説明

電気掃除機

【課題】 継手管を床面等の清掃面から起立させた姿勢で自立させて一時的に置くことができ、使い勝手がよい電気掃除機を提供する。
【解決手段】 継手管5は、手元操作管4に接続される元管5Aと、吸込具6に接続される先管5Bと、を備え、元管5Aの先端に先管5Bの後端を揺動可能に連結するヒンジ手段10と、ヒンジ手段10による揺動を固定する固定手段20と、を有しており、継手管5は、ヒンジ手段10によりと元管5Aと先管5Bとを折り曲げて、清掃面から元管5Aが起立する姿勢で固定手段20により固定することで自立する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機に関し、特に、継手管を自立させて一時的に置くことができる電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般的な電気掃除機は、掃除機本体と、この掃除機本体に接続されたホースと、ホースの端部に接続された手元操作管と、手元操作管の先端に接続された継手管と、継手管の先端に着脱可能に取り付けられた吸込具とを備えて構成されている。
【0003】
継手管は、1つの管体からなるものや、2つの管体からなるものをスライド可能に連結して長さ調節可能に構成したものが知られている。
【0004】
また、管体の途中に折り曲げ可能な継手構造を設けた電気掃除機も知られている。この電気掃除機では、ソファー等のような脚付きの家具の下を掃除する場合に、管体を折り曲げた状態にして家具の下に吸込具を挿入するようにして使用することができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−152038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の電気掃除機では、掃除の途中で一時的に掃除を中断する場合に、手元操作管や継手管を床面等の清掃面に置いたり、家具等に立て掛けて保持したりしていた。このため、掃除の途中で一時的に掃除を中断する場合の操作が煩雑であり、使い勝手が悪かった。
【0007】
本発明は、継手管を床面等の清掃面から起立させた姿勢で自立させて一時的に置くことができ、使い勝手がよい電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、掃除機本体に接続されるホースの端部に、手元操作管を介して継手管が接続され、前記継手管の先端に吸込具が接続された電気掃除機において、前記継手管は、前記手元操作管に接続される元管と、前記吸込具に接続される先管と、を備え、前記元管の先端に前記先管の後端を揺動可能に連結するヒンジ手段と、前記ヒンジ手段による揺動を固定する固定手段と、を有しており、前記継手管は、前記ヒンジ手段により前記元管と前記先管とを折り曲げて、清掃面から前記元管が起立する姿勢で前記固定手段により固定することで自立することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、ヒンジ手段により元管と先管とを折り曲げ、清掃面から元管が起立する姿勢で固定手段により固定することで、継手管が自立するようになっているので、掃除の途中で一時的に掃除を中断する場合に、手元操作管や継手管を床面等の清掃面に置いたり、家具等に立て掛けて保持したりするという操作を行う必要がなくなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、継手管を床面等の清掃面から起立させた姿勢で自立させて一時的に置くことができ、使い勝手がよい電気掃除機が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電気掃除機の全体を示す外観斜視図である。
【図2】手元操作管の拡大斜視図である。
【図3】手元操作管の側面図である。
【図4】手元操作管の縦断面図である。
【図5】第1実施形態に係る継手管を説明する図であり、図5(a)は、ヒンジ部分を示す拡大斜視図、図5(b)は、ヒンジ部分の縦断面図である。
【図6】第1実施形態に係る電気掃除機の使用状態を示す図であり、図6(a)は、掃除時の様子を示す説明図、図6(b)は一時的に継手管を床面に置いた様子を示す説明図である。
【図7】第1実施形態に係る継手管の作用説明図であり、図7(a)は、固定手段による固定を解除した際の様子を示す縦断面図、図7(b)は、継手管を折り曲げる途中の状態を示す縦断面図である。
【図8】第1実施形態に係る継手管の作用説明図であり、図8(a)は、揺動により最大に起立させた状態を示す縦断面図、図8(b)は、固定手段による固定を行った際の様子を示す縦断面図である。
【図9】第1実施形態に係る継手管の動作説明図であり、図9(a)〜図9(d)は、継手管を自立させる際の手順を示す説明図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る電気掃除機の要部を示す図であり、図10(a)は、ヒンジ部分を示す拡大斜視図、図10(b)は、ヒンジ部分の縦断面図である。
【図11】第2実施形態に係る継手管の作用説明図であり、図11(a)は、固定手段による固定を解除した際の様子を示す縦断面図、図11(b)は、継手管を折り曲げる途中の状態を示す縦断面図である。
【図12】第2実施形態に係る継手管の作用説明図であり、図12(a)は、揺動により最大に起立させた状態を示す縦断面図、図12(b)は、固定手段による固定を行った際の様子を示す縦断面図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係る電気掃除機の要部を示す図であり、図13(a)は、ヒンジ部分を示す拡大斜視図、図13(b)は、ヒンジ部分の縦断面図である。
【図14】ヒンジ部分の構成を示す分解斜視図である。
【図15】本発明の第4実施形態に係る電気掃除機の要部を示す図であり、図15(a)は、ヒンジ部分を示す斜視図、図15(b)は、使用状態を示す斜視図である。
【図16】本発明の第5実施形態に係る電気掃除機の全体を示す外観斜視図である。
【図17】第5実施形態に係る継手管を説明する図であり、図17(a)は、要部を示す拡大斜視図、図17(b)は脚部を突出させた状態を示す斜視図である。
【図18】第5実施形態に係る継手管を説明する図であり、図18(a)は、継手管の径方向に脚部を拡げた状態を示す斜視図、図18(b)は、床面に対する脚部の接地状態を示す側面図である。
【図19】本発明の第6実施形態に係る電気掃除機の要部を示す図であり、図19(a)は縦断面図、図19(b)は横断面図である。
