電話システム、無線電話端末、固定電話端末、および電話制御方法
【課題】無線電話端末から発信あるいは無線電話端末に着信した呼の通話相手と、無線電話端末の近傍等にある固定電話端末との間に、無線電話端末を経由させることなく通話路を確立する技術を提供する。
【解決手段】携帯電話端末1Aは、近距離無線通信6により近傍の固定電話端末2Aに、携帯電話端末1Aから携帯電話網4に発信もしくは携帯電話網4から携帯電話端末1Aに着信した呼の通話相手のIDを伴うコールバック指示を送信する。固定電話端末2Aは、近距離無線通信6を介して無線電話端末1Aからコールバック指示を受信すると、このコールバック指示に付加されているIDを送信先とする呼を固定電話網5に発信する。
【解決手段】携帯電話端末1Aは、近距離無線通信6により近傍の固定電話端末2Aに、携帯電話端末1Aから携帯電話網4に発信もしくは携帯電話網4から携帯電話端末1Aに着信した呼の通話相手のIDを伴うコールバック指示を送信する。固定電話端末2Aは、近距離無線通信6を介して無線電話端末1Aからコールバック指示を受信すると、このコールバック指示に付加されているIDを送信先とする呼を固定電話網5に発信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線電話端末から発信あるいは無線電話端末に着信した呼の通話相手と、無線電話端末の近傍にある固定電話端末との間に通話路を確立する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、携帯電話端末と非携帯電話端末(固定電話端末)との間に無線伝送路を形成して、この携帯電話端末に着信した呼をこの非携帯電話端末に転送する技術が開示されている。また、この非携帯電話端末の保留動作により、さらに別の非携帯電話端末へ呼を転送する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−294969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、着信を受けた携帯電話端末が呼を中継する。このため、携帯電話端末は、転送先での通話が終了するまで呼の中継を維持しなければならない。したがって、携帯電話端末のユーザは、転送先での通話が終了するまで別の発着信を行えない。また、中継している呼を誤った操作で切断したり、携帯電波環境の悪い場所へ移動することで呼が切断されたりしないように注意する必要があり、不便である。また、呼の中継を維持するため、携帯電話端末のバッテリが消耗する。
【0005】
なお、携帯電話事業者等が提供する転送サービスを利用すれば、携帯電話端末に着信した呼を、この携帯電話端末に中継をさせることなく、他の固定電話端末に転送させることができる。しかし、転送サービスの利用に際し、転送先の固定電話端末の電話番号を携帯電話網に通知する必要があるため、転送先の固定電話端末の電話番号を知らない場合はこの転送サービスを利用できない。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、無線電話端末から発信あるいは無線電話端末に着信した呼の通話相手と、無線電話端末の近傍等にある固定電話端末との間に、無線電話端末を経由させることなく通話路を確立する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、無線通信網に接続している無線電話端末と、無線通信網に接続されている固定電話網に接続している固定電話端末との間の無線通信(例えば近距離無線通信)により、無線電話端末が固定電話端末に、無線通信網に発信もしくは無線通信網から着信した呼の通話相手のIDを伴うコールバック指示を送信する。そして、固定電話端末が、無線電話端末から受信したコールバック指示に付加されているIDを送信先とする呼を固定電話網に発信する。
【0008】
例えば、本発明は、無線通信網と接続する無線電話端末と、前記無線通信網に接続されている固定電話網と接続する少なくとも一台の固定電話端末と、を有する電話システムであって、
前記無線電話端末は、
前記固定電話端末と無線通信を行うための固定電話端末用インターフェース手段と、
前記固定電話端末用インターフェース手段を介して前記固定電話端末に、前記無線通信網に発信もしくは前記無線通信網から着信した呼の通話相手のIDを伴うコールバック指示を送信するコールバック指示手段と、を有し、
前記固定電話端末は、
前記無線電話端末と無線通信を行うための無線電話端末用インターフェース手段と、
前記無線電話端末用インターフェース手段を介して前記無線電話端末からコールバック指示を受信するコールバック指示受信手段と、
前記コールバック指示受信手段により受信されたコールバック指示に付加されているIDを送信先とする呼を前記固定電話網に発信するコールバック手段と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、無線電話端末から発信あるいは無線電話端末に着信した呼の通話相手と、無線電話端末の近傍等にある固定電話端末との間に、無線電話端末を経由させることなく通話路を確立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の第一実施の形態が適用された電話システムの概略図である。
【図2】図2は、図1に示す携帯電話端末1の概略構成図である。
【図3】図3は、図2に示す携帯電話端末1の呼転送に係わる動作を説明するためのフロー図である。
【図4】図4は、図1に示す固定電話端末2の概略構成図である。
【図5】図5は、図4に示す固定電話端末2の呼転送に係わる動作を説明するためのフロー図である。
【図6】図6は、図1に示す電話制御装置3の概略構成図である。
【図7】図7は、図6に示す電話制御装置3の呼転送に係わる動作を説明するためのフロー図である。
【図8】図8は、本発明の第一実施の形態が適用された電話システムの呼転送に係わる動作を説明するためのシーケンス図である。
【図9】図9は、本発明の第二実施の形態が適用された電話システムに係る携帯電話端末1Aの概略構成図である。
【図10】図10は、図9に示す携帯電話端末1Aのコールバックに係わる動作を説明するためのフロー図である。
【図11】図11は、本発明の第二実施の形態が適用された電話システムに係る固定電話端末2Aの概略構成図である。
【図12】図12は、図11に示す固定電話端末2Aのコールバックに係わる動作を説明するためのフロー図である。
【図13】図13は、本発明の第二実施の形態が適用された電話システムのコールバックに係わる動作を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
[第一実施の形態]
図1は、本発明の第一実施の形態が適用された電話システムの概略図である。
【0013】
図示するように、本実施の形態に係る電話システムは、携帯電話網4に接続された携帯電話端末1と、PSTN、ISDN、IP電話網等の固定電話網5に接続された少なくとも一台の固定電話端末2と、携帯電話網4および固定電話網5の電話交換制御を行う電話制御装置3と、を有する。
【0014】
図1において、携帯電話端末1は、ユーザから呼の転送指示を受け付けた場合、および着信に対してユーザから応答操作を受け付けることなく所定時間経過後に自動応答した場合等の、所定の呼転送イベントが発生すると、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、ワイヤレスUSB、RFID、赤外線通信等の近距離無線通信6により、いずれかの固定電話端末2からその固定電話端末2のID(電話番号等)を取得する。そして、携帯電話網4に発信もしくは携帯電話網4から着信した呼の転送指示メッセージを、取得した固定電話端末2のID(転送先ID)とともに電話制御装置3に送信する。これを受けて、電話制御装置3は、携帯電話端末1と通話相手との間に確立されている呼を、携帯電話端末1からの転送指示メッセージで指定されている転送先IDにより特定される固定電話端末2に転送する。
【0015】
図2は、図1に示す携帯電話端末1の概略構成図である。
【0016】
図示するように、携帯電話端末1は、携帯電話網インターフェース部11と、近距離無線インターフェース部12と、ユーザインターフェース部13と、携帯電話機能部14と、転送制御部15と、を有する。
【0017】
携帯電話網インターフェース部11は、携帯電話網4に接続するためのインターフェースである。
【0018】
近距離無線インターフェース部12は、近距離無線通信6により、固定電話端末2と通信を行うためのインターフェースである。
【0019】
ユーザインターフェース部13は、ユーザが通話および各種操作を行うためのインターフェースであり、図示していないが、ハンドセット、ダイヤルキー等の操作部、および液晶ディスプレイ等の表示部を備える。
【0020】
携帯電話機能部14は、携帯電話端末1本来の機能を実現するための処理部であり、呼制御部141と、通話処理部142と、を有する。
【0021】
呼制御部141は、携帯電話網4に対する発着信を処理して、携帯電話網インターフェース部11を介して通話相手との間に通話路を確立する。
【0022】
通話処理部142は、呼制御部141によって確立された通話路を介して、通話相手に、ユーザインターフェース部13に入力された音声を送信するとともに、この通話路を介して通話相手から受信した音声をユーザインターフェース部13へ出力する。
【0023】
転送制御部15は、携帯電話網4に発信あるいは携帯電話網4から着信した呼の、固定電話端末2への転送を制御するための処理部であり、転送先候補決定部151と、端末ID取得部152と、転送指示部153と、を有する。
【0024】
転送先候補決定部151は、近距離無線通信6により通信可能な固定電話端末2を、呼の転送先候補として、近距離無線インターフェース部12におけるこの固定電話端末2の受信電波強度とともに登録する。この受信電波強度は、転送の優先順位として用いられる。
【0025】
端末ID取得部152は、近距離無線インターフェース部12を介して、登録された転送候補のうち優先順位の最も高い転送先候補である固定電話端末2から、この固定電話端末2のIDの取得を試みる。そして、IDの取得に失敗した場合は、この固定電話端末2の次に優先順位の高い転送先候補である固定電話端末2に対して同様に、この固定電話端末2のIDの取得を試みる。この処理を、いずれかの固定電話端末2のIDが取得されるまで、優先順位の高い順に繰り返す。
【0026】
転送指示部153は、携帯電話網4に発信もしくは携帯電話網4から着信した呼の転送指示メッセージを、端末ID取得部152により取得した固定電話端末2のID(転送先ID)とともに、携帯電話網インターフェース部11を介して電話制御装置3に送信する。
【0027】
図3は、図2に示す携帯電話端末1の呼転送に係わる動作を説明するためのフロー図である。
【0028】
このフローは、ユーザから通話中の呼の転送指示を受け付けた場合、および着信に対してユーザから応答操作を受け付けることなく所定時間を経過して呼制御部141が自動応答した場合等の、所定の呼転送イベントが発生した場合に開始される。
【0029】
先ず、転送先候補決定部151は、自携帯電話端末1の近傍にある固定電話端末2を探索するためのメッセージである固定電話端末探索メッセージを近距離無線インターフェース部12からマルチキャストで送信する(S101)。
【0030】
次に、転送先候補決定部151は、所定時間(例えば数〜十数秒)を経過するまでの間(S104)、呼の転送先候補となる固定電話端末2の登録処理を行う(S102、S103)。すなわち、転送先候補決定部151は、固定電話端末2から近距離無線インターフェース部12に届いた応答メッセージの送信元アドレス(MACアドレス等)を、呼の転送先候補として、近距離無線インターフェース部12におけるこの応答メッセージの受信電波強度とともに登録する。
【0031】
次に、端末ID取得部152は、呼の転送先候補が登録されているか否かを判断する(S105)。呼の転送先候補が登録されているならば(S105でYES)、端末ID取得部152は、登録されている転送先候補のなかで最も高い電波強度の転送先候補を選択する(S106)。そして、この転送先候補のアドレスを送信先とするID送信要求を送信する(S107)。
【0032】
その後、端末ID取得部152は、近距離無線インターフェース部12を介して、ID送信要求の送信先である固定電話端末2から、所定時間(例えば数〜十数秒)t内にIDを受信しなかった場合(S108でNO)、ユーザインターフェース部13を介してユーザから強制終了操作を受け付けていないならば(S113でNO)、ID送信要求の送信先である固定電話端末2の、転送先候補としての登録を削除して(S114)、S105に戻る。ユーザインターフェース部13を介してユーザから強制終了操作を受け付けているならば(S113でYES)、端末ID取得部152は、呼の転送が行われなかった旨のメッセージをユーザインターフェース部13から出力するなどの所定の転送失敗通知を行って(S115)、このフローを終了する。
