説明

電気自動車

【課題】 左右の駆動輪を別個のモータで駆動する電気自動車において、デファレンシャル使用のエンジン車から乗り換えた運転者に違和感を与えることなく、簡易な構成でスリップ制御が図れる電気自動車を提供する。
【解決手段】 左右の駆動輪2,2をそれぞれ駆動するモータ6,6を備えた電気自動車に適用される。モータ6を制御する制御装置11に、基本制御手段14と、滑り判定手段15と、スリップ時両輪駆動低減手段16とを設ける。基本制御手段14は、左右のモータ6により発生させる駆動力を等しく、その駆動力はアクセルペダル22の踏み込み量で決定する。滑り判定手段15は、各駆動輪6,6と路面間の滑りの状態を判定する。スリップ時両輪駆動低減手段16は、滑り判定手段15により、少なくとも片方の駆動輪6に大きな滑りが発生したと判定された場合に、左右のモータ6,6の駆動電流を共に低減させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、左右の駆動輪を別個のモータで駆動する形式の電気自動車、特に、一人乗り小型車等の簡易,低コスト型の車両に適した電気自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
一人乗り小型車では、国内でも公道を走行することが許可されている。また、諸外国において、小型で低価格の電気自動車が求められている国もある。このような簡易,低コストの小型車両では、従来は1台のエンジンでデファレンシャルを介して左右の車輪に回転を伝える駆動形式が採られている。電気自動車とする場合も、1台のモータでデファレンシャルを介して左右の車輪に回転伝達する形式が通常である。
【0003】
上記のような小型,簡易型の電気自動車において、軽量化等の課題から、インホイールモータ等を適用し、左右の駆動輪を別個のモータで駆動する形式とする場合がある。この左右の駆動輪を別個のモータで駆動する電気自動車においても、公道を走行する場合、種々の状況の路面上を走行することになるため、応答性の良いモータの特性を生かしたスリップ制御を行うことが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−258289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、スリップ制御を行うについて、左右の車輪を個別にスリップ制御するのでは、モータの高い応答性のため、デファレンシャルを用いるエンジン車から乗り換えた運転者の場合、走行性に違和感を生じることがある。
【0006】
この発明の目的は、左右の駆動輪を別個のモータで駆動する電気自動車において、デファレンシャル使用のエンジン車から乗り換えた運転者に違和感を与えることなく、簡易な構成でスリップ制御が図れる電気自動車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の電気自動車は、左右の駆動輪2,2をそれぞれ駆動する左右の電動式のモータ6,6と、これら左右のモータ6,6を制御する制御装置11とを備えた電気自動車において、
前記制御装置11は、
前記左右のモータ6,6により発生させる駆動力を等しく、その駆動力は運転者が操作するアクセルペダル22の踏み込み量で決定する基本制御手段14と、
前記各駆動輪6,6と路面間の滑りの状態を判定する滑り判定手段15と、
この滑り判定手段15により、左右の少なくとも片方の駆動輪6と路面間に閾値以上の大きな滑りが発生したと判定された場合に、前記左右のモータ6,6の駆動電流を両方とも定められた値以下に下げるスリップ時両輪駆動低減手段16とを有する、
ことを特徴とする。
前記モータ6は、インホイールモータ駆動装置8を構成するモータであっても良く、また前記モータが駆動輪2から離れて車体に搭載され、このモータ6の回転を前記駆動輪6に駆動伝達部品31を介して伝達するものであっても良い。
【0008】
