説明

電解用陰極

【課題】 従来の電解用陰極より少量の白金族金属触媒を使用して、高活性の電解用陰極を提供する。
【解決手段】 導電性基体、該導電性基体表面に形成した導電性酸化物を含む中間層、及び該中間層表面に形成した銀及び銀酸化物から選択される少なくとも一種と、白金族金属、白金族金属酸化物及び白金族金属水酸化物から選択される少なくとも一種とを含む触媒層を含んで成る電解用陰極。この陰極では、銀又は銀酸化物粒子の周囲及び内部に白金族金属又はその化合物微粒子が高分散して付着している形態を有し、これにより白金族化合物の有効電解面積が大きくなり、少量の白金族化合物でも良好な電解特性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工業電解に用いる電解用陰極に関し、より詳細には安価に製造できかつ安定な運転を可能にする電解用陰極、特に水素発生陰極に関する。
【背景技術】
【0002】
工業用原料として重要である水酸化ナトリウム及び塩素は主として食塩電解法により製造されている。この電解プロセスは、水銀陰極を使用する水銀法及びアスベスト隔膜と軟鉄陰極を使用する隔膜法を経てイオン交換膜を隔膜とし、過電圧の小さい活性化陰極を使用するイオン交換膜法に移行してきた。この間、苛性ソーダ1トンの製造の電力原単位は2000kWhまで減少した。活性化陰極としては、酸化ルテニウム粉をニッケルめっき浴に分散させて複合めっきすることにより得られる陰極をはじめ、SやSnなどの第2成分を含むニッケルめっき、NiOプラズマ溶射、ラネーニッケル、Ni−Mo合金、Pt−Ru置換めっき、逆電流に耐性を与えるために水素吸蔵合金を用いたものなどがある(Electrochemical Hydrogen Technologies p.15-62, 1990, H.Wendt、米国特許明細書第4801368号明細書、J.Electrochem.Soc.,137,1419(1993)、Modern Chlor-Alkali Technology, Vol.3, 1986)。特公平6−33481号公報及び特公平6−33492号公報ではセリウムと貴金属の混合触媒が鉄の汚染に対して耐性があることが報告されている。最近イオン交換膜電解法において、生産能力の増大と投資コスト低減のために電流密度を高くできる電解セルが考案されつつあり、低抵抗膜の開発により、大電流の負荷が可能になってきた。
【0003】
陽極であるDSAは水銀法で200−300A/dm2までの電流密度での運転実績があるが、イオン交換膜法の陰極として使用される際の寿命、性能に関しては未だ実績がなく、更なる改良の要求が出てきた。即ち過電圧が低いこと、膜との接触において膜を傷めないこと、陰極からの金属イオンなどの汚染が少ないことが重要である。従来から使用されてきた陰極(表面の凹凸が大きい、触媒層の機械的強度が小さいもの)を使用していくことが困難となり、新プロセスを実現させるためには高性能かつ上記電解条件でも充分な安全性を要する活性化陰極の開発も不可欠である。
現在、最も一般的に行われている活性化陰極を用いた食塩電解法では、陰極はカチオン交換膜の陰極側に接するか、イオン交換膜から3mm以下のギャップで配置される。陰極の触媒層で水が反応して水酸化ナトリウムを生成する。陽極反応及び陰極反応はそれぞれ、
2Cl- = Cl2 + 2e (1.36V)
2H2O = 2OH- + H2 (-0.83V)
であり、理論分解電圧は2.19Vとなる。
【0004】
しかし、従来の活性化陰極を大電流密度で運転する場合、いくつかの大きな課題を有している。すなわち、
(1) 電極の劣化に伴い基材(ニッケル、鉄、カーボン成分)の一部が溶解剥離し、陰極液及び膜や陽極室に移行し、製品品質の低下と電解性能の劣化を招く。
(2) 大電流密度になるほど過電圧が増大し、エネルギー効率が低下する。
