電池の組立システム、電池素子本体の位置決め搬送装置
【課題】電池素子本体の外周面の固定及び位置決めができる位置決め搬送装置を得る。
【解決手段】正極板2と負極板3とセパレータ4を同一の中心軸の周りに巻回すると共に、前記中心軸の端部から見て偏平円筒状になるように整形してなる電池素子本体1に、1の極板等の巻回方向と直交する軸方向に端部に設けられ、1の外周部に導出する外部導出部と、前記電池素子本体1に有する内周空洞部内に挿入され、電池素子本体1の露出金属箔部6に接合される接合部を備えた集電部材8を接合する場合に使用するものであって、位置決め把持装置本体と、位置決め把持装置本体において互いの対向間隔を任意に調整可能に設けられ、電池素子本体の偏平な外周面部を把持可能で、各々電池素子本体の偏平な外周面部と接触する部分に等脚台形形状の凹部を有する2個のチャック60を備え、各60を接近させるように移動させることで、1の巻回中心と、各60の対向する中心が一致するように構成した電池素子本体の位置決め搬送装置。
【解決手段】正極板2と負極板3とセパレータ4を同一の中心軸の周りに巻回すると共に、前記中心軸の端部から見て偏平円筒状になるように整形してなる電池素子本体1に、1の極板等の巻回方向と直交する軸方向に端部に設けられ、1の外周部に導出する外部導出部と、前記電池素子本体1に有する内周空洞部内に挿入され、電池素子本体1の露出金属箔部6に接合される接合部を備えた集電部材8を接合する場合に使用するものであって、位置決め把持装置本体と、位置決め把持装置本体において互いの対向間隔を任意に調整可能に設けられ、電池素子本体の偏平な外周面部を把持可能で、各々電池素子本体の偏平な外周面部と接触する部分に等脚台形形状の凹部を有する2個のチャック60を備え、各60を接近させるように移動させることで、1の巻回中心と、各60の対向する中心が一致するように構成した電池素子本体の位置決め搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ハイブリッド自動車、電気自動車、電力貯蔵用途等に使用される電池の組立システム、電池素子本体の位置決め搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に二次電池の製造においては、帯状の正極板及び負極板を絶縁材料のセパレ−タを介装して巻回することにより電池素子本体(発電素子本体)を形成し、電池素子本体を電池缶内に収納し、電極部材の接合・絶縁処理等を行なった後に、電解液を注液し電池缶の封止加工を行なっている。
【0003】
また、自動車動力駆動、電力貯蔵用途等の大容量二次電池では、発電体の容積効率化の観点から偏平円筒形状の電池素子本体を金属薄板製の角型電池缶へ挿入し、封止することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−321259号公報
【特許文献2】特開平10−255814号公報
【特許文献3】特開平9−35698号公報
【特許文献4】特開2001−57197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電池素子本体は、前述のように帯状の正極板と負極板である電極材とセパレータを巻回した構成であることから弾性を有した巻回体となり、自重又は外力加圧により楕円の短辺方向の寸法である厚み寸法と楕円の長辺方向の寸法である幅寸法が変化する。したがって、電池素子本体のある外周部を治具で固定した位置基準に押し当てる位置決め方法では、電池素子本体の弾性変形により外形形状が定まらない問題がある。
【0006】
また、電池素子本体の巻回軸方向の端部には脆弱な露出金属箔部が形成されており、位置決め機構または搬送機構が露出金属箔部と接触するおそれがある場合は、露出金属箔部の損傷により集電部材の接合等の加工品質を低下する問題がある。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、巻回装置により帯状の電極板を巻回することにより形成された弾性体の電池素子本体について位置決めと形状固定を行い、位置決めと形状を保持した状態を維持し、後工程の組立装置へ搬送し、設置スペースの小さい電池の組立システム、電池素子本体の位置決め搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、正極板と、負極板と、前記正極板と前記負極板の間並びに前記正極板又は前記負極板の外周面に配設されるセパレータからなり、前記正極板は帯状の導電板からなり、この長手方向と直交する端部に露出金属箔部が前記長手方向に沿って形成され、かつ前記導電板の前記露出金属箔部以外の中央部に活物質塗工部が前記長手方向に沿って形成されたものであり、前記負極板は帯状の導電板からなり、この長手方向と直交する端部に露出金属箔部が前記長手方向に沿って形成され、かつ前記導電板の前記露出金属箔部以外の中央部に活物質塗工部が前記長手方向に沿って形成されたものであり、前記正極板と前記負極板と前記セパレータを同一の中心軸の周りに巻回すると共に、前記中心軸の端部から見て楕円筒状になるように整形してなる電池素子本体の電荷を外部に取り出す為の集電部材を前記電池素子本体に接合する場合に使用するものであって、位置決め把持装置本体と、前記位置決め把持装置本体において一端部がそれぞれ互いの対向間隔を任意に調整可能に設けられ、前記電池素子本体の巻回中心軸及び楕円の長辺を含む断面に対して平行になるように前記電池素子本体の外周面であって前記露出金属箔部を除く前記電池素子本体の巻回中心軸方向の中央位置部を把持可能で、各々前記電池素子本体の露出金属箔部を除く前記巻回中心軸方向の中央位置部の外周面を接触し、巻回中心へ押える凹形状部を有する2個の板状のチャックをその板面が水平方向となるように備えた把持機構を有し、前記各チャックを前記電池素子本体の外周面で中央位置部に当設させることで、前記電池素子本体の巻回中心軸と、前記把持機構の把持中心軸が一致するように構成した電池素子本体の位置決め把持装置である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1における電池の組立システムの全体構成を示す斜視図。
【図2】図1の電池素子本体の概略構成を示す斜視図。
【図3】図1の電池素子本体の組立構造を示す斜視図。
【図4】図1の電池素子本体に用いる集電部材の第1の例を説明するための拡大斜視図。
【図5】図1の電池素子本体に用いる集電部材の第2の例を説明するための拡大斜視図。
【図6】図1の把持機構33及び昇降機構31を説明するための拡大斜視図。
【図7】図1の把持機構33及び把持機構35を説明するための拡大斜視図。
【図8】図1の把持機構33と昇降機構31との間において電池素子本体の受渡しを説明するための拡大断面図。
【図9】図1の把持機構33と把持機構35との間において電池素子本体の受渡しを説明するための拡大断面図。
【図10】図1の把持機構33と把持機構35との間において電池素子本体の受渡しを説明するための拡大断面図。
【図11】図1の把持機構33と把持機構35との間において電池素子本体の受渡しを説明するための拡大断面図。
【図12】図1の把持機構33の第1の変形例を説明するための拡大断面図。
【図13】図1の把持機構33における電池素子本体の端面位置測定を説明するための拡大斜視図。
【図14】図1の把持機構33における電池素子本体の端面位置測定を説明するための拡大断面図。
【図15】図1の組立装置39に備えている組立装置部把持機構36を示す拡大斜視図。
【図16】図15における組立装置部把持機構36の動作を示す拡大断面図。
【図17】図15における組立装置部把持機構36の動作を示す拡大断面図。
【図18】図15における組立装置部把持機構36の動作を示す拡大断面図。
【図19】図15における組立装置部把持機構36の動作を示す拡大断面図。
【図20】図1における電池の組立システムに備える搬送手段34と移載手段32と把持機構35の関連を示す拡大斜視図。
【図21】図1における電池の組立システムに備える搬送手段34と移載手段32と把持機構35の関連を示す拡大斜視図。
【図22】図1における電池の組立システムに備える搬送手段37と把持機構38と水平回転機構81の関連を示す拡大斜視図。
【図23】図1における電池の組立システムに備える搬送手段37と把持機構38と垂直回転機構82の関連を示す拡大斜視図。
【図24】この発明の実施の形態2における電池の組立システムの全体構成を示す斜視図。
【図25】図24における搬送治具90を説明するための拡大斜視図。
【図26】図24における搬送治具90を説明するための拡大斜視図。
【図27】図24における搬送治具90を説明するための拡大斜視図。
【図28】図24における搬送治具90を説明するための拡大断面図。
【図29】図24における把持機構と搬送治具の動作を説明するための拡大断面図。
【図30】図24における把持機構と搬送治具の動作を説明するための拡大断面図。
【図31】図24における搬送治具90を説明するための拡大斜視図。
【図32】図24における搬送治具90を説明するための拡大断面図。
【図33】図24における搬送治具90と搬送治具上板押え機構48の動作を説明するための拡大断面図。
【図34】図24における搬送治具90と搬送治具上板押え機構48の動作を説明するための拡大断面図。
【図35】図24における搬送治具90と搬送治具上板押え機構48の動作を説明するための拡大断面図。
【図36】図24における把持機構33と搬送治具97の動作を説明するための拡大断面図。
【図37】図24における把持機構33と搬送治具97の動作を説明するための拡大断面図。
【図38】図24における把持機構33と搬送治具97の動作を説明するための拡大断面図。
【図39】図1及び図24に用いる電池素子本体の他の形状例を示す拡大斜視図。
【図40】複数の巻回体を結束した電池素子本体を示す拡大斜視図。
【図41】複数の巻回体を結束した電池素子本体を示す拡大斜視図。
【図42】図1の把持機構33及び把持機構35を説明するための拡大斜視図。
【図43】図24における搬送治具90を説明するための拡大斜視図。
【図44】図1の把持機構33の第2の変形例を説明するための拡大断面図。
【図45】図1の把持機構33の第3の変形例を説明するための拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
(実施形態1)
図1は実施の形態で移載装置A、仮取付装置B、本取付装置Cを備えた電池の組立システムを説明するための斜視図である。
【0012】
移載装置Aは後述する複数個の電池素子本体1を順次搬出する巻回装置21と、第1の搬送手段例えば搬出コンベヤ30と、昇降機構31と、移載手段32と、第1の把持機構33と、第2の搬送手段34と、第2の把持機構35とを備えている。
【0013】
巻回装置21は図2に示す扁平円筒形状(断面楕円形状)の電池素子本体1を複数個形成すると共に、これらを順次搬出し、かつ搬出コンベヤ30に図1の向きに載置する。
【0014】
電池素子本体1は、図3に示すように帯状の正極板2及び帯状の負極板3の間に、帯状の絶縁材料からなるセパレータ4を介装した状態で扁平円筒状(断面楕円筒状)に巻回したものである。なお、電池素子本体1は帯状の正極板2及び帯状の負極板3の間に、帯状の絶縁材料からなるセパレータ4を介装した状態で円筒形状に巻回した後、図示しないプレス機の押圧により扁平円筒状(断面楕円筒状)に加工したものでもよい。この場合、正極板2及び負極板3は、金属箔に発電材料の電極材が塗工された電極材塗工部5を備え、正極板2及び負極板3の巻回方向と直交する方向の端部(電池素子本体1の巻回中心軸54の両端部)には、電極材が塗工されていない露出金属箔部6を備えている。
【0015】
電池素子本体1は、前述のように帯状の正極板2及び負極板3とセパレータ4を巻回した構成であることから弾性を有した巻回体となり、自重又は外力加圧により楕円の短辺方向の寸法である厚み寸法11と楕円の長辺方向の寸法である幅寸法12が変化するので、この点を考慮した何らかの対策が必要である。
【0016】
搬出コンベヤ30はベルトコンベヤ、プラスチックチェーンコンベヤ等からなり、巻回装置21から電池素子本体1の巻回中心軸54と直交するように移載を受け、電池の組立システムの下流側へ搬送するものである。
【0017】
昇降機構31はエアシリンダ等からなり、搬出コンベヤ30の終端部近くに配設され、図6、図8に示すように上部に電池素子本体1の受け部31aを備え、これは常時は搬出コンベヤ30のコンベヤ搬送面より下方に位置しており、電池素子本体1を搬出コンベヤ30から受け取り、かつ搬送手段34に受け渡す際にその受け部31aの上昇により、電池素子本体1をコンベヤ搬送面より上方に持ち上げ、その持上げた電池素子本体1の両端部を、把持機構33に有する各チャック50bに把持させる際の支援を行うものである。
【0018】
または、電池素子本体の上面中央部を吸着パッドにて吸着し、電池素子本体を上方に吊り上げ、コンベヤ面から離すものでもよい。
【0019】
移載手段32は、移載手段本体32aと、移載手段本体32aに水平方向で前後方向に移動可能に支持された支柱32dと、支柱32dに水平方向で左右方向に移動可能に支持された支柱32cと、支柱32cに垂直方向に移動可能に支持され把持機構33を支持する支柱32bとをそれぞれ備えている。
【0020】
把持機構33は、図6〜図10、図12、図13、図20、図21に示すように、把持機構本体50aと、把持機構本体50aに電池素子本体1の外周面で露出金属箔部6近くの端部(電池素子本体1の巻回中心軸54方向の中央位置を除く端部位置)を把持する4本のチャック50bの一端部がそれぞれ支持され、このうち対向するもの同士の対向間隔を任意に調節できるようになっている。各チャック50bは、全体として棒状であってその軸方向と直交する断面が正四角状となっていて、その長手方向の一側面に、電池素子本体1の外周面を把持するために全体として等脚台形状の凹形状部である、把持面部52を有している。把持面部52は、電池素子本体1の半断面外周面、具体的にはチャック50bで把持する電池素子本体1(楕円形状の)の巻回中心軸を含む長辺方向に切断したときの片側であって、楕円の短辺方向の中央位置の外周面が接触する接触平面部52a及び楕円の短辺方向の中央位置とは遠ざかる方向の両端部における外周面が接触する接触傾斜面部52bを有している。
【0021】
また図9に示すように把持機構本体50aとチャック50bとの支持部分に把持動作時(電池素子本体1の外周面に、例えば上下のチャック50bに有する把持面部52がそれぞれ接触したとき)のチャック間距離55を一定にするための、把持動作の位置制御機構又は当て止め機構例えば上下にそれぞれストッパ53を備えている。
【0022】
このような形状の各チャック50bを、図9に示すように電池素子本体1の外周面に把持させると、電池素子本体1の短辺方向の中央位置及び電池素子本体1の中央位置を除く両端部が各チャック50bの把持面部52にそれぞれ接触して3点接触となる。この場合、電池素子本体1の外周面が把持機構33により把持されると共に把持機構33の把持中心軸51と電池素子本体1の巻回中心軸54が一致する。
【0023】
搬送手段34は、ボールネジ、タイミングベルト、ラックアンドピニオン等のモータ駆動またはエアシリンダ駆動等にて構成され、図20に示すように帯状の搬送手段本体上に把持機構35が積置固定され、把持機構35が搬送手段本体上の上流端部及び下流端部間を往復移動するようになっている。
【0024】
把持機構35は、図7、図9に示すように、把持機構本体60aと、把持機構本体60aに電池素子本体1の外周面で巻回中心軸54の方向の中央位置部分を把持する2枚のチャック60bの一端部がそれぞれ支持され、対向間隔を任意に調節できるようになっている。各チャック60bは、全体として板状であってその板面の一方に、電池素子本体1の外周面中央位置を把持するために全体として等脚台形状の凹形状部である、把持面部62を有している。把持面部62は、電池素子本体1の半断面外周面、具体的にはチャック60bで把持する電池素子本体1(楕円形状の)の巻回中心軸を含む長辺方向に切断したときの片側であって、楕円の短辺方向の中央位置の外周面が接触する平面状の接触面部62a及び楕円の短辺方向の中央位置とは遠ざかる方向の両端部に平面状の傾斜面部62bを有している。また図9に示すように把持機構本体60aとチャック60bとの支持部分に、把持動作時のチャック間距離55を一定にするための、把持動作の位置制御機構又は当て止め機構例えば上下にそれぞれストッパ53を備えている。