この構成の場合、滑り判定手段15を設け、駆動輪6と路面間に大きな滑りが発生したと判定された場合に、スリップ時両輪駆動低減手段16によりモータ6の駆動電流を下げるようにしたため、スリップ状態を解消してタイヤグリップ力を回復させ、安定した走行を行うことができる。この場合に、スリップ時両輪駆動低減手段16は、左右のモータ6,6の駆動電流を両方とも定められた値以下に下げるようにしたため、スリップを生じた駆動輪2だけを駆動低下させるものと異なり、運転者にとって、デファレンシャルを備えた自動車と同様な走行フィーリングが得れ、違和感を与えることなくスリップ制御が図れる。しかも、左右のモータ6,6の駆動電流を両方とも下げるため、制御系の構成も簡素となる。
【0009】
この発明において、運転者によって選択される選択スイッチ25を備え、前記制御装置11は、前記選択スイッチ25がオンの場合に、前記滑り判定手段15により、左右いずれかの駆動輪6と路面間に前記閾値以上の大きな滑りが発生したと判定されたときに、この大きな滑りが発生したと判定された駆動輪2のモータ6のみのモータ電流を定められた値以下に下げ、前記大きな滑りが発生していないと判定された駆動輪2のモータ6は、運転者が操作するアクセルペダル22の踏み込み量で決定される駆動力を発生させるスリップ時片輪駆動低減手段17を設けても良い。
スリップし易い路面、例えば、泥濘路面や、積雪路面、凍結路面に片輪のみにかかるような状態で走行が必要な場合がある。その場合、左右両輪2,2ともモータ6の駆動電流を低下させたのでは、駆動力が不足し、走行速度が低下し過ぎる場合がある。このような場合に、上記のスリップ時片輪駆動低減手段17が設けられていると、スリップの生じていない片輪2を正常に駆動させることで、駆動力不足による速度低下を軽減することができる。片輪2だけ正常に駆動させると、そのままでは、左右の駆動力差によって車両の走行方向が変わることになるが、スリップ時片輪駆動低減手段17は、運転者によって選択される選択スイッチ25のオン状態で機能させる。そのため、不意に走行方向が変わることなく、車両走行方向が変わることを運転者が予測して、直進できるようにハンドルを操作しながら、走行することができる。
【0010】
この発明において、前記各モータ6を駆動するインバータ12およびこのインバータ12を制御するインバータ制御手段13と、前記駆動輪2または前記モータ6の回転速度を検出する回転検出手段18,19とを備え、前記滑り判定手段15は、前記回転検出手段18,19で検出した前記駆動輪2またはモータ6の回転速度の変化率が、設定された閾値を超えることを以て、駆動輪2と路面間に前記閾値以上の大きな滑りが発生したと判定するものであっても良い。
回転速度ではなく、回転速度の変化率で滑り状態の判定するため、滑り状態の判定を正確に行うことができる。スリップが生じた場合、モータ負荷の低減によりモータ回転数が急激に上昇する。この現象からスリップの判定が行える。
【0011】
この発明において、前記滑り判定手段15は、各々の駆動輪2の回転速度の演算より推定される車両速度と、判定対象とする駆動輪2またはその駆動輪2のモータ6の回転速度検出値から演算される駆動輪タイヤ外周の周速度との差分が、定められた値を超えることを以て、駆動輪2と路面間に前記閾値以上の大きな滑りが発生したと判定するものであっても良い。
この推定値と計測値との差によっても、滑りの状態を簡単に検出することができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明の電気自動車は、左右の駆動輪をそれぞれ駆動する左右の電動式のモータと、これら左右のモータを制御する制御装置とを備えた電気自動車において、前記制御装置は、前記左右のモータにより発生させる駆動力を等しく、その駆動力は運転者が操作するアクセルペダルの踏み込み量で決定する基本制御手段と、前記各駆動輪と路面間の滑りの状態を判定する滑り判定手段と、この滑り判定手段により、左右の少なくとも片方の駆動輪と路面間に閾値以上の大きな滑りが発生したと判定された場合に、前記左右のモータの駆動電流を両方とも定められた値以下に下げるスリップ時両輪駆動低減手段とを有するため、左右の駆動輪を別個のモータで駆動する電気自動車でありながら、デファレンシャル使用のエンジン車から乗り換えた運転者に違和感を与えることなく、簡易な構成でスリップ制御が図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の一実施形態に係る電気自動車、およびその制御系の概念構成のブロック図を含む平面視による説明図である。
