を動作させて掃除を行うことができる。
【0043】
一方、延長管400から吸口体500の取り外し、延長管400の先端を用いて掃除をする際には、まず、押ボタン554を押下し、固定爪553と嵌合部518との嵌合を解除し、延長管400と吸口体500のロック状態を解除する。ロック状態を解除すると、吸口体500が移動可能となり、この吸口体500を前方(矢印V1方向)へ引くことにより、延長管接続部506が開口部410から引き抜かれるとともに、一対の接続ピン508がピン接続部510から引き抜かれて延長管400と吸口体500の電気的な接続も解除され、一対の接続ピン508を貫通穴510から引き抜くことにより、延長管400から吸口体500が取り外された状態となる。
【0044】
この実施形態では、貫通穴510から一対の接続ピン508が引き抜かれる際、ゴム等の軟質部材で形成されたシャッター512が、その弾性力により元の位置へ戻るように構成されている。
【0045】
このような構成とすることにより、吸口体500を取り外した際に、延長管400の先端に設けられた貫通穴510がシャッター512により塞がれるので、図5(a)および図5(b)で示すように、延長管400の先端を用いて掃除を行った場合でも、ピン接続部513にごみや埃が付着するのを軽減することができる。
【0046】
また、図5(a)で示すように、延長管400の先端角部を用いて掃除を行う場合でも、延長管400の先端が被覆部450で保護されているので、清掃に伴う床面や家具の傷付きを軽減することができる。しかも、延長管400の先端にごみや埃が付着しても、軟質部材からなる被覆部450を雑巾等で拭くだけで良く、清掃後の手入れにかかる手間を軽減することができる。
【0047】
次に、図6および図7を参照して、手元ハンドル部300の構成について説明する。図6は、手元ハンドル部の外観図であり、図6(a)が斜視図、図6(b)が側面図である。
図7は、手元ハンドル部を清掃面に対して所定の角度だけ傾けた状態を示す図である。
【0048】
図6において、手元ハンドル部300は、一端に吸引ホース200が接続され、他端に延長管400が着脱可能に取り付けられる連結管部301と、連結管部301の上方に設けられたグリップ部302と、グリップ部302に設けられた操作スイッチ部303と、延長管400の長さを調整するトリガースイッチ304と、グリップ部302の後端部と連結管部301の後端部を接続する接続部305とを備えている。
【0049】
また、手元ハンドル部300は、延長管400(第2延長管402)と手元ハンドル部300とをロックするロック機構(図示省略)と、第2延長管402の端部に設けられた一対の接続ピンが接続されるピン接続部(図示省略)とを内部に備えている。なお、ロック機構およびピン接続部の構成については、上述した実施形態と同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0050】
連結管部301は、延長管400(第2延長管402)の一端が接続される第1連結管部311と、吸引ホース200の一端(ハンドル接続部211)が接続される第2連結管部312とを備え、第1連結管部311と第2連結管312は、吸引ホース200と延長管400を連通させるように構成されている。
【0051】
グリップ部302は、グリップ部302の前方を構成するグリップ前方部302aと、グリップ部302の後方を構成する湾曲した棒状のグリップ302bと、グリップ302bの後端部と連結管部301を接続する接続部305とから構成される環状の外観形状を備える。
【0052】
また、グリップ部302は、グリップ前方部302aの後端部とグリップ302bの前端部が接続された略アーチ状の外観を備えており、グリップ前方部302aの上面には操作スイッチ部303が配置され、グリップ前方部302aの裏面にはトリガースイッチ304が配置されている。
【0053】
操作スイッチ部303は、グリップ前方部302aの上面に設けられたトラック形状のシート部370と、このシート部370に配置された複数の操作ボタン332とを備えている。この実施形態では、複数の操作ボタン332を4つの操作ボタンで構成し、この4つの操作ボタンをそれぞれ、電源OFFボタン332a、モード切替ボタン332b、332c、吸口ブラシ回転入切ボタン332dとしている。なお、各操作ボタンの機能については、既に公知であるため、詳細な説明は省略する。
【0054】
この実施形態に係る電気掃除機は、手元ハンドル部300の先端を斜めにカットしてカット面を形成し、このカット面にゴム等の軟質部材からなる被覆部450を設けた構成に特徴がある。
【0055】
このような構成とすることにより、図7で示すように、手元ハンドル部300の先端を用いて掃除を行う場合でも、手元ハンドル部300の先端に軟質部材からなる被覆部450が設けられているので、清掃に伴う床面や家具の傷付きを軽減することができる。しかも、手元ハンドル部300の先端にごみや埃が付着しても、軟質部材からなる被覆部450を雑巾等で拭くだけで良く、清掃後の手入れにかかる手間を軽減することができる。
【0056】
また、この実施形態に係る電気掃除機は、延長管400と同様、ピン接続部の前方に、被覆部450と一体に形成された、ゴム等の軟質部材からなるシャッターを設けた構成に特徴がある。
【0057】
このような構成とすることにより、図7で示すように、手元ハンドル部300の先端を用いて掃除を行う場合でも、延長管400(第1延長管401)の先端を用いて掃除を行う場合と同様、延長管400(第2延長管402)を手元ハンドル部300から取り外すことにより、シャッターがゴムの弾性力により壁部の後方に戻されて貫通穴を塞ぐので、ピン接続部にごみや埃が付着するのを軽減することができる。なお、延長管400(第2延長管402)と手元ハンドル部300との着脱構成については、図4で説明した構成と同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0058】
(第2の実施形態)
次に、図8および図9を参照して、本発明の第2の実施形態に係る電気掃除機について説明する。図8は、第2の実施形態に係る延長管の構成を示す図であり、図8(a)が側面図、図8(b)が縦断面図である。図9は、延長管を用いた清掃状態を示す図であり、図9(a)が延長管の先端角部を用いた清掃状態を示す図、図9(b)が延長管の先端全体を用いた清掃状態を示す図である。
【0059】
この第2の実施形態に係る電気掃除機は、延長管の構成のみが上述した第1の実施形態と相違しており、他の部分の構成および動作については、上述した第1の実施形態と同一の構成を備えている。以下、本発明の第2の実施形態にかかる延長管の構成について説明し、その他の部分については、詳細な説明を省略する。
【0060】
図8において、延長管400aは、一端が吸口体500が取り付けられる第1延長管401aと、一端が連結管部301と接続される第2延長管と、第1延長管401の他端と第2延長管402の他端とを連結するロック機構403とから構成されている。
