説明

電源装置の配線接続構造

【課題】電源装置の外部でハーネスを接続する際に、ハーネスの着脱操作が限られた狭い部位に電源装置が配置されていても、ハーネスを電源装置に効率よく配線接続することができる電源装置の配線接続構造を提供することを課題とする。
【解決手段】遊技機に備えられた複数の制御部品に動作電源を供給する遊技機の電源装置であって、ハーネス210のプラグ接続側にハーネス端子220を接続し、該ハーネス端子220の接続部外周囲を樹脂材によりインサート成形して絶縁被覆するとともに、ハーネス端子接合部250及びプラグ係止部270を樹脂材によりインサート成形してプラグ形状に一体形成したプラグ200と、前記プラグ200のハーネス端子接合部250と接合対応するプラグ受け開口部350と、前記プラグ係止部270を係止するプラグ受け係止部360と、前記ハーネス端子220と接触して導通する本体端子310とを備えたプラグ受け300とを着脱自在に構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばパチンコ機やスロットマシンなどの遊技機に備えられる電源装置に関し、さらに詳しくは電源装置の外側で配線接続するのに適した電源装置の配線接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、パチンコ機を例にとって説明すると、パチンコ機に備えられる電源装置は、遊技台の裏面側に配設された遊技を制御する主制御基板を始めとする賞球制御基板などの各種制御基板に、電源装置から複数の電圧の異なる動作電源を生成して供給している(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ところが、近年、パチンコ機の趣向性を高めることが望まれ、遊技台の中央に配置される図柄表示装置が大型化している。このため、図柄表示装置が遊技台裏面側で占める割合が大きくなり、遊技台裏面側の空きスペースが減少している。このため、遊技台裏面側に配置される既存の各種制御基板や電源装置などの構成部品の小型化が要求されている。特に、電源装置からは各種の制御基板に各電力線を配線接続する必要があるため、配線作業を効率よく行うことが望まれている。ところが、遊技台裏面側では電源装置の配置領域が狭められているため配線作業が難しくなっていた。
【0004】
さらに、パチンコ機等の遊技機に対する法令により、電源装置に対してはハーネスを内部に引き込んで配線接続することが規制され、電源装置の外側でハーネスを配線接続する義務が課せられている。これにより、電源装置の内部を開けずに配線接続ができるため、電源装置に効率よくハーネスを着脱操作することができる。
【0005】
一例として、電源装置の外壁に本体コネクタを配置し、この本体コネクタに、ハーネスコネクタを着脱することにより、電源装置の外側でハーネスを一括して配線接続できるようにした配線接続構造が知られている(例えば特許文献2参照)。
【0006】
しかし、電源装置の外壁で配線接続する場合、該配線接続部分が外部に露出した状態にあり、電源装置は外壁を構成するハウジング等のシールド部材で覆われていないため、電源装置の内部接続に比べて外部からの電気的な悪影響を受けやすい状態にある。このため、絶縁性の確保や漏電対策を施すなどの新たな工夫が必要となっていた。また、ハーネスの接続部分が電源装置の外壁より突出して取り付けられるため、遊技台裏面側でのハーネスの占有スペースが大きくなっていた。さらに、遊技台裏面側の狭いスペースでの配線作業に手間がかかり、依然として電源装置に対するハーネスの配線作業の容易化が難しく、配線作業効率が悪い問題を有していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−5386号公報。
【特許文献2】特開2005−80903号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこでこの発明は、狭いスペースでのハーネスの配線接続作業であっても、ハーネスを電源装置に効率よく配線接続することができる電源装置の配線接続構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、遊技機に備えられた複数の制御部品に動作電源を供給する電源装置に対し、該電源装置に備えられたプラグ受けに、動作電源を供給するハーネスが接続されたプラグを着脱自在に接続する電源装置の配線接続構造であって、前記ハーネスを後端側に接続したハーネス端子の外周囲を樹脂材によりインサート成形して絶縁被覆するとともに、該ハーネス端子の前端側を前記プラグ受けに接合させるハーネス端子接合部と、前記プラグ受けに連結させるプラグ係止部とを、樹脂材によりインサート成形して一体化したプラグを構成し、前記プラグのハーネス端子接合部と接合する受け部と、前記プラグ係止部を係止するプラグ受け係止部と、前記ハーネス端子と接触して導通する本体端子とを備えたプラグ受けを構成し、前記プラグを前記プラグ受けに差し込むことに連動して、前記プラグ係止部または前記プラグ受け係止部の少なくとも一方を弾性変位させて、前記プラグ係止部を前記プラグ受け係止部に係止させて連結し、前記プラグ係止部を前記プラグ受け係止部より外すことに連動して、前記プラグを前記プラグ受けより離脱させる着脱構造を有することを特徴とする。
【0010】
他の実施の態様として、前記プラグ受けを、前記電源装置の本体外面より凹ませた凹部に配設して構成することができる。
【0011】
他の実施の態様として、前記凹部は、前記プラグとプラグ受けの接続部位が、電源装置の周辺部材に電気的な悪影響を及ぼさない非干渉領域となる凹み形状に形成して構成することができる。
