説明

電源回路遮断装置

【課題】操作レバーの操作性が良い電源回路遮断装置を提供する。
【解決手段】第1嵌合壁4とカムピン7を有するベースハウジング2と、第2嵌合壁22を有するレバーハウジング20と、レバーハウジング20に回転自在に支持され、カムピン7をガイドするカム溝43を有する操作レバー40とを備え、第1嵌合壁4と第2嵌合壁22が一部重なり合う状態で、且つ、操作レバー40のカム溝43にカムピン7が進入するレバー嵌合開始位置にセットされ、操作レバー40の回転によりカムピン7がカム溝43を移動して第1嵌合壁4と第2嵌合壁22の間に嵌合力が作用させる電源回路遮断装置1であって、ベースハウジング2とレバーハウジング20には、レバー嵌合開始位置からレバー嵌合完了位置の間で互いに係止して第1嵌合壁4と第2嵌合壁22間の嵌合をガイドし、操作レバー40の回転方向Lへの傾斜を規制する規制リブ10,30を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作レバーの操作によって電源回路の接続・遮断を行う電源回路遮断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば電気自動車、ハイブリッド車にあっては、電気系統のメンテナンス等での作業安全性を確保するため、電源部と負荷間の通電を遮断できる電源回路遮断装置(サービスプラグ)が搭載される。電源回路遮断装置としては、操作レバーの操作によって双方のコネクタハウジング間を低操作力で嵌合・離脱するものが種々提案されている(例えば特許文献1参照)。この種の一従来例が図6〜図10に示されている。
【0003】
図6〜図10において、電源回路遮断装置100は、ベースハウジング102と、ベースハウジング102に嵌合及び離脱するレバーハウジング120とを備えている。ベースハウジング102は、枠状の第1嵌合壁104を有する。第1嵌合壁104の内部は、ハウジング嵌合室105に形成されている。ハウジング嵌合室105の上面は、開口されている。ハウジング嵌合室105には、一対の一方側の端子(図示せず)が配置されている。一方の端子はバッテリ側に、他方の端子は負荷側に接続される。第1嵌合壁104の両側面には、一対のカムピン107が突設されている。
【0004】
レバーハウジング120は、第2嵌合壁122を有する。第2嵌合壁122は、第1嵌合壁104内のハウジング嵌合室105にスライドによって嵌合・離脱できる寸法である。第2嵌合壁122の内部には、一対の他方側の端子(図示せず)が突設されている。一対の他方側の端子同士は、例えばヒューズを介して導通されている。
【0005】
又、レバーハウジング120には、支持軸124を中心として回転自在に操作レバー140が支持されている。操作レバー140は、垂直位置(図7、図8(a)の位置)と水平位置(図6、図9の位置)の間で回転する。この操作レバー140には、左右対称位置に一対のカム溝143が設けられている。各カム溝143は、その入口部143aから溝奥に向かって支持軸124からの距離を徐々に小さくする溝形状に形成されている。
【0006】
上記構成において、電源回路遮断装置100の電源導通作業を説明する。図7に示すように、レバーハウジング120に対し操作レバー140を垂直位置とする。そして、レバーハウジング120の第2嵌合壁122をベースハウジング102のハウジング嵌合室105に位置合わせする。図8(a)に示すように、レバーハウジング120の第2嵌合壁122をベースハウジング102のハウジング嵌合室105に挿入する。すると、操作レバー140のカム溝143の入口部143aにカムピン107が挿入する位置まで挿入される。これで、双方のハウジング102,120間はレバー嵌合開始位置にセットされる。レバー嵌合開始位置では、第1嵌合壁104と第2嵌合壁122が一部重なり合う状態となる。
【0007】
次に、操作レバー140を水平位置側(L矢印方向)に回転する。すると、カムピン107がカム溝143内を移動し、ベースハウジング102とレバーハウジング120間に嵌合力が作用して第2嵌合壁122がハウジング嵌合室105内に徐々に深く嵌合される。
