説明

霊柩車用御宮、及びこれを用いた宮型霊柩車

【課題】御宮を軽量化することで、ベース車両に載置される御宮の形状を大型化しても、ベース車両の限られた剛性で担持できる範囲内にある霊柩車用御宮を提供すること。
【解決手段】ベース車両2の荷台部27に載置される霊柩車用御宮において、霊柩車用御宮の構造用部材又は装飾用部材の少なくとも一方に、アユース又はスプルースの少なくとも一方を用いたことを特徴としている。霊柩車用御宮では、アユース又はスプルースが比重が比較的軽く構造材としても適し、しかしも加工が容易で龍や蓮の彫刻を施した装飾用部材として優れている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばいわゆるモノコック型乗用車をベース車両とする宮型霊柩車等に用いて好適な、霊柩車用御宮に関し、特に軽量化された材料でありながら彫刻などの装飾が容易な霊柩車用御宮に関する。また本発明は、当該霊柩車用御宮を用いた宮型霊柩車に関する。
【背景技術】
【0002】
霊柩車用御宮に関しては、例えば特許文献1に記載されているように、御宮をヒノキのような白木で組立てることが提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開平9−253143号 [0002]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、霊柩車のベースとなる自動車として、当該ベース車両が外国製高級乗用車や国産高級乗用車に典型的に用いられるモノコック型乗用車を用いると、盛大な葬儀を望む顧客に対する訴求力が大きくなる。他方、日本国内の道路を通行するには、霊柩車についても陸運事務所における自動車型式認定を受ける必要がある。そして、道路の幅員や道路に設置される信号機や各種道路関連設備を設置・整備する関係で、車両の最大外形寸法は規制されている。そこで、その規制を充足する外形寸法の範囲内である場合に限り、自動車検査証の交付を受けて、所謂ナンバー(自動車登録番号)を取得できる。
【0005】
そして、本出願人が特願2004−303014号で提案したモノコック型乗用車によれば、従来のモノコック型乗用車と比較して大型の御宮が載置可能となっている。しかし、特許文献1に記載された霊柩車用御宮によると、御宮がヒノキで組立てられているので、モノコック型乗用車に載置する御宮の重量が、例えば700〜800kg程度になる。ちなみに、従来のモノコック型乗用車を宮型霊柩車のベース車両とする場合には、少なくとも後部車体に関してドアの下半分程度を残す必要があった。そこで、ドアの下半分程度を残した車体に御宮を載置する関係で、御宮の形状は限られた小型のものとなり、御宮の重量が車体強度に対して重いという課題は、顕在化しなかったのである。
【0006】
しかし、本出願人が特願2004−303014号で提案したモノコック型乗用車では、除去する後部ルーフを例えばドアの全部に相当する程度としている。そこで、補強フレームでモノコック型乗用車の残部ルーフとシャーシーを補強しても、担持できる御宮の重量の制限が、御宮を大型化する際の制限要因として顕在化してきた。
【0007】
本発明は上述した課題を解決するもので、御宮を軽量化することで、ベース車両に載置される御宮の形状を大型化しても、ベース車両の限られた剛性で担持できる範囲内にある霊柩車用御宮を提供することを目的とする。また、本発明は、ベース車両をモノコック型乗用車とした場合に、御宮の形状を最大化するのに伴って生じるモノコック型車体構造の弱体化を補強して大型のお宮を載置できる宮型霊柩車に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明の霊柩車用御宮は、例えば図2、図4に示すように、ベース車両2の荷台部27に載置される霊柩車用御宮50において、霊柩車用御宮50の構造用部材又は装飾用部材の少なくとも一方に、アユース又はスプルースの少なくとも一方を用いたことを特徴としている。
【0009】
このように構成された霊柩車用御宮では、アユース又はスプルースが比重が比較的軽く構造材としても適し、しかしも加工が容易で龍や蓮の彫刻を施した装飾用部材として優れている。他方、ヒノキや欅は比重が比較的重く、構造材として用いるとお宮が重量化すると共に、木が硬いので彫り物加工の負担が大きい。
【0010】
好ましくは、本発明の宮型霊柩車において、例えば図1(B)に示すように、ベース車両2は、後部ルーフ25bが除去されたモノコック型乗用車であって、後部ルーフ25bが除去された領域を荷台部27とすることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成する本発明の宮型霊柩車は、例えば図2、図4に示すように、後部ルーフ25bが除去されたモノコック型乗用車の車体後部に、御宮50を載置した宮型霊柩車において、後部ルーフ25bの除去されたシャーシー10に固定される補強フレーム30であって、御宮50の負荷重量を前記モノコック型乗用車の後部車軸15と前部車軸13とで分散支持させる補強フレーム30を備えて、補強フレーム30又は補強フレーム30で補強されたシャーシー10に御宮50が載置されると共に、御宮50の構造用部材又は装飾用部材の少なくとも一方に、アユース又はスプルースの少なくとも一方を用いたことを特徴とする。
