説明

静電容量式スイッチモジュール

【課題】いかなる埋め込み型ガラスクックトップにも配置でき、パネルの材質に限定されない静電容量式スイッチモジュールを提供する。
【解決手段】埋め込み型ガラスクックトップを制御するための静電容量式スイッチモジュールであって、少なくとも、前記埋め込み型ガラスクックトップの側面に取り付けられ、基板201を貫通する少なくとも1つの穴を有する基板201と、前記穴に設けられた少なくとも1つのボタン202と、前記ボタン202と前記基板201とを接触しないように隔てるためにその間に設けられた絶縁シート203と、前記基板201の下に設けられた回路板204と、前記回路板204における、前記少なくとも1つのボタン202に対応する位置に設けられ、前記ボタン202との間に絶縁隙間206を有する少なくとも1つの銅箔205と、を備える静電容量式スイッチモジュールである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センシング式静電容量スイッチに関し、特に、埋め込み型ガラスクックトップ用のセンシング式静電容量スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
埋め込み型ガラスクックトップ(cooktop)は、その綺麗さ、さっぱりとすること、清潔にし易いこと、現代の家庭装飾の美意識に適うことで、迅速に発展してきて、徐々に家庭における標準装備の1つになった。
【0003】
図1は、従来の埋め込み型ガラスクックトップを示す概略図である。従来の埋め込み型ガラスクックトップ100は、ガラス基板101、前記ガラス基板101に嵌合されたサイズが異なる5つのバーナー102、ガラス基板101に形成された制御領域103を備える。制御領域103は、それぞれに対応するバーナー102に対するオンとオフを制御するための複数のセンシング式静電容量スイッチボタン有する。その内、センシング式静電容量スイッチは、コンデンサーを基礎とするものであり、伝導的物体(例えば、指)が制御領域103におけるボタンに触れると、人体の指による電荷の移動が、対応するセンシング式静電容量スイッチのコンデンサー容量値を変動させ、この変動は、マイクロコントローラ内にビルトインされた回路に検出され、対応する動作を行わせるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のセンシング式静電容量スイッチは、見た目が美しいが、環境変化によって、例えば、ゆでる時の煮汁が飛び散りまたは傾き倒れて溢れ出ることで誤ってボタンに触れる状況によって、静電容量が変化して所望しない機能を始動させて、危険を招いてしまう。なお、ガラスパネルが絶縁材であるので、ガラスパネルに形成されたセンシング式静電容量スイッチボタンが導通されなく、使用者がその内の1つのボタンを押すと、対応するセンシング式静電容量スイッチのみの電荷分布状況を変動させ、他のスイッチの電荷分布状況に影響を与えることはないので、誤って判断することは発生しない。しかしながら、このセンシング式静電容量スイッチのボタンが導電材に配置されている場合に、各センシング式静電容量スイッチのボタンがお互いに導通しているので、人体がその内の1つのボタンに触れると、各センシング式静電容量スイッチに保存された電荷は、導電材を通して人体に分布して、マイクロコントローラにどのセンシング式静電容量スイッチが触れられたか確認できなくさせ、誤って判断させてしまう。つまり、センシング式静電容量スイッチを採用してバーナーの制御をしようとする場合に、埋め込み型ガラスクックトップのパネル材質に応じる必要があり、設計上では不便である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、いかなる埋め込み型ガラスクックトップにも配置でき、パネルの材質に限定されない静電容量式スイッチモジュールを提供することを一目的とする。
【0006】
本発明は、静電容量式スイッチモジュールのボタン構造を提供することを一目的とし、それによって、環境変化によってスイッチを触発させることを回避する。
【0007】
本発明の一態様は、埋め込み型ガラスクックトップを制御するための静電容量式スイッチモジュールであって、少なくとも、前記埋め込み型ガラスクックトップの側面に取り付けられ、基板を貫通する少なくとも1つの穴を有する基板と、前記穴に設けられた少なくとも1つのボタンと、前記ボタンと前記基板とを接触しないように隔てるためにその間に設けられた絶縁シートと、前記基板の下に設けられた回路板と、前記回路板における、前記少なくとも1つのボタンに対応する位置に設けられ、前記ボタンとの間に絶縁隙間を有する少なくとも1つの銅箔と、を備える静電容量式スイッチモジュールを提供する。
【0008】