【0033】
一方、端末ID取得部152は、近距離無線インターフェース部12を介して、ID送信要求の送信先である固定電話端末2から所定時間t内にIDを受信した場合(S108でYES)、このIDを転送指示部153に渡す。これを受けて、転送指示部153は、このIDが転送先IDに指定された転送指示メッセージを生成し(S109)、この転送指示メッセージを、携帯電話網インターフェース部11を介して電話制御装置3に送信する(S110)。
【0034】
その後、転送指示部153は、例えば所定時間内に、携帯電話網インターフェース部11を介して電話制御装置3から転送不可メッセージを受信しなかったならば(S111でNO)、呼の転送が行われた旨のメッセージをユーザインターフェース部13から出力するなどの所定の転送成功通知を行って(S112)、このフローを終了する。一方、電話制御装置3から転送不可メッセージを受信したならば(S111でYES)、呼の転送が行われなかった旨のメッセージをユーザインターフェース部13から出力するなどの所定の転送失敗通知を行って(S115)、このフローを終了する。
【0035】
また、呼の転送先候補が登録されていない場合(S105でNO)、端末ID取得部152は、その旨を転送指示部153に通知する。これを受けて、転送指示部153は、呼の転送が行われなかった旨のメッセージをユーザインターフェース部13から出力するなどの所定の転送失敗通知を行って(S115)、このフローを終了する。
【0036】
図4は、図1に示す固定電話端末2の概略構成図である。
【0037】
図示するように、固定電話端末2は、固定電話網インターフェース部21と、近距離無線インターフェース部22と、ユーザインターフェース部23と、固定電話機能部24と、応答メッセージ送信部25と、端末ID通知部26と、を有する。
【0038】
固定電話網インターフェース部21は、固定電話網5に接続するためのインターフェースである。
【0039】
近距離無線インターフェース部22は、近距離無線通信6により、携帯電話端末1と通信を行うためのインターフェースである。
【0040】
ユーザインターフェース部23は、ユーザが通話および各種操作を行うためのインターフェースであり、図示していないが、ハンドセット、ダイヤルキー等の操作部、および液晶ディスプレイ等の表示部を備える。
【0041】
固定電話機能部24は、固定電話端末2本来の機能を実現するための処理部であり、呼制御部241と、通話処理部242と、を有する。
【0042】
呼制御部241は、固定電話網5に対する発着信を処理して、固定電話網インターフェース部21を介して通話相手との間に通話路を確立する。
【0043】
通話処理部242は、呼制御部241によって確立された通話路を介して通話相手に、ユーザインターフェース部23に入力された音声を送信するとともに、この通話路を介して通話相手から受信した音声をユーザインターフェース部23へ出力する。
【0044】
応答メッセージ送信部25は、近距離無線インターフェース部22を介して携帯電話端末1に、この携帯電話端末1から受信した固定電話端末探索メッセージに対する応答メッセージを送信する。
【0045】
端末ID通知部26は、近距離無線インターフェース部22を介して携帯電話端末1に自固定電話端末2のIDを送信する。
【0046】
図5は、図4に示す固定電話端末2の呼転送に係わる動作を説明するためのフロー図である。
【0047】
応答メッセージ送信部25は、近距離無線インターフェース部22を介して携帯電話端末1から固定電話端末探索メッセージを受信すると(S201でYES)、呼制御部241が発着信処理中でなく、かつ通話処理部242が通話中でないならば(S202でNO)、近距離無線インターフェース部22を介してこの携帯電話端末1に応答メッセージを返信する(S203)。一方、呼制御部241が発着信処理中、あるいは通話処理部242が通話中であるならば(S202でYES)、固定電話端末探索メッセージに応答しない。
【0048】
また、端末ID通知部26は、近距離無線インターフェース部22を介して携帯電話端末1からID送信要求を受信すると(S204でYES)、呼制御部241が発着信処理中でなく、かつ通話処理部242が通話中でないならば(S205でNO)、近距離無線インターフェース部22を介してこの携帯電話端末1に自固定電話端末2のIDを返信する(S206)。一方、呼制御部241が発着信処理中、あるいは通話処理部242が通話中であるならば(S205でYES)、ID送信要求に応答しない。
【0049】
図6は、図1に示す電話制御装置3の概略構成図である。
【0050】
図示するように、電話制御装置3は、固定電話網インターフェース部31と、携帯電話網インターフェース部32と、電話交換機能部33と、転送制御部34と、を有する。
【0051】
固定電話網インターフェース部31は、固定電話網5に接続するためのインターフェースである。
【0052】
携帯電話網インターフェース部32は、携帯電話網4に接続するためのインターフェースである。
【0053】
電話交換機能部33は、固定電話網5および携帯電話網4に対する電話交換制御(スイッチング)を行う。
【0054】
転送制御部34は、携帯電話網インターフェース部32を介して携帯電話端末1より受け付けた転送指示メッセージに従い、この携帯電話端末1との間に確立されている呼を、この転送指示メッセージで指定されている転送先IDにより特定される固定電話端末2に転送する。
【0055】
図7は、図6に示す電話制御装置3の呼転送に係わる動作を説明するためのフロー図である。
【0056】
このフローは、転送制御部34が携帯電話網インターフェース部32を介して携帯電話端末1から転送指示メッセージを受信することで開始される。
【0057】
先ず、転送制御部34は、転送指示メッセージで指定されている転送先IDを特定する(S301)。それから、転送制御部34は、電話交換機能部33と連携し、呼の転送処理を行う(S302〜S307)。
【0058】
すなわち、転送制御部34は、電話交換機能部33と連携して、転送指示メッセージ送信元の通話相手に、転送中である旨のアナウンスおよび保留音を送出するとともに(S302)、転送先IDにより特定される固定電話端末2に発信する(S303)。
【0059】
そして、所定時間内に、転送先IDにより特定される固定電話端末2から応答があったならば(S304でYES)、転送先IDにより特定される固定電話端末2との間に呼を確立して、この呼と転送指示メッセージ送信元の通話相手との間に確立されている呼とを接続するとともに(S305)、転送指示メッセージ送信元との間に確立されている呼を切断し(S306)、このフローを終了する。
【0060】
一方、所定時間内に、転送先IDにより特定される固定電話端末2から応答がなかったならば(S304でNO)、転送指示メッセージ送信元に、転送が行われなかった旨のメッセージである転送不可メッセージを送信し(S307)、このフローを終了する。
【0061】
次に、本実施の形態が適用された電話システムの動作例を説明する。
【0062】
図8は、本発明の第一実施の形態が適用された電話システムの呼転送に係わる動作を説明するためのシーケンス図である。
【0063】
ここでは、携帯電話端末1の近傍に2台の固定電話端末2−1、2−2がある場合を例にとり説明する。
【0064】
携帯電話網4を介して電話制御装置3から携帯電話端末1に呼接続要求メッセージが着信し(S401)、これに対して携帯電話端末1のユーザがオフフック等の応答操作を行うと(S402)、携帯電話端末1は、携帯電話網4を介して電話制御装置3に応答メッセージを送信する(S403)。これにより、携帯電話網4および電話制御装置3を介して、携帯電話端末1と通話相手との間に呼が確立する(S404)。
【0065】
さて、携帯電話端末1は、ユーザより転送操作を受け付けると(S405)、近距離無線通信6により固定電話端末探索メッセージをマルチキャスト送信する(S406)。これを受けて、携帯電話端末1の近傍にある固定電話端末2−1、2−2は、それぞれ、自固定電話端末2−1、2−2が発着信処理中および通話中のいずれでもないことを確認し、近距離無線通信6により携帯電話端末1に応答メッセージを送信する(S407)。
【0066】
次に、携帯電話端末1は、応答メッセージの送信元である固定電話端末2−1、2−2を、呼の転送先候補として、応答メッセージの受信電波強度とともに登録する。それから、携帯電話端末1は、登録した転送先候補(固定電話端末2−1、2−2)のうち、電波強度の最も高い転送先候補を選択する。ここでは、固定電話端末2−1が選択されたものとする。携帯電話端末1は、近距離無線通信6により、選択した転送先候補である固定電話端末2−1にID送信要求を送信する(S409)。
【0067】
ここで、固定電話端末2−1においては、ID送信要求の受信に先立って、ユーザにより発信操作が行われたものとする(S408)。この場合、固定電話端末2−1は、自固定電話端末2−1のIDを返信しない。
【0068】
さて、携帯電話端末1は、固定電話端末2−1からIDを受信することなく所定時間tが経過すると、固定電話端末2−1を、登録された転送先候補から削除する。それから、携帯電話端末1は、残された転送先候補のなかから、電波強度の最も高い転送先候補を選択する。ここでは、転送先候補は固定電話端末2−2のみなので、固定電話端末2−2が選択される。携帯電話端末1は、近距離無線通信6により、選択した転送先候補である固定電話端末2−2にID送信要求を送信する(S410)。
【0069】
これを受けて、固定電話端末2−2は、近距離無線通信6により、自固定電話端末2−2のIDを携帯電話端末1に送信する(S411)。
【0070】
次に、携帯電話端末1は、固定電話端末2−2より固定電話端末2−2のIDを受信したならば、転送先IDとして固定電話端末2−2のIDが指定された転送指示メッセージを生成する。そして、携帯電話網4を介して電話制御装置3に、この転送指示メッセージを送信する(S412)。
【0071】
電話制御装置3は、携帯電話網4を介して携帯電話端末1から転送指示メッセージを受信すると、この携帯電話端末1の通話相手に、転送中である旨のアナウンスおよび保留音を送信する(S413)。また、電話制御装置3は、固定電話網5を介して、転送指示メッセージで指定されている転送先IDにより特定される固定電話端末2−2に呼接続要求メッセージを発信する。
【0072】
さて、固定電話網5を介して電話制御装置3から固定電話端末2−2に呼接続要求メッセージが着信し(S414)、これに対して固定電話端末2−2のユーザがオフフック等の応答操作を行うと(S415)、固定電話端末2−2は、固定電話網5を介して電話制御装置3に応答メッセージを送信する(S416)。これを受けて、電話制御装置3は、固定電話端末2−2との間に呼を確立するとともに、この呼と、携帯電話端末1の通話相手との間に確立されている呼とを接続する(S417)。これにより、固定電話網5および電話制御装置3を介して、固定電話端末2−2と通話相手との間に呼が確立する(S418)。
【0073】
また、電話制御装置3は、携帯電話網4を介して携帯電話端末1に、呼切断要求メッセージを送信して、携帯電話端末1との間に確立されている呼を切断する(S419)。
【0074】
以上、本発明の第一実施の形態を説明した。
【0075】
本実施の形態において、携帯電話端末1は、近距離無線通信6により近傍の固定電話端末2からその固定電話端末2のIDを呼の転送先IDとして取得する。そして、携帯電話網4に発信もしくは携帯電話網4から着信した呼の転送指示メッセージを、取得した固定電話端末2のID(転送先ID)とともに、携帯電話網4を介して、携帯電話網4および固定電話網5に対する電話交換制御を行う電話制御装置3に送信する。これを受けて、電話制御装置3は、呼を、携帯電話端末1から転送指示メッセージに付加されている転送先IDにより特定される固定電話端末2に転送する。
【0076】
したがって、本実施の形態によれば、携帯電話端末1のユーザが、近傍にある固定電話端末2のIDを知らない場合でも、この携帯電話端末1から発信あるいはこの携帯電話端末1に着信した呼の通話相手と、近傍の固定電話端末2との間に、携帯電話端末1を経由させることなく通話路を確立することができる。
【0077】
また、本実施の形態において、携帯電話端末1は、近距離無線通信6により固定電話端末2にID送信要求を送信して、この固定電話端末2からのIDの返信を所定時間t待つ処理を、優先順位の高い固定電話端末2から順番に、いずれかの固定電話端末2からIDの返信があるまで繰り返す。一方、固定電話端末2は、近距離無線通信6により携帯電話端末1からID送信要求を受信したならば、自固定電話端末2が通話中あるいは発着信処理中でない場合にのみ、携帯電話端末1に自固定電話端末2のIDを返信する。