【0061】
第1延長管401aは、吸口体500から吸い込んだ塵埃を含む空気流の搬送路を内部に備えた第1管体460と、この第1管体460の前方上面に設けられた第2張出部509と、この第2張出部509と連通し、第1管体460の上面に沿って形成された配線収納部515を備えている。
【0062】
この第2の実施形態に係る電気掃除機は、図8で示すように、第1延長管401aの先端部分を、傾斜面と垂直面で構成するとともに、この傾斜面と垂直面をゴム等の軟質部材からなる被覆部450aで覆うようにした構成に特徴を有している。具体的には、第1管体460の先端を斜めにカットして形成された第1カット面470と、第2張出部509の先端部を垂直にカットして形成された第2カット面480とで構成するとともに、この第1カット面470と第2カット面480を覆うようにゴム等の軟質部材からなる被覆部450を設けた構成としている。
【0063】
このような構成とすることにより、上述した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。特に、この実施形態では、第1延長管401aの先端部に第2カット面480を設けることにより、床面とピン接続部510との間に距離Lを取ることができるので、ピン接続部に塵埃等の異物が付着することを、より軽減することができる。
【0064】
また、この実施形態では、第2カット面を垂直としているが、第1カット面と違う面で構成し、床面とピン接続部510との間に距離Lを取ることができていれば、同様な効果を得ることができる。
【0065】
なお、延長管400aの先端部以外の各部の構成および動作については、上述した第1の実施形態と同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0066】
(第3の実施形態)
次に、図10を参照して、本発明の第3の実施形態に係る電気掃除機について説明する。図10は、第3の実施形態に係る手元ハンドル部の構成を示す図であり、図10(a)が側面図、図10(b)が手元ハンドル部を清掃面に対して所定の角度だけ傾けた状態を示す図である。
【0067】
この第3の実施形態に係る電気掃除機は、手元ハンドル部の構成のみが上述した第1の実施形態と相違しており、他の部分の構成および動作については、上述した第1の実施形態と同一の構成を備えている。以下、本発明の第3の実施形態にかかる手元ハンドル部の構成について説明し、その他の部分については、詳細な説明を省略する。
【0068】
図10において、手元ハンドル部300aは、一端に吸引ホース200が接続され、他端に延長管400が着脱可能に取り付けられる連結管部301aと、連結管部301aの上方に設けられたグリップ部302と、グリップ部302に設けられた操作スイッチ部303と、延長管400の長さを調整するトリガースイッチ304と、グリップ部302の後端部と連結管部301aの後端部を接続する接続部305とを備えている。
【0069】
また、手元ハンドル部300aは、第2延長管402と手元ハンドル部300とをロックするロック機構(図示省略)と、第2延長管402の端部に設けられた一対の接続ピンが接続されるピン接続部(図示省略)とを内部に備えている。なお、ロック機構およびピン接続部の構成については、上述した第1の実施形態と同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0070】
連結管部301aは、延長管400a(第2延長管402)の一端が接続される第1連結管部311aと、吸引ホース200の一端(ハンドル接続部211)が接続される第2連結管部312とを備え、第1連結管部311aと第2連結管312は、吸引ホース200と延長管400を連通させるように構成されている。
【0071】
この第3の実施形態に係る電気掃除機は、図10で示すように、第1連結管部301aの先端部分を、傾斜面380と垂直面390で構成するとともに、この傾斜面と垂直面をゴム等の軟質部材からなる被覆部450で覆うようにした構成に特徴を有している。
【0072】
このような構成とすることにより、上述した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。特に、この実施形態では、第1接続管部301aの先端部に垂直面390を設けることにより、図10(b)で示すように、床面と垂直面390との間に距離Lを取ることができるので、垂直面の後方(手元ハンドル部300a側)に設けられた図示しないピン接続部に塵埃等の異物が付着することを、より軽減することができる。
【0073】
また、この実施形態では、390を垂直としているが、傾斜面380と違う面で構成し、床面と面390との間に距離Lを取ることができていれば、同様な効果を得ることができる。
【0074】
なお、手元ハンドル部300aの先端部以外の各部の構成および動作については、上述した第1の実施形態と同一であるため、詳細な説明は省略する。
【符号の説明】
【0075】
1…電気掃除機、100…電気掃除機本体、101…一対の大車輪、110…ホース取付部、200…吸引ホース、210…ホース部、211…ハンドル接続部、212…本体接続部、213…サブハンドル部、300…手元ハンドル部、300a…手元ハンドル部、301…連結管部、302…グリップ部、302a…グリップ前方部、302b…グリップ、303…操作スイッチ部、304…トリガースイッチ、305…接続部、311…第1接続管部、311a…第1連結管部、312…第2連結管部、332…操作ボタン、370…シート部、380…傾斜面、390…垂直面、400…延長管、400a…延長管、401…第1延長管、401a…第1延長管、402…第2延長管、403…ロック機構、410…開口部、450…被覆部、460…第1管体、470…第1カット面、480…第2カット面、500…吸口体、501…吸口本体、502…自在連結部、502a…第1の腕部、502b…第2の腕部、506…延長管接続部、507…第1張出部、508…接続ピン、509…第2張出部、510…貫通穴、511…壁部、512…シャッター、513…ピン接続部、515…配線収納部、518…嵌合部、550…ロック機構、551…クランプ、552…支持部材、553…固定爪、554…押ボタン、P1…延長管400の中心軸。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機に係り、特に、延長管の先端を使用して掃除を行うことができる電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、一般的に普及している電気掃除機は、塵埃を集塵室に吸い込むための送風機を備えた電気掃除機本体と、この電気掃除機本体に一端が取り付けられる吸引ホースと、この吸引ホースの他端が取り付けられる手元ハンドル部と、この手元ハンドル部に一端が取り付けられる延長管と、この延長管の他端に取り付けられる吸口体とを備えている。
