説明

電話業務検査システム及びそのプログラム

【課題】 無数の電話業務の中から適切でない電話業務を抽出するための検査を行い、管理者が確認すべき電話業務を低減し、すなわち、管理者の業務負担を軽減し、オペレータによる正しく効率的な業務を促進する電話業務検査システムを提供する。
【解決手段】 オペレータが表示されているシナリオに従って顧客と会話し、必要に応じて回答を入力するだけで、通話がなされると通話時間を自動的に測定し、通話内容を自動的に録音し、受け付けた回答と予測会話量データとから予測会話時間を算出し、予測会話時間帯と測定した通話時間とを比較するので、比較の結果予測会話時間帯に含まれない不適切な電話業務である可能性が高い電話業務を特定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オペレータの電話業務における対応を自動的に検証するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従前、商品注文受付、顧客からの商品不具合の回答、営業、アンケート調査といった業務をコールセンターにてオペレータが電話を用いて行っていた。コンピュータシステムの発達に伴い、電話をコンピュータに統合する技術であるCTI(Computer Telephony Integration)技術が生まれ、オペレータ端末に接続するヘッドセット(マイクロフォンとヘッドフォンを組み合せたもの)をオペレータが装着し、オペレータ端末から直接発信して顧客と通話し、又は、顧客から直接オペレータ端末で着信して顧客と通話することが可能となった。このCTI技術を利用することで、オペレータ端末を介して顧客と通話しながら、同オペレータ端末をオペレータが操作し、または、発信番号又は着信番号により自動的に、顧客情報がオペレータ端末のディスプレイに表示され、オペレータは表示を見ながら、キーボード操作にてオペレータ端末に必要に応じて、依頼内容、質問事項、回答事項を入力することができ、オペレータの効率的な業務を実現すると共に、顧客満足の向上にも繋がっていった。なお、CTI技術を含めた統合型の顧客対応システムをCRM(Customer Relationship Management)と呼ぶ。
【0003】
これに加えて、特開2003−333188号公報に応対模様評価機能付コールセンタ制御システムが開示されている。この背景技術となる応対模様評価機能付コールセンタ制御システムは、サービスコントロールポイントと、サービスリソースポイントと、サービスマネージメントシステムとを備え、サービスリソースポイントが顧客とオペレータとの通話終了後に、顧客にアンケートの音声ガイダンスを送信し、その回答としてプッシュボタン信号を受信してサービスコントロールポイントに転送し、サービスマネージメントが回答となるプッシュボタン信号を集計する構成である。この背景技術の応対模様評価機能付コールセンタ制御システムによれば、顧客とオペレータとの通話が終了後に、オペレータを介することなくシステムに直接顧客がアンケートに答えることでオペレータの応対模様の顧客の正確な評価を取得することができる。
【0004】
また、特開2004−229014号公報に音声応答を使った調査システムが開示されている。この背景技術となる音声応答を使った調査システムは、アンケート対象者選出手段と、自動アンケート実施手段とを備え、アンケート対象者選出手段が複数のオペレータの中からアンケートの対象となるアンケート対象者を所定の選出条件に従って選出し、自動アンケート実施手段が選出されたオペレータと通話した顧客に対して通話終了後に音声自動応答装置によりアンケートを実施する構成である。この背景技術の音声応答を使った調査システムによれば、オペレータや企業に対する印象等を問うアンケートを、オペレータと通話した顧客本人から自動的に収集することができるので、従来のような電話調査や街頭調査にかかっていたような手間、コスト等を削減できる。
【特許文献1】特開2003−333188号公報
【特許文献2】特開2004−229014号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のように、CTI技術、背景技術の応対模様評価機能付コールセンタ制御システム、背景技術の音声応答を使った調査システムにより、電話業務の効率化、顧客満足の向上及び客観的な顧客のオペレータに対する評価を得ることができる。しかしながら、オペレータが顧客と通話しながら入力した内容が誤っている場合、すなわち、記入ミスをする場合、オペレータが顧客の話した内容を聞き間違える場合、記入ミス及び聞き間違いを共に行う場合といった状況に対し、以上の背景技術では対応することができず、記入ミスのまま、聞き間違えのままデータベースに記録されるという課題を有する。仮に、管理者がかかる記入ミス及び聞き間違いを検証するワークフローを組んでいた場合には、データベースに記録されている膨大なデータを閲覧する必要があり、管理者の負担は甚大なものである。
【0006】
また、オペレータが自己のミスを隠蔽するために虚偽の内容をオペレータ端末で入力する場合、成果給であるオペレータが自己の業績を良く見せかけるために同様に虚偽の内容をオペレータ端末で入力する場合に、虚偽の内容のままデータベースに格納されるという課題を有し、仮に、管理者がかかる虚偽入力を検証するためにはデータベースに記録されている膨大なデータを閲覧する必要があり、管理者の負担は甚大なものである。
【0007】