【0078】
したがって、本実施の形態によれば、携帯電話端末1の近傍に固定電話端末2が複数ある場合に、これらの固定電話端末2のなかから、呼を転送可能な固定電話端末2を自動的に探索して呼を転送することができる。
【0079】
また、本実施の形態において、携帯電話端末1は、ユーザの強制終了操作があった場合には、近距離無線通信6による固定電話端末2へのID送信要求を停止するので、固定電話端末2の自動探索を強制的に終了させることができる。
【0080】
また、本実施の形態において、携帯電話端末1は、近距離無線通信6における各固定電話端末2からの受信電波の電波強度に基づいて、ID送信要求を送信する固定電話端末2の優先順位を決定している。したがって、本実施の形態によれば、呼を転送可能な固定電話端末2のなかで最も携帯電話端末1の近傍にある固定電話端末2に呼を転送することができる。
【0081】
なお、本実施の形態において、携帯電話網4と固定電話網5とを電話制御装置3で接続する代わりに、携帯電話網4に対する電話交換制御を行う転送サービス機能を備えた電話制御装置と、固定電話網5に対する電話交換制御を行う転送サービス機能を備えた電話制御装置と、をゲートウェイで接続することで、携帯電話網4と固定電話網5とを接続してもよい。
【0082】
[第二実施の形態]
本発明の第二実施の形態が適用された電話システムが、図1に示す第一実施の形態が適用された電話システムと異なる点は、携帯電話端末1、固定電話端末2に代えて、携帯電話端末1A、固定電話端末2Aを設けた点である。その他の構成は第一実施の形態が適用された電話システムと同様である。なお、本実施の形態において、電話制御装置3の転送制御部34は省略されていてもよい。すなわち、本実施の形態の電話制御装置3には、転送サービス機能がなくてもよい。
【0083】
図9は、本発明の第二実施の形態が適用された電話システムに係る携帯電話端末1Aの概略構成図である。
【0084】
図示するように、携帯電話端末1Aが、図2に示す携帯電話端末1と異なる点は、転送制御部15に代えてコールバック制御部16を携帯電話端末1Aに設けた点である。
【0085】
コールバック制御部16は、携帯電話網4に発信あるいは携帯電話網4から着信した呼の通話相手に、固定電話端末2からコールバックさせるための処理部であり、コールバック元候補決定部161と、コールバック指示部162と、を有する。
【0086】
コールバック元候補決定部161は、近距離無線通信6により通信可能な固定電話端末2を、コールバック元候補として、近距離無線インターフェース部12におけるこの固定電話端末2の受信電波強度とともに登録する。この受信電波強度はコールバックの優先順位として用いられる。
【0087】
コールバック指示部162は、近距離無線インターフェース部12を介して、登録されたコールバック元候補のうちの優先順位の最も高いコールバック元候補の固定電話端末2に、自携帯電話端末1AのIDを含み、自携帯電話端末1Aの通話相手のIDをコールバック先IDとするコールバック指示メッセージを送信する。そして、この固定電話端末2から所定時間内にコールバックの開始通知がない場合は、この固定電話端末2の次に優先順位の高いコールバック元候補の固定電話端末2に対して同様に、コールバック指示メッセージを送信する。この処理を、いずれかの固定電話端末2からコールバックの開始通知を受信するまで順番に繰り返す。
【0088】
図10は、図9に示す携帯電話端末1Aのコールバックに係わる動作を説明するためのフロー図である。
【0089】
このフローは、ユーザから通話相手へのコールバック操作を受け付けた場合、および着信に対してユーザから応答操作を受け付けることなく所定時間を経過して呼制御部141が自動応答した場合等の、所定のコールバックイベントが発生した場合に開始される。
【0090】
先ず、コールバック元候補決定部161は、自携帯電話端末1Aの近傍にある固定電話端末2Aを探索するためのメッセージである固定電話端末探索メッセージを近距離無線インターフェース部12からマルチキャストで送信する(S151)。
【0091】
次に、コールバック元候補決定部161は、所定時間(例えば数〜十数秒)Tを経過するまでの間(S154)、コールバック元候補となる固定電話端末2Aの登録処理を行う(S152、S153)。すなわち、コールバック元候補決定部161は、固定電話端末2Aから近距離無線インターフェース部12に届いた応答メッセージの送信元アドレス(MACアドレス等)を、コールバック元候補として、近距離無線インターフェース部12におけるこの応答メッセージの受信電波強度とともに登録する。
【0092】
次に、コールバック指示部162は、コールバック元候補が登録されているか否かを判断する(S155)。コールバック元候補が登録されているならば(S155でYES)、コールバック指示部162は、登録されたコールバック元候補のうち、最も高い電波強度のコールバック元候補を選択する(S156)。それから、コールバック指示部162は、このコールバック元候補のアドレスを送信先アドレスとするコールバック指示メッセージを生成する(S157)。このコールバック指示メッセージには、携帯電話端末1AのIDが含まれ、携帯電話端末1Aの通話相手のIDがコールバック先IDとして指定されている。そして、近距離無線インターフェース部12からこのコールバック元候補の固定電話端末2Aに、このコールバック指示メッセージを送信する(S158)。
【0093】
その後、コールバック指示部162は、近距離無線インターフェース部12を介してコールバック指示メッセージの送信先である固定電話端末2から、所定時間(例えば数〜十数秒)T内にコールバックの開始通知を受信しなかった場合(S159でNO)、ユーザインターフェース部13を介してユーザから強制終了操作を受け付けていないならば(S163でNO)、コールバック指示メッセージの送信先である固定電話端末2の、コールバック元候補としての登録を削除して(S164)、S155に戻る。ユーザインターフェース部13を介してユーザから強制終了操作を受け付けているならば(S163でYES)、コールバックが行われなかった旨のメッセージをユーザインターフェース部13から出力するなどの所定のコールバック失敗通知を行って(S165)、このフローを終了する。
【0094】
一方、コールバック指示部162は、近距離無線インターフェース部12を介して、コールバック指示メッセージの送信先である固定電話端末2から、所定時間T内にコールバックの開始通知を受信した場合(S159でYES)、通話処理部142と連携して、通話相手にコールバックを実行する旨のアナウンスを行う(S161)。それから、コールバック指示部162は、呼制御部141と連携して、通話相手との呼を切断し(S162)、このフローを終了する。
【0095】
また、コールバック元候補が登録されていない場合(S155でNO)、コールバック指示部162は、コールバックが行われなかった旨のメッセージをユーザインターフェース部13から出力するなどの所定のコールバック失敗通知を行って(S165)、このフローを終了する。
【0096】
図11は、本発明の第二実施の形態が適用された電話システムに係る固定電話端末2Aの概略構成図である。
【0097】
図示するように、固定電話端末2Aが、図4に示す固定電話端末2と異なる点は、端末ID通知部26に代えてコールバック制御部27を固定電話端末2Aに設けた点である。
【0098】
コールバック制御部27は、携帯電話端末1Aの指示に従いコールバックを実行するための処理部であり、コールバック指示受付部271と、発信指示部272と、履歴保持部273と、を有する。
【0099】
コールバック指示受付部271は、近距離無線インターフェース部22を介して携帯電話端末1Aからコールバック指示メッセージを受け付ける。
【0100】
発信指示部272は、携帯電話端末1Aから受け付けたコールバック指示メッセージに従い、呼制御部241と連携して、このコールバック指示メッセージで指定されているコールバック先IDを発信先とする呼接続要求メッセージを、固定電話網インターフェース部21を介して電話制御装置3に送信する。
【0101】
履歴保持部273には、受け付けたコールバック指示メッセージ毎に、その履歴情報(コールバック指示メッセージの送信元である携帯電話端末1AのID、コールバック指示メッセージの受信日時、コールバック先ID、コールバックの実行状況等)を記憶する。なお、履歴保持部273に記憶された履歴情報は、ユーザインターフェース部23から出力することができる。
【0102】
図12は、図11に示す固定電話端末2Aのコールバックに係わる動作を説明するためのフロー図である。
【0103】
応答メッセージ送信部25は、近距離無線インターフェース部22を介して携帯電話端末1Aから固定電話端末探索メッセージを受信すると(S251でYES)、呼制御部241が発着信処理中でなく、かつ通話処理部242が通話中でないならば(S252でNO)、近距離無線インターフェース部22を介してこの携帯電話端末1Aに応答メッセージを返信する(S253)。一方、呼制御部241が発着信処理中、あるいは通話処理部242が通話中であるならば(S252でYES)、この固定電話端末探索メッセージに応答しない。
【0104】
また、コールバック指示受付部271は、近距離無線インターフェース部22を介して携帯電話端末1Aからコールバック指示メッセージを受信すると(S254でYES)、呼制御部241が発着信処理中、あるいは通話処理部242が通話中であるならば(S255でYES)、このコールバック指示メッセージに応答しない。応答メッセージ送信部25は、履歴保持部273に新たなレコードを追加し、このレコードに、コールバック指示メッセージの送信元である携帯電話端末1AのID、コールバック指示メッセージの受信日時、コールバック先ID、コールバックの実行状況「未実行」等の履歴情報を登録する(S265)。
【0105】
一方、呼制御部241が発着信処理中でなく、かつ通話処理部242が通話中でないならば(S255でNO)、ユーザインターフェース部23からコールバックを示す鳴動音を出力する(S256)。
【0106】
それから、コールバック指示受付部271は、所定時間(例えば数秒〜十数秒)内に、ユーザインターフェース部23を介してユーザからオフフック等の所定の応答操作がなされたならば(S257でYES)、鳴動音の出力を停止するとともに(S258)、近距離無線インターフェース部22を介して携帯電話端末1Aに、コールバックの開始通知を送信する(S259)。その後、コールバック指示受付部271は、コールバック指示メッセージからコールバック先IDを抽出して(S260)、発信指示部272に通知する。これを受けて、発信指示部272は、呼制御部241と連携して、コールバック先IDを送信先とする呼接続要求メッセージを、固定電話網インターフェース部21を介して電話制御装置3に送信する(S261)。
【0107】
次に、発信指示部272は、所定時間内にコールバック先から発信に対する応答があったならば(S262でYES)、その旨をコールバック指示部271に知らせる。これを受けて、コールバック指示部271は、履歴保持部273に新たなレコードを追加し、このレコードに、コールバック指示メッセージの送信元である携帯電話端末1AのID、コールバック指示メッセージの受信日時、コールバック先ID、コールバックの実行状況「実行済み(応答あり)」等の履歴情報を登録する(S265)。
【0108】
また、発信指示部272は、所定時間内にコールバック先から発信に対する応答がなかったならば(S262でNO)、コールバック先への発信を停止して(S263)、その旨をコールバック指示部271に知らせる。これを受けて、コールバック指示部271は、履歴保持部273に新たなレコードを追加し、このレコードに、コールバック指示メッセージの送信元である携帯電話端末1AのID、コールバック指示メッセージの受信日時、コールバック先ID、コールバックの実行状況「実行済み(応答なし)」等の履歴情報を登録する(S265)。
【0109】
一方、所定時間内に、ユーザインターフェース部23を介してユーザからオフフック等の所定の応答操作がなされなかった場合(S257でNO)、コールバック指示受付部271は、鳴動音の出力停止のみを行い、携帯電話端末1Aにコールバックの開始通知を送信しない(S264)。また、コールバック指示受付部271は、履歴保持部273に新たなレコードを追加し、このレコードに、コールバック指示メッセージの送信元である携帯電話端末1AのID、コールバック指示メッセージの受信日時、コールバック先ID、コールバックの実行状況「未実行」等の履歴情報を登録する(S265)。
【0110】
次に、本実施の形態が適用された電話システムの動作例を説明する。
【0111】
