説明

電磁石制御装置

【課題】配線数が少なくて済み、製作が容易で且つノイズ等も抑制できる電磁石制御装置を提供すること。
【解決手段】複数の電磁石10を備え、該電磁石10の励磁コイルΧに所定波形の励磁電流を通電することにより、所定の磁場空間を形成する電磁石制御装置であって、励磁コイルΧに任意の励磁電流を通電するドライバー11と、励磁コイルに通電する励磁電流値をドライバーに指令する電流制御部12と、を備え、ドライバー11と電流制御部12をユニット20として、複数ユニット20を別置きにし、各ユニットの電流制御部とドライバーをデイジーチェーンのシリアル通信で接続し、電源部から各ユニットへ電流をマルチドロップで供給可能なバスライン22で供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の空間に磁場を生成する電磁石を備え、該電磁石は隔壁で仕切られた空間内に発生したプラズマ分布を能動的に制御するため、該隔壁周囲の任意の位置に電磁石を配置し、且つ該電磁石を励磁するための電磁石制御装置は、該電磁石の配置に対して効率的に配置、配線を可能にした電磁石制御装置であって、該隔壁で封止された空間内に封入されたプラズマ分布状態を該電磁石にて発生させた磁界によって任意に制御する電磁石制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来のこの種の電磁石制御装置の構成例を示すブロック図である。図示するように、電磁石制御装置は複数の電磁石10−1〜10−nと、各電磁石10−1〜10−nに対応したドライバー11−1〜11−n、各ドライバー11−1〜11−nに対応した電流制御部12−1〜12−nを備えている。ドライバー11−1〜11−nのそれぞれと電源部13は2本(又は接地線を含む3本)の電力供給用配線14で接続され、電流制御部12−1〜12−nのそれぞれとホストコンピュータ15は信号伝送用配線16で接続されている。
【0003】
ホストコンピュータ15からの指令信号S1により、電流制御部12−1〜12−nからドライバー11−1〜11−nのそれぞれに電流信号S2が出力され、ドライバー11−1〜11−nのそれぞれから電磁石10−1〜10−nの励磁コイルΧにコイル駆動電圧vが出力され、各励磁コイルに励磁電流iが通電する。これにより、各電磁石10−1〜10−nから発生する磁束により隔壁で仕切られた空間内に任意の磁界を形成し、例えば該空間内に発生するプラズマの状態を制御することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開10−275006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来構成の電磁石制御装置では、電源部13とドライバー11−1〜11−nのそれぞれは2本の電力供給用配線14で接続され、電流制御部12−1〜12−nのそれぞれとホストコンピュータ15が信号伝送用配線16で接続されているため、ドライバー11の個数に応じて配線数が必要となり、電力供給配線14及び信号伝送用配線16の配線数が多くなる。そのため磁界生成を行う密閉空間を形成する隔壁周囲の所望の場所へ個々の電磁石制御機器の配線作業が煩雑になることから、製造に長時間を要すると共に、材料費が高価となり、製造コストも嵩むという問題があった。また、配線数が多くなると、ホストコンピュータ15の信号伝送用配線16への接続ポート数や電源部13の接続ポート数が増大するため、物理的なスペースが必要となり増やせる数に制限があった。
【0006】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、配線数を最小限に抑え、製作が容易、製造コストが安価、且つノイズ等も抑制しつつ、密閉容器周囲への複数の電磁石制御機器を配置可能とする電磁石制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、隔壁周囲の所定位置に配置された複数の電磁石を備え、該電磁石の励磁コイルに所定波形の励磁電流を通電することにより、隔壁で仕切られた密閉空間内に磁界形成する電磁石装置を制御する電磁石制御装置であって、電磁石の励磁コイルに個別に或いは複数の励磁コイルに一括して任意の励磁電流を通電するため、該励磁コイルに近傍に各々配置されたドライバーと、励磁コイルに通電する励磁電流値をドライバーに個別に、或いは複数一括して指令する複数の電流制御部と、を備え、個別或いは複数のドライバーと電流制御部の組合せを1つのユニットとして、複数ユニットを隔壁周囲に配置し、各ユニットの電流制御部とドライバーは全体の制御信号をデイジーチェーンのシリアル通信で接続したことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、隔壁周囲の所定位置に配置された複数の電磁石を備え、該電磁石の励磁コイルに所定波形の励磁電流を通電することにより、隔壁で仕切られた密閉空間内に磁界形成する電磁石装置を制御する電磁石制御装置であって、励磁コイルに任意の励磁電流を通電する複数のドライバーと、励磁コイルに通電する励磁電流を前記ドライバーに指令する電流制御部と、を備え、ドライバーと電流制御部をユニットとして、複数ユニットを隔壁周囲に配置し、電源部から各ユニットへ電力供給をマルチドロップで供給可能な電源バスラインで供給するように構成していることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、隔壁周囲の所定位置に配置された複数の電磁石を備え、該電磁石の励磁コイルに所定波形の励磁電流を通電することにより、隔壁で仕切られた密閉空間内に磁界形成する電磁石装置を制御する電磁石制御装置であって、励磁コイルに任意の励磁電流を通電する複数のドライバーと、励磁コイルに通電する励磁電流値を前記ドライバーに指令する電流制御部と、を備え、ドライバーと電流制御部とドライバーをユニットとして、複数ユニットを隔壁周囲に配置し、各ユニットの電流制御部又はドライバーをデイジーチェーンのシリアル通信で接続し、電源部から各ユニットへ電力供給をマルチドロップで供給可能な電源バスラインで供給するように構成していることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記電磁石制御装置において、電源部から各ユニットのドライバーへの電力入力部にコンデンサを接続し、該ドライバーにノイズが循環する電流ループを形成したことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記電磁石制御装置において、電力入力部に接続するコンデンサは電解コンデンサ/又はセラミックコンデンサ又は電解コンデンサとセラミックコンデンサを並列に接続した回路であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、ドライバーと電流制御部をユニットとして、複数ユニットを別置きにし、各ユニットの電流制御部又はドライバーをデイジーチェーンのシリアル通信で接続しているので、いわゆるスター結線の様に一部に配線が集中することなく、ユニットの増設が可能となる。また、電源部から各ユニットへの電力供給をマルチドロップで供給可能な電源バスラインで供給するようになっているので、配線数を大幅に削減できると共に、製作が容易で、且つ製造コストが安価となる。
【0013】
また、本発明は、電源から各ユニットのドライバーへの電力入力部にコンデンサを接続し、該ドライバーにノイズが循環する電流ループを形成したので、ノイズが他のユニットに伝播するのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従来の電磁石制御装置の概略システム構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る電磁石制御装置の第一の概略システム構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る電磁石制御装置の第二の概略システム構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る電磁石制御装置の第三の概略システム構成を示すブロック図である。
【図5】本発明に係る電磁石制御装置の第四の概略システム構成を示すブロック図である。
【図6】本発明に係る電磁石制御装置の電流制御部とドライバーの構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明に係る電磁石制御装置の電磁石配列例を示す図である。
【図8】本発明に係る電磁石制御装置のドライバーと電磁石の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図2は本発明に係る電磁石制御装置の第一の概略システム構成を示すブロック図である。図示するように、本電磁石制御装置は複数の電磁石10−1〜10−nと、該電磁石10−1〜10−nのそれぞれに対応してドライバー11−1〜11−n、電流制御部12−1〜12−nを備えている。ドライバー11−1と電流制御部12−1、ドライバー11−2と電流制御部12−2、・・・ドライバー11−nと電流制御部12−nはそれぞれユニット20とし、ユニット20−1〜20−nのそれぞれは別置に設置されている。