【0003】
この従来の電気掃除機においては、手元ハンドル部が、吸引ホースと延長管とを連通させる連結管と、連結管の外周面上に設けられた把手部とから構成されており、使用者が把手部を握り、延長管を介して吸口体を操作することで、清掃作業を行うようになっている。
また、狭い場所や高い場所を掃除する場合には、吸口体を取り外し、延長管の先端部に着脱可能な別体のすき間ノズルやブラシ付ノズル等の補助ノズルを取り付けて掃除するようになっている。
【0004】
しかしながら、延長管の先端部にすき間ノズルやブラシ付ノズル等の補助ノズルを着脱する場合には、清掃作業を一時的に止めなければならず、着脱に手間がかかる。このため、延長管の先端に補助ノズルを取り付けず、延長管の先端をそのまま清掃面に当てて掃除を行うことが実態として見受けられる。
【0005】
延長管の先端を用いて掃除をする場合、吸口体を取り外すだけでよいので、補助ノズルの着脱にかかる手間は軽減できるものの、掃除の際に延長管の先端角部が床面や家具にあたり、床面や家具を傷つける可能性がある。特に、延長管と吸口体が電気的に接続された電気掃除機においては、延長管の先端を直接使用することにより、床面や家具の傷つきに加え、接続部分がショートして思わぬトラブルが生じる可能性がある。
【0006】
このため、従来の電気掃除機では、補助ノズルの着脱に伴う作業負荷の軽減や、床面や家具の傷つきを防止したり、あるいは、延長管の先端を直接使用しないようにするための工夫を凝らしている。例えば、従来の電気掃除機では、延長管の先端にあらかじめすき間ノズルやブラシ付ノズル等の補助ノズルを取り付けたり、あるいは延長管の先端にブラシを設けたりした上で、延長管と吸口体を着脱するように構成している。このような構成とすることで、補助ノズルの着脱にかかる手間を軽減し、延長管の先端を直接使用しないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−139785号公報
【特許文献2】特開2005−334422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記従来例1の電気掃除機は、延長管の先端に、先端が斜めにカットされた四角形状のすき間用ノズルを取り付け、このすき間用ノズルに吸口体を取り付けるように構成されている。そして、家具のすき間や部屋の隅を掃除する際には、吸口体を取り外し、斜めにカットされたすき間ノズルの先端を清掃面に当てて掃除を行うようになっている。しかしながら、従来例1の電気掃除機においては、すき間ノズルの先端が四角形状であることから、清掃中に角部が家具や壁面に当たり、家具や壁面を傷つける可能性がある。
【0009】
また、前記従来例2の電気掃除機は、延長管の先端を斜めにカットし、この斜めにカットした部分にブラシを設け、このブラシを収納するように吸口体を取り付ける構成としている。そして、家具のすき間や部屋の隅を掃除する際には、吸口体を取り外し、ブラシが設けられた延長管の先端を清掃面に当て、ブラシでこみを掻き出して掃除を行うようになっている。しかしながら、従来例2の電気掃除機においては、延長管の先端を直接使用せずに掃除を行うことができるものの、ブラシで掻き出した毛や綿ごみなどがブラシに絡まるので、清掃後のブラシの手入れに手間がかかるという課題がある。
【0010】
本発明の目的は、補助ノズルの着脱による作業負荷を軽減するとともに、清掃面や家具の傷付きを防止することができ、さらに清掃後の手入れに手間がかからない電気掃除機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明に係る電気掃除機は、塵埃を吸い込むための送風機を備えた電気掃除機本体と、一端が前記電気掃除機本体に取付けられて前記送風機に連通する吸引ホースと、前記吸引ホースの他端に取付けられて前記送風機に連通する手元ハンドル部と、一端が前記手元ハンドル部に取付けられて前記吸引ホースに連通する延長管と、一端が延長管に取付けられて該延長管に連通する吸口体とを備えた電気掃除機において、前記延長管は、先端部を被覆する被覆部とを備え、前記被覆部を軟質部材で構成する。
【0012】
また、前記目的を達成するために、本発明に係る電気掃除機は、塵埃を吸い込むための送風機を備えた電気掃除機本体と、一端が前記電気掃除機本体に取付けられて前記送風機に連通する吸引ホースと、前記吸引ホースの他端に取付けられて前記送風機に連通する手元ハンドル部と、一端が前記手元ハンドル部に取付けられて前記吸引ホースに連通する延長管と、一端が延長管に取付けられて該延長管に連通する吸口体とを備えた電気掃除機において、前記吸口体は、前記延長管と電気的に接続するための接続ピンを備え、前記延長管は、前部上面に形成された張出部と、前記張出部の前面を含む先端部を斜めにカットして形成されたカット面と、前記カット面を被覆する被覆部とを備え、前記被覆部は、軟質部材で構成され前記張出部は、前記接続ピンが出し入れされる貫通穴を前面に備えるとともに、前記接続ピンが接続されるピン接続部と、前記被覆部と一体に形成されたシャッターとを内部に備え、前記シャッターを前記貫通穴と前記ピン接続部との間に配置する。
【0013】
さらに、前記目的を達成するために、本発明に係る電気掃除機は、塵埃を吸い込むための送風機を備えた電気掃除機本体と、一端が前記電気掃除機本体に取付けられて前記送風機に連通する吸引ホースと、前記吸引ホースの他端に取付けられて前記送風機に連通する手元ハンドル部と、一端が前記手元ハンドル部に取付けられて前記吸引ホースに連通する延長管と、一端が延長管に取付けられて該延長管に連通する吸口体とを備えた電気掃除機において、前記吸口体は、前記延長管と電気的に接続するための接続ピンを備え、前記延長管は、前記吸口体から吸い込んだ塵埃を含む空気流の搬送路を内部に備えた管体と、前記管体の前部上面に形成された張出部とを備えるとともに、前記管体の先端部を斜めにカットして形成された第1カット面と、前記張出部の先端部をカットして形成された第2カット面とを先端部に備え、前記延長管の先端部は、前記第1カット面と前記第2カット面とを被覆する被覆部とを備え、前記被覆部は、軟質部材で構成され、前記張出部は、前記接続ピンが出し入れされる貫通穴を前面に備えるとともに、前記接続ピンが接続されるピン接続部と、前記被覆部と一体に形成されたシャッターとを内部に備え、前記シャッターを前記貫通穴と前記ピン接続部との間に配置する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、補助ノズルの着脱による作業負荷を軽減することができるとともに、床面や家具の傷付きを防止することができ、さらに清掃後の手入れに手間がかからない電気掃除機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る電気掃除機の外観斜視図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態に係る電気掃除機を構成する延長管と吸口体を取り外した状態を示す図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施形態に係る電気掃除機を構成する延長管の構造を示す図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施形態に係る電気掃除機を構成する延長管と吸口体の着脱構造を示す図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施形態に係る電気掃除機を構成する延長管を用いた清掃状態を示す図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施形態に係る電気掃除機を構成する手元ハンドル部の外観図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施形態に係る電気掃除機を構成する手元ハンドル部を用いた清掃状態を示す図である。