(3) 大電流密度になるほど槽内の気泡分布が増大し、生成する苛性濃度の分布を生じるため、陰極液の溶液抵抗損失が増加する。
(4) 運転条件が過酷になると、セル構成材料からの不純物(イオウ、鉄など)の流出量が増大し、電極を汚染する。
等である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また陰極をイオン交換膜と密着させて配置(ゼロギャップ)した方が電圧を低下できるはずであり望ましいが、表面の荒れた陰極により機械的に膜を破壊する可能性があり、従来の陰極を高電流密度かつゼロギャップ条件で使用するのは問題があった。貴金属を触媒として用いた陰極も従来から提案されており、性能的には期待できるが、価格的に問題があり使用量を低減することが必須であるが、この場合触媒層が薄くなるため基材は溶解剥離しやすくなり、やはり改良が要望されている。
本発明では前述の従来技術の問題点を解消し、大電流密度での電解にもゼロギャップでも使用可能でかつ高価な貴金属の使用量を最小限に抑えることにより安価で剥離等が起こり難い電解用陰極(水素発生陰極)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、導電性基体、及び該導電性基体表面に形成した、銀及び銀酸化物から選択される少なくとも一種と、白金族金属、白金族金属酸化物及び白金族金属水酸化物から選択される少なくとも一種とを含む触媒層を含んで成ることを特徴とする電解用陰極であり、導電性基体と触媒層の間に導電性酸化物を含む中間層を有することが望ましい。
【0007】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の水素発生陰極は、導電性基体表面に、中間層を介してあるいは介さずに被覆形成される触媒層が、銀又は銀化合物と、白金族金属又はその化合物を含有することを特徴とする。
このように本発明の触媒層は、銀又は銀化合物と、白金族金属又はその化合物を含有するが、金属銀と白金族金属のモル比は(1〜200):1、通常は50:1程度とする。このようなモル比で構成される触媒層では、塊状の銀又は銀酸化物粒子の周囲及び内部に白金族金属又はその化合物微粒子が高分散して付着している形態を有していると推測できる。白金微粒子が高分散していることにより、白金族化合物の有効電解面積が大きくなり、少量の白金族化合物でも良好な電解特性を示すことが確認されている。
該陰極を0.01mm以下の平滑な構造としておくと更に損傷の可能性は低下する。
【0008】
このように主要な触媒成分として機能する白金又は白金族金属化合物が銀粒子を利用して高分散された触媒層を導電性基体に被覆した水素発生陰極では、高価な白金又は白金族金属化合物の使用量が減少して製造コストが低減される。
前記触媒層は、全体として多孔質構造を形成していることが多いと考えられ、導電性基体表面に直接被覆すると、陰極として使用する際に陰極液が浸透し基体消耗を促進することが予測される。従って多孔性の触媒層を形成する場合には、中間層が必須になる。
このように前記触媒層を中間層を介して導電性基体に被覆しておくと、セル構成材料から流出した不純物が導電性基体に接触することが防止されて、前記不純物による汚染に対して安定な性能を有するため、安価な陰極を使用して安定な運転が可能になる。
【発明の効果】
【0009】
このように、白金族金属又はその化合物を主要触媒物質とする陰極に、銀及び/又は銀化合物を添加することによって白金族金属触媒粒子の分散性を高め、電解による触媒金属の被毒を防ぐ効果があるため、従来よりも少量の触媒量でも過電圧を低くできること、膜との接触において膜を傷めないこと、長時間の使用でも触媒の損失が少ないことなど工業的価値が大きい。また前述の通り膜を傷めにくいため陰極をイオン交換膜と密着させて配置することが可能となり、また高価な触媒の使用を最小限にできるため、投資、電力コストが低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に本発明の電解用陰極の実施形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0011】