【0012】
このように構成された装置においては、シャーシー10に固定される補強フレーム30によって、御宮50の負荷重量をモノコック型乗用車の前部車軸13と後部車軸15とで分散支持させている。そこで、モノコック型乗用車の前部ルーフ25aを残して、後部ルーフ25bを除去する際に、除去する後部ルーフ25bを例えばドアの全部に相当する程度としても、補強フレーム30とモノコック型乗用車の後部ルーフ25bとシャーシー10によって必要な強度が保持され、御宮50をシャーシー10に載せてもシャーシー10が折れる事がない。また御宮50の構造用部材又は装飾用部材の少なくとも一方に、アユース又はスプルースの少なくとも一方を用いているので、御宮50が大型化しても重量がさほど増加せず、また御宮50に施す彫刻等の加工も容易である。
【0013】
上記目的を達成する本発明の宮型霊柩車は、例えば図4、図7に示すように、後部ルーフ25bの除去されたモノコック型乗用車の車体後部に、御宮50を載置した宮型霊柩車において、前記モノコック型乗用車のシャーシー10を前部車軸13と後部車軸15との間で切断して形成された、後部ルーフ25bが除去されると共に後部車軸15を有する後部シャーシー18、及び、前部車軸13を有する前部シャーシー17と、後部シャーシー18と前部シャーシー17の間に取付けられて、前部車軸13と後部車軸15との間隔を伸長する伸長部材40と、少なくとも後部シャーシー18に固定される補強フレーム30であって、御宮50の負荷重量を後部車軸15と前部車軸13とで分散支持させる補強フレーム30を備えている。そして、御宮50を、補強フレーム30、又は、補強フレーム30で補強された後部シャーシー18若しくは伸長部材40の少なくとも一方に載置すると共に、御宮50の負荷重量の一部を、後部車軸15に装着された左右の後部タイヤ16に均等に分配すると共に、御宮50の構造用部材又は装飾用部材の少なくとも一方に、アユース又はスプルースの少なくとも一方を用いたことを特徴とする。
【0014】
このように構成された装置においては、モノコック型乗用車のシャーシー10を前部車軸13と後部車軸15との間で切断して、後部シャーシー18と前部シャーシー17を形成し、伸長部材40を後部シャーシー18と前部シャーシー17の間に取付けて、前部車軸13と後部車軸15との間隔を伸長している。また、補強フレーム30によって、御宮50の負荷重量をモノコック型乗用車の前部車軸13と後部車軸15とで分散支持させることで、御宮50をシャーシー10に載せても、伸長部材40等の強度の低い部位で折れる事がない。また御宮50の構造用部材又は装飾用部材の少なくとも一方に、アユース又はスプルースの少なくとも一方を用いているので、伸長部材40の分だけ御宮50が大型化しても重量がさほど増加せず、また御宮50に施す彫刻等の加工も容易である。
【0015】
上記目的を達成する本発明の宮型霊柩車は、例えば図4、図9に示すように、後部ルーフ25bの除去されたモノコック型乗用車の車体後部に、御宮50を載置した宮型霊柩車において、モノコック型乗用車のシャーシーを後部車軸15とシャーシー尾端部12との間で切断して形成された、前部車軸13と後部車軸15を有する本体シャーシー19、及び、シャーシー尾端部12を有する尾部シャーシー192と、本体シャーシー19と尾部シャーシー192の間に取付けられて、後部車軸15とシャーシー尾端部12との間隔を伸長する伸長部材42と、本体シャーシー19、伸長部材42、並びに尾部シャーシー192と一体的に固定される補強フレーム30であって、御宮50の負荷重量を前部車軸13と後部車軸15とで分散支持させる補強フレーム30を備えている。そして、御宮50を、補強フレーム30、又は、補強フレーム30で補強された本体シャーシー19若しくは尾部シャーシー192の少なくとも一方に載置すると共に、御宮50の構造用部材又は装飾用部材の少なくとも一方に、アユース又はスプルースの少なくとも一方を用いたことを特徴とする。
【0016】
