説明

電話機および固定電話機

【課題】子機使用時の利便性を向上させながら、子機により通話中の状態を切り替えることが可能な電話機および固定電話機を提供する。
【解決手段】この固定電話機1(電話機)は、ダイヤルボタン21とフック23とを含むとともに専用のボタンを用いずに3者通話可能な子機2に接続可能な内線通信部12と、L1通信部13およびL2通信部14と、通話を制御する制御部11とを備え、制御部11は、子機2のダイヤルボタン21およびフック23のうち少なくとも一方による操作に基づいてL1回線およびL2回線のうち一方との通話中の状態から他方との通話中の状態に切り替える制御、および、L1回線およびL2回線を用いて3者通話中の状態から新たに着信したL1回線またはL2回線との通話中の状態に切り替える制御のうち少なくとも一方の制御を行うように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電話機および固定電話機に関し、特に、3者通話可能な電話機および固定電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、3者通話可能な電話機および固定電話機が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、子機に接続可能な無線機(内線通信部)と、複数の回線(第1外線、第2外線)を互いに分離するスプリッタと、複数の回線と2者通話および3者通話可能に通話を制御する電話制御部(制御部)とを備える電話通信装置(電話機)が開示されている。この電話通信装置では、子機は、ダイヤルボタンと、キャッチホン着信に応答するためのキャッチボタンと、3者通話に移行するためのパーティコールボタン(専用のボタン)とを備えている。また、電話制御部は、子機のキャッチボタンによる操作に基づいて複数の回線のうち一方との通話中の状態から他方との通話中の状態に切り替える制御を行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−187082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の電話通信装置(電話機)では、子機により複数の回線(第1外線、第2外線)のうち一方との通話中の状態から他方との通話中の状態に切り替えるためには、専用のキャッチボタンを備えた専用の子機を用いる必要があるので、子機使用時の利便性が低いという不都合がある。このため、子機使用時の利便性を向上させながら、子機により通話中の状態を切り替えることができないという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、子機使用時の利便性を向上させながら、子機により通話中の状態を切り替えることが可能な電話機および固定電話機を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の第1の局面による電話機は、ダイヤルボタンと通話を切断するためのフックとを含むとともに専用のボタンを用いずに3者通話可能な子機に接続可能な内線通信部と、第1外線に接続可能な第1外線通信部および第2外線に接続可能な第2外線通信部と、第1外線および第2外線のうち少なくとも一方を用いた2者以上で通話可能に通話を制御する制御部とを備え、制御部は、子機のダイヤルボタン及びフックの内少なくとも一方による操作に基づいて、第1外線および第2外線のうち一方との2者通話中の状態または一方に発信中の状態から他方との2者通話中の状態に切り替える制御、ならびに、第1外線との通話中の状態から新たに着信した第1外線との通話中の状態に切り替える場合および第2外線との通話中の状態から新たに着信した第2外線との通話中の状態に切り替える場合以外で第1外線および第2外線のうち少なくとも一方を用いて2者以上で通話中の状態から新たに着信した第1外線または第2外線との通話中の状態に切り替える制御のうち少なくとも一方の制御を行うように構成されている。
【0008】
この発明の第1の局面による電話機では、上記のように、子機のダイヤルボタンおよびフックのうち少なくとも一方による操作に基づいて、第1外線および第2外線のうち一方との2者通話中の状態または一方に発信中の状態から他方との2者通話中の状態に切り替える制御、ならびに、第1外線との通話中の状態から新たに着信した第1外線との通話中の状態に切り替える場合および第2外線との通話中の状態から新たに着信した第2外線との通話中の状態に切り替える場合以外で第1外線および第2外線のうち少なくとも一方を用いて2者以上で通話中の状態から新たに着信した第1外線または第2外線との通話中の状態に切り替える制御のうち少なくとも一方の制御を行う制御部を設けることによって、制御部により、子機に通常設けられているダイヤルボタンおよびフックを用いた操作により第1外線の通話中の状態と第2外線の通話中の状態とが切り替えられる、または、3者通話中の状態から新たに着信した外線との通話中の状態に切り替えられるので、通話中の状態を切り替えるために専用の子機を用いる必要がなく、汎用の子機を用いることができる。これにより、子機使用時の利便性を向上させながら、子機により通話中の状態を切り替えることができる。
【0009】
上記第1の局面による電話機において、好ましくは、制御部は、子機のダイヤルボタンおよびフックのうち少なくとも一方による操作に基づいて、第1外線および第2外線のうち一方との2者通話中の状態または一方に発信中の状態から保留中の他方または新たに着信した他方との2者通話中の状態に切り替える制御、および、第1外線および第2外線を用いて3者以上で通話中の状態から新たに着信した第1外線または第2外線との通話中の状態に切り替える制御のうち少なくとも一方の制御を行うように構成されている。このように構成すれば、たとえば、制御部により、子機に通常設けられているダイヤルボタンおよびフックを用いた操作により第1外線の通話中の状態または発信中の状態と第2外線の通話中の状態とが切り替えられる、または、3者通話中の状態から新たに着信した外線との通話中の状態に切り替えられるので、通話中の状態を切り替えるために専用の子機を用いる必要がなく、汎用の子機を用いることができる。
【0010】
上記第1の局面による電話機において、好ましくは、電話帳を記憶する記憶部をさらに備え、制御部は、ユーザが子機により第1外線および第2外線のうち少なくとも一方との通話中に、新たな着信があった際に、新たな着信が記憶部に記憶された電話帳に登録されている場合にはユーザに新たな着信を通知するとともに、新たな着信が電話帳に登録されていない場合にはユーザに新たな着信を通知しないように構成されている。このように構成すれば、ユーザが子機により通話中に新たな着信があった場合でも、新たな着信が電話帳に登録されている場合にだけユーザに新たな着信が通知されるので、現在の通話を必要以上に妨げないようにすることができる。
