説明

静電容量式スイッチ検査装置

【課題】静電容量式スイッチを適度な感度に設定しつつ、画一的な検査が可能な静電容量式スイッチ検査装置を提供する。
【解決手段】静電容量式スイッチを備えた被検査物100を検査するための静電容量式スイッチ検査装置1は、静電容量式スイッチをオン状態及びオフ状態にする検査機構部10と、検査機構部10を制御するインターフェース部30と、静電容量式スイッチにおけるオフ状態の静電容量とオン状態の静電容量との差分に基づいて求められたデルタ値と予め設定された閾値とを比較して静電容量式スイッチが良品か不良品かを判断する判定部40と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量式スイッチを備えた被検査物の静電容量式スイッチを検査するための静電容量式スイッチ検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ビデオカメラ等の電子機器に、デザイン性、操作性、気密性、及び耐久性の点から静電容量式スイッチが広く用いられている。
静電容量式スイッチは、スイッチの裏面に組み込まれたセンサ電極と操作者の指先との間の静電容量の変化を捉えて指先の接触・非接触を検出するものである。
このような静電容量式スイッチの一例が例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−368738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、静電容量式スイッチが正常に動作するか否かを電子機器の製造過程または出荷前に検査する際、従来は作業者が静電容量式スイッチを指先で押して検査していた。
しかしながら、作業者によって作業者自身の有する比誘電率にばらつきがあり、また、作業者の指先の大きさや静電容量式スイッチを押す力の強さ等によって発生する静電容量の変化の差にばらつきがあった。
一方、作業者や静電容量式スイッチを使用する使用者の個人差を考慮して静電容量式スイッチの感度を高く設定しすぎると、意識しない接触による誤動作が頻発してしまうため使い勝手が悪い。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、静電容量式スイッチを適度な感度に設定しつつ、画一的な検査が可能な静電容量式スイッチ検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は次の静電容量式スイッチ検査装置を提供する。
1)静電容量式スイッチ(102〜106,108〜111)を備えた被検査物(100)を検査するための静電容量式スイッチ検査装置であって、前記静電容量式スイッチをオン状態及びオフ状態にする検査機構部(10)と、前記検査機構部を制御するインターフェース部(30)と、前記静電容量式スイッチにおけるオフ状態の静電容量とオン状態の静電容量との差分に基づいて求められたデルタ値と予め設定された閾値とを比較して前記静電容量式スイッチが良品か不良品かを判断する判定部(40)と、を備えていることを特徴とする静電容量式スイッチ検査装置(1)。
2)前記検査機構部は、前記被検査物を位置決めして保持する検査テーブル(11)と、前記検査テーブルに離間して配置された検査端子(12〜16,18〜21)と、前記検査端子を保持すると共に、前記検査端子を前記検査テーブルに接近する方向及び前記検査テーブルから離間する方向に移動させる駆動部(23)と、を備え、前記検査テーブルに前記被検査物が保持され、かつ前記検査端子を前記検査テーブルに接近させたときに、前記検査端子が前記静電容量式スイッチを所定の圧力で押圧することを特徴とする1)記載の静電容量式スイッチ検査装置。
3)前記検査端子は、前記静電容量式スイッチに接触する部分が弾性体(25)であることを特徴とする2)記載の静電容量式スイッチ検査装置。
4)前記弾性体は比誘電率が20〜50の範囲内であることを特徴とする3)記載の静電容量式スイッチ検査装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、静電容量式スイッチを適度な感度に設定しつつ、画一的な検査が可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る静電容量式スイッチ検査装置の実施例において、検査されるモニター部の一例を示す模式的平面図である。
【図2】本発明に係る静電容量式スイッチ検査装置の実施例を説明するためのブロック図である。
【図3】本発明に係る静電容量式スイッチ検査装置の実施例において、その構成部である検査機構部の一例を説明するための模式的斜視図である。
【図4】本発明に係る静電容量式スイッチ検査装置の実施例において、静電容量式スイッチが検査端子で押圧されていない状態(a)と、押圧された状態(b)を示す模式的側面図である。