【図8】図8は、本発明の第2の実施形態に係る電気掃除機を構成する延長管の構造を示す図である。
【図9】図9は、本発明の第2の実施形態に係る電気掃除機を構成する延長管を用いた清掃状態を示す図である。
【図10】図10は、本発明の第3の実施形態に係る電気掃除機を構成する手元ハンドル部の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図1から図10を参照して説明する。図1から図7が第1の実施形態を説明する図、図8と図9が第2の実施形態を説明する図、図10が第3の実施形態を説明する図である。なお、同一の部材または部位は同一符号を以って示し、重複した説明は省略する。
【0017】
(第1の実施形態)
図1から図7を参照して、本発明の第1の実施形態に係る電気掃除機について説明する。まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る電気掃除機の概略構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の概略構成を示す図である。
【0018】
図1において、符号1で総括的に示すのは電気掃除機であり、塵埃を吸い込むための図示しない送風機を備えた電気掃除機本体100と、一端が電気掃除機本体100に取付けられて前記送風機に連通する柔軟性のある吸引ホース200と、吸引ホース200の他端に取付けられて前記送風機に連通する手元ハンドル部300と、一端が手元ハンドル部300に取付けられて吸引ホース200に連通する延長管400と、一端が延長管400に取付けられて該延長管400に連通する吸口体500とから構成される。また、電気掃除機1は、延長管400の中心軸P1に沿って手元ハンドル部300をひねることで、吸口体500の向きを変えて掃除を行うようになっている。
【0019】
電気掃除機本体100は、内部に集塵室を備え、一対の大車輪101と1個の自在車輪(図示省略)により、吸引ホース200を介して移動させることができる。また、電気掃除機本体100は、吸引ホース200の一端が取り付けられるホース取付部110とを備えている。この電気掃除機本体100の運転制御は、吸引ホース200に信号線を配線して、この信号線を介して手元ハンドル部300から電気掃除機本体100に操作信号を伝達することができる。また、電気掃除機本体100の集塵室には、例えば、使い捨ての集塵袋や樹脂製の集塵ケースが配置されるようになっている。
【0020】
吸引ホース200は、塵埃を電気掃除機本体100に搬送するための搬送通路としての機能と、電気掃除機本体100を移動させるための引っ張り手段としての機能をもっている。吸引ホース200の一端には、ホース部210と手元ハンドル部300を接続するハンドル接続部211が設けられ、吸引ホース200の他端には、ホース部210を前記電気掃除機本体100に着脱する本体接続部212が設けられている。また、本体接続部212には、電気掃除機本体100を持ち上げるためのサブハンドル部213が取り付けられている。
【0021】
手元ハンドル部300は、吸引ホース200と延長管400を連通させる機能と、電気掃除機本体100の運転制御機能及び移動機能と、吸口体500の動きを制御する機能を備えている。この手元ハンドル部300は、延長管400と吸引ホース200を連結する連結管部301と、連結管部301の上方に設けられたグリップ部302と、電気掃除機本体100および吸口体500の運転制御を行う操作スイッチ部303と、延長管400の長さを調整するトリガースイッチ304とを備えている。以下、この実施形態では、手元ハンドル部300の延長管400が連結される側を「前方(矢印V1方向)」、吸引ホース200が接続される側を「後方(矢印V2方向)」と定義して説明する。
【0022】
グリップ部302は、連結管部301の前端部から上方に向けて立設して形成され、グリップ部302の前方部分を構成するグリップ前方部302aと、グリップ部302の後方部分を構成し、グリップ前方部302aの後端部から後方に向けて湾曲して形成された棒状のグリップ302bと、グリップ302bの後端部と連結管部301の後端部とを接続する接続部305とから構成され、全体として環状の外観形状を備えている。
【0023】
また、グリップ部302は、グリップ前方部302aの後端部とグリップ302bの前端部が接続された略アーチ状となっており、グリップ前方部302aの上面に操作スイッチ部303、グリップ前方部302aの裏面にトリガースイッチ304が設けられている。
【0024】
延長管400は、一端が吸口体500と接続される第1延長管401と、一端が連結管部301と接続される第2延長管402と、第1延長管401の他端と第2延長管402の他端とを連結するロック機構403とから構成されている。また、延長管400は、ロック機構403を解除することにより、第1延長管401と第2延長管402が相互に移動し、伸縮可能な構造となっている。なお、この実施形態では、第2延長管402に第1延長管401が収納される構成となっている。
【0025】
吸口体500は、塵埃を吸い込むための吸引口を底面に備えた吸口本体501と、吸口本体501と延長管400を連結し、延長管400を介して手元ハンドル部300の動作を吸口本体501に伝達する自在連結部502とで構成されている。そして、吸口体500は、図2で示すように、ロック機構550を介して延長管400の先端部に着脱可能に取り付けられている。また、吸口本体501は、回転ブラシ(図示省略)と、この回転ブラシを回転させる駆動機構(図示省略)とを内部に備えることができる。
【0026】
吸口本体501の内部に前記回転ブラシと前記駆動機構を設けた場合、前記駆動機構を動作させるための操作信号を伝達する信号線を延長管400に配線し、この信号線を介して手元ハンドル部300からの操作信号を吸口本体501に伝達することができる。
【0027】