【0012】
他の実施の態様として、前記プラグを、前記ハーネスを後端側に接続したハーネス端子の外周囲を硬質の樹脂材によりインサート成形して絶縁被覆するとともに、該ハーネス端子の前端側を前記プラグ受けに接合させるハーネス端子接合部と、前記プラグ受けに連結させるプラグ係止部とを前記硬質の樹脂材によりインサート成形して一体化した硬質連結体と、前記硬質連結体の前端側に有する前記ハーネス端子接合部を露出させた状態で前記硬質連結体の後端側と、その後端側に接続されるハーネスとを前記硬質の樹脂材より軟質の樹脂材でインサート成形して一体化した軟質連結体とで構成することができる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、電源装置の外部でハーネスを配線接続する構成において、プラグに組み込まれるハーネス端子及びその接続部は樹脂材によりインサート成形されて絶縁被覆されているため、プラグとプラグ受けとの接続部分は電気的な外部影響を受け難く、絶縁性の確保や耐漏電性を有する信頼性の高い配線接続ができる。さらに、プラグの着脱操作に際しても、プラグ係止部とプラグ受け係止部との係脱によりワンタッチでプラグを着脱操作することができる。このため、遊技台裏面側における配線作業スペースが狭くても、ハーネスを電源装置に簡単に配線接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1の電源装置の配線接続構造を示す外観斜視図。
【図2】実施例1の電源装置の配線接続構造を示す要部分解斜視図。
【図3】実施例1のプラグの説明図。
【図4】実施例1のプラグの着脱状態を示す側面図。
【図5】実施例1のプラグの着脱状態を示す側面図。
【図6】実施例1のプラグ接続部位における非干渉領域を示す説明図。
【図7】実施例2の電源装置の配線接続構造を示す外観斜視図。
【図8】実施例2の電源装置の配線接続構造を示す要部分解斜視図。
【図9】実施例2のプラグの接続面側を示す斜視図。
【図10】実施例2のプラグの説明図。
【図11】実施例2のプラグの着脱状態を示す側面図。
【図12】実施例2のプラグ接続部位における非干渉領域を示す説明図。
【図13】実施例3の電源装置の配線接続構造を示す外観斜視図。
【図14】実施例3の電源装置の配線接続構造を示す要部分解斜視図。
【図15】実施例3のプラグの説明図。
【図16】実施例3のプラグ受けの説明図。
【図17】実施例3のプラグの接続状態を示す要部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図面は遊技機に用いられる電源装置の配線接続構造を示し、ハーネスを電源装置に効率よく配線接続する実施形態を示す。
【実施例1】
【0016】
図1に表されるように電源装置1は長方体状を有し、この長方体状を有する電源装置1の下部前面に配線接続用の凹部100を形成し、該凹部100の凹ませた空間でプラグ200を着脱自在に接続する配線接続構造を有している。
【0017】
電源装置1は、外周囲が放熱性の優れた金属製のカバー10で覆われ、外部から導入させた電源によって電圧の異なる複数の動作電源を生成し、該動作電源を、コネクタ20(図6(B)参照)を介して遊技機の各制御基板へと供給する電源回路基板(図示省略)が内蔵されている。この電源回路基板に、パワートランジスタ等のトランジスタ群、コンデンサ等の各実装部品30(図6(B)参照)を搭載している。
【0018】
さらに、電源装置1は放熱性の優れた放熱板や放熱フィン、遊技台に固定するための取付部材等をカバー10の取付側に備えて構成しているが、図1では省略して箱形状のシンプルな外観を表している。
【0019】
凹部100は、電源装置1の下部前面を横長の四角柱状に切欠いて、前記カバー10の前面より凹ませて設けている。この凹ませた凹部100には、図2に示すように、凹部100の前面中央部に、横長の凸字形状に開口されたプラグ受け取付孔110を有している。そして、この開口した内方に前記コネクタ20(図6(B)参照)が接続可能に対向している。
【0020】
さらに、凹部100の凹ませた空間は、後述するプラグ200を凹部内に引き込んで介在させることができる凹部空間に設定している。図においては、プラグ200の略半分を凹部100の空間に介在させる例を示している。
【0021】
次に、プラグ200について説明する。図3(A)はプラグ200の差込側を示す拡大斜視図、図3(B)はプラグ200に接続されているハーネス210の接続状態を示す平面図、図3(C)はプラグ200の要部拡大縦断面図である。
【0022】
プラグ200は、絶縁性の樹脂材でプラグ形状に作成する場合に、図3(B)に破線で示すように、ハーネス210とその端部に接続されているハーネス端子220とを樹脂材によりインサート成形して一体に形成している。ハーネス210は、端子部において3本に並列され、その先端部に細長い軸状のハーネス端子220が接続されている。なお、中央はアース端子とアース線として用いられている。
【0023】
前記プラグ200の形状は、嵩の低い長方体状のプラグ本体230と、その長手方向の一側に突出して備えられるハーネスカバー240と、他側に突出して備えられるハーネス端子接合部250とが一体に形成されている。
ハーネスカバー240は、断面楕円形状を有して、プラグ本体230に接続されているハーネス210の接続部分外周囲を被覆保護している。
【0024】