【図2】この発明の他の実施形態に係る電気自動車の平面視による説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明の実施形態を図面と共に説明する。図1は、この実施形態の電気自動車およびその制御系の概念構成のブロック図を含む平面図である。この電気自動車は、例えば一人乗り用の小型電気自動車である。この電気自動車は、車体1の左右の後輪となる車輪が駆動輪2とされ、左右の前輪となる車輪3が従動輪とされた4輪の自動車である。前輪となる車輪3は操舵輪とされている。後輪となる左右の駆動輪2,2は、それぞれ独立のインホイール型のモータ6により駆動される。
【0015】
モータ6の回転は、減速機7および車輪用軸受4の回転側輪を介して駆動輪2に伝達される。これらモータ6、減速機7、および車輪用軸受4は、互いに一つの組立部品であるインホイールモータ装置8を構成している。モータ6は、例えば埋込磁石型同期モータである。減速機7は、例えばサイクロイド式の減速機であり、10以上の高い減速比を持つ。インホイールモータ装置8は、モータ6が車輪2に近接して設置されており、一部または全体が車輪2内に配置される。蓄電池19は、モータ6の駆動、および車両全体の電気系統の電源として用いられる。
【0016】
操作系を説明する。車体1の運転席には、ステアリングハンドル21と、アクセルペダル22と、ブレーキペダル24とが設けられ、ステアリングハンドル21により操舵輪となる車輪3の操舵が行われる。アクセルペダル22の踏込量は踏込量検出手段23で検出される。運転席の速度メータ等を有する操作盤(図示せず)には、後述のスリップ制御の選択を行うための選択スイッチ25が設けられている。
【0017】
制御系を説明する。左右のモータ6を駆動する制御系は、左右のモータ6に対して共通の1台の制御装置11と、左右のモータ6に対して個別に設けられた2台の電力変換回路12とでなる。制御装置11は、マイクロコンピュータ等のコンピュータとこれに実行されるプログラム、並びに各種の電子回路等で構成される。電力変換回路12は、蓄電池19の直流電流を交流電流に変換するインバータからなり、半導体スイッチング素子で構成される。電力変換回路12は、制御装置11に設けられたインバータ制御手段13により、PWM制御等によって電力制御される。インバータ制御手段13は、図では各電力変換回路12に対して独立して合計2つ示してあるが、各電力変換回路12を個別に制御可能であれば、一つでも良い。各モータ6には、回転速度を検出する回転検出手段19が設けられている。また、各駆動輪2の回転速度を検出する回転検出手段18が、例えば車輪用軸受4に設けられている。従動輪となる各車輪3に対しても、その回転速度を検出する回転検出手段20が設けられている。
【0018】
制御装置11は、基本制御手段14と、滑り判定手段15と、スリップ時両輪駆動低減手段16と、スリップ時片輪駆動低減手段17と、前記インバータ制御手段13とを有する。
【0019】
基本制御手段14は、通常の走行時において、左右のモータ6により発生させる駆動力を等しく、かつ、その駆動力は運転者が操作するアクセルペダル22の踏み込み量で決定する手段である。踏み込み量は、前記踏込量検出手段23から得る。前記「通常の走行時」は、スリップ時両輪駆動低減手段16やスリップ時片輪駆動低減手段17の制御による走行時を除く時である。
【0020】
滑り判定手段15は、各駆動輪2と路面間、つまり駆動輪2のタイヤと路面間の滑りの状態を判定する手段である。滑り判定手段15は、例えば、回転検出手段18,19で検出した駆動輪2またはモータ6の回転速度の変化率が、設定された閾値を超えることを以て、駆動輪と路面間に前記閾値以上の大きな滑りが発生したと判定する。スリップが生じた場合、モータ負荷の低減によりモータ回転数が急激に上昇する。この現象の程度を上記変化率として求め、スリップの判定を行う。前記閾値は、試験やシミュレーション等によって適宜設定すれば良い。