一実施例において、前記基板が導体基板である。
【0009】
一実施例において、前記絶縁シートがプラスチックブッシング(plastic bushing)又はゴム製の弾性スペーサーである。
【0010】
本発明は、少なくとも、ガラス基板と、
前記ガラス基板に取り付けられた埋め込み型バーナーと、
基板を貫通する少なくとも1つの穴を有する基板と、前記穴に設けられた少なくとも1つのボタンと、前記ボタンと前記基板とを接触しないように隔てるためにその間に設けられた絶縁シートと、前記基板の下に設けられた回路板と、前記回路板における、前記少なくとも1つのボタンに対応する位置に設けられ、前記ボタンとの間に絶縁隙間を有する少なくとも1つの銅箔とを更に備え、前記ガラス基板の側面に取り付けられた静電容量式スイッチモジュールと、
を含む埋め込み型ガラスクックトップをさらに提供する。
【0011】
以上述べたことをまとめると、本発明の静電容量式スイッチモジュールは、ガラス基板に形成されることではなく、独立なモジュールとなるので、使用現場によって外形を変化でき、また、お互いに分離できるので、ガラス基板の温度が上昇しても、静電容量式スイッチモジュールが高温になりやすいことはなく、快適に操作できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付図面の説明は、本発明の前記または他の目的、特徴、メリット、実施例をより分りやすくするためのものである。
【0013】
【図1】従来の埋め込み型ガラスクックトップを示す概略図である。
【図2A】本発明の一実施例による静電容量式スイッチモジュールを示す上面図である。
【図2B】本発明の一実施例による静電容量式スイッチモジュールを示す分解図である。
【図2C】図2のAA'線から見る断面図である。
【図3】本発明の一実施例による埋め込み型ガラスクックトップを示す外形図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の前述及び他の技術内容、特徴、効能に関しては、以下の参照図面付きの好ましい実施例に対する詳細な説明において、明らかに示す。本発明が詳細に述べられる前に、以下の説明内容では、類似する素子は同一な番号によって表示されることを注意すべきである。
【0015】
図2Aは、本発明の一実施例による静電容量式スイッチモジュールを示す上面図である。図2Bは、本発明の一実施例による静電容量式スイッチモジュールを示す分解図である。図2Cは、図2のAA'線から見る断面図であり、それにおいてボタンを1つだけ示す。
【0016】
図2A、図2B、図2Cを同時に参照し、本発明の静電容量式スイッチモジュール200は、基板201と、複数のボタン202と、複数の絶縁シート203と、回路板204と、複数の銅箔205とを備える。その内、基板201は、例えば、金属基板であるが、本発明のモジュールは非金属基板に使用されてもよい。一実施例において、基板201に、ボタン202の外形に合わせて、基板201を貫通する複数の穴が形成されて、ボタン202及び絶縁シート203を置く。絶縁シート203は、ボタン202と基板201を電気絶縁するために、その間に設けられる。各ボタン202は、回路板204に形成された対応する銅箔205を更に有し、絶縁隙間206でお互いに隔離する。その内、ボタン202は、対応する銅箔205を通して、回路板204に配置された外部回路と接続することができ、つまり、この静電容量スイッチは、銅箔205を通して、結合する外部回路を制御できる。人体がボタン202に触れると、ボタン202における電荷が人体を介して改めて分布することになり、静電容量スイッチのコンデンサー容量値を変動させ、この時、センサー(図示せず)は、この静電容量スイッチが人体と接触することによって発生した電気容量の変動を検出し、対応する切り替え(オンまたはオフ)を行うと共に、銅箔205を通して、結合する外部回路の動作を制御する。
【0017】
なお、ボタン202と基板201との間に形成された絶縁シート203は、ボタン202と基板201を電気絶縁することができ、それによって、使用者がその内のボタン202に触れると、対応する静電容量スイッチのみの電荷分布状況を変動させ、他の静電容量スイッチの電荷分布状況に影響を与えないことにより、誤って判断する状況を回避する。ただし、他の実施例において、ボタン202と基板201との間は、完全に電気絶縁される状態に形成されなくてもよく、つまり、絶縁シート203は、ボタン202と基板201との間に高抵抗を形成して、対応するセンサーが誤って判断させないだけであってよい。その内、絶縁シート203は、例えば、プラスチックブッシング(plastic bushing)又はゴム製の弾性スペーサーであり、完全に又は部分的にボタン202と基板201との間に充填される。他の実施例において、この絶縁シート203が弾性を有する材料で製造されたものである場合に、使用者がボタン202を押すと、ボタン202が絶縁隙間206においてシフト量を形成することになり、つまり、ボタン202と銅箔205との距離を縮減させ、静電容量スイッチの電気容量の変動量を別に増加することになるので、対応するセンサーが大きいコンデンサー容量値の変動を検出することによって、静電容量スイッチの動作の閾値として、大きいコンデンサー容量値の変化量を設定することができ、環境要素によるコンデンサー容量値の微量な変化で誤って動作することを回避する。