【図5】本発明に係る静電容量式スイッチ検査装置の検査方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態を、好ましい実施例により図1〜図5を用いて説明する。
【0010】
<実施例>
本発明に係る静電容量式スイッチ検査装置について、以下に、ビデオカメラのモニター部に設けられた静電容量式スイッチを検査するための静電容量式スイッチ検査装置を例に挙げて説明する。
【0011】
まず、実施例で用いるビデオカメラのモニター部について図1を用いて説明する。
【0012】
モニター部100は、ビデオカメラで撮影した画像を表示する画像表示部101と、画像表示部101よりも外側の領域に配置された複数(例えば5個)のボタン型の静電容量式スイッチ102〜106と、画像表示部101よりも外側の領域であって複数のボタン型の静電容量式スイッチ102〜106が配置されている領域とは異なる領域に配置されたスライダー型の静電容量式スイッチ107と、を備えている。スライダー型の静電容量式スイッチ107は内部に配置された複数(例えば4個)のボタン型の静電容量式スイッチ108〜111を有して構成されている。即ち、実施例では、モニター部100は9個のボタン型の静電容量式スイッチ102〜106,108〜111を備えている。
【0013】
また、モニター部100は、ボタン型の静電容量式スイッチ102〜106,108〜111におけるオフ状態の静電容量に基づいてベース値を算出し、これらベース値を対応する静電容量式スイッチ102〜106,108〜111に関連付けて記憶する信号処理回路部112を備えている。
【0014】
また、信号処理回路部112は、静電容量式スイッチ102〜106,108〜111におけるオン状態の静電容量に基づいてオン値を算出する。
【0015】
また、信号処理回路部112は、上記ベース値と上記オン値との差分(変化量)をデルタ値として静電容量式スイッチ102〜106,108〜111ごとに算出し、これらベース値及びデルタ値をそれぞれ所定の電気信号に変換して外部に向けて出力する。
【0016】
次に、上述したモニター部100における9個のボタン型の静電容量式スイッチ102〜106,108〜111を検査するための静電容量式スイッチ検査装置について図2〜図5を用いて説明する。
【0017】
図2に示すように、静電容量式スイッチ検査装置1は、モニター部100における9個のボタン型の静電容量式スイッチ102〜106,108〜111を個別にオン状態及びオフ状態にするための検査機構部10と、検査機構部10を制御すると共にモニター部100から出力された電気信号(ベース値,デルタ値)を入力して後述する判定部40に向けて出力するインターフェース部30と、インターフェース部30を介して入力された電気信号から、ベース値及びデルタ値と予め設定されたベース閾値及びデルタ閾値とをそれぞれ比較して、対応する静電容量式スイッチの合否判定を静電容量式スイッチごとに行う判定部40と、を有して構成されている。
判定部40として例えばパーソナルコンピュータを用いることができる。
【0018】
ここで、検査機構部10について図3を用いて説明する。
【0019】
図3に示すように、検査機構部10は、モニター部100が位置決めされて保持される検査テーブル11と、検査テーブル11の上方に位置すると共に検査テーブル11に接近する方向及び検査テーブル11から離間する方向に移動する複数の検査端子12〜16,18〜21と、複数の検査端子12〜16,18〜21を保持してそれぞれ独立に駆動する駆動部23と、検査テーブル11及び駆動部23が固定された筐体部24と、を有して構成されている。
駆動部23として例えばエアシリンダを用いることができる。
【0020】
複数の検査端子12〜16,18〜21はモニター部100の静電容量式スイッチ102〜106,108〜111にそれぞれ対応するものである。また、複数の検査端子12〜16,18〜21はモニター部100が検査テーブル11に位置決めされて保持された状態において、各静電容量式スイッチ102〜106,108〜111の直上方にそれぞれ位置するように配置されている。
【0021】
実施例では、図3から明らかなように、モニター部100は、左奥側に静電容量式スイッチ102〜106が位置すると共に右奥側に静電容量式スイッチ108〜111が位置するように、検査テーブル11に外形位置決めされて保持される。
【0022】
ここで、検査端子12〜16,18〜21の構成について図4を用いて説明する。ここでは検査端子12を例に挙げて説明するが、他の検査端子13〜16,18〜21の構成も検査端子12の構成と同じである。
【0023】