【0008】
図6及び図9に示すように、操作レバー140を水平位置まで回転すると、第1嵌合壁104と第2嵌合壁122間は、レバー嵌合完了状態となる。双方の端子(図示せず)間は、嵌合途中位置から接触を開始し、レバー嵌合完了位置では適正な接触状態となる。電源回路は、導通状態となる。
【0009】
また、電源回路遮断装置100の電源遮断作業は、操作レバー140を上記と逆操作することによって行う。つまり、水平位置の操作レバー140を逆回転して垂直位置まで回転する。すると、カムピン107がカム溝143内を移動し、ベースハウジング102とレバーハウジング120間に離脱力が作用して第2嵌合壁122がハウジング嵌合室105に対し徐々に離脱方向に移動する。双方の端子(図示せず)間は、嵌合途中位置から接触しなくなり、水平位置では非接触状態となる。電源回路は、不導通状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−181895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、前記従来の電源回路遮断装置100では、電源導通作業時にあって操作レバー140の操作開始時点でレバーハウジング120がベースハウジング102に対して傾斜し、操作レバー140の操作性が悪いという問題がある。
【0012】
つまり、第1嵌合壁104の内周面と第2嵌合壁122の外周面のほぼ全周がそれぞれ嵌合ガイド面とされている(図8(b)参照)。そのため、第1嵌合壁104と第2嵌合壁122の間は、スムーズな嵌合・離脱を行うために、クリアランスの存在が必要不可欠である。そして、レバー操作開始位置(図8(a)の位置)では、第1嵌合壁104と第2嵌合壁122の重なり合う寸法(オーバーラップ量)が他の位置に較べて小さい。従って、垂直位置の操作レバー140を水平位置側(L方向)に回転すると、その回転力によってレバーハウジング120が回転方向Lに傾くことになる。レバーハウジング120が傾くと、第2嵌合壁122と第1嵌合壁104間の摺動抵抗が非常に大きくなるためスムーズな嵌合移動がされない。これにより、操作レバー140の操作力が増大し、操作性が悪くなるためである。
【0013】
特許文献1には、レバーハウジングの第2嵌合壁にボス部を突設し、これに対応するベースハウジングの第1嵌合壁に溝を設けた構成が開示されている。このような構成によって、レバーハウジングに対して、レバーハウジングの嵌合方向に直交する面(図10の紙面方向に相当)に沿う回転方向(図10(b)のR方向に相当)へのぐらつきを極力防止できる。しかし、操作レバーの操作開始時点でのレバーハウジングの傾きを防止することはできない。
【0014】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、操作レバーの操作性が良い電源回路遮断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、一方の端子が内部に配置された第1嵌合壁とカムピンを有するベースハウジングと、他方の端子が内部に配置された第2嵌合壁を有するレバーハウジングと、前記レバーハウジングに回転自在に支持され、前記カムピンをガイドするカム溝を有する操作レバーとを備え、前記第1嵌合壁と前記第2嵌合壁が一部重なり合う状態で、且つ、前記操作レバーの前記カム溝に前記カムピンが進入するレバー嵌合開始位置にセットされ、前記操作レバーの回転により前記カムピンが前記ガイド溝を移動して前記第1嵌合壁と前記第2嵌合壁の間に嵌合力が作用し、前記第1嵌合壁と前記第2嵌合壁間の嵌合が進み、レバー嵌合完了位置では双方の前記端子間が電気的に接続される電源回路遮断装置であって、前記ベースハウジングと前記レバーハウジングには、レバー嵌合開始位置からレバー嵌合完了位置の間で互いに係止して第1嵌合壁4と第2嵌合壁22間の嵌合をガイドし、且つ、前記操作レバーの回転方向への傾斜を規制する規制リブがそれぞれ設けられたことを特徴とする電源回路遮断装置である。
【0016】
