説明

電気泳動表示装置及び電気泳動表示用分散液

【課題】 帯電泳動粒子が十分に高い帯電量を有し、かつ電極や隔壁(微小コンテナ内壁)に付着することなく電極間を安定して泳動し、安定した表示品位を有する電気泳動表示装置およびそれに用いる電気泳動表示用分散液を提供する。
【解決手段】 一対の基板と、該基板の少なくとも一方に形成された少なくとも一つの電極と、該基板間に挟持された、帯電泳動粒子と該帯電泳動粒子を分散させる分散媒を含有する分散液を有する電気泳動表示装置において、一般式(1)ならびに一般式(2)で表される構造単位の重量比率が3:95〜50:50の範囲である高分子共重合体で粒子の表面を被覆した帯電泳動粒子を含有する電気泳動表示装置、ならびに該帯電泳動粒子と該帯電泳動粒子を分散させる分散媒とからなる電気泳動表示用分散液。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電泳動粒子が電極間を移動することにより表示が行われる電気泳動表示装置、および該表示装置に使用する電気泳動表示用分散液に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報機器の発達に伴い、低消費電力且つ薄型の表示装置のニーズが増しており、これらニーズに合わせた表示装置の研究、開発が盛んに行われている。中でも液晶表示装置は、液晶分子の配列を電気的に制御し液晶の光学的特性を変化させる事ができ、上記のニーズに対応できる表示装置として活発な開発が行われ商品化されている。
【0003】
低消費電力、眼への負担軽減などの観点から反射型表示装置が期待されている。その1つとして、絶縁性溶媒中に分散した帯電泳動粒子が電極間を移動することにより表示が行われる電気泳動表示装置が知られている。例えば、特許文献1および特許文献2に電気泳動表示装置が提案されている。
【0004】
電気泳動表示装置の基本的な構造として、帯電泳動粒子が基板に水平に移動する例(図1、図2)、帯電泳動粒子が基板間を垂直に移動する例(図3)がある。それらの例では、帯電泳動粒子は、上下基板と隔壁とで区切られた微小コンテナ内に内包されている。また、帯電泳動粒子と分散媒からなる電気泳動表示用分散液が内包されたマイクロカプセルを使用した例(図4)がある。いずれの場合にも、帯電泳動粒子の極性と、両電極に印加する電圧の極性に応じて帯電泳動粒子が電気泳動する。その結果、これらの電気泳動表示装置は、反射型・視野角で高コントラストな表示を実現することができる。
【0005】
電気泳動表示装置においては、帯電泳動粒子の電気泳動を制御することが、表示の高コントラストな表示性能や表示安定性をもたらす。これら電気泳動表示装置に使用される帯電泳動粒子の提案としては、特許文献3乃至特許文献5がある。
【特許文献1】特開平9−185087号公報
【特許文献2】特許登録第2551783号公報
【特許文献3】特開平4−166918号公報
【特許文献4】特開平5−173193号公報
【特許文献5】特開2002−287178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の帯電泳動粒子を用いた電気泳動表示装置では分散した帯電泳動粒子の安定性が十分でない問題があり、安定な画像が得られないという問題があった。
【0007】
本発明は、このような従来技術を鑑みてなされたものであり、帯電泳動粒子が十分に高い帯電量を有し、かつ微小コンテナ内壁(電極や隔壁)に付着することなく電極間を安定して泳動し、安定した表示品位を有する電気泳動表示装置およびそれに用いる電気泳動表示用分散液を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、本発明の第1発明は、一対の基板と、該基板の少なくとも一方に形成された少なくとも一つの電極と、該基板間に挟持された、帯電泳動粒子と該帯電泳動粒子を分散させる分散媒を含有する分散液を有する電気泳動表示装置において、一般式(1)ならびに一般式(2)で表される構造単位の重量比率が3:95〜50:50の範囲である高分子共重合体で粒子の表面を被覆した帯電泳動粒子を含有することを特徴とする電気泳動表示装置である。
【0009】
【化1】

1:水素原子またはメチル基
2:水素原子またはメチル基
nは1〜20の整数、mは1〜10の整数、pは0〜30の整数
【0010】
本発明の第2発明は、前記高分子共重合体が粒子表面を被覆する厚みが1nm以上200nm以下であることを特徴とする第1発明に記載の電気泳動表示装置である。
【0011】
本発明の第3発明は、無機顔料粒子または有機顔料粒子であることを特徴とする第1又は、第2発明に記載の電気泳動表示装置である。
【0012】
本発明の第4発明は、前記粒子が、顔料および染料から選ばれた少なくとも1種と、高分子重合体とからなる着色重合体粒子であることを特徴とする第1〜3発明のいずれかに記載の電気泳動表示装置である。
【0013】