【0011】
上記第1の局面による電話機において、好ましくは、制御部は、ユーザが子機により第1外線および第2外線のうち少なくとも一方との通話中に、新たな着信があった際に、第1外線および第2外線のいずれに対する着信かが識別可能なようにユーザに新たな着信を通知するように構成されている。このように構成すれば、ユーザが子機により通話中に新たな着信があった場合に、第1外線および第2外線のいずれに対する着信かをユーザに容易に認識させることができるので、着信した外線に対してユーザが容易に子機から適切な対応をとることができる。
【0012】
上記第1の局面による電話機において、好ましくは、制御部は、第1外線の着信および第2外線の着信の両方があった場合、子機のフックを用いた異なるフッキング操作または異なるダイヤルボタンによる操作に基づいて、第1外線の着信および第2外線の着信のうち一方を選択的に通話中の状態にする制御を行うように構成されている。このように構成すれば、異なるフッキング操作または異なるダイヤルボタンによる操作により第1外線の着信および第2外線の着信のうち一方を選択的に通話中の状態にすることができるので、子機に第1外線および第2外線を選択するための専用のボタンを別途設ける必要がない。
【0013】
上記第1の局面による電話機において、好ましくは、制御部は、第1外線および第2外線と3者通話中に第1外線および第2外線のうち少なくとも一方に着信があった場合、子機のダイヤルボタンおよびフックのうち少なくとも一方による操作に基づいて3者通話状態から第1外線または第2外線の着信との通話中の状態に切り替える制御を行うように構成されている。このように構成すれば、子機に3者通話状態から第1外線または第2外線の着信との通話中の状態に切り替えるための専用のボタンを別途設ける必要がない。この点でも、汎用の子機を使用することができる。
【0014】
上記第1の局面による電話機において、好ましくは、制御部は、第1外線との通話中に第1外線の着信および第2外線の着信の両方があった場合、子機のダイヤルボタンおよびフックのうち少なくとも一方による操作に基づいて第1外線との通話中の状態から第1外線の着信との通話中の状態または第2外線との通話中の状態に切り替える制御を行うように構成されている。このように構成すれば、子機に第1外線との通話中の状態から第1外線の着信との通話中の状態または第2外線との通話中の状態に切り替えるための専用のボタンを別途設ける必要がない。この点でも、汎用の子機を使用することができる。
【0015】
上記第1の局面による電話機において、好ましくは、現在の通話状態を表示する表示部をさらに備え、制御部は、第1外線および第2外線のそれぞれの通話状態に応じた優先順位に基づいて第1外線および第2外線に関する情報をそれぞれ表示部に表示する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、ユーザが第1外線および第2外線に関する情報を視覚を通じて容易に確認することができる。
【0016】
この場合、好ましくは、表示部は、第1表示領域および第2表示領域を含み、制御部は、第1外線および第2外線のうち通話中の状態である外線に関する情報を優先順位の高い情報として第1表示領域に表示させるとともに、第1外線および第2外線のうち着信中の状態または保留中の状態である外線に関する情報を優先順位の低い情報として第2表示領域に表示する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、外線に関する情報が優先順位に基づいて表示領域が区別されて表示されるので、ユーザが第1外線および第2外線に関する情報をより容易に確認することができる。
【0017】
上記表示部を備える構成において、好ましくは、表示部は、第1外線および第2外線の通話状態を操作するためのタッチパネル機能を含み、制御部は、第1外線および第2外線に関するそれぞれの情報とともに、タッチパネルにより操作可能な第1外線および第2外線の通話状態を切り替えるための操作ボタンと、3者通話に切り替えるための操作ボタンとを表示部の同一画面上に表示させて、タッチパネルを介する操作に基づいて第1外線および第2外線の通話状態を切り替えまたは3者通話に切り替える制御を行うように構成されている。このように構成すれば、ユーザが第1外線および第2外線に関するそれぞれの情報を表示部で確認しながらタッチパネルを介する操作により第1外線および第2外線の通話状態を切り替えまたは3者通話に切り替える操作を容易に行うことができる。
【0018】
この発明の第2の局面による固定電話機は、ダイヤルボタンと通話を切断するためのフックとを含むとともに専用のボタンを用いずに3者通話可能な子機に接続可能な内線通信部と、第1外線に接続可能な第1外線通信部および第2外線に接続可能な第2外線通信部と、第1外線および第2外線のうち少なくとも一方を用いた2者以上で通話可能に通話を制御する制御部とを備え、制御部は、子機のダイヤルボタン及びフックの内少なくとも一方による操作に基づいて、第1外線および第2外線のうち一方との2者通話中の状態または一方に発信中の状態から他方との2者通話中の状態に切り替える制御、ならびに、第1外線との通話中の状態から新たに着信した第1外線との通話中の状態に切り替える場合および第2外線との通話中の状態から新たに着信した第2外線との通話中の状態に切り替える場合以外で第1外線および第2外線のうち少なくとも一方を用いて2者以上で通話中の状態から新たに着信した第1外線または第2外線との通話中の状態に切り替える制御のうち少なくとも一方の制御を行うように構成されている。
【0019】