【図20】固定手段による固定を解除した際の様子を示す作用説明図であり、図20(a)は縦断面図、図20(b)は横断面図である。
【図21】第6実施形態に係る継手管の作用説明図であり、図21(a)は、最大に起立させた状態を示す縦断面図、図21(b)は、同じく横断面図である。
【図22】本発明の第7実施形態に係る電気掃除機の全体を示す外観斜視図である。
【図23】第7実施形態に係る電気掃除機の使用状態を示す図であり、図23(a)および図23(b)は、使用状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を適宜図面を参照しながら説明するが、本実施形態は以下の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨を損なわない範囲で任意に変更して実施可能である。なお、説明において、同一の要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
【0013】
(第1実施形態)
まず、図1を参照して、本発明の実施形態にかかる電気掃除機の外観構成について説明する。図1に示すように、電気掃除機1は、掃除機本体2と、ホース3と、操作スイッチ46等が設けられた手元操作管4と、継手管5と、吸込具6とを備えて構成されている。このうち、本実施形態では、継手管5が元管5Aと先管5Bとから構成され、これらの元管5Aと先管5Bとがヒンジ手段10を介して揺動可能に連結されている。また、ヒンジ手段10には、元管5Aと先管5Bとの揺動を固定する固定手段20(図5(b)参照)が設けられている。
【0014】
なお、以下の説明で各部の方向を言うときには、吸込具6から掃除機本体2への図示しない通風路に沿って、掃除機本体2から離れる側を先端(先端側)、これとは反対となる側を後端(後端側)として説明する。
【0015】
掃除機本体2の外殻は、上ケースと下ケースとによって覆われている。上ケースは上下方向の略中央より上側に位置し、下ケースは上下方向の略中央より下側に位置する。掃除機本体2の内部には、吸引力を発生させる図示しない電動送風機や、この電動送風機の吸引力で集塵した塵埃を収容する集塵部等が内蔵されており、手元操作管4の操作スイッチ46を操作すること等によって電動送風機の運転の強弱切替えや、吸込具6に設けられた図示しないパワーブラシの入り切り等が行えるようになっている。
【0016】
電気掃除機1を用いて床面等の清掃面に堆積している塵埃を吸引するときは、吸込具6から塵埃を吸引し、継手管5を介して手元操作管4の内部を塵埃が通り、ホース3を経て掃除機本体2に集塵される。なお、集塵部は、掃除機本体2の前側(接続口2aが形成される側)に位置し、上ケースの前側には、開閉可能な蓋2bが設けられている。よって、蓋2bは集塵部の上部を開閉可能に塞いでいる。
【0017】
ホース3は、表面が蛇腹状に形成された可撓性を有するものであり、後端が掃除機本体2に着脱自在に接続され、先端が手元操作管4に回転可能に接続されている。
【0018】
図2および図3に示すように、手元操作管4は、継手管5(図1参照)と接続される接続部4aと、使用者が手で握るグリップ部44を有するハンドル45とを有している。使用者は、例えば、グリップ部44を握持した状態で掃除を行う。また、ハンドル45は、側面視において略三角形状(図3参照、サーベル形状)の閉塞領域Rを有するように構成されている。
【0019】
ハンドル45には、図3および図4に示すように、閉塞領域R内に突出する操作レバーとしての可動トリガ49が設けられ、可動トリガ49は、閉塞領域Rの内側の頂点部Tよりも前方に設けられている。この可動トリガ49は、ハンドル45の長手方向(略前後方向)にスライド可能にハンドル45に支持されており、使用者がグリップ部44を握持した状態において、人さし指を引っ掛けて可動トリガ49を後方に引くことにより、所定動作として、前記した固定手段20による揺動の固定状態が解除されるようになっている。なお、可動トリガ49から指を離すことにより、可動トリガ49は初期状態に復帰する。
【0020】
図2に示すように、手元操作管4の上面には、グリップ部44の前方に操作スイッチ46が設けられている。この操作スイッチ46は、運転の開始/停止、吸引力の調整などの複数のボタンで構成されている。また、手元操作管4の上面には、操作スイッチ46の前方に継手管5(図1参照)を着脱するための着脱ボタン47が設けられている。また、手元操作管4は、電気掃除機1を収納するときに継手管5と手元操作管4とを取り外した際に継手管5の先端や様々な部分に引っ掛けられる収納フック48を備えている。
【0021】
手元操作管4は、図4に示すように、回転管43aおよびホースカバー43bを介してホース3の先端に接続され、ホース3およびホースカバー43bが手元操作管4に対して回転可能に接続されている。なお、回転管43aが手元操作管4に回転可能に接続されているので、ホース3が捩じれたとしてもホースカバー43bが回転して、ホース3の捩じれを防止することができる。
【0022】
可動トリガ49には、解除機構が連結されている。解除機構は、図4に示すように、使用者の指が触れる操作部49aに連結される第1ロッド49bと、この第1ロッド49bに連結されるリンク部材49cと、このリンク部材49cに連結される第2ロッド49dと、で構成されている。なお、第2ロッド49dは、継手管5(元管5A)側に備わるロッド51(図5(b)参照)を介して固定手段20(図5(b)参照)側に連結(接続)されている。なお、ロッド51は、棒状や平板状を呈するものを採用することができる。
【0023】
ここで、操作部49aが操作される(後方側へ引かれる)と、第1ロッド49bを介してリンク部材49cが回動動作し、第2ロッド49dが前方向に可動する。これにより、継手管5(元管5A)側に備わるロッド51(図5(b)参照)が前方向に押され、この押されたロッド51によって固定手段20(図5(b)参照)が操作されるようになっている。なお、操作部49aから指を離すことにより、操作部49aは、図示しないばね部材の弾性力によって初期状態(ロック状態)に復帰するようになっている。
【0024】
継手管5に設けられるヒンジ手段10は、図5(a)に示すように、元管5Aの先端に先管5Bの後端を揺動可能に連結するものであり、元管5Aの先端部に一体的に設けられた受部11と、先管5Bの後端部に一体的に設けられ、受部11に揺動可能に保持される円弧状の保持部12とを備えて構成されている。
【0025】
