説明

静電容量式タッチパネル操作用手袋

【課題】手袋着用下での静電容量式タッチパネルを使用した表示器の操作が容易にできる静電容量式タッチパネル操作用手袋を実現する。
【解決手段】 静電容量式の表示器を操作する静電容量式タッチパネル操作用手袋において、指先のタッチパネル操作面に設けられ所定面積を有する導電体をを具備したことを特徴とする静電容量式タッチパネル操作用手袋である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手袋着用下での静電容量式タッチパネルを使用した表示器の操作が容易にできる静電容量式タッチパネル操作用手袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
静電容量式タッチパネル操作用手袋に関連する先行技術文献としては次のようなものがある。
【0003】
【特許文献1】特開2001−115319号公報
【0004】
図2は従来より一般に使用されている従来例の構成説明図で、(a)は正面図、(b)は裏面図である。
図において、手袋1は多少伸び縮みする薄手で通気性のある素材(例えば、レース、シルク等)からなり、装着する人の各指が入る親指部2、人さし指部3、中指部4、薬指部5、小指部6を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような装置においては、以下の間題点がある。
静電容量式タッチパネルを操作する際、その原理上、手袋をしていると操作できない。
【0006】
ところで、表示器の表示面をタッチパネルにより操作する場合、タッチパネルは主に、(1)光学式、(2)静電容量式、(3)抵抗膜式の中から選択される。
【0007】
表示器外形寸法(正面視)を画面サイズに対して可能な限り小さくし、かつ手袋での操作を必須条件とする表示器の開発にあたり、下記の問題点がある。
(1)光学式はその構造上画面サイズの周囲にセンサーを配置するため、外形寸法が画面サイズより大きくなる。
(2)静電容量式は手袋を着用しての操作はその動作原理から不可能である。
(3)抵抗膜式はその構造上、表面に抵抗膜FILMを配置するため、屋外や航空機で使用される表示器に要求される、太陽光下での使用に対応するための低反射処理ARコーティングが施せない。
【0008】
本発明の目的は、上記の課題を解決するもので、低反射処理を施したガラスを表面に配置でき、手袋の使用を可能にするために、静電容量式のタッチパネルを採用した表示器での操作を可能にするための静電容量式タッチパネル操作用手袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を達成するために、本発明では、請求項1の静電容量式タッチパネル操作用手袋においては、
静電容量式のタッチパネルを使用する表示器を操作する静電容量式タッチパネル操作用手袋において、指先のタッチパネル操作面に設けられ所定面積を有する導電体を具備したことを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2の静電容量式タッチパネル操作用手袋においては、請求項1記載の静電容量式タッチパネル操作用手袋において、
前記導電体は導電性を有する糸が使用されたことを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項3の静電容量式タッチパネル操作用手袋においては、請求項1記載の静電容量式タッチパネル操作用手袋において、
前記導電体は導電性を有する塗料が使用されたことを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項4の静電容量式タッチパネル操作用手袋においては、請求項1記載の静電容量式タッチパネル操作用手袋において、
前記導電体は導電性を有する樹脂が使用されたことを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項5の静電容量式タッチパネル操作用手袋においては、請求項1記載の静電容量式タッチパネル操作用手袋において、
前記導電体は導電性を有する金属材が使用されたことを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項6の静電容量式タッチパネル操作用手袋においては、請求項1記載の静電容量式タッチパネル操作用手袋において、
前記導電体は導電性を有するゴム材が使用されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1によれば、次のような効果がある。
作業機械・航空機・車両等で必要とされる、手袋着用下での静電容量式タッチパネルを使用した表示器の操作が容易にできる静電容量式タッチパネル操作用手袋が得られる。
【0016】
本発明の請求項2によれば、次のような効果がある。
導電体は導電性を有する糸が使用されたので、容易に手袋に縫い込むことができる静電容量式タッチパネル操作用手袋が得られる。
【0017】
本発明の請求項3によれば、次のような効果がある。