この発明の第2の局面による固定電話機では、上記のように、子機のダイヤルボタンおよびフックのうち少なくとも一方による操作に基づいて、第1外線および第2外線のうち一方との2者通話中の状態または一方に発信中の状態から他方との2者通話中の状態に切り替える制御、ならびに、第1外線との通話中の状態から新たに着信した第1外線との通話中の状態に切り替える場合および第2外線との通話中の状態から新たに着信した第2外線との通話中の状態に切り替える場合以外で第1外線および第2外線のうち少なくとも一方を用いて2者以上で通話中の状態から新たに着信した第1外線または第2外線との通話中の状態に切り替える制御のうち少なくとも一方の制御を行う制御部を設けることによって、制御部により、子機に通常設けられているダイヤルボタンおよびフックを用いた操作により第1外線の通話中の状態と第2外線の通話中の状態とが切り替えられる、または、3者通話中の状態から新たに着信した外線との通話中の状態に切り替えられるので、通話中の状態を切り替えるために専用の子機を用いる必要がなく、汎用の子機を用いることができる。これにより、子機使用時の利便性を向上させながら、子機により通話中の状態を切り替えることができる。このような効果は、特に、子機を接続することが多い固定電話機において有効である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1および第2実施形態による固定電話機が接続された回線を示した全体構成図である。
【図2】本発明の第1および第2実施形態による固定電話機の構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態による固定電話機の制御部による電話を着信した際の処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態による固定電話機の制御部による通話中に1回線の電話を着信した際の切替処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態による固定電話機の表示部による通話状態表示を示した図である。
【図6】本発明の第1実施形態による固定電話機の制御部による通話中に2回線の電話を着信した際の切替処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態による固定電話機の制御部による通話中に2回線の電話を着信した際の切替処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態による固定電話機の表示部による通話状態表示を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
(第1実施形態)
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態による固定電話機1の構成について説明する。なお、固定電話機1は、本発明の「電話機」の一例である。
【0023】
本発明の第1実施形態による固定電話機1は、図1に示すように、子機2と接続されている。また、固定電話機1は、アナログ回線100と接続されている。また、アナログ回線100には、外部電話機3a〜3dがそれぞれ接続されている。
【0024】
固定電話機1は、図2に示すように、制御部11と、内線通信部12と、L1通信部13と、L2通信部14と、記憶部15と、操作部16と、表示部17と、スピーカ18と、マイク19とを備えている。固定電話機1は、内線通信部12を介して、子機2に接続されている。また、固定電話機1は、L1通信部13およびL2通信部14を介して、それぞれ、アナログ回線100のL1回線およびL2回線に接続されている。子機2は、ダイヤルボタン21と、送受話器22と、フック23とを含んでいる。なお、L1通信部13およびL2通信部14は、それぞれ、本発明の「第1外線通信部」および「第2外線通信部」の一例であり、L1回線およびL2回線は、それぞれ、本発明の「第1外線」および「第2外線」の一例である。
【0025】
制御部11は、固定電話機1の各部を制御するように構成されている。また、制御部11は、L1回線またはL2回線と2者通話可能に通話を制御するように構成されている。また、制御部11は、L1回線およびL2回線と3者通話可能に通話を制御するように構成されている。また、制御部11は、L1回線の通話状態とL2回線の通話状態とを切り替える制御を行うように構成されている。また、制御部11は、子機2のフック23による操作を内線通信部12を介して受け付けるように構成されている。
【0026】
また、制御部11は、L1回線またはL2回線と通話中に、新たな着信があった際に、新たな着信を通知するように構成されている。具体的には、制御部11は、L1回線またはL2回線と通話中に、新たな着信があった際に、図5に示すように、固定電話機1の表示部17により新たな着信を表示するとともに、スピーカ18および子機2の送受話器22により通話中着信音で新たな着信を通知するように構成されている。また、制御部11は、通話中に新たな着信があった場合、L1回線に着信したのかL2回線に着信したのかを識別可能に通知するように構成されている。具体的には、制御部11は、新たな着信がL1回線およびL2回線のいずれの着信であるかを表示部17に表示するとともに、新たな着信がL1回線の場合とL2回線の場合とで通話中着信音を変えて(たとえば、L1回線の場合「ツッ」という音、L2回線の場合「ツッツッ」という音)スピーカ18および子機2の送受話器により着信を通知するように構成されている。
【0027】
記憶部15には、電話帳15aが記憶されている。電話帳15aには、電話番号および名前が互いに対応付けられて登録されている。また、電話帳15aは、書き換え可能に構成されている。操作部16は、ダイヤルボタンを含んでいる。また、操作部16は、発信時の電話番号を入力する際に用いられるように構成されている。また、操作部16は、電話帳15aに電話番号と名前とを入力する際に用いられるように構成されている。
【0028】
表示部17は、図5に示すように、第1表示領域17aおよび第2表示領域17bを含んでいる。また、表示部17は、現在の通話状態を表示可能に構成されている。具体的には、表示部17は、L1回線およびL2回線の電話番号および電話帳15aに登録された電話番号に対応した名前を表示可能に構成されている。第1表示領域17aには、通話中の状態の回線に関する情報(電話番号および電話番号に対応した名前)を優先順位の高い情報として表示するように構成されている。第2表領域17bには、着信中の状態または保留中の状態の回線に関する情報(電話番号および電話番号に対応した名前)を優先順位の低い情報として表示するように構成されている。ただし、3者通話の場合は、L1回線およびL2回線の両方が通話中の状態であるため、一方の情報を第1表示領域17aに表示して他方の情報を第2表示領域17bに表示するものとする。また、表示部17は、第1表示領域17aおよび第2表示領域17bと同一画面上に、L1回線およびL2回線の通話状態を切り替えるための通話切替ボタン17cおよび3者通話に切り替える3者通話ボタン17dを表示可能に構成されている。なお、通話切替ボタン17cおよび3者通話ボタン17dは、本発明の「操作ボタン」の一例である。
