説明

電界結合非接触給電システム

【課題】アクティブキャパシタを利用して、LC共振を用いずに、送電電力を増加させることができる電界結合非接触給電システムを提供する。
【解決手段】給電領域2に配置された給電部4と、被給電領域3に配置されて負荷8に電力を供給するための被給電部5とを有し、給電部4は、電源部11と、アクティブキャパシタ21と、アクティブキャパシタ制御部25と、給電領域2と被給電領域3との境界部6を構成する結合コンデンサ31,32とを備えている。アクティブキャパシタ21は、結合コンデンサ31,32のいずれかに直列接続されており、アクティブキャパシタ制御部25によりアクティブキャパシタ21の直流電圧Vcjの位相が電源部11の直流電圧Vsの位相から遅れるように(例えば90°)制御されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界結合方式の非接触給電システムに関する。更に詳しくは、モバイル機器等が備える充電池等の各種の負荷に対して、非接触で充電等を行うことができる電界結合非接触給電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、ノートパソコン、ポータブルオーディオプレイヤー等のように、充電池(二次電池)を内蔵したモバイル機器が普及している。また、地球温暖化等の環境問題やエネルギー資源の問題を受け、電気エネルギーを用いたクリーンな交通手段として、電池やキャパシタ等の蓄電装置を搭載した電気自動車の研究や開発が盛んに行われている。このような機器では、電池に対する給電方法が重要な技術的課題になっている。給電方法には接触給電方式と非接触給電方式とがあるが、電池に対して急速充電を行う給電方法としては、利便性、安全性、プラグの抜き忘れ等の観点から、今後は非接触給電方法が有望と考えられている。
【0003】
非接触給電方法としては、電磁誘導方式、電磁界共鳴方式、電界結合方式の3つの方式が存在する。これらのうち、現在実用化されている非接触給電システムは、コイルからコイルへ電力を供給する電磁誘導方式が主流である。しかし、この電磁誘導方式は、コイル間の位置ずれによる伝送効率の低下、コイル間に異物が侵入した際の過熱、電磁波や高調波への対策等が問題となっている。そこで、最近では、電界や磁界を用いた共鳴方式の非接触給電システムの開発機運が高まっている。
【0004】
電磁界共鳴方式は、今最もよく研究されている非接触給電方式であり、2メートル離れた状態でも伝送が可能であることが発表されている。電力の伝送効率は40%台とまだまだ低いが、この技術で効率が上がれば、走行中の自動車にも充電できる可能性があり、研究開発が活発化している。しかし、この電磁界共鳴方式は、フェライトやリッツ線コイルを用いるため、重く、高価になるという問題がある。また、位置ずれにより伝送効率が急激に下がり、安全性に関しても磁気漏洩の問題等、さまざまな問題がある。
【0005】
電界結合方式は、電磁誘導方式や電磁界共鳴方式と比較して伝送電力密度が小さいと考えられ、あまり研究されていなかった。しかし、本出願人の研究(例えば特許文献1参照)によれば、水平方向の位置ずれに強く、現在実用化されている電磁誘導方式で問題となる異物侵入時の過熱や電磁波等の問題が生じないというメリットがある。さらに、電磁界共鳴方式で必須となるフェライトやリッツ線コイルを用いないため、機器の重さやコストを低減できるという利点がある。また、出力が大きな機器に対しても、接触させる面積を広げるだけで対応できるという利点がある。
【0006】
この電界結合方式では、静電容量を持つ結合部に電流を流すためには、これまではLC共振現象を利用してきた。しかし、LC共振を利用することから、結合部のキャパシタンスが変化すると共振点がずれて効率が下がるという問題があった。この問題は、効率を高めるために回路のQを高くとればとるほど顕著に表れた。また、インダクタンスは巻き線構造を持つため、大きく重いうえに周波数が高くなると線間容量によって所望の特性が得られないという問題があった。
【0007】
一方、本出願人は、アクティブリアクタンスの研究を進めており、その応用例として、負のアクティブキャパシタを用いて実在するキャパシタンスの容量を等価的に増加させ、LCフィルタの特性を改善することに成功している(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−89520号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】鎌田浄、船渡寛人、小笠原悟司、「小容量リニアアンプとLCフィルタを用いた低歪みスイッチング電力増幅器の提案」電気論D、127巻、5号、pp.457-464(2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した電界結合方式の非接触給電システムにおいては、給電時の送電電力を増大させることが望ましい。しかし、上記非特許文献1の例では、アクティブキャパシタの実現にリニアアンプを用いており、損失が大きいという問題がある。