本発明の第5発明は、前記分散媒にロジンエステルまたはロジン誘導体を含有することを特徴とする第1〜4発明のいずれかに記載の電気泳動表示装置である。
【0014】
本発明の第6発明は、前記分散媒にスチレンブタジエン共重合体を含有する第5発明に記載の電気泳動表示装置である。
【0015】
本発明の第7発明は、前記一対の基板間に隔壁が設けられ、該隔壁の一部に少なくとも一つの電極が形成されていることを特徴とする第1〜6発明のいずれかに記載の電気泳動表示装置である。
【0016】
本発明の第8発明は、第1〜6発明のいずれかに記載の電気泳動表示装置に使用される帯電泳動粒子と、該帯電泳動粒子を分散させる分散媒を含有することを特徴とする電気泳動表示用分散液である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、一般式(1)ならびに一般式(2)で表される構造単位の重量比率が3:95〜50:50の範囲である高分子共重合体で粒子の表面を被覆した帯電泳動粒子を使用することにより、帯電泳動粒子が十分に高い帯電量を有し、かつ電極や隔壁(微小コンテナ内壁)に付着することなく電極間を安定して泳動し、安定した表示品位を有する電気泳動表示装置およびそれに用いる電気泳動表示用分散液を提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】
図1〜図4を参照して本発明の実施形態について説明する。図1〜図4は、それぞれ本発明に係る電気泳動表示装置の構成の一例を示す概略図である。なお、これらの図は、本発明に係る電気泳動表示装置の構成ならびに帯電泳動粒子の構成を示す図ではあるが、便宜上、一例を模式的に示すものである。
【0020】
本発明は、帯電泳動粒子1が水平移動する電気泳動表示装置(図1参照)にも、また帯電泳動粒子1が垂直移動する電気泳動表示装置(図3参照)にも適用できる。ここで、水平移動型とは、図1に示すように、第1電極4a及び第2電極4bの両方をいずれか一方の基板3a又は3bに沿うように配置し、帯電泳動粒子1が基板3a又は3bに沿って移動するように構成したものを意味する。これに対して、垂直移動型とは、図3に示すように、分散媒2を挟み込むように第1電極4a及び第2電極4bを別々の基板側に配置し、帯電泳動粒子1が基板3a,3bに対して垂直方向(法線方向)に移動するように構成したものを意味する。なお、図1ならびに図3に例示した帯電泳動粒子は、正極性に帯電しているものとする。
【0021】
一方、図2の電気泳動表示装置は、第1電極4aを隔壁5の内部に配置した構成を示す。第1電極4aを共通電極とし、各画素(たとえば画素8、画素9)に対応する第2電極4bに電圧を印加することにより、帯電泳動粒子を隔壁5の側面に集めたり(図2(a))、あるいは第2電極上に配置し(図2(b))、表示を行うことができる。
【0022】
本発明に係る電気泳動表示装置は、図1〜図3に示すように、複数の帯電泳動粒子1と、これらの帯電泳動粒子1が分散された分散媒2とが、上下基板と隔壁とで区切られた複数の微小コンテナ(図1〜図3は便宜上、1〜2個の微小コンテナを示す)に内包されており、電圧を印加して前記帯電泳動粒子1を移動させることに基き、画像を表示するよう構成されている。
【0023】
本発明の電気泳動表示装置は、粒子の表面を下記一般式(1)ならびに一般式(2)で表される構造単位の重量比率が3:95〜50:50の範囲で表される高分子共重合体で粒子の表面を被覆してなる帯電泳動粒子を含有する。
【0024】
【化2】

1:水素原子またはメチル基
2:水素原子またはメチル基
nは1〜20の整数、mは1〜10の整数、pは0〜30の整数
【0025】
本発明の一般式(1)ならびに(2)で表される構造単位の高分子共重合体で粒子表面を被覆すると、一般式(1)を構造単位とする高分子重合体の側鎖のアルキルエステル部にあるOH基の極性により粒子の帯電を飛躍的に高めることができる。一方、一般式(2)を構造単位とする高分子重合体の側鎖のアルキルエステル部のアルキル基に由来する立体障害効果や極性の低さにより、帯電泳動粒子の分散性向上や微小コンテナ内壁への貼り付き抑制を付与することができる。
【0026】
本発明の一般式(1)ならびに一般式(2)で表される構造単位の重量比率(各構成単位のモノマーの重量比率を意味する)は3:95〜50:50の範囲にあり、好ましくは5:95〜40:60の範囲にあることが望ましい。一般式(1)で表される構造単位の重量比率が3重量%未満であると粒子の帯電が低くなり、一般式(1)で表される構造単位の重量比率が50重量%を超えると、粒子が凝集したり、微小コンテナ内壁への貼り付きが生じたりする。
【0027】
また、本発明の高分子共重合体の形態は、ブロック共重合体でもランダム共重合体でもよい。
【0028】
本発明において、一般式(1)ならびに(2)で表される構造単位は、本範囲内では特に限定はされない。具体的には、一般式(1)としては下記が挙げられる。(順番に2−ヒドロキシエチルア(メタ)クリレート、2−ヒドロキシプロピルア(メタ)クリレート、2−ヒドロキシブチルア(メタ)クリレート)