【0025】
このような形状の各チャック60bを、図9に示すように電池素子本体1の外周面に把持させると、電池素子本体1の短辺方向の中央位置(1点目)及び電池素子本体1の中央位置を除く両端部(2点目、3点目)が各チャック60bの把持面部62にそれぞれ接触して3点接触となる。この場合、電池素子本体1の外周面が把持機構35により把持されると共に把持機構35の把持中心軸51と電池素子本体1の巻回中心軸54が一致する。
【0026】
図13及び図14は把持機構33にて把持した電池素子本体1の巻回軸方向の両端面位置をそれぞれ2組の非接触位置測定手段57で測定している状態を示している。非接触位置測定手段57はレーザ位置測定センサまたは画像撮像カメラ等からなり、両端面位置58(a)、58(b)を非接触にて測定するものである。測定した両端面の位置データを移載手段32に有する図示しない制御装置に与え、これに基づき、電池素子本体1の巻回軸方向長さ58の中心位置59を認識し、巻回軸方向に電池素子本体1の位置ずれがある場合には、移載手段32の動作により、把持機構の位置を移動し電池素子本体1を定位置に位置決めする。
【0027】
このような移載装置Aにより、巻回装置21からの搬出される複数の電池素子本体1は、搬出コンベヤ30を介して昇降機構31の位置まで順次搬送され、ここで把持機構33で把持され、把持機構33に把持されている電池素子本体1は移載手段32により把持機構35に受け渡され、搬送手段34の端部まで、搬送される。
【0028】
なお、搬送手段34は、電池素子本体1を把持した把持機構35を組立装置39に搬送後、把持機構35を移載手段32側に戻す。
【0029】
仮取付装置Bは、搬送手段37と、第4の把持機構38と、第1の組立装置39と、組付ヘッド40と、チャック押え機構70とチャック72を有した組立装置部把持機構(第3の把持機構)36を備えている。
【0030】
搬送手段37は、搬送手段34と同様にボールネジ、タイミングベルト、ラックアンドピニオン等のモータ駆動またはエアシリンダ駆動等にて構成され、帯状の搬送手段本体上に、図22に示すように水平回転機構81が載置固定され、水平回転機構81に把持機構38が載置固定され、水平回転機構81により把持機構38全体が水平方向に回転させられるようになっている。
【0031】
把持機構38は把持機構本体80aと、把持機構本体80aに開閉可能に支持され、図15〜図19に示すように、電池素子本体1の偏平な外周面部を把持可能であって、電池素子本体1の偏平な外周面部を把持可能で、各々電池素子本体1の偏平な外周面部であって露出金属箔部6を除く中央部とそれぞれ接触する部分に傾斜面部76を有し全体として等脚台形形状の凹部を有する断面板状の2枚のチャック80bを備えている。このように把持機構38が搬送手段37に載置固定され、把持機構38が搬送手段本体上の上流端部及び下流端部間を往復移動するようになっている。
【0032】
搬送手段37を挟んで両側にそれぞれ組立装置39が配設され、組立装置39の対向する側面に組付ヘッド40が取付けられ、組付ヘッド40により組立装置39内に収納されている図4又は図5の多数の集電部材8が図17及び図18に示す状態で順次電池素子本体1に供給され、仮取付けされる。
【0033】
把持機構36は、搬送手段37と搬送手段34の間に設置され、図15〜図19に示すように、電池素子本体1の偏平な外周面部を把持可能であって、電池素子本体1の偏平な外周面部を把持可能で、各々電池素子本体1の偏平な外周面部であって露出金属箔部6近くの端部をそれぞれ接触する部分に傾斜面部を有し全体として台形の両脚部の長さが異なり、脚部の長さの短い側に集電部材を供給し取付する為の逃がし部71を形成した不等脚台形形状の凹部を有する断面板状の4枚のチャック72を備えている。各チャック72の上面側及び下面側に各々チャック押え機構70を備え、この上側のチャック押え機構70と上側のチャック72が連結され、また下側のチャック押え機構70と下側のチャック72が連結され、各チャック72により電池素子本体1の偏平な外周面部を把持すると共に各チャック72の把持中心軸74を、電池素子本体1の巻回中心軸54に合わせることができるようになっていて、各チャック72とチャック押え機構70の当接部近くには、上流側から把持機構35のチャック60bを挿入する為であり、下流側から把持機構38のチャック80bを挿入する為のチャック間隙部73を備えている。
【0034】
図16、図17は、チャック72間に、搬送手段34に載置固定され、把持機構35のチャック60bにより電池素子本体1が把持された状態(図16はチャック72が電池素子本体1の外周面とは離れている状態)で挿入されている。
【0035】
図1は、チャック72間に把持機構35のチャック60bと、把持機構38のチャック80bが挿入されていない状態であり、ここで把持機構35に把持された電池素子本体1を搬送手段34で搬送し、把持機構36近くまで搬送し、図16に示すようにチャック72の間に、把持機構35のチャック60bを挿入する。
【0036】
次に図17に示すように組立装置39の壁面にある組付ヘッド40により図4又は図5に示す集電部材8を支持した状態で電池素子本体1の巻回中心軸54の両端部に集電部材8をそれぞれ当接させ、チャック押え機構70によりチャック72を図17の矢印方向に閉じて電池素子本体1の外周面を把持させた後、組付ヘッド40により集電部材8を電池素子本体1に仮取付けし、把持機構35のチャック60bを開き、把持機構35を搬送手段34により把持機構36から図1の移載手段32近くに退避させる。
【0037】
その後、組付ヘッド40を組立装置39の壁面側に戻し、把持機構38を搬送手段37により把持機構36側に搬送し、図18に示すようにチャック80bを把持機構36のチャック72間に挿入し、図19に示すように把持機構38のチャック80bを閉じて電池素子本体1の外周面に接触させて電池素子本体1を把持すると共に、把持機構36のチャック72を開き、把持機構38のチャック80bを把持機構36から抜くと共に、水平回転機構81により把持機構38を回転させて向きを組立装置45に変えた状態で把持機構38を組立装置45側に搬送させる。
【0038】
把持機構38に把持されている電池素子本体1を把持機構44のチャック90bに把持させた状態で、把持機構38を搬送手段37により組付ヘッド40側に戻すと共に、接合ヘッド46により集電部材8を電池素子本体1に本取付し、その後移載手段43により把持機構44を上下方向及び水平方向に移動させると共に、把持機構44のチャックに把持されている電池素子本体1を把持機構42のチャック90bに把持させ移載した後に、移載手段43により把持機構44を図1の組立装置45の接合ヘッド46側に戻す。その後、チャック90bにより電池素子本体1を把持した把持機構42を搬送手段41により、電池素子本体1は、図示しない電池缶内に電池素子本体1を収納する組立装置側の把持機構に引渡されると共に、把持機構42は搬送手段41により図1の状態に戻される。
【0039】
露出金属箔部6には、図4又は図5に示す集電部材8が接合され、集電部材8は電池素子本体1の電荷を外部に取り出すためのもので、ここで用いる集電部材8は、大容量二次電池の場合、電池素子本体1の形状と発電供給する電流値が大きく、集電部材も大型化する為、例えば、図4又は図5に示す形状の集電部材8を用いる。
【0040】
集電部材8は、図4に示すようにほぼI字状の外部取出部9aとL字状の接合部9bが一体に形成され、接合部9bを電池素子本体1の軸方向端部から内周空洞部7へ挿入し、露出金属箔部6の接合部10に超音波溶接、レーザ溶接、電子ビーム溶接等により接合される。
【0041】
また、集電部材8は、図5に示すように帯状の一端部をL字状に折曲した折曲部9cと、帯状の他端部をコ字状に折曲した接合部9dが一体に形成されたもので、接合部9dを電池素子本体1の軸方向端部から内周空洞部7へ挿入し、露出金属箔部6の接合部10に超音波溶接、レーザ溶接、電子ビーム溶接等により接合される。
【0042】
図18は、図17のチャック72内から把持機構35を抜いて、電池素子本体1が把持された状態のチャック72に、把持機構38の把持機構本体80aに開閉可能に設けられた上下方向に伸びる板状の2枚のチャック80bを挿入し組合わせた状態を示している。
【0043】
図19はチャック72により電池素子本体1の外周面が把持されていたのを解除し、把持機構38のチャック80bにより電池素子本体1の外周面を把持し、かつ集電部材8を仮取付けした組付ヘッド40を組立装置39の外周面側に戻した状態を示している。
【0044】
図22は、把持機構38が水平回転機構81により水平方向に回転可能に支持され、水平回転機構81は搬送手段37に載置固定され、搬送手段37により水平回転機構81は搬送手段37の一端部から他端部間を往復動作するようになっている。
【0045】
図23は、把持機構38が垂直回転機構82により垂直回転可能に支持され、垂直回転機構82は搬送手段37に載置固定され、搬送手段37により垂直回転機構82は搬送手段37の一端部から他端部間を往復動作するようになっている。
【0046】
図1のように搬送手段37を挟んで両側に組立装置39が配設され、組立装置39の対向する外壁面にそれぞれ組付ヘッド40を備えており、組付ヘッド40の対向する位置、つまり搬送手段34と、搬送手段37の間に把持機構36を配設している。把持機構36は、電池素子本体1を把持するためのものであって対向位置にあるもの同士の間隔をそれぞれ調整可能な4枚のチャック72を備え、各チャック72を背面側から押さえ、チャック72の間にある電池素子本体1を間接的に押えるチャック押え機構70を備えている。
【0047】
このような仮取付装置Bにより、搬送手段34で搬送された把持機構35のチャック60bにより把持された電池素子本体1は、把持機構36に把持され、組付ヘッド40により集電部材8が仮取付けされ、仮取付けされた電池素子本体1は把持機構38のチャック80bに把持されて搬送手段37により搬送手段41の端部近くまで搬送される。
【0048】
本取付装置Cは、第4の搬送手段41と、第5の把持機構44と、第6の把持機構42と、移載手段43と、組立装置45と、接合ヘッド46を備えている。搬送手段41は、搬送手段34、37と同様に構成され、帯状の搬送手段本体上に、把持機構42を備えている。
【0049】
把持機構42は、把持機構本体90aと、把持機構本体90aに開閉可能に取付けられ、電池素子本体1の偏平な外周面部を把持可能で、各々電池素子本体1の偏平な外周面部であって露出金属箔部6を除く中央部とそれぞれ接触する部分に傾斜面部52を有し全体として等脚台形形状の凹部を有する断面板状の2枚のチャック90bを備えた把持機構42が載置固定され、把持機構42が搬送手段本体上の上流端部及び下流端部間を往復移動するようになっている。
【0050】
移載手段43は、XYZ直交移動型のアクチュエータ又は多関節型ロボットからなり、把持部のθ回転機能と把持機構33と同様に4本のチャックからなる把持機構44を備えている。把持機構44を支持し、これを垂直方向に移動させるための支柱43a及び支柱43aを水平方向に移動させるための支柱43bを備えている。
【0051】
把持機構44は、前述の把持機構33と同様に、把持機構本体150aと、把持機構本体150aに開閉可能に取付けられ、電池素子本体1の電池素子本体1の外周面であって露出金属箔部6近くの端部を把持するための断面正四角形状の4本の棒状のチャック150bを有し、各チャック150bは、電池素子本体1の外周面を把持すると共に把持中心軸51に対して、上下左右対称位置にある台形形状部52を有し、また把持機構本体150aとチャック150bとの支持部分に把持動作時のチャック間距離55を一定にするための、把持動作の位置制御機構又は当て止め機構例えば上下にそれぞれ配設されたストッパ53を備えている。
【0052】
組立装置45は、集電部材8と電池素子本体1の露出金属箔6とを、例えば超音波溶接、レーザ溶接により本接合するものであり、組立加工において電池素子本体1を組立装置側へ供給するものである。
【0053】
接合ヘッド46は組立装置45の外壁面に上下方向に移動可能に設けられ、接合ヘッド46により把持機構44により把持された電池素子本体1の露出金属箔部6に集電部材8の接合部10が本接合される。
【0054】
このように構成された本取付装置Cは、把持機構44に把持された集電部材8が接合された電池素子本体1を搬送手段41上に載置固定された把持機構42に移載後、把持され、搬送手段41により、次の搬送路である電池素子本体1を電池缶内に挿入組立を行う組立装置(図示せず)に送られる。この組立装置に電池素子本体1が送られたら、搬送手段41は搬送手段37側に戻り、これにより搬送手段41に載置固定された把持機構42も搬送手段37側に戻り、次の電池素子本体1に対して集電部材8の接合に備える。
【0055】
なお、組立装置45の下流側、すなわち電池素子本体1と集電部材8の接合後に、図示しない組立装置により絶縁処理がなされると共に、図示しない電池缶体内に電池素子本体1と集電部材8を収納し、電解液を注入後、電池缶を封止するように構成されている。
【0056】
図6及び図8の状態、つまり昇降機構31に巻回装置21からの電池素子本体1が載置され、各上下のチャック50bは最大間隔に開いた状態で、把持機構33の把持中心軸51と電池素子本体1の巻回中心軸54がずれた状態にある。この状態から各上下のチャック50bを図9に示すように上下のストッパ53が当接するまで(チャック間距離55となるまで)閉じていくと、ストッパ53の台形形状部52に電池素子本体1の角部が当設すると共に、ストッパ53の中央部が矢印のごとく電池素子本体1の中央部に当設し、かつ把持中心軸51と巻回中心軸54が一致したら、昇降機構31は最初の状態に戻る。この結果、電池素子本体1の外形形状の固定と位置決めができ、次のような問題点を改善できる。すなわち、電池素子本体1は、前述のように帯状の正極板2と負極板3である電極材とセパレータ4を巻回した構成であることから弾性を有した巻回体となり、自重又は外力加圧により電池素子本体1の楕円の短辺方向の寸法である厚み寸法と楕円の長辺方向の寸法である幅寸法が変化し、電池素子本体1のある外周部を治具で固定した位置基準に押し当てる位置決め方法では、電池素子本体の弾性変形により外形形状が定まらない問題点である。
【0057】
以上述べた第1の実施形態の電池の組立システムによれば、巻回装置21からの弾性体である、電池素子本体1を搬出コンベア30により搬送し、搬出コンベア30の終端部近くで、図8のように昇降機構31で電池素子本体1を搬出コンベア30の上面より上昇させると共に把持機構33で電池素子本体1を把持し、電池素子本体1を把持した把持機構33を移載手段32により上方向に持ち上げると共に下流側方向に移動させて図9、図10のように電池素子本体1を把持した把持機構33を把持機構35に組み合わせる。把持機構35が電池素子本体1を把持すると、把持機構33が電子素子本体1の把持を外し、移載手段32は把持機構35から把持機構33の組み合わせを解き、移載手段32は把持機構33を下流側方向、上部方向、上流側方向に移動させて搬出コンベア30の端部に戻す。
【0058】
把持中心に押える凹形状部を有する把持機構にて電池素子本体1の外周面部を一定量押えることにより、電池素子本体1の外形を固定し、電池素子本体1の巻回中心軸54を把持機構33の把持中心軸51に位置決めし、巻回軸方向位置は電池素子本体1の両端部を非接触位置測定手段57にて測定し、測定量に基づいて把持機構の位置を移動し定位置に位置決めする構成としたので、電池素子本体1の外形形状の固定と位置決めができる。
【0059】
電池素子本体1の移載において、受渡し側の把持機構33と受取り側の把持機構35は、巻回軸方向の両端部と中央部の互いに干渉しない位置を把持し、電池素子本体1の外周面部を固定する、同じチャック形状の把持機構にて双方の把持中心軸を一致させ、同時に電池素子本体1を把持することにより、電池素子本体1の露出金属箔部6を損傷することなく、電池素子本体1の外形固定と位置決めを保持して、組立装置39による組立工程を搬送することができる。従って搬送途中にて位置ずれがないため、組立装置39にて電池素子本体1を位置決めする機構が不要である。また、特許文献1、2のようにトレイ保管を行なわない搬送方法のため、トレイへ電池素子本体を移載する移載機、電池素子本体を収納したトレイを搬送するコンベヤ、トレイを段積み及び段ばらしする装置、トレイから電池素子本体を取り出す移載機、空トレイのリターンコンベヤが不要となり、搬送装置の費用と設置スペースを削減できる。巻回装置と組立装置間に電池素子本体の中間ストックがないために、巻回装置にて発生した品質異常の発覚が遅れることがなくなる。