滑り判定手段15は、上記の回転速度の変化率による滑り判定に変えて、各々の駆動輪2の回転速度の演算より推定される車両速度と、判定対象とする駆動輪2またはその駆動輪2のモータ6の回転速度検出値から演算される駆動輪タイヤ外周の周速度との差分が、定められた値を超えることを以て、駆動輪2と路面間に前記閾値以上の大きな滑りが発生したと判定するものとしても良い。
【0021】
スリップ時両輪駆動低減手段16は、滑り判定手段15により、左右の少なくとも片方の駆動輪2と路面間に大きな滑りが発生したと判定された場合に、前記左右のモータ6,6の駆動電流を両方とも定められた値以下に下げる手段である。左右のモータ6,6の駆動電流は、互いに同じ値に減少させる。上記の「大きな滑り」であるか否かは、適宜定められる閾値以上の滑りであるか否かで判定する。また、この滑りは、具体的には、上記の回転速度の変化率、または車両速度と回転速度検出値から演算される駆動輪タイヤ外周の周速度との差分が、閾値以上の滑りであるか否かで判定する。モータ6の駆動電流を下げる「定められた値」は、固定値であっても良く、または例えば現在のモータ電流に対する低下の割合であっても良い。また、その固定値または低下の割合は、試験やシミュレーション等によって適宜定めれば良い。
【0022】
スリップ時片輪駆動低減手段17は、前記選択スイッチ25がオンの場合、滑り判定手段15により、左右いずれかの駆動輪2と路面間に前記閾値以上の大きな滑りが発生したと判定された場合に、この大きな滑りが発生したと判定された駆動輪2のモータ6のモータ電流のみを定められた値以下に下げ、前記大きな滑りが発生していないと判定された駆動輪2のモータ6は、運転者が操作するアクセルペダル22の踏み込み量で決定される駆動力を発生させる手段である。
【0023】
なお、スリップ時両輪駆動低減手段16は、選択スイッチ25がオンの場合は機能しないものとされる。また、スリップ時両輪駆動低減手段16による電流低下を機能させる場合と、スリップ時片輪駆動低減手段17による電流低下を機能させる場合とで、滑り判定手段15の滑り判定の閾値は、同じ滑りの値であっても良く、互いに異なる値であっても良い。
【0024】
上記構成の電気自動車によると、滑り判定手段15を設け、駆動輪6と路面間に大きな滑りが発生したと判定された場合に、スリップ時両輪駆動低減手段16によりモータ6の駆動電流を下げるようにしたため、スリップ状態を解消してタイヤグリップ力を回復させ、安定した走行を行うことができる。この場合に、スリップ時両輪駆動低減手段16は、左右のモータ6,6の駆動電流を両方とも定められた値以下に下げるようにしたため、スリップを生じた駆動輪2だけを駆動低下させるものと異なり、運転者にとって、デファレンシャルを備えた自動車と同様な走行フィーリングが得れ、違和感を生じることなくスリップ制御が図れる。しかも、左右のモータ6,6の駆動電流を両方とも下げるため、制御系の構成も簡素となる。
【0025】
またスリップ時片輪駆動低減手段17を設けたため、次の利点が得られる。すなわち、スリップし易い路面、例えば、泥濘路面や、積雪路面、凍結路面に片輪のみにかかるような状態で走行が必要な場合がある。その場合、左右両輪2,2ともモータ6の駆動電流を低下させたのでは、駆動力が不足し、走行速度が低下し過ぎる場合がある。このような場合に、上記のスリップ時片輪駆動低減手段17が設けられていると、スリップの生じていない片輪2を正常に駆動させることで、駆動力不足による速度低下を軽減することができる。片輪2だけ正常に駆動させると、そのままでは、左右の駆動力差によって車両の走行方向が変わることになるが、スリップ時片輪駆動低減手段17は、運転者によって選択される選択スイッチ25のオン状態で機能させる。そのため、不意に走行方向が変わることなく、車両走行方向が変わることを運転者が予測して、直進できるようにハンドルを操作しながら、走行することができる。
【0026】
なお、上記実施形態ではモータ6がインホイールモータである場合につき説明したが、この発明は、例えば図2に示すように、モータ6が駆動輪2から離れて車体1の車台等に搭載され、このモータ6の回転を駆動輪2に伝達する駆動伝達部品31を有する電気自動車にも適用することができる。前記駆動伝達部品31は、例えば等速ジョイントである。同図の例では、駆動輪2は前輪である。