【0016】
ユニット20−1〜20−nのそれぞれの電流制御部12−1〜12−nとホストコンピュータ15はシリアル通信ライン21で接続され、各ユニット20の電流制御部12はドライバー11と接続されている。また、電源部13と各ユニット20のドライバー11は電源バスライン22で接続され、マルチドロップで電力供給が可能となっている。
【0017】
上記構成の電磁石制御装置において、ホストコンピュータ15から各ユニット20の電流制御部12にシリアル通信ライン21を通して、指令信号S1が入力すると、電流制御部12では指令信号S1に応じた波形のデジタル量の電流信号S2を生成し、ドライバー11に出力する。ドライバー11は該電流信号S2を受け、電流信号S2に応じた波形の電流が電磁石10の励磁コイルΧに流れるようにコイル駆動電圧vを生成し、励磁コイルΧに出力する。これにより励磁コイルΧには指令信号S1で設定された波形の励磁電流が流れる。また、電源部13から各ユニット20のドライバー11には電源バスライン22を通してマルチドロップで電力が供給される。
【0018】
上記のように、電源部13と各ユニット20のドライバー11とをマルチドロップで供給可能な電源バスライン22で接続することにより、図1の従来例に比較し、配線数を大幅に削減でき、製作作業や材料費等の点で製造コストを大幅に削減できる。
【0019】
図3は本発明に係る電磁石制御装置の第二の概略システム構成を示すブロック図である。図示するように、本電磁石制御装置ではユニット20−1〜20−nのそれぞれの電流制御部12−1〜12−nとホストコンピュータ15はシリアル通信ライン21で接続され、各ユニット20の電流制御部12とドライバー11をデイジーチェーンのシリアル通信で接続されている。また、電源部13と各ユニット20のドライバー11は、図2に示す電磁石制御装置と同様に電源バスライン22で接続され、マルチドロップで電力供給が可能となっている。
【0020】
上記のように、ホストコンピュータ15と各ユニット20の電流制御部12をシリアル通信ライン21で接続し、各ユニット20の電流制御部12とドライバー11をデイジーチェーンのシリアル通信で接続し、更に電源部13と各ユニット20のドライバー11とをマルチドロップで供給可能な電源バスライン22で接続することにより、図1の従来例に比較し、配線数を大幅に削減でき、製作作業や材料費等の点で製造コストを大幅に削減できる。
【0021】
また、ドライバー11、電磁石10の数を多くしても、ホストコンピュータ15の信号伝送用配線であるシリアル通信ライン21への接続ポート数や電源部13の接続ポート数の増大を避けることができ、接続ポート部分の物理的なスペースによる制限を無くすることができる。
【0022】
図4は本発明に係る電磁石制御装置の第三の概略システム構成を示すブロック図である。図示するように、本電磁石制御装置では一つの電流制御部12と複数のドライバー11−1〜11−nを一まとめでユニット20を構成し、複数ユニット20−1〜20−nを設けた構成である。また、図示はしないが、ドライバー11には、電流制御部12からの電流信号情報を送受信する電流情報通信部と、その電流信号情報を格納する電流信号情報記憶部を設けている。
【0023】
ドライバー11は、ユニット20内の他のドライバーとデイジーチェーンのシリアル通信で接続されており、電流制御部12からの電流信号情報を電流情報通信部によって隣のドライバー11に送信することができるようになっている。このようにユニット20内の複数個あるドライバー11間をデイジーチェーンのシリアル通信ライン18で接続することにより、それぞれのドライバー11がそれぞれ割り当てられた電流信号情報を受け取り、記憶することができる。更に、ドライバー11は受け取った電流信号情報に応じて電磁石10の励磁コイルΧに励磁電流を流すことができる。
【0024】
また、ホストコンピュータ15は電流制御部12とシリアル通信21で接続され、電流制御部12は別のユニット20の電流制御部12とデイジーチェーンのシリアル通信ライン17で接続されている。このように接続することで、複数個のユニット20に対応可能としている。
【0025】
上記のように、電源部13と各ユニット20のドライバー11と電源バスライン22で接続することにより、あるユニット20のドライバー11で発生したノイズが電磁石制御装置の他のユニット20に伝播し、電磁石制御装置全体に伝播すること、更には当該電磁石制御装置だけでは無く、電源部13を通して他の電磁石制御装置へも伝播する恐れがある。
【0026】