双方の前記規制リブは、前記レバーハウジングに対して、前記レバーハウジングの嵌合方向に直交する面に沿う回転方向への傾斜を規制することが好ましい。
【0017】
前記ベースハウジング側の前記規制リブは、前記第1嵌合壁の内側に、前記レバーハウジング側の前記規制リブは、前記ベースハウジング側の前記規制リブに対応する位置にそれぞれ設けられることが好ましい。
【0018】
双方の前記規制リブは、前記操作レバーの回転中心となる軸を挟んだ両側領域で、且つ、前記軸の中心を点対称とする対角位置に一対それぞれ設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ベースハウジングとレバーハウジングをレバー嵌合開始位置にセットし、操作レバーを回転すると、レバーハウジングにはベースハウジングに対して傾斜させようとする回転力が作用するが、ベースハウジングとレバーハウジングの双方の規制リブ同士の干渉によってレバーハウジングの傾きが規制される。これにより、レバーハウジングがベースハウジングに対して極力傾斜せず、スムーズなスライドによって嵌合方向に移動する。従って、操作レバーの操作性が良い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態を示し、レバー嵌合完了位置における電源遮断装置の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態を示し、ベースハウジングに対してレバーハウジングが完全離脱位置である電線遮断装置の正面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示し、(a)はレバー嵌合開始位置における電源遮断装置の斜視図、(b)は(a)のA−A線の要部概略断面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示し、レバー嵌合完了位置における電源遮断装置の正面図である。
【図5】本発明の一実施形態を示し、(a)はレバーハウジングの底面図、(b)はベースハウジングの平面図である。
【図6】従来例を示し、レバー嵌合完了位置における電源遮断装置の斜視図である。
【図7】従来例を示し、ベースハウジングに対してレバーハウジングが完全離脱位置である電線遮断装置の正面図である。
【図8】従来例を示し、(a)はレバー嵌合開始位置における電源遮断装置の斜視図、(b)は(a)のB−B線の要部概略断面図である。
【図9】従来例を示し、レバー嵌合完了位置における電源遮断装置の正面図である。
【図10】従来例を示し、(a)はレバーハウジングの底面図、(b)はベースハウジングの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1〜図5は本発明の一実施形態を示す。図1〜図5において、電源回路遮断装置1は、ベースハウジング2と、ベースハウジング2に嵌合及び離脱するレバーハウジング20とを備えている。
【0023】
ベースハウジング2は、取付ブラケット部3と、この取付ブラケット部3の中央より上方に向かって突設された枠状の第1嵌合壁4とを有する。取付ブラケット部3を利用してベースハウジング2は車体側に固定される。第1嵌合壁4の内部には、ハウジング嵌合室5が形成されている。ハウジング嵌合室5の上面は、開口されている。ハウジング嵌合室5には、一対の端子支持壁6が突設されている。一対の端子支持壁6内に一対の一方側の端子(図示せず)が配置されている。一方側の端子(図示せず)は、例えば雌端子である。一方の端子はバッテリ側に、他方の端子は負荷側に接続される。
【0024】
第1嵌合壁4の両側の外面には、一対のカムピン7が突設されている。
【0025】