自在連結部502は、延長管400を上下に移動させる第1の腕部502aと、延長管400を左右に移動させる第2の腕部502bとで構成され、手元ハンドル部300の動きに対して、常に吸口本体500の底面を清掃面(床面)に接するように動作させる。また、自在連結部502は、吸口本体501から吸い込んだ塵埃を含む空気流が延長管400に導かれるように、吸口本体501と延長管400とを連通させている。
【0028】
この実施形態に係る電気掃除機は、延長管400の先端部を斜めにカットしてカット面を形成し、このカット面にゴム等の軟質部材からなる被覆部450を設けた構成に特徴がある。
【0029】
このような構成とすることにより、延長管400の先端を用いて掃除を行う場合に、斜めにカットされた延長管400の先端部分(カット面)を、軟質部材からなる被覆部450により保護しているので、清掃に伴う床面や家具の傷付きを軽減することができる。しかも、斜めにカットされた延長管400の先端を軟質部材からなるブラシが無い被覆部450で被覆しているので、ごみや埃が付着しにくく、付着しても延長管400の先端を被覆する被覆部450を雑巾等で拭くだけで良いので、清掃後の手入れにかかる手間を軽減することができる。
【0030】
次に、図2および図3を参照して、延長管と吸口体の構造について説明する。図2は、延長管と吸口体を取り外した状態を示す図である。図3は、延長管の構成を示す図であり、図3(a)が平面図、図3(b)がA−A断面図、図3(c)がB−B断面図である。
【0031】
図2において、吸口体500は、第2の腕部502bの端部に設けられた延長管接続部506と、延長管接続部506よりも後方(矢印V1方向)の位置で、第2の腕部502bの上面に設けられた第1張出部507と、この第1張出部507に設けられ、延長管400と吸口体500を電気的に接続するための一対の接続ピン508とを備えている。また、延長管接続部506は、吸口体500と延長管400とを接続した際に、ロック機構550が嵌合する嵌合部518を備えている。
【0032】
図2および図3において、第1延長管401は、延長管接続部506が取り付けられる開口部410を備えたるとともに、第1延長管401の前方上面に設けられた第2張出部509と、この第2張出部509と連通し、第1延長管401の上面に沿って形成された配線収納部515を備えている。第2張出部509は、内部にピン接続部513とロック機構550とを備えるとともに、一対の接続ピン508が出し入れされる一対の貫通穴510が形成された壁部511を前面に備えている。また、第2張出部509は、貫通穴510が形成された壁部511と内部に配置されたピン接続部510との間に設けられたゴム等の軟質部材からなるシャッター512を備えている。この実施形態では、第1延長管401を、開口部410を有する第1管体460と、この第1管体460の前方上面に設けられた第2張出部509と、この第2張出部509と連通し、第1管体401の上面に沿って形成された配線収納部515とで構成している。
【0033】
配線収納部515は、前方部分が第2張出部509と連通するように構成されるとともに、後方部分が手元ハンドル300と接続される第2延長管402の端部まで延在するように構成されている。そして、配線収納部515には、手元ハンドル部300からの操作信号を吸口体500に伝達する信号線が配線されている。
【0034】
第2延長管402は、手元ハンドル部300と接続される側の端部に設けられた図示しない接続ピンを備えている。そして、この接続ピンが手元ハンドル部300に設けられた図示しないピン接続部と接続されることにより、手元ハンドル部300と第2延長管402が電気的に接続され、手元ハンドル部300から発信された操作信号を、配線収納部515に配線された信号を介して吸口体500に伝達することができる。
【0035】
ロック機構550は、延長管400と吸口体500をロックしたり、延長管400と吸口体500のロック状態を解除したりする機能を備えている。このロック機構550は、延長管400と吸口体500をロックするクランプ551と、このクランプ551を支持する支持部材552とを備えている。また、支持部材552は、バネ等の弾性部材で構成されている。
【0036】
クランプ551は、延長管400と吸口体500を固定する固定爪553と、固定爪553を動作させる押ボタン554とを備えており、押ボタン554が延長管400の前方上面(第2張出部509の上面)へ露出するように、支持部材552を介して延長管400の先端の内部(第2張出部509の内部)に設けられている。
【0037】
固定爪553は、延長管400の先端から吸口体500が挿入されることにより、嵌合部518と嵌合され、延長管400と吸口体500とを固定するようになっている。具体的には、延長管400の先端部から吸口体500を挿入することにより、固定爪553が押し上げられ、固定爪553と嵌合部518が嵌合することにより、吸口体500と延長管400固定されるようになっている。
【0038】
一方、吸口体500を取り外す際は、押ボタン554を押下すると、支持部材552を介して固定爪553が上方に持ち上げられ、嵌合部518との嵌合が解除された状態となる。この状態で吸口体500を前方(矢印V1方向)へ引っ張ることにより、吸口体500が延長管500から取り外された状態となる。
【0039】
この実施形態に係る電気掃除機は、第2張出部509の前面を含む延長管400の先端部を斜めにカットしてカット面を形成し、このカット面をゴム等の軟質部材からなる被覆部450を設けるとともに、この被覆部450と一体に形成されたゴム等の軟質部材からなるシャッター512を、貫通穴510とピン接続部513の間に設けた構成にある。この構成について、図4および図5を参照して説明する。
【0040】
図4は、延長管と吸口体の着脱構造を説明する図であり、図4(a)が延長管と吸口体を分離した状態を示す断面図、図4(b)が延長管と吸口体を接触させた状態を示す断面図、図4(c)が延長管と吸口体を接続させた状態を示す断面図である。図5は、延長管を用いた清掃状態を示す図であり、図5(a)が延長管の先端角部を用いた清掃状態を示す図、図5(b)が延長管の先端全体用いた清掃状態を示す図である。
【0041】
図4において、延長管400に吸口体500を取り付ける際は、図4(a)で示した延長管400と吸口体500が分離された状態から、図4(b)で示すように、延長管接続部506の先端部分を開口部410に挿入すると同時に、一対の接続ピン508の先端を一対の貫通穴510へ挿入し、位置合わせを行う。この位置合わせの状態から、吸口体500を後方(矢印V2方向)へ押し込むことにより、図4(c)で示すように、一対の接続ピン508がシャッター512を押し上げながら第2張出部509の内部に挿入され、ピン接続部510と接続された状態となる。同時に、延長管接続部506が開口部410に挿入され、固定爪553と延長管接続部506に設けられた嵌合部518が嵌合することにより、延長管400と吸口体500が固定された状態となる。
【0042】