受部11は、保持部12の上面円弧部12aおよび下面円弧部12b(図5(b)参照)の左右両端外周面をそれぞれ包むようにして保持する一対の円環状部11a,11bを有している。円環状部11aと円環状部11bとの間には、切欠部11cが形成されている。この切欠部11cには、ヒンジ手段10を中心として継手管5を折り曲げた際に、元管5Aに対して相対的に回動する先管5Bの基端部52が逃がされるようになっている。
【0026】
これにより、継手管5は、ヒンジ手段10を中心として揺動可能(図5中、矢印X1方向に折り曲げ可能)となっている。具体的には、図5(a)に示すように、切欠部11cの後端側開口縁11dが先管5Bの基端部52に当接する位置まで、継手管5を揺動させて折り曲げることが可能となっている(図8参照)。
【0027】
ここで、継手管5は、先管5Bを清掃面に寝かせた(置いた)状態で、元管5Aが略直立する状態に揺動して折り曲げられることが好ましく(図6(b)参照)、さらに、好ましくは、元管5Aと先管5Bとのなす角度が約80〜110°の範囲に折り曲げられるのがよい。
【0028】
切欠部11cの後端側開口縁11dの内側には、図5(b)に示すように、元管5Aに備わる貫通孔51aの開口部51bが形成されている。この貫通孔51aには、元管5Aに備わるロッド51が軸方向摺動可能に挿入配置されている。なお、開口部51bは、後記する係合部材22a,22bが係合するように、係合部材22a,22bに対応した形状、つまり、左右方向に横長とされた形状に形成されている。
【0029】
ロッド51は、前記した可動トリガ49(図4参照、以下同じ)の操作部49a(図4参照、以下同じ)が操作されていない状態において、その先端部51cが、貫通孔51aの開口部51bから後退した位置に配置されるように構成されている。また、ロッド51は、前記した操作部49aが操作されてロッド51が前方向に可動した状態において、その先端部51cが貫通孔51aの開口部51bから幾分突出する位置となるように構成されている。
【0030】
本実施形態では、図5(b)に示すように、継手管5が一直線状とされ、操作部49aが操作されていない状態において、開口部51bには、固定手段20の後記する第1係合部21Aの係合部材22aが係合するようになっている。また、図8(b)に示すように、継手管5が折り曲げられ、操作部49aが操作されていない状態において、開口部51bには、固定手段20の後記する第2係合部21Bの係合部材22bが係合するようになっている。
【0031】
図5(b)に示すように、保持部12は、上下方向に間隔を空けて設けられた上面円弧部12aおよび下面円弧部12bを備えている。上面円弧部12aおよび下面円弧部12bは、受部11の一対の円環状部11a,11b(図5(a)参照)に、その左右両端外周面が保持されて摺接しており、一対の円環状部11a,11b(図5(a)参照)の軸回りに揺動可能に保持されている。上面円弧部12aと下面円弧部12bとの間には、継手管5の通風路を形成する開口13が形成されている。そして、上面円弧部12aには、固定手段20を構成する第1係合部21Aおよび第2係合部21Bが設けられている。
【0032】
固定手段20は、ヒンジ手段10による継手管5の揺動(元管5Aと先管5Bとの揺動)を固定するものであり、第1係合部21Aおよび第2係合部21Bを有している。第1係合部21Aは、上面円弧部12aの後端側に設けられており、また、第2係合部21Bは、上面円弧部12aの先端側に設けられている。
【0033】
図5(b)に示すように、第1係合部21Aは、係合部材22aと、係合部材22aを収容可能な溝部23aと、溝部23a内に配置され、係合部材22aが溝部23a内から突出する方向に付勢するばね24aと、を有している。第2係合部21Bは、第1係合部21Aと同様の構成であり、係合部材22bと、係合部材22bを収容可能な溝部23bと、溝部23b内に配置され、係合部材22bが溝部23b内から突出する方向に付勢するばね24bと、を有している。なお、第1係合部21Aおよび第2係合部21Bには、係合部材22a,22bが溝部23a,23b内から脱落するのを防止する図示しない脱落規制部材が設けられている。
【0034】
第1係合部21Aは、図5(b)に示すように、継手管5が一直線状とされた状態において、係合部材22aの後端が元管5Aの開口部51bに対向するように位置設定されている。これにより、継手管5が一直線状とされた状態において、係合部材22aは、ばね24aの付勢力によって突出し、貫通孔51aに係合する。この係合によって、ヒンジ手段10を中心とした元管5Aと先管5Bとの揺動が阻止されることとなり、継手管5が一直線状とされた状態で固定される。
【0035】
一方、継手管5が一直線状とされた状態で可動トリガ49の操作部49aが操作されると、係合部材22aは、図7(a)に示すように、継手管5(元管5A)側に備わるロッド51の摺動により、ばね24aの付勢力に抗して溝部23aに向けて押され、貫通孔51aから押し出される。これにより、係合部材22aと貫通孔51aとの係合が解除され、元管5Aと先管5Bとの揺動(図中矢印X1方向の揺動)が可能となる状態にされる(図7(b)参照)。
【0036】
第2係合部21Bは、図8(b)に示すように、継手管5が(最大に)折り曲げられた状態(元管5Aの切欠部11cの後端側開口縁11dが先管5Bの基端部52に当接する状態)において、係合部材22bの後端が元管5Aの開口部51bに対向するように位置設定されている。これにより、継手管5が折り曲げられた状態において、係合部材22bは、ばね24bの付勢力によって突出し、貫通孔51aに係合する。この係合によって、ヒンジ手段10を中心とした元管5Aと先管5Bとの揺動が阻止されることとなり、継手管5が折り曲げられた状態で固定される。
【0037】
一方、継手管5が折り曲げられた状態で可動トリガ49の操作部49aが操作されると、係合部材22bは、図8(a)に示すように、継手管5(元管5A)側に備わるロッド51の摺動により、ばね24bの付勢力に抗して溝部23bに向けて押され、貫通孔51aから押し出される。これにより、係合部材22bと貫通孔51aとの係合が解除され、元管5Aと先管5Bとの揺動(図中矢印X2方向の揺動)が可能となる状態にされる(図7(b)参照)。
【0038】