【0060】
次に、組立装置39にて、例えば、集電部材8を電池素子本体1へ供給し取付ける組立加工の動作を図16〜図19にて説明する。搬送手段34の把持機構35は、移載手段32の把持機構33から受取った電池素子本体1を把持により位置決めを保持し、搬送手段34の下流側端部へ電池素子本体1を把持した状態で搬送する。搬送手段34の把持機構35が組立装置39の把持機構36のチャックが開いた状態部へ電池素子本体1を移載する。この移載位置は、把持機構35と把持機構36の把持中心軸が一致する位置74とする(図16)。
【0061】
次に、把持機構36のチャック72が把持機構35の把持厚み55の位置まで押え、電池素子本体の位置を保持する(図17)。組立装置39の図示しない部品供給部から集電部材8を取り出し位置決め後、組付ヘッド40が集電部材8を把持し、電池素子本体1の内周空洞部(巻回中央部)7へ供給し位置を保持する。
【0062】
次に、把持機構35が電池素子本体の把持を外し、搬送手段34は待機位置へ復帰する。次に下流側の搬送手段37の把持機構38が把持機構36部へ挿入し(図18)、電池素子本体1を把持厚み75まで押え把持する(図19)。把持機構38のチャックが電池素子本体1を厚み方向に押え、チャックの台形形状部76が電池素子本体1を集電部材側へ加圧し、把持機構38のチャック形状部77を位置決め基準として集電部材7と電池素子本体が位置決めされ、保持される。次に、集電部材8の組付ヘッド40と把持機構35が把持を外し、組付ヘッド40と搬送手段34が初期位置へ回帰する。
【0063】
以上述べた実施形態1の電池素子本体の位置決め搬送装置によれば、電池素子本体1の外形形状の固定と位置決め状態を保持し、露出金属箔部6を損傷することなく、電池素子本体1への集電部材の取付けも行い、搬送手段34から搬送手段37へ電池素子本体1を受け渡すことができる。
【0064】
組立装置45は、例えば、超音波溶接、レーザ溶接により集電部材8と、電池素子本体1の露出金属箔部6を溶接する際に、複数ヶ所の接合を行なう為に位置固定した接合ヘッド(加工ヘッド)46に対して被加工物側を移動させ、接合を行なうものである。
【0065】
移載手段43の把持機構44が上流側の搬送手段37の把持機構38から電池素子本体1と集電体8を位置決め保持した状態で受け取り、接合ヘッド46部へ電池素子本体1を移動し、溶接位置を変え、電池素子本体1の露出金属箔部6と集電部材8の複数ヶ所の接合を行なう。接合が完了すると移載手段43が電池素子本体1を搬送手段41の把持機構42へ移載し、把持機構42の把持により電池素子本体は位置決め保持され、下流側へ搬送される。
【0066】
以上により、電池素子本体1の外周面部(外形形状)の固定と位置決め状態を保持し、露出金属箔6を損傷することなく、搬送手段37から組立装置45への電池素子本体の供給と搬送手段41への戻しを行うことができる。下流側工程の組立装置においても組立装置39または組立装置45と同様の位置決め保持、搬送、組立加工が行なわれる。
【0067】
この結果、実施形態1の電池素子本体の位置決め搬送装置によれば、巻回装置21にて巻回した電池素子本体1を、後工程の組立装置へ搬送する際に、特許文献1、2のようにトレイを使用せず、電池素子本体単位にて連続的に自動搬送することができ、トレイを使
用することによる問題点が改善できる。具体的には、巻回装置とこの後工程の組立装置の間に使用していた、トレイへ電池素子本体を移載する移載機、電池素子本体を収納したトレイを搬送するコンベヤ、トレイを段積み及び段ばらしする装置、トレイから電池素子本体を取り出す移載機、空トレイのリターンコンベヤが必要なくなり、トレイ搬送に必要な装置コストと装置設置スペースが小さくてすむ。また、実施形態1によれば、トレイ保管による工程間のストックを行うことがないので、巻回装置にて発生した品質異常の発覚が遅れ、不良品を増大させるおそれも少なくなる。さらに、電池素子本体を位置決め後にトレイに収納する場合は、トレイ搬送中またはトレイからの取出し時に電池素子本体に位置ずれが生じるおそれがあり、トレイから電池素子本体を取り出し、組立装置へ供給する前に位置決めを行なう必要があり、組立装置は各組立工程毎に複数種あり、さらに製造量が増加する場合においては、同一種の組立装置が多数台必要となり、しかも組立装置の台数増加と共に位置決め機構の台数が増加し、位置決め機構の装置コストの増加が問題となるが、実施形態1ではこれらの問題点を改善できる。
【0068】
特許文献3のように、電池を位置決めし、かつ組立装置へ搬送する方法に使用する搬送治具は、加圧により変形がない電池缶の外形を押えて外形形状により位置決めするものであり、巻回後の電池素子本体のような弾性体に適用する場合は加圧により外形形状が変化してしまい、位置決めが定まらないという問題点があり、電池素子本体のように正極板、負極板の両側に脆弱な金属箔が露出している露出金属箔部がある場合には、搬送治具と露出金属箔部が接触し露出金属箔部を変形させてしまうという問題点、更には電池素子本体の正極板と負極板の両側からの組立加工ができないという問題点があるが、実施形態1ではこれらの問題点を改善できる。
【0069】
特許文献4のように、電池を位置決めし、かつ組立装置へ搬送する方法に使用する搬送治具は、薄型電池の中間製品について電流取り出し端子の損傷を防ぐものであるが、特許文献3と同様の問題点がある。
【0070】
搬送手段37の把持機構38は電池素子本体1を把持し、電池素子本体1を把持した状態で下流側の終端部へ搬送する。このとき、把持機構38は、図22に示すように水平方向に180°回転する水平回転機構81か、又は図23に示すように垂直方向に180°回転する垂直回転機構82を備えることにより、上流側に向けて受け取った電池素子本体1を反転し下流側へ向けることができる。
【0071】
搬送手段37の終端部にて下流側の搬送手段43の把持機構44への電池素子本体1の受渡しを待機する。搬送手段37の把持機構38に水平回転機構81または垂直回転機構82を有することにより、図1の電池の組立システムのみならず、電池素子本体1の姿勢方向を組立装置側の組立加工条件に合わせて変更することができる。
【0072】
(実施形態2)
次に実施形態2を説明する。図24はこの発明の実施の形態2における電池の組立システムの全体を示す斜視図、図25〜図27、図31は搬送治具190の斜視図、図28〜図30、図32〜図35、図36〜38は搬送治具190、197の動作を示す断面図である。前述の実施の形態1では装置間の搬送は電池素子本体1を把持する把持機構が往復移動を行なう搬送手段によるものであるが、実施の形態2における装置間の搬送は電池素子本体1を位置決め保持する搬送治具190とその搬送を行うコンベヤ47(a)、47(b)によるものである。コンベヤは底面が平滑な搬送治具190を搬送するものであればよく、一般にはフリーフローコンベヤ、ベルトコンベヤ等によるものである。図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0073】
次に、図25〜図27、図28〜図30に基づいて搬送治具190について説明する。搬送治具190は電池素子本体1を位置決めして保持する上板94、下板101とその締結部にて構成する。上板と下板は前述の把持機構と同様に樹脂製チャック部に位置決めの為の台形形状部108を備えている。締結部には、下板に固定接続され、上端に上板位置を規制するストッパ102を有する4本のシャフト106を備えている。上板のシャフト106が通る穴部にはシャフトガイド109を備え、シャフトガイドと下板間には、上板を支持する圧縮ばね104を備えている。圧縮ばね104の作用により、上板はストッパ102の位置に押付けられているが、上板を上部から押えると圧縮ばね104の弾性変形により上板の位置が降下する機構である。さらに、下板には下板に固定されている軸105を支点に回転できるクランプ爪95を備え、軸105に取付けたばね96が下板側面部とクランプ爪95の下部とを加圧する機構である。ばね96の作用によりクランプ爪95の上部は上板側に倒れ支持される。上板を押し下げるとクランプ爪95が上板の溝穴103に入り、上板の高さを定位置に保持する機構である。
【0074】
図36〜図38に示すように、搬送治具197は引張りばね125を利用するものでもよい。搬送治具197は上板94と下板101とに接続する引張りばね125、上板94に固定されたストッパ126、上板の把持形状部127を備えている。引っ張りばね125は上板94を下板101側へ引っ張る荷重を上板94に掛けており、ストッパ126が上板と下板間の距離を固定する。上板の把持形状部127は、外部機構が把持して上板を上昇させる部分であり、溝穴または突起形状であればよい。
【0075】
外部機構が把持形状部127を把持し、搬送治具197の上板を持ち上げた状態にて、把持機構33が電池素子本体を把持し、把持機構33の把持中心軸92と搬送治具の把持中心軸93を一致させるように移載する。外部機構が上板を下げ、その把持を外す。引張りばね125の作用により、電池素子本体は上板と下板にて外形形状の固定と位置決めが行われる。前述と同様に、電池素子本体1の外形形状の固定と位置決めを行い、それを保持して搬送することができる。
【0076】
図39は2個の巻回体130を重ね、テープ131の貼付けにて固定したものである。また、図40は2個の巻回体130を重ね、周囲にシート材132を巻き、テープ131を貼付け結束したものである。図41は3個の巻回体を結束したものである。図39〜図41の例に示すように、複数の巻回体を結束した状態において、巻回軸に垂直な断面形状にて上下左右が対称形状であり、角部が曲面をなし、弾性変形する巻回形状体よりなる電池素子本体についても、図42、図43に示すように搬送手段または移載手段の把持機構133、134、或いは搬送治具134の把持により、電池素子本体の外形形状の固定と位置決めを行い、それを保持して搬送することができる。
【0077】
以上述べた第2の実施形態によれば、電池素子本体1は帯状の正極板2、負極板3及び帯状のセパレータ4を巻回した構成であるため、弾性を有した固体となるが、電池素子本体1の外周面の固定及び位置決めができる電池の組立システム及び電池素子本体の位置決め搬送装置を提供できる。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0079】
前述した実施形態の電池素子本体の構造としては、主に次に述べる第1及び第2の方式があり、このいずれにも本発明を適用できることは言うまでもない。第1の方式は、正極板、負極板、セパレーターを巻回し形成した電池素子の端部の露出金属箔部に電荷を外部に取り出す為の集電部材を接合し、集電部材付きの電池素子を電池缶へ挿入後、電池缶の蓋を取り付け、封止するものである。
【0080】
第2の方式は、正極板に正極リード(正極タブ)を、負極板に負極リード(負極タブ)を接合し、セパレーターを挟んで巻回し電池素子を形成し、リード付き電池素子本体を電池缶へ挿入し、第1の方式と同様に電池缶に挿入し、封止するものである。
【0081】
なお、巻回し形成した電池素子の正極板、負極板を電池缶の外部に露出する正極端子、負極端子へ接続する構造は、実施形態に示した形状の集電部材を用いて接続するもの以外に種々ある。
【0082】
前述の実施形態の例えば把持機構33のチャック50bの把持面部52は、3点接触となるように等脚台形形状の凹形状部を例示したが、この把持面部52の傾斜面部52bのみを、図12に示すように電池素子本体1の巻回外周面形状に合う曲面56としてもよい。また、図44に示すように把持機構33のチャック50cの把持面部52は、2点接触となるようにV字状(山形状)の凹形状部としてもよい。さらに図45に示すように把持機構33のチャック50dの把持面部52は、面接触となるように円弧形状の凹形状部、つまり把持中心軸51に対して上下左右に軸対称な形状のものとしてもよい。以上述べたことは、前述したチャック60b、72b、80b、90b、150bのいずれに適用してもよい。
【0083】
本発明の位置決め搬送装置は、正極板と負極板とセパレータを巻回して形成した電池素子本体であれば、何でも適用できる。この場合、電極板の露出金属箔部は、図2のように巻回後の電池素子は両端部に露出金属箔(負極金属箔と正極金属箔)が形成されている例であるが、これとは異なり巻回後の電池素子の片側のみに露出金属箔が形成されたものについても、本発明の位置決め搬送装置は適用できる。
【0084】
また、前述の実施形態において、仮取付装置B、本取付装置Cの一例として図4又は図5を参照して電池素子本体と集電部材を溶接等による接合方法について説明したが、これに限定されず何らかの手法により取付けられるものであれば何でもよい。
【0085】
さらに、前述の実施形態における図8、図9、図10、図11、図12、図13、図16、図17、図28、図29、図30、図32、図33、図34、図36、図37、図38、図44、図45に示したストッパ53は、把持機構33以外の把持機構35、36、38、42、44、133、134にも適用してもよく、ストッパ53に代わるものであってもよい。
【0086】
前述の実施形態の電池の組立システムは、図示しない制御装置により巻回装置21において電池素子本体1を得、これを搬出コンベア30、昇降機構31、移載手段32、搬送手段34、組立装置39、搬送手段37、組立装置45、移載手段43を順次自動的に搬送したり、これらに受け取り、受け渡すための把持機構33、35、36、38、42、44、133、134に電池素子本体1を把持させる動作等の全てが自動的に動作するようになっているが、用途等によっては部分的に半自動で行われるシステムであってもよい。
【符号の説明】
【0087】
1…電池素子本体、2…正極板、3…負極板、4…セパレータ、5…電極材塗工部、6…露出金属箔部、7…電池素子本体の内周空洞部、8…集電部材、9…集電部材の接合部、10…接合部、11…電池素子本体の厚み、12…電池素子本体の幅、13…電池素子本体の長さ、21…巻回装置、22…組立装置、30…巻回後搬出コンベヤ、31…昇降機構、32…移載手段、33…把持機構(受渡し側の把持機構)、34…搬送手段、35…把持機構(受取り側の把持機構)、36…組立装置部把持機構、37…搬送手段、38…把持機構、39…組立装置、40…組付ヘッド、41…搬送手段、42…把持機構、43…移載手段、44…把持機構、45…組立装置、46…接合ヘッド、47(a)…搬送コンベヤ、47(b)…リターンコンベヤ、48(a)、48(b)…搬送治具上板押え機構、49…クランプ動作機構、50…チャック、51…把持機構の把持中心軸、52、62…チャックの把持面部、53…チャックのストッパ、54…電池素子本体の巻回中心軸、55…位置決め後の電池素子本体の厚み、56…チャック形状、57…位置測定手段、58…電池素子本体の巻回軸方向長さ、58(a)、58(b)…電池素子本体の端面位置、59…電池素子本体の巻回軸方向長さ中心位置、60…搬送手段把持機構のチャック、70…チャック押え機構、71…チャック逃がし部、72…組立部把持機構のチャック、73…チャック間隙部、74…把持中心軸、75…位置決め後の電池素子本体の厚み、76…チャック台形形状部、77…チャック位置決め形状部、80…搬送手段把持機構のチャック、81…水平回転機構、82…垂直回転機構、190…搬送治具、91…搬送治具の把持幅中心、92…把持中心軸、93…把持中心軸、94…上板、95…クランプ爪、96…ばね、97…搬送治具、101…下板、102…ストッパ、103…上板溝穴、104…圧縮ばね、105…軸、106…シャフト、108…チャック台形形状部、109…シャフトガイド、110…クランプ爪の回転方向、111…上板押え手段、113…クランプ爪、115…軸、116…クランプ爪、118…ばね、119…ばね、121…チャック位置決め形状部、122…チャック台形形状部、125…引張りばね、126…ストッパ、127…上板把持形状部、130…巻回体、131…テープ、132…シート材、133…把持機構、134…把持機構、135…搬送治具。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ハイブリッド自動車、電気自動車、電力貯蔵用途等に使用される電池の組立システム、電池素子本体の位置決め搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に二次電池の製造においては、帯状の正極板及び負極板を絶縁材料のセパレ−タを介装して巻回することにより電池素子本体(発電素子本体)を形成し、電池素子本体を電池缶内に収納し、電極部材の接合・絶縁処理等を行なった後に、電解液を注液し電池缶の封止加工を行なっている。