このように構成された装置においては、モノコック型乗用車のシャーシーを後部車軸15とシャーシー尾端部12との間で切断して、本体シャーシー19と尾部シャーシー192を形成し、伸長部材42によって後部車軸15とシャーシー尾端部12との間隔を伸長している。また、補強フレーム30により、本体シャーシー19、伸長部材42、並びに尾部シャーシー192と一体的に固定され、御宮50の負荷重量を前部車軸13と後部車軸15とで分散支持させている。る補強フレーム30を備えている。そこで、御宮50を本体シャーシー19若しくは尾部シャーシー192の少なくとも一方に載せても、伸長部材42等の強度の低い部位で折れる事がない。また御宮50の構造用部材又は装飾用部材の少なくとも一方に、アユース又はスプルースの少なくとも一方を用いているので、伸長部材42の分だけ御宮50が大型化しても重量がさほど増加せず、また御宮50に施す彫刻等の加工も容易である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の霊柩車用御宮では、アユース又はスプルースが比重が比較的軽く構造材としても適し、しかしも加工が容易で龍や蓮の彫刻を施した装飾用部材として優れている。他方、ヒノキや欅は比重が比較的重く、構造材として用いるとお宮が重量化すると共に、木が硬いので彫り物加工の負担が大きい。ヒノキや欅と比較して、軽量で彫り物加工の負担が少ないものとしてジェルトン(Jelutong)が存在していたが、資源の枯渇に伴い原産地国で輸出禁止措置がとられて現在入手が困難になっている。
【0018】
請求項4に記載の宮型霊柩車によれば、シャーシーに固定される補強フレームによって、御宮の負荷重量をモノコック型乗用車の後部車軸と前部車軸とで分散支持させると共に、モノコック型乗用車のシャーシーを前部車軸と後部車軸との間で切断して後部シャーシーと前部シャーシーを形成し、伸長部材を後部シャーシーと前部シャーシーの間に取付けて、前部車軸と後部車軸との間隔を伸長している。そこで、伸長部材によって前部車軸と後部車軸との間隔が伸長した分だけ、載置できる御宮の長さを長くしたり、御宮の重量分布の設計裁量範囲を広くできる。そして、御宮にアユース又はスプルースを用いることで、お宮が大型化しても、お宮の重量が過大になることがなく、ベース車両の負担が少なくて済む。
【0019】
請求項5に記載の宮型霊柩車によれば、後部車軸とシャーシー尾端部との間で切断して、本体シャーシーと尾部シャーシーを形成している。そして、伸長部材によって後部車軸とシャーシー尾端部との間隔が伸長した分だけ、載置できる御宮の長さを長くできる。そして、御宮にアユース又はスプルースを用いることで、お宮が大型化しても、お宮の重量が過大になることがなく、ベース車両の負担が少なくて済む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は本発明の宮型霊柩車のベース車両となるモノコック型乗用車を説明する斜視図で、(A)は後部ルーフの除去前の完全なモノコック型乗用車、(B)は後部ルーフの除去されたベース車両を説明する斜視図である。ここで、モノコック型乗用車とは、外装部材とシャーシー(車体フレーム)を一体構造としたものを言い、プレス成形により形成された各外装部材を、溶接などによって接合し組み立てられる。モノコック構造では、成形された各外装部材の断面形状が補強リブの役割を合わせ持つ閉断面状に形成される。さらに、このモノコック構造に対し、車体の軽量化等の観点から、エンジンルーム及び車体のフロア部を構成する骨格構造体と、乗用空間を画成する骨格構造体とをアルミニウム合金等の軽合金によって鋳造成形し、それらを結合して、剛性の高い車体フレームを構成することも行われている。
【0022】
図において、ベース車両2は、シャーシー10と外装部材20を有している。シャーシー10は、前部タイヤ14と後部タイヤ16を左右に有するもので、前部車軸13(図示せず)の両端に左右の前部タイヤ14が装着され、後部車軸15(図示せず)の両端に左右の後部タイヤ16が装着されている。外装部材20としては、前部ドア21、後部ドア22、ボンネット23、トランク24、ルーフ25があり、シャーシー10と一体に装着されている。ルーフ25は、前部座席領域に対応する前部ルーフ25aと、後部座席領域に対応する後部ルーフ25bの2区分を観念することができ、モノコック型乗用車では前部ルーフ25aと後部ルーフ25bが一体に構成されている。
【0023】
次に、後部ルーフの除去されたモノコック型乗用車について、図1(B)を参照して説明する。モノコック型乗用車の外装部材のうち、前部ドア21、ボンネット23、前部ルーフ25a並びにシャーシー10は残置して、モノコック型乗用車の外観と運転性能を保持する。ボンネット23には、エンジンルームが設けられているので、前部ルーフ25aをそのまま利用することで、自動車の心臓であるエンジンを活用できる。他方、モノコック型乗用車の外装部材のうち、後部ドア22、トランク24、後部ルーフ25bは除去される。この際、後部ドア22は全てを除去して、後部車軸15近傍まで外装部材を除去する。なお、後部タイヤ16を覆うタイヤハウス26は残置して、従前のモノコック型乗用車の外観を保持する。荷台部27は、御宮が載置される領域で、ベース車両2の後部ルーフ25bが除去された領域が該当している。
【0024】