次に、図1を再び参照して吸込具6について説明する。吸込具6は、継手管5の先端に着脱可能に接続された吸口である。吸込具6は、吸口本体6aと、この吸口本体6aに接続された連結部としての第1連結部6bおよび第2連結部6cとを有している。第1連結部6bは、吸口本体6aの後部に上下方向回動可能に接続された連結管であり、内部に吸口本体6aの図示しない吸込口に連通する通風路を有している。第2連結部6cは、第1連結部6bの後部に左右方向回動可能に接続された連結管であり、内部に第1連結部6bの通風路に連通する図示しない通風路を有し、後部に先管5Bの先端部が連結される。つまり、第2連結部6cは、吸口本体6aに対して軸方向に回動不能に設けられており、これによって、その後部に連結される先管5Bも吸口本体6aに対して軸方向に回動不能に連結される。
【0039】
なお、吸込具6には、図示しない電動機により駆動されるパワーブラシが設けられており、この電動機に給電する電力が、掃除機本体2からホース3、手元操作管4、継手管5を通じて供給されるようになっている。
【0040】
次に、継手管5を折り曲げ操作する際の手順を図6、図9等を参照して説明する。本実施形態の電気掃除機1では、図6(a)に示すように、継手管5を一直線状に固定した状態で、通常の掃除を行うことができるとともに、図6(b)に示すように、継手管5を折り曲げて起立した姿勢で自立させて、清掃面となる床面Gに一時的に置くことができる。
【0041】
図6(a)に示すように、通常の掃除を行っている状態から、継手管5を折り曲げる場合には、図9(a)に示すように、手元操作管4を持つ手の指を可動トリガ49の操作部49a(図9では不図示、以下同じ)に掛けて、可動トリガ49を後方へ引く。可動トリガ49を後方へ引くと、図4に示すように、第1ロッド49bを介してリンク部材49cが回動動作し、第2ロッド49dが前方向に可動して、継手管5(元管5A)側に備わるロッド51(図5(b)参照)が前方向に押される。これにより、図7(a)に示すように、第1係合部21Aの係合部材22aがばね24aの付勢力に抗して溝部23a方向に押され、係合部材22aが貫通孔51aから押し出される。これにより、第1係合部21Aによる固定が解除される。
【0042】
次に、この状態を維持したまま(可動トリガ49を後方へ引いたまま)、図9(b)に示すように、ヒンジ手段10を床面Gに近付けるようにして、手元操作管4を持つ手で継手管5を折り曲げ操作する。継手管5を折り曲げると、図7(b)に示すように、保持部12の上面円弧部12a上に元管5Aの切欠部11cの後端側開口縁11dが移動し、上面円弧部12a上をスライド移動する。その後、図8(a)に示すように、後端側開口縁11dが先管5Bの基端部52に当接する位置まで(最大に折り曲げられる位置まで)継手管5を折り曲げ操作すると、ロッド51の先端部51cが係合部材22bに当接して、係合部材22bを溝部23b側に押し込む。なお、折り曲げ時には、床面Gに近付けたヒンジ手段10を床面Gにそのまま当接させて(置いて)継手管5の折り曲げ操作を行うようにしてもよい。
【0043】
その後、図9(c)に示すように、可動トリガ49の操作部49aから指を離す。操作部49aから指を離すと、図8(b)に示すように、ロッド51が後退し、貫通孔51a内に第2係合部21Bの係合部材22bが進入して、係合部材22bが貫通孔51aに係合する。この係合によって、ヒンジ手段10を中心とした継手管5の揺動が阻止されることとなり、継手管5が折り曲げられた状態で固定される。この状態で、図9(d)に示すように、手元操作管4から手を離す。これにより、継手管5を床面Gから起立させた姿勢で自立させて一時的に置くことができる。
【0044】
その後、掃除を再開する際には、手元操作管4を再び握り、可動トリガ49の操作部49aに指を掛けてこれを後方に引く。
【0045】
操作部49aを後方へ引くと、図8(a)に示すように、ロッド51が第2係合部21Bに向けて摺動し、係合部材22bが押される。これにより、係合部材22bと貫通孔51aとの係合が解除され、元管5Aと先管5Bとの揺動(図中矢印X2方向の揺動)が可能となる状態にされる。
【0046】
その後、この状態を維持したまま(可動トリガ49を後方へ引いたまま)、ヒンジ手段10を床面Gから持ち上げるようにして、手元操作管4を持つ手で継手管5を直線状に伸ばす操作をする(図7(b)参照)。そして、図7(a)に示すように、継手管5が直線状となる位置まで(受部11の先端部11fが先管5Bの周部53に当接する位置まで)揺動させると、貫通孔51aの開口部51bにおいて、係合部材22aがロッド51の先端部に当接する。
【0047】
この状態で、可動トリガ49の操作部49aから指を離すと、図5(b)に示すように、ロッド51が後退し、貫通孔51a内に係合部材22aが進入して、係合部材22aが貫通孔51aに係合する。この係合によって、ヒンジ手段10を中心とした継手管5の揺動が阻止されることとなり、継手管5が一直線状とされた状態で固定される。これにより、掃除を再開することができる。
【0048】
以下では、前記構成によって得られる効果を説明する。
(1)ヒンジ手段10により元管5Aと先管5Bとを折り曲げ、床面Gから元管5Aが起立する姿勢で固定手段20により固定することで、継手管5が自立する(一時中断状態を保つ)ようになっているので、掃除の途中で一時的に掃除を中断する場合に、手元操作管4や継手管5を床面G等に置いたり、家具等に立て掛けて保持したりするという操作を行う必要がなくなる。したがって、使い勝手がよい電気掃除機1が得られる。
(2)継手管5のうち、元管5Aを床面Gから起立させることができ、起立させた姿勢で、元管5Aの後端に接続される手元操作管4が元管5Aよりさらに上方に位置することとなるので、掃除を再開する際に手元操作管4を掴み易い。したがって、使い勝手がよい電気掃除機1が得られる。
(3)手元操作管4には、可動トリガ49が設けられており、可動トリガ49の操作に応じて固定手段20による揺動の固定が解除されるようになっているので、解除の際にいちいち腰をかがめる必要がなくなり、使い勝手のよい電気掃除機1が得られる。
(4)吸込具6は左右方向に広がっており、吸込具6に設けられた第1連結部6bおよび第2連結部6cは、先管5Bの軸線回りに回動不能に設けられているので、先管5Bは、床面G上において軸線回りに回動不能に置かれることとなり、起立した姿勢が安定する。これにより、継手管5の自立性が向上する。また、ヒンジ手段10が左右方向に突出しているので、この点からも起立した姿勢が安定する。なお、第1連結部6bおよび第2連結部6cが先管5Bの軸線回りに回動するように設けられている場合でも、ヒンジ手段10が左右方向に突出しているので、起立した姿勢を安定させることができる。つまり、ヒンジ手段10が左右方向に突出しているので、この突出したヒンジ手段10を清掃面に接地して継手管5の自立した姿勢を保持する脚部として機能させることもできる。