一方、ハーネス端子接合部250は後述するプラグ受け開口部350より一回り小さい凸字形状に突出され、そのプラグ受け開口部350に挿通可能に設けられている。さらに、突出した先端面に、前記各ハーネス端子220と同軸方向に対応する端子接合孔260を開口している。これらの端子接合孔260に後述するプラグ受け300の本体端子310が挿通される。また、ハーネス端子接合部250を凸字形状にすることにより、プラグ受け300側との接合時に、上下左右の接続位置精度が高められて、正確な位置合せが得られるようにしている。
【0025】
さらに、ハーネス端子接合部250寄りに位置するプラグ本体230の上面には、逆凹形状に突出するプラグ係止部270が形成されている。このプラグ係止部270はインサート成形時に一体に形成されるものであり、プラグ本体230の上面と逆凹形状とで囲まれた中央にプラグ挿脱方向に貫通する四角形状の係止口271が開口されている。さらに、プラグ係止部270の外端面を係止面272とし、この係止面272に後述するプラグ受け300の上面係止爪361が係止口271を挿通した後に対応する。
【0026】
また、プラグ本体230の両側面には指掛け部280が形成されている。該指掛け部280はプラグ挿脱方向に沿ってへの字形状に突出し、その外表面の一部を指掛け用に波形状に形成したものであって、インサート成形時に一体に形成される。この指掛け部280の形成位置は作業者がプラグ200を掴んで引き抜くときに指先が接触する位置に形成する。
【0027】
さらに、指掛け部280の引っ掛かり形状は作業者がプラグ200を掴んで取り外すときに指先を係止させる形状であればよく、波形状や鋸刃状等の係止抵抗の高い引っ掛かり面を形成する。また、指掛け部280をプラグ200の両側面に突出して形成してもよく、プラグ200の両側面に凹ませて形成してもよい。
【0028】
また、プラグ200を掴んで押し込むときに、該プラグ200を持った作業者の指先が当たる位置に押し込み用の引っ掛かり面を形成して、プラグ200の押し込み操作をし易くしてもよい。図2においては、指掛け部280を構成する山形の一傾斜側に形成された波形状とは反対側の他傾斜側に形成される傾斜面が押し込み面281として利用される。
【0029】
次に、プラグ受け300について説明する。図4(A)はプラグ受け300の平面図、図4(B)はプラグ受け300の側面図、図4(C)はプラグ受け300の正面図、図4(D)はプラグ受け300の背面図である。
【0030】
図4(A)に示すように、プラグ受け300は、3列に並列させた本体端子310を樹脂材によりインサート成形して一体に形成されている。該3本の本体端子310は前記プラグ200のハーネス端子220と突合せ対向するように配置されている。
【0031】
プラグ受け300の形状は、図4(B)及び図5(A)にも示すように、電源装置1の外面側に露出されるプラグ連結部320と、電源装置1の内面側に収納される本体連結部330とから構成される。
【0032】
これらの連結部320,330は、その間を仕切る受け板340を境にして形成されている。該受け板340は、プラグ受け取付孔110の開口面を覆う大きさを有する横長の長方板状を有し、この受け板340の外面側にプラグ連結部320が突出して形成され、内面側に本体連結部330が突出して形成される。
【0033】
前記プラグ連結部320には、本体端子310と、プラグ受け開口部350と、プラグ受け係止部360とが備えられている。
本体端子310は、断面円形を有する細長い導電性の軸体であり、インサート成形後に該本体端子310の端部が電源装置1の外方に向けて水平に並列設置され、後述するプラグ受け開口部350の空間部に介在している。
【0034】
上述のプラグ受け開口部350は、図4(C)にも示すように、受け板340の前面中央部に開口され、前記凸字形状を有するハーネス端子接合部250より一回り大きい凸字形状に開口している。さらに、この凸字形状の周縁をプラグ差込ガイド部351として受け板340の前面より僅かに突出させている。これに対し、プラグ受け開口部350の内方空間は、前記ハーネス端子接合部250を差し込み許容する奥行きの開口空間に形成している。この空間部に、前記3本の本体端子310が等間隔に並列突出している。
【0035】
前記プラグ受け係止部360は、図4(B)に示すように、受け板340の上面中央部より外方に向けて水平に突出した片持ち支持片であり、この片持ち支持片は上下方向に弾性変位可能でその先端部には、上向きに立ち上げたL字状の上面係止爪361を形成している。そして、この上面係止爪361がプラグ200側の係止口271に対向し、該上面係止爪361と係止口271との対応時に、該上面係止爪361が係止口271の上面に接触して下向きに弾性変位する対向位置にある。このため、上面係止爪361の前面を円弧面に形成して該上面係止爪361が係止口271に滑らかに挿通するように形成している。
【0036】
一方、本体連結部330には、図4(D)にも示すように、嵌合部370と、ストッパ面341と、本体連結片380と、刃311とが備えられている。
嵌合部370は、プラグ受け取付孔110より一回り小さい凸字形状に形成されて、受け板340の内面側に水平に突出している。これにより、嵌合部370はプラグ受け取付孔110に上下方向が位置決めされて嵌合される。
【0037】
ストッパ面341は、受け板340の内面に該当し、プラグ受け取付孔110に嵌合部370を嵌合させる場合に、該ストッパ面341が凹部100の垂直な外面に当接して、嵌合部370を適切な嵌合深さに規制する。
【0038】