次に、荷台部27に御宮50を組付けてゆく過程の一例を説明する。図2はベース車両に御宮を組付けてゆく過程を説明する図で、(A)は当初のモノコック型乗用車、(B)は後部ルーフの除去された荷台部に補強フレームを取付けたモノコック型乗用車、(C)は荷台部に御宮の土台を取付けた状態、(D)は柱と梁を取付けた状態、(E)は野次板を取付けた状態、(F)は屋根を葺き建具を装着して御宮を完成させた状態を示している。
【0025】
まず、当初のモノコック型乗用車(図2A)から、後部ルーフ25bの除去して、荷台部27を有するベース車両2を準備する。このベース車両2の荷台部27に、補強フレーム30を装着する(図2B)。この補強フレーム30の詳細は、図3、図7、図9等で具体的に説明される。
【0026】
続いて、荷台部27に御宮50を載置する作業について説明する。御宮は、例えば伝統的な日本家屋の建築様式である木造軸組を用いると良い。木造軸組は柱や、床梁(はり)、小屋梁・桁材などに比較的太い木材を使用し、筋交いも入れて御宮を支え、これに壁を付けるつくり方である。即ち、最初に土台となる材51を補強フレーム30上の所定位置に位置決めして、ボルト等で固定する(図2C)。そして、前部ドア21に近い前柱52と、柩を入れる扉側に位置する後柱53を土台材51に取付け、梁54を前柱52と後柱53の上に横に渡す(図2D)。さらに、屋根材56を支えるために、垂木や野地板55を装着する(図2E)。必要に応じて、御宮の内部には床板を装着する。そして、野地板55に銅板屋根材56等を屋根葺きによって固定する(図2F)。屋根の両端上部には、鬼瓦57に相当する装飾品を用いたり、破風板に彫刻を彫る。また、壁面には格子戸58、59、60を嵌め込んだり、障子調の壁板を装着する。また、ベース車両2の背面であって、御宮50の正面には、柩を出し入れする為に観音開き扉を取付ける。
【0027】
このような御宮50に用いられる構造材である土台材51、前柱52、後柱53、梁54、野地板55、屋根材56に用いる木材について説明する。また、御宮50に装飾を施すための鬼瓦57、破風板等の装飾用部材に用いる木材について説明する。アユース(Ayous)は、熱帯アフリカを原産地とするアオギリ科トリプロチトン(Triplochiton)属の広葉樹である。アユースは、辺心材の色調差がほとんどなく、心材は淡黄白色ないしクリーム色をしているもので、木質は軽軟で、気乾比重は0.32〜0.39と軽い。アユースは、オベチェ(Obeche)、ワワ(Wawa)、サンバ(Samba)、オワワ、商品名でブッシュメープル、アフリカンメープル、アフリカンホワイトウッドとも言う。
【0028】
スプルース(Spruce)は、北米大陸やシベリア大陸を原産地とするマツ科トウヒ属の常緑針葉樹である。スプルースは、辺心材の区別はあきらかでなく、全体に白色から淡い黄褐色を呈するもので、木質は軽軟で弾力性があり、マツ科特有の脂もほとんどなく、無味無臭の良材である。スプルースは、米唐檜(ベイトウヒ)、シトカスプルース、エンゲルマンプルース、ウエスタンホワイトスプルース(カナダトウヒ)、北洋エゾ松(シベリア大陸産)とも言う。
【0029】
これに対して、ジェルトン(Jelutong)はボルネオ島とマレーシア半島を原産地とするキョウチクトウ科ディエラ(Dyera)属の広葉樹である。ジェルトンは、辺心材の区別はあきらかでなく、白色ないし黄白色を呈するもので、製材や乾燥・加工は容易であり、樹液から天然チクルが採れ、チューインガムの原料となる。資源の枯渇に伴い原産地国で輸出禁止措置がとられて現在入手が困難になっている。
【0030】
また、桐は材質としては優れているが、高価なのが欠点である。桐は、日本、中国、アメリカ等を原産国とするゴマノハグサ科キリ属の落葉広葉樹である。桐は、辺心材の区別はなく、くすんだ白色をしており、髄は空洞となる。日本の木材中最も軽く、切削等の加工は極めて容易であり、気乾比重は0.19〜0.30である。ヒノキや欅は比重が比較的重く、構造材として用いるとお宮が重量化すると共に、木が硬いので彫り物加工の負担が大きい。
【0031】
以上の木材を検討すると、御宮50においては構造材としての強度が確保できる範囲で、装飾用部材として彫刻等が容易に行える軽量で、安価で、しかも御宮を製作する際に必要な量が確保できるものが好ましい。この点で、十年程度前まではジェルトンが最適であったが、原産地国で輸出禁止措置がとられて現在入手が困難になっている。そこで、本発明者が鋭意検討を加えたところ、アユースとスプルースが好ましいことが判明した。
【0032】
次に、載置する御宮の重量や形状に適合するようにモノコック型乗用車を改造する場合を説明する。実施例1では、モノコック型乗用車の改造が少ない場合を説明する。実施例2では、モノコック型乗用車をベース車両として御宮を載置できるように、前部車軸と後部車軸との間隔を伸長する改造を行って、載置できる御宮の態様が広い場合を説明する。実施例3では、モノコック型乗用車をベース車両として御宮を載置できるように、後部車軸とシャーシー尾端部との間隔を伸長する改造を行っている。