(5)継手管5を折り曲げた際に、元管5Aの切欠部11cの後端側開口縁11dが、先管5Bの基端部52に当接するようになっているので、元管5Aが必要以上に折れ曲がるのを好適に規制することができる。また、当接により、第2係合部21Bの係合部材22bが係合する位置に元管5Aを好適に位置決めすることができる。したがって、使い勝手のよい電気掃除機1が得られる。
【0049】
なお、継手管5を折り曲げる途中で、継手管5の揺動が固定されていない状態にして、掃除を行ってもよい。この場合には、使用者が立った姿勢のまま(かがむことなく楽な姿勢のまま)、継手管5の先管5Bをソファー等のような脚付きの家具の下に挿入させて掃除を行うことができる。
【0050】
(第2実施形態)
次に、図10〜図12を参照して、本発明の第2実施形態に係る電気掃除機を説明する。本実施形態が前記第1実施形態と異なるところは、固定手段20を簡略化した点にある。図10において、固定手段20は、第1係合部25Aおよび第2係合部25Bを有している。第1係合部25Aは、上面円弧部12aの後端側に設けられており、また、第2係合部25Bは、上面円弧部12aの先端側に設けられている。
【0051】
第1係合部25Aは、図10(b)に示すように、舌片状の部材であり、支持部25bを中心として回動可能に設けられている。第1係合部25Aは、継手管5が一直線状とされた状態で、図示しない付勢部材およびストッパ部材の作用によって、その後端部25aが、元管5Aの開口部51bの縁部に係合する位置に保持されるように構成されている。このように、第1係合部25Aの後端部25aが開口部51bの縁部に係合した状態にされることで、ヒンジ手段10を中心とした元管5Aと先管5Bとの揺動が阻止されることとなり、継手管5が一直線状とされた状態で固定される。
【0052】
一方、一直線状とされた状態で可動トリガ49の操作部49aが操作されると、第1係合部25Aは、図11(a)に示すように、継手管5(元管5A)側に備わるロッド51の摺動により押圧され、図示しない付勢部材の付勢力に抗して受部11の内側へ向けて回動する。これにより、第1係合部25Aの係合が解除され、元管5Aと先管5Bとの揺動(図中矢印X1方向の揺動)が可能となる状態にされる(図11(b)参照)。
【0053】
第2係合部25Bは、第1係合部25Aと同様の舌片状の部材であり、図10(b)に示すように、支持部25bを中心として回動可能に設けられている。第1係合部25Aは、図12(b)に示すように、継手管5が最大に折り曲げられた状態において、その先端部25dが、元管5Aの切欠部11cの後端側開口縁11dの内側に設けられた係合溝51eに係合するように構成されている。このように係合した状態で、ヒンジ手段10を中心とした元管5Aと先管5Bとの揺動(図中矢印X2方向の揺動)が阻止されることとなり、継手管5が折り曲げられた状態で固定される。
【0054】
一方、継手管5が折り曲げられた状態で可動トリガ49の操作部49aが操作されると、第2係合部25Bは、図12(a)に示すように、ロッド51の摺動により押圧され、図示しない付勢部材の付勢力に抗して受部11の表面に形成された凹部12cに向けて回動する。これにより、第2係合部25Bの係合が解除され、元管5Aと先管5Bとの揺動(図中矢印X2方向の揺動)が可能となる状態にされる(図11(b)参照)。
【0055】
このような固定手段20が備わる継手管5を折り曲げ操作する際には、前記第1実施形態と同様に、手元操作管4(図4参照)を持つ手の指で可動トリガ49を後方へ引くことにより行い、継手管5(元管5A)側に備わるロッド51を前方向に摺動させる。ロッド51を前方向に摺動させると、図11(a)に示すように、第1係合部25Aがロッド51の摺動により押圧され、図示しない付勢部材の付勢力に抗して第1係合部25Aが受部11の内側へ向けて回動する。これにより、第1係合部25Aによる固定が解除される。
【0056】
次に、この状態を維持したまま(可動トリガ49を後方へ引いたまま)、ヒンジ手段10を床面Gに近付けるようにして、手元操作管4を持つ手で継手管5を折り曲げ操作すると、図11(b)に示すように、保持部12の上面円弧部12a上に元管5Aの切欠部11cの後端側開口縁11dが移動する。
【0057】
この状態で、可動トリガ49の操作部49aから指を離し、図12(a)に示すように、後端側開口縁11dが先管5Bの基端部52に当接する位置まで(最大に折り曲げられる位置まで)継手管5を折り曲げ操作する。継手管5を折り曲げると、後端側開口縁11dが突出した状態の第2係合部25Bを乗り越えるようにして先管5Bの基端部52に当接する。
【0058】
この状態で、第2係合部25Bは、図示しない付勢部材の付勢力により突出し、その先端部25dが係合溝51eに係合する。この係合によって、ヒンジ手段10を中心とした継手管5の揺動(図中矢印X2方向の揺動)が阻止されることとなり、継手管5が折り曲げられた状態で固定される。
【0059】
この状態で、継手管5を図示しない床面から起立させた姿勢で自立させて一時的に置くことができる。
【0060】
なお、掃除を再開する際には、手元操作管4を再び握持し、可動トリガ49の操作部49aに指を掛けてこれを後方に引く。操作部49aを後方に引くと、図12(a)に示すように、ロッド51が第2係合部25Bに向けて摺動し、その先端部で第2係合部25Bを押す。これにより、第2係合部25Bと係合溝51eとの係合が解除され、元管5Aと先管5Bとの揺動(図中矢印X2方向の揺動)が可能となる状態にされる。
【0061】
その後、元管5Aを揺動させて可動トリガ49の操作部49aから指を離し、ヒンジ手段10を図示しない床面から持ち上げるようにして、手元操作管4を持つ手で継手管5を直線状に伸ばす操作をする(図11(b)参照)。そして、図10(b)に示すように、継手管5が直線状となる位置まで(受部11の先端部11fが先管5Bの周部53に当接する位置まで)揺動させると、第1係合部25Aが元管5Aの開口部51bの縁部に係合する。この係合によって、ヒンジ手段10を中心とした継手管5の揺動が阻止されることとなり、継手管5が一直線状とされた状態で固定される。これにより、掃除を再開することができる。
【0062】
本実施形態の電気掃除機1によれば、前記第1実施形態で説明した作用効果に加えて次のような作用効果が得られる。すなわち、第1実施形態で説明した第1係合部21Aおよび第2係合部21Bに比べ、第1係合部25Aおよび第2係合部25Bの構成が簡単になるので、コストを低減することができる。また、電気掃除機1の製造時の組付性が高まり生産性が向上する。
【0063】