【0011】
また、リニアアンプの代わりにPWMインバータを用いる方法では、PWMインバータが対応可能な周波数に限界があるという問題がある。
【0012】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、アクティブキャパシタを利用して、LC共振を用いずに、送電電力を増加させることができる電界結合方式の非接触給電システム(「電界結合非接触給電システム」という。)を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するための本発明に係る電界結合方式の非接触給電システムは、給電領域に配置された給電部と、被給電領域に配置されて負荷に電力を供給するための被給電部とを有し、前記給電部は、電源部と、アクティブキャパシタと、当該アクティブキャパシタを制御するアクティブキャパシタ制御部と、前記給電領域と前記被給電領域との境界部の当該給電領域側に配置されて、前記電源部から電力の供給を受ける第1送電電極及び第2送電電極とを備え、前記被給電部は、前記第1送電電極及び前記第2送電電極に対して前記境界部を挟んで非接触態様で対向配置される第1受電電極及び第2の受電電極を備え、前記第1送電電極と、当該第1送電電極に対向配置した前記第1受電電極及び第2受電電極のいずれか一方とで第1結合コンデンサが構成され、前記第2送電電極と、当該第2送電電極に対向配置した前記第1受電電極及び第2受電電極のいずれか他方とで第2結合コンデンサが構成され、前記アクティブキャパシタは、前記第1結合コンデンサ及び前記第2結合コンデンサのいずれか一方に直列接続されており、前記アクティブキャパシタ制御部により当該アクティブキャパシタの直流電圧Vcjの位相が前記電源部の直流電圧Vsの位相から遅れるように(例えば90°)制御され、前記アクティブキャパシタが負のキャパシタンスとして動作する、ことを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、電源部からの電源信号と同期したスイッチング信号発生装置であるアクティブキャパシタを有し、そのアクティブキャパシタの直流電圧Vcjの位相が電源部の直流電圧Vsの位相から遅れるように(例えば90°)制御されており、アクティブキャパシタが負のキャパシタンスとして動作するので、合成電圧V1が階段状になり、電圧の立ち上がり回数が倍に増える。すなわち、電流Icjの導通回数を倍にすることができるので、負荷に供給する電流値を1.4倍(√2倍)にすることができ、出力電力を倍にすることができる。その結果、伝送効率を向上させることができる。こうした本発明に係る電界結合非接触給電システムは、その構成回路を簡略化でき、特に複雑な制御も不要となる。さらに、その回路では、キャパシタンス自体を大きくすることができ、周波数の影響を受けずにインピーダンスを小さくすることができるという利点がある。
【0015】
本発明に係る電界結合非接触給電システムにおいて、前記アクティブキャパシタは、直流電源を備えていても良いし、その直流電源に代えてキャパシタを備えていても良い。
【0016】
本発明に係る電界結合非接触給電システムにおいて、前記アクティブキャパシタを1又は2以上直列接続するように構成する。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る電界結合非接触給電システムによれば、LC共振を用いずに送電電力を増加させて伝送効率を向上させることができるとともに、その回路構成を簡略化でき、特に複雑な制御も不要とすることができる。さらに、この回路構成は、キャパシタンス自体を大きくすることができ、周波数の影響を受けずにインピーダンスを小さくすることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る電界結合非接触給電システムの基本構成を示す構成図である。
【図2】本発明に係る電界結合非接触給電システムの一例を示す構成図である。
【図3】図2に示す電界結合非接触給電システムの各部の電圧波形と電流波形である。
【図4】本発明に係る電界結合非接触給電システムの他の一例を示す構成図である。
【図5】図4のアクティブキャパシタの説明図である。
【図6】図4に示す電界結合非接触給電システムの各部の電圧波形と電流波形である。
【図7】図4のアクティブキャパシタを構成するキャパシタCsでの電圧波形Vcsである。
【図8】キャパシタCsでの電圧Vcsにおいて、初期値ゼロから起動した場合の電圧変化を示す初期充電波形である。
【図9】本発明に係る電界結合非接触給電システムのさらに他の一例を示す構成図である。
【図10】図9に示す電界結合非接触給電システムの位相特性である。
【図11】図9に示す電界結合非接触給電システムの各部の電圧波形と電流波形である。