図13は、本発明の第二実施の形態が適用された電話システムのコールバックに係わる動作を説明するためのシーケンス図である。
【0112】
ここでは、携帯電話端末1Aの近傍に2台の固定電話端末2A−1、2A−2がある場合を例にとり説明する。
【0113】
携帯電話網4を介して電話制御装置3から携帯電話端末1Aに呼接続要求メッセージが着信し(S451)、これに対して携帯電話端末1Aのユーザがオフフック等の応答操作を行うと(S452)、携帯電話端末1Aは、携帯電話網4を介して電話制御装置3に応答メッセージを送信する(S453)。これにより、携帯電話網4および電話制御装置3を介して、携帯電話端末1Aと通話相手との間に呼が確立する(S454)。
【0114】
さて、携帯電話端末1Aは、ユーザよりコールバック(CB)操作を受け付けると(S455)、近距離無線通信6により固定電話端末探索メッセージをマルチキャスト送信する(S456)。これを受けて、携帯電話端末1Aの近傍にある固定電話端末2A−1、2A−2は、それぞれ、自固定電話端末2A−1、2A−2が発着信処理中および通話中のいずれでもないことを確認し、近距離無線通信6により携帯電話端末1Aに応答メッセージを送信する(S457)。
【0115】
次に、携帯電話端末1Aは、応答メッセージの送信元である固定電話端末2A−1、2A−2を、コールバック元候補として、応答メッセージの受信電波強度とともに登録する。それから、携帯電話端末1Aは、登録したコールバック元候補のなかから、電波強度の最も高いコールバック元候補を選択する。ここでは、固定電話端末2A−1が選択されたものとする。携帯電話端末1Aは、近距離無線通信6により、コールバック先IDとして通話相手のIDが指定されたコールバック指示メッセージを固定電話端末2A−1に送信する(S459)。
【0116】
ここで、固定電話端末2A−1は、コールバック指示メッセージの受信に先立って、ユーザにより発信操作が行われたものとする(S458)。この場合、固定電話端末2A−1は、携帯電話端末1Aにコールバックの開始通知を送信せず、コールバック実行状況「未実行」とする履歴情報を記録して(S460)、処理を終了する。
【0117】
さて、携帯電話端末1Aは、固定電話端末2A−1からコールバックの開始通知を受信することなく所定時間Tが経過すると、固定電話端末2A−1を、登録されたコールバック元候補から削除する。それから、携帯電話端末1Aは、残されたコールバック元候補のなかから、電波強度の最も高いコールバック元候補を選択する。ここでは、コールバック元候補が固定電話端末2A−2のみなので、固定電話端末2A−2が選択される。携帯電話端末1Aは、近距離無線通信6により、固定電話端末2A−2に、コールバック先IDとして通話相手のIDが指定されたコールバック指示メッセージを送信する(S461)。
【0118】
これを受けて、固定電話端末2A−2は、コールバックを示す鳴動音を出力する(S462)。そして、ユーザからコールバックに対する応答操作がなされたならば(S463)、近距離無線通信6により、携帯電話端末1Aにコールバックの開始通知を送信する(S464)。その後、コールバックを示す鳴動音の出力を停止する(S465)。
【0119】
さて、携帯電話端末1Aは、固定電話端末2A−2よりコールバックの開始通知を受信したならば、この携帯電話端末1Aの通話相手に、コールバックを実行する旨のアナウンスを送信し(S466)、その後、この通話相手との間に確立されている呼を切断する(S467)。
【0120】
一方、固定電話端末2A−2は、固定電話網5を介して電話制御装置3に、コールバック指示メッセージで指定されているコールバック先IDを発信先とする呼接続要求メッセージを送信する(S468)。また、コールバック実行状況「実行済み」とする履歴情報を記録する(S469)。
【0121】
その後、固定電話端末2A−2が電話制御装置3を介してコールバック先から応答メッセージを受信することにより(S470)、固定電話網5および電話制御装置3を介して、固定電話端末2A−2とコールバック先との間に呼が確立する(S471)。
【0122】
以上、本発明の第二実施の形態を説明した。
【0123】
本実施の形態において、携帯電話端末1Aは、近距離無線通信6により近傍の固定電話端末2Aに、自携帯電話端末1Aの通話相手をコールバック先とするコールバック指示メッセージを送信する。これを受けて、固定電話端末2Aは、携帯電話端末1Aから受信したコールバック指示メッセージで指定されているコールバック先IDを送信先とする呼接続要求メッセージを、固定電話網5を介して電話制御装置3に発信する。
【0124】
したがって、本実施の形態によれば、携帯電話端末1Aのユーザが近傍にある固定電話端末2AのIDを知らない場合でも、この携帯電話端末1Aから発信あるいは携帯電話端末1Aに着信した呼の通話相手と、近傍の固定電話端末2Aとの間に、携帯電話端末1Aを経由させることなく通話路を確立することができる。また、本実施の形態によれば、携帯電話網4が呼の転送サービス機能を備えていない場合でも、携帯電話端末1Aから発信あるいは携帯電話端末1Aに着信した呼の通話相手とこの固定電話端末2Aとの間に通話路を確立できる。
【0125】
また、本実施の形態において、携帯電話端末1Aは、近距離無線通信6により固定電話端末2Aにコールバック指示メッセージを送信して、この固定電話端末2Aからコールバックの開始通知を所定時間T待つ処理を、優先順位の高い固定電話端末2Aから順番に、いずれかの固定電話端末2Aからコールバックの開始通知を受信するまで繰り返す。一方、固定電話端末2Aは、近距離無線通信6により携帯電話端末1Aからコールバック指示メッセージを受信したならば、自固定電話端末2Aが通話中あるいは発着信処理中でなく、かつユーザから応答操作を受け付けた場合にのみ、携帯電話端末1Aにコールバックの開始通知を送信して、コールバックを開始する。
【0126】
したがって、本実施の形態によれば、携帯電話端末1Aの近傍に固定電話端末2Aが複数ある場合に、これらの固定電話端末2Aのなかから、コールバック可能な固定電話端末2Aを自動的に探索して、この固定電話端末2Aにコールバックさせることができる。
【0127】
また、本実施の形態において、携帯電話端末1Aは、ユーザの強制終了操作があった場合には、近距離無線通信6による固定電話端末2Aへのコールバック指示メッセージの送信を停止するので、固定電話端末2Aの自動探索を強制的に終了させることができる。
【0128】
また、本実施の形態において、携帯電話端末1Aは、近距離無線通信6における各固定電話端末2Aからの受信電波の電波強度に基づいて、コールバック指示メッセージを送信する固定電話端末2Aの優先順位を決定している。したがって、本実施の形態によれば、コールバック可能な固定電話端末2のなかで最も携帯電話端末1Aの近傍にある固定電話端末2Aにコールバックを行わせることができる。
【0129】
なお、本発明は上記の各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0130】
例えば、上記の各実施の形態では、無線電話端末として携帯電話端末1、1Aを用いた場合を例にとり説明した。しかし、本発明はこれに限定されない。無線電話端末は、PHS端末、無線IP電話端末等のその他の無線電話端末であってもよい。この場合、携帯電話網4の代わりに、PHS網、無線IP電話網等の無線電話端末に対応した無線電話網が用いられ、電話制御装置3は、この無線電話網および固定電話網5に対する電話交換制御を行う。
【0131】
また、上記の実施の形態において、図2、図9に示す携帯電話端末1、1A、図4、図11に示す固定電話端末2、2A、および図6に示す電話制御装置3は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実行されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)などの計算機によりソフトウエア的に実行されるものでもよい。または、CPU、メモリ、HDD、DVD−ROM等の補助記憶装置、およびNIC(Network Interface Card)、モデム等の通信インターフェースを備えたPC(Personal Computer)等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することで実現されるものでもよい。
【符号の説明】
【0132】
1、1A:携帯電話端末、2、2A:固定電話端末、3:電話制御装置、4:携帯電話網、5:固定電話網、6:近距離無線通信、11:携帯電話網インターフェース部、12:近距離無線インターフェース部、13:ユーザインターフェース部、14:携帯電話機能部、15:転送制御部、16:コールバック制御部、21:固定電話網インターフェース部、22:近距離無線インターフェース部、23:ユーザインターフェース部、24:固定電話機能部、25:応答メッセージ送信部、26:端末ID通知部、27:コールバック制御部、31:固定電話網インターフェース部、32:携帯電話網インターフェース部、33:電話交換機能部、34:転送制御部、141:呼制御部、142:通話処理部、151:転送先候補決定部、152:端末ID取得部、153:転送指示部、161:コールバック元候補決定部、162:コールバック指示部、241:呼制御部、242:通話処理部、271:コールバック指示受付部、272:発信指示部、273:履歴保持部
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線電話端末から発信あるいは無線電話端末に着信した呼の通話相手と、無線電話端末の近傍にある固定電話端末との間に通話路を確立する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、携帯電話端末と非携帯電話端末(固定電話端末)との間に無線伝送路を形成して、この携帯電話端末に着信した呼をこの非携帯電話端末に転送する技術が開示されている。また、この非携帯電話端末の保留動作により、さらに別の非携帯電話端末へ呼を転送する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−294969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、着信を受けた携帯電話端末が呼を中継する。このため、携帯電話端末は、転送先での通話が終了するまで呼の中継を維持しなければならない。したがって、携帯電話端末のユーザは、転送先での通話が終了するまで別の発着信を行えない。また、中継している呼を誤った操作で切断したり、携帯電波環境の悪い場所へ移動することで呼が切断されたりしないように注意する必要があり、不便である。また、呼の中継を維持するため、携帯電話端末のバッテリが消耗する。
【0005】
なお、携帯電話事業者等が提供する転送サービスを利用すれば、携帯電話端末に着信した呼を、この携帯電話端末に中継をさせることなく、他の固定電話端末に転送させることができる。しかし、転送サービスの利用に際し、転送先の固定電話端末の電話番号を携帯電話網に通知する必要があるため、転送先の固定電話端末の電話番号を知らない場合はこの転送サービスを利用できない。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、無線電話端末から発信あるいは無線電話端末に着信した呼の通話相手と、無線電話端末の近傍等にある固定電話端末との間に、無線電話端末を経由させることなく通話路を確立する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、無線通信網に接続している無線電話端末と、無線通信網に接続されている固定電話網に接続している固定電話端末との間の無線通信(例えば近距離無線通信)により、無線電話端末が固定電話端末に、無線通信網に発信もしくは無線通信網から着信した呼の通話相手のIDを伴うコールバック指示を送信する。そして、固定電話端末が、無線電話端末から受信したコールバック指示に付加されているIDを送信先とする呼を固定電話網に発信する。
【0008】
例えば、本発明は、無線通信網と接続する無線電話端末と、前記無線通信網に接続されている固定電話網と接続する少なくとも一台の固定電話端末と、を有する電話システムであって、
前記無線電話端末は、
前記固定電話端末と無線通信を行うための固定電話端末用インターフェース手段と、
前記固定電話端末用インターフェース手段を介して前記固定電話端末に、前記無線通信網に発信もしくは前記無線通信網から着信した呼の通話相手のIDを伴うコールバック指示を送信するコールバック指示手段と、を有し、
前記固定電話端末は、
前記無線電話端末と無線通信を行うための無線電話端末用インターフェース手段と、
前記無線電話端末用インターフェース手段を介して前記無線電話端末からコールバック指示を受信するコールバック指示受信手段と、