【0029】
【化3】

(R1は水素原子またはメチル基)
【0030】
一方、一般式(2)としては、下記が挙げられる。
【0031】
【化4】

(R2は水素原子またはメチル基)
【0032】
さらに、一般式(1)の構造単位を2種類以上組み合わせた重合体を用いることもできるし、同じく一般式(2)の構造単位を2種類以上組み合わせた重合体を用いることもできる。
【0033】
本発明の帯電泳動粒子を構成する、本発明の共重合体で被覆する粒子としては、無機顔料粒子、有機顔料粒子、および顔料および染料から選ばれた少なくとも1種と、高分子重合体とからなる着色重合体粒子等を使用することができる。
【0034】
無機顔料粒子としては、具体的には、鉛白、亜鉛華、リトポン、二酸化チタン、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、カオリン、雲母、硫酸バリウム、グロスホワイト、アルミナホワイト、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、カドミウムイエロー、カドミウムリトポンイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、チタンバリウムイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムリトポンオレンジ、モリブデートオレンジ、ベンガラ、鉛丹、銀朱、カドミウムレッド、カドミウムリトポンレッド、褐色酸化鉄、亜鉛鉄クロムブラウン、クロムグリーン、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、チタンコバルトグリーン、紺青、コバルトブルー、群青、セルリアンブルー、コバルトアルミニウムクロムブルー、コバルトバイオレット、ミネラルバイオレット、カーボンブラック、鉄黒、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅クロム ブラック、銅クロムマンガンブラック、黒色低次酸化チタン、チタンブラック、アルミニウム粉、銅粉、鉛粉、鈴粉、亜鉛粉等が挙げられる。必要に応じて、これら無機顔料粒子を単独、あるいは2種類以上用いることができる。
【0035】
有機顔料粒子としては、具体的には、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アントラピリミジンイエロー、イソインドリンイエロー、銅アゾメチンイエロー、キノフタロインイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、ニッケルジオキシムイエロー、モノアゾイエローレーキ、ジニトロアニリンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、ペリノンオレンジ、ナフトールレッド、トルイジンレッド、パーマネントカーミン、ブリリアントファストスカーレット、ピラゾロンレッド、ローダミン6Gレーキ、パーマネントレッド、リソールレッド、ボンレーキレッド、レーキレッド、ブリリアントカーミン、ボルドー10B、ナフトールレッド、キナクリドンマゼンタ、縮合アゾレッド、ナフトールカーミン、ペリレンスカーレッド、縮合アゾスカーレッド、ベンズイミダゾロンカーミン、アントラキノニルレッド、ペリレンレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマルーン、キナクリドンスカーレッド、キナクリドンレッド、ジケトピロロピロールレッド、ベンズイミダゾロンブラウン、フタロシアニングリーン、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、アルカリブルートーナー、インダントロンブルー、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットレーキ、ジオキサジンバイオレット、ナフトールバイオレット等が挙げられる。必要に応じて、これら有機顔料粒子を単独、あるいは2種類以上用いることができる。
【0036】
前記した無機顔料粒子および有機顔料粒子は、顔料の粉砕・造粒等の公知の方法で粒子化できる。
【0037】
着色重合体粒子は、顔料および染料から選ばれた少なくとも1種と、高分子重合体とからなる粒子を使用することができる。
【0038】
着色重合体粒子に使用する重合体としては、分散媒に対して不溶であれば特に限定はされないが、例えばポリエステル、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ジビニルベンゼン樹脂、ポリ尿素、ナイロン、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、フェノール樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、ポリメタクリル酸エステル等の重合体が挙げられる。