【0003】
また、自動車動力駆動、電力貯蔵用途等の大容量二次電池では、発電体の容積効率化の観点から偏平円筒形状の電池素子本体を金属薄板製の角型電池缶へ挿入し、封止することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−321259号公報
【特許文献2】特開平10−255814号公報
【特許文献3】特開平9−35698号公報
【特許文献4】特開2001−57197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電池素子本体は、前述のように帯状の正極板と負極板である電極材とセパレータを巻回した構成であることから弾性を有した巻回体となり、自重又は外力加圧により楕円の短辺方向の寸法である厚み寸法と楕円の長辺方向の寸法である幅寸法が変化する。したがって、電池素子本体のある外周部を治具で固定した位置基準に押し当てる位置決め方法では、電池素子本体の弾性変形により外形形状が定まらない問題がある。
【0006】
また、電池素子本体の巻回軸方向の端部には脆弱な露出金属箔部が形成されており、位置決め機構または搬送機構が露出金属箔部と接触するおそれがある場合は、露出金属箔部の損傷により集電部材の接合等の加工品質を低下する問題がある。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、巻回装置により帯状の電極板を巻回することにより形成された弾性体の電池素子本体について位置決めと形状固定を行い、位置決めと形状を保持した状態を維持し、後工程の組立装置へ搬送し、設置スペースの小さい電池の組立システム、電池素子本体の位置決め搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、正極板と、負極板と、前記正極板と前記負極板の間並びに前記正極板又は前記負極板の外周面に配設されるセパレータからなり、前記正極板は帯状の導電板からなり、この長手方向と直交する端部に露出金属箔部が前記長手方向に沿って形成され、かつ前記導電板の前記露出金属箔部以外の中央部に活物質塗工部が前記長手方向に沿って形成されたものであり、前記負極板は帯状の導電板からなり、この長手方向と直交する端部に露出金属箔部が前記長手方向に沿って形成され、かつ前記導電板の前記露出金属箔部以外の中央部に活物質塗工部が前記長手方向に沿って形成されたものであり、前記正極板と前記負極板と前記セパレータを同一の中心軸の周りに巻回すると共に、前記中心軸の端部から見て楕円筒状になるように整形してなる電池素子本体の電荷を外部に取り出す為の集電部材を前記電池素子本体に接合する場合に使用するものであって、位置決め把持装置本体と、前記位置決め把持装置本体において一端部がそれぞれ互いの対向間隔を任意に調整可能に設けられ、前記電池素子本体の巻回中心軸及び楕円の長辺を含む断面に対して平行になるように前記電池素子本体の外周面であって前記露出金属箔部を除く前記電池素子本体の巻回中心軸方向の中央位置部を把持可能で、各々前記電池素子本体の露出金属箔部を除く前記巻回中心軸方向の中央位置部の外周面を接触し、巻回中心へ押える凹形状部を有する2個の板状のチャックをその板面が水平方向となるように備えた把持機構を有し、前記各チャックを前記電池素子本体の外周面で中央位置部に当設させることで、前記電池素子本体の巻回中心軸と、前記把持機構の把持中心軸が一致するように構成した電池素子本体の位置決め把持装置である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1における電池の組立システムの全体構成を示す斜視図。
【図2】図1の電池素子本体の概略構成を示す斜視図。
【図3】図1の電池素子本体の組立構造を示す斜視図。
【図4】図1の電池素子本体に用いる集電部材の第1の例を説明するための拡大斜視図。
【図5】図1の電池素子本体に用いる集電部材の第2の例を説明するための拡大斜視図。
【図6】図1の把持機構33及び昇降機構31を説明するための拡大斜視図。
【図7】図1の把持機構33及び把持機構35を説明するための拡大斜視図。
【図8】図1の把持機構33と昇降機構31との間において電池素子本体の受渡しを説明するための拡大断面図。
【図9】図1の把持機構33と把持機構35との間において電池素子本体の受渡しを説明するための拡大断面図。
【図10】図1の把持機構33と把持機構35との間において電池素子本体の受渡しを説明するための拡大断面図。
【図11】図1の把持機構33と把持機構35との間において電池素子本体の受渡しを説明するための拡大断面図。
【図12】図1の把持機構33の第1の変形例を説明するための拡大断面図。
【図13】図1の把持機構33における電池素子本体の端面位置測定を説明するための拡大斜視図。
【図14】図1の把持機構33における電池素子本体の端面位置測定を説明するための拡大断面図。
【図15】図1の組立装置39に備えている組立装置部把持機構36を示す拡大斜視図。
【図16】図15における組立装置部把持機構36の動作を示す拡大断面図。
【図17】図15における組立装置部把持機構36の動作を示す拡大断面図。
【図18】図15における組立装置部把持機構36の動作を示す拡大断面図。
【図19】図15における組立装置部把持機構36の動作を示す拡大断面図。
【図20】図1における電池の組立システムに備える搬送手段34と移載手段32と把持機構35の関連を示す拡大斜視図。
【図21】図1における電池の組立システムに備える搬送手段34と移載手段32と把持機構35の関連を示す拡大斜視図。
【図22】図1における電池の組立システムに備える搬送手段37と把持機構38と水平回転機構81の関連を示す拡大斜視図。
【図23】図1における電池の組立システムに備える搬送手段37と把持機構38と垂直回転機構82の関連を示す拡大斜視図。
【図24】この発明の実施の形態2における電池の組立システムの全体構成を示す斜視図。
【図25】図24における搬送治具90を説明するための拡大斜視図。
【図26】図24における搬送治具90を説明するための拡大斜視図。
【図27】図24における搬送治具90を説明するための拡大斜視図。
【図28】図24における搬送治具90を説明するための拡大断面図。
【図29】図24における把持機構と搬送治具の動作を説明するための拡大断面図。
【図30】図24における把持機構と搬送治具の動作を説明するための拡大断面図。
【図31】図24における搬送治具90を説明するための拡大斜視図。
【図32】図24における搬送治具90を説明するための拡大断面図。
【図33】図24における搬送治具90と搬送治具上板押え機構48の動作を説明するための拡大断面図。
【図34】図24における搬送治具90と搬送治具上板押え機構48の動作を説明するための拡大断面図。
【図35】図24における搬送治具90と搬送治具上板押え機構48の動作を説明するための拡大断面図。
【図36】図24における把持機構33と搬送治具97の動作を説明するための拡大断面図。
【図37】図24における把持機構33と搬送治具97の動作を説明するための拡大断面図。
【図38】図24における把持機構33と搬送治具97の動作を説明するための拡大断面図。
【図39】図1及び図24に用いる電池素子本体の他の形状例を示す拡大斜視図。
【図40】複数の巻回体を結束した電池素子本体を示す拡大斜視図。
【図41】複数の巻回体を結束した電池素子本体を示す拡大斜視図。
【図42】図1の把持機構33及び把持機構35を説明するための拡大斜視図。
【図43】図24における搬送治具90を説明するための拡大斜視図。
【図44】図1の把持機構33の第2の変形例を説明するための拡大断面図。
【図45】図1の把持機構33の第3の変形例を説明するための拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
(実施形態1)
図1は実施の形態で移載装置A、仮取付装置B、本取付装置Cを備えた電池の組立システムを説明するための斜視図である。
【0012】
移載装置Aは後述する複数個の電池素子本体1を順次搬出する巻回装置21と、第1の搬送手段例えば搬出コンベヤ30と、昇降機構31と、移載手段32と、第1の把持機構33と、第2の搬送手段34と、第2の把持機構35とを備えている。
【0013】
巻回装置21は図2に示す扁平円筒形状(断面楕円形状)の電池素子本体1を複数個形成すると共に、これらを順次搬出し、かつ搬出コンベヤ30に図1の向きに載置する。
【0014】
電池素子本体1は、図3に示すように帯状の正極板2及び帯状の負極板3の間に、帯状の絶縁材料からなるセパレータ4を介装した状態で扁平円筒状(断面楕円筒状)に巻回したものである。なお、電池素子本体1は帯状の正極板2及び帯状の負極板3の間に、帯状の絶縁材料からなるセパレータ4を介装した状態で円筒形状に巻回した後、図示しないプレス機の押圧により扁平円筒状(断面楕円筒状)に加工したものでもよい。この場合、正極板2及び負極板3は、金属箔に発電材料の電極材が塗工された電極材塗工部5を備え、正極板2及び負極板3の巻回方向と直交する方向の端部(電池素子本体1の巻回中心軸54の両端部)には、電極材が塗工されていない露出金属箔部6を備えている。
【0015】
電池素子本体1は、前述のように帯状の正極板2及び負極板3とセパレータ4を巻回した構成であることから弾性を有した巻回体となり、自重又は外力加圧により楕円の短辺方向の寸法である厚み寸法11と楕円の長辺方向の寸法である幅寸法12が変化するので、この点を考慮した何らかの対策が必要である。
【0016】
搬出コンベヤ30はベルトコンベヤ、プラスチックチェーンコンベヤ等からなり、巻回装置21から電池素子本体1の巻回中心軸54と直交するように移載を受け、電池の組立システムの下流側へ搬送するものである。
【0017】
昇降機構31はエアシリンダ等からなり、搬出コンベヤ30の終端部近くに配設され、図6、図8に示すように上部に電池素子本体1の受け部31aを備え、これは常時は搬出コンベヤ30のコンベヤ搬送面より下方に位置しており、電池素子本体1を搬出コンベヤ30から受け取り、かつ搬送手段34に受け渡す際にその受け部31aの上昇により、電池素子本体1をコンベヤ搬送面より上方に持ち上げ、その持上げた電池素子本体1の両端部を、把持機構33に有する各チャック50bに把持させる際の支援を行うものである。
【0018】
または、電池素子本体の上面中央部を吸着パッドにて吸着し、電池素子本体を上方に吊り上げ、コンベヤ面から離すものでもよい。
【0019】
移載手段32は、移載手段本体32aと、移載手段本体32aに水平方向で前後方向に移動可能に支持された支柱32dと、支柱32dに水平方向で左右方向に移動可能に支持された支柱32cと、支柱32cに垂直方向に移動可能に支持され把持機構33を支持する支柱32bとをそれぞれ備えている。
【0020】
把持機構33は、図6〜図10、図12、図13、図20、図21に示すように、把持機構本体50aと、把持機構本体50aに電池素子本体1の外周面で露出金属箔部6近くの端部(電池素子本体1の巻回中心軸54方向の中央位置を除く端部位置)を把持する4本のチャック50bの一端部がそれぞれ支持され、このうち対向するもの同士の対向間隔を任意に調節できるようになっている。各チャック50bは、全体として棒状であってその軸方向と直交する断面が正四角状となっていて、その長手方向の一側面に、電池素子本体1の外周面を把持するために全体として等脚台形状の凹形状部である、把持面部52を有している。把持面部52は、電池素子本体1の半断面外周面、具体的にはチャック50bで把持する電池素子本体1(楕円形状の)の巻回中心軸を含む長辺方向に切断したときの片側であって、楕円の短辺方向の中央位置の外周面が接触する接触平面部52a及び楕円の短辺方向の中央位置とは遠ざかる方向の両端部における外周面が接触する接触傾斜面部52bを有している。
【0021】
また図9に示すように把持機構本体50aとチャック50bとの支持部分に把持動作時(電池素子本体1の外周面に、例えば上下のチャック50bに有する把持面部52がそれぞれ接触したとき)のチャック間距離55を一定にするための、把持動作の位置制御機構又は当て止め機構例えば上下にそれぞれストッパ53を備えている。
【0022】
このような形状の各チャック50bを、図9に示すように電池素子本体1の外周面に把持させると、電池素子本体1の短辺方向の中央位置及び電池素子本体1の中央位置を除く両端部が各チャック50bの把持面部52にそれぞれ接触して3点接触となる。この場合、電池素子本体1の外周面が把持機構33により把持されると共に把持機構33の把持中心軸51と電池素子本体1の巻回中心軸54が一致する。
【0023】
搬送手段34は、ボールネジ、タイミングベルト、ラックアンドピニオン等のモータ駆動またはエアシリンダ駆動等にて構成され、図20に示すように帯状の搬送手段本体上に把持機構35が積置固定され、把持機構35が搬送手段本体上の上流端部及び下流端部間を往復移動するようになっている。
【0024】
把持機構35は、図7、図9に示すように、把持機構本体60aと、把持機構本体60aに電池素子本体1の外周面で巻回中心軸54の方向の中央位置部分を把持する2枚のチャック60bの一端部がそれぞれ支持され、対向間隔を任意に調節できるようになっている。各チャック60bは、全体として板状であってその板面の一方に、電池素子本体1の外周面中央位置を把持するために全体として等脚台形状の凹形状部である、把持面部62を有している。把持面部62は、電池素子本体1の半断面外周面、具体的にはチャック60bで把持する電池素子本体1(楕円形状の)の巻回中心軸を含む長辺方向に切断したときの片側であって、楕円の短辺方向の中央位置の外周面が接触する平面状の接触面部62a及び楕円の短辺方向の中央位置とは遠ざかる方向の両端部に平面状の傾斜面部62bを有している。また図9に示すように把持機構本体60aとチャック60bとの支持部分に、把持動作時のチャック間距離55を一定にするための、把持動作の位置制御機構又は当て止め機構例えば上下にそれぞれストッパ53を備えている。
【0025】
このような形状の各チャック60bを、図9に示すように電池素子本体1の外周面に把持させると、電池素子本体1の短辺方向の中央位置(1点目)及び電池素子本体1の中央位置を除く両端部(2点目、3点目)が各チャック60bの把持面部62にそれぞれ接触して3点接触となる。この場合、電池素子本体1の外周面が把持機構35により把持されると共に把持機構35の把持中心軸51と電池素子本体1の巻回中心軸54が一致する。
【0026】
図13及び図14は把持機構33にて把持した電池素子本体1の巻回軸方向の両端面位置をそれぞれ2組の非接触位置測定手段57で測定している状態を示している。非接触位置測定手段57はレーザ位置測定センサまたは画像撮像カメラ等からなり、両端面位置58(a)、58(b)を非接触にて測定するものである。測定した両端面の位置データを移載手段32に有する図示しない制御装置に与え、これに基づき、電池素子本体1の巻回軸方向長さ58の中心位置59を認識し、巻回軸方向に電池素子本体1の位置ずれがある場合には、移載手段32の動作により、把持機構の位置を移動し電池素子本体1を定位置に位置決めする。
【0027】
このような移載装置Aにより、巻回装置21からの搬出される複数の電池素子本体1は、搬出コンベヤ30を介して昇降機構31の位置まで順次搬送され、ここで把持機構33で把持され、把持機構33に把持されている電池素子本体1は移載手段32により把持機構35に受け渡され、搬送手段34の端部まで、搬送される。
【0028】
なお、搬送手段34は、電池素子本体1を把持した把持機構35を組立装置39に搬送後、把持機構35を移載手段32側に戻す。
【0029】