図3(b)及び図5(b)に詳しく示すように、第1嵌合壁4の内面には、垂直方向のほぼ全領域に亘って、一対のベース側規制リブ10が突設されている。一対のベース側規制リブ10は、一対の端子支持壁6の直ぐ外側位置に配置されている。一対のベース側規制リブ10は、操作レバー40の回転中心となる軸C(以下、中心軸C)を挟んだ両側領域で、且つ、中心軸Cの中心Oを点対称とする対角位置に設けられている。各ベース側規制リブ10は、第1嵌合壁4の内面から操作レバー40の中心軸Cに沿って延びるストレート壁部10aと、このストレート壁部10aの先端側で操作レバー40の中心軸Cの直交方向に折曲された折曲壁部10bとから形成されている。つまり、ベース側規制リブ10は、L字形状(かぎ状)に形成されている。一対の折曲壁部10bは、操作レバー40の中心軸Cに向かってそれぞれ折曲されている。
【0026】
レバーハウジング20は、上壁部21と、この上壁部21より下方に向かって突設された第2嵌合壁22とを有する。上壁部21は、第2嵌合壁22よりも一回り大きな寸法である。上壁部21の両側の外面には、レバー過剰回転阻止突部23が2箇所に突設されている。このレバー過剰回転阻止突部23によって下記する操作レバー40の回転範囲が規制されている。上壁部21の両側の外面には、一対の支持軸24が突設されている。 第2嵌合壁22は、第1嵌合壁4内のハウジング嵌合室5にスライドによって嵌合・離脱できる寸法である。第2嵌合壁22の内部には、端子収容室25が設けられている。この端子収容室25には、一対の他方側の端子(図示せず)が配置されている。一対の他方側の端子(図示せず)は、例えば雄端子である。他方側の端子同士は、例えばヒューズを介して導通されている。
【0027】
図3(a)及び図5(a)に詳しく示すように、第2嵌合壁22の内面には、垂直方向のほぼ全領域に亘って、一対のレバー側規制リブ30が突設されている。一対のレバー側規制リブ30は、端子収容室25に配置されている。一対のレバー側規制リブ30は、一対のベース側規制リブ10に対応する位置に配置されている。つまり、一対のレバー側規制リブ30は、操作レバー40の回転中心となる軸C(中心軸C)を挟んだ両側領域で、且つ、中心軸Cの中心Oを点対称とする対角位置に設けられている。各レバー側規制リブ30は、間隔を置いて配置された第1規制リブ31と第2規制リブ32とから構成されている。第1規制リブ31は、第2嵌合壁22の内面から操作レバー40の中心軸Cに沿って延びるストレート壁部31aと、このストレート壁部31aの先端側で操作レバー40の中心軸Cの直交方向に折曲された折曲壁部31bとから形成されている。つまり、第1規制リブ31は、L字形状(かぎ状)に形成されている。折曲壁部31bは、ベース側規制リブ10の折曲壁部10bとは反対に、操作レバー40の中心軸Cから遠ざかる方向にそれぞれ折曲されている。第2規制リブ32は、第1規制リブ31との間でベース側規制リブ10を挟み込むよう、第1規制リブ31に間隔を置いて配置されている。第2規制リブ32は、第2嵌合壁22の内面から操作レバー40の中心軸Cに沿って延びるストレート形状である。
【0028】
レバー側規制リブ30と前記したベース側規制リブ10は、レバー嵌合開始位置からレバー嵌合完了位置の間で互いに係止して第1嵌合壁4と第2嵌合壁22間の嵌合・離脱をガイドする。
【0029】
操作レバー40は、一対の支持軸24に回転自在に支持されている。操作レバー40は、垂直位置(図2、図3(a)の位置)と水平位置(図1、図4の位置)の間で回転する。操作レバー40は、一対のアームプレート部41と、一対のアームプレート部41間を回転先端側でそれぞれ連結する操作つまみ部42とを備えている。一対のアームプレート部41が一対の支持軸24に支持されている。一対のアームプレート部41には、一対のカム溝43が形成されている。この一対のカム溝43にベースハウジング2のカムピン7が挿入される。
【0030】
カム溝43は、カムピン7が外部から進入可能な入口部43aと、この入口部43aに連通し、支持軸24の中心からの距離が徐々に変化する曲線部43bとを有する。
【0031】
操作レバー40は、カム溝43内をカムピン7が移動しつつ垂直位置と水平位置の間を回転する。垂直位置では、カムピン7が入口部43aに進入したり、入口部43aから退出したりできる。水平位置では、カムピン7が曲線部43bの最奥位置に位置する。つまり、操作レバー40の垂直位置と水平位置の間の回転過程では、カムピン7が曲線部43bを移動し、ベースハウジング2とレバーハウジング20間に嵌合力又は離脱力が作用し、第1嵌合壁4と第2嵌合壁22間が嵌合方向に、又は、離脱方向に移動する。