【図12】4つのアクティブキャパシタを直列接続してなるアクティブキャパシタを用いた場合のスイッチング波形の一例である。
【図13】実験例で用いた回路の構成図である。
【図14】実験例で用いる回路からアクティブキャパシタを外した回路で得られた実験波形である。
【図15】実験例の回路で得られた実験波形である。
【図16】本発明に係る電界結合非接触給電システムからアクティブキャパシタを外した場合の構成例である。
【図17】図16に示す電界結合非接触給電システムの各部の電圧波形と電流波形である。
【図18】キャパシタ絶縁電源装置のモード別動作波形である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る電界結合非接触給電システムについて、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
[基本構成]
本発明に係る電界結合非接触給電システム(以下「非接触給電システム」と略すことがある。)1は、図1に示すように、給電領域2に配置された給電部4と、被給電領域3に配置されて負荷8に電力を供給するための被給電部5とを有し、給電部4から被給電部5を介して負荷8に電力を供給するためのシステムである。給電領域2や被給電領域3の具体的構成は任意であり、例えば、一般住宅の内部空間やオフィスビル等の建屋の内部空間、電車や飛行機等の乗り物の内部空間、又は、屋外空間等を挙げることができる。
【0021】
(給電部)
給電部4は、給電領域2に配置されるものであって、給電部内に電源部11を備えたもの(図1参照)であってもよいし、給電部外の電源部から電力が供給されるもの(図示しない)であってもよい。この給電部4は、恒久的に移動不能な固定体であってもよいし、移動可能な移動体であってもよい。また、不使用時には給電領域2から取り外すことができたり、給電領域内の任意の位置に移設可能なものであってもよい。
【0022】
具体的には、給電部4は、図1及び図2等に示すように、電源部11と、アクティブキャパシタ21と、アクティブキャパシタ21を制御するアクティブキャパシタ制御部25と、給電領域2と被給電領域3との境界部6の当該給電領域側に配置されて、電源部11から電力の供給を受ける第1送電電極33及び第2送電電極34とを備えている。
【0023】
この給電部4に設けられているアクティブキャパシタ21は、図1及び図2等に示すように、第1結合コンデンサ31及び第2結合コンデンサ32のいずれか一方に直列接続されている。そして、このアクティブキャパシタ21は、アクティブキャパシタ制御部25により、アクティブキャパシタ21の直流電圧Vcjの位相が、電源部11の直流電圧Vsの位相から遅れるように(例えば90°)制御されている。これにより、アクティブキャパシタ21が負のキャパシタンスとして動作する。
【0024】
このアクティブキャパシタ21は、電源一周期に一回のスイッチングで実現できるワンパルスアクティブキャパシタであることが好ましい。こうしたワンパルスアクティブキャパシタの適用にあっては、方形波電圧の電源及びチョーク入力型整流器の使用が前提とされる。
【0025】
ここで、図18のキャパシタ絶縁電源装置のモード別動作波形を用いて、連続モードと不連続モードについて説明する。図18(a)に示すように、Icが連続に流れる連続モードは、VINが絶縁キャパシタに蓄積される最大電圧Vmaxよりも大きい場合である。このとき、Icが方形波電流となり、伝送効率は高く、問題はない。一方、図18(b)に示すように、Icが不連続に流れる不連続モードは、VINとVmaxとが等しくなる場合である。非接触給電において、接合部(第1結合コンデンサ31と第2結合コンデンサ32)のキャパシタの容量を大きくすることが困難であるため、Ic=0の期間が長くなりやすく、負荷8への伝送効率が下がってしまうという問題がある。キャパシタによる絶縁を実現する場合は、連続モードとなるように絶縁キャパシタを選定すればよいが、非接触給電の場合は大きな接合キャパシタンスを実現することは困難である。そこで、本発明では、不連続モードの場合に、ワンパルスアクティブキャパシタを用いて給電容量を増加させているのである。
【0026】
電源部11は、直流電力の供給源である。例えば、直流電源12は、蓄電池であってもよいし、送電線を介して送電された交流電力を直流電力に変換する交流/直流変換装置として構成されたものであってもよい。なお、図2の例では1つの蓄電池の態様で表しているが、こうした態様に限定されず、複数の蓄電池で構成したものであってもよいし、蓄電池と交流/直流変換装置とを併設したものであってもよい。
【0027】