さらにまた、例えば、顧客が留守番機能付き電話機の留守番機能を有効にし、オペレータがかかる顧客に電話した場合に、留守番機能により通話バスが確立されているにも拘らず、オペレータは通話を終了させることなく通話を維持して無駄に時間を過ごすことがある。この場合に、オペレータの通話内容を聞くことができる管理者端末から管理者がオペレータの通話内容を聞いてオペレータの怠業を発見することができる可能性はあるが、無数のオペレータの通話内容を管理者が同時に聞くことができないことから発見することが困難であるという課題を有する。また、通話内容を記録するシステムを構築している場合には、管理者は後で聞くことができるものの、そののべ通話時間は相当なものであり、一つずつ検証するのは現実的ではない。
【0008】
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、無数の電話業務の中から適切でない電話業務を抽出するための検査を行い、管理者が確認すべき電話業務を低減し、すなわち、管理者の業務負担を軽減し、オペレータによる正しく効率的な業務を促進する電話業務検査システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 本発明に係る電話業務検査システムは、電話業務を構成する業務項目、その業務項目の順序、業務項目に対する回答からなるシナリオデータを通話中にオペレータのディスプレイに表示する手段と、顧客と通話開始から通話終了までの通話時間を計測する手段と、顧客とオペレータとの通話内容を録音する手段と、オペレータの表示されているシナリオデータに対して入力される回答を受ける手段と、シナリオデータに対応する業務項目毎の予測会話量データと受けた回答である回答データとから予測会話時間を電話業務毎に算出する予測会話時間算出手段と、予測会話時間を含む予測会話時間帯と計測された通話時間とを電話業務毎に比較する比較手段とを備えるものである。このように本発明においては、オペレータが表示されているシナリオに従って顧客と会話し、必要に応じて回答を入力するだけで、通話がなされると通話時間を自動的に測定し、通話内容を自動的に録音し、受け付けた回答と予測会話量データとから予測会話時間を算出し、予測会話時間帯と測定した通話時間とを比較するので、比較の結果予測会話時間帯に含まれない不適切な電話業務である可能性が高い電話業務を特定することができる。ここでの予測会話時間帯と測定した通話時間との比較は、予測会話時間帯での最大通話時間と測定した通話時間との比較、予測会話時間帯での最小通話時間と測定した通話時間との比較が含まれる。
【0010】
(2) 本発明に係る電話業務検査システムは必要に応じて、前記比較手段での比較の結果、予測会話時間帯外であった通話時間の電話業務に係る回答データ及び録音した音声データを管理者の出力装置に出力する手段とをさらに備えるものである。このように本発明においては、前記(1)に加え、予測会話時間帯に含まれない電話業務の回答データ及び音声データを管理者の出力装置に出力することで、管理者が不適切な電話業務であると自動的に判断された電話業務を管理者の手によって容易に検査することができる。
【0011】
(3) 本発明に係る電話業務検査システムは必要に応じて、前記予測会話時間算出手段が、前記各オペレータの話すスピードが格納されたオペレータ口調データを加味して予測会話時間を算出するものである。このように本発明においては、前記(1)に加え、オペレータの話すスピードを加味して予測会話時間が算出されるので、適切な業務であるが話すスピードにより不適切だと判断される電話業務、逆に、不適切な業務であるが話すスピードにより適切だと判断される電話業務に対しても、オペレータの話すスピードに合致した予測会話時間と通話時間を比較することで、適切な業務であるか否かを正しく判断することができる。
【0012】
(4) 本発明に係る電話業務検査システムは必要に応じて、各オペレータの就業終了時刻が格納されているオペレータシフトデータを参照し、就業終了時刻が現在時刻と比較して閾値内であるオペレータの電話業務に関して他のオペレータの電話業務よりも優先して予測会話時間算出手段、比較手段を実行するものである。このように本発明においては、前記(1)に加え、就業時間が終了間近のオペレータが対応した電話業務を率先して他のオペレータが対応した電話業務に優先させて検査を行っているので、オペレータの就業終了前に出来得るだけ検査結果を出すことができ、その日のうちに管理者がオペレータに対して注意、指導を行うことができる。本システムが構築されるコールセンターで発注業務を行っている場合には、不適切な電話対応をして間違った発注がなされたときでも、少なくともかかるオペレータの就業終了前にミスが発覚し、担当者が居ることで円滑且つ適切にミスに対応することができる。特に、昨今、どの業種でもSCM(Supply Chain Management)が構築され、リードタイムが短縮化され、発注ミスは迅速に対応しなければ損害が大きいという現状の中で、その効果は著しい。
【0013】
(5) 本発明に係る電話業務検査プログラムは、コンピュータに、オペレータと顧客との通話開始から通話終了までの通話時間と、顧客とオペレータとの通話内容の音声データと、電話業務を構成する業務項目、その業務項目の順序、業務項目に対する回答からなるシナリオデータに対してオペレータにより入力された回答データとが電話業務毎に記録された記憶手段から、シナリオデータに対応して予め設定される予測会話量データと記憶手段に記録された回答データとから予測会話時間を電話業務毎に算出する予測会話時間算出手順と、予測会話時間を含む予測会話時間帯と記憶手段に記録された通話時間とを電話業務毎に比較する比較手順を実行させるものである。この電話業務検査プログラムは、(1)のサブコンビネーションの発明に該当する。すなわち、この電話業務検査プログラムは電話業務検査システム中検査部分のプログラムに相当する。