一対の接続ピン508とピン接続部510が接続されると、延長管400と吸口体500が電気的に接続された状態となり、延長管400に配線された信号線を介して手元ハンドル部300から発信された操作信号が吸口体500に伝達され、吸口体500を動作させて掃除を行うことができる。
【0043】
一方、延長管400から吸口体500の取り外し、延長管400の先端を用いて掃除をする際には、まず、押ボタン554を押下し、固定爪553と嵌合部518との嵌合を解除し、延長管400と吸口体500のロック状態を解除する。ロック状態を解除すると、吸口体500が移動可能となり、この吸口体500を前方(矢印V1方向)へ引くことにより、延長管接続部506が開口部410から引き抜かれるとともに、一対の接続ピン508がピン接続部510から引き抜かれて延長管400と吸口体500の電気的な接続も解除され、一対の接続ピン508を貫通穴510から引き抜くことにより、延長管400から吸口体500が取り外された状態となる。
【0044】
この実施形態では、貫通穴510から一対の接続ピン508が引き抜かれる際、ゴム等の軟質部材で形成されたシャッター512が、その弾性力により元の位置へ戻るように構成されている。
【0045】
このような構成とすることにより、吸口体500を取り外した際に、延長管400の先端に設けられた貫通穴510がシャッター512により塞がれるので、図5(a)および図5(b)で示すように、延長管400の先端を用いて掃除を行った場合でも、ピン接続部513にごみや埃が付着するのを軽減することができる。
【0046】
また、図5(a)で示すように、延長管400の先端角部を用いて掃除を行う場合でも、延長管400の先端が被覆部450で保護されているので、清掃に伴う床面や家具の傷付きを軽減することができる。しかも、延長管400の先端にごみや埃が付着しても、軟質部材からなる被覆部450を雑巾等で拭くだけで良く、清掃後の手入れにかかる手間を軽減することができる。
【0047】
次に、図6および図7を参照して、手元ハンドル部300の構成について説明する。図6は、手元ハンドル部の外観図であり、図6(a)が斜視図、図6(b)が側面図である。
図7は、手元ハンドル部を清掃面に対して所定の角度だけ傾けた状態を示す図である。
【0048】
図6において、手元ハンドル部300は、一端に吸引ホース200が接続され、他端に延長管400が着脱可能に取り付けられる連結管部301と、連結管部301の上方に設けられたグリップ部302と、グリップ部302に設けられた操作スイッチ部303と、延長管400の長さを調整するトリガースイッチ304と、グリップ部302の後端部と連結管部301の後端部を接続する接続部305とを備えている。
【0049】
また、手元ハンドル部300は、延長管400(第2延長管402)と手元ハンドル部300とをロックするロック機構(図示省略)と、第2延長管402の端部に設けられた一対の接続ピンが接続されるピン接続部(図示省略)とを内部に備えている。なお、ロック機構およびピン接続部の構成については、上述した実施形態と同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0050】
連結管部301は、延長管400(第2延長管402)の一端が接続される第1連結管部311と、吸引ホース200の一端(ハンドル接続部211)が接続される第2連結管部312とを備え、第1連結管部311と第2連結管312は、吸引ホース200と延長管400を連通させるように構成されている。
【0051】
グリップ部302は、グリップ部302の前方を構成するグリップ前方部302aと、グリップ部302の後方を構成する湾曲した棒状のグリップ302bと、グリップ302bの後端部と連結管部301を接続する接続部305とから構成される環状の外観形状を備える。
【0052】
また、グリップ部302は、グリップ前方部302aの後端部とグリップ302bの前端部が接続された略アーチ状の外観を備えており、グリップ前方部302aの上面には操作スイッチ部303が配置され、グリップ前方部302aの裏面にはトリガースイッチ304が配置されている。
【0053】
操作スイッチ部303は、グリップ前方部302aの上面に設けられたトラック形状のシート部370と、このシート部370に配置された複数の操作ボタン332とを備えている。この実施形態では、複数の操作ボタン332を4つの操作ボタンで構成し、この4つの操作ボタンをそれぞれ、電源OFFボタン332a、モード切替ボタン332b、332c、吸口ブラシ回転入切ボタン332dとしている。なお、各操作ボタンの機能については、既に公知であるため、詳細な説明は省略する。
【0054】
この実施形態に係る電気掃除機は、手元ハンドル部300の先端を斜めにカットしてカット面を形成し、このカット面にゴム等の軟質部材からなる被覆部450を設けた構成に特徴がある。
【0055】
このような構成とすることにより、図7で示すように、手元ハンドル部300の先端を用いて掃除を行う場合でも、手元ハンドル部300の先端に軟質部材からなる被覆部450が設けられているので、清掃に伴う床面や家具の傷付きを軽減することができる。しかも、手元ハンドル部300の先端にごみや埃が付着しても、軟質部材からなる被覆部450を雑巾等で拭くだけで良く、清掃後の手入れにかかる手間を軽減することができる。
【0056】
また、この実施形態に係る電気掃除機は、延長管400と同様、ピン接続部の前方に、被覆部450と一体に形成された、ゴム等の軟質部材からなるシャッターを設けた構成に特徴がある。
【0057】
このような構成とすることにより、図7で示すように、手元ハンドル部300の先端を用いて掃除を行う場合でも、延長管400(第1延長管401)の先端を用いて掃除を行う場合と同様、延長管400(第2延長管402)を手元ハンドル部300から取り外すことにより、シャッターがゴムの弾性力により壁部の後方に戻されて貫通穴を塞ぐので、ピン接続部にごみや埃が付着するのを軽減することができる。なお、延長管400(第2延長管402)と手元ハンドル部300との着脱構成については、図4で説明した構成と同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0058】
(第2の実施形態)
次に、図8および図9を参照して、本発明の第2の実施形態に係る電気掃除機について説明する。図8は、第2の実施形態に係る延長管の構成を示す図であり、図8(a)が側面図、図8(b)が縦断面図である。図9は、延長管を用いた清掃状態を示す図であり、図9(a)が延長管の先端角部を用いた清掃状態を示す図、図9(b)が延長管の先端全体を用いた清掃状態を示す図である。
【0059】
この第2の実施形態に係る電気掃除機は、延長管の構成のみが上述した第1の実施形態と相違しており、他の部分の構成および動作については、上述した第1の実施形態と同一の構成を備えている。以下、本発明の第2の実施形態にかかる延長管の構成について説明し、その他の部分については、詳細な説明を省略する。