【実施例1】
【0033】
図3は後部ルーフが除去されたシャーシーに補強フレームを取付けた状態を説明する平面図である。実施例1では、後部ルーフ25bが除去されたシャーシー10をそのまま用いる。前部車軸13と後部車軸15の車軸間隔をLとし、後部車軸15とシャーシー尾端部12の尾部長さをTとする。シャーシー尾端部12は、シャーシー10の尾部であって、例えばナンバープレートが装着される。補強フレーム30は、後部ルーフ25bの除去されたシャーシー10に固定されるもので、御宮50の負荷重量を後部車軸15と前部車軸13とで分散支持させる機能を有している。即ち、御宮50の重量は、モノコック型乗用車の自重と同じ程度であるから、左右の後部タイヤ16で負担できる重量に限界もあり、左右の前部タイヤ14でも負担するように、御宮50の負荷重量を分散支持させる必要がある。
【0034】
補強フレーム30は、左伸長部31、右伸長部32、中央連結部33、後部連結部34のロ型構造をしている。左伸長部31は、後部車軸15に装着される左後部タイヤ16に対応して設けられるもので、例えば断面コの字型の鋼材を用いる。右伸長部32は、後部車軸15に装着される右後部タイヤ16に対応して設けられるもので、例えば断面コの字型の鋼材を用いる。中央連結部33は、左右伸長部31、32の先端に取付けられると共に、前部車軸13と後部車軸15との中間であって、前部座席の近傍に当該車軸方向に設けられている。後部連結部34は、左右伸長部31、32の最後部側に取付けられ、シャーシー尾端部12と並ぶように配置される。補強フレーム30は、後部ルーフ25bの除去されたシャーシー10の内側であって、周縁近傍に配置することで、御宮50を載置する領域の面積をなるべく大きくとる。
【0035】
図4は補強フレームで補強したモノコック型乗用車に御宮を載置した、霊柩車を説明する斜視図である。御宮50は、補強フレーム30に載置されるが、補強フレーム30で補強されたシャーシー10が御宮50の載置に適する補強リブ等を有するときは、シャーシー10の後部ルーフ25bの除去された領域に載置してもよい。御宮50は、前述したように図2の手順に従って、荷台部27の上で組み立ててもよく、また一旦御宮50の矩体を組立てて荷台部27の上に位置決めして、固定しても良い。ここでは、彫刻を施した装飾板61が屋根56の下端の四囲に取りつけられている。また、下層屋根62が屋根56の下側に設けられており、寺院の二重の塔に近い壮厳な印象を看者に与えるように配慮してある。
【0036】
御宮50の重量は、構造用部材又は装飾用部材の少なくとも一方に、アユース又はスプルースを用いることで比較的軽量化されている。しかし、軽量化しても御宮50は500kg程度あり、モノコック型乗用車の自重と比較しても軽いとは言えず、しかも御宮50の形状は、モノコック型乗用車の車体よりも大きいから、例えば高速でカーブを移動するときに遠心力が作用して、片方のタイヤが浮き上がる可能性もある。そこで、御宮50の負荷重量の一部を、後部車軸15に装着された左右の後部タイヤ16に均等に分配すると共に、負荷重量の残部を前部車軸13に装着された左右の前部タイヤ14に均等に分配する構造としている。
【実施例2】
【0037】
実施例2では、モノコック型乗用車の前部車軸と後部車軸との車軸間隔TをT+dに伸長して、載置できる御宮の態様の許容性を拡張している。図5は、前部車軸と後部車軸との間で切断して、後部シャーシーと前部シャーシーを形成した状態の平面図である。後部シャーシー18は、モノコック型乗用車のシャーシー10を前部車軸13と後部車軸15との間で切断して形成されるもので、後部ルーフ25bが除去されていると共に後部車軸15を有している。前部シャーシー17は、切断されたモノコック型乗用車のシャーシー10の前部座席とエンジンを含む領域で、前部車軸13を有する。なお、切断前の前部車軸13と後部車軸15との間隔をLとし、図5に示す切断後の前部シャーシー17と後部シャーシー18の間隔をδとする。
【0038】
図6は、後部シャーシーと前部シャーシーの間に伸長部材を装着した状態の平面図である。伸長部材40は、後部シャーシー18と前部シャーシー17の間に取付けられて、前部車軸13と後部車軸15との車軸間隔を、伸長部材40部材の幅dだけ伸長して、車軸間隔L+dにする。伸長部材40は、後部シャーシー18と前部シャーシー17と同様の強度を有し、モノコック型乗用車の構造材としての機能を持たせると、車軸間隔L+dの伸長距離dを長くとる構造が採用できて、好ましい。
【0039】