電源部11では、図2等に示すように、直流電源12をインバータで対角にスイッチングを行い、方形波を作っている。スイッチング部13は、一般的なものであり、トランジスタと、各トランジスタに並列接続されたダイオードと、スイッチング制御部とで構成される。本発明は電界結合非接触給電方式であるので、接合部(第1結合コンデンサ31と第2結合コンデンサ32)がキャパシタンスである。そのため、周波数が高ければ高いほど、キャパシタンスのインピーダンスは減少し、負荷への電力供給が増えることになる。そこで、本発明では、電源を、単純なスイッチの切り替えで行える方形波とすることが好ましい。こうした方形波電源を備えた電源部11は、どのような電圧値を供給してもよいが、実用上、数V(例えば1V,2V,5V等)から数百V程度(例えば100V,200V等)を供給できる。また、その周波数も特に限定されず、1Hz未満の低周波数でもよいが、実用上は1kHz以上である。なお、高い周波数は、使用するデバイスにより数百MHzの周波数でも可能であるが、通常、数MHz程度である。
【0028】
(被給電部)
被給電部5は、被給電領域3に固定的に配置して使用されるもの(静止体)であってもよいし、被給電領域3で移動するもの(可動体又は移動体ということもできる。)であってもよい。この被給電部5の機能や具体的構成は特に限定されないが、例えば静止体としては、設置箇所が固定されて通常は移動しない家電やデスクトップ型のコンピュータ等や、移動可能であるが充電時にはその場に置いて移動しない携帯電話、ノートパソコン、ポータブルオーディオプレイヤー、コードレス掃除機等を挙げることができる。また、可動体又は移動体としては、搬送ロボット等の移動ロボットや電気自動車等を挙げることができる。
【0029】
具体的には、被給電部5は、図1及び図2等に示すように、第1送電電極33及び第2送電電極34に対して境界部6を挟んで非接触態様で対向配置される第1受電電極35及び第2受電電極36を備えている。そして、この被給電部5には、負荷8が接続されている。
【0030】
(境界部)
給電領域2と被給電領域3とを区画する部位を「境界部6」(境界面ということもある。)という。例えば、被給電領域3を建屋の居室とすると共に、給電領域2を居室の床部又は壁部とした場合、床面又は壁面が境界部になる。この境界部6は、図1に示すように、第1結合コンデンサ31と第2結合コンデンサ32とから構成される。第1結合コンデンサ31は、第1送電電極33と、第1送電電極33に対向配置した第1受電電極35及び第2受電電極36のいずれか一方とで構成されている。同様に、第2結合コンデンサ32は、第2送電電極34と、第2送電電極34に対向配置した第1受電電極35及び第2受電電極36のいずれか他方とで構成されている。
【0031】
(負荷)
負荷8は、被給電部5を介して供給された電力にて駆動し、所定機能を発揮するものである。例えば、被給電部5が携帯電話、ノートパソコン、ポータブルオーディオプレイヤー、コードレス掃除機等である場合には、その充電池(二次電池)が該当する。また、被給電部5が家電やデスクトップ型のコンピュータ等である場合には、内蔵された駆動電源ユニット等が該当する。また、被給電部5が搬送ロボット等の移動ロボットや電気自動車等である場合には、ロボット等に内蔵されたモータや制御ユニットが該当する。この他、負荷8の具体的構成は任意であり、例えば、被給電部5の外部の機器との相互間で通信信号の送受を無線又は有線にて行う通信機器、各種情報に関する情報処理を行なう情報処理機器等を挙げることができる。
【0032】
負荷8は、被給電部5と一体として設けられているものであってもよいし、被給電部5と別体として設けられているものであってもよい。また、図1等においては、負荷8を1つのみ示しているが、相互に直列又は並列に接続された複数の負荷に対して電力供給を行ってもよい。
【0033】
このように構成される電界結合非接触給電システム1は、図1に示すように、給電部4から被給電部5に対して電力を非接触で供給することができる。この非接触での電力供給は、境界部6を介して配置された結合部(第1結合コンデンサ31及び第2結合コンデンサ32)を用いて行われる。各結合コンデンサ31,32は、給電部4に設けた第1送信電極33及び第2送電電極34と、被給電部5に設けた第1受電電極35及び第2受電電極36とを、境界部(境界面)6を挟んで相互に非接触状に対向配置して構成されている。なお、各結合コンデンサ31,32を構成する各送電電極33,34と各受電電極35,36は、それぞれ平板状の導電体であり、相互に略平行になるように配置される。
【0034】
本発明では、こうした結合コンデンサ31,32を少なくとも2つ設けて送電路に配置し、この2つの結合コンデンサ31,32を介して電界型の送電を行う。なお、本発明の構成によれば、給電部4の各送電電極33,34を被給電領域3に露出させる必要がなく、電力供給システムの安全性や耐久性を高めることができるという効果も併せ持つ。また、各送電電極33,34を複数配置することで、被給電部5が移動した場合においても当該被給電部5に対して継続的に電力供給を行うことができ、被給電部5の移動の自由度を確保することができるという効果も併せ持つ。
【0035】