本体連結片380は、嵌合部370の左右両側に電源装置1の内方に向けて延設した片持ち支持片であり、この片持ち支持片は該支持部を基点に左右方向に弾性変位可能でその先端部には、外側面より横向きに突出するレ形状の側面係止爪381を形成している。そして、この側面係止爪381が電源装置1の内部で図示しない係止部に係止されて抜止め固定される。
【0039】
刃311は、前記本体端子310と同一部材であって、その同一軸の他端部に平板状に形成され、嵌合部370の内端面より該刃311の3本が水平に突出している。そして、これらの各刃311が電源装置1の内部で対応する図示しないコネクタに電気的に接続される。
【0040】
このように構成されたプラグ受け300を電源装置1の凹部100に取り付ける場合は、図2に示すように、電源装置1のプラグ受け取付孔110に、プラグ受け300の嵌合部370を位置合せして水平に押し込む。この押し込み操作時に、該プラグ受け300の側面係止爪381が電源装置1の内部に備えられている図示しない係止部に係止されて抜止め固定される。この抜止め固定時に、図5に示すように、受け板340のストッパ面341が、凹部100内の垂直な外面に当接する。これにより、プラグ受け300は適切な嵌合深さ位置で凹部100内の垂直な外面に組み付けられる。
【0041】
次に、前記電源装置1に組み付けられたプラグ受け300に、プラグ200を着脱する場合について説明する。
図5(A)は電源装置1の凹部100にプラグ受け300が取り付けられている状態であり、この状態では凹部100において、受け板340の外面側上部によりプラグ受け係止部360が外向きに水平に突出している。また、凹部100において、受け板340の外面側下部には凸字形状のプラグ受け取付孔110が開口されている。これにより、該凹部100では、プラグ200を差し込んで取り付け可能なプラグ取り付け待機状態にある。
【0042】
このプラグ取り付け待機状態にあるプラグ受け300に対し、プラグ200を取り付ける場合は、該プラグ200のハーネス端子接合部250をプラグ受け取付孔110(図2参照)に差し込む。すると、ハーネス端子接合部250は凸字形状により上下左右が位置決めされるため正確に挿入される。この挿入過程で、3本の各本体端子310が各端子接合孔260に挿入される。この端子接合孔260内で本体端子310が管状のハーネス端子220に挿通して、本体端子310とハーネス端子220は導通して電気的に接続される。
【0043】
さらに、プラグ200の差し込み時には、該プラグ200に備えられているプラグ係止部270の係止口271がプラグ受け係止部360の上面係止爪361と対向し、この対向した状態から該上面係止爪361はプラグ200の差し込みに伴って係止口271内に臨み、次第に係止口271の上面で押し下げられる。その後、上面係止爪361は下向きに弾性変位しながら通過し、通過後は弾性復帰して上動することで、該上面係止爪361は係止口271の係止面272に係止されて抜け止め固定される。これにより、図5(B)に示すように、プラグ200はプラグ受け300に一体化した状態に連結される。
【0044】
このように、プラグ200をプラグ受け300に連結するときは、プラグ200を一方向に押し込むだけで、互いの係止対応する係止部分が対応して抜け止め固定される。このため、プラグ200をプラグ受け300に押し込むだけで簡単に連結することができる。また、プラグ200とプラグ受け300間の導通に際して、互いの突き合わせられた3本の端子220,310が差込方向で接触対応して導通するため、ハーネス210を電源装置1に一括して効率よく接続することができる。
【0045】
つまり、プラグ200をプラグ受け300に対し、一方向に押し込むだけで機械的な接続、及び電気的な接続が完了し、作業者はプラグ200をワンタッチで接続操作することができる。このため、遊技台裏面側における作業者の操作領域が限られていても、また狭いスペースに電源装置1が配置されていても、一方向のプラグ取付スペースさえあれば、該電源装置1にハーネス210を効率よく配線接続することができる。
【0046】
一方、プラグ200をプラグ受け300から取り外す場合は、まず、作業者が上面係止爪361を指先で押し下げて、該上面係止爪361と係止面272との係止作用を解除させる。その係止解除後に、プラグ200を引き抜けば、ハーネス端子接合部250がプラグ受け開口部350から引き抜かれて、プラグ200をプラグ受け300から取り外すことができる。
【0047】
このプラグ200の引き抜き時に、本体端子310に導通していたハーネス端子220も本体端子310より離間するので、プラグ200とプラグ受け300との端子220,310部間の導通も同時に遮断される。さらに、プラグ200の引き抜きに際して、プラグ200の両側面には指掛け部280が突出しているため、作業者はプラグ200を掴んだときに、指先を左右両側の指掛け部280に引っ掛けることができ、プラグ200をしっかりと把持することができる。このため、作業者はプラグ200の引き抜き操作がし易くなる。
【0048】
このプラグ200の取外例として、仮に電源装置1が遊技台裏面側の狭いスペースに配置されていて、作業者が片手しか挿入できないような狭いスペースにおいて、例えば右手を狭いスペースに入れてプラグ200を上方より覆うように掴んだとき、人差し指がプラグ200の上面中央に対応する上面係止爪361に対応し、親指がプラグ200の左側面の指掛け部280に対応し、残りの中指と薬指と小指がプラグ200の右側面の指掛け部280側に対応した状態となる。
【0049】