陰極基体は、電気伝導性と化学的安定性が良好であるという観点からステンレス、チタン、ニッケル、カーボン系材料を使用することが好ましく、その厚さは0.05〜5mm、空隙率は10〜95%が好ましい。
好ましい材料であるニッケルを例にして説明する。触媒層や中間層との密着力を高めるために、ニッケル基体の粗面化処理を行うことが好ましく、具体的な方法として従来の粉末を吹き付けるブラスト処理法、可溶性の酸を用いたエッチング法、プラズマ溶射法などがある。表面の金属、有機物などの汚染粒子を除去するためには化学エッチング処理を行う。粗面化処理前後のニッケル基体の消耗量は50〜500g/m2程度が好ましい。
【0012】
本発明では、前記ニッケル基体に直接触媒層を形成しても良いが、ニッケル基体と触媒層の間に導電性酸化物の中間層を形成することが望ましい。中間層の材質は基体と同じ、つまり本実施形態ではニッケルの酸化物とすることが好ましいが、これに限定されない。
中間層の形成方法としては単にニッケル基体を熱処理するだけでも空気中の酸素とニッケルが反応しNi(1-X)Oを生成させることができる。熱処理温度は350〜550℃で、焼成時間は5〜60分が好ましい。生成する酸化物は製造条件にもよるが、通常酸素欠陥があるため一般にp型の半導性を有している。酸化物の厚みが大き過ぎると抵抗損失が増大し、小さいと不均一な表面層(中間層)しか得られない。最適な厚さは0.1〜100μm程度であり、基材の金属が電解液であるアルカリ水溶液と接触しないように表面に均一に形成されることが好ましい。
【0013】
この基体を単に熱処理して中間層を形成する以外に、ニッケルイオンを含む溶液を前記基体に塗布しあるいは基体を前記塗布液に浸漬した後、同様に熱処理することでも安定に酸化物を得て中間層を形成することができるが、この製法の場合には、基材を腐食するような溶液組成が好ましく、ニッケル原料としては、硝酸ニッケル、硫酸ニッケルなどがあり、これを硝酸、硫酸に添加し、適当な濃度にした水溶液を塗布液として利用でき、前記塗布又は浸漬し、乾燥した後に熱分解を行う。
前述の通り、基材がニッケルの場合でも他の成分からなる導電性酸化物中間層を形成する事もできる。例えばn型の酸化チタン(TiO2-X)などアルカリで安定であり、水素発生の能力が表面の触媒のそれよりも無視できる程度小さい酸化物であれば使用でき、対応化合物の塗布液を使用して同様に中間層を形成すれば良い。
中間層は、白金と銀の比が異なる触媒層を2層に重ねて形成しても良い。この場合、白金含有量が多い層を触媒層側に、銀含有量が多い層を基体側に位置させることが望ましい。この場合の白金と銀の比率は触媒層側の層が1:(5〜50)(モル%)、基体側の層が1:(50〜1200)(モル%)、2層を合わせて1:(1〜200)(モル%)が最適である。
【0014】
触媒層は銀及び銀酸化物の少なくとも1種と、白金族金属、白金族金属酸化物及び白金族金属水酸化物の少なくとも1種とからなり、金属層、酸化物混合層、水銀化物混合層、あるいは合金層として形成する。触媒層は、前述の通り、塊状の銀化合物粒子の周囲及び内部に白金族化合物微粒子が高分散して付着している形態を有し、白金微粒子が高分散していることにより、白金族化合物の有効電解面積が大きくなり、少量の白金族化合物でも良好な電解特性を示すことが確認された。