[アクティブキャパシタを有する回路構成]
最初に、アクティブキャパシタ21を接続しない非接触給電システム101の回路構成(図16参照)について説明し、その後に、本発明に係る非接触給電システム1Aの回路構成(図2参照)について説明する。
【0036】
(アクティブキャパシタを接続しない回路)
図16は、アクティブキャパシタを接続しない回路で構成された非接触給電システム101の例である。この回路では、電源部111のインバータにより、高周波の方形波電圧Vsを出力し、非接触の接合部(接合コンデンサ131,132)のキャパシタCjの電界を媒介としてエネルギーを被給電部105に伝送し、その被給電部105が備えるチョークインプット整流回路で整流され、負荷108に直流電流Iloadを給電する。チョークインプット整流回路には、デットタイムの影響を考え、電流環流用のダイオードDfを接続している。
【0037】
図17は、図16に示す回路構造の各部の電圧波形と電流波形を示している。図17の波形は、電源部111から出力するインプット直流電圧Eを40V、スイッチング周期Tを100μs(スイッチング周波数10kHz)、結合部容量Cjを333nF×2、インダクタンスLを1.35mH、負荷抵抗Rを10Ωとしたときの例である。このとき、結合部を流れる電流Icjが不連続モードとなるようにしている。この不連続モードについては図18を用いて説明したとおりである。なお、図17の波形グラフにおいて、(A)のVsは電源部111から出力された方形波電圧であり、(B)のVcjは接合コンデンサ131,132に印加される電圧であり、(C)のIcjは接合コンデンサ131,132に流れる電流であり、(D)のIloadは負荷108に流れる電流であり、(E)のploadは電源部111から供給される瞬間電力であり、(G)のWloadは負荷平均電力である。
【0038】
電流Icjは、Vsと2×Vcjとに電位差がある場合のみ流れる。電流Icjが流れることで接合コンデンサ131,132のキャパシタCjが充電又は放電を行い、電圧Vcjが上昇又は減少してVsとVcjの電圧が再び等しくなると、電流Icjは負荷108で環流し、Icjは流れなくなる。
【0039】
図17に示すように、不連続モード時は、電流Icjが導通しているときのみ電源から負荷108に電力を供給しているため、Icjの導通時間が短いと、負荷電力Wloadは低く、伝送効率が悪くなる。
【0040】
ここで、連続モードと不連続モードの境界条件を求める。一回の電流の導通時間をΔTとし、スイッチング周期をTとすると、スイッチの切り替えは一周期に2回あるため、下記式(1)のときが不連続モードとなる。
【0041】
【数1】

【0042】
また、キャパシタの電流は下記式(2)となる。
【0043】
【数2】

【0044】
式(2)を式(1)に代入すると、下記式(3)となり、この条件下で不連続モードとなる。
【0045】
【数3】

【0046】
また、負荷電流Iloadは下記式(4)と、負荷108にかかる平均電圧Voutと、その抵抗値Rとで決まる。
【0047】
【数4】

【0048】
Voutも周期TにおけるΔTの割合で決められるので、下記式(5)となる。
【0049】
【数5】

【0050】
式(4)は式(2)と式(5)から下記式(6)となる。
【0051】
【数6】

【0052】
上記した回路要素のパラメータを式(6)に代入すると、I=1.03Aとなり、図17(F)の値とほぼ一致する。なお、fはスイッチング周波数であり、f=1/Tである。
【0053】
(アクティブキャパシタを接続した回路)
図2は、アクティブキャパシタ21を1つ備えた本発明に係る非接触給電システム1Aを示す構成図である。アクティブキャパシタ21は、第1結合コンデンサ31に直列接続されている。そして、アクティブキャパシタ21は、図3(A)(B)に示すように、アクティブキャパシタ制御部25(図1参照)により、アクティブキャパシタ21の直流電圧Vaccの位相(図3(B)参照)が、電源部11から出力された直流方形波電圧Vsの位相(図3(A)参照)から例えば90°遅れるように制御されている。なお、こうした制御は、アクティブキャパシタ21を負のキャパシタンスとして動作させる。
【0054】
この例では、Vaccの位相が直流方形波電圧Vsの位相から90°遅れるようにしている。なお、この位相の遅れは90°が原則であるが、電流が連続とならない限り(つまり重ならない限り)位相がずれてもよい(つまり90°以外であってもよい)。
【0055】
図2の例では、アクティブキャパシタ21のインバータの直流電圧Vaccは、電源部11から出力された直流方形波電圧Vsと等しくなっている(図3(A)(B)参照)。両者の電圧(VaccとVs)は、図3に示すように同じ値であってもよいし異なる値であってもよいが、同じ値であることがデバイスの選定上有利でIC化し易いという利点がある(なお、後述の図4に示すように直流電源22の代わりにキャパシタ24を用いた場合は必ず同じ電圧になる。)。両者の電圧(VaccとVs)を異なる値にする場合は、連続モードとならない範囲で任意の値に設定できる。