【0032】
上記構成において、電源回路遮断装置1の電源導通作業を説明する。図2に示すように、レバーハウジング20に対し操作レバー40を垂直位置とし、レバーハウジング20の第2嵌合壁22をベースハウジング2のハウジング嵌合室5に位置合わせする。
【0033】
そして、図3(a)に示すように、レバーハウジング20の第2嵌合壁22をベースハウジング2のハウジング嵌合室5に挿入する。すると、操作レバー40のカム溝43の入口部43aにカムピン7が挿入する位置まで挿入される。これで、双方のハウジング2,20間はレバー嵌合開始位置にセットされる。レバー嵌合開始位置では、第1嵌合壁4と第2嵌合壁122が一部重なり合う状態となる。また、レバー嵌合開始位置では、図3(b)に示すように、レバー側規制リブ10とレバー側規制リブ30が互いに係止する。 具体的には、操作レバー40の中心軸Cの直交方向に対して、ベース側規制リブ10がレバー側規制リブ30の第1規制リブ31及び第2規制リブ32で挟み込んでいる。操作レバー40の中心軸Cの方向に対して、ベース側規制リブ10の折曲壁部10bとレバー側規制リブ30の第1規制リブ31の折曲壁部31bが当接している。
【0034】
次に、垂直位置の操作レバー40を水平位置側(L矢印方向)に回転する。すると、カムピン7がカム溝43内を移動し、ベースハウジング2とレバーハウジング20間に嵌合力が作用して第1嵌合壁4と第2嵌合壁22が嵌合方向に移動する。この移動は、ベース側規制リブ10とレバー側規制リブ30がガイドすることによって行われる。この移動によって、第2嵌合壁22はハウジング嵌合室5に徐々に深く入り込む。
【0035】
図1及び図4に示すように、操作レバー40を水平位置まで回転すると、第1嵌合壁4と第2嵌合壁22間は、レバー嵌合完了状態となる。双方の端子(図示せず)間は、嵌合途中位置から接触を開始し、レバー嵌合完了位置では適正な接触状態となる。電源回路は、導通状態となる。
【0036】
また、電源回路遮断装置1の電源遮断作業は、水平位置の操作レバー40を上記と逆操作することによって行う。つまり、水平位置の操作レバー40を逆回転して垂直位置まで回転する。すると、カムピン7がカム溝43内を移動し、ベースハウジング2とレバーハウジング20間に離脱力が作用して第2嵌合壁22がハウジング嵌合室5に対し徐々に離脱方向に移動する。この移動も、ベース側規制リブ10とレバー側規制リブ30がガイドすることによって行われる。双方の端子(図示せず)間は、嵌合途中位置から接触しなくなり、水平位置では非接触状態となる。電源回路は、不導通状態となる。
【0037】
以上説明したように、電源回路遮断装置1は、ベースハウジング2とレバーハウジング20には、レバー嵌合開始位置からレバー嵌合完了位置の間で互いに係止して第1嵌合壁4と第2嵌合壁22間の嵌合・離脱をガイドするベース側規制リブ10とレバー側規制リブ30を備えている。従って、第1嵌合壁4と第2嵌合壁22に対し、スムーズな嵌合・離脱を行うことができる。
【0038】
また、上記した電源導通作業過程にあって、図3(a)に示すように、操作レバー40の回転開始時点では、レバーハウジング20にはベースハウジング2に対して操作レバー40の回転方向Lに傾斜させようとする回転力が作用するが、ベースハウジング2とレバーハウジング20の双方の規制リブ10,30同士の干渉、具体的には、ベース側規制リブ10のストレート壁部10aとレバー側規制リブ30の第1規制リブ31のストレート壁部31a及び第2規制リブ32とによってレバーハウジング20の傾きが規制される。これにより、レバーハウジング20がベースハウジング2に対して操作レバー40の回転方向Lにほとんど傾斜せず、スムーズなスライドによって嵌合方向に移動する。従って、操作レバー40の操作性が良い。
【0039】
また、ベース側規制リブ10とレバー側規制リブ30は、上記したように、第1嵌合壁4と第2嵌合壁22の移動ガイド手段として機能すると共に、第1嵌合壁4と第2嵌合壁22の位置決め手段としても機能する。