図4に示すように、検査端子12(13〜16,18〜21)は、静電容量式スイッチ102(103〜106,108〜111)に接触する先端が略半球状の弾性体部25と、弾性体部25が固定された例えば金属製のロッド部26と、を有して構成されている。各検査端子12〜16,18〜21のロッド部26は駆動部23にそれぞれ保持されている。
【0024】
弾性体部25は、人間の指先と同等の比誘電率を有している。
発明者は、鋭意実験の結果、人間の指先の一般的な比誘電率が20〜50の範囲内であることを見出した。ここでいう比誘電率とは測定周波数が2GHzにおけるε‘の値である。そこで、弾性体部25の比誘電率を20〜50の範囲内とした。
【0025】
また、弾性体部25の硬度はA40以下であることが好ましい。弾性体部25の硬度がA40よりも大きいと、弾性体部25を静電容量式スイッチ102(103〜106,108〜111)で押圧したときの弾性体部25の変形量が小さくなるため、弾性体部25と静電容量式スイッチ102(103〜106,108〜111)との接触面積を一定に管理することが難しく、また静電容量式スイッチ102(103〜106,108〜111)の応答性を悪くする要因にもなる。なお、ここでいう硬度とはJIS K6253規格に準拠したものである。
【0026】
実施例では、弾性体部25の材料としてシリコーンゴムにカーボンブラックやカーボンナノチューブやその他の添加剤を混合した混合物を使用し、添加剤の混合量を調整して弾性体部25の比誘電率を35とし、弾性体部25の硬度をA25とした。
また、実施例では、駆動部23に、各検査端子12〜16,18〜21に対応する複数のエアシリンダを用いた。
また、実施例では、上記エアシリンダをオン状態にすると対応する検査端子が対応する静電容量式スイッチを押圧し、上記エアシリンダをオフ状態にすると検査端子が対応する静電容量式スイッチの上方に離間するようにした。各エアシリンダの圧力、即ち静電容量式スイッチに対する検査端子の押圧力は圧力調整部27(図3参照)で個別に調整することができる。
【0027】
図2に戻って、インターフェース部30は、検査機構部10の各検査端子12〜16,18〜21(図3参照)の動作、即ち上述した駆動部23の各エアシリンダのオン/オフ制御をそれぞれ独立に行うと共に、モニター部100から出力された電気信号(ベース値,デルタ値)を判定部40に向けて出力する。
【0028】
ベース値とは、検査端子12(13〜16,18〜21)が静電容量式スイッチ102(103〜106,108〜111)を押圧していないオフ(初期)状態{図4(a)参照}における静電容量式スイッチ102(103〜106,108〜111)の静電容量を所定の処理に基づいて算出した値である。
デルタ値は、検査端子12(13〜16,18〜21)で静電容量式スイッチ102(103〜106,108〜111)を押圧したオン状態{図4(b)参照}における静電容量式スイッチ102(103〜106,108〜111)の静電容量を所定の処理に基づいてオン値を算出し、このオン値とこれに対応するベース値との差分である。
これらベース値及びデルタ値はモニター部100の信号処理回路部112で生成され、さらに所定の電気信号に変換されてインターフェース部30を介して判定部40に向けて出力される。
【0029】
判定部40には、インターフェース部30を介して検査機構部10の各検査端子12〜16,18〜21を順次オン/オフ制御するためのプログラムが予め設定されている。
また、判定部40は、静電容量式スイッチ102〜106,108〜111が良品か否かを判定するためのベース値に対するベース閾値及びデルタ値に対するデルタ閾値がそれぞれ予め記憶されている。
判定部40は、モニター部100からインターフェース部30を介して入力された電気信号であるベース値及びデルタ値とベース閾値及びデルタ閾値とをそれぞれ比較し、ベース値及びデルタ値がいずれもOKと判定された静電容量式スイッチに対しては良品と判断し、ベース値及びデルタ値の少なくともいずれかがNGと判定された静電容量式スイッチに対しては不良品と判断する。
また、判定部40に、合否判定結果を静電容量式スイッチに対応させて記憶させるようにしてもよい。
【0030】
次に、上述した静電容量式スイッチ検査装置1を用いてモニター部100の複数の静電容量式スイッチ102〜106,108〜111の検査を行う検査方法について、図1〜図4と共に図5に示すフローチャートを用いて説明する。
【0031】
まず、検査作業者が、静電容量式スイッチ102〜106,108〜111が検査端子12〜16,18〜21にそれぞれ対向するように、モニター部100を検査テーブル11に載置する。これにより、モニター部100は検査テーブル11に位置決めされて保持される(S01)。
このとき、検査端子12〜16,18〜21は、静電容量式スイッチ102〜106,108〜111の上方に退避した状態(初期状態)、即ち、検査端子12〜16,18〜21で静電容量式スイッチ102〜106,108〜111を押圧していない状態にある。