【0056】
なお、図3のグラフにおいて、(C)のV1はVsとVaccの合成電圧であり、(D)のVcjは接合コンデンサ31,32に印加される電圧であり、(E)のIcjは接合コンデンサ31,32に流れる電流であり、(F)のIloadは負荷8に流れる電流であり、(G)のploadは電源部11から供給される瞬間電力であり、(G)のWloadは負荷平均電力である。
【0057】
図2の回路で図3に示すような制御を行うことにより、合成電圧V1が階段状となり(図3(C)参照)、電圧の立ち上がり回数が2倍に増える(図3(D)参照)。その結果、電流Icjの導通回数も2倍となる(図3(E)参照)。
【0058】
連続モード・不連続モードの境界条件及び負荷電流Iloadは、上記式(1)及び式(5)のΔTの回数がそれぞれ2倍となるので、境界条件は下記式(7)のようになり、負荷電流は下記式(8)となり、アクティブキャパシタ接続によって負荷電流値が2倍となる。
【0059】
【数7】

【0060】
【数8】

【0061】
図17の回路条件で負荷電流Iloadを計算すると1.4Aとなり、式(8)が成り立つことがわかる。出力電力はIRなので、アクティブキャパシタ21を接続すると出力電力が2倍に増えていることがわかり、伝送効率の向上を確認することができる。
【0062】
ここで、アクティブキャパシタ21が負のキャパシタとして動作していることを以下により確認した。すなわち、Vaccが逆起電力方向を正としていることを考慮すると、IcjはVaccからおよそ90°遅れていることがわかる。電流が電圧から90°遅れるという特性は、インダクタンス特性であることを示している。しかし、図16に示す回路は、周波数による特性の変化が無いこと、及び、過渡時も振動を発生させることなく給電電力を増加させることから、負のキャパシタンスとして動作しているということができるのである。
【0063】
(アクティブキャパシタを構成する直流電源をキャパシタに置き換えた回路)
図4は、図2に示すアクティブキャパシタ21を構成する直流電源22をキャパシタ24に置き換えて構成した回路である。図2に示すアクティブキャパシタ21はキャパシタとして動作しているため、直流電源22をキャパシタ24で置き換えることができるのである(図5参照)。
【0064】
キャパシタ24で置き換えた場合は電圧変動が問題となる。そのため、アクティブキャパシタ21のキャパシタ24の電圧変動を考える。キャパシタ24には接合容量Cjと同じ電流が流れる。電圧変動はキャパシタンスに反比例するから、キャパシタ24の容量Csを接合容量Cj(接合コンデンサ31,32それぞれでの容量)のk倍にすれば、電圧変動は1/kとなる。接合容量Cjの電圧変動は電源電圧Eの2倍となるから、キャパシタ24の容量Csの電圧変動は2E/kとなる。接合容量Cjを166nF、電源電圧Eを40V、キャパシタ24の容量Csを20μFとすると、容量Csの変動は0.7Vとなり、十分小さい値であると言える。なお、kは、不安定とならない限りどのような値でもよいが、最低1以上で、数十(10,20,50等)から数百(100,200,500等)までの任意の値をとることができる。
【0065】
図6(C)は、キャパシタ24の容量Csの電流波形を示している。このように、Csには、正負の電流が交互に流れ、平均電力が零であることがわかる。図7はCsの電圧Vcsの変動を示している。電圧Vcsは充放電のたびに変動が繰り返されるが、動作に支障があるような変動幅ではないことがわかる。
【0066】
(Csの電圧維持及び初期充電)
実際の回路には各部の損失が存在する。そのため、キャパシタ24の容量Csの電圧Vcsが変動することが考えられる。また、初期充電の必要もある。しかし、図3に示す本発明に係る回路は、自動的に容量Csの電圧Vcsが電源電圧Vsと同等まで初期充電され、そのまま維持されるという好ましい特性がある。
【0067】
図6(A)(C)より、キャパシタ24の電流Icsが正方向に流れるのは、電源部11の電源電圧Vsが変動する時である。それに対して、図6(B)(C)に示すように、キャパシタ24での電流Icsが負方向に流れるのは、電源部11の電源電圧Vaccが変化する時である。
【0068】
ここで、図6(C)に示すIcsの振幅は負荷電流で定まるので、インダクタLが十分に大きければほぼ一定であるということができる。図2(E)に示すように、一回当たりのIcjが流れる時間は、そのときの電圧変動に比例する。電源方形波のVsの振幅とVaccの振幅とが等しいので、正負両方向に流れる電流の幅は等しくなる。しかし、例えば、Vcsが電源電圧Vsよりも小さく、Vaccの振幅がVsの振幅よりも小さいと、正方向の電流の通流幅よりも負方向の電流の通流幅が小さくなり、平均電流が正となる。つまり、アクティブキャパシタ21の容量Csを充電させる方向となる。そして、Vcsが電源電圧Vsと等しくなった点で、Icsの平均がゼロとなり、釣り合うことになる。本発明に係るアクティブキャパシタ21の構成回路はこのようなメカニズムであるので、たとえVcsがゼロであったとしても、電源電圧Vsの電圧値Eまで初期充電され、さらに、自動的にその電圧値Eを保持することができる。
【0069】
図8は、図3のパラメータ条件で、アクティブキャパシタ21の容量Ccsでの電圧Vcsを初期値(ゼロ)から起動した場合の電圧変化を示している。図8に示すように、自動的に電源電圧Vsの電圧値Eまで充電された後に保たれていることがわかる。本発明に係る回路は、あくまでもVcsのフィードバック制御等は一切ない状態で、このような動作を実現できる点に特徴がある。
【0070】
(他の実施形態)
図9は、本発明に係る非接触給電システム1Cのさらに他の一例を示す構成図である。また、図10は図9に示す電界結合非接触給電システム1Cの位相特性であり、図11は図9に示す電界結合非接触給電システム1Cの各部の電圧波形と電流波形である。図9の回路は、図2に示すアクティブキャパシタ(21A)にさらに直列にもう1つのアクティブキャパシタ(21B)を繋いだ回路である。電源電圧Vsと各アクティブキャパシタ21A,21BのVC1及びVC2とのスイッチングのタイミングは、図11(A)〜(C)となるようにスイッチングを行うことができる。こうしたスイッチングパターンは任意に設定可能である。
【0071】
図10(A)と図11(G)に示すように、接合電流Icjの導通回数は図3(E)からさらに2回増え、Voutの平均電圧も増加し、負荷8に流れる電流Iloadは大きくなった。また、V1の電圧も振幅が±50V増えている。このように、アクティブキャパシタ21を増やしていくと、接合電流Iloadが常に流れている状態とすることができる。そして、Vout=EとなるときがIload=E/Rとなり、負荷電流が最大のときである。
【0072】
ここで、アクティブキャパシタ21が負のキャパシタと同等の動作をしていることを確認する。2つのアクティブキャパシタ21A,21Bの電圧VC1及びVC2の合成電圧をVc-sumとしたとき、合成電圧と流れる電流の位相を比較する。図10(B)では、分かりやすくするために、それぞれの波形を正弦波で近似したものを同時に示している。すると、電圧と電流が約90°ずれていることが分かる。こうしたことは、アクティブキャパシタは、負のキャパシタンスと同じ動作をしていることを意味している。
【0073】
(さらに他の実施形態)
図12は、4つのアクティブキャパシタを直列接続したアクティブキャパシタを用いた場合のスイッチング波形の一例である。上記したように、アクティブキャパシタ21の数が増えると、スイッチングパターンが特殊になる。その理由は、平均電力が零にならなければいけないからである。そこで、アクティブキャパシタの平均電力が零になるようなスイッチングパターンを選定することになる。
【0074】
ここで、スイッチングパターン決めるにあたって、二つの条件がある。第1の条件は、それぞれのアクティブキャパシタの正電圧時の中心が電源電圧Vsの立ち下がりにくることであり、第2の条件は、電源電圧と各々のアクティブキャパシタ電圧のすべての立ち上がり、立ち下がりの間隔が一定であることである。図12は、これら2つの条件を満たした一例である。
【0075】
まず、第1の条件を満たさないと平均電力が零にならない。また、第2の条件に関しては、Voutの電圧が零になる前にスイッチが切り替わるような状態になると、間隔が一定にならないという問題が生じる。また、電流の導通が重なる形になると、片方のキャパシタの放電量が増えて電圧を一定に保てないという問題が生じる。したがって、上記した2つの条件を満たすようにスイッチングを設定することが必須となる。
【0076】
前記した図11においても、こうした2つの条件を満たしている。こうした条件を満たすように設定することにより、電源1周期の間に各アクティブキャパシタのスイッチの切り替えが1回で済むので制御しやすいという利点がある。そして、アクティブキャパシタを複数増やしても、この2つの条件を満たすスイッチングパルスに設定すればよい。例えば、アクティブキャパシタの個数をn個としたとき、オン期間を下記式(9)のようにする。
【0077】
【数9】

【0078】
これにより、n個のスイッチングパターンができるので、それぞれのオン期間の中心を電源電圧の立下りに合わせてスイッチングを行えばよい。一例として、アクティブキャパシタを4つ直列接続した場合を設定する。上記式(9)において、nに4を代入し、kに1〜4を代入すると、図12(B)〜(E)中に示すように、T/5、2T/5、3T/5、4T/5、の4パターンができる。したがって、図12に示すようなスイッチングを行えばよい。
【実施例】
【0079】
以下に、本発明に係る電界結合非接触給電システムの具体的な実験結果について実験例により説明する。なお、本発明は下記の実験例に限定されない。