そして、作業者はプラグ200を片手で掴んだ状態で人差し指で上面係止爪361を押し下げれば、上面係止爪361が係止面272より外れて上面係止爪361による係止を解除することができ、この係止解除状態でプラグ200を掴んだまま手前に引き抜けば、プラグ200はプラグ受け300から離脱して取り外される。
【0050】
この結果、作業者はプラグ200を片手で掴んだまま、上面係止爪361と係止面272とにおける係止解除操作をすることができ、手の特性を十分に活用して手の動きに無駄がない効率のよいプラグ200の取り外し操作ができる。
【0051】
次に、狭いスペースでのプラグ200の着脱操作を簡単化できる要素を考察してみると、プラグ200を着脱させる動きは、押し込む操作と引き抜く操作との前後方向に進退させる動きと、上面係止爪361を指先により僅かに上下動させる動きとの単純な2つの動きで済むことになる。
【0052】
よって、複雑な動きや大きなスペースを必要とせず、プラグ200を片手で掴んで進退動作させるスペースがあればよい。このため、狭いスペースであっても、作業者は片手で簡単にプラグ200を着脱操作することが可能になる。これにより、プラグ200を一方向(図においては水平方向)に動かすスペースがあれば、電源装置1の配置領域や作業者の作業領域が限られた狭いスペースであってもプラグ200の着脱操作を簡単に実現できることが認められる。
【0053】
図においては、プラグ200の着脱方向を水平方向に着脱する例を示したが、垂直方向や別の方向の着脱方向であってもよい。このような各種方向に着脱する場合であっても、プラグ200を一方向に移動させるスペースがあれば、同様に狭いスペースであってもプラグ200の着脱操作が可能になる。
【0054】
また、前記係止例に限らず、前記上面係止爪361をプラグ200側に設け、係止面272をプラグ受け300側に設けて係脱するようにしてもよい。
【0055】
図6(A)はプラグ接続時の凹部100における電源装置1からの電気的な干渉を受けない非干渉領域120を示す概略斜視図、図6(B)はプラグ接続時の凹部100における電源装置1からの電気的な干渉を受けない非干渉領域120と、電源装置1の内部における電源装置1からの電気的な干渉を受けない非干渉領域130を示す概略側面図である。
【0056】
前記プラグ200の取付スペースを縮小するように凹部100が形成されているが、この凹部100の凹み形状及び大きさは、プラグ200とプラグ受け300の配設位置が、電源装置1の周辺部材からの電気的な悪影響を受けない非干渉領域120,130を確保できる凹み形状及び大きさに設定している。
【0057】
具体的には、前記凹部100の幅方向を、電源装置1を覆う外壁の側面のカバー10やビス(図面省略)等と電気的に干渉しない非干渉長さ離した幅間隔に設定して凹み形成している。さらに、凹部100の前後方向を、図6(B)に示すように、電源装置1に内蔵されている実装部品30やビス(図面省略)等と電気的に干渉しない非干渉長さ離した凹み深さに設定して凹み形成している。これにより、図6(A)及び図6(B)に示すような非干渉領域120,130を確保し、これらの非干渉領域120,130の空間内に、プラグ200及びプラグ受け300をそれぞれ介在できるように設定している。
【0058】
このため、プラグ200を凹部100内に引き込んで接続しても、電源装置1の周辺部材とは非干渉領域120となる凹部100に介在させることができるため、電気的な悪影響を受けない配線接続を確保できる。また、プラグ受け300においても非干渉領域130内に介在させることができるため、電気的な悪影響を受けない配線接続を確保できる。
【0059】
上述のように、電源装置1の内部空間で配線接続するのではなく、電源装置1の外面側において配線接続する構造であり、その際にプラグ200に組み込まれるハーネス端子220及びその接続部は樹脂材によりインサート成形されて絶縁被覆されているため、プラグ受け300との接続部分は外方からの電気的な悪影響を受け難く、絶縁性の確保及び耐漏電性に優れた配線接続となる。
【0060】
さらに、プラグ200を電源装置1の凹部100に引き込んで配線接続することができるため、プラグ200の一部を凹部100内に介在させることが可能になる。よって、電源装置1に取り付けられたプラグ200は電源装置1の外面より大きく突出しないため外力を受け難い状態となって接続される。
【0061】
ことに、プラグ200の全部を凹部100内に介在させるようにすれば、プラグ200は電源装置1の外面で覆われ、あたかも内部に収納されているかのごとく配置されることになり、電源装置1の外壁に完全に保護された状態となって接続される。
【実施例2】
【0062】
次に、実施例2における電源装置1の配線接続構造を、図7乃至図12を参照して説明する。
この実施例2の電源装置1の配線接続構造は、実施例1の電源装置1の配線接続構造と比較して、実施例1で述べたプラグ200の形状とプラグ受け300の形状が一部異なり、他は同じ構造であるため、同じ構造については同符号を付してその説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0063】
この実施例2におけるプラグ200の形状が異なっている点は、図7及び図8に示すように、プラグ係止部270の構造と、指掛け部280の配置状態とが異なっている点であり、その異なっている点に特徴を有している。
まず、プラグ係止部270は、プラグ本体230の上面に、全幅で、しかも厚肉にして立ち上げた補強起立部400を有している。この補強起立部400の幅方向中央部に係止口271を開口している。この係止口271は挿通方向の厚さを補強起立部400より薄肉になるように平面視台形状に切欠いて、プラグ受け係止爪361が該係止口271に容易に挿通して係止面272に係止される厚さに設定している。