これら前記の発明の概要は、本発明に必須となる特徴を列挙したものではなく、これら複数の特徴のサブコンビネーションも発明となり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
ここで、本発明は多くの異なる形態で実施可能である。したがって、下記の各実施形態の記載内容のみで解釈すべきではない。また、各実施形態の全体を通して同じ要素には同じ符号を付けている。
各実施形態では、主にシステムについて説明するが、所謂当業者であれば明らかな通り、本発明はコンピュータで使用可能なプログラム、方法としても実施できる。また、本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、または、ソフトウェア及びハードウェアの実施形態で実施可能である。プログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、光記憶装置または磁気記憶装置等の任意のコンピュータ可読媒体に記録できる。さらに、プログラムはネットワークを介した他のコンピュータに記録することができる。
【0015】
(本発明の第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る電話業務検査システムについて、図に基づき説明する。
図1は本実施形態に係る電話業務検査システムの全体システム構成図である。この図1に示されるように、本実施形態に係る電話業務検査システム上には、オペレータ端末10、データベースコンピュータ20、交換機30、検査コンピュータ40、管理者端末50及び顧客電話機100を備える。交換機30と顧客電話機100が一般加入者回線又はIP網に接続している。オペレータ端末10、データベースコンピュータ20、交換機30、検査コンピュータ40及び管理者端末50は、構内通信網(LAN)により接続し相互に通信が可能となっている。ネットワークの構成は当業者であれば適宜設計可能である。例えば、広域通信網(WAN)を介したネットワーク構成を構築することもできる。また、HUB、ルータ等のネットワーク機器を適宜配置する。
【0016】
図2は本実施形態に係る汎用的なコンピュータのハードウェア構成図である。オペレータ端末10は汎用的なコンピュータであり、ハードウェアの構成としてはCPU(Central Processing Unit)11、DRAM(Dynamic Random Access Memory)12等のメインメモリ、外部記憶装置であるHD(hard disk)13、表示装置であるディスプレイ14、入力装置であるキーボード15及びマウス16、ネットワークに接続するための拡張カードであるLANカード17、CD−ROMドライブ18等からなる。データベースコンピュータ20、検査コンピュータ40、管理者端末50も、オペレータ端末10と同様なハードウェアの構成となり、それぞれ、CPU21、41、51、DRAM22、42、52、HD23、43、53、ディスプレイ24、44、54、キーボード25、45、55、マウス26、46、56、LANカード27、47、57、CD−ROMドライブ28、48、58等からなる。ここで、汎用的なコンピュータだとしても、データベースコンピュータ20、検査コンピュータ40にはパーソナルコンピュータよりも高スペックの大型汎用コンピュータを使用するこのが望ましい。具体的な大型汎用コンピュータの構成としては、サーバラックに、複数CPUを配置したラックマウント型サーバ、ハードディスクキャビネット、バックアップキャビネット、UPS(Uninterruptible Power Supply)、マウンド台付ディスプレイ及びキーボードを配設した構成である。
【0017】
図3は本実施形態に係る電話業務検査システムのブロック構成図である。オペレータ端末10は、ディスプレイ14に顧客情報を表示する顧客情報表示手段と、顧客リストから選択した顧客に対して又は直接入力された電話番号に対して発信する発信手段と、電話業務を構成する業務項目、その業務項目の順序、業務項目に対する回答からなるシナリオデータをディスプレイ14に表示し、回答に対するオペレータからのキーボード15及びマウス16を介しての入力を可能とするシナリオ手段と、通話内容を録音する録音手段(録音手段は別途構成可能)と、通話時間を計測する通話時間計測手段(録音手段は別途構成可能)と、顧客電話機100からの着信を受ける着信手段とを備える。また、オペレータ端末10及び管理者端末50には図示しないサウンドカードが配設され、音声データを出力するヘッドフォンと音声データを入力するマイクロフォンが一体となったヘッドセットがかかるサウンドカードの端子に接続している。
【0018】
データベースコンピュータ20は、オペレータの基本情報を格納するオペレータテーブルと、顧客の基本情報、履歴情報を格納する顧客情報テーブルと、シナリオデータを格納するシナリオデータテーブルと、通話を録音した音声データ(録音データ)を格納する音声データテーブルと、通話時間を格納する通話時間テーブルと、シナリオデータに対する回答データを格納する回答データテーブルと、検査コンピュータ40の結果を格納する検査結果テーブルとからなるデータベースが構築されている。所謂当業者であればデータベースの構成を適宜変更することもでき、また、リレーショナルデータベース以外のデータモデルでデータベースを構築することもできる。
【0019】