【0029】
スピーカ18は、通話中に電気信号を音声に変換して出力するように構成されている。また、スピーカ18は、着信を通知するための音声を出力可能に構成されている。マイク19は、通話中の音声を電気信号に変換するように構成されている。
【0030】
子機2は、内線通信部12を介して固定電話機1に接続されている。これにより、固定電話機1で電話を発着信するのと同様に子機2でもL1回線またはL2回線を介して電話を発着信させることが可能である。なお、子機2は、固定電話機1付属の専用子機でなくてもよく、内線通信部12に接続できるものであればよい。子機2のダイヤルボタン21は、発信時の電話番号を入力する際に用いられるように構成されている。子機2の送受話器22は、マイク機能およびスピーカ機能を有し、相手と会話ができるように構成されている。また、子機2のフック23は、通話を切断することが可能に構成されている。また、フック23は、L1回線の通話状態とL2回線の通話状態とを切り替えるための操作に用いられる。
【0031】
次に、図3を参照して、L1回線と通話中にL2回線から着信した際に、制御部11の行う処理について説明する。ここでは、L1回線を介して外部電話機3a(図1参照)と通話中にL2回線を介して外部電話機3b(図1参照)から着信した場合の例について説明する。
【0032】
L1回線を介して外部電話機3aと通話中にL2回線を介して外部電話機3bから着信すると、図3のステップS1において、制御部11は、着信したL2回線の外部電話機3bの電話番号が電話帳15aに登録されているか否かを判断する。登録されていれば、ステップS2において、制御部11は、L2回線の着信を固定電話機1の表示部17および子機2の送受話器22によりユーザに通知を行う。具体的には、制御部11は、新たに着信があったL2回線の外部電話機3bの電話番号およびこの電話番号に対応する名前を表示部17の第2表示領域17bに表示(図5参照)させる。なお、この時、表示部17の第1表示領域17aには、通話中であるL1回線の外部電話機3aの電話番号およびこの電話番号に対応する名前が表示されている。また、制御部11は、L2回線の着信を子機2の送受話器22から通話中着信音(たとえば、L2回線からの着信を表す「ツッツッ」という音)を出力させる。ステップS3において、制御部11は、L1回線の通話状態およびL2回線の通話状態の切替処理を行う。その後、L1回線と通話中にL2回線から着信した際の処理を終了する。一方、電話帳15aに登録されていなければ、ステップS4において、制御部11は、L2回線の着信に対して留守番電話対応を行い、L1回線と通話中にL2回線から着信した際の処理を終了する。
【0033】
次に、図4を参照して、上記L1回線と通話中にL2回線から着信した際の処理のステップS3の切替処理について説明する。
【0034】
ステップS11において、制御部11は、フッキング信号を検出したか否かを判断する。なお、フッキング信号は、ユーザが子機2のフック23を押下することにより制御部11に対して発信される。制御部11は、フッキング信号を検出するまでこの判断を繰り返す。フッキング信号を検出すれば、ステップS12において、制御部11は、L1回線を通話中の状態から保留の状態に遷移させるとともに、L2回線を着信中の状態から通話中の状態に遷移させてL1の通話状態およびL2の通話状態を切り替える。ステップS13において、制御部11は、フッキング信号を検出したか否かを判断する。制御部11は、フッキング信号を検出するまでこの判断を繰り返す。フッキング信号を検出すれば、ステップS14において、制御部11は、L1回線を保留の状態から通話中の状態に遷移させるとともに、L2回線を通話中の状態から保留の状態に遷移させてL1回線の通話状態およびL2回線の通話状態を切り替える。その後、制御部11は、切替処理を終了する。
【0035】
次に、図6を参照して、L1回線と通話中にL1回線にキャッチホン(登録商標)着信があり、かつL2回線に着信があった際の制御部11による切替処理について説明する。ここでは、L1回線を介して外部電話機3a(図1参照)と通話中にL1回線を介して外部電話機3b(図1参照)からキャッチホン着信があり、かつ、L2回線を介して外部電話機3c(図1参照)から着信した場合の例について説明する。
【0036】
ステップS21において、制御部11は、何回のフッキング信号を検出したかを判断する。なお、フッキング信号は、ユーザが子機2のフック23を押下した回数だけ制御部11に対して発信される。検出したフッキング信号が1回であれば、ステップS22において、制御部11は、L1回線にフッキング信号を出力する。これにより、L1回線を介した外部電話機3bのキャッチホン着信が通話中の状態に遷移して、最初に通話していたL1回線を介した外部電話機3aが保留の状態に遷移する。ステップS23において、制御部11は、1回のフッキング信号を検出したか否かを判断する。制御部11は、1回のフッキング信号を検出するまでこの判断を繰り返す。1回のフッキング信号を検出すれば、ステップS24において、制御部11は、L1回線にフッキング信号を出力する。これにより、最初に通話していたL1回線を介した外部電話機3aが保留の状態から通話中の状態に遷移して、キャッチホン着信したL1回線を介した外部電話機3bが通話中の状態から保留の状態に遷移する。その後、制御部11は、切替処理を終了する。
【0037】
一方、検出したフッキング信号が2回であれば、ステップS25において、制御部11は、最初に通話していたL1回線を介した外部電話機3aを通話中の状態から保留の状態に遷移して、着信したL2回線を介した外部電話機3cを通話中の状態に遷移する。ステップS26において、制御部11は、2回のフッキング信号を検出したか否かを判断する。制御部11は、2回のフッキング信号を検出するまでこの判断を繰り返す。2回のフッキング信号を検出すれば、ステップS27において、制御部11は、最初に通話していたL1回線を介した外部電話機3aを保留の状態から通話中の状態に遷移させるとともに、L2回線を介した外部電話機3cを通話中の状態から保留の状態に遷移させて切替処理を終了する。すなわち、制御部11は、異なるフッキング操作に基づいてL1回線の着信およびL2回線の着信のうち一方を選択的に通話中の状態にする制御を行うように構成されている。
【0038】