【0039】
着色重合体粒子に使用する顔料としては、前記した無機顔料粒子ならびに有機顔料粒子を挙げることができる。必要に応じて、これら顔料を単独あるいは2種類以上用いることができる。着色重合体粒子の着色度合いを調節するために、着色重合体粒子には、顔料を複数個含有してもよい。着色重合体粒子に使用する顔料粒子の平均粒径としては、帯電泳動粒子の平均粒径から考慮して0.005μm以上1μm以下にすることが好ましい。
【0040】
また、着色重合体粒子に使用する染料としては、重合体を染色することができ、かつ分散媒中に溶出しないものであれば特に限定はされないが、例えばアゾ系染料、アントラキノン系染料、アジン系染料、フタロシアニン系染料、トリフェニルメタン系染料が挙げられる。具体的にはValifast Red、Valifast Yellow、Oplas Red、Oil Scarlet、Valifast Black 3810、Orient Oil Black〔オリエント化学工業(株)製〕、Oil Blue V、Oil Green、Bright、Green、Sudan IV、Sudan III〔大和化工社製〕、Sumiplast Blue、Sumiplast Red
HFG、Sumiplast Red HF4G、Sumiplast Yellow、Whiteflour B、Sumikaron Brilliant Blue、Sumikaron Violet〔住友化学工業社製〕、Macrolex Red GS〔バイエル・ジャパン社製〕、Microlis Blue、Microlis Green〔日本チバガイギー社製〕、Kayacryl Black、Kayalon Polyester Blue、Kayaron Polyester Red〔日本化薬社製〕が挙げられる。
【0041】
着色重合体粒子を作製する方法としては、重合体の重合過程(モノマー仕込み時を含む)で顔料や染料を添加して乳化重合、分散重合、懸濁重合、あるいはシード重合を行う方法、重合体の粒子自体を染料で染色する方法、顔料を重合体と溶融混練し粉砕する方法、重合体を溶媒に溶解させた溶液に顔料あるいは染料を添加し、その後溶媒を除去、溶液の温度を下げる、あるいは貧溶媒を使用した再沈殿を行って着色重合体粒子を析出・造粒する方法等、公知の方法で行うことができる。また、着色重合体粒子を構成する重合体あるいは染料は、分散媒に対する不溶化を目的として架橋処理や固定化処理を施して使用することもできる。さらに、着色重合体粒子の着色度合いに応じて、顔料粒子と染料を混合して使用することができる。
【0042】
また、本発明に用いる粒子としては、本発明の範囲内では市販の粒子を用いることができる。例えば、ミクロパール(登録商標)(積水化学工業(株)製)、ナトコスペーサー粒子(ナトコ(株)製)、エポカラー粒子(日本触媒化学工業(株)製)、ケミスノー(登録商標)(総研化学(株)製)、トスパール(登録商標)(GE東芝シリコーン(株)製)、テクポリマー(登録商標)(積水化成品工業)等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0043】
本発明の帯電泳動粒子は、上記の粒子を本発明の一般式(1)ならびに一般式(2)で表される構造単位の高分子共重合体で被覆するが、粒子表面を被覆する高分子共重合体の厚みが、1nm以上200nm以下、さらには3nm〜50nm以下であることが好ましい。被覆する厚みが1nm未満の場合は、下地である未被覆の粒子表面の影響がでる場合があり、200nmを超える場合は、選択する重合体の構造によっては被覆した帯電泳動粒子の極性が過剰に増大して分散媒中で凝集したり、あるいは帯電泳動粒子自体の色味が低下するので好ましくない。
【0044】
また、本発明において、一般式(1)および(2)で表される構造単位からなる高分子共重合体で粒子を被覆する方法は、被覆する前の粒子の種類に応じて公知の被覆方法を選択することができる。具体的には、粒子を種粒子として、高分子共重合体のモノマーをシード重合させる方法、粒子表面に高分子共重合体をグラフト重合させる方法、カップリング剤によるカップリング基を介して粒子表面を高分子共重合体で被覆する方法、あるいは高分子共重合体を溶媒に溶解させた溶液で粒子表面を被覆し溶媒を除去する方法等が挙げられる。
【0045】
本発明の帯電泳動粒子の平均粒径は、0.1μm以上7μm以下、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲が望ましい。0.1μm未満であると、ハンドリングが低下し、7μmを超えると表示の解像度が低下する。本発明の帯電泳動粒子は、必要に応じて乾式分級、湿式分級等の公知の方法で、平均粒径を本発明の範囲内に制御することができる。
【0046】
また、本発明では、電気泳動表示装置の表示方法に合わせて、粒子径、粒子成分、あるいは着色等が異なる2種類以上の帯電泳動粒子を使用してもよい。