触媒としては、白金、バラジウム、ルテニウム、イリジウムなどの白金族金属或いはそれらの酸化物や水酸化物を使用する。触媒層は、食塩電解で汎用されている陽極(DSE)と同様に触媒金属の塩溶液を基体表面に塗布し焼成することが好ましいが、塩溶液を作製しこの塩溶液を使用して電気メッキするか還元剤を用いて無電解メッキすることにより形成しても良い。特に焼成して触媒を形成する際は、触媒イオンを含む溶液がニッケル基体と反応して、ニッケル基体成分が触媒層に侵入し酸化物や水酸化物として溶解し、膜や陽極に影響を及ぼすことがあるが、中間層が存在するとこの腐食を防止できる。
【0015】
触媒層に含まれる銀の原料としては、酸化銀、硝酸銀、炭酸銀などがあり、これを硝酸、塩酸、水に添加し、適当な濃度に溶解した水溶液を塗布液として利用できる。触媒層中で白金を使用する場合は、塩化白金酸、ジニトロジアンミン白金塩などを原料とし、これを硝酸、塩酸、水に添加し、適当な濃度に溶解した水溶液を塗布液として利用できる。白金と銀の比率は1:(1〜200)(モル%)が最適である。
次いで例えば、これらを塗布又は浸漬後、乾燥を40〜150℃で5〜20分行い、その後熱分解反応を行う。熱分解温度は200〜550℃で、焼成時間は5〜60分が好ましい。全触媒量は2〜100g/m2程度が最良であり、最適な厚さは0.1〜20μm程度である。
【0016】
食塩電解で本発明の陰極を使用する場合、イオン交換膜としてはフッ素樹脂系の膜が耐食性の面から最適である。陽極はDSE、DSAと呼ばれる貴金属酸化物を有するチタン性の不溶性電極があり、膜と密着して用いることができるよう多孔性であることが好ましい。本発明の陰極と膜を密着させる必要がある場合には前もってそれらを機械的に結合させておくか、或いは電解時に圧力を与えておけば十分である。圧力としては0.1〜30kgf/cm2が好ましい。電解条件としては、温度は60〜90℃が好ましく、電流密度は10〜100A/dm2が好ましい。
【0017】
次に本発明に係る電解用陰極の実施例及び比較例を記載する。
【0018】
[実施例1]
電解面積が100cm2(幅5cm、高さ20cm)の電解セルを用いた。陰極基体としてニッケルメッシュ(8mmLW、6mmSW、1mm厚)を使用し、その表面をアルミナ粒子(60番)で十分に粗面化し、20wt%の沸騰塩酸でエッチングした。500℃の空気雰囲気焼成炉に、20分入れてその表面にニッケル酸化物を形成させた。
硝酸銀及びジニトロジアンミン白金塩を原料として、全金属濃度が1wt%(銀:白金=50:1(モル比))の塗布液を作製した。前記ニッケルメッシュを塗布液に浸漬してからゆっくり引き上げ、これを60℃で乾燥後、電気炉内で500℃で10分間焼成を行った。これを3回繰り返し、最終的な全触媒量を100g/m2とした。さらに、繰り返し回数を変えることによって全触媒量を2g/m2から100g/m2まで変えた陰極をそれぞれ作製した。
【0019】
陽極としてチタン製のDSE多孔性陽極、イオン交換膜としてナフィオン981(デュポン製)を用い、その両側に前記陰極及び陽極と多孔性部材(集電体)を密着させた電解セルを構成した。陽極液として飽和食塩水を毎分4mlで供給し、陰極には純水を毎分0.4ml供給した。温度を90℃とし、全触媒量を50g/m2とした陰極で、電流値を変えたときの陰極過電圧は図1の通りであった。
本実施例の全触媒量100g/m2の陰極のセルにおいて、50Aでのセル電圧は3.30Vであり、陰極出口から33%のNaOHが電流効率95%で得られた。1週間に1日電解を停止させながら10日間の電解後においてセル電圧は10mV上昇したが、効率は97%を維持した。
【0020】
[実施例2]
実施例1と同等の陰極基体を用い、テトラブチルチタネートを5wt%溶解した液を5g/m2になるように塗布し、500℃の空気雰囲気焼成炉に、20分入れてその表面にチタン酸化物を形成させた。塩化白金酸と酸化銀を原料として全金属濃度が25wt%(モル比1:9)の塗布液を作製し、前記ニッケルメッシュを塗布液に浸漬してからゆっくり引き上げ、これを120℃で乾燥後、電気炉内550℃で15分間焼成を行った。これを5回繰り返し、最終的な全触媒量は80g/m2であった。実施例1と同様のセルを組み立て、温度を90℃とし、50Aの電流を流したところ3.35Vのセル電圧であり、陰極出口から33%のNaOHが電流効率97%で得られた。1週間に1日電解を停止させながら10日間の電解後においてセル電圧は15mV上昇したが、効率は97%を維持した。