第1実施形態では、上記のように、子機2のフック23による操作に基づいて、L1回線(L2回線)との2者通話中の状態から新たに着信したL2回線(保留中のL1回線)との2者通話中の状態に切り替える制御を行う制御部11を設けることによって、制御部11により、子機2に通常設けられているフック23を用いた操作によりL1回線の通話中の状態とL2回線の通話中の状態とが切り替えられるので、L1回線およびL2回線のうち一方との通話中の状態から他方との通話中の状態に切り替えるために専用の子機を用いる必要がなく、汎用の子機2を用いることができる。これにより、子機2使用時の利便性を向上させながら、子機2により通話中の状態を切り替えることができる。このような効果は、特に、子機を接続することが多い固定電話機1において有効である。
【0039】
また、第1実施形態では、上記のように、電話帳15aを記憶する記憶部15を設けるとともに、制御部11を、ユーザが子機2によりL1回線との通話中に、新たな着信があった際に、新たな着信が記憶部15に記憶された電話帳15aに登録されている場合にはユーザに新たな着信を通知するとともに、新たな着信が電話帳15aに登録されていない場合にはユーザに新たな着信を通知しないように構成することによって、ユーザが子機2により通話中に新たな着信があった場合でも、新たな着信が電話帳15aに登録されている場合にだけユーザに新たな着信が通知されるので、現在の通話を必要以上に妨げないようにすることができる。
【0040】
また、第1実施形態では、上記のように、制御部11を、L1回線との通話中に新たな着信があった際に、L1回線およびL2回線のいずれに対する着信かが識別可能なようにユーザに新たな着信を通知するように構成することによって、ユーザが子機2により通話中に新たな着信があった場合に、L1回線およびL2回線のいずれに対する着信かをユーザに容易に認識させることができるので、着信した回線に対してユーザが容易に子機2から適切な対応をとることができる。
【0041】
また、第1実施形態では、上記のように、制御部11を、L1回線の着信およびL2回線の着信の両方があった場合、子機2のフック23を用いた異なるフッキング操作に基づいて、L1回線の着信およびL2回線の着信のうち一方を選択的に通話中の状態にする制御を行うように構成することによって、異なるフッキング操作によりL1回線の着信およびL2回線の着信のうち一方を選択的に通話中の状態にすることができるので、子機2にL1回線およびL2回線を選択するための専用のボタンを別途設ける必要がない。
【0042】
また、第1実施形態では、上記のように、制御部11を、L1回線との通話中にL1回線のキャッチホン着信およびL2回線の着信の両方があった場合、子機2のフック23による操作に基づいてL1回線との通話中の状態からL1回線のキャッチホン着信との通話中の状態またはL2回線との通話中の状態に切り替える制御を行うように構成することによって、子機2にL1回線との通話中の状態からL1回線のキャッチホン着信との通話中の状態またはL2回線との通話中の状態に切り替えるための専用のボタンを別途設ける必要がない。この点でも、汎用の子機2を使用することができる。
【0043】
また、第1実施形態では、上記のように、現在の通話状態を表示する表示部17を設けるとともに、制御部11を、L1回線およびL2回線のそれぞれの通話状態に応じた優先順位に基づいてL1回線およびL2回線の電話番号および電話帳15aに登録された電話番号に対応した名前をそれぞれ表示部17に表示する制御を行うように構成することによって、ユーザがL1回線およびL2回線に関する情報を視覚を通じて容易に確認することができる。
【0044】
また、第1実施形態では、上記のように、表示部17に、第1表示領域17aおよび第2表示領域17bを設け、L1回線およびL2回線のうち通話中の状態である回線の電話番号および電話番号に対応した名前を優先順位の高い情報として第1表示領域17aに表示させるとともに、L1回線およびL2回線のうち着信中の状態または保留中の状態である回線の電話番号および電話番号に対応した名前を優先順位の低い情報として第2表示領域17bに表示する制御を行うように制御部11を構成することによって、回線に関する情報(電話番号および電話番号に対応した名前)が優先順位に基づいて表示領域が区別されて表示されるので、ユーザがL1回線およびL2回線に関する情報をより容易に確認することができる。
【0045】
また、第1実施形態では、上記のように、表示部17に、L1回線およびL2回線の通話状態を操作するためのタッチパネル機能を設け、L1回線およびL2回線に関するそれぞれの電話番号および電話帳15aに登録された電話番号に対応した名前とともに、タッチパネルにより操作可能なL1回線およびL2回線の通話状態を切り替えるための通話切替ボタン17cと、3者通話に切り替えるための3者通話ボタン17dとを表示部17の同一画面上に表示させて、タッチパネルを介する操作に基づいてL1回線およびL2回線の通話状態を切り替えまたは3者通話に切り替える制御を行うように制御部を構成することによって、ユーザがL1回線およびL2回線に関するそれぞれの情報を表示部で確認しながらタッチパネルを介する操作によりL1回線およびL2回線の通話状態を切り替えまたは3者通話に切り替える操作を容易に行うことができる。
【0046】
(第2実施形態)
次に、図1、図2、図7および図8を参照して、本発明の第2実施形態による固定電話機1について説明する。この第2実施形態では、L1回線およびL2回線の通話状態を子機2のフック23による操作に基づいて切り替える構成の上記第1実施形態と異なり、L1回線およびL2回線の通話状態を子機2のダイヤルボタン21による操作に基づいて切り替える構成の固定電話機1について説明する。なお、第2実施形態では、制御部11は、L1回線およびL2回線のうち一方との2者通話中の状態から他方との2者通話中の状態に切り替える制御を行う第1実施形態の機能に追加して、L1回線およびL2回線を用いて3者以上で通話中の状態から新たに着信したL1回線またはL2回線との通話中の状態に切り替える制御を行う機能を有する。また、固定電話機1は、本発明の「電話機」の一例である。
【0047】
制御部11は、固定電話機1の各部を制御するように構成されている。また、制御部11は、L1回線またはL2回線と2者通話可能に通話を制御するように構成されている。また、制御部11は、L1回線およびL2回線と3者通話可能に通話を制御するように構成されている。また、制御部11は、L1回線の通話状態とL2回線の通話状態とを切り替える制御を行うように構成されている。また、制御部11は、子機2のダイヤルボタン21による操作を内線通信部12を介して受け付けるように構成されている。L1回線およびL2回線は、それぞれ、本発明の「第1外線」および「第2外線」の一例である。