【0060】
図8において、延長管400aは、一端が吸口体500が取り付けられる第1延長管401aと、一端が連結管部301と接続される第2延長管と、第1延長管401の他端と第2延長管402の他端とを連結するロック機構403とから構成されている。
【0061】
第1延長管401aは、吸口体500から吸い込んだ塵埃を含む空気流の搬送路を内部に備えた第1管体460と、この第1管体460の前方上面に設けられた第2張出部509と、この第2張出部509と連通し、第1管体460の上面に沿って形成された配線収納部515を備えている。
【0062】
この第2の実施形態に係る電気掃除機は、図8で示すように、第1延長管401aの先端部分を、傾斜面と垂直面で構成するとともに、この傾斜面と垂直面をゴム等の軟質部材からなる被覆部450aで覆うようにした構成に特徴を有している。具体的には、第1管体460の先端を斜めにカットして形成された第1カット面470と、第2張出部509の先端部を垂直にカットして形成された第2カット面480とで構成するとともに、この第1カット面470と第2カット面480を覆うようにゴム等の軟質部材からなる被覆部450を設けた構成としている。
【0063】
このような構成とすることにより、上述した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。特に、この実施形態では、第1延長管401aの先端部に第2カット面480を設けることにより、床面とピン接続部510との間に距離Lを取ることができるので、ピン接続部に塵埃等の異物が付着することを、より軽減することができる。
【0064】
また、この実施形態では、第2カット面を垂直としているが、第1カット面と違う面で構成し、床面とピン接続部510との間に距離Lを取ることができていれば、同様な効果を得ることができる。
【0065】
なお、延長管400aの先端部以外の各部の構成および動作については、上述した第1の実施形態と同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0066】
(第3の実施形態)
次に、図10を参照して、本発明の第3の実施形態に係る電気掃除機について説明する。図10は、第3の実施形態に係る手元ハンドル部の構成を示す図であり、図10(a)が側面図、図10(b)が手元ハンドル部を清掃面に対して所定の角度だけ傾けた状態を示す図である。
【0067】
この第3の実施形態に係る電気掃除機は、手元ハンドル部の構成のみが上述した第1の実施形態と相違しており、他の部分の構成および動作については、上述した第1の実施形態と同一の構成を備えている。以下、本発明の第3の実施形態にかかる手元ハンドル部の構成について説明し、その他の部分については、詳細な説明を省略する。
【0068】
図10において、手元ハンドル部300aは、一端に吸引ホース200が接続され、他端に延長管400が着脱可能に取り付けられる連結管部301aと、連結管部301aの上方に設けられたグリップ部302と、グリップ部302に設けられた操作スイッチ部303と、延長管400の長さを調整するトリガースイッチ304と、グリップ部302の後端部と連結管部301aの後端部を接続する接続部305とを備えている。
【0069】
また、手元ハンドル部300aは、第2延長管402と手元ハンドル部300とをロックするロック機構(図示省略)と、第2延長管402の端部に設けられた一対の接続ピンが接続されるピン接続部(図示省略)とを内部に備えている。なお、ロック機構およびピン接続部の構成については、上述した第1の実施形態と同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0070】
連結管部301aは、延長管400a(第2延長管402)の一端が接続される第1連結管部311aと、吸引ホース200の一端(ハンドル接続部211)が接続される第2連結管部312とを備え、第1連結管部311aと第2連結管312は、吸引ホース200と延長管400を連通させるように構成されている。
【0071】
この第3の実施形態に係る電気掃除機は、図10で示すように、第1連結管部301aの先端部分を、傾斜面380と垂直面390で構成するとともに、この傾斜面と垂直面をゴム等の軟質部材からなる被覆部450で覆うようにした構成に特徴を有している。
【0072】
このような構成とすることにより、上述した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。特に、この実施形態では、第1接続管部301aの先端部に垂直面390を設けることにより、図10(b)で示すように、床面と垂直面390との間に距離Lを取ることができるので、垂直面の後方(手元ハンドル部300a側)に設けられた図示しないピン接続部に塵埃等の異物が付着することを、より軽減することができる。
【0073】
また、この実施形態では、390を垂直としているが、傾斜面380と違う面で構成し、床面と面390との間に距離Lを取ることができていれば、同様な効果を得ることができる。
【0074】
なお、手元ハンドル部300aの先端部以外の各部の構成および動作については、上述した第1の実施形態と同一であるため、詳細な説明は省略する。
【符号の説明】
【0075】
1…電気掃除機、100…電気掃除機本体、101…一対の大車輪、110…ホース取付部、200…吸引ホース、210…ホース部、211…ハンドル接続部、212…本体接続部、213…サブハンドル部、300…手元ハンドル部、300a…手元ハンドル部、301…連結管部、302…グリップ部、302a…グリップ前方部、302b…グリップ、303…操作スイッチ部、304…トリガースイッチ、305…接続部、311…第1接続管部、311a…第1連結管部、312…第2連結管部、332…操作ボタン、370…シート部、380…傾斜面、390…垂直面、400…延長管、400a…延長管、401…第1延長管、401a…第1延長管、402…第2延長管、403…ロック機構、410…開口部、450…被覆部、460…第1管体、470…第1カット面、480…第2カット面、500…吸口体、501…吸口本体、502…自在連結部、502a…第1の腕部、502b…第2の腕部、506…延長管接続部、507…第1張出部、508…接続ピン、509…第2張出部、510…貫通穴、511…壁部、512…シャッター、513…ピン接続部、515…配線収納部、518…嵌合部、550…ロック機構、551…クランプ、552…支持部材、553…固定爪、554…押ボタン、P1…延長管400の中心軸。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵埃を吸い込むための送風機を備えた電気掃除機本体と、一端が前記電気掃除機本体に取付けられて前記送風機に連通する吸引ホースと、前記吸引ホースの他端に取付けられて前記送風機に連通する手元ハンドル部と、一端が前記手元ハンドル部に取付けられて前記吸引ホースに連通する延長管と、一端が延長管に取付けられて該延長管に連通する吸口体とを備えた電気掃除機において、