【0040】
ベース側規制リブ10の折曲壁部10bとレバー側規制リブ30の第1規制リブ31の折曲壁部31b同士の干渉によって、レバーハウジング20に対して、レバーハウジング20の嵌合方向に直交する面(図3(b)、図10(b)の紙面方向)に沿う回転方向Rの変移を規制する。従って、レバーハウジング20の回転方向Rへのぐらつきを極力防止できる。
【0041】
ベース側規制リブ10は、第1嵌合壁4の内側に設けられ、レバー側規制リブ30は、ベース側規制リブ10に対応する位置に設けられている。従って、双方の規制リブ10,30が双方のハウジング2,20の中心位置近くに配置されるため、各規制リブ10,30に作用する応力を小さくできる。
【0042】
ベース側規制リブ10とレバー側規制リブ30は、操作レバー40の回転中心となる軸C(中心軸)を挟んだ両側領域で、且つ、中心軸Cの中心Oを点対称とする対角位置に一対それぞれ設けられている。従って、操作レバー40の回転によるレバーハウジング20の傾き(回転方向Lの傾き)と、レバーハウジング20の回転方向Rのぐらつきを左右均等に安定して規制できる。
【符号の説明】
【0043】
1 電源回路遮断装置
2 ベースハウジング
4 第1嵌合壁
7 カムピン
10 ベース側規制リブ
20 レバーハウジング
22 第2嵌合壁
30 レバー側規制リブ
40 操作レバー
43 カム溝
C 操作レバーの中心軸
O 中心軸の中心
R 操作レバーの回転方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の端子が内部に配置された第1嵌合壁とカムピンを有するベースハウジングと、
他方の端子が内部に配置された第2嵌合壁を有するレバーハウジングと、
前記レバーハウジングに回転自在に支持され、前記カムピンをガイドするカム溝を有する操作レバーとを備え、
前記第1嵌合壁と前記第2嵌合壁が一部重なり合う状態で、且つ、前記操作レバーの前記カム溝に前記カムピンが進入するレバー嵌合開始位置にセットされ、前記操作レバーの回転により前記カムピンが前記ガイド溝を移動して前記第1嵌合壁と前記第2嵌合壁の間に嵌合力が作用し、前記第1嵌合壁と前記第2嵌合壁間の嵌合が進み、レバー嵌合完了位置では双方の前記端子間が電気的に接続される電源回路遮断装置であって、
前記ベースハウジングと前記レバーハウジングには、レバー嵌合開始位置からレバー嵌合完了位置の間で互いに係止して前記第1嵌合壁と前記第2嵌合壁間の嵌合・離脱をガイドし、且つ、前記操作レバーの回転方向への傾斜を規制する規制リブがそれぞれ設けられたことを特徴とする電源回路遮断装置。
【請求項2】
請求項1記載の電源回路遮断装置であって、
双方の前記規制リブは、前記レバーハウジングに対して、前記レバーハウジングの嵌合方向に直交する面に沿う回転方向への傾斜を規制することを特徴とする電源回路遮断装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の電源回路遮断装置であって、
前記ベースハウジング側の前記規制リブは、前記第1嵌合壁の内側に、前記レバーハウジング側の前記規制リブは、前記ベースハウジング側の前記規制リブに対応する位置にそれぞれ設けられたことを特徴とする電源回路遮断装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電源回路遮断装置であって、
双方の前記規制リブは、前記操作レバーの回転中心となる軸を挟んだ両側領域で、且つ、前記軸の中心を点対称とする対角位置に一対それぞれ設けられたことを特徴とする電源回路遮断装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−62048(P2013−62048A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198108(P2011−198108)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)