【0018】
図3は、本発明の一実施例による埋め込み型ガラスクックトップを示す外形図である。この埋め込み型ガラスクックトップ300は、ガラス基板301と、ガラス基板301に取り付けられたサイズが異なる埋め込み型バーナー302と、ガラス基板301の側面に取り付けられた静電容量式スイッチモジュール200とを備える。その内、静電容量式スイッチモジュール200は、それぞれバーナー302の作動を制御するための複数のボタン202を有し、その内、静電気を帯びる物体である使用者の指等によってボタン202に触れて、対応するバーナー302に対するオン・オフ動作を行うようになっている。例えば、使用者の指等がその内の1つのボタン202に触れると、ボタン202における電荷が人体を介して、改めて分布し、この時、検出器によって電気容量の変化を検出して、対応する静電容量スイッチをオン状態にし、対応するバーナー302の動作を制御する。
【0019】
その内、本発明の静電容量式スイッチモジュール200は、ガラス基板301に形成されることではなく、独立なモジュールとなるので、使用現場によって外形を変化でき、また、お互いに分離できるので、ガラス基板301の温度が上昇しても、静電容量式スイッチモジュール200が高温になりやすいことはなく、快適に操作できる。また、ガラス基板301に配置することに限定されないので、ガラス基板301に合わせて静電容量式スイッチモジュール200のカラーを変えることができ、良い視覚効果が得られる。なお、ボタン202は、静電容量式スイッチモジュール200の基板内に埋設されるため、調整又は清掃する場合には邪魔にならない。
【0020】
なお、本実施例において、静電容量式スイッチモジュール200は、ガラス基板301の前側に位置するが、それに限定されなく、例として、ガラス基板301の右側又は左側等、使用状況を考慮した上で適当に選択した位置に設けてもよい。
【0021】
本発明では好適な実施形態を前述の通り開示したが、これは本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、多様の変動や修正を加えることができ、従って、本発明の保護範囲は、後の特許請求の範囲によって限定される。
【符号の説明】
【0022】
100 埋め込み型ガラスクックトップ、101 ガラス基板、102 バーナー、103 制御領域、200 静電容量式スイッチモジュール、201 基板、202 ボタン、203 絶縁シート、204 回路板、205 銅箔、206 絶縁隙間、300 埋め込み型ガラスクックトップ、301 ガラス基板、302 バーナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋め込み型ガラスクックトップを制御するための静電容量式スイッチモジュールであって、少なくとも、
前記埋め込み型ガラスクックトップの側面に取り付けられ、少なくとも1つの貫通した穴を有する基板と、
前記穴に設けられたボタンと、
前記ボタンと前記基板とを接触しないように隔てるためにその間に設けられた絶縁シートと、
前記基板の下に設けられた回路板と、
前記回路板における、前記ボタンに対応する位置に設けられ、前記ボタンとの間に絶縁隙間を有する銅箔と、
を備える静電容量式スイッチモジュール。
【請求項2】
前記基板が導体基板である請求項1に記載の静電容量式スイッチモジュール。
【請求項3】
前記ボタンは押されると、前記絶縁隙間でシフトする請求項1または2に記載の静電容量式スイッチモジュール。
【請求項4】
前記絶縁シートがプラスチックブッシング(plastic bushing)又はゴムスペーサーであってよい請求項1から3の何れか1項に記載の静電容量式スイッチモジュール。
【請求項5】
少なくとも、
ガラス基板と、
前記ガラス基板に取り付けられた埋め込み型バーナーと、
請求項1から4の何れか1項に記載の静電容量式スイッチモジュールと
を含む埋め込み型ガラスクックトップ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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