【0027】
また、図1,図2のいずれの例においても、駆動輪2は、前輪であっても後輪であっても良い。さらに、この発明は、左右の駆動輪2,2をそれぞれ駆動する個別のモータ6,6を有する電気自動車であれば適用でき、4輪車に限らず、3輪の電気自動車や、あるいは4輪以上の車輪を有する電気自動車にも適用することができる。さらに、上記モータ6により駆動される駆動輪2の他の車輪3等を駆動する内燃機械を備えたハイブリッド車にもこの発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0028】
1…車体
2…駆動輪
4…車輪用軸受
6…モータ
8…インホイールモータ駆動装置
11…制御装置
12…電力変換回路(インバータ)
13…インバータ制御回路
14…基本制御手段
15…滑り判定手段
16…スリップ時両輪駆動低減手段
17…スリップ時片輪駆動低減手段
18〜20…回転検出手段
22…アクセルペダル
25…選択スイッチ
31…駆動伝達部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の駆動輪をそれぞれ駆動する左右の電動式のモータと、これら左右のモータを制御する制御装置とを備えた電気自動車において、
前記制御装置は、
前記左右のモータにより発生させる駆動力を等しく、その駆動力は運転者が操作するアクセルペダルの踏み込み量で決定する基本制御手段と、
前記各駆動輪と路面間の滑りの状態を判定する滑り判定手段と、
この滑り判定手段により、左右の少なくとも片方の駆動輪と路面間に閾値以上の大きな滑りが発生したと判定された場合に、前記左右のモータの駆動電流を両方とも定められた値以下に下げるスリップ時両輪駆動低減手段とを有する、
ことを特徴とする電気自動車。
【請求項2】
請求項2において、運転者によって選択される選択スイッチを備え、前記制御装置は、前記選択スイッチがオンの場合に、前記滑り判定手段により、左右いずれかの駆動輪と路面間に前記閾値以上の大きな滑りが発生したと判定されたときに、この大きな滑りが発生したと判定された駆動輪のモータのみのモータ電流を定められた値以下に下げ、前記大きな滑りが発生していないと判定された駆動輪のモータは、運転者が操作するアクセルペダルの踏み込み量で決定される駆動力を発生させるスリップ時片輪駆動低減手段を設けた電気自動車。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記各モータを駆動するインバータおよびこのインバータを制御するインバータ制御手段と、前記駆動輪または前記モータの回転速度を検出する回転検出手段とを備え、前記滑り判定手段は、前記回転検出手段で検出した前記駆動輪またはモータの回転速度の変化率が、設定された閾値を超えることを以て、駆動輪と路面間に前記閾値以上の大きな滑りが発生したと判定する電気自動車。
【請求項4】
請求項1または請求項2において、前記滑り判定手段は、各々の駆動輪の回転速度の演算より推定される車両速度と、判定対象とする駆動輪またはその駆動輪のモータの回転速度検出値から演算される駆動輪タイヤ外周の周速度との差分が、定められた値を超えることを以て、駆動輪と路面間に前記閾値以上の大きな滑りが発生したと判定する電気自動車。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記モータが、インホイールモータ駆動装置を構成するモータである電気自動車。
【請求項6】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記モータが前記駆動輪から離れて車体に搭載され、このモータの回転を前記駆動輪に伝達する駆動伝達部品を有する電気自動車。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−106390(P2013−106390A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247145(P2011−247145)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】