【0048】
また、制御部11は、L1回線およびL2回線と3者通話中に、新たな着信があった際に、新たな着信を通知するように構成されている。具体的には、制御部11は、L1回線およびL2回線と3者通話中に、新たな着信があった際に、図8に示すように、固定電話機1の表示部17により新たな着信を表示するとともに、スピーカ18および子機2の送受話器22により通話中着信音で新たな着信を通知するように構成されている。また、制御部11は、通話中に新たな着信があった場合、L1回線に着信したのかL2回線に着信したのかを識別可能に通知するように構成されている。具体的には、制御部11は、新たな着信がL1回線およびL2回線のいずれの着信であるかを表示部17に表示するとともに、新たな着信がL1回線の場合とL2回線の場合とで通話中着信音を変えて(たとえば、L1回線の場合「ツッ」という音、L2回線の場合「ツッツッ」という音)スピーカ18および子機2の送受話器により着信を通知するように構成されている。
【0049】
子機2のダイヤルボタン21は、発信時の電話番号を入力する際に用いられるように構成されている。また、ダイヤルボタン21は、L1回線の通話状態とL2回線の通話状態とを切り替えるための操作を入力可能に構成されている。
【0050】
次に、図7を参照して、L1回線およびL2回線と3者通話中にL1回線およびL2回線の両方にキャッチホン着信があった際の制御部11による切替処理について説明する。ここでは、L1回線を介して外部電話機3a(図1参照)およびL2回線を介して外部電話機3b(図1参照)と3者通話中にL1回線を介して外部電話機3c(図1参照)からキャッチホン着信があり、かつ、L2回線を介して外部電話機3d(図1参照)からキャッチホン着信した場合の例について説明する。
【0051】
ステップS31において、制御部11は、「1」または「2」のどちらのトーン信号を検出したかを判断する。なお、トーン信号は、ユーザが子機2のダイヤルボタン21を押下した際に制御部11に対して発信される。検出したトーン信号が「1」であれば(ダイヤルボタン21の「1」が押下されれば)、ステップS32において、制御部11は、L1回線にフッキング信号を出力する。ステップS33において、制御部11は、L1回線を介した外部電話機3cのキャッチホン着信を通話中の状態に遷移させて、最初に3者通話していたL1回線を介した外部電話機3aおよびL2回線を介した外部電話機3bを保留の状態に遷移させる。ステップS34において、制御部11は、トーン信号「1」を検出したか否かを判断する。制御部11は、トーン信号「1」を検出するまでこの判断を繰り返す。トーン信号「1」を検出すれば、ステップS35において、制御部11は、最初に3者通話していたL1回線を介した外部電話機3aおよびL2回線を介した外部電話機3bを保留の状態から3者通話中の状態に遷移させるとともに、キャッチホン着信したL1回線を介した外部電話機3cを通話中の状態から保留の状態に遷移させて切替処理を終了する。
【0052】
一方、検出したトーン信号が「2」であれば(ダイヤルボタン21の「2」が押下されれば)、ステップS36において、制御部11は、L2回線にフッキング信号を出力する。ステップS37において、制御部11は、L2回線を介した外部電話機3dのキャッチホン着信を通話中の状態に遷移して、最初に3者通話していたL1回線を介した外部電話機3aおよびL2回線を介した外部電話機3bを保留の状態に遷移する。ステップS38において、制御部11は、トーン信号「2」を検出したか否かを判断する。制御部11は、トーン信号「2」を検出するまでこの判断を繰り返す。トーン信号「2」を検出すれば、ステップS39において、制御部11は、最初に3者通話していたL1回線を介した外部電話機3aおよびL2回線を介した外部電話機3bを保留の状態から3者通話中の状態に遷移させるとともに、キャッチホン着信したL2回線を介した外部電話機3dを通話中の状態から保留の状態に遷移させて切替処理を終了する。すなわち、制御部11は、異なるダイヤルボタン21による操作に基づいてL1回線の着信およびL2回線の着信のうち一方を選択的に通話中の状態にする制御を行うように構成されている。
【0053】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0054】
第2実施形態では、上記のように、子機2のダイヤルボタン21による操作に基づいてL1回線およびL2回線を用いて3者通話中の状態から新たに着信したL1回線またはL2回線との通話中の状態に切り替える制御を行う制御部11を設けることによって、制御部11により、子機2に通常設けられているダイヤルボタン21を用いた操作により3者通話中の状態から新たに着信した外線との通話中の状態に切り替えられるので、通話中の状態を切り替えるために専用の子機を用いる必要がなく、汎用の子機2を用いることができる。これにより、子機2使用時の利便性を向上させながら、子機2により通話中の状態を切り替えることができる。このような効果は、特に、子機を接続することが多い固定電話機1において有効である。
【0055】
さらに、第2実施形態では、上記のように、制御部11を、L1回線の着信およびL2回線の着信の両方があった場合、子機2の異なるダイヤルボタン21による操作に基づいて、L1回線の着信およびL2回線の着信のうち一方を選択的に通話中の状態にする制御を行うように構成することによって、異なるダイヤルボタン21による操作によりL1回線の着信およびL2回線の着信のうち一方を選択的に通話中の状態にすることができるので、子機2にL1回線およびL2回線を選択するための専用のボタンを別途設ける必要がない。
【0056】
さらに、第2実施形態では、上記のように、制御部11を、L1回線およびL2回線と3者通話中にL1回線およびL2回線の両方にキャッチホン着信があった場合、子機2のダイヤルボタン21による操作に基づいて3者通話状態からL1回線またはL2回線のキャッチホン着信との通話中の状態に切り替える制御を行うように構成することによって、子機2に3者通話状態からL1回線またはL2回線のキャッチホン着信との通話中の状態に切り替えるための専用のボタンを別途設ける必要がない。この点でも、汎用の子機2を使用することができる。