オペレータテーブルは、オペレータID(主キー)、名前、性別、住所、電話番号、備考の属性を有する。顧客情報テーブルは、顧客ID(主キー)、名前、性別、住所、電話番号、業務区分の属性を有する。シナリオデータテーブルは、業務区分ID、シナリオID、シナリオ順番、業務項目、業務項目ID、回答項目、回答項目IDの属性を有する(業務区分ID、シナリオID及びシナリオ順番で主キーとなる)。音声データテーブルは、業務ID(主キー)、音声データの属性を有する。通話時間テーブルは、業務ID(主キー)、通話時間の属性を有する。回答データテーブルは、業務ID、業務項目ID、回答項目ID、回答項目データの属性を有する(業務ID及び回答項目IDで主キーとなる)。予測会話量テーブルは、業務項目ID、回答項目ID、会話量からなる。検査結果テーブルは、業務IDの属性を有する。ここで示したデータベースのテーブルの属性も一例であり、さらに、正規化を行う必要があるテーブルも存在する。ここでは、説明の便宜上正規化を行っていない。
【0020】
データベースの構成を変更した場合には、前記オペレータ端末10の各手段、後記検査コンピュータ40の各手段、後記管理者端末50の各手段がアクセスするテーブル若しくはデータベースも異なるが、当業者であれば設計変更することができる。
検査コンピュータ40は、回答データから予測される会話時間を電話業務毎に算出する予測会話時間算出手段と、実際に計測された通話時間と予測通話時間とに基づき電話業務の検査を行う検査手段とを備える。
管理者端末50は、検査コンピュータ40で検査された結果さらに検査が必要である電話業務をディスプレイ54に提示する提示手段を備える。
【0021】
図4は本実施形態に係る電話業務検査システムのシナリオデータの一例である。質問、回答、予想会話時間(会話量の一種であり、この時間の他に文字数もある。会話の量を示すものであればよい。)の3列を有する表である。質問の列の「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」はシナリオ内での順番であり、シナリオ順番の一例である。質問の列の「挨拶、自分を名乗る」、「相手の確認」、「用件(ローンの借り入れの事実)のお伝え」、「金額のお伝え」、「入金日の約束」、「延滞の理由」、「その他の相談事」、「結びの挨拶」は、業務項目の一例である。予想回答の「□済」、「□本人 □家族 留守電 □不在」、「□ 認識あり □知らない」、「( )月( )日までに」、「( )のため」、「□無し □有り( )について」、「□完了」は、回答項目の一例である。これら質問の列、予想回答の列はオペレータ端末10のディスプレイ14に表示され、このシナリオ順番及び業務項目を見てオペレータは顧客と会話し、顧客から得た回答をチェックボックスをチェックしたり、テキストボックスに文字を入力する。3番目の予想会話時間の列は、予想会話時間の一例であり、この列はオペレータには見えない。ここでは、業務項目及び回答項目により予想会話時間が定まることを説明する便宜のため表示している。ただし、図4のまま管理者端末50のディスプレイ54に表示し、管理者の2次検査のための参照、運用のための予測会話時間の設定変更に用いることもできる。
【0022】
図5は本実施形態に係る電話業務検査システムの電話業務のフローチャートである。オペレータがオペレータ端末10のディスプレイ14に表示されている顧客リストからキーボード15、マウス16の入力装置を用いて顧客を選択する。オペレータ端末10の顧客情報手段は選択された顧客を特定する情報(顧客ID)に基づき、データベースコンピュータ20から該当顧客の顧客情報(名前、性別、住所、電話番号、業務区分)を読み出す(ステップ101)。オペレータ端末10の顧客情報手段は読み出した顧客情報をディスプレイ14に表示する(ステップ111)。オペレータが表示されている顧客に対して発信操作を入力装置を用いて行う。オペレータ端末10の発信手段は選択されている顧客の電話番号及びオペレータ端末を特定する情報(IPアドレス、内線番号)を交換機30に送信する。交換機30は顧客の発信番号に基づき一般回線に接続しているインターフェースから発信処理を行う(ステップ121)。オペレータ端末10が顧客が着信したか否かを判断する(ステップ122)。オペレータ端末10が着信せず発信操作を停止したと判断した場合には、前記顧客の選択に戻る。顧客が受話器を取って着信し、オペレータ端末10が着信したと判断した場合には、交換機30を介して通話パスが確立され、オペレータ端末10のシナリオ手段が顧客の業務区分に基づきシナリオデータ(シナリオID、シナリオ順番、業務項目、業務項目ID、回答項目、回答項目ID)をデータベースコンピュータ20から読み出す(ステップ131)。ここで、読み出されるシナリオデータは顧客の業務区分に基づくとしたが、オペレータの操作で選択する構成にすることもできる。オペレータ端末10のシナリオ手段が読み出したシナリオデータ(シナリオ順番、業務項目、回答項目)をディスプレイ14に表示する(ステップ141)。このステップ141と略同時に、オペレータ端末10の録音手段はマイクロフォンから入力される音声データを録音する(ステップ142)。前記ステップ141と略同時に、オペレータ端末10の通話時間計測手段が通話時間の計測を開始する(ステップ143)。オペレータはディスプレイ14に表示されているシナリオデータに基づき、顧客と会話し、シナリオを構成するそれぞれのフェーズで必要に応じて、回答を入力装置を用いて回答する。通話終了後、オペレータ端末10の録音手段が音声データの録音を停止する(ステップ151)。このステップ151と略同時に、オペレータ端末10の通話時間計測手段が通話時間の計測を停止する(ステップ152)。オペレータ端末10は、音声データ(業務ID、音声データ)、通話時間(業務ID、通話時間)及び回答データ(業務ID、業務項目ID、回答項目ID、回答項目データ)をデータベースコンピュータ20に書き込む(ステップ161)。このステップ161後に、顧客の選択に戻り、以降オペレータはオペレータ端末10を用いて電話業務を業務停止まで継続して続ける。
【0023】