図7は、伸長部材により前部車軸と後部車軸の間隔を伸長したシャーシーに、補強フレームを装着した状態の平面図である。補強フレーム30は、左伸長部31、右伸長部32、前部中央連結部36、後部中央連結部37、後部連結部34を有している。左伸長部31と右伸長部32は、後部車軸15に装着される左右後部タイヤ16に対応して設けられるもので、例えば断面コの字型の鋼材を用いる。後部連結部34は、左右伸長部31、32の最後部側に取付けられ、シャーシー尾端部12と並ぶように配置される。前部中央連結部36は、伸長部材40の前部シャーシー17側の固定領域に沿って当該車軸方向に設けられるもので、例えば前部シャーシー17の後部縁と伸長部材40との間に固定される。後部中央連結部37は、前部車軸13と後部車軸15との中間であって、伸長部材40の後部シャーシー18側の固定領域に沿って当該車軸方向に設けられるもので、例えば後部シャーシー18の前部縁と伸長部材40との間に固定される。前部中央連結部36と後部中央連結部37は左伸長部31、右伸長部32の先端近傍に取付けられる。
【0040】
補強フレーム30は、前部シャーシー17の後部縁、伸長部材40、並びに後部シャーシー18に固定され、御宮50の負荷重量を後部車軸15と前部車軸13とで分散支持する。そして、御宮50を補強フレーム30に載置すると共に、御宮50の負荷重量の一部を、後部車軸15に装着された左右の後部タイヤ16に均等に分配すると共に、御宮50の負荷重量の残部を前部車軸13に装着された左右の前部タイヤ14に均等に分配する。伸長部材40は、前部シャーシー17や後部シャーシー18と同様の強度を有し、モノコック型乗用車の構造材としての機能を有する場合には、補強フレーム30は伸長部材40の強度を利用して、伸長部材40経由で前部シャーシー17や後部シャーシー18を介して、御宮50の負荷重量を前部車軸13と後部車軸15に分散できる。
【0041】
なお、伸長部材40が、前部シャーシー17や後部シャーシー18と同様の強度を有せず、単なるカバーとしての強度しか有しない場合には、前部シャーシー17と後部シャーシー18の強度を利用して、御宮50の負荷重量を前部車軸13と後部車軸15に分散する構造とする。また、補強フレーム30で補強された後部シャーシー18や伸長部材40が、御宮50の載置に適する補強リブ等を有するときは、後部シャーシー18や伸長部材40に直接御宮50を載置しても良く、また補強フレーム30と共に後部シャーシー18や伸長部材40を用いて載置してもよい。
【0042】
このように伸長部材40を用いて、後部車軸15と前部車軸13の車軸間隔を伸長すると、より広い車軸間隔で御宮50を支持することが可能となり、道路構造に起因する車両形状制限の範囲内で、最大形状の御宮50を霊柩車に載置できる。
【実施例3】
【0043】
実施例3では、モノコック型乗用車の前部車軸と後部車軸との間隔はそのままとして、シャーシー10の後部車軸15からシャーシー尾端部12までの区間を伸長して、載置できる御宮の態様の許容性を拡張している。図8は、後部車軸とシャーシー尾端部の間で切断して、本体シャーシーと尾部シャーシーを形成し、さらに伸長部材を装着した状態の平面図である。本体シャーシー19は、モノコック型乗用車のシャーシー10を後部車軸15とシャーシー尾端部12との間で切断して形成されるもので、前部ルーフ25aを有すると共に、前部車軸13と後部車軸15を有している。尾部シャーシー192は、切断されたモノコック型乗用車の概ねトランク領域に相当するもので、シャーシー尾端部12を有している。
【0044】
伸長部材42は、本体シャーシー19と尾部シャーシー192の間に取付けられて、後部車軸15とシャーシー尾端部12の尾部長さTを、伸長部材42部材の幅dだけ伸長して、尾部長さT+dにする。伸長部材42は、本体シャーシー19、尾部シャーシー192と同様の強度を有し、モノコック型乗用車の構造材としての機能を持たせるとよい。
【0045】
図9は、伸長部材により後部車軸とシャーシー尾端部との間隔を伸長したシャーシーに、補強フレームを装着した状態の平面図である。補強フレーム30は、左伸長部31、右伸長部32、前部中央連結部38、後部中央連結部39、後部連結部34を有している。左伸長部31と右伸長部32は、後部車軸15に装着される左右後部タイヤ16に対応して設けられるもので、例えば断面コの字型の鋼材を用いる。後部連結部34は、左右伸長部31、32の最後部側に取付けられ、シャーシー尾端部12と並ぶように配置される。前部中央連結部38と後部中央連結部39は、左右伸長部31、32の先端に取付けられると共に、前部車軸13と後部車軸15との中間であって、前部座席の近傍に当該車軸方向に設けられている。前部中央連結部38は、後部中央連結部39と比較して、前部座席側に設けられている。前部中央連結部38と後部中央連結部39の2箇所が、御宮50を載置する領域として利用できるので、御宮50を安定した状態でモノコック型乗用車に取付けることができる。
【0046】