前記コールバック指示受信手段により受信されたコールバック指示に付加されているIDを送信先とする呼を前記固定電話網に発信するコールバック手段と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、無線電話端末から発信あるいは無線電話端末に着信した呼の通話相手と、無線電話端末の近傍等にある固定電話端末との間に、無線電話端末を経由させることなく通話路を確立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の第一実施の形態が適用された電話システムの概略図である。
【図2】図2は、図1に示す携帯電話端末1の概略構成図である。
【図3】図3は、図2に示す携帯電話端末1の呼転送に係わる動作を説明するためのフロー図である。
【図4】図4は、図1に示す固定電話端末2の概略構成図である。
【図5】図5は、図4に示す固定電話端末2の呼転送に係わる動作を説明するためのフロー図である。
【図6】図6は、図1に示す電話制御装置3の概略構成図である。
【図7】図7は、図6に示す電話制御装置3の呼転送に係わる動作を説明するためのフロー図である。
【図8】図8は、本発明の第一実施の形態が適用された電話システムの呼転送に係わる動作を説明するためのシーケンス図である。
【図9】図9は、本発明の第二実施の形態が適用された電話システムに係る携帯電話端末1Aの概略構成図である。
【図10】図10は、図9に示す携帯電話端末1Aのコールバックに係わる動作を説明するためのフロー図である。
【図11】図11は、本発明の第二実施の形態が適用された電話システムに係る固定電話端末2Aの概略構成図である。
【図12】図12は、図11に示す固定電話端末2Aのコールバックに係わる動作を説明するためのフロー図である。
【図13】図13は、本発明の第二実施の形態が適用された電話システムのコールバックに係わる動作を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
[第一実施の形態]
図1は、本発明の第一実施の形態が適用された電話システムの概略図である。
【0013】
図示するように、本実施の形態に係る電話システムは、携帯電話網4に接続された携帯電話端末1と、PSTN、ISDN、IP電話網等の固定電話網5に接続された少なくとも一台の固定電話端末2と、携帯電話網4および固定電話網5の電話交換制御を行う電話制御装置3と、を有する。
【0014】
図1において、携帯電話端末1は、ユーザから呼の転送指示を受け付けた場合、および着信に対してユーザから応答操作を受け付けることなく所定時間経過後に自動応答した場合等の、所定の呼転送イベントが発生すると、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、ワイヤレスUSB、RFID、赤外線通信等の近距離無線通信6により、いずれかの固定電話端末2からその固定電話端末2のID(電話番号等)を取得する。そして、携帯電話網4に発信もしくは携帯電話網4から着信した呼の転送指示メッセージを、取得した固定電話端末2のID(転送先ID)とともに電話制御装置3に送信する。これを受けて、電話制御装置3は、携帯電話端末1と通話相手との間に確立されている呼を、携帯電話端末1からの転送指示メッセージで指定されている転送先IDにより特定される固定電話端末2に転送する。
【0015】
図2は、図1に示す携帯電話端末1の概略構成図である。
【0016】
図示するように、携帯電話端末1は、携帯電話網インターフェース部11と、近距離無線インターフェース部12と、ユーザインターフェース部13と、携帯電話機能部14と、転送制御部15と、を有する。
【0017】
携帯電話網インターフェース部11は、携帯電話網4に接続するためのインターフェースである。
【0018】
近距離無線インターフェース部12は、近距離無線通信6により、固定電話端末2と通信を行うためのインターフェースである。
【0019】
ユーザインターフェース部13は、ユーザが通話および各種操作を行うためのインターフェースであり、図示していないが、ハンドセット、ダイヤルキー等の操作部、および液晶ディスプレイ等の表示部を備える。
【0020】
携帯電話機能部14は、携帯電話端末1本来の機能を実現するための処理部であり、呼制御部141と、通話処理部142と、を有する。
【0021】
呼制御部141は、携帯電話網4に対する発着信を処理して、携帯電話網インターフェース部11を介して通話相手との間に通話路を確立する。
【0022】
通話処理部142は、呼制御部141によって確立された通話路を介して、通話相手に、ユーザインターフェース部13に入力された音声を送信するとともに、この通話路を介して通話相手から受信した音声をユーザインターフェース部13へ出力する。
【0023】
転送制御部15は、携帯電話網4に発信あるいは携帯電話網4から着信した呼の、固定電話端末2への転送を制御するための処理部であり、転送先候補決定部151と、端末ID取得部152と、転送指示部153と、を有する。
【0024】
転送先候補決定部151は、近距離無線通信6により通信可能な固定電話端末2を、呼の転送先候補として、近距離無線インターフェース部12におけるこの固定電話端末2の受信電波強度とともに登録する。この受信電波強度は、転送の優先順位として用いられる。
【0025】
端末ID取得部152は、近距離無線インターフェース部12を介して、登録された転送候補のうち優先順位の最も高い転送先候補である固定電話端末2から、この固定電話端末2のIDの取得を試みる。そして、IDの取得に失敗した場合は、この固定電話端末2の次に優先順位の高い転送先候補である固定電話端末2に対して同様に、この固定電話端末2のIDの取得を試みる。この処理を、いずれかの固定電話端末2のIDが取得されるまで、優先順位の高い順に繰り返す。
【0026】
転送指示部153は、携帯電話網4に発信もしくは携帯電話網4から着信した呼の転送指示メッセージを、端末ID取得部152により取得した固定電話端末2のID(転送先ID)とともに、携帯電話網インターフェース部11を介して電話制御装置3に送信する。
【0027】
図3は、図2に示す携帯電話端末1の呼転送に係わる動作を説明するためのフロー図である。
【0028】
このフローは、ユーザから通話中の呼の転送指示を受け付けた場合、および着信に対してユーザから応答操作を受け付けることなく所定時間を経過して呼制御部141が自動応答した場合等の、所定の呼転送イベントが発生した場合に開始される。
【0029】
先ず、転送先候補決定部151は、自携帯電話端末1の近傍にある固定電話端末2を探索するためのメッセージである固定電話端末探索メッセージを近距離無線インターフェース部12からマルチキャストで送信する(S101)。
【0030】
次に、転送先候補決定部151は、所定時間(例えば数〜十数秒)を経過するまでの間(S104)、呼の転送先候補となる固定電話端末2の登録処理を行う(S102、S103)。すなわち、転送先候補決定部151は、固定電話端末2から近距離無線インターフェース部12に届いた応答メッセージの送信元アドレス(MACアドレス等)を、呼の転送先候補として、近距離無線インターフェース部12におけるこの応答メッセージの受信電波強度とともに登録する。
【0031】
次に、端末ID取得部152は、呼の転送先候補が登録されているか否かを判断する(S105)。呼の転送先候補が登録されているならば(S105でYES)、端末ID取得部152は、登録されている転送先候補のなかで最も高い電波強度の転送先候補を選択する(S106)。そして、この転送先候補のアドレスを送信先とするID送信要求を送信する(S107)。
【0032】
その後、端末ID取得部152は、近距離無線インターフェース部12を介して、ID送信要求の送信先である固定電話端末2から、所定時間(例えば数〜十数秒)t内にIDを受信しなかった場合(S108でNO)、ユーザインターフェース部13を介してユーザから強制終了操作を受け付けていないならば(S113でNO)、ID送信要求の送信先である固定電話端末2の、転送先候補としての登録を削除して(S114)、S105に戻る。ユーザインターフェース部13を介してユーザから強制終了操作を受け付けているならば(S113でYES)、端末ID取得部152は、呼の転送が行われなかった旨のメッセージをユーザインターフェース部13から出力するなどの所定の転送失敗通知を行って(S115)、このフローを終了する。
【0033】
一方、端末ID取得部152は、近距離無線インターフェース部12を介して、ID送信要求の送信先である固定電話端末2から所定時間t内にIDを受信した場合(S108でYES)、このIDを転送指示部153に渡す。これを受けて、転送指示部153は、このIDが転送先IDに指定された転送指示メッセージを生成し(S109)、この転送指示メッセージを、携帯電話網インターフェース部11を介して電話制御装置3に送信する(S110)。
【0034】
その後、転送指示部153は、例えば所定時間内に、携帯電話網インターフェース部11を介して電話制御装置3から転送不可メッセージを受信しなかったならば(S111でNO)、呼の転送が行われた旨のメッセージをユーザインターフェース部13から出力するなどの所定の転送成功通知を行って(S112)、このフローを終了する。一方、電話制御装置3から転送不可メッセージを受信したならば(S111でYES)、呼の転送が行われなかった旨のメッセージをユーザインターフェース部13から出力するなどの所定の転送失敗通知を行って(S115)、このフローを終了する。
【0035】
また、呼の転送先候補が登録されていない場合(S105でNO)、端末ID取得部152は、その旨を転送指示部153に通知する。これを受けて、転送指示部153は、呼の転送が行われなかった旨のメッセージをユーザインターフェース部13から出力するなどの所定の転送失敗通知を行って(S115)、このフローを終了する。
【0036】
図4は、図1に示す固定電話端末2の概略構成図である。
【0037】
図示するように、固定電話端末2は、固定電話網インターフェース部21と、近距離無線インターフェース部22と、ユーザインターフェース部23と、固定電話機能部24と、応答メッセージ送信部25と、端末ID通知部26と、を有する。
【0038】
固定電話網インターフェース部21は、固定電話網5に接続するためのインターフェースである。
【0039】
近距離無線インターフェース部22は、近距離無線通信6により、携帯電話端末1と通信を行うためのインターフェースである。
【0040】
ユーザインターフェース部23は、ユーザが通話および各種操作を行うためのインターフェースであり、図示していないが、ハンドセット、ダイヤルキー等の操作部、および液晶ディスプレイ等の表示部を備える。
【0041】
固定電話機能部24は、固定電話端末2本来の機能を実現するための処理部であり、呼制御部241と、通話処理部242と、を有する。
【0042】
呼制御部241は、固定電話網5に対する発着信を処理して、固定電話網インターフェース部21を介して通話相手との間に通話路を確立する。
【0043】
通話処理部242は、呼制御部241によって確立された通話路を介して通話相手に、ユーザインターフェース部23に入力された音声を送信するとともに、この通話路を介して通話相手から受信した音声をユーザインターフェース部23へ出力する。
【0044】
応答メッセージ送信部25は、近距離無線インターフェース部22を介して携帯電話端末1に、この携帯電話端末1から受信した固定電話端末探索メッセージに対する応答メッセージを送信する。
【0045】
端末ID通知部26は、近距離無線インターフェース部22を介して携帯電話端末1に自固定電話端末2のIDを送信する。
【0046】
図5は、図4に示す固定電話端末2の呼転送に係わる動作を説明するためのフロー図である。
【0047】
応答メッセージ送信部25は、近距離無線インターフェース部22を介して携帯電話端末1から固定電話端末探索メッセージを受信すると(S201でYES)、呼制御部241が発着信処理中でなく、かつ通話処理部242が通話中でないならば(S202でNO)、近距離無線インターフェース部22を介してこの携帯電話端末1に応答メッセージを返信する(S203)。一方、呼制御部241が発着信処理中、あるいは通話処理部242が通話中であるならば(S202でYES)、固定電話端末探索メッセージに応答しない。
【0048】
また、端末ID通知部26は、近距離無線インターフェース部22を介して携帯電話端末1からID送信要求を受信すると(S204でYES)、呼制御部241が発着信処理中でなく、かつ通話処理部242が通話中でないならば(S205でNO)、近距離無線インターフェース部22を介してこの携帯電話端末1に自固定電話端末2のIDを返信する(S206)。一方、呼制御部241が発着信処理中、あるいは通話処理部242が通話中であるならば(S205でYES)、ID送信要求に応答しない。