導電体は導電性を有する塗料が使用されたので、容易に導電体の面積を自由に変えることができる静電容量式タッチパネル操作用手袋が得られる。
【0018】
本発明の請求項4によれば、次のような効果がある。
導電体は導電性を有する樹脂が使用されたので、樹脂は成型し易く、製作の容易な静電容量式タッチパネル操作用手袋が得られる。
【0019】
本発明の請求項5によれば、次のような効果がある。
導電体は導電性を有する金属材が使用されたので、金属材は入手し易く、安価な静電容量式タッチパネル操作用手袋が得られる。
【0020】
本発明の請求項6によれば、次のような効果がある。
導電体は導電性を有するゴム材が使用されたので、ゴム材は成型し易く、製作が容易で安価な静電容量式タッチパネル操作用手袋が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例の要部構成説明図で、(a)は正面図、(b)は裏面図である。
図において、図2と同一記号の構成は同一機能を表す。
以下、図2との相違部分のみ説明する。
【0022】
図1において、導電体11は、手袋12の指先13,14,15,16,17のタッチパネル操作面に設けられ所定面積を有する。
この場合は、導電体11は導電性を有する糸が使用されている。
具体的には、導通のある物としては、日本蚕毛染色株式会社製THUNDERON 100D/2X3の糸が使用され、指先のタッチパネル操作に必要な範囲に縫い付けられている。
【0023】
この結果、屋外や航空機で必要とされる、手袋着用下での静電容量式タッチパネルを使用した表示器の操作が容易にできる静電容量式タッチパネル操作用手袋が得られる。
【0024】
導電体11は導電性を有する糸が使用されたので、容易に手袋12に縫い込むことができる静電容量式タッチパネル操作用手袋が得られる。
【0025】
なお、前述の実施例においては、導電体11に付いて、導電性を有する糸が使用されたと説明したが、これに限ることはなく、例えば、導通が得られる塗料のようなものを塗布することや、同じく導通の得られる樹脂を貼り付けること、操作面が傷に対する強度があれば金属類(網や薄板など)や導電性を有するゴム材が使用されても良く、要するに、導電体11であれば良い。
【0026】
導電体11は導電性を有する塗料が使用されれば、容易に導電体11の面積を自由に変えることができる静電容量式タッチパネル操作用手袋が得られる。
【0027】
導電体11は導電性を有する樹脂が使用されれば、樹脂は成型し易く、製作の容易な静電容量式タッチパネル操作用手袋が得られる。
【0028】
導電体11は導電性を有する金属材が使用されれば、金属材は入手し易く、安価な静電容量式タッチパネル操作用手袋が得られる。
【0029】
導電体11は導電性を有するゴム材が使用されれば、ゴム材は成型し易く、製作が容易で安価な静電容量式タッチパネル操作用手袋が得られる。
なお、所定面積には、手袋全体を含む場合が含まれる。
【0030】
なお、以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。
したがって本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形をも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施例の要部構成説明図である。
【図2】従来より一般に使用されている従来例の構成説明図である。
【符号の説明】
【0032】
1 手袋
2 親指部
3 人さし指部
4 中指部
5 薬指部
6 小指部
11 導電体
12 手袋
13 親指部
14 人さし指部
15 中指部
16 薬指部
17 小指部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量式のタッチパネルを使用する表示器を操作する静電容量式タッチパネル操作用手袋において、
指先のタッチパネル操作面に設けられ所定面積を有する導電体を
を具備したことを特徴とする静電容量式タッチパネル操作用手袋。
【請求項2】
前記導電体は導電性を有する糸が使用されたこと
を特徴とする請求項1記載の静電容量式タッチパネル操作用手袋。
【請求項3】
前記導電体は導電性を有する塗料が使用されたこと
を特徴とする請求項1記載の静電容量式タッチパネル操作用手袋。
【請求項4】
前記導電体は導電性を有する樹脂が使用されたこと
を特徴とする請求項1記載の静電容量式タッチパネル操作用手袋。
【請求項5】
前記導電体は導電性を有する金属材が使用されたこと
を特徴とする請求項1記載の静電容量式タッチパネル操作用手袋。
【請求項6】
前記導電体は導電性を有するゴム材が使用されたこと
を特徴とする請求項1記載の静電容量式タッチパネル操作用手袋。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−81896(P2008−81896A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−264759(P2006−264759)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】