【0047】
本発明の電気泳動表示用分散液は、上記の帯電泳動粒子と、該帯電泳動粒子を分散させる分散媒を含有する。
【0048】
本発明の帯電泳動粒子を分散させる分散媒としては、導電率の低い高絶縁性有機溶媒が使用される。具体的には、ベンゼン、エチルベンゼン、ドデシルベンゼン、トルエン、キシレン、ナフテン系炭化水素などの芳香族炭化水素溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、パラフィン系炭化水素溶媒ならびにイソパラフィン系炭化水素溶媒の脂肪族炭化水素溶媒、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン、トリクロロトリフルオロエチレン、臭化エチルなどのハロゲン化炭化水素溶媒、あるいはシリコンオイル、高純度石油等が挙げられる。それらの中でも脂肪族炭化水素溶媒が好適に使用され、具体的にはアイソパー(登録商標)G、H,M,L、P、V(いずれもエクソン化学社製)、Shellsol(登録商標)(昭和シェルジャパン)、IPソルベント(登録商標)1016、1620、2028、2835(出光石油化学)、アイソゾール(登録商標)200、300、400(いずれも日本石油化学)が挙げられる。これらを単独、あるいは2種類以上混合して用いることができる。
【0049】
本発明の分散媒には、本発明の帯電泳動粒子の帯電を安定化させるために、帯電安定化剤を添加させることができる。帯電安定化剤としては、分散媒に可溶であるならば特に限定されないが、例えばロジンエステルまたはロジン誘導体が挙げられ、詳しくはガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、ロジン変性マレイン酸、ロジン変性ペンタエリスリトール、ロジングリセリンエステル、部分水素添加ロジンメチルエステル、部分水素添加ロジングリセリンエステル、部分水素添加ロジントリエチレングリコールエステル、完全水素添加ロジンペンタエリスリトールエステル、マレイン酸変性ロジンエステル、フマル酸変性ロジンエステル、アクリル酸変性ロジンエステル、マレイン酸変性ロジンペンタエリスリトールエステル、フマル酸変性ロジンペンタエリスリトールエステル、アクリル酸変性ロジングリセリンエステル、マレイン酸変性ロジングリセリンエステル、フマル酸変性ロジングリセリンエステル、アクリル酸変性ロジングリセリンエステル等が挙げられる。具体的には、例えばネオトール(ハリマ化成)、ペンセル、エステルガム、スーパーエステル(いずれも荒川化学工業)が挙げられる。帯電安定化剤は、分散媒100重量部に対して0.01重量部以上5重量部以下、好ましくは0.05重量部以上3重量部以下の範囲で含有することができる。
【0050】
本発明の分散媒には、帯電泳動粒子に帯電を付与する、あるいは帯電を補助するために、帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤は分散媒に可溶であるならば特に限定されないが、たとえばナフテン酸コバルト、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸銅、ナフテン酸鉄、ナフテン酸鉛、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸亜鉛のナフテン酸系金属石鹸、オクタン酸コバルト、オクタン酸ジルコニウム、オクタン酸鉄、オクタン酸鉛、オクタン酸ニッケル、オクタン酸マンガン、オクタン酸亜鉛のオクタン酸系金属石鹸、ステアリン酸系金属石鹸等の金属石鹸、ポリアミノポリブテルコハク酸イミド、レシチン等の公知のものが挙げられる。
【0051】
さらに、本発明の分散媒には、帯電泳動粒子の分散安定剤あるいは壁への付着抑制剤として、分散媒に可溶する高分子樹脂を含有してもよい。具体的には、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、スチレンブタジエン共重合体、スチレンイソプレン共重合体、イソプレンブタジエン共重合体、スチレン無水マレイン酸共重合体、ノルボルネン樹脂、ポリエチレンワックスが挙げられる。中でも、スチレンブタジエン共重合体が好ましく、例えば市販の材料としては、E−SBR、S−SBR(JSR(株)製)、NIPOL(登録商標) 1502,NIPOL 1712、NIPOL NS112,NIPOL NS116、NIPOL 1006,NIPOL 1009(日本ゼオン(株)製)、タフデン(登録商標)、タフプレン(登録商標)、アサプレン(登録商標)(旭化成社製)、住友SBR(住友化学(株)製)を使用することができる。
【0052】
本発明においては、分散媒に含有する上記成分を単独または2種類以上混合して用いることができる。また、本発明の分散媒には、必要に応じて分散媒に可溶な陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤を含有してもよく、これらは単独、または2種以上混合して用いても良い。