前記延長管は、先端部を被覆する被覆部とを備え、
前記被覆部は、軟質部材で構成されている
ことを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
塵埃を吸い込むための送風機を備えた電気掃除機本体と、一端が前記電気掃除機本体に取付けられて前記送風機に連通する吸引ホースと、前記吸引ホースの他端に取付けられて前記送風機に連通する手元ハンドル部と、一端が前記手元ハンドル部に取付けられて前記吸引ホースに連通する延長管と、一端が延長管に取付けられて該延長管に連通する吸口体とを備えた電気掃除機において、
前記吸口体は、前記延長管と電気的に接続するための接続ピンを備え、
前記延長管は、前部上面に形成された張出部と、前記張出部の前面を含む先端部を斜めにカットして形成されたカット面と、前記カット面を被覆する被覆部とを備え、
前記被覆部は、軟質部材で構成され
前記張出部は、前記接続ピンが出し入れされる貫通穴を前面に備えるとともに、前記接続ピンが接続されるピン接続部と、前記被覆部と一体に形成されたシャッターとを内部に備え、
前記シャッターは、前記貫通穴と前記ピン接続部との間に配置される
ことを特徴とする電気掃除機。
【請求項3】
塵埃を吸い込むための送風機を備えた電気掃除機本体と、一端が前記電気掃除機本体に取付けられて前記送風機に連通する吸引ホースと、前記吸引ホースの他端に取付けられて前記送風機に連通する手元ハンドル部と、一端が前記手元ハンドル部に取付けられて前記吸引ホースに連通する延長管と、一端が延長管に取付けられて該延長管に連通する吸口体とを備えた電気掃除機において、
前記吸口体は、前記延長管と電気的に接続するための接続ピンを備え、
前記延長管は、前記吸口体から吸い込んだ塵埃を含む空気流の搬送路を内部に備えた管体と、前記管体の前部上面に形成された張出部とを備えるとともに、前記管体の先端部を斜めにカットして形成された第1カット面と、前記張出部の先端部をカットして形成された第2カット面とを先端部に備え、
前記延長管の先端部は、前記第1カット面と前記第2カット面とを被覆する被覆部とを備え、
前記被覆部は、軟質部材で構成され、
前記張出部は、前記接続ピンが出し入れされる貫通穴を前面に備えるとともに、前記接続ピンが接続されるピン接続部と、前記被覆部と一体に形成されたシャッターとを内部に備え、
前記シャッターは、前記貫通穴と前記ピン接続部との間に配置される
ことを特徴とする電気掃除機。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の電気掃除機において、
前記シャッターは、前記貫通穴に前記接続ピンが挿入されると前記接続ピンにより押し上げられ、前記接続ピンが前記貫通穴から引き抜かれると軟質部材の弾性力により元の位置に戻る
ことを特徴とする電気掃除機。
【請求項5】
請求項3に記載の電気掃除機において、
前記第2カット面は、前記張出部の先端部を垂直にカットして形成されている
ことを特徴とする電気掃除機。
【請求項1】
塵埃を吸い込むための送風機を備えた電気掃除機本体と、一端が前記電気掃除機本体に取付けられて前記送風機に連通する吸引ホースと、前記吸引ホースの他端に取付けられて前記送風機に連通する手元ハンドル部と、一端が前記手元ハンドル部に取付けられて前記吸引ホースに連通する延長管と、一端が延長管に取付けられて該延長管に連通する吸口体とを備えた電気掃除機において、
前記延長管は、先端部を被覆する被覆部とを備え、
前記被覆部は、軟質部材で構成されている
ことを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
塵埃を吸い込むための送風機を備えた電気掃除機本体と、一端が前記電気掃除機本体に取付けられて前記送風機に連通する吸引ホースと、前記吸引ホースの他端に取付けられて前記送風機に連通する手元ハンドル部と、一端が前記手元ハンドル部に取付けられて前記吸引ホースに連通する延長管と、一端が延長管に取付けられて該延長管に連通する吸口体とを備えた電気掃除機において、
前記吸口体は、前記延長管と電気的に接続するための接続ピンを備え、
前記延長管は、前部上面に形成された張出部と、前記張出部の前面を含む先端部を斜めにカットして形成されたカット面と、前記カット面を被覆する被覆部とを備え、
前記被覆部は、軟質部材で構成され
前記張出部は、前記接続ピンが出し入れされる貫通穴を前面に備えるとともに、前記接続ピンが接続されるピン接続部と、前記被覆部と一体に形成されたシャッターとを内部に備え、
前記シャッターは、前記貫通穴と前記ピン接続部との間に配置される
ことを特徴とする電気掃除機。
【請求項3】
塵埃を吸い込むための送風機を備えた電気掃除機本体と、一端が前記電気掃除機本体に取付けられて前記送風機に連通する吸引ホースと、前記吸引ホースの他端に取付けられて前記送風機に連通する手元ハンドル部と、一端が前記手元ハンドル部に取付けられて前記吸引ホースに連通する延長管と、一端が延長管に取付けられて該延長管に連通する吸口体とを備えた電気掃除機において、
前記吸口体は、前記延長管と電気的に接続するための接続ピンを備え、
前記延長管は、前記吸口体から吸い込んだ塵埃を含む空気流の搬送路を内部に備えた管体と、前記管体の前部上面に形成された張出部とを備えるとともに、前記管体の先端部を斜めにカットして形成された第1カット面と、前記張出部の先端部をカットして形成された第2カット面とを先端部に備え、
前記延長管の先端部は、前記第1カット面と前記第2カット面とを被覆する被覆部とを備え、
前記被覆部は、軟質部材で構成され、
前記張出部は、前記接続ピンが出し入れされる貫通穴を前面に備えるとともに、前記接続ピンが接続されるピン接続部と、前記被覆部と一体に形成されたシャッターとを内部に備え、
前記シャッターは、前記貫通穴と前記ピン接続部との間に配置される
ことを特徴とする電気掃除機。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の電気掃除機において、
前記シャッターは、前記貫通穴に前記接続ピンが挿入されると前記接続ピンにより押し上げられ、前記接続ピンが前記貫通穴から引き抜かれると軟質部材の弾性力により元の位置に戻る
ことを特徴とする電気掃除機。
【請求項5】
請求項3に記載の電気掃除機において、
前記第2カット面は、前記張出部の先端部を垂直にカットして形成されている
ことを特徴とする電気掃除機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−223215(P2012−223215A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90636(P2011−90636)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]