図5はオペレータから発信する場合の電話業務であるが、同図を用いて顧客から着信した場合の電話業務について説明する。顧客の顧客電話機100から発信されると、交換機30に発信要求がなされ、交換機30は通話中でない一のオペレータ端末10に対し、着信番号に基づき顧客情報を読み出し送信すると共に、かかるオペレータ端末10に呼び出しを行う。オペレータ端末10のディスプレイ14では受信した顧客情報が表示され、オペレータのヘッドセットのヘッドフォンに呼び出し音が出力される。オペレータが例えばマウス16を用いて着信操作を行うと、交換機30を介して顧客とオペレータとの間で通信パスが確立される。以降は、前記ステップ131ないしステップ161と同様である。ここで、交換機30が顧客情報を読み出し送信する構成となっているが、所謂当業者であれば明らかなように、CTIサーバを備え、このCTIサーバが顧客情報を読み出し送信する構成を採ることもできる。
【0024】
図6は本実施形態に係る電話業務検査システムの第1の検査フローチャートである。検査コンピュータ40は指定時刻か否かを判断する(ステップ201)。ここで、指定時刻は複数の時刻を指定することができるものとする。ただし、管理者端末50からの要請をトリガとして、第1の検査の処理を開始することもできる。検査コンピュータ40の予測会話時間算出手段は前回検査時から新たに書き込まれた回答データ(業務ID、回答項目ID、回答項目データ)と通話時間(業務ID、通話時間)をデータベースコンピュータ20から読み出す(ステップ211)。検査コンピュータ40の予測会話時間算出手段はシナリオデータ(業務項目ID、回答項目ID)に対応する予測会話量(会話量)をデータベースコンピュータ20から読み出す(ステップ221)。検査コンピュータ40の予測会話時間算出手段は回答データ(業務ID、回答項目ID、回答項目データ)と予測会話量(業務項目ID、回答項目ID、会話量)から予測会話時間を算出する(ステップ231)。より詳細には、会話量が所定量の場合には予想会話時間に累積加算し、会話量が文字で増減する場合には回答項目データの文字数を会話量に乗算して乗算結果を予想会話時間に累積加算し、全ての業務項目に関して累積加算が終了した累積結果が求めたい予想会話時間となる。検査コンピュータ40の比較手段は算出した予告会話時間を中央とする予測会話時間帯と実際の通話時間とを比較判定し、通話時間が予測会話時間帯に含まれるか否かを判断する(ステップ241)。検査コンピュータ40の比較手段が実際の通話時間が予測会話時間帯に含まれると判断した場合には、次の検査すべきデータがあるか否かを判断する(ステップ261)。次の検査すべきデータがないと判断した場合には終了し、次の検査すべきデータがあると判断した場合にはステップ211に移行する。前記ステップ241で、検査コンピュータ40の比較手段が実際の通話時間が予測通話時間帯に含まれないと判断した場合には、該当データを検査結果(業務ID)としてデータベースコンピュータ20の検査結果テーブルに書き込む(ステップ251)。ここで、ステップ201ないしステップ261の処理においては、データベースコンピュータ20から随時データを読み出しているが、一度に検査すべきデータを読み出し、一度に結果結果を書き込む構成にすることもできる。
【0025】
図7は本実施形態に係る電話業務検査システムの第2の検査フローチャートである。管理者端末50の提示手段はデータベースコンピュータ20に定期的にアクセスし、検査コンピュータ40の検査結果が更新されている場合には、検査結果を読み出してディスプレイ54にリスト表示する。管理者がキーボード55、マウス56の入力装置を用いてリスト内の要素を選択すると、管理者端末50の提示手段が業務IDに基づき該当電話業務の回答データ、音声データ及び通話時間をデータベースコンピュータ20から読み出す(ステップ311)。管理者端末50の提示手段が該当電話業務を担当したオペレータデータ(名前、性別、住所、電話番号、備考の属性)をデータベースコンピュータ20から読み出す(ステップ321)。管理者端末50の提示手段がディスプレイ54に回答データ及び通話時間を表示する(ステップ331)。ステップ331と略同時に、音声データをヘッドセットのヘッドフォンに出力する(ステップ332)。ステップ331と略同時に、管理者端末50の提示手段がディスプレイ54にオペレータデータを表示する(ステップ333)。管理者から入力装置を用いてOKの操作がされた場合には該当電話業務をリストから除外すると共に、データベースコンピュータ20の検査結果データベースの該当データを削除し(ステップ351)、ステップ301に戻る。管理者から入力装置を用いてOKでない操作がなされた場合には2次検査の結果として検査結果(業務ID)を検査結果データベースに書き込み(ステップ341)と共に、ステップ351に進む。
【0026】
このように本実施形態に係る電話業務検査システムによれば、オペレータがディスプレイ14に表示されるシナリオに従って顧客と通話し、回答を入力することで、通話内容の音声データ、通話時間、シナリオに対する回答データが自動的に記録され、シナリオ、回答データ及び予測会話量から予測会話時間を算出し、実際の通話時間が予測会話時間帯に含まれるか否かの判断により検査しているので、オペレータ及び管理者に負担を掛けることなく、適正でない電話業務のみを抽出することができる。また、自動的に抽出された電話業務を管理者端末50で提示するので、管理者が容易に不適切な電話業務を判断することができる。
【0027】
なお、本実施形態ではオペレータ端末10、検査コンピュータ40、管理者端末50で各手段を明示し、各手段の処理を説明したが、各手段はCPUがプログラムを実行することで実装されており、各手段の画定も一例にすぎない。すなわち、シナリオ手段をシナリオを表示する手段と、オペレータからの回答を受ける手段の2つに分割することもできる。