また、折り曲げ操作時および折り曲げた状態から継手管5を一直線状にする際の操作が簡単になるので、より使い勝手のよい電気掃除機1が得られる。
【0064】
(第3実施形態)
次に、図13、図14を参照して本発明の第3実施形態に係る電気掃除機を説明する。本実施形態が前記第1,第2実施形態と異なるところは、ヒンジ手段10’に対する操作で、揺動の固定および解除を行うようにした点にある。なお、図13および図14は、ヒンジ手段10’および固定手段20’を模式的に示した図であり、部分的に省略して図示している。
【0065】
固定手段20’は、ヒンジ手段10’の揺動を固定するものであり、図13(b)に示すように、受部11の左右両側部にそれぞれ設けられており、左右において構造が同一とされているので、ここでは、一方の固定手段20’について説明する。
【0066】
図13および図14において、固定手段20’は、受部11に設けられた有底円筒部12eと、有底円筒部12eの底部12fに立設されたボス部12jと、円環状部11a(他方においては円環状部11b、以下同じ)に支持部18を介して設けられ、ボス部12jに支持される円筒支持部18aと、ボス部12jに螺合される固定ねじ14と、円筒支持部18aに外装されるばね部材15と、ばね部材15の上端を収容して円環状部11aの内側に収容される操作ボタン19と、円環状部11aの開口縁に固着されるカバー部材16と、を備えて構成されている。
【0067】
有底円筒部12eには、図14に示すように、円筒部の内壁に一対の規制部12h,12hが突設されている。この一対の規制部12h,12hは、ボス部12jを挟んで対向する位置に設けられている。円筒支持部18aは、板状の支持部18bに支持されて円環状部11aの中央部に位置しており、ばね部材15が外装された状態で円筒支持部18aには、操作ボタン19が押し下げ操作可能に装着されるようになっている。
【0068】
固定ねじ14には、ねじ部14aを含んで軸方向に貫通する貫通孔14bが形成されている。操作ボタン19は、図13(b)に示すように、断面略ハット状とされており、鍔部19aと、ボタン部19bとを有している。鍔部19aには、図14に示すように、周部に2つの凹状部19c,19cが形成されており、これらの凹状部19c,19cは、円環状部11aの内側において受部11の規制部12h,12hにスライド可能に係合するようになっている。鍔部19aの上面には、断面三角形状のリブ19dが形成されている。このリブ19dは、ボタン部19bを挟んで鍔部19aの径方向に延設されている。ボタン部19bの内側には、図13(b)に示すように、ばね部材15の上端部が挿入可能である。
【0069】
カバー部材16は、図14に示すように、円環状を呈しており、操作ボタン19のボタン部19bが挿通される挿通孔16bを有している。カバー部材16の端部には、操作ボタン19のリブ19dが係止可能な断面三角状の係止部16aが形成されている。係止部16aは、カバー部材16の周方向に約90度間隔で計4個(図14では2個のみ図示)設けられている。
【0070】
このような構成よりなる固定手段20’は、次のようにして組み付けられる。まず、保持部12の側方から保持部12に対して円環状部11aを装着し、ボス部12jに円筒支持部18aを装着して固定ねじ14をボス部12jに螺合する。次に、円筒支持部18aにばね部材15を外装し、ばね部材15の上端に操作ボタン19のボタン部19bを被せる。その後、カバー部材16の挿通孔16bに操作ボタン19のボタン部19bを挿通させて、ばね部材15の付勢力に抗してカバー部材16を円環状部11aの開口内側に固着する。円環状部11b側においても同様に組み付けることによって、固定手段20’が組み付けられる。
【0071】
組み付けられた状態で、操作ボタン19は、図13(b)に示すように、ばね部材15によってカバー部材16に向けて付勢されており、この付勢力によって、リブ19d(図14参照)がカバー部材16の係止部16a(図14参照)に係止されるようになっている。また、操作ボタン19は、ボタン部19bが押圧されることにより、ばね部材15の付勢力に抗して受部11側へ押されると、リブ19d(図14参照)が係止部16a(図14参照)から脱して(外れて)、これらの係止が解除されるようになっている。このように係止が解除された状態では、円環状部11aと保持部12とが回動可能であり、その回動は、保持部12の規制部12hに対して、円環状部11aの支持部18bが周方向から当接する範囲内で規制されるようになっている。
【0072】
具体的には、前記した図6(a)に示すように、継手管5が一直線状となる状態と、図6(b)に示すように、継手管5が折り曲げられて起立する姿勢となる状態と、の間で継手管5が揺動可能となっており、各状態において、固定手段20’により継手管5が固定されるようになっている。
【0073】
そして、固定手段20’による固定を解除して一直線状とされた状態から折り曲げられた状態にする際には、固定手段20’のボタン部19b,19bを両側から押し込むように操作して、リブ19d(図14参照)と係止部16a(図14参照)との係止を解除し、継手管5を折り曲げる。そして、折り曲げた状態で、ボタン部19b,19bから手を離し、リブ19d(図14参照)と係止部16a(図14参照)とを略90度揺動した位置で係止する。これにより、継手管5を折り曲げた状態で固定することができる。
【0074】
なお、継手管5を一直線状に戻す際には、前記したのと同じボタン部19b,19bの操作をしつつ前記した操作と逆の回動操作を行うことで、継手管5を一直線状とすることができる。
【0075】
本実施形態によれば、シンプルな構成で、継手管5を床面(清掃面)から起立させた姿勢で自立させて一時的に置くことができ、使い勝手がよい電気掃除機1が得られる。また、固定および固定の解除を操作ボタン19,19のボタン部19b,19bの押し込みによって行うことができ、操作が簡単で使い勝手がよい。なお、固定手段20’は、受部11の両側に設けたが、これに限られることはなく、いずれか片側にのみ設けてもよい。
【0076】
(第4実施形態)
次に、図15を参照して、本発明の第4実施形態に係る電気掃除機を説明する。本実施形態が前記第1〜第3実施形態と異なるところは、継手管5に脚部30を設けた点にある。なお、ヒンジ手段10および固定手段20は、第1実施形態と同様としてある。
【0077】
脚部30は、図15(a)に示すように、先管5Bの基端部における受部11の近傍に取り付けられており、床面(清掃面)に接地して継手管5の自立した姿勢を保持する役割をなす。脚部30は、取付部31と、取付部31に一体的に設けられた張出部32,32と、張出部32,32の下面に設けられた滑り止め部材33と、を備えて構成されている。