補強フレーム30は、シャーシー尾端部12、伸長部材42、並びに尾部シャーシー192に固定され、御宮50の負荷重量を後部車軸15と前部車軸13とで分散支持する。そして、御宮50を補強フレーム30に載置すると共に、御宮50の負荷重量の一部を、後部車軸15に装着された左右の後部タイヤ16に均等に分配すると共に、御宮50の負荷重量の残部を前部車軸13に装着された左右の前部タイヤ14に均等に分配する。
【0047】
図10は、宮型霊柩車の製造方法を説明する流れ図である。まず、モノコック型乗用車の前部ルーフ25aを残して、後部ルーフ25bを除去する(S100)。次に、載置する御宮50に応じて、後部車軸15と前部車軸13の車軸間隔を伸長する必要があるか判断する(S102)。S102で伸長する必要がないと判断されると、後部ルーフ25bが除去されたシャーシー10に補強フレーム30を取付ける(S104)。補強フレーム30により後部ルーフ25bの除去されたモノコック型乗用車の、前部ルーフ25aとシャーシー10とが一体的に補強される。そして、補強フレーム30、又は、補強フレーム30で補強されたシャーシー10に御宮50を載置する(S106)。載置する御宮50は、構造用部材又は装飾用部材の一方に、アユース又はスプルースを用いたものである。
【0048】
他方、S102で伸長する必要があると判断されると、次に前部車軸13と後部車軸15の車軸間隔の伸長が必要であるか判断する(S103)。S103で車軸間隔Lを車軸間隔L+dに伸長する必要があると判断されると、モノコック型乗用車のシャーシー10を、前部車軸13と後部車軸15との間で切断し(S110)、前部シャーシー17と後部シャーシー18に分割する。ここで、後部シャーシー18は、後部ルーフ25bが除去されていると共に後部車軸15を有する。前部シャーシー17は、前部車軸13を有している。
【0049】
次に、前部車軸13と後部車軸15との間隔を伸長する伸長部材40を、後部シャーシー18と前部シャーシー17の間に取付ける(S112)。続いて、御宮50の負荷重量を後部車軸15と前部車軸13とで分散支持させる補強フレーム30を、伸長部材40や後部シャーシー18に取付ける(S114)。この際に、前部車軸13と後部車軸15の位置合わせを行い、運転手が運転席で運転した場合に、ハンドルの向きと自動車の走行方向が一致するように、調整する。そして、補強フレーム30、又は、補強フレーム30で補強された後部シャーシー18に御宮50を載置する(S116)。載置する御宮50は、構造用部材又は装飾用部材の一方に、アユース又はスプルースを用いたものである。このようにして、宮型霊柩車が組立てられて、陸運事務所での車両検査に備える。
【0050】
S103で車軸間隔Lを伸長する必要がないと判断されると、後部車軸15とシャーシー尾端部12と尾部長さTを尾部長さT+dに伸長する加工を行う。即ち、モノコック型乗用車のシャーシー10を、後部車軸15とシャーシー尾端部12との間で切断して、前部車軸13と後部車軸15を有する本体シャーシー19、及び、シャーシー尾端部12を有する尾部シャーシー192を形成する(S120)。次に、後部車軸15とシャーシー尾端部12との間隔Tを伸長する伸長部材42を、本体シャーシー19と尾部シャーシー192の間に取付ける(S122)。そして、御宮50の負荷重量を前部車軸13と後部車軸15とで分散支持させる補強フレーム30を、本体シャーシー19、伸長部材42、並びに尾部シャーシー192と一体的に固定する(S124)。最後に、補強フレーム30、又は、補強フレーム30で補強された本体シャーシー19及び尾部シャーシー192に御宮50が載置される(S126)。載置する御宮50は、構造用部材又は装飾用部材の一方に、アユース又はスプルースを用いたものである。
【0051】
以上説明したように、本発明の宮型霊柩車によれば、載置する御宮は、構造用部材又は装飾用部材の少なくとも一方に、アユース又はスプルースの少なくとも一方を用いている。そこで、除去する後部ルーフの高さに応じて御宮の高さを高くしても、御宮の重量はさほど増加しない。そこで、白木や金箔張り等各種の御宮であっても、彫刻等の装飾加工が容易で、大きな扉を有する御宮とすることができる。更に、伸長部材によって前部車軸と後部車軸との間隔を伸長させる構造とすると、載置できる御宮の長さを長くしたり、御宮の重量分布の設計裁量範囲を広くできる。そこで、白木や金箔張り等各種の御宮であって、屋根に載せる鬼瓦や装飾品の重量を任意に選択しても、大型化した御宮をモノコック型乗用車に載置することができる。大型の御宮は、装飾面が広くとれる為、葬儀場や斎場で執り行われる葬儀の際に、参列者に壮厳な印象を与えることが可能となり、盛大な葬儀を嗜好する需要者の意向に合致する霊柩車が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】宮型霊柩車のベース車両となるモノコック型乗用車を説明する斜視図である。