【0064】
これにより、プラグ係止部270がプラグ本体230の上面中央に部分突出せず、プラグ本体230の全幅で突出するため、該プラグ係止部270はプラグ本体230で補強され、高強度で頑丈な構造のプラグ係止部270が得られる。
【0065】
さらに、指掛け部280は、プラグ200を掴んで取り外すときに指先を係止させる役目を有し、該指掛け部280を、図9にも示すように、少なくともプラグ200の上下左右の外面4方に突出形成して構成している。これらの指掛け部280は同形状であってもよく、また指掛け部280はプラグ200の持ち方によって、側面と上下面とでは握り圧が異なるため一方の面の指掛け部280の引っ掛かり抵抗を強めにし、他方の面の引っ掛かり抵抗を弱めにするように設けてもよい。
【0066】
これにより、作業者がプラグ200を掴んで引き抜くときに、作業者ごとに持ち方が異なるが、何れにしても作業者の指先や掌がプラグ200を包むごとく掴んで接触した際に、左側面、右側面、上面、下面との合計4面の指掛け部280のうちの複数に掛かることになり、把持力が増してプラグ200の着脱操作が一層し易くなる。
【0067】
さらに、プラグ200を押し込み操作するときに、該プラグ200を掴んだ作業者の指先が当たる位置に押し込み用の引っ掛かり面を形成して、プラグ200の押し込み操作をし易くしてもよい。
【0068】
次に、実施例2におけるプラグ受け300について説明する。
図10(A)はプラグ受け300の平面図、図10(B)はプラグ受け300の横断平面図、図10(C)はプラグ受け300の縦断側面図、図10(D)はプラグ受け300の正面図である。
【0069】
この実施例2におけるプラグ受け300の形状が異なっている点は、側面係止歯410と周縁保護カバー部420とを備えた点が異なっている。まず、側面係止歯410は、図10(A)に示すように、嵌合部370の両側面に、側面係止歯410を、への字形状に突出形成している。この突出面にプラグ受け300の取付方向と直交する鋸刃状の係止歯を形成している。
【0070】
そして、該側面係止歯410が電源装置1の内部で図示しない係止部に係止されることで抜止め固定される。該側面係止歯410を用いた固定によれば、実施例1で述べた本体連結片380のように長く片持ち支持されて突出しないため、損傷し難い構造を有している。
【0071】
さらに、周縁保護カバー部420は、プラグ受け300の前面周囲を、逆凹形状を有する該周縁保護カバー部420で囲むごとく突出形成している。そして、周縁保護カバー部420で囲まれた中央部上面にプラグ受け係止部360を突出させている。これにより、プラグ受け係止部360は周縁保護カバー部420で覆われて保護された状態にあるため、外力を受けて損傷し難い構造を有している。このように、プラグ受け300は、側面係止歯410と周縁保護カバー部420とにより損傷し難い構造を備えている。
【0072】
このように構成されたプラグ200及びプラグ受け300を用いて、該プラグ200を電源装置1に対して着脱する場合も、実施例1の図5(A)、図5(B)で述べた着脱動作と同様にして、図11(A)、図11(B)に示すように、同様な着脱動作にて行うことができる。
【0073】
さらに、図12(A)に示すように、プラグ接続時の凹部100における電源装置1からの電気的な干渉を受けない非干渉領域120にプラグ200が配設される。また、図12(B)に示すように、プラグ接続時の凹部100における電源装置1からの電気的な干渉を受けない非干渉領域120と、電源装置1の内部における電源装置1からの電気的な干渉を受けない非干渉領域130にプラグ200とプラグ受け300が一体化して配設される。よって、この場合も実施例1と同様に、電源装置1からの電気的な悪影響を受けない配線位置となり、信頼性の高い配線接続を確保することができる。
【実施例3】
【0074】
次に、実施例3における電源装置1の配線接続構造を、図13乃至図17を参照して説明する。
この実施例3の電源装置1の配線接続構造は、実施例1または実施例2の電源装置1の配線接続構造と比較して、プラグ200の形状とプラグ受け300の形状が一部異なり、他は同じ構造であるため、同じ構造については同符号を付してその説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0075】
実施例3におけるプラグ200は、該プラグ200の着脱操作感触を明瞭にすることができる硬質の樹脂材を効率よく備えた点に特徴を有している。
前記プラグ200は、図13、図14及び図15にも示すように、ハーネス210の接続部とハーネス端子220とをインサート成形する硬質連結体290と、前記硬質連結体290とハーネス210の接続部とをインサート成形する軟質連結体291とから構成される。
【0076】
前記硬質連結体290はインサート成形後に硬質が得られる絶縁性の樹脂材を用いる。例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)を用いる。このポリブチレンテレフタレートは、耐熱性、耐薬品性、電気特性、寸法安定性、成形性に優れ、難燃性も持たせやすいという特徴を有している。これにより、インサート成形後は硬質の性質を有する硬質連結体290として用いることができる。このほかにも硬質が得られる絶縁性の樹脂材であれば適用できる。
【0077】