仮取付装置Bは、搬送手段37と、第4の把持機構38と、第1の組立装置39と、組付ヘッド40と、チャック押え機構70とチャック72を有した組立装置部把持機構(第3の把持機構)36を備えている。
【0030】
搬送手段37は、搬送手段34と同様にボールネジ、タイミングベルト、ラックアンドピニオン等のモータ駆動またはエアシリンダ駆動等にて構成され、帯状の搬送手段本体上に、図22に示すように水平回転機構81が載置固定され、水平回転機構81に把持機構38が載置固定され、水平回転機構81により把持機構38全体が水平方向に回転させられるようになっている。
【0031】
把持機構38は把持機構本体80aと、把持機構本体80aに開閉可能に支持され、図15〜図19に示すように、電池素子本体1の偏平な外周面部を把持可能であって、電池素子本体1の偏平な外周面部を把持可能で、各々電池素子本体1の偏平な外周面部であって露出金属箔部6を除く中央部とそれぞれ接触する部分に傾斜面部76を有し全体として等脚台形形状の凹部を有する断面板状の2枚のチャック80bを備えている。このように把持機構38が搬送手段37に載置固定され、把持機構38が搬送手段本体上の上流端部及び下流端部間を往復移動するようになっている。
【0032】
搬送手段37を挟んで両側にそれぞれ組立装置39が配設され、組立装置39の対向する側面に組付ヘッド40が取付けられ、組付ヘッド40により組立装置39内に収納されている図4又は図5の多数の集電部材8が図17及び図18に示す状態で順次電池素子本体1に供給され、仮取付けされる。
【0033】
把持機構36は、搬送手段37と搬送手段34の間に設置され、図15〜図19に示すように、電池素子本体1の偏平な外周面部を把持可能であって、電池素子本体1の偏平な外周面部を把持可能で、各々電池素子本体1の偏平な外周面部であって露出金属箔部6近くの端部をそれぞれ接触する部分に傾斜面部を有し全体として台形の両脚部の長さが異なり、脚部の長さの短い側に集電部材を供給し取付する為の逃がし部71を形成した不等脚台形形状の凹部を有する断面板状の4枚のチャック72を備えている。各チャック72の上面側及び下面側に各々チャック押え機構70を備え、この上側のチャック押え機構70と上側のチャック72が連結され、また下側のチャック押え機構70と下側のチャック72が連結され、各チャック72により電池素子本体1の偏平な外周面部を把持すると共に各チャック72の把持中心軸74を、電池素子本体1の巻回中心軸54に合わせることができるようになっていて、各チャック72とチャック押え機構70の当接部近くには、上流側から把持機構35のチャック60bを挿入する為であり、下流側から把持機構38のチャック80bを挿入する為のチャック間隙部73を備えている。
【0034】
図16、図17は、チャック72間に、搬送手段34に載置固定され、把持機構35のチャック60bにより電池素子本体1が把持された状態(図16はチャック72が電池素子本体1の外周面とは離れている状態)で挿入されている。
【0035】
図1は、チャック72間に把持機構35のチャック60bと、把持機構38のチャック80bが挿入されていない状態であり、ここで把持機構35に把持された電池素子本体1を搬送手段34で搬送し、把持機構36近くまで搬送し、図16に示すようにチャック72の間に、把持機構35のチャック60bを挿入する。
【0036】
次に図17に示すように組立装置39の壁面にある組付ヘッド40により図4又は図5に示す集電部材8を支持した状態で電池素子本体1の巻回中心軸54の両端部に集電部材8をそれぞれ当接させ、チャック押え機構70によりチャック72を図17の矢印方向に閉じて電池素子本体1の外周面を把持させた後、組付ヘッド40により集電部材8を電池素子本体1に仮取付けし、把持機構35のチャック60bを開き、把持機構35を搬送手段34により把持機構36から図1の移載手段32近くに退避させる。
【0037】
その後、組付ヘッド40を組立装置39の壁面側に戻し、把持機構38を搬送手段37により把持機構36側に搬送し、図18に示すようにチャック80bを把持機構36のチャック72間に挿入し、図19に示すように把持機構38のチャック80bを閉じて電池素子本体1の外周面に接触させて電池素子本体1を把持すると共に、把持機構36のチャック72を開き、把持機構38のチャック80bを把持機構36から抜くと共に、水平回転機構81により把持機構38を回転させて向きを組立装置45に変えた状態で把持機構38を組立装置45側に搬送させる。
【0038】
把持機構38に把持されている電池素子本体1を把持機構44のチャック90bに把持させた状態で、把持機構38を搬送手段37により組付ヘッド40側に戻すと共に、接合ヘッド46により集電部材8を電池素子本体1に本取付し、その後移載手段43により把持機構44を上下方向及び水平方向に移動させると共に、把持機構44のチャックに把持されている電池素子本体1を把持機構42のチャック90bに把持させ移載した後に、移載手段43により把持機構44を図1の組立装置45の接合ヘッド46側に戻す。その後、チャック90bにより電池素子本体1を把持した把持機構42を搬送手段41により、電池素子本体1は、図示しない電池缶内に電池素子本体1を収納する組立装置側の把持機構に引渡されると共に、把持機構42は搬送手段41により図1の状態に戻される。
【0039】
露出金属箔部6には、図4又は図5に示す集電部材8が接合され、集電部材8は電池素子本体1の電荷を外部に取り出すためのもので、ここで用いる集電部材8は、大容量二次電池の場合、電池素子本体1の形状と発電供給する電流値が大きく、集電部材も大型化する為、例えば、図4又は図5に示す形状の集電部材8を用いる。
【0040】
集電部材8は、図4に示すようにほぼI字状の外部取出部9aとL字状の接合部9bが一体に形成され、接合部9bを電池素子本体1の軸方向端部から内周空洞部7へ挿入し、露出金属箔部6の接合部10に超音波溶接、レーザ溶接、電子ビーム溶接等により接合される。
【0041】
また、集電部材8は、図5に示すように帯状の一端部をL字状に折曲した折曲部9cと、帯状の他端部をコ字状に折曲した接合部9dが一体に形成されたもので、接合部9dを電池素子本体1の軸方向端部から内周空洞部7へ挿入し、露出金属箔部6の接合部10に超音波溶接、レーザ溶接、電子ビーム溶接等により接合される。
【0042】
図18は、図17のチャック72内から把持機構35を抜いて、電池素子本体1が把持された状態のチャック72に、把持機構38の把持機構本体80aに開閉可能に設けられた上下方向に伸びる板状の2枚のチャック80bを挿入し組合わせた状態を示している。
【0043】
図19はチャック72により電池素子本体1の外周面が把持されていたのを解除し、把持機構38のチャック80bにより電池素子本体1の外周面を把持し、かつ集電部材8を仮取付けした組付ヘッド40を組立装置39の外周面側に戻した状態を示している。
【0044】
図22は、把持機構38が水平回転機構81により水平方向に回転可能に支持され、水平回転機構81は搬送手段37に載置固定され、搬送手段37により水平回転機構81は搬送手段37の一端部から他端部間を往復動作するようになっている。
【0045】
図23は、把持機構38が垂直回転機構82により垂直回転可能に支持され、垂直回転機構82は搬送手段37に載置固定され、搬送手段37により垂直回転機構82は搬送手段37の一端部から他端部間を往復動作するようになっている。
【0046】
図1のように搬送手段37を挟んで両側に組立装置39が配設され、組立装置39の対向する外壁面にそれぞれ組付ヘッド40を備えており、組付ヘッド40の対向する位置、つまり搬送手段34と、搬送手段37の間に把持機構36を配設している。把持機構36は、電池素子本体1を把持するためのものであって対向位置にあるもの同士の間隔をそれぞれ調整可能な4枚のチャック72を備え、各チャック72を背面側から押さえ、チャック72の間にある電池素子本体1を間接的に押えるチャック押え機構70を備えている。
【0047】
このような仮取付装置Bにより、搬送手段34で搬送された把持機構35のチャック60bにより把持された電池素子本体1は、把持機構36に把持され、組付ヘッド40により集電部材8が仮取付けされ、仮取付けされた電池素子本体1は把持機構38のチャック80bに把持されて搬送手段37により搬送手段41の端部近くまで搬送される。
【0048】
本取付装置Cは、第4の搬送手段41と、第5の把持機構44と、第6の把持機構42と、移載手段43と、組立装置45と、接合ヘッド46を備えている。搬送手段41は、搬送手段34、37と同様に構成され、帯状の搬送手段本体上に、把持機構42を備えている。
【0049】
把持機構42は、把持機構本体90aと、把持機構本体90aに開閉可能に取付けられ、電池素子本体1の偏平な外周面部を把持可能で、各々電池素子本体1の偏平な外周面部であって露出金属箔部6を除く中央部とそれぞれ接触する部分に傾斜面部52を有し全体として等脚台形形状の凹部を有する断面板状の2枚のチャック90bを備えた把持機構42が載置固定され、把持機構42が搬送手段本体上の上流端部及び下流端部間を往復移動するようになっている。
【0050】
移載手段43は、XYZ直交移動型のアクチュエータ又は多関節型ロボットからなり、把持部のθ回転機能と把持機構33と同様に4本のチャックからなる把持機構44を備えている。把持機構44を支持し、これを垂直方向に移動させるための支柱43a及び支柱43aを水平方向に移動させるための支柱43bを備えている。
【0051】
把持機構44は、前述の把持機構33と同様に、把持機構本体150aと、把持機構本体150aに開閉可能に取付けられ、電池素子本体1の電池素子本体1の外周面であって露出金属箔部6近くの端部を把持するための断面正四角形状の4本の棒状のチャック150bを有し、各チャック150bは、電池素子本体1の外周面を把持すると共に把持中心軸51に対して、上下左右対称位置にある台形形状部52を有し、また把持機構本体150aとチャック150bとの支持部分に把持動作時のチャック間距離55を一定にするための、把持動作の位置制御機構又は当て止め機構例えば上下にそれぞれ配設されたストッパ53を備えている。
【0052】
組立装置45は、集電部材8と電池素子本体1の露出金属箔6とを、例えば超音波溶接、レーザ溶接により本接合するものであり、組立加工において電池素子本体1を組立装置側へ供給するものである。
【0053】
接合ヘッド46は組立装置45の外壁面に上下方向に移動可能に設けられ、接合ヘッド46により把持機構44により把持された電池素子本体1の露出金属箔部6に集電部材8の接合部10が本接合される。
【0054】
このように構成された本取付装置Cは、把持機構44に把持された集電部材8が接合された電池素子本体1を搬送手段41上に載置固定された把持機構42に移載後、把持され、搬送手段41により、次の搬送路である電池素子本体1を電池缶内に挿入組立を行う組立装置(図示せず)に送られる。この組立装置に電池素子本体1が送られたら、搬送手段41は搬送手段37側に戻り、これにより搬送手段41に載置固定された把持機構42も搬送手段37側に戻り、次の電池素子本体1に対して集電部材8の接合に備える。
【0055】
なお、組立装置45の下流側、すなわち電池素子本体1と集電部材8の接合後に、図示しない組立装置により絶縁処理がなされると共に、図示しない電池缶体内に電池素子本体1と集電部材8を収納し、電解液を注入後、電池缶を封止するように構成されている。
【0056】
図6及び図8の状態、つまり昇降機構31に巻回装置21からの電池素子本体1が載置され、各上下のチャック50bは最大間隔に開いた状態で、把持機構33の把持中心軸51と電池素子本体1の巻回中心軸54がずれた状態にある。この状態から各上下のチャック50bを図9に示すように上下のストッパ53が当接するまで(チャック間距離55となるまで)閉じていくと、ストッパ53の台形形状部52に電池素子本体1の角部が当設すると共に、ストッパ53の中央部が矢印のごとく電池素子本体1の中央部に当設し、かつ把持中心軸51と巻回中心軸54が一致したら、昇降機構31は最初の状態に戻る。この結果、電池素子本体1の外形形状の固定と位置決めができ、次のような問題点を改善できる。すなわち、電池素子本体1は、前述のように帯状の正極板2と負極板3である電極材とセパレータ4を巻回した構成であることから弾性を有した巻回体となり、自重又は外力加圧により電池素子本体1の楕円の短辺方向の寸法である厚み寸法と楕円の長辺方向の寸法である幅寸法が変化し、電池素子本体1のある外周部を治具で固定した位置基準に押し当てる位置決め方法では、電池素子本体の弾性変形により外形形状が定まらない問題点である。
【0057】
以上述べた第1の実施形態の電池の組立システムによれば、巻回装置21からの弾性体である、電池素子本体1を搬出コンベア30により搬送し、搬出コンベア30の終端部近くで、図8のように昇降機構31で電池素子本体1を搬出コンベア30の上面より上昇させると共に把持機構33で電池素子本体1を把持し、電池素子本体1を把持した把持機構33を移載手段32により上方向に持ち上げると共に下流側方向に移動させて図9、図10のように電池素子本体1を把持した把持機構33を把持機構35に組み合わせる。把持機構35が電池素子本体1を把持すると、把持機構33が電子素子本体1の把持を外し、移載手段32は把持機構35から把持機構33の組み合わせを解き、移載手段32は把持機構33を下流側方向、上部方向、上流側方向に移動させて搬出コンベア30の端部に戻す。
【0058】
把持中心に押える凹形状部を有する把持機構にて電池素子本体1の外周面部を一定量押えることにより、電池素子本体1の外形を固定し、電池素子本体1の巻回中心軸54を把持機構33の把持中心軸51に位置決めし、巻回軸方向位置は電池素子本体1の両端部を非接触位置測定手段57にて測定し、測定量に基づいて把持機構の位置を移動し定位置に位置決めする構成としたので、電池素子本体1の外形形状の固定と位置決めができる。
【0059】
電池素子本体1の移載において、受渡し側の把持機構33と受取り側の把持機構35は、巻回軸方向の両端部と中央部の互いに干渉しない位置を把持し、電池素子本体1の外周面部を固定する、同じチャック形状の把持機構にて双方の把持中心軸を一致させ、同時に電池素子本体1を把持することにより、電池素子本体1の露出金属箔部6を損傷することなく、電池素子本体1の外形固定と位置決めを保持して、組立装置39による組立工程を搬送することができる。従って搬送途中にて位置ずれがないため、組立装置39にて電池素子本体1を位置決めする機構が不要である。また、特許文献1、2のようにトレイ保管を行なわない搬送方法のため、トレイへ電池素子本体を移載する移載機、電池素子本体を収納したトレイを搬送するコンベヤ、トレイを段積み及び段ばらしする装置、トレイから電池素子本体を取り出す移載機、空トレイのリターンコンベヤが不要となり、搬送装置の費用と設置スペースを削減できる。巻回装置と組立装置間に電池素子本体の中間ストックがないために、巻回装置にて発生した品質異常の発覚が遅れることがなくなる。
【0060】
次に、組立装置39にて、例えば、集電部材8を電池素子本体1へ供給し取付ける組立加工の動作を図16〜図19にて説明する。搬送手段34の把持機構35は、移載手段32の把持機構33から受取った電池素子本体1を把持により位置決めを保持し、搬送手段34の下流側端部へ電池素子本体1を把持した状態で搬送する。搬送手段34の把持機構35が組立装置39の把持機構36のチャックが開いた状態部へ電池素子本体1を移載する。この移載位置は、把持機構35と把持機構36の把持中心軸が一致する位置74とする(図16)。
【0061】
次に、把持機構36のチャック72が把持機構35の把持厚み55の位置まで押え、電池素子本体の位置を保持する(図17)。組立装置39の図示しない部品供給部から集電部材8を取り出し位置決め後、組付ヘッド40が集電部材8を把持し、電池素子本体1の内周空洞部(巻回中央部)7へ供給し位置を保持する。
【0062】
次に、把持機構35が電池素子本体の把持を外し、搬送手段34は待機位置へ復帰する。次に下流側の搬送手段37の把持機構38が把持機構36部へ挿入し(図18)、電池素子本体1を把持厚み75まで押え把持する(図19)。把持機構38のチャックが電池素子本体1を厚み方向に押え、チャックの台形形状部76が電池素子本体1を集電部材側へ加圧し、把持機構38のチャック形状部77を位置決め基準として集電部材7と電池素子本体が位置決めされ、保持される。次に、集電部材8の組付ヘッド40と把持機構35が把持を外し、組付ヘッド40と搬送手段34が初期位置へ回帰する。