【0028】
また、本実施形態では各手段をオペレータ端末10、検査コンピュータ40、管理者端末50に割り当てたが、この割り当ても一例にすぎない。例えば、オペレータ端末10に割り当てている通話時間計測手段、録音手段を検査コンピュータ40に割り当てることもできる。すなわち、当業者であれば、各手段の割り当てを変更して実装することができる。さらには、オペレータ端末10、検査コンピュータ40、管理者端末50以外のコンピュータをさらに加え、かかるコンピュータに現在オペレータ端末10、検査コンピュータ40、管理者端末50に割り当てている手段を割り当てることもできる。
【0029】
(その他の実施形態)
[リアルタイム処理] 前記第1の本実施形態では、検査コンピュータ40が定期的に、又は、管理者端末50の要請で検査コンピュータ40が、第1次の検査を行っていたが、データベースコンピュータ20に第1次の検査に必要なデータが格納された時点で迅速に検査コンピュータ40が検査する構成にすることもできる。そうすることで、電話業務を終了後、第1次の検査がなされ、不適切である可能性が高い電話業務を迅速に特定することができる。
【0030】
[就業終了間近の優先処理] 前記第1の実施形態では、データベースコンピュータ20の格納順に検査コンピュータ40が検査を行うが、オペレータの就業時間を記しているシフトデータを参酌し、就業終了時刻間近のオペレータがある場合には、かかるオペレータの電話業務に対して、他の就業終了時刻に余裕のあるオペレータよりも先に第1次の検査をする構成にすることもできる。そうすることで、オペレータの不在のときに、不適切である可能性が高い電話業務が特定されることを回避し、迅速にオペレータに対して注意、指導を行うことができる。虚偽行為の場合には直近の注意により再度の虚偽行為が強く防止される。また、記入ミス、聞き間違いの場合であっても、オペレータの記憶に残っているために、迅速に対応することができる。さらに、当事者のオペレータに対して記入ミス、聞き間違いへの対応をさせる方が、当時者でないオペレータ、管理者が対応するよりも格段に早く対応することができる。
就業終了時刻から現時刻を引いて残った時間の少ない順に、第1次の検査をする構成にすることもできる。
【0031】
[確定度順表示] 前記第1の実施形態では、管理者端末50で提示する検査結果の表示については詳述しておらず、例えば、時系列で電話業務が表示されるのであるが、予測会話時間と通話時間との差が大きい順に管理者端末50のディスプレイ54で表示することもでき、予想会話時間よりも著しく短い、又は、長い電話業務、すなわち、不適切である可能性が非常に高い電話業務に関して管理者が目を通し易くすることで、優先順位をもって不適切な可能性が高い電話業務に関して管理者が対処することができる。
【0032】
[業務項目毎の算出及び比較] 前記第1の実施形態では、一の電話業務全体に対して予測会話時間を算出し比較したが、通話時間の計測も業務項目毎に行い、業務項目毎の予測会話時間と業務項目毎の通話時間とを比較し、不適切な電話業務を特定する構成にすることもできる。通話時間の計測を業務項目毎に実施する方法としては、業務項目毎の回答がなされた時点で業務項目の通話時間を区切る方法、現在全業務項目を一の画面で見せているが、業務項目毎にダイアログ形式で表示し、次の業務項目に進むためにはオペレータの明示的な次の業務項目への移行の操作を必要とし、かかる操作のタイミングで業務項目の通話時間を区切る方法を採ることができる。業務項目毎の算出及び比較の場合の不適切な電話業務の判定方法としては、業務項目の予測会話時間帯に含まれない業務項目の数が閾値を超えた場合に不適切な電話業務とみなす方法と、業務項目の予測会話時間帯に含まれない場合に業務項目の予測会話時間と業務項目の通話時間との差が閾値を超えた場合に不適切な電話業務とみなす方法を採ることができる。
【0033】
[会話の文字変換] 前記第1の実施形態では、予想会話時間と通話時間との比較を行って不適切な電話業務を判断していたが、音声データを音声認識により文字化し文字数をカウントし、シナリオデータに対応する業務項目毎の予測会話量データ(文字数)と回答データとから予想文字数を算出し、実際の文字数と予想文字数とを比較し、その差が閾値を超えている場合に不適切な電話業務であるとする構成にすることもできる。
【0034】
以上の前記各実施形態により本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は実施形態に記載の範囲には限定されず、これら各実施形態に多様な変更又は改良を加えることが可能である。そして、かような変更又は改良を加えた実施の形態も本発明の技術的範囲に含まれる。このことは、特許請求の範囲及び課題を解決する手段からも明らかなことである。
【0035】
[付記] 上記実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 電話業務を遂行するオペレータが使用するオペレータ端末と、前記オペレータの電話業務の遂行状況を管理する管理者が使用する管理者端末を有する電話業務検査システムであって、
電話業務を構成する業務項目、前記業務項目に対する回答、及び前記業務項目毎に予測される会話量を有するシナリオデータを記憶するシナリオデータ記憶手段と、
顧客と通話開始から通話終了までの通話量を計測する通話量計測手段と、
前記シナリオデータに対応する業務項目毎に入力される回答を受ける回答受付手段と、
前記シナリオデータに対応する業務項目毎の予測会話量データと、受けた回答である回答データとから総予測会話量を電話業務毎に取得する総予測会話量取得手段と、