前記硬質連結体290のインサート成形に先立ち、ハーネス端子220の後端側には予めハーネス210を配線接続しておき、該ハーネス210を配線接続した状態でハーネス端子220の外周囲を前記硬質の樹脂材でインサート成形する。インサート成形後に得られる硬質連結体290の前端側にはハーネス端子接合部250とプラグ係止片292とが形成され、後端側には抜止部293が形成される。
【0078】
前記ハーネス端子接合部250は硬質連結体290の一部であって、図15(A)に示すように、後述する軟質連結体291の樹脂材で硬質連結体290の後端側をインサート成形した際に、その硬質連結体290の前端側のほぼ半分が露出される部分であり、プラグ受け開口部350(後述)より一回り小さい凹字形状に形成されて、そのプラグ受け開口部350に挿通可能に設けられている。さらに、ハーネス端子接合部250の突出した先端面に、前記各ハーネス端子220と同軸方向に対応する端子接合孔260を開口している。これらの端子接合孔260にプラグ受け300(後述)の本体端子310が挿通される。また、ハーネス端子接合部250を凹字形状にすることにより、プラグ受け300側との接合時に、上下左右の接続位置精度が高められて、正確な位置合せが得られるようにしている。
【0079】
前記プラグ係止片292は、図15(A)にも示すように、硬質連結体290の前端側上面中央に逆L型状に突出して設けられる。この逆L型状の垂直片が片持ち支持され、水平片が前端側に向けて延び、その自由端側では上下方向に弾性変位許容されている。さらに、自由端部には上向きに突出して段差形成された係止爪294が形成されており、該係止爪294が後述するプラグ受け係止口362に係脱される。また、水平片の上面には指先の接触性を高める滑り止め部295が形成されている。
【0080】
前記抜止部293は、図15(C)に示すように、硬質連結体290の後端側上下面に櫛歯状の凹凸部を前後方向と交差する向きに形成されている。そして、櫛歯状の凹凸部が後述する軟質連結体291の樹脂材によりインサート成形される。これにより、該凹凸部分が抜止部分となって硬質連結体290は軟質連結体291と一体化される。
【0081】
前記軟質連結体291はプラグ本体230として設けられる部分であり、前記硬質の樹脂材よりも硬度が低い樹脂材を用いる。例えば、塩化ビニール(PVC)等の汎用の樹脂材を用い、前記硬質連結体290を中子として、その後端側と、ここに接続されるハーネス210との接続部分を該汎用樹脂材でインサート成形する。
【0082】
これにより、硬質連結体290の後端側と、ここに接続されるハーネス210とが汎用樹脂材でインサート成形され、硬質連結体290と軟質連結体291とが一体化された長方体状のプラグ200が形成される。
【0083】
このようにプラグ200の形成に際しては、全て汎用の樹脂材を用いてインサート成形するのではなく、硬さの異なる硬質の樹脂材と軟質の樹脂材との2種類の樹脂材を併用して部分的に使い分けることにより明瞭な操作感触を取得できる構造のプラグ200の実現を可能にしている。
【0084】
次に、実施例3におけるプラグ受け300について説明する。
図16(A)はプラグ受け300の外観斜視図、図16(B)はプラグ受け300の横断平面図、図16(C)はプラグ受け300の正面図、図16(D)はプラグ受け300の背面図である。
【0085】
このプラグ受け300は、該プラグ受け300が電源装置1のプラグ取付孔110に取り付けられた際に、電源装置1の外面側に露出される該プラグ受け300のプラグ連結部320側において、プラグ受け開口部350の形状とプラグ受け係止口362を備えた点が異なっている。
【0086】
まず、プラグ受け開口部350は、図16(A)〜図16(C)に示すように、前記ハーネス端子接合部250より一回り大きい凹型状に開口しており、ここに同凹型状を有するハーネス端子接合部250が挿入ガイドされる。このプラグ受け開口部350の開口形状を凹型状とすることにより、プラグ受け300の凹み部分の中央スペースにプラグ受け係止口362(後述)を形成することが可能になる。
【0087】
上述のプラグ受け係止口362は、図14に示すように、前記プラグ係止片292と対向する位置で前記プラグ受け開口部350より上方の正面中央部に正面視四角形状に貫通して設けている。
【0088】
そして、プラグ200をプラグ受け300に連結する時に、ハーネス端子接合部250がプラグ受け開口部350に挿入されると、プラグ係止片292がプラグ受け係止口362に挿入されるに伴い、該プラグ係止片292の係止爪294が下向きに弾性変位しながらプラグ受け係止口362を貫通し、該係止爪294がプラグ受け係止口362を貫通して挿入完了した時点でプラグ受け係止口362の内方開口端面となる係止端面363(図17(B)参照)に上動復帰して係止される。この係止動作によってプラグ200はプラグ受け300に連結される。
【0089】
前記プラグ200をプラグ受け300に着脱する場合、該プラグ200のハーネス端子接合部250及びプラグ係止片292が硬質連結体290の一部として形成されているため、プラグ装着時にプラグ受け係止口362に前記プラグ係止片292が挿入されて係止される場合に、該プラグ係止片292は硬質のため弾性抵抗が大きい状態で挿入される。そして、プラグ係止片292の係止爪294がプラグ受け係止口362の内方の係止端面363に達したとき、弾性復帰して係止される。この係止時点でカチッという明瞭な音、及び強い弾性復帰力で係止されたことによる振動等が操作者の手に伝わり、プラグ連結時の明瞭な操作感触が操作者に伝達される。
【0090】