【0049】
図6は、図1に示す電話制御装置3の概略構成図である。
【0050】
図示するように、電話制御装置3は、固定電話網インターフェース部31と、携帯電話網インターフェース部32と、電話交換機能部33と、転送制御部34と、を有する。
【0051】
固定電話網インターフェース部31は、固定電話網5に接続するためのインターフェースである。
【0052】
携帯電話網インターフェース部32は、携帯電話網4に接続するためのインターフェースである。
【0053】
電話交換機能部33は、固定電話網5および携帯電話網4に対する電話交換制御(スイッチング)を行う。
【0054】
転送制御部34は、携帯電話網インターフェース部32を介して携帯電話端末1より受け付けた転送指示メッセージに従い、この携帯電話端末1との間に確立されている呼を、この転送指示メッセージで指定されている転送先IDにより特定される固定電話端末2に転送する。
【0055】
図7は、図6に示す電話制御装置3の呼転送に係わる動作を説明するためのフロー図である。
【0056】
このフローは、転送制御部34が携帯電話網インターフェース部32を介して携帯電話端末1から転送指示メッセージを受信することで開始される。
【0057】
先ず、転送制御部34は、転送指示メッセージで指定されている転送先IDを特定する(S301)。それから、転送制御部34は、電話交換機能部33と連携し、呼の転送処理を行う(S302〜S307)。
【0058】
すなわち、転送制御部34は、電話交換機能部33と連携して、転送指示メッセージ送信元の通話相手に、転送中である旨のアナウンスおよび保留音を送出するとともに(S302)、転送先IDにより特定される固定電話端末2に発信する(S303)。
【0059】
そして、所定時間内に、転送先IDにより特定される固定電話端末2から応答があったならば(S304でYES)、転送先IDにより特定される固定電話端末2との間に呼を確立して、この呼と転送指示メッセージ送信元の通話相手との間に確立されている呼とを接続するとともに(S305)、転送指示メッセージ送信元との間に確立されている呼を切断し(S306)、このフローを終了する。
【0060】
一方、所定時間内に、転送先IDにより特定される固定電話端末2から応答がなかったならば(S304でNO)、転送指示メッセージ送信元に、転送が行われなかった旨のメッセージである転送不可メッセージを送信し(S307)、このフローを終了する。
【0061】
次に、本実施の形態が適用された電話システムの動作例を説明する。
【0062】
図8は、本発明の第一実施の形態が適用された電話システムの呼転送に係わる動作を説明するためのシーケンス図である。
【0063】
ここでは、携帯電話端末1の近傍に2台の固定電話端末2−1、2−2がある場合を例にとり説明する。
【0064】
携帯電話網4を介して電話制御装置3から携帯電話端末1に呼接続要求メッセージが着信し(S401)、これに対して携帯電話端末1のユーザがオフフック等の応答操作を行うと(S402)、携帯電話端末1は、携帯電話網4を介して電話制御装置3に応答メッセージを送信する(S403)。これにより、携帯電話網4および電話制御装置3を介して、携帯電話端末1と通話相手との間に呼が確立する(S404)。
【0065】
さて、携帯電話端末1は、ユーザより転送操作を受け付けると(S405)、近距離無線通信6により固定電話端末探索メッセージをマルチキャスト送信する(S406)。これを受けて、携帯電話端末1の近傍にある固定電話端末2−1、2−2は、それぞれ、自固定電話端末2−1、2−2が発着信処理中および通話中のいずれでもないことを確認し、近距離無線通信6により携帯電話端末1に応答メッセージを送信する(S407)。
【0066】
次に、携帯電話端末1は、応答メッセージの送信元である固定電話端末2−1、2−2を、呼の転送先候補として、応答メッセージの受信電波強度とともに登録する。それから、携帯電話端末1は、登録した転送先候補(固定電話端末2−1、2−2)のうち、電波強度の最も高い転送先候補を選択する。ここでは、固定電話端末2−1が選択されたものとする。携帯電話端末1は、近距離無線通信6により、選択した転送先候補である固定電話端末2−1にID送信要求を送信する(S409)。
【0067】
ここで、固定電話端末2−1においては、ID送信要求の受信に先立って、ユーザにより発信操作が行われたものとする(S408)。この場合、固定電話端末2−1は、自固定電話端末2−1のIDを返信しない。
【0068】
さて、携帯電話端末1は、固定電話端末2−1からIDを受信することなく所定時間tが経過すると、固定電話端末2−1を、登録された転送先候補から削除する。それから、携帯電話端末1は、残された転送先候補のなかから、電波強度の最も高い転送先候補を選択する。ここでは、転送先候補は固定電話端末2−2のみなので、固定電話端末2−2が選択される。携帯電話端末1は、近距離無線通信6により、選択した転送先候補である固定電話端末2−2にID送信要求を送信する(S410)。
【0069】
これを受けて、固定電話端末2−2は、近距離無線通信6により、自固定電話端末2−2のIDを携帯電話端末1に送信する(S411)。
【0070】
次に、携帯電話端末1は、固定電話端末2−2より固定電話端末2−2のIDを受信したならば、転送先IDとして固定電話端末2−2のIDが指定された転送指示メッセージを生成する。そして、携帯電話網4を介して電話制御装置3に、この転送指示メッセージを送信する(S412)。
【0071】
電話制御装置3は、携帯電話網4を介して携帯電話端末1から転送指示メッセージを受信すると、この携帯電話端末1の通話相手に、転送中である旨のアナウンスおよび保留音を送信する(S413)。また、電話制御装置3は、固定電話網5を介して、転送指示メッセージで指定されている転送先IDにより特定される固定電話端末2−2に呼接続要求メッセージを発信する。
【0072】
さて、固定電話網5を介して電話制御装置3から固定電話端末2−2に呼接続要求メッセージが着信し(S414)、これに対して固定電話端末2−2のユーザがオフフック等の応答操作を行うと(S415)、固定電話端末2−2は、固定電話網5を介して電話制御装置3に応答メッセージを送信する(S416)。これを受けて、電話制御装置3は、固定電話端末2−2との間に呼を確立するとともに、この呼と、携帯電話端末1の通話相手との間に確立されている呼とを接続する(S417)。これにより、固定電話網5および電話制御装置3を介して、固定電話端末2−2と通話相手との間に呼が確立する(S418)。
【0073】
また、電話制御装置3は、携帯電話網4を介して携帯電話端末1に、呼切断要求メッセージを送信して、携帯電話端末1との間に確立されている呼を切断する(S419)。
【0074】
以上、本発明の第一実施の形態を説明した。
【0075】
本実施の形態において、携帯電話端末1は、近距離無線通信6により近傍の固定電話端末2からその固定電話端末2のIDを呼の転送先IDとして取得する。そして、携帯電話網4に発信もしくは携帯電話網4から着信した呼の転送指示メッセージを、取得した固定電話端末2のID(転送先ID)とともに、携帯電話網4を介して、携帯電話網4および固定電話網5に対する電話交換制御を行う電話制御装置3に送信する。これを受けて、電話制御装置3は、呼を、携帯電話端末1から転送指示メッセージに付加されている転送先IDにより特定される固定電話端末2に転送する。
【0076】
したがって、本実施の形態によれば、携帯電話端末1のユーザが、近傍にある固定電話端末2のIDを知らない場合でも、この携帯電話端末1から発信あるいはこの携帯電話端末1に着信した呼の通話相手と、近傍の固定電話端末2との間に、携帯電話端末1を経由させることなく通話路を確立することができる。
【0077】
また、本実施の形態において、携帯電話端末1は、近距離無線通信6により固定電話端末2にID送信要求を送信して、この固定電話端末2からのIDの返信を所定時間t待つ処理を、優先順位の高い固定電話端末2から順番に、いずれかの固定電話端末2からIDの返信があるまで繰り返す。一方、固定電話端末2は、近距離無線通信6により携帯電話端末1からID送信要求を受信したならば、自固定電話端末2が通話中あるいは発着信処理中でない場合にのみ、携帯電話端末1に自固定電話端末2のIDを返信する。
【0078】
したがって、本実施の形態によれば、携帯電話端末1の近傍に固定電話端末2が複数ある場合に、これらの固定電話端末2のなかから、呼を転送可能な固定電話端末2を自動的に探索して呼を転送することができる。
【0079】
また、本実施の形態において、携帯電話端末1は、ユーザの強制終了操作があった場合には、近距離無線通信6による固定電話端末2へのID送信要求を停止するので、固定電話端末2の自動探索を強制的に終了させることができる。
【0080】
また、本実施の形態において、携帯電話端末1は、近距離無線通信6における各固定電話端末2からの受信電波の電波強度に基づいて、ID送信要求を送信する固定電話端末2の優先順位を決定している。したがって、本実施の形態によれば、呼を転送可能な固定電話端末2のなかで最も携帯電話端末1の近傍にある固定電話端末2に呼を転送することができる。
【0081】
なお、本実施の形態において、携帯電話網4と固定電話網5とを電話制御装置3で接続する代わりに、携帯電話網4に対する電話交換制御を行う転送サービス機能を備えた電話制御装置と、固定電話網5に対する電話交換制御を行う転送サービス機能を備えた電話制御装置と、をゲートウェイで接続することで、携帯電話網4と固定電話網5とを接続してもよい。
【0082】
[第二実施の形態]
本発明の第二実施の形態が適用された電話システムが、図1に示す第一実施の形態が適用された電話システムと異なる点は、携帯電話端末1、固定電話端末2に代えて、携帯電話端末1A、固定電話端末2Aを設けた点である。その他の構成は第一実施の形態が適用された電話システムと同様である。なお、本実施の形態において、電話制御装置3の転送制御部34は省略されていてもよい。すなわち、本実施の形態の電話制御装置3には、転送サービス機能がなくてもよい。
【0083】
図9は、本発明の第二実施の形態が適用された電話システムに係る携帯電話端末1Aの概略構成図である。
【0084】
図示するように、携帯電話端末1Aが、図2に示す携帯電話端末1と異なる点は、転送制御部15に代えてコールバック制御部16を携帯電話端末1Aに設けた点である。
【0085】
コールバック制御部16は、携帯電話網4に発信あるいは携帯電話網4から着信した呼の通話相手に、固定電話端末2からコールバックさせるための処理部であり、コールバック元候補決定部161と、コールバック指示部162と、を有する。
【0086】
コールバック元候補決定部161は、近距離無線通信6により通信可能な固定電話端末2を、コールバック元候補として、近距離無線インターフェース部12におけるこの固定電話端末2の受信電波強度とともに登録する。この受信電波強度はコールバックの優先順位として用いられる。
【0087】
コールバック指示部162は、近距離無線インターフェース部12を介して、登録されたコールバック元候補のうちの優先順位の最も高いコールバック元候補の固定電話端末2に、自携帯電話端末1AのIDを含み、自携帯電話端末1Aの通話相手のIDをコールバック先IDとするコールバック指示メッセージを送信する。そして、この固定電話端末2から所定時間内にコールバックの開始通知がない場合は、この固定電話端末2の次に優先順位の高いコールバック元候補の固定電話端末2に対して同様に、コールバック指示メッセージを送信する。この処理を、いずれかの固定電話端末2からコールバックの開始通知を受信するまで順番に繰り返す。
【0088】
図10は、図9に示す携帯電話端末1Aのコールバックに係わる動作を説明するためのフロー図である。
【0089】
このフローは、ユーザから通話相手へのコールバック操作を受け付けた場合、および着信に対してユーザから応答操作を受け付けることなく所定時間を経過して呼制御部141が自動応答した場合等の、所定のコールバックイベントが発生した場合に開始される。
【0090】
先ず、コールバック元候補決定部161は、自携帯電話端末1Aの近傍にある固定電話端末2Aを探索するためのメッセージである固定電話端末探索メッセージを近距離無線インターフェース部12からマルチキャストで送信する(S151)。
【0091】
次に、コールバック元候補決定部161は、所定時間(例えば数〜十数秒)Tを経過するまでの間(S154)、コールバック元候補となる固定電話端末2Aの登録処理を行う(S152、S153)。すなわち、コールバック元候補決定部161は、固定電話端末2Aから近距離無線インターフェース部12に届いた応答メッセージの送信元アドレス(MACアドレス等)を、コールバック元候補として、近距離無線インターフェース部12におけるこの応答メッセージの受信電波強度とともに登録する。
【0092】