本発明に係る電磁石制御装置では、上記各ユニット20のドライバー11で発生するノイズの伝播を回避するため、図5に示すように、電源部13から電源バスライン22を通って各ユニット20のドライバー11への電力を供給する電力入力部に電解コンデンサ23とセラミックコンデンサ24を並列に接続した回路を接続し、ドライバー11内にノイズが通る電流ループを形成している。これにより当該ドライバー11で発生したノイズは該電流ループ内に留まり、外部にノイズが伝播することを回避できる。なお、ここでは電解コンデンサ23とセラミックコンデンサ24を並列に接続し、低周波から高周波までのノイズの伝播を抑制できるが、場合によっては電解コンデンサ23又はセラミックコンデンサ24のいずれか一方でもよい。
【0027】
図6は上記ユニット20の構成例を示す図であり、ユニット20は上記のように電流制御部12とドライバー11をユニットにしたものである。電流制御部12はCPU(図示を省略)を具備するデジタル演算部25とD/A変換器26とで構成され、ドライバー11は電力増幅器(PAMP)で構成される。ホストコンピュータ15からデジタル演算部25に指令信号S1が入力されると、該指令信号S1が指定する任意の波形のデジタルの電流信号S2’を演算処理により生成し、該電流信号S2’をD/A変換器26に出力する。D/A変換器26ではデジタル信号である電流信号S2’をアナログの電流信号S2に変換し、ドライバー11である電力増幅器(PAMP)に出力する。電力増幅器では電磁石10の励磁コイルΧに電流信号S2で指定された励磁電流が流れるようなコイル駆動電圧vを生成し、励磁コイルΧに出力する。なお、電力増幅器11にはPWM電力増幅器を使用することもある。
【0028】
電磁石10の励磁コイルΧに流れた電流は、電流検出器27で検出され、該検出電流信号S3は増幅器(AMP)28で増幅された検出電流信号S4となり、更にA/D変換器29でデジタル量の検出電流信号S5に変換され、デジタル演算部25にフィードバックされる。デジタル演算部25は該検出電流信号S5を受け、励磁コイルΧに流れる電流iの「値」及び「位相」がホストコンピュータ15からの指令信号S1で指定された電流の「値」及び「位相」になるような電流信号S2’をD/A変換器26に出力する。これにより、各電磁石20の励磁コイルΧにはホストコンピュータ15からの指令信号S1が指定した「値」及び「位相」の励磁電流が流れる。
【0029】
なお、図2〜5に示す電磁石制御装置では、電源部13から各ユニット20のドライバー11に電源バスライン22にてマルチドロップで電力供給しているが、電流制御部12にも同様にマルチドロップにて電力供給してもよいことはいうまでもない。
【0030】
また、図7に示すように複数の電磁石10−1〜10−nは隔壁30周囲の所定位置に配置され、電磁石10−1〜10−nの各励磁コイルΧに励磁電流を通電することにより、該隔壁30で仕切られた密閉空間31内に磁界を形成するようになっている。また、上記例では、ドライバー11−1〜11−nはそれぞれ1個の電磁石10の励磁コイルΧに対応して設けられているが、図8(a)に示すようにドライバー11に励磁コイルΧを複数個直列接続、或いは図8(b)に示すようにドライバー11に励磁コイルΧを複数個並列接続し、1個のドライバー11が複数個の電磁石10の励磁コイルΧに一括して任意の励磁電流を通電するように構成する場合もある。図8(a),(b)は3個の励磁コイルΧを接続した例であるが、励磁コイルΧの数はこの限りではない。また、各ドライバーは励磁コイルΧの近傍に配置する。
【0031】
上記のように隔壁30周囲の所定位置に電磁石10−1〜10−nを配置し、電磁石10−1〜10−nの各励磁コイルΧに励磁電流を通電することにより、図示しない手段によって隔壁30の密閉空間31内にプラズマを発生させたとき、該密閉空間31内のプラズマ濃度分布を制御することができる。
【0032】
以上、本発明の実施形態例を説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお、直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造であっても、本願発明の作用効果を奏する以上、本願発明の技術範囲である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、ドライバー11と電流制御部12をユニットとして、複数ユニット20を別置きにし、各ユニット20の電流制御部12とドライバー11をデイジーチェーンのシリアル通信で接続し、電源部13から各ユニットへ供給する電流をマルチドロップで供給可能なバスライン22で供給するようにしたので、配線数を大幅に削減できると共に、空間を仕切るために配置される隔壁周辺への配線作業等が少なくて済むため、装置全体の製作が容易で、製造コストの安価な電磁石制御装置が提供可能となる。