【0032】
次に、検査作業者はモニター部100、インターフェース部30、及び判定部40を動作状態にする(S02)。
【0033】
判定部40は、インターフェイス部30を介してモニター部100に向けて検査モード信号を出力し、モニター部100を検査モードに設定する(S03)。
【0034】
検査モードに設定されたモニター部100の信号処理回路部112は、検査端子12〜16,18〜21で押圧されていない状態、即ちオフ状態の静電容量式スイッチ102〜106,108〜111の静電容量に応じたベース値を静電容量式スイッチ102〜106,108〜111ごとに算出し、それぞれのベース値を対応する静電容量式スイッチ102〜106に関連付けて記憶すると共に、ベース値を対応する静電容量式スイッチ102〜106,108〜111に関連付けて、インターフェース部30を介して判定部40に向けて出力する(S04)。
【0035】
判定部40は、ベース値と予め設定されたベース閾値とを比較し、静電容量式スイッチ102〜106,108〜111ごとに合否判定を行う(S05)。
判定部40で静電容量式スイッチ102〜106,108〜111のベース値が全てOKと判定されたモニター部100についてはステップS06に進み、静電容量式スイッチ102〜106,108〜111のいずれかのベース値がNGと判定されたモニター部100については不良品として選別除去される。
ベース値の合否判定を行うことにより、モニター部100における構成部品の半田付け不良等の不良品を製造過程の早い段階で選別除去することができる。
【0036】
次に、判定部40は、予め設定されたプログラムに基づいてインターフェース部30に向けて制御信号を出力する(S06)。
【0037】
インターフェース部30は、上記制御信号に基づいて駆動信号を生成し、この駆動信号を検査機構部10の駆動部23に向けて出力する(S07)。
【0038】
駆動部23は、上記駆動信号に基づいて検査端子12〜16,18〜21を順次駆動させ、検査端子12〜16,18〜21は対応する静電容量式スイッチ102〜106,108〜111を順次所定の圧力で押圧する(S08)。
【0039】
モニター部100の信号処理回路部112は、検査端子12〜16,18〜21で押圧された状態、即ちオン状態の静電容量式スイッチ102〜106,108〜111の静電容量に応じたオン値を、静電容量式スイッチ102〜106,108〜111ごとに算出する。
さらに、信号処理回路部112は、オン値とこれに対応するベース値との差分をデルタ値として静電容量式スイッチ102〜106,108〜111ごとに算出し、デルタ値を対応する静電容量式スイッチ102〜106,108〜111に関連付けて、インターフェース部30を介して判定部40に向けて出力する(S09)。
【0040】
判定部40は、デルタ値と予め設定されたデルタ閾値とを比較し、静電容量式スイッチ102〜106,108〜111ごとに合否判定を行う(S10)。
デルタ値の合否判定は、検査端子で対応する静電容量式スイッチを押圧するごとに順次行ってもよいし、モニター部100ごとに全ての静電容量式スイッチ102〜106,108〜111を対応する検査端子12〜16,18〜21で押圧した後に、順次静電容量式スイッチごとにおこなってもよい。
【0041】
判定部40で静電容量式スイッチ102〜106,108〜111のデルタ値が全てOKと判定されたモニター部100はステップS11に進み、静電容量式スイッチ102〜106,108〜111のいずれかのデルタ値がNGと判定されたモニター部100については不良品として選別除去される。
【0042】
さらに、判定部40はモニター部100の全ての静電容量式スイッチ102〜106,108〜111についての合否判定が行われたか否かをチェックする(S11)。全ての静電容量式スイッチ102〜106,108〜111についての合否判定が行われたと判断した場合は、このモニター部100を良品と見なして検査を終了する。また、判定部40は、全ての静電容量式スイッチ102〜106,108〜111のうち、いずれかの静電容量式スイッチの合否判定が行われていないと判断した場合はステップS08に戻って合否判定されていない静電容量式スイッチに対して合否判定を行う。
このようにして、モニター部100の全ての静電容量式スイッチ102〜106,108〜111に対して合否判定を行う。
【0043】
なお、判定部40は検査後に検査端子12〜16,18〜21がすべてモニター部100の上方に退避するように予めプログラムされており、モニター部100の全ての静電容量式スイッチ102〜106,108〜111についての検査が終了すると、検査端子12〜16,18〜21は駆動部23により、モニター部100の上方に退避して初期状態に戻る。
【0044】