次に、コールバック指示部162は、コールバック元候補が登録されているか否かを判断する(S155)。コールバック元候補が登録されているならば(S155でYES)、コールバック指示部162は、登録されたコールバック元候補のうち、最も高い電波強度のコールバック元候補を選択する(S156)。それから、コールバック指示部162は、このコールバック元候補のアドレスを送信先アドレスとするコールバック指示メッセージを生成する(S157)。このコールバック指示メッセージには、携帯電話端末1AのIDが含まれ、携帯電話端末1Aの通話相手のIDがコールバック先IDとして指定されている。そして、近距離無線インターフェース部12からこのコールバック元候補の固定電話端末2Aに、このコールバック指示メッセージを送信する(S158)。
【0093】
その後、コールバック指示部162は、近距離無線インターフェース部12を介してコールバック指示メッセージの送信先である固定電話端末2から、所定時間(例えば数〜十数秒)T内にコールバックの開始通知を受信しなかった場合(S159でNO)、ユーザインターフェース部13を介してユーザから強制終了操作を受け付けていないならば(S163でNO)、コールバック指示メッセージの送信先である固定電話端末2の、コールバック元候補としての登録を削除して(S164)、S155に戻る。ユーザインターフェース部13を介してユーザから強制終了操作を受け付けているならば(S163でYES)、コールバックが行われなかった旨のメッセージをユーザインターフェース部13から出力するなどの所定のコールバック失敗通知を行って(S165)、このフローを終了する。
【0094】
一方、コールバック指示部162は、近距離無線インターフェース部12を介して、コールバック指示メッセージの送信先である固定電話端末2から、所定時間T内にコールバックの開始通知を受信した場合(S159でYES)、通話処理部142と連携して、通話相手にコールバックを実行する旨のアナウンスを行う(S161)。それから、コールバック指示部162は、呼制御部141と連携して、通話相手との呼を切断し(S162)、このフローを終了する。
【0095】
また、コールバック元候補が登録されていない場合(S155でNO)、コールバック指示部162は、コールバックが行われなかった旨のメッセージをユーザインターフェース部13から出力するなどの所定のコールバック失敗通知を行って(S165)、このフローを終了する。
【0096】
図11は、本発明の第二実施の形態が適用された電話システムに係る固定電話端末2Aの概略構成図である。
【0097】
図示するように、固定電話端末2Aが、図4に示す固定電話端末2と異なる点は、端末ID通知部26に代えてコールバック制御部27を固定電話端末2Aに設けた点である。
【0098】
コールバック制御部27は、携帯電話端末1Aの指示に従いコールバックを実行するための処理部であり、コールバック指示受付部271と、発信指示部272と、履歴保持部273と、を有する。
【0099】
コールバック指示受付部271は、近距離無線インターフェース部22を介して携帯電話端末1Aからコールバック指示メッセージを受け付ける。
【0100】
発信指示部272は、携帯電話端末1Aから受け付けたコールバック指示メッセージに従い、呼制御部241と連携して、このコールバック指示メッセージで指定されているコールバック先IDを発信先とする呼接続要求メッセージを、固定電話網インターフェース部21を介して電話制御装置3に送信する。
【0101】
履歴保持部273には、受け付けたコールバック指示メッセージ毎に、その履歴情報(コールバック指示メッセージの送信元である携帯電話端末1AのID、コールバック指示メッセージの受信日時、コールバック先ID、コールバックの実行状況等)を記憶する。なお、履歴保持部273に記憶された履歴情報は、ユーザインターフェース部23から出力することができる。
【0102】
図12は、図11に示す固定電話端末2Aのコールバックに係わる動作を説明するためのフロー図である。
【0103】
応答メッセージ送信部25は、近距離無線インターフェース部22を介して携帯電話端末1Aから固定電話端末探索メッセージを受信すると(S251でYES)、呼制御部241が発着信処理中でなく、かつ通話処理部242が通話中でないならば(S252でNO)、近距離無線インターフェース部22を介してこの携帯電話端末1Aに応答メッセージを返信する(S253)。一方、呼制御部241が発着信処理中、あるいは通話処理部242が通話中であるならば(S252でYES)、この固定電話端末探索メッセージに応答しない。
【0104】
また、コールバック指示受付部271は、近距離無線インターフェース部22を介して携帯電話端末1Aからコールバック指示メッセージを受信すると(S254でYES)、呼制御部241が発着信処理中、あるいは通話処理部242が通話中であるならば(S255でYES)、このコールバック指示メッセージに応答しない。応答メッセージ送信部25は、履歴保持部273に新たなレコードを追加し、このレコードに、コールバック指示メッセージの送信元である携帯電話端末1AのID、コールバック指示メッセージの受信日時、コールバック先ID、コールバックの実行状況「未実行」等の履歴情報を登録する(S265)。
【0105】
一方、呼制御部241が発着信処理中でなく、かつ通話処理部242が通話中でないならば(S255でNO)、ユーザインターフェース部23からコールバックを示す鳴動音を出力する(S256)。
【0106】
それから、コールバック指示受付部271は、所定時間(例えば数秒〜十数秒)内に、ユーザインターフェース部23を介してユーザからオフフック等の所定の応答操作がなされたならば(S257でYES)、鳴動音の出力を停止するとともに(S258)、近距離無線インターフェース部22を介して携帯電話端末1Aに、コールバックの開始通知を送信する(S259)。その後、コールバック指示受付部271は、コールバック指示メッセージからコールバック先IDを抽出して(S260)、発信指示部272に通知する。これを受けて、発信指示部272は、呼制御部241と連携して、コールバック先IDを送信先とする呼接続要求メッセージを、固定電話網インターフェース部21を介して電話制御装置3に送信する(S261)。
【0107】
次に、発信指示部272は、所定時間内にコールバック先から発信に対する応答があったならば(S262でYES)、その旨をコールバック指示部271に知らせる。これを受けて、コールバック指示部271は、履歴保持部273に新たなレコードを追加し、このレコードに、コールバック指示メッセージの送信元である携帯電話端末1AのID、コールバック指示メッセージの受信日時、コールバック先ID、コールバックの実行状況「実行済み(応答あり)」等の履歴情報を登録する(S265)。
【0108】
また、発信指示部272は、所定時間内にコールバック先から発信に対する応答がなかったならば(S262でNO)、コールバック先への発信を停止して(S263)、その旨をコールバック指示部271に知らせる。これを受けて、コールバック指示部271は、履歴保持部273に新たなレコードを追加し、このレコードに、コールバック指示メッセージの送信元である携帯電話端末1AのID、コールバック指示メッセージの受信日時、コールバック先ID、コールバックの実行状況「実行済み(応答なし)」等の履歴情報を登録する(S265)。
【0109】
一方、所定時間内に、ユーザインターフェース部23を介してユーザからオフフック等の所定の応答操作がなされなかった場合(S257でNO)、コールバック指示受付部271は、鳴動音の出力停止のみを行い、携帯電話端末1Aにコールバックの開始通知を送信しない(S264)。また、コールバック指示受付部271は、履歴保持部273に新たなレコードを追加し、このレコードに、コールバック指示メッセージの送信元である携帯電話端末1AのID、コールバック指示メッセージの受信日時、コールバック先ID、コールバックの実行状況「未実行」等の履歴情報を登録する(S265)。
【0110】
次に、本実施の形態が適用された電話システムの動作例を説明する。
【0111】
図13は、本発明の第二実施の形態が適用された電話システムのコールバックに係わる動作を説明するためのシーケンス図である。
【0112】
ここでは、携帯電話端末1Aの近傍に2台の固定電話端末2A−1、2A−2がある場合を例にとり説明する。
【0113】
携帯電話網4を介して電話制御装置3から携帯電話端末1Aに呼接続要求メッセージが着信し(S451)、これに対して携帯電話端末1Aのユーザがオフフック等の応答操作を行うと(S452)、携帯電話端末1Aは、携帯電話網4を介して電話制御装置3に応答メッセージを送信する(S453)。これにより、携帯電話網4および電話制御装置3を介して、携帯電話端末1Aと通話相手との間に呼が確立する(S454)。
【0114】
さて、携帯電話端末1Aは、ユーザよりコールバック(CB)操作を受け付けると(S455)、近距離無線通信6により固定電話端末探索メッセージをマルチキャスト送信する(S456)。これを受けて、携帯電話端末1Aの近傍にある固定電話端末2A−1、2A−2は、それぞれ、自固定電話端末2A−1、2A−2が発着信処理中および通話中のいずれでもないことを確認し、近距離無線通信6により携帯電話端末1Aに応答メッセージを送信する(S457)。
【0115】
次に、携帯電話端末1Aは、応答メッセージの送信元である固定電話端末2A−1、2A−2を、コールバック元候補として、応答メッセージの受信電波強度とともに登録する。それから、携帯電話端末1Aは、登録したコールバック元候補のなかから、電波強度の最も高いコールバック元候補を選択する。ここでは、固定電話端末2A−1が選択されたものとする。携帯電話端末1Aは、近距離無線通信6により、コールバック先IDとして通話相手のIDが指定されたコールバック指示メッセージを固定電話端末2A−1に送信する(S459)。
【0116】
ここで、固定電話端末2A−1は、コールバック指示メッセージの受信に先立って、ユーザにより発信操作が行われたものとする(S458)。この場合、固定電話端末2A−1は、携帯電話端末1Aにコールバックの開始通知を送信せず、コールバック実行状況「未実行」とする履歴情報を記録して(S460)、処理を終了する。
【0117】
さて、携帯電話端末1Aは、固定電話端末2A−1からコールバックの開始通知を受信することなく所定時間Tが経過すると、固定電話端末2A−1を、登録されたコールバック元候補から削除する。それから、携帯電話端末1Aは、残されたコールバック元候補のなかから、電波強度の最も高いコールバック元候補を選択する。ここでは、コールバック元候補が固定電話端末2A−2のみなので、固定電話端末2A−2が選択される。携帯電話端末1Aは、近距離無線通信6により、固定電話端末2A−2に、コールバック先IDとして通話相手のIDが指定されたコールバック指示メッセージを送信する(S461)。
【0118】
これを受けて、固定電話端末2A−2は、コールバックを示す鳴動音を出力する(S462)。そして、ユーザからコールバックに対する応答操作がなされたならば(S463)、近距離無線通信6により、携帯電話端末1Aにコールバックの開始通知を送信する(S464)。その後、コールバックを示す鳴動音の出力を停止する(S465)。
【0119】
さて、携帯電話端末1Aは、固定電話端末2A−2よりコールバックの開始通知を受信したならば、この携帯電話端末1Aの通話相手に、コールバックを実行する旨のアナウンスを送信し(S466)、その後、この通話相手との間に確立されている呼を切断する(S467)。
【0120】
一方、固定電話端末2A−2は、固定電話網5を介して電話制御装置3に、コールバック指示メッセージで指定されているコールバック先IDを発信先とする呼接続要求メッセージを送信する(S468)。また、コールバック実行状況「実行済み」とする履歴情報を記録する(S469)。
【0121】
その後、固定電話端末2A−2が電話制御装置3を介してコールバック先から応答メッセージを受信することにより(S470)、固定電話網5および電話制御装置3を介して、固定電話端末2A−2とコールバック先との間に呼が確立する(S471)。
【0122】
以上、本発明の第二実施の形態を説明した。
【0123】
本実施の形態において、携帯電話端末1Aは、近距離無線通信6により近傍の固定電話端末2Aに、自携帯電話端末1Aの通話相手をコールバック先とするコールバック指示メッセージを送信する。これを受けて、固定電話端末2Aは、携帯電話端末1Aから受信したコールバック指示メッセージで指定されているコールバック先IDを送信先とする呼接続要求メッセージを、固定電話網5を介して電話制御装置3に発信する。
【0124】