総予測会話量と計測された通話量とを電話業務毎に比較する比較手段とを備える電話業務検査システム。
【0036】
(付記2) 顧客とオペレータとの通話内容を記録する通話内容記録手段と、
前記比較手段での比較の結果、前記予測会話総量の許容範囲を超えた通話時間の電話業務に係る回答データ及び記録した通話内容を出力する手段とをさらに備える
前記付記1に記載の電話業務検査システム。
【0037】
(付記3) 前記オペレータの業務遂行能力に応じた特性データを記憶する手段と、
前記総予測会話量取得手段が、前記各オペレータの特性データに応じて総予測会話量を補正する
前記付記1に記載の電話業務検査システム。
【0038】
(付記4) 各オペレータを識別する情報と当該オペレータの就業終了時刻を有するオペレータシフトデータを記憶するオペレータシフトデータ記憶手段をさらに有し、
前記就業終了時刻が現在時刻と比較して閾値内であるオペレータの電話業務に関して他のオペレータの電話業務よりも優先して予測会話時間算出手段、比較手段を実行する
前記付記1に記載の電話業務検査システム。
【0039】
(付記5) コンピュータに、オペレータと顧客との通話開始から通話終了までの通話時間と、顧客とオペレータとの通話内容の音声データと、電話業務を構成する業務項目、その業務項目の順序、業務項目に対する回答からなるシナリオデータに対してオペレータにより入力された回答データとが電話業務毎に記録された記憶手段から、シナリオデータに対応して予め設定される予測会話量データと記憶手段に記録された回答データとから予測会話時間を電話業務毎に算出する予測会話時間算出手順と、予測会話時間を含む予測会話時間帯と記憶手段に記録された通話時間とを電話業務毎に比較する比較手順を実行させるための電話業務検査プログラム。
【0040】
(付記6) 電話業務を構成する業務項目、その業務項目の順序、業務項目に対する回答からなるシナリオデータを通話中にオペレータのディスプレイに表示する手段と、顧客とオペレータとの通話内容を録音する手段と、オペレータの表示されているシナリオデータに対して入力される回答を受ける手段と、録音した通話を文字変換して文字数をカウントする手段と、シナリオデータに対応する業務項目毎の予測会話量データと受けた回答である回答データとから予測会話量を電話業務毎に算出する予測会話量算出手段と、予測会話量を含む予測会話量帯とカウントした文字総数とを電話業務毎に比較する比較手段とを備える電話業務検査システム。
【0041】
(付記7)前記通話量計測手段は、顧客と通話開始から通話終了までの通話時間を計測し、
前記総予測会話量取得手段は、前記シナリオデータに対応する業務項目毎の予測会話量データと、受けた回答である回答データとから総予測会話時間を電話業務毎に取得し、
前記比較手段は、総予測会話時間と計測された通話時間とを電話業務毎に比較する
ことを特徴とする前記付記1に記載の電話業務検査システム。
【0042】
(付記8)前記オペレータの業務遂行能力に応じた特性データは、当該オペレータの発話速度を特定する口調データを有し、
前記総予測会話量取得手段は、前記特性データが有する当該オペレータの発話速度に応じて総予測会話量を補正する
ことを特徴とする前記付記7に記載の電話業務検査システム。
【0043】
(付記9)前記シナリオデータ記憶手段は、前記電話業務を構成する業務項目の順序をさらに有する前記シナリオデータを記憶し、
前記業務項目の順序に応じて前記シナリオデータを前記オペレータ端末に表示する表示手段を備え、
前記回答受付手段は、前記表示手段により表示されたシナリオデータに対応する業務項目毎にその回答の入力を受付ける
ことを特徴とする前記付記1に記載の電話業務検査システム。
【0044】
(付記10)コンピュータを、電話業務を構成する業務項目、前記業務項目に対する回答、及び前記業務項目毎に予測される会話量を有するシナリオデータを記憶するシナリオデータ記憶手段と、
顧客と通話開始から通話終了までの通話量を計測する通話量計測手段と、
前記シナリオデータに対応する業務項目毎に入力される回答を受ける回答受付手段と、
前記シナリオデータに対応する業務項目毎の予測会話量データと、受けた回答である回答データとから総予測会話量を電話業務毎に取得する総予測会話量取得手段と、
総予測会話量と計測された通話量とを電話業務毎に比較する比較手段として
機能させることを特徴とする電話業務検査プログラム。
【0045】
[付記の発明の補足説明]
上記付記1の発明においては、通話量計測手段で通話量を計測し、回答受付手段で回答を受付け得られた回答データと予測会話量データとから総予測会話量を電話業務毎に総予測会話量取得手段が取得し、比較手段で総予測会話量と通話量とを比較するので、比較の結果不適切な電話業務である可能性が高い電話業務を特定することができる。通話量は、例えば通話時間が該当する。会話量は、例えば会話時間、会話内容を文字変換しカウントして求まる文字数が該当する。
【0046】
上記付記2の発明においては、比較手段が比較した後に、所定条件を満たす電話業務の回答データと通話内容を出力するので、不適切な電話業務であると自動的に判断された電話業務を出力先で容易に検査することができる。
上記付記3の発明においては、総予測会話量取得手段が担当したオペレータの特性データに基づき総予測会話量を補正するので、オペレータ毎により正確な総予測会話量を求めることができ、ゆえに不適切な電話業務を適切に特定することができる。
上記付記4の発明においては、就業終了時刻が間近に迫っているオペレータの電話業務が優先的に処理されるので、就業時間中にオペレータの不適切な電話業務を特定し、当日の営業日中に対処することができる。
【0047】
上記付記5の発明に関しては、課題を解決する手段で既に説示した。