【0063】
以上述べた実施形態1の電池素子本体の位置決め搬送装置によれば、電池素子本体1の外形形状の固定と位置決め状態を保持し、露出金属箔部6を損傷することなく、電池素子本体1への集電部材の取付けも行い、搬送手段34から搬送手段37へ電池素子本体1を受け渡すことができる。
【0064】
組立装置45は、例えば、超音波溶接、レーザ溶接により集電部材8と、電池素子本体1の露出金属箔部6を溶接する際に、複数ヶ所の接合を行なう為に位置固定した接合ヘッド(加工ヘッド)46に対して被加工物側を移動させ、接合を行なうものである。
【0065】
移載手段43の把持機構44が上流側の搬送手段37の把持機構38から電池素子本体1と集電体8を位置決め保持した状態で受け取り、接合ヘッド46部へ電池素子本体1を移動し、溶接位置を変え、電池素子本体1の露出金属箔部6と集電部材8の複数ヶ所の接合を行なう。接合が完了すると移載手段43が電池素子本体1を搬送手段41の把持機構42へ移載し、把持機構42の把持により電池素子本体は位置決め保持され、下流側へ搬送される。
【0066】
以上により、電池素子本体1の外周面部(外形形状)の固定と位置決め状態を保持し、露出金属箔6を損傷することなく、搬送手段37から組立装置45への電池素子本体の供給と搬送手段41への戻しを行うことができる。下流側工程の組立装置においても組立装置39または組立装置45と同様の位置決め保持、搬送、組立加工が行なわれる。
【0067】
この結果、実施形態1の電池素子本体の位置決め搬送装置によれば、巻回装置21にて巻回した電池素子本体1を、後工程の組立装置へ搬送する際に、特許文献1、2のようにトレイを使用せず、電池素子本体単位にて連続的に自動搬送することができ、トレイを使
用することによる問題点が改善できる。具体的には、巻回装置とこの後工程の組立装置の間に使用していた、トレイへ電池素子本体を移載する移載機、電池素子本体を収納したトレイを搬送するコンベヤ、トレイを段積み及び段ばらしする装置、トレイから電池素子本体を取り出す移載機、空トレイのリターンコンベヤが必要なくなり、トレイ搬送に必要な装置コストと装置設置スペースが小さくてすむ。また、実施形態1によれば、トレイ保管による工程間のストックを行うことがないので、巻回装置にて発生した品質異常の発覚が遅れ、不良品を増大させるおそれも少なくなる。さらに、電池素子本体を位置決め後にトレイに収納する場合は、トレイ搬送中またはトレイからの取出し時に電池素子本体に位置ずれが生じるおそれがあり、トレイから電池素子本体を取り出し、組立装置へ供給する前に位置決めを行なう必要があり、組立装置は各組立工程毎に複数種あり、さらに製造量が増加する場合においては、同一種の組立装置が多数台必要となり、しかも組立装置の台数増加と共に位置決め機構の台数が増加し、位置決め機構の装置コストの増加が問題となるが、実施形態1ではこれらの問題点を改善できる。
【0068】
特許文献3のように、電池を位置決めし、かつ組立装置へ搬送する方法に使用する搬送治具は、加圧により変形がない電池缶の外形を押えて外形形状により位置決めするものであり、巻回後の電池素子本体のような弾性体に適用する場合は加圧により外形形状が変化してしまい、位置決めが定まらないという問題点があり、電池素子本体のように正極板、負極板の両側に脆弱な金属箔が露出している露出金属箔部がある場合には、搬送治具と露出金属箔部が接触し露出金属箔部を変形させてしまうという問題点、更には電池素子本体の正極板と負極板の両側からの組立加工ができないという問題点があるが、実施形態1ではこれらの問題点を改善できる。
【0069】
特許文献4のように、電池を位置決めし、かつ組立装置へ搬送する方法に使用する搬送治具は、薄型電池の中間製品について電流取り出し端子の損傷を防ぐものであるが、特許文献3と同様の問題点がある。
【0070】
搬送手段37の把持機構38は電池素子本体1を把持し、電池素子本体1を把持した状態で下流側の終端部へ搬送する。このとき、把持機構38は、図22に示すように水平方向に180°回転する水平回転機構81か、又は図23に示すように垂直方向に180°回転する垂直回転機構82を備えることにより、上流側に向けて受け取った電池素子本体1を反転し下流側へ向けることができる。
【0071】
搬送手段37の終端部にて下流側の搬送手段43の把持機構44への電池素子本体1の受渡しを待機する。搬送手段37の把持機構38に水平回転機構81または垂直回転機構82を有することにより、図1の電池の組立システムのみならず、電池素子本体1の姿勢方向を組立装置側の組立加工条件に合わせて変更することができる。
【0072】
(実施形態2)
次に実施形態2を説明する。図24はこの発明の実施の形態2における電池の組立システムの全体を示す斜視図、図25〜図27、図31は搬送治具190の斜視図、図28〜図30、図32〜図35、図36〜38は搬送治具190、197の動作を示す断面図である。前述の実施の形態1では装置間の搬送は電池素子本体1を把持する把持機構が往復移動を行なう搬送手段によるものであるが、実施の形態2における装置間の搬送は電池素子本体1を位置決め保持する搬送治具190とその搬送を行うコンベヤ47(a)、47(b)によるものである。コンベヤは底面が平滑な搬送治具190を搬送するものであればよく、一般にはフリーフローコンベヤ、ベルトコンベヤ等によるものである。図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0073】
次に、図25〜図27、図28〜図30に基づいて搬送治具190について説明する。搬送治具190は電池素子本体1を位置決めして保持する上板94、下板101とその締結部にて構成する。上板と下板は前述の把持機構と同様に樹脂製チャック部に位置決めの為の台形形状部108を備えている。締結部には、下板に固定接続され、上端に上板位置を規制するストッパ102を有する4本のシャフト106を備えている。上板のシャフト106が通る穴部にはシャフトガイド109を備え、シャフトガイドと下板間には、上板を支持する圧縮ばね104を備えている。圧縮ばね104の作用により、上板はストッパ102の位置に押付けられているが、上板を上部から押えると圧縮ばね104の弾性変形により上板の位置が降下する機構である。さらに、下板には下板に固定されている軸105を支点に回転できるクランプ爪95を備え、軸105に取付けたばね96が下板側面部とクランプ爪95の下部とを加圧する機構である。ばね96の作用によりクランプ爪95の上部は上板側に倒れ支持される。上板を押し下げるとクランプ爪95が上板の溝穴103に入り、上板の高さを定位置に保持する機構である。
【0074】
図36〜図38に示すように、搬送治具197は引張りばね125を利用するものでもよい。搬送治具197は上板94と下板101とに接続する引張りばね125、上板94に固定されたストッパ126、上板の把持形状部127を備えている。引っ張りばね125は上板94を下板101側へ引っ張る荷重を上板94に掛けており、ストッパ126が上板と下板間の距離を固定する。上板の把持形状部127は、外部機構が把持して上板を上昇させる部分であり、溝穴または突起形状であればよい。
【0075】
外部機構が把持形状部127を把持し、搬送治具197の上板を持ち上げた状態にて、把持機構33が電池素子本体を把持し、把持機構33の把持中心軸92と搬送治具の把持中心軸93を一致させるように移載する。外部機構が上板を下げ、その把持を外す。引張りばね125の作用により、電池素子本体は上板と下板にて外形形状の固定と位置決めが行われる。前述と同様に、電池素子本体1の外形形状の固定と位置決めを行い、それを保持して搬送することができる。
【0076】
図39は2個の巻回体130を重ね、テープ131の貼付けにて固定したものである。また、図40は2個の巻回体130を重ね、周囲にシート材132を巻き、テープ131を貼付け結束したものである。図41は3個の巻回体を結束したものである。図39〜図41の例に示すように、複数の巻回体を結束した状態において、巻回軸に垂直な断面形状にて上下左右が対称形状であり、角部が曲面をなし、弾性変形する巻回形状体よりなる電池素子本体についても、図42、図43に示すように搬送手段または移載手段の把持機構133、134、或いは搬送治具134の把持により、電池素子本体の外形形状の固定と位置決めを行い、それを保持して搬送することができる。
【0077】
以上述べた第2の実施形態によれば、電池素子本体1は帯状の正極板2、負極板3及び帯状のセパレータ4を巻回した構成であるため、弾性を有した固体となるが、電池素子本体1の外周面の固定及び位置決めができる電池の組立システム及び電池素子本体の位置決め搬送装置を提供できる。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0079】
前述した実施形態の電池素子本体の構造としては、主に次に述べる第1及び第2の方式があり、このいずれにも本発明を適用できることは言うまでもない。第1の方式は、正極板、負極板、セパレーターを巻回し形成した電池素子の端部の露出金属箔部に電荷を外部に取り出す為の集電部材を接合し、集電部材付きの電池素子を電池缶へ挿入後、電池缶の蓋を取り付け、封止するものである。
【0080】
第2の方式は、正極板に正極リード(正極タブ)を、負極板に負極リード(負極タブ)を接合し、セパレーターを挟んで巻回し電池素子を形成し、リード付き電池素子本体を電池缶へ挿入し、第1の方式と同様に電池缶に挿入し、封止するものである。
【0081】
なお、巻回し形成した電池素子の正極板、負極板を電池缶の外部に露出する正極端子、負極端子へ接続する構造は、実施形態に示した形状の集電部材を用いて接続するもの以外に種々ある。
【0082】
前述の実施形態の例えば把持機構33のチャック50bの把持面部52は、3点接触となるように等脚台形形状の凹形状部を例示したが、この把持面部52の傾斜面部52bのみを、図12に示すように電池素子本体1の巻回外周面形状に合う曲面56としてもよい。また、図44に示すように把持機構33のチャック50cの把持面部52は、2点接触となるようにV字状(山形状)の凹形状部としてもよい。さらに図45に示すように把持機構33のチャック50dの把持面部52は、面接触となるように円弧形状の凹形状部、つまり把持中心軸51に対して上下左右に軸対称な形状のものとしてもよい。以上述べたことは、前述したチャック60b、72b、80b、90b、150bのいずれに適用してもよい。
【0083】
本発明の位置決め搬送装置は、正極板と負極板とセパレータを巻回して形成した電池素子本体であれば、何でも適用できる。この場合、電極板の露出金属箔部は、図2のように巻回後の電池素子は両端部に露出金属箔(負極金属箔と正極金属箔)が形成されている例であるが、これとは異なり巻回後の電池素子の片側のみに露出金属箔が形成されたものについても、本発明の位置決め搬送装置は適用できる。
【0084】
また、前述の実施形態において、仮取付装置B、本取付装置Cの一例として図4又は図5を参照して電池素子本体と集電部材を溶接等による接合方法について説明したが、これに限定されず何らかの手法により取付けられるものであれば何でもよい。
【0085】
さらに、前述の実施形態における図8、図9、図10、図11、図12、図13、図16、図17、図28、図29、図30、図32、図33、図34、図36、図37、図38、図44、図45に示したストッパ53は、把持機構33以外の把持機構35、36、38、42、44、133、134にも適用してもよく、ストッパ53に代わるものであってもよい。
【0086】
前述の実施形態の電池の組立システムは、図示しない制御装置により巻回装置21において電池素子本体1を得、これを搬出コンベア30、昇降機構31、移載手段32、搬送手段34、組立装置39、搬送手段37、組立装置45、移載手段43を順次自動的に搬送したり、これらに受け取り、受け渡すための把持機構33、35、36、38、42、44、133、134に電池素子本体1を把持させる動作等の全てが自動的に動作するようになっているが、用途等によっては部分的に半自動で行われるシステムであってもよい。
【符号の説明】
【0087】
1…電池素子本体、2…正極板、3…負極板、4…セパレータ、5…電極材塗工部、6…露出金属箔部、7…電池素子本体の内周空洞部、8…集電部材、9…集電部材の接合部、10…接合部、11…電池素子本体の厚み、12…電池素子本体の幅、13…電池素子本体の長さ、21…巻回装置、22…組立装置、30…巻回後搬出コンベヤ、31…昇降機構、32…移載手段、33…把持機構(受渡し側の把持機構)、34…搬送手段、35…把持機構(受取り側の把持機構)、36…組立装置部把持機構、37…搬送手段、38…把持機構、39…組立装置、40…組付ヘッド、41…搬送手段、42…把持機構、43…移載手段、44…把持機構、45…組立装置、46…接合ヘッド、47(a)…搬送コンベヤ、47(b)…リターンコンベヤ、48(a)、48(b)…搬送治具上板押え機構、49…クランプ動作機構、50…チャック、51…把持機構の把持中心軸、52、62…チャックの把持面部、53…チャックのストッパ、54…電池素子本体の巻回中心軸、55…位置決め後の電池素子本体の厚み、56…チャック形状、57…位置測定手段、58…電池素子本体の巻回軸方向長さ、58(a)、58(b)…電池素子本体の端面位置、59…電池素子本体の巻回軸方向長さ中心位置、60…搬送手段把持機構のチャック、70…チャック押え機構、71…チャック逃がし部、72…組立部把持機構のチャック、73…チャック間隙部、74…把持中心軸、75…位置決め後の電池素子本体の厚み、76…チャック台形形状部、77…チャック位置決め形状部、80…搬送手段把持機構のチャック、81…水平回転機構、82…垂直回転機構、190…搬送治具、91…搬送治具の把持幅中心、92…把持中心軸、93…把持中心軸、94…上板、95…クランプ爪、96…ばね、97…搬送治具、101…下板、102…ストッパ、103…上板溝穴、104…圧縮ばね、105…軸、106…シャフト、108…チャック台形形状部、109…シャフトガイド、110…クランプ爪の回転方向、111…上板押え手段、113…クランプ爪、115…軸、116…クランプ爪、118…ばね、119…ばね、121…チャック位置決め形状部、122…チャック台形形状部、125…引張りばね、126…ストッパ、127…上板把持形状部、130…巻回体、131…テープ、132…シート材、133…把持機構、134…把持機構、135…搬送治具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極板と、負極板と、前記正極板と前記負極板の間並びに前記正極板又は前記負極板の外周面に配設されるセパレータからなり、
前記正極板は帯状の導電板からなり、この長手方向と直交する端部に露出金属箔部が前記長手方向に沿って形成され、かつ前記導電板の前記露出金属箔部以外の中央部に電極材塗工部が前記長手方向に沿って形成されたものであり、
前記負極板は帯状の導電板からなり、この長手方向と直交する端部に露出金属箔部が前記長手方向に沿って形成され、かつ前記導電板の前記露出金属箔部以外の中央部に電極材塗工部が前記長手方向に沿って形成されたものであり、
前記正極板と前記負極板と前記セパレータを同一の中心軸の周りに巻回することにより端部に露出金属箔部があり、前記中心軸の端部から見て楕円筒状になるように整形してなる電池素子本体の電荷を外部に取り出す為の集電部材を前記電池素子本体に接合する場合に使用するものであって、
位置決め把持装置本体と、前記位置決め把持装置本体において一端部がそれぞれ互いの対向間隔を任意に調整可能に設けられ、前記電池素子本体の巻回中心軸及び楕円の長辺を含む断面に対して平行になるように前記電池素子本体の外周面であって前記露出金属箔部を除く前記電池素子本体の巻回中心軸方向の中央位置部を把持可能で、各々前記電池素子本体の露出金属箔部を除く前記巻回中心軸方向の中央位置部の外周面を接触し、把持中心へ押える凹形状部を有する2個の板状のチャックをその板面が水平方向となるように備えた把持機構を有し、前記各チャックを前記電池素子本体の外周面で中央位置部に当接させることで、前記電池素子本体の巻回中心軸と、前記把持機構の把持中心軸が一致するように構成したことを特徴とする電池素子本体の位置決め搬送装置。