【0057】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0058】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0059】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、本発明の電話機の一例として固定電話機を適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、固定電話機以外の電話機に適用してもよい。たとえば、携帯電話機等に本発明の電話機を適用してもよい。
【0060】
また、上記第1実施形態では、子機のフックによる操作に基づいてL1回線(第1外線)の通話状態とL2回線(第2外線)の通話状態とを切り替えて、上記第2実施形態では、子機のダイヤルボタンによる操作に基づいてL1回線(第1外線)の通話状態とL2回線(第2外線)の通話状態とを切り替える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、子機のフックおよびダイヤルボタンの両方の操作に基づいて第1外線の通話状態と第2外線の通話状態とを切り替える構成でもよい。たとえば、子機のダイヤルボタンによる操作に続けてフックによるフッキング操作に基づいて第1外線の通話状態と第2外線の通話状態とを切り替えてもよい。
【0061】
また、上記第1および第2実施形態では、L1回線(第1外線)と通話中またはL1回線(第1外線)およびL2回線(第2外線)と3者通話中に新たな着信があった場合の例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2外線と通話中に新たな着信があった場合に、新たな着信を通知して、子機のダイヤルボタンおよびフックのうち少なくとも一方による操作に基づいて制御部により第1外線の通話状態と第2外線の通話状態とを切り替えるようにしてもよい。
【0062】
また、上記第1実施形態では、L1回線(第1外線)と通話中にL2回線(第2外線)に新たに着信があった場合に第1外線および第2外線のいずれに対する着信かが識別可能なように新たな着信を通知する例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2外線と通話中に新たな着信があった場合に第1外線および第2外線のいずれに対する着信かが識別可能なように新たな着信を通知してもよい。
【0063】
また、上記第1および第2実施形態では、説明の便宜上、制御部の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【0064】
また、上記第1および第2実施形態では、電話機としての固定電話機に接続される外線が、第1外線としてのL1回線および第2外線としてのL2回線の2つである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、電話機に接続される外線が3つ以上であってもよい。この場合、3つ以上の外線を用いて4者以上で通話できるようにしてもよい。
【0065】
また、上記第2実施形態では、子機の操作に基づいてL1回線(第1外線)の通話中の状態からL2回線(第2外線)の通話中の状態に切り替え可能に構成されているとともに、子機の操作に基づいて3者通話の状態からL1回線(第1外線)またはL2回線(第2外線)との通話中の状態に切り替え可能に構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、子機の操作に基づいて3者以上で通話中の状態から新たに着信した第1外線または第2外線との通話中の状態に切り替えることのみ可能な構成でもよい。
【0066】
また、上記第1実施形態では、L1回線(第1外線)との通話中に新たにL2回線(第2外線)から着信があった場合に、子機の操作に基づいて第1外線との通話中の状態から新たに着信があった第2外線との通話中の状態に切り替える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1外線と通話中で第2外線は保留中の場合に新たに第2外線から着信があった場合に、子機の操作(ダイヤルボタンおよびフックのうち少なくとも一方による操作)に基づいて第1外線との通話中の状態から新たに着信があった第2外線との通話中の状態に切り替える構成であってもよい。
【0067】
また、上記第1実施形態では、L1回線(第1外線)との通話中に新たにL2回線(第2外線)から着信があった場合に、子機の操作に基づいて第1外線との通話中の状態から新たに着信があった第2外線との通話中の状態に切り替える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1外線に発信中に新たに第2外線から着信があった場合に、子機の操作(ダイヤルボタンおよびフックのうち少なくとも一方による操作)に基づいて第1外線に発信中の状態から保留中または新たに着信があった第2外線との通話中の状態に切り替える構成であってもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 固定電話機(電話機)
2 子機
11 制御部
12 内線通信部
13 L1通信部(第1外線通信部)
14 L2通信部(第2外線通信部)
15 記憶部
15a 電話帳
17 表示部
17a 第1表示領域
17b 第2表示領域
17c 通話切替ボタン(操作ボタン)
17d 3者通話ボタン(操作ボタン)
21 ダイヤルボタン
23 フック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイヤルボタンと通話を切断するためのフックとを含むとともに専用のボタンを用いずに3者通話可能な子機に接続可能な内線通信部と、
第1外線に接続可能な第1外線通信部および第2外線に接続可能な第2外線通信部と、
前記第1外線および前記第2外線のうち少なくとも一方を用いた2者以上で通話可能に通話を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記子機の前記ダイヤルボタン及び前記フックの内少なくとも一方による操作に基づいて、前記第1外線および前記第2外線のうち一方との2者通話中の状態または一方に発信中の状態から他方との2者通話中の状態に切り替える制御、ならびに、前記第1外線との通話中の状態から新たに着信した前記第1外線との通話中の状態に切り替える場合および前記第2外線との通話中の状態から新たに着信した前記第2外線との通話中の状態に切り替える場合以外で前記第1外線および前記第2外線のうち少なくとも一方を用いて2者以上で通話中の状態から新たに着信した前記第1外線または前記第2外線との通話中の状態に切り替える制御のうち少なくとも一方の制御を行うように構成されている、電話機。