上記付記6の発明においては、検査対象が時間ではなく、文字数を検査対象としている。たとえば、無言状態の場合には文字数はカウントされることなく、業務項目毎により正確な判断を行うことができ、総じて不適切な電話業務を正確に特定することができる。
上記付記7の発明は、付記1の発明を会話量及び通話量に関して具体化したものである。
上記付記8の発明は、付記1の発明を特性データに関して具体化したものである。
上記付記9の発明は、付記1の発明をシナリオデータに関して具体化したものである。
上記付記10の発明は、付記1で特定される発明をプログラムとして特定した。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電話業務検査システムの全体システム構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る電話業務検査システムの構成要素のハードウェア構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る電話業務検査システムのブロック構成図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る電話業務検査システムのシナリオデータの一例である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る電話業務検査システムの電話業務のフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る電話業務検査システムの第1次検査フローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る電話業務検査システムの第2次検査フローチャートである。
【符号の説明】
【0049】
10 オペレータ端末
11 CPU
12 DRAM
13 HD
14 ディスプレイ
15 キーボード
16 マウス
17 LANカード
18 CD−ROMドライブ
20 データベースコンピュータ
21 CPU
22 DRAM
23 HD
24 ディスプレイ
25 キーボード
26 マウス
27 LANカード
28 CD−ROMドライブ
30 交換機
40 検査コンピュータ
41 CPU
42 DRAM
43 HD
44 ディスプレイ
45 キーボード
46 マウス
47 LANカード
48 CD−ROMドライブ
50 管理者端末
51 CPU
52 DRAM
53 HD
54 ディスプレイ
55 キーボード
56 マウス
57 LANカード
58 CD−ROMドライブ
100 顧客電話機


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話業務を遂行するオペレータが使用するオペレータ端末と、前記オペレータの電話業務の遂行状況を管理する管理者が使用する管理者端末を有する電話業務検査システムであって、
電話業務を構成する業務項目、前記業務項目に対する回答、及び前記業務項目毎に予測される会話量を有するシナリオデータを記憶するシナリオデータ記憶手段と、
顧客と通話開始から通話終了までの通話量を計測する通話量計測手段と、
前記シナリオデータに対応する業務項目毎に入力される回答を受ける回答受付手段と、
前記シナリオデータに対応する業務項目毎の予測会話量データと、受けた回答である回答データとから総予測会話量を電話業務毎に取得する総予測会話量取得手段と、
総予測会話量と計測された通話量とを電話業務毎に比較する比較手段とを備える電話業務検査システム。
【請求項2】
顧客とオペレータとの通話内容を記録する通話内容記録手段と、
前記比較手段での比較の結果、前記予測会話総量の許容範囲を超えた通話時間の電話業務に係る回答データ及び記録した通話内容を出力する手段をさらに備える
前記請求項1に記載の電話業務検査システム。
【請求項3】
前記オペレータの業務遂行能力に応じた特性データを記憶する手段と、
前記総予測会話量取得手段が、前記オペレータの特性データに応じて総予測会話量を補正する
前記請求項1に記載の電話業務検査システム。
【請求項4】
各オペレータを識別する情報と当該オペレータの就業終了時刻を有するオペレータシフトデータを記憶するオペレータシフトデータ記憶手段をさらに有し、
前記就業終了時刻が現在時刻と比較して閾値内であるオペレータの電話業務に関して他のオペレータの電話業務よりも優先して総予測会話量取得手段、比較手段を実行する
前記請求項1に記載の電話業務検査システム。
【請求項5】
コンピュータを、電話業務を構成する業務項目、前記業務項目に対する回答、及び前記業務項目毎に予測される会話量を有するシナリオデータを記憶するシナリオデータ記憶手段と、
顧客と通話開始から通話終了までの通話量を計測する通話量計測手段と、
前記シナリオデータに対応する業務項目毎に入力される回答を受ける回答受付手段と、
前記シナリオデータに対応する業務項目毎の予測会話量データと、受けた回答である回答データとから総予測会話量を電話業務毎に取得する総予測会話量取得手段と、
総予測会話量と計測された通話量とを電話業務毎に比較する比較手段として
機能させることを特徴とする電話業務検査プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−74175(P2007−74175A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−257218(P2005−257218)
【出願日】平成17年9月6日(2005.9.6)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】