【0021】
[実施例3]
実施例1と同様の陰極基体を用い、500℃の空気雰囲気焼成炉に、20分入れてその表面にニッケル酸化物を形成させた。硝酸銀及びジニトロジアンミン白金塩を原料として、全金属濃度が0.5wt%(モル比8:1)の塗布液Aと全金属濃度が0.5wt%(モル比360:1)の塗布液Bを作製した。前記ニッケルメッシュを塗布液Aに浸漬してからゆっくり引き上げ、これを60℃で乾燥後、電気炉内500℃で10分間焼成を行った。これを4回繰り返してから、次に、塗布液Bに浸漬してからゆっくり引き上げ、これを60℃で乾燥後、電気炉内500℃で10分間焼成を行った。これを4回繰り返した。最終的な全触媒量は2g/m2であった。
実施例1と同様のセルを組み立て、温度を90℃とし、50Aの電流を流したところ3.30Vのセル電圧であり、陰極出口から33%のNaOHが電流効率95%で得られた。1週間に1日電解を停止させながら10日間の電解後においてセル電圧は15mV上昇したが、効率は95%を維持した。
【0022】
[比較例1]
触媒層が白金単独層であること以外は実施例1と同様の電極を作製し、電解に供した。
全触媒量を50g/m2とした陰極で電流値を10〜100Aの間で変えたときの陰極過電圧は図1の通りであった。
実施例1及び比較例1で測定した同一触媒量に関する陰極過電圧を比較すると、全ての触媒量において実施例1の過電圧が0.02〜0.05V低く、良好な電解性能が得られることが分かった。更に実施例1及び比較例1で測定した同一電流値に関する陰極過電圧を比較すると、全ての電流値において実施例1の過電圧が0.01〜0.02V低く、良好な電解性能が得られることが分かった。
【0023】
本比較例の全触媒量が100g/m2の陰極を使用した電解セルにおいて、電流値50Aでの初期セル電圧は3.30Vであり、陰極出口から32%のNaOHが電流効率96%で得られたが、同様の条件で10日間の電解を行った後のセル電圧は50mV上昇し、効率は92%に減少した。
【0024】
[比較例2]
触媒層が銀単独層であること以外は実施例1と同様の電極を作製し、電解に供したところ、初期のセル電圧は4.50Vであった。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施例1及び比較例1の電解用陰極の電流値と陰極過電圧の関係を示すグラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性基体、及び該導電性基体表面に形成した、銀及び銀酸化物から選択される少なくとも一種と、白金族金属、白金族金属酸化物及び白金族金属水酸化物から選択される少なくとも一種とを含む触媒層を含んで成ることを特徴とする電解用陰極。
【請求項2】
導電性基体と触媒層の間に導電性酸化物を含む中間層を有する請求項1に記載の電解用陰極。
【請求項3】
銀及び銀酸化物から選択される少なくとも一種と、白金族金属、白金族金属酸化物及び白金族金属水酸化物から選択される少なくとも一種のモル比が、(1〜200):1である請求項1又は2に記載の電解用陰極。
【請求項4】
白金族金属、白金族金属酸化物及び白金族金属水酸化物から選択される少なくとも一種が白金である請求項1から3までのいずれかに1項に記載の電解用陰極。
【請求項5】
導電性酸化物が、ニッケル及びチタンの少なくとも1種を含有する酸化物である請求項2から4までのいずれかに1項に記載の電解用陰極。

【図1】
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