当該装置は、例えば隔壁で仕切られた所定の空間内に発生したプラズマ分布を該空間内において特定部位にプラズマが集中するように特定部周辺の磁力を増減させる、或いは空間内において均等にプラズマが存在するよう、隔壁内では均等な磁力が発生するよう能動的に制御する電磁石制御装置として利用できる。また、電源部13から各ユニット20のドライバー11への電力入力部に電解コンデンサ23及び/又はセラミックコンデンサ24を接続し、該ドライバーで電流ループを形成したので、ノイズが抑制できる電磁石制御装置として利用できる。
【符号の説明】
【0034】
10 電磁石
11 ドライバー
12 電流制御部
13 電源部
14 電力供給用配線
15 ホストコンピュータ
16 信号伝送用配線
17 シリアル通信ライン
18 シリアル通信ライン
21 シリアル通信ライン
22 電源バスライン
23 電解コンデンサ
24 セラミックコンデンサ
25 デジタル演算部
26 D/A変換器
27 電流検出器
28 増幅器(AMP)
29 A/D変換器
30 隔壁
31 密閉空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隔壁周囲の所定位置に配置された複数の電磁石を備え、該電磁石の励磁コイルに所定波形の励磁電流を通電することにより、前記隔壁で仕切られた密閉空間内に磁界形成する電磁石装置を制御する電磁石制御装置であって、
前記電磁石の励磁コイルに個別に或いは複数の励磁コイルに一括して任意の励磁電流を通電するため、該励磁コイルに近傍に各々配置されたドライバーと、
前記励磁コイルに通電する励磁電流値を前記ドライバーに個別に、或いは複数一括して指令する複数の電流制御部と、を備え、
前記個別或いは複数のドライバーと前記電流制御部の組合せを1つのユニットとして、複数ユニットを前記隔壁周囲に配置し、前記各ユニットの電流制御部とドライバーは全体の制御信号をデイジーチェーンのシリアル通信で接続したことを特徴とする電磁石制御装置。
【請求項2】
隔壁周囲の所定位置に配置された複数の電磁石を備え、該電磁石の励磁コイルに所定波形の励磁電流を通電することにより、前記隔壁で仕切られた密閉空間内に磁界形成する電磁石装置を制御する電磁石制御装置であって、
前記励磁コイルに任意の励磁電流を通電する複数のドライバーと、
前記励磁コイルに通電する励磁電流を前記ドライバーに指令する電流制御部と、を備え、
前記ドライバーと前記電流制御部をユニットとして、複数ユニットを前記隔壁周囲に配置し、電源部から各ユニットへ電力供給をマルチドロップで供給可能な電源バスラインで供給するように構成していることを特徴とする電磁石制御装置。
【請求項3】
隔壁周囲の所定位置に配置された複数の電磁石を備え、該電磁石の励磁コイルに所定波形の励磁電流を通電することにより、前記隔壁で仕切られた密閉空間内に磁界形成する電磁石装置を制御する電磁石制御装置であって、
前記励磁コイルに任意の励磁電流を通電する複数のドライバーと、
前記励磁コイルに通電する励磁電流値を前記ドライバーに指令する電流制御部と、を備え、
前記ドライバーと前記電流制御部とドライバーをユニットとして、複数ユニットを前記隔壁周囲に配置し、前記各ユニットの電流制御部又はドライバーをデイジーチェーンのシリアル通信で接続し、
電源部から各ユニットへ電力供給をマルチドロップで供給可能な電源バスラインで供給するように構成していることを特徴とする電磁石制御装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の電磁石制御装置において、
電源から前記各ユニットのドライバーへの電力入力部にコンデンサを接続し、該ドライバーにノイズが循環する電流ループを形成したことを特徴とする電磁石制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電磁石制御装置において、
前記電力入力部にコンデンサに接続するコンデンサは電解コンデンサ/又はセラミックコンデンサ又は電解コンデンサとセラミックコンデンサを並列に接続した回路であることを特徴とする電磁石制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−74586(P2012−74586A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219024(P2010−219024)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)