【0053】
本発明に用いる分散媒は、使用する電気泳動表示装置の表示方法に合わせて粒子と異なる色に着色することができる。着色剤としては、分散媒に溶解可能な油溶性染料であれば特に限定はされない。
【0054】
また、本発明では、電気泳動表示装置の表示方法に合わせて、粒子径、粒子成分、あるいは着色等が異なる2種類以上の帯電泳動粒子を使用してもよい。
【0055】
本発明の電気泳動表示用分散液は、図4に示すように、マイクロカプセル10内に内包させて用いることができる。マイクロカプセルの内包方法としては、in−situ法、界面重合法、コアセルベーション法等の通常の方法が挙げられる。
【0056】
マイクロカプセルの壁材としてはポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホンアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィネート、エポキシ、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ゼラチン等が挙げられる。
【0057】
本発明の電気泳動表示装置に用いられるマイクロカプセルの大きさは、1〜500μm程度であり、好ましくは20〜100μm程度である。
【0058】
本発明の帯電泳動粒子1は分散媒2に対して任意の重量比で用いることが可能であるが、好ましくは、分散媒100重量部に対して0.1重量部以上20重量部以下の範囲である。
【0059】
次に電気泳動表示装置を、図1〜3を用いて説明する。
【0060】
基板3a,3bには、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリカーボネート(PC)等のポリマーフィルム、ガラス、石英等の無機材料、あるいは表面に絶縁層を有するステンレス基板を使用することができる。なお、観察者側の基板3aには、可視光の透過率が高い材料、たとえば透明なポリマーフィルムやガラスを使用するとよい。また、基板3aの分散液と接する面にはゴム硬度が10以上90以下の範囲にある高分子材料、具体的にはシリコン樹脂、天然ゴム、熱可塑性エラストマー樹脂等を形成させてもよい。
【0061】
電極4a,4bに使用する材料としてはパターニング可能な導電性材料なら特に限定されないが、例えば酸化インジウム錫(ITO)、アルミ、チタン、銅などを挙げることができる。さらに、電極4a,4bの表面には絶縁層6を形成すると良く、絶縁層を形成した場合には、各電極4a,4bから帯電泳動粒子1への電荷注入を防止できる。この絶縁層6に用いる材料としては、薄膜でピンホールが形成されにくいものが良い。具体的には、高い透明性を有するポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0062】
また、隔壁5にはポリマー樹脂を使用すれば良く、図2の電気泳動表示装置の場合では、電極4aの上部に隔壁5を形成することもできる。隔壁に使用する材料としては、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0063】
隔壁5を形成する方法としては、光感光性樹脂層を塗布した後に露光及びウエット現像を行う方法、印刷法によって形成する方法、隔壁を形成した後に基板に接着する方法、光透過性の基板表面にモールドによって形成しておく方法等を挙げることができる。具体的な材料としては、光感光性エポキシ樹脂(SU8 日本マグダーミッド(株)が挙げられる。
【0064】
さらに、第1電極4a及び第2電極4bの内、いずれか一方の電極が配置された領域には帯電泳動粒子1と同じ色を付し、他方の電極が配置された領域には異なる色に着色することができる。また図2の装置の場合には、第1電極4a自体を黒色に着色してもよく、あるいは着色した絶縁層を電極と重なるように配置しても良い。
【0065】
図3に示す垂直移動型の場合、帯電泳動粒子を分散させる分散媒2を、粒子1と異なる色に着色することができる。これらにより2色表示が可能となるが、隣接される複数の画素で異なる色を表示することにより、表示装置全体としてはカラー表示をすることもできる。
【0066】
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
【0067】
以下、図2に示す電気泳動表示装置を使って、実施例を説明する。
【0068】
なお、本発明の粒子の平均粒径ならびに未被覆の粒子が高分子重合体によって被覆される厚みは、透過型電子顕微鏡を用いて、サンプル数20点の平均から求める。また、本発明の帯電泳動粒子の帯電量は、ζ電位計(ブルックヘブン社製Zeta PALS)から求める。
【0069】
実施例ならびに比較例で使用する粒子としては、下記の2種類を用いる。
(1)粒子A:
スチレン重量部75とアリルメタクリレート10重量部とカーボンブラック(CB、平均粒径0.02μm)15重量部を懸濁重合することにより得られる着色重合体粒子であり、平均粒径は2.5μmである。粒子表面には、アリル基(CH2=CH−CH2−)が存在している。
(2)粒子B:
メタクリル酸メチル100重量部を懸濁重合することにより得られる重合粒子を、染料Valifast Black 3810、Orient Oil Black〔オリエント化学工業(株)製〕によって黒色に染色した着色重合体粒子であり、平均粒径は、1.5μmである。
【0070】
(実施例1)
一つの画素の大きさは100μm×100μmとし、画素の数は200個×200個とした。図2では便宜上、2つの画素(画素8、9)を示す。基板3bは厚みが1.1mmの無アルカリガラスを使い、その表面に厚み100nmでアルミを蒸着して第2電極4bを配置する。第2電極4bの上部には、酸化チタン微粒子を混合させて白色化させたポリウレタン樹脂層を白色散乱層7として配置した。画素の境界部には幅5μm、高さ18μm(図2中の隔壁5と第1電極4aの高さの合計である)の光感光性エポキシ樹脂のSU8(日本マグダーミッド)からなる隔壁5を配置し、さらに図2のように隔壁5の下部の幅5μm、高さ5μmの範囲をTiで蒸着した第1電極4aを配置する。そして、第1電極4aを含む隔壁5ならびに第2電極上にポリアクリレート樹脂(オプトマーSS6699、JSR(株)製)からなる絶縁透明樹脂層6を形成する。その後、隔壁5の上面(基板3aとの接合面)に熱融着性の接着層を形成する。
【0071】
次いで、一般式(1)の構造単位が2−ヒドロキシプロピルメタクリレート
【0072】
【化5】

を15重量%と一般式(2)の構造単位がステアリルメタクリレート85重量%を
【0073】
【化6】

【0074】
混合したモノマーを、粒子Aの表面に存在するアリル基(CH2=CH−CH2−)を基点にグラフト重合させる。その結果、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(15重量%)とステアリルメタクリレート(85重量%)からなる高分子共重合体が粒子表面を被覆する本発明の帯電泳動粒子Cが得られる。高分子共重合体の被覆厚みは35nmである。
【0075】
さらに次いで、分散媒として脂肪族炭化水素溶媒であるアイソパーH(エクソン社製)100重量部、ロジンエステルとしてネオトール125H(ハリマ化成(株)製)2.5重量部、スチレンブタジエン共重合体としてアサプレン1205(旭化成(株)製)0.8重量部を24時間混合攪拌後、0.2μmのPTFE製メンブランフィルターを使って加圧濾過した液に、帯電泳動粒子Cを混合して電気泳動表示用分散液を作製する。
【0076】
粒子濃度が0.01重量%になるように前記電気泳動表示用分散液を作製し、ゼータ電位を測定すると、98mVである。
【0077】
次に粒子濃度を5重量%にした前記電気泳動表示用分散液を隔壁5内に充填し、厚さ100μmのポリカーボネートフィルムの基板3aを、隔壁上部の接着層で加熱接着して封止し、本発明の電気泳動表示装置を作製する。
【0078】
このようにして作製した表示装置に、第1電極4aを0Vの共通電極とし、第2電極4bに電圧±15Vを周波数0.25Hzの矩形波で印加する。
【0079】
本発明の帯電泳動粒子Cは、電圧印加直後から正極性に帯電して速やかに電極間を泳動し、微小コンテナ内壁に付着することなく、白黒コントラストの高い表示が確認できる。なお、図2(a)は第2電極4bに+15Vの電圧が印加された場合であり、正極性の帯電泳動粒子は隔壁5の側面に集まるので、基板3a側から画素8、9を観測すると、散乱層7が視認されて白表示となる。一方、図2(b)は第2電極4bに−15Vの電圧が印加された場合であり、帯電泳動粒子は第2電極4b上に広がるので、基板3a側から画素8、9を観測すると、帯電泳動粒子が視認されて黒表示となる。
【0080】
(実施例2)
一般式(1)の構造単位が2−ヒドロキシプロピルメタクリレート
【0081】
【化7】

【0082】
を5重量%と一般式(2)の構造単位がラウリルメタクリレート95重量%を
【0083】
【化8】

【0084】
混合したモノマーを、粒子Bの表面にグラフト重合法でグラフト化させる。その結果、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(5重量%)とラウリルメタクリレート(95重量%)からなる高分子共重合体が粒子表面を被覆する本発明の帯電泳動粒子Dが得られる。高分子共重合体の被覆厚みは33nmである。
【0085】
さらに次いで、分散媒として脂肪族炭化水素溶媒であるアイソパーH(エクソン社製)100重量部、ロジンエステルとしてネオトール125H(ハリマ化成(株)製)2.5重量部、スチレンブタジエン共重合体としてアサプレン1205(旭化成(株)製)0.8重量部を24時間混合攪拌後、0.2μmのPTFE製メンブランフィルターを使って加圧濾過した液に、帯電泳動粒子Cを混合して電気泳動表示用分散液を作製する。