その後、検査が完了したモニター部100を検査テーブル11から取り外し、次に検査されるモニター部100を検査テーブル11に載置し、上述したS01〜S11の手順をモニター部100ごとに順次行うことにより、モニター部100の全ての静電容量式スイッチ102〜106,108〜111をモニター部100ごとに順次画一的に検査することができる。
【0045】
上述した静電容量式スイッチ検査装置によれば、複数の静電容量式スイッチを対応する複数の検査端子でそれぞれ所定の圧力で再現性よく押圧することができるので、静電容量式スイッチを適度な感度に設定しつつ、画一的な検査が可能になる。
【0046】
また、上述した静電容量式スイッチ検査装置によれば、特に静電容量式スイッチに接触する部分を弾性体とし、さらにこの弾性体の比誘電率を人間の指先の標準的な比誘電率にすることにより、実際に人間が行う操作と同等の操作で静電容量式スイッチの合否判定を画一的に行うことができる。
【0047】
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよいのは言うまでもない。
【0048】
例えば、本発明に係る静電容量式スイッチ検査装置の検査端子の数や配置は実施例に限定されるものではなく、検査対象の電子機器やその構成ユニットにおける静電容量式スイッチの数や配置に応じて適宜設計されるものである。
【0049】
また、実施例では複数の静電容量式スイッチにそれぞれ対応するように複数の検査端子を備えた構成としたが、これに限定されるものではなく、例えばロボットアームの先端に1つの検査端子を保持させ、この1つの検査端子で複数の静電容量式スイッチをロボットアームで順次押圧するように構成してもよい。
【0050】
また、実施例ではベース値とデルタ値の両方がOKのものを良品としたが、これに限定されるものではなく、例えばベース値の合否判定をせずにデルタ値のみの合否判定結果から係る静電容量式スイッチが良品か不良品かを判断するようにしてもよい。
【0051】
また、静電容量式スイッチ検査装置から所定の画像信号をモニター部に向けて出力し、モニター部に表示された画像から明るさや輝度むら等の画像の表示品質の検査を行うようにしてもよい。
【0052】
また、本発明に係る静電容量式スイッチ検査装置について、実施例ではビデオカメラのモニター部を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、静電容量式スイッチを備えた電子機器やその構成ユニットであればその形態に関わらず適用可能である。
【符号の説明】
【0053】
1_静電容量式スイッチ検査装置、 10_検査機構部、 11_検査テーブル、 12〜16,18〜21_検査端子、 23_駆動部、 24_筐体部、 25_弾性体部、 26_ロッド部、 30_インターフェース部、 40_判定部、 100_モニター部、 101_画像表示部、 102〜111_静電容量式スイッチ、 112_信号処理回路部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量式スイッチを備えた被検査物を検査するための静電容量式スイッチ検査装置であって、
前記静電容量式スイッチをオン状態及びオフ状態にする検査機構部と、
前記検査機構部を制御するインターフェース部と、
前記静電容量式スイッチにおけるオフ状態の静電容量とオン状態の静電容量との差分に基づいて求められたデルタ値と予め設定された閾値とを比較して前記静電容量式スイッチが良品か不良品かを判断する判定部と、
を備えていることを特徴とする静電容量式スイッチ検査装置。
【請求項2】
前記検査機構部は、
前記被検査物を位置決めして保持する検査テーブルと、
前記検査テーブルに離間して配置された検査端子と、
前記検査端子を保持すると共に、前記検査端子を前記検査テーブルに接近する方向及び前記検査テーブルから離間する方向に移動させる駆動部と、
を備え、
前記検査テーブルに前記被検査物が保持され、かつ前記検査端子を前記検査テーブルに接近させたときに、前記検査端子が前記静電容量式スイッチを所定の圧力で押圧することを特徴とする請求項1記載の静電容量式スイッチ検査装置。
【請求項3】
前記検査端子は、前記静電容量式スイッチに接触する部分が弾性体であることを特徴とする請求項2記載の静電容量式スイッチ検査装置。
【請求項4】
前記弾性体は比誘電率が20〜50の範囲内であることを特徴とする請求項3記載の静電容量式スイッチ検査装置。

【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−108510(P2011−108510A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−262729(P2009−262729)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】