したがって、操作者はプラグ200を差し込んで装着操作したときに、該プラグ200がプラグ受け300に連結されたことを容易に認識することができる。このため、プラグ200がプラグ受け300に連結されたか否かを的確に把握でき、信頼性の高い装着操作性能が得られる。したがって、プラグ連結時の操作感触が明確に伝わらないという不安感を生じさせるような信頼性の低い装着操作が解消される。
【0091】
一方、プラグ200をプラグ受け300から取り外す場合は、指先でプラグ係止片292を係止解除方向(図13及び図17(B)においては下向き)に押して、係止爪294を係止端面363より外せば係止解除される。係止解除された状態でプラグ200を引き抜くと、該プラグ200をプラグ受け300から取り外すことができる。この場合も、プラグ係止片292の弾性抵抗が大きいため係止解除時点での操作負荷が急激に変化したことが感知される。この結果、操作者は明確な操作感触が得られる。
【0092】
なお、電源装置1の内面側に収納されるプラグ受け300の本体連結部330には、プラグ受け300の内端側に突出する平板状の刃311の向きを、実施例1及び実施例2とは異なる縦向きに並列突出させている(図16(B)及び図16(D)参照)。
【0093】
図17(A)はプラグ200をプラグ受け300に差し込んで連結させたときのハーネス端子220と本体端子310との導通状態を示す一部横断平面図、図17(B)はその要部縦断面図である。
【0094】
前記プラグ200とプラグ受け300との機械的な連結時に、同時に電気的に接続されるハーネス端子220と本体端子310との配線接続に際しても、部分的に円錐形状に絞られた筒状のハーネス端子220内に、ピン状の本体端子310が挿通して接触することにより電気的に導通される。
【0095】
さらに、前記プラグ200を電源装置1に取り付けた場合も、実施例1の図5(A)、図5(B)で述べた装着動作と同様に実施例3においても、図13の凹部100を介してプラグ200を電源装置1に装着することができる。よって、この場合も実施例1と同様に、電源装置1からの電気的な悪影響を受けない配線位置となり、信頼性の高い配線接続を確保することができる。
【0096】
この発明は上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく、請求項に記載された技術思想に基づいて応用することができる。例えば、上述の実施例1〜3ではプラグ200の一部を凹部100に介在させる例を示したが、プラグ200の全部を凹部100内に介在させるように構成することもできる。
【符号の説明】
【0097】
1…電源装置
100…凹部
120,130…非干渉領域
200…プラグ
210…ハーネス
250…ハーネス端子接合部
270…プラグ係止部
290…硬質連結体
291…軟質連結体
300…プラグ受け
310…本体端子
350…プラグ受け開口部
360…プラグ受け係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に備えられた複数の制御部品に動作電源を供給する電源装置に対し、該電源装置に備えられたプラグ受けに、動作電源を供給するハーネスが接続されたプラグを着脱自在に接続する電源装置の配線接続構造であって、
前記ハーネスを後端側に接続したハーネス端子の外周囲を樹脂材によりインサート成形して絶縁被覆するとともに、該ハーネス端子の前端側を前記プラグ受けに接合させるハーネス端子接合部と、前記プラグ受けに連結させるプラグ係止部とを、樹脂材によりインサート成形して一体化したプラグを構成し、
前記プラグのハーネス端子接合部と接合する受け部と、前記プラグ係止部を係止するプラグ受け係止部と、前記ハーネス端子と接触して導通する本体端子とを備えたプラグ受けを構成し、
前記プラグを前記プラグ受けに差し込むことに連動して、前記プラグ係止部または前記プラグ受け係止部の少なくとも一方を弾性変位させて、前記プラグ係止部を前記プラグ受け係止部に係止させて連結し、前記プラグ係止部を前記プラグ受け係止部より外すことに連動して、前記プラグを前記プラグ受けより離脱させる着脱構造を有する
電源装置の配線接続構造。
【請求項2】
前記プラグ受けを、
前記電源装置の本体外面より凹ませた凹部に配置構成した
請求項1に記載の電源装置の配線接続構造。
【請求項3】
前記凹部は、
前記プラグと前記プラグ受けの接続部位が、前記電源装置の周辺部材に電気的な悪影響を及ぼさない非干渉領域となる凹み形状に形成した
請求項2に記載の電源装置の配線接続構造。
【請求項4】
前記プラグを、
前記ハーネスを後端側に接続したハーネス端子の外周囲を硬質の樹脂材によりインサート成形して絶縁被覆するとともに、該ハーネス端子の前端側を前記プラグ受けに接合させるハーネス端子接合部と、前記プラグ受けに連結させるプラグ係止部とを、前記硬質の樹脂材によりインサート成形して一体化した硬質連結体と、
前記硬質連結体の前端側に有する前記ハーネス端子接合部を露出させた状態で前記硬質連結体の後端側と、その後端側に接続されるハーネスとを前記硬質の樹脂材より軟質の樹脂材でインサート成形して一体化した軟質連結体とで構成した
請求項1、2または3に記載の電源装置の配線接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−259699(P2010−259699A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−114458(P2009−114458)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【出願人】(391018732)富士電線工業株式会社 (23)
【Fターム(参考)】