【請求項2】
正極板と、負極板と、前記正極板と前記負極板の間並びに前記正極板又は前記負極板の外周面に配設されるセパレータからなり、
前記正極板は帯状の導電板の長手方向の中央部に電極材塗工部が形成され、かつ前記電極材塗工部に隣接する端部に露出金属箔部が形成されたものであり、
前記負極板は帯状の導電板の長手方向の中央部に活物質塗工部が形成され、かつ前記電極材塗工部に隣接する端部に露出金属箔部が形成されたものであり、
前記正極板と前記負極板と前記セパレータを同一の中心軸の周りに巻回することにより端部に露出金属箔部があり、前記中心軸の端部から見て楕円筒状になるように整形してなる電池素子本体の電荷を外部に取り出す為の集電部材を前記電池素子本体に接合する場合に使用するものであって、
位置決め把持装置本体と、前記位置決め把持装置本体において一端部がそれぞれ互いの対向間隔を任意に調整可能に設けられ、前記電池素子本体の巻回中心軸及び楕円の長辺を含む断面に対して平行になるように前記電池素子本体の外周面であって前記露出金属箔部近くで前記露出金属箔部を除く外周面端部を把持可能で、各々前記電池素子本体の露出金属箔部を除く前記巻回中心軸方向の外周面を接触し、把持中心へ押える凹形状部を有する4個の棒状のチャックを水平方向となるように備えた把持機構を有し、前記各チャックを前記電池素子本体の外周面端部に当接させることで、前記電池素子本体の巻回中心軸と、前記把持機構の把持中心軸が一致するように構成したことを特徴とする電池素子本体の位置決め搬送装置。
【請求項3】
正極板と、負極板と、前記正極板と前記負極板の間並びに前記正極板又は前記負極板の外周面に配設されるセパレータからなり、
前記正極板は帯状の導電板からなり、この長手方向と直交する端部に露出金属箔部が前記長手方向に沿って形成され、かつ前記導電板の前記露出金属箔部以外の中央部に電極材塗工部が前記長手方向に沿って形成されたものであり、
前記負極板は帯状の導電板からなり、この長手方向と直交する端部に露出金属箔部が前記長手方向に沿って形成され、かつ前記導電板の前記露出金属箔部以外の中央部に電極材塗工部が前記長手方向に沿って形成されたものであり、
前記正極板と前記負極板と前記セパレータを同一の中心軸の周りに巻回することにより端部に露出金属箔部があり、前記中心軸の端部から見て楕円筒状になるように整形してなる電池素子本体の電荷を外部に取り出す為の集電部材を前記電池素子本体に接合する場合に使用するものであって、
一端部がそれぞれ互いの対向間隔を任意に調整可能に設けられ、前記電池素子本体の巻回中心軸及び楕円の長辺を含む断面に対して平行になるように前記電池素子本体の外周面であって前記露出金属箔部近くで前記露出金属箔部を除く外周面端部を把持可能で、各々前記電池素子本体の露出金属箔部を除く前記巻回中心軸方向の外周面端部を接触し、把持中心へ押える凹形状部を有し、その板面が垂直方向となるように備えた4個の板状のチャックと、前記各チャックに対して電池素子本体を押圧するチャック押え機構とを有し、前記各チャックを前記電池素子本体の前記露出金属箔部近くで前記露出金属箔部を除く外周面端部に当接させることで、前記電池素子本体の巻回中心軸と、前記把持機構の把持中心軸が一致するように構成したことを特徴とする電池素子本体の位置決め搬送装置。
【請求項4】
前記電池素子本体の巻回軸方向位置は前記電池素子本体の両端部の位置を測定する非接触位置測定装置にて測定し、前記測定量に基づいて前記把持機構の中心位置を移動し、前記電池素子本体の巻回中心軸方向の位置決めをする制御手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電池素子本体の位置決め搬送装置。
【請求項5】
前記把持機構は、搬送手段上の上流と下流間にて往復動作をするものであり、上流端位置にてチャックを閉じ電池素子本体を把持し、電池素子本体の外形形状と位置決めを保持した状態で下流へ移動し、下流端にてチャックを開き、下流側の移載手段の把持機構に電池素子本体を受け渡した後、上流端へ移動する動作を行うことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電池素子本体の位置決め搬送装置。
【請求項6】
前記把持機構は、複数ありこれらは上流と下流間にて往復動作をするものであり、チャックが水平回転機構または垂直回転機構を介して支持されるようにし、把持した電池素子本体の姿勢の位置制御を行なうことを特徴とする請求項5に記載の電池素子本体の位置決め搬送装置。
【請求項7】
前記把持機構は複数あって上板と下板とその締結部とからなり、締結部は上板と下板間に作用するばねと上板を上下にスライドさせる機構と上板と下板間の距離を固定するする支持具を備え、電池素子本体の外形形状と位置決めを保持した状態で搬送手段上を搬送する搬送治具を用いることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電池素子本体の位置決め搬送装置。
【請求項8】
前記把持機構は複数あり、前記電池素子本体の移載において、受渡し側の把持機構と受取り側の把持機構は、電池素子本体の巻回軸方向の両端部と中央部との互いに干渉しない位置をそれぞれ把持し、電池素子本体の外周面を接触し、把持中心へ押える同じ凹形状のチャックを有し、双方の把持中心軸を一致させ把持することにより、電池素子本体の外形形状と位置決めを保持しつつ移載することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の電池素子本体の位置決め搬送装置。
【請求項9】
巻回装置と、第1の搬送手段と、昇降機構と、第1の把持機構と、第2の把持機構と、第1の移載手段と、第2の搬送手段を備え、
前記巻回装置は、複数の電池素子本体を得るものであり、前記電池素子本体は、正極板と、負極板と、前記正極板と前記負極板の間並びに前記正極板又は前記負極板の外周面に配設されるセパレータからなり、前記正極板は帯状の導電板の長手方向の中央部に電極材塗工部が形成され、かつ前記活物質塗工部に隣接する端部に露出金属箔部が形成されたものであり、前記負極板は帯状の導電板の長手方向の中央部に電極材塗工部が形成され、かつ前記電極材塗工部に隣接する端部に露出金属箔部が形成されたものであり、前記正極板と前記負極板と前記セパレータを同一の中心軸の周りに巻回することにより両端部に露出金属箔部があり、前記中心軸の端部から見て楕円筒状になるように整形してなるものであり、
前記第1の搬送手段は、前記巻回装置からの電池素子本体をその巻回中心軸と直交する方向に載置させて一方向に搬送するものであり、
前記昇降機構は前記第1の搬送手段の終端近くに設けられ、前記電池素子本体を移載させる際に前記第1の搬送手段上の電池素子本体を上方に昇降させるものであり、
前記第1の把持機構は、把持機構本体と、把持機構本体に対して一端部がそれぞれ互いの対向間隔を調整可能に水平に設けられ、前記電池素子本体の巻回中心軸及び楕円の長辺を含む断面に対して平行になるように前記電池素子本体の外周面であって前記露出金属箔部近くで前記露出金属箔部を除く外周面端部を把持可能で、各々前記電池素子本体の露出金属箔部を除く前記巻回中心軸方向の外周面端部を接触し、巻回中心へ押える凹形状部を有する4個の棒状のチャックとを備え、
前記第2の把持機構は、把持機構本体と、把持機構本体に対して一端部がそれぞれ互いの対向間隔を調整可能に水平に設けられ、前記電池素子本体の巻回中心軸及び楕円の長辺を含む断面に対して平行になるように前記電池素子本体の外周面であって前記露出金属箔部を除く前記電池素子本体の巻回中心軸方向の中央位置部を把持可能で、各々前記電池素子本体の露出金属箔部を除く前記巻回中心軸方向の中央位置部の外周面を接触し、把持中心へ押える凹形状部を有する2個の板状のチャックとを備え、
前記第2の搬送手段は前記第2の把持機構を載置すると共にこれを往復搬送するものであり、
前記第1の移載手段は、前記第1の把持機構を上下方向、左右方向及び前後方向に移動させ、前記第1の把持機構で把持される前記電池素子本体の方向を変えずに、前記電池素子本体が把持された状態の前記第1の把持機構を、前記第2の把持機構に組み合わせると共に、前記第1の把持機構に把持されている前記電池素子本体を前記第2の把持機構に移して把持させるものであり、
前記巻回装置からの前記電池素子本体を前記第1の搬送手段により搬送し、これを前記第1の把持機構で把持し、この電池素子本体が把持された状態の前記第1の把持機構を、前記移載手段により前記第2の把持機構に組み合せられるように移載し、前記第2の把持機構と前記第1の把持機構とが組合せられた状態で前記第2の搬送手段を搬送し、前記第2の搬送手段により把持された電池素子本体を、下流側に存在する組立装置に順次搬送することを特徴とする電池の組立システム。
【請求項10】
第1の組立装置と、第3の把持機構と、第4の把持機構と、第3の搬送手段とを備え、 前記第1の組立装置は、電池素子本体の極板等の巻回方向と直交する軸方向に端部に集電部材を供給し仮取付けするためのものであって組付ヘッドを備え、
前記電池素子本体は正極板と、負極板と、前記正極板と前記負極板の間並びに前記正極板又は前記負極板の外周面に配設されるセパレータからなり、
前記正極板は帯状の導電板からなり、この長手方向と直交する端部に露出金属箔部が前記長手方向に沿って形成され、かつ前記導電板の前記露出金属箔部以外の中央部に電極材塗工部が前記長手方向に沿って形成されたものであり、
前記負極板は帯状の導電板からなり、この長手方向と直交する端部に露出金属箔部が前記長手方向に沿って形成され、かつ前記導電板の前記露出金属箔部以外の中央部に電極材塗工部が前記長手方向に沿って形成されたものであり、
前記正極板と前記負極板と前記セパレータを同一の中心軸の周りに巻回することにより端部に露出金属箔部があり、前記中心軸の端部から見て楕円筒状になるように整形してなり、
前記集電部材は、電池素子本体の電荷を外部に取り出す為の集電部材を前記電池素子本体に接合する場合に使用するものであり、
前記第3の把持機構は、一端部がそれぞれ互いの対向間隔を任意に調整可能に設けられ、前記電池素子本体の巻回中心軸及び楕円の長辺を含む断面に対して平行になるように前記電池素子本体の外周面であって前記露出金属箔部近くで前記露出金属箔部を除く外周面端部を把持可能で、各々前記電池素子本体の露出金属箔部を除く前記巻回中心軸方向の外周面端部を接触し、把持中心へ押える凹形状部を有し、その板面が垂直方向となるように備えた4個の板状のチャックと、前記各チャックに対して電池素子本体を押圧するチャック押え機構とを有し、
前記第4の把持機構は、把持機構本体と、把持機構本体に対して一端部がそれぞれ互いの対向間隔を調整可能に水平に設けられ、前記電池素子本体の巻回中心軸及び楕円の長辺を含む断面に対して平行になるように前記電池素子本体の外周面であって、前記露出金属箔部を除く前記電池素子本体の巻回中心軸方向の中央位置部を把持可能で、各々前記電池素子本体の露出金属箔部を除く前記巻回中心軸方向の中央位置部の外周面を接触し、把持中心へ押える凹形状部を有する2個の板状のチャックとを備え、
前記第3の搬送手段は前記第4の把持機構を搬送面に回転機構を介して支持され、前記第4の把持機構を往復搬送するものであり、
前記第3の把持機構は、上流側に設置されていて前記電池素子本体を把持する第2の把持機構に有するチャック及び前記第4の把持機構に有するチャックを挿入することが可能で、前記第3の把持機構の各チャックを前記露出金属箔部近くで前記露出金属箔部を除く外周面端部に当接することで、前記電池素子本体の巻回中心軸と、前記把持機構の把持中心軸が一致するように構成したものであり、
前記第2の把持機構で把持される前記電池素子本体の方向を変えずに、前記電池素子本体が把持された状態の前記第2の把持機構を、前記第3の把持機構に組み合わせると共に、前記第2の把持機構に把持されている前記電池素子本体を前記第3の把持機構に移して把持させるものであり、
前記第4の把持機構を前記第3の把持機構に組み合わせると共に、前記第3の把持機構に把持されている前記電池素子本体を前記第4の把持機構に移して把持させるものであり、前記第3の把持機構に把持されている前記電池素子本体を前記第4の把持機構に移した後前記回転機構で前記電池素子本体の方向を変更させ、前記電池素子本体を下流側に搬送するようにしたことを特徴とする電池の組立システム。
【請求項11】
第2の組立装置と、第5の把持機構と、第2の移載手段と、第6の把持機構と、第4の搬送手段とを備え、
前記第5の把持機構は、把持機構本体と、把持機構本体に対して一端部がそれぞれ互いの対向間隔を調整可能に水平に設けられ、前記電池素子本体の巻回中心軸及び楕円の長辺を含む断面に対して平行になるように前記電池素子本体の外周面であって前記露出金属箔部近くで前記露出金属箔部を除く外周面端部を把持可能で、各々前記電池素子本体の露出金属箔部を除く前記巻回中心軸方向の外周面端部を接触し、把持中心へ押える凹形状部を有する4個の棒状のチャックとを備え、前記各チャックが水平方向となるようにし、前記各チャックを前記電池素子本体の外周面端部に当接させることで、前記電池素子本体の巻回中心軸と、前記把持機構の把持中心軸が一致するように構成したものであり、
前記第2の移載手段は、前記第5の把持機構を支持し、これを上下方向及び前後方向に移載するものであり、
第6の把持機構は把持機構本体と、把持機構本体に対して一端部がそれぞれ互いの対向間隔を調整可能に水平に設けられ、前記電池素子本体の巻回中心軸及び楕円の長辺を含む断面に対して平行になるように前記電池素子本体の外周面であって前記露出金属箔部を除く前記電池素子本体の巻回中心軸方向の中央位置部を把持可能で、各々前記電池素子本体の露出金属箔部を除く前記巻回中心軸方向の中央位置部の外周面を接触し、把持中心へ押える凹形形状部を有する2個の板状のチャックとを備え、
第4の搬送手段は前記第6の把持機構を往復搬送するものであり、
前記第2の組立装置は、電池素子本体の極板等の巻回方向と直交する軸方向の端部に集電部材を接合するための接合ヘッドを備え、
前記電池素子本体は正極板と、負極板と、前記正極板と前記負極板の間並びに前記正極板又は前記負極板の外周面に配設されるセパレータからなり、
前記正極板は帯状の導電板からなり、この長手方向と直交する端部にそれぞれ露出金属箔部が前記長手方向に沿って形成され、かつ前記導電板の前記露出金属箔部以外の中央部に電極材塗工部が前記長手方向に沿って形成されたものであり、
前記負極板は帯状の導電板からなり、この長手方向と直交する端部にそれぞれ露出金属箔部が前記長手方向に沿って形成され、かつ前記導電板の前記露出金属箔部以外の中央部に電極材塗工部が前記長手方向に沿って形成されたものであり、
前記正極板と前記負極板と前記セパレータを同一の中心軸の周りに巻回すると共に、前記中心軸の端部から見て楕円筒状になるように整形してなり、
前記集電部材は、電池素子本体の電荷を外部に取り出す為の集電部材を前記電池素子本体に接合する場合に使用するものであり、
前記移載手段は前記電池素子本体を把持している前記第5の把持機構を移動させ、前記接合ヘッドで前記電池素子本体と集電部材を接合した後、再び前記第5の把持機構を移動させ、前記集電部材が接合された電池素子を前記第5の把持機構から前記第6の把持機構に移し、前記第4の搬送手段により下流の組立工程に移動させることを特徴とする電池の組立システム。
【請求項1】
正極板と、負極板と、前記正極板と前記負極板の間並びに前記正極板又は前記負極板の外周面に配設されるセパレータからなり、
前記正極板は帯状の導電板からなり、この長手方向と直交する端部に露出金属箔部が前記長手方向に沿って形成され、かつ前記導電板の前記露出金属箔部以外の中央部に電極材塗工部が前記長手方向に沿って形成されたものであり、
前記負極板は帯状の導電板からなり、この長手方向と直交する端部に露出金属箔部が前記長手方向に沿って形成され、かつ前記導電板の前記露出金属箔部以外の中央部に電極材塗工部が前記長手方向に沿って形成されたものであり、
前記正極板と前記負極板と前記セパレータを同一の中心軸の周りに巻回することにより端部に露出金属箔部があり、前記中心軸の端部から見て楕円筒状になるように整形してなる電池素子本体の電荷を外部に取り出す為の集電部材を前記電池素子本体に接合する場合に使用するものであって、