【図2】ベース車両に御宮を組付けてゆく過程を説明する図である。
【図3】後部ルーフが除去されたシャーシーに補強フレームを取付けた状態を説明する平面図である。
【図4】補強フレームで補強したモノコック型乗用車に御宮を載置した霊柩車を説明する斜視図である。
【図5】前部車軸と後部車軸との間で切断して、後部シャーシーと前部シャーシーを形成した状態の平面図である。
【図6】後部シャーシーと前部シャーシーの間に伸長部材を装着した状態の平面図である。
【図7】伸長部材により前部車軸と後部車軸の間隔を伸長したシャーシーに、補強フレームを装着した状態の平面図である。
【図8】後部車軸とシャーシー尾端部の間で切断して、本体シャーシーと尾部シャーシーを形成し、さらに伸長部材を装着した状態の平面図である。
【図9】伸長部材により後部車軸とシャーシー尾端部との間隔を伸長したシャーシーに、補強フレームを装着した状態の平面図である。
【図10】宮型霊柩車の製造方法を説明する流れ図である。
【符号の説明】
【0053】
2 ベース車両
10 シャーシー
13 前部車軸
14 前部タイヤ
15 後部車軸
16 後部タイヤ
20 外装部材
25a 前部ルーフ
27 荷台部
30 補強フレーム
40、42 伸長部材
50 御宮

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース車両の荷台部に載置される霊柩車用御宮において、
前記霊柩車用御宮の構造用部材又は装飾用部材の少なくとも一方に、アユース(Ayous)またはスプルース(Spruce)の少なくとも一方を用いたことを特徴とする霊柩車用御宮。
【請求項2】
前記ベース車両は、後部ルーフが除去されたモノコック型乗用車であって、当該後部ルーフが除去された領域を前記荷台部とすることを特徴とする請求項1に記載の霊柩車用御宮。
【請求項3】
後部ルーフが除去されたモノコック型乗用車の車体後部に、御宮を載置した宮型霊柩車において、
前記後部ルーフの除去されたシャーシーに固定される補強フレームであって、前記御宮の負荷重量を前記モノコック型乗用車の後部車軸と前部車軸とで分散支持させる前記補強フレームを備え、
前記補強フレーム、又は、前記補強フレームで補強された前記シャーシーに前記御宮が載置されると共に、
前記霊柩車用御宮の構造用部材又は装飾用部材の少なくとも一方に、アユース又はスプルースの少なくとも一方を用いたことを特徴とする宮型霊柩車。
【請求項4】
後部ルーフの除去されたモノコック型乗用車の車体後部に、御宮を載置した宮型霊柩車において、
前記モノコック型乗用車のシャーシーを前部車軸と後部車軸との間で切断して形成された、前記後部ルーフが除去されると共に前記後部車軸を有する後部シャーシー、及び、前記前部車軸を有する前部シャーシーと、
前記後部シャーシーと前記前部シャーシーの間に取付けられて、前記前部車軸と後部車軸との間隔を伸長する伸長部材と、
少なくとも前記後部シャーシーに固定される補強フレームであって、前記御宮の負荷重量を前記後部車軸と前記前部車軸とで分散支持させる前記補強フレームを備え、
前記御宮を、前記補強フレーム、又は、前記補強フレームで補強された前記後部シャーシー若しくは前記伸長部材の少なくとも一方に載置すると共に、
前記霊柩車用御宮の構造用部材又は装飾用部材の少なくとも一方に、アユース又はスプルースの少なくとも一方を用いたことを特徴とする宮型霊柩車。
【請求項5】
後部ルーフの除去されたモノコック型乗用車の車体後部に、御宮を載置した宮型霊柩車において、
前記モノコック型乗用車のシャーシーを後部車軸とシャーシー尾端部との間で切断して形成された、前部車軸と前記後部車軸を有する本体シャーシー、及び、前記シャーシー尾端部を有する尾部シャーシーと、
前記本体シャーシーと前記尾部シャーシーの間に取付けられて、前記後部車軸と前記シャーシー尾端部との間隔を伸長する伸長部材と、
前記本体シャーシー、前記伸長部材、並びに前記尾部シャーシーと一体的に固定される補強フレームであって、前記御宮の負荷重量を前記後部車軸と前記前部車軸とで分散支持させる前記補強フレームを備え、
前記御宮を、前記補強フレーム、又は、前記補強フレームで補強された前記本体シャーシー若しくは前記尾部シャーシーの少なくとも一方に載置すると共に、
前記霊柩車用御宮の構造用部材又は装飾用部材の少なくとも一方に、アユース又はスプルースの少なくとも一方を用いたことを特徴とする宮型霊柩車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−75313(P2007−75313A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−266397(P2005−266397)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(504358458)金森自動車興業株式会社 (2)