【請求項2】
前記制御部は、前記子機の前記ダイヤルボタンおよび前記フックのうち少なくとも一方による操作に基づいて、前記第1外線および前記第2外線のうち一方との2者通話中の状態または一方に発信中の状態から保留中の他方または新たに着信した他方との2者通話中の状態に切り替える制御、および、前記第1外線および前記第2外線を用いて3者以上で通話中の状態から新たに着信した前記第1外線または前記第2外線との通話中の状態に切り替える制御のうち少なくとも一方の制御を行うように構成されている、請求項1に記載の電話機。
【請求項3】
電話帳を記憶する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、ユーザが前記子機により前記第1外線および前記第2外線のうち少なくとも一方との通話中に、新たな着信があった際に、前記新たな着信が前記記憶部に記憶された前記電話帳に登録されている場合には前記ユーザに前記新たな着信を通知するとともに、前記新たな着信が前記電話帳に登録されていない場合には前記ユーザに前記新たな着信を通知しないように構成されている、請求項1または2に記載の電話機。
【請求項4】
前記制御部は、ユーザが前記子機により前記第1外線および前記第2外線のうち少なくとも一方との通話中に、新たな着信があった際に、前記第1外線および前記第2外線のいずれに対する着信かが識別可能なように前記ユーザに前記新たな着信を通知するように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電話機。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1外線の着信および前記第2外線の着信の両方があった場合、前記子機の前記フックを用いた異なるフッキング操作または異なる前記ダイヤルボタンによる操作に基づいて、前記第1外線の着信および前記第2外線の着信のうち一方を選択的に通話中の状態にする制御を行うように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電話機。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1外線および前記第2外線と3者通話中に前記第1外線および前記第2外線のうち少なくとも一方に着信があった場合、前記子機の前記ダイヤルボタンおよび前記フックのうち少なくとも一方による操作に基づいて3者通話状態から前記第1外線または前記第2外線の着信との通話中の状態に切り替える制御を行うように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電話機。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1外線との通話中に前記第1外線の着信および前記第2外線の着信の両方があった場合、前記子機の前記ダイヤルボタンおよび前記フックのうち少なくとも一方による操作に基づいて前記第1外線との通話中の状態から前記第1外線の着信との通話中の状態または前記第2外線との通話中の状態に切り替える制御を行うように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電話機。
【請求項8】
現在の通話状態を表示する表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記第1外線および前記第2外線のそれぞれの通話状態に応じた優先順位に基づいて前記第1外線および前記第2外線に関する情報をそれぞれ前記表示部に表示する制御を行うように構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電話機。
【請求項9】
前記表示部は、第1表示領域および第2表示領域を含み、
前記制御部は、前記第1外線および前記第2外線のうち通話中の状態である外線に関する情報を優先順位の高い情報として前記第1表示領域に表示させるとともに、前記第1外線および前記第2外線のうち着信中の状態または保留中の状態である外線に関する情報を優先順位の低い情報として前記第2表示領域に表示する制御を行うように構成されている、請求項8に記載の電話機。
【請求項10】
前記表示部は、前記第1外線および前記第2外線の通話状態を操作するためのタッチパネル機能を含み、
前記制御部は、前記第1外線および前記第2外線に関するそれぞれの情報とともに、前記タッチパネルにより操作可能な前記第1外線および前記第2外線の通話状態を切り替えるための操作ボタンと、3者通話に切り替えるための操作ボタンとを前記表示部の同一画面上に表示させて、前記タッチパネルを介する操作に基づいて前記第1外線および前記第2外線の通話状態を切り替えまたは3者通話に切り替える制御を行うように構成されている、請求項8または9に記載の電話機。
【請求項11】
ダイヤルボタンと通話を切断するためのフックとを含むとともに専用のボタンを用いずに3者通話可能な子機に接続可能な内線通信部と、
第1外線に接続可能な第1外線通信部および第2外線に接続可能な第2外線通信部と、
前記第1外線および前記第2外線のうち少なくとも一方を用いた2者以上で通話可能に通話を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記子機の前記ダイヤルボタン及び前記フックの内少なくとも一方による操作に基づいて、前記第1外線および前記第2外線のうち一方との2者通話中の状態または一方に発信中の状態から他方との2者通話中の状態に切り替える制御、ならびに、前記第1外線との通話中の状態から新たに着信した前記第1外線との通話中の状態に切り替える場合および前記第2外線との通話中の状態から新たに着信した前記第2外線との通話中の状態に切り替える場合以外で前記第1外線および前記第2外線のうち少なくとも一方を用いて2者以上で通話中の状態から新たに着信した前記第1外線または前記第2外線との通話中の状態に切り替える制御のうち少なくとも一方の制御を行うように構成されている、固定電話機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−12987(P2013−12987A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145449(P2011−145449)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】