粒子濃度が0.01重量%になるように前記電気泳動表示用分散液を作製し、ゼータ電位を測定すると、90mVである。
【0086】
次に、実施例1と同様にして本発明の電気泳動表示装置を作製し、第1電極4aを0Vの共通電極とし、第2電極4bに電圧±15Vを周波数0.25Hzの矩形波で印加する。
【0087】
本発明の帯電泳動粒子Dは、電圧印加直後から正極性に帯電して速やかに電極間を泳動し、コンテナ内壁に付着することなく、白黒コントラストの高い表示が確認できる。
【0088】
(実施例3)〜(実施例4)ならびに(比較例1)〜(比較例3)
実施例1と同じ方法で、表1に示す一般式(1)の構造単位が2−ヒドロキシプロピルメタクリレートと一般式(2)の構造単位がステアリルメタクリレートを混合したモノマーを、粒子Aの表面に存在するアリル基(CH2=CH−CH2−)を基点にグラフト重合させ、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートとステアリルメタクリレートからなる高分子共重合体が粒子表面を被覆する本発明の帯電泳動粒子を得る。次に実施例1と同様な方法で、電気泳動表示用分散液を作製し、ゼータ電位を測定する。 さらに実施例1と同じく、粒子濃度を5重量%にした前記電気泳動表示用分散液で本発明の電気泳動表示装置を作製し、第1電極4aを0Vの共通電極とし、第2電極4bに電圧±15Vを周波数0.25Hzの矩形波で印加し、電気泳動の様子を観察する。
その結果を表2示す。
【0089】
【表1】

【0090】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明に係る電気泳動表示装置の構造の一例を示す概略図である。
【図2】本発明に係る電気泳動表示装置の構造の他の例を示す概略図である。
【図3】本発明に係る電気泳動表示装置の構造の他の例を示す概略図である。
【図4】本発明に係る電気泳動表示装置の構造の他の例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0092】
1 帯電泳動粒子
2 分散媒
3a、3b 基板
4a 第1電極
4b 第2電極
5 隔壁
6 絶縁層
7 白色散乱層
8 画素
9 画素
10 マイクロカプセル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の基板と、該基板の少なくとも一方に形成された少なくとも一つの電極と、該基板間に挟持された、帯電泳動粒子と該帯電泳動粒子を分散させる分散媒を含有する分散液を有する電気泳動表示装置において、一般式(1)ならびに一般式(2)で表される構造単位の重量比率が3:95以上且つ50:50以下の範囲である高分子共重合体で粒子の表面を被覆した帯電泳動粒子を含有することを特徴とする電気泳動表示装置。
【化1】

1:水素原子またはメチル基
2:水素原子またはメチル基
nは1以上且つ20以下の整数、mは1以上且つ10以下の整数、pは0以上且つ30以下の整数
【請求項2】
前記高分子共重合体が粒子表面を被覆する厚みが1nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置。
【請求項3】
前記粒子が、無機顔料粒子または有機顔料粒子であることを特徴とする請求項1又は、請求項2記載の電気泳動表示装置。
【請求項4】
前記粒子が、顔料および染料から選ばれた少なくとも1種と、高分子重合体とからなる着色重合体粒子であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電気泳動表示装置。
【請求項5】
前記分散媒にロジンエステルまたはロジン誘導体を含有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電気泳動表示装置。
【請求項6】
前記分散媒にスチレンブタジエン共重合体を含有する請求項5に記載の電気泳動表示装置。
【請求項7】
前記一対の基板間に隔壁が設けられ、該隔壁の一部に少なくとも一つの電極が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の電気泳動表示装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の電気泳動表示装置に使用される帯電泳動粒子と、該帯電泳動粒子を分散させる分散媒を含有することを特徴とする電気泳動表示用分散液。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−140279(P2007−140279A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−335948(P2005−335948)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)