位置決め把持装置本体と、前記位置決め把持装置本体において一端部がそれぞれ互いの対向間隔を任意に調整可能に設けられ、前記電池素子本体の巻回中心軸及び楕円の長辺を含む断面に対して平行になるように前記電池素子本体の外周面であって前記露出金属箔部を除く前記電池素子本体の巻回中心軸方向の中央位置部を把持可能で、各々前記電池素子本体の露出金属箔部を除く前記巻回中心軸方向の中央位置部の外周面を接触し、把持中心へ押える凹形状部を有する2個の板状のチャックをその板面が水平方向となるように備えた把持機構を有し、前記各チャックを前記電池素子本体の外周面で中央位置部に当接させることで、前記電池素子本体の巻回中心軸と、前記把持機構の把持中心軸が一致するように構成したことを特徴とする電池素子本体の位置決め搬送装置。
【請求項2】
正極板と、負極板と、前記正極板と前記負極板の間並びに前記正極板又は前記負極板の外周面に配設されるセパレータからなり、
前記正極板は帯状の導電板の長手方向の中央部に電極材塗工部が形成され、かつ前記電極材塗工部に隣接する端部に露出金属箔部が形成されたものであり、
前記負極板は帯状の導電板の長手方向の中央部に活物質塗工部が形成され、かつ前記電極材塗工部に隣接する端部に露出金属箔部が形成されたものであり、
前記正極板と前記負極板と前記セパレータを同一の中心軸の周りに巻回することにより端部に露出金属箔部があり、前記中心軸の端部から見て楕円筒状になるように整形してなる電池素子本体の電荷を外部に取り出す為の集電部材を前記電池素子本体に接合する場合に使用するものであって、
位置決め把持装置本体と、前記位置決め把持装置本体において一端部がそれぞれ互いの対向間隔を任意に調整可能に設けられ、前記電池素子本体の巻回中心軸及び楕円の長辺を含む断面に対して平行になるように前記電池素子本体の外周面であって前記露出金属箔部近くで前記露出金属箔部を除く外周面端部を把持可能で、各々前記電池素子本体の露出金属箔部を除く前記巻回中心軸方向の外周面を接触し、把持中心へ押える凹形状部を有する4個の棒状のチャックを水平方向となるように備えた把持機構を有し、前記各チャックを前記電池素子本体の外周面端部に当接させることで、前記電池素子本体の巻回中心軸と、前記把持機構の把持中心軸が一致するように構成したことを特徴とする電池素子本体の位置決め搬送装置。
【請求項3】
正極板と、負極板と、前記正極板と前記負極板の間並びに前記正極板又は前記負極板の外周面に配設されるセパレータからなり、
前記正極板は帯状の導電板からなり、この長手方向と直交する端部に露出金属箔部が前記長手方向に沿って形成され、かつ前記導電板の前記露出金属箔部以外の中央部に電極材塗工部が前記長手方向に沿って形成されたものであり、
前記負極板は帯状の導電板からなり、この長手方向と直交する端部に露出金属箔部が前記長手方向に沿って形成され、かつ前記導電板の前記露出金属箔部以外の中央部に電極材塗工部が前記長手方向に沿って形成されたものであり、
前記正極板と前記負極板と前記セパレータを同一の中心軸の周りに巻回することにより端部に露出金属箔部があり、前記中心軸の端部から見て楕円筒状になるように整形してなる電池素子本体の電荷を外部に取り出す為の集電部材を前記電池素子本体に接合する場合に使用するものであって、
一端部がそれぞれ互いの対向間隔を任意に調整可能に設けられ、前記電池素子本体の巻回中心軸及び楕円の長辺を含む断面に対して平行になるように前記電池素子本体の外周面であって前記露出金属箔部近くで前記露出金属箔部を除く外周面端部を把持可能で、各々前記電池素子本体の露出金属箔部を除く前記巻回中心軸方向の外周面端部を接触し、把持中心へ押える凹形状部を有し、その板面が垂直方向となるように備えた4個の板状のチャックと、前記各チャックに対して電池素子本体を押圧するチャック押え機構とを有し、前記各チャックを前記電池素子本体の前記露出金属箔部近くで前記露出金属箔部を除く外周面端部に当接させることで、前記電池素子本体の巻回中心軸と、前記把持機構の把持中心軸が一致するように構成したことを特徴とする電池素子本体の位置決め搬送装置。
【請求項4】
前記電池素子本体の巻回軸方向位置は前記電池素子本体の両端部の位置を測定する非接触位置測定装置にて測定し、前記測定量に基づいて前記把持機構の中心位置を移動し、前記電池素子本体の巻回中心軸方向の位置決めをする制御手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電池素子本体の位置決め搬送装置。
【請求項5】
前記把持機構は、搬送手段上の上流と下流間にて往復動作をするものであり、上流端位置にてチャックを閉じ電池素子本体を把持し、電池素子本体の外形形状と位置決めを保持した状態で下流へ移動し、下流端にてチャックを開き、下流側の移載手段の把持機構に電池素子本体を受け渡した後、上流端へ移動する動作を行うことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電池素子本体の位置決め搬送装置。
【請求項6】
前記把持機構は、複数ありこれらは上流と下流間にて往復動作をするものであり、チャックが水平回転機構または垂直回転機構を介して支持されるようにし、把持した電池素子本体の姿勢の位置制御を行なうことを特徴とする請求項5に記載の電池素子本体の位置決め搬送装置。
【請求項7】
前記把持機構は複数あって上板と下板とその締結部とからなり、締結部は上板と下板間に作用するばねと上板を上下にスライドさせる機構と上板と下板間の距離を固定するする支持具を備え、電池素子本体の外形形状と位置決めを保持した状態で搬送手段上を搬送する搬送治具を用いることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電池素子本体の位置決め搬送装置。
【請求項8】
前記把持機構は複数あり、前記電池素子本体の移載において、受渡し側の把持機構と受取り側の把持機構は、電池素子本体の巻回軸方向の両端部と中央部との互いに干渉しない位置をそれぞれ把持し、電池素子本体の外周面を接触し、把持中心へ押える同じ凹形状のチャックを有し、双方の把持中心軸を一致させ把持することにより、電池素子本体の外形形状と位置決めを保持しつつ移載することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の電池素子本体の位置決め搬送装置。
【請求項9】
巻回装置と、第1の搬送手段と、昇降機構と、第1の把持機構と、第2の把持機構と、第1の移載手段と、第2の搬送手段を備え、
前記巻回装置は、複数の電池素子本体を得るものであり、前記電池素子本体は、正極板と、負極板と、前記正極板と前記負極板の間並びに前記正極板又は前記負極板の外周面に配設されるセパレータからなり、前記正極板は帯状の導電板の長手方向の中央部に電極材塗工部が形成され、かつ前記活物質塗工部に隣接する端部に露出金属箔部が形成されたものであり、前記負極板は帯状の導電板の長手方向の中央部に電極材塗工部が形成され、かつ前記電極材塗工部に隣接する端部に露出金属箔部が形成されたものであり、前記正極板と前記負極板と前記セパレータを同一の中心軸の周りに巻回することにより両端部に露出金属箔部があり、前記中心軸の端部から見て楕円筒状になるように整形してなるものであり、
前記第1の搬送手段は、前記巻回装置からの電池素子本体をその巻回中心軸と直交する方向に載置させて一方向に搬送するものであり、
前記昇降機構は前記第1の搬送手段の終端近くに設けられ、前記電池素子本体を移載させる際に前記第1の搬送手段上の電池素子本体を上方に昇降させるものであり、
前記第1の把持機構は、把持機構本体と、把持機構本体に対して一端部がそれぞれ互いの対向間隔を調整可能に水平に設けられ、前記電池素子本体の巻回中心軸及び楕円の長辺を含む断面に対して平行になるように前記電池素子本体の外周面であって前記露出金属箔部近くで前記露出金属箔部を除く外周面端部を把持可能で、各々前記電池素子本体の露出金属箔部を除く前記巻回中心軸方向の外周面端部を接触し、巻回中心へ押える凹形状部を有する4個の棒状のチャックとを備え、
前記第2の把持機構は、把持機構本体と、把持機構本体に対して一端部がそれぞれ互いの対向間隔を調整可能に水平に設けられ、前記電池素子本体の巻回中心軸及び楕円の長辺を含む断面に対して平行になるように前記電池素子本体の外周面であって前記露出金属箔部を除く前記電池素子本体の巻回中心軸方向の中央位置部を把持可能で、各々前記電池素子本体の露出金属箔部を除く前記巻回中心軸方向の中央位置部の外周面を接触し、把持中心へ押える凹形状部を有する2個の板状のチャックとを備え、
前記第2の搬送手段は前記第2の把持機構を載置すると共にこれを往復搬送するものであり、
前記第1の移載手段は、前記第1の把持機構を上下方向、左右方向及び前後方向に移動させ、前記第1の把持機構で把持される前記電池素子本体の方向を変えずに、前記電池素子本体が把持された状態の前記第1の把持機構を、前記第2の把持機構に組み合わせると共に、前記第1の把持機構に把持されている前記電池素子本体を前記第2の把持機構に移して把持させるものであり、
前記巻回装置からの前記電池素子本体を前記第1の搬送手段により搬送し、これを前記第1の把持機構で把持し、この電池素子本体が把持された状態の前記第1の把持機構を、前記移載手段により前記第2の把持機構に組み合せられるように移載し、前記第2の把持機構と前記第1の把持機構とが組合せられた状態で前記第2の搬送手段を搬送し、前記第2の搬送手段により把持された電池素子本体を、下流側に存在する組立装置に順次搬送することを特徴とする電池の組立システム。
【請求項10】
第1の組立装置と、第3の把持機構と、第4の把持機構と、第3の搬送手段とを備え、 前記第1の組立装置は、電池素子本体の極板等の巻回方向と直交する軸方向に端部に集電部材を供給し仮取付けするためのものであって組付ヘッドを備え、
前記電池素子本体は正極板と、負極板と、前記正極板と前記負極板の間並びに前記正極板又は前記負極板の外周面に配設されるセパレータからなり、
前記正極板は帯状の導電板からなり、この長手方向と直交する端部に露出金属箔部が前記長手方向に沿って形成され、かつ前記導電板の前記露出金属箔部以外の中央部に電極材塗工部が前記長手方向に沿って形成されたものであり、
前記負極板は帯状の導電板からなり、この長手方向と直交する端部に露出金属箔部が前記長手方向に沿って形成され、かつ前記導電板の前記露出金属箔部以外の中央部に電極材塗工部が前記長手方向に沿って形成されたものであり、
前記正極板と前記負極板と前記セパレータを同一の中心軸の周りに巻回することにより端部に露出金属箔部があり、前記中心軸の端部から見て楕円筒状になるように整形してなり、
前記集電部材は、電池素子本体の電荷を外部に取り出す為の集電部材を前記電池素子本体に接合する場合に使用するものであり、
前記第3の把持機構は、一端部がそれぞれ互いの対向間隔を任意に調整可能に設けられ、前記電池素子本体の巻回中心軸及び楕円の長辺を含む断面に対して平行になるように前記電池素子本体の外周面であって前記露出金属箔部近くで前記露出金属箔部を除く外周面端部を把持可能で、各々前記電池素子本体の露出金属箔部を除く前記巻回中心軸方向の外周面端部を接触し、把持中心へ押える凹形状部を有し、その板面が垂直方向となるように備えた4個の板状のチャックと、前記各チャックに対して電池素子本体を押圧するチャック押え機構とを有し、
前記第4の把持機構は、把持機構本体と、把持機構本体に対して一端部がそれぞれ互いの対向間隔を調整可能に水平に設けられ、前記電池素子本体の巻回中心軸及び楕円の長辺を含む断面に対して平行になるように前記電池素子本体の外周面であって、前記露出金属箔部を除く前記電池素子本体の巻回中心軸方向の中央位置部を把持可能で、各々前記電池素子本体の露出金属箔部を除く前記巻回中心軸方向の中央位置部の外周面を接触し、把持中心へ押える凹形状部を有する2個の板状のチャックとを備え、
前記第3の搬送手段は前記第4の把持機構を搬送面に回転機構を介して支持され、前記第4の把持機構を往復搬送するものであり、
前記第3の把持機構は、上流側に設置されていて前記電池素子本体を把持する第2の把持機構に有するチャック及び前記第4の把持機構に有するチャックを挿入することが可能で、前記第3の把持機構の各チャックを前記露出金属箔部近くで前記露出金属箔部を除く外周面端部に当接することで、前記電池素子本体の巻回中心軸と、前記把持機構の把持中心軸が一致するように構成したものであり、
前記第2の把持機構で把持される前記電池素子本体の方向を変えずに、前記電池素子本体が把持された状態の前記第2の把持機構を、前記第3の把持機構に組み合わせると共に、前記第2の把持機構に把持されている前記電池素子本体を前記第3の把持機構に移して把持させるものであり、
前記第4の把持機構を前記第3の把持機構に組み合わせると共に、前記第3の把持機構に把持されている前記電池素子本体を前記第4の把持機構に移して把持させるものであり、前記第3の把持機構に把持されている前記電池素子本体を前記第4の把持機構に移した後前記回転機構で前記電池素子本体の方向を変更させ、前記電池素子本体を下流側に搬送するようにしたことを特徴とする電池の組立システム。
【請求項11】
第2の組立装置と、第5の把持機構と、第2の移載手段と、第6の把持機構と、第4の搬送手段とを備え、
前記第5の把持機構は、把持機構本体と、把持機構本体に対して一端部がそれぞれ互いの対向間隔を調整可能に水平に設けられ、前記電池素子本体の巻回中心軸及び楕円の長辺を含む断面に対して平行になるように前記電池素子本体の外周面であって前記露出金属箔部近くで前記露出金属箔部を除く外周面端部を把持可能で、各々前記電池素子本体の露出金属箔部を除く前記巻回中心軸方向の外周面端部を接触し、把持中心へ押える凹形状部を有する4個の棒状のチャックとを備え、前記各チャックが水平方向となるようにし、前記各チャックを前記電池素子本体の外周面端部に当接させることで、前記電池素子本体の巻回中心軸と、前記把持機構の把持中心軸が一致するように構成したものであり、
前記第2の移載手段は、前記第5の把持機構を支持し、これを上下方向及び前後方向に移載するものであり、
第6の把持機構は把持機構本体と、把持機構本体に対して一端部がそれぞれ互いの対向間隔を調整可能に水平に設けられ、前記電池素子本体の巻回中心軸及び楕円の長辺を含む断面に対して平行になるように前記電池素子本体の外周面であって前記露出金属箔部を除く前記電池素子本体の巻回中心軸方向の中央位置部を把持可能で、各々前記電池素子本体の露出金属箔部を除く前記巻回中心軸方向の中央位置部の外周面を接触し、把持中心へ押える凹形形状部を有する2個の板状のチャックとを備え、
第4の搬送手段は前記第6の把持機構を往復搬送するものであり、
前記第2の組立装置は、電池素子本体の極板等の巻回方向と直交する軸方向の端部に集電部材を接合するための接合ヘッドを備え、
前記電池素子本体は正極板と、負極板と、前記正極板と前記負極板の間並びに前記正極板又は前記負極板の外周面に配設されるセパレータからなり、
前記正極板は帯状の導電板からなり、この長手方向と直交する端部にそれぞれ露出金属箔部が前記長手方向に沿って形成され、かつ前記導電板の前記露出金属箔部以外の中央部に電極材塗工部が前記長手方向に沿って形成されたものであり、
前記負極板は帯状の導電板からなり、この長手方向と直交する端部にそれぞれ露出金属箔部が前記長手方向に沿って形成され、かつ前記導電板の前記露出金属箔部以外の中央部に電極材塗工部が前記長手方向に沿って形成されたものであり、
前記正極板と前記負極板と前記セパレータを同一の中心軸の周りに巻回すると共に、前記中心軸の端部から見て楕円筒状になるように整形してなり、
前記集電部材は、電池素子本体の電荷を外部に取り出す為の集電部材を前記電池素子本体に接合する場合に使用するものであり、
前記移載手段は前記電池素子本体を把持している前記第5の把持機構を移動させ、前記接合ヘッドで前記電池素子本体と集電部材を接合した後、再び前記第5の把持機構を移動させ、前記集電部材が接合された電池素子を前記第5の把持機構から前記第6の把持機構に移し、前記第4の搬送手段により下流の組立工程に移動させることを特徴とする電池の組立システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【公開番号】特開2012−221828(P2012−221828A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88191(P2011−88191)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]