したがって、本実施の形態によれば、携帯電話端末1Aのユーザが近傍にある固定電話端末2AのIDを知らない場合でも、この携帯電話端末1Aから発信あるいは携帯電話端末1Aに着信した呼の通話相手と、近傍の固定電話端末2Aとの間に、携帯電話端末1Aを経由させることなく通話路を確立することができる。また、本実施の形態によれば、携帯電話網4が呼の転送サービス機能を備えていない場合でも、携帯電話端末1Aから発信あるいは携帯電話端末1Aに着信した呼の通話相手とこの固定電話端末2Aとの間に通話路を確立できる。
【0125】
また、本実施の形態において、携帯電話端末1Aは、近距離無線通信6により固定電話端末2Aにコールバック指示メッセージを送信して、この固定電話端末2Aからコールバックの開始通知を所定時間T待つ処理を、優先順位の高い固定電話端末2Aから順番に、いずれかの固定電話端末2Aからコールバックの開始通知を受信するまで繰り返す。一方、固定電話端末2Aは、近距離無線通信6により携帯電話端末1Aからコールバック指示メッセージを受信したならば、自固定電話端末2Aが通話中あるいは発着信処理中でなく、かつユーザから応答操作を受け付けた場合にのみ、携帯電話端末1Aにコールバックの開始通知を送信して、コールバックを開始する。
【0126】
したがって、本実施の形態によれば、携帯電話端末1Aの近傍に固定電話端末2Aが複数ある場合に、これらの固定電話端末2Aのなかから、コールバック可能な固定電話端末2Aを自動的に探索して、この固定電話端末2Aにコールバックさせることができる。
【0127】
また、本実施の形態において、携帯電話端末1Aは、ユーザの強制終了操作があった場合には、近距離無線通信6による固定電話端末2Aへのコールバック指示メッセージの送信を停止するので、固定電話端末2Aの自動探索を強制的に終了させることができる。
【0128】
また、本実施の形態において、携帯電話端末1Aは、近距離無線通信6における各固定電話端末2Aからの受信電波の電波強度に基づいて、コールバック指示メッセージを送信する固定電話端末2Aの優先順位を決定している。したがって、本実施の形態によれば、コールバック可能な固定電話端末2のなかで最も携帯電話端末1Aの近傍にある固定電話端末2Aにコールバックを行わせることができる。
【0129】
なお、本発明は上記の各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0130】
例えば、上記の各実施の形態では、無線電話端末として携帯電話端末1、1Aを用いた場合を例にとり説明した。しかし、本発明はこれに限定されない。無線電話端末は、PHS端末、無線IP電話端末等のその他の無線電話端末であってもよい。この場合、携帯電話網4の代わりに、PHS網、無線IP電話網等の無線電話端末に対応した無線電話網が用いられ、電話制御装置3は、この無線電話網および固定電話網5に対する電話交換制御を行う。
【0131】
また、上記の実施の形態において、図2、図9に示す携帯電話端末1、1A、図4、図11に示す固定電話端末2、2A、および図6に示す電話制御装置3は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実行されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)などの計算機によりソフトウエア的に実行されるものでもよい。または、CPU、メモリ、HDD、DVD−ROM等の補助記憶装置、およびNIC(Network Interface Card)、モデム等の通信インターフェースを備えたPC(Personal Computer)等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することで実現されるものでもよい。
【符号の説明】
【0132】
1、1A:携帯電話端末、2、2A:固定電話端末、3:電話制御装置、4:携帯電話網、5:固定電話網、6:近距離無線通信、11:携帯電話網インターフェース部、12:近距離無線インターフェース部、13:ユーザインターフェース部、14:携帯電話機能部、15:転送制御部、16:コールバック制御部、21:固定電話網インターフェース部、22:近距離無線インターフェース部、23:ユーザインターフェース部、24:固定電話機能部、25:応答メッセージ送信部、26:端末ID通知部、27:コールバック制御部、31:固定電話網インターフェース部、32:携帯電話網インターフェース部、33:電話交換機能部、34:転送制御部、141:呼制御部、142:通話処理部、151:転送先候補決定部、152:端末ID取得部、153:転送指示部、161:コールバック元候補決定部、162:コールバック指示部、241:呼制御部、242:通話処理部、271:コールバック指示受付部、272:発信指示部、273:履歴保持部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信網と接続する無線電話端末と、前記無線通信網に接続されている固定電話網と接続する少なくとも一台の固定電話端末と、を有する電話システムであって、
前記無線電話端末は、
前記固定電話端末と無線通信を行うための固定電話端末用インターフェース手段と、
前記固定電話端末用インターフェース手段を介して前記固定電話端末に、前記無線通信網に発信もしくは前記無線通信網から着信した呼の通話相手のIDを伴うコールバック指示を送信するコールバック指示手段と、を有し、
前記固定電話端末は、
前記無線電話端末と無線通信を行うための無線電話端末用インターフェース手段と、
前記無線電話端末用インターフェース手段を介して前記無線電話端末から前記コールバック指示を受信するコールバック指示受信手段と、
前記コールバック指示受信手段により受信された前記コールバック指示に付加されている前記IDを送信先とする呼を前記固定電話網に発信するコールバック手段と、を有する
ことを特徴とする電話システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電話システムであって、
前記コールバック指示手段は、
前記固定電話端末用インターフェース手段を介して前記固定電話端末に前記コールバック指示を送信して、当該固定電話端末の応答を所定時間待つ処理を、優先順位の高い前記固定電話端末から順番に、いずれかの前記固定電話端末から、コールバックを実施する旨の応答を受信するまで繰り返し、
前記コールバック指示受信手段は、
前記無線電話端末用インターフェース手段を介して前記無線電話端末から前記コールバック指示を受信したならば、操作者からコールバック実施の指示を受け付けた場合にのみ、前記無線電話端末に、前記コールバックを実施する旨の応答を通知し、
前記コールバック手段は、
前記コールバック指示受信手段が、前記コールバックを実施する旨の応答を前記無線電話端末に通知した場合にのみ、前記コールバック指示受信手段により受信された前記コールバック指示に付加されている前記IDを送信先とする呼を前記固定電話網に発信する
ことを特徴とする電話システム。
【請求項3】
請求項2に記載の電話システムであって、
前記コールバック指示手段は、
前記無線電話端末用インターフェース手段における各前記固定電話端末からの受信電波の電波強度に基づいて前記優先順位を決定する
ことを特徴とする電話システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電話システムにおける前記無線電話端末として機能する無線電話端末。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電話システムにおける前記固定電話端末として機能する固定電話端末。
【請求項6】
無線電話端末から無線通信網に発信あるいは前記無線通信網から前記無線電話端末に着信した呼の通話相手と、前記無線通信網に接続されている固定電話網に接続している固定電話端末との間に通話路を確立する電話制御方法であって、
前記無線電話端末および前記固定電話端末間の近距離無線通信により、前記無線電話端末が前記固定電話端末に、前記無線通信網に発信もしくは前記無線通信網から着信した呼の通話相手のIDを伴うコールバック指示を送信し、
前記固定電話端末が、前記無線電話端末から受信したコールバック指示に付加されている前記IDを送信先とする呼を前記固定電話網に発信する
ことを特徴とする電話制御方法。
【請求項1】
無線通信網と接続する無線電話端末と、前記無線通信網に接続されている固定電話網と接続する少なくとも一台の固定電話端末と、を有する電話システムであって、
前記無線電話端末は、
前記固定電話端末と無線通信を行うための固定電話端末用インターフェース手段と、
前記固定電話端末用インターフェース手段を介して前記固定電話端末に、前記無線通信網に発信もしくは前記無線通信網から着信した呼の通話相手のIDを伴うコールバック指示を送信するコールバック指示手段と、を有し、
前記固定電話端末は、
前記無線電話端末と無線通信を行うための無線電話端末用インターフェース手段と、
前記無線電話端末用インターフェース手段を介して前記無線電話端末から前記コールバック指示を受信するコールバック指示受信手段と、
前記コールバック指示受信手段により受信された前記コールバック指示に付加されている前記IDを送信先とする呼を前記固定電話網に発信するコールバック手段と、を有する
ことを特徴とする電話システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電話システムであって、
前記コールバック指示手段は、
前記固定電話端末用インターフェース手段を介して前記固定電話端末に前記コールバック指示を送信して、当該固定電話端末の応答を所定時間待つ処理を、優先順位の高い前記固定電話端末から順番に、いずれかの前記固定電話端末から、コールバックを実施する旨の応答を受信するまで繰り返し、
前記コールバック指示受信手段は、
前記無線電話端末用インターフェース手段を介して前記無線電話端末から前記コールバック指示を受信したならば、操作者からコールバック実施の指示を受け付けた場合にのみ、前記無線電話端末に、前記コールバックを実施する旨の応答を通知し、
前記コールバック手段は、
前記コールバック指示受信手段が、前記コールバックを実施する旨の応答を前記無線電話端末に通知した場合にのみ、前記コールバック指示受信手段により受信された前記コールバック指示に付加されている前記IDを送信先とする呼を前記固定電話網に発信する
ことを特徴とする電話システム。
【請求項3】
請求項2に記載の電話システムであって、
前記コールバック指示手段は、
前記無線電話端末用インターフェース手段における各前記固定電話端末からの受信電波の電波強度に基づいて前記優先順位を決定する
ことを特徴とする電話システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電話システムにおける前記無線電話端末として機能する無線電話端末。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電話システムにおける前記固定電話端末として機能する固定電話端末。
【請求項6】
無線電話端末から無線通信網に発信あるいは前記無線通信網から前記無線電話端末に着信した呼の通話相手と、前記無線通信網に接続されている固定電話網に接続している固定電話端末との間に通話路を確立する電話制御方法であって、
前記無線電話端末および前記固定電話端末間の近距離無線通信により、前記無線電話端末が前記固定電話端末に、前記無線通信網に発信もしくは前記無線通信網から着信した呼の通話相手のIDを伴うコールバック指示を送信し、
前記固定電話端末が、前記無線電話端末から受信したコールバック指示に付加されている前記IDを送信先とする呼を前記固定電話網に発信する
ことを特徴とする電話制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−34260(P2013−34260A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−251486(P2012−251486)
【出願日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【分割の表示】特願2009−42162(P2009−42162)の分割
【原出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000134707)株式会社ナカヨ通信機 (522)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【分割の表示】特願2009−42162(P2009−42162)の分割
【原出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000134707)株式会社ナカヨ通信機 (522)
【Fターム(参考)】
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