【0078】
取付部31は、環状を呈しており、図示しないねじ等により先管5Bの基端部(後端部)に取付固定されている。張出部32,32は、板状を呈しており、取付部31の下部から先管5Bの径方向に伸延しており、それぞれ床面(清掃面)に接地可能となっている。滑り止め部材33は、例えば、合成ゴム等や合成樹脂等の材料からなるシート状の部材であり、張出部32,32の下面に貼付され、床面(清掃面)に対する張出部32,32の滑りを防止する。なお、滑り止め部材33は必ずしも設けなくてもよい。
【0079】
本実施形態によれば、先管5Bの基端部に脚部30が設けられているので、継手管5を床面(清掃面)から起立させた姿勢で自立させて一時的に置いた際に(図15(b)参照)、起立した姿勢が安定し、継手管5の自立性が向上するという利点が得られる。なお、張出部32,32を中空状や薄板状とすることで、脚部30の軽量化を図ることができる。このことは、使い勝手の向上に寄与する。
【0080】
(第5実施形態)
次に、図16〜図18を参照して本発明の第5実施形態に係る電気掃除機を説明する。本実施形態が前記第4実施形態と異なるところは、継手管5を折り曲げた際に、脚部35が自動的に突出するように構成した点にある。
【0081】
脚部35は、図17(a)に示すように、左右一対の延出部36,36と、接続部37,37と、ローラ部38,38とを有して構成されている。延出部36,36は、先管5Bの側方に沿う細長板状を呈しており、後端部が接続部37,37を介して元管5Aの一対の円環状部11a,11bにそれぞれ取り付けられている。接続部37,37は、支軸37aを有しており、この支軸37aには図示しないばね部材が介装されている。このばね部材により、延出部36,36は、その先端部側が、支軸37a,37aを中心として先管5Bに近付く方向に回動するように付勢されている。
【0082】
なお、支軸37a,37aには、延出部36,36が先管5Bに近付く方向に必要以上に回動するのを規制する図示しないストッパがそれぞれ設けられている。これにより、延出部36,36は、後端部側に比べて前端部側が左右方向(先管5Bの径方向)に若干開く状態に保持されるようになっている。つまり、後記するように、延出部36,36のローラ部38,38が床面(清掃面)に当接した際に、延出部36,36が支軸37a,37aを中心として左右方向に開き易くなっている(図18(a)参照)。
【0083】
ローラ部38,38は、表面に起毛が施された円筒状の部材であり、延出部36,36の前端部に設けられた支軸部36a,36aに回動可能に支持されている。
【0084】
このような脚部35は、図16および図17(a)に示すように、継手管5が一直線状とされた状態において、先管5Bの左右側方における先管5Bの長手方向に沿うようにして配置される。したがって、脚部35が掃除の邪魔となることがない。
【0085】
一方、図17(b)に示すように、継手管5が折り曲げられて元管5Aが起立した状態にされると、脚部35の一対の延出部36,36が、元管5Aの回動に伴ってヒンジ手段10の下方へ回動して突出する。
【0086】
この状態で、継手管5を床面G(清掃面)に置くと、ローラ部38,38が回動しながら左右方向に移動し、図18(a)に示すように、脚部35の延出部36,36が接続部37,37(この図では不図示)を中心として左右方向に回動して開く状態となる。これにより、図18(b)に示すように、脚部35は、床面G(清掃面)に接地して、継手管5の自立した姿勢を保持する。
【0087】
本実施形態によれば、ヒンジ部分に脚部35が設けられているので、継手管5を床面G(清掃面)から起立させた姿勢で自立させて一時的に置いた際に、起立した姿勢が安定し、継手管5の自立性が向上するという利点が得られる。また、継手管5を一直線状とした状態にすると、脚部35が先管5Bの左右側方における先管5Bの長手方向に沿うようにして配置されるので、脚部35が掃除の邪魔となることがない。
【0088】
(第6実施形態)
次に、図19〜図21を参照して本発明の第6実施形態に係る電気掃除機を説明する。本実施形態は前記第3実施形態で説明した固定手段20’における固定の解除を、手元操作管4の可動トリガ49を操作することによって行えるように構成したものである。
【0089】
元管5Aの先端部には、図19(a)に示すように、元管5Aに備わるロッド51により駆動される元管リンク部材55が配置されており、この元管リンク部材55には、ワイヤ56が接続されている。ワイヤ56の前端部56aには、左右方向に延びる操作ワイヤ57が接続されている。操作ワイヤ57は、図19(b)に示すように、保持部12に形成された孔部12m、および固定ねじ14に形成された貫通孔14bを貫通して、その端部57aが操作ボタン19のボタン部19bの底面19eに固着されている。なお、元管5Aには、元管リンク部材55の可動スペース51fが形成されている。
【0090】
このような構成において、一直線状とされた継手管5を折り曲げる場合には、手元操作管4(図4参照)の可動トリガ49を後方へ引くことにより行う。可動トリガ49が操作されると、前記と同様にして、元管5Aに備わるロッド51が前方向に押され、図20(a)に示すように、元管リンク部材55が回動動作する。元管リンク部材55が回動動作すると、元管リンク部材55によってワイヤ56が後方へ引かれ、これに伴って、図20(b)に示すように、操作ワイヤ57が後方へ引かれる。これにより、図20(b)に示すように、ばね部材15の付勢力に抗して、操作ワイヤ57が操作ボタン19,19を引っ張り、操作ボタン19,19が内側に移動する。これによって、前記図14に示した鍔部19aのリブ19dがカバー部材16の係止部16aから外れ、図21(a)に示すように、継手管5が折り曲げ可能となる。
【0091】
また、継手管5を固定する際には、継手管5を折り曲げた所定位置(例えば、切欠部11cの後端側開口縁11dが基端部52に当接する位置、図21(a)参照)にて手元操作管4の可動トリガ49から指を離す。可動トリガ49から指を離すと、図21(b)に示すように、元管リンク部材55を介してワイヤ56、操作ワイヤ57が戻され、ばね部材15の付勢力により、操作ボタン19,19が戻される。これに伴って、前記図14に示した鍔部19aのリブ19dがカバー部材16の係止部16aに係止し、継手管5が折り曲げられた状態(または一直線状に戻した状態では一直線状とされた状態)で固定される。
【0092】