【0080】
(実験例)
図13は、実験に用いた回路の構成図であり、図14は、図13の回路からアクティブキャパシタを外した回路で得られた実験波形であり、図15は、図13の回路で得られた実験波形である。図14と図15を比較してわかるように、アクティブキャパシタ21を接続することで、一周期における電流導通回数は増加しており、負荷電流Iloadも増加していることがわかり、アクティブキャパシタを設けることによる伝送効率の向上を確認できた。
【0081】
この実験での回路パラメータを表1に示す。
【0082】
【表1】

【0083】
以上説明したように、本発明に係る非接触給電システム1では,新しい電界結合非接触給電方式として、ワンパルスアクティブキャパシタ21を用いた回路とした。こうしたアクティブキャパシタ21を接続することにより、不連続モード時の通流時間が増え、負荷電流が増加し、伝送効率の向上効果を発揮することができた。上記のように、負荷電流が√2倍(約1.4倍)増加することを確認でき、伝送効率の向上を確認できた。本発明を構成するアクティブキャパシタ21を有する回路は、直流部にキャパシタのみを持つ簡単な回路で構成することができ、しかもその制御も位相を90°ずらしたスイッチングパターンを与えるという極めて簡単な制御で行うことができ、伝送効率の向上を図ることができた。こうした回路は、集積化が容易な回路と言える。
【符号の説明】
【0084】
1,1A,1B,1C,1D 電界結合非接触給電システム
2 給電領域
3 被給電領域
4 給電部
5 被給電部
6 境界部
8 負荷
11 電源部
21 アクティブキャパシタ
24 キャパシタ
25 アクティブキャパシタ制御部
31 第1結合コンデンサ
32 第2結合コンデンサ
33 第1送電電極
34 第2送電電極
35 第1受電電極
36 第2受電電極
【0085】
Vcj アクティブキャパシタのインバータ電圧(直流電圧)
Vcs アクティブキャパシタを構成するキャパシタンスCの容量Csにおける電圧
Vs 電源部のインバータ電圧(直流電圧)
V1 合成電圧
Icj アクティブキャパシタの電流
【0086】
101 アクティブキャパシタを接続しない非接触給電システム
102 給電領域
103 被給電領域
104 給電部
105 被給電部
106 境界部
108 負荷
111 電源部
112 直流電源
131,132 接合コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電領域に配置された給電部と、被給電領域に配置されて負荷に電力を供給するための被給電部とを有し、
前記給電部は、電源部と、アクティブキャパシタと、当該アクティブキャパシタを制御するアクティブキャパシタ制御部と、前記給電領域と前記被給電領域との境界部の当該給電領域側に配置されて、前記電源部から電力の供給を受ける第1送電電極及び第2送電電極とを備え、
前記被給電部は、前記第1送電電極及び前記第2送電電極に対して前記境界部を挟んで非接触態様で対向配置される第1受電電極及び第2の受電電極を備え、
前記第1送電電極と、当該第1送電電極に対向配置した前記第1受電電極及び第2受電電極のいずれか一方とで第1結合コンデンサが構成され、前記第2送電電極と、当該第2送電電極に対向配置した前記第1受電電極及び第2受電電極のいずれか他方とで第2結合コンデンサが構成され、
前記アクティブキャパシタは、前記第1結合コンデンサ及び前記第2結合コンデンサのいずれか一方に直列接続されており、前記アクティブキャパシタ制御部により当該アクティブキャパシタの直流電圧Vcjの位相が前記電源部の直流電圧Vsの位相から遅れるように制御され、前記アクティブキャパシタが負のキャパシタンスとして動作する、ことを特徴とする電界結合非接触給電システム。
【請求項2】
前記アクティブキャパシタがキャパシタを備えている、請求項1に記載の電界結合非接触給電システム。
【請求項3】
前記アクティブキャパシタが直流電源を備えている、請求項1に記載の電界結合非接触給電システム。
【請求項4】
前記アクティブキャパシタを1又は2以上直列接続する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電界結合非接触給電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−34447(P2012−34447A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169825(P2010−169825)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(304036743)国立大学法人宇都宮大学 (209)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)