本実施形態の電気掃除機1によれば、可動トリガ49の操作に応じて固定手段20による揺動の固定および固定の解除を行うことができるので、固定や解除の際にいちいち腰をかがめる必要がなくなり、使い勝手のよい電気掃除機1が得られる。また、可動トリガ49,操作ボタン19,19のどちらを操作しても、固定の解除を行うことができるので、掃除中の体勢や持ち手の位置に応じて、スムーズな操作を行うことができる。
【0093】
(第7実施形態)
次に、図22および図23を参照して、本発明の第7実施形態に係る電気掃除機を説明する。本実施形態が前記第1〜第6実施形態と異なるところは、ロンググリップタイプの手元操作管60を用いた点にある。なお、継手管5には、前記第3実施形態で説明したヒンジ手段10’が設けられている。
【0094】
図22において、手元操作管60は、後端にホース3が接続され、前端に元管5Aが接続される基管61と、この基管61の前後部に取り付けられた支持部62,62と、これらの支持部62,62に支持されたロンググリップ部63と、を有して構成されている。
【0095】
ロンググリップ部63は、少なくとも両手を長手方向に添えて握持することができる長さを有しており、本実施形態では、前部から後部に向けて外径が漸次拡径する緩やかなテーパ状とされている。また、ロンググリップ部63の前部上面には、操作スイッチ46が設けられている。
【0096】
このようなロンググリップ部63を備えた手元操作管60は、図23(a)に示すように、その軸方向の長さを有効に利用して、色々な位置で握持することができる。例えば、身長の比較的高い人は、図23(a)において実線で示すように、ロンググリップ部63の後端側を握持することにより、好適に掃除を行うことができ、また、身長の比較的低い人は、図23(a)において二点鎖線で示すように、ロンググリップ部63の先端側を握持することにより、好適に掃除を行うことができる。
【0097】
また、図23(b)に示すように、継手管5を折り曲げる際には、ロンググリップ部63の後端側を握持することにより、床面G(清掃面)から比較的高い位置で、継手管5を折り曲げ操作することができる。
【0098】
本実施形態の電気掃除機1によれば、握持する位置を変えるなどしてロンググリップ部63を握持することができるので、継手管5の揺動の固定や固定の解除の際にいちいち腰をかがめる必要がなくなり、使い勝手のよい電気掃除機1が得られる。
【0099】
なお、ロンググリップ部63の先端部や後端部等(あるいは複数ヶ所)に前記した可動トリガ49を設けて、可動トリガ49を操作することにより、固定手段20等が解除されるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0100】
1…電気掃除機、2…掃除機本体、3…ホース、4…手元操作管、4a接続部、5…継手管、5A…元管、5B…先管、6…吸込具、6a…吸口本体、6b,6c…第1連結部,第2連結部(連結部)、10,10’…ヒンジ手段、11…受部、11a,11b…円環状部、11c…切欠部、11d…後端側開口縁、12…保持部、12a…上面円弧部、12b…下面円弧部、12e…有底円筒部、12f…底部、12h…規制部、12j…ボス部、14…固定ねじ、14a…ねじ部、14b…貫通穴、15…ばね部材、16…カバー部材、16b…挿通孔、18…支持部、18a…円筒支持部、18b…板状の支持部、19…操作ボタン、19a…鍔部、19b…ボタン部、19c…凹状部、19d…リブ、20,20’…固定手段、21A…第1係合部、21B…第2係合部、22a,22b…係合部材、23a,23b…溝部、24a,24b…ばね、25A…第1係合部、25B…第2係合部、25a…後端部、25b…支持部、30…脚部、31…取付部、32…張出部、33…滑り止め部材、35…脚部、36…延出部、37…接続部、37a…支軸、38…ローラ部、43a…回転管、43b…ホースカバー、44…グリップ部、45…ハンドル、46…操作スイッチ、47…着脱ボタン、49…可動トリガ(操作レバー)、49a…操作部、49b…第1ロッド、49c…リンク部材、49d…第2ロッド、51…ロッド、51a…貫通穴、51b…開口部、51c…先端部、51e…係合溝、52…基端部、55…元管リンク部材、60…手元操作管、61…基管、62…支持部、63…ロンググリップ部、G…床面(清掃面)、R…閉塞領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除機本体に接続されるホースの端部に、手元操作管を介して継手管が接続され、前記継手管の先端に吸込具が接続された電気掃除機において、
前記継手管は、前記手元操作管に接続される元管と、前記吸込具に接続される先管と、を備え、前記元管の先端に前記先管の後端を揺動可能に連結するヒンジ手段と、前記ヒンジ手段による揺動を固定する固定手段と、を有しており、
前記継手管は、前記ヒンジ手段により前記元管と前記先管とを折り曲げて、清掃面から前記元管が起立する姿勢で前記固定手段により固定することで自立することを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
前記手元操作管には、操作レバーが設けられており、
使用者による前記操作レバーの操作に応じて、前記固定手段による揺動の固定が解除されることを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記継手管には、清掃面に接地して当該継手管の自立した姿勢を保持する脚部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記脚部は、
前記ヒンジ手段を中心とした前記継手管の回動動作に応じて清掃面に向けて突出可能に設けられており、前記継手管を清掃面に置く動作により清掃面に当接しつつ前記継手管の径方向両側に拡がって清掃面に接地することを特徴とする請求項3に記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記吸込具は、前記先管の先端部が連結される連結部を有しており、
前記連結部は、前記先管の軸線回りに回動不能に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−70839(P2013−70839A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211867(P2011−211867)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】